JP4583672B2 - 冷却装置のための運転制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、速度制御される電動機によって駆動される圧縮機を有し、冷蔵庫、冷凍庫などの貯蔵庫内を冷却する冷却装置のための運転制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば特開平11−173729号公報および特開昭60−188775号公報に示されているように、庫内温度を検出し、同検出庫内温度を用いて電動機を速度制御することは知られている。この場合、検出庫内温度が設定温度から離れて高くなるに従って電動機の回転速度が速くなるように同電動機の回転速度を制御して、冷却装置の冷却能力を高め、庫内温度が設定温度から離れて高くなっても、庫内温度が短時間で設定温度に戻るとともに、庫内温度が設定温度にほぼ等しく保たれるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の装置にあっては、冷却装置の作動開始時のように、外気温度に近い極めて高い庫内温度を設定温度まで下げる場合、その初期においては庫内温度が設定温度に比べて極めて高いために、電動機の回転速度は極めて速くなるように制御されることになる。この電動機の回転速度が極めて速い状態では、電動機に大きな電流が流れ、この大きな電流を流すことを許容するためには、大きな容量の電動機および電源回路が必要になり、電動機および電源回路が大型化するとともにそれらの製造コストが高くなるという問題がある。
【0004】
【発明の概要】
本発明は、冷却されるべき物を庫内に新たに入れた場合でも、冷却された物を庫内から取出した場合でも、庫内温度が設定温度から大きく離れて上昇することはなく、通常、冷却装置の作動開始時以外には庫内温度が極めて高くなることはないことに基づくものである。また、この冷却装置の作動開始時に、電動機の回転速度を極めて速くして冷却装置の冷却能力を極めて高くする必要もなく、冷却されるべき物を庫内に新たに入れた場合に必要な冷却装置の冷却能力で十分なはずである。
【0005】
本発明は、このような前提に基づくとともに、上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、電動機および電源回路が大型化するとともに、それらの製造コストが高くなるとことを回避した冷却装置の運転制御装置を提供することにある。
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、速度制御される電動機により駆動される圧縮機と、圧縮機から吐出された冷媒との熱交換により貯蔵庫内を冷却する蒸発器とを含む冷凍サイクルを備えた冷却装置のための運転制御装置において、貯蔵庫内の温度を直接的または間接的に表す物理量を検出する物理量検出手段と、前記検出された物理量に応じて電動機の回転速度を制御して貯蔵庫内の温度を所望の設定温度に保つ庫内温度制御手段と、前記検出された物理量が設定温度よりも高い所定温度以上の庫内温度を表すとき、電動機の回転速度を所定回転速度以下に制限する回転速度制限手段とを備え、回転速度制限手段に、前記検出された物理量が前記設定温度よりも高い所定温度以上の庫内温度を表している状態で、前記検出された物理量が低い庫内温度を表すに従って、前記設定温度とは無関係に、電動機の回転速度が速くなるように電動機の回転速度を変更制御する回転速度変更制御手段を設けたことにある。
この場合、前記回転速度変更制御手段を、庫内温度の高さにより区分された複数の領域を予め定めておき、検出された物理量が庫内温度の低い領域に属する庫内温度を表すほど、電動機の回転速度が速くなるように同電動機の回転速度を制御するようにするとよい。また、庫内温度が低くなるに従って電動機の回転速度が速くなるように定めた庫内温度(または検出物理量)と回転速度との関係を示す関数またはテーブルを予め用意しておき、この関数またはテーブルを用いることにより、検出された物理量が低い庫内温度を表すに従って、電動機の回転速度が連続的に速くなるように同電動機の回転速度を制御するようにしてもよい。また、前記回転速度変更制御手段によって変更制御される電動機の回転速度を、定常運転時における必要な最大冷却能力時に電動機に流れる定格電流に対応した回転速度以下に制限するとよい。
【0007】
前記構成においては、前記物理量検出手段を、貯蔵庫内に設けられて貯蔵庫内の温度を検出する温度センサで構成するとよい。また、前記物理量検出手段を、蒸発器によって冷却されるとともに貯蔵庫内を冷却する冷却空気の通路に設けられて、同冷却空気の温度を検出する温度センサで構成してもよい。また、前記物理量検出手段を、蒸発器に組み付けられて、同蒸発器の温度を検出する温度センサで構成してもよい。この場合、特に、温度センサを蒸発器の冷媒の入口付近ではなく、蒸発器の中央部から後方すなわち中央部と出口との間に設けるとよい。
また、前記物理量検出手段を、蒸発器と圧縮機との間の冷媒通路に設けられて、同冷媒通路内を流れる冷媒の圧力を検出する圧力センサで構成してもよい。これらの温度センサおよび圧力センサによって検出される温度および圧力は、貯蔵庫内の温度を直接的または間接的に表す物理量である。
【0008】
また、前記庫内温度制御手段を、前記検出された物理量が庫内温度と設定温度との大きな温度差を表すに従って、電動機の回転速度が速くなるように同電動機の回転速度を変更制御するように構成するとよい。例えば、庫内温度と設定温度との温度差の大きさにより区分された複数の領域を予め定めておき、電動機の回転速度を前記温度差が属する領域ごとに異なる回転速度に制御することができる。具体的には、検出された物理量が、設定温度よりも高い庫内温度を表し、かつ庫内温度と設定温度との温度差が大きくなる領域に属する庫内温度を表すほど、電動機の回転速度が速くなるように同電動機の回転速度を制御すればよい。また、前記温度差が大きくなるに従って電動機の回転速度が速くなるように定めた温度差(または検出物理量)と回転速度との関係を示す関数またはテーブルを予め用意しておき、この関数またはテーブルを用いることにより、検出された物理量が、設定温度よりも高い庫内温度を表し、かつ庫内温度と設定温度の温度差が大きくなる庫内温度を表すに従って、電動機の回転速度が連続的に速くなるように同電動機の回転速度を制御するようにしてもよい。
