従来、画像処理装置から出力される画像データにより表示される画像に含まれる画像オブジェクトを追尾の対象として設定し、設定された画像オブジェクトを追尾する画像処理システムが利用されている。
図1は、画像オブジェクトを追跡する画像処理システムの従来の構成を示す図である。
画像再生装置11は、画像を再生するか、または放送を受信して画像データを生成し、生成した画像データを画像処理装置12に供給する。
画像処理装置12は、リモートコントローラ13より供給された制御信号を基に、画像再生装置11より供給された画像データから、画像オブジェクトを追尾した結果の画像データを生成し、画像提示装置14に供給する。
リモートコントローラ13は、ユーザの操作により、制御信号を生成し、生成した制御信号を画像処理装置12に供給する。
画像提示装置14は、液晶表示装置などからなり、画像処理装置12から供給された、画像オブジェクトを追尾した結果の画像データを基に、追尾されている画像オブジェクトを表示する。
画像処理装置12は、画像入出力部31、制御部32、画像追尾処理部33、および画像拡大処理部34から構成される。
画像入出力部31は、画像再生装置11から供給された画像データを入力し、画像オブジェクトを追尾した結果の画像データを画像提示装置14に供給する。制御部32は、画像処理装置12全体を制御する。画像追尾処理部33は、画像再生装置11より供給された画像データから、画像オブジェクトを追尾し、追尾された画像オブジェクトの画面上の位置を画像拡大処理部34に供給する。画像拡大処理部34は、画像追尾処理部33から供給された画像オブジェクトの画面上の位置を基に、画像に含まれる画像オブジェクトを拡大して、拡大した画像オブジェクトを表示させる画像データを画像入出力部31に供給する。
画像入出力部31は、画像入力部51および画像出力部52から構成される。
画像入力部51は、画像再生装置11より供給された画像データを入力して、入力した画像データを画像出力部52および画像追尾処理部33に供給する。
画像出力部52は、画像入力部51より供給された画像データ、または画像拡大処理部34から供給された画像データのいずれか一方を選択する。また、画像出力部52は、制御部32から供給された表示データを選択した画像データに重畳する。画像出力部52は、選択した画像データを画像提示装置14に供給する。
リモートコントローラ13は、キー入力部71および送信部72から構成される。
ユーザによりキー入力部71のボタンが押下された場合、キー入力部71は、ボタンに対応する操作信号を送信部72に供給する。
送信部72は、キー入力部71より供給された操作信号に対応する制御信号を制御部32に送信する。
制御部32は、受信部91、制御CPU(Central Processing Unit)92、およびOSD(On Screen Display)表示制御部93から構成される。
受信部91は、送信部72より送信された制御信号を受信し、受信した制御信号を制御CPU92に供給する。
制御CPU92は、受信部91より供給された制御信号を基に、OSD表示制御信号、追尾制御信号および拡大制御信号を生成し、生成したOSD表示制御信号、追尾制御信号および拡大制御信号を、それぞれ、OSD表示制御部93、画像追尾処理部33および画像拡大処理部34に供給する。
OSD表示制御部93は、制御CPU92より供給されたOSD表示制御信号を基に、枠などを表示させるための表示データを生成し、生成した表示データを画像出力部52に供給する。
画像追尾処理部33は、追尾オブジェクト指示部111、テンプレート記憶部112、サーチエリア記憶部113、および追尾処理部114から構成される。
追尾オブジェクト指示部111は、制御CPU92より供給された追尾制御信号に含まれる追尾領域の位置情報を抽出し、抽出した追尾領域の位置情報をテンプレート記憶部112に供給する。
テンプレート記憶部112は、追尾オブジェクト指示部111より供給された追尾領域の位置情報を基に、画像入力部51より供給された画像データから追尾領域の画像オブジェクトを抽出し、抽出した画像オブジェクトを記憶する。テンプレート記憶部112は、記憶している画像オブジェクトを追尾処理部114に供給する。
サーチエリア記憶部113は、画像入力部51より供給された画像データから検索領域(サーチエリア)の画像データを抽出し、抽出した検索領域の画像データを記憶する。サーチエリア記憶部113は、記憶している検索領域の画像データを追尾処理部114に供給する。
追尾処理部114は、サーチエリア記憶部113より供給された検索領域から、テンプレート記憶部112より供給された追尾の対象となる画像オブジェクトを検出し、検出した画像オブジェクトの位置を示す位置情報を追尾オブジェクト指示部111および画像拡大処理部34に供給する。
画像オブジェクトの追尾が指示されている場合、追尾オブジェクト指示部111は、追尾処理部114より供給された、検出した画像オブジェクトの位置を示す位置情報を取得し、取得した位置情報をテンプレート記憶部112に供給する。その後、テンプレート記憶部112は、追尾オブジェクト指示部111より供給された位置情報を基に、画像入力部51より供給された画像データから画像オブジェクトを抽出し、抽出した画像オブジェクトを記憶して、追尾の処理が繰り返される。
画像拡大処理部34は、拡大パラメータ指示部131および拡大処理部132から構成される。
拡大パラメータ指示部131は、制御CPU92より供給された拡大制御信号から拡大率を抽出して、抽出された拡大率、および追尾処理部114より供給された、追尾される画像オブジェクトの位置を示す位置情報を基に、拡大パラメータ(拡大位置、拡大率)を生成し、生成した拡大パラメータを拡大処理部132に供給する。
拡大処理部132は、拡大パラメータ指示部131より供給された拡大パラメータを基に、画像入力部51より供給された画像データにより表示される画像データの一部を拡大し、拡大した画像の一部を示す画像データ(画像オブジェクト)を画像入出力部31の画像出力部52に供給する。
画像入出力部31の画像出力部52は、追尾され、拡大された画像オブジェクトを示す画像データを画像提示装置14に出力して、画像提示装置14に追尾され、拡大された画像オブジェクトを表示させる。
以下、図2乃至図7の図を参照して、リモートコントローラ13による画像オブジェクトの設定の処理について説明する。
図2乃至図7で示される例において、画像提示装置14は、人の画像を表示している。また、リモートコントローラ13のキー入力部71は、追尾位置指定ボタン141、枠移動ボタン142、拡大ボタン143、縮小ボタン144、および決定ボタン145を備える。
図2で示される例において、画像提示装置14は、画像出力部52より供給された画像データを基に、人の全身の画像を表示している。また、ユーザによりリモートコントローラ13は操作されていない。
図3で示されるように、ユーザによりリモートコントローラ13の追尾位置指定ボタン141が押下された場合、キー入力部71は、追尾位置の指定の開始を示す操作信号を生成し、生成した操作信号を送信部72に供給する。送信部72は、操作信号に対応する、追尾位置の指定の開始を指示する制御信号を画像処理装置12に送信する。
画像処理装置12は、リモートコントローラ13から送信されてきた、追尾位置の指定の開始を指示する制御信号を受信すると、図3で示されるように、画像提示装置14に、枠151が重畳された画像を表示させる。なお、枠151は、初期位置に表示される。
