JP4582681B2 - 信号処理装置および信号処理方法、プログラムおよび記録媒体、並びに信号処理システム - Google Patents

信号処理装置および信号処理方法、プログラムおよび記録媒体、並びに信号処理システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、信号処理装置および信号処理方法、プログラムおよび記録媒体、並びに信号処理システムに関し、特に、複数の装置が接続されたときに、装置の機能を変更することで、複数の装置が、入力信号に対する処理を協調して分担することができるようにすることにより、1つの装置単独の場合よりも高品質の処理結果を得ることができるようにする信号処理装置および信号処理方法、プログラムおよび記録媒体、並びに信号処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ディジタルVTR(Video Tape Recorder)や、DVD(Digital Versatile Disc)プレーヤ等は、再生された画像や音声を視聴するために、テレビジョン受像機等に接続されて使用される。即ち、ディジタルVTR等で再生された画像と音声は、テレビジョン受像機に供給され、画像は、画面に表示され、音声は、スピーカから出力される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のように、テレビジョン受像機において、ディジタルVTRで再生された画像と音声が出力される場合には、テレビジョン受像機が有する信号処理回路の中には、特に処理を行わないものがある。
【0004】
即ち、例えば、ディジタルVTRからコンポーネント信号が出力される場合には、テレビジョン受像機におけるコンポジット信号をコンポーネント信号に変換する信号処理回路は、特に処理を行う必要がなく、いわば遊んだ状態になる。
【0005】
一方、上述のように、テレビジョン受像機とディジタルVTRとが接続される場合に、テレビジョン受像機が有する信号処理回路と、ディジタルVTRが有する信号処理回路とが、画像や音声等の信号に対する処理を分担し、互いに協調しあって、処理を行うようにすることができれば、ユーザに対して、より高品質の画像や音声の提供を行うことができると考えられる。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、装置の機能を変更することで、複数の装置が、入力信号に対する処理を協調して分担することができるようにすることにより、1つの装置単独の場合よりも高品質の処理結果を得ることができるようにするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の信号処理装置は、入力信号に対して、第1の信号処理と、第1の信号処理とは異なる第2の信号処理とを、所定の係数を用いて、適応処理により一括で行う信号処理手段と、第1の信号処理を行う他の装置が接続されているかどうかを判定する判定手段と、他の装置が接続されているときに、所定の係数を、第2の信号処理に特化した係数に変更することにより、信号処理手段が行う処理を、第2の信号処理に変化させる制御手段とを備え、入力信号は、信号処理手段と、他の装置との両方で処理されることを特徴とする。
【0008】
本発明の信号処理方法は、入力信号に対して、第1の信号処理と、第1の信号処理とは異なる第2の信号処理とを、所定の係数を用いて、適応処理により一括で行う信号処理ステップと、第1の信号処理を行う他の装置が接続されているかどうかを判定する判定ステップと、他の装置が接続されているときに、所定の係数を、第2の信号処理に特化した係数に変更することにより、信号処理ステップにより行われる処理を、第2の信号処理に変化させる制御ステップとを備え、入力信号は、信号処理ステップと、他の装置との両方で処理されることを特徴とする。
【0009】