【0010】
前記のように構成した本発明においては、冷却されるべき物を庫内に新たに入れた場合、冷却された物を庫内から取出した場合などに、庫内温度が設定温度から多少上昇しても、この庫内の温度上昇は庫内温度制御手段によって是正されて、冷却装置の定常運転時における庫内温度はほぼ設定温度に保たれ続ける。また、冷却装置の始動時のように、庫内温度が外気温度に近くて設定温度よりも極めて高く、電動機の同一の回転速度に対して大きな電流の流れる状況下では、回転速度制限手段により、電動機の回転速度が所定回転速度以下に制限される。したがって、このような状況下にあっても、電動機には大きな電流が流れることはない。なお、この場合には、庫内温度の降下速度はそれほど速くならないが、冷却装置の始動時には、冷却されるべき物が入っていないことが通常であり、問題とならない。その結果、本発明によれば、冷却装置による庫内の冷却に大きな問題を与えることなく、電動機に極めて大きな電流が流れることを防止できて、電動機および電源回路の大型化および製造コストが高くなることを回避できる。
【0012】
また、前記本発明においては、冷却装置の始動時のように、庫内温度が外気温度に近くて設定温度よりも極めて高い状態では、電動機に流れる電流を所定電流値以下に抑えることができる。そして、冷却装置による冷却により庫内温度が減少し始めると、回転速度制限手段に設けた回転速度変更制御手段が、電動機の回転速度が速くなるように制御するので、この状態では、電動機に流れる電流を所定電流値以下に抑えたうえで、冷却装置の冷却能力を高めることもできる。その結果、本発明によれば、冷却装置の始動時にも、電動機に流れる電流を所定電流値以下に抑えたうえで、庫内温度を迅速に降下させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
a.第1実施形態
以下、本発明の第1実施形態について説明すると、図1は、同第1実施形態に係る冷蔵庫の庫内10を冷却する冷却装置20およびその運転制御装置30の全体を概略的に示している。
【0014】
この冷却装置20は、圧縮機21、凝縮器22、キャピラリチューブ23および蒸発器24からなり、冷媒を循環させる冷凍サイクルを備えている。圧縮機21は、速度制御される電動機25により回転駆動されて、高温高圧の冷媒ガスを吐出する。この電動機25としては、例えば直流ブラシレスモータを利用できる。この圧縮機21から吐出された高温高圧の冷媒ガスは、冷却ファン26の付設された凝縮器22にて放熱液化され、キャピラリチューブ23にて減圧され、凝縮器22にて蒸発して圧縮機21に帰還される。蒸発器24の近傍には、庫内ファン27が配置されている。庫内ファン27は、蒸発器24の一部または全部を収容するとともに庫内10に連通した通路(冷却空気通路)10a内に設けられて、蒸発器24により冷却された空気を庫内10に循環させて庫内10を冷却する。図中の矢印は、空気の流れを示している。
【0015】
運転制御装置30は、電動機25の回転速度を制御するインバータ回路31を備えているとともに、冷却ファン26および庫内ファン27の作動を制御するためのファンドライブ回路32,33を備えている。本実施形態においては、インバータ回路31によって電動機25の回転数が、下記表1に示すように、レベルL1〜L5までの5ランクに切換え制御されるようになっている。なお、表1中の回転数は1秒当たりの電動機25の回転数を示している。
【0016】
【表1】
Figure 0004583672
【0017】
これらのインバータ回路31およびファンドライブ回路32,33には、マイクロコンピュータ34が接続されている。マイクロコンピュータ34は、図3,4のフローチャートに対応したプログラムを実行して電動機25の回転速度を制御する。このマイクロコンピュータ34には、庫内温度センサ35および吐出冷媒温度センサ36がA/D変換器37を介して接続されているとともに、庫内温度設定器38が接続されている。
【0018】
庫内温度センサ35は、庫内10の温度Txを検出して、同庫内温度Txを表すアナログ検出信号をA/D変換器37に出力する。吐出冷媒温度センサ36は、圧縮機21から吐出された高温高圧の吐出冷媒温度Tcを検出して、同吐出冷媒温度Tcを表すアナログ検出信号をA/D変換器37に出力する。A/D変換器37は、庫内温度Txおよび吐出冷媒温度Tcをそれぞれ表すアナログ検出信号をA/D変換してマイクロコンピュータ34に出力する。庫内温度設定器38は、使用者が所望とする庫内10の温度Tsを設定するために、使用者によって操作される。
【0019】
さらに、運転制御装置30は、外部の電力供給線などから供給される電力をインバータ回路31およびファンドライブ回路32,33に供給する電源回路40を備えている。この電源回路40は、マイクロコンピュータ34、A/D変換器37などの各種回路にも必要に応じて電力を供給する。
【0020】
上記のように構成した実施形態の動作を説明する前に、庫内温度Txに対する冷却装置20の冷却能力および電動機25に流れる電流の各関係について説明しておく。図2は、前記両関係の特性グラフを示しており、図2中の2点鎖線は、冷蔵庫の庫内温度Txに対する熱負荷の特性線を示している。熱負荷とは、外部から庫内10への侵入熱量と、庫内10の内部発熱量との合計値を表すものである。この特性線によれば、庫内温度Txが低くなるに従って、熱負荷は増加することが理解できる。
【0021】
