JP4596746B2 - 光学素子、光学系および投映プロジェクタ装置 - Google Patents

光学素子、光学系および投映プロジェクタ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はダイクロイック膜を有する色分解/合成プリズムや偏光分離膜を有する偏光ビームスプリッタ等の多層膜を有する光学素子、光学系および投映プロジェクタ装置に関し、詳しくは、多層膜が形成された透光性光学部材と、他の透光性光学部材とを接合剤を用いて接合してなる光学素子、この光学素子を用いた光学系、および投映プロジェクタ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばカラー用液晶投映プロジェクタ装置等の照明光学系において、光源光を3色に色分解したり、各色ライトバルブからの変調光を合成するためにダイクロイック多層膜が施された色分解/色合成プリズムが用いられている。また、このような光学系、特に、ライトバルブとして反射型液晶素子等を用いる場合には、このライトバルブへの入射光束と出射光束を分離するために偏光分離膜が施された偏光ビームスプリッタが用いられることがある。
【0003】
このような色分解/色合成プリズムや偏光ビームスプリッタは、上述したような多層膜が形成されたガラスプリズム部材と他のガラスプリズム部材とを、この多層膜を内側として接着することにより形成されている。
このような多層膜は、可視光波長域全域に亘る良好な分光透過特性および分光反射特性を維持することが要求される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したカラー用液晶プロジェクタ装置等の照明にはメタルハライドランプ、キセノンランプ、タングステンハロゲンランプ、超高圧水銀ランプ等が使用され、光源照明光学系・色分離合成光学系においては、このようなプリズムが強い光源光を照射され続けられる。中でも、超高圧水銀ランプは高輝度点光源、長寿命という特長から多用されるようになってきているが、特に350〜430nmの波長域を含む高出力(例えば、1.5KW以上)の照射光であるため、上記ガラスプリズム同士を接合する接合剤の構成物質が有機化学反応をおこし、酸化物からなる多層膜の構成物質を還元する。このような状態となると、多層膜が光を吸収するようになることから光透過率や光反射率が低下し、さらに分光反射特性が不正なリップルを有するようになる。このような現象は、上記多層膜の最上層がTiO2層である場合には特に顕著であり、その対策が急務とされていた。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、2つの透光性光学部材を、該多層膜を挟むようにし接合剤を用いて接合してなる光学素子において、該接合剤の構成物質と該多層膜の構成物質中の酸素とが結合するのを抑制して、該光学素子の光透過率および光反射率の低下を防止し得るとともに分光反射特性に不正なリップルが発生するのを防止し得る光学素子、光学系および投映プロジェクタ装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の光学素子は、多層膜が形成された第1の透光性光学部材と、該第1の透光性光学部材と対向配置された第2の透光性光学部材とを、前記多層膜を挟むように接合剤を用いて接合してなる光学素子であって、
前記多層膜と前記接合剤との間に、前記接合剤の構成物質と前記多層膜の構成物質中の酸素が互いに結合するのを防止する、ランタンアルミネートから構成されてなるバリア層を設けたことを特徴とするものである。
また、前記ランタンアルミネートは、La 2x Al 2y O 3(x+y) (ただし、y/x=3.0または3.3))、あるいは、La 2x Al 2y O 3(x+y) (ただし、y/x=1.0)とすることが好ましい。
【0008】
また、前記多層膜がTiO2層を少なくとも前記バリア層と接する最上層に設けてなる場合に特に有用である。
【0009】
また、前記接合剤がエポキシ系、アクリル系およびポリエステル系の中から選択される接着剤である場合に特に有用である。
【0010】
また、上記光学素子は、前記多層膜がダイクロイック膜とされた色分解/合成プリズム、または前記多層膜が偏光分離膜とされた偏光ビームスプリッタ等からなる。
【0011】
ここで色分解/合成プリズムは、色分解プリズムと色合成プリズムのいずれかとして機能する場合であってもよいし、これら両者として機能する場合であってもよい。