図4で示されるように、ユーザによりリモートコントローラ13の枠移動ボタン142が押下された場合、画像処理装置12は、図4で示されるように、画像提示装置14に、枠151を移動させた画像を表示させる。
図5で示されるように、ユーザによりリモートコントローラ13の拡大ボタン143が押下された場合、画像処理装置12は、図5で示されるように、画像提示装置14に、拡大した枠151を重畳した画像を表示させる。すなわち、図5において、枠151の外側の四角の枠が拡大後の枠151となる。
図6で示されるように、ユーザによりリモートコントローラ13の縮小ボタン144が押下された場合、画像処理装置12は、図6で示されるように、画像提示装置14に、縮小した枠151を重畳した画像を表示させる。すなわち、図6において、枠151の内側の四角の枠が縮小後の枠151となる。
図7で示されるように、ユーザによりリモートコントローラ13の決定ボタン145が押下された場合、画像処理装置12は、枠151で指定されていた人の顔の画像である画像オブジェクトを拡大して、画像提示装置14に、拡大した人の顔の画像を表示しさせる。そして、追尾の処理が開始される。すなわち、この拡大された人の顔の画像は、追尾される画像オブジェクトである。
次に、図8および図9を参照して追尾について説明する。
追尾とは、追尾の対象とした画像オブジェクトを画像から検出し、画像上の画像オブジェクトの位置を特定することをいう。
図8は、歩いている人の画像の例を示す図である。図8Aで示されるように、所定の時刻において、画面の左側に表示されている、左から右に歩いている人の画像は、所定の時刻を経過すると、図8Bで示されるように、画面の右側に表示される。
追尾をしない場合、画像提示装置14に、歩いている人の全身が表示される。
一方、追尾をする場合、リモートコントローラ13を操作することで、枠151の位置または大きさが指定され、追尾の対象(画像オブジェクト)が決定される。例えば、図8Aで示されるように、画像提示装置14に表示された人の顔に枠151を指定することにより、追尾の対象となる画像オブジェクトである人の顔の追尾が指示される。
図9は、追尾され、拡大された画像オブジェクトの例を示す図である。図9Aで示される画像は、図8Aの枠151で指定されている、追尾の対象である画像オブジェクトを拡大したものである。また、図9Bで示される画像は、追尾された画像オブジェクト(図8Bの枠151で示される画像オブジェクト)を拡大したものである。
追尾の対象となる画像オブジェクトである人の顔の追尾が指示されると、画像処理装置12は、入力された画像データから、追尾の対象となる画像オブジェクトを検出して、画像上の画像オブジェクトの位置を特定し、特定された位置を基準として、画像を拡大して、画像提示装置14に表示させる。その結果、画像提示装置14に、追尾の対象とした人の顔を拡大した画像が表示される。
以上のようにして、追尾が行われる。
また、提示された画像をCCD(Charge Coupled Devices)で撮影し、ポインティングを行う画像処理システムが用いられている。
冷蔵庫に保管される保管物を各々表す複数のアイコンデータをサーバに接続されているハードディスクに予め記憶しておき、冷蔵庫に保管物を保管する際に当該保管物を示す画像の画像データをリモコンのCCDセンサによって取得し、取得した画像データに基づいて当該保管物を特定し、特定した保管物に対応するアイコンデータが示すアイコンを必要に応じてモニタに表示する手法がある。(例えば、特許文献1参照)
また、キーを押下するとレーザーポインタが発光し、キーを放すとCCDカメラが表示画面を撮像し、表示画面像及び指示ポイント像を含むCCD入力画像を取得し、表示画面像の辺や指示ポイント像の画像上の位置情報を求め、位置情報から表示画面上の指示ポイントの座標を求め、座標情報を指示画面表示装置に送信する手法がある。(例えば、特許文献2参照)
また、赤外ポインターを用いて画像表示領域に投写されたスポット光の位置検出を行うシステムにおいて、画像表示領域を撮像するCCDカメラと、撮像された画像表示領域に含まれるスポット光の指示位置を検出し、赤外ポインターによる指示動作時に、赤外ポインターから送信されてくる状態信号を受信し、状態信号の受信タイミングに基づくスポット光の検出位置を画像表示領域上における指示位置として検出するように構成する手法がある。(例えば、特許文献3参照)
また、画像を表示する為のプロジェクタと、ディスプレイ領域を撮像するCCDカメラと、撮像信号に基づき、ディスプレイ領域に含まれるプレゼンターの指示画像の影の領域、または実像領域からポインティング位置を検出する手法がある。(例えば、特許文献4参照)
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図10は、本発明に係る画像処理システムの一実施の形態の構成を示す図である。
画像処理システム2は、画像再生装置11、画像提示装置14、画像処理装置201、およびリモートコントローラ202を含むように構成される。
画像再生装置11は、画像を再生するか、または放送を受信して画像データを生成し、生成した画像データを画像処理装置201に供給する。例えば、画像再生装置11は、ビデオカセットレコーダ、ハードディスクレコーダ、およびDVD(Digital Versatile Disk)プレーヤなどの画像再生装置、並びにテレビチューナなどの放送受信装置とすることが可能である。
画像提示装置14は、CRT(Cathode-Ray Tube)表示装置または液晶表示装置などからなり、画像処理装置201から供給された、画像オブジェクトを追尾した結果の画像データを基に、追尾されている画像オブジェクトを表示する。
画像処理装置201は、リモートコントローラ202から供給された制御信号を基に、画像再生装置11より供給された画像データから、画像オブジェクトを追尾した結果の画像データを生成し、画像提示装置14に供給する。
また、画像処理装置201は、例えば、従来のリモートコントローラ13(図1)にから供給された制御信号を基に、画像データを処理することができる。すなわち、画像処理装置201は、単独で画像オブジェクトを追尾する画像処理装置として機能することができる。
リモートコントローラ202は、ユーザの操作により、画像処理装置201を制御するための制御信号(コマンド)を生成し、生成した制御信号を画像処理装置201に供給する。リモートコントローラ202の詳細については、図11を参照して後述する。
画像処理装置201は、画像入出力部221、制御部222、画像追尾処理部223、および画像拡大処理部224をさらに含む。例えば、画像入出力部221、制御部222、画像追尾処理部223、および画像拡大処理部224は、それぞれ、1つの基板として構成される。このようにすることで、機能の追加が容易になる。
画像入出力部221は、画像再生装置11から供給された画像データを入力する。また、画像入出力部221は、画像オブジェクトを追尾した結果の画像データを画像提示装置14に供給する。
制御部222は、リモートコントローラ202から送信されてきた制御信号、および追尾する画像オブジェクトの画像データを受信する。制御部222は、制御信号および受信した画像データを基に、画像処理装置201全体を制御する。制御部222は、追尾する画像オブジェクトの画像データを画像追尾処理部223に供給する。
