JP4588410B2 - 酸性深層水を用いたアルミニウム又はその合金の表面処理方法 - Google Patents

酸性深層水を用いたアルミニウム又はその合金の表面処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、人体への悪影響が少なく環境にやさしい酸性深層水を用いたアルミニウム又はその合金の表面処理方法に関する。
アルミニウム又はその合金から形成された母材を、硫酸浴、シュウ酸浴又はこれらの混合浴中に金属の硝酸塩として硝酸銀又は硝酸銅、或いは硫酸塩として硫酸銀又は硫酸銅を添加した電解液中にて電解処理し、これによって母材の表面に陽極酸化被膜を形成すると同時に、添加した硝酸塩又は硫酸塩の金属をこの陽極酸化被膜に析出させる表面処理方法が提案されている(例えば、特許文献1)。この表面処理方法で処理することによって、アルミニウム又はアルミニウム合金の表面に形成した陽極酸化被膜に金属(例えば、銀)を析出させることができ、この析出した銀により母材に抗菌作用を持たせることができる。
特開2002−47596号公報
しかしながら、この表面処理方法では電解処理に硫酸浴(又はシュウ酸浴)を用いており、硫酸(又はシュウ酸)は毒性を有するので環境に悪く、また硫酸(又はシュウ酸)が作業者の皮膚に付いたり、或いは硫酸(又はシュウ酸)の揮発成分を作業者が吸ったりすると皮膚や喉が炎症を起こしたりして人体へ悪影響を及ぼすという問題がある。
また、電解処理を行った後の硫酸液(又はシュウ酸液)を廃液として処理する場合には硫酸液(又はシュウ酸液)の中和処理が必要となり、硫酸液(又はシュウ酸液)には多量のアルミニウムが溶解しているので、この中和処理を例えばアルカリ性溶液である水酸化ナトリウム溶液を用いて行った場合には、水酸化アルミニウムのスラッジが多量に発生するという問題がある。
また、このような表面処理方法でアルミ箔などの薄い母材の表面処理を行った場合、母材が電解処理中に溶けて溶解していく現象(以下、「焼け」という)を起こしたり、又は母材が薄いために破れたり、或いは表面処理された母材が硬くなり、折り曲げると粉々になって使用できないという問題がある。
本発明の目的は、環境や人体への悪影響を少なくし、且つ母材の表面に陽極酸化被膜を容易に形成させることができる酸性深層水を用いたアルミニウム又はその合金の表面処理方法を提供することである。
本発明の請求項1に記載の酸性深層水を用いたアルミニウム又はその合金の表面処理方法では、アルミニウム又はその合金から形成された母材を、酸性深層水浴中に銀又は銅のいずれか一方又は両方の硫酸塩又は硝酸塩を添加した電解液中に浸漬し、交直重畳電流、交流電流、マイナス波を流すPR電流又はマイナス波を流すパルス波のいずれかを加えて電解処理し、これによって、前記母材の表面に陽極酸化被膜を形成すると同時に、添加した硫酸塩又は硝酸塩の金属を前記陽極酸化被膜に析出させることを特徴とする。
また、本発明の請求項2に記載の酸性深層水を用いたアルミニウム又はその合金の表面処理方法では、アルミニウム又はその合金から形成された母材を、第1処理液に浸漬して前記母材の表面に陽極酸化被膜を形成し、その後、第2処理液に銀又は銅のいずれか一方又は両方の硫酸塩又は硝酸塩を添加した電解液中において交直重畳電流、交流電流、マイナス波を流すPR電流又はマイナス波を流すパルス波のいずれかを加えて電解処理し、添加した硫酸塩又は硝酸塩の金属を前記陽極酸化被膜に析出させて前記母材の表面処理を行う方法であって、第1処理液又は第2処理液のいずれか一方が酸性深層水であり、他方が硫酸浴又はシュウ酸浴或いはこれらの混合浴であることを特徴とする。
