JP4591244B2 - 表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、観察側に表示部を照らす照明層を有する表示装置に関する。
従来より、フラットパネルディスプレイの代表的なものとして液晶表示装置(LCD)が広く普及している。この液晶表示装置には、パッシブ型と、アクティブマトリクス型があるが、画素毎に個別の画素電極を有し、この画素電極への電圧供給を個別の画素回路によって制御するアクティブマトリクス型が主流になっている。
また、液晶表示装置には、透過型、半透過型、反射型がある。透過型は、通常バックライトを有しバックライトからの光を液晶によって変調して表示を行う。また、反射型は、観察側から入射された光を液晶層の下の反射層で反射して観察側に返す。このため、液晶層によって、反射射出される光が変調される。また、半透過型は、透過型と、反射型の両方を組み合わせたものである。
透過型は、バックライトの光により、暗い場所において十分なコントラスの表示が行えるが、屋外など明るい環境では表示が見づらいという問題がある。一方、反射型は、外光が強い条件では、十分な表示が行えるが、暗いところでは表示が見えないという問題がある。半透過型は、両方の環境に適応できるが、通常が画素毎に透過領域と反射領域の両方を有するため、いずれの環境においても表示効率があまりよくないという問題があった。
また、反射型液晶表示装置に、フロントライト(観察側のライト)を設け、暗い環境でも表示を見やすくする表示装置も提案されている(特許文献1,2参照)。これによれば、暗い環境においてフロントライト、明るい環境において外光を利用し、常に画素のほとんど全部を利用して十分な表示を行うことができる。
特開平5-325586号公報 特開2003-255375号公報
しかし、上記従来技術においては、フロントライトとして、表面に三角溝が形成された透明アクリル板を利用しており、このアクリル板に側方から光を導入することで、光を三角溝の傾斜面で液晶表示部の方に向けて反射している。しかし、アクリル板に導入された光の一部は、液晶表示部側でなく、観察側にも漏れ出るため、液晶表示おけるコントラストが低下するという問題があった。
本発明は、表示素子に印加する電圧を制御することで、観察側から入射してくる光を表示層の光学特性に基づいて変調して反射射出する表示部と、前記表示部の観察側に設けられ、前記表示部に向けて光を照射するとともに、観察側から入射してくる光を前記表示部に向けて透過させ、かつ前記表示部から射出される光を観察側に透過させる照明層と、を含み、前記照明層は、透明基板と、前記透明基板上に部分的に設けられた発光素子と、前記発光素子を覆い、前記発光素子からの光を集光するとともに、前記表示部に向けて反射する反射膜と、を有し、前記発光素子は、有機EL素子からなり、前記透明基板上にストライプ状、格子状またはアイランド状に形成され、前記有機EL素子は、前記透明基板上に部分的に形成された段差形成膜と、前記段差形成膜上に形成された第1電極層と、前記第1電極層上に形成された有機EL層と、前記有機EL層上に形成された第2電極層と、を有し、前記反射膜は、前記有機EL素子の第2電極層であり、前記第2電極層は、前記表示部に向かって凹面鏡状をなし、前記有機EL層の端部を覆っていることを特徴とする。
また、前記段差形成膜は、絶縁膜で構成され、前記第1電極と同一の形状にパターニングされていることが好適である。
また、前記第2電極層の端部は、前記透明基板に直接形成されていることが好適である。
また、前記有機EL層は、オレンジ色を発光する第1の発光層および青色を発光する第2の発光層から構成され、前記発光素子は、白色光を発光することが好適である。
また、前記表示部は表示層として液晶層を用いる液晶表示部であることが好適である。
本発明によれば、照明層が発光素子と反射膜を有し、この反射層によって発光素子からの光を集光して、表示部に向ける。このように発光素子から表示部に入射する光に指向性を持たせることによって、視野角依存性を緩和して表示におけるコントラストを向上させることができる。
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、実施形態に係る液晶表示装置の概念的構成を示す図である。
まず、表示部10は、例えばアクティブマトリクス型の反射型液晶表示装置である。従って、画素基板上に複数の画素電極がマトリクス状に配置されるとともに、この画素電極への電圧供給を制御する画素回路が画素毎に個別に設けられている。そして、この画素基板に対向して、共通電極が設けられた対向基板を設け、両者の間に液晶を封入する。従って、画素電極の電位を制御することで液晶に画素毎に異なる電位を印加してその光学特性を変化させて表示を行うことができる。