画像追尾処理部223は、リモートコントローラ202から送信され、制御部222によって受信され、制御部222から供給された追尾する画像オブジェクトの画像データを基に、画像処再生装置11より供給された画像データから、画像オブジェクトを追尾する。画像追尾処理部223は、追尾した画像オブジェクトの画面上の位置を画像拡大処理部224に供給する。
画像拡大処理部224は、画像追尾処理部223から供給された、追尾された画像オブジェクトの画面上の位置を基に、画像に含まれる画像オブジェクトを拡大する。画像拡大処理部224は、拡大した画像オブジェクトを表示させる画像データを画像入出力部221に供給する。
次に、リモートコントローラ202の外観について、図11を参照して説明する。
リモートコントローラ202の上面には、ユーザにより押圧操作されるキー入力部241が配置され、リモートコントローラ202がユーザに把持された場合、リモートコントローラ202の画像処理装置201側を向く面には、送信部242および撮像部243が配置されている。
キー入力部241は、画像オブジェクトを指定するとき、または拡大率を画像処理装置201に指示するときなど、ユーザによって操作される。
また、リモートコントローラ202は、単独で視聴環境のセンサとしても機能する。例えば、チャンネルの切り替え、音量の制御、またはその他画質を制御するパラメータの変更などを指示することが可能である。
送信部242は、画像処理装置201に制御信号を送信する。制御信号等を、送信部242が画像処理装置201に送信する方式、すなわち、リモートコントローラ202と画像処理装置201との間の通信方式は特に限定しない。例えば、通信方式として、赤外線または無線を用いることができる。
撮像部243は、画像提示装置14に表示された画像を撮像する。例えば、撮像部243は、CCD(Charge Coupled Device)とすることができる。例えば、撮像部243は、望遠レンズからなる光学系を有し、撮像部243の視野角は、極めて狭く設定される。
このように、撮像部243は、画像提示装置14に表示された画像のうち、一部の画像である画像オブジェクトを撮像するのに適するように構成される。送信部242は、撮像された画像オブジェクトの画像データを画像処理装置201に送信する。
図12は、図10の構成を有する画像処理システムの構成を示すブロック図である。
リモートコントローラ202は、キー入力部241、送信部242、および撮像部243に加えて、制御部244を含むように構成されている。
ユーザによりキー入力部241のボタンが押下された場合、キー入力部241は、押下されたボタンに対応する操作信号を制御部244に供給する。
撮像部243は、制御部244の制御を基に、画像提示装置14に表示された画像のうち、追尾する画像オブジェクトを撮像し、撮像により生成された画像データを制御部244に供給する。
以下、撮像部243の撮像により生成された画像データを、撮像データと称する。
送信部242は、制御部244の制御を基に、キー入力部241からの操作信号に対応する制御信号を画像処理装置201に送信すると共に、撮像部243の撮像により生成された撮像データを画像処理装置201に送信する。
画像入出力部221は、画像入力部261および画像出力部262をさらに含むように構成される。
画像入力部261は、画像再生装置11より供給された画像データを入力して、入力した画像データを画像出力部262および画像追尾処理部223に供給する。
画像出力部262は、画像入力部261より供給された画像データ、または画像拡大処理部224から供給された、追尾する画像オブジェクトを拡大した画像データのいずれか一方を選択する。また、画像処理部262は、制御部222から供給された、後述する枠などを表示するための表示データを、選択した画像データに重畳する。画像出力部262は、選択した画像データを画像提示装置14に供給する。
制御部222は、受信部281、制御CPU282、およびOSD表示制御部283を含むように構成される。
受信部281は、送信部242より送信された制御信号を受信し、受信した制御信号を制御CPU282に供給する。また、受信部281は、送信部242より送信された、追尾する画像オブジェクトの撮像データを受信し、受信した撮像データを画像追尾処理部223に供給する。
制御CPU282は、受信部281より供給された制御信号を基に、OSD表示制御信号、追尾制御信号および拡大制御信号を生成し、生成したOSD表示制御信号、追尾制御信号および拡大制御信号を、それぞれ、OSD表示制御部283、画像追尾処理部223および画像拡大処理部224に供給する。
画像追尾処理部223は、追尾オブジェクト指示部301、テンプレート記憶部302、サーチエリア記憶部303、および追尾処理部304を含むように構成される。
追尾オブジェクト指示部301は、制御CPU282より供給された追尾制御信号に含まれる追尾領域の位置情報を抽出し、抽出した追尾領域の位置情報をテンプレート記憶部302に供給する。
テンプレート記憶部302は、追尾する画像オブジェクトを示す、受信部281から供給された撮像データを記憶する。または、テンプレート記憶部302は、追尾オブジェクト指示部301より供給された追尾領域の位置情報を基に、画像入力部261より供給された画像データから追尾領域の画像オブジェクトを抽出し、抽出した画像オブジェクトを記憶する。
例えば、テンプレート記憶部302は、追尾オブジェクト指示部301より供給された位置情報を基に、画像入力部261より供給された画像データから、64画素×64画素の領域の画像オブジェクト(の画像データ)を抽出し、抽出した画像オブジェクトを追尾する画像オブジェクトとして記憶する。
以下、追尾される画像オブジェクトが抽出される領域を追尾領域とも称する。
テンプレート記憶部302は、記憶している画像オブジェクトを示す画像データを追尾処理部304に供給する。
サーチエリア記憶部303は、画像入力部261より供給された画像データから検索領域(サーチエリア)の画像データを抽出し、抽出した検索領域の画像データを記憶する。サーチエリア記憶部303は、記憶している検索領域の画像データを追尾処理部304に供給する。
例えば、サーチエリア記憶部303は、画像入力部261より供給された画像データから、128画素×128画素の検索領域(サーチエリア)の画像データを抽出し、抽出した検索領域の画像データを記憶する。
追尾処理部304は、サーチエリア記憶部303より供給された検索領域から、テンプレート記憶部302より供給された画像データより示される、追尾の対象となる画像オブジェクトを検出し、検出した画像オブジェクトの位置を示す位置情報を追尾オブジェクト指示部301および画像拡大処理部224に供給する。
画像オブジェクトの追尾が指示されている場合、追尾オブジェクト指示部301は、追尾処理部304より供給された、検出した画像オブジェクトの位置を示す位置情報を取得し、取得した位置情報をテンプレート記憶部302に供給する。その後、テンプレート記憶部302は、追尾オブジェクト指示部301より供給された位置情報を基に、画像入力部261より供給された画像データから画像オブジェクト(の画像データ)を抽出し、抽出した画像オブジェクトを追尾する画像オブジェクトとして記憶して、追尾の処理が繰り返される。
画像拡大処理部224は、拡大パラメータ指示部321および拡大処理部322を含むように構成される。
拡大パラメータ指示部321は、制御CPU282より供給された拡大制御信号から拡大率を抽出して、抽出された拡大率、および追尾処理部304より供給された、追尾される画像オブジェクトの位置を示す位置情報を基に、拡大パラメータ(拡大位置、拡大率などを指定するパラメータ)を生成し、生成した拡大パラメータを拡大処理部322に供給する。
