JP4585762B2 - ポリチオスルフェンアミド官能基を有するカップリング剤を含むタイヤ用ゴム組成物 - Google Patents
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Description
さらに詳細には、本発明は、補強用無機充填剤とジエンエラストマーとをカップリングさせるための結合剤のそのような組成物における使用に関する。
カーボンブラックがそのような能力を有することは十分に知られているが、このことは無機充填剤には一般に当てはまらない。何故ならば、無機充填剤粒子は、相互に引付け合うために、エラストマーマトリックス内で一緒に凝集するという刺激的な性向を有するからである。これらの相互作用は、無機充填剤の分散性、従って、補強特性を、混合操作中に生じ得る(無機充填剤/エラストマー)結合のすべてが実際に得られたと想定した場合の理論的に達成できたであろうレベルよりも実質的に低いレベルに制約するという有害な結果を有する。これらの相互作用は、さらにまた、未硬化状態のゴム組成物の粘度を増大させる傾向を有し、従って、それらのゴム組成物の加工(“加工性”)をカーボンブラックの存在におけるよりも困難にしている。
しかしながら、燃料経済性および環境保護の必要性が優先事項となってきていることから、耐摩耗性に悪影響を及ぼすことなく低減された転がり抵抗性を有するタイヤを製造する必要性が明白となっている。このことは、“補強用”充填剤と称する特定の無機充填剤で補強した新しいゴム組成物の発見に基づきとりわけ可能となってきており、これらの充填剤は、補強の見地から、通常のタイヤ級カーボンブラックと拮抗し、さらにまた、これらの組成物に、そのゴム組成物を含むタイヤにおける低転がり抵抗性と同義である低ヒステリシスを、さらにまた、湿潤、積雪または氷結地面上での極めて良好なグリップ特性を与え得る。
とりわけ、特許文献1、2および7を挙げれば、これらの文献は、高分散性を有する沈降シリカで補強したジエンゴム組成物を開示しており、そのような組成物は、著しく改良された転がり抵抗性を有するトレッド類を、他の特性、とりわけ、グリップ特性、耐久性および耐摩耗性に悪影響を与えることなく製造することを可能にしている。相反する諸特性のそのような妥協点を有するそのような組成物は、補強用無機充填剤としての高分散性を有する特定のアルミナ類による特許文献5においても記載されている。
これら特定の高分散性無機充填剤の使用は、これら充填剤を含有するゴム組成物を未硬化状態で加工する困難性を低減しているものの、そのようなゴム組成物も、まだ依然として、カーボンブラックを通常に充填したゴム組成物におけるよりも加工するのが困難である。
とりわけ、結合剤とも称するカップリング剤を使用することを必要としている。カップリング剤の機能は、エラストマーマトリックス内での無機充填剤の分散を容易にしながら、無機充填剤粒子表面とジエンエラストマー間の結合を与えることである。
Yは、無機充填剤と物理的および/または化学的に結合し得、そのような結合が、例えば、カップリング剤のシリコン原子と無機充填剤の表面ヒドロキシル(OH)基(例えば、シリカの場合の表面シラノール類)間で確立され得る官能基(官能基“Y”)を示し;
Xは、ジエンエラストマーと、例えば、イオウ原子により物理的および/または化学的に結合し得る官能基(“X”官能基)を示し;
Tは、YとXを結合させることのできる2価の有機基である。
これらのカップリング剤は、とりわけ、無機充填剤に対して活性である官能Yを公知の形で含み得るがジエンエラストマーに対して活性である官能Xは含んでいない無機充填剤を被覆するための単純な薬剤と混同すべきではない。
カップリング剤、とりわけ、(シリカ/ジエンエラストマー)カップリング剤は多数の文献に記載されており、知られている最良ものは、“Y”官能基として3個のオルガノキシシリル(とりわけ、アルコキシシリル)官能基を、また、X官能基として、とりわけ硫化官能基(即ち、イオウを含む)のようなジエンエラストマーと反応し得る少なくとも1個の基を担持する2官能性オルガノシラン類である。
この欠点を克服するために、これらのメルカプトアルコキシシラン類をポリ硫化アルコキシシラン類、とりわけ、多くの文献に記載されているようなビス-(アルコキシシリルプロピル)ポリスルファイド類に置換えることが提案されている(例えば、特許文献18、15、19、16または20を参照されたい)。これらのポリスルフィド類のうち、ビス-3-トリエトキシシリルプロピルテトラスルフィド(TESPTと略す)およびビス-3-トリエトキシシリルプロピルジスルフィド(TESPDと略す)は、とりわけ取り上げなければならない。
これらのポリ硫化アルコキシシラン類、とりわけTESPTは、補強用無機充填剤とりわけシリカを含む加硫ゴム組成物において、スコーチに対する抵抗性、加工性の容易さおよび補強作用の点で最良の妥協点を提供している製品であると一般にみなされている。従って、ポリ硫化アルコキシシラン類は、比較的費用高でありさらにまた殆どの場合比較的大量に使用しなければならないという公知の欠点(例えば、特許文献21、22、23参照)を有するとしても、タイヤ用のゴム組成物において今日のところ最も使用されているカップリング剤である。
これらのカップリング剤は、X官能基として、特定のポリチオスルフェンアミド官能基を担持する本質的な特徴を有するオルガノシリコン化合物である。さらにまた、これらのオルガノシリコン化合物は、未加硫状態のゴム組成物の過剰の粘度に関連する上述のスコーチおよび加工性問題(これらの欠点は、とりわけメルカプトシラン類において見出される)を有していない。
(I) ≡ Si − A − Sx − N R1 R2
(式中、Aは、上記ポリチオスルフェンアミド基を上記オルガノシリコン化合物の第1シリコン原子に結合させるのを可能にする直鎖または枝分れの2価の結合基であり;
xは、2〜4の整数または分数であり;
R1は、水素、1価の炭化水素基またはR2を示し;
R2は、下記の基を示す:
− B − Si ≡
Bは、直鎖または枝分れの2価の結合基であり;
Siは、上記オルガノシリコン化合物の第2シリコン原子を示す)。
本発明のもう1つの主題は、タイヤ類の製造およびそのようなタイヤ用の半製品の製造における本発明に従うゴム組成物の使用であり、これらの半製品は、とりわけ、トレッド類、例えばこれらトレッド類の下に置くための下地層類、クラウン補強プライ類、側壁類、カーカス補強プライ類、ビーズ類、プロテクター類、内部チューブ類およびチューブレスタイヤ用の気密内部ゴム類からなる群から選ばれる。
本発明は、とりわけタイヤ類用のトレッドに関し、これらのトレッドは、新しいタイヤの製造においてあるいは磨耗タイヤの再キャッピングにおいて使用できる;本発明の組成物故に、これらのトレッド類は、次の特性すべてを有する:低転がり抵抗性、極めて良好なグリップ性および高耐摩耗性。
また、本発明は、タイヤ類の製造において有用なゴム組成物の製造方法に関し、そのような方法は、下記の各工程:
・ミキサー内で、ジエンエラストマー中に、少なくとも:
‐補強用無機充填剤、
‐(無機充填剤/ジエンエラストマー)カップリング剤としての、少なくとも2官能性であり、イオウ基によって上記エラストマー上にグラフトさせ得るポリシリル化オルガノシリコン化合物、
を混入する工程;
・混合物全体を、1以上の工程で、110℃〜190℃の最高温度に達するまで熱機械的に混練する工程;
・混合物全体を100℃未満の温度に冷却する工程;
・次いて、加硫系を混入する工程;
・混合物全体を、120℃未満の最高温度に達するまで混練する工程;
を含み、上記イオウ基が上述の式(I)を満たすことを特徴とする。
最後に、本発明の主題は、タイヤ類の製造において有用なエラストマー組成物における無機充填剤とジエンエラストマーのカップリング方法に関し、そのような方法は、下記の各工程:
・ミキサー内で、ジエンエラストマー中に、少なくとも:
‐補強用無機充填剤、
‐(無機充填剤/ジエンエラストマー)カップリング剤としての、少なくとも2官能性であり、イオウ基によって上記エラストマー上にグラフトさせ得るオルガノシリコン化合物、
を混入する工程;
・混合物全体を、1以上の工程で、110℃〜190℃の最高温度に達するまで熱機械的に混練する工程;
・混合物全体を100℃未満の温度に冷却する工程;
を含み、上記イオウ基が上述の式(I)を満たすことを特徴とする。
本発明およびその利点は、下記の説明および各実施例、並びにこれらの実施例に関連する添付図面に照らして容易に理解されるであろう。
各ゴム組成物は、以下に示すようにして、硬化の前後において特性決定する。
I-1. ムーニー可塑度
フレンチ スタンダード(French Standard) NF T 43-005(1991年)に記載されているような振動(oscillating)稠度計を使用する。ムーニー可塑度は、次の原理に従って測定する:未硬化組成物(即ち、硬化前)を100℃に加熱した円筒状の囲い内で成形する。1分間の予熱後、ローターが試験片内で2 rpmで回転し、この運動を維持するのに使用したトルクを4分間の回転後に測定する。ムーニー可塑度(ML 1 + 4)は、“ムーニー単位”(MU、1MU = 0.83ニュートン.メートル)で表す。