また、本発明の請求項3に記載の酸性深層水を用いたアルミニウム又はその合金の表面処理方法では、アルミニウム又はその合金から形成された母材を、第1処理液に浸漬して前記母材の表面に陽極酸化被膜を形成し、その後、第2処理液に銀又は銅のいずれか一方又は両方の硫酸塩又は硝酸塩を添加した電解液中において交直重畳電流、交流電流、マイナス波を流すPR電流又はマイナス波を流すパルス波のいずれかを加えて電解処理し、添加した硫酸塩又は硝酸塩の金属を前記陽極酸化被膜に析出させて前記母材の表面処理を行う方法であって、第1処理液及び第2処理液の両方が酸性深層水であることを特徴とする。
また、本発明の請求項4に記載の酸性深層水を用いたアルミニウム又はその合金の表面処理方法では、前記酸性深層水は、pHが0.2〜2.0であることを特徴とする。
また、本発明の請求項5に記載の酸性深層水を用いたアルミニウム又はその合金の表面処理方法では、前記酸性深層水に、前記酸性深層水に対して0.5〜5.0重量%の硫酸又はシュウ酸が添加されていることを特徴とする。
また、本発明の請求項6に記載の酸性深層水を用いたアルミニウム又はその合金の表面処理方法では、前記母材が、アルミニウム又はその合金から形成された箔部材又は繊維状シート部材であることを特徴とする。
また、本発明の請求項7に記載の酸性深層水を用いたアルミニウム又はその合金の表面処理方法では、前記母材が、アルミニウム又はその合金から形成された箔部材又は繊維状シート部材と、前記箔部材又は前記繊維状シート部材を補強するために設けられたシート状基材とから構成され、前記シート状基材の片面又は両面に前記箔部材又は前記繊維状シート部材が設けられていることを特徴とする。
本発明の請求項1に記載の酸性深層水を用いたアルミニウム又はその合金の表面処理方法によれば、アルミニウム又はその合金から形成された母材の表面に陽極酸化被膜を形成すると同時に銀又は銅のいずれか一方又は両方の硫酸塩又は硝酸塩の金属をその陽極酸化被膜に析出させる電解処理を酸性深層水浴中で行う。酸性深層水はカドミウム、鉛、水銀、ヒ素、クロムなどの有害物質を含まないので環境への悪影響が少なく、また電解処理を行う作業者の人体へ与える悪影響をも少なくすることができる。酸性深層水が有毒物質を含まないので、酸性深層水が作業者の皮膚に付着したり、或いは酸性深層水を吸ったりした場合でも皮膚や喉の炎症を低く抑えることができ、電解処理工程において特殊な作業服を着たり、換気能力が大きい換気装置を備えたりする必要がなくなり、設備などのコストを低減することができる。また酸性深層水が有害物質を含まないので、電解処理を行った後に酸性深層水を廃液として処理する場合に有害物質を除去するための工程を省略することができることによってもコストの低減を図ることができる。
また、電解液として酸性深層水を用いているので、母材をこの酸性深層水浴に銀などの硫酸塩又は硝酸塩を添加した電解液中に浸漬し、交直重畳電流、交流電流、マイナス波を流すPR電流又はマイナス波を流すパルス波のいずれかを加えて電解処理を行った場合に母材の表面に焼けが発生せず、母材の表面に所望の厚さの陽極酸化被膜を容易に形成することができ、この陽極酸化被膜に銀(又は銅、銀及び銅)の金属を析出させることができる。このような表面処理を施した母材では、湿度の高い環境中においては析出した銀(又は銅、銀及び銅)の金属がイオン化されて周囲に放出され、強い抗菌作用を発揮し、それ故に雑菌の繁殖やそれによる悪臭の発生を抑制することができる抗菌性を備えることができる。
更に、電解処理中において酸性深層水に溶解するアルミニウムの溶解量が少ないので、この酸性深層水を廃液として処理する場合に、水酸化ナトリウム溶液などのアルカリ性溶液で中和処理を行ったときに発生する水酸化アルミニウムのスラッジ量を少なくすることができる。スラッジの析出量が少ないのでスラッジを簡単に除去することができ、或いはスラッジの除去工程を省略することができる。