特に、この表示部10は、画素電極の下方に反射膜を設けるかまたは画素電極を反射膜とすることによって、封止基板側から入射してくる光を反射する。従って、各画素の液晶によって変調された反射光が対向基板側に得られる。なお、表示部10としては、電気泳動ディスプレイなども利用することができる。
この表示部10の上方には、透明接着剤層12を介し、照明層14が配置される。この照明層14は、ガラス基板20と、その上面に部分的に形成された発光素子22とを有している。発光素子22は、ガラス基板20上にストライプ状、格子状またはアイランド状に形成される。なお、アイランド状とした場合には、各発光素子に電力を供給するための配線を別途設ける。これは、ガラス基板20上の金属配線パターンなどにより容易に形成することができる。
なお、透明接着剤層12は、UV樹脂や可視光硬化UV樹脂などが利用され、表示部10におけるガラス製の対向基板と、照明層14のガラス基板20を接着する。
この例において、発光素子22は、有機EL素子であり、ガラス基板20上に段差形成層24が形成される。この段差形成層24には、例えば感光性のアクリル樹脂が用いられる。段差形成層24の上には、ITOやIZOなどの透明導電材料からなる陽極26が形成される。ここで、これら段差形成層24および陽極26は、同一の形状にパターニングされ、このパターニングにはフォトリソグラフィーなど通常のパターニング技術が利用される。
そして、この陽極26の上および段差形成層24および陽極26の上面および側面を覆って有機EL層28が形成される。有機EL層28は、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層を含む。特に、陽極26側に位置する正孔輸送層を比較的厚めに形成することで段差形成層24および陽極26の全体を覆って山状の有機EL層28を形成することができる。この有機EL層28は、1つのマスクを利用して正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層を順次蒸着することによって行う。
なお、有機発光層は、第1の発光層、第2の発光層から構成し、それぞれオレンジ色または青色で発光することで、白色光が得られる。また、アイランド状に形成し、それぞれRGB各色で別々に発光することも好適である。
次に、有機EL層28を覆って、アルミニウムやクロムなどの金属からなる陰極30を形成する。この陰極30は、蒸着などにより全面に堆積した後、所望部分だけにパターニングして形成する。
このようにして、発光素子22を形成した場合にはガラス製の対向基板32を対向配置するとともに、両者の周辺を封止して、発光素子22の周辺空間を外部から隔離する。この空間内には、乾燥した窒素ガスを封入することが好適であり、空間内に乾燥剤を収容することも好適である。これによって、有機EL層28が水分により劣化することを抑制できる。また、空間内を樹脂で充填することも可能である。樹脂の屈折率をガラスの屈折率に近づけることで界面の反射を抑えることができる。なお、発光素子22の周辺空間には、乾燥剤入りのアクリル樹脂などを充填することもできる。
図2には、周辺シール部が示されており、ガラス基板に対応してガラス製の対向基板32が設けられ、両者の周辺がUV樹脂などのシール材34により、気密に接続されている。また、このシール材34の内面側に乾燥剤36が配置されている。なお、シール材34中に乾燥剤粒子を混入させることも好適である。
図3には、発光素子22を畝状に作成した場合の概略斜視図を示している。この場合、陰極30の両側端を少し広めに取り、ガラス基板20上に陰極30が直接形成される部分を形成している。これによって、陰極30によって有機EL層28を確実に覆い、水分などの侵入を確実に防止できる。このため、有機EL層28の端部は、すべて陰極30で覆うようにすることが好適である。一方、その分観察側からのデッドスペースが大きくなる。そこで、この発光素子22を形成する部分を各画素間のブラックマトリクスに重畳することも好適である。
なお、発光素子22は、各画素に対応して設ける必要はないが、そのピッチが画素のピッチに対しずれるとモアレが発生するため、両ピッチはピッチは同一または他方のピッチの整数倍とすることが好適である。
このような実施形態において、表示部10は、通常の液晶表示装置としての表示が行われる。一方、照明層14は、外光照度が小さいときなどにオンされ、陽極26、陰極30間に所定の電圧が印加される。これによって、有機EL層28に対応する電流が流れ、有機EL層28において発光が起こる。すなわち、図4に示すように、陽極26と陰極30が対応する部分が電流が流れやすく、この部分の有機EL層28が発光する。
