JP4594300B2 - 組み込まれたインディシアを有する電気泳動ゲル - Google Patents

組み込まれたインディシアを有する電気泳動ゲル Download PDF

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Description

本発明は、ゲル電気泳動の分野に関するものであり、そして種々の目的に関するスラブゲルへの標識と、マーキング類と他のインディシア(indicia)に関連する関心事及び問題点を扱うものである。
ゲル電気泳動は、複雑な試料類からたんぱく質及び核酸の両方を分離する場合に、バイオテクノロジーで最も広く用いられている分析手段の一つである。ゲル電気泳動は、生物学上の関連性を有する分子類を分離、同定及び定量化する高感度で迅速な手段を提供する。分離の種類によって、該ゲルの配置及び大きさを変えることができる。例えば、スラブゲル類が特に実用的である。というのは、該スラブゲル類は、1次元又は2次元のいずれかで行われる分離を可能とし、そして当該得られたバンド類又はスポット類を、直接観察するか又は視覚化し、記録し、そして器具類によって分析できるからである。1次元のスラブゲル分離では、多数の試料を単一のゲル中で、並べて分離することができ、そして同時に分析することができる。2次元のスラブゲル分離では、典型的には、最初に等電点電気泳動法を用いて、該たんぱく質を1次元のバンドに分離し、次いでナトリウムドデシルスルフェートポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いて、それぞれのバンド中の該たんぱく質をさらに2次元に分離して、単一のゲル中で単一の試料から数千のたんぱく質を分離する。1次元分離では、典型的には、チューブゲル又はストリップゲルを用いることができる。一旦分離されると、重要な該分子を、基準との比較によって直接定量化若しくは同定及び検出することができるか、又は多様な方法(標識プローブ類へのハイブリタイゼーション、質量分析による免疫化学的検出又は分析)によってさらに応答信号を送らせることができる。
当該使用者による視覚又は自動検出システムのいずれかによって、ゲルの読み取りを実施することができる。あるインディシアが、該読み取り手順に含まれ、試料成分類の同定の手助けとなり、そしてエラー類の発生が最小化されることが多い。これらのインディシアは、ゲルオリエンテーションガイド、泳動距離インディケーター、レーンインディケーター、試料識別子、供給者のカタログナンバー、及びさらに供給者のロゴからなることができる。バーコード類を、これらの該インディシアのいくつかを供給するために用いることができるが、他には、単に文字、数字又はグリッド線及び同様のマーキング類であってもよい。典型的には、該バンド又はスポットを容易に検出するため、ゲルの読み取りの前になされるため、インディシアはまた、異なるゲルが同時に染色され、そして洗浄された場合に、あるゲルと他のゲルとの取り違えを回避するための助けとなりうる。これらの関心事の多くは、チューブゲル内、特に2次元分離の1次元めとしてはたらくチューブゲルに存在する。チューブゲルは、インディシアの認識からだけでなく、該ゲルの一部が伸びるか又はゆがむと、専門技術者に警告を発するアラインメントマーキングから恩恵を得ることができる。
従って、インディシアは、多くの方式で実用的であり、有効であること以外に、該インディシアは、該電気泳動分離を妨げるか、又は該分離が完了した後に生ずるゲルの取扱い及び工程上の制限を課してはならない。これらの要件が、ゲル製造業者及び使用者に課されている。
先行技術において、インディシアを適用する一般的な手段は、該ゲル中に紙標識を埋め込むことである。しかし、工程中、該ゲルが大きくなるので、紙標識がカールし、かつ破れることが多く、そして無傷のままであっても、紙標識類は汚され、該インディシアを不明瞭にする傾向がある。紙標識の使用を含まないゲル標識法が、米国公開特許公報第2003/0038030A1号明細書(2002年9月20日に出願、2003年2月27日に公開)に開示されている。該公報中の該方法は、該ゲルの一面上に透明な固体シートから成る裏板を使用することを含んでいる。該ゲルを該裏板に化学結合させ、しっかりとした付着を確保して、そして該所望のインディシアを該裏板シート上に刷り込む。該裏板上の官能基類と該ゲルとの間の共有結合を形成させながら、該裏板と直接接しているモノマー溶液から該ゲルを重合させることによって、該裏板上に該ゲルを形成させる。他の裏板シート類が、米国特許第4,415,428号明細書(1982年1月27日に出願、1998年11月15日に公開)に開示されている。
共有結合以外の手段によって該ゲルに付着させる裏板シート類も用いられている。残念ながら、該ゲルに結合していない裏板シート類は、特に、電気泳動後の該ゲルの取り扱い又は工程の際に、該ゲルからはく離可能であり、該インディシアの損失が生じる。どのように該裏板シートを該ゲルに付着させるかとは無関係に、該シート自体が、該ゲルの染色の際の問題をもたらすこととなる。概して、染色は、該ゲルを染色溶液に浸漬することと、該溶液をあらゆる面から浸透させることとによって行われる。該染色が、裏板シートを有するゲルと共に行われると、浸透は、さらした面からのみ生じ、そして相応な染色を生じさせるためには、さらに時間がかかることとなる。これによって、効率、感度及び信頼性の低さが生じることとなる。
