JP4594854B2 - 音声スイッチ方法、音声スイッチ装置、音声スイッチプログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

音声スイッチ方法、音声スイッチ装置、音声スイッチプログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Description

この発明は、拡声通話系の音響通信装置において、通話の障害となり、時にはハウリングの原因となる音響エコーを抑圧する音声スイッチ方法、音声スイッチ装置、音声スイッチプログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体。
近年のデジタルネットワーク大容量化により、容易に複数人が参加でき、通話環境がより自然な多チャネル拡声通話型の通信会議システムが検討されている。拡声通話系では、スピーカから拡声された音声が、送話音声収音用マイクロホンに収音されて音響エコーが生じる。音響エコーがそのまま送信されると通話の障害や不快感などの問題が生じ、更に対地の拡声通話系を含めて形成される閉ループのループゲインが1より大きい場合にはハウリングが生じて、通話が不可能になる。
このような問題が解決するために、多チャネル拡声通話に対応した音声スイッチ装置が特許文献1に提案されている。受話チャネル数がM(Mは1以上の整数、以下同様)、送信チャネル数が2の場合について、この音声スイッチ装置の構成を図1に示す。
Mチャネルの受話端子1(ただし、m=1、...、M)に入力された再生信号xは、M個のスピーカ2によって音響信号として再生され、反響経路hを経てマイクロホン3(ただし、n=1、...、Nであるが、図1の場合、N=2)に収音信号yとして回り込む。そして、収音信号yは送話端子4に入力される。
また、音声スイッチ装置5により、受話信号xもしくは送話信号yを減衰させる。音声スイッチ装置5の具体的構成例は、送話判定部6、送話音声パワー推定部7、7、受話信号xを減衰させるか否かにより、減衰させた受話信号xまたは入力された受話信号xそのものを出力するための受話側可変減衰部8、マイクロホン3、3からの収音信号yを減衰させるか否かにより減衰させた収音信号y、または入力された収音信号yそのものを出力するための送話側可変減衰部9、9からなる。なお、送話音声パワー推定部7、7、送話側可変減衰部9、9は音声スイッチ装置5中に、マイクロホン3、3毎に備え付けられており、受話側可変減衰部8は音声スイッチ装置5中に、スピーカ2毎に備え付けられており、送話判定部6は音声スイッチ装置5中に、1つ備え付けられている。
送話音声パワー推定部7においては、再生信号TF変換部71、収音信号TF変換部72、エコー成分比率推定部73、信号パワー算出部74からなる。なお、送話音声パワー推定部7はマイクロホン3ごとに備え付けられており、再生信号TF変換部71は、図1では、送話音声パワー推定部7中に、設けられている。後述するように、スピーカ2毎に送話音声パワー推定部7、7に共通に設けられている構成でも良く、送話音声パワー推定部7、7ごとに再生信号TF変換部71を設ける構成でも良い。収音信号TF変換部72エコー成分比率推定部73非エコー信号パワー算出部74は、送話音声パワー推定部7中に各1つ備え付けられている。
次に、音声スイッチ装置5の処理の流れを説明する。Mチャネルの受話端子1に入力された受話信号は、受話側可変減衰部8を通じて再生信号x、...、xとしてスピーカ2へ供給されると同時に、送話音声パワー推定部7、7にも入力される。送話音声パワー推定部7中の再生信号TF変換部71にて時間領域の再生信号x(k)(ただしkは離散的時刻)をLサンプル毎に、各フレーム長2Lサンプルづつを、フレームX (j)、...、X (j)として切り出し、(ただしjはフレーム時刻)、これらフレームを周波数領域に変換して、再生信号スペクトルX (j、f)、...、X (j、f)を求める。ここで、X (j)は、フレームに切り出された第mチャネルの再生信号の2Lサンプルのブロックを表し、X (j、f)は第mチャネルの再生信号のスペクトルの2L個の周波数成分を要素とするベクトルを表す。
ここで、第mチャネルの再生信号のフレーム長2Lサンプルの信号フレームを用いて、離散的時刻kとフレーム時刻jの関係を図2に示す。図2中のaはフレーム時刻jの信号フレーム、bはフレーム時刻j+1の信号フレームであり、aの信号フレームよりLサンプル分遅れている。cはフレーム時刻j+2の信号フレームであり、aの信号フレームより2Lサンプル分遅れとしている。また離散的時刻kについて言及すると、aの信号フレームの(1)、(2)、(3)、(4)はそれぞれ、フレーム信号のサンプルを表し、フレーム時刻jの信号フレームの最後のサンプル(4)の時刻kをjLとすると、最初のサンプル(1)は、サンプル(4)より2L−1サンプル前であるから、時刻kはjL−2L+1となる。同様にサンプル(2)、(3)の離散的時刻kはそれぞれjL−2L・・・jL−1になり、それぞれのサンプル(1)、(2)・・・(3)、(4)をx(jL−2L+1)、x(jL−2L)・・・x(jL−1)、x(jL)と表すことができる。また同様に、bの信号フレームの最初と最後のサンプル(5)と(6)はそれぞれ、x((j+1)L−2L+1)、x((j+1)L)と表すことができ、cの信号フレームの最初と最後のサンプル(7)と(8)はそれぞれx(jL+1)、x((j+2)L)と表すことができる。
マイクロホン3、3に収音された収音信号y(k)、y(k)はそれぞれ、送話音声パワー推定部7、7に入力されると共に送話側可変減衰部9、9へ供給される。各送話音声パワー推定部7、7はその入力信号y(k