また、図2中の上部の実線、破線および一点鎖線は、庫内温度Txに対して、電動機25をそれぞれ高速、中速および低速(例えば、上記表1のレベルL5,L3,L1に対応)で回転させた場合における冷却装置10の冷却能力の各変化特性をそれぞれ示している。これによれば、冷却装置10の冷却能力は、電動機25を高速で回転させるほどが高くなり、かつ庫内温度Txが高くなるに従って高くなることが理解できる。さらに、庫内10の冷却力は、前記冷却装置10の冷却能力から前記熱負荷との差によって定義される。この庫内10の冷却力も、図示太線矢印で示すように、電動機25を高速で回転させるほどが高くなり、かつ庫内温度Txが高くなるに従って高くなることが理解できる。
【0022】
また、図2中の下部の実線、破線および一点鎖線は、庫内温度Txに対して、電動機25をそれぞれ高速、中速および低速(例えば、上記表1のレベルL5,L3,L1に対応)で回転させた場合に電動機25に流れる各電流の大きさの変化特性を示している。これによれば、電動機25に流れる電流は、電動機25を高速で回転させるほどが大きくなり、かつ庫内温度Txが高くなるに従って大きくなることが理解できる。そして、図2中の点線は、電動機25および電源回路40の最大許容電流Imax(定格電流)を示しており、電動機25の回転速度を速くすると、庫内温度Txが高くなるに従って電動機25に最大許容電流Imax以上の電流が流れる傾向にあることが理解できる。したがって、電動機25の最大許容電流Imaxに一致するように電源回路40の最大許容電流(定格電流)を決めればよい。また、図2中のドットを付した領域は、冷却装置10が冷却力を発揮し得ない領域(禁止領域)を示すことになる。
【0023】
このような特性を有する冷却装置20を備えた冷蔵庫の動作を説明する。使用者が、庫内温度設定器38を用いて設定温度Tsを所望の値に設定した後、図示しないスイッチなどにより作動開始操作を行うと、マイクロコンピュータ34は図3のステップ100にてプログラムの実行を開始する。なお、このプログラムの実行開始とともに、マイクロコンピュータ34は、ファンドライブ回路32,33に作動指令を出力し、冷却ファン26および庫内ファン27を作動させる。
【0024】
このプログラムの実行開始後、ステップ102にて電動機25の回転速度のランクを示すランクデータRNKをレベルL3に設定して、同ランクデータRNKをインバータ回路31に出力する。インバータ回路31は、前記供給されたランクデータRNKによって表されたレベルL3に対応した回転速度で電動機25を回転させる。なお、各レベルに対する電動機25の回転速度は、前述した表1のとおりであり、電動機25に流れる電流が庫内温度Txとの関係で最大許容電流Imax以下に抑えられる程度に遅い速度である。
【0025】
電動機25の回転は圧縮機21に伝達され、圧縮機21は、高温高圧の冷媒を吐出し始める。すなわち、冷却装置20は作動して、庫内ファン27と協働して庫内10を冷却し始める。前記ステップ102の処理後、ステップ104にて、庫内温度センサ35によって検出された庫内温度TxをA/D変換器37を介して入力して、同入力した庫内温度Txが予め決められた比較的高い所定温度T1(例えば、10℃)未満であるか否かを判定する。
【0026】
冷却装置20の作動開始直後であって、庫内温度Txが外気温度に依存して高く所定温度T1以上であれば、ステップ104にて「NO」と判定してステップ102,104からなる循環処理を繰返し実行する。この循環処理により、庫内10が冷却されて、庫内温度Txが所定温度T1未満になると、ステップ104にて「YES」と判定してプログラムをステップ106以降に進める。
【0027】
ステップ106においては、吐出冷媒温度センサ36によって検出された吐出冷媒温度TcをA/D変換器37を介して入力して、同入力した吐出冷媒温度Tcが予め決められた所定温度T2未満であるかを判定する。なお、この所定温度T2は、圧縮機21から吐出される冷媒の温度Tcが冷却装置20の運転上過大である値に設定されている。吐出冷媒温度Tcが所定温度T2未満であれば、ステップ106にて「YES」と判定してプログラムをステップ108に進める。ステップ108においては、ランクデータRNKをレベルL4(またはレベルL5)に設定して、同ランクデータRNKをインバータ回路31に出力する。インバータ回路31は、前記設定されたレベルL4(またはレベルL5)に対応した回転速度で電動機25を回転させる。なお、このレベルL4(またはレベルL5)に対応した電動機25の回転速度は、前述した表1に示したレベルL3に対応した電動機25の回転速度よりも速い速度であるが、電動機25および電源回路40に流れる電流が庫内温度Txとの関係で最大許容電流Imax以下に抑えられる程度の速度である。これにより、電動機25および電源回路40に流れる電流を最大許容電流Imax以下に抑えたうえで、冷却装置20の冷却能力が高められる。
【0028】
前記ステップ108の処理後、ステップ110にて、庫内温度センサ35から入力した庫内温度Txが前記所定温度T1よりも低い所定温度T3(例えば、5℃)未満であるか否かを判定する。庫内温度Txが所定温度T3以上であれば、ステップ110にて「NO」と判定してステップ106〜110からなる循環処理を繰返し実行する。この循環処理により、庫内10が引き続き冷却される。しかし、この循環処理中、吐出冷媒温度Tcが所定温度T2以上になった場合には、ステップ106にて「NO」と判定して、プログラムをステップ112に進める。
【0029】
ステップ112においては、ランクデータRNKをレベルL3に戻して、同ランクデータRNKをインバータ回路31に出力する。インバータ回路31は、前記戻されたレベルL3に対応した回転速度で電動機25を回転させる。したがって、圧縮機21の出力が抑制され、冷却装置20の過剰運転を避けることができる。そして、吐出冷媒温度Tcが所定温度T2以上である限り、ステップ106における「NO」との判定のもとに、ステップ106,112,110からなる循環処理が実行され続けて、冷却装置20の保護が図られる。一方、ステップ106,112,110からなる循環処理中、吐出冷媒温度Tcが所定温度T2未満になれば、ステップ106にて「NO」と判定されるようになり、前述したステップ106〜110からなる循環処理が繰返し実行されるようになる。