これらの問題のうちいくつかは、一部分のみの裏板シート又は該ゲルよりも小さな寸法の標識を用い、両面上でさらした該ゲルの残余を残すことによって排除することができると思われる。全てのタイプのインディシアに関して、これは好適ではないが、小さい標識で十分であるタイプの場合には、さらなる問題が生じうる。染色及び分析のため、小さい標識が結び付けられているゲルが、ゲルカセットから取り除かれると、例えば、該ゲルが壊れる可能性が非常に高くなる。ひとつの理由は、該標識に付着されている領域内の該ゲルは、該標識によって妨げられていない該ゲルの領域よりも伸びが少なく、そして柔軟性が少ないため、この違いによって、該ゲルが、該標識のエッジに近い位置における破損に特に脆弱となるからである。該脆弱性は、該ゲルを染色液に適用する場合と、過剰の染色液の除去のための溶液中に該ゲルを浸漬する場合とにさらに大きくなる、というのは、該溶液類は、30%程もゲルを伸縮させるからである。小さい標識類を伴うゲル類はまた、長期間の貯蔵の間に該ゲルが乾燥すると、該標識から発生する広範囲のクラック類が形成される余地がある。
これらの及び他の関心事が、本発明によって取り扱われており、それらは、該ゲル中に直接導入されているインディシアを有する電気泳動ゲルを形成するための方法に関するものであり、該ゲルは、溶質の移動を妨げず、電気泳動の際にゆがむことはなく、そして該ゲルは、該ゲルに寸法上の制限を課すことはない、すなわち、電気泳動分離が続くことになる該工程中に概して起きる染色、洗浄、乾燥、又は取り扱いの際の、膨張、縮小又は引き伸ばしから該ゲルを保護する。本発明はまた、該方法によって導入されたインディシアを有するゲルと、これらのインディシアを有するゲルを形成するために用いられる種々の成分に関するものである。
本発明に従ういくつかの方法によって、該インディシアが、該ゲル中に導入されている。ひとつの方法に従って、透水性ポリマーの被膜又は膜をゲルモールドの内部表面に適用し、濡れた状態で適用された場合には、該被膜又は膜を乾燥し、そして該インディシアを、好適なインクと共に該被膜又は膜に適用する。次いで、該モールドの表面に結合させることなく、該モールド内の刷り込まれた被膜又は膜上にゲルを注入成形する。該インディシアがこの様式で適用される該表面は、ゲル形成試薬によって濡れているモールドキャビティーの任意の内部表面でありうる。スラブゲルにおいて、該表面は、カセットの2枚のフラットプレートの一つ、又は注入成形トレイ開口部の平底プレートでありうる。一方、チューブゲル、ストリップゲル、又は2パートモールド内で注入成形された他の配置のゲルにおいて、該被覆表面は、該モールドの単一部分の内部表面でありうる。該ゲルも該透水性ポリマーのどちらも該モールド表面に結合されていないので、該透水性ポリマーを導入する該ゲルを該ゲル中に無傷で残る該インディシアと共に該モールド内から取り出すことができる。
第2の方法では、該インディシアを、透水性ポリマーと共に一面上に被覆されている可とう性固体シートに適用する。該固体シート自体は透水性でなく、そして該インディシアが該シートの被覆面上に置かれる。該インディシアが適用される前後のいずれかで、該ガラス又はプラスチックから外を向く該ポリマー被膜及びインディシアを有するガラス又はプラスチックプレート又はモールド部分の表面に該可とう性シートを置いた。該シートを、該ガラス又はプラスチックに対し単に置くことができ、又は接着剤によって該ガラス又はプラスチックに接着させる。どちらにしても、ライナーとして該シートと共に該モールド内に注入成形し、そして該注入成形されたゲル内で、電気泳動を実施する。電気泳動の後に、該インディシアと該被膜からの該ポリマーとの両方を導入し、そして該可とう性シートに結合されていない該ゲルが、該モールドから取り出され、そして該可とう性シート又はライナーから簡単に分離する。該ライナーと該表面との間に接着剤を用いることによって該付着を強くするとはいえ、一般的に、該ライナーは、該モールド表面に付着されたままである。
第3の方法では、該インディシアを、該モールド外であらかじめ調製された該透水性ポリマーの乾燥膜に適用し、かつ該膜が該モールド表面に接して置かれる前に該インディシアを適用する。次いで、該インディシア担持膜を該モールド表面に置き、そして該ゲルを該モールド内に注入成形する。繰り返すことになるが、該得られたゲルは、該透水性ポリマー及び該インディシアを含み、そして電気泳動を行った後に該モールドから簡単に取り出すことができる。というのは、該ゲル、該ポリマー、該インディシアのいずれも、該モールド表面に結合していないからである。
第4の方法では、水溶性ポリマーの溶液中でインク又は色素(pigment)の溶液又は懸濁液からなる印刷用メジウムを適用し、該モールドの該内部表面に該インディシアを直接刷り込む。次いで、溶媒又は懸濁化剤の蒸発によって該インディシアを乾燥させ、次いで、該ゲルを乾燥させたインディア上に注入成形する。次いで、電気泳動を行い、該ゲルの一部として、インディシア及び該ポリマーと共に該モールドから該ゲルを取り出す。
典型的な電気泳動手順では、該ゲルを注入成形する該モールドがまた、電気泳動の際、該ゲルを保持する筐体として働く。スラブゲルでは、例えば、電気泳動の際、ゲルカセットの該プレートは、該モールドと電気泳動の間の保持壁との両方としてはたらく。2次元電気泳動では、1次元分離において用いられる該チューブ又はストリップゲルは除外される。というのは、該2次元分離は、最初に該チューブ又はストリップゲルをその筐体から取り出し、次いで2次元分離を行う前に、スラブゲルの端に沿って置くことによって実施するからである。