また、本発明の請求項2に記載の酸性深層水を用いたアルミニウム又はその合金の表面処理方法によれば、アルミニウム又はその合金から形成された母材を第1処理液に浸漬して電解処理を行い母材の表面に陽極酸化被膜を形成することができる。その後、第2処理液に銀又は銅のいずれか一方又は両方の硫酸塩又は硝酸塩を添加した電解液中で電解処理を行い、母材の表面に形成した陽極酸化被膜に硫酸塩又は硝酸塩の金属を析出させることができる。第1処理液又は第2処理液のいずれか一方が酸性深層水であり、他方が硫酸浴又はシュウ酸浴或いはこれらの混合浴であるので、母材に焼けを発生させることなく電解処理を行うことができ、且つ上述したように環境にやさしく、作業者の人体への悪影響も少なくすることができ、設備などのコストを低減することができる。また、第1処理液又は第2処理液のいずれか一方が酸性深層水であるので、例えば第1処理液として酸性深層水を使用した場合は、母材をこの酸性深層水に浸漬して電解処理を行うことによって母材の表面に焼けを発生させることなく所望の厚さの陽極酸化被膜を形成させることができる。また第2処理液として酸性深層水を使用した場合は、表面に陽極酸化被膜が形成された母材をこの酸性深層水に銀又は銅のいずれか一方又は両方の硫酸塩又は硝酸塩を添加した電解液中に浸漬して交直重畳電流、交流電流、マイナス波を流すPR電流又はマイナス波を流すパルス波のいずれかを加えて電解処理を行うことにより、陽極酸化被膜に銀(又は銅、銀及び銅)を析出させることができる。このような表面処理を施した母材は、上述したような作用によって抗菌性を備えることができる。
更に第1処理液又は第2処理液のいずれか一方が酸性深層水であるので、この酸性深層水を上述したように中和処理して廃液として処理する場合、スラッジの析出量を少なくすることができるので、スラッジを簡単に除去することができ、或いは除去工程を省略することができる。
また、本発明の請求項3に記載の酸性深層水を用いたアルミニウム又はその合金の表面処理方法によれば、第1処理液及び第2処理液の両方が酸性深層水であるので、上述したように環境に非常にやさしく、電解処理を行う作業者の人体への悪影響を更に少なくすることができ、設備などのコストを低減することができる。
また、本発明の請求項4に記載の酸性深層水を用いたアルミニウム又はその合金の表面処理方法によれば、酸性深層水のpHが0.2〜2.0であるので、このような強酸性の深層水を用いることによって母材の表面での陽極酸化被膜形成や銀(又は銅、銀及び銅)の金属の析出の処理時間の短縮を図ることができる。
また、本発明の請求項5に記載の酸性深層水を用いたアルミニウム又はその合金の表面処理方法によれば、酸性深層水に、酸性深層水に対して0.5〜5.0重量%の硫酸又はシュウ酸が添加されているので、電導度が大きくなり電解処理のときの電流を流れ易くすることができる。従って、陽極酸化被膜の膜厚を厚く形成することができ、また電解処理の処理効率が向上し、母材の表面での陽極酸化被膜形成や銀(又は銅、銀及び銅)の金属の析出の処理時間の短縮を図ることができる。尚、酸性深層水に加える硫酸又はシュウ酸の量は微量であるので、環境や作業者へ与える悪影響は酸性深層水のみのときと同様に少なくすることができる。
また、本発明の請求項6に記載の酸性深層水を用いたアルミニウム又はその合金の表面処理方法によれば、母材がアルミニウム又はその合金から形成された箔部材又は繊維状シート部材であるので、厚さが薄い箔部材やアルミニウム又はその合金から形成された繊維を編んで形成された薄いシート部材に抗菌性を持たせることができる。従って、例えば食品をこのような表面処理を施した母材で包装した場合に雑菌の繁殖を抑制することができ、保存期間をより長くすることができる。
