JP4588328B2 - 発熱量算出装置及びその方法、並びに発熱量測定システム - Google Patents

発熱量算出装置及びその方法、並びに発熱量測定システム Download PDF

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本発明は、発熱量算出装置及びその方法、並びに発熱量測定システムに関し、より詳細には、被検ガス中の被検物質に感応する検知素子と前記被検ガス中の被検物質に感応しない比較素子とを有する接触燃焼式ガスセンサが出力する前記検知素子と前記比較素子との熱的バランスを示すセンサ出力に基づいて、複数種類のガス成分からなる混合ガスの発熱量を算出する発熱量算出装置及びその方法、並びに、発熱量算出装置を備える発熱量測定システムに関するものである。
都市ガスの原料は、従来の石油系から長期に安定した価格で輸入できる液化天然ガス(以下、LNGという)への転換が着実に進み、全国的には都市ガス原料の大部分がLNGとなっている。また、地方都市ガス事業者においてもLNGへの転換が進んでいる。
LNGを都市ガスとして供給する方法は、大都市でも中小都市でも基本的には同一であり、空温式または海水加熱式等の気化器でガス化した後に、液化プロパンガス(LPG)で約46MJ/Nm3に増熱調整して高カロリーガスとして供給している。そして、供給ガス(混合ガス)の発熱量は、ガスクロマトグラフにより混合ガス中に含まれるガス成分と濃度を測定して算出している。
ここで、ガスクロマトグラフは、適当な充填物が均一に詰まったカラム内で、ガス試料、気化した液体、固体試料をキャリアガスで展開させ、試料を化学変化させることなくガス状で通過させて各成分を分離する装置である。
一般的なガスクロマトグラフの検出器で用いられるものに、熱伝導度型(Thermal conductivity detector,TCD)があり、気体の熱伝導の差を利用するもので、サーミスタの電気抵抗の差として検出する。特徴としては構造が単純でキャリアガス以外なら何でも検出できるが、感度が低いという欠点がある。
また、最小検出量が小さく、再現性のよい測定が可能なガスクロマトグラフが提案されている。このガスクロマトグラフによれば、容積の微小なTCDを用い、さらにキャピラリーカラムの一端をTCD内に配置することにより、キャピラリーカラムとTCDとの間のデッドボリュームを実質上なくすように構成することで、TCDに供給するキャリアガスと同種のガスの流量を低減し、最小検出量が小さく、再現性の良い測定を可能としている(特許文献1参照)。
特開2002−228647号公報 (第3−4頁、第1図)
しかしながら、上述したガスクロマトグラフは装置自体が高価なため、ガスクロマトグラフで供給ガスの発熱量を測定する場合は、その測定に費用が嵩んでしまうという問題が生じていた。また、ガスクロマトグラフはキャピラリーカラム等のカラムを用いていることから、10〜30分ごとの不連続な測定しかできないため、発熱量の測定に時間がかかってしまうという問題も生じていた。
そこで、炭化水素系ガスに対する接触燃焼式ガスセンサのセンサ出力と発熱量とは比例関係になるため、周知である接触燃焼式ガスセンサを用いて混合ガスの発熱量を、ガスクロマトグラフを用いずに簡易かつ安価な構成で連続計測することができる。ところが、水素は他のガス成分に比べ単位発熱量に対する接触燃焼式ガスセンサのセンサ出力が高いため、接触燃焼式ガスセンサを用いて水素を含む混合ガスの発熱量を測定すると、その混合ガスの水素濃度に比例して誤差が大きくなる可能性があった。
よって本発明は、上述した問題点に鑑み、混合ガスの発熱量を正確に算出することができる発熱量算出装置及びその方法、並びに発熱量測定システムを提供することを課題としている。
上記課題を解決するため本発明によりなされた請求項1記載の発熱量算出装置は、図1の基本構成図に示すように、被検ガス中の被検物質に感応する検知素子と前記被検ガス中の被検物質に感応しない比較素子とを有する接触燃焼式ガスセンサ10が出力する前記検知素子と前記比較素子との熱的バランスを示すセンサ出力に基づいて、複数種類のガス成分からなる所望濃度の混合ガスの発熱量を算出する発熱量算出装置であって、前記接触燃焼式ガスセンサ10が出力した前記所望濃度の混合ガスに対応する前記センサ出力に基づいて、前記混合ガスの発熱量を算出するための発熱量算出情報を記憶する発熱量算出情報記憶手段34aと、通電により前記ガス成分と水素に感応する高温と前記水素のみに感応する低温とに加熱される前記接触燃焼式ガスセンサ10が出力する前記センサ出力と水素濃度との関係を示す水素濃度情報を記憶する水素濃度情報記憶手段34bと、前記高温に加熱される前記接触燃焼式ガスセンサ10が出力した前記混合ガスに対応するセンサ出力を高温センサ出力として取り込む高温センサ出力取込手段31aと、前記低温に加熱される前記接触燃焼式ガスセンサ10が出力した前記混合ガスに対応する前記センサ出力を低温センサ出力として取り込む低温センサ出力取込手段31bと、前記低温センサ出力取込手段31bが取り込んだ低温センサ出力と前記水素濃度情報記憶手段34bが記憶している水素濃度情報とに基づいて前記混合ガス中における前記水素濃度を算出する水素濃度算出手段31cと、前記水素濃度算出手段31cが算出した水素濃度と前記水素濃度情報記憶手段34bが記憶している水素濃度情報とに基づいて、前記高温センサ出力取込手段31aが取り込んだ高温センサ出力における前記水素に対応する水素センサ出力と当該水素を除いた前記混合ガスに対応する混合ガス濃度とその混合ガスセンサ出力とを算出する算出手段31dと、前記算出手段31dが算出した水素センサ出力に基づいて前記水素に対応する水素発熱量を算出する水素発熱量算出手段31eと、前記算出手段31dが算出した前記混合ガス濃度に対応するように前記発熱量算出情報記憶手段34aが記憶している発熱量算出情報を補正する補正手段31fと、前記算出手段31dが算出した混合ガスセンサ出力と前記補正手段31fが補正した前記発熱量算出情報とに基づいて前記混合ガス濃度に対応する混合ガス発熱量を算出する混合ガス発熱量算出手段31gと、前記水素発熱量算出手段31eが算出した水素発熱量と前記混合ガス発熱量算出手段31gが算出した混合ガス発熱量とに基づいて前記所望濃度の混合ガスの発熱量を示す発熱量情報を生成する発熱量情報生成手段31hと、前記発熱量情報生成手段31hが生成した発熱量情報を通知するために出力する発熱量情報出力手段31iと、を備えることを特徴とする。
上記課題を解決するためになされた請求項2記載の発明は、図1の基本構成図に示すように、請求項1に記載の発熱量算出装置において、前記水素濃度算出手段31cは、前記低温センサ出力取込手段31bが前記所望濃度とは異なる30000〜70000ppmの前記混合ガスに対応する前記低温センサ出力を取り込むと、前記所望濃度に対応するように前記混合ガス中における前記水素濃度を算出することを特徴とする。
上記課題を解決するためになされた請求項3記載の発明は、図1の基本構成図に示すように、請求項1又は2に記載の発熱量算出装置において、前記高温センサ出力取込手段31aが取り込んだ前記複数のガス成分に対応する前記高温センサ出力の少なくとも2つの前記ガス成分に対応する前記高温センサ出力と該高温センサ出力に対応する発熱量との関係を示す算出式に基づいて前記発熱量算出情報を生成する発熱量算出情報生成手段31jをさらに備え、前記発熱量算出情報記憶手段34aは、前記発熱量算出情報生成手段が生成した前記発熱量算出情報を記憶することを特徴とする。
上記課題を解決するためになされた請求項4記載の発明は、図1の基本構成図に示すように、請求項1〜3の何れか1項に記載の発熱量算出装置において、前記高温センサ出力取込手段31aと前記低温センサ出力取込手段31bが取り込んだ前記水素に対応する前記高温センサ出力と前記低温センサ出力とに基づいて前記水素濃度情報を生成する水素濃度情報生成手段31kをさらに備え、前記水素濃度情報記憶手段34bは、前記水素濃度情報生成手段31kが生成した水素濃度情報を記憶することを特徴とする。