)が異なるだけで、同様の動作を行うものであるから、以後は送話音声パワー推定部7について説明する。送話音声パワー推定部7中の収音信号TF変換部72では、時間領域の収音信号y(k)を前記と同様にLサンプル毎にフレーム長2LサンプルをフレームY(j)として切り出し、これらフレームを周波数領域に変換して、収音信号スペクトルY (j、f)を求める。
前記再生信号スペクトルX (j、f)、...、X (j、f)と前記収音信号スペクトルY (j、f)がエコー成分比率推定部73に入力される。エコー成分比率推定部73では、周波数成分毎に収音信号に占めるエコー成分の比率γ(j,f)を求める。
エコー成分比率推定部73の具体的構成例を図3に示す。エコー成分比率推定部73は、Mー1個の受話側相間除去部731〜731で構成される収音側相関除去部群731、Mー1個の再生側相関除去部732〜732で構成される再生側相関除去部群732、M個のコヒーレンス算出部733〜733で構成されるコヒーレンス算出部群733、1個のエコー成分比率算部734により構成される。
次に、エコー成分比率73の処理の流れを説明する。第mチャネルの前記再生信号スペクトルX (j、f)(m=2、...、M)から、第1〜第m−1チャネルの前記再生信号スペクトルX (j、f)〜Xm−1 (j、f)との周波数成分ごとの相関成分を再生側相関除去部731で除去した再生側相関除去信号スペクトルXm(m―1) (j、f)を求める。再生側相関除去部731には、第1チャネルの再生信号スペクトルX (j、f)と再生側相関除去部731〜731m−1からの再生側相関除去信号スペクトルX2(1) (j、f)〜X(m―1)(m―2) (j、f)が入力されて、前記周波数成分ごとの相関成分の除去が行われる。
収音側相関除去部732では、収音信号スペクトルY (j、f)から第1〜第m−1チャネルの再生信号スペクトルX (j、f)〜Xm−1 (j、f)との周波数成分ごとの相関成分が除去される。この例では、収音側相関除去部732には、前記収音信号スペクトルY (j、f)と、第1チャネルの再生信号スペクトルX (j、f)と相関除去部731〜731m−1からの第2〜第m−1チャネルの再生側相関除去信号スペクトルX2(1) (j、f)、...、X(m―1)(m―2) (j、f)とが収音側相関除去部732に入力され、収音側相関除去部732から収音側相関除去信号スペクトルY(m−1) (j、f)を求める。
コヒーレンス算出部群733においては、第1チャネルの再生信号スペクトルX (j、f)と前記収音信号スペクトルY (j、f)がコヒーレンス算出部733に入力され、コヒーレンス算出部733で、第1チャネルの再生信号スペクトルX (j、f)と収音信号スペクトルY (j、f)との周波数成分ごとのコヒーレンスγ 1y(j、f)を求める。
再生側相関除去信号スペクトルXm(m―1) (j、f)と収音側相関除去信号スペクトルY(m−1) (j、f)がコヒーレンス算出部733に入力され、コヒーレンス算出部733で、再生側相関除去信号スペクトルXm(m―1) (j、f)と収音側相関除去信号スペクトルY(m−1) (j、f)の周波数成分ごとのコヒーレンスγ my(m―1)(j、f)を求める。このようにして、第1〜第mチャネルごとの再生信号スペクトルと収音信号との周波数成分ごとの相関(コヒーレンス)が得られる。
コヒーレンス算出部733で算出されたコヒーレンスγ 1y(j、f)とコヒーレンス算出部733〜733で算出された全てのγ 2y(1)(j、f)〜γ My(M―1)(j、f)がエコー成分比率算出部734に入力され、エコー成分比率算出部734で、周波数成分毎に、収音信号スペクトルに占める全チャネルの再生信号のエコー成分比率γ (j、f)を求める。
次に、図1の説明に戻って、前記送話音声パワー推定部71中の信号パワー算出部74にエコー成分比率γ (j、f)と前記収音信号スペクトルY (j、f)が入力され、非エコー信号パワー算出部74で、エコー成分比率γ (j、f)と前記収音信号スペクトルY (j、f)から周波数帯域毎に非エコー成分を求め、その総和をとって非エコー信号パワーPy1(j)を求める。
送話音声パワー推定部7は前述したように、入力される収音信号y(k)ではなく、y(k)であるだけで、音声パワー推定部7と同様な処理を行う。よって送話音声パワー推定部7から、信号パワー算出部(図示せず)で、前記エコー成分収音信号スペクトルY (j、f)中の、非エコー信号パワーPy2(j)が求められる。
この例では、非エコー信号パワーPy1(j)と非エコー信号パワーPy2(j)が、送話判定部6に入力され、全収音チャネルの比エコー信号パワーの和、この例では、Py1(j)+Py2(j)を求め、その和をあらかじめ設定した閾値Pthと比較し、非エコー信号のパワーの和が閾値Pthより大きいときは、送話有りと判定し、そうでない場合は(閾値Pth以下の場合)は、送話無しと判定する。そして、送話有りと判定された場合は、受話側の可変減衰部8〜8により受話信号のみを減衰させてスピーカからの再生信号とする。送話無しと判定された場合は、送話側の可変減衰部9〜9により送話信号のみを減衰させて送信する。
なぜならば、実際には、受話側(再生側)と送話側(収音側)の双方向から同時に長い間話し続けることは少ない。つまり再生信号有り、収音信号有りが同時に続くことは稀である。誰かが話し始めると、他の会議参加者は受聴する、という形態が多い。送話ありと判定されている場合は、送話信号(収音側)のみで受話信号(再生信号)は殆どないと考えられる。この状態で、例えば、咳払いや、ペンを落とした音などが受話側で突発的に起こってしまうと、これらの音声信号が、スピーカ2により再生されてしまう。よってこれらの音声信号を再生させないためにも、受話信号のみを減衰させてスピーカからの再生信号とする。また、送話なしと判定されている場合は、送話信号が殆どなく受話信号のみが再生音として、再生信号がスピーカへ供給される。前記と同様に収音側で例えば、咳払いや、ペンを落とした音などが突発的に起こってしまうと、これらの音が送信されてしまう。よってこれらの音が送信されないためにも、収音信号のみを減衰させてスピーカからの再生信号とする。