また、本発明の請求項7に記載の酸性深層水を用いたアルミニウム又はその合金の表面処理方法によれば、母材が、アルミニウム又はその合金から形成された箔部材又は繊維状シート部材と、箔部材又は繊維状シート部材を補強するために設けられたシート状基材とから構成され、シート状基材の片面又は両面に箔部材又は繊維状シート部材が設けられている。このような箔部材又は繊維状シート部材に電解処理を施してこれらの表面に形成された陽極酸化被膜に銀(又は銅、銀及び銅)を析出させることができる。従って、箔部材又は繊維状シート部材を備えた母材に抗菌性を持たせることができ、更に箔部材又は繊維状シート部材にシート状基材が設けられているので、電解処理を行った母材が破れにくく、且つこの母材に柔軟性を持たせることができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に従う酸性深層水を用いたアルミニウム又はその合金の表面処理方法について説明する。
図1及び図2を参照して、本発明に従う酸性深層水を用いたアルミニウム又はその合金の表面処理方法について説明する。図1は、本発明に従う表面処理方法を実施するために用いる表面処理装置の一例を簡略的に示す簡略図であり、図2は、本発明に従う表面処理方法によって処理された母材の一部を拡大して示す断面図である。
図1において、図示の表面処理装置は、直方体状の電解槽2を備え、この電解槽2内の両側部に電極4,6が配設されている。この形態では、電極4,6は、電解槽2の長手方向、図1において左右方向に間隔をおいて配設された4個のプレート状電極8,10から構成され、これらプレート状電極8,10がカーボンから形成されている。電極4,6は電気的に並列に配置され、一方の電極4の4個のプレート状電極8は電気的に直列に接続され、他方の電極6の4個のプレート状電極10は電気的に直列に接続されている。
一対の電極4,6の間に表面処理すべき母材12,14、具体的には表面処理すべき部材12,14が配設される。一方の母材12は電極4に対向してその内側に配設され、他方の母材14は電極6に対向してその内側に配設される。
かかる母材12,14は、アルミニウム又はアルミニウム合金から形成された箔部材又は繊維状シート部材である。ここで箔部材とは、アルミニウム又はその合金を薄く延ばしたものをいい、この厚さは、例えば約1〜50μm程度であり、また繊維状シート部材とは、アルミニウム又はその合金から構成される細い繊維を編んで薄いシート状にしたものをいい、この繊維状シート部材の厚さは例えば約1〜50μm程度である。この表面処理装置は、このようなアルミニウム又はその合金から形成された母材12,14に後述する如くして表面処理を行う。
この電解槽2内には、表面処理するための電解液が充填され、処理すべき母材12,14はこの電解液中に浸漬される。電解液としては、酸性深層水16が用いられる。酸性深層水16はカドミウム、鉛、水銀、ヒ素、クロムなどの有害物質を含まないので環境への悪影響が低く、また電解処理を行う作業者の人体へ与える悪影響をも少なくすることができる。この酸性深層水16はpHが0.2〜2.0であるものが好ましく、このpHが0.2〜0.5のものであるのがより好ましい。このような酸性深層水16を用いて電解処理を行うことによって、アルミニウム又はその合金の表面での陽極酸化被膜形成や銀(又は銅、銀及び銅)の金属の析出を更に容易に行うことができる。
酸性深層水16の電解浴には、銀又は銅のいずれか一方又は両方の硫酸塩又は硝酸塩が添加される。添加される硫酸銀又は硝酸銀は、例えば2〜12g/リットルの割合で加えられる。硫酸銀又は硝酸銀が2g/リットルより少なくなると、表面処理を行ったときの銀の析出量が少なくなり、また硫酸銀又は硝酸銀が12g/リットルを超えると、表面処理を行ったときに陽極酸化被膜にピット(孔食)が発生して被膜欠陥が発生し易くなる。
また、硫酸銀又は硝酸銀に代えて、硫酸銅又は硝酸銅を添加するようにしてもよく、この場合にも、添加される硫酸銅又は硝酸銅は、例えば2〜12g/リットルの割合で加えられる。硫酸銅又は硝酸銅が2g/リットルより少なくなると、表面処理を行ったときの銅の析出量が少なくなり、また硫酸銅又は硝酸銅が12g/リットルを超えると、表面処理を行ったときに陽極酸化被膜にピット(孔食)が発生して被膜欠陥が発生し易くなる。