上記課題を解決するため本発明によりなされた請求項5記載の発熱量算出方法は、被検ガス中の被検物質に感応する検知素子と前記被検ガス中の被検物質に感応しない比較素子とを有する接触燃焼式ガスセンサ10が出力する前記検知素子と前記比較素子との熱的バランスを示すセンサ出力に基づいて、複数種類のガス成分からなる所望濃度の混合ガスの発熱量を算出する発熱量算出方法であって、通電により前記ガス成分と水素に感応する高温に加熱された前記接触燃焼式ガスセンサ10が出力した前記混合ガスに対応するセンサ出力を高温センサ出力として取り込む過程と、通電により前記水素のみに感応する低温とに加熱された前記接触燃焼式ガスセンサ10が出力した前記混合ガスに対応するセンサ出力を低温センサ出力として取り込む過程と、前記取り込んだ低温センサ出力と前記高温及び前記低温に対応する前記センサ出力と前記水素濃度との関係を示す水素濃度情報とに基づいて前記混合ガス中における前記水素濃度を算出する過程と、前記算出した水素濃度と前記水素濃度情報とに基づいて、前記取り込んだ高温センサ出力における前記水素に対応する水素センサ出力と当該水素を除いた前記混合ガスに対応する混合ガス濃度とその混合ガスセンサ出力とを算出する過程と、前記算出した水素センサ出力に基づいて前記水素に対応する水素発熱量を算出する過程と、前記算出した前記混合ガス濃度に対応するように、前記接触燃焼式ガスセンサ10が出力した前記所望濃度の混合ガスに対応する前記センサ出力に基づいて前記混合ガスの発熱量を算出するための発熱量算出情報を補正する過程と、前記算出した混合ガスセンサ出力と前記補正した発熱量算出情報とに前記混合ガス濃度に対応する混合ガス発熱量を算出する過程と、前記算出した水素発熱量と混合ガス発熱量とに基づいて前記所望濃度の混合ガスの発熱量を示す発熱量情報を生成する過程と、前記生成した発熱量情報を通知するために出力する過程と、を備えることを特徴とする。
上記課題を解決するためになされた請求項6記載の発明は、請求項5に記載の発熱量算出方法において、前記水素濃度を算出する過程は、前記所望濃度とは異なる30000〜70000ppmの前記混合ガスに対応する前記低温センサ出力が取り込まれると、前記所望濃度に対応するように前記混合ガス中における前記水素濃度を算出することを特徴とする。
上記課題を解決するため本発明によりなされた請求項7記載の発熱量測定システムは、図1の基本構成図に示すように、複数種類のガス成分からなる混合ガスの発熱量を測定する発熱量測定システムであって、被検ガス中の被検物質に感応する検知素子と前記被検ガス中の被検物質に感応しない比較素子とを有し、前記検知素子と前記比較素子との熱的バランスを示すセンサ出力を出力する接触燃焼式ガスセンサ10と、請求項1〜4の何れか1項に記載の発熱量算出装置と、を備え、前記発熱量算出装置の前記高温センサ出力取込手段31a及び前記低温センサ出力取込手段31bは、前記接触燃焼式ガスセンサ10のセンサ出力を取り込むことを特徴とする。
上記課題を解決するためになされた請求項8記載の発明は、図1の基本構成図に示すように、請求項7に記載の発熱量算出システムにおいて、前記接触燃焼式ガスセンサ10は、多孔質の焼結合金で形成しているキャップにて前記検知素子と前記比較素子を覆っていることを特徴とする。
上記課題を解決するためになされた請求項9記載の発明は、図1の基本構成図に示すように、請求項7又は8に記載の発熱量算出システムにおいて、前記接触燃焼式ガスセンサ10は、前記センサ出力の感度が少なくとも20%低下するように予め通電したものを用いることを特徴とする。
上記課題を解決するためになされた請求項10記載の発明は、図1の基本構成図に示すように、請求項7〜9の何れか1項に記載の発熱量算出システムにおいて、前記接触燃焼式ガスセンサ10は、炭化水素系のガスを予め定められた期間に亘って接触させたものを用いることを特徴とする。
本発明の発熱量算出装置によれば、混合ガスに対応する低温センサ出力が低温センサ出力取込手段31bによって取り込まれると、この低温センサ出力と水素濃度情報記憶手段34bが記憶している水素濃度情報とに基づいて混合ガス中における水素濃度が水素濃度算出手段31cによって算出される。そして、その水素濃度と水素濃度情報記憶手段34bが記憶している水素濃度情報とに基づいて、高温センサ出力取込手段31aが取り込んだ高温センサ出力における水素に対応する水素センサ出力と当該水素を除いた混合ガスに対応する混合ガス濃度とその混合ガスセンサ出力とが算出手段31dによって算出される。そして、その水素センサ出力に基づいて混合ガス中の水素に対応する水素発熱量が水素発熱量算出手段31eによって算出される。また、算出した混合ガス濃度に対応するように発熱量算出情報記憶手段34aが記憶している発熱量算出情報が補正手段31fによって補正され、その発熱量算出情報と算出した混合ガスセンサ出力とに基づいて水素を除いた混合ガスに対応する混合ガス発熱量が混合ガス発熱量算出手段31gによって算出される。そして、算出した水素発熱量と混合ガス発熱量とに基づいて発熱量情報が発熱量情報生成手段31hによって生成され、その発熱量情報が発熱量情報出力手段31cによって例えば表示装置、通信装置等に出力されることで、混合ガスの発熱量が通知される。
発熱量算出装置によれば、低温センサ出力取込手段31bによって所望濃度とは異なる30000〜70000ppmの混合ガスに対応する低温センサ出力が取り込まれると、所望濃度に対応するように前記混合ガス中における前記水素濃度が水素濃度算出手段31cによって算出される。
発熱量算出装置によれば、高温センサ出力取込手段31aによって取り込まれた複数のガス成分に対応する高温センサ出力の中の少なくとも2つのガス成分に対応する高温センサ出力とその高温センサ出力に対応する発熱量との関係を示す算出式に基づいて発熱量算出情報が発熱量算出情報生成手段31jによって生成され、その発熱量算出情報は発熱量算出情報記憶手段34aに記憶される。
発熱量算出装置によれば、高温センサ出力取込手段31aと低温センサ出力取込手段31bによって取り込まれた水素に対応する高温センサ出力と低温センサ出力に基づいて水素濃度情報が水素濃度情報生成手段31kによって生成されると、その水素濃度情報は水素濃度情報記憶手段34bに記憶される。
また、本発明の発熱量測定システムによれば、接触燃焼式ガスセンサ10がセンサ出力を出力すると、発熱量算出装置30はその通電に応じて高温センサ出力若しくは低温センサ出力として取り込む。そして、取り込んだ低温センサ出力に基づいて混合ガス中における水素濃度が算出され、この水素濃度から取り込んだ混合ガスに対応する高温センサ出力における水素センサ出力と混合ガスセンサ出力と水素を除いた混合ガスの混合ガス濃度とを算出し、この混合ガス濃度に対応するように補正した発熱量情報と混合ガスセンサ出力とに基づいて算出した混合ガス発熱量する。そして、その混合ガス発熱量と水素センサ出力に基づいて算出した水素発熱量とに基づいて発熱量情報を生成する。
発熱量測定システムによれば、接触燃焼式ガスセンサの検知素子及び比較素子は焼結合金で形成されたキャップで覆われることで、そのセンサ出力は、風速、ガスの循環等の影響を受けにくくなる。
発熱量測定システムによれば、接触燃焼式ガスセンサ10には、センサ出力の感度が少なくとも20%低下するように予め通電されてものを用いることで、接触燃焼式ガスセンサの通電開始からの劣化し易い期間の使用が回避される。
発熱量測定システムによれば、接触燃焼式ガスセンサ10には、炭化水素系のガスを予め定められた期間に亘って接触させたものを用いることで、接触燃焼式ガスセンサの素子に被検ガスが接触することによる感度劣化の影響が使用開始直後から回避される。
