JP7465871B2 - 核酸に基づくバーコーディング - Google Patents

核酸に基づくバーコーディング Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)項(35 U.S.C. § 119(e))の下、2018年11月1日に出願された米国仮出願第62/754,450号の優先権を主張するものであり、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
政府支援
本発明は、米国海軍研究事務所(Office of Naval Research)により授与された契約番号N00014-16-1-2410および米国国立科学財団(National Science Foundation)により授与された助成金番号CCF-1317291の下、政府支援によってなされたものである。政府は、本発明において一定の権利を有する。
技術分野
本開示は、核酸バーコーディングの組成物および方法に関する。
背景
核酸は、保持できる膨大な情報密度および長期間にわたる安定性を考えると、長期データ保存のための有望な基材として提案されてきた[1]。本明細書において、高速で光指向性の核酸データバーコードの連結法が提示される。この光指向性の核酸データを書き込む方法は、水性媒体(例えば、水)に適合可能であり、その中で実施することができる。次いで、情報が占める物理的空間を縮小させる、したがって材料の情報密度を高めるために核酸エンコードデータでパターニングできる圧縮性ヒドロゲルを含めた様々な形態の水性媒体上に、核酸データバーコードをプリントすることができる。収縮され、かつ、しばしば脱水されたヒドロゲルは、長期間保存することができ、その後、再水和および膨張させて、その中に保存されたデータを読み取ることができる。この費用効果の高い物理的データ圧縮法は、従来のデータ保存ソリューション(例えば、ブルーレイ)の情報密度を大きく上回る潜在性を有し、新たなタイプの核酸エンコードデータ保存となる。
核酸、例えば、DNAは、バイト/グラムに換算して最も高い容積データ密度を持ち、理論上最大で約455エクサバイト/グラムに達する[2]。ただし、核酸合成の速度は遅く、費用は高価であることから、歴史上、実行可能なデータ保存法として核酸が使用されることはなかった。これらの問題を軽減するために、本明細書において、核酸と光反応性要素と光のみを使用して核酸データバーコードコンカテマーを合成することを目的とした核酸データ保存方法論が記載される。これらの方法は、酵素フリーで、かつ、水性媒体に適合可能であり、したがって、従来の核酸の化学合成においてよく見られる特殊で有害な化学物質も高価な酵素の使用も必要とすることなしに核酸バーコード合成を実現する。汎用のデジタルデータ保存プラットフォームとして、核酸データ保存は、いくつもの産業に関連性があるだろう。特に興味深いのは、これらのストラテジーは、低い維持費および核酸の長期安定性が望ましいアーカイブストレージにおいて有用であろう。
概要
本開示のいくつかの局面は、データを書き込む方法であって、一対のハイブリダイゼーションドメインに隣接したバーコードを含む第1の核酸を、一対のハイブリダイゼーションドメインに隣接したバーコードドメイン(例えば、DNAデータドメイン)を含む第2の核酸に光架橋する工程を含み;任意で、第1または第2の核酸に、一対のハイブリダイゼーションドメインに隣接したバーコードを含む少なくとも1つの追加の核酸を光架橋する工程をさらに含み、各対のハイブリダイゼーションドメインの一方が光反応性要素を含み、かつ、独立したビット値が各バーコードに割り当てられ;そして、バーコードのコンカテマーを生成する、方法を提供する。
別の局面では、本明細書において、データをエンコードする核酸により基材上または基材内にデータを書き込む工程を含む方法が提供される。
別の局面では、本明細書において、基材または圧縮性ヒドロゲル上に書き込まれた、任意でパターニングされたデータをエンコードする核酸を読み取る工程を含む方法が提供される。
別の局面では、本明細書において、データをエンコードする核酸により書き込まれた、任意でパターニングされた基材または圧縮性ヒドロゲルを圧縮する工程を含む方法が提供される。
別の局面では、本明細書において、基材上に書き込まれた、任意でパターニングされたデータをエンコードする核酸を読み取る工程を含む方法が提供される。
さらに別の局面では、本明細書において、バーコーディングする方法であって、
a. バーコードおよびハイブリダイゼーションドメインを含む第1の核酸を、基材に付着させる工程;
b. 第1の核酸を、一対のハイブリダイゼーションドメインに隣接したバーコードドメインを含む第2の核酸に光架橋する工程;
を含み、
各対のハイブリダイゼーションドメインの一方が光反応性要素を含み、
独立したビット値が各バーコードに割り当てられ;
光架橋することによって、バーコードのコンカテマーを生成する、
方法が提供される。
別の局面では、本明細書において、本明細書において記載される方法によって作製された、バーコーディングされた基材が提供される。
別の局面では、本明細書において、データをエンコードする核酸によりパターニングされた基材が提供される。
追加の局面は、データをエンコードする核酸によりパターニングされた圧縮性ヒドロゲルを提供する。
別の局面では、本明細書において、バーコード組成物であって、
a. 一対のハイブリダイゼーションドメインに隣接したバーコードドメインを含む、第1の核酸;
b. 一対のハイブリダイゼーションドメインに隣接したバーコードドメインを含む、第2の核酸;
c. 基材;
d. 任意で、作用物質であって、第1の核酸の基材への付着を可能にする作用物質;
e. 任意で、一対のハイブリダイゼーションドメインに隣接したバーコードドメインを含む、少なくとも1つの追加の核酸
を含み、
独立したビット値が各バーコードドメインに割り当てられ、
各核酸のハイブリダイゼーションドメインの少なくとも1つが光反応性要素を含み、かつ、
少なくとも1つの核酸が所定の場所で基材に固定化される、
バーコード組成物が提供される。
いずれかの局面のいくつかの態様では、バーコードは、DNAデータバーコードである。
いずれかの局面のいくつかの態様では、光反応性要素は、光反応性ヌクレオチドである。
いずれかの局面のいくつかの態様では、光反応性ヌクレオチドは、CNVKまたはCNVD架橋塩基である。
いずれかの局面のいくつかの態様では、光架橋する工程は、350~400nm、任意で365nmの波長の光を使用して実施される。
いずれかの局面のいくつかの態様では、光反応性要素は、ソラレンである。
いずれかの局面のいくつかの態様では、第1および/または第2の核酸のDNAデータバーコードは、最小ハミング距離4を有するバーコードライブラリから選択される。
いずれかの局面のいくつかの態様では、光架橋する工程は、水溶液中で実施される。
いずれかの局面のいくつかの態様では、本方法は、酵素フリーである。
いずれかの局面のいくつかの態様では、各核酸は、ハイブリダイゼーションドメインの単一の光反応性要素を通じて、少なくとももう一方の核酸に不可逆的に共有結合により連結される。
いずれかの局面のいくつかの態様では、各バーコードは、少なくとも5ヌクレオチド、任意で5~10ヌクレオチドの長さを有する。
いずれかの局面のいくつかの態様では、第1および/または第2の核酸が基材に付着される。
いずれかの局面のいくつかの態様では、本方法はさらに、本明細書において提供される方法に従ってバーコードのコンカテマーを生成する工程を含み、第1の核酸は、基材上のドッキング鎖に連結される。
いずれかの局面のいくつかの態様では、バーコードのコンカテマーは、特別情報および/または空間情報をエンコードする。いずれかの局面のいくつかの態様では、特別情報は、文章、画像、座標、図形、動画、シーケンシングデータ、QRコード、バイナリコードおよび健康記録からなる群より選択される。
いずれかの局面のいくつかの態様では、基材は、ガラス、透明高分子、ポリスチレン、ヒドロゲル、金属、セラミック、紙、アガロース、ゼラチン、アルギン酸塩、デキストラン、酸化鉄、ステンレス鋼、金、銅、銀の塩化物、ポリカーボネート、ポリジメチルシロキサン、ポリエチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、ストレプトアビジン、樹脂および生体材料からなる群より選択される。いずれかの局面のいくつかの態様では、生体材料は、組織、細胞、オルガノイド、培養組織、および細胞外マトリックスからなる群より選択される。いずれかの局面のいくつかの態様では、基材は、ガラス、透明高分子、ポリスチレンおよびヒドロゲルから選択される。いずれかの局面のいくつかの態様では、基材は、圧縮性ヒドロゲルから選択される。
いずれかの局面のいくつかの態様では、基材または圧縮性ヒドロゲルは、水溶性高分子または天然高分子を含む。いずれかの局面のいくつかの態様では、水溶性高分子は、ポリ(アクリル酸)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリアクリルアミド、および多糖類から選択される。いずれかの局面のいくつかの態様では、天然高分子は、ゼラチン、寒天およびコラーゲンから選択される。
いずれかの局面のいくつかの態様では、基材上または基材内のデータの書き込みは、ドッキング鎖を基材に連結または埋め込むことを含み、任意で、ドッキング鎖は、基材に均一にまたはランダムに連結または埋め込まれ、かつ、任意で、ドッキング鎖は、共有結合により基材にドッキング鎖が連結することを可能にする修飾、任意でアクリダイト修飾を含む。
いずれかの局面のいくつかの態様では、本方法はさらに、基材またはヒドロゲルを圧縮する工程および任意で脱水する工程を含む。いずれかの局面のいくつかの態様では、圧縮性基材またはヒドロゲルは、任意で非水性溶媒を基材またはヒドロゲルに加えることによるか基材またはヒドロゲルの周囲の総イオン濃度を増加させることによって、化学的に圧縮されるか、圧縮性基材またはヒドロゲルは、物理的に圧縮される。いずれかの局面のいくつかの態様では、基材またはヒドロゲルは、少なくとも1000倍、少なくとも100倍、または少なくとも10倍、サイズを圧縮される。いずれかの局面のいくつかの態様では、本方法はさらに、基材またはヒドロゲルを保存する工程を含む。
いずれかの局面のいくつかの態様では、基材は、1立方センチメートル当たり少なくとも1ペタバイトのデータを含む。いずれかの局面のいくつかの態様では、データは、0.5~5ミクロン、任意で1ミクロンの解像度で書き込まれる。いずれかの局面のいくつかの態様では、データは、データパターンであり、任意で、データをエンコードする核酸は、デジタルマイクロミラーデバイスを使用して基材上にパターニングされる。
いずれかの局面のいくつかの態様では、第1および/または第2の核酸は、所定のパターンで基材に付着される。いずれかの局面のいくつかの態様では、核酸は、所定のパターンで基材上または基材内に埋め込まれる。いずれかの局面のいくつかの態様では、所定のパターンは、幾何学形状、四角形、円形または三角形である。いずれかの局面のいくつかの態様では、所定のパターンは、反復要素を含む。いずれかの局面のいくつかの態様では、所定のパターンは、非対称または対称である。いずれかの局面のいくつかの態様では、所定のパターンは、空間情報および/または特別情報を含む。いずれかの局面のいくつかの態様では、第1の核酸は、0.25~100ミクロン、任意で1ミクロンの解像度で付着される。
いずれかの局面のいくつかの態様では、エンコードされたデータは、光学顕微鏡法、電子顕微鏡法、原子間力顕微鏡法、肉眼または核酸シーケンシング技術を使用して、任意で基材からの核酸の切断に続いて、読み取られる。
図1A~1Eは、DNAでの光指向性データ書き込みの概観図を提供する。図1Aは、例示的なバーコードライブラリおよび核酸デザインを提供する。例となるいくつかのバーコード配列が示される。図1Bは、架橋された核酸(右ボックス)を生成する、CNVK塩基修飾(左ボックス)と描写されたチミン塩基(中央ボックス)との間の光指向性反応を示す。図1Cは、CNVK架橋反応の模式図を示す。CNVK修飾(塗りつぶされた丸)を含むDNA鎖「a」は、相補的オリゴ「a」と鎖間架橋を形成することができる。図1Dは、光指向性コンカテマー化の概略図を示す。図1Eは、連結されたDNAバーコードのビットオーダーのデータ再構築に関する概略図を示す。 図1Aの説明を参照のこと。 図1Aの説明を参照のこと。 図1Aの説明を参照のこと。 図1Aの説明を参照のこと。 図2A~2Cは、核酸エンコードデータを圧縮性ヒドロゲル上に保存するための例示的な方法を描写する。図2Aは、典型的なシナリオとして、保存される(保存)前にまずデータがヒドロゲル基材上に書き込まれる(書き込み)ことを示す。データを評価する必要がある時点で、データが読み取られ(読み取り)、パターニング法によっては、再度保存する前に初期化(初期化)工程を追加で要求することができる。図2Bは、データ(パターン)が適用される(書き込み)前に小さなヒドロゲルを膨張させることができる方法を図示する。データが書き込まれた後、ゲルは、再圧縮され、次いで、脱水状態で保存される(保存)。図2Cは、データパターンを読み取るために、脱水されたヒドロゲルは、典型的には、読み取る前に再水和および膨張させなければならないことを実証する。情報の読み取り後に、さらなる保存のためにヒドロゲルを再び再圧縮および脱水することができる。 図2Aの説明を参照のこと。 図2Aの説明を参照のこと。 CNVK修飾鎖を使用した例示的な光指向性の書き込み操作、読み取り操作および初期化操作を描写する。(書き込み)その相補的ドメイン内にCNVK修飾を含有する架橋鎖(CNVK)は、ヒドロゲルに埋め込まれたドッキング鎖に結合する。次いで、もし複合体が365nmのUV光に曝露されたときには、鎖間で共有結合鎖間架橋が形成される。これらの架橋された鎖は、洗浄条件(例えば、低塩、高温、ホルムアミド)を耐え抜くのに十分安定であり、オン状態にあるとみなされ、ビット値1に対応する。UV光に曝露されない複合体は、架橋されることなく、したがって、洗浄工程中に解離する。これらのドッキング鎖は、オフ状態にあるとみなされ、ビット値0に対応する。(読み取り)オン状態にある架橋された鎖は、架橋された核酸にハイブリダイズ可能である蛍光標識された核酸に結合することができ、その鎖は蛍光イメージャーを使用して読み取り可能となる。(初期化)オン状態にある架橋された鎖は、ハイブリダイズした核酸を除去するために洗浄され得る。 図4A~4Gは、ある領域(すなわち、ピクセル)にビットをエンコードするための方法を描写する。図4Aは、ドッキング鎖をヒドロゲルに均一にまたはランダムに埋め込むことができること、および、図3に描写されるような書き込み/読み取り操作を使用してドッキング鎖の状態をオフ(0)からオン(1)へ変化させることができることを示す。ピクセルは、UVの適用があってもなくてもよいヒドロゲルの規定された領域である。図4Bは、複数の1および0の架橋ビット鎖をデザインして、1ピクセル当たりのビット容量をさらに増加させることができることを示す。1ピクセル当たりn=4ビット(4色)に必要な鎖の例が描写される。図4Cは、連続した1ビット鎖の結合、特定のピクセルの架橋、洗浄および0ビット鎖の結合を使用して、複数のビットを表すコンカテマーをアセンブルすることができることを示す。形成され得る4ビットピクセルコンカテマーの3例が描写される。図4Dは、1ピクセル当たりのビット容量を増加させるための別のストラテジーを描写しており、それは、複数の直交ビット鎖を使用することである。図4Eは、これらの直交鎖が、ゲルに埋め込まれた直交ドッキング鎖に結合することができ、連続した結合工程および洗浄工程を通じて各ピクセルに特異的に結合することができる(オン状態1)またはできない(オフ状態0)ことを示す。この概略図では、3つの可能な4ビットピクセル構成が示される。図4Fは、表面に密に埋め込まれた同じ結合ドメイン(x)上にハイブリダイズするようデザインされたバーコード鎖を示す。図4Gは、結合反応速度論(例えば、短時間、低いバーコード鎖濃度)をプログラミングすることによって、架橋時に結合部位の少数が関心対象のバーコード鎖によって占有され得るので、同じ結合配列をすべてのバーコード配列にリサイクルすることができることを示す。 図4Aの説明を参照のこと。 図4Aの説明を参照のこと。 図4Aの説明を参照のこと。 図4Aの説明を参照のこと。 図4Aの説明を参照のこと。 図4Aの説明を参照のこと。 図5A~5Bは、ハイスループットピクセルパターニングに対するデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)の有用性を実証する。図5Aは、UV光源(365nm)をDMDまたはフォトリソグラフィーマスクに通し、そのフレーム内の特定のピクセルのみを照射し、それによって、それらの特定のピクセル内でのみ鎖が架橋されることを示す。図5Bは、複数のフレームを多重化様式でパターニングして、より大きなスケールのパターンを生成することができることを示す。 図5Aの説明を参照のこと。 バーコードコンカテマーでのエンコーディングストラテジーを描写する。DMDによって照らされた各ピクセルは、最大30~40単位長のDNAデータバーコードコンカテマーを含有する。 コンビナトリアルバーコーディングでデータ密度を増加させることに関する概略図を描写する。コンビナトリアルエンコーディングスキームでは、バーコード配列の分散に関する定量的情報を、配列の期待相対度数に基づいた実際のデータ列のデコンボリューションに使用することができる。 バーコード情報をコピーおよび検索するための例示的な方法を実証する。交互のハイブリダイゼーションドメイン(塗りつぶされたライン)、バーコード配列(点で描いたライン)および光反応性要素(塗りつぶされた丸)を含有するDNAデータバーコードセットが左に示される。光指向性コンカテマー化(右上)の間、各DNAデータバーコードは、繰り返しハイブリダイズして、長鎖コンカテマーを形成する。バーコードは、ギャップ充填ポリメラーゼによるギャップの充填、ライゲーションおよび脱架橋によってアクセスすることができる(右下)。 図9A~9Cは、固体表面上のDNAのDMDパターニングの実験的検証を描写する。図9Aは、UV光に曝露させた際にハイブリダイズした鎖と架橋可能であるCNVK修飾(丸)を含有する配列の鎖を示す。図9Bは、BSA-ビオチン、ストレプトアビジンおよびビオチン化配列aで官能化されたガラススライドの表面を示す。次いで、フルオロフォアで標識されたCNVK配列をこれらのドッキング配列に結合させ、DMDを使用して405nmの光に曝露させて、格子状の照明プロファイルを提供した。図9Cは、Typhoon蛍光スキャナーを用いて蛍光チャネルにおいて撮像した後のガラススライド上の得られた格子状パターンを示す。 図9Aの説明を参照のこと。 図9Aの説明を参照のこと。 図10A~10Dは、圧縮性ヒドロゲル上のDMDパターニングの実験的検証を描写する。図10Aは、UV光に曝露させた際にハイブリダイズした鎖と架橋可能であるCNVK修飾(丸)を含有する配列の鎖を示す。図10Bは、アクリダイト修飾されてゲルへと重合されたドッキング鎖(配列a)を含有する圧縮性ヒドロゲルを示す。架橋鎖に結合した後、DMDを使用して、ゲル上の格子状パターンを照らした。図10Cは、様々な条件(例えば、低塩、エタノールインキュベーション)を使用してヒドロゲルを物理的に圧縮させることができることを示す。図10Dは、物理的圧縮前後のヒドロゲルの蛍光画像を並べて示す。DNAに基づく格子状パターンは、圧縮プロセスを通じて維持される。 図10Aの説明を参照のこと。 図10Aの説明を参照のこと。 図10Aの説明を参照のこと。 コンカテマー化されたDNAをDMDと共に使用してスライド上に文字「MIST」を書き出す、バーコーディング実験を描写する。 1マイクロメートルサイズのフィーチャーを示している蛍光架橋鎖によるガラス表面上のパターニングされた架橋を示す。架橋は、1秒UVパルスで実施された。次いで、40×対物レンズを用いてTRITCチャネルにおいてスライドを走査した。 ガラススライド上の光パターニングのピクセルレベルの空間的制御を実証する。(左)DMDフォトマスクに使用されたビットマップ(600×680)、白色ピクセルはDMD中の対応するマイクロミラーを「オン」に切り替え、黒色ピクセルについては逆である。(右)蛍光架橋剤鎖の架橋は、ガラススライド上で1秒間実施された。架橋空間プロファイルを、10×対物レンズ(約1umのフィーチャーサイズ)に通してガラススライド上に結像させ、次いで、40×対物レンズを用いてTRITCチャネルにおいて走査した。