本発明は、上述の任意の方法によって調製された電気泳動ゲルと、これらの方法によってゲルのインディシアへの適用における用途に関するキットとに関するものである。キットの一種には、透水性ポリマーが保持する適切なインクか、又は、所望のインディシアに従う該ポリマー表面に該インクを移動させることができる筆記具若しくは印刷道具を加えた、インディシアの適用のための乾燥透水性ポリマーで一面上に被覆された不透水性材料から出来ている可とう性固体シートが含まれる。他のキット種には、同じ種類のインク又は筆記具若しくは印刷道具を加えた、インディシアの適用のための乾燥形態の透水性ポリマー自体のシートが含まれる。
ポリマーシート又はポリマー被膜上にインディシアを適用することを含む本発明の実施形態において、好適なインクは、該シート又は被膜に付着するインクであるが、一方、該インクが、インク組成物を形成するために該ポリマー溶液又は懸濁液と混合する本発明の実施形態では、好適なインクは、該組成物中に簡単に溶解又は懸濁するインクであり、そして該ポリマーに適合するインクである。これらの全てのバリエーションにおいて、好ましいインクは、該ゲルの注入成形の際にゲル形成試薬中で溶解せず、該ゲルの重合を阻害もしないインクであり、そして該ゲルの有効期間にわたり安定であるインクである。
本発明及び好ましい実施形態のこれら及び他の特徴、目的、及び優位性を、下記にさらに詳細に記載する。
本発明が、最も簡単に適用できるゲルは、その内部表面にさらすために開けることができるモールド内で注入成形されるゲルである。例としては、スペーサーによって分離された2枚のフラットプレートで構成されるカセット内に注入成形されるスラブゲルと、2つの同心シリンダー間の、環状スペース内に注入成形された円柱状(cylindrical)ゲルと、2パートモールド内で注入成形されたストリップゲルとが挙げられる。スラブゲルカセットの記述は、「Apparatus for Vertical Gel Electrophoresis」と題する米国特許第4,572,040号明細書(1984年9月26日に出願され、1986年3月4日に発光される)と、「Rapid Assembly Casting System for Slab Gels」と題する米国特許第6,162,342号明細書(1999年2月12日に出願され、2000年12月19日に発行される)とに見出される。2つのシリンダー間の環状スペース内で注入成形された円柱状ゲルの記述は、「Cup−Shaped Vertical Slab Gel Electrophoresis Apparatus」と題する米国特許第5,938,909号明細書(1997年3月14日に出願され、1999年8月17日に発行される)に見出される。2パートモールド内で注入成形されたストリップゲルの記述は、「Assembly for casting and use of an isoelectric focusing strip」と題する同時係属の米国特許第10/095,563号(2002年3月11日に出願される)に見出される。第10/095,563号出願に記述されるモールドは、縦方向に二等分に分割されたロッド形モールドであり、それぞれの半分が、それぞれの接触表面内に長方形の断面の溝を有する平坦な接触表面と、半円プロフィールとを有する。このパラグラフ及び該明細書全体の他の箇所で引用される該特許のそれぞれの内容を、全体を参照して本明細書に組み入れる。スラブゲル又はカップ状のゲルに関して、該インディシアが、2枚のフラットプレートのひとつの内部表面に適用され、そして2パートモールド内で形成されるストリップゲルに関して、該インディシアが、該溝のひとつに適用される。
該インディシアが、媒介のライナーシート(該ゲルの一部になることはない)に適用される本発明の実施形態では、該ライナーシートは、不活性で、可とう性の、そして好ましくは透明な任意材料(一面上に透水性ポリマーで被覆することができ、そして該ゲルを形成するにつれて、該ゲルと結合することはない)から作ることができる。被膜材料が透水性ポリマーでありながらも、該シート自体は、非透水性であることが好ましい。該シートを作成することができる材料例として、MYLAR(商標)及び他のポリエステル、ポリメチルペンテン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体(SAN)、ポリカーボネート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ニトリル−アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリル(サーモプラスチックポリマー及びアクリル酸共重合体)、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリメタクリレート、メチルメタクリレート共重合体(NAS)、及びアクリロニトリルブタジエン−スチレン共重合体が挙げられる。該シート厚は重要ではなく、そして該シートが可とう性を有するという条件の下で、厚さは変わりうる。一般的に約0.05mm〜約0.5mmの範囲にわたる厚さで最良の結果が得られる。必要に応じ、透水性ポリマーを有する側と反対側に接着剤で該シートを被覆し、ゲルを取り出したときの該モールド表面への該シートの付着を改良することができる。一般的な接着剤、好ましくはエラストマー系ポリマー及び高粘着化剤(tackifying agent)を一般的に含む粘着剤を用いることができる。典型的なエラストマー系ポリマーは、ブチルゴム、ポリ(ビニルエーテル)、アクリル、及びシリコーンである。