以上説明したように請求項1に記載した本発明の発熱量算出装置によれば、接触燃焼式ガスセンサが出力する所望濃度の混合ガスに対応する高温センサ出力に基づいて混合ガスの発熱量を算出するための発熱量算出情報と、高温及び低温に加熱された接触燃焼式ガスセンサが出力するセンサ出力と水素濃度との関係を示す水素濃度情報とを記憶しておき、水素のみに感応した低温センサ出力から混合ガスに含まれる水素に対応する水素濃度を算出し、その水素濃度から取り込んだ混合ガスに対応する高温センサ出力における水素センサ出力と混合ガスセンサ出力と水素を除いた混合ガスの混合ガス濃度とを算出し、この混合ガス濃度に対応するように補正した発熱量情報と混合ガスセンサ出力とに基づいて算出した混合ガス発熱量と、水素センサ出力に基づいて算出した水素発熱量とに基づいて発熱量情報を生成することから、混合ガスに水素が含まれていても接触燃焼式ガスセンサが出力したセンサ出力に基づいて正確な混合ガスの発熱量を算出することができる。従って、成分及び比率が不明で水素を含む混合ガスであっても、効果なガスクロマトグラフを用いる必要がなくなるため、その供給システムの簡単化及びコストダウンを図ることができるという効果を奏する。なお、このことは、請求項5に記載した本発明の発熱量算出方法についても同様に言える。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、実際の混合ガスに含まれる水素の量は数%程度であることから、混合ガスの濃度を3000〜7000ppmまで希釈した場合、その混合ガス中の水素濃度は数10〜数100ppm程度となり、このような低濃度はセンサの特性上、その出力は非常に小さな値となってしまうため、所望濃度とは異なる高濃度の混合ガスに対応する低温センサ出力の取り込みを可能とすることで、混合ガスに含まれる水素の量が少ない場合でも、低温センサ出力から正確な水素濃度を算出することが可能となり、混合ガスの発熱量をより一層正確に算出することができるという効果を奏する。なお、このことは、請求項6に記載した本発明の発熱量算出方法についても同様に言える。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、少なくとも2つのガス成分に対応する高温センサ出力とその高温センサ出力に対応する発熱量との関係を示す算出式に基づいて発熱量算出情報を生成しているので、少なくとも2つのガス成分に対応する高温センサ出力を取り込むことで発熱量算出情報を生成することが可能となり、接触燃焼式ガスセンサが出力した混合ガスに対応する高温センサ出力からより正確な発熱量を算出することができるという効果を奏する。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3の何れか1項に記載の発明の効果に加え、取り込んだ高温センサ出力と低温センサ出力とに対応する水素濃度情報を生成しているので、その水素濃度情報は混合ガスを測定する接触燃焼式ガスセンサの特性に応じたものとなり、より正確に混合ガス中の水素濃度と高温センサ出力を算出することができるため、算出する混合ガスの発熱量の精度を向上させることができるという効果を奏する。
以上説明したように請求項7に記載した本発明の発熱量測定システムによれば、混合ガスに対応するセンサ出力を出力する接触燃焼式ガスセンサと、その出力した混合ガスに対応するセンサ出力と発熱量算出情報と水素濃度情報とに基づいて混合ガス中の水素濃度に応じた水素発熱量と水素を除いた混合ガスに応じた混合ガス発熱量を算出する発熱量算出装置と、を備えて発熱量測定システムを構成しているので、成分及び比率が不明で水素を含む混合ガスであっても、その発熱量を容易かつ迅速に測定することができる。従って、供給ガスの発熱量を測定する際に、高価なガスクロマトグラフを用いる必要がなくなるため、その供給システムの簡単化及びコストダウンを図ることができるという効果を奏する。
請求項8に記載の発明によれば、請求項7に記載の発明の効果に加え、焼結合金でキャップを形成することで、接触燃焼式ガスセンサのセンサ出力は、風速、ガスの循環等の影響を受けにくくなるので、センサ出力のバラツキが小さくなり、その精度を向上させることができる。従って、接触燃焼式ガスセンサのセンサ出力の精度を向上させているため、そのセンサ出力からより正確な発熱量を算出することができるという効果を奏する。
請求項9に記載の発明によれば、請求項7又は8に記載の発明の効果に加え、接触燃焼式ガスセンサは通電開始から例えば5日程度が最も劣化し易いが、予め所定期間(例えば5日間以上など)に亘って通電し、その感度が20%程度劣化させたもの用いるので、最初から正確なセンサ出力を得ることができる。従って、使用開始時から正確なセンサ出力を得ることが可能となり、接触燃焼式ガスセンサの劣化の影響を受けることなく、そのセンサ出力からより正確な発熱量を算出することができるという効果を奏する。
請求項10に記載の発明によれば、請求項7〜9の何れか1項に記載の発明の効果に加え、接触燃焼式ガスセンサの通電開始に応じて素子に被検ガスが接触すると、使用開始から最初の2日間で感度が大きく劣化するが、その後ある程度のカーボン吸着によりセンサ出力が安定するため、メタンガスなどの炭化水素系のガスの中で予め定められた期間通電した接触燃焼式ガスセンサを用いることで、使用開始によりセンサ出力の劣化が発生することを防止することができる。従って、使用開始時しても接触燃焼式ガスセンサが出力するセンサ出力は劣化しないので、そのセンサ出力からより正確な発熱量を算出することができるという効果を奏する。
以下、本発明に係る発熱量算出装置を適用した発熱量測定システムの最良の形態の一例を、図2〜図16の図面を参照して説明する。
ここで、図2は本発明の発熱量測定システムの概略構成の一例を示す構成図であり、図3は接触燃焼式ガスセンサの一例を説明するための図であり、図4は図3の検知素子の構成の一例を説明するための図であり、図5は焼結合金キャップと従来の網キャップに対するセンサエアベース出力と経過時間の関係を示すグラフであり、図6は電圧印加後のセンサ出力と経過時間の関係を示すグラフであり、図7はメタンガス中で通電したときのセンサ出力と経過時間の関係を示すグラフであり、図8は本発明に係る発熱量算出装置の概略構成を示す構成図であり、図9は混合ガスを構成する成分のセンサ出力とセンサ温度との関係を示すグラフであり、図10は各ガス成分のセンサ出力と発熱量との関係を示すグラフであり、図11はメタンガスとプロパンガスとに基づいた発熱量算出式を示すグラフであり、図12は高温、低温に対応するセンサ出力と水素濃度との関係を示すグラフであり、図13は図8のCPUが実行する処理概要の一部を示すフローチャートであり、図14は図8のCPUが実行する処理概要の他の一部を示すフローチャートであり、図15は図13中のセンサ出力測定処理の一例を示すフローチャートであり、図16はセンサ出力の測定方法の一例を説明するために図である。
発熱量測定システムは、図2に示すように、混合ガスである供給ガスを収容する容器1と、該容器1に接続している流路2と、該流路2に介在して混合ガスを被検ガスに希釈する(例えば、1〜5%ガス)希釈部3と、該希釈部3の下流側の流路2に接続している切替コック4と、該切替コック4に接続される流路2aに介在して前記被検ガス等が流入するチャンバー等の測定槽5と、該測定槽5内の被検ガスの濃度に応じて出力が変化する接触燃焼式ガスセンサ(以降、ガスセンサという)10と、該ガスセンサ10の出力に基づいて被検ガスの発熱量を算出する発熱量算出装置30と、を有する。
また、切替コック4には、混合ガスをガス成分と成り得る、例えば、メタン、プロパン等の複数の校正用ガスが流れる成分用流路6の一方を接続しており、その他方には複数の校正用ガスの成分容器8a,8bから成分用流路6に流出させる校正用ガスを切り替える成分切替コック7を接続している。
この成分切替コック7には、メタンガスを収容する成分容器8aと、プロパンガスを収容する成分容器8bと、水素を収容する水素容器8cを接続している。なお、図2では、2つの成分容器のみを記載しているが、その本数はこれに限定するものではなく、例えばエタン、ブタン等の他の校正用ガスを収容する成分容器を追加するなど種々異なる実施の形態とすることもできる。
切替コック4と成分切替コック7との間の成分用流路6には、成分切替コック7にて切り替えられて流入する校正用ガスの圧力を測定槽5における測定条件で示された圧力となるように調整(減圧)する圧力調整器9が介在している。そして、流路2及び成分用流路6の各々には、そこを流れる流量を計測する流量計Mが介在している。
また、上述した成分切替コック7にはさらに、エアーを収容するエアー容器8dを接続している。そして、混合ガス、校正用ガス(ガス成分)等の測定を開始する前に、作業員等が切替コック4及び成分切替コック7の切替操作を行うことで、清浄大気中のセンサ出力を計測するために、測定槽5内部にエアーを流入されてエアベース調整を行うことが可能な構成となっている。
次に、ガスセンサ10は、例えば、通電によりガス成分と水素に感応する高温(例えば、約400℃など)に加熱される高温用ガスセンサ10aと、通電により高温よりも低く、水素のみに感応する低温(例えば、約200℃など)に加熱される低温用ガスセンサ10bと、を有する。
ガスセンサ10の各々は、図3に示すように、測定槽5内の被検ガスに感応する検知素子11aを有している。この検知素子11aは、図4に示すように、抵抗線として機能する白金線の中央部にコイル形状部11を形成し、このコイル形状部11を、例えば、酸化アルミニウム粉体の担体にパラジウム等の適宜の酸化触媒を含有した粉体で覆って球状に形成している。