詳細な説明
概して、本明細書において提供される方法は、核酸のハイスループットコンカテマー化ならびに空間情報および/またはデータを有するコンビナトリアル配列の生成を可能にする、方法および組成物の発見に一部基づくものである。本明細書に記載される方法および組成物は、分子コーディング、データ保存、組織工学、情報伝達およびバイオセンサーなどの多くの用途において有用である。
本明細書において使用される場合、用語「バーコード鎖」は、一般に、5~10ヌクレオチド長であり、かつ、データをエンコードする一本鎖核酸のことを指す。いくつかの態様では、バーコード鎖は、5、6、7、8、9または10ヌクレオチド長である。いくつかの態様では、バーコード鎖は、10を超えるヌクレオチド長であり得る。いくつかの態様では、バーコード鎖は、ビット値0または1が割り当てられ得る。いくつかの態様では、バーコード鎖は、核酸シーケンシング技術を使用して読み取られ得る。いくつかの態様では、バーコード鎖の配列は、検出可能部分、例えば、フルオロフォア、量子ドット、ペプチドタグ、ビーズ(例えば、アガロース、ラテックス、磁気応答性、クロマチック)、高分子ドット、ナノ粒子、追加のドッキング部位、ビオチンなどのタグ、または、その存在が、例えば、蛍光顕微鏡法、蛍光スキャナー、光学スキャナーなどによって検出され得るような官能基で標識された相補的配列の使用を通じて決定され得る。
本明細書において使用される場合、用語「相補的」は、一般に、2セットの核酸間のハイブリダイズによる対合または結合相互作用の可能性のことを指す。相補的核酸は、標準的なワトソン・クリック塩基対合および非ワトソン・クリック塩基対合(例えば、揺らぎ塩基対合およびフーグスティーン塩基対合)に従う水素結合対合を通じて互いに結合可能である。いくつかの態様では、2セットの核酸は、互いに100%相補的であり得る。他の態様では、2セットの核酸は、相補的ではない1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個またはより多くのヌクレオチドを含み得る。他の態様では、2セットの核酸は、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または少なくとも90%相補的であり得る。いくつかの態様では、2セットの核酸は、これらが安定したまたは一過性の複合体を形成可能である限り、相補的である。本明細書において使用される場合、用語「相補的鎖」は、一般に、200ヌクレオチドまたはより短い長さの一本鎖核酸のことを指す。いくつかの態様では、相補的鎖は、5~100、5~75、5~50、5~25、5~15、または5~10ヌクレオチド長であり得る。いくつかの態様では、相補的鎖は、10~100、10~50、10~25、10~20、15~25、または15~25ヌクレオチド長であり得る。いくつかの態様では、相補的鎖は、7ヌクレオチド長であり得る。いくつかの態様では、相補的鎖は、少なくとも1つの検出可能部分を含む。いくつかの態様では、検出可能部分は、フルオロフォアまたはナノ粒子であり得る。いくつかの態様では、相補的鎖は、架橋鎖に相補的であり、任意で、架橋鎖は、第1の核酸バーコードの成分であり、相補的鎖は、第2の核酸バーコードの成分である。いくつかの態様では、架橋鎖は、DNAまたはRNAである。
本明細書において使用される場合、用語「圧縮性ヒドロゲル」、「ヒドロゲル」および「核酸エンコードヒドロゲル」は、互換的に使用され、一般に、水溶液に溶解させることなしにその構造内にかなりの割合の水を保持可能である任意の高分子材料のことを指す。圧縮性ヒドロゲルは、その周囲環境に応じて圧縮状態および膨張状態で存在可能である、1つまたは複数の単量体の反応によって生成される任意の高分子材料であり得る。さらに、圧縮性ヒドロゲルは、核酸パターンでエンコード可能である。
本明細書において使用される場合、用語「架橋鎖」は、一般に、200ヌクレオチドまたはより短い長さの一本鎖核酸のことを指す。いくつかの態様では、架橋鎖は、5~100、5~75、5~50、5~25、5~15、または5~10ヌクレオチド長であり得る。いくつかの態様では、架橋鎖は、10~100、10~50、10~25、10~20、15~25、または15~25ヌクレオチド長であり得る。いくつかの態様では、架橋鎖は、7ヌクレオチド長であり得る。いくつかの態様では、架橋鎖は、少なくとも1つの光反応性ヌクレオチドを含む。いくつかの態様では、架橋鎖は、少なくとも1つのCNVKまたはCNVDヌクレオチドを含む。いくつかの態様では、架橋鎖は、相補的鎖に相補的であり、任意で、架橋鎖は、第1の核酸バーコードの成分であり、相補的鎖は、第2の核酸バーコードの成分である。いくつかの態様では、架橋鎖は、DNAまたはRNAである。いくつかの態様では、架橋鎖はさらに、フルオロフォア、量子ドット、ビオチン、ストレプトアビジン、官能性化学基および他のタグまたはナノ粒子などの部分で官能化される。
本明細書において使用される場合、用語「ドッキング鎖」は、一般に、200ヌクレオチドまたはより短い長さであり、かつ、圧縮性ヒドロゲルと会合する、例えば、結合する、一本鎖核酸のことを指す。いくつかの態様では、ドッキング鎖は、ドッキング鎖がヒドロゲルに共有結合により付着または連結することを可能にする、官能基、例えば、アクリダイト修飾を含む。ドッキング鎖は、架橋鎖の相補的ドメインに相補的であるドッキング部位を含み得る。いくつかの態様では、ドッキング鎖は、100ヌクレオチドまたはより短い。いくつかの態様では、ドッキング鎖は、50ヌクレオチドまたはより短い。いくつかの態様では、ドッキング鎖は、イメージャー鎖に結合する。いくつかの態様では、ドッキング鎖は、DNAまたはRNAである。いくつかの態様では、ドッキング鎖は、ガラス、ポリスチレン、紙またはシリコンなどの表面に付着され得る。いくつかの態様では、ドッキング鎖は、それらの表面への結合を媒介するビオチンまたはストレプトアビジン修飾を含有する。いくつかの態様では、ドッキング鎖は、磁気粒子、金ナノ粒子、ガラスビーズ、ストレプトアビジンビーズ、ストレプトアビジン樹脂、抗体、ニトロセルロースメンブレン、紙、ガラス繊維メンブレンまたは任意の固相担体カラムにコンジュゲートまたはそれ以外の方法で結合され得る。
本明細書において使用される場合、「付着核酸鎖」は、本明細書に記載される核酸が本明細書に記載される基材と会合する、それに架橋する、その中に埋め込まれる、またはそれに係留する、それと共有結合によりもしくは非共有結合により相互作用することを可能にする、任意の核酸のことを指す。いくつかの態様では、付着核酸鎖は、バーコードドメインおよびハイブリダイゼーションドメインを含み、ハイブリダイゼーションドメインは、任意で、光反応性要素を含む。いくつかの態様では、付着核酸鎖は、第1の核酸の少なくとも一部に実質的に相補的である。
本明細書において使用される場合、用語「ハイブリダイゼーションドメイン」は、一般に、架橋鎖または相補的ドメインのいずれかのことを指す。いくつかの態様では、ハイブリダイゼーションドメインは、本明細書において定義されるような架橋鎖である。いくつかの態様では、ハイブリダイゼーションドメインは、本明細書において定義されるような相補的鎖である。いくつかの態様では、2つの交互のハイブリダイゼーションドメインは、単一の架橋鎖および単一の相補的鎖を指す。
本明細書において使用される場合、用語「核酸バーコード」は、一般に、以下の少なくとも2つを含む一本鎖核酸のことを指す:架橋鎖、バーコード鎖および/または相補的鎖。核酸バーコードがバーコード鎖を含む場合、核酸バーコードは、その会合したバーコード鎖内に含有されたデータを含む。いくつかの態様では、一連の核酸バーコード、例えば、少なくとも3個の核酸バーコードが、核酸コンカテマー内に書き込まれ得る。いくつかの態様では、核酸バーコードまたは核酸バーコードのセットが、基材支持体、例えば、圧縮性ヒドロゲル上にパターニングされ得る。いくつかの態様では、核酸バーコードは、少なくとも15、20、25、30、40、50、60、70、80、90、または100ヌクレオチド長であり得る。いくつかの態様では、核酸バーコードは、20ヌクレオチド長である。いくつかの態様では、核酸バーコードは、6ヌクレオチド長であるバーコード鎖、7ヌクレオチド長である架橋鎖、および7ヌクレオチド長である相補的鎖を含む。核酸バーコードは、一般に、5'→3'方向に以下のドメイン構造を含む:5'-架橋鎖→バーコード鎖→相補的鎖。
本明細書において使用される場合、用語「バーコードドメイン」または「DNAデータドメイン」は、特別情報、任意値またはコードを表す核酸配列を含むバーコード鎖の一部のことを指す。バーコードドメイン配列は、バーコードライブラリによって事前決定されることができる。バーコードドメインは、DNA、RNA、合成核酸塩基またはそれらの任意の組み合わせを含む配列であることができる。
本明細書において使用される場合、用語「バーコードライブラリ」は、保存された核酸配列と関連情報の集合体である。各配列および関連情報は、配列、パターン、構造およびラベルなどの情報のデータベースに保存される。バーコードライブラリを使用して、各バーコード鎖に含有される特別情報を解読または読み取ることができる。また、バーコードライブラリを使用して、コンカテマーのデータ保存、書き込みおよび読み取りのためにコンカテマーパターンを事前決定することもできる。
本明細書において使用される場合、用語「核酸コンカテマー」は、一般に、少なくとも3個の核酸バーコードを含む核酸のことを指す。核酸コンカテマーは、光反応性ヌクレオチドを介して共有結合により互いに連結された核酸バーコードを含み得る。いくつかの態様では、核酸コンカテマーは、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、または少なくとも10個の核酸バーコードを含み得る。いくつかの態様では、核酸コンカテマーは、各々データを包含する少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、または少なくとも10個のバーコード鎖を含み得、例えば、各バーコード鎖は、独自に/独立して、ビット値に割り当てられ得る。
本明細書において使用される場合、用語「ビット値」は、x、yおよびz座標に沿った位置を特定するために使用することができる任意値;整数;記号;キャラクター;または文字のことを指す。算出において、ビットナンバリングは、ビット位置を特定するために使用される慣例法である。ビット値は、二進法に関連する二進数であることができる。二進法は、2つの記号:ゼロ「0」および「1」を使用し、位取り記数法の典型である。多くの1および0をつなぎ合わせて、より大きい数を表すことができる。本明細書において提供されるバーコードとの関連において、ビット値は、バーコードドメインに割り当てられ、バーコードライブラリを使用して特定することができる。ビット値は、データおよび特別情報を保存するために使用することができる。例えば、図4A~4G、および図6、および図7を参照されたい。
本明細書において使用される場合、用語「パターン」は、一般に、任意の認識可能な程度に異なる画像、構造またはデザインのことを指す。パターンは、いくつかの態様では、四角形、円形または三角形などの幾何学形状である。パターンは、反復要素を含有し得る。パターンは、任意要素を含有し得る。いくつかの態様では、パターンは、非対称である。いくつかの態様では、パターンは、対称である。パターンは、空間情報および/または特別情報(例えば、画像、ピクセル、任意値およびコード)を含むことができる。
本明細書において使用される場合、用語「特別情報」は、バーコードに保存することができる任意のデータまたは空間情報である。特別情報の非限定例は、文字、数字、文章、座標、画像、図形、動画、シーケンシングデータ、QRコード、バイナリコード、パスコード、および健康記録を含む。
本明細書において使用される場合、用語「空間情報」は、バーコードに保存することができる、生体組織またはマトリックス中の任意の情報、座標、マーカーである。空間情報は、基材上の特定のマーカー、バーコードまたはパターンが位置する場所を当業者に知らせることができる。例えば、空間情報は、核酸バーコードを含む画像またはQRコードを作成する際に有用であり得る。空間情報はまた、本明細書において提供されるようなバーコード顕示剤(barcode-revealing agent)の存在下における核酸バーコードのセンサー機能にも有用であり得る。
本明細書において使用される場合、用語「作用物質」は、合成または生体起源の任意の物質、化学成分、化学分子のことを指す。
本明細書において使用される場合、用語「複数」は、一般に、1を超える任意の数または値のことを指す。複数は、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも300、少なくとも350、少なくとも400、少なくとも500、または少なくとも1,000であり得る。複数の核酸、例えば、複数の核酸ステープル鎖または複数のSSTは、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも40個、少なくとも50個、少なくとも100個、少なくとも150個、少なくとも200個、少なくとも250個、少なくとも300個、少なくとも350個、少なくとも400個、少なくとも500個、または少なくとも1,000個の核酸を含み得る。いくつかの態様では、複数の核酸は、2~1000個、5~1000個、10~1000個、50~1000個、100~1000個、または500~1000個の核酸を含む。いくつかの態様では、複数の核酸は、2~5000個、5~5000個、10~5000個、50~5000個、100~5000個、または500~5000個の核酸を含む。
核酸での光指向性データ書き込み
バーコード(例えば、DNAデータバーコード)の光指向性コンカテマー化のための方法が本明細書において提供される(図1)。各核酸バーコード鎖は、約5~10塩基長であることができる。いくつかの態様では、核酸バーコード鎖は、4、5、6、7、8、9、または10塩基長であることができる。いくつかの態様では、核酸バーコード鎖は、約10または約10~15塩基長であることができる。個々の固有のバーコード鎖に、ビット値「0」または「1」を割り当てることができる。したがって、核酸バーコードの連結された列は、0および1の列(すなわち、デジタル情報)と等価であることができる(図1D、図1E)。
バーコード鎖、またはバーコード配列は、ロバストなデータ検索のために、任意で、不完全なシーケンシングデバイスと共に使用するためにデザインされる。示されるバーコードライブラリの一例は、最小ハミング距離4を有し、このことは、バーコードエイリアシングが生じる前にシーケンシングデバイスによって少なくとも4つの置換誤差が生まれるはずであることを意味する。また、冗長シーケンス、パリティシーケンスを含めた符号の誤り訂正の他変種を使用することもでき、等価物をバーコード配列に組み込むこともできる(図1A)。
