JP4598834B2 - 洗浄装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内部に狭隘部位を有する被洗浄ワークを洗浄する洗浄装置に関するものである。
自動車部品などの機械部品の製造工程では、機械加工の後にバリや切り粉、油分など、加工過程において付着した異物を除去するための洗浄が行われる。このような機械部品の洗浄方法として、従来より水系や炭化水素系などの洗浄液に被洗浄ワークを浸漬した状態で超音波振動を作用させて異物を除去する超音波洗浄が広く用いられている。この超音波洗浄では、溝や内部孔などの狭隘部位に対しては洗浄効果が不十分であり、さらにこれらの狭隘部位には洗浄液が残留しやすいことから、このような狭隘部位を有する機械部品を対象として、減圧雰囲気下で洗浄を行う方法が用いられるようになっている(例えば特許文献1,2参照)。
これらはいずれも減圧によって洗浄液の沸点が急激に低下して生じる突沸現象を利用するものであり、洗浄液が付着した状態の機械部品を減圧雰囲気下に置き、隙間部や袋穴内部などの狭隘部位において洗浄液の突沸を生じさせることにより、これらの狭隘部位に液滴状態で残留する洗浄液を異物とともに除去するようにしている。
特開平8−290133号公報 特開2002−192091号公報
ところで近年、洗浄対象となる機械部品は機能高度化によってより精密度が向上し、これらの精密部品を対象とする洗浄方式においては、従来と比較して格段の洗浄性能が求められるようになっている。例えば、ディーゼルエンジンの燃料噴射系に用いられるノズル部品では、排ガス対策や燃費向上の要請から噴射圧力が高圧化した結果、ノズル孔径は従来と比較して微細化しており、洗浄工程においては極めて微細な残渣まで除去することが要求されるようになっている。しかしながらこのような微細なノズル孔はノズル部品の内部に加工されていることから、従来の洗浄方式では洗浄作用を有効に洗浄対象部位に及ぼすことが困難で、十分な洗浄性能を確保することができなかった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、上述のノズル部品など、内部に形成された狭隘部を洗浄対象部位に含む被洗浄ワークを対象として、十分な洗浄性能を確保することが可能な洗浄装置を提供することを目的とする。
本発明の洗浄装置は、デイーゼルエンジンの燃料噴射系に用いられ、内部に内径が100μm程度の微細孔が設けられた狭隘部を洗浄対象部位に含む被洗浄ワークを洗浄液によって洗浄する洗浄装置であって、少なくとも前記洗浄対象部位の被洗浄面の表面温度が前記洗浄液についてライデンフロスト現象が発生する温度に加熱された前記被洗浄ワークを保持する保持手段と、前記保持手段に保持された被洗浄ワークの洗浄対象部位に前記狭隘部が被洗浄ワークの端面に開口した開孔から前記洗浄液を供給する洗浄液供給手段とを備え、前記加熱された被洗浄面に前記洗浄液が接触して生じるライデンフロスト現象によって発生した液滴を、前記洗浄液が部分的に蒸発した蒸気が前記狭隘部の内部から前記開孔に向かう流れによって、前記被洗浄面に沿って前記狭隘部の内部から前記開孔に向かって流動させ、前記被洗浄面に付着した異物を前記液滴によって捕集して前記洗浄対象部位から除去する。
本発明によれば、少なくとも被洗浄面の表面温度が使用される洗浄液についてライデンフロスト現象が発生する温度に加熱された被洗浄ワークの洗浄対象部位に洗浄液を供給し、加熱された被洗浄面に洗浄液が接触して生じるライデンフロスト現象の作用によって被洗浄面に付着した異物を除去する方法を用いることにより、内部に形成された狭隘部を洗浄対象部位に含む被洗浄ワークを対象として、十分な洗浄性能を確保することができる。