【0030】
このようなステップ106〜110またはステップ106,112,110からなる循環処理中、庫内温度Txが所定温度T3未満になれば、ステップ110にて「YES」と判定してプログラムをステップ114に進める。ステップ114においては、ランクデータRNKから「1」を減算して、同減算したランクデータRNKをインバータ回路31に出力する。インバータ回路31は、前記減算されたランクデータRNKに対応した回転速度で電動機25を回転させる。したがって、電動機25の回転速度は減速され、この減速された回転速度で圧縮器21が駆動されて庫内10が冷却されるようになる。すなわち、冷却装置20の冷却能力は1ランクだけ低い側に切換えられる。
【0031】
前記ステップ114の処理後、図4のステップ116,118からなる循環処理を繰返し実行する。ステップ116においては、庫内温度Txが前記所定温度T3よりも高い所定温度(上限温度)T3’(例えば、5.5℃)以上であるかを判定する。ステップ118においては、庫内温度Txが設定温度Tsに所定増分値ΔT11を加算した下限温度Ts+ΔT11以下であるかを判定する。なお、この所定増分値ΔT11は例えば2.5℃に設定されており、設定温度Tsが例えば1℃に設定されていれば、前記下限温度Ts+ΔT11は3.5℃である。したがって、庫内温度Txが下限温度Ts+ΔT11と上限温度T3’との間にあれば、ステップ116,118にて共に「NO」と判定され続けて、ステップ116,118からなる循環処理が繰返し実行され続ける。この状態では、前記ステップ114の処理により1ランクだけ低い側に切換えられた状態で、冷却装置20が運転され続ける。
【0032】
この冷却により、庫内温度Txが下限温度Ts+ΔT11以下になれば、ステップ118にて「YES」と判定してプログラムをステップ120以降に進める。ステップ118においては、ランクデータRNKから「1」を減算して、同減算したランクデータRNKをインバータ回路31に出力する。したがって、電動機25の回転速度は減速され、この減速された回転速度で圧縮器21が駆動されて庫内10が冷却される。すなわち、冷却装置20の冷却能力は1ランクだけ低い側に切換えられる。
【0033】
一方、前記ステップ116,118の循環処理中、庫内温度Txが上限温度T3’以上になった場合には、ステップ116にて「YES」と判定してプログラムをステップ122に進める。ステップ122においては、ランクデータRNKに「1」を加算して、同加算したランクデータRNKをインバータ回路31に出力する。したがって、電動機25の回転速度は増速され、この増速された回転速度で圧縮器21が駆動されて庫内10が冷却される。すなわち、冷却装置20の冷却能力は1ランクだけ高い側に切換えられる。そして、前記ステップ122の処理後、前述した図3のステップ106〜110からなる循環処理に戻る。
【0034】
前記ステップ120の処理後、ステップ124,126からなる循環処理を繰返し実行する。ステップ124においては、庫内温度Txが設定温度Tsに所定増分値ΔT12を加算した上限温度Ts+ΔT12以上であるかを判定する。なお、この所定増分値ΔT12は前記増分値ΔT11よりも大きく、例えば3.0℃に設定されており、設定温度Tsが例えば1℃に設定されていれば、上限温度Ts+ΔT12は4.0℃である。ステップ126においては、庫内温度Txが設定温度Tsに所定増分値ΔT21を加算した下限温度Ts+ΔT21以下であるかを判定する。なお、この所定増分値ΔT21は前記増分値T11よりも小さく、例えば1.0℃に設定されており、設定温度Tsが例えば1℃に設定されていれば、下限温度Ts+ΔT21は2.0℃である。したがって、庫内温度Txが下限温度Ts+ΔT21と上限温度Ts+ΔT12との間にあれば、ステップ124,126にて共に「NO」と判定され続けて、ステップ124,126からなる循環処理が繰返し実行され続ける。この状態では、前記ステップ120の処理により1ランクだけ低い側に切換えられた状態で、冷却装置20が運転され続ける。
【0035】
この冷却により、庫内温度Txが下限温度Ts+ΔT21以下になれば、ステップ126にて「YES」と判定してプログラムをステップ128以降に進める。ステップ128においては、ランクデータRNKから「1」を減算して、同減算したランクデータRNKをインバータ回路31に出力する。したがって、電動機25の回転速度は減速され、この減速された回転速度で圧縮器21が駆動されて庫内10が冷却される。すなわち、冷却装置20の冷却能力は1ランクだけ低い側に切換えられる。
【0036】
一方、前記ステップ124,126の循環処理中、庫内温度Txが上限温度T12以上になった場合には、ステップ124にて「YES」と判定してステップ130に進む。ステップ130においては、ランクデータRNKに「1」を加算して、同加算したランクデータRNKをインバータ回路31に出力する。したがって、電動機25の回転速度は増速され、この増速された回転速度で圧縮器21が駆動されて庫内10が冷却される。すなわち、冷却装置20の冷却能力は1ランクだけ高い側に切換えられる。そして、前記ステップ130の処理後、前述したステップ116,118からなる循環処理に戻る。
【0037】