核酸バーコードの基本デザインは、2つの交互のハイブリダイゼーションドメインのセットに隣接したバーコード鎖(例えば、約5~10塩基長)から構成される。これは、繰り返しのハイブリダイゼーション工程、架橋工程および洗浄工程を通じて、バーコードのあらゆる任意配置を可能にする(図1A)。いくつかの態様では、ハイブリダイゼーションドメインは、架橋鎖であることができる。いくつかの態様では、ハイブリダイゼーションドメインは、相補的鎖であることができる。いくつかの態様では、2つの交互のハイブリダイゼーションドメインのセットは、1つの架橋鎖および1つの相補的鎖を含むことができる。いくつかの態様では、核酸バーコードは、(i)光活性化ヌクレオチドを含む架橋鎖と(ii)相補的鎖とに連結された、バーコード鎖を含む。いくつかの態様では、交互のハイブリダイゼーションドメインは、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、または少なくとも20塩基長であることができる。いくつかの態様では、交互のハイブリダイゼーションドメインは、第2の核酸バーコードのハイブリダイゼーションドメインにハイブリダイズする能力を提供するのに十分な塩基を含む。いくつかの態様では、一方の核酸バーコードの架橋鎖は、他方の相補的鎖とハイブリダイズする。
核酸、例えば、DNAデータバーコードを、光化学架橋反応によって、連結して、共有結合により一緒に固定することができる。架橋反応それ自体は、光によって駆動され、水溶液中で実施することができる。核酸バーコードの架橋鎖は、少なくとも1つの光反応性核酸塩基を含む。いくつかの態様では、光反応性核酸塩基は、光の存在下で別の核酸塩基と架橋を形成可能である任意の修飾された核酸塩基であることができる。いくつかの態様では、光反応性核酸塩基は、修飾されたピリミジンまたはプリン核酸塩基であることができる。いくつかの態様では、光反応性核酸塩基は、3-シアノビニルカルバゾールホスホロアミダイト(CNVK)または3-シアノビニルカルバゾール修飾d-トレオニノール(CNVD)であることができる。いくつかの態様では、光反応性核酸塩基は、ビニル、アクリラート、N-ヒドロキシスクシンイミド、アミン、カルボキシラートまたはチオール化学基を含むことができる。いくつかの態様では、光反応性核酸塩基は、ブロモ-デオキシウリジンを含む。CNVK架橋塩基は、相補的鎖上の該塩基に隣接した位置にあるチミン(T)塩基と最高の架橋効率を呈し[10]、DNAハイブリダイゼーションドメインそれ自体に塩基置換として直接組み込むことができる(図1B)。いくつかの態様では、架橋反応は、365nmの波長の光を使用して実施され、1秒以内に完了することができる(図1C)。いくつかの態様では、架橋反応は、任意の波長の可視光または紫外光を使用して実施することができる。いくつかの態様では、架橋反応は、0.1、0.25、0.5、1、5、または10秒以内に完了することができる。いくつかの態様では、架橋反応は、0.5、1、5、10、20、30、40、50、または60分以内に完了することができる。いくつかの態様では、架橋反応は、光反応性核酸塩基に隣接する塩基に対してほとんど影響を及ぼさない。いくつかの態様では、ソラレンを含む他の光化学核酸架橋剤を、核酸バーコードと組み合わせて使用することができる。
いくつかの態様では、CNVKで標識された鎖が、平均で1秒未満、1~10秒の間または1分未満だけ結合するような塩および温度条件下で、これらを、1~10個の塩基だけまたは10~20個の塩基だけドッキング鎖にハイブリダイズさせることができる。他の態様では、CNVKで標識された鎖がドッキング鎖に対して増加した相同ドメイン(20~40個の塩基、40個の塩基を超える)を有することも、塩を増加させることも、温度を低下させることも可能であり、その結果、これらが平均で1分間超結合したままである場合にこれらは安定に結合したとみなされる。一般に、CNVKで標識された鎖がドッキング鎖に対して所望の平均結合時間(t_bound=1/k_off)を有するように、条件を調整することができる。
核酸バーコードのコンカテマーは、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、または少なくとも50個の核酸バーコードを含むことができる。
核酸バーコードのコンカテマーは、本明細書において提供される基材上の様々な位置にあることができる。例えば、コンカテマーは、線形であることができ、2つの異なる配向または複数の配向を異なる方向に有することができる。バーコードを、x、yおよびz座標に沿って空間に位置付けることができる。
いくつかの局面では、本明細書において、バーコード組成物であって、
a. 一対のハイブリダイゼーションドメインに隣接したバーコードドメインを含む、第1の核酸;
b. 一対のハイブリダイゼーションドメインに隣接したバーコードドメインを含む、第2の核酸;
c. 基材;
d. 任意で、作用物質であって、第1の核酸の基材への付着を可能にする作用物質;
e. 任意で、一対のハイブリダイゼーションドメインに隣接したバーコードドメインを含む、少なくとも1つの追加の核酸
を含み、
独立したバーコードが各バーコードドメインに割り当てられ、
各核酸のハイブリダイゼーションドメインの少なくとも1つが光反応性要素を含み、
かつ、少なくとも1つの核酸が所定の場所で基材に固定化される、
バーコード組成物が記載される。
いくつかの態様では、光反応性要素は、光反応性ヌクレオチドである。いくつかの態様では、光反応性ヌクレオチドは、CNVKまたはCNVD架橋塩基である。いくつかの態様では、光反応性要素は、ソラレンである。
いくつかの態様では、第1および/または第2の核酸のバーコードドメインは、最小ハミング距離4を有するバーコードライブラリから選択される。
いくつかの態様では、少なくとも1つの核酸は、標識を含む。いくつかの態様では、標識は、フルオロフォアである。
いくつかの態様では、基材は、ガラス、透明高分子、ポリスチレン、ヒドロゲル、金属、セラミック、紙、アガロース、ゼラチン、アルギン酸塩、デキストラン、酸化鉄、ステンレス鋼、金、銅、銀の塩化物、ポリカーボネート、ポリジメチルシロキサン、ポリエチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、ストレプトアビジン、樹脂および生体材料からなる群より選択される。いくつかの態様では、基材は、圧縮性ヒドロゲルである。いくつかの態様では、生体材料は、組織、細胞、オルガノイド、培養組織、および細胞外マトリックスからなる群より選択される。
いくつかの態様では、バーコード組成物はさらに、光反応性要素を含む核酸のコンカテマーを含む。
いくつかの態様では、核酸のコンカテマーは、特別情報および/または空間情報をエンコードする。
いくつかの態様では、特別情報は、文章、画像、座標、図形、動画、シーケンシングデータ、QRコード、バイナリコードおよび健康記録からなる群より選択される。
いくつかの態様では、核酸は、ハイブリダイゼーションドメインの単一の光反応性要素を通じて、少なくとももう一方の核酸に共有結合により連結される。
いくつかの態様では、各バーコードドメインは、少なくとも5ヌクレオチド、任意で5~10ヌクレオチドを含む。
いくつかの態様では、1つまたは複数の核酸は、所定のパターンで基材に付着される。いくつかの態様では、所定のパターンは、幾何学形状、四角形、円形または三角形である。いくつかの態様では、所定のパターンは、反復要素を含む。
いくつかの態様では、所定のパターンは、非対称または対称である。いくつかの態様では、所定のパターンは、空間情報および/または特別情報を含む。いくつかの態様では、第1の核酸は、0.5~5ミクロン、任意で1ミクロンの解像度で付着される。いくつかの態様では、第1の核酸は、0.25~100ミクロン、任意で1ミクロンの解像度で付着される。
いくつかの態様では、第1の核酸を基材に付着させるための作用物質は、付着核酸鎖であり;付着核酸鎖は、第1の核酸の少なくとも一部に実質的に相補的である。
いくつかの態様では、第1の核酸を基材に付着させるための作用物質は、バーコードドメインおよびハイブリダイゼーションドメインを含む付着核酸鎖であり、ハイブリダイゼーションドメインは、任意で、光反応性要素を含む。
基材
核酸バーコードまたは核酸バーコードのコンカテマーは、マイクロアレイチップにおいてよく見られるマイクロウェルの形成のような特殊な表面処理を必要とすることなく、任意の基材表面に適用することができる。表面は、新生鎖バーコードコンカテマーの初期ドッキング鎖としての役割を果たす核酸鎖で官能化することのみ必要である。あるいは、核酸は、基材と非共有結合相互作用を形成することができる。
本明細書において使用される場合、用語「基材」または「基材表面」は、本明細書において提供される1つもしくは複数の核酸バーコードまたは核酸バーコードのコンカテマーを表示させることができるか、追加の核酸および/または標識との接触のために接触させることができる構造を説明するために互換的に使用される。本明細書において提供される核酸バーコードをこの基材表面にコンジュゲートさせることができる。
本明細書において使用される場合、用語「~にコンジュゲートされる」は、核酸と基材表面、相変化剤(phase-changing agent)または親和性対のメンバーとの、共有結合(限定されないが架橋剤を介した架橋を含む)によるか、またはコンジュゲートを使用しようとする条件下で維持される強い非共有結合相互作用による、会合を包含する。
本明細書において使用される場合、用語「ハイブリダイズする」は、一本鎖核酸またはその領域が、別の一本鎖核酸またはその領域と(分子間ハイブリダイゼーション)または同じ核酸の別の一本鎖領域と(分子内ハイブリダイゼーション)、水素結合による塩基対相互作用を形成する現象のことを指す。ハイブリダイゼーションは、関与する塩基配列(相補的核酸塩基は水素結合を形成する)、ならびに塩基対のアイデンティティによって決定される任意のハイブリッドの安定性(例えば、G:C塩基対は、A:T塩基対よりも強い)および隣接する塩基対の数(より長く伸びた相補的塩基は、より安定したハイブリッドを形成する)によって左右される。例えば、ドッキング鎖と、光反応性核酸塩基、例えば、CNVK塩基を含む核酸バーコードとの間のハイブリダイゼーションは、基材表面上に保存されたデータの光指向性の読み取りおよび/または可視化を可能にする。
本明細書において提供される基材表面は、生体材料(例えば、細胞、組織またはその断片)、プラットフォーム、カラム、フィルターまたはシート、ディッシュ、マイクロ流体キャプチャデバイス、キャピラリーチューブ、電気化学応答性プラットフォーム、スキャフォールド、カートリッジ、樹脂、マトリックス、ビーズ、相変化剤、または当技術分野において公知の別の基材表面の形態で存在することができる。複数の表面タイプを使用することができる。基材表面の非限定例は、ガラス、透明高分子、ポリスチレン、ヒドロゲル、金属、セラミック、紙、アガロース、ゼラチン、アルギン酸塩、デキストラン、酸化鉄、ステンレス鋼、金ナノビーズまたは粒子、銅、銀の塩化物、ポリカーボネート、ポリジメチルシロキサン、ポリエチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、シクロオレフィンポリマーまたはシクロオレフィンコポリマー、ストレプトアビジン、Sepharose(商標)樹脂、生体材料(例えば、細胞、組織、細胞膜、細胞外マトリックスタンパク質など)、およびそれらの組み合わせを含む。
いくつかの態様では、基材は、ガラスまたは高分子表面であることができる。いくつかの態様では、基材は、圧縮性ヒドロゲルである。
いくつかの態様では、生体材料は、組織、細胞、オルガノイド、培養組織、および細胞外マトリックスからなる群より選択される。
いくつかの態様では、核酸バーコードまたは核酸バーコードのコンカテマーを、圧縮性ヒドロゲルに適用するか、その中に埋め込むことができる。いくつかの態様では、核酸バーコードまたは核酸バーコードのコンカテマーは、特別情報、例えば、デジタルデータを表し、限定されないが文章、画像、図形、動画、シーケンシングデータおよび/または健康記録を含めた任意の情報を保存することができる。いくつかの態様では、核酸バーコードまたは核酸バーコードのコンカテマーは、空間情報を表す。
核酸鎖でのこれらの基材の表面官能化の方法は、当技術分野において公知であり、いくつかの材料に関する要件および最小調製時間を必要とする。典型的な調製は、最初に、表面をウシ血清アルブミン-ビオチン(BSA-ビオチン)で不動態化することを伴う。BSAは、ガラス表面と非特異的に結合する。次に、ストレプトアビジンタンパク質が、BSAタンパク質上のビオチン付着部に結合する。最後に、ビオチンで標識された核酸を導入して、ストレプトアビジンタンパク質上の他の利用可能な結合部位に結合させ、ガラス表面の官能化を完了することができる。
初期核酸ドッキング鎖(図3、青色の鎖)での基材表面の官能化は、表面タイプに応じて様々である。ガラス表面の官能化は、上述した通りである。基材表面によっては、重合工程の間に、ドッキング鎖を基材またはヒドロゲルマトリックスそれ自体に直接組み込むことができる。アクリダイト修飾された核酸鎖を基材またはヒドロゲル材料と混合することができ、基材またはヒドロゲル材料に沿って重合させることができる。
いくつかの態様では、分子、無細胞反応物、細胞、組織切片、オルガノイドおよび生物などの生体材料を、本明細書に記載される基材上に固定化することができる。バーコーディングされた表面および基材を、公知の構成の空間バーコードで事前にパターニングすることができる。バーコーディングされた表面は、生体材料の空間バーコーディングのためのグリッドとして使用することができる。基材は、ゲノムおよびリボ核酸標的を含め、生体試料中の様々な標的のドッキング部位としての役割を果たすことができる。バーコーディングされた基材上のドッキング部位は、生体材料中のタンパク質標的、代謝標的または他の標的に結合するために使用することができる、化学タグまたはタンパク質タグを含む官能基を担持することができる。任意で、バーコーディングされた基材上の核酸バーコードを、バーコードパターン全体を保存しながら、化学的、酵素的または光化学的な方法を使用して表面から切断し、これを、拡散もしくは電気泳動、力分光法または磁場を通じて生体材料に転写することができる。
圧縮性ヒドロゲル
圧縮性ヒドロゲルは、高い水分含量(ヒドロゲル質量の最大99%)を含む三次元(3D)高分子網目構造である[3]。このことは、高分子網目構造内の水分量に応じて大幅に膨張および圧縮(容積で>10倍)する能力をヒドロゲルに与え、これは、イオン強度、pH、温度、光、電場および磁場、溶媒組成ならびに圧力などの環境刺激を介して調節することができる。ヒドロゲルは、生物医学(例えば、薬物送達、コンタクトレンズ、組織工学、バイオセンシング、光線力学療法において)、マイクロ技術(例えば、アクチュエータ、スーパーキャパシタにおいて)、産業、および顕微鏡法において広く使用されてきた[4]。
ヒドロゲルのサイズは、塩濃度、溶質濃度、温度、pHおよび核酸の存在などの様々な環境条件に基づいて調節することができる[5]、[6]。ヒドロゲルにフィーチャーを埋め込むことは、関心対象のフィーチャー間の距離を回折限界以下から回折限界以上へと膨張させることを可能にし、ゲルを物理的に膨張させることによって超分解能イメージングを実現できることが実証されている[7]。圧縮性ヒドロゲルの重要な特徴は、ヒドロゲルの圧縮および膨張を等方的に得ることができ、その結果、ヒドロゲルのサイズにかかわらず、フィーチャーがそれらの互いの相対的空間距離を維持することである。その上、ヒドロゲルは、ヒドロゲルの使用用途または目視による読み出しに従って、任意の形状、サイズまたは形態へと容易に成形、パターニングまたは造形することができる。本明細書において提供されるヒドロゲルは、多次元(例えば、2D、3Dまたは膨潤性(4D))ヒドロゲルであることができる。例えば、McCracken, J. et al. 2016. "Programming Mechanical and Physicochemical Properties of 3D Hydrogel Cellular Microcultures via Direct Ink Writing." Advanced Healthcare Materials 5: 1025-1039;Gladman, et al. 2016. "Biomimetic 4D Printing." Nature Materials 15: 413-419;Ramon-Azcon et al. Lab on a Chip (2012);米国出願番号9,410,267 B2;および米国特許第8.999,378 B2号(参照によりそれらの全体が本明細書に組み入れられる)を参照されたい。
ヒドロゲルはまた、多くの他の材料(例えば、高分子、ガラスまたはプラスチック)の表面上で硬化させることもできる。例えば、当技術分野において、ヒドロゲルは、インビボ微小環境を模倣する3Dオルガノイドおよび層状組織の開発など、生体パターニングのためのスキャフォールドとして使用できることが公知である。本明細書において提供される核酸は、人工マトリックスおよび生体組織または細胞配置を含めた任意の形態またはパターンの任意のタイプのヒドロゲルまたは生物製剤に埋め込むことができると想定される。本明細書において提供される核酸を使用して、組織工学用途において使用するために、生体材料の配置をプログラミングするか、生体材料を特異的に特定または選別することができる。本明細書において提供される核酸は、培養組織またはオルガノイド内で細胞-細胞相互作用を構築する際に有用であり得る。
ヒドロゲルパターニングは、当技術分野において公知の方法(例えば、ナノ成形、マイクロ成形、マイクロコンタクトプリンティング、射出成形、マスキング技術、フォトリソグラフィー法、硬化、マスクレスパターニング、感光性ヒドロゲルパターニング、3Dプリンティング、回転ジェットスピニングなど)を使用して工学操作された、任意の所定のパターンの形態であることができる。パターンは、等方性または異方性であることができる。パターンは、線、円、管、球、繊維、文字、数字、ドット、多角形、正方形、マトリックスバーコード(例えば、QRコード)、バイナリコード、または当技術分野において公知の任意の他のパターンの形態であることができる。パターンは、パターンの可視化または読み取りを可能にする、任意のサイズ、形状または形態であることができる。
