JP2003324787A - 反響抑圧方法、反響抑圧装置、反響抑圧プログラム - Google Patents

反響抑圧方法、反響抑圧装置、反響抑圧プログラム

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JP2003324787A
JP2003324787A JP2002130682A JP2002130682A JP2003324787A JP 2003324787 A JP2003324787 A JP 2003324787A JP 2002130682 A JP2002130682 A JP 2002130682A JP 2002130682 A JP2002130682 A JP 2002130682A JP 2003324787 A JP2003324787 A JP 2003324787A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 受話中に異常音が発生しても、音が途切れる
ことなく受聴することができる反響抑圧方法を提案す
る。 【解決手段】 受話有音判定と送話有音判定との判断結
果から、一定時間幅での受話有音と送話有音の頻度を算
出することにより、一定の時間幅で観測したときに、同
程度のパワーが観測されても、継続している音なのか、
単発の音なのかを判定することで、異常音と音声の区別
が行え、異常音の場合には有音と判定せず、音声の場合
には有音と判定し、それぞれ挿入する損失の制御を行う
ことにより受聴者側の異常音による受話音声信号の音質
劣化を防ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は例えば拡声通話装
置等に用いることができる反響抑圧方法、装置、プログ
ラムに関する。
【0002】
【従来の技術】音声会議の普及に伴い、同時通話性能に
優れ、反響感の少ない拡声通話装置の供給が望まれてい
る。この要求を満たすものとして、反響抑圧装置があ
る。図4は、従来の反響抑圧装置の一部を示すブロック
図で、受話信号x(k)を受ける受話端からスピーカ2に至
る受話系と、マイクロホン3から送話端4に至る送話系
とからなる拡声通話系において、受話信号x(k)が擬似反
響路6へ供給され、擬似反響路6からの擬似反響信号y^
(k) を、反響信号y(k) から減算手段7で差し引くこと
により反響信号y(k) は消去される。ここで、擬似反響
路6のインパルス応答h^(k) が、真の反響路のインパル
ス応答h(k) に近づくまでは、音響エコーが相手側に返
ってしまうことになる。反響抑圧装置では、擬似反響路
の推定精度が十分でない場合は、相手からの受話信号
か、近端からの送話信号のどちらか、もしくは両方の信
号に対して、損失を挿入して抑圧することで受話信号、
送話信号のどちらか、もしくは両方の信号を減衰させる
ことにより、エコーや、それに伴い発生するハウリング
を抑圧する、音声スイッチという方法が広く用いられて
いる。
【0003】図5に損失を挿入し、信号を減衰させるた
めの抑圧手段を用いた場合の構成図を示す。図4と共通
する部分には、同じ番号を付してある。抑圧手段8及び
9は、それぞれ受話信号と送話信号を減衰させるため
に、損失の挿入を行う。 このときに用いられる挿入損失の量は、スピーカ2から
発せられマイクロホン3で収音されるまでの伝達系路の
エネルギーと、適応フィルタでのエコー低減量によって
決定される。一般的にスピーカ2からマイクロホン3ま
での伝達エネルギーは、その伝達経路がある程度高い精
度で推定されないと正しく求められないため、エコーを
低減するために十分であると考えられる損失量が初期に
設定される。例えば、信号のエネルギーを千分の一にす
る程度である。
【0004】通信相手からの受話信号だけが存在し、送
話者の送話信号が一切ない場合は、送話信号側に損失を
挿入し、送話信号を減衰させ、相手へ返るエコーを低減
することができる。また、相手からの受話信号が存在せ
ず、送話者の送話信号だけが存在する場合は、受話信号
側に損失を挿入する。片側だけの拡声通話系だけを観測
した場合、この受話信号側への挿入損失は不要に見える