I-2 スコーチ時間
測定は、フレンチ スタンダードNF T 43-005(1991年)に従って130℃で行う。時間の関数としての稠度測定係数の展開によって、パラメーターT5(大きいローターの場合)により上記スタンダードに従って評価し、分で表示し、この係数において測定した最低値よりも5単位高い稠度測定係数(MUで表示)の増加を得るのに必要な時間として定義したゴム組成物におけるスコーチ時間を測定することが可能である。
測定は、DINスタンダード 53529-パート3 (1983年6月)に従い、振動室レオメーターを使用して150℃で実施する。時間の関数としての流動度測定トルクの展開が加硫反応後の組成物の剛化の展開を説明する(図1参照)。測定値は、DINスタンダード 53529-パート2 (1983年3月)に従って加工する: tiは、誘導時間、即ち、加硫反応が始まるのに要する時間であり;tα(例えば、t90またはt99)は、α%の転化率、即ち、最低トルク値と最高トルク値間の偏差α%(例えば、それぞれ、90%または99%)を得るのに要する時間である。30%転化と80%転化間で算出した位数(order) 1の転化率定数K(min-1で表す)も測定し、それによって、加硫速度の評価をできるようにする。
I-4 引張試験
これらの試験は、弾性応力および破壊時諸特性の測定を可能にする。特に断らない限り、これらの試験は、1988年9月のフレンチ スタンダードNF T 46-002に従って行う。10%伸び(ME10)、100%伸び(ME100)および300%伸び(ME300)での公称割線モジュラス(または見掛け応力、MPaでの)を2回目の伸び(即ち、調節サイクル後)に測定する。破壊応力(MPaでの)および破壊時伸び(%での)も測定する。これらの引張測定は、すべて、フレンチ スタンダードNF T40-101 (1979年12月)に従う規定の温度(23±2℃)および湿度(50±5%相対湿度)の規定条件下で行う。
記録した引張データを処理することにより、伸びの関数としてのモジュラス曲線をトレースすることも可能となり(図2参照)、ここで使用するモジュラスは、1回目の伸びで測定し、試験片の真の横断面に縮小して算出した、公称モジュラスにおける従来のような初期断面に基づいて算出したものでない真の割線モジュラスである。
本発明に従うゴム組成物は、少なくとも次の各成分をベースとする:(i) (少なくとも1種の)ジエンエラストマー、(ii) 補強用充填剤としての(少なくとも1種の)無機充填剤、
(iii) (無機充填剤/ジエンエラストマー)カップリング剤としての(少なくとも1種の)特定のオルガノシリコン化合物。
勿論、“ベースとする”組成物なる表現は、上記混合物および/または使用する上記各成分の現場反応生成物を含む組成物を意味するものと理解すべきであり、これらベース成分の幾つかは、本発明の組成物製造の種々の段階、とりわけその加硫中に、少なくとも部分的に一緒に反応する性向を有するか或いは反応するように意図する。
“ジエン”エラストマーまたはゴムは、公知のとおり、ジエンモノマー類(共役型であれあるいは共役型でないにしろ、2個の二重炭素-炭素結合を有するモノマー類)から少なくとも1部生じたエラストマー(即ち、ホモポリマーまたはコポリマー)を意味するものと理解されたい。
一般に、“本質的に不飽和”のジエンエラストマーは、本明細書においては、共役ジエンモノマー類から少なくとも1部得られ、ジエン起源(共役ジエン類)の1員または単位の含有量が15%(モル%)よりも多いジエンエラストマーを意味するものと理解されたい。
従って、例えば、ブチルゴムまたはEPDMタイプのジエン類とアルファ-オレフィン類とのコポリマー類のようなジエンエラストマーは、上述の定義に属さず、詳細には、“本質的に飽和”のジエンエラストマー類(常に15%未満である低いまたは極めて低いジエン起原単位含有量)として説明し得る。
“本質的に不飽和”のジエンエラストマーのカテゴリーにおいては、“高不飽和”ジエンエラストマーは、とりわけ、50%よりも多いジエン起源(共役ジエン類)の単位含有量を有するジエンエラストマーを意味するものと理解されたい。
上記の定義を考慮して、下記のエラストマーが、とりわけ、本発明に従う組成物において使用することのできるジエンエラストマーを意味するものと理解されたい:
(a) 4〜12個の炭素原子を有する共役ジエンモノマーの重合によって得られた任意のホモポリマー;
(b) 1種以上の共役ジエン類相互間或いは8〜20個の炭素原子を有する1種以上のビニル芳香族化合物との共重合によって得られる任意のコポリマー;
(c) 例えば、エチレン、プロピレンと上述のタイプの、とりわけ1,4-ヘキサジエン、エチリデンノルボルネンまたはジシクロペンタジエンのような非共役ジエンモノマーとから得られるエラストマーのようなエチレン、3〜6個の炭素原子を有するα-オレフィンと6〜12個の炭素原子を有する非共役ジエンモノマーとの共重合によって得られる3成分コポリマー;
(d) イソブテンとイソプレンのコポリマー(ブチルゴム)、さらにまた、このタイプのコポリマーのハロゲン化形、とりわけ塩素化または臭素化形。
適切な共役ジエン類は、とりわけ、1,3-ブタジエン;2-メチル-1,3-ブタジエン;例えば、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2,3-ジエチル-1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-エチル-1,3-ブタジエン、2-メチル-3-イソプロピル-1,3-ブタジエンのような2,3-ジ(C1〜C5アルキル)-1,3-ブタジエン類;アリール-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエンおよび2,4-ヘキサジエンである。適切なビニル芳香族化合物は、例えば、スチレン;オルソ-、メタ-およびパラ-メチルスチレン;市販混合物の“ビニルトルエン”;パラ-tert.-ブチルスチレン;メトキシスチレン類;クロロスチレン類;ビニルメシチレン;ジビニルベンゼンおよびビニルナフタレンである。
得られるコポリマー類は、99〜20質量%のジエン単位と1〜80質量%のビニル芳香族単位を含有し得る。得られるエラストマー類は、使用する重合条件、とりわけ、変性剤および/またはランダム化剤の存在または不存在、および使用する変性剤および/またはランダム化剤の量の関数である任意のミクロ構造を有し得る。得られるエラストマーは、例えば、ブロック、ランダム、序列または微細序列エラストマーであり得、分散液または溶液中で調製でき、さらに、カップリング剤および/または星型化剤(starring agent)或いは官能化剤によってカップリング化および/または星型化或いは官能化し得る。
要するに、とりわけ好ましいのは、本発明に従う組成物のジエンエラストマーを、ポリブタジエン(BR)類、ポリイソプレン(IR)類、天然ゴム(NR)、ブタジエンコポリマー類、イソプレンコポリマー類およびこれらの混合物からなる高不飽和ジエンエラストマー瘻の群から選択することである。そのようなコポリマー類は、より好ましくは、ブタジエン-スチレンコポリマー(SBR)類、ブタジエン-イソプレンコポリマー(BIR)類、イソプレン-スチレンコポリマー(SIR)類およびイソプレン-ブタジエン-スチレンコポリマー(SBIR)類からなる群から選ばれる。
旅客車両タイヤの場合、ジエンエラストマーは、例えば、SBR(エマルジョン中で調製されたSBR(“ESBR”)または溶液中で調製されたSBR(“SSBR”))、SBR/BR、SBR/NR(またはSBR/IR)、またはBR/NR(BR/IR)、ブレンド(混合物)である。SBRエラストマーの場合、とりわけ、20質量%〜30質量%のスチレン含有量、15%〜65%のブタジエン画分ビニル結合含有量、15%〜75%のトランス-1,4結合含有量および−20℃〜−55℃のTgを有するSBRが使用される。好ましくは溶液中で調製(SSBR)されたそのようなSBRコポリマーは、必要に応じ、好ましくは90%よりも多いシス-1,4結合を有するポリブタジエン(BR)との混合物において使用する。
実用車両、とりわけ重量車両の場合、ジエンエラストマーは、好ましくは、イソプレンエラストマーである;“イソプレンエラストマー”は、公知のとおり、イソプレンホモポリマーまたはコポリマー、換言すれば、天然ゴム(NR)、合成ポリイソプレン(IR)類、各種イソプレンコポリマー類およびこれらエラストマーの混合物からなる群から選ばれるジエンエラストマーを意味するものと理解されたい。イソプレンコポリマー類のうち、とりわけ、イソブテン-イソプレンコポリマー(ブチルゴム(IIR))類、イソプレン-スチレンコポリマー(SIR)類、イソプレン-ブタジエンコポリマー(BIR)類、またはイソプレン-ブタジエン-スチレンコポリマー(SBIR)類が挙げられる。このイソプレンエラストマーは、好ましくは天然ゴムまたはシス-1,4タイプの合成ポリイソプレンであり;これらの合成ポリイソプレンのうちでは、好ましくは90%よりも多い、より好ましくは98%よりも多いシス-1,4結合含有量(モル%)を有するポリイソプレンが使用される。そのような実用車両用のタイヤにおいては、そのジエンエラストマーは、例えば、SBRエラストマーのような他の高不飽和エラストマーによってその全体または1部を構成させることもできる。