次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態の洗浄装置の構成説明図、図2は本発明の一実施の形態の洗浄方法における被洗浄ワークの断面図、図3は本発明の一実施の形態の洗浄装置に用いられる洗浄チャンバーの断面図、図4は本発明の一実施の形態の洗浄方法の工程説明図、図5は本発明の一実施の形態の洗浄装置に用いられる液供給ノズルの構造説明図、図6は本発明の一実施の形態の洗浄装置の構成説明図である。
まず図1を参照して、本発明の洗浄装置の構成を説明する。図1において洗浄装置1は、洗浄機構2および洗浄機構2において使用される洗浄液を供給する洗浄液供給部6を備えた構成となっている。洗浄機構2は、内部に被洗浄ワークであるノズル部品5を収容して洗浄処理を行う処理室3aが形成された洗浄チャンバ3を主体としており、処理室3aの上部は蓋開閉機構4によって駆動される蓋部材3bによって開閉自在となっている。ノズル部品5は蓋部材3bを開放した状態で処理室3a内に搬入される。
処理室3a内には、ノズル部品5に対してそれぞれ下方および側方から洗浄液を供給するためのノズルユニット7、8が配設されており、ノズルユニット7、8にはそれぞれ複数の洗浄ノズル7a、8aが装着されている。処理室3a内においてノズル部品5の洗浄対象部位に対して洗浄液11を供給することにより、後述するようにライデンフロスト現象を応用した洗浄処理が行われる。洗浄液11としては、ここでは沸点温度が低く蒸発潜熱が小さいHFE(ハイドロフルオロエーテル)などのフッ素系の洗浄液が使用される。もちろん沸点温度や蒸発潜熱などの必要条件を満たすものであれば、炭化水素系の洗浄液など多種類の液体を洗浄液として用いることができる。
洗浄チャンバ3の下方に配設された洗浄液供給部6は、洗浄処理に使用される洗浄液11を収容する洗浄液タンク10を備えており、洗浄液タンク10内の洗浄液11は、洗浄液供給管路12を介して洗浄機構2に供給される。洗浄液供給管路12には、洗浄液供給ポンプ13、フィルタ14が介設されており、洗浄液タンク10から吸引され洗浄液供給ポンプ13によって圧送された洗浄液11はフィルタ14によって濾過される。
濾過によって固形異物が分離された洗浄液11は、分岐した液供給管12a、12bを介してノズルユニット7、8に送給され、それぞれ装着された洗浄ノズル7a、8aから、ノズル部品5に対して噴射により供給される。液供給管12a、12bにはそれぞれ開閉バルブ15、16が設けられており、開閉バルブ15、16を開閉することによりノズルユニット7、8からの洗浄液11の供給をオンオフすることができる。ノズル部品5に対して供給され、洗浄処理に使用された後の洗浄液11は、洗浄チャンバ3の下部に設けられた液回収部3cを介して洗浄液タンク10内に回収される。
洗浄チャンバ3の上方には処理室3aの内部を加熱するためのハロゲンランプ17が配設されている。蓋部材3bを開放した状態でドライバ18によってハロゲンランプ17を作動させることにより、処理室3a内にはハロゲン光が照射され、これにより処理室3aの内部が加熱され、ノズル部品5が昇温する。本実施の形態においては、ノズル部品5の洗浄対象部位の表面温度が、使用される洗浄液11についてライデンフロスト現象が発生するための温度より高くなるように加熱条件を設定する。
ここで図2を参照して、ノズル部品5の詳細構造を説明する。ノズル部品5はディーゼルエンジンの燃料噴射系に用いられるDDL型のインジェクションノズルである。ノズル部品5は、それぞれ径寸法の異なる3つの円筒部5a、5b、5cを有する段付形状となっており、円筒部5a、5b、5cの内部には、円筒部5aの端面に開口した開孔5eおよび開孔5eから内部に連通して形成された空隙部5f、ニードル孔5gなどの狭隘部が設けられている。
