JP4595576B2 - 固体撮像素子の検査方法、検査用プログラム、及び電子カメラ - Google Patents

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Description

本発明は、固体撮像素子の検査方法、固体撮像素子の検査用プログラム、及び電子カメラに関する。特に本発明は、固体撮像素子の検査工程において固定パターンノイズを容易且つ高精度に検出するための技術に関する。
固体撮像素子の検査工程では、感度、飽和信号、色特性等の素子特性を表す項目に加え、画質を表す項目としてS/N比や点欠陥、線欠陥などの欠陥や、シミ、ムラなどの固定パターンノイズを検査する。
感度、飽和信号などは、規定の明るさの均一光を固体撮像素子に照射後に出力される画像信号を測定すれば、定量化しやすく容易に検査できる。点欠陥は、1画素単位の欠陥であるので、閾値レベルを決定すれば容易に検出できる(例えば特許文献1参照)。線欠陥は、縦線欠陥と横線欠陥とに分かれるが、発生方向が列方向または行方向に限定されているので、容易に検出できる。
固定パターンノイズを検出する従来技術としては、特許文献2等が知られている。図13は、固定パターンノイズを検出する従来技術の一例を示す説明図である。検出方法としてはまず、固体撮像素子に均一光を照射後、固体撮像素子から画像信号を取得する。次に、この画像信号に基づく画像を複数の領域に分割し、各画像領域毎に信号レベルの平均値を算出し、それを閾値レベルと比較することで固定パターンノイズを検出する。
検査された固体撮像素子が完全な良品であれば、全画像領域に亘って信号レベルの平均値が完全に等しくなるはずであるが、固定パターンノイズがある場合、そうはならない。図13(a)は、均一光の照射により得られる一画像を多数の画像領域に分割した模式図を示し、図中の縦横の点線は、各画像領域の境界である。この例では、中央の3つの画像領域において、固定パターンノイズが生じている。図13(b)は、図13(a)の画像領域P、P’間の各画像領域の信号レベルのプロファイルを示し、横軸は、水平方向の位置を示し、縦軸は信号レベルを示す。
固定パターンノイズの発生原因としては、固体撮像素子の最表面層に形成されるカラーフィルタ工程及びマイクロレンズ工程における不均一性や発塵による影響が挙げられる。カラーフィルタ工程としては、まず最初に、半導体基板(ウェハ)上に形成された固体撮像素子の配線層による段差等をなくすための平坦化を行う。その後、カラーフィルタ材を液滴し、回転塗布する。マイクロレンズ工程においては、カラーフィルタの段差を平坦化した後に、マイクロレンズ材を液滴し、回転塗布する。
例えばカラーフィルタ工程では、顔料分散型のカラーレジストをウェハの中央に滴下後、これがウェハ表面で均一に塗布されるように、スピンナーでウェハを高速回転させる。平坦化工程においてウェハの全面が完全に平坦化されるのではなく、特にスクライブライン等では段差が残ったままとなる。この段差の影響により、塗布ムラ、即ち、カラーフィルター材やマイクロレンズ材の膜厚不均一性が生じることになる。
また、回転塗布中に異物が混入して核となり、塗布量が少ない領域が生じることがある。この場合、図14に示す1チップの固体撮像素子の平面模式図のように、例えば、長軸がウェハ中心に向いた楕円状のムラが発生する。このように、膜厚の不均一性により、固体撮像素子への入射光量が部分的にばらつくことになる。これが固体撮像素子の部分的な感度バラつきとなり、固定パターンノイズを生じさせる。
特開平11−233580号公報 特開平5−60650号公報
固定パターンノイズは、発生形状が不定形であり、発生方向も様々であり、正常な画素に対する信号レベルの差が大きいものもあれば、小さいものもある。特に、正常な画素に対する信号レベルの差が小さい固定パターンノイズは、必ずしも容易には検出できない。従って、そのような不規則に発生する固定パターンノイズを容易に検出する技術が要望されていた。
本発明の目的は、固体撮像素子における固定パターンノイズを容易に検出可能な検査方法、及び検査用プログラムを提供することである。
本発明の別の目的は、上記目的に適う検査方法により検出された固定パターンノイズに基づいて、電子カメラの画質を向上する技術を提供することである。
請求項1の固体撮像素子の検査方法は、以下のステップを有することを特徴とする。それらのステップは、検査用の照明光の照射によって固体撮像素子が生成した画像信号を取得するステップと、その取得した画像信号が示す画像である全体画像を用い、全体画像に対する複数の部分画像をそれぞれ同じ画像サイズで生成する抽出ステップと、少なくともいずれかの部分画像に対し、画像サイズが変わらないように、上下反転、左右反転、回転の少なくともいずれかの処理を施す反転ステップと、反転ステップの後、複数の部分画像を合成し、部分画像と同じ画像サイズの基準画像を生成するステップと、複数の部分画像に対し、基準画像との差分に相当する検査画像をそれぞれ生成するステップと、予め登録されたパターンと検査画像とのパターンマッチングを行うことにより、固体撮像素子が良品か否かを判定する判定ステップとである。
