以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態という)について詳細に説明する。
<実施の形態1>
図1は本実施の形態が適用される画像形成装置を示した図である。図1に示す画像形成装置は、所謂タンデム型、所謂中間転写型の画像形成装置であって、電子写真方式にて各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット10(10Y、10M、10C、10K)、各画像形成ユニット10にて形成された各色成分トナー像を順次転写(一次転写)して保持させる中間転写ベルト15、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー画像を記録材である用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写部20、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着装置60を備えている。また、この画像形成装置は、各装置(各部)の動作を制御する制御部40およびユーザによる操作指示を行うためのユーザインターフェース(UI)41を有している。
各画像形成ユニット10(10Y,10M,10C,10K)は、矢印A方向に回転する像担持体としての感光体ドラム11を有している。この感光体ドラム11の周囲には、感光体ドラム11を帯電する帯電器12、感光体ドラム11上に静電潜像が書き込むレーザ露光器13(図中露光ビームを符号Bmで示す)、各色成分トナーが収容されて感光体ドラム11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像器14、感光体ドラム11上に形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に転写する一次転写ロール16、感光体ドラム11上の残留トナーが除去されるドラムクリーナ17、などの電子写真用デバイスが順次配設されている。これらの画像形成ユニット10は、中間転写ベルト15の上流側から、イエロー(Y色)、マゼンタ(M色)、シアン(C色)、黒(K色)の順に、略直線状に配置されている。なお、各現像器14では、各色成分トナーとして負極性に帯電するものを用いている。
ベルト状像担持体あるいは像担持搬送体としての中間転写ベルト15は、ポリイミドあるいはポリアミド等の樹脂にカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたものが用いられ、その体積抵抗率が106〜1014Ω・cmとなるように形成されており、その厚みは例えば0.1mm程度のフィルム状の無端ベルトで構成されている。中間転写ベルト15は、各種ロールによって図に示す矢印B方向に所定の速度で循環駆動(回動)されている。この各種ロールとして、定速性に優れたモータ(図示せず)により駆動されて中間転写ベルト15を循環駆動させる駆動ロール31、各感光体ドラム11の配列方向に沿って略直線状に延びる中間転写ベルト15を支持するアイドルロール32、中間転写ベルト15に対して一定の張力を与えると共に中間転写ベルト15の蛇行を防止する補正ロールとして機能するテンションロール33、二次転写部20に設けられるバックアップロール25を有している。
各感光体ドラム11に対向し、略直線状に延びる中間転写ベルト15の内側に設けられる各一次転写ロール16には、トナーの帯電極性と逆極性(本実施の形態では正極性)の電圧が印加されるようになっている。これにより、各々の感光体ドラム11上のトナー像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上に重畳されたトナー像が形成される。
二次転写部20は、中間転写ベルト15のトナー像担持面側に配置される無端状の二次転写搬送ベルト21と、バックアップロール25等とによって構成される。バックアップロール25は、表面にカーボンを分散したEPDMとNBRのブレンドゴムのチューブ、内部はEPDMゴムからなり、その表面抵抗率が7〜10logΩ/□でロール径が28mmとなるように形成され、硬度は例えば70°(アスカーC)に設定される。このバックアップロール25は、中間転写ベルト15の裏面側に配置されて二次転写搬送ベルト21の対向電極をなし、二次転写バイアスが安定的に印加される金属製の給電ロール26が当接配置されている。
