JP4599947B2 - 高純度ジアルキルカーボネートの製造方法 - Google Patents
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また、アルコール等の不純物を含有するジエチルカーボネートを電池用電解液の溶媒として用いると、安全性及びサイクル特性を低下させてしまうことがあるため、このサイクル特性を安定及び/又は向上させるための技術として、下記特許文献2が開示されている。この特許文献2のものは、(1)非水溶媒及びリチウムイオンを放出できる含フッ素電解質からなるリチウム二次電池用電解液において、前記非水溶媒中のアルコール類が50ppm未満であることを特徴とするリチウム二次電池用電解液と、(2)非水溶媒及びリチウムイオンを放出できる含フッ素電解質からなるリチウム二次電池用電解液において、前記非水溶媒中のジオール類が20ppm未満であることを特徴とするリチウム二次電池用電解液と、(3)非水溶媒及びリチウムイオンを放出できる含フッ素電解質からなるリチウム二次電池用電解液において、前記非水溶媒中のモノアルコール類が30ppm未満であることを特徴とするリチウム二次電池用電解液とを開示している。
既知量(430ppm)のエタノールを添加したジエチルカーボネート(以下、DEC)900gとトシルイソシアネート(以下、TI)3.3gとを三つ口フラスコ内に投入し、1013hPa、常温で15分撹拌した。次に、三つ口フラスコ(内部は大気圧)の下部をオイルバスに浸し、蒸留温度(より正確には、ト管部分における留出温度)が126℃になるように加熱し、三つ口フラスコ内のDECをト管上部から短管を介してナス型フラスコに留出させた。そして、ナス型フラスコに留出液を865g回収した時点で蒸留を止めた。この留出液を実施例1の留出液とする。
ここでは、精製装置として、実施例1の精製装置のリービッヒ冷却管と受器のナス型フラスコをつなぐ配管の途中部分に真空発生装置を取り付けたものを使用した。
既知量(430ppm)のエタノールを添加したDEC900gとTI3.3gとを三つ口フラスコ内に投入し、常温で15分撹拌した。次に、真空発生装置を起動して三つ口フラスコ内の真空度を293hPaに調節し、かつ、三つ口フラスコ下部をオイルバスに浸して加熱し、ト管上部から短管を介してナス型フラスコにDECを90℃にて留出させた。そして、ナス型フラスコに留出液を875g回収した時点で蒸留を止めた。この留出液を実施例2の留出液とする。
実施例1で用いた装置に既知量(430ppm)のエタノールを添加したDEC900gとTI8.3gを1013hPaの三つ口フラスコ内に投入し、撹拌しながらオイルバスにて加熱し、ト管上部から短管を介してナス型フラスコにDECを126℃にて留出させた。そして、ナス型フラスコに留出液を855g回収した時点で蒸留を止めた。この留出液を実施例3の留出液とする。
実施例1で用いた装置に既知量(430ppm)のエタノールを添加したDEC900gとTI1.6gを1013hPaの三つ口フラスコ内に投入し、撹拌しながらオイルバスにて加熱し、ト管上部から短管を介してナス型フラスコにDECを126℃にて留出させた。そして、ナス型フラスコに留出液を870g回収した時点で蒸留を止めた。この留出液を実施例4の留出液とする。
実施例1で用いた装置に既知量(430ppm)のエタノールを添加したDEC900gとTI1.3gを1013hPaの三つ口フラスコ内に投入し、撹拌しながらオイルバスにて加熱し、ト管上部から短管を介してナス型フラスコにDECを126℃にて留出させた。そして、ナス型フラスコに留出液を864g回収した時点で蒸留を止めた。この留出液を実施例5の留出液とする。
実施例1で用いた装置に既知量(430ppm)のエタノールを添加したDEC900gを1013hPaの三つ口フラスコ内に投入し、撹拌しながらオイルバスにて加熱し、ト管上部から短管を介してナス型フラスコにDECを126℃にて留出させた。そして、ナス型フラスコに留出液を882g回収した時点で蒸留を止めた。この留出液を比較例1の留出液とする。
内径20mmのガラスカラムに加熱乾燥したモレキュラシーブ(4オングストローム)を100ml充填し、430ppmエタノールを添加したDEC250gをポンプにてカラム下部から送液し、50g/分の速さで8時間内部循環させるという吸着処理を行った。この処理後の液体を比較例2の液体とする。
理論段数20段の大型ガラス製蒸留装置に430ppmエタノールを添加したDEC10kgを仕込み、還流比25にて10時間還流蒸留しながら塔頂より2kgの初留液を分離した後、別受器に替え全留出にてDECを留出させるという精密蒸留処理を行った。この留出後の液体を比較例3の留出液とする。