請求項2の発明は、請求項1の固体撮像素子の検査方法において、「全ての部分画像を重ねた場合に、部分画像の一部の画像領域であって全体画像の中心に最も近い画像領域の位置が揃うように、反転ステップでは上下反転、左右反転、回転の少なくともいずれかの処理を施す」ことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2の固体撮像素子の検査方法において、「抽出ステップでは、各々の部分画像の外周の一部が全体画像の外周の一部となるように、且つ、各々の部分画像に対し、全体画像の中心に対し点対称の位置にある部分画像が存在するように、偶数個の部分画像を生成する」ことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3の固体撮像素子の検査方法において、「抽出ステップでは、全体画像の中心が各々の部分画像の隅になるように、全体画像を4分割することで4つの部分画像を生成する」ことを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1の固体撮像素子の検査方法において、「チップのウエハ上での位置情報に応じた部分画像の生成およびパターンマッチングを行う」ことを特徴とする。
請求項の発明は、固体撮像素子が良品か否かを判定するために、以下のステップをコンピュータに実行させるための検査用プログラムである。それらのステップは、検査用の照明光の照射によって固体撮像素子が生成した画像信号を取得するステップと、取得した画像信号が示す画像である全体画像を用い、全体画像に対する複数の部分画像をそれぞれ同じ画像サイズで生成する抽出ステップと、少なくともいずれかの部分画像に対し、画像サイズが変わらないように、上下反転、左右反転、回転の少なくともいずれかの処理を施す反転ステップと、反転ステップの後、複数の部分画像を合成し、部分画像と同じ画像サイズの基準画像を生成するステップと、複数の部分画像に対し、基準画像との差分に相当する検査画像をそれぞれ生成するステップと、予め登録されたパターンと検査画像とのパターンマッチングを行うことにより、固体撮像素子が良品か否かを判定する判定ステップとである。
請求項の発明は、固体撮像素子と、固体撮像素子から出力される画像信号に基づいて画像データを生成する信号処理部と、画像データに画像処理を施す画像処理部とを備えた電子カメラである。本請求項の発明は、「画像処理部による前記画像処理が、請求項1〜請求項の固体撮像素子の検査方法によって固体撮像素子に対し生成された検査画像から推定される固定パターンノイズを、低減する処理であること」を特徴とする。
本発明では、固体撮像素子に対する検査用の照明光の照射によって得られる画像に対し、複数の部分画像をそれぞれ同じ画像サイズで生成後、画像サイズが変わらないように、これら部分画像を反転或いは回転する。そして、反転或いは回転後の部分画像を合成して基準画像を生成後、複数の部分画像に対し、基準画像との差分に相当する検査画像をそれぞれ生成する。ここで仮に固定パターンノイズが全くないとすれば、複数の部分画像を平均化して基準画像を生成する場合、基準画像は均一な画像となり、検査画像はどれも均一に黒レベルとなる。即ち、検査画像では、正常な画素が殆ど黒レベルとなり、ノイズの部分だけ信号レベルが大きく異なるものとなる。従って、検査画像を用いれば、固定パターンノイズを容易に検出できる。
<本発明の原理説明>
以下、本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の原理を説明する。
図1は、複数(この例では98個)の固体撮像素子のチップ10が形成された半導体のウェハ12の平面模式図である。図に示すように、ウェハ12の表面では、ストリート14(ダイシング用の溝)により各チップ10が格子状に区画されている。図中、両端が矢印の線は、ウェハの中心を通る仮想の線であり、一部のチップ10とウェハ12の中心との位置関係を示すために記載した。また、点線で示した4つの楕円の領域や、E、Fの符号を付した部分については後述する。ストリート14は、ウェハ12の表面において大きな段差になる。従って、回転塗布の際、各チップ10におけるウェハ12の中心に最も近い隅を起点として、放射状の塗布ムラが生じることがある。
図2(a)、(b)、(c)、(d)は、放射状の塗布ムラの一例を示す説明図であり、それぞれ、図1においてA、B、C、Dの符号を付したチップ10に着目した平面模式図である。なお、以下の説明では、A、B、C、Dの位置のチップ10をそれぞれ、チップ10A、チップ10B、チップ10C、チップ10Dと記載する。チップ10A、10Cはウェハ12の中心に対して互いに点対称な位置にあり、チップ10B、10Dもウェハ12の中心に対して互いに点対称な位置にある。
また、図2において、各チップ10A〜10Dの四隅のいずれかに付した丸印は、位置関係を示すために便宜上記載したものであり、図1においてチップ10A〜10Dの四隅のいずれかに付した丸印に対応する。図2に示すように、各チップ10A〜10Dは、点線で示す画素領域20と、複数のパッド22とを有する。図2(a)に示すように、チップ10Aでは、その右下の隅を起点として、画素領域20の右下側に塗布ムラが生じており、この塗布ムラが固定パターンノイズを生じさせる。また、図2(b)、(c)、(d)に示すように、チップ10B、10C、10Dではそれぞれ、左下側、左上側、右上側に塗布ムラが生じており、これらが固定パターンノイズを生じさせる。
従って、チップ10A、10B、10C、10Dではそれぞれ、画像における異なる位置に固定パターンノイズが生じる。図2ではウェハ12の外周側にあるチップ10A、10B、10C、10Dについて示したが、例えば図1におけるE、Fの符号を付したチップ10のように、もう少しウェハ12の中心側では、チップ10A、10B、10C、10Dとは異なる位置に、異なる形状の固定パターンノイズが生じると考えられる。
回転塗布に起因する固定パターンノイズが画像におけるどの位置にどのような形状で生じるかは、各チップ10毎に異なり、ウェハ12のどの位置に面付けされているかに依存すると考えられる。従って、1枚のウェハ12に面付けされた全てのチップ10を個別に検査すれば、固定パターンノイズが生じる画素領域の位置、及びノイズの形状は、1枚のウェハ12におけるチップ10の数だけのパターンが存在することになる。このパターンの多様性が、固定パターンノイズを容易且つ効率的に検出することを困難にしていた。
