JP4599082B2 - 眼内レンズのためのカートリッジ - Google Patents

Description

本発明は、インジェクタで使用するための眼内レンズのためのカートリッジに関する。

現代の眼手術分野においては、濁った本来のレンズの人工レンズによる交換は、日常的な処置の一部である。埋込み自体は、例えばＵＳ−Ａ−５６４３２７６号およびＥＰ−Ａ−１２８７７９１号から知られているように、しばしばインジェクタによって行なわれる。

インジェクタは、一部で、人工レンズをより容易にインジェクタ内に挿入し、その中で折り畳むための装置を備えられる。このような装置は、例えばＵＳ６１４３００１号，ＵＳ６４９１６９７号，ＵＳ５９４４７２５号，ＵＳ６３３６９３２号，ＵＳ６３７１９６０号，ＷＯ９６／０３９２４号およびＵＳ２００２／００２２８８１号から知られている。

レンズが配置され，折り畳まれて、カートリッジと共にインジェクタ内に挿入されるカートリッジも知られている。このようなカートリッジは、ＷＯ０２／０５８５９６号およびＵＳ５４９９９８７号に開示されている。

眼手術中に、患者の眼ができるだけ小さくレンズを導入するための切開を受けることが重要である。したがって、眼の中に挿入されるインジェクタの先端ができるだけ小さな直径を有すると有利である。しかしながら、直径の大きさは、特に眼内への注入中にこの先端により押圧されなければならない折り畳まれた人工レンズの大きさによって決定される。

本発明の目的は、それにより簡単にそしてレンズに対する損傷なしに、眼内人工レンズが最小の可能な大きさに持ち来たされ得る装置を創作することにある。

この目的は、請求項１の特徴部分を含むカートリッジにより達成される。

本発明によるカートリッジは、折り畳まれない変形可能なレンズが一対のピンセットによってカートリッジの載置面上に配置され、このレンズがカートリッジ内に一体化された摺動要素によってより小さな大きさに持ち来たされることを可能にする。摺動過程中、レンズは好ましくは丸められる。摺動要素が完全に挿入されると、レンズは、好ましくは既にスルーホール内に配置されており、これを通ってレンズが眼手術中にインジェクタにより射出される。レンズが丸められる間、スルーホールの内壁は、ガイドとして役立ち、結果として生ずる丸められたレンズの直径を決定する。

さらなる有利な実施形態は、従属する請求項に述べられる。

以下は、添付された図面に示されている好適な実施形態に基づいて本発明の概念を説明する。同等の部分は、同じ参照符号で示されている。

図１ａ〜図１ｅは、本発明によるカートリッジの第一の実施形態を示している。変形可能なレンズＬは、このカートリッジ内にて、折り畳まれた形態で配置され、好ましくは丸められ得る。使用中、カートリッジは、インジェクタＩ内に、より詳細にはインジェクタハウジング６の開口内に挿入され、そしてインジェクタのスルーホール８内で移動可能なインジェクタピストン７によって、レンズＬは、カートリッジを通って患者の眼内に注入される。これは、図１ｆから最もよく理解され得る。

上記カートリッジは、中空の通常の円筒状のベース本体１，その上に配置されたケース２，摺動要素３，載置面４および載置面に隣接する湾曲面１１を有している。

上記ベース本体１は、カートリッジの長手軸５を画成する。通路またはスルーホール１０が、この長手軸５に沿って延びている。カートリッジがインジェクタ内に装着されると、このスルーホール１０は、インジェクタのスルーホールと整列する。この例では、湾曲面１１は、スルーホール１１の領域により形成されており、それにより区切られている。

上記ケース２は、ベース本体上にて、その長手側に沿って配置されている。上記摺動要素３は、上記ケース２内で移動可能にガイドされて配置されており、それは長手軸５に垂直な面内で移動可能である。

上記摺動要素３は、好ましくは完全に取りはずされ得る。しかしながら、それはケース２内で移動可能に保持されているが、破壊せずにはそれから取りはずされ得ない実施形態も可能である。