母材12,14に表面処理を施す際、母材12,14に交直重畳の電流、即ち交流電流と直流電流のプラス側電流とを重畳させた電流が加えられ、このような電流を加えて母材12,14に電解処理を施す。この形態では、直流電源18のプラス側がリアクタ20に電気的に接続され、またこの直流電源18のマイナス側が電極4,6(プレート状電極8,10)に電気的に接続される。更に、交流電源22がリアクタ20に電気的に接続され、リアクタ20は直流電源18のプラス側の電流を交流電源22からの交流電流に重畳し、重畳した重畳電流を処理すべき母材12,14に送給する。
表面処理時には、電流密度が例えば1〜10A/dmの範囲になるように選定され、この電流密度が所定設定時間継続して通電される。電流密度が10A/dmを超えると母材12,14の表面が焼けて陽極酸化被膜が形成されず、また母材12,14とこれを保持する治具との接触部に放電による損傷が発生し易くなる。一方、電流密度が1A/dmより小さくなると、電解液中を流れる電流が小さく、表面処理の処理効率が悪くなる。
この表面処理時、電解浴の温度は例えば−10〜25℃の範囲になるように選定される。電解浴の温度が25℃を超えると、母材12,14の表面に形成される陽極酸化被膜が軟質化し、場合によっては平坦な被膜が得られなくなる。一方、電解浴の温度が−10℃より低くなると、表面処理の処理効率が悪くなり、表面処理コストが増大する。
上述した表面処理装置でもって母材12,14に表面処理を施すと、母材12,14の表面は図2に示す通りに形成される。図2を参照して、上述した表面処理を行うと、アルミニウム又はその合金から形成された母材12,14の両表面に陽極酸化被膜24(所謂、アルマイト被膜)が形成される。この陽極酸化被膜24は、母材12,14の両表面に形成されるバリヤ層26と、このバリヤ層26の表面に形成される多孔質層28とから構成され、バリヤ層26の厚さは約0.01〜0.1μm程度に、また多孔質層28の厚さは約1〜5μm程度に形成される。
上述した表面処理方法で処理すると、多孔質層28に多数存在する孔30内に硫酸塩及び/又は硝酸塩の銀32(又は銅、銀32及び銅)が析出する。このように銀32(又は銅、銀32及び銅)が析出するので、母材12,14に抗菌性が付与され、この母材12,14を使用することによって、雑菌の繁殖を抑え、清潔な状態に保つことができる。特に、上述した処理方法によって析出した銀32(又は銅、銀32及び銅)は、水分の多い環境では(例えば、水に浸けたり、多湿の環境下に置くと)、銀32(又は銅、銀32及び銅)がイオン化して周囲に放出され、イオン化した銀(又は銅、銀及び銅)が強い抗菌作用を発揮する。
上述した実施形態では、表面処理する際に交直重畳の電流を加えて電解処理しているが、交直重畳電流に代えて、交流電流、マイナス波を流すPR電流又はマイナス波を流すパルス波の電流を加えるようにしても、上述したと同様に、1回の電解処理でもって所定の表面処理を行うことができ、母材12,14の表面に上記陽極酸化被膜22を形成するとともに、形成した陽極酸化被膜24に銀32(又は銅、銀32及び銅)を析出させることができる。
また、上述した実施形態では、1回の電解処理でもって母材12,14の両表面に陽極酸化被膜24を形成すると同時に、この陽極酸化被膜24に銀32(又は銅、銀32及び銅)を析出させているが、陽極酸化被膜24の形成と、銀32(又は銅、銀32及び銅)の析出とを別の工程で行うようにしてもよい。この場合、上述した1回の電解処理と同様の条件で交直重畳電流を加えることによって、第1処理液に母材12,14を浸漬してその表面に陽極酸化被膜を形成し、その後、第2処理液に銀又は銅のいずれか一方又は両方の硫酸塩又は硝酸塩が添加された電解液に母材12,14を浸漬して電解処理が行われる。