前記ステップ128の処理後、ステップ132,134からなる循環処理を繰返し実行する。ステップ132においては、庫内温度Txが設定温度Tsに所定増分値ΔT22を加算した上限温度Ts+ΔT22以上であるかを判定する。なお、この所定増分値ΔT22は前記増分値ΔT21よりも大きく、例えば1.5℃に設定されており、設定温度Tsが例えば1℃に設定されていれば、上限温度Ts+ΔT22は2.5℃である。ステップ134においては、庫内温度Txが設定温度Tsに所定増分値ΔT31を加算した下限温度Ts+ΔT31以下であるかを判定する。なお、この所定増分値ΔT31は前記増分値ΔT21よりも小さく、例えば−1.0℃に設定されており、設定温度Tsが例えば1℃に設定されていれば、下限温度Ts+ΔT31は0.0℃である。したがって、庫内温度Txが下限温度Ts+ΔT31と上限温度Ts+ΔT22との間にあれば、ステップ132,134にて共に「NO」と判定され続けて、ステップ132,134からの循環処理が繰返し実行され続ける。この状態では、前記ステップ128の処理により1ランクだけ低い側に切換えられた状態で、冷却装置20が運転され続ける。
【0038】
この冷却により、庫内温度Txが下限温度Ts+ΔT31以下になれば、ステップ134にて「YES」と判定してステップ138以降に進む。ステップ138においては、電動機25の作動を停止させる。この電動機25の作動停止により、冷却装置20は冷却動作を停止する。
【0039】
一方、前記ステップ132,134の循環処理中、庫内温度Txが上限温度Ts+T22以上になった場合には、ステップ132にて「YES」と判定してステップ136に進む。ステップ136においては、ランクデータRNKに「1」を加算して、同加算したランクデータRNKをインバータ回路31に出力する。したがって、電動機25の回転速度は増速され、この増速された回転速度で圧縮器21が駆動されて庫内10が冷却される。すなわち、冷却装置20の冷却能力は1ランクだけ高い側に切換えられる。そして、前記ステップ136の処理後、前述したステップ124,126からなる循環処理に戻る。
【0040】
前記ステップ138の処理後、ステップ140にて、庫内温度Txが設定温度Tsに所定増分値ΔT32を加算した上限温度Ts+ΔT32以上であるかを判定する。なお、この所定増分値ΔT32は前記増分値ΔT31よりも大きく、例えば0.5℃に設定されており、設定温度Tsが例えば1℃に設定されていれば、上限温度Ts+ΔT32は1.5℃である。したがって、庫内温度Txが上限温度Ts+ΔT32未満であれば、ステップ140にて「NO」と判定され続けて、ステップ138,140からの循環処理が繰返し実行され続ける。この状態では、電動機138の作動は停止され続けて、冷却装置20の運転も停止され続ける。
【0041】
一方、前記ステップ138,140の循環処理中、庫内温度Txが上限温度T32以上になった場合には、ステップ140にて「YES」と判定してステップ142に進む。ステップ142においては、電動機25の作動を再開させる。そして、ステップ132,134の循環処理に戻り、冷却装置20は庫内10を冷却し始める。この場合、ランクデータRNKは前述したステップ128にて設定されたままに保たれているので、電動機25の回転速度は前述したステップ132,134の循環処理時と同じに保たれる。
【0042】
上記作動説明からも理解できるとおり、上記第1実施形態によれば、冷蔵庫の作動開始時、すなわち冷却装置20の始動時のように庫内温度Txが外気温度に近くて設定温度Tsよりも極めて高い場合には、庫内温度Txが所定温度T1以上であれば、ステップ102,104の処理により、電動機25の回転速度のランクはレベルL3に保たれる。また、庫内温度Txが所定温度T1よりも低く、かつ所定温度T3以上であれば、電動機25の回転速度のランクはレベルL3〜L5に保たれる。すなわち、庫内温度Txが外気温度に近くて設定温度Tsよりも極めて高く、電動機25および電源回路40に大きな電流の流れる状況下では、これらの回転速度は比較的低く、電動機25および電源回路40に流れる電流は最大許容電流Imax以下に抑えられるので、電動機25および電源回路40の大型化および製造コストが高くなることを回避できる。また、このように冷蔵庫すなわち圧縮機21の始動開始時の負荷を抑えることにより、凝縮器22の能力も不必要に大きくすることを回避でき、凝縮器22の製造コストを安く抑えることができる。
【0043】
また、前記ステップ102〜110の処理においては、庫内温度Txが低くなるに従って、電動機25の回転速度のランクが高い側に切換えられて、冷却装置20の冷却能力が高くなる側に切換えられる。したがって、上記第1実施形態によれば、電動機25および電源回路40に流れる電流を最大許容電流Imax以下に抑えた上で、庫内温度Txを迅速に降下させることができる。
【0044】
さらに、冷却装置20の始動後の定常運転状態すなわち庫内温度Txが所定温度T3未満の状態では、庫内温度Txが上昇するに従って電動機25の回転速度が速くなるように、すなわち冷却装置20の冷却能力が高くなるように制御される。したがって、冷蔵庫の定常運転状態において、冷却されるべき物を庫内10に新たに入れた場合、冷却された物を庫内10から取出した場合などに、庫内温度Txが設定温度Tsから多少上昇しても、この庫内10の温度上昇は迅速かつ的確に是正されるとともに、冷却装置20の定常運転時における庫内温度Txはほぼ設定温度Tsに保たれ続ける。
【0045】
b.第2実施形態
次に、本発明を冷凍庫に適用した第2実施形態について説明する。この第2実施形態においては、図1に破線で示すように、マイクロコンピュータ34に警報器39が接続されている。また、この第2実施形態においては、マイクロコンピュータ34は、図5および図6のフローチャートに対応したプログラムを実行する。その他の構成に関しては、上記第1実施形態の冷蔵庫の場合と同様であるので説明を省略する。なお、図2の冷却装置20および電動機25の特性に関する図2のグラフも、温度こそ異なるものの、特性に関してはこの第2実施形態に係る冷凍庫の場合にも当てはまる。
【0046】