一方、転写搬送ベルトあるいはベルト部材としての二次転写搬送ベルト21は、回動可能に配設される複数のロール部材としての駆動ロール(第一のロール部材)22および剥離ロール(第二のロール部材)23によって張架された、例えば体積抵抗率が106〜1010Ω・cmの半導電性の無端ベルトである。この二次転写搬送ベルト21は、駆動ロール22によって駆動され、剥離ロール23によって所定のテンションが与えられている。駆動ロール22は、二次転写搬送ベルト21および中間転写ベルト15を挟んで対向部材としてのバックアップロール25に圧接配置され、二次転写搬送ベルト21上に搬送される用紙Pに二次転写を行う二次転写ロールとして機能している。そして、給電ロール26には、所定の負の二次転写バイアスを印加するための二次転写バイアス電源27が接続され、駆動ロール22は接地されている。なお、剥離ロール23は、所定の曲率で二次転写搬送ベルト21を張架することにより、二次転写搬送ベルト21上に担持された用紙Pを剥離する機能も併せ持っている。さらに、二次転写搬送ベルト21には、二次転写搬送ベルト21の表面をクリーニングするための二次転写クリーナ24が取り付けられている。なお、本実施の形態では、二次転写搬送ベルト21、駆動ロール22および剥離ロール23によって転写部材あるいは画像転写部材が構成されている。
また、中間転写ベルト15の二次転写部20の下流側には、中間転写ベルト15を挟んで駆動ロール31に対向して配置され、二次転写後の中間転写ベルト15上の残留トナーや紙粉を除去し、中間転写ベルト15の表面をクリーニングするベルトクリーナ35が取り付けられている。一方、イエローの画像形成ユニット10Yよりも上流側の中間転写ベルト15の内側には、各画像形成ユニット10(10Y,10M,10C,10K)における画像形成タイミングをとるための基準となる基準信号を発生する基準センサ(ホームポジションセンサ)42が配置されている。この基準センサ42は、中間転写ベルト15の内側(像担持面の裏側)に設けられた所定のマークを認識して基準信号を発生しており、この基準信号の認識に基づく制御部40からの指示により、各画像形成ユニット10(10Y,10M,10C,10K)は画像形成を開始するように構成されている。また、黒の画像形成ユニット10Kよりも下流側の中間転写ベルト15外側には、画質調整を行う際に使用される画像濃度センサ43が配設されている。
更に、本実施の形態では、用紙搬送系として、用紙Pを収容する用紙トレイ50、この用紙トレイ50に集積された用紙Pを所定のタイミングで取り出して搬送経路55に搬送するピックアップロール51を備えている。また、ピックアップロール51にて繰り出された用紙Pを搬送する搬送ロール52、搬送ロール52により搬送された用紙Pを二次転写部20へと送り込む搬送シュート53、二次転写搬送ベルト21によって二次転写された後に搬送される用紙Pを定着装置60へと搬送する搬送ベルト54(54a、54b)を備えている。なお、画像形成装置の内部には、温度および速度を測定する温度/湿度センサ57が配設されている。
また、定着装置60は、図示しない加熱源を内蔵し回転可能に配設される加熱ロール61と、この加熱ロール61に回転可能に圧接配置される加圧ベルト62と、加熱ロール61に接触してこの加熱ロール61表面に離型剤としてのオイル(シリコーンオイル)を供給するオイル供給部63とを備えている。これら加熱ロール61および加圧ベルト62の表面には、離型性のよいフッ素ゴム層が形成されている。なお、本実施の形態では、シリコーンオイルとして、フッ素ゴムとの親和性がよく高剥離性を示すアミン変性シリコーンオイルが用いられる。なお、加圧ベルト62は、複数のロールに回動可能に張架された状態で加熱ロール61に圧接配置されており、加熱ロール61との間には広範な定着ニップ領域が形成されるようになっている。