が、相手側も同様に拡声通話系を形成していると仮定し
た場合、二地点の拡声通話系で音響信号のループをなし
ているため、ループ利得を低減させるために、受話信号
側へ損失を挿入することが必要となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】擬似反響路の推定精度
が十分でなく、挿入すべき損失が大きい場合に、双方向
同時通話(相手側と近端側両方の拡声通話系から、同時
に話すこと)が生じたときには、どちらかの声を優先的
に通す(なるべく信号を減衰しない)ように制御を行う
必要がある。どちらかの声を優先的に通すためには、そ
のためにそれと相対する信号に対して損失を挿入し、減
衰を行う必要がある。すなわち、送話信号を優先的に通
す(送話信号を減衰しない)ためには、受話信号を減衰
させる必要があり、受話信号を優先的に通す(受話信号
を減衰しない)ためには、送話信号を減衰させる必要が
ある。
【0006】一般的には、音響エコーキャンセラの仕様
として、送話を優先的に通すか、受話を優先的に通すか
が、あらかじめ決められている。例えば、送話優先であ
るときには、受話信号の有無に関わらず、送話信号が有
音であると判定された場合には、受話信号側に損失を挿
入し、受話信号が減衰される。また、受話優先であると
きには、送話信号の有無に関わらず、受話信号が減衰さ
れる。また、受話優先であるときには、送話信号の有無
に関わらず、受話信号が有音であると判断された場合に
は、送話信号側に損失を挿入し、送話信号が減衰され
る。受話信号有無の判断は、例えば、ある一定の時間幅
で計算した受話信号のパワーが所定の値を超えた場合
に、受話信号有音と判断され、超えない場合には受話信
号無音と判断される。ここで時刻k において、一定の時
間幅で計算した受話信号パワーをPx(k)、時刻k の受話
信号を x(k) とした場合、パワーの計算と受話信号有無
の判断は、例えば以下のように与えられる。
【0007】 Px(k) = ptx*Px(k−1) + (1−ptx)*x(k)*x(k) (1) Px(k) > Thr : 受話有音 (2) Px(k) <=Thr : 受話無音 (3) ここでptx は、時間幅を決定する時定数を表わし、例え
ばptx = 0.98 などが用いられ、Thr は受話信号の有無
を判断するための閾値である。一定の時間幅でのパワー
が所定の閾値を超えたときに、受話信号を有音と判断す
る。また、送話信号有無の判断は、例えば、マイクロホ
ンに収音された信号と音響エコーキャンセラの適応フィ
ルタによってエコーが消去された後の信号の、それぞれ
一定の時間幅で計算したパワーの差が、所定の値以下で
ある場合に、送話無音と判断され、パワーの差が所定の
値を超える場合に、送話有音と判断される。
【0008】ここで、時刻k において一定の時間幅で計
算したマイクロホン収音信号パワーをPy(k)、適応フィ
ルタによるエコー消去後の一定の時間幅で計算した誤差
信号パワーをPe(k)、時刻k のマイクロホン収音信号と
誤差信号をそれぞれy(k)、e(k) とした場合、パワーの
計算と送話信号有無の判断は、例えば以下のように与え
られる。 Py(k) = pty*Py(k−1) + (1−pty)*y(k)*y(k) (4) Pe(k) = pte*Pe(k−1) + (1−pte)*e(k)*e(k) (5) Py(k)−Pe(k) > Ths : 送話有音 (6) Py(k)−Pe(k) <= Ths : 送話無音 (7) ここで、pty、pte はそれぞれ時間幅を決定する時定数
を表わし、例えばpty =pte = 0.98 などが用いられ、Th
s は送話信号の有無を判断するための閾値である。一定
の時間幅でのマイクロホンで収音されたパワーと、一定
の時間幅での適応フィルタで低減されたエコーのパワー
の差が、所定の閾値を超えたときに、送話信号を有音と
判断する。
【0009】実際には、双方向から同時に長い間話し続
けることは少ない。つまり送話有音、受話有音が同時に
続くことは稀である。どちらかが話し始めると、片側の