本発明のもう1つの有利な実施態様によれば、とりわけ本発明をタイヤ側壁として意図する場合、本発明に従う組成物は、少なくとも1種の本質的に飽和のジエンエラストマー、とりわけ少なくとも1種のEPDMコポリマーを、このコポリマーを、例えば、上述の1種以上の高不飽和ジエンエラストマー類との混合物として使用するまたは使用しないにかかわらず、含有し得る。
本発明の組成物は、単一のジエンエラストマーまたは数種のジエンエラストマーの混合物を含有し得、これら1種以上のエラストマーは、ジエンエラストマー以外の任意のタイプの合成エラストマー或いはエラストマー以外のポリマー類、例えば、熱可塑性ポリマー類とさえも一緒に使用し得る。
補強用充填剤として使用する白色または無機充填剤は、補強用充填剤全体の全部またはほんの1部を構成し得、後者の場合、例えば、カーボンブラックと併用し得る。
好ましくは、本発明に従うゴム組成物においては、補強用無機充填剤は、補強用充填剤全体の大割合、即ち、50質量%よりも多く、より好ましくは補強用充填剤全体の80質量%よりも多くを構成する。
本出願においては、“補強用無機充填剤”は、その色合いおよび起原(天然または合成)の如何にかかわらず、カーボンブラックに対比しての“白色”充填剤、時には“透明”充填剤とも称される無機または鉱物充填剤を意味するものと、公知のとおり理解されたい。この無機充填剤は、それ自体で、中間カップリング剤以外の手段に何らよることなく、タイヤの製造用に意図されるゴム組成物を補強し得、換言すれば、通常のタイヤ級カーボンブラック充填剤とその補強機能において置き換わり得る。
好ましくは、上記補強用無機充填剤は、シリカ(SiO2)またはアルミナ(Al2O3)タイプの無機充填剤、またはこれら2種の充填剤の混合物である。
好ましく使用し得る補強用アルミナは、特許文献5に記載されているような、30〜400 m2/g、より好ましくは60〜250 m2/gのBET表面積、および最大で500 nmに等しい、より好ましくは最大で200 nmに等しい平均粒度を有する高分散性アルミナである。そのような補強用アルミナの非限定的な例は、とりわけ、Baikowski社からのアルミナ類“Baikalox”“A125”、“CR125”および“D65CR”である。
本発明のゴム組成物をタイヤ用のトレッド類として使用する場合、使用する補強用無機充填剤は、とりわけシリカである場合、好ましくは60〜250 m2/g、より好ましくは80〜200 m2/gのBET表面積を有する。
補強用無機充填剤は、カーボンブラックとのブレンド(混合物)においても使用できる。適切なカーボンブラックは、あらゆるカーボンブラック、とりわけタイヤにおいて、とりわけタイヤ用のトレッドにおいて通常使用されているタイプHAF、ISAFおよびSAFのカーボンブラックである。そのようなカーボンブラックの非限定的な例としては、ブラックN115、N134、N234、N339、N347およびN375を挙げることができる。
補強用充填剤全体に存在するカーボンブラックの量は、広い範囲で変化し得るが、カーボンブラック量は、好ましくは、本発明のゴム組成物において存在する補強用無機充填剤の量よりも少ない。
補強用充填剤全体量(補強用無機充填剤+使用する場合のカーボンブラック)は、好ましくは10〜200 phr、より好ましくは20〜150 phrであり、その最適量は、意図する用途に従って異なる。何故ならば、例えば自転車タイヤで期待される補強レベルは、連続して高速移動しがちなタイヤ、例えば、モーターサイクルタイヤ、旅客車両タイヤまたは重量車両のような実用車両タイヤにおいて要求される補強レベルよりも、公知のとおり明らかに低いからである。
高速で移動し得るそのようなタイヤ用のトレッドにおいては、補強用無機充填剤の量は、とりわけシリカである場合、好ましくは30〜140 phr、より好ましくは50〜120 phrの範囲内である。
本明細書においては、BET比表面積は、“The Journal of the American Chemical Society”, vol. 60, page 309, February 1938に記載され、フレンチ スタンダードNF T 45-007(1987年11月)に相応するBrunauer、EmmettおよびTellerの方法に従う公知の方法で測定する;CTAB比表面積は、同じスタンダードNF T 45-007に従って測定した外表面積である。
最後に、当業者であれば、この項において説明した補強用無機充填剤と等価の充填剤として、補強用有機充填剤、とりわけ、無機層、例えば、シリカで被覆したカーボンブラック(その1部は、エラストマーに対する結合を与えるカップリング剤の使用を必要とする)も使用し得ることを理解し得るであろう。
前述したように、(無機充填剤/ジエンエラストマー)カップリング剤は、公知のとおり、本明細書では“Y”および“X”と称する少なくとも2個の官能基を担持し、一方でY基、例えば、ヒドロキシル基または加水分解性基によって補強用無機充填剤に、他方でX基、例えば、イオウ基によってジエンエラストマーにグラフトさせ得る。
本発明に従う組成物中でカップリング剤として使用するポリシリル化オルガノシリコン化合物の1つの本質的な特徴は、この化合物を、下記の式のポリチオスルフェンアミド官能基を有するイオウ基によって上記エラストマーにグラフトさせ得ることである:
(I) ≡ Si − A − Sx − N R1 R2
(式中、Aは、上記ポリチオスルフェンアミド基を上記オルガノシリコン化合物の第1シリコン原子に結合させるのを可能にする直鎖または枝分れの2価の結合基であり;
xは、2〜4の整数または分数であり;
R1は、水素、1価の炭化水素基またはR2を示し;
R2は、下記の基を示す:
− B − Si ≡
Bは、直鎖または枝分れの2価の基であり;
Siは、前記オルガノシリコン化合物の第2シリコン原子を示す)。
“オルガノシリコン”(“有機ケイ素”)化合物は、定義により、少なくとも1個の炭素-ケイ素結合を含む有機化合物であると理解すべきあることを思い起されたい。上記式(I)の化合物は、少なくとも2個の異なるシリコン原子(基Aに結合した少なくとも1個、基Bに結合した少なくとも他の1個)を担持し、従って、ポリシリル化タイプのオルガノシリコン化合物のカテゴリーに属するものと理解されたい。さらにまた、R1がR2と同一である場合(その一般式において)、式(I)の化合物は、少なくとも3個の異なるシリコン原子を担持することにも留意されたい。
しかしながら、当業者であれば、この数は、合成経路により、異なる数のイオウ基を各々有するポリ硫化基の混合物が生ずる場合、普通分数であり得;そのような場合、合成されたポリチオスルフェンアミド基は、実際に、2〜4、より好ましくは2〜3の間の“x”数(分数)の平均値(モル)を中心とするジスルフィドS2からより重質のポリスルフィドまでのポリスルフィドの分布を有して生成することは、容易にし得ることであろう。
2価の基Aは、好ましくは、飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基;飽和、不飽和および/または芳香族、単環式もしくは多環式の炭素環式基;および飽和または不飽和の脂肪族炭化水素成分と上述のような炭素環式成分を有する基から選択する。
この結合基Aは、好ましくは1〜18個の炭素原子を含み、より好ましくはアルキレン鎖、飽和シクロアルキレン基、アリレン基、またはこれらの基の少なくとも2つの組合せからなる2価の基を示す。
R1によって示される1価の炭化水素基は、脂肪族の直鎖または枝分れ基、または炭素環式、とりわけ芳香族基であり得;置換または非置換形、飽和または不飽和形であり得る。
脂肪族炭化水素基の場合、この基は、とりわけ1〜25個の炭素原子、より好ましくは1〜12個の炭素原子を含む。
飽和脂肪族炭化水素基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、2-メチルブチル、1-エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、ネオヘキシル、1-メチルペンチル、3-メチルペンチル、1,1-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2-エチルブチル、1-メチル-1-エチルプロピル、ヘプチル、1-メチルヘキシル、1-プロピルブチル、4,4-ジメチルペンチル、オクチル、1-メチルヘプチル、2-エチルヘキシル、5,5-ジメチルヘキシル、ノニル、デシル、1-メチルノニル、3,7-ジメチルオクチルおよび7,7-ジメチルオクチルのようなアルキル基を挙げることができる。