さらに、本実施の形態では、用紙Pの片面にのみトナー像を形成する片面モードの他、用紙Pの両面にトナー像を形成する両面モードを実行することも可能となっている。このため、この画像形成装置では、両面モード選択時に、定着装置60で片面定着済みの用紙Pを反転させて再度二次転写部20へと戻す用紙反転搬送機構70が設けられている。反転搬送手段としての用紙反転搬送機構70は、定着装置60からの排出経路56に対して下方に分岐する分岐経路71を設け、この分岐経路71にはさらに右側方に向かって反転経路72を延設すると共に、この反転経路72から湾曲形成されて用紙トレイ50からの搬送経路55へと戻る戻し経路73を連通接続したものである。そして、これらの経路には必要に応じて適宜数の搬送ロール74が設けられている。なお、搬送ロール74は、プラスチック、ゴム、金属等の材料にて適宜構成することができる。また、定着装置60の出口側には、定着後の用紙Pの搬送方向を排出経路56または分岐経路71に切り替える第1のゲート75が設けられ、分岐経路71と戻し経路73との分岐点には反転前後の用紙Pの搬送方向を切り替える第2のゲート76が設けられている。さらに、反転経路72には、正逆回転可能に配設されるスイッチバックロール77が取り付けられている。
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の基本的な作像プロセスについて説明する。図示しない画像読取装置(IIT)や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図1に示すような画像形成装置に入力される。画像形成装置では、図示しない画像処理装置(IPS)にて所定の画像処理が施された後、画像形成ユニット10等によって作像作業が実行される。画像処理装置(IPS)では、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の所定の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色の色材階調データに変換され、レーザ露光器13に出力される。
レーザ露光器13では、入力された色材階調データに応じて、例えば半導体レーザから出射された露光ビームBmを画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kの各々の感光体ドラム11に照射している。画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kの感光体ドラム11では、帯電器12によって表面が帯電された後、このレーザ露光器13によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kにて、各現像器14によってイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像として現像される。
画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kの感光体ドラム11上に形成されたトナー像は、各感光体ドラム11と中間転写ベルト15とが当接する一次転写部にて、中間転写ベルト15上に転写される。より具体的には、一次転写部において、一次転写ロール16にて中間転写ベルト15の基材に対しトナーの帯電極性と逆極性の電圧を付加され、未定着トナー像が中間転写ベルト15の表面に順次重ね合わせられて一次転写が行われる。このようにして一次転写された未定着トナー像は、中間転写ベルト15の回転に伴って二次転写部20に搬送される。なお、中間転写ベルト15への転写後に感光体ドラム11上に残った残留トナーは、感光体ドラム11の回転に伴ってドラムクリーナ17との対向部まで搬送され、ドラムクリーナ17によって感光体ドラム11上から除去される。
一方、用紙搬送系では、画像形成のタイミングに合わせてピックアップロール51が回転し、用紙トレイ50から所定サイズの用紙Pが供給される。ピックアップロール51により供給された用紙Pは、搬送ロール52により搬送経路55を搬送され、搬送シュート53を経て二次転写部20に到達する。この二次転写部20に到達する前に、用紙Pは一旦停止され、前述のようにしてトナー像が担持された中間転写ベルト15の移動タイミングに合わせてレジストロール(図示せず)が回転することで、用紙Pの位置とトナー像の位置との位置合わせがなされる。
二次転写部20では、半導電性の二次転写搬送ベルト21および中間転写ベルト15を介して、駆動ロール22がバックアップロール25に押圧される。このとき、タイミングを合わせて搬送された用紙Pは、中間転写ベルト15と二次転写搬送ベルト21との間に挟み込まれる。このとき、給電ロール26にトナーの帯電極性と同極性の電圧(本実施の形態では負極性)が印加されると、二次転写ベルト21(駆動ロール22)を対向電極として転写電界が形成され、中間転写ベルト15上に担持された未定着トナー像は、駆動ロール22とバックアップロール25とによって押圧される二次転写位置にて、用紙Pに静電転写される。