会議参加者は受聴する、という形態が多い。 このとき問題となるのは、例えば、音響エコーキャンセ
ラの仕様が送話優先である場合に、受聴している側で発
生する音である。その音が、受聴者が意図しない音や、
ごく短時間に発され送話者が無意識である音、例えば、
ペンで机をたたくなどといった、いわゆる異常音がマイ
クロホンに収音された場合に、送話音声有音と誤判断さ
れて、受話信号に対して損失を挿入し、受話信号が減衰
される。
【0010】これにより、受聴者側では、自分が相手へ
伝えようと意図しない音がマイクロホンに収音されるこ
とにより、相手からの受話信号が減衰され、スピーカか
ら再生される受話信号に損失がその都度挿入され、スピ
ーカから出力される受話信号の音質が劣化する、という
問題が生じる。この問題に対しては、送話信号が一切差
し挟めなくなるが、受話優先に設定することにより、受
話音声が途切れることはなくなる。しかしながら、単純
に受話優先に設定しても、受話音声が途切れているよう
に聞こえる場合がある。今、A地点とB地点間で通信会
議をしていて、両地点がハンズフリーで拡声通話系であ
ると仮定する。また、音声スイッチは、受話信号用の減
衰量と送話信号用の減衰量とで同じ値を用いるとする
と、A地点での音声スイッチによる減衰量はLa、B地点
での音声スイッチによる減衰量はLb と定義することが
できる。音声スイッチの減衰量は、エコー伝達系路のエ
ネルギーの推定や、適応フィルタによるエコー低減量に
よりその都度異なる。減衰量LaおよびLbが所定の閾値ThL
(例えば0.25)より大きいか小さいかで減衰量が大きい
か小さいかの判断を行うとすると、両地点の音声スイッ
チ減衰量の大きさの組み合わせは、次の4通りである。
【0011】 1. A:大、B:大 2. A:大、B:小 3. A:小、B:大 4. A:小、B:小 今、音声スイッチがA地点とB地点でそれぞれ受話優先
の設定になっており、上の組合せの2の状態であったと
する。すなわちA地点での減衰量が大きく、B地点での
減衰量が小さい場合を考える。A地点から発話された音
声は、B地点のスピーカから発せられ、B地点でのマイ
クロホンでエコーが収音されるが、B地点での適応フィ
ルタで十分エコーが低減できている状態である。B地点
での音声スイッチによる減衰量が少ないため、B地点で
生じた異常音は、音声スイッチでは十分に抑圧されずに
A地点に送られる。このとき、A地点での音声スイッチ
が受話優先であるため、それまで受話信号を減衰させて
いたのと同じ量の減衰が送話信号に対して作用すること
となる。A地点で、送話信号が途切れると、B地点では
受話信号が途切れたのと同じように聞こえる。
【0012】A地点での減衰量とB地点での減衰量は、
適応フィルタによるエコー低減量や、エコー伝達系路の
推定精度により、適応的に変化するためあらゆる組合せ
が起こる。あらかじめそのパターンを予想して、受話優
先か送話優先を定めるだけでは問題が解決できない。例
えば、上であげた例では、A地点を送話優先、B地点を
受話優先に設定しておけば、B地点での受話音声の途切
れは生じないが、音声スイッチが3の組み合わせのとき
に、Bから発話したときは、A地点での受話音声が途切
れることとなる。従来の技術が持つ欠点を明らかにする
ために計算器を用いてシミュレーションを行った。シミ
ュレーションの条件として、相手からの受話信号が、1
0秒間存在し、近端受聴者による送話信号はシミュレー
ション開始後5秒の地点から始まり、以降5秒間存在す
る。シミュレーション開始5秒までの間に3回の異常音
が近端受聴者により発せられ、マイクロホン3に収音さ
れる。また、音響エコーキャンセラの仕様として、送話
信号を優先的に通す「送話優先」仕様とした。
【0013】シミュレーション結果を図6と図7に示
す。受話信号強度Pr(k) および送話信号強度Ps(k) は、
式(1)(4)(5)を用いて算出した。図6では式
(1)(4)(5)に用いたptx、pty、pte をptx = pt
y = pte =0とした場合を示す。また、図7ではptx = pt
y = pte = 0.999とした場合を示す。つまり、図6で
は、信号強度をその信号の瞬時値の自乗で求めており、