ガスセンサ10はさらに、温度等周囲環境による測定値への影響を排除するための比較素子11bを有しており、この比較素子11bは、燃焼触媒を有しない他は検知素子11aと同様に構成されている。これら素子の白金線は、センサ基台14を貫通する一対のピン12a、12bに接続され、これら素子からの出力値は、センサ基台14の裏面側から突出したピン12a、12bの先端部に接続されるリード線16を介してセンサハウジング外へ出力される。
また、ガスセンサ10には、検知素子11a及び比較素子11bが互いに干渉しないようにこれらの間に干渉防止板13が設けられ、これらは多孔質の焼結合金で形成しているキャップ15及びセンサ基台14から構成されるセンサハウジング内に収納されて保護されている。
キャップ15は、筒形状に形成されていて周壁及び頂壁を有している。そして、被検ガスが焼結合金であるキャップ15に当たると、被検ガスが染み込むようにしてキャップ15内部に入り込み、入り込むときの被検ガスの流速は殆どない状態になる。
そして、上述した構成において、検知素子11a及び比較素子11bはリード線16、ピン12a、12bを介しての通電により上述した高温若しくは低温に加熱された状態で、被検ガスが検知素子11aに接触すると、触媒による接触燃焼反応が生じ、この反応により検知素子11aの温度が上昇して電気抵抗が大きくなり、接触燃焼反応を起こさない比較素子11bとの抵抗バランスが崩れ、この抵抗バランスの崩れに応じてガスセンサ10の後述する抵抗ブリッジ回路から取り出される電圧の変化が生じ、その変化に基づいて被検物質の濃度の検出が可能となる。
本発明のように焼結合金で形成したキャップ15を用いたガスセンサ10と、従来のように網キャップを用いた従来ガスセンサとを通常雰囲気中(エア中)で放置したとき、つまり、エアベースの測定時における各センサ出力の変動は図5に示すようになる。なお、図5では本発明のガスセンサ10と従来ガスセンサのガス中の出力のふらつき量を測定した結果を示している(ふらつきが多いと測定誤差が大きくなる)。
ここで、図5の縦軸はセンサ出力(mV)、横軸は経過時間(秒)をそれぞれ示し、実線が焼結合金のキャップ15を用いた本発明のガスセンサ10、破線が従来の網キャップを用いた従来ガスセンサのセンサエアベース出力と経過時間とのそれぞれの関係を示している。
図5に示すように、ガスセンサ10のセンサ出力は0mV付近で安定しているのに対し、従来ガスセンサのセンサ出力では0mV付近に安定していることもあるが、大半は0mVから約0.5〜1mVの範囲で変動している。つまり、従来ガスセンサは、そのセンサ出力は風速、ガスの循環等の影響を受けやすいが、本発明のガスセンサ10はそれらの影響を受けにくいことが分かる。
よって、焼結合金でキャップ15を形成することで、ガスセンサ10のセンサ出力は風速、ガスの循環等の影響を受けにくくなるので、センサ出力のバラツキが小さくなり、その精度を向上させることができる。また、キャップ15の内壁から検知素子11a及び比較素子11bまでの距離を十分に確保することで、センサ出力の精度をより一層向上させることができる。
また、メタンガスに対するガスセンサ10のセンサ出力を電圧印加後3ヶ月間に亘って測定すると、図6の測定1〜4のグラフに示すように、ガスセンサ10はその使用開始時にはセンサ出力が20mV付近だったのが、約5日が経過するとそのセンサ出力は16mVまで低下する。そして、5日を過ぎるとセンサ出力の低下も小さくなり、センサ出力が安定した状態となる。このようなセンサ出力の初期低下は炭化水素系ガスの測定をする場合に発生する問題である。
本発明のガスセンサ10は、通電開始から例えば5日程度が最も劣化し易いことから、予めガスセンサ10を所定期間(例えば5日間以上など)に亘って通電し、その感度が20%程度劣化させたものを本発明の発熱量測定システムに用いていることで、測定精度の向上を図っている。このようなガスセンサの初期における感度の劣化は、ガス警報器に用いる場合には問題とならないが、発熱量を測定する上では使用開始時からセンサ出力にバラツキが生じることは好ましくなく、予め通電したものを用いることで、最初から正確なセンサ出力を得ることが可能となり、そのセンサ出力に基づいて算出する発熱量の精度を向上させることができる。
また、ガスセンサ10を警報装置に用いる場合とは異なり、発熱量測定システムに用いる場合、継続的かつ定期的にガスセンサ10は被検ガスと接触するため、そのセンサ感度が大きく劣化することが考えられる。そこで、ガスセンサ10を数日間に亘ってメタンガス中で通電した場合のセンサ出力と経過日数との関係は、図7の測定1〜7のグラフに示すようになる。
図7において、ガスセンサ10はその使用開始時にはセンサ出力が18mV付近だったのが、約2日が経過するとそのセンサ出力は12mVまで低下する。そして、使用開始から10日が経過すると、センサ出力も10mV付近で安定する。このガスセンサ10の感度低下は、継続的な燃焼によって素子表面にカーボンを吸着するためであると考えられる。
よって、ガスセンサ10は、使用開始から最初の2日間で感度が大きく劣化し、その後の変化量は減少することから、最初の2日間である程度カーボン吸着による感度劣化が落ち着き、その後は安定したセンサ出力となるため、本発明の発熱量計測システムには、予めメタンガス中で2日間通電させたガスセンサ10を用いることで、最初から正確なセンサ出力を得ることを可能とし、そのセンサ出力に基づいて発熱量を算出することで、その精度を向上させている。
次に、上述した発熱量算出装置30は、図8に示すように、高温用ガスセンサ10aと低温用ガスセンサ10bのそれぞれの検知素子11aと比較素子11bに通電を行う高温用駆動部21a、低温用駆動部21bと、検知素子11aと比較素子11bとの熱的バランスを示すセンサ出力を出力する高温用出力部22a、低温用出力部22bと、予め定められたプログラムに従って動作するマイクロコンピュータ(μCOM)30と、作業者等に各種入力を行わせる操作部40と、μCOM30から指示に応じて各種表示を行う表示部50と、を有して構成している。
μCOM30の出力ポートには高温用駆動部21a、低温用駆動部21b、並びに表示部50、入力ポートには高温用出力部22a、低温用出力部22b、並びに操作部40をそれぞれ接続している。そして、μCOM30からの要求に応じて、高温用駆動部21a及び低温用駆動部21bの各々は高温用ガスセンサ10a及び低温用ガスセンサ10bの駆動/停止を制御し、表示部50は各種表示を行う。また、μCOM30はA/D変換されて高温用出力部22a、低温用出力部22bが出力したセンサ出力を収集し、それらのセンサ出力に基づいて混合ガスの発熱量を算出する。
μCOM30は、周知のように、予め定めたプログラムに従って各種の処理や制御などを行う中央演算処理装置(CPU)31、ガスセンサ(検知素子11a及び比較素子11b)10に対する通電、停止の制御、高温用出力部22a及び低温用出力部22bが出力したセンサ出力の取り込み、発熱量の算出等の各種処理をCPU31に実行させるための各種プログラム等を格納した読み出し専用のメモリであるROM32、各種のデータを格納するとともにCPU31の処理作業に必要なエリアを有する読み出し書き込み自在のメモリであるRAM33等を有して構成している。
また、本最良の形態では、発熱量算出装置30のCPU31を、特許請求の範囲に記載の低温センサ出力取込手段、高温センサ出力取込手段、水素濃度算出手段、算出手段、水素発熱量算出手段、補正手段、混合ガス発熱量算出手段、発熱量情報生成手段、発熱量情報出力手段、発熱量算出情報生成手段、並びに水素濃度情報生成手段として機能させるための各種プログラムを、ROM32に記憶している。
また、μCOM30の入出力ポートには、装置本体がオフ状態の間も記憶内容の保持が可能な電気的消去/書き換え可能な読み出し専用のメモリ(EEPROM)34を接続している。このEEPROM34には、混合ガスの成分となり得る複数種類のガス成分に対応してガスセンサ10が出力したセンサ出力に基づいて混合ガスの発熱量を算出するための発熱量算出情報等を記憶している。
よって、本最良の形態では、EEPROM34が請求項中の発熱量算出情報記憶手段に相当する。なお、発熱量算出情報記憶手段はこれに限定するものではなく、発熱量算出情報をROM32に記憶すれば、そのROM32が発熱量算出情報記憶手段となる。