ここに示された例においては、上記載置面４は、摺動要素３上に位置している。上記載置面４は、少なくともほぼ平坦であり、折り畳まれずまたは部分的にのみ折り畳まれた状態のレンズＬを支持するために役立つ。上記載置面４は、良好な摺動特性を備えた材料から製造され、またはこのような特性を有する材料でコーティングされている。

上記ベース本体１は、それを通って上記摺動要素３がケース２の方向に押動され、その中に押し込まれ得る溝１２を含んでいる。このようにして引出しが備えられる。上記溝１２は、上方のストップ縁部１３により制限される。上記摺動要素３がケース２内に押し込まれると、上記レンズＬは、このストップ縁部１３の下で上記摺動要素上をガイドされて摺動する。上記載置面４が湾曲面１１に隣接しているので、上記レンズＬは、上記摺動要素３が押し込まれるとき、この湾曲にしたがって折り畳まれ、または丸められる。

上記摺動要素３は、好ましくはレンズＬの静かな摺動を保証するために構成される端面またはガイド面３０を有している。特に、端面３０は、湾曲され得る。付加的に、または異なる構成では、適宜のコーティングが備えられ得、および／または適宜の材料特にプラスチックから製造され得る。カートリッジの残りの部分は、少なくとも部分的に好ましくは完全にプラスチックから製造される。

レンズＬの折り畳まれまたは丸められた状態において、上記摺動要素３は、好ましくは、それがカートリッジの残りの壁部を超えて挿入領域から離れたケース２の向こう側に突出しないように、ケース２の凹部内に収容される。

上記ケース２は、カートリッジの挿入および除去を容易にするために、カートリッジをインジェクタ内に挿入するときに、保持要素として構成されている。したがって、上記カートリッジは、その場合に、手でまたはピンセットで取り上げられ、インジェクタ内に取り付けられ、そして再びインジェクタから除去され得る。

この例では、上記ケース２は、少なくとも実質的に閉じた構成を有している。これに対して以下に述べられる例においては、上記ケース２は、挿入された摺動要素３と共に少なくともほぼ閉じたユニットを形成している。

上記摺動要素３は、好ましくは、スナップ嵌合式安全装置を備えており、これは摺動要素３が挿入状態に在るとき、嵌合して摺動要素３がずれることを阻止する。ここに示された例では、これは、ケース２の締結突出部２０に係合する突起３１である。

図２ａ〜図２ｅは、第二の実施形態を示している。その機能は、基本的に同じであり、ここでは繰り返されない。しかしながら、既に説明した実施形態と対比して、ケース２および摺動要素３がカートリッジの同じ長手側に配置されており、載置面４は、ケース２により形成されている。この第二の例においては、それが摺動要素と共にケース２内に押し込まれ得るように、載置面４を前述と同様に摺動要素３上に配置することも可能である。

上記カートリッジは、その下でレンズＬが丸めまたは折畳みのためにガイドされて摺動するガイド面２１を有している。上記ガイド面２１は、ベース本体１上またはここに示されているようにケース２上に配置され得る。ここに示された例では、ガイド面２１は、ケース２の内側の少なくともほぼ平坦な面である。

上述した最初の二つの実施形態における少なくともベース本体１は、単一部品構成を有している。双方の例において、上記ケース２は、また好ましくはベース本体１上の単一部品として形成され、このように一体構成部品を表わす。

図３ａ〜図３ｄは、第三の実施形態を示している。ここでも、機能は、再び同じである。しかしながら、この実施形態は、摺動要素３が押し込まれたとき、カートリッジがもう一度開放され得、折り畳まれまたは丸められたレンズの位置および完全さが再び確認され得る、という利点を有している。