第1処理液又は第2処理液には、いずれか一方に酸性深層水16が用いられ、他方に硫酸浴、シュウ酸浴又はこれらの混合浴が用いられる。硫酸浴を用いる場合、硫酸が例えば150〜300g/リットルの割合で添加され、シュウ酸浴を用いる場合、シュウ酸が例えば20〜40g/リットルの割合で添加される。第1処理液又は第2処理液をこのように構成してもいずれか一方に酸性深層水16が用いられるので、環境にやさしく、作業者の人体への悪影響を少なくすることができるとともに、陽極酸化被膜の形成と、この陽極酸化被膜への銀32(又は銅、銀32及び銅)の析出を行うことができる。この場合でも、交直重畳電流に代えて、交流電流、マイナス波を流すPR電流又はマイナス波を流すパルス波の電流を加えることによっても所定の電解処理を行うことができる。尚、第1処理液及び第2処理液の両方に酸性深層水16を用いてもよく、この場合は硫酸浴、シュウ酸浴を用いていないので、環境や作業者への悪影響を更に少なくすることができる。
また、上述した実施形態では、電解処理を行うのに酸性深層水16を用いているが、酸性深層水16に、酸性深層水16に対して0.5〜5.0重量%の硫酸又はシュウ酸を加えて母材12,14の電解処理を行ってもよい。これによって電解液としての電導度を大きくすることができるので、陽極酸化被膜の膜厚を厚く形成することができ、また陽極酸化被膜形成や銀(又は銅、銀及び銅)の金属の析出を更に容易に行うことができる。
また、上述した実施形態では、電解処理が行われる母材がアルミニウム又はその合金から形成された箔部材又は繊維状シート部材である場合について説明したが、この箔部材又は繊維状シート部材にシート状基材を設けたものを用いてもよい。ここでシート状基材は、合成樹脂、織布又は不織布から形成されており、合成樹脂は、例えばポリプロピレン又はポリエチレンなどから形成される。このようなシート状基材の片面又は両面に、箔部材又は繊維状シート部材が、例えば所定圧力を加えたプレス加工によって、箔部材又は繊維状シート部材とシート状基材とが一体的に設けられる。
このように母材が箔部材又は繊維状シート部材にシート状基材が設けられたものでは、このシート状基材によって箔部材又は繊維状シート部材が補強されているので、電解処理を行った母材が破れにくく、且つこの母材に柔軟性を持たせることができる。このような母材を用いても所望の陽極酸化被膜を形成し、銀(又は銅、銀及び銅)をこの陽極酸化被膜に析出させることができる。
また、上述した実施形態では、1回(又は2回)の電解処理によって陽極酸化被膜の表面に銀(又は銅)を析出しているが、抗菌効果を発揮する金、白金又は亜鉛を析出するようにしてもよい。
実施例及び比較例
実施例1
本発明の効果を確認するために、箔部材としてのアルミ箔の母材に次の通りの条件にて表面処理を行った。
実施例1として図1に示す表面処理装置を用い、静岡県御前崎沖合約100kmの位置で採取したpHが0.3の強酸性深層水10リットルの深層水浴に硝酸銀5g/リットルを添加した電解液を用いて電解処理を行った。母材としてアルミ箔(縦300mmX横250mmX厚さ0.012mm)を用い、このアルミ箔を陽極(プラス)側とし、カーボン電極を陰極(マイナス)側とした。電解処理中の電解液の温度は10℃であり、電解処理中、交流と直流の電流比を1:1とした交直重畳の電流を加えた。この電解電流の電流密度は1.5A/dm であり、上記の条件で電解処理を10分行い、アルミ箔の表面に形成された陽極酸化被膜の厚さを測定するとともにその表面の色調及び焼けを調べた。
実施例2
実施例2として、実施例1と同様の表面処理装置及び強酸性深層水を用い、また母材としても実施例1と同様のアルミ箔を用い、この強酸性深層水10リットルの深層水浴に硫酸銀10g/リットルを添加した電解液を用いて電解処理を行った。電解処理の条件は実施例1と同様であり、この電解処理を施してアルミ箔の表面に形成された陽極酸化被膜の厚さを測定するとともにその表面の色調及び焼けを調べた。