次に、この第2実施形態の動作を説明する。この場合も、作動開始により、マイクロコンピュータ34は図5のステップ200からプログラムを開始するとともに、冷却ファン26および庫内ファン27を作動させる。図5のステップ202〜210,218の処理は、上記第1実施形態の図3のステップ102〜110,114の処理と実質的に同じである。異なる点は、ステップ202,208,218において設定される電動機25の回転速度のランクおよびステップ210にて庫内温度Txと比較される温度である。すなわち、この冷凍庫の場合には、ステップ202,208、218にて、ランクデータRNKはそれぞれレベルL2,L3,L4(またはL5)に設定される。また、ステップ210において庫内温度Txと比較される所定温度T4は、−5℃である。
【0047】
また、この第2実施形態においては、前記ステップ218の処理後に、ステップ220にて庫内温度Txが所定温度T5(例えば、−18℃)未満であるか否かの判定処理も付加されている。そして、庫内温度Txが所定温度T5以上である限り、ステップ220における「NO」との判定のもとに、ステップ218,220からなる循環処理を繰返し実行し続ける。一方、庫内温度Txが所定温度T5未満に降下すれば、ステップ220にて「YES」と判定して、図6のステップ222以降の通常運転制御ルーチンに進む。
【0048】
したがって、この第2実施形態においては、冷却装置20の作動開始直後の庫内温度Txが極めて高い状態から庫内温度Txが10℃に達するまでは、電動機25の回転速度のランクがレベルL2に設定される。そして、庫内温度Txが10℃から−5℃までにおける電動機25の回転速度のランクはレベルL3に設定され、庫内温度Txが−5℃から−18℃までにおける電動機25の回転速度のランクはレベルL4またはレベルL3に設定される。そして、これらのレベルL2〜L5までは、上記第1実施形態の場合と同様に、電動機25および電源回路40に流れる電流は最大許容電流Imax以下に抑えられるようになっている。
【0049】
これにより、この第2実施形態に係る冷凍庫においても、庫内温度Txが外気温度に近くて設定温度よりも極めて高く、電動機25および電源回路40に大きな電流の流れる状況下では、これらの回転速度は比較的低く保たれるので、電動機25および電源回路40の大型化および製造コストが高くなることを回避できる。また、このような冷凍庫が定常運転状態に入る前における庫内温度Txが所定温度T5以上の状態では、庫内温度Txが低くなるに従って、電動機25の回転速度のランクが高い側に切換えられて、冷却装置20の冷却能力が高くなる側に切換えられるので、電動機25および電源回路40に流れる電流を最大許容電流Imax以下に抑えた上で、庫内温度Txを迅速に降下させることができる。また、凝縮器22の能力の点も上記第1実施形態の場合と同じである。
【0050】
また、この第2実施形態においては、ステップ206にて「NO」すなわち吐出冷媒温度Tcが所定温度T2(例えば、60℃)以上であると判定されると、ステップ212以降の処理が実行される。ステップ212においては、警報器39に警報信号を出力させ、ステップ214にて電動機25、冷却ファン26および庫内ファン27の作動など冷却装置20の作動を停止させて、ステップ216にてこのプログラムの実行を終了する。このプログラムの実行終了後には、使用者が冷却装置20をふたたび作動開始させない限り、冷却装置20は作動されない。これは、このような状況下では、冷凍庫のいずれかに異常が発生している可能性が高く、使用者が冷蔵庫の各部を点検する必要があるからである。
【0051】
なお、上記第1実施形態では、このような吐出冷媒温度Tcが所定温度T2以上である場合もステップ112の処理により、電動機25の回転速度のランクを下げて冷却装置20を作動させ続けるようにした。しかし、上記第1実施形態に係る冷蔵庫の場合も、この第2実施形態の場合と同様に、ステップ212〜216からなる処理を実行して、冷蔵庫の作動を停止させるようにしてもよい。
【0052】
ふたたび、この第2実施形態に係る冷凍庫の動作説明に戻ると、前記ステップ220にて「YES」と判定された場合、マイクロコンピュータ34は図6のステップ222〜248からなる定常運転ルーチンを実行する。これらのステップ222〜248の処理は、上記第1実施形態の図4のステップ116〜142の処理と実質的に同じである。異なる点は、ステップ222,224,230,232,238,240,246において庫内温度Txと比較される温度である。
すなわち、このステップ222にて庫内温度Txと比較される所定温度(上限温度)T5’は、例えば−17.5℃のように低い温度である。また、ステップ224,230,232,238,240,246にて設定温度Tsに加算される所定増分値ΔT41,ΔT42,ΔT51,ΔT52,ΔT61,ΔT62は、それぞれ例えば0℃,1℃,−0.5℃,0.5℃,−1℃,0℃に設定されている。そして、設定温度Tsを例えば−20℃とすれば、ステップ224,230,232,238,240,246にて庫内温度Txと比較される上限または下限温度Ts+ΔT41,Ts+ΔT42,Ts+ΔT51,Ts+ΔT52,Ts+ΔT61,Ts+ΔT62は、それぞれ例えば−20℃,−19℃,−20.5℃,−19.5℃,−21℃,−20℃になる。
【0053】
また、ステップ222にて、「YES」すなわち庫内温度Txが上限温度T5’以上であると判定されると、ステップ226の処理後、図5のステップ218,220からなる循環処理に戻される。
【0054】
これにより、この第2実施形態に係る冷凍庫においても、冷却装置20の始動後の定常運転状態すなわち庫内温度Txが所定温度T5未満の状態では、庫内温度Txが上昇するに従って電動機25の回転速度が速くなるように、すなわち冷却装置20の冷却能力が高くなるように制御される。したがって、冷凍庫の定常運転状態において、冷却されるべき物を庫内10に新たに入れた場合、冷却された物を庫内10から取出した場合などに、庫内温度Txが設定温度Tsから多少上昇しても、この庫内10の温度上昇は迅速かつ的確に是正されるとともに、冷却装置20の定常運転時における庫内温度Txはほぼ設定温度Tsに保たれ続ける。
【0055】
c.変形例