次に、液化天然ガス(LNG)の成分であるメタン、エタン、プロパン、ブタン等のガス成分と水素に対するガスセンサ10のセンサ温度とセンサ出力との関係を、図9の図面を参照して説明する。なお、図9において、縦軸はセンサ出力(mV)、横軸はセンサ温度(℃)をそれぞれ示し、各グラフは被検物質であるメタン、エタン、プロパン、ブタン、水素の濃度が3000ppmのときのセンサ温度とセンサ出力との関係を示している。
図9に示すように、メタンを主とした炭化水素系ガスはセンサ温度が250℃以下になるとセンサ出力(感度)がなくなるのに対し、水素に関しては200℃付近でもセンサ出力(感度)が得られることが分かる。よって、本最良の形態では、高温用ガスセンサ10aの通電によりガス成分と水素に感応する高温を400℃に設定し、低温用ガスセンサ10bの通電により水素のみに感応する低温を200℃に設定することで、低温用ガスセンサ10bのセンサ出力は水素のみに対応した出力値となっている。
次に、供給ガスの発熱量の算出の一例について、図10及び図11の図面を参照して説明する。ここで、図10及び図11において、縦軸はセンサ出力(mV)、横軸は燃焼熱(MJ/Nm3)をそれぞれ示している。
高温用ガスセンサ10aは、ガスの燃焼反応を利用しているため、理論的には発熱量に比例したセンサ出力が得られる。しかし、各ガス成分の濃度が3000ppmのときに高温用ガスセンサ10aが出力したセンサ出力から発熱量を算出すると、図10に示すように、液化天然ガス(LNG)の成分であるメタン、エタン、プロパン、ブタン等のガス成分のセンサ出力と発熱量の関係は、ある程度の比例関係はあるものの近似直線G1は原点を通らず、単純にセンサ出力の単位出力が発熱量にならないことが分かる。また、水素に対しては、近似直線G1にのらないことが分かる。
そこで、LNGの主成分であるメタンと、その他のガス成分である近似直線G1に最も近い値となっているプロパンとの2種類のガス成分で校正して図11に示す検量線G2を引くことで、この検量線を用いて一定濃度に希釈された未知のLNGの発熱量を測定することができる。
つまり、濃度が3000ppmの未知のLNGに対する検量線G2は、センサ出力をY、発熱量をX、定数をa,bとすると、以下の式で表すことができ、
Y=aX+b …(式1)
センサ出力から発熱量を算出するための発熱量算出式は、
X=(Y−b)/a …(式2)
となり、この式2のYにセンサ出力を代入することで発熱量を算出することができる。
例えば、各ガス濃度が3000ppmのときに、メタンのセンサ出力が17.5mVとすると発熱量は39.84MJ/Nm3、プロパンのセンサ出力が28.2mVとすると発熱量は99.22MJ/Nm3となる。そして、それらの値から検量線G2は、
Y=0.1873X+9.9613 …(式1)’
となる。よって、ガスセンサ10が出力した混合ガスに対応するセンサ出力が20mVの場合は、(式1)’のYに20を代入することで、53.71MJ/Nm3という発熱量を算出することができる。
なお、本最良の形態では、上述した(式2)の算術式を示す算出プログラムをROM32に記憶しておき、その定数a,bを請求項中に記載の所望濃度に対応させて上述したEEPROM34の発熱量算出情報に格納しておき、算出プログラムが発熱量算出情報の定数a,bを参照するようにしている。しかしながら、発熱量算出情報はこれに限定するものではなく、定数a,bも予め定められているときは、算出プログラム自体が発熱量算出情報となる。
また、通常のLNGの主成分はメタンであり、メタンに対するガスセンサ10のセンサ出力は1000ppmで6mV弱と小さく、測定濃度が低すぎると、温度や測定上の誤差により精度が低下する。そのため、通常、ガスセンサ10を使用する場合、15mV前後のセンサ出力が得られるように設定しており、メタンの濃度では3000ppmに相当する。よって、上記理由から混合ガスの発熱量を精度良く測定するためには、3000〜7000ppmの範囲内で前記所望濃度を設定することが好ましい。
EEPROM34はさらに、通電によりガス成分と水素に感応する高温に加熱される高温用ガスセンサ10aと水素のみに感応する低温とに加熱される低温用ガスセンサ10bがそれぞれ出力するセンサ出力と水素濃度との関係を示す算出式の識別が可能な水素濃度情報を記憶している。
例えば、図12に示す3000ppmの水素に対する高温及び低温のセンサ出力と水素濃度との関係を示す各グラフの算出式に対応する水素算出プログラムをROM32に記憶しておき、水素濃度情報はそれらの算出式の定数を有する構成となっている。そして、水素濃度情報の定数は、取り込んだセンサ出力に基づいて算出しており、水素算出プログラムが水素濃度情報の定数を参照するようにしている。
以上の説明からも明らかなように、本最良の形態では、EEPROM34が請求項中に記載の発熱量算出情報記憶手段及び水素濃度情報記憶手段として機能している。
次に、発熱量算出装置のCPU31が実行する本発明に係る処理概要の一例を図13〜図15のフローチャートを参照して以下に説明する。
CPU31は起動されると、図13に示すステップS11において、操作部40からの入力データに基づいて設定要求を受けたか否かが判定される。設定要求を受けていないと判定された場合は(ステップS11でN)、ステップS18に進む。一方、設定要求を受けたと判定された場合は(ステップS11でY)、ステップS12において、メタンガスに対する高温のセンサ出力測定処理が実行され、その処理が終了するとステップS13に進む。
ここで、CPU31が実行するセンサセンサ出力測定処理の一例を図15のフローチャートと、図16のセンサ出力と経過時間の関係を示すグラフを参照して以下に説明する。なお、図16において縦軸がセンサ出力(mV)、横軸が経過時間(秒)をそれぞれ示している。
請求項中の高温センサ出力取込手段及び低温センサ出力取込手段に相当する図15に示すセンサ出力測定処理は、測定対象が指定されて呼び出されると、指定された測定対象を示す混合ガス、メタンガス、プロパンガス、水素等の測定対象の識別が可能な識別データと、高温、低温をセンサ温度データ等がRAM33に格納され、ステップS51において、予め定められたサンプリング時間(例えば、5分など)が経過するとタイムアウトするサンプリングタイマがスタートされ、その後ステップS52に進む。
ステップS52において、RAM33のセンサ温度データに基づいて要求が高温であるか否かが判定される。高温であると判定された場合は(ステップS52でY)、ステップS53において、高温用駆動部21aが駆動され、その後ステップS54(高温センサ出力取込手段)において、高温用出力部22aが出力したセンサ出力が高温センサ出力として取り込まれ、ステップS55において、その高温センサ出力は上述した識別データ、センサ温度データ等に関連付けられて時系列的にRAM33に記憶され、その後ステップS56に進む。
ステップS56において、サンプリングタイマがタイムアウトしたか否かが判定される。タイムアウトしていないと判定された場合は(ステップS56でN)、ステップS54に戻り、一連の処理が繰り返されることで、高温センサ出力が時系列的に収集されることになる。一方、タイムアウトしたと判定された場合は(ステップS56でY)、ステップS61に進む。
また、ステップS52で高温ではない、つまり、低温であると判定された場合は(ステップS52でN)、ステップS57において、低温用駆動部21bが駆動され、その後ステップS58(低温センサ出力取込手段)において、低温用出力部22bからセンサ出力が低温センサ出力として取り込まれ、その後ステップS59において、その低温センサ出力は上述した識別データ、センサ温度データ等に関連付けられて時系列的にRAM33に記憶され、その後ステップS60に進む。
ステップS60において、サンプリングタイマがタイムアウトしたか否かが判定される。タイムアウトしていないと判定された場合は(ステップS60でN)、ステップS58に戻り、一連の処理が繰り返されることで、低温センサ出力が時系列的に収集されることになる。一方、タイムアウトしたと判定された場合は(ステップS60でY)、ステップS61に進む。
ステップS61において、収集された複数のセンサ出力中にガスの注入開始、センサ出力の最大値等が解析され、その後ステップS62において、前記解析にて検出されたガス注入時点前の約1分間に収集されたセンサ出力の平均が平均値1としてRAM33に算出され、その後ステップS63に進む。