該シートを該モールド表面に適用する前に、該インディシアを透水性ポリマーの乾燥シートに適用する本発明の実施形態では、該ポリマーの溶液又は懸濁液から該シートを単に注入成形することと、該溶媒又は該懸濁化剤を蒸発させることとによって、該乾燥シートを形成することができる。一度、該インディシアを適用し、そして該シートを該モールド表面におくと、次いで、インディシアを適用する前に該モールド表面に適用される該被膜中のポリマーと同じ様式で、該ポリマーが作用する(すなわち、該シートが、該ゲル中に導入される)。
該インディシアが適用される前に、該ゲルが取り出されたときに該モールド表面に付着するライナー又は該モールド表面が、ポリマーを被覆する本発明の実施形態と、該インディシアが、ポリマー被膜と共にライナーに適用するよりはむしろ、該ポリマー自体のシートに適用される実施形態とでは、該ポリマーは、該ゲルのバルクを形成するために用いられる該ポリマーと同一又は異なることができる。上述のように、一度該ゲルが形成されると、該ポリマーは、乾燥時に透水性(permeable by water)を有し、そして鎖が該ゲルのポリマー鎖に適合するポリマーである。これらの実施形態に用いられうるポリマー例には、線状ポリアクリルアミド、線状ポリアクリルアミド誘導体、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド)、デキストラン、水溶性セルロース、でん粉、及びアガロースが挙げられる。本明細書及び添付の特許請求の範囲では、「線状ポリアクリルアミド誘導体」には、該ポリアクリルアミドの透水性及び/又は水溶性を改良する置換基を有するポリアクリルアミドが含まれる。例として、ポリ(メタクリルアミド)、ポリ(N−アクリロイルアミノプロパノール)、及びポリ(N−アクリロイルアミノ−エトキシエタノール)が挙げられる。用語「水溶性セルロース」は、同様に、当業者に公知のセルロース等のセルロースを含み、そしてセルロースと同様の特性を有する。例として、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、及びヒドロキシエチルセルロースが挙げられる。
用語「透水性ポリマー」は、乾燥させ、かつ水又は水溶液と接触して置いたときに、該水又は該溶液をポリマーネットワークに浸透させるポリマーを指す。該用語は、水溶性ポリマー(すなわち、水に易溶のポリマー)、並びに溶解の遅い又は撹拌のみで溶解するポリマーを含む。該用語はまた、水を吸収して膨潤する、そして/又はゼラチン状になるポリマーを含む。
該透水性ポリマーは、架橋ポリマー又は線状ポリマー(未架橋)のいずれかでありうる。該ポリマー上で該ゲルが形成されると、該ポリマーは、該ゲル表面で固体膜を形成するよりは、むしろ該ゲル中に導入されることとなる。バルクのゲル及びポリマーは、共に物理的不連続性がない途切れのないゲルか、又は濡れたときに該ポリマーの該表面が当初に配置された該ゲルの深さに界面を形成する。バルク組成が架橋ポリマーであるゲルに関して、特に好ましい透水性ポリマーは、該ゲルの該バルク内の架橋形態に用いられるのと同じポリマーの線状バージョンの形をなすポリマーである。線状ポリマーが用いられ、そして、該モールド表面に被膜として適用された場合に、ポリマー溶液又はモノマー溶液と、一度該表面に適用された場合に該モノマーを重合するのに必要である任意の添加剤とから該被膜を形成することができる。モノマー溶液が用いられる場合で、架橋剤なしで重合を完了させるのに必要なときは、該モノマー溶液は、触媒、開始剤、又はそれら両方を含むことができ、そして該モノマーの線状ポリマー中への重合が、該被膜自体の中で生じうる。しかし、好ましくは、事前重合させた線状ポリマーの溶液に適用して該被膜を形成させ、そして単に該溶媒を蒸発させることで、該被膜を乾燥させることができる。
形成すべき該ゲルがポリアクリルアミドゲルである場合、例えば、水性又は他の溶液中の線状ポリアクリルアミドを該固体表面に適用することと、該溶液を蒸発させることとによって、線状ポリアクリルアミドの被膜を形成することができる。線状ポリアクリルアミドは、約1,000〜約10,000,000の重量平均分子量を有するポリアクリルアミドが好ましい。該線状ポリアクリルアミドの濃度は変わってもよく、本発明に不可欠なものではない。最適濃度は、該ポリマーの分子量によって決まりうる。低分子量線状ポリアクリルアミド(分子量1,500等)は、高濃度(50質量%等)で用いることができるが、高分子量線状ポリアクリルアミド(分子量が、5,000,000〜6,000,000等)は、低濃度(2質量%等)で用いることができる。場合によっては、高分子量及び低分子量線状ポリアクリルアミドの両方の混合物が有益である場合もある。一度、該線状ポリアクリルアミド被膜を形成すると、その分子量とは関係なく、次いで、必要に応じ他の添加剤と共に、上記列挙の濃度範囲で、アクリルアミドモノマー及び架橋剤の溶液から該バルクゲルを該被膜上で注入成形することができる。該モノマー及び架橋剤の重合によって、該膜に不可欠で不可分であるポリマーネットワークが生ずる。特定の理論に拘束されないが、該得られるゲルの不可欠な特性に関する説明のひとつは、該重合反応の際、該モノマーが、該膜内で線状ポリアクリルアミドのネットワークに浸透し、そして該鎖の周囲で重合し、鎖が絡みあったネットワーク(架橋及び未架橋のネットワークを含む)を形成する。