しかし、発生原因が回転塗布に起因する固定パターンノイズは、1枚のウェハ12全体で見れば、ウェハ12の中心に対して点対称に発生すると考えられる。具体的には、図2において、各チップ10A〜10Dにおける塗布ムラは、ウェハ12の中心に最も近い隅と、チップ中央との間の領域に主に生じており、ウェハ12の中心に最も近い隅から放射状にチップ中央まで生じているという点で共通である。
この共通性、及び元のウェハ12における点対称性に着眼した本発明者は、簡単な画像処理を検査用の画像に施すことで、チップ10毎に見ればランダムに生じている固定パターンノイズを、共通且つ単純なパターンに変換する方法を捻出した。具体的にはまず、均一な照明光により固体撮像素子のチップ10から得られる画像(全体画像)に対し、画像サイズがそれぞれ同じである複数の部分画像を生成後、各部分画像に反転または回転を施す。ここでの「画像サイズがそれぞれ同じ」とは、全ての部分画像同士で比較して、画像の外縁の形状が同じであり、画像が例えば長方形ならば、水平方向の画素数及び垂直方向の画素数が同じであるという意味である。
このとき施す反転または回転では、各部分画像を重ねた場合に、各部分画像における「全体画像の中心に最も近い画像領域」を所定位置に揃えることが望ましい。この処理を容易にするためには、各々の部分画像の外周の一部が全体画像の外周の一部となるように、且つ、各々の部分画像に対し、全体画像の中心に対し点対称の位置にある部分画像が存在するように、偶数個の部分画像を生成することが好ましい。
図3、図4、図5、図6は、上述の画像処理の一例を示す説明図であり、それぞれ、チップ10A、10B、10C、10Dに対する画像処理を示す。図3〜図6において、最も上側に示した図(a)はそれぞれ、チップ10A、10B、10C、10Dの平面模式図であり、長方形状である画素領域20の四隅に丸印を付し、画素領域20の中心に三角印を付したものである。
以下、図3を用いて、チップ10Aに対する画像処理から説明する。まず、均一な照明光によりチップ10Aから得られる画像(画素領域20の全画素の画像信号に対応する画像であり、以下、全体画像AWという)を、縦横に均等に4分割する。これにより、全体画像AWの左上、右上、左下、右下の領域に対して生成される部分画像をそれぞれ、A1、A2、A3、A4と記載する。図3(b)は、全体画像AWの中心の三角印、及び四隅の丸印を付して、部分画像A1、A2、A3、A4をそれぞれ示したものである。
次に、反転または回転により、各部分画像A1、A2、A3、A4における、全体画像AWの中心に対応する隅を所定位置(この例では画像の右下)に揃える。具体的には、部分画像A2には左右反転、部分画像A3には上下反転、部分画像A4には180°回転(左右反転及び上下反転)の処理を施す。以上の処理後の部分画像A2、A3、A4をそれぞれ、部分画像A2’、A3’、A4’と記載する。部分画像A1は、全体画像AWの中心に対応する隅が画像の右下に位置するので、そのままでよい。図3(c)は、以上の処理により生成される部分画像A2’、A3’、A4’、及び部分画像A1を示す。なお、本明細書では以下、部分画像に対して施す上下反転、左右反転、所定角度回転の処理を総称して、「反転処理」と記載する。反転処理は、請求項記載の反転ステップに対応し、回転も含む概念とする。
次に、部分画像A1、A2’、A3’、A4’を平均化し(或いは加算し)、これにより生成される画像を基準画像A5とする。基準画像A5の画像サイズは部分画像A1〜A4と同じである。先の手順において部分画像A1〜A4を生成するときに、画像サイズをそれぞれ同じにする理由は、画像サイズが異なると、これらを平均化または加算できないからである。図3(d)は、基準画像A5を示す。
チップ10B、10C、10Dに対しても、上述と同じ処理により基準画像を生成する。具体的には、チップ10Bに対しては、均一な照明光の照射により得られる画像(以下、全体画像BWという)を均等に4分割し、図4(b)に示すように部分画像B1、B2、B3、B4を生成する。次に、部分画像B2は左右反転して部分画像B2’とし、部分画像B3は上下反転して部分画像B3’とし、部分画像B4は180°回転して部分画像B4’とする。次に、部分画像B1、B2’、B3’、B4’を平均化し、図4(d)に示すように基準画像B5を生成する。
チップ10Cに対しては、均一な照明光の照射により得られる画像(以下、全体画像CWという)を均等に4分割し、図5(b)に示すように部分画像C1、C2、C3、C4を生成する。次に、図5(c)に示すように、部分画像C2は左右反転して部分画像C2’とし、部分画像C3は上下反転して部分画像C3’とし、部分画像C4は180°回転して部分画像C4’とする。次に、部分画像C1、C2’、C3’、C4’を平均化し、図5(d)に示すように基準画像C5を生成する。
チップ10Dに対しては、均一な照明光の照射により得られる画像(以下、全体画像DWという)を均等に4分割し、図6(b)に示すように部分画像D1、D2、D3、D4を生成する。次に、図6(c)に示すように、部分画像D2は左右反転して部分画像D2’とし、部分画像D3は上下反転して部分画像D3’とし、部分画像D4は180°回転して部分画像D4’とする。次に、部分画像D1、D2’、D3’、D4’を平均化し、図6(d)に示すように基準画像D5を生成する。