拡大処理部322は、拡大パラメータ指示部321より供給された拡大パラメータを基に、画像入力部261より供給された画像データにより表示される画像データの一部を拡大し、拡大した画像の画像データ(画像オブジェクト)を画像入出力部221の画像出力部262に供給する。
画像入出力部221の画像出力部262は、追尾され、拡大された画像オブジェクトを示す画像データを画像提示装置14に出力して、画像提示装置14に追尾され、拡大された画像オブジェクトを表示させる。
画像提示装置14は、画像出力部262より供給された画像データを基に、画像を表示する。
このように、リモートコントローラ202は、表示されている画像から追尾する画像オブジェクトを撮像して、追尾する画像オブジェクトを示す撮像データを生成して、生成した撮像データを画像処理装置201に供給する。画像処理装置201は、リモートコントローラ202から供給された、追尾する画像オブジェクトを示す撮像データを基に、画像データから画像オブジェクトを検出して、検出した画像オブジェクトの位置を特定することができる。
図13は、図12の構成を有する画像処理システムによる、追尾の処理を説明するフローチャートである。
ステップS1において、画像再生装置11は、画像を再生するか、または放送を受信して画像データを生成し、生成した画像データを画像処理装置201に供給する。
ステップS2において、画像処理装置201の画像入力部261は、画像再生装置11より供給された画像データを取得し、取得した画像データを画像出力部262に供給する。画像出力部262は、画像入力部261より供給された画像データを取得し、取得した画像データを画像提示装置14に供給する。
ステップS3において、画像提示装置14は、画像出力部262より供給された画像データを基に、画像を表示する。この場合、追尾の指定を行っていないので、画像再生装置11より供給された画像データが、そのまま画像提示装置14に供給され、画像データによる画像が画像提示装置14に表示される。
図14の左側は、画像提示装置14に表示されている画像を示す。例えば、画像提示装置14には、人の画像が表示される。
また、図14の右側は、リモートコントローラ202を示す。リモートコントローラ202のキー入力部241は、追尾位置指定ボタン341、拡大ボタン342、縮小ボタン343、および決定ボタン344を備える。
ステップS4において、制御部244は、キー入力部241からの操作信号を基に、ユーザがキー入力部241の追尾位置指定ボタン341を押下したか否か判定する。
ステップS4において、ユーザが追尾位置指定ボタン341を押下したと判定された場合、ステップS5に進み、画像処理装置201およびリモートコントローラ202は、追尾設定の処理を実行する。追尾の設定の処理の詳細は後述する。
ステップS6において、画像処理装置201は、追尾の処理を実行して、処理は終了する。追尾の処理の詳細は後述する。
ステップS4において、ユーザが追尾指定ボタン341を押下していないと判定された場合、ステップS5およびステップS6の処理はスキップされて、追尾の処理は実行されず、画像提示装置14は、画像再生装置11より供給された画像を表示して、処理は終了する。
次に、ステップS5の追尾の設定の処理に対応する、追尾の設定の処理の詳細について、図15のフローチャートを参照して説明する。
ステップS101において、ユーザによる、リモートコントローラ202の操作に対応して、リモートコントローラ202の撮像部243は、画像提示装置14に表示されている画像を撮像する。
図16で示されるように、リモートコントローラ202の撮像部243は、画像提示装置14に表示される画像のうち、図中において円で示される領域の画像を撮像する。ユーザは、リモートコントローラ202を上下左右に動かしたり、向きを変えたりすることで、画像提示装置14に表示される画像のうち、所望の領域の画像をリモートコントローラ202に撮像させることができる。
撮像部243が撮像する撮像データの詳細について、図17を参照して説明する。
図17Aは、画像提示装置14に表示される円を含む画像の例を示す。
図17Bは、画像提示装置14に表示される円を含む画像のうち、リモートコントローラ202の撮像部243により、撮像されている領域351を示す。ユーザがリモートコントローラ202を動かすとと、画像提示装置14に表示される画像のうち、リモートコントローラ202の撮像部243により、表示されている画像に対して、撮像される領域351が移動する。例えば、図17Bに示される例においては、リモートコントローラ202の撮像部243は、画像提示装置14に表示される円を含む画像のうち、円の左上の扇形の部分を撮像している。
図17Cは、撮像部243が、撮像した画像352を表す。例えば、撮像部243は、画像提示装置14に表示される画像のうち、円の左上の扇形の部分の画像352を撮像する。
ステップS102において、リモートコントローラ202の送信部242は、ステップS101において、撮像部243により撮像された画像352を、画像処理装置201の受信部281に送信する。より詳細には、ステップS102において、送信部242は、撮像部243により撮像された画像352に対応する撮像データを、受信部281に送信する。
ステップS103において、画像処理装置201の受信部281は、リモートコントローラ202の送信部242から送信された撮像データを受信し、受信した撮像データを制御CPU282およびテンプレート記憶部302に供給する。
図18は、画像再生装置11によって再生され、画像処理装置12を介して供給された画像データを基に、画像提示装置14が表示している人の画像の例を示す図である。リモートコントローラ202を操作して、画像提示装置14に表示される人の顔の画像に撮像部243を向けた場合、撮像部243は、表示されている画像のうち、人の顔の画像を撮像し、撮像した人の顔の撮像データを制御部244を介して送信部242に供給する。リモートコントローラ202の送信部242は、撮像部243から供給された撮像データを画像処理装置201の受信部281に送信する。受信部281は、送信部242から送信されてきた撮像データを受信して、受信した撮像データをテンプレート記憶部302に供給する。
テンプレート記憶部302は、受信部281から供給された撮像データを記憶する。
図19で示される例において、図中左側は、テンプレート記憶部302に記憶されている撮像データに対応する画像352を表す。より詳細には、テンプレート記憶部302に記憶されている撮像データに対応する画像352は、テンプレート記憶部302のメモリに記憶される。例えば、撮像データは、64画素×64画素からなる。
ステップS104において、サーチエリア記憶部303は、画像入力部261より供給された画像データから、検索領域を抽出し、抽出した検索領域を追尾処理部304に供給する。
図19で示される例において、図中右側は、サーチエリア記憶部303に記憶されている画像データに対応する画像361を表す。サーチエリア記憶部303に記憶されている画像データは、画像入力部221より供給された画像データであるフレームの一部であり、フレームの検索対象となる領域の画像データが、サーチエリア記憶部303に備えるメモリに記憶される。例えば、検索対象となる領域は、128画素×128画素の領域である。