【0012】
また、本発明の光学系は、上記いずれかの光学素子が配設されてなることを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明の投映プロジェクタ装置は、上記いずれかの光学素子を搭載してなることを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係る光学素子、光学系および投映プロジェクタについて、図面を参照しながら説明する。
【0015】
図2は、本実施形態に係る光学素子が配設された光学系および投映プロジェクタ装置を示す概略図である。なお、この場合において、本発明の光学素子、光学系および投映プロジェクタ装置は、各々、偏光ビームスプリッタ、照明光学系、および反射型液晶投映プロジェクタ装置からなる。また、偏光分離膜およびバリア層は偏光ビームスプリッタの偏光分離面に配されているが、詳しくは後述する。
【0016】
図2において、無偏光白色光として光源103から出力された照明光は、偏光板104により所定のS偏光に揃えられ、偏光ビームスプリッタ5に入射する。ここで、光源103には、光の有効利用を図るためのリフレクタが設けられている。また、この光源103としては、一般に超高圧水銀ランプが用いられるが、その他メタルハライドランプ、キセノンランプ、タングステンハロゲンランプ等の使用が可能である。
【0017】
偏光ビームスプリッタ5に入射した照明光はS偏光とされているので偏光分離面5Aにおいて反射され、この偏光ビームスプリッタ5と接合している色分解合成プリズム1に入射する。なお、本実施形態においては偏光分離面5Aの構成がポイントとなるので、この部分の詳細については後述する。
【0018】
上記色分解合成プリズム1は、3つのプリズム1A、1B、1Cを組み合わせてなる。すなわち、光軸に沿って偏光ビームスプリッタ5側から順に第1のプリズム1A、第2のプリズム1Bおよび第3のプリズム1Cが配列され、第1のプリズム1Aと第2のプリズム1Bは緑色光のみを反射する第1のダイクロイック層101Dを介して接合され、さらに第2のプリズム1Bと第3のプリズム1Cとは赤色光を反射し、青色光を透過する第2のダイクロイック層101Eを介して接合されている。これにより、第1のプリズム1Aからこの色分解合成プリズム1に入射した光束はG、B、R3原色光に分解され、さらに、各色光毎に対応するプリズム1A、1B、1Cの光入出射端面101A、101B、101Cから射出されるとともに、各色光に対応する反射型液晶表示パネル2、3、4上に照射され、これらの液晶表示パネル2、3、4上に形成された各色光の被写体像情報を担持した状態で、対応する各プリズム1A、1B、1Cの光入出射端面101A、101B、101Cに再入射せしめられる。
【0019】
なお、反射型液晶表示パネル2、3、4においては、S偏光として入射した各色光をP偏光に変換して出力するため、各プリズム1A、1B、1Cの光入出射端面101A、101B、101Cに再入射した各色光はP偏光とされている。
【0020】
この後、各色光の被写体像が映出された反射型液晶表示パネル2、3、4により被写体像情報を担持せしめられた各色光は各反射型液晶表示パネル2、3、4への入射光路を戻るように導かれ、上記色分解合成プリズム1によって色合成される。
【0021】
さらに、上記色分解合成プリズム1によって色合成された光束は、上述したようにP偏光に変換されているので、偏光ビームスプリッタ5の偏光分離面5Aを直進し、投映レンズ6によりスクリーン上に所望のカラー被写体像が拡大投射される。
【0022】
ところで、上述した偏光ビームスプリッタ5は、第1のプリズム105Aと第2のプリズム105Bが偏光分離面5Aにおいて接合されており、前述したように、光源103側から入射したS偏光を色分解合成プリズム1側に反射し、色分解合成プリズム1側から入射したP偏光をスクリーン側に透過させる機能を有する。
【0023】
このような機能は、偏光分離面5Aに設けられた図1に示す如き偏光分離膜(以下PBS膜と称する)21によって付与される。すなわち、この偏光ビームスプリッタ5は、第1のプリズム105A上に、多層膜からなるPBS膜21とバリア層23をこの順に形成し、接合剤25を用いて第2のプリズム105Bと接着してなるものである。なお、本実施形態においては、第1のプリズム105A上にPBS膜21とバリア層23を形成しているが、これに替えて、PBS膜21とバリア層23を第2のプリズム105B上に形成するようにしてもかまわない。