実施例3
実施例3として、実施例1と同様の表面処理装置及び強酸性深層水を用い、また母材としても実施例1と同様のアルミ箔を用い、この強酸性深層水10リットルの深層水浴に硫酸10g/リットル及び硝酸銀5g/リットルを添加した電解液を用いて電解処理を行った。電解処理の条件は実施例1と同様であり、この電解処理を施してアルミ箔の表面に形成された陽極酸化被膜の厚さを測定するとともにその表面の色調及び焼けを調べた。
実施例4
実施例4として、実施例1と同様の表面処理装置及び強酸性深層水を用い、また母材としても実施例1と同様のアルミ箔を用い、まずこの強酸性深層水10リットルの深層水浴で実施例1と同様の条件でアルミ箔の表面に陽極酸化被膜を形成した。次に、この陽極酸化被膜が形成されたアルミ箔を、実施例1と同様の強酸性深層水10リットルの深層水浴に硝酸銀5g/リットルを添加した電解液中に浸漬して電流密度が1.0A/dmの交流電流を加えて電解処理を5分間行い、添加した硝酸銀の銀を陽極酸化被膜に析出させた。このように電解処理してアルミ箔の表面に形成された陽極酸化被膜の厚さを測定するとともにその表面の色調及び焼けを調べた。
実施例5
実施例5として、実施例1と同様の表面処理装置及び強酸性深層水を用い、また母材としても実施例1と同様のアルミ箔を用い、この強酸性深層水10リットルの深層水浴に硝酸銅10g/リットルを添加した電解液を用いて電解処理を行った。電解処理の条件は実施例1と同様であり、この電解処理を施してアルミ箔の表面に形成された陽極酸化被膜の厚さを測定するとともにその表面の色調及び焼けを調べた。
比較例
比較例として、実施例1と同様の表面処理装置を用い、また母材として実施例1と同様のアルミ箔を用い、硫酸150g/リットルの硫酸浴に硝酸銀5g/リットルを添加した電解液を用いて電解処理を行った。電解処理の条件は実施例1と同様であり、この電解処理を施してアルミ箔の表面に形成された陽極酸化被膜の厚さを測定するとともにその表面の色調及び焼けを調べた。
被膜厚さ、色調及び焼けの有無
上述した実施例1〜5及び比較例においてアルミ箔の表面に形成された陽極酸化被膜の厚さ、その色調及び焼けの有無は表1に示す通りであった。
Figure 0004588410
表1から理解されるように、実施例1〜5において、アルミ箔の表面に陽極酸化被膜が形成されていることが確認された。また表面の色調については実施例1〜4においては全体的に均一な黄金色を示しており、実施例5においては全体的に均一な褐色を示していた。これによって実施例1〜4においては陽極酸化被膜に硝酸銀又は硫酸銀の銀が、実施例5においては陽極酸化被膜に硝酸銅の銅が析出していることが確認された。更に、焼けについては実施例1〜5のいずれにおいても確認されなかった。
一方、比較例においては、陽極酸化被膜は形成されるが、その厚さが1〜5μmとばらつきが多く、不均一な被膜が形成されていることが確認された。また表面の色調は、全体的にむらがある黄金色となっており、部分的には銀が析出されていることが確認された。またアルミ箔の四隅に焼けが発生した。
抗菌性試験
実施例1〜5において、抗菌性を確認するために次の通りの試験を行った。対照として市販されている抗菌アルミ箔(商品名)を用いた。抗菌力試験はフィルム密着法によって行い、大腸菌、黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオ、レジオネラ菌及びサルモネラ菌を含む菌液をそれぞれ滴下し、環境温度が35℃の雰囲気で24時間保存し、24時間経過後の各生菌数を測定した。測定結果は表2に示す通りであった。
Figure 0004588410