以下、検索対象となる領域の画像データを、検出対象画像データとも称する。
ステップS104において、追尾処理部304は、テンプレート記憶部302より供給された撮像データを基に、サーチエリア記憶部303より供給された検出対象画像データから画像を検索する。例えば、ステップS104において、追尾処理部304は、テンプレート記憶部302より供給された撮像データを基に、サーチエリア記憶部303より供給された検出対象画像データから、撮像データに最も類似する画像オブジェクトを検出する。
類似する画像オブジェクトの検出の方法の詳細について、図20乃至図22を参照して説明する。図20で示されるように、例えば、追尾処理部304は、検出対象画像データに対する撮像データの位置を、いわゆるラスタスキャン順に移動させて、その位置における検出対象画像データの画像オブジェクトと撮像データで示される画像オブジェクトとの類似の度合いを評価して、撮像データ351で示される画像オブジェクトに最も類似する、検出対象画像データに含まれる画像オブジェクトを検出する。
例えば、画像オブジェクトを検出において、検出対象画像データに対する撮像データの位置は、検出対象画像データの左上の隅から右側に順に平行に移動し、右端に達すると、所定の画素だけ下であって、最も左に移動して、そこからまた右側に順に平行に移動する。このような撮像データの位置の移動は、撮像データが検出対象画像データの右下に達するまで繰り返される。
例えば、検出対象画像データに対する撮像データの1つの位置毎に、検出対象画像データの画素の画素値と、撮像データの対応する位置の画素の画素値との差が算出され、その差の絶対値の総和が評価値として算出される。例えば、評価値としての画素値の差の絶対値が最小となる撮像データの位置が、画像データにおける、検出しようとする画像オブジェクトの位置である。
なお、検出対象画像データに対する撮像データの移動の間隔は、例えば、1画素ずつ移動するようにすることができる。
この場合、移動の間隔は所望の間隔とすることが可能である。検出対象画像データに対する撮像データの移動の間隔をより小さくしたほうが、より正確に類似する画像オブジェクトを検出することができる。
図21は、画像オブジェクトの検出の処理において、ラスタスキャン順に撮像データを移動させる場合の、検出対象画像データの画像361に対する、撮像データの画像351の最初の位置の例を示す。すなわち、図21は、図20で示される左上の画像を拡大したものである。図21で示されるように、撮像データと、検出対象画像データの背景の部分とが比較されることになるので、画素値の差の絶対値が大きくなり、検出しようとする画像オブジェクトは存在しないと判定される。
これに対して、図22で示されるように、撮像データの画像351と検出対象画像データの画像361のもっとも類似する部分の画像とが、重なる位置においては、検出しようとする画像オブジェクトを示す撮像データと、画像データに含まれる、検出されるべき画像オブジェクトとが比較され、画素値の差が小さくなる。従って、この位置における、画素値の差の絶対値(評価値)が、他の位置における画素値の差の絶対値(評価値)よりも小さくなり、検出しようとする画像オブジェクトがその位置に存在すると判定される。
画像オブジェクトを検出する評価値は、画素値の差分の絶対値の総和に限らず、画素値の差分の自乗の総和など、画像の相関を示すものであれば良い。
また、追尾処理部304は、画像オブジェクトを検出する場合、撮像データおよび検出対象画像データを内部に備えるメモリに記憶する。撮像データおよび検出対象画像データのデータ量が、追尾処理部304の内部のメモリの容量よりも大きい場合、撮像データおよび検出対象画像データについて、データの間引きの処理を行い、データ量を少なくしてから、処理を実行するようにしてもよい。
図15に戻り、ステップS105において、追尾処理部304は、検出した画像オブジェクトから、画像オブジェクトの中心位置を取得する。例えば、ステップS105において、追尾処理部304は、画像オブジェクトの中心位置として、検出しようとする画像オブジェクトが存在すると判定された位置における、撮像データと比較された検出対象画像データの領域の中心位置を取得する。
また、例えば、画像オブジェクトの中心位置は、画像オブジェクトの重心とするようにしてもよい。
このように、画像オブジェクトの中心位置を検出することで、後の処理において、より正確に画像オブジェクトの位置を表示できるようになると共に、より正確に画像オブジェクトを追尾することができるようになる。
ステップS105において、追尾処理部304は、画像オブジェクトの中心位置を示す位置データを追尾オブジェクト指示部301および拡大パラメータ指示部321に供給する。さらに、追尾オブジェクト指示部301は、検出した画像オブジェクトの中心位置を示す位置データをOSD表示制御部283に供給する。
ステップS106において、OSD表示制御部283は、画像提示装置14に、拡大枠を表示させる。例えば、ステップS106において、OSD表示制御部283は、ステップS105の処理で検出された画像オブジェクトの中心位置に、拡大枠を画像提示装置14に表示させる表示データを生成して、生成した表示データを画像出力部262に供給する。画像出力部262は、画像データに表示データを重畳して、表示データを重畳した画像データを画像提示装置14に供給する。
図23で示される例は、図18で示される人の顔を画像オブジェクトとした場合の、画像提示装置14に表示される画像オブジェクトの中心位置tを示す。
ステップS107において、制御CPU282は、リモートコントローラ202から送信されてくる制御信号を基に、拡大率が指定されたか否かを判定する。
例えば、ユーザが拡大ボタン342または縮小ボタン343を押下し、拡大率が指定された場合、キー入力部241から供給される操作信号を基に、制御部244は、拡大または縮小の制御信号を生成し、生成した拡大または縮小の制御信号を送信部242に供給する。送信部242は、制御部244の制御の基に、拡大または縮小の制御信号を画像処理装置201に送信する。
画像処理装置201の受信部281は、送信部281より送信されてきた、拡大または縮小の制御信号を受信して、受信した制御信号を制御CPU282に供給する。制御CPU282は、受信部281から供給された拡大または縮小の制御信号を基に、拡大率が指定されたか否かを判定する。
ステップS107において、拡大率が指定されたと判定された場合、ステップS108に進み、制御CPU282は、拡大率を設定して、ステップS109に進む。例えば、ステップS108において、制御CPU282は、受信部281より供給された、拡大または縮小制御信号を基に、OSD表示制御信号を生成し、生成したOSD表示制御信号をOSD表示制御部283に供給する。また、ステップS108において、制御CPU282は、拡大または縮小制御信号を基に、拡大率を指示する拡大制御信号を生成し、生成した拡大制御信号を画像拡大処理部224に供給する。
OSD表示制御部283は、制御CPU282より供給されたOSD表示制御信号を基に、枠371の大きさを制御する。また、画像拡大処理部224の拡大パラメータ指示部321は、制御CPU282より供給された拡大制御信号を基に、拡大パラメータを生成する。
一方、ステップS107において、拡大率が指定されなかったと判定された場合、ステップS108の処理はスキップされ、手続きは、ステップS109に進む。
ステップS109において、制御CPU282は、受信した制御信号を基に、決定ボタン344が押下されたか否かを判定する。