なお、上記第1および第2実施形態では、図3のステップ106および図5のステップ206にて吐出冷媒温度Tcと所定温度T2とを比較するようにした。
しかし、これに代えて、圧縮機21の出口の高温高圧の冷媒の圧力Pcが所定圧力以下であるかを判定して、冷媒圧力Pcが所定圧力以下であるときにのみステップ108,208の処理を実行するようにしてもよい。この場合、吐出冷媒温度センサ36に代えて、圧縮機21の出口における冷媒の圧力Pcを検出する圧力センサを設けて、同圧力センサ出力をA/D変換器37を介してマイクロコンピュータ34に導くようにすればよい。
【0056】
また、上記第1および第2実施形態においては、庫内温度Txが所定温度T3,T5以上でそれぞれあるとき、ステップ102〜110,114およびステップ200〜210,218,220の処理により、庫内温度Txの高さにより区分された2および3個の領域をそれぞれ予め定めておき、庫内温度Txが低くなる領域ほど電動機25の回転速度が速くなるようにした。しかし、この領域の数を4個以上にするようにしてもよい。
【0057】
また、これらのステップ102〜110,114およびステップ200〜210,218,220の処理に代えて、前記複数の領域ごとに電動機25の回転速度を定めたテーブルを用意しておき、同テーブルを参照して庫内温度Txに対応した回転速度を導出して、この導出された回転速度により電動機25の回転速度を制御するようにしてもよい。また、庫内温度Txの低下に従って速くなる回転速度を連続的に表すテーブルまたは関数を用意しておき、これらのテーブルまたは関数を用いて、庫内温度Txが低くなるに従って電動機25の回転数が連続的に速くなるように制御してもよい。
【0058】
また、上記第1および第2実施形態においては、庫内温度Txがそれぞれ所定温度T3,T5未満である場合、すなわち定常運転時におけるステップ116〜142およびステップ222〜248の処理の場合も、庫内温度Txと設定温度Tsとの温度差により区分された3個の領域をそれぞれ予め定めておき、庫内温度Txが高くなる領域ほど電動機25の回転速度が速くなるように、すなわち冷却装置20の冷却能力が増大するようにした。しかし、この領域の数を4個以上にするようにしてもよい。
【0059】
また、この場合も、前記ステップ116〜142およびステップ222〜248の処理に代えて、前記複数の領域ごとに電動機25の回転速度を定めたテーブルを用意しておき、同テーブルを参照して庫内温度Txと設定温度Tsとの温度差に対応した回転速度を導出して、この導出された回転速度により電動機25の回転速度を制御するようにしてもよい。また、庫内温度Txと設定温度Tsの温度差の増加に従って速くなる回転速度を連続的に表すテーブルまたは関数を用意しておき、これらのテーブルまたは関数を用いて、前記温度差が大きくなるに従って電動機25の回転数が連続的に速くなるように制御してもよい。
【0060】
また、上記第1実施形態および第2実施形態においては、庫内温度Txを庫内温度センサ35により直接検出するようにした。しかし、この庫内温度Txを、他のセンサを用いて間接的に検出するようにしてもよい。例えば、図1に破線で示すように、通路10aに温度センサ41を設け、同温度センサ41により検出した通路温度Tx'を庫内温度Txに代えて用いるようにしてもよい。なお、温度センサ41は、通路10aのいずれの場所に配置してもよい。温度センサ41により検出された通路温度Tx'は、庫内温度Txとは異なると同時に温度センサ41の配置された位置によっても異なるが、庫内を循環している空気の温度であることから庫内温度Txと変化の傾向は同じであるので、庫内温度Txを間接的に表すことになる。
【0061】
また、同じく図1に破線で示すように、蒸発器24に温度センサ42を固着し、同温度センサ42により検出した蒸発器温度Tx"を庫内温度Txに代えて用いるようにしてもよい。なお、この場合には、温度センサ42を、冷媒が流入する蒸発器24の入口から中央部までの間を避けて、中央部から出口までの間のいずれかの位置に配置すればよい。温度センサ42により検出された蒸発器温度(通過冷媒の温度と同じ)Tx"も、庫内温度Txとは異なるが、庫内10の空気との熱交換の関係から庫内温度Txと変化の傾向は同じであるので、庫内温度Txを間接的に表すことになる。
【0062】
また、同じく図1に破線で示すように、蒸発器24の下流に位置する冷媒通路内に圧力センサ43を配置し、同圧力センサ43により検出した冷媒圧力Pxを庫内温度Txに代えて用いるようにしてもよい。なお、この場合には、圧力センサ43を、蒸発器24の出口から圧縮機21の入口までの間のいずれかの位置に配置すればよい。蒸発器24の下流の冷媒圧力Pxは、前記蒸発器温度Tx"の場合と同様に庫内10の空気との熱交換の関係から庫内温度Txと変化の傾向は同じであるので、庫内温度Txを間接的に表すことになる。なお、これらのセンサ41〜43の検出出力はアナログ信号であり、上記第1および第2実施形態の庫内センサ35の場合と同様にA/D変換器37に導かれる。
【0063】
このように庫内温度センサ35に代えて温度センサ41,42または圧力センサ43を用いる場合、通路温度Tx'、蒸発器温度Tx"または冷媒圧力Pxを庫内温度Txに変換するための変換テーブルまたは変換関数を用意しておく。そして、この変換テーブルまたは変換関数を用いて、温度センサ41,42または圧力センサ43により検出した通路温度Tx'、蒸発器温度Tx"または冷媒圧力Pxを庫内温度Txに変換し、同変換した庫内温度Txを上記第1および第2実施形態の図3〜6のプログラムに適用して電動モータ25を上記第1および第2実施形態と同様に制御するようにすればよい。
【0064】