その後、トナー像が静電転写された用紙Pは、二次転写搬送ベルト21によって中間転写ベルト15から剥離された状態でそのまま搬送され、二次転写搬送ベルト21の用紙搬送方向下流側に設けられた搬送ベルト55まで搬送される。ここで、本実施の形態では、二次転写搬送ベルト21を用いているために、二次転写位置を通過した用紙Pは、中間転写ベルト15側に貼り付くことなく、二次転写搬送ベルト21側に吸着した状態で搬送される。また、二次転写搬送ベルト21上を搬送される用紙Pは、剥離ロール23の近傍で、二次転写搬送ベルト21を張架する剥離ロール23の曲率によって二次転写搬送ベルト21から剥離され、さらに下流側に向けて搬送されていく。搬送ベルト54(54a、54b)では、定着装置60における最適な搬送速度に合わせるように速度制御を行い、定着装置60まで用紙Pを搬送する。定着装置60に搬送された用紙P上の未定着トナー像は、定着装置60によって熱および圧力で定着処理を受けることで用紙P上に定着される。そして、片面モードの場合には、定着画像を担持した用紙Pが第1のゲート75によって排出経路56側へ向けられ、用紙Pは排出ロール(図示せず)によって装置の外部に排出される。また、用紙Pへの転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残った残留トナーは、中間転写ベルト15の回動に伴ってベルトクリーナ35との対向部まで搬送され、ベルトクリーナ35によって中間転写ベルト15上から除去される。
一方、用紙Pの両面に画像を形成する両面モードの場合には、定着装置60を通過した用紙Pの先端が第1のゲート75によって分岐経路71に進入し、分岐経路71を搬送された後に第2のゲート76によって反転経路72に進入する。反転経路72において、用紙Pはスイッチバックロール77によって一旦奥側に向けて搬送された後、用紙Pの後端が第2のゲート76を抜けた直後のタイミングで一旦停止し、その後所定のタイミングでスイッチバックロール77を逆回転させることにより今度は逆方向に向けて搬送される。その際、用紙Pは第2のゲート76によって今度は戻し経路73に進入し、この戻し経路73を介して搬送経路55へと戻される。このとき、用紙Pは最初に搬送経路55にあったときとは異なり、表裏が反転された状態となっている。そして、上述したプロセスによって今度は用紙Pの裏面に未定着トナー像が静電転写され、定着部60によって定着された後、排出経路56を介して装置の外部に排出される。
次に、図2を参照しつつ、本実施の形態に係る二次転写部20の機構について説明する。ここで、図2(a)は画像形成装置のアウト側(フロント側、手前側)から二次転写部20を眺めた図であり、図2(b)は図2(a)のIIb方向(用紙搬送方向下流側)から二次転写部20を眺めた図である。なお、図2(a)、(b)では、二次転写クリーナ24の記載を省略している。また、図2(b)では、剥離ロール23の記載も省略している。
本実施の形態において、バックアップロール25は、バックアップロール保持部材81内にその大部分が収容されるとともにこのバックアップロール保持部材81に取り付けられている。バックアップロール25の軸方向(用紙搬送方向に直交する方向)両端部には回転軸25aが設けられており、この回転軸25aはバックアップロール保持部材81内に設けられたベアリング82に回転可能に支持される。また、バックアップロール保持部材81のイン側端面にはイン側軸83が突出形成されている。そして、イン側軸83は、画像形成装置本体に設けられたイン側フレーム91に貫通配設される。ここで、イン側フレーム91には、イン側軸83を貫通させるためにイン側軸83よりもわずかに大きい貫通孔(符号なし)が形成されている。一方、バックアップロール保持部材81のアウト側端面には二本のアウト側軸84(84a、84b)が突出形成されている。そして、アウト側軸84は、画像形成装置本体に設けられたアウト側フレーム92に貫通配設される。ここで、アウト側フレーム92には、アウト側軸84を貫通させるため、用紙搬送方向(記録材の搬送方向)に沿って開口する貫通孔92aが形成されている。このような構成とすることで、バックアップロール保持部材81に支持されるバックアップロール25は、イン側フレーム91の貫通孔近傍を支点とし、アウト側フレーム92側を自由端として、用紙搬送方向に揺動できるようになっている。