ユーザが決定ボタン344を押下した場合、キー入力部241は、決定ボタン344に対応する操作信号を制御部224に供給する。制御部224は、決定ボタン344に対応する操作信号が供給された場合、決定の制御信号を生成して、生成した制御信号を送信部242に供給する。送信部242は、制御部244の制御の基に、決定の制御信号を画像処理装置201に送信する。
画像処理装置201の受信部281は、送信部281より送信されてきた、決定の制御信号を受信して、受信した制御信号を制御CPU282に供給する。制御CPU282は、受信部281から供給された決定の制御信号を基に、決定ボタン344が押下されたと判定する。
また、決定ボタン344が押下されていない場合、画像処理装置201には、決定の制御信号が送信されないので、制御CPU282は、決定ボタン344が押下されていないと判定する。
ステップS109において、決定ボタン344が押下されていないと判定された場合、ステップS101に戻り、決定ボタン344が押下されるまで、上述した追尾の設定の処理が繰り返される。
ステップS101乃至ステップS106が繰り返されることにより、リモートコントローラ202の動きまたは向きによって、新たな画像オブジェクトを撮像して、撮像された画像オブジェクトを基に、追尾する画像オブジェクトが検出されるので、追尾する画像オブジェクトを簡単に変更することができる。
図24は、画像提示装置14に表示される拡大枠の例を示す図である。
追尾位置指定ボタン341を押下し、リモートコントローラ202が、追尾開始の制御信号を画像処理装置201に送信して、画像処理装置201が追尾の設定の処理を開始した場合、ステップS101乃至ステップS104の処理を実行する前に、画像処理装置201は、画像提示装置14に、画像データに対応する人の画像に重畳させて、表示データに対応する枠371を表示させる。なお、この場合、枠371は、初期位置に表示される。
図25で示されるように、ステップS101乃至ステップS106が繰り返し実行されている場合、ユーザがリモートコントローラ202を上下左右に動かすことで、画像提示装置14に表示する画像に重畳した拡大枠371が移動する。
このように、リモートコントローラ202を動かすことでポインティングを行い、同時にポインティングした画像を撮像しているので、ユーザは、画像を撮像していることを意識する必要はない。
すなわち、リモートコントローラ202を向けた方向の画像オブジェクトが、追尾の対象となるので、より直感的なポインティングをすることができる。
また、図26で示されるように、ユーザが拡大ボタン342を押下した場合、画像処理装置201は、画像提示装置14に、人の画像に重畳して、拡大した枠371を表示させる。すなわち、図26における枠371の外側の四角が拡大後の枠371となる。
図27で示されるように、ユーザが縮小ボタン343を押下した場合、画像処理装置201は、画像提示装置14に、人の画像に重畳して、縮小した枠371を表示させる。すなわち、図27における枠371の内側の四角が縮小後の枠371となる。
ステップS109において、決定ボタン344が押下されていないと判定された場合、ステップS110に進み、テンプレート記憶部302は、拡大枠の画像をテンプレートとして記憶して、処理は終了する。
例えば、ステップS110において、テンプレート記憶部302は、設定された拡大率に対応する撮像データをテンプレートとして記憶する。
すなわち、例えば、追尾オブジェクト指示部301は、ステップS104の検索の処理得られた画像オブジェクトから、テンプレートをステップS108の処理で設定された拡大率、およびステップS105の処理で取得した検出した画像オブジェクトの中心位置を基に、追尾する画像オブジェクトを示すテンプレートを抽出する。
例えば、最初の設定の拡大率に比較して、2倍の拡大率が設定された場合(枠371の大きさが半分に設定された場合)、追尾オブジェクト指示部301は、中心位置を中心として、ステップS104の検索の処理得られた画像オブジェクトに対して、横方向に半分の数の画素、および縦方向に半分の数の画素を画像データからテンプレートとして抽出するように、テンプレート記憶部302に指示する。
例えば、最初の設定の拡大率に比較して、半分の拡大率が設定された場合(枠371の大きさが2倍に設定された場合)、追尾オブジェクト指示部301は、中心位置を中心として、ステップS104の検索の処理得られた画像オブジェクトに対して、横方向に2倍の数の画素、および縦方向に2倍の数の画素を画像データからテンプレートとして抽出するように、テンプレート記憶部302に指示する。
テンプレート記憶部302は、追尾オブジェクト指示部301からの指示の基に、画像データからテンプレートとして抽出して、抽出したテンプレートを記憶する。
このように、画像オブジェクトの検出は撮像データ351または画像データ361を変更しながら実行することで、拡大ボタン342または縮小ボタン343の押下より大きさの異なる画像オブジェクトを検出することができる。
図28で示されるように、ユーザが決定ボタン344を押下した場合、画像処理装置201は、画像提示装置14に、枠371で指定した、画像オブジェクトを拡大して表示させる。
次に、図29および図30を参照して、部屋の明るさに対応した画像出力について説明する。
図29は、暗い部屋の画像提示装置14により表示されている画像を示す。図30は、明るい部屋の画像提示装置14に表示される画像示す。
撮像部243は、部屋を撮像し、撮像した撮像データを制御部244に供給する。
制御部244は、撮像部243から供給される撮像データを基に、画質情報(例えば、部屋の明るさの情報)を生成し、生成した画質情報を送信部242に供給する。送信部242は、制御部244から供給された画質情報を受信部281に送信する。
受信部281は、送信部242から供給された画質情報を制御CPU282に供給する。制御CPU282は、受信部281から供給された画質情報を基に、画質パラメータを生成し、例えば、拡大パラメータ指示部321に供給する。
拡大パラメータ指示部321は、制御CPU282から供給される画質パラメータを基に、明るさの指示を含む拡大パラメータを生成し、生成した拡大パラメータを拡大処理部322に供給する。
拡大処理部322は、画像入力部221から供給される画像データおよび拡大パラメータ指示部321から供給される、明るさの指示を含む拡大パラメータを基に、画像データの明るさを変更して、画像出力部262に供給する。
画像出力部262は、画像データを画像提示装置14に供給する。画像処理装置201は、画像提示装置14に、部屋の明るさに対応した画像を表示させる。例えば、画像処理装置201は、部屋が暗い場合、画像提示装置14に暗い画像を表示させる。
例えば、画像処理装置201は、部屋が明るい場合、画像提示装置14に明るい画像を表示させる。
また、上述した処理は、OSD表示制御部283が行うようにしてもよい。すなわち、制御CPU282は、受信部282から供給された画質パラメータをOSD表示制御部283に供給する。
OSD表示制御部283は、制御CPU282から供給された画質パラメータを基に、表示データを生成し、生成した表示データを画像処理部262に供給することで、画像提示装置14は、部屋の明るさに対応した画像を表示する。このようにすることで、環境が変化しても、確実に、画像オブジェクトをポインティングすることができる。