ニードル孔5gの端部は円筒部5cの先端に設けられた突部5dまで到達しており、ニードル孔5gには燃料噴射を制御するノズルニードルが嵌合し、突部5dにはニードル孔5gと連通して外部へ開孔した噴射孔5iが設けられている。ノズル部品5は、コモンレールシステムの燃料噴射系に用いられるものであり、噴射圧力が高いことから、噴射孔5iは内径が100μm程度の微細孔となっている。また円筒部5aの端面と空隙部5fの間には、燃料供給用の細孔5hが設けられている。
このようなノズル部品5を対象とした洗浄においては、開孔5eから奥部の空隙部5f、ニードル孔5gを主な洗浄対象部位とし、被洗浄面であるニードル孔5gの内表面5jに付着した極めて微細な異物を完全に除去することが求められる。本実施の形態においては、前工程で脱脂や粗ゴミ除去を目的とした粗洗浄工程が行われ所定の予熱温度まで加熱されたノズル部品5を対象として、上述のライデンフロスト現象を応用した洗浄処理が仕上げ洗浄として行われる。すなわち洗浄装置1は、内部に形成された狭隘部を洗浄対象部位に含む被洗浄ワークとしてのノズル部品5を、洗浄液によって高い洗浄品質で洗浄する用途に用いられるものである。
次に図3を参照して、洗浄機構2の構造を説明する。洗浄チャンバ3は上部が開口し下部が円錐状に絞られた円筒形状の部材であり、上方の開口部は蓋部材3bによって開閉される。図1に示す蓋開閉機構4の構成例を説明する。蓋部材3bの中央には軸部材4dが結合されており、軸部材4dは連結部材4cを介してエアアクチュエータ4aのロッド4bに連結されている。エアアクチュエータ4aを昇降駆動することにより連結部材4cが昇降し(矢印a)、これにより蓋部材3bが洗浄チャンバ3から昇降する。蓋部材3bが上昇した状態でエアアクチュエータ4aを回転駆動することにより、連結部材4cがロッド4bの軸廻りに回転し(矢印b)、これにより蓋部材3bは洗浄チャンバ3の上方から水平方向に離脱し、処理室3aが開放された状態となる。蓋部材3bの上面には複数の蓋クランプ機構4eが設けられており、蓋部材3bが洗浄チャンバ3の上面に装着された状態で蓋クランプ機構4eを作動させることにより、蓋部材3bは洗浄チャンバ3の本体にクランプされ、処理室3aの上方が閉塞される。
処理室3a内においてノズル部品5を保持するワーク保持機構20について説明する。洗浄チャンバ3の一方側の側面にはベアリングを内蔵した軸受けブロック21が固着されており、軸受けブロック21は洗浄チャンバ3を貫通して水平姿勢で配設された回転軸22を回転自在に支持する。回転軸22には同軸の駆動ロッド23が相互に回転自在にまた水平方向に摺動自在に挿通している。回転軸22が処理室3a内に突出した一端部にはクランプ機構24が結合されており、クランプ機構24にはノズル部品5を側面からクランプして把持するためのクランプ部材25が装着されている。
回転軸22にはプーリ26が結合されており、プーリ26とモータ29の回転軸29aに結合されたプーリ28にはベルト27が調帯されている。モータ29を駆動することにより回転軸22が回転し(矢印c)、これにより、クランプ部材25によって把持されたノズル部品5が垂直面内で回動する。このノズル部品5の回動は、ノズル部品5を水平面と所定の傾斜角(ここでは90°)をなす傾斜面内で移動させることにより、ノズル部品5の洗浄対象部位であるニードル孔5gを傾斜姿勢にするために行われる。
回転軸22を挿通して設けられた駆動ロッド23の一端部はクランプ機構24に結合されており、駆動ロッド23の他端部は回転接手31を介してシリンダ30のロッド30aに結合されている。シリンダ30を駆動することにより駆動ロッド23が往復動し(矢印d)、これによりクランプ機構24が駆動されて、2つのクランプ部材25がノズル部品5をクランプして把持するための開閉動作を行う。