“炭素環式基”とは、必要に応じて置換された単環式または多環式基、好ましくはC3〜C18基を意味するものと理解されたい。有利には、炭素環基は、好ましくは単環、2環または3環であるC3〜C50基である。炭素環基が2個以上の環状コアを含む場合(多環式炭素環の場合のような)、その環状コアは、2個ずつ縮合している。2個の縮合コアは、オルソ縮合またはペリ縮合型であり得る。
炭素環基は、特に断らない限り、飽和成分および/または芳香族成分および/または不飽和成分を含み得る。
飽和炭素環基の例は、シクロアルキル基である。シクロアルキル基は、好ましくはC3〜C18基、より好ましくはC5〜C10基である。とりわけ、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、アダマンチルまたはノルボルニルの各基を挙げることができる。
不飽和炭素環または炭素環タイプの任意の不飽和成分は、1個以上、好ましくは1個、2個または3個のエチレン系不飽和部位を有する。当該炭素環または成分は、有利には6〜50個の炭素原子、より好ましくは6〜20個、例えば、6〜18個の炭素原子を含む。
不飽和炭素環の例は、C6〜C10シクロアルキル基である。芳香族炭素環基は、C6〜C18アリール基、とりわけフェニル、ナフチル、アントリルおよびフェナントリルである。
上述したような脂肪族炭化水素成分と炭素環成分の双方を有する基は、例えば、ベンジルのようなアリールアルキル基、またはトリルのようなアルキルアリール基である。
脂肪族炭化水素基または成分および炭素環基または成分の置換基は、例えば、アルキル成分が好ましくは上述したようなものであるアルコキシ基である。
R1は、1〜25個の炭素原子を含む。1つのとりわけ好ましい実施態様によれば、R1は、水素、直鎖または枝分れのC1〜C8アルキル、C5〜C10シクロアルキル、C6〜C18アリール、(C6〜C18)アリール-(C1〜C8)アルキルおよびR2からなる群から選ばれる。より好ましくは、R1は、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ヘキシル、ベンジル、シクロヘキシル、フェニル、ベンジルおよびR2からなる群から選ばれる。
即ち、本発明のとりわけ好ましい実施態様によれば、式(I)のイオウ基は、下記の特定の式(II) (この場合、A = B = Z)または式(III) (この場合、A = ZおよびB = − Sy − Z −)を満たす:
(II) ≡ Si − Z − Sx − N R1 − Z − Si ≡、
(III) ≡ Si − Z − Sx − N R1 − Sy − Z − Si ≡
(式中、基Zは、同一または異なるものでもよくて、C1〜C8アルキレンを示し;yは、xと同一または異なるものでよくて、2〜4の整数または分数である)。
これらの式(II)および(III)において、Zは、より好ましくはC1〜C4アルキレン鎖、とりわけメチレン、エチレンまたはプロピレン、より好ましくはプロピレンを示す。
上記式(I)、(II)および(III)において、R2は、有利には下記の基を示す:
− B − Si R3 (3-a) (OR4)a
(式中、R3は、1価の炭化水素基を示し;
R4は、水素、またはR3と同一または異なる1価の炭化水素基を示し;
aは、1、2または3に等しい整数であり;
とりわけ、上記特定式(II)の場合は B = Zまたは上記特定式(III)の場合は B = − Sy − Z −である)。
基R3は、複数である場合同一または異なるものであり得、好ましくはアルキル、シクロアルキルまたはアリールを示す。これらの基は、より好ましくは、C1〜C8アルキル、C5〜C10シクロアルキル(とりわけ、シクロヘキシル)およびフェニルからなる群から選ばれる。より好ましくは、R3は、C1〜C6アルキル(とりわけ、メチル、エチル、プロピルおよびイソプロピル)からなる群から選ばれる。
基R4は、複数である場合同一または異なるものであり得、好ましくはアルキル、シクロアルキル、アシルまたはアリールを示す。これらの基は、より好ましくは、必要に応じてハロゲン化および/または必要に応じて1個以上の(C2〜C8)アルコキシで置換されたC1〜C8アルキル;必要に応じてハロゲン化および/または必要に応じて1個以上の(C2〜C8)アルコキシで置換されたC2〜C9アシル;C5〜C10シクロアルキルおよびC6〜C18アリールからなる群から選ばれる。より好ましくは、R4は、必要に応じて1個以上の(C2〜C8)アルコキシ(とりわけ、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ)で置換されたC1〜C8アルキル(とりわけ、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、β-クロロプロピル、β-クロロエチル);C5〜C10シクロアルキルおよびフェニルからなる群から選ばれる。
認知している最良の実施態様によれば、基R3およびR4は、同一または異なるものであり得、共にC1〜C4アルキルの中から、とりわけメチルおよびエチルの中から選ばれる(a ≠ 3の場合)。
この実施態様に限定することなく、本オルガノシリコン化合物は、好ましくは、Y官能基として1個以上(最高3個)のシリコン原子に固定した(OR)基を担持するシラン化合物であり、Rは水素または直鎖もしくは枝分れの1価の炭化水素基(とりわけ、アルキル)を示す。
即ち、本発明においてとりわけ適するオルガノシリコン化合物として、下記の一般式のポリシリル化ポリチオスルフェンアミドシランを使用し得る:
(IV) (R6O)b R5 (3-b) Si − A − Sx − N R1 − B − Si R3 (3-a) (OR4)a
(式中、R5は、1価の炭化水素基を示し;
R6は、水素、またはR5と同一または異なるものでもよい1価の炭化水素基を示し;
bは、1、2または3に等しい整数であり;
R5、R6およびbは、それぞれ、R3、R4およびaと同一または異なるものであり得る)。
上記式(IV)において、R5、R6およびbは、それぞれ、R3、R4およびaについて上述した一般的に好ましい意味を有する。とりわけ、R5は、より好ましくは、C1〜C8アルキル、C5〜C10シクロアルキルおよびフェニルからなる群から選ばれ;より好ましくは、R6は、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルコキシアルキル、C5〜C8シクロアルキルおよびフェニルからなる群から選ばれる。
認知している最良の実施態様によれば、R5およびR6は、同一または異なるものであり得、C1〜C6アルキル、より好ましくはC1〜C4アルキルの中から選ばれる。
当業者であれば、この式(IV)に従うオルガノシリコン化合物が、結合基Aによって式(I)のポリチオスルフェンアミド官能基[ − Sx − N R1 R2で示した“X”官能基]に結合させた第1の“Y”官能基[第1シリコン原子に固定した1〜3個の(OR6)b基で示した]を含み、前者が、少なくとも1個の第2“Y”官能基[第2シリコン原子に結合させた1〜3個の(OR4)a基で示した]を含むという有利なさらなる特徴を有することは、容易に理解し得ることである。
(V) (R6O)b R5 (3-b) Si − Z − Sx − N R1 − Z − Si R3 (3-a) (OR4)a;または、 (VI) (R6O)b R5 (3-b) Si − Z − Sx − N R1 − Sy − Z − Si R3 (3-a) (OR4)a
(式中、基Zは、同一または異なるものであり得、とりわけC1〜C4アルキレンを示し;基R3、R4、R5およびR6は、とりわけC1〜C3アルキルを示し;xおよびyとは、上述の定義を有する)、さらに詳細には、xが2に等しく、適用可能な場合のyも2に等しいジチオスルフェンアミドシラン類がある。
これらの式(V)および(VI)において、Zは、より好ましくはC1〜C4アルキレン鎖、とりわけメチレン、エチレンまたはプロピレン、さらに好ましくはプロピレンを示し;基R3、R4、R5およびR6は、同一または異なるものであり得、より好ましくはC1〜C3アルキル、とりわけメチルまたはエチルを示す。
式(V)のオルガノシリコン化合物のうち、例えば、下記のような、R1が水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ヘキシル、ベンジル、シクロヘキシルおよびフェニルからなる群から選ばれる化合物を挙げることができる:
・N-(3'-トリメトキシシリルプロピルジチオ)-3-トリエトキシシリルプロピルアミン(式V-1):
この式(VI)において、一方でR5、R6およびbは、それぞれ、R3、R4およびaと同一であり、一方で2つの結合Zが同一であるより特定の場合、厳格に対称形であるそのようなシランは、下記のとりわけ好ましい式を有する:
(VII) [(R4O)a R3 (3-a) Si − Z − Sx −]2 N R1
この式(VII)において、より好ましくは、R1は、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ヘキシル、ベンジル、シクロヘキシルおよびフェニルからなる群から選ばれ;Zは、C1〜C4アルキレン鎖、より好ましくはプロピレンを示し;基R3およびR4は、R3が存在する場合同一または異なるものであり得(a ≠ 3)、より好ましくはC1〜C3アルキル、とりわけメチルまたはエチルを示し;xは、より好ましくは2に等しい)。
x = 2である式(VII)の構造を有するオルガノシリコン化合物の例としては、例えば、下記の化合物を挙げることができる:
・式(VII-1)のN,N-ビス(3-トリメトキシシリルプロピルジチオ)シクロヘキシルアミン:
使用する補強用無機充填剤の比表面積と密度における差異並びに特定的に使用するカップリング剤のモル質量において寛容性を持たせるためには、使用する補強用無機充填剤毎に、補強用無機充填剤の平方メートル当りのモル数において、カップリング剤の最適量を決定するのが好ましい;この最適量は、下記の既知の等式に従い、質量比[カップリング剤/補強用無機充填剤]、充填剤のBET表面積およびカップリング剤のモル質量(以下、Mとして示す)から算出する:
(モル数/m2無機充填剤) = [カップリング剤/無機充填剤] (1/BET) (1/M)
即ち、好ましくは、本発明に従う組成物中で使用するカップリング剤の量は、補強用無機充填剤のm2当り10-7〜10-5モルである。さらに好ましくは、カップリング剤の量は、無機充填剤全体の平方メートル当り5 x 10-7〜5 x 10-6モルである。
当業者であれば、このカップリング剤含有量は、意図する用途、例えば、本発明の組成物が意図されるタイヤ部品、ジエンエラストマーの性質、使用する補強用無機充填剤の量および当該オルガノシリコン化合物の性質に従って調整し得ることである。
勿論、ゴム組成物のコストを節減するためには、できるだけ少なく、即ち、ジエンエラストマーと補強用無機充填剤間の十分なカップリングのために正しく必要である量を使用するのが好ましい。その有効性により、多くの場合において、補強用無機充填剤量に対して0.5質量%〜20質量%を示す好ましい量で上記カップリング剤を使用することが可能である;15%未満、とりわけ10%未満の量がより好ましい。
最後に、前述のオルガノシリコン化合物は、補強用無機充填剤上に前以ってグラフトさせて(“Y”官能基により)、その後、このような“予備カップリング”させたを遊離の“X”官能基によってジエンエラストマーに結合させ得ることに留意されたい。
例えば、前述したようなオルガノシリコン化合物は、以下に示す好ましい合成経路(A、BまたはCとして示す方法)に従って調製し得る。
A) 方法“A”
X = 2である一般式(IV)(特定の式(V)、(VI)および(VII)を含む)のポリシリル化オルガノシリコン化合物化合物(ジチオスルフェンアミド官能基を有するオルガノシリコン化合物)は、下記の式:
(VIII) (R6O)b R5 (3-b) Si − A − S − S − Hal
(式中、A、R5、R6およびbは、前記で定義したとおりであり;Halは、ハロゲン(臭素、塩素、フッ素またはヨウ素、好ましくは塩素)である)
のハロゲン化ジスルフィドを、下記の式:
(IX) H N R1 R2
(式中、R1およびR2は、前記で定義したとおりである)
の適切なアミン上で、塩基、好ましくは有機塩基の存在下に反応させることによって得ることができる。
適切な塩基は、例えば、N-メチルモルホリン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N-メチルピペリジン、ピリジン、4-(1-ピロリジニル)ピリジン、ピコリン、4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルピリジン、キノリン、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-ウンデセ-7-エン(DBU)、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]-ノン-5-エン(DBN)および1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]-オクタン(DABCOまたはトリエチレンジアミン)である。
反応温度は、存在する分子の反応性および使用する塩基の力の関数である。この温度は、−78℃〜周囲温度(15〜25℃)で一般に変動する。有利には、−78℃〜−50℃の温度が適している。その後、媒質を周囲温度に戻すのが好ましい。
アミン(IX)が第2級アミンである場合(R1がH以外)、反応は、化学量論的である;この場合、アミン(IX)対ハロゲン化ジスルフィド(VIII)のモル比は、1〜2、さらに良好には1〜1.5に選定する。
アミン(IX)が第1級アミンである場合(R1がHを示す)、その使用量は、所望反応生成物の性質による。R1がHを示す一般式(IV)のオルガノシリコン化合物を得るためには、アミン(IX)は、反応媒質中で過剰である。モル比(IX)/(VIII)は、一般に1〜3で変動し、この比は、一般に1に最も近く、例えば、1〜1.2に選定する。
特定の式(VII)のオルガノシリコン化合物を得るためには、生成物(VIII)対アミン(IX)のモル比を2以上に選定する。このモル比(VIII)/(IX)は、有利には2〜2.3である。この反応において使用する塩基の量は、当業者であれば、容易に決定し得ることであり、塩基は放出するハロゲン化水素酸を捕捉する役割を有する。塩基対式(VIII)の化合物のモル比は、1以上、例えば、1〜3である。
X = 2である一般式(IV)(特定の式(V)〜(VII)を含む)のポリシリル化オルガノシリコン化合物は、下記の式:
(X) (R6O)b R5 (3-b) Si − A − S − S − J
(式中、A、R5、R6およびbは、前記で定義したとおりであり;Jは、必要に応じて置換し得るスクシンイミドまたはフタルイミド基を示す)
のジスルフィドを、上述のアミン(IX)上で、塩基、好ましくは有機塩基の存在下に反応させることによっても得ることができる。スクシンイミドおよびフタルイミド置換基は、使用する反応と両立し得る、即ち、使用する操作条件下において非反応性である有機置換基である。使用し得る塩基は、方法Aにおいて上述した塩基である。
有利には、反応は、非プロトン性極性溶媒、好ましくは脂肪族ハロゲン化炭化水素(塩化メチレンまたは四塩化炭素のような)または必要に応じてハロゲン化した芳香族炭化水素(必要に応じてハロゲン化したベンゼンまたはトルエンのような)中で実施する。好ましくは、上記溶媒はCCl4である。反応温度は、好ましくは10℃〜100℃、より好ましくは10℃〜50℃である。使用する化合物(IX)と(X)のそれぞれの量は、正しく上述の場合(方法A)におけるように、所望するオルガノシリコン化合物のタイプによる。
従って、(IX)、(X)のモル量および反応させる塩基の決定については、方法Aを参照されたい。
X = 2である一般式(IV)(特定の式(V)〜(VII)を含む)のポリシリル化オルガノシリコン化合物は、下記の式:
(XI) J − S − N R1 R2
(式中、R1、R2およびJは、前記で定義したとおりである)
のアミノスルフィドを、下記の式:
(XII) (R6O)b R5 (3-b) Si − A − SH
(式中、A、R5、R6およびbは、前記で定義したとおりである)
チオールと、塩基(その塩基は、好ましくは上述したものである)の存在下に反応させることによっても得ることができる。
この反応においては、反応温度は、有利には10〜40℃、より好ましくは15〜30℃、例えば、18〜25℃で変動する。化合物(XI)上での化合物(XII)の反応は、一般に、方法Bの場合において述べたような極性非プロトン溶媒中で実施する。好ましくは、溶媒は、ベンゼンまたはトルエンである。反応は、化学量論反応である。しかしながら、僅かに過剰の化合物(XI)の存在下で操作するのが好ましい。即ち、(XI)対(XII)のモル比は、一般に1〜1.5、さらに良好には1〜1.3である。
この変法Cは、とりわけ、R1が水素原子以外である一般式(IV)(特定の式(V)〜(VII)を含む)のオルガノシリコン化合物の調製において実施する。
式(VIII)の化合物は、二塩化イオウ(SCl2)を上述したような式(XII)の適切なメルカプトシラン上で有機塩基の存在下、好ましくはトリエチルアミンの存在下に反応させることによって調製し得る。この反応は、例えば、エーテル中で、−78℃〜−50℃の温度で実施する。有機塩基およびエーテル類は、一般に上述したようなものである。
アミン類(IX)は、市販のアミン類であるか、あるいは市販製品から容易に調製し得る。
(XIII) J − S −Hal
(式中、JおよびHalは、上記で定義したとおりである)。