【0024】
ここで、上記PBS膜21は、SiO2層21AとTiO2層21Bを交互に積層した、例えば数十層からなるいわゆるハイブリッド多層膜であり、第1プリズム105A側の第1層、およびバリア層23と接する最上層はいずれもTiO2層21Bとなるように、例えば共蒸着法等の周知の成膜方法により形成されている。もっとも、このPBS膜21は、種々の層構成とすることができ、例えば、上部に位置する各層はSiO2層21AとTiO2層21Bの交互層とし、一方、それよりも下部に位置する各層はLa2xAl2yO3(x+y)層21CとTiO2層21Bの交互層とするような構成とすることもできる。
【0025】
また、バリア層23はAl2O3(アルミナ)またはLa2xAl2yO3(x+y)((ランタンアルミネート);商品名:Substance M2(登録商標)、Substance M3(登録商標)、メルク社製)から構成されている。これらのバリア層構成材料は緻密な六方晶系または立方晶系の構造をなし、これにより接合剤25の構成物質とPBS膜21の構成物質中の酸素とが結合するのを阻止する。
【0026】
ただし、バリア層23の構成物質としては、その他の緻密な膜を構成しうるものであってもよく、例えば上記ランタンアルミネートを構成するLaに替えて、Pr(プラセオジム)等のその他のランタン系材料を用いることが可能と考えられる。屈折率nは、例えば1.60〜1.83(使用基準波長632.8nm)の範囲とされている。また、バリア層25の厚みは、例えば50〜300nm程度(物理的膜厚)が好ましい。
【0027】
また、上記接合剤としては、例えば、エポキシ系、アクリル系およびポリエステル系のいずれかから選択される接着剤が用いられる。ただし、その他の接合剤を用いることも勿論可能である。
【0028】
ところで、このような偏光ビームスプリッタ5は、投映プロジェクタ装置の照明光学系に用いられており、スクリーン上に明るい画像を映出するために、光源103から大きなパワーをもって出力された光束が長時間に亘って照射され続けることになる。これにより、この偏光ビームスプリッタ5が高温となり、50°C以下の温度においては生じなかった、接合剤25の構成物質による、PBS膜21中の還元作用による影響が顕著となる。
【0029】
すなわち、上記高照度照明(特に、350〜430nm)により接合剤25の構成物質が有機化学反応をおこし、高分子の連鎖が次々と切断され、この構成物質が上記PBS膜21中の構成物質の酸素を奪う還元作用をおこす。これにより、PBS膜21が光吸収をおこし光透過率や光反射率が低下し、さらに分光反射特性が不正なリップルを有するようになる。特に,上記PBS膜21の最上層がTiO2層21Bである場合には、接合剤25の構成物質により、容易にTiO2が還元され、黒化されるため、上述したような問題が顕著となる。
【0030】
そこで本実施形態においては、図1に示すように接合剤25とPBS膜21の間にバリア層23を介在させることにより、偏光ビームスプリッタ5が高温となり、接合剤25の構成物質の連鎖が次々と切断された状態となっても、PBS膜21中の構成物質の酸素の移動をバリア層23で阻止することによって、接合剤25の構成物質とPBS膜21中の構成物質の酸素とが結合するのを防止するようにしている。
【0031】
これにより、偏光ビームスプリッタ5を、投映プロジェクタ装置の照明光学系に用いた場合にも、PBS膜21中の構成物質が還元されることにより光透過率や光反射率が低下し、さらに分光反射特性が不正なリップルを有する、というような事態を防止し得る。
【0032】
なお、本発明の光学素子、光学系および投映プロジェクタ装置としては、上記実施形態のものに限られるものではなく、その他の種々の態様の変更が可能である。例えば、本発明の光学素子における多層膜の種類は特に限定されるものではなく、上述したPBS膜5Aの他、図2に示す色分解合成プリズム1の各プリズム1A、1B、1C間に設けられたダイクロイック多層膜101D、101Eや、その他の反射防止多層膜等の場合にも本発明が適用され得ることは勿論である。
【0033】
また、透光性光学部材としては、偏光状態を良好に維持するために光弾性係数が低いものであり、かつ光吸収率が低いものであることが好ましい。具体的にはPbOやNb2O5を多く含有するものであることが好ましい。
【0034】