洗浄処理は、ノズル部品5がクランプ部材25によってクランプされた状態で行われる。この洗浄処理において、洗浄液11はノズル部品5に対して下方からノズルユニット7の洗浄ノズル7aによって噴射され、側方からノズルユニット8の洗浄ノズル8aによって噴射される。このとき、洗浄ノズル7aは、ニードル孔5g内に洗浄液11が供給されるよう、ノズル部品5における開孔5eの位置に対応して配置され、洗浄ノズル8aはノズル部品5の側面における洗浄対象部位の位置に応じて配置される。
この洗浄処理においては、前工程で予め処理温度まで加熱されたノズル部品5を対象とし、ニードル孔5gの内部の内表面5jなど加熱された被洗浄面に洗浄液11を供給して接触させ、この洗浄液11と被洗浄面との接触によってライデンフロスト現象を発生させる。そしてライデンフロスト現象により発生した液滴を被洗浄面に沿って流動させ、被洗浄面に付着した異物をこれらの液滴によって捕集して、洗浄対象部位であるニードル孔5gの内部から液滴ごと除去するようにしている。
上記構成において、ワーク保持機構20は処理温度に加熱されたノズル部品5を保持する保持手段となっている。そして洗浄液供給部6は、この保持手段に保持された被洗浄ワークであるノズル部品5の洗浄対象部位に洗浄液11を供給する洗浄液供給手段となっている。さらにワーク保持機構20は、ノズル部品5を水平面と所定の傾斜角をなす傾斜面内で移動させることにより洗浄対象部位を傾斜姿勢にするワーク移動手段として機能する。
次に図4を参照して、洗浄装置1を用いてノズル部品5を洗浄液11によって洗浄する洗浄方法について説明する。なお図4においては、ノズル部品5においてニードル孔5gのみを示してその他の部分の詳細の図示を省略している。図4(a)は、洗浄装置1による洗浄処理の前のノズル部品5の断面を示している。ここでは前工程にて炭化水素系の洗浄液を用いて実行された粗洗浄工程後の状態、すなわち機械加工にて生じて残留付着した切り粉の除去や脱脂を目的とする洗浄が行われた後のノズル部品5のニードル孔5g内の状態を示しており、被洗浄面である内表面5jには、粗洗浄で除去され図に残留した微細な異物32が付着している。
この状態において、ノズル部品5は少なくとも内表面5jの表面温度が予め設定された処理温度以上となるように加熱されている。この処理温度は、使用される洗浄液11について、ライデンフロスト現象が発生する温度である。例えば、洗浄液11としてHFCを用いる場合には、処理温度は90℃以上に設定される。この処理温度の設定は、種々の加熱条件で対象となるノズル部品5を実際に昇温させ、当該種類の洗浄液11についてライデンフロスト現象が発生するか否かを観察によって確認する条件出し作業の結果に基づいて決定される。
図4(b)は、ノズル部品5をクランプ部材25によってクランプすることにより処理室3a内にノズル部品5がセットされ、洗浄ノズル7aによって開孔5eに対して洗浄液11を噴射した状態を示している。この洗浄液11の噴射により、ニードル孔5g内には液滴11aが進入し、被洗浄面である内表面5jに接触する。なお洗浄ノズル7aによる洗浄液11の噴射に際しては、ニードル孔5g内に過大な量の洗浄液11が供給されてライデンフロスト現象の発生が阻害されることのないよう、洗浄ノズル7aのノズル形態、ノズルサイズ、噴射圧力が設定される。
このように洗浄液11が供給された状態において、ノズル部品5は予め加熱されて内表面5jの表面温度は洗浄液11についてライデンフロスト現象が発生する温度となっていることから、洗浄液11は内表面5jに直接接触せず、図4(c)に示すように、内表面5jに接触した一部が急速に気化することにより被洗浄面に形成された蒸気層11bを介して、間接的に内表面5jに接触する。この状態において蒸気層11bは断熱層として作用することから内表面5jから液滴11aへの伝熱が阻害される。これにより、洗浄液11の気化が進行せずに表面張力によって液滴11aの状態を保ち、これらの液滴11aは内表面5jに沿って流動する。