実施例1で用いた装置に既知量(430ppm)のエタノールを添加したDEC900gとTI0.7gを1013hPaの三つ口フラスコ内に投入し、撹拌しながらオイルバスにて加熱し、ト管上部から短管を介してナス型フラスコにDECを126℃にて留出させた。そして、ナス型フラスコに留出液を864g回収した時点で蒸留を止めた。この留出液を比較例4の留出液とする。
さらに、実施例1〜4は、4倍以上の早さで比較例2、3と同様の純度のジエチルカーボネートを得ることができており、非常に効率的であることがわかる。
また、比較例4は、モル比(TI/エタノール)を0.4倍モルとしたものであるが、ジエチルカーボネートの純度が実施例1〜4に比べ、劣ることがわかる。
実施例2と同一装置にて、1000ppmのメタノールを添加したジメチルカーボネート(以下、DMC)900gとTI6.9gとを三つ口フラスコ内に投入し、常温で15分撹拌した。次に、真空発生装置を起動して三つ口フラスコ内の真空度を243hPaに調節し、かつ、三つ口フラスコ下部をオイルバスに浸してオイルバス温度を調節し、ト管上部から短管を介してナス型フラスコにDMCを50℃にて留出させた。そして、ナス型フラスコに留出液を800g回収した時点で蒸留を止めた。この留出液を実施例6の留出液とする。
実施例1で用いた装置に既知量(1000ppm)のメタノールを添加したDMC900gとTI6.9gを1013hPaの三つ口フラスコ内に投入し、撹拌しながらオイルバスにて加熱し、ト管上部から短管を介してナス型フラスコにDECを90℃にて留出させた。そして、ナス型フラスコに留出液を801g回収した時点で蒸留を止めた。この留出液を実施例7の留出液とする。
実施例2と同一装置にて、1000ppmのメタノールを添加したDMC900gとTI6.9gとを三つ口フラスコ内に投入し、常温で15分撹拌した。次に、真空発生装置を起動して三つ口フラスコ内の真空度を1332hPaに調節し、かつ、三つ口フラスコ下部をオイルバスに浸してオイルバス温度を調節し、ト管上部から短管を介してナス型フラスコにDMCを98℃にて留出させた。そして、ナス型フラスコに留出液を801g回収した時点で蒸留を止めた。この留出液を実施例8の留出液とする。
実施例2と同一装置にて,メタノールとエタノールを各500ppm添加したメチルエチルカーボネート(以下、EMC)900gとTI8.4gとを三つ口フラスコ内に投入し、常温で15分撹拌した。次に、真空発生装置を起動して三つ口フラスコ内の真空度を133hPaに調節し、かつ、三つ口フラスコ下部をオイルバスに浸してオイルバス温度を調節し、ト管上部から短管を介してナス型フラスコにEMCを50℃にて留出させた。そして、ナス型フラスコに留出液を830g回収した時点で蒸留を止めた。この留出液を実施例9の留出液とする。
実施例2と同一装置にて、430ppmのメタノールを添加したDEC900gとジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDI)4.3gとを三つ口フラスコ内に投入し、常温で15分撹拌した。次に、真空発生装置を起動して三つ口フラスコ内の真空度を293hPaに調節し、かつ、三つ口フラスコ下部をオイルバスに浸してオイルバス温度を90℃に調節し、ト管上部から短管を介してナス型フラスコにDMCを留出させた。そして、ナス型フラスコに留出液を860g回収した時点で蒸留を止めた。この留出液を比較例5の留出液とする。
Claims (6)
- 残留アルコールを含むジアルキルカーボネートとトシルイソシアネートとを混合し、残留アルコールをウレタン化させる工程と、前記ウレタン化工程後の混合反応物について精製蒸留を行う工程とを含む高純度ジアルキルカーボネートの製造方法。
- 前記ジアルキルカーボネートが吸湿水分をさらに含んでいる請求項1に記載の高純度ジアルキルカーボネートの製造方法。
- 前記トシルイソシアネートを前記アルコールに対して0.5倍モル以上用いる請求項1又は2に記載の高純度ジアルキルカーボネートの製造方法。
- 前記精製蒸留が、ジアルキルカーボネートの標準沸点に10℃加えた温度以下で行われる請求項1〜3のいずれかに記載の高純度ジアルキルカーボネートの製造方法。
- 前記アルコールが1つ以上4つ以下の炭素原子を有するものである請求項1〜4のいずれかに記載の高純度ジアルキルカーボネートの製造方法。
- 前記アルコールが、1種のみ又は2種以上の組合せからなる請求項1〜5のいずれかに記載の高純度ジアルキルカーボネートの製造方法。
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