なお、再生信号スペクトルX (j、f)、...、X (j、f)、収音信号スペクトルY (j、f)、再生側相関除去信号スペクトルXm(m―1) (j、f)、収音側相関除去信号スペクトルY(m−1) (j、f)、コヒーレンスγ 1y(j、f)、コヒーレンスγ my(m―1)(j、f)、エコー成分比率γ (j、f)、非エコー信号パワーPy1(j)の具体的な算出の仕方は後述する。
特開2004−147096
前記従来法で、収音信号スペクトルの第jフレームY (j)とスピーカ2(m=1、...、M)から再生される再生信号の各フレームとの関係に注目すると、
(j)=[X (j)・・・X (j)に起因するエコー]
+[X (j−1)・・・X (j−1)に起因するエコー]
+[X (j−2)・・・X (j−2)に起因するエコー]
・・・のようになる。
従来法のエコー成分比率推定では、フレーム時刻がj−1以前のフレームに起因する2項目以降のエコー成分は誤差要因となる。前記従来法では、フレーム処理による処理遅延を抑えて通話を快適にする目的で、フレーム長をなるべく短く10〜20msに設定するケースが実用上大半である。つまり、残響時間(通常の部屋で300ms程度)と比較して、フレーム長がずっと短く設定されているために、誤差要因となるエコー成分、すなわち2項目以降のエコー成分が増大して、エコー成分比率算出部734がその機能を十分果たさず、送話検出性能が劣化してしまう。本発明の目的は、短いフレーム長でもエコー成分比率算出部734がその機能を十分達成し、送話検出性能の劣化しない音声スイッチ方法、その装置、そのプログラム、そのプログラムを記憶した記憶媒体を提供することである。
共通の音場に配置され、Mチャネルの再生信号が供給されるM個のスピーカ(Mは2以上の整数)とN個のマイクロホン(Nは1以上の整数)に接続される装置に用いられる音声スイッチ方法において、あらかじめ決めた2L個のサンプル点(Lは1以上の整数)によるフレームごとに、現フレーム(時刻j)のMチャネルの時間領域の再生信号のそれぞれを周波数領域に変換しMチャネルの再生信号スペクトル (j)(1≦m≦M)を求め、前記N個のマイクロホンよりの現フレームのNチャネルの時間領域の収音信号のそれぞれを周波数領域に変換しNチャネルの収音信号スペクトル (j)(1≦n≦N)を求め、Mチャネルそれぞれについて、現フレームの前記再生信号スペクトルX (j)と過去のB個のフレームの前記再生信号スペクトル (j−2b)(1≦b≦B)と周波数成分ごとのである再生信号拡張スペクトル
Figure 0004594854

を求め、Nチャネルそれぞれについて、現フレームの前記収音信号スペクトルY (j)と過去のB個のフレームの前記収音信号スペクトル (j−2b)(1≦b≦B)と周波数成分ごとのである収音信号拡張スペクトル
Figure 0004594854

を求め、Mチャネルの前記再生信号拡張スペクトル、それぞれから、チャネル間相関成分を除去して再生側相関除去信号スペクトルを求め、前記マイクロホンごとに、前記収音信号拡張スペクトルから各前記再生信号拡張スペクトルとの相関成分を除去して収音側相関除去信号スペクトルを求め、前記マイクロホンごとに、前記再生側相関除去信号スペクトルと再生チャネル及び周波数成分が対応する前記収音側相関除去信号スペクトルとのコヒーレンスを計算し、前記マイクロホンごとに、前記各周波数成分ごとでの各前記再生チャネルごとの前記コヒーレンスを計算する過程での計算結果に基づき、各周波数成分ごとの前記収音信号拡張スペクトル中のエコー成分比率を計算し、前記マイクロホンごとに、前記周波数成分毎に、前記収音信号スペクトルと前記全エコー成分比率とに基づき、前記収音信号スペクトル中の非エコー成分を計算し、これら非エコー成分の総和を計算して、非エコー信号パワーを求め、前記Nチャネル非エコー信号パワーと所定の閾値とを比較して、送話の有り無しの判定をし、前記送話の有り無しの判定をする過程において、送話ありと判定されると、前記全受話信号を減衰させて前記再生信号とし、前記送話の有り無しの判定をする過程において、送話なしと判定されると、前記全収音信号を減衰させることを有することを特徴とする音声スイッチ方法。
以上の構成によれば、短いフレームの多チャネル再生信号と収音信号のフーリエ係数を求め、現フレームより複数前のフレームまでのフーリエ係数も用いて、1フレームの各フーリエ係数についてみれば、長いフレームのフーリエ係数と対応するものを求め、これを用いて、収音信号に占めるエコー成分の比率を推定しているため、フレーム長を短くしても、収音信号中に占めるエコー成分の比率を比較的正しく、検出することができ、送話検出も確実に行われる。つまり、フレーム長が短く通話が快適に行われ、しかも低演算量で確実な送話検出が可能となり、品質の高い拡声通話を行うことができる。
実施例1
本願発明の実施例1を図1に示す。拡声通話系がM(Mは2以上の整数)チャネル再生系と2チャネル収音系から構成される場面について説明する。この発明と、従来技術とは、使用した図1中のエコー成分比率推定部73が異なる。このエコー成分比率推定部73を拡張エコー成分比率推定部103という。実施例1中のその他の構成は従来のものと全て同じである。
再生信号TF変換部71〜71で、時間領域の再生信号x(k)〜x(k)(kは離散的時刻)を、Lサンプル毎に長さ2Lサンプルの信号ベクトルにフレーム化し、その各信号ベクトルをフーリエ変換(FFT)を使って下記に示す再生信号スペクトルX (j、f)〜X (j、f)に変換する。これは、時刻k=jL(jは0以上の整数であり、フレーム時刻)の時点で、各信号の直近2Lサンプル分、すなわちjL−2L+1...jLのサンプル分をフレーム化していることである。
(j、f)=[X(j、1)・・・X(j、f)・・・X(j、2L)]