このとき、洗浄液11が部分的に蒸発した蒸気はニードル孔5gの内部から開孔5eに向かう流れとなり、この流れによって液滴11aはニードル孔5gの内部から開孔5eに向かって移動する。そしてこの液滴11aの流動過程において、内表面5jに付着した異物32は液滴11aの表面張力によって捕捉・捕集され、液滴11aと共に移動する。そして図4(d)に示すように、このようにして異物32を捕集した液滴11aが開孔5eから外部に排出されることにより、内表面5jに付着した状態で残留した異物32はニードル孔5gから除去される。この液滴11aの排出は、液滴11aが部分的に蒸発した蒸気の流れによる流動と共に、ノズル部品5を垂直面内で回動させてニードル孔5gを下向きにして液滴11aを重力によって落下流動させることによって行われる。
すなわち上述の洗浄方法は、少なくとも洗浄対象部位であるニードル孔5gの被洗浄面の表面温度が洗浄液についてライデンフロスト現象が発生する温度に加熱された被洗浄ワークであるノズル部品5の洗浄対象部位に洗浄液11を供給し、加熱された被洗浄面に洗浄液11が接触して生じるライデンフロスト現象の作用により、被洗浄面に付着した異物32を除去する異物除去工程を含む形態となっている。そしてこの異物除去工程は、被洗浄面に接触した洗浄液11の一部が気化することにより被洗浄面に形成された蒸気層11bを介して洗浄液11が被洗浄面に沿って液滴11aの状態で流動する状態を発生させる液滴流動状態形成工程、被洗浄面に付着した異物32を液滴11aによって捕集する異物捕集工程、異物32を捕集した液滴11aを洗浄液11が気化した蒸気の流れによって移動させることにより洗浄対象部位から排除する液滴移動工程を含む形態となっている。
また、ノズル部品5を水平面と所定の傾斜角をなす傾斜面内で移動させることによりニードル孔5gを傾斜姿勢にし、液滴移動工程において蒸気の流れによる液滴11aの移動に加えて、重力によって液滴11aに作用する力により液滴11aをニードル孔5gから排除するようにしている。なお本実施の形態に示すノズル部品5のように、洗浄対象部位としての止まり穴であるニードル孔5gが1つのみである場合には、予めニードル孔5gの開孔5eが下向きになるようにセットすれば、ノズル部品5を回動させる必要はない。
これに対し、洗浄対象部位としての止り穴が異なる方向に複数設けられた被洗浄ワークを対象とする場合には、これらの止り穴の開孔が順次下向きとなるように被洗浄ワークを回動させる。この被洗浄ワークの移動の形態としては、洗浄対象部位を傾斜姿勢にすることが可能な形態であれば、垂直面内での回動以外にも傾斜面内での回動や、水平軸廻りの揺動など、各種の動作パターンを選定することができる。
なお上記実施の形態においては、ノズル部品5を前工程において予め所定の処理温度まで加熱しておき、さらにハロゲンランプ17によってハロゲン光を照射してさらにノズル部品5を加熱することにより、ノズル部品5をライデンフロスト現象が発生する温度に保持するようにしているが、上述の異物除去工程においてクランプ部材25に把持されて保持されたノズル部品5に加熱手段によって熱を供給して加熱し、少なくともニードル孔5gの内表面5jをライデンフロスト現象が発生する温度に保持するようにしてもよい。この加熱手段としては、ノズル部品5に直接接触して保持するクランプ部材25を介して、電気ヒータなどの熱源からの熱をノズル部品5に伝達する方法を用いることができる。
なおノズル部品5のニードル孔5gの内部を洗浄対象とする場合のように、洗浄対象の狭隘部が被洗浄ワークの表面に開孔した止まり穴の内部のみであるような場合には、図1に示す洗浄ノズル7aに替えて、図5に示すような構造の洗浄ノズル33を用いることができる。この例においては洗浄ノズル33には、止まり穴であるニードル孔5gの内部へ挿入可能な形状のニードルノズル33aが装着されている。すなわちこの例では、洗浄装置1は被洗浄面へ洗浄液11の液滴11aを供給する液供給ノズルであるニードルノズル33aを備えた形態となっておる。