また、画質パラメータの設定は上述した例に限定されるものではない。例えば、ユーザにより設定されるようにしてもよい。
次にステップS6の追尾の処理に対応する、追尾の処理の詳細について、図31のフローチャートを参照して説明する。
ステップS201において、サーチエリア記憶部303は、画像入力部261より供給された画像データから、検索領域(サーチエリア)の画像データを抽出し、抽出した検索領域の画像データを記憶する。例えば、検索領域の画像データは、128画素×128画素とされる。サーチエリア記憶部303は、記憶している検索領域の画像データを追尾処理部304に供給する。例えば、検索領域は、ステップS105の処理で取得された中心位置、または、後述するステップS203の処理で更新される拡大中心位置を基準として抽出される。
ステップS202において、画像追尾処理部223は、画像を検索する。例えば、ステップS202において、画像追尾処理部223の追尾処理部304は、サーチエリア記憶部303より供給された検索領域から、テンプレート記憶部302より供給された追尾の対象となる画像オブジェクトを検出し、検出した画像オブジェクトの位置を示す位置情報を追尾オブジェクト指示部301および拡大パラメータ指示部321に供給する。
図32は、歩いている人の画像を示す図である。図32Aで示されるように、時刻t−1において、画面の左側に表示されている左から右に歩いている人の画像は、時刻tになると、図32Bに示されるように、図32Aより右側に表示される。
図32Aで示される、時刻t−1の画像における、画像オブジェクト381は、追尾の対象となる画像オブジェクトである。図32Bで示される、時刻tの画像における検索領域391から、画像オブジェクト381が検出される。
図33で示されるように、追尾処理部304は、サーチエリア記憶部303より供給された時刻tにおける検索領域391(図33B)からテンプレート記憶部302より供給された時刻t−1における追尾の対象となる画像オブジェクト381(図33A)を検出する。
画像オブジェクトの検出の方法の詳細について、図34を参照して説明する。
図34で示されるように、例えば、追尾処理部304は、検索領域391に対する画像オブジェクト381の位置を、いわゆるラスタスキャン順に移動させて、その位置における検索領域391の画像オブジェクトと画像オブジェクト381との類似の度合いを評価して、画像オブジェクト381に最も類似する、検索領域391に含まれる画像オブジェクトを検出する。
例えば、画像オブジェクトを検出において、検索領域391に対する画像オブジェクト381の位置は、検索領域391の左上の隅から右側に順に平行に移動し、右端に達すると、所定の画素数だけ下であって、最も左に移動して、そこからまた右側に順に平行に移動する。このような画像オブジェクト381の位置の移動は、画像オブジェクト381が検索領域391の右下に達するまで繰り返される。
例えば、検索領域391に対する画像オブジェクト381の1つの位置毎に、検索領域391の画素の画素値と、画像オブジェクト381の対応する位置の画素の画素値との差が算出され、その差の絶対値の総和が評価値として算出される。例えば、評価値としての画素値の差の絶対値が最小となる画像オブジェクト381の位置が、画像データにおける、検出しようとする画像オブジェクトの位置である。
なお、検索領域391に対する画像オブジェクト381の移動の間隔は、例えば、1画素ずつ移動するようにすることができる。
この場合、移動の間隔は所望の間隔とすることが可能である。検索領域391に対する画像オブジェクト381の移動の間隔をより小さくしたほうが、より正確に類似する画像オブジェクトを検出することができる。
画像オブジェクトを検出する評価値は、画素値の差分の絶対値の総和に限らず、画素値の差分の自乗の総和など、画像の相関を示すものであれば良い。
例えば、図34で示される例の右端の列の中央の画像が画像オブジェクト381に最も類似する画像オブジェクトととして検出される。
追尾処理部304は、検出した画像オブジェクトの位置を示す位置情報を追尾オブジェクト指示部301および拡大パラメータ指示部321に供給する。追尾オブジェクト指示部301は、追尾処理部304より供給された、検出した画像オブジェクトの位置を示す位置情報を取得し、取得した位置情報をテンプレート記憶部302に供給する。
ステップS203において、テンプレート記憶部302は、追尾オブジェクト指示部301より供給された位置情報を基に、追尾する画像オブジェクトの位置を示す位置情報(拡大中心位置)を更新する。
図35は、画像提示装置14に表示される、歩いている人の画像を示す例である。図中の「+印」は、画像オブジェクトの位置を示す位置情報であり、時刻t−1および時刻tにおける、画像オブジェクトの位置を示す。
位置情報を更新した場合、画像オブジェクトの位置は、時刻t−1の位置から時刻tの位置に移動する。
例えば、ステップS203において、位置情報が、図35で示される、時刻t−1の位置から時刻tの位置に更新される。
ステップS203において、テンプレート記憶部302は、追尾オブジェクト指示部301より供給された位置情報および設定されている拡大率を基に、画像入力部261より供給された画像データから追尾領域の画像オブジェクトを抽出し、抽出した画像オブジェクトを記憶する。
画像オブジェクトの追尾の処理が実行されている場合、ステップS203の処理を繰り返すたびに、テンプレート記憶部302に記憶される画像オブジェクトは、繰り返し更新される。
ステップS204において、拡大パラメータ指示部321は、検出した画像オブジェクトの位置を示す位置情報およびステップS108の処理で設定された拡大率を基に、拡大処理部322に画像の拡大を指示する。例えば、ステップS204において、拡大パラメータ指示部321は、画像オブジェクトの位置を示す位置情報および拡大パラメータを拡大処理部322に供給することにより、拡大処理部322に画像の拡大を指示する。
なお、ステップS204において、拡大パラメータ指示部321は、制御CPU282より供給された拡大制御信号から拡大率を抽出して、抽出された拡大率、および追尾処理部304より供給された、追尾される画像オブジェクトの位置を示す位置情報を基に、拡大パラメータ(拡大位置、拡大率)を生成し、生成した拡大パラメータを拡大処理部322に供給するようにしてもよい。
ステップS205において、拡大処理部322は、拡大パラメータ指示部321からの指示の基に、画像を拡大する。例えば、ステップS205において、拡大処理部322は、拡大パラメータ指示部321より供給された拡大パラメータを基に、画像入力部51より供給された画像データのうち、位置情報により示される位置の画像を拡大し、拡大した画像を示す画像データ(画像オブジェクト)を画像出力部52に供給する。
ステップS206において、画像出力部262は、追尾され、拡大された画像オブジェクトを示す画像データを画像提示装置14に出力して、画像提示装置14に、追尾され、拡大された画像オブジェクトを表示させる。
ステップS207において、制御CPU282は、追尾の処理が終了したか否かを判定する。
例えば、リモートコントローラ202に図示せぬ、追尾終了ボタンを押下し、リモートコントローラ202が上述した処理と同様の処理で追尾終了制御信号を画像処理装置201に送信することで、制御CPU282が終了の判定するようにしてもよいし、追尾の処理を実行中に追尾位置指定ボタン341を押下することで、追尾終了制御信号を送信し、制御CPU282が終了の判定するようにしてもよい。