重合以外の手段によって形成されるゲル(アガロース等、暖かい水溶液から冷却させる)に関して、該ゲルのバルク及び該膜又はシートを、同一原料の溶液から形成させることができる。該膜が、該モールド表面の被膜として最初に適用されると、インディシアを適用する前に該被膜を乾燥させ、そして該ゲルのバルクを形成することになるゲル溶液の添加後に、該全体のゲルを冷却する。
本発明の実施における被膜の適用を、一般的な方法(ブラシ若しくはパッドの使用、又は塗装若しくはディッピング等)で達成することができる。
該インディシアを、液体ポリマー溶液内で該インクの溶液又は懸濁液として適用し、かつ該表面に付着されるライナー又は該モールド表面に直接適用する実施形態では、該ポリマーは、水溶性ポリマーであることが好ましい。上述のように、一定のポリマーは、透水性ポリマーの定義と水溶性ポリマーの定義とを満たしうる。違いがあるとすれば、単に、溶解速度又は得られる溶液の粘性若しくは粘稠度の問題であろう。該インクが、該液体ポリマー溶液中に溶解又は懸濁されると、該組成は、インクとして機能し、従って、筆記具又は印刷道具を用いて適用することができる流体として十分である(すなわち、十分に低粘性)。これらの実施形態における該ポリマーは、該ゲルのバルクを形成するために用いられる該ポリマーと同一又は異なってよい。該ゲルと該ポリマーとの相溶性に関係する上述の考察をここで適用する、すなわち、該インク処方における該ポリマーが、該ゲルのバルクを形成する該ポリマーに適合すべきである。繰り返すことになるが、該インク処方に好ましいポリマーは、溶媒又は懸濁化剤の蒸発によって、簡単に乾燥する線状ポリマーである。
用語「ゲル形成液体」は、電気泳動に好適なゲルに固化させるゲルモールド内に注ぐか、ポンプするか、さもなければ置かれている一般的な液体の調製を表現するために、本明細書で用いられている。上述のように、スラブゲル用の該モールドは、該ゲルの深さ又は厚さを画定するスペーサーによって分離された2枚のフラットプレートから成るのが典型的である。適宜に、他の形態のゲルに関するモールド(チューブゲル、ゲルストリップ、及び連続的な閉じた円柱状ゲル)が形作られる。該ゲル形成液体は、該モールドキャビティー内で重合されるモノマー溶液でありうる。あるいは、該ゲル形成液体は、ポリマー溶液であるか、又はキャビティー内に置かれ、次いで熱若しくは該材料をゲルに固化させる他のエネルギー種にさらす他の材料でありうる。さらに別の方法は、該キャビティーに添加するときに加熱し、次いで冷却によってゲルとなるゲル溶液である。
ゲル材料のもっとも顕著な例として、ポリアクリルアミド、ポリアクリルアミド誘導体、アガロース及びでん粉が挙げられる。典型的に該ゲルを形成する該液体は、モノマー又は他のゲル形成材料の溶液であり、そして該ゲルモールド、筐体、又はカセットを、該溶液で満たし、そして該溶液をゲルに固化させて該ゲルを調製する。該ゲルを形成するのに用いる成分と手順とは、ゲル電気泳動における当業者の間で周知である。架橋ポリアクリルアミドからつくられるゲルが好ましいゲルであり、典型的には、アクリルアミドモノマー、架橋剤、触媒及び開始剤を含む水溶液から形成される。これらの成分のそれぞれの量は、広く変化することがあり、そして選択は、分離すべき溶質の分子量及び濃度、並びに電気泳動分離の種類(等電点電気泳動法、2次元分離、濃度勾配ゲル分離、パルスフィールド分離若しくは振動磁場分離、等速電気泳動、又は当業者に公知の種々の電気泳動手順)によって決まりうる。ポリアクリルアミドゲルにおいて、最初の溶液中のモノマー濃度は、該溶液自体の約3質量%〜約30質量%の範囲にわたりうるが、該架橋剤は、モノマー/架橋剤の組み合わせの約0.5%〜約10%を構成しうる。
本発明の実施の中で用いることができるインクには、乾燥すると該ゲルのバルクを形成させるために用いる該ゲル形成液体中で不溶性となり、その結果、バルクのゲル液体と接して置かれた場合に、変形することになるインディシアを「流す(run)」、「逃がす(bleed)」、さもなければ産出しない一般的なインク又は色素処方が含まれる。典型的にはゲル形成液体は水溶液であるので、乾燥時には水に不溶性で、従って該ゲルのバルク内に拡散しないインクが好ましい。一度乾燥すると該ゲル溶液中に拡散しないパーマネントインクであることを条件として、水又は水混和性の有機液体(水性又はアルコールベースの溶液又は懸濁液等)に分散される固体色素を含むインクを用いることができる。用いるのに好適な他のインクとしては、蛍光インク、紫外線のみで見えるインク、及び可視光と紫外線との両方で見えるインクが挙げられる。