本発明のプログラムは、入力信号に対して、第1の信号処理と、第1の信号処理とは異なる第2の信号処理とを、所定の係数を用いて、適応処理により一括で行う信号処理ステップと、第1の信号処理を行う他の装置が接続されているかどうかを判定する判定ステップと、他の装置が接続されているときに、所定の係数を、第2の信号処理に特化した係数に変更することにより、信号処理ステップにより行われる処理を、第2の信号処理に変化させる制御ステップとを備え、入力信号は、信号処理ステップと、他の装置との両方で処理されることを特徴とする。
【0010】
本発明の記録媒体は、入力信号に対して、第1の信号処理と、第1の信号処理とは異なる第2の信号処理とを、所定の係数を用いて、適応処理により一括で行う信号処理ステップと、第1の信号処理を行う他の装置が接続されているかどうかを判定する判定ステップと、他の装置が接続されているときに、所定の係数を、第2の信号処理に特化した係数に変更することにより、信号処理ステップにより行われる処理を、第2の信号処理に変化させる制御ステップとを備えるプログラムが記録され、入力信号は、信号処理ステップと、他の装置との両方で処理されることを特徴とする。
【0011】
本発明の信号処理システムは、第1と第2の信号処理装置が、入力信号に対して、第1の信号処理と、第1の信号処理とは異なる第2の信号処理とを、所定の係数を用いて、適応処理により一括で行う信号処理手段と、第1の信号処理を行う他方の信号処理装置が接続されているかどうかを判定する判定手段と、他方の信号処理装置が接続されているときに、所定の係数を、第2の信号処理に特化した係数に変更することにより、信号処理手段が行う処理を、第2の信号処理に変化させる制御手段とを備え、入力信号は、信号処理手段と、他の装置との両方で処理されることを特徴とする。
【0013】
本発明の信号処理装置および信号処理方法、プログラム、並びに信号処理システムにおいては、入力信号に対して、第1の信号処理と、第1の信号処理とは異なる第2の信号処理とが、所定の係数を用いて、適応処理により一括で行われ、第1の信号処理を行う他の装置が接続されているかどうかが判定され、他の装置が接続されているときに、所定の係数が、第2の信号処理に特化した係数に変更されることにより、信号処理手段が行う処理が、第2の信号処理に変化する。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明を適用したベイ構造型テレビジョン受像機の一実施の形態の構成例を示す斜視図である。
【0016】
装置の筐体ともなっているTV(Television)ラック1には、その正面上部の中央に、CRT(Cathode Ray Tube)2が配置されており、その左右に、L(Left)チャンネルとR(Right)チャンネル用のスピーカ3が配置されている。
【0017】
さらに、TVラック1の正面下部には、6つのベイ(bay)4A,4B,4C,4D,4E,4Fが設けられている。ここで、以下、適宜、ベイ4A乃至4Fを、特に区別する必要がない限り、ベイ4と記述する。
【0018】
ベイ4には、単独で作動し、かつ信号の入力または出力を行う1以上の信号端子が外部に露出している電子機器としての、例えば、ディジタルVTRやDVDプレーヤ等を収納することができるように、凹形状に形成されており、その内部正面には、ベイ4に収納される電子機器の信号端子と接続する接続端子が配置された、後述するベイ内接続パネル5(図3)が設けられている。
【0019】
また、TVラック1の上面の、右手前側には、やはり、凹形状に形成されたベイ4Gが設けられている。但し、ベイ4A乃至4Fは、ディジタルVTR等の比較的大型の電子機器を収納することができるように、大きな凹形状となっているのに対して、ベイ4Gは、例えば、携帯電話機その他のPDA(Personal Digital Assistant)等の比較的小型の電子機器を収納することができるように、小さな凹形状となっている。なお、ベイ4Gの内部にも、そこに収容される電子機器の信号端子と接続する接続端子が配置されたベイ内接続パネルが設けられている。
但し、ベイ4Gに設けられているベイ内接続パネルは、携帯電話機等の小型の電子機器の信号端子と接続するものであるから、ディジタルVTR等の大型の電子機器の信号端子と接続される、ベイ4A乃至4Fに設けられているベイ内接続パネル5とは異なったものとなっている。