=FFT[x(jL−2L+1)・・・x(jL)]・・・(1)
・・・
(j、f)=[X(j、1)・・・X(j、f)・・・X(j、2L)]
=FFT[x(jL−2L+1)・・・x(jL)]・・・(2)
収音信号TF変換部72で、時間領域の収音信号y(k)、y(k)を同様に、周波数領域に変換して下記に示す収音信号スペクトルY j、f)、Y j、f)を求める。
(j、f)=[Y(j、1)・・・Y(j、f)・・・Y(j、2L)]
=FFT[y(jL−2L+1)・・・y(jL)]・・・(3)
・・・
(j、f)=[Y(j、1)・・・Y(j、f)・・・Y(j、2L)]
=FFT[y(jL−2L+1)・・・y(jL)]・・・(4)
次に、拡張エコー成分比率推定部103の具体的構成例を図4に示す。この図4に示す構成は図3に示した構成に対し、収音信号フレーム拡張部1037y1を収音側相関除去部群1032の前段に、再生信号フレーム拡張部1037x1〜1037xMを再生側相関除去部群1031の前段にそれぞれ加えただけで、他の部分は全て同じである。再生信号フレーム拡張部1037x1〜1037xMで過去B個(Bは1以上の整数)の再生信号スペクトルと現時点の再生信号スペクトルから、周波数領域フレーム拡張処理により、再生信号拡張スペクトルU (j、f)、...、U (j、f)を求める。
(j、f)=X (j、f)+X (j−2、f)+・・・+X (j−2B、f)・・・(5)
(j、f)=X (j、f)+X (j−2、f)+・・・+X (j−2B、f)・・・(6)
また収音信号フレーム拡張部1037y1で、過去B個の収音信号スペクトルと現時点の収音信号スペクトルから周波数領域フレーム拡張処理により収音信号拡張スペクトルV (j、f)を求める。
(j、f)=Y (j、f)+Y (j−2、f)+・・・+Y (j−2B、f)・・・(7)
前記の過去のスペクトル数Bは、主要なエコーが拡張スペクトルに含まれるように3〜15に設定するのが好ましい。
図4中の再生側相関除去部群1031、収音側相関除去部群1032、コヒーレンス算出部群1033、エコー成分比率算出部1034は図3中の対応するものとそれぞれ処理は同様であるが、入力される信号が異なる。再生側相関除去部1031(m=2、...、M)で、第mチャネル再生信号拡張スペクトルU (j、f)から、第1〜第m−1チャネル再生信号拡張スペクトルU (j、f)〜U m-1(j、f)との相関を除去して、第mチャネルの再生側相関除去信号拡張スペクトルU m(m-1)(j、f)を求める。ただし、再生側相関除去部1031への入力は、第mチャネル再生信号拡張スペクトルU (j、f)と、第1チャネル再生信号拡張スペクトルU (j、f)、第2〜第m−1チャネル再生側相関除去信号拡張スペクトルU2(1) (j、f)、...、Um−1(m-2) (j、f)であり、実際の処理は、下式で表される。
m(m-1) (j、f)=U (j、f)−Σm−1 i=1im (j、f)Ui(i-1) (j、f)・・・(8)
im (j、f)=ε[U i(i-1) (j、f)U (j、f)]/
ε[U i(i-1) (j、f)Ui(i-1) (j、f)]
ただし、U1(0) (j、f)=U (j、f)とし、U i(i-1) (j、f)はUi(i-1) (j、f)の複素共役とする。
またε[]は時間平均を取ることを意味する。時間平均処理は例えば、
ε[U i(i-1) (j、f)U (j、f)]=
βε[U i(i-1) (j−1、f)U (j−1、f)]+
(1−β)ε[U i(i-1) (j、f)U (j、f)]のように、1フレーム前の処理結果と0〜1の値をとる平滑化定数βを用いる方法がある。
また収音側相関除去部1032(m=2、...、M)では、収音信号拡張スペクトルV (j、f)から第1〜第m−1チャネルの再生信号拡張スペクトルU (j、f)〜U m−1(j、f)との相関成分を除去して、第mの収音側相関除去信号拡張スペクトルV (m−1)(j、f)を求める。ただし、収音側相関除去部1032への入力は、収音信号拡張スペクトルV (j、f)と、第1チャネル再生信号拡張スペクトルU (j、f)及び、第2〜第m−1チャネル再生側相関除去信号拡張スペクトルU 2(1)(j、f)、...、U m−1(m-2)(j、f)であり、実際の処理は、下式で表される。
(m-1) (j、f)=V (j、f)−Σm−1 i=1iy (j、f)Ui(i-1) (j、f)・・・(9)
iy (j、f)=ε[U i(i-1) (j、f)V (j、f)]/
ε[U i(i-1) (j、f)Ui(i-1) (j、f)]であり、上述の再生側相関除去部1031とほぼ同様の処理である。
コヒーレンス算出部1033では、第1チャネル再生信号拡張スペクトルU (j、f)と収音信号拡張スペクトルV (j、f)とのコヒーレンスγ 1y(j、f)を求める。
コヒーレンス算出部1033(m=2、...、M)では、第mチャネルの再生側相関除去拡張スペクトルU m(m-1)(j、f)と第mの収音側相関除去拡張スペクトルV (m-1)(j、f)が入力され、以下の式でコヒーレンスγ m(m−1)(j、f)を求める。
γ m(m−1)(j、f)=
|ε[U m(m-1) (j、f)V(m−1) (j、f)]|
ε[U m(m-1) (j、f)Um(m-1) (j、f)]ε[V (m-1) (j、f)V(m-1) (j、f)]・・・(10)
エコー成分比率算出部1034で、前記コヒーレンスγ 1y(j、f)と前記コヒーレンスγ m(m−1)(j、f)の全てを用いて、以下の式にて、収音信号拡張スペクトルV (j、f)に占めるエコー成分の割合γ (f)を求める。
γ (f)=1−(1−γ1y(f))・・・(1−γ my・(m−1)(f)) ・・・(11)