また、追尾の処理の終了の方法は、上述した例に限定されるものではない。
ステップS207において、終了が指示されていないと判定された場合、ステップS201に戻り、上述した追尾の処理が繰り返される。ステップS201乃至ステップS207の処理を繰り返すことで、ステップS203において、テンプレート記憶部302に記憶される画像オブジェクトが、繰り返し更新されることにより追尾の処理が実行される。
より具体的には、追尾オブジェクト指示部301は、追尾する画像オブジェクトの位置の初期値として、追尾の設定の処理において取得された中心位置をテンプレート記憶部302に供給し、追尾の処理が開始されると、追尾する画像オブジェクトの位置として、更新された拡大中心位置をテンプレート記憶部302に供給する。
すなわち、追尾する画像オブジェクトは、1フレーム毎に更新されることになる。
このようにすることで、例えば、顔の向きが変わるなど、追尾しようとする画像オブジェクトの画素値が変化しても、正確に画像オブジェクトを追尾して、追尾した画像オブジェクトを表示することができる。
ステップS207において、終了が指示された場合、処理は終了する。
以上のように、ユーザは、リモートコントローラ202が向けられた方向をポインティングできるので、より直感的なポインティングで追尾の対象を指定することが可能となる。
画像処理装置がリモートコントローラから送信されたデータを受信するようにした場合、そのデータを基に、画像オブジェクトを追尾することができる。また、画像処理装置から出力された第1の画像データによって表示されている画像に含まれている、画像オブジェクトを撮像し、画像オブジェクトの撮像によって得られた第2の画像データを画像処理装置に送信し、リモートコントローラから送信されてきた第2の画像データを受信し、第2の画像データを基に、第1の画像データから画像オブジェクトを検出するようにした場合、より迅速に、より簡単に追尾する画像オブジェクトをポインティングすることができる。
制御信号を送信するようにした場合、画像処理装置において、画像オブジェクトをポインティングすることができる。また、画像処理装置から出力された第1の画像データによって表示されている画像に含まれている、画像オブジェクトを撮像し、画像オブジェクトの撮像によって得られた第2の画像データを画像処理装置に送信するようにした場合、画像処理装置において、より迅速に、より簡単に画像オブジェクトをポインティングすることができる。
リモートコントローラから送信されたデータを受信するようにした場合、そのデータを基に、画像オブジェクトを追尾することができる。また、リモートコントローラから送信されてきた、自分が出力した第1の画像データによって表示されている画像が撮像されることによって得られた第2の画像データを受信し、第2の画像データを基に、第1の画像データから画像オブジェクトを検出するようにした場合、より迅速に、より簡単に追尾する画像オブジェクトをポインティングすることができる。
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、記録媒体からインストールされる。
図36は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するパーソナルコンピュータの構成の例を示すブロック図である。CPU(Central Processing Unit)501は、ROM(Read Only Memory)502、または記録部508に記録されているプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM(Random Access Memory)503には、CPU501が実行するプログラムやデータなどが適宜記憶される。これらのCPU501、ROM202、およびRAM503は、バス504により相互に接続されている。
CPU501にはまた、バス504を介して入出力インタフェース505が接続されている。入出力インタフェース505には、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる入力部506、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部507が接続されている。CUP501は、入力部506から入力される指令に対応して各種の処理を実行する。そして、CPU501は、処理の結果得られた画像等を出力部507に出力する。
入出力インタフェース505に接続されている記録部508は、例えばハードディスクなどで構成され、CPU501が実行するプログラムや各種のデータを記録する。通信部509は、インターネット、その他のネットワークを介して外部の装置と通信する。この例の場合、通信部509は、入力画像を取得するか、または出力画像を出力する、外部とのインタフェースとして動作する。
また、通信部509を介してプログラムを取得し、記録部508に記録してもよい。
入出力インタフェース505に接続されているドライブ510は、磁気ディスク521、光ディスク522、光磁気ディスク523、或いは半導体メモリ524などが装着されたとき、それらを駆動し、そこに記録されているプログラムやデータなどを取得する。取得されたプログラムやデータは、必要に応じて記録部508に転送され、記録される。
一連の処理をさせるプログラムが格納されている記録媒体は、図36に示すように、コンピュータとは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク521(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク522(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク523(MD(Mini-Disc)(商標)を含む)、若しくは半導体メモリ524などよりなるパッケージメディアにより構成されるだけでなく、コンピュータに予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROM502や、記録部508に含まれるハードディスクなどで構成される。
なお、上述した一連の処理を実行させるプログラムは、必要に応じてルータ、モデムなどのインタフェースを介して、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の通信媒体を介してコンピュータにインストールされるようにしてもよい。
また、本明細書において、記録媒体に格納されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
なお、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
2 画像処理システム, 11 画像再生装置, 14 画像提示装置, 201 画像処理装置, 202 リモートコントローラ, 221 画像入出力部, 222 制御部, 223 画像追尾処理部, 224 画像拡大処理部, 241 キー入力部, 242 送信部, 243 撮像部, 244 制御部, 261 画像入力部, 262 画像出力部, 281 受信部, 282 制御CPU, 283 OSD表示制御部, 301 追尾オブジェクト指示部, 302 テンプレート記憶部, 303 サーチエリア記憶部, 304 追尾処理部, 321 拡大パラメータ指示部, 322 拡大処理部