ヒドロゲルは、変動し得る、物理的特性、例えば、弾性率または多孔性を有することができる。ヒドロゲルは、多孔質または非多孔質であることができる。ヒドロゲルの物理的特性、例えば、弾性率を変更する方法は、当技術分野において公知であり、使用される溶質の濃度、温度、圧力、硬化手順、使用される水溶液のタイプまたは溶質の混合物、および水溶液中でのインキュベーション時間に基づいて様々であることができる。
膨張性ヒドロゲルとしても知られる圧縮性ヒドロゲルは、最近、より高い分解能のために分子痕の分離を向上させる目的で、埋め込まれた試料のサイズを物理的に拡大させるために、顕微鏡分析に使用されている[7]。これらの用途について、アクリラート-アクリルアミド共重合体ヒドロゲルの4~5倍の線形膨張が、低塩溶液または無塩溶液の存在下での水の吸収を通じて実証されている。膨張したヒドロゲルを、別の膨張性ゲルに再度埋め込んで、再び膨張させることで、<20倍の線形膨張を達成することができる[8]。あるいは、10倍の線形膨張を単一工程で行うことができる膨張性ゲルマトリックスを生成するために、アクリル酸ナトリウム(SA)で架橋されたN,N-ジメチルアクリルアミド酸(DMAA)が使用されている[9]。これらのゲルは、同様に、脱水を通じて等方的に圧縮することができる。これは、高い塩濃度の溶液を使用することによるか、水をエタノールまたは有機溶媒などの他の液体に交換することを通じて達成することができる。
ヒドロゲルは、ポリ(アクリル酸)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリアクリルアミドおよび多糖類などの水溶性高分子を含めたいくつかの異なる材料から形成することができる。あるいは、ゼラチン、寒天、デキストランまたはコラーゲンなどの天然高分子を利用することができる。架橋は、重合開始剤を使用した化学的手段を通じて、または放射線もしくは熱処理を通じて実施することができる。膨張形態では、ヒドロゲルは、高い水分含量(水が約99%に達する)に耐えることができる。
ヒドロゲルは、天然に存在するか、天然源に由来するか、または合成源に由来することができる。ヒドロゲルは、1つまたは複数の単量体の反応によって生成される、任意の水で膨張されかつ架橋された高分子材料であることができる。ヒドロゲルは、水溶液に溶解させることなしにその構造内にかなりの割合の水を保持するように膨張可能である高分子材料であることができる。ヒドロゲルはまた、任意の収縮性材料、例えば、熱収縮性プラスチック、粘弾性発泡体、記憶発泡体であることができる。
ヒドロゲルは、天然の単量体分子(例えば、グリコサミノグリカン)、親水性材料(例えば、メタクリラート、電解質複合体、酢酸ビニル、アクリルアミド)、または天然高分子材料(例えば、ペプチド、糖類)に由来することができる。他の好適なヒドロゲル組成物は、2001年8月7日に交付された「Hydrogel composites and superporous hydrogel composites having fast swelling, high mechanical strength, and superabsorbent properties」という表題の米国特許第6,271,278号に記載されている。ヒドロゲルは、疎水性材料および/または親水性材料から構成されることができ、疎水性材料は、水に物理的に引き付けられず、親水性材料は、水に物理的に引き付けられる。
いくつかの態様では、ヒドロゲルは、ホモ重合体に基づくヒドロゲルであることができ、ヒドロゲルは、単一の単量体種または分子に由来する。いくつかの態様では、ヒドロゲルは、共重合体に基づくヒドロゲルであることができ、ヒドロゲルは、2つ以上の異なる単量体種または分子に由来する。いくつかの態様では、共重合体に基づくヒドロゲルは、ランダム、ブロックまたは交互の立体構造で、任意で単量体の1つの骨格に沿って配置される。いくつかの態様では、ヒドロゲルは、多重合体貫入高分子に基づくヒドロゲルであることができ、ヒドロゲルは、少なくとも2つの異なる、任意で架橋された、高分子サブユニットに由来する。いくつかの態様では、多重合体貫入高分子に基づくヒドロゲルは、架橋されている1つの高分子サブユニットと架橋されていない高分子サブユニットである1つの高分子とを含む。
ヒドロゲルは、非結晶性、半結晶性または結晶性であり得る。ヒドロゲルは、共有結合により架橋されても、されなくてもよい。ヒドロゲルは、化学的方法(例えば、化学的架橋)または物理的方法(例えば、疎水性相互作用)を使用して合成することができる。ヒドロゲルは、中性に荷電されるか、正味正に荷電されるか、または正味負に荷電されることができる。いくつかの態様では、ヒドロゲルは、正に荷電された基および負に荷電された基を含む。いくつかの態様では、ヒドロゲルは、両性または双性イオン性であることができる。
いくつかの態様では、ヒドロゲルは、核酸でエンコードする前に、ゲル、鋳型または他の埋め込み材料に事前に鋳込することができる。いくつかの態様では、ヒドロゲルは、核酸でエンコードした後に、ゲル、鋳型または他の埋め込み材料に鋳込することができる。
核酸または他の分子種の合成、操作および/またはヒドロゲルへの添加は、電場、磁場、圧力、吸引および毛細管現象などの外部刺激を使用して容易にすることができる。本明細書において提供されるヒドロゲルは、バイオセンサー(例えば、疾患をモニタリング、制御された薬物放出機序で疾患を処置、コンタクトレンズ、皮膚もしくは粘膜組織生着、またはマイクロアレイ疾患検出)として使用するために修飾することができる。組織生着および細胞スキャフォールドにおいて使用するためのヒドロゲルに対する修飾は、当技術分野において公知である。
いくつかの態様では、マイクロ流体を使用して、核酸または他の分子種を合成するか、操作するかまたはヒドロゲルへ添加することができる。
いくつかの態様では、ヒドロゲルは、圧縮状態で存在し、この場合、ヒドロゲルは、完全に圧縮または収縮され、ヒドロゲルの水含量は減少する。いくつかの態様では、ヒドロゲルは、膨張状態で存在し、この場合、ヒドロゲルは、完全に膨張、拡大または膨潤され、ヒドロゲルの水含量は増加する。いくつかの態様では、ヒドロゲルは、完全に圧縮された状態と完全に膨張した状態の間の中間状態で存在することができる。いくつかの態様では、ヒドロゲルは、外部環境条件における変化に応じて圧縮または膨張される。いくつかの態様では、外部環境条件は、物理的条件および化学的条件を含むことができ、物理的条件は、温度、電位、光、圧力および音を含み、化学的条件は、pH、溶媒組成(例えば、水、有機溶媒の量の変化)、イオン強度および低分子溶質を含む。
基材を用いたデータ圧縮
本明細書において、基材またはヒドロゲルの圧縮および膨張の性質を、情報を物理的に圧縮するために利用する(図2A~1C)。図2Aに描写されるような典型的なデータ保存ワークフローでは、保存する(保存)前に、まずデータが基材または圧縮性ヒドロゲル上に書き込まれるか、パターニングされる(書き込み)。その後、データにアクセスすることができ(読み取り)、任意で、初期化(初期化)操作を、データを再度保存する前に実施することができる。
核酸バーコードが埋め込まれた圧縮性ヒドロゲルは、核酸バーコードの空間情報を保持しながら、ヒドロゲルの物理的圧縮による高いデータ密度の利点を有する。過去に公表されている核酸データ保存の形態では、核酸中にエンコードされたデータは、数千の連続していないDNAオリゴ鎖の形態であることが多く、このことは、ビットオーダーを再構築するための各DNA鎖中において空間バーコードデータを包含させる必要があり、それによって全体のデータ保存密度を低下させた[12]。
典型的には、ヒドロゲルは、最初に、図5A~5Bに描写されるように核酸でエンコード、すなわち、パターニングすることができるように、過去に文献に記載されている方法のいずれか(例えば、塩濃度を低下させること)によって同位体的に(isotopically)膨張される。書き込みおよび/またはパターニングの後、膨張に使用したものと反対の方法(例えば、塩を増加させること)を使用して、ヒドロゲルをより小さいサイズに圧縮し戻すことができる。より安定した保存のために、保存する前にゲルを完全に脱水することができる。
書き込みおよび/またはパターニングされた基材またはヒドロゲル上のデータを読み取るために(図2C)、ゲルは、典型的には、必要に応じて再水和され、次いで、必要に応じて初期化(初期化)する前に、解読(読み取り)できるようなサイズへと膨張される。この時点で、ゲルは、その後、図2Bの最後の工程に描写されるように、さらなる保存のために再圧縮および脱水することができる。
これらのデータ圧縮法は、基材またはヒドロゲルを調製するために必要ないくつかの単量体成分に起因して拡張可能であり、情報保存密度を増加させる能力という点で非常に効果的である。情報のビットが占める空き容量を物理的に圧縮することによって、情報密度を劇的に低下させることができる。例えば、四角形ヒドロゲルのすべての辺がそれぞれ10×圧縮されると、パターニングが2Dで行われた場合には100×の情報密度の増加、または、パターニングが容積に関して行われた場合には1000×の情報密度の増加がもたらされる。例として、20×の辺圧縮を用いて、単一ビットを1ミクロンの解像度(フィーチャーサイズ)で保存することができるパターニングは、503 nm3当たり1ビット、または1立方センチメートル当たり1ペタバイトのデータの保存をもたらすことができる。
基材またはヒドロゲル上にエンコードされた核酸パターンまたは一連の核酸バーコードをコピー、転写または編集することができる。いくつかの態様では、パターンまたは一連の核酸バーコードを、別の基材またはヒドロゲルにコピーするか転写することができる。他の態様では、パターンまたは一連の核酸バーコードを、非ヒドロゲル材料にコピーするか転写することができる。いくつかの態様では、パターンまたは一連の核酸バーコードを、化学的方法または物理的方法を使用してコピー、転写または編集することができ、化学的方法は、酵素の使用を伴うことができる。
転写の方法は、電気泳動転写または拡散転写など、当技術分野において公知である。例えば、米国特許第4,840,714 A号および第8,173,002 B2号(参照によりそれらの全体が本明細書に組み入れられる)を参照されたい。
例えば、バーコーディングされたパターンを、ポリメラーゼを使用することによって、所定の位置でその相補的バーコードに変換するかまたはコピーすることができる。また、バーコードまたはバーコードコピーを、化学的に、熱的にまたは酵素的に基材から遊離させることができる。遊離した鎖を、拡散もしくは電気泳動、力分光法、遠心分離、毛細管流動または磁場を通じて、パターン全体を保存しながらヒドロゲルまたは生体材料などの基材材料に転写することができる。バーコードがヒドロゲル中に構築されたら、圧縮の前または後にこの遊離を行うことができる。
転写プロセスの前に、架橋核酸または化学架橋剤を通じて鎖を互いに共有結合で付着させることによって、バーコーディングされたパターンを任意で固定してその構造を保護することができる。これは、同じバーコードパターンを複数のパターン転写に再利用することを可能にする。
いくつかの態様では、バーコーディングされたパターンを、マイクロ加工のために、または他の材料のエッチング、マスキング、堆積のための基材として、使用することができる。
核酸エンコード基材の書き込み
基材またはヒドロゲルが膨張形態である間に、核酸を空間的にパターニングすることができる任意の書き込み技術で基材または圧縮性ヒドロゲルをエンコードすることができる。
例示的な書き込み技術は、パターンをデザインする際のプライマリハンドルとして機能させるためにドッキング鎖を基材またはヒドロゲルに導入することを伴う。ドッキング鎖、典型的には、200ヌクレオチドまたはより短い長さの一本鎖核酸は、架橋鎖の相補的ドメインに結合して、それと共有結合架橋を形成することができる。基材またはヒドロゲル材料をゲルまたは鋳型に鋳込する前に、複数のドッキング鎖を基材またはヒドロゲルに直接組み込むことによって、それらを基材またはヒドロゲルに埋め込むことができる。あるいは、複数のドッキング鎖をヒドロゲル上に異なる様式でエンコード、例えば、パターニングすることができる(図4A)。ドッキング鎖を、基材またはヒドロゲル全体にわたってランダムにまたは均一に分散させることができる。いくつかの態様では、ドッキング鎖は、基材またはヒドロゲルのセグメントまたはピクセルにランダムにまたは均一に及ぶことができる。いくつかの態様では、ドッキング鎖の分散は、パターンを作り出すことができる。他の態様では、ドッキング鎖単独の分散は、パターンを作り出さないであろう。複数のドッキング鎖は、同一の配列を有する複数の同一のドッキング鎖であることができる。あるいは、複数のドッキング鎖は、固有の配列を有する2個、3個、4個、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも15個、または少なくとも20個の異なるドッキング鎖を含むことができる。
核酸バーコードは、本明細書において上述したように、次いで、ドッキング鎖と核酸バーコードの架橋鎖とのハイブリダイゼーションを通じてドッキング鎖に付着させることができる。その後の光への曝露は、バーコードの光反応性核酸塩基、例えば、CNVK塩基の反応性を通じてドッキング鎖と核酸バーコードとの間で鎖間連結が形成されることを可能にし得る。
また、パターンまたは形状が情報をエンコードできるように、データをあるパターンまたは形状でヒドロゲルに書き込む、例えば、埋め込むことができる。いくつかの態様では、パターンまたは形状を別のパターンまたは形状内に表示するために、核酸を書き込むことができる。
核酸パターンは、本明細書において提供される方法を使用して工学操作された任意の所定のパターンの形態であることができる。あるいは、核酸パターンは、確率的またはランダムであることができる。別の言い方をすれば、核酸パターンは、等方性または異方性であることができる。パターンは、線、円、管、球、繊維、文字、数字、ドット、多角形、正方形、マトリックスバーコード(例えば、QRコード)、バイナリコード、または当技術分野において公知の任意の他のパターンの形態であることができる。パターンは、パターンの可視化または読み取りを可能にする、任意のサイズ、形状または形態であることができる。
架橋鎖は、ドッキング鎖に安定に結合するか、または一過性に結合するようにデザインすることができる。いくつかの態様では、架橋鎖は、ドッキング鎖に共有結合によりまたは非共有結合により結合させることができる。いくつかの態様では、架橋鎖は、ドッキング鎖に相補的であることができる。架橋鎖は、ドッキング鎖に、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または少なくとも90%相補的であることができる。さらに、架橋鎖は、異なる核酸バーコードの相補的ドメインに結合し得る。いくつかの態様では、架橋鎖は、その独自の架橋鎖を含むがバーコード鎖を含まない核酸の相補的ドメインに結合し得る。
「ピクセル」と称される基材またはヒドロゲル内の特定のサイズの領域は、情報の書き込みおよび読み取りのために利用され得る。多くの同一のドッキング鎖を含むピクセルは、2つの状態:オン(ビット値1)またはオフ(ビット値2)の1つであり得る。単一ピクセルのビット容量は、複数ビット鎖の使用によってさらに増加させることができる(図4B)。この場合、連続した結合および洗浄の間に鎖がコンカテマー鎖を形成できるように、相補的なx/xおよびy/yを用いて鎖がデザインされる(図4C)。これは、例えば、最初に位置(色)0に対応する1ビット鎖を導入し、それらを適切なピクセルに架橋し、過剰の1ビットを洗い流し、その色に対応する0ビット鎖を流し、架橋し、等を、nビット鎖がドッキング鎖上に架橋されたコンカテマーができるまで行われ得る。この手法で、1ピクセル当たりのビット容量をnまで増加させた。1ピクセル当たりのビット容量を増加させる別の方法は、複数の直交配列(色)を基材またはヒドロゲルに埋め込むことであり、異なるビット鎖がこれらの色の各々に相補的である(図4D~4E)。その手順は、0ビットが必要ないことを除けば、図4Cに記載されているものと同様であり得、各色に対応するビット鎖が連続的に(間に洗浄工程を伴って)導入される。
1ピクセル当たりのビット容量を増加させる別の方法は、複数の直交配列(色)を基材またはヒドロゲルに埋め込むことであり、異なるビット鎖がこれらの色の各々に相補的である(図4D~4E)。1ピクセル当たりの複数の異なる可能な直交配列(すなわち「色」)の組み合わせを導入することによって、1ピクセル当たりの情報容量を、単純な0対1、黒対白エンコーディングスキームと比較して劇的に増加させることができる。この場合、その手順は、0ビットが必要ないことを除けば、図4Cに記載されているものと同様であり、各色に対応するビット鎖が連続的に(間に洗浄工程を伴い)流される。最後に残る可能性は、すべてのバーコード鎖が結合し得る同じ密にコートされた配列ドメイン(x)を利用することである(図4F)。この手法で、1つだけ配列を埋め込む必要があるが、すべての可能なバーコード配列がハイブリダイズすることができる。架橋時に関心対象の1ビットバーコード鎖に一部の部位だけが結合するように反応速度論を制御することによって、残りの部位は、他の1ビット鎖による将来のビットエンコーディングに利用可能なまま残る。例えば、4つのバーコード鎖が利用されるならば、結合部位の1/4以下が第1のビットの架橋時に占有され、それによって残りの3/4が将来の結合に利用可能となる。
コンカテマー鎖は、基材またはヒドロゲルと共に溶液中に懸濁されるか、乾燥されるように、基材もしくはヒドロゲルおよび/またはそれらの対応するドッキング鎖から切断することができる。この切断は、化学的方法によって、例えば、酵素を使用して、または物理的方法によって行うことができる。いくつかの態様では、コンカテマー鎖の切断は、これらの方法によって提供される情報密度をさらに増加させる。いくつかの態様では、切断されたコンカテマー鎖を、核酸シーケンシング、例えば、ナノポアに基づくシーケンシングの公知の方法を使用して配列決定することができる。