マイクロホン3で収音された収音信号y(k)についても同様の処理を行うことにより収音信号拡張スペクトルV (j、f)に占めるエコー成分の割合γ (f)を求める。
次に、従来技術の項で説明したように、図1中の非エコー信号パワー算出部74では、収音信号スペクトルY (j、f)と前記で求めたエコー成分比率γ (j、f)から周波数帯域毎に、非エコー成分を求め、その総和をとって比エコー信号パワーPy1 (j)を求める。また、収音信号スペクトルY (j、f)とエコー成分比率γ (j、f)から非エコー信号パワーPy2(j、f)を求める。これら非エコー信号パワーは下記式により求める。
y1 (j、f)=Σ2L f=1ε[Y (j、f)Y (j、f)]{1−γ (j、f)} ・・・(12)
y2 (j、f)=Σ2L f=1ε[Y (j、f)Y (j、f)]{1−γ (j、f)} ・・・(13)
なお、収音信号スペクトルY (j、f)、Y (j、f)の代わりに、
収音信号拡張スペクトルV (j、f)、V (j、f)を用いても良い。
送話判定部6の具体例を図5aに示す。この例では、非エコー信号パワーPy1(j、f)、非エコー信号パワーPy2(j、f)が送話判定部6に入力される。非エコー信号パワーPy1(j、f)、非エコー信号パワーPy2(j、f)は合計部6で合計され、非エコー信号パワーの和、Py1(j、f)+Py2(j、f)が求められる。そして、あらかじめ設定、格納されたレジスタ6内の閾値Pth1と合計部6よりの合計値とが合計比較部6で比較される。非エコー信号のパワーの和が閾値Pth1より大きいときは、送話有りと判定し、そうでない場合は、送話なしと判定する。閾値Pth1は例えば、マイクロホン入力定格レベルの−15db等に設定することが考えられる。
また、送話判定部6のもう1つの具体例を図5bに示す。この例では、各マイクロホンのチャネルごとの非エコー信号パワーPyn(n=1、...N)は対応する比較部64nで、あらかじめ定められ、格納されているレジスタ6内の閾値Pth2とそれぞれ比較され、チャネル合計部6において非エコー信号パワーPynが閾値Pth2を越えているチャネル数を合計する。あらかじめ定められ、格納されているレジスタ6内の閾値Pth3と前記チャネル数の合計値とをチャネル合計比較部6で比較し、チャネル数の合計値が閾値Pth3を超えている場合は、送話有りと判定し、それ以外の場合は送話無しと判定する。また閾値Nth1、閾値Nth2は、例えば約―15dbが好ましく、閾値Nth3は例えばN/2が好ましい。
送話判定部6で送話有りと判定した時に、図1中の受話側可変減衰部8〜8は、各再生信号x(k)を減衰させて、スピーカ2から再生させる。また、送話判定部6で送話無しと判定した時に、送話側可変減衰部9〜9は、各収音信号y(k)を減衰させて、送話端子に出力させる。
なお、送話判定に使用した信号フレームに減衰処理を適用するために、当該フレームで送話有無の判定結果が得られるまでの処理時間に相当する遅延量の遅延器11を、送話側可変減衰部9の前段に、挿入する構成も考えられる。
ここで、周波数領域フレーム拡張処理で求めた拡張スペクトルの値(フーリエ係数)が長いフレームから求まるスペクトルの値(フーリエ係数)と一致することを示す。
まずk=2L−1の時点で、フレーム長2L(k=0〜2L−1)の信号フレームに関して2f番目(f=0、...、L−1)の離散フーリエ係数を求めることを考える。この係数は次式で定義される。
Figure 0004594854
以上より、複数の短いフレームから算出したフーリエ係数を使って、長いフレームから算出されるフーリエ係数を求められることが分かった。
演算量の観点から例えば、Lサンプルごとにフーリエ係数が必要な時、前記方法とLサンプルごとに、BL点のFFTを実行する方法と比較すると、前記の方法では、Lサンプルごとに、L点の高速離散フーリエ変換1回で十分なので、ずっと低い演算量で実現可能となっている。
また、ここでは、Mチャネル再生系(Mは2以上の整数)と2チャネル収音系の構成でエコー成分の比率を求める場合を説明したが、収音系3チャネル以上(Nチャネル)の場合でも、送話側音声パワー推定部7をマイクロホンごとに備え付け、同様の処理を行うことで、各収音チャネルごとにエコー成分の比率γ (f)(n=1、...、N)を求めることができる。
前述したように、再生信号TF変換部71、...、71、再生信号フレーム拡張部37、...、37、再生側相関除去部1031、...、1031はマイクロホンごとの送話音声パワー推定部7、...、7に共通に用いられる。その場合の、構成部の接続関係例を図6に示す。図6において、図1と図4と対応する部分に同一番号をつけてあり、要は、再生側相関除去部1031、...、1031よりの再生側相関除去信号拡張スペクトルU(j、f)、U2(1)(j、f)、...、UM(M―1)(j、f)が送話音声パワー推定部7、...、7の各収音側相関除去部群1032と各コヒーレンス算出部群1033にそれぞれ供給される。その他の説明は重複するので省略する。
またこの発明を実施する際に、既存の音声スイッチ装置5中のエコー成分比率推定部73を拡張エコー成分推定部103に差し替えるのみなので、コスト的な効果も期待できる。
実施例2
この発明の実施例2を図7に示す。実施例2の実施例1と異なる点のみ説明する。実施例2では、実施例1において、受話側可変減衰器8を備えず、受話端末1、...、1よりの各受話信号が供給される受話判定部12を新たに備える。受話判定部12は例えば、送話判定部で用いた図5aもしくは、図5bのような構成が考えられ、非エコー信号パワーPy1、...、PyNの代わりに、Mチャネルの受話信号パワーが入力される。即ち例えば、図5aと対応するものについて説明する。まず、合計部6において、各再生信号x(k)(m=1、...M)のフレームごとのパワーPy1、...、PyNが一点鎖線で示すパワー計数部6で計算され、これら全再生信号のパワーPxmの和Px1+Px2・・・PxMが求められる。そして、あらかじめ設定し、格納されたレジスタ6内の閾値Pth4と全再生信号のパワーPxmの和とが合計比較部6で比較される。全再生信号のパワーPxmの和が閾値Pth4より大きいときは、受話有りと判定し、そうでない場合は、受話なしと判定する。