また、アウト側フレーム92を貫通するアウト側軸84の端部は、このアウト側フレーム92よりもさらにアウト側に設けられた固定用板93の下側側面に固着されている。この固定用板93はアウト側フレーム92と略平行に設けられる。そして、固定用板93の上部側には、ネジ94(94a、94b)を挿入するための長穴93a、93bが形成されている。このような構成とし、ネジ94を用いてアウト側フレーム92に設けられた貫通孔92aに対して固定用板93を固定することで、画像形成装置本体に対するバックアップロール保持部材81(バックアップロール25)の位置を固定することができる。
一方、駆動ロール22および剥離ロール23は、画像形成装置本体に固定配置された図示しないブラケットに回転可能に取り付けられている。このため、これら駆動ロール22および剥離ロール23に張架される二次転写搬送ベルト21は、常時同じ位置で回動する。なお、図2(b)から明らかなように、バックアップロール25の用紙搬送方向に直交する方向の長さ(幅)は、駆動ロール22の幅よりも大きく設定されている。
このように、本実施の形態に係る画像形成装置では、用紙搬送方向に対する駆動ロール22の取り付け角度が一定状態に設定される(固定される)のに対し、用紙搬送方向に対するバックアップロール25の取り付け角度は変更できるようになっている。つまり、本実施の形態では、上述したバックアップロール保持部材81、イン側軸83、アウト側軸84等によって、バックアップロール25の移動機構、角度調整機構および変位部が構成されているといえる。このような構成により、駆動ロール22(二次転写搬送ベルト21)とバックアップロール25(中間転写ベルト15)とのなす角度を調整することが可能である。また、この画像形成装置では、バックアップロール25の取り付け位置を、用紙搬送方向に沿って変更できるものと見なすこともできる。
図3は、バックアップロール25の取り付け角度(駆動ロール22とバックアップロール25とのなす角度)を異ならせた場合に、中間転写ベルト15と二次転写搬送ベルト21との間に形成される二次転写ニップ領域(転写ニップ領域)Nの形状を説明するための図である。ここで図3(a)は、バックアップロール25の取り付け位置を例示したものである。また、図3(b)〜(d)はバックアップロール25の取り付け位置を種々異ならせた場合に、図3(a)のZ方向からみた駆動ロール22およびバックアップロール25の位置関係、および、その際に駆動ロール22(二次転写搬送ベルト21)とバックアップロール25(中間転写ベルト15)との間に形成される二次転写ニップ領域Nの形状を示すものである。ここで、図3(b)は図3(a)に一点鎖線で示す位置(−方向)にバックアップロール25を取り付けた場合、図3(c)は図3(a)に実線で示す位置にバックアップロール25を取り付けた場合、図3(d)は図3(a)に破線で示す位置(+方向)にバックアップロール25を取り付けた場合、をそれぞれ示している。
図3(b)に示す状態では、バックアップロール25のアウト側が図3(a)に示す用紙搬送方向上流側に位置しており、形成される二次転写ニップ領域Nの用紙搬送方向長さは、イン側は大きくなる一方でアウト側は小さくなっている。また、図3(d)に示す状態では、バックアップロール25のアウト側が図3(a)に示す用紙搬送方向下流側に位置しており、形成される二次転写ニップ領域Nの用紙搬送方向長さは、イン側は小さくなる一方でアウト側は大きくなっている。さらに、図3(c)に示す状態では、バックアップロール25のアウト側が中間的な部位に位置しており、形成される二次転写ニップ領域Nの搬送方向長さは、イン側およびアウト側で略同一となり、略長方形状となっている。なお、図3(b)および図3(d)に示す状態では、形成される二次転写ニップ領域Nは略台形状となっていることがわかる。
図4は、画像形成装置における画像評価の尺度の一つとして用いられている画像平行度を説明するための図である。画像平行度は、画像形成装置本体のイン側、アウト側で用紙搬送方向に沿って形成された同一長さのトナー像を用紙Pに二次転写した場合に、用紙Pにおけるアウト側の長さL1(mm)と、イン側の長さL2(mm)との差、ΔL(mm)で表される。