ステップS63において、前記解析にて検出されたセンサ出力の最大値以降の約1分間に収集されたセンサ出力の平均が平均値2としてRAM33に算出され、ステップS64において、平均値2と平均値1との差がセンサ出力として算出され、ステップS65において、算出されたセンサ出力が上述した識別データ、センサ温度データ等に関連付けられて高温センサ出力、低温センサ出力としてRAM33の所定領域に記憶され、その後呼び出し元に復帰する。
このようにセンサ出力測定処理を実行することで、指定した測定対象に対応する高温センサ出力若しくは低温センサ出力を収集し、その最大値が検出された以降に収集したセンサ出力の平均値を高温センサ出力若しくは低温センサ出力として算出しているので、ガスセンサ10の特性や、微妙な雰囲気温度の違いにより出力が安定するのに差が生じても、本発明では、センサ出力の最大値以降は安定するという特性に基づいて、その安定したセンサ出力の平均値を高温センサ出力若しくは低温センサ出力とすることで、その精度を向上させている。
図13のステップS13において、他方ガスであるプロパンに対する高温のセンサ出力測定処理が実行され、その処理が終了するとステップS14に進む。なお、センサ出力測定処理の測定については、その測定対象がステップS12と異なるだけで、その測定についてはほぼ同一であるため、詳細な説明は省略する。そして、センサ出力測定処理が実行されることで、プロパンに対応する高温センサ出力がRAM33の前記所定領域に記憶される。
ステップS14(発熱量算出情報生成手段)において、RAM33の前記所定領域に記憶されたメタンガス、プロパンガスに対応する高温センサ出力に基づいてそれぞれの発熱量が算出され、それらの高温センサ出力と発熱量とに基づいて上記発熱量算出式(式2)が算出され、この発熱量算出式の定数a,bを有する発熱量算出情報が生成されてEEPROM34に記憶され、その後ステップS15に進む。
ステップS15において、水素に対する低温のセンサ出力測定処理が実行され、その処理が終了するとステップS16に進む。なお、センサ出力測定処理の測定については、その測定対象とガスセンサ10の加熱温度がステップS12と異なるだけで、その測定についてはほぼ同一であるため、詳細な説明は省略する。そして、センサ出力測定処理が実行されることで、水素に対応する低温センサ出力がRAM33の前記所定領域に記憶される。
ステップS16において、水素に対する高温のセンサ出力測定処理が実行され、その処理が終了するとステップS17に進む。なお、センサ出力測定処理の測定については、その測定対象がステップS12と異なるだけで、その測定についてはほぼ同一であるため、詳細な説明は省略する。そして、センサ出力測定処理が実行されることで、水素に対応する高温センサ出力がRAM33の前記所定領域に記憶される。
ステップS17(水素濃度情報生成手段)において、測定された高温センサ出力と低温センサ出力とに基づいて上述した図12に示す高温及び低温のグラフに対応した水素関係式が算出され、その定数を有する水素濃度情報が生成されてEEPROM34に記憶され、その後ステップS18に進む。
水素関係式の算出例としては、3000ppmの水素に対応する高温センサ出力、低温センサ出力の各々とゼロを通る高温(400℃)、低温(200℃)に対応するグラフを示す算出式が算出され、その定数(傾き)を有する水素濃度情報を生成している。そして、水素算出プログラムは実行されると、指定された高温センサ出力、低温センサ出力に対応する水素濃度を算出し、また、指定されたセンサ温度と水素濃度に対応するセンサ出力を算出する。
ステップS18において、操作部40からの入力データに基づいて混合ガスの測定要求を受けたか否かが判定される。測定要求を受けていないと判定された場合は(ステップS18でN)、図14のステップS33に進む。一方、測定要求を受けたと判定された場合は(ステップS18でY)、ステップS19に進む。
ステップS19において、混合ガスに対する低温のセンサ出力測定処理が実行され、その処理が終了するとステップS20に進む。なお、センサ出力測定処理の測定については、その測定対象がステップS12と異なるだけで、その測定についてはほぼ同一であるため、詳細な説明は省略する。そして、センサ出力測定処理が実行されることで、混合ガスに対応する低温センサ出力がRAM33の前記所定領域に記憶される。
なお、上述したように低温に加熱された低温用ガスセンサ10bには水素しか感応しないため、混合ガスに対応する低温センサ出力は、混合ガス中の水素のみに対応している。
ステップS20において、混合ガスに対する高温のセンサ出力測定処理が実行され、その処理が終了するとステップS21に進む。なお、センサ出力測定処理の測定については、その測定対象がステップS12と異なるだけで、その測定についてはほぼ同一であるため、詳細な説明は省略する。そして、センサ出力測定処理が実行されることで、混合ガスに対応する高温センサ出力がRAM33の前記所定領域に記憶される。
ステップS21(水素濃度算出手段)において、水素のみに感応した値である混合ガスに対応する低温センサ出力が指定されて水素算出プログラムが実行されることで、その低温センサ出力に対応する濃度が算出され、その算出結果が水素濃度としてRAM33に記憶され、その後ステップS22に進む。
なお、低温にて混合ガスを測定する場合に、実際の混合ガスに含まれる水素の量は数%程度であり、混合ガスの濃度を3000〜7000ppmまで希釈した場合、その混合ガス中の水素濃度は数10〜数100ppm程度となることから、このような低濃度はセンサの特性上、その出力は非常に小さな値となってしまうため、接触燃焼式ガスセンサ10の場合は少なくとも500ppm以上の濃度でないと測定が難しい。
そこで、図14に示すステップS22において、低温時に測定した混合ガスの濃度、つまり、RAM33の水素濃度が500ppm以下であるか否かが判定される。500ppm以下ではないと判定された場合は(ステップS22でN)、ステップS27に進む。一方、500ppm以下であると判定された場合は(ステップS22でY)、ステップS23に進む。
ステップS23において、低温用ガスセンサ10bにて水素に対応するセンサ出力を得るためには、例えば、高温用の約10倍の濃度を設定して測定することが好ましいことから、所望濃度の約10倍の濃度を設定した値が希釈濃度として設定され、該希釈濃度を示す希釈濃度情報が表示部50に出力されることで、表示部50に希釈濃度が表示され、その後、ステップS24に進む。
このように本最良の形態では、混合ガスを低温用ガスセンサ10bで測定するときに、所望濃度とは異なる濃度の指定を可能とすることで、混合ガス中の水素濃度をより正確に測定できるようにしている。
ステップS24において、操作部40からの入力データに基づいて、表示部50に表示された希釈濃度に対する混合ガスの測定要求を受けたか否かが判定される。測定要求を受けていないと判定された場合は(ステップ24でN)、この判定処理を繰り返すことで、要求を待つ。一方、測定要求を受けたと判定された場合は(ステップS24でY)、ステップS25に進む。
ステップS25において、ステップS19と同様に、混合ガスに対する低温のセンサ出力測定処理が実行され、その処理が終了するとステップS26に進む。そして、センサ出力測定処理が実行されることで、混合ガスに対応する低温センサ出力がRAM33の前記所定領域に記憶される。
ステップS26において、RAM33の希釈濃度に対する低温センサ出力に対して水素算出プログラムが実行されることで、低温時の希釈濃度に対する水素希釈濃度が算出され、この水素希釈濃度は所定濃度に対する水素濃度に変換されてRAM33に記憶され、その後ステップS27に進む。なお、水素濃度の算出の一例としては、希釈濃度が30000ppmで混合ガスを測定したときに、水素濃度が1500ppmとすると、所望濃度が3000ppmの場合における水素濃度は150ppmとなる。
ステップS27(算出手段)において、算出した水素濃度とEEPROM34の水素濃度情報(高温のグラフ)とに基づいて高温センサ出力における水素に対応する水素センサ出力が算出され、水素を除いた混合ガスの濃度を示す混合ガス濃度とその出力を示す混合ガスセンサ出力(高温センサ出力−水素センサ出力)が算出され、その後ステップS28に進む。
ステップS28(補正手段)において、算出した混合ガス濃度に対応するようにEEPROM34の発熱量算出情報が補正され、その後ステップS29に進む。例えば、所望濃度が3000ppmのときに、水素を除いた混合ガス濃度が2700ppmであったとすると、2700ppmに対応するように発熱量算出情報を補正する。