例示的な書き込み技術は、核酸の架橋を指向するためのUV光の使用に基づく。書き込み、読み取りおよび初期化の操作の典型的な図式が図3に描写される。書き込み操作では、2つのドメイン架橋鎖(青色-桃色)が最初にドッキング鎖(青色)に結合する。架橋鎖は、その相補的ドメイン内にCNVK塩基修飾、すなわち、配列特異的かつ光誘導性の核酸架橋部分を含むことができ、それが利用される。CNVKは、効率的かつ素早く(約1秒で>90%)架橋し、したがって迅速な書き込み操作を容易にすることが実証されている。塩基対合複合体が365nmの波長のUV光に曝露された後、CNVK修飾(相補的ドメイン内)を含む架橋鎖は、ドッキング鎖と鎖間共有結合架橋を形成する。UV光に曝露されない任意の架橋鎖/ドッキング鎖複合体は、共有結合架橋を形成しない。架橋された鎖は、ストリンジェントな洗浄工程(例えば、低塩、高温、ホルムアミド)に対してロバストであり、洗浄後には架橋された構造だけがその場に残り、その付着した相補的鎖(桃色)がユーザーによって規定されたパターンで残る。情報理論の観点から、洗浄工程後の相補的鎖の存在は、単一ビットの情報の書き込みを表し、基材またはヒドロゲルに付着した架橋された複合体は、1(オン)ビットを表し、基材またはヒドロゲルに付着した裸のドッキング鎖は、0(オフ)ビットを表す。
図3に記載される光指向性の方法の処理能力は、光が通過するのを認める(オン)か認めない(オフ)ように異なる角度に設定することができるマイクロミラーのアレイを含有するデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)の使用を通じて大きく高めることができる。DMDは、プロジェクターディスプレイを作製するためだけでなく、チップ上にオリゴヌクレオチドの合成をパターニングするためにも使用されている[13]。DMDを使用して、フレームの特定のピクセルをUV光に曝露させることができ(図5A)、したがって、記載したようなピクセル特異的架橋が可能となる。投影される光の焦点を調節することによって、ピクセルサイズを調整することもできる。例えば、より高倍率の対物レンズに光を通過させることで、1ミクロン以下のピクセルフィーチャーサイズ(回折限界)も可能となり得る。XYピクセルを有するDMDを移動させるか、または試料自体を移動させることで、多くのフレームが迅速にパターニングされることが可能となる(図5B)。共焦点顕微鏡法においてよく見られる光学セクショニング性能を使用することによって、書き込みは、2Dから3Dへとさらに拡張され得る。レーザーのZ焦点を調節することで、規定されたXYZアラインメントまたはボクセル内の鎖を特異的に標的化し、それだけを架橋することができる。その上、回転円板共焦点顕微鏡を用いてこのプロセスを多重化することができ、数種の同時レーザーが基材またはヒドロゲルを照射することが可能になる。
いくつかの態様では、フォト(photo)ベースおよび/または光ベースのパターニングを使用して、基材またはヒドロゲルをパターニングすることができる。いくつかの態様では、フォトリソグラフィーマスク、マイクロミラーまたはリソグラフィーの使用を通じて、基材またはヒドロゲルをパターニングすることができる。
いくつかの態様では、基材またはヒドロゲルは、膨張状態のまま核酸でエンコードされる。いくつかの態様では、基材またはヒドロゲルは、圧縮状態のまま核酸でエンコードされる。
エンコーディングストラテジー
基材(例えば、ガラス表面)上へのデータの書き込みおよび/またはパターニングのために、バーコードコンカテマーは、一般に、安定性および保存密度が最大となるようにコピーおよび凍結乾燥される。ただし、データをその後、例えば、連続した0および1の列もしくは任意値またはパターニングされたバーコードマトリックス(例えば、QRバーコード)に再構築可能にするために、各バーコードの空間または位置情報も保存される。コピーした後に核酸バーコードの空間情報を保存するために、各バーコーディングされたコンカテマーはまた、その元の空間位置をエンコードするバーコード配列を担持する(図6)。このことは、バーコードが分析物の存在下でセンサー機能を含むことができると想定されるように、限定として解釈されるべきではない。
いくつかの態様では、個々のバーコード鎖が含有されるデータを、単一の塩基、例えば「A」=0および「G」=1によってエンコードすることができる。いくつかの態様では、複数の塩基は、同じビット識別子をエンコードすることができ、例えば「A」および「T」は共に、0をエンコードすることができ、一方で、「C」=1および「G」は共に、1をエンコードすることができる。いくつかの態様では、ビットは、塩基の混合物によってエンコードされることができ、例えば、特定の位置にある2:1比のA:Tは、0をエンコードすることができ、一方で、3:1比のA:T塩基は、1をエンコードすることができる。いくつかの態様では、ビットは、塩基の重複物によってエンコードされることができ、例えば、「ACTTAC」は、ビット0をエンコードすることができ、「GCAGAT」は、ビット1をエンコードすることができる。いくつかの態様では、塩基の重複物は、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、または少なくとも15個の塩基であることができる。このことは、ポリメラーゼによっていくつかのエラーがあってもなお同じバーコード配列にマッピングし戻すことができるようにバーコード配列が互いに十分に異なるため、配列読み出しの場合に役立つ。いくつかの態様では、データのエンコーディングは、ビット(二進法)で実施される。他の態様では、データのエンコーディングは、トリット(三進法)で実施され、この場合、1~100個の塩基を任意で含む3つの固有のバーコード配列は各々、3つのトリット識別子の各々をエンコードするであろう。
いくつかの態様では、核酸バーコードおよび/またはパターニングされた核酸は、イメージャー、例えば、蛍光イメージャーを使用して読み取ることができる。イメージングに基づくデータ読み出しの場合(例えば、図4Aを参照のこと)、バーコード鎖の存在が1をエンコードし、非存在が0をエンコードするならば、サイズnのバーコードライブラリは、2^nの可能な組み合わせをエンコードすることができる。これは、nビットのデータが各ピクセルにエンコードされることができ、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、または少なくとも10個の異なる配列が使用される(図4B~4Gを参照のこと)。いくつかの態様では、エンコードされた鎖の一部分(例えば、1塩基の一部分または割合)もまた情報をエンコードする。いくつかの態様では、異なる部位に対応するように、様々なレベルのイメージャー鎖を定量化することができ、例えば、定量的シグナルを生成することができる。例えば、バーコード配列Aの点灯が、いくつかの場合に33%の占有率で存在し、別の場合に66%の占有率であるように制御される場合、ここにバーコードAの4つの可能な状態:元の2つの可能な状態(0%または100%)の代わりに0%、33%、66%および100%がある。したがって、1バーコード当たりエンコードされるビットの数は2倍になる。その状態は、定量的顕微鏡法を通じて読み出すことができ、これにより、存在の有無を決定するだけでなく、シグナルレベルを決定することができる。「n」個の異なるバーコード配列を有する「g」個の可能な差次的なシグナルレベル状態について、ここにngの可能な組み合わせがあり、それゆえ、1ピクセル当たりlog_2(ng)ビットを保存することができる。
いくつかの態様では、核酸バーコードおよび/またはパターニングされた核酸は、核酸シーケンシング技術、例えば、サンガーシーケンシング、ディープシーケンシング、またはナノポアに基づくシーケンシングを使用して読み取ることができる。
本明細書において使用される場合、用語「核酸シーケンシング」は、所与の核酸の個々の核酸塩基を特定する方法のことを指す。核酸シーケンシングの方法は、cDNAおよびRNAシーケンシング、NanoStringなどのイメージングに基づく方法、およびPCRだけでなくqPCRも使用する広範な方法など、当技術分野において公知である。例えば、Sanger, F. et. al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 74:5463-5467 1977;米国特許第6,025,136号および第6,018,041号、第7,473,767号(これらは、参照によりそれらの全体が本明細書に組み入れられる)を参照されたい。
いくつかの態様では、本方法はさらに、核酸配列を増幅させることを含む。本明細書において使用される場合、用語「増幅させる」は、反応の成分のすべてが完全である場合に、ポリヌクレオチドの増幅を可能にするのに十分な条件に、核酸配列を供する工程のことを指す。増幅反応の成分は、例えば、プライマー、ポリヌクレオチドテンプレート、ポリメラーゼ、ヌクレオチドなどを含む。用語「増幅させる」は、典型的には、標的核酸の「指数関数的」増加のことを指す。しかしながら、「増幅させる」は、本明細書において使用される場合、サイクルシーケンシングを用いて得られるような、選択した核酸の標的配列の数の線形増加のことも指すことができる。核酸配列を増幅および合成する方法は、当技術分野において公知である。例えば、米国特許第7,906.282号、第8,367,328号、第5,518,900号、第7,378,262号、第5,476,774号および第6,638,722号(そのすべての内容は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み入れられる)を参照されたい。
いくつかの態様では、核酸配列を増幅させることは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を含む。PCRは、当業者に周知である;例えば、米国特許第4,683,195号および第4,683,202号;ならびにPCR Protocols: A Guide to Methods and Applications, Innis et al., eds, 1990(そのすべての内容は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み入れられる)を参照されたい。例示的なPCR反応条件は、典型的には、2工程サイクルまたは3工程サイクルのいずれかを含む。2工程サイクルは、変性工程とそれに続くハイブリダイゼーション/伸長工程を有する。3工程サイクルは、変性工程とそれに続くハイブリダイゼーション工程とそれに続く別個の伸長工程を含む。
シーケンシングに基づく読み出しの場合、バーコードストラテジーでエンコードすることができる可能な座標位置の総数は、BCnとして拡大縮小し、データ量は、n×log(BC)(式中、BCはバーコードライブラリのサイズであり、nはコンカテマーの数である)として拡大縮小する。例えば、データをエンコードするために2バーコードライブラリ(b0,b1)を考慮し、各々個々のバーコードがビット0またはビット1として割り当てられる。アドレスエンコーディングのために別個のバーコードライブラリを利用することができる。8バーコードライブラリを考えると、典型的なDMDデバイスではすべての座標位置を7個のコンカテマーでエンコードすることができ、87~2e6の可能な組み合わせが提供される。したがって、各空間座標に、固有のバーコード配列識別子を割り当てることができ、次いで、これをシーケンシングによって読み取ることができる。DMD書き込みイベントの複数の領域を追加のアドレスバーコードでエンコードすることもできる。図6において実証されるように、1ピクセル当たり合計30個の核酸バーコードコンカテマーは、大体2.6GBのデータをエンコードすることができる。追加のアドレスコンカテマーは、保存されたデータの量を指数関数的に増加させる。20個のアドレスバーコードおよび20個のデータバーコードコンカテマーでは、この保存ストラテジーは、最大でエクサバイトのデータを保存することができる。いくつかの態様では、バーコードライブラリは、任意の考えられるサイズ、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、少なくとも20、少なくとも25、または少なくとも50バーコードライブラリであることができる。いくつかの態様では、任意の考えられる数のアドレスバーコード、例えば、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、少なくとも20個、少なくとも25個、または少なくとも50個のアドレスバーコードが存在することができる。
いくつかの態様では、DMDの各ピクセルは、座標位置についてのバーコード鎖配列識別子とそれに続くデータそれ自体の両方を含む、30~40個の個々のバーコード鎖から構成される核酸バーコードを必要とする。バーコード配列全体をコピーすると、シーケンシング読み出しに適合可能な連続したDNA鎖が生成される。固有の空間座標に対応するバーコード組み合わせは、一緒にステッチされ、ビットオーダーのバーコード(例えば、DNAデータバーコード)を再構築する。
エンコーディングストラテジーのさらなる拡張は、各々可能なコンカテマー位置に存在し得るバーコードの組み合わせ、およびエンコードされたビットデータを特定するためのシーケンシングステージでのデコンボリューションを使用する。例えば、DMDを使用したバーコード配列Aの点灯が、いくつかの場合にバーコードが33%の占有率で存在し、別の場合にそれが66%の占有率であるように制御される場合、ここにバーコードAの4つの可能な状態:元の2つの可能な状態(0%または100%)の代わりに0%、33%、66%および100%がある。同様のストラテジーをすべての他のバーコードおよびバーコードの組み合わせに利用することができる(例えば、位置は、バーコードAを50%、バーコードBを25%、バーコードCを25%有し得る)。この手法で、BC個の可能なバーコード配列および空状態を排除したg個の可能な周波数の状態を用いたストラテジー(すなわち、0%架橋、例えば、20%、40%、60%、80%、100%が5つの状態に対応するであろう)は、ここに1位置当たりlog_2(BC multichoose g)ビットをエンコードすることができる(1ピクセル当たりlog_2(BC)ビットのデフォルトの代わりに)。これは、1ピクセル当たりlog_2((BC+g-1) choose g)ビットに等しい。例えば、10個のバーコード配列および5個の固有の状態を考えると、1ピクセル当たり保存できるピクセルの数は、1ピクセル当たり1サイクル当たりlog_2(14 choose 5)=10.97ビットであり、これは、単純な0対1の書き込みスキームと比較して1桁大きい書き込み処理能力およびデータ密度に大体等しいであろう(図7)。シーケンシングを受ける前に配列を増幅しなければならない場合、個々のコンカテマー配列の二重の読み取り値が排除されるように固有の分子識別子(UMI)をプライマーに追加することができる。
加えて、補助配列およびポリペプチドをコードする配列をバーコードに加えることができる。非限定例は、PCRプライマー、表面結合配列、中間の相補的結合ドメイン、分析物結合ドメイン、プロモーター、エンハンサー、リプレッサー、標識、タグ、または当技術分野において公知の任意の他の配列を含む。
ある特定の態様では、単一核酸バーコードの完全長配列は、20塩基と長く、バーコード鎖は、6ヌクレオチドを含み、2つの隣接した交互のハイブリダイゼーションドメインの各々が7ヌクレオチドを含む。1塩基当たり平均分子量330ダルトンと仮定すれば[4]、合計で、6600ダルトン当たり最大で大体1ビットとなり、各バーコードが単一ビットの情報をエンコードすると仮定される。これによって、DNA 1.09e-20グラム、または約11エクサバイト/DNA 1グラムで大体1ビットになる。
本明細書において提供される核酸バーコードおよび/またはドッキング鎖は、所与の用途に有用な任意の形状またはパターンの形態で保存することができる。十分に規定されたバーコードのパターンは、特別情報の保存において有用であり得る(例えば、偽造防止または分子検証のため)。例えば、配列特異的パターンを事前決定することができ、1つまたは複数の分子バーコード顕示剤の存在下で可視化または読み取ることができる。本明細書において提供される核酸バーコードはまた、個々にアドレス可能な領域(例えば、ピクセル)が異なるバーコードに対応するコンビナトリアル分子検証システムにも有用であり得る。バーコード鎖の複数の組み合わせを、核酸配列のストリンジェントな検出に使用することができる。
本明細書において使用される場合、「バーコード顕示剤」は、本明細書において提供される核酸に曝露またはそれと接触したときに核酸バーコードの読み取りおよび/または可視化を可能にする、合成または生体起源の任意の物質、化学成分、化学分子のことを指す。バーコード活性化剤は、保存された組み合わせに対してキーまたはパスコードとして作用する。バーコード活性化剤は、分析物、低分子、相変化剤、塩、代謝物、化合物、核酸、ポリペプチド、またはゲノム編集システムであることができる。バーコード活性化剤を基材または圧縮性ヒドロゲルまたは水溶液に加えて、ビット識別子の架橋を誘導することができる。
いくつかの態様では、本明細書において提供される核酸バーコードを含む基材は、バーコード活性化剤に曝露される。いくつかの態様では、本明細書において提供される核酸バーコードを含む基材は、バーコード顕示剤に曝露されない。