図3(b)に示すような台形状の二次転写ニップ領域Nが形成されている場合、この二次転写ニップ領域Nを通過する用紙Pのうちアウト側の部位(長さが短い側)では二次転写ニップ領域Nから受ける走行抵抗が小さいために搬送速度の低下が少ない一方で、イン側の部位(長さが長い側)では二次転写ニップ領域Nから受ける走行抵抗が大きいために搬送速度の低下が大きくなる。したがって、用紙Pのイン側およびアウト側に用紙搬送方向に対して同一長さのトナー像を転写した場合に、イン側の長さL2がアウト側の長さL1よりも短くなり、画像平行度が悪化する。
一方、図3(d)に示すような台形状の二次転写ニップ領域Nが形成された場合、この二次転写ニップ領域Nを通過する用紙Pのうちイン側の部位(長さが短い側)では二次転写ニップ領域Nから受ける走行抵抗が小さいために搬送速度の低下が少ない一方で、アウト側の部位(長さが長い側)では二次転写ニップ領域Nから受ける走行抵抗が大きいために搬送速度の低下が大きくなる。したがって、用紙Pのイン側およびアウト側に用紙搬送方向に対して同一長さのトナー像を転写した場合に、アウト側の長さL1よりイン側の長さL2よりも短くなり、やはり画像平行度が悪化する。
これに対し、図3(c)に示すような長方形状の二次転写ニップ領域Nが形成された場合には、イン側およびアウト側で二次転写ニップ領域Nの用紙搬送方向長さが略同一になるので、二次転写ニップ領域Nのイン側、アウト側での用紙Pの搬送速度が略同一になる。したがって、アウト側の長さL1およびイン側の長さL2が略同一長さとなり、画像平行度は略ゼロとなり良好なものとなる。
ここで、画像形成装置を製造する際には、組み立て時において図3(c)に示す状態となるようにバックアップロール25の取り付け位置が決められる。しかしながら、バックアップロール25等を含む各部品の製造精度、その組み付け精度等によって実際には多少の誤差が生じ、実際に組み立てが完了した状態では、形成される二次転写ニップ領域Nの形状が図3(b)や図3(d)に示すような状態となっていることも生じ得る。
そこで本実施の形態では、例えば画像形成装置の組み立てが完了した時点で、画像形成動作を行って用紙P上に図4に示す評価用画像を出力し、得られた画像平行度に応じてバックアップロール25の位置調整を行う。すなわち、バックアップロール25の取り付け角度を調整するのである。ここで、得られた画像平行度がマイナスの値であった場合には、バックアップロール保持部材81(バックアップロール25)の取り付け位置を図2に示す+方向に移動させ、逆に、得られた画像平行度がプラスの値であった場合には、バックアップロール保持部材81(バックアップロール25)の取り付け位置を図2に示す−方向に移動させればよい。
図5は、実際の画像形成装置を用いて画像平行度の調整を行った例を示している。図5に示すグラフにおいて、横軸はバックアップロール25の移動量(バックアップロール25のアウト側における位置)であり、縦軸はそのときに得られた画像平行度の値を示している。図5から明らかなように、画像形成装置を組み立てることによりバックアップロール25を所定の設置箇所に取り付けた状態(バックアップ移動量=0mm)では、得られた画像平行度が−0.3mm程度であった。これは、実際には駆動ロール22とバックアップロール25が平行な状態にはなく、二次転写搬送ベルト21と中間転写ベルト15とによって形成される二次転写ニップ領域Nの形状が長方形状ではなく台形状となっていることによるものである。そして、この画像形成装置の場合では、バックアップロール移動量を−1mmに設定した場合に、画像平行度が略ゼロとなって良好な画像が得られた。
以上説明したように、本実施の形態では、二次転写部20を構成する駆動ロール22とバックアップロール25とのなす角度を調整できるようにした。これにより、二次転写部20において、駆動ロール22に張架される二次転写搬送ベルト21とバックアップロール25に張架される中間転写ベルト15とによって形成される二次転写ニップ領域Nの形状を、用紙搬送方向に直交する方向に略一定(長方形状)とすることができる。したがって、二次転写部20(二次転写ニップ領域N)を通過する用紙Pの搬送速度をイン側とアウト側とで略同一にすることが可能となり、画像平行度を略ゼロに設定することが可能となる。