最初に透水性ポリマーで該固体表面を被覆することなく、ポリマー溶液との混合物として該インクを該モールド表面に直接適用する実施形態では、インク及びポリマー溶液の相対量は変わることがあり、本発明の成功に不可欠なものではない。あるインクでは、インクの割合が高いと、暗いインディシアを生成する。ポリマーに対するインクの割合は、該混合物の粘性に作用することがあり、従って、適用の容易性に影響を与えることがある。該プレートに該混合物を供給するのに用いられる道具(すなわち、ペン又はスタンプが用いられるかどうか、ラインの細かさ、及び同様の事項)によって、粘性の制限が課されうる。一定のインク(器具によって判読可能なインク等)では、非常に少量のみのインクが必要となるが、視覚で読み取るインクでは、多量のインクを必要とする。例えば、蛍光インクでは、実質的に1質量%未満の濃度で効果的に用いることができる。一方、使用者が認識するインクは、5質量%を超える濃度で用いることが好ましい。約20質量%〜約80質量%のインク、好ましくは約35%〜約65%範囲の濃度で読みとるのがベストな場合もあろう。本明細書の発明者が試験に成功した実施形態のひとつでは、50%の混合物を用いた。それぞれのインクに関する最適量は、単に試行錯誤によるありきたりの実験で簡単に決定できる。
乾燥したゲル形成材料の被膜上に該インクを適用する場合には、道具(マジックペン、キャピラリペン、スタイラス、又はブラシ等)を用いて、手書きで適用(すなわち、該インディシアの形成)することができる。機械的印刷技法(オフセット印刷、リソグラフィー、又はインクジェット印刷等)も用いることができる。インクジェット印刷は、通常のインクジェットプリンター及びインク(VIDEOJET EXCEL 273SEインクジェットプリンター(Videojet Technologies,Inc.,Wood Dale,Illinois,USA)及びHR W/16−5600インク等)を用いて実施することができる。該インクが、該ゲル形成液体との混合物として該プレートに直接適用される場合、同じ技法を用いることができる。
用語「インディシア」は、任意の種類のマーキングを表すために本明細書で用いられる。該ゲルがプレキャストゲルである場合、該インディシアは、製造業者によって組み込まれうる情報の種類であることができ、それらには、バーコード、ゲル全体を横切る一式のグリッド線、該ゲルの端に沿った距離指標(すなわち、定規)、レーンナンバー、手動又は自動検出に関する参照ポイント、供給者のカタログナンバー、供給者のロゴ、又は該ゲル組成(ゲルタイプ又はゲルパーセンテージ等)に関する情報が含まれるが、それらに限定されるものではない。あるいは、該インディシアは、使用者のサイト(試料コードナンバー若しくは他の識別名、該使用者の名前、該ゲルを調製又は該分離を実施した日付、及び濃度又は勾配に関する情報を含む該ゲルの組成等)で調製されるゲルに関する、該使用者が供給できるマーキングでありうる。
最初に該モールド表面、又は該モールドの内部面の一つ若しくは1枚のプレートに、ポリマー被膜を適用する本発明のそれらの実施形態では、該被膜を、該プレート全体若しくは内部面、又はインディシアを必要とする部分のみに適用することができる。該選択は、適用すべきインディシアの種類によって決まることが多い。例えば、該インディシアがグリッド線の場合、該被膜はプレート全体を覆うことが好ましい。該インディシアがバーコードである場合、該被膜は該バーコードがある範囲内にのみ必要となる。他のインディシアに関する被膜範囲は、電気泳動ゲルの使用又は製作における当業者には、容易に理解できるであろう。
被膜、被覆されたライナー、若しくは該被膜材料のシートか、又は該ゲルモールドの該内部表面に直接のいずれかで、一度該インディシアが適用されると、該モールドが閉じられ、そして該ゲル形成液体で満たされる。スラブゲルにおいて、インディシアは、該モールドの2枚のフラットプレートのうちのひとつに適用され、そして残ったプレート及び適切なスペーサー(必要に応じ)と、刷込まれたプレートとを結合することによって該モールドを閉じ、一般的なスラブゲル筐体又はカセットを形成する。他の配置のゲルでは、これらのモールドの使用及び電気泳動ゲル全般の形成における当業者に明らかなように、該モールドが適切に形成される。種々のカセット、プレート及びゲル筐体が当業者に周知であり、そして商業的供給者から広く入手可能である。
該インディシアが、被膜を介するか、又はライナー上の被膜を介するかのいずれかで直接適用される該固体表面は、ゲルモールドに関する構造材料としての使用で知られている任意の材料の形をなすことができる。例として、ガラスと、アクリル(サーモプラスチックポリマー及びアクリル酸共重合体)、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ(エチレンナフタレート)(PEN)、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリ(エチレンテレフタレートグリコレート)(PETG)、スチレン−アクリロニトリル共重合体(SAN)、及びメチルメタクリレート−スチレン共重合体(NAS)等の種々のプラスチックとが挙げられる。
下記例は、具体的説明のためだけに提供されるものである。
例1
この例は、一面に対し表面全体が、線状ポリアクリルアミドで被覆されているガラスプレートに、手書きでインディシアを適用することについて具体的に説明する。該インディシアは、一般のインクペン由来のインク及び墨で形成される。