ほんの一例として、本明細書において提供される核酸のセンサー機能は、相補的なもしくは部分的に相補的な核酸鎖または核酸鎖を介してタグ化することができる任意の分析物のハイブリダイゼーションを介して実施することができる。この状況において使用することができる核酸タグの非限定例は、本明細書に記載される方法(例えば、光、蛍光イメージング、蛍光顕微鏡法、電子顕微鏡法、原子間力顕微鏡法、クライオ電子顕微鏡法、カメラ、電磁センサー、人間の肉眼、質量分析法、ウエスタンブロット、ゲル電気泳動、および他の検出器)で検出可能な、アフィニティープローブ(抗体)、タンパク質/ペプチド、ナノ粒子、フルオロフォア、FRET成分、スペーサー、Click反応基質、金属標識、または任意の他の部分、修飾、化学スペーサー、タンパク質、ナノボディ、アプタマー、抗原、および化学組成物を含む。ある特定の態様では、エンコードされた情報のみがバーコード顕示鎖またはバーコード顕示剤の存在下で顕示されるか検知可能であるように、相補的鎖は、バーコード顕示鎖またはバーコード顕示剤としての役割を果たすことができる。これらの作用物質は、それらの相補体に一過性にまたは非一過性に結合することができ、ある特定の態様では、複数の鎖が、空間的につながれた相補的鎖に共同で結合することができる。パターニングされたセンシングは、二次アッセイによって検出されるべき分析物の高度に多重化された検出および/または位置付けを支援することができる。分析物の存在の確認は、蛍光もしくは比色の読み出しの形態であるか、本明細書において提供される検出法および当技術分野において公知の検出法のいずれかによることができる。
本明細書において提供される方法の他の態様では、バーコードの視認性または検出可能性を向上させるために、本明細書において提供されるパターンからのシグナルを増幅させることができる。例示的な増幅法は、チラミドシグナル増幅(TSA)およびローリングサークル増幅(RCA)を含むことができるが、それらに限定されない。TSAまたはRCAは、所望の組成の分析物を検知および特定することができるパターニングされたバーコーディング表面の作製を介した多価センシングに有用であり得ると想定される。例えば、パターニングされた表面を、同じ分析物中の複数のドメインの認識、またはDNAナノ構造もしくはオリゴヌクレオチドタグ化複合体などの複合体の複数の成分の認識に使用することができる。その上、本明細書において提供されるバーコードのセンサー機能を、所望の分子幾何学構造の分析物を検知することができるパターニングされたバーコーディング基材の作製を介した幾何学的センシングに使用することもできる。
他の態様では、センシングは、挿入色素(例えば、Sybr Green(商標)、Sybr Gold(商標)、EvaGreen(商標)およびSybr Safe(商標))などの核酸に優先的に会合または結合する分析物によって達成することができる。本明細書において提供される方法のさらに別の態様では、分析物のセンシングは、電気化学センサーで、目視、イメージング技術(例えば、カメラ)によって、および顕微鏡などの読み取りデバイスで達成することができる。例えば、核酸センシングメカニズムはいずれも、センシング鎖、複合体および組成物が補正試薬の存在下でパターンを条件付きで顕示するような、バーコード顕示システムとしての役割を果たすことができる。バーコード顕示剤の非存在下では、パターンは見えないままである。例えば、正確な核酸鎖または分析物の存在下で、パターンシグナルが明らかになるであろう。ある特定の態様では、規定のバーコード顕示剤または配列と同一でないまたは実質的に同一でない任意の配列がパターンを顕示することが不可能となるように、鎖の結合特性を制御することによって、反応を保護することができる。
パターンフィーチャーが光の回折限界を下回る、例えば、圧縮されているパターンのいくつかの態様では、センシングまたは可視化の前にまず基材を再膨張させることができる。他の態様では、パターンを使用して、配列を所望の場所に指向させ、物理的近接に基づく標的核酸鎖のセンシングプラットフォームを作製することができる。
本明細書において提供される方法のいくつかの態様では、バーコードコンカテマーを、これらがアセンブルされた基材から、解離、切断または除去することができる。この状況下で、バーコード配列の一部が、基材上の位置または座標に関する情報を含有することができる。ほんの一例として、これは、以下を含むであろう:1)バーコード配列がアセンブルされた基材上の物理的な場所、または2)コンカテマーでエンコードされた情報が属するより大きなデータセット内の場所。後者の場合、この位置情報を、コンカテマー中にエンコードされたデータがより大きなデータセットの文章のどこに位置するかの「インデックス」として使用することができる。例えば、0および1のビットは、多くのコンカテマーバーコードの中でエンコードされるべく分割されているより大きなデータ列に属する。追加の例として、インデックスは、エンコードされたビット列が完全長データ列全体のどこに属するかに関する位置情報を含有することができる。したがって、コンカテマーが基材から除去されている場合、それらの内部にエンコードされたデータは、典型的には、シーケンシング法を介して読み取ることができる。
データのコピーおよび長期保存
いくつかの態様では、例えば、バーコードコンカテマーがガラス表面上に形成されているとき、酵素、例えば、ポリメラーゼを使用して、核酸バーコードをコピーすることができる。その後、コピーされた核酸バーコードを凍結乾燥し、別々に保存することができる。いったん凍結乾燥させたら、DNAは、安定であり、エクサバイト/グラムに迫る、最大容積密度に達することができる。
核酸バーコードは、任意の妥当な時間保存することができる。妥当な時間は、時間、日、週、月、年または十数年の単位で測定することができる。いくつかの態様では、核酸バーコードは、少なくとも1時間、少なくとも6時間、少なくとも12時間、少なくとも18時間、少なくとも24時間、または少なくとも36時間保存される。いくつかの態様では、核酸バーコードは、少なくとも1日、少なくとも2日間、少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、または少なくとも10日間保存される。いくつかの態様では、核酸バーコードは、1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、または少なくとも5週間保存される。いくつかの態様では、核酸バーコードは、少なくとも1ヶ月間、少なくとも2ヶ月間、少なくとも3ヶ月間、少なくとも6ヶ月間、少なくとも9ヶ月間、少なくとも15ヶ月間、または少なくとも18ヶ月間保存される。いくつかの態様では、核酸バーコードは、少なくとも1年間、少なくとも2年間、少なくとも3年間、少なくとも4年間、少なくとも5年間、少なくとも6年間、少なくとも7年間、少なくとも8年間、少なくとも9年間、または少なくとも10年間保存される。いくつかの態様では、核酸バーコードは、少なくとも10年間、20年間、または少なくとも30年間保存される。
いくつかの態様では、単一試料(例えば、同じ基材表面からの)のすべての核酸バーコードを、一緒に保存することができる。他の態様では、単一試料の核酸バーコードを、別々の場所で保存することができる。いくつかの態様では、核酸バーコードは、試験管、エッペンドルフチューブまたは同等物中に保存される。いくつかの態様では、核酸バーコードは、濾紙、例えば、ワットマン濾紙上に毛細管現象を介して保存され、室温で乾燥保存するか、または基材、例えば圧縮性ヒドロゲルに、表面間接触を通じて転写することができる。
核酸バーコードは、室温、低温または高温で保存することができる。いくつかの態様では、低温は、20℃、15℃、10℃、5℃、0℃、-10℃、-20℃、-50℃、または-78℃を下回る任意の温度である。いくつかの態様では、室温は、5~35℃、10~30℃、15~30℃、15~25℃、20~25℃、約23℃、または約20℃の任意の温度である。
核酸バーコードによってエンコードされたデータを読み取ることは、次世代シーケンシングまたはナノポアシーケンシングを含む市販のシーケンシングプラットフォームを使用して実施することができる。いくつかの態様では、核酸バーコードの架橋接合を回避するために、各核酸バーコードをハイブリダイズおよび架橋して、バーコード配列それ自体と交互のハイブリダイゼーションドメインの長鎖コンカテマーを形成することができる。ハイブリダイズした複合体中のギャップをギャップ充填ポリメラーゼで充填し、一緒にライゲーションして1つの完全な鎖を形成することができる。ギャップ充填に続いて、305nmの光を照射して、架橋された鎖を脱架橋し[11]、単一コピーの連続したDNAバーコード配列を作製することができる。次いで、コピーされた連続したバーコード配列は、例えば、ポリメラーゼ複製の部位としての役割を果たすことができる固有のプライマー結合部位を担持するDNAバーコードを付着させることによって、シーケンシングを含めた様々な他の目的に適合させることができる(図8)。
核酸エンコード基材の保存
核酸エンコード基材またはヒドロゲルは、書き込み工程および/または読み取り工程に続いて、保存、すなわち、保持または維持することができる。いくつかの態様では、基材またはヒドロゲルは、保存の前にまず圧縮される。基材またはヒドロゲルの圧縮は、基材またはヒドロゲルの周囲の水の濃度を低下させることによって、非水性溶媒(例えば、有機溶媒)の濃度を増加させることによって、総イオン強度を増加させることによって(例えば、塩濃度を増加させることによって)、温度を変更すること(例えば、温度を低下させること)によって、基材またはヒドロゲルの電位または磁位を変更することによって、基材またはヒドロゲルに対する圧力を変更する(例えば、圧力を増加させる)ことによって、基材またはヒドロゲルの周囲の環境のpHを変化させることによって、および他の実行可能な圧縮方法によって行うことができる。
いくつかの態様では、基材またはヒドロゲルは、基材またはヒドロゲルの周囲の環境から水を除去することによって圧縮される。いくつかの態様では、水は、蒸発によって除去される。いくつかの態様では、水の総容積の少なくとも20%(v:v)、少なくとも40%(v:v)、少なくとも60%(v:v)、少なくとも80%(v:v)または少なくとも95%(v:v)が除去される。
いくつかの態様では、基材またはヒドロゲルは、基材またはヒドロゲルの周囲の環境中の非水性溶媒の濃度を増加させることによって圧縮される。非水性溶媒は、水と混和性であっても、そうでなくてもよい。いくつかの態様では、非水性溶媒は、エタノール、メタノール、イソプロパノール、アセトニトリルまたはヘキサンなどの有機溶媒である。いくつかの態様では、有機溶媒は、エタノールである。いくつかの態様では、ヒドロゲルは、非水性溶媒を少なくとも20%(v:v)、少なくとも40%(v:v)、少なくとも60%(v:v)、少なくとも80%(v:v)、少なくとも95%(v:v)または100%(v:v)含有する溶液によって圧縮される。
いくつかの態様では、基材またはヒドロゲルは、基材またはヒドロゲルの周囲の環境中の総イオン濃度を増加させることによって圧縮される。いくつかの態様では、総イオン濃度は、溶質の濃度を増加させることによって増加する。いくつかの態様では、溶質は、塩化ナトリウム、塩化カリウムまたはリン酸塩などの塩である。いくつかの態様では、ヒドロゲルは、溶質濃度を少なくとも5%(w:v)、少なくとも10%(w:v)少なくとも20%(w:v)、少なくとも40%(w:v)、少なくとも60%(w:v)、少なくとも80%(w:v)または少なくとも95%(w:v)に増加させることによって圧縮される。
いくつかの態様では、基材またはヒドロゲルを乾燥または脱水することができる。いくつかの態様では、基材またはヒドロゲルは、真空デシケータを使用して、水の除去によってか、または非水性溶媒の濃度を増加させることによって、乾燥または脱水される。いくつかの態様では、基材またはヒドロゲルを圧縮する方法はまた、基材またはヒドロゲルを乾燥または脱水することも可能である。
基材または圧縮されたヒドロゲルは、任意の妥当な時間保存することができる。妥当な時間は、時間、日、週、月、年または十数年の単位で測定することができる。いくつかの態様では、基材またはヒドロゲルは、少なくとも1時間、少なくとも6時間、少なくとも12時間、少なくとも18時間、少なくとも24時間、または少なくとも36時間保存される。いくつかの態様では、基材またはヒドロゲルは、少なくとも1日、少なくとも2日間、少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、または少なくとも10日間保存される。いくつかの態様では、基材またはヒドロゲルは、1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、または少なくとも5週間保存される。いくつかの態様では、基材またはヒドロゲルは、少なくとも1ヶ月間、少なくとも2ヶ月間、少なくとも3ヶ月間、少なくとも6ヶ月間、少なくとも9ヶ月間、少なくとも15ヶ月間、または少なくとも18ヶ月間保存される。いくつかの態様では、基材またはヒドロゲルは、少なくとも1年間、少なくとも2年間、少なくとも3年間、少なくとも4年間、少なくとも5年間、少なくとも6年間、少なくとも7年間、少なくとも8年間、少なくとも9年間、または少なくとも10年間保存される。いくつかの態様では、基材またはヒドロゲルは、少なくとも10年間、20年間、または少なくとも30年間保存される。
基材またはヒドロゲルは、水溶液(例えば、水系)中、非水溶液(例えば、有機溶媒、例えば、エタノール)中、または完全に乾燥した状態(すなわち、溶液も溶媒も存在しない)で保存することができる。いくつかの態様では、基材またはヒドロゲルは、単独でまたは他の基材もしくはヒドロゲルと共に保存することができる。いくつかの態様では、基材またはヒドロゲル全体を、一緒に保存することができる。他の態様では、基材もしくはヒドロゲルまたはその成分の一部分を、別々の場所で保存することができる。いくつかの態様では、基材またはヒドロゲルは、平らな面の上に保存される。いくつかの態様では、基材またはヒドロゲルは、試験管、エッペンドルフチューブまたは同等物中に保存される。いくつかの態様では、基材またはヒドロゲルは、濾紙、例えば、ワットマン濾紙上に毛細管現象を介して保存され、室温で乾燥保存することができる。
基材またはヒドロゲルは、室温、低温または高温で保存することができる。いくつかの態様では、低温は、20℃、15℃、10℃、5℃、0℃、-10℃、-20℃、-50℃、または-78℃を下回る任意の温度である。いくつかの態様では、室温は、5~35℃、10~30℃、15~30℃、15~25℃、20~25℃、約23℃、または約20℃の任意の温度である。
核酸エンコード基材の読み取り
いくつかの態様では、複数の核酸は、基材または圧縮性ヒドロゲル内に埋め込まれた核酸エンコードパターンおよび/または核酸バーコードに結合可能である。いくつかの態様では、複数の核酸はさらに、検出可能部分、例えば、蛍光分子を含むことができる。これらの態様では、検出可能部分を含む複数の核酸が核酸エンコードパターンおよび/または核酸バーコードに結合すると、そのパターンおよび/またはバーコードによってエンコードされた情報の検出、すなわち、読み取りが可能になる。
いくつかの態様では、上述したように、核酸エンコードパターンに結合可能である核酸はさらに、検出可能部分を含む。いくつかの態様では、検出可能部分は、本明細書において提供されるバーコードをバーコード活性化剤に曝露させた後に検出可能である。いくつかの態様では、検出可能部分は、バーコード活性化剤に曝露させることなしに検出可能である。
本明細書において使用される場合、「検出可能部分」または「標識」は、検出可能である分子実体、例えば、フルオロフォア、発色色素、顔料、光学活性剤のことを指す。検出可能部分は、核酸に、共有結合により連結するかまたは非共有結合により連結することができる。検出可能部分は、裸眼、肉眼、顕微鏡、光シート顕微鏡、蛍光スキャナー、分光光度スキャナー、電気電圧電流計(electrical voltammeter)、または任意の他の検出法を使用して可視化することができる。いくつかの態様では、検出可能部分は、フルオロフォア、例えば、有機フルオロフォアまたは無機フルオロフォアである。いくつかの態様では、検出可能部分は、蛍光ではない。いくつかの態様では、検出可能部分は、フルオロフォアではない。検出可能部分は、当技術分野において公知の任意の方法を使用して検出することができる。検出法の非限定例は、フォトイメージング、光学顕微鏡法、蛍光顕微鏡法、原子間力顕微鏡法、フェルスター共鳴エネルギー移動(FRET)、および分光分析を含む。
いくつかの態様では、検出可能部分は、核酸に結合しない。いくつかの態様では、核酸に結合しない検出可能部分は、核酸エンコードパターンに直接結合することができる。いくつかの態様では、検出可能部分は、核酸エンコードパターンに、共有結合によりまたは非共有結合により結合することができる。いくつかの態様では、検出可能部分は、核酸に特異的に結合することができる。いくつかの態様では、検出可能部分は、Sybr Gold(商標)、Sybr Green(商標)、Sybr Safe(商標)DAPI、Hoehst、または塩基対に挿入することなどによって核酸に非特異的に結合する別の色素であることができる。
フルオロフォアは、ある特定の特徴的な波長の電磁エネルギーを吸収した後に他の特徴的な波長で電磁エネルギーを放出する、化学実体または分子実体である。分子色素、蛍光タンパク質および内在性フルオロフォアを含む有機フルオロフォアは、典型的には、いくつかのπ結合を有する芳香族基、平面分子または環状分子を含む。ランタニドおよび量子ドットを含む無機フルオロフォアは、典型的には、金属および/またはナノ粒子を含む。本明細書において提供される方法では、任意の分類またはファミリーのフルオロフォアを利用することができる。記載される方法において使用するための例示的なフルオロフォアは、Alexa Fluor 488(AF488)、Alexa Fluor 647(AF647)、Texas Red、フルオレセイン、ローダミン、クマリン、シアニン、Oregon Green、他のAlexa Fluor色素、エオシン、ダンシル、プロダン、アントラセン類、アントラキノン類(anthtraquinones)、カスケードブルー、Nile Red、Nile Blue、クレシルバイオレット、アクリジンオレンジ、アクリジンイエロー、クリスタルバイオレット(crysal violet)、マラカイトグリーン、BODIPY、Atto、Tracy、Sulfo Cy色素、HiLyte Fluor、およびそれらの各々の誘導体を含むことができる。有用なフルオロフォアのさらなる非限定例は、当技術分野において公知である(例えば、Stockert, J.C and Bl?zquez-Castro, A. Chapter 3 Dyes and Fluorochromes, Fluorescence Microscopy in Life Sciences. 2017, Bentham Science Publishers. pp. 61-95.; Herman B. Absorption and emission maxima for common fluorophores, Curr. Protoc. Cell Biol. 2001, Appendix 1:Appendix 1E.を参照のこと)。