ステップS29(混合ガス発熱量算出手段)において、上記発熱量算出式(式2)のYに算出した混合ガスセンサ出力、定数a,bに補正された発熱量算出情報の定数a,bの各々が代入されて算出されることで、水素を除いた混合ガスに対応する混合ガス発熱量が上記発熱量算出式(式2)により算出され、その後ステップS30(水素発熱量算出手段)において、算出した水素センサ出力から水素に対応する水素発熱量が算出され、その後ステップS31に進む。
ステップS31(発熱量情報生成手段)において、算出した混合ガス発熱量と水素発熱量とその和が混合ガスの発熱量として算出され、その発熱量をMJ/Nm3で表示するように換算され、その発熱量を示す発熱量情報が生成されてRAM33に記憶され、その後ステップS32に進む。
ステップS32(発熱量情報出力手段)において、その発熱量情報が表示部50に出力されることで、表示部50に発熱量が表示され、その後ステップS33に進む。なお、発熱量情報の出力については、装置構成に通信部を設けて送信する場合はその通信部に出力するなど種々異なる実施の形態とすることができる。
ステップS33において、操作部40からの入力データに基づいて終了要求を受けたか否かが判定される。終了要求を受けていないと判定された場合は(ステップS33でN)、ステップS11に戻り、一連の処理が繰り返される。一方、終了要求を受けたと判定された場合は(ステップS33でY)、処理が終了される。
よって、上述した本最良の形態において発熱量算出装置30のCPU31は、特許請求の範囲に記載の低温センサ出力取込手段、高温センサ出力取込手段、水素濃度算出手段、算出手段、水素発熱量算出手段、補正手段、混合ガス発熱量算出手段、発熱量情報生成手段、発熱量情報出力手段、発熱量算出情報生成手段、並びに水素濃度情報生成手段として機能している。
次に、上述した本発明に係る発熱量算出装置30を用いた発熱量測定システムの本最良の形態の動作(作用)の一例を、以下に説明する。
図2において、成分切替コック7をエアー容器8dに切り替え、切替コック4の切替操作が行われることで、測定槽5内部にエアーが流入させてエアベース調整が行われる。そして、成分切替コック7をメタンの成分容器8aに切り替え、切替コック4の切替操作が行われることで、測定槽5内にガス成分としてメタンガスが注入される。
この状態で、発熱量算出装置30の操作部40によりメタンガスの測定開始が操作されると、発熱量算出装置30は高温用ガスセンサ10aに対する通電を開始し、その高温用ガスセンサ10aが出力した高温センサ出力を取り込み、それをメタンガスの高温センサ出力として記憶する。
上述したエアベース調整が行われた後、成分切替コック7をプロパンガスの成分容器8bに切り替え、切替コック4の切替操作が行われることで、測定槽5内にガス成分としてプロパンガスが注入される。この状態で、発熱量算出装置30の操作部40によりプロパンガスの測定開始が操作されると、発熱量算出装置30は高温用ガスセンサ10aに対する通電を開始し、その高温用ガスセンサ10aが出力した高温センサ出力を取り込み、それをプロパンガスの高温センサ出力として記憶する。
2つのガス成分の高温センサ出力の取り込みが終了すると、発熱量算出装置30はメタンガスとプロパンガスに対応するセンサ出力に基づいて上記発熱量算出式(式2)を算出し、この発熱量算出式の定数a,bを有する発熱量算出情報を生成してEEPROM34に記憶する。
次に、上述したエアベース調整が行われた後、成分切替コック7を水素容器8cに切り替え、切替コック4の切替操作が行われることで、測定槽5内に水素が注入される。そして、低温用ガスセンサ10bへの通電に応じた低温センサ出力を取り込み、その後高温用ガスセンサ10aへの通電に応じた高温センサ出力を取り込む。そして、取り込んだ高温センサ出力及び低温センサ出力とに対応する水素関係式を算出し、その定数を有する水素濃度情報を生成してEEPROM34に記憶する。
上述したエアベース調整が行われた後、切替コック4を流路2に切り替えられることで、3000ppmに希釈された被検ガス(混合ガス)が測定槽5内に注入される。そして、操作部40に対する操作により測定要求が発生すると、発熱量算出装置30は低温用ガスセンサ10bに対する通電を開始させ、その低温用ガスセンサ10bが出力した低温センサ出力を取り込む。そして、高温用ガスセンサ10aに対する通電を開始させ、その高温用ガスセンサ10aが出力した高温センサ出力を取り込む。
取り込んだ低温センサ出力に対応する水素濃度を図12に示す水素関係式に基づいて算出し、その水素濃度に対応する水素センサ出力を前記水素関係式から算出する。そして、所望濃度から水素濃度を差し引いて、水素を除いた混合ガスの混合ガス濃度を算出し、取り込んだ高温センサ出力から水素センサ出力を差し引いて、水素を除いた混合ガスに対応する混合ガスセンサ出力を算出する。
算出した混合ガス濃度に対応するように発熱量算出情報を補正し、算出した混合ガスセンサ出力に対応する混合ガス発熱量が補正した発熱量算出情報に基づいて算出するとともに、算出した水素センサ出力に基づいて混合ガスに含まれた水素に対応する水素発熱量を算出する。そして、それらの混合ガス発熱量と水素発熱量とを足して混合ガスの発熱量を算出し、少なくとも混合ガスの発熱量を示す発熱量情報を生成し、発熱量情報を表示部50に出力することで、表示部50に発熱量が表示される。
よって、供給ガスの発熱量を測定する際に、その混合ガスを本発明の発熱量測定システムにて測定することで、混合ガスの発熱量を容易に測定することができるため、従来のように高価なガスクロマトグラフを用いる必要がなくなるため、その供給システムの簡単化及びコストダウンを図ることができる。
また、本発明の発熱量算出装置30は、高温用ガスセンサ(接触燃焼式ガスセンサ)10aが出力する所望濃度の混合ガスに対応する高温センサ出力に基づいて混合ガスの発熱量を算出するための発熱量算出情報と、高温用ガスセンサ10aと低温用ガスセンサ10bの出力と水素濃度との関係を示す水素濃度情報と、を記憶しておき、水素のみに感応した低温センサ出力から混合ガスに含まれる水素に対応する水素濃度を算出し、その水素濃度から取り込んだ混合ガスに対応する高温センサ出力における水素センサ出力と混合ガスセンサ出力と水素を除いた混合ガスの混合ガス濃度とを算出し、この混合ガス濃度に対応するように補正した発熱量情報と混合ガスセンサ出力とに基づいて算出した混合ガス発熱量と、水素センサ出力に基づいて算出した水素発熱量とに基づいて発熱量情報を生成することから、混合ガスに水素が含まれていても高温用ガスセンサ10aが出力したセンサ出力に基づいて正確な混合ガスの発熱量を算出することができる。
なお、上述した本最良の形態では、2つのガス成分に対応した高温センサ出力から発熱量算出情報を生成してEEPROM34に記憶する場合について説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、発熱量算出情報を予めEEPROM34に記憶しておき、上述した図2の構成から、成分流路側の構成を削除し、測定槽5には容器1からの被検ガス(混合ガス)のみを注入するようにするなど種々異なる実施の形態とすることができる。
本発明の発熱量算出装置及び発熱量測定システムの基本構成を示す図である。 本発明の発熱量測定システムの概略構成の一例を示す構成図である。 接触燃焼式ガスセンサの一例を説明するための図である。 図3の検知素子の構成の一例を説明するための図である。 焼結合金キャップと従来の網キャップに対するセンサエアベース出力と経過時間の関係を示すグラフである。 電圧印加後のセンサ出力と経過時間の関係を示すグラフである。 メタンガス中で通電したときのセンサ出力と経過時間の関係を示すグラフである。 本発明に係る発熱量算出装置の概略構成を示す構成図である。 混合ガスを構成する成分のセンサ出力とセンサ温度との関係を示すグラフである。 各ガス成分のセンサ出力と発熱量との関係を示すグラフである。 メタンガスとプロパンガスとに基づいた発熱量算出式を示すグラフである。 高温、低温に対応するセンサ出力と水素濃度との関係を示すグラフである。 図8のCPUが実行する処理概要の一部を示すフローチャートである。 図8のCPUが実行する処理概要の他の一部を示すフローチャートである。 図13中のセンサ出力測定処理の一例を示すフローチャートである。 センサ出力の測定方法の一例を説明するために図である。