以上のように、固定パターンノイズの表れ方が互いに異なる各チップ10A〜10Dに対し共通の処理を施すことで、それぞれに固有の基準画像A5、B5、D5、D5を生成する。基準画像A5、B5、D5、D5を比較すれば明らかなように、どれも、同じ画像パターンとなっている。即ち、以上のように対称性に基づいた共通の処理を各チップ10に施すことで、チップ10毎に見ればランダムに生じている固定パターンノイズを、共通且つ単純なパターンに変換できることを本発明者は解明した。
なお、ここでの共通性は、ウェハ12内の全てのチップ10に対し共通という意味ではなく、ウェハ12内でのチップ10の位置によって、何個かのチップ10では、基準画像において同じパターンのノイズに変換できるという意味である。少なくともウェハ12の中心に対し対称な位置関係にあるチップ10同士では、基準画像において同じ固定パターンノイズになると考えられる。
また、元の全体画像AW、BW、CW、DWでは画像の一部にのみ表れている固定パターンノイズが、基準画像A5、B5、C5、D5では画像全体に拡大(この例では4倍に拡大)されている。従って、このようにして生成される基準画像に基づけば、従来よりも固定パターンノイズの検出が容易になる。以上が本発明の原理説明であり、以下、実施形態を説明する。
<第1の実施形態>
第1の実施形態は、固体撮像素子の検査方法として本発明を具体化したものであり、図3〜図6で説明した例のように、均一光の照射により得られる全体画像を均等に4分割して4つの部分画像を生成後、基準画像を生成する。ここで、4つの部分画像を平均化した基準画像では、固定パターンノイズが表れている画素の信号レベルと、正常な画素の信号レベルとの差(即ち、ノイズの強さ)は、4分の1に小さくなる。従って、ノイズを検出する前の処理として、ノイズを強調することが望ましい。そこで第1の実施形態では、固体撮像素子のチップ10が良品か否かの判定は、基準画像よりもノイズが強調されている検査画像を生成後、検査画像に基づいて行う。
図7は、検査画像の説明図である。第1の実施形態では、各チップ10に対し、4つの検査画像を生成する。具体的には、4つの部分画像の内の反転処理が行われる3つについては、反転処理後の各部分画像と、基準画像との差分画像を検査画像とする。4つの部分画像の内の反転処理が行われない1つは、その部分画像と、基準画像との差分画像を検査画像とする。
例えばチップ10Aに対する検査画像は、図7(a)のようになる。図7(a)において、検査画像A1−A5は、部分画像A1の各画素の信号レベルから、基準画像A5における各画素の信号レベルを差し引いたものである。また、検査画像A2’−A5、A3’−A5、A4’−A5はそれぞれ、部分画像A2’、A3’、A4’における各画素の信号レベルから、基準画像A5における各画素の信号レベルを差し引いたものである。
他のチップ10に対しても、上述と同様に検査画像を生成する。図7(b)は、チップ10Bに対する検査画像B1−B5、B2’−B5、B3’−B5、B4’−B5を示す。図7(c)は、チップ10Cに対する検査画像C1−C5、C2’−C5、C3’−C5、C4’−C5を示す。図7(d)は、チップ10Dに対する検査画像D1−D5、D2’−D5、D3’−D5、D4’−D5を示す。
検査画像は、反転処理後の部分画像、或いは、反転処理が行われない部分画像と、基準画像との差分であるので、正常な画素が黒レベルとなり、ノイズの部分だけ信号レベルが大きく異なるものとなる。従って、検査画像では、ノイズ成分だけを抽出することになる。この結果、正常な画素が検査用の照明光による所定の輝度レベルを表す場合よりも、本発明では正常な画像領域またはノイズ成分を容易に判定できる。
図8は、第1の実施形態における固体撮像素子の検査方法を示す流れ図である。ここで用いる検査装置(図示せず)には、以下のステップS1〜S7の処理をコード化したプログラム(請求項に対応)がインストールされている。以下、図に示すステップ番号に従って、検査工程の流れを説明する。
ステップS1では、複数の固体撮像素子のチップ10をウェハ12の状態で検査装置のステージに載置後、未検査の1チップを選択し、検査装置のプローブ針をそのチップ10のパッドに当接する。次に、例えば検査室内を暗くして各画素内の電荷を排出後、均一な照明光をチップ10に照射する等の公知の手法により、検査用の画像信号を固体撮像素子のチップ10に生成させ、検査装置はこの画像信号(全体画像の画像信号)を取得する。
次に、ステップS2では、全体画像を均等に4分割し、4つの部分画像の画像データを生成する(請求項記載の抽出ステップに対応)。
次に、ステップS3では、反転処理により、4つの部分画像における、全体画像の中心に対応する隅を所定位置(例えば画像の右下)に揃える。ここでの反転処理は、本発明の原理として図3〜図6を用いて先に説明済みなので、説明を省略する。
次に、ステップS4では、4つの部分画像を平均化し、基準画像を生成する。
次に、ステップS5では、反転処理後の3つの部分画像と基準画像との差分、及び、反転処理が行われない部分画像と基準画像との差分により、4つの検査画像を生成する(前述の図7参照)。
次に、ステップS6では、検査画像に基づいて、そのチップ10が良品か否かを判定する。ここで仮に、あるチップ10において固定パターンノイズが全くないとすれば、そのチップ10に対する基準画像は均一な画像であり、4つの検査画像はどれも、均一に黒レベルとなるはずである。従って、例えば検査画像を複数の画像領域に分割し、各画像領域毎に信号レベルの平均値を算出し、それを閾値レベルと比較することで固定パターンノイズを検出する。そして例えば、4つの検査画像のどれに対しても、固定パターンノイズ有りと判定される画像領域が所定数未満の場合のみ、良品と判定し、それ以外の場合、良品ではないと判定する。なお、良品ではない場合、例えばウェハ12上において、そのチップ10に対し印を付けてもよい(本実施形態では、発塵対策のため印を付けない)。