この構成によれば、ニードル孔5gの最奥部の被洗浄面まで液滴11aを確実に供給することができる。これにより、液滴11aがニードル孔5gの最奥部に接触して気化した蒸気が開孔5eに向かって流動する際に、ライデンフロスト現象によって浮遊流動状態にある液滴11aを確実に排出することが可能となる。したがって、洗浄ノズル7aのように開孔5eの外部から洗浄液11を噴射してニードル孔5g内に供給する方法と比較して、少量の洗浄液11によってより良好な洗浄効果を得ることができる。
また洗浄ノズル33には開孔5eに対向して近接する位置に、吸引用開口33bが設けられており、吸引用開口33bは吸引路33cを介して吸引装置34に接続されている。吸引装置34としては、エダクタなど液体を吸引可能なものがもちいられ、吸引装置34を駆動することにより吸引用開口33bから吸引する。ニードルノズル33aから液滴11aを吐出しながらニードル孔5gの内部を洗浄する際に吸引装置34を駆動することにより、ニードル孔5g内を洗浄した後に開孔5eから排出される液滴11aは、吸引用開口33bから周囲の空気と共に吸引される。
すなわち、洗浄ノズル33に設けられた吸引用開口33bおよび吸引装置34は、ノズル部品5の表面におけるニードル孔5gの開孔5eに近接して設けられ、ニードル孔5gの洗浄に用いられて開孔5eから排出される洗浄液を吸引して除去する洗浄液吸引手段となっている。このような洗浄液吸引手段を備えることにより、開孔5eから排出される異物を含んだ液滴11aがノズル部品5の外面に再付着して汚染することが防止される。
また、図1に示す洗浄装置1に換えて、図6の洗浄装置1Aに示すような構成を用いてもよい。洗浄装置1Aは、洗浄装置1に加えて処理室3a内を真空排気する真空排気部40を備えることにより、減圧下での洗浄処理を可能としたものである。図6に示すように、液回収部3cは開閉バルブ36によって開閉可能な排液タンク35に接続されており、開閉バルブ36を閉にした状態では排液タンク35は外部と遮断され、処理室3aは外部に対して密閉状態となる。処理室3a内を密閉した状態での洗浄処理に使用された洗浄液11は、排液タンク35内に一時的に貯留される。排液タンク35内に貯留された洗浄液11は、開閉バルブ36を開にすることにより下方の洗浄液タンク10に回収される。
真空排気部40の構成を説明する。洗浄チャンバ3につなぎ込まれた排気管41は開閉バルブ42を介してコンデンサ43と接続され、さらにキャッチャータンク45に接続されている。コンデンサ43の内部には、冷却器44によって冷却水が循環し処理室3aからの排気中の蒸気を液化することができる。キャッチャータンク45の内部は開閉バルブ46を介して排気ポンプ47に接続されており、さらにキャッチャータンク45は開閉バルブ48を介して接続された液回収管49と連通している。
開閉バルブ42を開にし開閉バルブ48を閉にした状態で、排気ポンプ47を駆動することにより、キャッチャータンク45、コンデンサ43、排気管41を介して処理室3a内が真空排気されて減圧される。これにより、ノズル部品5を対象とした洗浄処理を減圧下の条件で行うことができる。このとき、吸引された気液混合状態の洗浄液11はコンデンサ43によって凝縮されて液化し、キャッチャータンク45に貯留される。洗浄サイクルが終了した後に開閉バルブ48を開放することにより、キャッチャータンク45内に貯留された洗浄液11は洗浄液タンク10に回収される。