また、上記第1および第2実施形態の図3〜6のプログラムにて庫内温度Txと比較される所定温度T1,T3〜T5,T3',T5'および所定増分値ΔT11〜ΔT61,ΔT12〜ΔT62を、通路温度Tx'、蒸発器温度Tx"または冷媒圧力Pxにそれぞれ換算した所定値を予め用意しておき、これらの換算値を所定温度T1,T3〜T5,T3',T5'および所定増分値ΔT11〜ΔT61,ΔT12〜ΔT62に代えてプログラムに組み込んでおく。そして、温度センサ41,42または圧力センサ43により検出された通路温度Tx'、蒸発器温度Tx"または冷媒圧力Pxと、前記プログラム中に組み込まれた換算値とをプログラムの実行時に比較するようにしてもよい。また、この場合、庫内温度設定器38にて設定された設定温度Tsに関しては、マイクロコンピュータ30に入力後または入力前に、前記通路温度Tx'、蒸発器温度Tx"または冷媒圧力Pxにそれぞれ換算して用いる必要がある。これらによれば、通路温度Tx'、蒸発器温度Tx"または冷媒圧力Pxは庫内温度Txと同等に機能するので、上記第1および第2実施形態と同様な効果が期待される。
【0065】
また、上記第1実施形態および第2実施形態においては、庫内温度Txが所定温度T3,T5以上でそれぞれあるとき、すなわち冷却装置20の作動開始時に庫内温度Txのみに応じて電動機25の回転速度を変更するようにした。しかし、前記庫内温度Txの条件に加えまたは代え、冷却装置20の作動開始から所定時間だけ電動機25の回転速度を所定速度以下に抑えるようにしてもよい。また、前記庫内温度Txの条件に加えまたは代え、冷却装置20の運転履歴または外部からの操作により、冷却装置20の作動開始から所定時間だけ電動機25の回転速度を所定速度以下に抑えるようにすることも可能である。
【0066】
さらに、上記第1および第2実施形態では、本発明を冷蔵庫および冷凍庫に適用した例について説明したが、冷蔵庫および冷凍庫を兼用した冷凍冷蔵庫にも適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1および第2実施形態に係り、冷蔵庫、冷凍庫などの庫内を冷却する冷却装置およびその運転制御装置の全体を概略的に示す概略ブロック図である。
【図2】庫内温度に対する冷却装置の冷却能力および電動機に流れる電流の各関係をそれぞれ示す特性グラフである。
【図3】本発明の第1実施形態に係り、図1のマイクロコンピュータによって実行されるプログラムの前半部分を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1実施形態に係り、図1のマイクロコンピュータによって実行されるプログラムの後半部分を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2実施形態に係り、図1のマイクロコンピュータによって実行されるプログラムの前半部分を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2実施形態に係り、図1のマイクロコンピュータによって実行されるプログラムの後半部分を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…庫内、10a…通路(冷却空気通路)、20…冷却装置、21…圧縮機、22…凝縮器、23…キャピラリチューブ、24…蒸発器、25…電動機、26…冷却ファン、27…庫内ファン、30…運転制御装置、31…インバータ回路、34…マイクロコンピュータ、35…庫内温度センサ、36…吐出冷媒温度センサ、38…庫内温度設定器、41,42…温度センサ、43…圧力センサ。

Claims (6)

  1. 速度制御される電動機により駆動される圧縮機と、前記圧縮機から吐出された冷媒との熱交換により貯蔵庫内を冷却する蒸発器とを含む冷凍サイクルを備えた冷却装置のための運転制御装置において、
    貯蔵庫内の温度を直接的または間接的に表す物理量を検出する物理量検出手段と、
    前記検出された物理量に応じて前記電動機の回転速度を制御して貯蔵庫内の温度を所望の設定温度に保つ庫内温度制御手段と、
    前記検出された物理量が前記設定温度よりも高い所定温度以上の庫内温度を表すとき、前記電動機の回転速度を所定回転速度以下に制限する回転速度制限手段とを備え、
    前記回転速度制限手段に、前記検出された物理量が前記設定温度よりも高い所定温度以上の庫内温度を表している状態で、前記検出された物理量が低い庫内温度を表すに従って、前記設定温度とは無関係に、前記電動機の回転速度が速くなるように同電動機の回転速度を変更制御する回転速度変更制御手段を設けたことを特徴とする冷却装置のための運転制御装置。
  2. 前記請求項1に記載した冷却装置のための運転制御装置において、
    前記物理量検出手段を、貯蔵庫内に設けられて貯蔵庫内の温度を検出する温度センサで構成した冷却装置のための運転制御装置。
  3. 前記請求項1に記載した冷却装置のための運転制御装置において、
    前記物理量検出手段を、前記蒸発器によって冷却されるとともに貯蔵庫内を冷却する冷却空気の通路に設けられて、同冷却空気の温度を検出する温度センサで構成した冷却装置のための運転制御装置。
  4. 前記請求項1に記載した冷却装置のための運転制御装置において、
    前記物理量検出手段を、前記蒸発器に組み付けられて、同蒸発器の温度を検出する温度センサで構成した冷却装置のための運転制御装置。
  5. 前記請求項1に記載した冷却装置のための運転制御装置において、
    前記物理量検出手段を、前記蒸発器と前記圧縮機との間の冷媒通路に設けられて、同冷媒通路内を流れる冷媒の圧力を検出する圧力センサで構成した冷却装置のための運転制御装置。
  6. 前記請求項1ないし5のうちのいずれか一つに記載した冷却装置のための運転制御装置において、
    前記庫内温度制御手段を、前記検出された物理量が庫内温度と前記設定温度との大きな温度差を表すに従って、前記電動機の回転速度が速くなるように同電動機の回転速度を変更制御するように構成した冷却装置のための運転制御装置。
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