次に、ステップS7では、ウェハ12において未検査のチップ10があるか否かを判定し、なければ、そのウェハ12に対する検査を終了する。未検査のチップ10があれば、ステップS1に戻り、未検査のチップ10に対する検査を行う。以上が検査工程の説明である。
このように第1の実施形態では、均一光の照射により得られる全体画像を4分割し、部分画像に反転処理を施してから、各チップ10に固有の基準画像を生成する。これにより、元の全体画像では一部にのみ生じている固定パターンノイズを、検査画像において4倍に拡大するので、固定パターンノイズの有無を判定しやすい。
また、検査画像は、正常な画素が殆ど黒レベルとなり、ノイズの部分だけ信号レベルが大きく異なるものとなる。従って、固定パターンノイズが表れている画像領域と、正常な画像領域とを閾値で容易に識別できる。即ち、固定パターンノイズの検出の精度を向上できる。この結果、ウェハ段階で選別を行い、良品ではないチップ10を実装工程に送らないことで、製造コストを低減できる。さらに、検査画像は、その画素数が全体画像の4分の1に縮小されているので、検査時間短縮の効果も得られる。
なお、固体撮像素子の要部となる不純物拡散領域を形成するイオン注入工程では、イオンビームの走査ムラや、走査時におけるイオンビーム径の若干のバラつき等により、注入される不純物の濃度ムラが生じることがある。この注入ムラは、固体撮像素子の感度ムラとなって固定パターンノイズを生じさせ、画質を劣化させる。注入ムラによる固定パターンノイズには、1枚のウェハの全てのチップに対し類似のノイズが生じる場合と、ウェハ全体で見れば規則的なパターンになるが、チップ毎に見れば複雑なパターンがチップの数だけ存在する場合とがある。第1の実施形態によれば、多種の画像処理フィルタを用いたり、想定しうるだけのパターンマッチングを行う等の複雑な従来手法によらずとも、注入ムラによる固定パターンノイズを容易且つ確実に検出できる。
<第2の実施形態>
第2の実施形態も、第1の実施形態と同様に、固体撮像素子の検査方法として本発明を具体化したものである。第1の実施形態では全体画像の全領域を検査に用いるが、画像内の特定領域に固定パターンノイズが発生すると予め分かっている場合、その特定領域のみに着目して検査してもよい。そのように特定領域のみを検査に用いるのが第2の実施形態である。なお、第2の実施形態の固体撮像素子の検査工程の流れは、部分画像の生成方法の違いを除いて第1の実施形態と同様なので、流れ図を省略する。
図9は、第2の実施形態における部分画像及び基準画像の生成方法を示す説明図である。以下、図9を用いて、第2の実施形態の固体撮像素子の検査方法を説明する。なお、図9(a)は、チップ10Aの平面図であり、画素領域20の四隅に丸印を付し、画素領域20の中心に三角印を付したものである。第2の実施形態では一例として、部分画像の生成のため、全体画像を縦3×横3の9領域に均等に分割する。
ここでは各チップ10の四隅のいずれかの近辺に固定パターンノイズが生じることを想定し、前記9領域の内から、全体画像AWの四隅に対応する領域を選択し、部分画像XA1、XA3、XA7、XA9を生成する。図9(b)に、全体画像AWの四隅に対応する部分の丸印を付して、部分画像XA1、XA3、XA7、XA9を示す。なお、この後の反転処理を分かりやすくするため、図9(b)では各部分画像XA1、XA3、XA7、XA9に対し、全体画像AWの中心に最も近い領域に四角印を付してある(図9(a)も同様)。
次に、反転処理を行い、各部分画像XA1、XA3、XA7、XA9における、全体画像AWの中心に最も近い画像領域を所定位置(この例では画像の右下)に揃える。具体的には、部分画像XA3は左右反転して部分画像XA3’とし、部分画像XA7は上下反転して部分画像XA7’とし、部分画像XA9は180°回転して部分画像XA9’とする。部分画像XA1は、全体画像AWの中心に最も近い領域が画像の右下に位置するので、そのままでよい。図9(c)は、これら部分画像XA3’、XA7’、XA9’、及び部分画像XA1を示す。
反転処理の後は、これら部分画像XA1、XA3’、XA7’、XA9’を平均化することにより、図9(d)に示すように、基準画像XA10を生成する。この後は、各部分画像XA1、XA3’、XA7’、XA9’と、基準画像XA10との差分により、4つの検査画像XA1−XA10、XA3’−XA10、XA7’−XA10、XA9’−XA10(図示せず)を生成する。そして、4つの検査画像を用いて、第1の実施形態と同様に良品か否かを判定する。
以上が第2の実施形態の固体撮像素子の検査方法の説明であり、第2の実施形態においても第1の実施形態と同様の効果が得られる。さらに、第2の実施形態では、処理に用いる画像のデータ量が少ないので、短時間で検査できる。なお、全体画像を縦3×横3ではなく、さらに多数に均等分割し、全体画像の四隅に対応する4つの部分画像を用いてもよい。その場合、処理に用いる画像のデータ量がさらに少なくなり、より短時間で検査できる。
<第3の実施形態>
第3の実施形態も、第1及び第2の実施形態と同様に、固体撮像素子の検査方法として本発明を具体化したものである。第2の実施形態では全体画像の四隅の領域に着目したが、第3の実施形態では、全体画像の1辺の中央部に着目する。また、検査に用いる各部分画像は、第1の実施形態では全体画像において互いに隣接し、第2の実施形態では全体画像において離れているが、全体画像において重なっていてもよい。第3の実施形態ではそのように重なる例を述べる。なお、第3の実施形態の固体撮像素子の検査工程の流れは、部分画像の生成方法の違いを除いて第1の実施形態と同様なので、流れ図を省略する。