図7では、信号強度を 999ms の時間幅で算出している
ことに相当する。図6Aに示す実線は相手からの受話信
号のパワー、破線は受話信号用抑圧手段8により減衰さ
れた後の受話信号のパワーであり、実際にスピーカ2か
ら再生する音である。
【0014】図6Bは、マイクロホン3に収音された音
であり、5秒後から、近端受聴者が話し始めている。そ
の前0.63秒、1.5秒、3.1秒の地点で、近端受聴者が意図
していないが、マイクロホン3に収音された異常音があ
る。図6Bの後半5秒のうち、実線はマイクロホン3に
収音された信号のパワー、破線は送話信号用抑圧手段9
により減衰された後の送話信号のパワーである。図7の
実線と破線が意味するものは図6と同じである。図6及
び図7から分かる通り、従来の技術によれば信号強度を
算出する時間幅を短くした場合でも、長くした場合で
も、異常音の発生により、受話信号が減衰し、音が途切
れることが分かる。
【0015】この発明の目的は異常音が発生しても音が
途切れることがない反響抑圧方法及び装置、プログラム
を提供しようとするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明では、N個(N
は2以上の整数)のチャネルの受話信号をそれぞれN個
の擬似反響路に通してN個の擬似反響信号を求め、N個
の擬似反響信号の和を総合擬似反響信号とし、N個の受
話信号を同時に再生して収音された反響信号から総合擬
似反響信号を差し引くことにより送話信号を求め、N個
の受話信号と送話信号とを用いてN個の擬似反響路を逐
次推定する反響抑圧方法において、反響信号の強度を反
響信号用強度測定手段により求め、送話信号の強度を送
話信号用強度測定手段により求め、N個のチャネルの受
話信号を受話信号用抑圧手段により抑圧し、その抑圧出
力を擬似反響路及び反響路への送出信号とし、前記送話
信号を送話信号用抑圧手段により抑圧し、測定された反
響信号強度と測定された送話信号強度を入力として送話
中であるか否かを送話判定手段により判定し、送話判定
手段によって送話中と判定された回数を送話状態計数手
段で計数し、測定された受話信号強度を用いて受話中で
あるか否かを受話判定手段により判定し、受話中と判定
された回数を受話状態計数手段により計数し、計数され
た送話状態数と、受話状態数を入力として受話信号用抑
圧手段と送話信号用抑圧手段で用いる抑圧量を決定する
反響抑圧方法を提案する。
【0017】この発明では更に、反響信号の強度を測定
する反響信号用強度測定手段と、送話信号の強度を測定
する送話信号用強度測定手段と、N個のチャネル受話信
号を抑圧しその出力を擬似反響路及び反響路への送出信
号とするための受話信号用抑圧手段と、前記送話信号を
抑圧するための送話信号用抑圧手段と、反響信号用強度
測定手段によって測定された反響信号強度と前記送話信
号用強度測定手段によって測定された送話信号強度を入
力として送話中であるか否かを判断するための送話判定
手段と、送話判定手段によって送話中と判断された回数
を数える送話状態計数手段と、受話信号の強度を測定す
る受話信号用強度測定手段と、受話信号用強度測定手段
によって測定された受話信号強度を用いて受話中である
か否かを判定するための受話判定手段と、受話判定手段
によって受話中と判定された回数を数える受話状態計数
手段と、送話状態計数手段によって数えられた送話状態
数と受話状態計数手段によって数えられた受話状態数を
入力として受話信号用抑圧手段と送話信号用抑圧手段で
用いられる抑圧量を決定するための抑圧制御手段と、を
具備する反響抑圧装置を提案する。
【0018】この発明では更に、コンピュータが読み取
り可能な符号によって記述され、コンピュータに前記反
響抑圧方法を実行させる反響抑圧プログラムを提案す
る。作用 一般に異常音は通例、長くても数百msまでであり、相
手へ伝えたい音声は1秒以上継続する。従って、この発
明ではそれらの性質を利用することにより、受聴者側の
異常音による受話音声信号の音質劣化を防ぐ。受話有音
判定と送話有音判定との判断結果から、一定時間幅での