また、受話判定部6のもう1つの具体例を図5bと対応する場合について述べる。各再生信号x(k)は対応するパワー計数部69mに入力され、そのフレームごとのパワーPxmが計算され、これら各パワーPxmがレジスタ6にあらかじめ定められ格納されている閾値Pth5とそれぞれ、比較部64mで比較され、チャネル合計部6において、パワーPxmが閾値Pth5を越えているチャネル数を合計し、あらかじめ定められ、格納されているレジスタ6内の閾値Pth6と前記チャネル数の合計値とをチャネル合計比較部6で比較し、チャネル数の合計値が閾値Pth6を超えている場合は、受話有りと判定し、それ以外の場合は受話無しと判定する。また閾値Nth4、閾値Nth5は、例えば約―15dbが好ましく、閾値Nth6は例えばM/2が好ましい。
そして受話判定部12で受話信号有りと判定されて、かつ送話判定部5で送話無しと判定されると、送話側可変減衰器8により、収音信号y(k)を減衰させる。
この実施例2の構成により、実施例1とは違い、受話側減衰部8がないため、ダブルトーク中でも音切れしにくい。また、送話信号の強度のみではなく受話信号の強度も測定しているので、実施例1よりも正確に、エコーを減衰させることができる。
実施例3
この発明の実施例3を図8に示す。実施例3は実施例1で説明した音声スイッチ方法を、適応フィルタによる音響エコー消去方法と組み合わせた構成でありあとの処理は全て同じである。ここでは、Mチャネル再生系、2チャネル収音系の場合を考える。受話側可変減衰部8〜8を経た再生信号x(k)〜x(k)はスピーカ2〜2で再生され、同時に、音響エコー消去部13、13に入力され、予測エコー信号が生成される。スピーカで再生された再生信号x(k)〜x(k)は音響エコー経路h〜hを経て、マイクロホン3、3に回り込む。以下の説明は、マイクロホン3に収音された収音信号y(k)について説明する。減算器132によってマイクロホン3からの収音信号y(k)から予測エコー信号h^(k)が差し引かれ、その残差信号e(k)がエコー経路推定部133にフィードバックされると同時に、送話側可変減衰器9を経て、対地へ送信される。送話判定部6では、実施例1と同様に、送話の有無を判定し、受話側可変減衰器8及び送話側可変減衰器9を制御する。なお適応フィルタの更新には、例えば特開2002−223182号公報に挙げられている各種アルゴリズムを使用することができる。なお、収音系がNチャネル(Nは3以上の整数)の場合にも、同様の構成の処理により、音声スイッチ装置と適応フィルタによる音響エコー消去を組み合わせることが可能である。
この構成では、エコー消去処理を経た信号が送信される。そのため、受話音声と送話音声が重なる双方で話をする状況において、収音信号に送話信号と共に含まれる受話エコー成分を大幅に低減させた上で送信することができ、拡声通話の品質が大幅に向上する。
また、送話音声パワー推定部7と音響エコー消去部13を入れ替えた構成も考えられる。この場合、音響エコー消去部13で生成された残差信号e(k)が収音信号y(k)として、収音信号TF変換部72に入力されると共に、送話側可変減衰器8へ供給される。
更に実施例2と実施例3を組み合わせた構成も考えられる。この場合は、より品質の高い拡声通話を行うことができる。
図1及び図7に示した装置をコンピューターにより機能させてもよい。この場合は、これら図1及び図7に示した装置として、コンピュータを機能させるためのプログラムを、CD−ROM、磁気ディスク、半導体記憶装置などからコンピュータにインストールし、あるいは、通信回線を介して、ダウンロードし、そのプログラムを実行させればよい。
従来技術の音声スイッチ装置及びこの発明の実施例1の具体的機能構成例を示すブロック図。 フレーム時刻jと離散的時刻kの関係を示す図。 従来技術のエコー成分比率推定部73の具体的機能構成例を示すブロック図。 この発明の拡張エコー成分比率推定部103の具体的機能構成例を示すブロック図。 図5aは送話判定部6及び受話判定部11の具体的機能構成例を示す図であり、図5bは送話判定部6及び受話判定部11のもう一つの具体的機能構成例を示す図である。 音声スイッチ装置における送話音声パワー推定部7、...、7に対し、共通に用いられる機能構成部を説明するためのブロック図。 この発明の実施例2の具体的機能構成例を示すブロック図。 この発明の実施例3の具体的機能構成例を示すブロック図。

Claims (6)

  1. 共通の音場に配置され、Mチャネルの再生信号が供給されるM個のスピーカ(Mは2以上の整数)とN個のマイクロホン(Nは1以上の整数)に接続される装置に用いられる音声スイッチ方法において、
    あらかじめ決めた2L個のサンプル点(Lは1以上の整数)によるフレームごとに、現フレーム(時刻j)のMチャネルの時間領域の再生信号のそれぞれを周波数領域に変換しMチャネルの再生信号スペクトル (j)(1≦m≦M)を求める過程と、
    前記N個のマイクロホンよりの現フレームのNチャネルの時間領域の収音信号のそれぞれを周波数領域に変換しNチャネルの収音信号スペクトル (j)(1≦n≦N)を求める過程と、
    Mチャネルそれぞれについて、現フレームの前記再生信号スペクトルX (j)と過去のB個のフレームの前記再生信号スペクトル (j−2b)(1≦b≦B)と周波数成分ごとのである再生信号拡張スペクトル
    Figure 0004594854

    を求める過程と、
    Nチャネルそれぞれについて、現フレームの前記収音信号スペクトルY (j)と過去のB個のフレームの前記収音信号スペクトル (j−2b)(1≦b≦B)と周波数成分ごとのである収音信号拡張スペクトル