このように、処理室3a内における洗浄処理を減圧下で行うことにより、洗浄液11の沸点温度を低下させることができ、より低温条件で洗浄を行うことができ、ライデンフロスト現象をより好ましい条件で発生させることが可能となるとともに、ライデンフロスト現象による洗浄効果に加えて、洗浄対象部位となる止まり穴の内部で洗浄液が突沸することによる異物除去効果を得ることができる。なお処理室3a内を減圧する場合の目標圧力や減圧を開始するタイミングは、使用する洗浄液11の種類や被洗浄ワークの形状等に応じて最適な洗浄結果を与える条件を実証的に求める条件出し作業の結果によって決定される。
また上述例においては、被洗浄ワークがディーゼルエンジンの燃料噴射系に用いられるDDL型のノズル部品5である場合を示したが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、洗浄対象部位となる狭隘部を有するものであれば、より複雑な形状を有する部品であってもよい。また、狭隘部以外のワーク外面など平面形状の洗浄対象部位においても、同様にライデンフロスト現象を応用した液滴の異物捕集作用による洗浄処理を適用することができるのは言うまでもない。
本発明の洗浄装置は、内部に形成された狭隘部を洗浄対象部位に含む被洗浄ワークを対象として、十分な洗浄性能を確保することができるという特徴を有し、自動車部品などの精密加工部品の洗浄の用途に有用である。
本発明の一実施の形態の洗浄装置の構成説明図 本発明の一実施の形態の洗浄方法における被洗浄ワークの断面図 本発明の一実施の形態の洗浄装置に用いられる洗浄チャンバーの断面図 本発明の一実施の形態の洗浄方法の工程説明図 本発明の一実施の形態の洗浄装置に用いられる液供給ノズルの構造説明図 本発明の一実施の形態の洗浄装置の構成説明図
符号の説明
1、1A 洗浄装置
2 洗浄機構
3 洗浄チャンバ
3a 処理室
3b 蓋部材
5 ノズル部品
5g ニードル孔
5j 内表面
6 洗浄液供給部
7、8 ノズルユニット
10 洗浄液タンク
11 洗浄液
11a 液滴
11b 蒸気層
12 洗浄液供給管路
17 ハロゲンランプ
20 ワーク保持機構
24 クランプ機構
25 クランプ部材
32 異物

Claims (4)

  1. デイーゼルエンジンの燃料噴射系に用いられ、内部に内径が100μm程度の微細孔が設けられた狭隘部を洗浄対象部位に含む被洗浄ワークを洗浄液によって洗浄する洗浄装置であって、
    少なくとも前記洗浄対象部位の被洗浄面の表面温度が前記洗浄液についてライデンフロスト現象が発生する温度に加熱された前記被洗浄ワークを保持する保持手段と、前記保持手段に保持された被洗浄ワークの洗浄対象部位に前記狭隘部が被洗浄ワークの端面に開口した開孔から前記洗浄液を供給する洗浄液供給手段とを備え、
    前記加熱された被洗浄面に前記洗浄液が接触して生じるライデンフロスト現象によって発生した液滴を、前記洗浄液が部分的に蒸発した蒸気が前記狭隘部の内部から前記開孔に向かう流れによって、前記被洗浄面に沿って前記狭隘部の内部から前記開孔に向かって流動させ、前記被洗浄面に付着した異物を前記液滴によって捕集して前記洗浄対象部位から除去することを特徴とする洗浄装置。
  2. 前記保持手段に保持された被洗浄ワークを前記ライデンフロスト現象が発生する温度に保持する加熱手段を備えたことを特徴とする請求項記載の洗浄装置。
  3. 前記被洗浄ワークを水平面と所定の傾斜角をなす傾斜面内で移動させることにより前記洗浄対象部位を傾斜姿勢にするワーク移動手段を備え、
    前記異物を捕集した液滴を前記洗浄対象部位から除去するに際し、重力によって前記液滴に作用する力により、前記液滴を前記洗浄対象部位から排除することを特徴とする請求項または記載の洗浄装置。
  4. 前記狭隘部は前記被洗浄ワークの表面に開孔した止まり穴の内部であり、この止まり穴の内部へ挿入されて前記被洗浄面へ洗浄液を供給する液供給ノズルを備えたことを特徴とする請求項乃至記載の洗浄装置。
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