図10は、第3の実施形態における部分画像及び基準画像の生成方法を示す説明図である。以下、図10を用いて、第3の実施形態の固体撮像素子の検査方法を説明する。なお、図10(a)は、チップ10Aの平面図であり、画素領域20の4辺の中央に星印を付したものである。図10(a)の画素領域20内で点線の四角で示した4領域は、第3の実施形態の部分画像YA1、YA2、YA3、YA4となる領域である。
部分画像YA1、YA2、YA3、YA4は、どれも正方形であり、どれも全体画像AWの外周の一部を1辺とする。全体画像AWの4辺の中心はそれぞれ、部分画像YA1、YA2、YA3、YA4における1辺の中心に一致する。また、部分画像YA1、YA3は互いに隣接する。部分画像YA2の一部は、部分画像YA1の一部、及び部分画像YA3の一部に重なり、部分画像YA4の一部は、部分画像YA1の一部、及び部分画像YA3の一部に重なる。従って、部分画像YA1、YA3が全体画像の中心に対し互いに点対称な位置関係となり、部分画像YA2、YA4が全体画像の中心に対し互いに点対称な位置関係となる。図10(b)は、全体画像の4辺の各中央部に対応する星印を付して、部分画像YA1、YA2、YA3、YA4を示す。なお、図10(b)において、各部分画像YA1、YA2、YA3、YA4における星印が付された辺の反対側の辺の中央には、反転処理後と比較した位置関係を分かり易くするため、四角印を付した。
そして、4つの部分画像を生成後は、反転処理を行い、各部分画像YA1、YA2、YA3、YA4における、全体画像の中心に最も近い画像領域を所定位置(この例では画像の上端中央)に揃える。具体的には、部分画像YA2は反時計回りに90°回転して部分画像YA2’とし、部分画像YA3は上下反転して部分画像YA3’とし、部分画像YA4は時計回りに(右に)90°回転して部分画像YA4’とする。部分画像YA1には、反転処理を行わない。図10(c)は、これら部分画像YA2’、YA3’、YA4’、及び部分画像YA1を示す。
反転処理の後は、これら部分画像YA1、YA2’、YA3’、YA4’を平均化することにより、図10(d)に示すように基準画像YA5を生成する。この後は、各部分画像YA1、YA2’、YA3’、YA4’と、基準画像YA5との差分により、4つの検査画像YA1−YA5、YA2’−YA5、YA3’−YA5、YA4’−YA5(図示せず)を生成する。そして、これら4つの検査画像を用いて、第1の実施形態と同様に良品か否かを判定する。
以上が第3の実施形態の固体撮像素子の検査方法の説明であり、第3の実施形態においても第1及び第2の実施形態と同様の効果が得られる。なお、第3の実施形態では、各部分画像YA1、YA2、YA3、YA4が互いに隣接または重なる例を述べたが、これら4つを縮小し、離れるようにしてもよい。その場合、各部分画像YA1、YA2、YA3、YA4のどれもが全体画像AWの外周の一部を1辺とし、且つ、正方形の形状が維持されるようにする縮小することが望ましい。
以下、第1〜第3の実施形態の補足事項を説明する。
第1〜第3の実施形態では、図8のステップS4において、全ての部分画像を平均化して基準画像を生成する例を述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。例えば、各部分画像を加算して、部分画像と同じサイズの基準画像を生成してもよい。
早期に良品のみを選別することが望ましいので、固体撮像素子の検査は第1〜第3の実施形態のようにウェハ12の状態で行うことが望ましいが、ダイシング後や、固体撮像素子として実装後に検査してもよい。
固定パターンノイズが生じている可能性が低い画像領域を用いずに効率的に検査するという点で、第2の実施形態の手法は、4隅のいずれかから放射状に塗布ムラが生じ易いチップ10に有効であり、ウェハ12の中心側よりもむしろ外周側のチップ10に対し有効と考えられる。以下に理由を説明する。図1の配置では、各チップ10の外周においてウェハ中心との距離が最短となる箇所は、4隅のいずれかになるが、ウェハ12の外周側のチップ(10A等)では、特にその傾向が強い。即ち、チップ10を長方形に見たてた場合、ウェハ中心に最も近い隅は、各辺の中央部と比較して、ウェハ中心との距離がかなり短い。従って、4隅のいずれかから放射状に塗布ムラが生じる確率が高いチップ10は、ウェハ12の外周側のチップ10と考えられる。
反対に第3の実施形態の手法は、全体画像の1辺の中央でノイズが生じているチップ10に有効であるので、ウェハ12の外周側よりもむしろ、図1における4つの点線の楕円内の領域のように中心側のチップ10に対し有効と考えられる。これは、ウェハ中心に滴下された直後のレジストが、スピンナーによる高速回転の前において多少の拡がりを有することを考慮すれば、隅と、各辺の中央部とで、滴下直後のレジストとの距離があまり変わらないからである。そして、ウェハ12上での位置から固定パターンノイズの表れ方を予測することで、ウェハ12上での位置毎に個別のパターンを予め登録し、登録したパターンとのパターンマッチングを行うことで固定パターンノイズを検出してもよい。
図11は、ウェハ12上での位置情報を考慮して固体撮像素子の検査を行う場合の流れ図である。ここで用いる検査装置(図示せず)には、以下のステップS21〜S28の処理をコード化したプログラムがインストールされている。以下、図に示すステップ番号に従って、検査工程の流れを説明する。
ステップS21では、第1の実施形態のステップS1と同様に、検査装置により全体画像の画像信号を取得する。