上記カートリッジは、長手軸５に平行に旋回し得る二つの翼部１４，１５を備えたベース本体１を含んでいる。上記翼部１４，１５は、ベース本体１の長手側に板様に突出する。上記摺動要素３は、これら二つの翼部のうち第一の翼部上に配置される。第一の翼部１４は、上記載置面４を形成する。第二の翼部１５は、挿入された折り畳まれないレンズＬが二つの翼部１４，１５の間に配置されるように、第一の翼部１４に折り畳まれ得る。上記摺動要素３は、レンズＬの丸めまたは折畳みのために、二つの互いに折り畳まれた翼部１４，１５の間に押し込まれ得る。

翼部１４，１５の少なくとも一方、好ましくは双方が、外側ガイド溝１６を含んでおり、それに沿って上記摺動要素３がガイドされて移動され得る。

上記摺動要素３が少なくとも一側、好ましくは両側に、挿入状態にて翼部１４，１５上の側方に配置されたスナップ嵌合式溝１７と係合するスナップ嵌合式キャッチ３２を備えている。上記スナップ嵌合式キャッチ３２は、好ましくは着脱可能である。二つの翼部１４，１５の一方、好ましくは第二の翼部１５は、丸められまたは折り畳まれたレンズＬを少なくとも部分的に見えるようにするために、上記摺動要素３の挿入状態にて再び折り畳まれ得る。

さらに、上記第一の翼部１４は、ストップ要素１８、この場合高くされた端部領域を有しており、これに対して上記摺動要素３が挿入された状態で載置される。上記摺動要素３内には、弾性的なストップを可能にするバネ要素３３が在る。このようにして、スナップ嵌合式要素として作用する上記スナップ嵌合式キャッチ３２と協働して、カートリッジのスルーホール１０がインジェクタＩのスルーホール８と寸法的に整列されることが保証され得る。

このようなカートリッジによれば、眼内人工レンズが、簡単に、そしてレンズを傷つけることなく、最小の可能な形状に持ち来たされ得る。さらに、カートリッジ内で折り畳まれたレンズは、インジェクタ内で最適に位置決めされ得る。

本発明によるカートリッジの第一の実施形態のレンズが挿入されているが、摺動要素が挿入されていない状態の斜視図である。 摺動要素が部分的に挿入された状態の図１ａによるカートリッジを示す斜視図である。 摺動要素が完全に挿入された状態の図１ａによるカートリッジを示す斜視図である。 インジェクタ内で使用中の図１ａによるカートリッジを示す斜視図である。 摺動要素が部分的に挿入された状態の図１ａによるカートリッジを示す部分断面図である。 図１ｄの縦断面図である。 本発明によるカートリッジの第二の実施形態のレンズが挿入されているが、摺動要素が挿入されていない状態の斜視図である。 摺動要素が部分的に挿入された状態の図２ａによるカートリッジを示す斜視図である。 摺動要素が完全に挿入された状態の図２ａによるカートリッジを示す斜視図である。 インジェクタ内で使用中の図２ａによるカートリッジを示す斜視図である。 摺動要素が部分的に挿入された状態の図２ａによるカートリッジを示す部分断面図である。 図２ｄの縦断面図である。 本発明によるカートリッジの第三の実施形態のレンズが挿入されているが、摺動要素が挿入されていない状態の斜視図である。 摺動要素が部分的に挿入された状態の図３ａによるカートリッジを示す斜視図である。 摺動要素が完全に挿入された状態の図３ａによるカートリッジを示す斜視図である。 インジェクタ内で使用中の図３ａによるカートリッジを示す斜視図である。 図３ｄの縦断面図である。

符号の説明

１ ベース本体
１０ スルーホール
１１ 湾曲面
１２ 溝
１３ 上方のストップ縁部
１４ 第一の翼部
１５ 第二の翼部
１６ 外側ガイド溝
１７ スナップ嵌合式溝
１８ ストップ要素
２ ケース
２０ 締結突出部
２１ ガイド面
３ 摺動要素
３０ 端面またはガイド面
３１ 突起
３２ スナップ嵌合式キャッチ
３３ バネ要素
４ 載置面
５ 長手軸
６ インジェクタハウジング
７ インジェクタピストン
８ インジェクタのスルーホール
Ｉ インジェクタ
Ｌ レンズ