受話有音と送話有音の頻度を算出することにより、一定
の時間幅で観測したときに、同程度のパワーが観測され
ても、継続している音なのか、単発の音なのかを判定す
ることで、異常音と音声の区別が行え、異常音の場合に
は有音と判断せず、音声の場合には有音と判定し、それ
ぞれ挿入する損失の制御を行う。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の実施例を示し
たものであり、図5と対応する部分には同一符号を付し
て示す。本発明によれば、受話信号用強度測定手段10
により、受話信号の強度を測定し、その強度を入力とし
て受話判定手段13により受話の有無を1サンプルごと
に判断する。受話の有無の判定は、例えば、受話信号の
強度が所定の値以下であれば受話無音、受話信号の強度
が所定の値を超えていれば受話有音と判断する。また、
反響信号用強度測定手段12及び、送話信号用強度測定
手段11により、反響信号と送話信号の強度をそれぞれ
測定する。反響信号強度及び送話信号強度を用いて、送
話判定手段14は送話の有無を1サンプルごとに判断す
る。送話の有無の判断は、例えば、反響信号強度と送話
信号強度の差が所定の値以下であれば送話無音、反響信
号強度と送話信号強度の差が所定の値を超えていれば送
話有音と判断する。受話状態計数手段15及び、送話状
態計数手段16では、それぞれ受話状態、送話状態と判
定された数をカウントする。
【0020】受話状態計数手段15及び、送話状態計数
手段16は、過去T秒から現在までの、それぞれの状態
を計数する。現在の時間をkとし、受話状態の計数結果を
Cr(k)、送話状態の計数結果をCs(k)とし、T秒間(音声
信号識別時間)中の受話状態数の割合(受話状態頻度)
をRr(k)、同様に送話状態の割合(送話状態頻度)をRs
(k)とすると、それぞれの頻度は、 Rr(k) = Cr(k) / (T * fs) (8) Rs(k) = Cs(k) / (T * fs) (9) で与えられる。ただし、fsはサンプリング周波数(単位
はHz)である。受話状態頻度Rrと送話状態頻度Rs(k)
が、所定の値ThrとThsをそれぞれ超えている場合、すな
わち、 Rr(k) > Thr & Rs(k) > Ths (10) が満たされている場合、双方向同時通話とみなし、あら
かじめ設定されている音響エコーキャンセラの仕様に従
い、送話優先であれば、受話信号用抑圧手段8により受
話信号側へ損失を挿入し、受話信号を減衰させる。ま
た、受話優先であれば、送話信号用抑圧手段9により送
話信号側へ損失を挿入し、送話信号を減衰させる。次
に、受話状態頻度Rr(k) が所定の値Thr を超え、かつ、
送話状態頻度Rs(k) が所定の値Ths 以下の場合、すなわ
ち、 Rr(k) > Thr & Rs(k) <= Ths (11) が満たされている場合、受話有音、送話無音であるとみ
なし、送話信号用抑圧手段9により送話信号側へ損失を
挿入し、送話信号を減衰される。また、受話状態頻度Rr
(k) が所定の値Thr 以下で、かつ、送話状態頻度Rs(k)
が所定の値Ths を超えている場合、すなわち、 Rr(k) <= Thr & Rs(k) > Ths (12) が満たされている場合、受話無音、送話有音であるとみ
なし、受話信号用抑圧手段8により受話信号側へ損失を
挿入し、受話信号が減衰される。
【0021】最後に、受話状態頻度Rr(k) と送話状態頻
度Rs(k) が所定の値Thr とThs をそれぞれ超えていない
場合、すなわち、 Rr(k) <= Thr & Rs(k) <= Ths (13) が満たされている場合、受話、送話ともに無音であると
みなし、あらかじめ定められた音響エコーキャンセラの
仕様に従い、受話側もしくは、送話側へ損失を挿入す
る。頻度を算出する区間Tは、例えば1秒とし、頻度の
閾値ThrとThsを例えば0.25とする。また、送話判断、受
話判断には瞬時値の自乗を用いる。すなわち、式(1)
(4)(5)において、それぞれ、ptx = pty = pte =
0.0 とする。
【0022】この発明の有効性を示すために、計算機シ
ミュレーションを行った。シミュレーションの条件とし