平坦なガラスプレートを、5,000,000〜6,000,000の重量平均分子量を有する線状ポリアクリルアミドの2%水溶液でコートし、そして該被膜を乾燥させた(特に断りのない限り、これらの例の全てのパーセントは、質量に基づく)。次いで、種々の一般的な筆記用ペン(3本のSanford Sharpies(多孔質先端の油性マジック、35000シリーズ、1本はブラック、1本はブルーそして1本はレッド;供給者:PenCity,Ellijay,Georgia,USA)、1本の標準的なボールペン、及び1本のStanford Rolling Writer)を用いて、手書きで別個のライン内の乾燥被膜にマーキングを適用した。該インク中に浸した木製ロッドを用いて墨を適用した。さらに実施する前に、それぞれのインクを乾燥させた。
このようにして、マークされた該プレートを他のカセット部品と結合させ、1.0mmのギャップ幅を有するゲルカセットを形成させた。次いで、ポリアクリルアミドゲルを、12%T、2.6%Cからなる水性アクリルアミドモノマー溶液(すなわち、該モノマー/架橋剤の組み合わせの2.5%を構成する架橋剤と共に、12%のトータル濃度で混合されたモノマーおよび架橋剤)と、適切な量の触媒及び開始剤とから、該カセット内に注入成形した。重合が進むに連れ、該被膜及び該マーキングは、該ゲルと1つになり、そして該ゲルを該カセットから取り除いた後、該ゲルの一部が残った。目視評価によると、3本のSanford Sharpiesペン及び該ボールペンによって記載された該インディシアは、全てクリアーで、シャープで、そして容易に判読できた。該Rolling Writerによって適用された該インディシアは、重合を阻害した。該墨によって適用されたインディシアは、不鮮明となった。
例2
この例は、別個の試験における線状ポリアクリルアミドの異なる2種の濃度を用いて、線状ポリアクリルアミドで被覆したガラスプレートに一般のインクペンを用いてインディシアを適用することを、さらに具体的に説明するものである。
平坦なガラスプレートを、5,000,000〜6,000,000の重量平均分子量を有する線状ポリアクリルアミドの2%水溶液で被覆した。別のガラスプレートを重量平均分子量1,500の線状ポリアクリルアミドの50%水溶液で被覆した。両プレートを乾燥させた。次いで、ブラックの油性マジック(Sanford Sharpies)を用いて、それぞれのプレートの被覆面に手書きでマーキングを適用した。
次いで、それぞれのプレートを他のカセット部分と結合させ、1.0mmのギャップ幅でゲルカセットを形成した。次いで、例1の溶液と同じモノマー溶液から、ポリアクリルアミドゲルを該カセット内に注入成形させた。重合が進むに連れ、該被膜及び該マーキングは、それぞれ該ゲルの一部となり、そして該ゲルを該カセットから取り除いた後に残った。目視評価によると、両ゲル上の該マーキングは、クリアーで、シャープで、そして判読が容易であった。
例3
この例は、線状ポリアクリルアミドで被覆されたガラスプレートにインクジェットプリンターでインディシアを適用することを具体的に説明するものである。
例1のプレートと同じ平坦なガラスプレートを、5,000,000〜6,000,000の重量平均分子量を有する線状ポリアクリルアミドの2%水溶液でコートした。該被膜を乾燥させ、次いで、HT W/16−5600インクを備えるVIDEOJET EXCEL 273 SEインクジェットプリンターを用いて、バーコードで刷り込んだ。次いで、先行例の溶液と同じモノマー溶液を用いて、該プレートが一面を形成する該カセット内でポリアクリルアミドゲルを注入成形させた。次いで、該得られたゲルを、該カセットから取り出した。該カセットからの該ゲルの取り出しに関し、該バーコードは、該ゲル上で無傷のままであった。次の電気泳動の典型的手順に従って該ゲルを乾燥させたさらに後に、該バーコードは無傷のままであり、そして判読可能であった。
例4
この例は、線状ポリアクリルアミドの水溶液と混合した墨を用いて、ベアプレートをマーキングすることで、ガラスプレートにインディシアを適用することを具体的に説明するものである。
線状ポリアクリルアミドでプレコートされていないガラスプレートを用いた。墨及び水性線状ポリアクリルアミドの両方の等体積を混合することで形成された2つのインク/ポリアクリルアミド混合物を調製した。第1の混合物中で用いられた該線状ポリアクリルアミドは0.75質量%の水溶液であり、第2の混合物中で用いられたそれは2質量%の水溶液であった(共に該墨の添加前)。該インク/ポリアクリルアミド混合物をマーキングとして、それぞれの混合物中に浸した木製スティックで、該プレートの別の範囲に適用した。次いで、該マーキングを乾燥させ、そしてカセットを該プレートから組み立てた。先行例の溶液と同じモノマー溶液を用いて、該カセット内でゲルを形成させた。次いで、該カセットから該ゲルを取り出した。
該カセットからの取り出したさらに後でも、両混合物由来の該マーキングが、該ゲル上に存在した。該マーキングの不鮮明化が生じたが、それでも該マーキングは判読できた。該不鮮明化は、重合の際に生じ、そして重合が完了した後は続かなかった。高濃度の線状ポリアクリルアミドで、最小量の不鮮明化が生じた。
例5
この例は、線状ポリアクリルアミドで被覆された可とう性ライナーシートにインディシアを適用することを具体的に説明するものである。
ポリプロピレンシートを、上記例1で用いられるのと同じ2%の線状ポリアクリルアミド溶液で一面にコートした。次いで、その被覆されていない側上に接着剤を有しない被覆されたシートを、平坦なガラスプレートに対して置き、そして例1に記述されるようなブラックのSanford Sharpieを用いて、手書きで該シート上にマーキングを置いた。次いで、該プレートを他のプレート及びスペーサーと結合させ、スラブゲルカセットを形成させ、そして12%のポリアクリルアミドゲルを該カセット内で注入成形させた。次の該カセットからの該ゲルの取り出しについて、該線状ポリアクリルアミド被膜及び該マーキングを該ゲル内に導入する一方、残った該ポリプロピレンシートを、該ガラスプレートに接着させた。