【0020】
図2は、ベイ4に電子機器が収納された状態の、図1のベイ構造型テレビジョン受像機の斜視図である。
【0021】
図2の実施の形態では、ベイ4Aと4Dに、電子機器11と12が、それぞれ直接収納されており、ベイ4Bに、ベイアダプタボックス14に収納された状態の電子機器13が収納されている。
【0022】
即ち、電子機器11と12は、ベイ構造型テレビジョン受像機に対応した電子機器(例えば、ベイ構造型テレビジョン受像機と同一の製造メーカによる電子機器)であり、ベイアダプタボックス14を使用しなくても、直接、ベイ4に収納することができるようになっている。
【0023】
一方、電子機器13は、ベイ構造型テレビジョン受像機に非対応の電子機器(例えば、ベイ構造型テレビジョン受像機と異なる製造メーカによる電子機器)であり、ベイアダプタボックス14を使用することにより、ベイ4に収納することができるようになっている。
【0024】
なお、ベイ4(ベイ4Gについても同様)の開口部分には、例えば、VTRのテープ挿入口に設けられるのと同様の蓋を設けるようにすることができ、この場合、電子機器が収納されていないベイ4の内部に、埃等が入るのを防止することができる。
【0025】
次に、図3は、ベイ4の内部正面に設けられているベイ内接続パネル5の構成例を示す平面図である。
【0026】
ベイ内接続パネル5には、RGB(Red, Green, Blue)用出力端子21、RGB用入力端子22、オーディオ出力端子23、オーディオ入力端子24、出力用S(Separate(Special/Super))端子25、入力用S端子26、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394端子27、USB(Universal Serial Bus)端子28、および電源端子29等の、電子機器間で信号のやりとりをするための端子が設けられている。
【0027】
RGB用出力端子21は、ベイ構造型テレビジョン受像機で得られる画像信号(画像データ)であるRGB信号を、ベイ4に収納される電子機器に出力するための端子で、RGB用入力端子22は、ベイ4に収納される電子機器が出力するRGB信号を、ベイ構造型テレビジョン受像機に入力するための端子である。オーディオ出力端子23は、ベイ構造型テレビジョン受像機で得られるLおよびRチャンネルの音声信号を、ベイ4に収納される電子機器に出力するための端子で、オーディオ入力端子24は、ベイ4に収納される電子機器が出力するLおよびRチャンネルの音声信号を、ベイ構造型テレビジョン受像機に入力するための端子である。出力用S端子25は、ベイ構造型テレビジョン受像機で得られる画像信号である輝度信号および色信号を、ベイ4に収納される電子機器に出力するための端子で、入力用S端子26は、ベイ4に収納される電子機器が出力する輝度信号および色信号を、ベイ構造型テレビジョン受像機に入力するための端子である。IEEE1394端子27は、ベイ構造型テレビジョン受像機と、ベイ4に収納される電子機器との間で、IEEE1394の規格に準拠した通信を行うための端子で、USB端子28は、ベイ構造型テレビジョン受像機と、ベイ4に収納される電子機器との間で、USBの規格に準拠した通信を行うための端子である。電源端子29は、ベイ4に収納される電子機器に対して、ベイ構造型テレビジョン受像機から電源を供給するための端子である。
【0028】
図3の実施の形態では、RGB用出力端子21、RGB用入力端子22、オーディオ出力端子23、オーディオ入力端子24、出力用S端子25、入力用S端子26、IEEE1394端子27、USB端子28、および電源端子29は、ベイ内接続パネル5の固定の位置に配置されている。
【0029】
図4は、ベイ構造型テレビジョン受像機に対応した電子機器11(12)の構成例を示す、その背面方向から見た斜視図である。
【0030】
電子機器11の背面パネルには、RGB用入力端子31、RGB用出力端子32、オーディオ入力端子33、オーディオ出力端子34、入力用S端子35、出力用S端子36、IEEE1394端子37、USB端子38、および電源端子39等が設けられている。