ては図6及び図7の場合と同様に相手からの受話信号
が、10秒間存在し、近端受聴者による送話信号はシミ
ュレーション開始後5秒の地点から始まり、以降5秒間
存在する。シミュレーション開始5秒までの間に、3回
の異常音が近端受聴者により発せられ、マイクロホン3
に収音される。また、音響エコーキャンセラの仕様とし
て、送話信号を優先的に通す「送話優先」仕様とした。
図2にこの発明による反響抑圧方法をシミュレーション
した結果を示す。受話信号強度Pr(k) および送話信号強
度Ps(k) の算出方法は、図6及び図7の場合と同じであ
る。ここで、ptx = pty =pte = 0 とした。図2では、異
常音により、受話信号が減衰しておらず、また5秒後に
発話した受聴者側の音声も約1秒後に減衰されなくな
り、以降減衰されていないことが分かる。
【0023】図3に再生信号がNチャネル(Nは2以上
の整数)の場合の本発明の実施例を示す。図1と共通す
る部分には同じ番号を付してある。再生信号が1チャネ
ルの場合との相違を以下に示す。1チャネルの受話信号
の場合は、受話信号用強度測定器10に入力される信号
が唯一であったのに対し、Nチャネル受話信号の場合
は、受話信号用強度測定器10に入力される信号がN個
となる。受話判定には、式(1)の代わりに以下の式
(1)′を用いる。 Px(k) = ptx * Px(k−1) +(1−ptx) * (x1(k) * x1(k) + x2(k) * x2(k) + … + xN(k) * xN(k )) (1)′ 式(1)′で計算されたPx(k)を用いて式(2)(3)
によって受話有音/無音の判定を行う。続く手順は再生
信号が1チャネルの場合と同等であり、最終的に抑圧制
御手段17で「受話信号側へ損失を挿入する」と判定さ
れたときには、Nチャネルの受話信号用抑圧手段81
Nに対して同じ損失量を与え、Nチャネル受話信号を
減衰させる。
【0024】図3に示したNチャネルの場合も、図1に
示した実施例と同様の作用効果が得られる。上述した本
発明による反響抑圧方法はコンピュータが読み取り可能
な符号によって記述された反響抑圧プログラムをコンピ
ュータに実行させることにより実現される。プログラム
は例えばCD−ROM或は磁気ディスクのような記録媒
体からコンピュータにインストールするか、或は通信回
線を通じてコンピュータに取り込まれてインストールさ
れ、CPUのような演算手段により実行される。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、この発明による反
響抑圧方法によれば、通話相手側から報告されていると
きに、ペンで机をたたくといった瞬間的に大きい音がマ
イクロホンに収音された場合でも、相手側からの受話信
号が減衰されず、受話信号の音質劣化を未然に防ぐこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を説明するためのブロック
図。
【図2】図1に示した実施例の作用効果を説明するため
のグラフ。
【図3】この発明の反響抑圧方法をNチャネルの通話網
に適用した実施例を示すブロック図。
【図4】従来の技術を説明するためのブロック図。
【図5】従来の技術の変形例を説明するためのブロック
図。
【図6】図5に示した従来の技術の欠点を説明するため
のグラフ。
【図7】図6と同様のグラフ。
【符号の説明】
1 受話端 10 受話信号用強
度測定手段 2 スピーカ 11 送話信号用強
度測定手段 3 マイクロホン 12 反響信号用強
度測定手段 4 送話端 13 受話判定手段 5 推定回路 14 送話判定手段 6 擬似反響路 15 受話状態計数
手段 7 減算手段 16 送話状態計数
手段 8 受話信号用抑圧手段 17 抑圧制御手段 9 送話信号用抑圧手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 N個(Nは2以上の整数)のチャネルの
    受話信号をそれぞれN個の擬似反響路に通してN個の擬
    似反響信号を求め、N個の擬似反響信号の和を総合擬似