いくつかの態様では、検出可能部分は、タンパク質、例えば、蛍光タンパク質または酵素であることができる。いくつかの態様では、検出可能部分として使用するための蛍光タンパク質は、緑色蛍光タンパク質(GFP)、シアン蛍光タンパク質、または黄色蛍光タンパク質であることができる。蛍光タンパク質は、Day, R.N. and Davidson, M.W. The fluorescent protein palette: tools for cellular imaging. Chem Soc Rev. 2009 Oct; 38(10): 2887-2921に記載されているようなものであることができる。いくつかの態様では、検出可能部分として使用するための酵素は、ペルオキシダーゼ酵素、例えば、ホースラディッシュペルオキシダーゼであることができる。いくつかの態様では、ペルオキシダーゼ酵素は、ペルオキシダーゼ基質を酸化するその酵素活性を通じて核酸エンコードパターンを可視化することを可能にする。例示的なペルオキシダーゼ基質は、3'-ジアミノベンジジン(DAB);3,3',5,5'-テトラメチルベンジジン(TMB);2,2'-アジノ-ビス(3-エチルベンゾチアゾリン-6-スルホン酸)(ABTS);ルミノール;ホモバニリン酸;o-フェニレンジアミン(OPD);AmplexRed;および3-アミノ-9-エチルカルバゾール(AEC)を含む。
いくつかの態様では、検出可能部分は、ナノ粒子、例えば、重金属、例えば、金のナノ粒子である。いくつかの態様では、ナノ粒子は、顕微鏡法、例えば、光学顕微鏡法または原子間力顕微鏡法を使用して可視化することができる。
データパターンを読み取るために、相補的(桃色)鎖の存在をプローブ化することができる(読み取り、図3)。これは、例えば、相補的鎖に結合する(例えば、相補的である)検出可能部分(例えば、蛍光分子)を含む核酸を用いて行うことができる。検出可能部分を含む核酸は、オンビット(すなわち、相補的鎖を含有する鎖)にのみ結合し、次いで、パターン、例えば、顕微鏡または他の蛍光スキャナー上の蛍光を読み取ることができる。
元の書き込み状態に戻すことができるように基材またはヒドロゲルを初期化すること(初期化)は、典型的には、検出可能部分を含む核酸を除去して任意の相補的鎖を再曝露させる洗浄工程を必要とする。いくつかの態様では、基材またはゲルは、検出可能部分を含む複数の核酸を除去することによって初期化される。いくつかの態様では、検出可能部分を含む複数の核酸は、複数の核酸と基材またはヒドロゲルの核酸エンコードパターンとの間の結合相互作用を崩壊させることによって一時的に除去される。いくつかの態様では、より新しいバーコードがコンカテマー中の前に書き込まれたバーコードよりも優先することを見込んで、新たな複数の核酸バーコードをコンカテマーに追加することによって新たなデータを書き込むことができる。いくつかの態様では、基材またはヒドロゲルを初期化した後、基材(例えば、ヒドロゲル)を圧縮し、任意で保存することができる。
いくつかの態様では、コンカテマー配列内のデータがコピーされ、本明細書において提供されるような核酸シーケンシングを通じてそのコピーが読み取られる。いくつかの態様では、コンカテマーそれ自体を直接読み取ることができる。一本鎖バーコードギャップを有する交互鎖情報のコンカテマーについて、鎖がライゲーションする前にギャップをポリメラーゼ酵素で充填して、特定可能なバーコード記録(例えば、次世代シーケンシング法によって特定される;図8も参照のこと)を作成することができる。
核酸エンコード基材の再書き込み
基材またはヒドロゲルの核酸エンコードパターンを、任意の段階で基材またはヒドロゲルから永久に除去または「消去」して、基材またはヒドロゲル内に埋め込まれたドッキング鎖だけを残すことができる。いくつかの態様では、核酸エンコードパターンは、読み取り工程に続いて基材またはヒドロゲルから永久に除去される。
いくつかの態様では、光で誘導された架橋を脱架橋し、それによって、パターンを永久に除去することができる。いくつかの態様では、CNVK架橋を305nmのUV光に曝露させたときに脱架橋し、架橋された鎖を除去する、例えば、その中に過去に書き込まれていたデータを消去することができる。いくつかの態様では、再曝露されたドッキング鎖を再利用して、同じまたは異なる相補的鎖を担持する新たな架橋鎖をハイブリダイズさせることができる。いくつかの態様では、再曝露されたドッキング鎖を、新たなバーコーディングされたコンカテマー鎖のセットにハイブリダイズさせ、それによって、そのドッキング鎖についてのデータ内容を再書き込みすることができる。いくつかの態様では、過去に使用されていたものとは異なるリソグラフィーまたはDMD法を使用して、新たな核酸エンコードパターンをデザインすることができる。いくつかの態様では、例えば、DMDを使用することによって、データの複数のピクセルを同時に消去および再書き込みをすることができる。
いくつかの態様では、酵素的方法を使用して、核酸エンコードパターンを除去することができる。いくつかの態様では、酵素は、ドッキング鎖と架橋鎖との間の架橋を脱架橋させるために使用することができる。
さらなる態様
いくつかの態様では、データ保存密度の増加のために物理的または化学的に圧縮可能である任意の妥当な基材または圧縮性ヒドロゲルの代用物上に、核酸バーコードを官能化および/またはパターニングすることができる。いくつかの態様では、妥当な基材または圧縮性ヒドロゲルの代用物は、限定されないが熱収縮プラスチックおよび粘弾性発泡体(記憶発泡体)を含む任意の収縮性材料であることができる。
いくつかの態様では、基材表面が光指向性の核酸データ書き込みに適合可能となるのに必要な一次調製工程、すなわち、官能化は、本明細書において提供されるような核酸ドッキング鎖での表面の官能化である。いくつかの態様では、官能化は、少なくとも1つの単量体単位を含む修飾核酸を使用した、ドッキング鎖の、高分子網目構造、例えば、圧縮性ヒドロゲルへの直接的な組み込みを通じて実施することができる。いくつかの態様では、官能化は、核酸と基材との非特異的相互作用を使用した基材表面処理を通じて実施することができる。
本明細書において提供されるように、核酸バーコードは、1つの結合したフルオロフォアの存在(エンコード1)またはフルオロフォアの非存在(エンコード0)によって検出することができる。さらに、いくつかの態様では、より可能性のある状態、例えば、2つの結合したフルオロフォアの存在(エンコード2)を導入することができる。例えば、2つの結合したフルオロフォアは、1つの結合したフルオロフォアと比較したとき蛍光シグナルが2倍であると解釈される。いくつかの態様では、光指向性の核酸データ書き込み法は、各核酸が、DMDおよび光架橋を介して、関心対象の蛍光材料にコンジュゲートされ、基材表面、例えばガラスまたは圧縮性ヒドロゲル上に空間的にアドレス可能となるように、改変することができる。これらの態様では、データは、各フルオロフォアの位置の高速カメラ記録、例えば、単一分子蛍光読み取りを使用して読み取ることができる。
いくつかの態様では、核酸エンコードパターンおよび/またはバーコードは、比色反応、例えば、3'-ジアミノベンジジン(DAB)酸化またはホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)酵素活性を使用して、読み取るかまたは可視化することができる。ある特定の態様では、比色反応を使用した読み取りまたは可視化は、制限された空間位置で行われるように誘導することができる。
いくつかの態様では、基材または圧縮性ヒドロゲルは、任意の物理的もしくは化学的方法を使用して、またはマスクおよびリソグラフィーの使用を伴う光パターニングによって、核酸、任意で核酸バーコードでパターニングすることができる。DMDは、DMDアレイ内の>1e6のマイクロミラーによって与えられる微調整の空間的制御により、「マスクレス」リソグラフィーとして分類することができる。いくつかの態様では、照明源が単一点光源であり、空間照明プロファイルを生成するためにプレカットマスクが光源の前に置かれる従来の「マスク」照明を用いて、DMDにより提供できるものと同じ空間照明プロファイルを達成することができる。
いくつかの態様では、基材または圧縮性ヒドロゲルを含むヒドロゲルを、様々な特性、例えば、イオン強度または温度に対する分差感度を任意で含むことができるゲルまたは他の埋め込み材料に、前または後に鋳込することができる。例えば、ヒドロゲルを、予め設定された鋳型内部にアクリルアミド溶液を直接重合することによって特定の形状に成型または合わせることができる。
いくつかの態様では、成分、例えば、緩衝液または核酸バーコードの、圧縮性ヒドロゲルへの流入は、外部刺激、例えば、電場、磁場、圧力、吸引、毛細管現象または脱水によって容易にすることができる。いくつかの態様では、電気の使用は、核酸、例えば、核酸バーコードまたはドッキング鎖のヒドロゲルへの移入を迅速化することができる。
いくつかの態様では、核酸バーコードは、これらが結合した基材表面から除去されるか切断される。切断プロトコルは、使用される基材表面に応じて変動する。例えば、表面、例えば、ガラス表面に非共有結合により結合された鎖の切断は、一般に、温和な条件、例えば、弱い加熱および/またはホルムアミドを必要とする。いくつかの態様では、圧縮性表面、例えば、ヒドロゲルまたは収縮性プラスチックからの切断は、圧縮性表面を変性させるために、温和な変性剤、例えば、塩化グアニジニウムを使用することができる。いくつかの態様では、温和な変性剤は、基材を分解し、溶液中に鎖だけを残すことができる。
いくつかの態様では、基材表面に結合したドッキング鎖は、エンドヌクレアーゼ酵素の導入によって表面に結合したドッキング鎖からコンカテマー構築物が切断されることになるように、エンドヌクレアーゼに対する相同ドメインを含むことができる。いくつかの態様は、USER酵素の導入によってドッキング配列を切断することができるように、ドッキング配列中にデオキシ-ウラシル塩基を含む。いくつかの態様は、RNAse Hファミリー酵素を使用してRNAを消化し、表面からコンカテマー構築物を切断できるように、ドッキング配列中にRNA塩基を利用する。
本明細書に記載される方法および組成物のいくつかの態様は、以下の番号付けされた項目のいずれかに従って定義することができる:
1) データを書き込むまたは保存する方法であって、
一対のハイブリダイゼーションドメインに隣接したバーコードを含む第1の核酸を、一対のハイブリダイゼーションドメインに隣接したバーコードドメインを含む第2の核酸に光架橋する工程を含み、
任意で、第1または第2の核酸に、一対のハイブリダイゼーションドメインに隣接したバーコードを含む少なくとも1つの追加の核酸を光架橋する工程をさらに含み、
各対のハイブリダイゼーションドメインの一方が光反応性要素を含み、
独立したビット値が各バーコードに割り当てられ;そして
バーコードのコンカテマーを生成する、
方法。
2) 光反応性要素が光反応性ヌクレオチドである、項目1の方法。
3) 光反応性ヌクレオチドがCNVKまたはCNVD架橋塩基である、項目2の方法。
4) 光架橋する工程が、350~400nm、任意で365nmの波長の光を使用して実施される、項目1の方法。
5) 光反応性要素がソラレンである、項目1の方法。
6) 第1および/または第2の核酸のバーコードが、最小ハミング距離4を有するバーコードライブラリから選択される、項目1~5のいずれか1つの方法。
7) 光架橋する工程が水溶液中で実施される、項目1~6のいずれか1つの方法。
8) 酵素フリーである、項目1~7のいずれか1つの方法。
9) 第1および/または第2の核酸が基材に付着される、項目1~8のいずれか1つの方法。
10) 第1および/または第2の核酸が、所定のパターンで基材に付着される、項目9の方法。
11) 基材が、ガラス、透明高分子、ポリスチレン、ヒドロゲル、金属、セラミック、紙、アガロース、ゼラチン、アルギン酸塩、デキストラン、酸化鉄、ステンレス鋼、金、銅、銀の塩化物、ポリカーボネート、ポリジメチルシロキサン、ポリエチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、ストレプトアビジン、樹脂および生体材料からなる群より選択される、項目9の方法。
12) 基材が圧縮性ヒドロゲルである、項目9の方法。
13) 生体材料が、組織、細胞、オルガノイド、培養組織、および細胞外マトリックスからなる群より選択される、項目11の方法。
14) バーコードのコンカテマーが、特別情報および/または空間情報をエンコードする、項目1~13のいずれか1つの方法。
15) 特別情報が、文章、画像、座標、図形、動画、シーケンシングデータ、QRコード、バイナリコードおよび健康記録からなる群より選択される、項目14の方法。
16) 核酸の各々が、ハイブリダイゼーションドメインの単一の光反応性要素を通じて、少なくとももう一方の核酸に共有結合により連結される、項目1~15のいずれか1つの方法。
17) 各バーコードが、少なくとも5ヌクレオチド、任意で5~10ヌクレオチドの長さを有する、項目1~16のいずれか1つの方法。
18) データをエンコードする核酸により基材上または基材内にデータを書き込む工程を含む、方法。
19) 基材が、圧縮性ヒドロゲルまたは生体材料である、項目18の方法。
20) 核酸が、所定のパターンで基材上または基材内に埋め込まれる、項目18~19のいずれか1つの方法。
21) データが、データパターンであり、任意で、データをエンコードする核酸が、デジタルマイクロミラーデバイスを使用して圧縮性ヒドロゲル上にパターニングされる、項目18の方法。
22) データが、0.5~5ミクロン、任意で1ミクロンの解像度で書き込まれる、項目18~21のいずれか1つの方法。
23) ヒドロゲルが、1立方センチメートル当たり少なくとも1ペタバイトのデータを含む、項目18の方法。
24) 基材が、水溶性高分子または天然高分子を含む、項目18~23のいずれか1つの方法。
25) 水溶性高分子が、ポリ(アクリル酸)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリアクリルアミド、および多糖類からなる群より選択される、項目24の方法。
26) 天然高分子が、ゼラチン、寒天、デキストランおよびコラーゲンからなる群より選択される、項目24の方法。
27) 基材を圧縮する工程および任意で脱水する工程をさらに含む、項目18~26のいずれか1つの方法。
28) 基材が、任意で非水性溶媒を基材に加えることによるか、基材の周囲の総イオン濃度を増加させることによって、化学的に圧縮されるか、または圧縮性基材が物理的に圧縮される、項目27の方法。
29) 基材が、少なくとも1000倍、少なくとも100倍、または少なくとも10倍サイズを圧縮される、項目28の方法。
30) 基材を保存する工程をさらに含む、項目27~29のいずれか1つの方法。
31) 基材を脱圧縮する(膨張させる)工程をさらに含む、項目30の方法。
32) 基材のエンコードされたデータを読み取る工程および任意で基材を初期化する工程をさらに含む、項目31の方法。
33) 光学顕微鏡法、光シート顕微鏡法、電子顕微鏡法、原子間力顕微鏡法、肉眼または核酸シーケンシング技術を使用して、任意で基材からの核酸の切断に続いて、エンコードされたデータが読み取られる、項目32の方法。
34) 基材上または基材内のデータの書き込みが、ドッキング鎖の基材への連結または埋め込みを含み、任意で、ドッキング鎖が、基材に均一にまたはランダムに連結または埋め込まれ、かつ、任意で、ドッキング鎖が、共有結合により基材にドッキング鎖が連結することを可能にする修飾、任意でアクリダイト修飾を含む、項目1~33のいずれか1つの方法。
35) データの書き込みが、基材上または基材内で二次元(2D)または三次元(3D)である、項目34の方法。
36) 項目1~33のいずれか1つの方法に従ってバーコードのコンカテマーを生成する工程をさらに含み、第1の核酸が基材のドッキング鎖に連結される、項目34~35のいずれか1つの方法。
37) データをエンコードする核酸により書き込まれた、任意でパターニングされた圧縮性基材を、圧縮する工程
を含む、方法。
38) 基材が圧縮性ヒドロゲルである、項目37の方法。
39) パターンが2Dまたは3Dである、項目37の方法。
40) 圧縮性ヒドロゲル上に書き込まれた、任意でパターニングされたデータを、エンコードする核酸
を読み取る工程
を含む、方法。
41) バーコーディングする方法であって、
バーコードおよびハイブリダイゼーションドメインを含む第1の核酸を、基材に付着させる工程;
第1の核酸を、一対のハイブリダイゼーションドメインに隣接したバーコードドメインを含む第2の核酸に光架橋する工程
を含み、
各対のハイブリダイゼーションドメインの一方が光反応性要素を含み、
独立したビット値が各バーコードに割り当てられ、
光架橋することによって、バーコードのコンカテマーを生成する、
方法。
42) 光反応性要素が光反応性ヌクレオチドである、項目41の方法。
43) 第1および/または第2の核酸のバーコードが、最小ハミング距離4を有するバーコードライブラリから選択される、項目41~42のいずれか1つの方法。
44) 第1および/または第2の核酸が、所定のパターンで基材に付着される、項目41~43のいずれか1つの方法。
45) 所定のパターンが、幾何学形状、四角形、円形または三角形である、項目44の方法。