この反応は、好ましくは、塩基、とりわけ有機塩基の存在下、10℃〜50℃、例えば、15℃〜30℃、とりわけ18℃〜25℃の温度で、方法Bにおいて一般的に述べた極性非プロトン溶媒中で実施する。好ましくは、溶媒は四塩化炭素であり、塩基はトリエチルアミンであり、温度は周囲温度である。この反応は、化学量論的であるが、にもかかわらず、チオール(VII)の不足下で操作するのが好ましい。即ち、化合物(XIII)対化合物(XII)のモル比は、有利には1〜1.5、より良好には1〜1.3である。
式(XI)の化合物は、アミン(IX)を式(XIII)のハライド上で有機塩基の存在下に反応させることによって容易に得られる。この反応は、好ましくは、ハロゲン化炭化水素タイプの溶媒(とりわけ、四塩化炭素)中で、一般に10℃〜50℃、好ましくは15℃〜30℃、例えば18℃〜25℃の温度(周囲温度)で実施する。有機塩基としては、上述した塩基の任意のもの、例えば、トリエチルアミンを選定する。変法においては、塩基として、試薬(IX)を使用し得る。この場合、少なくとも2当量のアミン(IX)を、1当量のハライド(XIII)に対し使用する。
式(XII)の化合物は、市販化合物であり、あるいは市販化合物から容易に調製し得る。
下記の式1は、化合物(XIII)の合成経路を例示する:
市販化合物(XIV)を、アルカリ金属水酸化物タイプの適切な無機塩基、即ち、M-OH (式中、Mはアルカリ金属である)の作用により、メタノールまたはエタノールのようなC1〜C4低級アルコール中でアルカリ金属塩に転換する。この反応は、一般に、15℃〜25℃の温度で生ずる。得られる式(XV)の塩をS2Cl2と反応せしめて化合物(XVI)を得る。この反応における有利な反応条件は、ハロゲン化脂肪族炭化水素タイプの極性非プロトン性溶媒(CH2Cl2、CCl4)および−20℃〜10℃の温度である。その後、化合物(XVI)上でのHal-Halの作用により、期待の化合物(XIII)を得る。この後者の工程においては、操作は、好ましくは、ハロゲン化脂肪族炭化水素タイプの極性非プロトン性溶媒(クロロホルムまたはジクロロメタンのような)中での、15℃から溶媒の還流温度までの温度、好ましくは40℃〜80℃、例えば50℃〜70℃においてある。1つの好ましい実施態様によれば、Halは塩素であり、この場合、Hal-Halは反応媒質中にガス形で導入する。
X = 3である一般式(IV)(特定の式(V)〜(VII)を含む)のポリシリル化オルガノシリコン化合物は、下記の各工程を組合せることによって得ることができる:
(1) 式(XII)のチオールをS2(Hal)2 (式中、Halは、ハロゲン原子、好ましくは塩素を示す)と、塩基、好ましくは有機塩基の存在下に反応させて、下記を得る:
(XVII) (R6O)b R5 (3-b) Si − A − S − S − S − Hal
この反応は、例えば、エーテル中で、−78℃〜−50℃の温度で実施する。有機塩基およびエーテル類は、一般に、方法Aにおいて述べたものである。
(2) 化合物(XVII)を適切な式(IX)のアミン上で塩基、好ましくは有機塩基の存在下に反応させる;さらなる詳細については、方法Aの実施において上述した操作方法を参照し得る。
E) 方法“E”
X = 4である一般式(IV)(特定の式(V)〜(VII)を含む)のポリシリル化オルガノシリコン化合物は、下記の各工程を組合せることによって得ることができる:
(1) 式(VIII)のハロゲン化ジスルフィドまたは式(XVII)のハロゲン化トリスルフィドを必要量の元素状イオウと反応させ(化合物(VIII)の場合は2イオウ原子を供給し、化合物(XVII)の場合は1イオウ原子を供給し)、70℃〜170℃の温度で、必要に応じての芳香族溶媒の存在下において操作して、下記の式の化合物を得る:
(XVIII) (R6O)b R5 (3-b) Si − A − S − S − S − S − Hal
(2) 化合物(XVIII)を適切な式(IX)のアミン上で塩基、好ましくは有機塩基の存在下に反応させる;さらなる詳細については、方法Aの実施において上述した操作方法を参照し得る。
勿論、本発明に従うゴム組成物は、例えば、可塑剤;増量剤オイル類;耐オゾン性ワックス、化学耐オゾン剤、酸化防止剤のような保護剤;疲労防止剤;接着促進剤;例えば特許文献10および11に記載されているようなカップリング活性化剤;特許文献12に記載されているような補強用樹脂類;イオウ系、またはイオウおよび/またはパーオキサイドおよび/またはビスマレイミド供与体系のいずれかのような架橋系;加硫促進剤;加硫活性化剤等のような、タイヤ類の製造を意図するジエンゴム組成物において通常使用される添加剤類のすべてまたは同じものも含み得る。また、必要に応じて、通常の補強性に乏しいまたは非補強用の白色充填剤、例えば、クレー、ベントナイト、タルク、チョークまたはカオリンの各粒子も上記補強用無機充填剤と一緒に使用し得る。
本発明に従うゴム組成物は、上述のオルガノシリコン化合物以外に、補強用無機充填剤を被覆するための、例えば、1個の官能基Yを含む薬剤、或いは未硬化状態における加工能力を改善するためのゴムマトリックス中での無機充填剤の分散性改善のためさらにゴム組成物の粘度を低下させるためのより一般的な加工助剤も、公知のとおり含有し得る。これら薬剤は、例えば、アルキルアルコキシシラン類、とりわけ、例えばDegussa-Huls社から商品名Dynasylan Octeoとして市販されている1-オクチルトリエトキシシランまたはDegussa-Huls社から商品名Si216として市販されている1-ヘキサデシルトリエトキシシランのようなアルキルトリエトキシシラン類;ポリオール類;ポリエーテル類(例えば、ポリエチレングリコール類);第1級、第2級または第3級アミン類(例えば、トリアルカノールアミン類);ヒドロキシル化または加水分解性ポリオルガノシロキサン類、例えば、α,ω-ジヒドロキシポリオルガノシロキサン類(とりわけ、α,ω-ジヒドロキシポリジメチルシロキサン類)である。
本発明の組成物は、当業者にとって周知の2つの連続する製造段階、即ち、110℃〜190℃、好ましくは130℃〜180℃の最高温度(Tmaxと表示)までの高温で熱機械加工または混練する第1段階(時には、“非生産”段階と称する)、その後の、典型的には120℃よりも低い、例えば、60℃〜100℃の低めの温度で機械加工し、この仕上げ段階において架橋または加硫系を混入する第2段階(時には、“生産”段階と称する)を使用して、適切なミキサー内で製造する;そのような各段階は、例えば、前述した特許文献1、3、5、7、10、11または12に記載されている。
本発明に従う組成物の製造方法は、少なくとも上記補強用無機充填剤とオルガノシリコン化合物を、第1のいわゆる非生産段階において、ジエンエラストマー中に混練によって混入させること、即ち、少なくともこれらの各ベース成分をミキサー内に導入し、1以上の工程で、110℃〜190℃、好ましくは130℃〜180℃の最高温度に達するまで熱機械的に混練することに特徴を有する。
このようにして得られた混合物の冷却後に、加硫系を、低温で、一般的に開放ミルのような開放式ミキサー内で混入する;その後、混合物全体を数分間、例えば、5〜15分間混合する(生産段階)。
その後、このようにして得た最終組成物を、例えば、フィルムまたはシートの形にカレンダー加工するか、或いは、押出加工して、例えば、トレッド、クラウン補強プライ、側壁、カーカス補強プライ、ビーズ、プロテクター、内部チューブまたはチューブレスタイヤ用の気密性内部ゴムのような半製品の製造において使用するゴム形状要素を製造する。
・ミキサー内で、ジエンエラストマー中に、少なくとも:
‐補強用無機充填剤、
‐(無機充填剤/ジエンエラストマー)カップリング剤としての、少なくとも2官能性であり、イオウ基によって上記エラストマー上にグラフトさせ得るオルガノシリコン化合物、
を混入する工程;
・混合物全体を、1以上の工程で、110℃〜190℃の最高温度に達するまで熱機械的に混練する工程;
・混合物全体を100℃未満の温度に冷却する工程;
・次いて、加硫系を混入する工程;
・混合物全体を、120℃未満の最高温度に達するまで混練する工程;
を含み、上記イオウ基は、上記式(I)のポリチオスルフェンアミド官能基を有する基である。
加硫(即ち、硬化)は、公知の方法で、一般的に130℃〜200℃の温度で、好ましくは加圧下に、とりわけ硬化温度、使用する加硫系および当該組成物の加硫速度に依存して変動し得る十分な時間、例えば、5〜90分間で実施する。
適切な加硫系は、好ましくは、イオウと一次加硫促進剤とりわけスルフェンアミドタイプの促進剤とをベースとする。この架橋系に、上記第1の非生産段階中および/または上記生産段階中に、酸化亜鉛、ステアリン酸、グアニジン誘導体(とりわけ、ジフェニルグアニジン)等のような種々の公知の二次促進剤または加硫活性化剤を加え、混入する。イオウは、本発明をタイヤトレッドに応用する場合、好ましくは0.5〜10 phr、より好ましくは0.5〜5.0 phr、例えば、0.5〜3.0 phrの量で使用する。一次加硫促進剤は、とりわけ本発明をタイヤトレッドに応用する場合、好ましくは0.5〜10 phr、より好ましくは0.5〜5.0 phrの量で使用する。