Claims (9)

1. インジェクタ（Ｉ）内で使用するための眼内レンズ（Ｌ）のためのカートリッジにおいて、
   中空の通常の円筒状ベース本体（１）と、
   部分的に折り畳まれまたは折り畳まれない状態にてレンズ（Ｌ）を支持するための少なくともほぼ平坦な載置面（４）と、
   上記載置面（４）に隣接する湾曲面（１１）と、
   上記載置面（４）上に支持された部分的に折畳まれまたは折り畳まれないレンズ（Ｌ）がそれにより上記湾曲面（１１）に沿って摺動されて、折り畳まれ又は丸められる摺動要素（３）と、を有し、
   上記ベース本体（１）上に、長手軸に平行に旋回して、上記ベース本体（１）の長手側にて板様に突出する二つの翼部（１４，１５）が配置されていて、上記摺動要素（３）がこれら二つの翼部（１４，１５）のうち第一の翼部上に配置され、
   上記第一の翼部（１４）が載置面（４）を形成し、載置面（４）上に支持される上記レンズ（Ｌ）が二つの翼部の間に保持されるように、第二の翼部（１５）が第一の翼部（１４）上に折り畳まれ得、上記摺動要素（３）が、レンズ（Ｌ）を丸めまたは折畳むために二つの互いに折り畳まれた翼部（１４，１５）の間に押し込まれ得、
   折り畳まれ、または丸められたレンズの位置および完全さが確認され得るように、前記第二の翼部（１５）は、上記摺動要素３の挿入状態にて再び折り畳まれ得ることを特徴とするカートリッジ。
2. 上記カートリッジがスルーホール（１０）を有しており、それが、インジェクタ（Ｉ）内での使用中にインジェクタ（Ｉ）のスルーホール（８）と整列し、それを通って折り畳まれまたは丸められた状態のレンズ（Ｌ）が患者の眼内に注入され得、
   上記湾曲面（１１）が、カートリッジのスルーホール（１０）の少なくとも一部を形成している
   ことを特徴とする請求項１によるカートリッジ。
3. 上記カートリッジが、それに沿ってレンズ（Ｌ）が患者の眼内に注入され得る長手軸（５）を有しており、
   上記摺動要素（３）が上記長手軸（５）に垂直な面内で移動され得る
   ことを特徴とする請求項１および２のいずれかによるカートリッジ。
4. 上記摺動要素（３）がレンズ（Ｌ）を摺動させるためのガイド面（３０）を有しており、上記ガイド面（３０）が、次のグループ：湾曲した構成を有する，コーティングを備える，プラスチックから製造されるという特性のうち少なくとも一つを有していることを特徴とする請求項１〜３のいずれかによるカートリッジ。
5. 上記摺動要素（３）が、スナップ嵌合式安全装置（２０，３１；１７，３２）を備えていることを特徴とする請求項１〜４のいずれかによるカートリッジ。
6. 翼部の少なくとも一方が、外側ガイド溝（１６）を有していて、それに沿って上記摺動要素（３）がガイドされて移動され得ることを特徴とする請求項１〜５のいずれかによるカートリッジ。
7. 上記摺動要素（３）が、少なくとも一側に、挿入状態で翼部（１４，１５）上の側方に配置されたスナップ嵌合式溝（１７）内に係合するスナップ嵌合式キャッチ（３２）を備えていることを特徴とする、請求項１〜６のいずれかによるカートリッジ。
8. 上記スナップ嵌合式キャッチ（３２）が着脱可能であることを特徴とする請求項７によるカートリッジ。
9. 上記摺動要素（３）が、挿入状態で上記第一の翼部（１４）のストップ要素（１８）に対して弾性的に載置されることを特徴とする請求項１〜８のいずれかによるカートリッジ。

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