陽極26および段差形成層24は透明であり、図における下方に向かう光はそのまま表示部10に向かう。一方、有機EL層28からその他の方向に向かった光は、陰極30において反射され、下方に向けて集光されて表示部10に照射される。
このように、本実施形態では、発光素子22からの光は、表示部10に向かうように指向性が制御されている。これによって、表示部10から射出される光において斜め方向の光が減少し、表示におけるコントラストを向上してきれいな表示が行える。
「全反射LCDの構成」
図5は、本実施形態に係るアクティブマトリクス型の全反射LCDの画素基板側の平面構成の一部、図6は、図5のA−A線に沿った位置における概略断面構成を示している。アクティブマトリクス型LCDでは、表示領域内にマトリクス状に複数の画素が設けられ、各画素に対してここでは、スイッチ素子としてTFT110が設けられている。
このTFT110は、能動層220を有し、この能動層220によりドレイン領域220d、チャネル領域220c、ソース領域220sが形成される。能動層220を覆って、ゲート絶縁膜130が形成され、このゲート絶縁膜130上であって、チャネル領域220cの上方に当たる部位にゲート電極132が形成されている。そして、ゲート絶縁膜130、ゲート電極132を覆って、層間絶縁膜134が形成される。層間絶縁膜134上にはデータライン136が配置され、このゲートライン136が層間絶縁膜134を貫通するコンタクトを介してドレイン領域220dに接続されている。また、ドレイン領域220d上の層間絶縁膜134、平坦化絶縁膜38にはコンタクトホールが形成され、ここに画素電極(第1の電極)150の一部が伸び電気的に接続されている。
なお、TFT110は、例えば画素基板100側に画素ごとに形成され、このTFT110に個別パターンに形成された画素電極(第1の電極)150がそれぞれ接続されている。また、画素基板100に液晶を介し対向して対向基板200が配置される。
画素基板100および対向基板200には、ガラスなどの透明基板が用いられ、画素基板100と対向基板200側には、カラータイプの場合にはカラーフィルタ210が形成され、このカラーフィルタ210上に透明導電材料からなる第2の電極250が形成されている。第2の電極250の透明導電材料としては、IZO(Indium Zinc Oxide)やITOなどが採用される。なお、アクティブマトリクス型において、この第2の電極250は各画素に対する共通電極として形成されている。またこの第2の電極250の上には、ポリイミドなどからなる配向膜260が形成されている。
以上のような構成の対向基板200側に対し、本実施形態では、画素基板100側の液晶層300に対する電気的特性を揃えるような電極構造が採用されている。具体的には、図6に示すように、第1の透明基板100上の配向膜の直下には、従来のような反射金属電極ではなく、第2の電極250と仕事関数の類似した材料、即ち、IZOやITOなど、第2の電極250と同様の透明導電材料からなる第1の電極150を形成している。そして、反射型LCDとするため、この第1の電極150よりも下層に、対向基板200側からの入射光を反射する反射層44が形成されている。
第1の電極150として用いる材料は、第2の電極250の材料と同一とすることにより、液晶層300に対して、同一の仕事関数の電極が、間に配向膜60,260を介して配置されることになるため、第1の電極150と第2の電極250とにより液晶層300を非常に対称性よく交流駆動することが可能となる。但し、第1の電極150と第2の電極250とはその仕事関数が完全に同一でなくても、液晶層300を対称性よく駆動可能な限り近似していればよい。例えば、両電極の仕事関数の差を0.5eV程度以下とすれば、液晶の駆動周波数をCFF(臨界ちらつき頻度)以下とした場合であっても、フリッカや液晶の焼き付きなく、高品質な表示が可能となる。
このような条件を満たす第1の電極150及び第2の電極250としては、例えば、第1の電極150にIZO(仕事関数4.7eV〜5.2eV)、第2の電極250にITO(仕事関数4.7eV〜5.0eV)、あるいはその逆などが可能であり、材料の選択にあたっては、透過率、パターニング精度などプロセス上の特性や、製造コストなどを考慮して各電極に用いる材料をそれぞれ選択してもよい。
反射層44としては、Al、Ag、これらの合金(本実施形態ではAl−Nd合金)など、反射特性に優れた材料を少なくともその表面側(液晶層側)に用いる。また、反射層44はAl等の金属材料の単独層であってもよいが、平坦化絶縁膜38と接する下地層としてMo等の高融点金属層を設けてもよい。このような下地層を形成すれば、反射層44と平坦化絶縁膜38との密着性が向上するため、素子の信頼性向上を図ることができる。なお、図6の構成では、平坦化絶縁膜38の各画素領域内に所望の角度の傾斜面が形成されており、この平坦化絶縁膜38を覆って反射層44を積層することで、反射層44の表面に同様な傾斜が形成されている。このような傾斜面を最適な角度、位置で形成すれば、各画素毎に外光を集光して射出することができ、例えばディスプレイの正面位置での表示輝度の向上を図ることが可能である。もちろん、このような傾斜面は必ずしも存在しなくてもよい。