表2から理解されるように、市販の抗菌アルミ箔においては菌が検出されたが、実施例1〜5においては菌は検出されなかった。これによって、実施例1〜5の表面処理を施したアルミ箔が抗菌性を有することが確認された。
本発明に従う表面処理方法を実施するために用いる表面処理装置の一例を簡略的に示す簡略図である。 本発明に従う表面処理方法によって処理された母材の一部を拡大して示す断面図である。
符号の説明
2 電解槽
4,6 電極
12,14 母材
16 酸性深層水
18 直流電源
20 リアクタ
22 交流電源
24 陽極酸化被膜
26 バリア層
28 多孔質層
32 析出金属

Claims (7)

  1. アルミニウム又はその合金から形成された母材を、酸性深層水浴中に銀又は銅のいずれか一方又は両方の硫酸塩又は硝酸塩を添加した電解液中に浸漬し、交直重畳電流、交流電流、マイナス波を流すPR電流又はマイナス波を流すパルス波のいずれかを加えて電解処理し、これによって、前記母材の表面に陽極酸化被膜を形成すると同時に、添加した硫酸塩又は硝酸塩の金属を前記陽極酸化被膜に析出させることを特徴とする酸性深層水を用いたアルミニウム又はその合金の表面処理方法。
  2. アルミニウム又はその合金から形成された母材を、第1処理液に浸漬して前記母材の表面に陽極酸化被膜を形成し、その後、第2処理液に銀又は銅のいずれか一方又は両方の硫酸塩又は硝酸塩を添加した電解液中において交直重畳電流、交流電流、マイナス波を流すPR電流又はマイナス波を流すパルス波のいずれかを加えて電解処理し、添加した硫酸塩又は硝酸塩の金属を前記陽極酸化被膜に析出させて前記母材の表面処理を行う方法であって、第1処理液又は第2処理液のいずれか一方が酸性深層水であり、他方が硫酸浴又はシュウ酸浴或いはこれらの混合浴であることを特徴とする酸性深層水を用いたアルミニウム又はその合金の表面処理方法。
  3. アルミニウム又はその合金から形成された母材を、第1処理液に浸漬して前記母材の表面に陽極酸化被膜を形成し、その後、第2処理液に銀又は銅のいずれか一方又は両方の硫酸塩又は硝酸塩を添加した電解液中において交直重畳電流、交流電流、マイナス波を流すPR電流又はマイナス波を流すパルス波のいずれかを加えて電解処理し、添加した硫酸塩又は硝酸塩の金属を前記陽極酸化被膜に析出させて前記母材の表面処理を行う方法であって、第1処理液及び第2処理液の両方が酸性深層水であることを特徴とする酸性深層水を用いたアルミニウム又はその合金の表面処理方法。
  4. 前記酸性深層水は、pHが0.2〜2.0であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載した酸性深層水を用いたアルミニウム又はその合金の表面処理方法。
  5. 前記酸性深層水に、前記酸性深層水に対して0.5〜5.0重量%の硫酸又はシュウ酸が添加されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の酸性深層水を用いたアルミニウム又はその合金の表面処理方法。
  6. 前記母材が、アルミニウム又はその合金から形成された箔部材又は繊維状シート部材であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の酸性深層水を用いたアルミニウム又はその合金の表面処理方法。
  7. 前記母材が、アルミニウム又はその合金から形成された箔部材又は繊維状シート部材と、前記箔部材又は前記繊維状シート部材を補強するために設けられたシート状基材とから構成され、前記シート状基材の片面又は両面に前記箔部材又は前記繊維状シート部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の酸性深層水を用いたアルミニウム又はその合金の表面処理方法。
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