【0031】
ベイ構造型テレビジョン受像機のベイ4は、電子機器11を収納することができる大きさに構成されており、さらに、そのベイ内接続パネル5のRGB用出力端子21乃至電源端子29は、電子機器11がベイ4に収納されたときに、その電子機器11のRGB用入力端子31乃至電源端子39とそれぞれ電気的に接続される位置に配置されている。
【0032】
従って、ユーザは、ベイ構造型テレビジョン受像機に対応した電子機器11や12については、電子機器11を、ベイ4に収納するだけで、ケーブルを用いなくても、電子機器11とベイ構造型テレビジョン受像機とを、電気的に接続することができる。
【0033】
さらに、電子機器11と12を、ベイ構造型テレビジョン受像機のベイ4に収納することにより、電子機器11と12も、ベイ構造型テレビジョン受像機を介して電気的に接続される。従って、ユーザは、やはり、電子機器11と12を、ベイ4に収納するだけで、ケーブルを用いなくても、電気的に接続することができる。
【0034】
以上のように、ユーザは、電子機器を、ベイ4に収納するだけで、電子機器どうしを、容易に接続することができる。
【0035】
なお、ベイ4に収納される電子機器が、例えば、再生専用の電子機器である場合、そのような電子機器については、基本的に、画像や音声等の入力端子を設ける必要はない。
【0036】
一方、ベイ4には、再生専用の電子機器だけが収納されるとは限らず、例えば、記録と再生の両方が可能な電子機器が収納される場合もあり、そのような電子機器については、画像や音声等の入力端子と出力端子の両方が設けられる。
【0037】
従って、ベイ4の内部に設けられるベイ内接続パネル5(図3)には、ベイ4に収納されうる電子機器すべての端子に対応する位置に、その端子と電気的に接続する端子を設けておくのが望ましい。なお、この場合、ベイ内接続パネル5に設けられた端子については、ベイ4に収納される電子機器によっては、いわば遊んでしまう状態となるものが生じうるが、特に問題はない。
【0038】
次に、上述したように、電子機器11や12は、ベイ構造型テレビジョン受像機に対応したものであり、ベイ内接続パネル5のRGB用出力端子21乃至電源端子29は、電子機器11や12がベイ4に収納されたときに、その電子機器11や12のRGB用入力端子31乃至電源端子39とそれぞれ電気的に接続される位置に配置されているから、電子機器11や12は、ベイ4に収納するだけで、ベイ構造型テレビジョン受像機と電気的に接続される。
【0039】
しかしながら、電子機器13は、ベイ構造型テレビジョン受像機に非対応のものであるから、ベイ4に直接収納しても、電子機器13の端子と、ベイ内接続パネル5の対応する端子とは、その配置位置が異なり、電気的に接続されるとは限らず、むしろ、多くは接続されない。
【0040】
そこで、ベイ構造型テレビジョン受像機に非対応の電子機器13については、ベイアダプタボックス14を用いることで、ベイ構造型テレビジョン受像機と、容易に電気的に接続することができるようになっている。
【0041】
即ち、図5は、ベイアダプタボックス14の構成例を示す斜視図である。
【0042】
ベイアダプタボックス14には、その正面側から、電子機器13を収納することができるように、凹形状のスロット14Aが設けられている。電子機器13は、ベイアダプタボックス14に収納し、このベイアダプタボックス14ごと、ベイ構造型テレビジョン受像機のベイ4に収納することで、ベイ構造型テレビジョン受像機と電気的に接続されるようになっている。
【0043】
即ち、ベイアダプタボックス14の背面部分には、背面パネル部15が設けられており、背面パネル部15は、スロット14A側を正面とするアダプタ内接続パネル15Aと、ベイアダプタボックス14の背面側を正面とするアダプタ背面パネル15Bとで構成されている。即ち、ベイアダプタボックス14のスロット14A側を正面とすれば、アダプタ内接続パネル15Aは、正面側に、アダプタ背面パネル15Bは、その背面側に、それぞれ設けられている。
【0044】