    Figure 0004594854

    を求める過程と、
    Mチャネルの前記再生信号拡張スペクトル、それぞれから、チャネル間相関成分を除去して再生側相関除去信号スペクトルを求める過程と、
    前記マイクロホンごとに、前記収音信号拡張スペクトルから各前記再生信号拡張スペクトルとの相関成分を除去して収音側相関除去信号スペクトルを求める過程と、
    前記マイクロホンごとに、前記再生側相関除去信号スペクトルと再生チャネル及び周波数成分が対応する前記収音側相関除去信号スペクトルとのコヒーレンスを計算する過程と、
    前記マイクロホンごとに、前記各周波数成分ごとでの各前記コヒーレンスを計算する過程での計算結果に基づき、各周波数成分ごとの前記収音信号拡張スペクトル中のエコー成分比率を計算する過程と、
    前記マイクロホンごとに、前記周波数成分毎に、前記収音信号スペクトル又は前記収音信号拡張スペクトルと前記エコー成分比率とに基づき、前記収音信号スペクトル中の非エコー成分を計算し、これら非エコー成分の総和を計算して、非エコー信号パワーを求める過程と、
    前記Nチャネル非エコー信号パワーと所定の閾値とを比較して、送話の有り無しの判定をする過程と、
    前記送話の有り無しの判定をする過程において、送話ありと判定されると、前記全受話信号を減衰させて前記再生信号とする過程と、
    前記送話の有り無しの判定をする過程において、送話なしと判定されると、前記全収音信号を減衰させる過程と、
    を有することを特徴とする音声スイッチ方法。
  2. 共通の音場に配置され、Mチャネルの再生信号が供給されるM個のスピーカ(Mは2以上の整数)とN個のマイクロホン(Nは1以上の整数)に接続される装置に用いられる音声スイッチ方法において、
    あらかじめ決めた2L個のサンプル点(Lは1以上の整数)によるフレームごとに、現フレーム(時刻j)のMチャネルの時間領域の再生信号のそれぞれを周波数領域に変換しMチャネルの再生信号スペクトル (j)(1≦m≦M)を求める過程と、
    前記N個のマイクロホンよりの現フレームのNチャネルの時間領域の収音信号のそれぞれを周波数領域に変換しNチャネルの収音信号スペクトル (j)(1≦n≦N)を求める過程と、
    Mチャネルそれぞれについて、現フレームの前記再生信号スペクトルX (j)と過去のB個のフレームの前記再生信号スペクトル (j−2b)(1≦b≦B)と周波数成分ごとのである再生信号拡張スペクトル
    Figure 0004594854

    を求める過程と、
    Nチャネルそれぞれについて、現フレームの前記収音信号スペクトルY (j)と過去のB個のフレームの前記収音信号スペクトル (j−2b)(1≦b≦B)と周波数成分ごとのである収音信号拡張スペクトル
    Figure 0004594854

    を求める過程と、
    Mチャネルの前記再生信号拡張スペクトル、それぞれから、チャネル間相関成分を除去して再生側相関除去信号スペクトルを求める過程と、
    前記マイクロホンごとに、前記収音信号拡張スペクトルから各前記再生信号拡張スペクトルとの相関成分を除去して収音側相関除去信号スペクトルを求める過程と、
    前記マイクロホンごとに、前記再生側相関除去信号スペクトルと再生チャネル及び周波数成分が対応する前記収音側相関除去信号スペクトルとのコヒーレンスを、計算する過程と、
    前記マイクロホンごとに、前記各周波数成分ごとでの各前記コヒーレンスを計算する過程での計算結果に基づき、各周波数成分ごとの前記収音信号拡張スペクトル中のエコー成分比率を計算する過程と、
    前記マイクロホンごとに、前記周波数成分毎に、前記収音信号スペクトル又は前記収音信号拡張スペクトルと前記エコー成分比率とに基づき、前記収音信号スペクトル中の非エコー成分を計算し、これら非エコー成分の総和を計算して、非エコー信号パワーを求める過程と、
    前記Nチャネル非エコー信号パワーと所定の閾値とを比較して、送話の有り無しの判定をする過程と、
    前記Mチャネルの現フレーム再生信号のパワーを計算し、そのパワーを所定の閾値と比較して、再生信号の有り無しの判定を行う過程と、
    送話の有り無しの判定をする前記過程において送話なしと判定され、かつ、前記再生信号の有り無しの判定を行う前記過程において、再生信号有りと判定されると、全収音信号を減衰させる過程と、
    を有することを特徴とする音声スイッチ方法。
  3. 共通の音場に配置されるM個のスピーカ(Mは2以上の整数)とN個のマイクロホン(Nは1以上の整数)に接続される音声スイッチ装置において、
    あらかじめ決めた2L個のサンプル点(Lは1以上の整数)によるフレームごとに、現フレーム(時刻j)のMチャネルの時間領域の再生信号が入力され、これら再生信号のそれぞれを周波数領域に変換しMチャネルの再生信号スペクトル (j)(1≦m≦M)を出力する再生信号TF変換部と、
    現フレームのNチャネルの時間領域の収音信号が入力され、これら収音信号のそれぞれを周波数領域に変換しNチャネルの収音信号スペクトル (j)(1≦n≦N)として出力する収音信号TF変換部と、
    Mチャネルそれぞれについて、現フレームの前記再生信号スペクトルX (j)と過去のB個のフレームの前記再生信号スペクトル (j−2b)(1≦b≦B)とが入力され、これらスペクトルの周波数成分ごとのである再生信号拡張スペクトル
    Figure 0004594854

    を計算して出力する再生信号拡張スペクトル算出部と、
    Nチャネルそれぞれについて、現フレームの前記収音信号スペクトルY (j)と過去のB個のフレームの前記収音信号スペクトル (j−2b)(1≦b≦B)とが入力され、これらスペクトルの周波数成分ごとのである収音信号拡張スペクトル