このような場合において、上記プリズム基材105AとPBS膜21等の多層膜との間にも、上述したランタンアルミネート等から構成されたバリア層を設けることが可能である。なお、前述した例において、PBS膜21の一部を、La2xAl2yO3(x+y)層とTiO2層の交互層とし、La2xAl2yO3(x+y)層をプリズム基材105A側の第1層とすれば、これによってバリア層としての機能を付加し得る。
【0035】
これにより、プリズム基材に含有されているPb分子等の、多層膜中の構成物質の還元作用が阻止され、このPb分子等とダイクロイック多層膜101D、101Eを構成しているTiO2中のTi分子との反応が回避され、TiO2の黒化現象によるダイクロイック多層膜101D、101Eの光吸収率の上昇を阻止することができる。
【0036】
なお、バリア層を用いた光学素子として特開2000−275402号公報に記載された技術が知られているが、この技術は、基材と反射防止多層膜の界面付近で生じる反応を阻止するため、これら基材と反射防止多層膜との間に、MgF2またはSiO2からなるバリア層を介在させたものであり、その目的および構成が本願発明のものとは相違する。
【0037】
【実施例】
以下、本発明を具体的な実施例を用いてさらに詳細に説明する。ここで、図3に示す構成に係る実施例と、図4に示す構成に係る比較例について、図5(A)に示す如くして測定した分光透過特性および図5(B)に示す如くして測定した膜面入射分光反射特性を得た。
【0038】
(実施例)
本実施例に係る光学素子は、図3に示すように、第1のガラス基板105C(第1のプリズム105Aに相当する)上に、バリア層23A、多層膜からなるPBS膜21、バリア層23Bをこの順に形成し、接合剤25を用いて第2のガラス基板105D(第2のプリズム105Bに相当する)と接着してなるものである。
【0039】
ここで、上記PBS膜21は、TiO2層21BとLa2xAl2yO3(x+y)層21Cの交互層上に、SiO2層21AとTiO2層21Bの交互層を積層した、53層からなる多層膜であり、第1のガラス基板105C側のバリア層23Aと接する第1層、および第2のガラス基板105D側のバリア層23Bと接する最上層はいずれもTiO2層21Bとなるように、共蒸着法により形成した。
【0040】
また、バリア層23BはAl2O3(屈折率は、約1.625(使用基準波長632.8nm))によって形成し、バリア層23AはLa2xAl2yO3(x+y)(屈折率は、約1.82(使用基準波長632.8nm))によって形成した。また、各バリア層23A、Bの膜厚は、物理的膜厚が約110nm(光学的膜厚が約180nm)となるように設定した。
また、上記接合剤としては、例えば、エポキシ系、アクリル系およびポリエステル系のいずれかから選択される接着剤を採用した。
【0041】
このようにして形成された実施例に係る光学素子は、照明光の長時間に亘る照射によっても、膜面入射分光反射特性および分光透過特性が、図6(A)および図7(A)に示すように、ほとんど変化していない。また、照明光照射による不正なリップルも発生していない。
【0042】
(比較例)
本比較例は、図4に示すように、第1のガラス基板105C(第1のプリズム105Aに相当する)上に、バリア層23A、多層膜からなるPBS膜21をこの順に形成し、接合剤25を用いて第2のガラス基板105D(第2のプリズム105Bに相当する)と接着してなるものである。本実施例における特徴的な構成である、第2のガラス基板105D側のバリア層23Bは設けられていない。
【0043】
ここで、上記PBS膜21は、上記実施例と同様の構成とされた多層膜であり、第1のガラス基板105C側のバリア層23Aと接する第1層、および第2のガラス基板105D側の最上層はいずれもTiO2層21Bとなるように、共蒸着法により形成した。
また、第1のガラス基板105C側のバリア層23A、上記接合剤25の組成は上記実施例と同様に形成されている。
【0044】
このようにして形成された比較例に係る光学素子は、照明光の長時間に亘る照射によって、分光透過特性は若干の変化にとどまる(図7(B)参照)。しかしながら、膜面入射分光反射特性は、図6(B)に示すように、この照明光の長時間照射によって、大幅に低下する。このことは、接合剤25の構成物質(還元物質)が、照明光の長時間照射によりPBS膜21のTiO2層21B中から酸素を奪い、TiO2を還元したために、黒化現象が生じ、PBS膜21の反射率低下をきたしたものと考えられる。