特に、本実施の形態では、二次転写部20において二次転写搬送ベルト21を用いることにより、二次転写後の用紙Pが二次転写搬送ベルト21側に引き寄せられやすく、その結果二次転写ベルト21に用紙Pが吸着しやすい。このことは、二次転写部20を通過した用紙Pが二次転写搬送ベルト21によって支配的に搬送されることを意味する。このため、駆動ロール(二次転写ロール)22とバックアップロール25との軸間距離を変え、両者間に働くニップ圧力を適宜設定することで二次転写ニップ領域Nの形状すなわち画像平行度の調整を行う従来の方式を採用した場合には、用紙Pのイン側、アウト側における搬送速度がほとんど変わらず、その結果画像平行度の低下を調整することが困難である。これに対し、本実施の形態では、バックアップロール25(中間転写ベルト15)の取り付け位置をずらすことで駆動ロール22(二次転写搬送ベルト21)とバックアップロール25(中間転写ベルト15)とのなす角度を適宜変えることができるため、二次転写部20を通過する用紙Pの進行方向を調整できる。そして、用紙Pを用紙搬送方向に対して直進させることが可能となり、画像平行度を良好なものとすることが可能になる。ここで、本実施の形態では、バックアップロール25の幅を駆動ロール22の幅よりも大きく設定しているため、バックアップロール25を傾斜配置した場合にも、二次転写ニップ領域Nにおける用紙搬送方向に直交する方向の長さ(幅)を確保することができる。
このように、本実施の形態に係る画像形成装置では、従来の画像形成装置と比較して、画像平行度(画像の傾き)を調整するための調整範囲を非常に広く取ることが可能になる。その結果、初期状態において、画像平行度が良好でなかった場合にも、画像平行度を良好な状態に調整することができる。
<実施の形態2>
本実施の形態は、実施の形態1と略同様であるが、バックアップロール25の取り付け位置を調整するための構成を異ならせたものである。なお、本実施の形態において、実施の形態1と同様のものについては、同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
図6は、本実施の形態に係る二次転写部20の機構を説明するための図であり、ここでは、アウト側から見た図を示している。本実施の形態において、バックアップロール25の回転軸25aのアウト側端部は、支持部材95の下部に設けられた貫通孔に回転可能にはめ込まれている。また、支持部材95の上下方向略中央部には軸95aが設けられており、支持部材95はこの軸95aを介してアウト側フレーム92に回動可能に取り付けられている。さらに、支持部材95のうち上部側に向かって延びるアーム部95bの上端側には、側方に向かって配設されるバネ96の一端部が取り付けられている。このバネ96の他方の端部は、アウト側フレーム92に取り付けられている。これにより、支持部材95は、バネ96によって図中時計方向の付勢力を受けることになる。また、支持部材95のアーム部95bの図中右側側面には、偏心カム97が当接配置されており、この偏心カム97はカム駆動モータ98によって駆動されるようになっている。なお、バックアップロール25の回転軸25aのイン側端部は、図示しないアウト側フレームに回転可能に取り付けられている。つまり、本実施の形態では、支持部材95、バネ96、偏心カム97およびカム駆動モータ98等によって、バックアップロール25の移動機構、角度調整機構および変位部が構成されているといえる。
本実施の形態に係る二次転写部20では、カム駆動モータ98によって偏心カム97を所定角度だけ回転させることで、バネ96の付勢力に抗して支持部材95を図中反時計方向に回転させることができる。そして、支持部材95が軸95aを中心に回転するのに伴い、図示しないアウト側フレーム側を支点としてバックアップロール25が用紙搬送方向に移動する。その結果、実施の形態1と同様に、二次転写部20において駆動ロール22(二次転写搬送ベルト21)とバックアップロール25(中間転写ベルト15)とのなす角度を適宜調整することが可能となる。このため、二次転写部20において中間転写ベルト15と二次転写搬送ベルト21との間に形成される二次転写ニップ領域Nの形状を調整して略長方形状にすることができ、良好な画像平行度を得ることのできるセッティングを行うことが可能となる。
また、本実施の形態では、実施の形態1とは異なり、カム駆動モータ98を用いて偏心カム97を回動させることで画像平行度の調整を行うことができる。このため、例えば画像形成動作の開始前などにおいて、UI41(図1参照)から画像平行度調整を実行することが可能である。以下、このプロセスについて説明する。