46) 所定のパターンが反復要素を含む、項目44の方法。
47) 所定のパターンが非対称または対称である、項目44の方法。
48) 所定のパターンが、空間情報および/または特別情報を含む、項目44の方法。
49) 第1の核酸が、0.25~100ミクロン、任意で1ミクロンの解像度で付着される、項目41~48のいずれか1つの方法。
50) 基材が、ガラス、透明高分子、ポリスチレン、ヒドロゲル、金属、セラミック、紙、アガロース、ゼラチン、アルギン酸塩、デキストラン、酸化鉄、ステンレス鋼、金、銅、銀の塩化物、ポリカーボネート、ポリジメチルシロキサン、ポリエチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、ストレプトアビジン、樹脂および生体材料からなる群より選択される、項目41~49のいずれか1つの方法。
51) 基材が圧縮性ヒドロゲルである、項目50の方法。
52) 生体材料が、組織、細胞、オルガノイド、培養組織、および細胞外マトリックスからなる群より選択される、項目50の方法。
53) バーコードのコンカテマーが、空間情報および/または特別情報をエンコードする、項目41~52のいずれか1つの方法。
54) 特別情報が、文章、画像、図形、座標、動画、シーケンシングデータ、QRコード、バイナリコードおよび健康記録からなる群より選択される、項目53の方法。
55) 核酸の各々が、ハイブリダイゼーションドメインの単一の光反応性要素を通じて、少なくとももう一方の核酸に共有結合により連結される、項目41~54のいずれか1つの方法。
56) 各バーコードが、少なくとも5ヌクレオチド、任意で5~10ヌクレオチドの長さを有する、項目41~55のいずれか1つの方法。
57) 項目41~56のいずれか1つの方法によって作製される、バーコーディングされた基材。
58) データをエンコードする核酸によりパターニングされた、圧縮性ヒドロゲル。
59) バーコード組成物であって、
a. 一対のハイブリダイゼーションドメインに隣接したバーコードドメインを含む、第1の核酸;
b. 一対のハイブリダイゼーションドメインに隣接したバーコードドメインを含む、第2の核酸;
c. 基材;
d. 任意で、第1の核酸の基材への付着を可能にする作用物質;
e. 任意で、一対のハイブリダイゼーションドメインに隣接したバーコードドメインを含む、少なくとも1つの追加の核酸
を含み、
独立したバーコードが各バーコードドメインに割り当てられ、
ハイブリダイゼーションドメインの少なくとも1つが光反応性要素を含み、
核酸の少なくとも1つが所定の場所で基材に固定化されている、
バーコード組成物。
60) 光反応性要素が光反応性ヌクレオチドである、項目59のバーコード組成物。
61) 光反応性ヌクレオチドがCNVKまたはCNVD架橋塩基である、項目59のバーコード組成物。
62) 光反応性要素がソラレンである、項目59のバーコード組成物。
63) 第1および/または第2の核酸のバーコードドメインが、最小ハミング距離4を有するバーコードライブラリから選択される、項目59~62のいずれか1つのバーコード組成物。
64) 少なくとも1つの核酸が標識を含む、項目59~63のいずれか1つのバーコード組成物。
65) 標識がフルオロフォアである、項目64のバーコード組成物。
66) 基材が、ガラス、透明高分子、ポリスチレン、ヒドロゲル、金属、セラミック、紙、アガロース、ゼラチン、アルギン酸塩、デキストラン、酸化鉄、ステンレス鋼、金、銅、銀の塩化物、ポリカーボネート、ポリジメチルシロキサン、ポリエチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、ストレプトアビジン、樹脂および生体材料からなる群より選択される、項目59~65のいずれか1つのバーコード組成物。
67) 基材が圧縮性ヒドロゲルである、項目59~66のいずれか1つのバーコード組成物。
68) 生体材料が、組織、細胞、オルガノイド、培養組織、および細胞外マトリックスからなる群より選択される、項目66のバーコード組成物。
69) 光反応性要素を含む核酸のコンカテマーをさらに含む、項目59~68のいずれか1つのバーコード組成物。
70) 核酸のコンカテマーが、特別情報および/または空間情報をエンコードする、項目69のバーコード組成物。
71) 特別情報が、文章、画像、座標、図形、動画、シーケンシングデータ、QRコード、バイナリコードおよび健康記録からなる群より選択される、項目70のバーコード組成物。
72) 核酸の各々が、ハイブリダイゼーションドメインの単一の光反応性要素を通じて、少なくとももう一方の核酸に共有結合により連結されている、項目59~71のいずれか1つのバーコード組成物。
73) 各バーコードドメインが、少なくとも5ヌクレオチド、任意で5~10ヌクレオチドを含む、項目59~72のいずれか1つのバーコード組成物。
74) 1つまたは複数の核酸が所定のパターンで基材に付着されている、項目59~73のいずれか1つのバーコード組成物。
75) 所定のパターンが、幾何学形状、四角形、円形または三角形である、項目74のバーコード組成物。
76) 所定のパターンが反復要素を含む、項目74のバーコード組成物。
77) 所定のパターンが非対称または対称である、項目74のバーコード組成物。
78) 所定のパターンが、空間情報および/または特別情報を含む、項目74のバーコード組成物。
79) 第1の核酸が、0.25~100ミクロン、任意で1ミクロンの解像度で付着されている、項目59~78のいずれか1つのバーコード組成物。
80) 第1の核酸を基材に付着させるための作用物質が、付着核酸鎖であり;該付着核酸鎖が、第1の核酸の少なくとも一部に実質的に相補的である、項目59~79のいずれか1つのバーコード組成物。
81) 第1の核酸を基材に付着させるための作用物質が、バーコードドメインおよびハイブリダイゼーションドメインを含む付着核酸鎖であり、該ハイブリダイゼーションドメインが、任意で、光反応性要素を含む、項目59~80のいずれか1つのバーコード組成物。
実施例1:圧縮性ヒドロゲル上の核酸のパターニング
図6A~6Dに描写されるように、核酸パターニングを圧縮性ヒドロゲル上で実験的に検証した。最初に、アクリダイト化学を使用して、ヒドロゲルマトリックスの重合の間に、ドッキング鎖を圧縮性ヒドロゲルに埋め込んだ。アクリルアミド単量体を含むヒドロゲル、TEMPO、TEMEDおよび2~4μMのアクリダイト修飾DNA(ドッキング鎖)を、すべての成分を混合した後、室温で重合した。次いで、フルオロフォアで標識されたCNVK修飾架橋鎖(図10A中の配列「a」)をリン酸緩衝食塩水中0.5μMの濃度で調製し、ヒドロゲルと一晩インキュベートした。配列「a」は、TCGAXGCATであり、ここで、Xは、CNVKである。ヒドロゲルをCNVKイメージャー鎖とインキュベートした後、405nmのLEDを備えたDMDを使用して、ヒドロゲル表面上に格子状パターンを1分間生成させた(図10B)(書き込み)。架橋していない鎖を除去するために洗浄した後、次いで蛍光スキャナー上でゲルを撮像した(読み取り)。次いで、100%エタノール中で一晩インキュベートすることによってヒドロゲルを物理的に圧縮し(図10C)、その後、蛍光スキャナー上で撮像した。パターニングされたヒドロゲルの物理的圧縮前後の尺度を示す比較画像を図10Dにおいて確かめることができる。
その後、配列「a」(TCGAXGCAT)について上で行ったように、いくつかの追加の配列を光パターニング実験で使用するために検証した。以下に提供される各配列1~6について、Xは、光反応性の架橋塩基修飾(CNVK)を表す。
Figure 0007465871000001
実施例2:パターンを生成するためのDNAのコンカテマー化
2つのDNAバーコード(実施例1において提供される配列のうちの配列3および4)を利用して、一連の核酸バーコードコンカテマーを生成した。本発明者らは、初期コンカテマー化実験をTexas Instruments社製のDLP9500 DMDを使用して実施し、反復コンカテマー化によりスライド上に文字「MIST」を書き出した。1×リン酸緩衝食塩水(PBS)を使用して各ハイブリダイゼーションイベントを1分間実施し、続いて、UV架橋のために365nmの波長で10秒照射した。過剰の鎖を0.05×PBS緩衝液中に洗い流し、ハイブリダイゼーションと架橋の1サイクルを完了した。次のハイブリダイゼーションと架橋の反復を、別のDNAバーコードと共に繰り返して、核酸バーコードコンカテマーを生成した。文字「M」の場合に最も弱い蛍光シグナルとなり、その後、文字「T」で最高になるまで徐々により強いシグナルが続くことを見込んで、実験は、「MIST」中の各文字が、繰り返しより多くの蛍光標識されたバーコーディング配列を含有するように、デザインされる。図11において、本発明者らは、結果がこの傾向に大体従うと判断することができる(一部の光が対象物によってカットオフされ、端部において不均等な点灯をもたらすことに留意されたい)。最後の文字「T」は、交互に並んだ0-1-0-1-ビットエンコーディングスキームの4つのDNAバーコード配列を含有した。
参考文献
Figure 0007465871000002
実施例3:パターンを生成するためのDNAのコンカテマー化の追加の態様
ドッキング鎖の均一層で官能化されたガラススライド上で核酸バーコードの表面パターニングを検証した。
ドッキング鎖は、ハイブリダイゼーション配列、架橋鎖およびビオチン官能基から構成された。ビオチン化されたドッキング鎖に対する結合基材としての役割を果たすように、ガラス表面をBSA-ビオチンおよびストレプトアビジンで不動態化した。架橋鎖は、図10A中の配列「a」と実質的に同一であり、CNVK光反応性ヌクレオチドおよびCy3bフルオロフォアを含む。架橋鎖を、500mMのNaClを含む1×PBS緩衝液中100nMの濃度でドッキング鎖にハイブリダイズさせた。
図12および図13において、DMDフォトマスクを使用してパターンを生成した。図12は、フォトマスクを利用することによって、DMDアレイ上の単一ミラーだけ、規則的な間隔を空けて「オン」位置に切り替えた。
図13は、写真から生成されたフォトマスクを利用した。365nmのLED光源をUV光源として使用して、架橋を開始した。次いで、DMDのUV照明プロファイルを、10×顕微鏡対物レンズに通して、ドッキング鎖および架橋鎖を含有するガラス表面上に結像させた。架橋は、1秒以内のUV照射時間で実施および完了した。架橋していない過剰な鎖を1×PBS緩衝液中に洗い流した。40×対物レンズを用いたTRITCチャネルにおけるタイルスキャンによって架橋の空間プロファイルを検証し、正確なパターンを決定した。
本明細書において開示されるすべての参考文献、特許および特許出願は、各々が引用されている主題に関して参照により組み入れられ、いくつかの場合に、その文章の全体を包含し得る。
不定冠詞「1つの(a)」および「1つの(an)」は、本明細書および特許請求の範囲において使用される場合、そうではないと明らかな指示がない限り、「少なくとも1つの」を意味すると理解されるべきである。単数形の用語「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、明らかな他の指示が文脈上ない限り、複数形の指示対象を含む。同様に、語「または」は、明らかな他の指示が文脈上ない限り、「および」を含むことを意図する。本明細書において提供されるものと類似または同等な方法および材料を本開示の実施および試験において使用することができるが、好適な方法および材料を後述する。略語「例えば(e.g.)」は、ラテン語のexempli gratiaに由来し、本明細書において非限定例を指すために使用される。したがって、略語「例えば(e.g.)」は、用語「例えば(for example)」と同義である。
用語「実質的に同一」は、2つ以上のヌクレオチド配列が少なくとも50%、60%、65%、70%、80%、85%、90%、95%または97%同一のヌクレオチドを有することを意味する。いくつかの態様では、「実質的に同一」は、2つ以上のヌクレオチド配列が同じ同一ヌクレオチドを有することを意味する。
そうではないと明らかな指示がない限り、1を超える工程または行為を含む本明細書において特許請求される任意の方法において、その方法の工程または行為の順序は、必ずしもその方法の工程または行為が列記された順序に限定されないこともまた理解されるべきである。
特許請求の範囲ならびに上記の明細書において、「含む(comprising)」、「含む(including)」、「担持する(carrying)」、「有する(having)」、「含有する(containing)」、「伴う(involving)」、「保持する(holding)」、「から構成される(composed of)」などの移行句はすべて、オープンエンド(open-ended)である、すなわち、それを含むがそれに限定されないことを意味すると理解されるべきである。別の言い方をすれば、用語「含む(comprising)」または「含む(comprises)」は、組成物、方法、およびその方法または組成物に必須であるそのそれぞれの構成成分に関して使用されるが、必須であるか否かにかかわらず、明記されていない要素の包含も受け入れる。
米国特許庁の米国特許審査基準のセクション2111.03に記載されているように、「からなる」および「から本質的になる」という移行句だけが、それぞれ、閉鎖的または半閉鎖的な移行句であるものとする。その用語は、本発明のその態様の基本的かつ新規のまたは機能的な特徴に実質的に影響を及ぼさない追加の要素の存在を許容する。
用語「統計的に有意な」または「有意に」は、統計的有意性のことを指し、一般に、2標準偏差(2SD)またはより大きな差を意味する。
数値の前の「約」および「実質的に」という用語は、列記された数値の±10%を意味する。
ある範囲の値が提供される場合、その範囲の上限と下限の間の各値が具体的に想定され、本明細書において提供される。

Claims (20)

  1. データを書き込むまたは保存する方法であって、該方法が、
    ハイブリダイゼーションドメインに各端で隣接した第1のバーコードを含む第1の核酸バーコードを、ハイブリダイゼーションドメインに各端で隣接した第2のバーコードを含む第2の核酸バーコードに光架橋する工程であって、各バーコード鎖は、少なくとも5ヌクレオチド長であり、各ハイブリダイゼーションドメインは、少なくとも5ヌクレオチド長であり、第1の核酸バーコードのハイブリダイゼーションドメインの一方は、第2の核酸バーコードのハイブリダイゼーションドメインの一方に相補的であり、各核酸バーコードのハイブリダイゼーションドメインの一方は、光化学核酸架橋剤を含み、かつ、独立したビット値が各バーコードに割り当てられる、工程と、
    核酸バーコードのコンカテマーを生成する工程と、
    を含む、方法。
  2. 第1の核酸バーコードまたは第2の核酸バーコードに、ハイブリダイゼーションドメインに各端で隣接した第3のバーコード鎖を含む第3の核酸バーコードを光架橋する工程であって、該第3の核酸バーコードのハイブリダイゼーションドメインの一方は、光化学核酸架橋剤を含み、該第3の核酸バーコードのハイブリダイゼーションドメインの一方は、第1の核酸バーコードまたは第2の核酸バーコードのハイブリダイゼーションドメインに相補的であり、かつ、独立したビット値が各バーコード鎖に割り当てられる、工程
    をさらに含む、請求項1記載の方法。
  3. 前記架橋を、1つまたは複数の追加の核酸バーコードで繰り返す工程をさらに含む、請求項2記載の方法。
  4. 光化学核酸架橋剤が光反応性ヌクレオチドである、請求項1記載の方法。
  5. 光反応性ヌクレオチドがCNVKまたはCNVD架橋塩基である、請求項4記載の方法。
  6. 光架橋する工程が、350~400nm波長の光を使用して実施される、請求項1記載の方法。
  7. 前記光が、365nmの波長を有する、請求項6記載の方法。
  8. 光化学核酸架橋剤がソラレンである、請求項1記載の方法。
  9. 前記バーコードが、最小ハミング距離4を有するバーコードライブラリから選択される、請求項1~8のいずれか一項記載の方法。
  10. 光架橋する工程が水溶液中で実施される、請求項1~9のいずれか一項記載の方法。
  11. 酵素フリーである、請求項1~10のいずれか一項記載の方法。
  12. 第1および/または第2の核酸バーコードが基材に付着される、請求項1~11のいずれか一項記載の方法。
  13. 第1および/または第2の核酸バーコードが、所定のパターンで基材に付着される、請求項12記載の方法。
  14. 基材が、ガラス、透明高分子、ポリスチレン、ヒドロゲル、金属、セラミック、紙、アガロース、ゼラチン、アルギン酸塩、デキストラン、酸化鉄、ステンレス鋼、金、銅、銀の塩化物、ポリカーボネート、ポリジメチルシロキサン、ポリエチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、ストレプトアビジン、樹脂および生体材料からなる群より選択される、請求項12記載の方法。
  15. 基材が圧縮性ヒドロゲルである、請求項12記載の方法。
  16. 生体材料が、組織、細胞、オルガノイド、培養組織、および細胞外マトリックスからなる群より選択される、請求項14記載の方法。
  17. 核酸バーコードのコンカテマーが、特別情報および/または空間情報をエンコードする、請求項1~16のいずれか一項記載の方法。
  18. 特別情報が、文章、画像、座標、図形、動画、シーケンシングデータ、QRコード、バイナリコードおよび健康記録からなる群より選択される、請求項17記載の方法。
  19. 核酸バーコードの各々が、ハイブリダイゼーションドメインの単一の光化学核酸架橋剤を通じて、少なくとももう一方の核酸バーコードに共有結合により連結される、請求項1~18のいずれか一項記載の方法。
  20. 各バーコードが5~10ヌクレオチドの長さを有する、請求項1~19のいずれか一項記載の方法。
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