本発明は、“未硬化”状態(即ち、硬化前)および“硬化”即ち加硫状態(即ち、架橋または加硫後)双方の上述のゴム組成物に関する。本発明に従う組成物は、単独で、或いはタイヤ製造において使用することのできる任意の他のゴム組成物とのブレンド(即ち、混合物)において使用することができる。
III-1. カップリング剤の合成
本発明の組成物において好ましく使用し得るカップリング剤は、ジチオスルフェンアミドシラン類、より好ましくは式(V-1)〜(V-3)および(VII-1)〜(VII-3)のジチオスルフェンアミドシランに相応するアルコキシシラン類であり、これらの合成方法を、非限定的な実施例により以下に説明する。
摂氏温度(℃)で表す融点(Pf)は、前以って較正した(ΔT = ±2℃)KOFFLER装置上の突起によって測定する。沸点(Ebpressure)は、ミリバール(mbar)で示す。250MHzプロトン(1H-NMR)および炭素(13C-NMR)スペクトルは、BRUCKER AC 250スペクトロメーター上に記録する。化学シフト(δcおよびδh)は、重クロロホルム(CDCl3)に対する質量百万分率(ppm)で表す。カップリング定数Jは、Hzで表す。次の略号を使用する:s、一重項;bs、広い一重項;d、二重線;t、三重線;q、四重線;m、多重線。
上記アルコキシシラン類における操作は、すべて不活性雰囲気中および無水条件において実施する。
400 mlの無水ジエチルエーテル中の100ミリモル(即ち、10.3 g)の二塩化イオウ溶液を、2リットルの三ツ口フラスコ内でアルゴン雰囲気下に−78℃に冷却する。機械攪拌しながら、150 mlの無水ジエチルエーテル中の3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(100ミリモル)とトリエチルアミン (100ミリモル、即ち10.2 g)との混合物を滴下により1時間で添加する。反応媒質をこの温度で1時間攪拌し、次いで、100 mlの無水ジエチルエーテル中の3-(トリエトキシシリル)-プロピルアミン (110ミリモル)とトリエチルアミン (100ミリモル、即ち10.2 g)との混合物を滴下により1時間で添加する。反応媒質を室温に戻し、その後、トリエチルアミンクロロハイドレートを濾過し、濃縮を減圧下に実施する。減圧下での蒸留により、痕跡量の未反応試薬の除去を可能にする。
NMR分析により、このようにして得られた最終化合物(黄色油状物の外観、収率75%)が上述の特定式(V-1)に相応することを確認する:
・1H NMR (CDCl3) δH
0.62 (t, 2H, Si-CH2); 0.74 (t, 2H, Si-CH2); 1.21 (t, 9H, CH3-CH2-O);
1.69 (m, 2H, CH2); 1.82(m, 2H, CH2); 2.88 (t, 2H, SCH2);
3.07 (t, 2H, NCH2); 3.55 (s, 9H, O-CH3); 3.81 (q, 6H, -OCH2).
・13C NMR (CDCl3) δC
6.2 (Si-CH2); 9.7 (Si-CH2); 18.4 (CH3-CH2); 20.9 (CH2); 23.8 (CH2);
44.0 (S-CH2); 50.6 (-OCH3); 54.9 (N-CH2); 58.5 (-OCH2)
即ち、下記のとおりである一般式(V)のオルガノキシシラン-ジチオスルフェンアミドを調製した:
‐ R1 = H;
‐ R2 = − Z − Si (OR4)3;
‐ Z = (CH2)3 (プロピレン);
‐ R4 = エチル; R6 = メチル;
‐ a = b = 3
・1H NMR (CDCl3) δH
0.61 (t, 2H, Si-CH2); 0.72 (t, 2H, Si-CH2); 1.21 (m, 18H, CH3-CH2-O);
1.69 (2, 2H, CH2); 1.83 (m, 2H, CH2); 2.89 (t, 2H, S-CH2);
3.05 (t, 2H, N-CH2); 3.81 (m, 12H, -OCH2).
・13C NMR (CDCl3) δC
6.2 (Si-CH2); 9.7 (Si-CH2); 18.3 (CH3-CH2); 18.4 (CH3-CH2);
20.9 (CH2); 23.8 (CH2); 44.0 (S-CH2); 54.9 (N-CH2); 58.5 (-OCH2);
58.6 (-OCH2)
・1H NMR (CDCl3) δH
0.73 (m, 4H, Si-CH2); 1.22 (m, 2H, CH2); 1.64-1.92 (m, 8H, CH2);
2.25 (m, 2H, CH2); 2.40 (m, 2H, CH2); 2.88 (m, 4H, SCH2); 3.01 (m, 1H, NCH);3.56 (s, 18H, -OCH3).
・13C NMR (CDCl3) δC
8.3 (2xSi-CH2); 22.3 (2xCH2); 26.5 (CH2); 25.9 (2 x CH2); 32.7 (2 x CH2);
41.6 (2xS-CH2); 50.4 (-OCH3); 59.9 (N-CH)
即ち、下記のとおりである一般式(VII)のオルガノキシシラン-ジチオスルフェンアミドを調製した:
‐ R1 = シクロヘキシル;
‐ Z = (CH2)3 (プロピレン);
‐ R4 = メチル;
‐ a = 3
・1H NMR (CDCl3) δH
0.75 (t, 4H, Si-CH2) ; 1.21 (m, 20H, 6xCH3 and CH2); 1.62-1.91 (m, 8H, CH2); 2.25 (m, 2H, CH2); 2.40 (m, 2H, CH2); 2.89 (t, 4H, SCH2); 3.01 (m, 1H, NCH); 3.81 (q, 12H, -OCH2)
・13C NMR (CDCl3) δC
9.6 (2xSi-CH2); 18.1 (2xCH3); 22.3 (2xCH2); 26.5 (CH2); 26.0 (2 x CH2);
32.7 (2 x CH2); 41.5 (S-CH2); 58.3 (-OCH2); 59.8 (N-CH)
・1H NMR (CDCl3) δH
0.62 (t, 2H, Si-CH2); 0.74 (t, 4H, Si-CH2); 1.22 (t, 9H, CH3-CH2-O);
1.67 (m, 2H, CH2); 1.83 (m, 4H, CH2); 2.82 (t, 4H, S-CH2);
3.05 (m, 2H, CH2); 3.55 (s, 18H, O-CH3); 3.80 (q, 6H, -OCH2).
・13C NMR (CDCl3) δC
6.2 (Si-CH2); 9.7 (Si-CH2); 18.4 (CH3-CH2); 20.9 (CH2); 23.8 (CH2);
44.0 (S-CH2); 50.6 (-OCH3); 54.9 (N-CH2); 58.5 (-OCH2)
a) フタルイミドスルフェニルクロライド:
磁力攪拌器を備えた三ツ口フラスコ内の350 mlクロロホルム中の0.1モル(35.6 g)のフタルイミドジスルフィド懸濁液を60℃に加熱する。塩素ガス流を、完全溶解が生ずるまで通す。反応媒質を周囲温度に戻し、次いで、溶媒を減圧下に蒸発させる。得られたフタルイミドスルフェニルクロライドをジクロロメタン中で再結晶化する。
収率;99%
外観:黄色結晶
融点:114℃
1H NMR (CDCl3) δH :
7.90 (m, 芳香族 2H); 8.01 (m, 芳香族 2H).
13C NMR (CDCl3) δC:
124.7 (2 芳香族 CH); 131.6 (2 芳香族 C);
135.6 (2 CH 芳香族); 165.8 (2 C=O).
b) N-(N'-メチル-N'-3-トリメトキシシリルプロピル)アミノチオフタルイミド:
上記フタルイミドスルフェニルクロライド(0.1モル、即ち、21.35 g)を、磁力攪拌器を備えた三ツ口フラスコ内で、不活性雰囲気中で350 mlのクロロホルム中に溶解させる。50 mlのクロロホルム中に希釈した0.21モルのN-メチル-N-(3-トリメトキシシリルプロピル)アミンを、周囲温度で滴下によって添加する。混合物を3時間攪拌し、次いで、溶媒を蒸発させる。混合物をジエチルエーテルで処理し、上記アミンのクロロハイドレートを濾過し、次いで、減圧下に濃縮させる。
収率:88%
外観:オレンジ色油状物
1H NMR (CDCl3) δH
0.64 (t, 2H, Si-CH2); 1.78 (m, 2H, CH2); 2.93 (H3C-N);
3.05 (t, 2H N- CH2); 3.56 (s, 9H -OCH3); 7.77 (m, 芳香族 2H);
7.92 (m, 芳香族 2H).