画像平行度の調整を行おうとした場合、ユーザがUI41を操作することによって図7(a)に示す操作画面が表示される。本実施の形態に係る画像形成装置では、用紙Pの両面に画像形成を行うことが可能であり、このため用紙Pの第1面(おもて面)および第2面(うら面)に対してそれぞれ独立して画像平行度を調整することが可能となっている。なお、図7(a)に示す例では、おもて面側の調整値が+0.1mm、うら面側の調整値が−0.1mmとなっている。ここで、ユーザが操作画面の「設定」キーを押下すると、次に図7(b)に示す操作画面が表示される。そして、ユーザがおもて面、うら面に対してそれぞれ三角形で表示されるキーを操作することにより、おもて面、うら面に対するそれぞれの調整値を変更する。なお、図7(b)に示す例では、おもて面、うら面に対する調整値がそれぞれ±0.5mmの範囲で調整可能であり、おもて面側の調整値が+0.1mm、うら面側の調整値が−0.1mmに設定されている。そして、ユーザがこの画面において「決定」キーを押下すると、再び図7(a)に示す操作画面が表示される。そして、図7(a)に示す操作画面においてユーザが「確認プリント」ボタンを押下すると、例えば図4に示すような画像平行度評価用のトナー像の形成が行われ、バックアップロール25の位置調整がなされた状態の二次転写部20によって用紙Pに転写された画像が出力される。その後、ユーザは、出力された用紙P上の画像を確認し、特に問題がなければ画像平行度調整を終了して実際の画像形成動作を開始する。一方、まだ画像平行度の調整が不十分な場合には、再び上述した操作を行って良好な画像平行度が得られるまで調整を続行する。
このような調整を適宜行うことで、画像形成装置における画像平行度を長期にわたって良好に維持することが可能になる。ここで画像平行度は、用紙Pのおもて面、うら面の他にも、例えば用紙Pの厚み、環境(温度、湿度)等によっても二次転写部20における二次転写ニップ領域Nの形状が変わるために変化する。そこで、これら各条件に対応してバックアップロール25の位置に関する調整値を定めておき、指定された用紙種あるいはトレイ、さらには温度/湿度センサ57によって測定された環境条件等に応じてバックアップロール25の位置を調整することも可能である。
なお、実施の形態1、2では、二次転写搬送ベルト21側を固定配置する一方で、バックアップロール25側の取り付け角度を調整するようにしていたが、これは次の理由による。実施の形態1、2で用いた画像形成装置では、二次転写搬送ベルト21が中間転写ベルト15と比較して著しく短い。なお、二次転写搬送ベルト21としては、φ40程度のものが用いられている。このように周長が短い無端ベルトを二次転写搬送ベルト21として用いた場合、無端ベルトが移動方向に直交する方向にぶれる現象(ベルトウォーク)が発生しやすい。このため、二次転写搬送ベルト21を張架する駆動ロール22の取り付け角度を調整できるような構成とした場合には、この角度調整によって二次転写搬送ベルト21にベルトウォークが生じやすくなってしまうおそれがある。これに対し、例えば中間転写ベルト15のように比較的長い周長を有する無端ベルトの場合には、回動する間に無端ベルト自身がウォークを吸収し、自己補正を行うことが可能である。したがって、この中間転写ベルト15を張架するバックアップロール25の取り付け角度を調整できるように構成した場合にも、発生するベルトウォークは中間転写ベルト15自身によって吸収されやすいといえる。このため、本実施の形態では、二次転写搬送ベルト21(駆動ロール22、剥離ロール23)を固定し、中間転写ベルト15を張架するバックアップロール25の取り付け角度を調整できるような構成を採用した。ただし、このような問題が生じないのであれば、バックアップロール25側を固定して駆動ロール22側の取り付け角度を調整できる構成としてもよい。また、駆動ロール22およびバックアップロール25の両者の取り付け角度を調整可能とする構成としてもよいことは勿論である。
10(10Y、10M、10C、10K)…画像形成ユニット、15…中間転写ベルト、20…二次転写部、21…二次転写搬送ベルト、22…駆動ロール、23…剥離ロール、24…二次転写クリーナ、25…バックアップロール、41…UI(User Interface)、50…用紙トレイ、60…定着装置、70…用紙反転搬送機構、81…バックアップロール保持部材、82…ベアリング、83…イン側軸、84…アウト側軸、91…イン側フレーム、92…アウト側フレーム、92a…貫通孔、93…固定用板、93a,93b…長穴、94(94a、94b)…ネジ、95…支持部材、95a…軸、95b…アーム部、96…バネ、97…偏心カム、98…カム駆動モータ、N…二次転写ニップ領域