本実施形態において、反射層44と第1の電極150との間には、反射層44を覆って保護膜46が形成されている。この保護膜46は、例えばアクリル樹脂やSiO2などが用いられている。保護膜46は、反射層44を保護するための膜であり、特に、TFT110の能動層220と第1の電極150とを接続するためのコンタクトホール底面で、能動層220を露出させるスライトエッチングに使用されるエッチング液などから反射層44の反射面を保護する機能を備える。
保護膜46としては、反射層44をエッチング処理から保護して良好な反射特性を維持させることができる機能を備えていればよく、その材質は樹脂やSiO2などには限定されず、また膜厚は、この保護機能を発揮できる程度があればよい。また、この保護膜46の上層に形成される第1の電極150の形成面を平坦にするという観点からは、アクリル樹脂など上面の平坦化機能を備えた材料を採用することが好適である。また、保護膜46の膜厚及び材質は、最適な厚さと屈折率となるように選択することで、例えば色付きの補償、反射率の向上機能等を備えた光学バッファ層としても利用することが可能である。
なお、反射層44を凹凸を形成することで、反射光をある程度散乱させることが好適である。反射層44の下方の平坦化絶縁膜38の表面に適切な凹凸を形成し、その上に反射層44を形成することで、反射層44に凹凸を容易に形成できる。
本実施形態の概念構成を示す図である。 照明層の構成例を示す図である。 照明層の構成を示す斜視図である。 発光素子の発光状態を示す図である。 全反射LCDの構成を示す平面図である。 図5におけるA−A断面図である。
符号の説明
10 表示部、12 透明接着剤層、14 照明層、20 ガラス基板、22 発光素子、24 段差形成層、26 陽極、28 有機EL層、30 陰極、32 対向基板、34 シール材、36 乾燥剤、38 平坦化絶縁膜、44 反射層、46 保護膜、60,260 配向膜、100 画素基板、150 第1の電極、200 対向基板、210 カラーフィルタ、220 能動層、250 第2の電極、300 液晶層。

Claims (4)

  1. 表示素子に印加する電圧を制御することで、観察側から入射してくる光を表示層の光学
    特性に基づいて変調して反射射出する表示部と、
    前記表示部の観察側に設けられ、前記表示部に向けて光を照射するとともに、観察側か
    ら入射してくる光を前記表示部に向けて透過させ、かつ前記表示部から射出される光を観
    察側に透過させる照明層と、
    を含み、
    前記照明層は、
    透明基板と、前記透明基板上に部分的に設けられた発光素子と、
    前記発光素子を覆い、前記発光素子からの光を集光するとともに、前記表示部に向けて反
    射する反射膜と、
    を有し、
    前記発光素子は、有機EL素子からなり、前記透明基板上にストライプ状、格子状また
    はアイランド状に形成され、
    前記有機EL素子は、
    前記透明基板上に部分的に形成された段差形成膜と、
    前記段差形成膜上に形成された第1電極層と、
    前記第1電極層上に形成された有機EL層と、
    前記有機EL層上に形成された第2電極層と、
    を有し、
    前記反射膜は、前記有機EL素子の第2電極層であり、
    前記第2電極層は、前記表示部に向かって凹面鏡状をなし、前記有機EL層の端部を覆
    っており、
    前記段差形成膜は、絶縁膜で構成され、前記第1電極層と同一の形状にパターニングされていることを特徴とする表示装置。
  2. 請求項1に記載の表示装置において、
    前記第2電極層の端部は、前記透明基板に直接形成されていることを特徴とする表示装
    置。
  3. 請求項1に記載の表示装置において、
    前記有機EL層は、オレンジ色を発光する第1の発光層および青色を発光する第2の発
    光層から構成され、
    前記発光素子は、白色光を発光することを特徴とする表示装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の表示装置において、
    前記表示部は表示層として液晶層を用いる液晶表示部であることを特徴とする表示装置
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