    反響信号とし、前記N個の受話信号を同時に再生して収
    音された反響信号から前記総合擬似反響信号を差し引く
    ことにより送話信号を求め、前記N個の受話信号と前記
    送話信号とを用いてN個の擬似反響路を逐次推定する反
    響抑圧方法において、 前記反響信号の強度を反響信号用強度測定手段により求
    め、前記送話信号の強度を送話信号用強度測定手段によ
    り求め、前記N個のチャネルの受話信号を受話信号用抑
    圧手段により抑圧し、その抑圧出力を前記擬似反響路及
    び反響路への送出信号とし、前記送話信号を送話信号用
    抑圧手段により抑圧し、前記測定された反響信号強度と
    前記測定された送話信号強度を入力として送話中である
    か否かを送話判定手段により判定し、前記送話判定手段
    によって送話中と判定された回数を送話状態計数手段で
    計数し、前記測定された受話信号強度を用いて受話中で
    あるか否かを受話判定手段により判定し、受話中と判定
    された回数を受話状態計数手段により計数し、前記計数
    された送話状態数と、受話状態数を入力として前記受話
    信号用抑圧手段と送話信号用抑圧手段で用いる抑圧量を
    決定することを特徴とする反響抑圧方法。
  2. 【請求項2】 N個(Nは2以上の整数)のチャネルの
    受話信号をそれぞれN個の擬似反響路に通してN個の擬
    似反響信号を求め、N個の擬似反響信号の和を総合擬似
    反響信号とし、前記N個の受話信号を同時に再生して収
    音された反響信号から前記総合擬似反響信号を差し引く
    ことにより送話信号を求め、前記N個の受話信号と前記
    送話信号とを用いてN個の擬似反響路を逐次推定する反
    響抑圧装置において、 前記反響信号の強度を測定する反響信号用強度測定手段
    と、前記送話信号の強度を測定する送話信号用強度測定
    手段と、前記N個のチャネル受話信号を抑圧しその出力
    を前記擬似反響路及び反響路への送出信号とするための
    受話信号用抑圧手段と、前記送話信号を抑圧するための
    送話信号用抑圧手段と、前記反響信号用強度測定手段に
    よって測定された反響信号強度と前記送話信号用強度測
    定手段によって測定された送話信号強度を入力として送
    話中であるか否かを判断するための送話判定手段と、前
    記送話判定手段によって送話中と判断された回数を数え
    る送話状態計数手段と、前記受話信号の強度を測定する
    受話信号用強度測定手段と、前記受話信号用強度測定手
    段によって測定された受話信号強度を用いて受話中であ
    るか否かを判定するための受話判定手段と、前記受話判
    定手段によって受話中と判定された回数を数える受話状
    態計数手段と、前記送話状態計数手段によって数えられ
    た送話状態数と前記受話状態計数手段によって数えられ
    た受話状態数を入力として前記受話信号用抑圧手段と前
    記送話信号用抑圧手段で用いられる抑圧量を決定するた
    めの抑圧制御手段と、 を具備することを特徴とする反響抑圧装置。
  3. 【請求項3】 コンピュータが読み取り可能な符号によ
    って記述され、コンピュータに前記請求項1記載の反響
    抑圧方法を実行させる反響抑圧プログラム。
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JP2007151047A (ja) * 2005-11-30 2007-06-14 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 音声スイッチ方法、音声スイッチ装置、音声スイッチプログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体
CN103235312A (zh) * 2013-03-22 2013-08-07 哈尔滨工程大学 目标回波强度测量方法

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