【0045】
しかも図6(B)に示すように、照明光の照射時間に応じて、特に可視域長波長側に不正なリップルが目立つようになり、投映プロジェクタ装置のスクリーン上の映出画像に色ムラを生ぜしめる原因となる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の光学素子、光学系および投映プロジェクタ装置によれば、多層膜が形成された第1の透光性光学部材と、該第1の透光性光学部材と対向配置された第2の透光性光学部材とを、該多層膜を挟むようにし接合剤を用いて接合し、この接合剤と多層膜との間にバリア層を介在させるようにしており、光学素子が高温となり、接合剤中の有機物質が還元機能を有する状態となっても、この有機物質と多層膜の構成物質の酸素が結合するのを、上記バリア層によって阻止するようにしている。
【0047】
これにより、この光学素子を、投映プロジェクタ装置の照明光学系に用いた場合にも、光透過率や光反射率が低下し、さらに分光反射特性が不正なリップルを有する、というような事態を防止し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る光学素子のプリズム境界面に形成された多層膜およびバリア層の層構成を模式的に説明する断面図
【図2】本発明の実施形態に係る光学素子が配設された光学系および投映プロジェクタ装置を示す概略平面図
【図3】本発明の実施例に係る光学素子の層構成を示す模式図
【図4】本発明の比較例に係る光学素子の層構成を示す模式図
【図5】実施例および比較例の分光透過特性を測定する際の光束の進行方向を示す概略図(A)、ならびに実施例および比較例の膜面入射分光反射特性を測定する際の光束の進行方向を示す概略図(B)
【図6】本実施例に係るバリア層付サンプルの膜面入射分光反射特性を示すグラフ(A)、および比較例に係るバリア層無しサンプルの膜面入射分光反射特性を示すグラフ(B)
【図7】本実施例に係るバリア層付サンプルの分光透過特性を示すグラフ(A)、および比較例に係るバリア層無しサンプルの分光透過特性を示すグラフ(B)
【符号の説明】
1 色分解合成プリズム
1A 第1のプリズム
1B 第2のプリズム
1C 第3のプリズム
2、3、4 液晶表示パネル
5 偏光ビームスプリッタ
5A 偏光分離面
6 投映レンズ
21 偏光分離膜(PBS膜)
21A SiO2
21B TiO2
21C La2xAl2yO3(x+y)
23、23A、23B バリア層
25 接合剤
101A、101B、101C 光入出射端面
101D 第1のダイクロイック層
101E 第2のダイクロイック層
103 光源
104 偏光板
105A 第1のプリズム
105B 第2のプリズム
105C 第1のガラス基板
105D 第2のガラス基板

Claims (7)

  1. 多層膜が形成された第1の透光性光学部材、および該第1の透光性光学部材と対向配置された第2の透光性光学部材を、前記多層膜を挟むように接合剤を用いて接合してなる光学素子において、
    前記多層膜と前記接合剤との間に、前記接合剤の構成物質と前記多層膜の構成物質中の酸素が互いに結合するのを防止する、ランタンアルミネートから構成されてなるバリア層を設けたことを特徴とする光学素子。
  2. 前記ランタンアルミネートが、La 2x Al 2y O 3(x+y) (ただし、y/x=3.0または3.3))であることを特徴とする請求項1記載の光学素子。
  3. 前記ランタンアルミネートが、La 2x Al 2y O 3(x+y) (ただし、y/x=1.0)であることを特徴とする請求項1記載の光学素子。
  4. 前記多層膜が、TiO2層を少なくとも前記バリア層と接する最上層に設けてなることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項記載の光学素子。
  5. 前記接合剤がエポキシ系、アクリル系およびポリエステル系の中から選択される接着剤であることを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1項記載の光学素子。
  6. 請求項1から5のうちいずれか1項記載の光学素子が配設されていることを特徴とする光学系。
  7. 請求項1から5のうちいずれか1項記載の光学素子が搭載されていることを特徴とする投映プロジェクタ装置。
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