符号の説明
10 接触燃焼式ガスセンサ
30 発熱量算出装置
31a 高温センサ出力取込手段(CPU)
31b 低温センサ出力取込手段(CPU)
31c 水素濃度算出手段(CPU)
31d 算出手段(CPU)
31e 水素発熱量算出手段(CPU)
31f 補正手段(CPU)
31g 混合ガス発熱量算出手段(CPU)
31h 発熱量情報生成手段(CPU)
31i 発熱量情報出力手段(CPU)
31j 発熱量情報生成手段(CPU)
31k 水素濃度情報生成手段(CPU)
34a 発熱量情報記憶手段(CPU)
34b 水素濃度情報記憶手段(CPU)

Claims (10)

  1. 被検ガス中の被検物質に感応する検知素子と前記被検ガス中の被検物質に感応しない比較素子とを有する接触燃焼式ガスセンサが出力する前記検知素子と前記比較素子との熱的バランスを示すセンサ出力に基づいて、複数種類のガス成分からなる所望濃度の混合ガスの発熱量を算出する発熱量算出装置であって、
    前記接触燃焼式ガスセンサが出力した前記所望濃度の混合ガスに対応する前記センサ出力に基づいて、前記混合ガスの発熱量を算出するための発熱量算出情報を記憶する発熱量算出情報記憶手段と、
    通電により前記ガス成分と水素に感応する高温と前記水素のみに感応する低温とに加熱される前記接触燃焼式ガスセンサが出力する前記センサ出力と水素濃度との関係を示す水素濃度情報を記憶する水素濃度情報記憶手段と、
    前記高温に加熱される前記接触燃焼式ガスセンサが出力した前記混合ガスに対応するセンサ出力を高温センサ出力として取り込む高温センサ出力取込手段と、
    前記低温に加熱される前記接触燃焼式ガスセンサが出力した前記混合ガスに対応する前記センサ出力を低温センサ出力として取り込む低温センサ出力取込手段と、
    前記低温センサ出力取込手段が取り込んだ低温センサ出力と前記水素濃度情報記憶手段が記憶している水素濃度情報とに基づいて前記混合ガス中における前記水素濃度を算出する水素濃度算出手段と、
    前記水素濃度算出手段が算出した水素濃度と前記水素濃度情報記憶手段が記憶している水素濃度情報とに基づいて、前記高温センサ出力取込手段が取り込んだ高温センサ出力における前記水素に対応する水素センサ出力と当該水素を除いた前記混合ガスに対応する混合ガス濃度とその混合ガスセンサ出力とを算出する算出手段と、
    前記算出手段が算出した水素センサ出力に基づいて前記水素に対応する水素発熱量を算出する水素発熱量算出手段と、
    前記算出手段が算出した前記混合ガス濃度に対応するように前記発熱量算出情報記憶手段が記憶している発熱量算出情報を補正する補正手段と、
    前記算出手段が算出した混合ガスセンサ出力と前記補正手段が補正した前記発熱量算出情報とに基づいて前記混合ガス濃度に対応する混合ガス発熱量を算出する混合ガス発熱量算出手段と、
    前記水素発熱量算出手段が算出した水素発熱量と前記混合ガス発熱量算出手段が算出した混合ガス発熱量とに基づいて前記所望濃度の混合ガスの発熱量を示す発熱量情報を生成する発熱量情報生成手段と、
    前記発熱量情報生成手段が生成した発熱量情報を通知するために出力する発熱量情報出力手段と、
    を備えることを特徴とする発熱量算出装置。
  2. 前記水素濃度算出手段は、前記低温センサ出力取込手段が前記所望濃度とは異なる30000〜70000ppmの前記混合ガスに対応する前記低温センサ出力を取り込むと、前記所望濃度に対応するように前記混合ガス中における前記水素濃度を算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の発熱量算出装置。
  3. 前記高温センサ出力取込手段が取り込んだ前記複数のガス成分に対応する前記高温センサ出力の少なくとも2つの前記ガス成分に対応する前記高温センサ出力と該高温センサ出力に対応する発熱量との関係を示す算出式に基づいて前記発熱量算出情報を生成する発熱量算出情報生成手段をさらに備え、
    前記発熱量算出情報記憶手段は、前記発熱量算出情報生成手段が生成した前記発熱量算出情報を記憶する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の発熱量算出装置。
  4. 前記高温センサ出力取込手段と前記低温センサ出力取込手段が取り込んだ前記水素に対応する前記高温センサ出力と前記低温センサ出力とに基づいて前記水素濃度情報を生成する水素濃度情報生成手段をさらに備え、
    前記水素濃度情報記憶手段は、前記水素濃度情報生成手段が生成した水素濃度情報を記憶する
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の発熱量算出装置。
  5. 被検ガス中の被検物質に感応する検知素子と前記被検ガス中の被検物質に感応しない比較素子とを有する接触燃焼式ガスセンサが出力する前記検知素子と前記比較素子との熱的バランスを示すセンサ出力に基づいて、複数種類のガス成分からなる所望濃度の混合ガスの発熱量を算出する発熱量算出方法であって、
    通電により前記ガス成分と水素に感応する高温に加熱された前記接触燃焼式ガスセンサが出力した前記混合ガスに対応するセンサ出力を高温センサ出力として取り込む過程と、
    通電により前記水素のみに感応する低温とに加熱された前記接触燃焼式ガスセンサが出力した前記混合ガスに対応するセンサ出力を低温センサ出力として取り込む過程と、
    前記取り込んだ低温センサ出力と前記高温及び前記低温に対応する前記センサ出力と前記水素濃度との関係を示す水素濃度情報とに基づいて前記混合ガス中における前記水素濃度を算出する過程と、
    前記算出した水素濃度と前記水素濃度情報とに基づいて、前記取り込んだ高温センサ出力における前記水素に対応する水素センサ出力と当該水素を除いた前記混合ガスに対応する混合ガス濃度とその混合ガスセンサ出力とを算出する過程と、
    前記算出した水素センサ出力に基づいて前記水素に対応する水素発熱量を算出する過程と、
    前記算出した前記混合ガス濃度に対応するように、前記接触燃焼式ガスセンサが出力した前記所望濃度の混合ガスに対応する前記センサ出力に基づいて前記混合ガスの発熱量を算出するための発熱量算出情報を補正する過程と、
    前記算出した混合ガスセンサ出力と前記補正した発熱量算出情報とに前記混合ガス濃度に対応する混合ガス発熱量を算出する過程と、
    前記算出した水素発熱量と混合ガス発熱量とに基づいて前記所望濃度の混合ガスの発熱量を示す発熱量情報を生成する過程と、
    前記生成した発熱量情報を通知するために出力する過程と、
    を備えることを特徴とする発熱量算出方法。
  6. 前記水素濃度を算出する過程は、前記所望濃度とは異なる30000〜70000ppmの前記混合ガスに対応する前記低温センサ出力が取り込まれると、前記所望濃度に対応するように前記混合ガス中における前記水素濃度を算出する
    ことを特徴とする請求項5に記載の発熱量算出方法。
  7. 複数種類のガス成分からなる混合ガスの発熱量を測定する発熱量測定システムであって

    被検ガス中の被検物質に感応する検知素子と前記被検ガス中の被検物質に感応しない比較素子とを有し、前記検知素子と前記比較素子との熱的バランスを示すセンサ出力を出力する接触燃焼式ガスセンサと、請求項1〜4の何れか1項に記載の発熱量算出装置と、を備え、
    前記発熱量算出装置の前記高温センサ出力取込手段及び前記低温センサ出力取込手段は、前記接触燃焼式ガスセンサのセンサ出力を取り込む
    ことを特徴とする発熱量測定システム。
  8. 前記接触燃焼式ガスセンサは、多孔質の焼結合金で形成しているキャップにて前記検知素子と前記比較素子を覆っている
    ことを特徴とする請求項7に記載の発熱量測定システム。
  9. 前記接触燃焼式ガスセンサは、前記センサ出力の感度が少なくとも20%低下するように予め通電したものを用いる
    ことを特徴とする請求項7又は8に記載の発熱量測定システム。
  10. 前記接触燃焼式ガスセンサは、炭化水素系のガスを予め定められた期間に亘って接触させたものを用いる
    ことを特徴とする請求項7〜9の何れか1項に記載の発熱量測定システム。
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