次に、ステップS22では、全体画像を取得したチップ10が、ウェハ12におけるどの位置にあるかの位置情報を取得する。位置情報は例えば、オリエンテーションフラット或いはウェハ中心を基準としたXY座標で表せばよい。
次に、ステップS23では、ウェハ12上での位置に応じた(予め登録してある)方法により、全体画像から複数の部分画像を生成する。例えば図1のチップ10A、10B、10C、10Dのようにウェハ12の外周近辺のチップ10に対しては、第2の実施形態と同様に部分画像を生成する(第1の実施形態の手法でもよい)。また、例えば図1において4つの点線の楕円内に含まれる位置のチップ10のようにウェハ12の中央に近いものに対しては、第3の実施形態と同様のパターンで部分画像を生成する。
次に、ステップS24では、反転処理を行い、ステップS23で生成した各部分画像における、全体画像の中心に最も近い画像領域を所定位置に揃える。
次に、ステップS25では、ステップS24の処理後の各部分画像を平均化し、基準画像を生成する。
次に、ステップS26では、反転処理後の各部分画像(反転処理がされないものは、その部分画像)と、基準画像との差分により、各部分画像に対し検査画像を生成する。
次に、ステップS27では、ウェハ12上での位置に応じた(予め登録してある)パターンマッチングを検査画像に施して、固定パターンノイズの表れ方や程度を検出し、そのチップ10が良品か否かを判定する。
次に、ステップS28では、ウェハ12において未検査のチップ10があるか否かを判定し、なければ、そのウェハ12に対する検査を終了する。未検査のチップ10があれば、ステップS1に戻り、未検査のチップ10に対する検査を行う。以上が図11の検査工程の流れの説明である。このようにウェハ12上でのチップ10の位置に応じて部分画像及び生成方法、検査画像に対するパターンマッチングの手法を変えれば、検査精度は向上する。
<第4の実施形態>
第4の実施形態は、本発明を電子カメラに適用したものである。具体的には、上述の検査方法により固体撮像素子のチップに対し検査画像を生成後、その検査画像に基づいて、その固体撮像素子に固有の固定パターンノイズを消去する画像処理プログラムを生成し、その画像処理プログラム及び固体撮像素子を電子カメラに搭載する。
固体撮像素子は、ここでは一例として、3原色のカラーフィルタアレイを有するものとする。検査工程では例えば、ウェハの状態で均一な白色光を固体撮像素子120のチップに照射して、3原色に対してそれぞれ全体画像を生成することが望ましい。即ち、赤色成分の光を選択的に受光する画素の画像信号に基づいた全体画像を生成し、緑色成分、青色成分についても同様にする。そして、3原色に対してそれぞれ、部分画像、基準画像、及び検査画像を生成後、検査画像に基づいて、その固体撮像素子に固有の固定パターンノイズを消去する画像処理プログラムを作成する。
図12は、第4の実施形態における電子カメラ108のブロック図である。図に示すように、電子カメラ108は、撮影レンズ112と、シャッタ116と、固体撮像素子120と、アナログ信号処理部124と、A/D変換部128と、タイミングジェネレータ132と、シャッタ駆動部136と、焦点制御部140と、操作部144と、MPU(Micro Processor Unit)148と、システムバス152と、画像処理部156と、メモリ160と、記録読み出し部164と、交換可能な記録媒体168と、モニタ制御部184と、液晶モニタ188とを有する。
焦点制御部140は、MPU148の指令に従って、撮影レンズ112のピント位置を調節する。シャッタ制御部136は、MPU148の指令に従って、シャッタ116の先幕及び後幕の走行を制御する。タイミングジェネレータ132は、MPU148の指令に従って、固体撮像素子120を駆動する。固体撮像素子120は、受光量に応じた信号電荷を蓄積し、アナログの画像信号を出力する。アナログ信号処理部124は、固体撮像素子120からの画像信号にクランプ処理、感度補正処理、A/D変換等を施し、デジタルの画像データを生成する。
画像処理部156は、MPU148の指令に従って画像データに画像処理を施す。メモリ160は、所定のフォーマットへのデータ変換や加工が行われる前の画像データ等を一時的に記憶する。MPU148は、システムバス152を介して電子カメラ108のシステム制御を行う。操作部144は、露出条件の設定用釦群や、レリーズ釦等を有する。なお、請求項記載の信号処理部は、アナログ信号処理部124、A/D変換部128、タイミングジェネレータ132、及びこれらを制御して画像データを生成させるMPU148の機能に対応する。
第4の実施形態の電子カメラ108の主な特徴は、固定パターンノイズを消去する前述の画像処理プログラムがMPU148に搭載されていることであり、他の構成は従来の電子カメラと同様である。この画像処理プログラムは、固体撮像素子120に合わせて作成されるものであるので、画質は向上する。本実施形態のように、検査画像に基づいてその固体撮像素子に合わせて固定パターンノイズを消去するプログラムを作成し、それを電子カメラにインストールすれば、今までは良品の基準以下であった固体撮像素子を電子カメラに使用しても、十分な高画質が得られる。その場合、製造の歩留まりが向上する。
以上詳述したように本発明は、固体撮像素子の検査方法、固体撮像素子の検査用プログラム、及び電子カメラにおいて大いに利用可能である。