上記記載は、主として具体的な説明の目的で提供されるものである。さらなる改変、置換及び変形は、当業者に明白であり、本発明の範囲に含まれるであろう。

Claims (16)

  1. 検出可能なインディシアを用いてマークされた電気泳動ゲルを形成する方法であって、
    次の各ステップ、
    (a)インクを受け入れることができる透水性ポリマーの乾燥膜上に該インクでもって該インディシアを形成するステップ、
    (b)内部表面を有するゲルモールドであって、該表面に層をなすが該表面に結合していない該インディシア担持膜を有するゲルモールド内に水性のゲル形成液体を置き、そして該ゲル形成液体を該膜に浸透させるステップ、そして
    (c)該モールド内に置いた該ゲル形成液体を、該透水性ポリマー及び該インディシアの両方を含み、そして該内部表面に結合されないゲルに転換させるステップ、ここで該透水性ポリマーも該インディシアも該ゲルに寸法上の制約を強いることはない
    を含む方法。
  2. 検出可能なインディシアを用いてマークされた電気泳動ゲル形成する方法であって、
    次の各ステップ、
    (i)該インディシアに対応するパターンで、溶媒中の水溶性ポリマーの溶液中に分散されたインクを含む組成物を固体表面に適用することと、該溶媒を蒸発させ、該表面に該ポリマー及び該インクによって形成される該インディシアを残すこととによって、インディシアを固体表面に形成するステップ、
    (ii)該インディシアを表面に有する該固体表面からなる内部表面を有するゲルモールド内に水性のゲル形成液体を置くステップ、そして
    (iii)該モールド内に置いた該ゲル形成液体を、該インディシアを導入するゲルに転換させるステップ、
    を含む方法。
  3. 該内部表面が第1のフラットプレートであり、そして該ゲルモールドが該第1のフラットプレートと、スペーサーによって第1のフラットプレートから分離された第2のフラットプレートとによって画定されるスラブゲルモールドである、請求項1に記載の方法。
  4. 該内部表面が湾曲面であり、そして該ゲルモールドが、管状ゲルモールド及び閉じた円柱状シートゲルモールドから成る群から選択される部材である、請求項1に記載の方法。
  5. 該乾燥膜が、可とう性固体シートの一面上の被膜であるが、該可とう性固体シートに結合されておらず、そしてステップ(b)において、該可とう性固体シートが、該乾燥膜と該内部表面との間にはさまれている、請求項1,3及び4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 該透水性ポリマーが線状ポリアクリルアミドであり、そして該ゲル形成液体が、アクリルアミド及び架橋剤を含む水溶液である、請求項1及び3〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 該インディシアがバーコードである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 該インディシアが
    (1)グリッドパターン及び
    (2)該ゲルに沿った溶質泳動距離を示すマーキング
    から選択される部材である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  9. 該インディシアが、試料の溶質を公知の溶質と比較するための参照スポットである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法により形成された電気泳動ゲル。
  11. 該ゲルが、ポリアクリルアミドのスラブゲルである、請求項10に記載の電気泳動ゲル。
  12. 該インディシアが、可視的な色素内で形成され、そして製造業者、カタログナンバー若しくはゲルタイプ又はそれらの組み合わせを識別する、請求項10又は11に記載の電気泳動ゲル。
  13. 該インディシアが、グリッドパターン若しくは該ゲルに沿った溶質泳動距離を示すマーキング又は該グリッドパターン及び該マーキングの両方を含む、請求項10又は11に記載の電気泳動ゲル。
  14. 一面に水溶性ポリマーの被膜を有する可とう性固体シート、該ポリマーは、インクを受け入れることができるが、該シートに結合していないものである;及び
    該ポリマーによって保持されることができるインク:
    を含む、電気泳動ゲルにインディシアを適用するためのキット。
  15. 該可とう性固体シートが、第一及び第二の面を有し、該透水性ポリマーの該被膜が、該第一の面の上にあり、そして該第二の面が、該シートをガラス又はプラスチックプレートに接着させる接着剤で被覆されている、請求項14に記載のキット。
  16. 該可とう性固体シートが、第一及び第二の面を有し、該透水性ポリマーの該被膜が、該第一の面の上にあり、そして該第二の面が、該シートをガラス又はプラスチックプレートに接着させる接着剤で被覆されていない、請求項14に記載のキット。
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