13C NMR (CDCl3) δc
5.9 (SiCH2); 21.0 (CH2); 46.8 (N-CH3); 50.5 (-OCH3);
62.9 (N-CH2); 123.8 (2 芳香族 CH); 132.3 (2 芳香族 C);
134.2 (2 芳香族 CH); 169.5 (2 C=O)
上記の工程で得られたスルフィド(50ミリモル)を、磁力攪拌器を備えた三ツ口フラスコ内で、不活性雰囲気中で250 mlのベンゼン中に溶解させる。最小量のベンゼン中に希釈した3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン(45ミリモル)を1度に添加する。これを、周囲温度で攪拌しながら48時間放置する。沈殿したフタルイミドと過剰のスルフィドを濾別し、次いで、溶媒を減圧下に蒸発させた。
NMR分析によって証明されるように、上述の特定式(V-3)のN-メチル-N-(3'-トリエトキシシリルプロピルジチオ)-3'-トリメトキシシリルプロピルアミン(黄色油状物の外観、収率95%)を得る:
・1H NMR (CDCl3) δH
0.61 (t, 2H, Si-CH2); 0.72 (t, 2H, Si-CH2); 1.22(t, 9H, CH3); 1.68 (m, 2H, CH2); 1.80 (m, 2H, CH2); 2.68 (NCH3); 2.75 (t, 2H, CH2); 2.88 (t, 2H, CH2); 3.57 (s, 9H, -OCH3); 3.82 (q, 6H, O-CH2).
・13C NMR (CDCl3) δC
6.2 (Si-CH2); 9.7 (Si-CH2); 18.4 (CH3-CH2); 20.9 (CH2); 23.8 (CH2);
44.0 (S-CH2); 46.1 (-NCH3); 50.6 (-OCH3); 58.5 (-OCH2); 60.9 (N-CH2)
即ち、下記のとおりである一般式(V)のジチオスルフェンアミドオルガノキシシランを得た:
‐ R1 = メチル;
‐ R2 = − Z − Si (OMe)3;
‐ Z = (CH2)3 (プロピレン);
‐ R4 = メチル; R6 = エチル;
‐ a = b = 3
以下の各試験において、手順は次のとおりである:ジエンエラストマー(または、必要に応じてのジエンエラストマー混合物)、補強用充填剤、カップリング剤を、次いで、1〜2分間の混練後に、加硫系を除く他の各種添加剤を密閉式ミキサーに入れ、70%まで満す。ミキサーの初期タンク温度は約60℃である。その後、熱機械加工(非生産段階)を、約165℃の最高“落下”温度に達するまで、2工程で実施する(総混練時間約7分)。このようにして得た混合物を回収し、冷却し、次いで、加硫系(イオウとスルフェンアミド促進剤)を、30℃の開放型ミキサー(ホモ-フィニッシャー)で、すべてを3〜4分間混合する(生産工程)ことによって添加する。
その後、このようにして得た組成物を、その物理特性または機械特性を測定するためのゴム薄スラブ(2〜3 mm厚)または薄シートの形に、あるいは所望寸法に切断しおよび/または組み立てた後に、例えば、タイヤ類用の半製品、とりわけタイヤ用のトレッドとして直接使用できる形状要素にカレンダー加工する。
以下の試験において、補強用無機充填剤(HDシリカ)は、50〜100 phr範囲内の好ましい量で使用する補強用充填剤全体を構成する;しかし、補強用充填剤の1部、好ましくは小割合をカーボンブラックで置換え得ることは、当業者にとっては言うまでもないことである。
この試験の目的は、通常のTESPTカップリング剤を使用する従来技術の組成物と比較して、本発明に従う組成物における改良された(無機充填剤/ジエンエラストマー)カップリング性能を例証することである。
‐組成物C-1:通常のTESPTシラン
‐組成物C-2:式VII-2のシラン-ジチオスルフェンアミド。
TESPTは、式:[(C2H5O)3Si(CH2)3S2]2を有するビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドであることを再認識されたい;TESPTは、例えば、Degussa社から商品名“Si69”(または、カーボンブラック上に50質量%まで支持されている場合には、“X50S”)として、或いはWitco社から商品名“Silquest A1289”として市販されている(双方とも、4に近い平均x値を有するポリスルフィドSxの市販混合物)。
TESPTの構造式は、下記のとおりである:
上記2つのカップリング剤は、この場合、シリコンの等モル量で使用している、即ち、組成物の如何にかかわらず、シリカおよびそのヒドロキシル表面基に対して反応性であるY官能基(この場合、Y = Si(OEt)3)を同じモル数で使用している。
補強用無機充填剤の量に対しては、カップリング剤の量は、双方共、10 phr未満であり、この量は補強用無機充填剤量に対し15質量%未満を示す。
図1および2は、それぞれ、レオグラム(硬化時間(分)の関数としてのトルク(dN.m)および硬化(150℃で40分)後の、伸び(%)の関数としてのモジュラス(MPa)曲線を再生させている;これらの曲線は、図1においてはC1およびC2として、図2においてはC1'およびC2'として印しており、それぞれ、組成物C-1およびC-2に相応する。
先ず第1に、図1のレオグラムは、本発明の組成物C-2の優位性を明白に示している:対照組成物の誘導時間(前記I-3の項に従って測定後7.5分)に近い誘導期間(5.1分);対照組成物の最高トルク(測定後18 dN.m)よりも大きい最高トルク(19 dN.m);最後に、何にましても、30%〜80%の転換率において明らかに顕著であるレオグラム勾配(定数K)によって例証されるように、明白に速い加硫速度(測定値(前記I-3の項に従う)は、組成物C-2において、対照組成物において記録した勾配(K = 0.13 min-1)の実質2倍のK = 0.22 min-1を示している);換言すれば、組成物C-2の硬化は、より短時間で実施し得る。
硬化後(図2)、本発明の組成物(曲線C2)は、対照組成物(曲線C1)と比較して、実質的に同等である破壊時特性;しかし、とりわけ高変形(100%以上の伸び)において明らかに優れている補強(モジュラス)値;伸びが増大するにつれて、すべてより明白となる2つの曲線間の距離を明白にしている。そのような挙動は、補強用無機充填剤とジエンエラストマー間の改良されたカップリング性を明らかに例証しており、本発明組成物の磨耗に耐える極めて良好な能力を期待するのを可能にしている。
さらにまた、対照組成物においてもすでに低いムーニー可塑度が、本発明の組成物においては予想外に低下しており(10%近く)、もう1つの利点として、本発明組成物の未加硫状態での優れた加工能力が立証されている。
本発明は、低転がり抵抗性と高耐摩耗性の双方を有するタイヤ用のトレッド類の製造を意図するゴム組成物において、とりわけこれらのトレッド類を旅客車両、モーターサイクル類または重量車両タイプのような産業用車両用のタイヤ用に意図する場合に、とりわけ有利に応用することができる。
(1) 59.5%の1-2ポリブタジエン単位、26.5%のスチレンを含むSSBR;Tg = -29℃;
芳香族オイルでの75 phr乾燥SBR増量(SSBR + オイルの総量が103 phrに等しい)。
(2) 4.3%の1-2、2.7%のトランス、93%のシス1-4を含むBR (Tg = -106℃)。
(3) マイクロビーズ形のRhodia社からのシリカタイプ “HDS”-Zeosil 1165 MP
(BETおよびCTAB:約150〜160 m2/g)。
(4) TESPT (Degussa社からの“Si69”)。
(5) 式VII-2のシラン-ジチオスルフェンアミド(III-1項、実施例4に従って合成);
(6) ジフェニルグアニジン (Bayer社からの“Vulcacit D”)。
(7) N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド(Flexsys社からの
“Santocure CBS”)。
Claims (4)
- 下記の各工程:
・ミキサー内で、ジエンエラストマー中に、少なくとも:
-補強用無機充填剤、
-ポリチオスルフェンアミド官能基を有する無機充填剤/ジエンエラストマーカップリング剤、
を混入する工程;
・混合物全体を、1以上の工程で、110℃〜190℃の最高温度に達するまで熱機械的に混練する工程;
・混合物全体を100℃未満の温度に冷却する工程;
・次いて、加硫系を混入する工程;
・混合物全体を、120℃未満の最高温度に達するまで混練する工程;
を含み、前記カップリング剤が以下の化合物から成る群から選択されることを特徴とする、タイヤ類の製造において有用なエラストマー組成物の製造方法:
式(V-1)の化合物:
式(V-2)の化合物:
式(V-3)の化合物:
式(VII-1)の化合物:
式(VII-2)の化合物:
及び式(VII-3)の化合物:
。
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