    Figure 0004594854

    を計算して出力する収音信号拡張スペクトル算出部と、
    Mチャネルの前記再生信号拡張スペクトルが入力され、それぞれから、チャネル間相関成分を除去して再生側相関除去信号スペクトルとして出力する再生側相関除去部と、
    前記マイクロホンごとに、前記収音信号拡張スペクトルと前記各再生拡張スペクトルが入力され、前記収音信号拡張スペクトルから各前記再生信号拡張スペクトルとの相関成分を除去して収音側相関除去信号スペクトルとして出力する収音側相関除去部と、
    前記マイクロホンごとに、各前記再生側相関除去信号スペクトルと各前記収音側相関除去信号スペクトルが入力され、これらの対応周波数成分間のコヒーレンスを計算するコヒーレンス算出部と、
    前記マイクロホンごとに、前記各周波数成分ごとでの各前記コヒーレンス算出部での計算結果に基づき、各周波数成分ごとの収音信号拡張スペクトル中のエコー成分比率を計算するエコー成分比率算出部と、
    前記マイクロホンごとに、前記収音信号スペクトル又は前記収音信号拡張スペクトルと前記周波数成分ごとの収音信号拡張スペクトル中の前記エコー成分比率が入力され、前記周波数成分ごとに、前記収音信号スペクトル又は前記収音信号拡張スペクトルと、前記エコー成分比率とから前記収音信号スペクトルの非エコー成分を計算し、これら非エコー成分の総和を計算して、非エコー信号パワーを計算する非エコー信号パワー算出部と、
    前記Nチャネルの前記非エコー信号パワーが入力され、その非エコー信号パワーと所定の閾値とを比較して、送話の有り無しの判定を出力する送話判定部と、
    前記送話判定部よりの送話ありの判定信号が入力され、前記全受話信号を減衰させて前記再生信号として出力する受話減衰部と、
    前記送話判定部よりの送話なしの判定信号が入力され、前記全収音信号を減衰させる送話減衰部と、
    を有することを特徴とする音声スイッチ装置。
  4. 共通の音場に配置されるM個のスピーカ(Mは2以上の整数)とN個のマイクロホン(Nは1以上の整数)に接続される音声スイッチ装置において、
    あらかじめ決めた2L個のサンプル点(Lは1以上の整数)によるフレームごとに、現フレーム(時刻j)のMチャネルの時間領域の再生信号が入力され、これら再生信号のそれぞれを周波数領域に変換しMチャネルの再生信号スペクトル (j)(1≦m≦M)を出力する再生信号TF変換部と、
    現フレームのNチャネルの時間領域の収音信号が入力され、これら収音信号のそれぞれを周波数領域に変換しNチャネルの収音信号スペクトル (j)(1≦n≦N)として出力する収音信号TF変換部と、
    Mチャネルそれぞれについて、現フレームの前記再生信号スペクトルX (j)と過去のB個のフレームの前記再生信号スペクトル (j−2b)(1≦b≦B)とが入力され、これらスペクトルの周波数成分ごとのである再生信号拡張スペクトル
    Figure 0004594854

    を計算して出力する再生信号拡張スペクトル算出部と、
    Nチャネルそれぞれについて、現フレームの前記収音信号スペクトルY (j)と過去のB個のフレームの前記収音信号スペクトル (j−2b)(1≦b≦B)とが入力され、これらスペクトルの周波数成分ごとのである収音信号拡張スペクトル
    Figure 0004594854

    を計算して出力する収音信号拡張スペクトル算出部と、
    Mチャネルの前記再生信号拡張スペクトルが入力され、それぞれから、チャネル間相関成分を除去して再生側相関除去信号スペクトルとして出力する再生側相関除去部と、
    前記マイクロホンごとに、前記収音信号拡張スペクトルと前記各再生拡張スペクトルが入力され、前記収音信号拡張スペクトルから各前記再生信号拡張スペクトルとの相関成分を除去して収音側相関除去信号スペクトルとして出力する収音側相関除去部と、
    前記マイクロホンごとに、各前記再生側相関除去信号スペクトルと各前記収音側相関除去信号スペクトルが入力され、これらの対応周波数成分間のコヒーレンスを計算するコヒーレンス算出部と、
    前記マイクロホンごとに、前記各周波数成分ごとでの各前記コヒーレンス算出部での計算結果に基づき、各周波数成分ごとの収音信号拡張スペクトル中のエコー成分比率を計算するエコー成分比率算出部と、
    前記マイクロホンごとに、前記収音信号スペクトル又は前記収音信号拡張スペクトルと前記周波数成分ごとの収音信号拡張スペクトル中の前記エコー成分比率が入力され、前記周波数成分ごとに、前記収音信号スペクトル又は前記収音信号拡張スペクトルと、前記エコー成分比率とから前記収音信号スペクトルの非エコー成分を計算し、これら非エコー成分の総和を計算して、非エコー信号パワーを計算する非エコー信号パワー算出部と、
    前記Nチャネルの前記非エコー信号パワーが入力され、その非エコー信号パワーと所定の閾値とを比較して、送話の有り無しの判定を出力する送話判定部と、
    前記Mチャネルの現フレームの前記再生信号が入力され、これら前記再生信号のパワーを計算し、そのパワーを所定の閾値と比較して、前記再生信号の有り無しの判定を行う受話判定部と、
    前記送和判定部から送話なしの判定信号が入力され、かつ、前記受話判定部から再生信号有りの判定信号が入力されて全収音信号を減衰させる送話減衰部と、
    を有することを特徴とする音声スイッチ装置。
  5. 請求項1または2に記載の音声スイッチ方法の各過程をコンピュータに実行させるための音声スイッチプログラム。
  6. 請求項1または2に記載した音声スイッチ方法の各過程をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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