複数の固体撮像素子のチップが形成された半導体のウェハの平面模式図である。 放射状の塗布ムラの一例を示す説明図であり、図1においてA、B、D、Dの符号を付した4つのチップに着目した平面模式図である。 本発明の原理である画像処理の一例を示す説明図であり、チップ10Aに対応する。 本発明の原理である画像処理の一例を示す説明図であり、チップ10Bに対応する。 本発明の原理である画像処理の一例を示す説明図であり、チップ10Dに対応する。 本発明の原理である画像処理の一例を示す説明図であり、チップ10Dに対応する。 固体撮像素子が良否か否かを判定するために用いる検査画像の説明図である。 第1の実施形態の固体撮像素子の検査方法の流れ図である。 第2の実施形態における部分画像及び基準画像の生成方法を示す説明図である。 第3の実施形態における、部分画像及び基準画像の生成方法を示す説明図である。 ウェハ上での位置情報を考慮して固体撮像素子の検査を行う場合の流れ図である。 第4の実施形態における電子カメラの概略構成を示すブロック図である。 固定パターンノイズを検出する従来技術の一例を示す説明図である。 回転塗布中に異物が混入して核となり、塗布量が薄い領域が生じるために発生する固定パターンノイズの一例を示す説明図である。
符号の説明
10、10A、10B、10D、10D チップ
12 ウェハ
14 ストリート
20 画素領域
22 パッド
108 電子カメラ
112 撮影レンズ
116 シャッタ
120 固体撮像素子
124 アナログ信号処理部
128 A/D変換部
132 タイミングジェネレータ
136 シャッタ駆動部
140 焦点制御部
144 操作部
148 MPU
152 システムバス
156 画像処理部
160 メモリ
164 記録読み出し部
168 記録媒体
184 モニタ制御部
188 液晶モニタ

Claims (7)

  1. 検査用の照明光の照射によって固体撮像素子が生成した画像信号を取得するステップと、
    前記画像信号が示す画像である全体画像を用い、前記全体画像に対する複数の部分画像をそれぞれ同じ画像サイズで生成する抽出ステップと、
    少なくともいずれかの前記部分画像に対し、画像サイズが変わらないように、上下反転、左右反転、回転の少なくともいずれかの処理を施す反転ステップと、
    前記反転ステップの後、複数の前記部分画像を合成し、前記部分画像と同じ画像サイズの基準画像を生成するステップと、
    複数の前記部分画像に対し、前記基準画像との差分に相当する検査画像をそれぞれ生成するステップと、
    予め登録されたパターンと前記検査画像とのパターンマッチングを行うことにより、前記固体撮像素子が良品か否かを判定する判定ステップと
    を有することを特徴とする固体撮像素子の検査方法。
  2. 請求項1に記載の固体撮像素子の検査方法において、
    全ての前記部分画像を重ねた場合に、前記部分画像の一部の画像領域であって前記全体画像の中心に最も近い画像領域の位置が揃うように、前記反転ステップでは上下反転、左右反転、回転の少なくともいずれかの処理を施す
    ことを特徴とする固体撮像素子の検査方法。
  3. 請求項2に記載の固体撮像素子の検査方法において、
    前記抽出ステップでは、各々の前記部分画像の外周の一部が前記全体画像の外周の一部となるように、且つ、各々の前記部分画像に対し、前記全体画像の中心に対し点対称の位置にある前記部分画像が存在するように、偶数個の前記部分画像を生成する
    ことを特徴とする固体撮像素子の検査方法。
  4. 請求項3に記載の固体撮像素子の検査方法において、
    前記抽出ステップでは、前記全体画像の中心が各々の前記部分画像の隅になるように、前記全体画像を4分割することで4つの前記部分画像を生成する
    ことを特徴とする固体撮像素子の検査方法。
  5. 請求項1に記載の固体撮像素子の検査方法において、
    前記抽出ステップでは、前記画像信号を取得したチップのウエハ上での位置情報を取得し、前記位置情報に応じたパターンで、前記全体画像から複数の前記部分画像を生成し、
    前記判定ステップでは、前記位置情報に応じたパターンマッチングを行うことにより、前記固体撮像素子が良品か否かを判定する
    ことを特徴とする固体撮像素子の検査方法。
  6. 固体撮像素子が良品か否かを判定するための検査用プログラムであって、
    検査用の照明光の照射によって前記固体撮像素子が生成した画像信号を取得するステップと、
    前記画像信号が示す画像である全体画像を用い、前記全体画像に対する複数の部分画像をそれぞれ同じ画像サイズで生成する抽出ステップと、
    少なくともいずれかの前記部分画像に対し、画像サイズが変わらないように、上下反転、左右反転、回転の少なくともいずれかの処理を施す反転ステップと、
    前記反転ステップの後、複数の前記部分画像を合成し、前記部分画像と同じ画像サイズの基準画像を生成するステップと、
    複数の前記部分画像に対し、前記基準画像との差分に相当する検査画像をそれぞれ生成するステップと、
    予め登録されたパターンと前記検査画像とのパターンマッチングを行うことにより、前記固体撮像素子が良品か否かを判定する判定ステップと
    をコンピュータに実行させるための検査用プログラム。
  7. 固体撮像素子と、前記固体撮像素子から出力される画像信号に基づいて画像データを生成する信号処理部と、前記画像データに画像処理を施す画像処理部とを備えた電子カメラであって、
    前記画像処理は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の固体撮像素子の検査方法によ
    って前記固体撮像素子に対し生成された前記検査画像から推定される固定パターンノイズを、低減する処理である
    ことを特徴とする電子カメラ。
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