図6は、アダプタ内接続パネル15Aとアダプタ背面パネル15Bの構成例を示す平面図である。
【0045】
アダプタ内接続パネル15Aには、電子機器13のように、ベイ構造型テレビジョン受像機に非対応の電子機器(以下、適宜、非対応電子機器という)が、ベイアダプタボックス14に収納されたときに、その非対応電子機器の背面パネルに設けられた信号端子と接続する位置に、対応する接続端子が設けられている。
【0046】
ここで、非対応電子機器については、例えば、メーカごとに、その信号端子の配置位置が異なる。そこで、アダプタ内接続パネル15Aにおいては、図6(A)に示すように、各メーカごとに、そのメーカの非対応電子機器の背面パネルに設けられた信号端子に対応する固定の位置に、その信号端子と接続される端子が設けられている。なお、図6(A)においては、A社、B社、C社の非対応電子機器用のアダプタ内接続パネル15を示してある。
【0047】
一方、アダプタ背面パネル15Bには、図6(B)に示すように、ベイ4のベイ内接続パネル5(図3)に設けられたRGB用出力端子21乃至電源端子29に対応する固定の位置に、RGB用入力端子41乃至電源端子49がそれぞれ設けられている。従って、ベイアダプタボックス14を、そのアダプタ背面パネル15Bと、ベイ4のベイ内接続パネル5が対向するように、ベイ4に収納すると、アダプタ背面パネル15Bに設けられたRGB用入力端子41乃至電源端子49は、ベイ4内のベイ内接続パネル5に設けられたRGB用出力端子21乃至電源端子29と、それぞれ、電気的に接続される。
【0048】
そして、アダプタ内接続パネル15Aに設けられた端子は、アダプタ背面パネル15Bに設けられたRGB用入力端子41乃至電源端子49のうちの対応するものに接続されており、従って、非対応電子機器であっても、その非対応電子機器に対応するアダプタ内接続パネル15Aを有するベイアダプタボックス14に収納し、さらに、その非対応電子機器が収納されたベイアダプタボックス14を、ベイ4に収納することで、非対応電子機器は、ベイ構造型テレビジョン受像機(さらには、ベイ構造型テレビジョン受像機を介して、ベイ4に収納された他の電子機器)に、電気的に接続されることになる。
【0049】
以上から、やはり、ユーザは、非対応電子機器についても、容易に接続を行うことができる。
【0050】
ところで、非対応電子機器については、上述のように、ベイアダプタボックス14を介することで、ベイ構造型テレビジョン受像機と容易に接続することができるが、この場合、ユーザは、非対応電子機器に対応するアダプタ内接続パネル15Aを有するベイアダプタボックス14全体を用意しなければならない。
【0051】
そこで、ベイアダプタボックス14は、例えば、図7に示すように、その背面パネル部15を、他の部分に対して着脱可能なように構成することができる。この場合、非対応電子機器のメーカごとに、ベイアダプタボックス14全体を用意する必要はなく、背面パネル部15だけを交換すれば良い。さらに、この場合、非対応電子機器は、その背面の端子に、背面パネル部15のアダプタ内接続パネル15Aに設けられた端子をはめ込んだ(に接続した)状態で、ベイ4に収納することが可能である。即ち、非対応電子機器とベイ構造型テレビジョン受像機との接続は、非対応電子機器が収納されたベイアダプタボックス14全体を、ベイ4に収納することによって行う他、非対応電子機器がアダプタ内接続パネル15Aに接続された背面パネル部15を、その非対応電子機器とともに、ベイ4に収納することによって行うことが可能である。
【0052】
なお、背面パネル部15は、アダプタ内接続パネル15Aとアダプタ背面パネル15Bとを一体化して構成する他、アダプタ内接続パネル15Aとアダプタ背面パネル15Bとを分離することができるように構成することも可能である。
【0053】
また、背面パネル部15は、例えば、図8に示すように、アダプタ背面パネル15Bだけを、ベイアダプタボックス14から分離することができるように構成することも可能である。
【0054】
ここで、図8の実施の形態においては、分離可能なアダプタ背面パネル15Bに、複数の雄ピンで構成される雄ピン群16Bが設けられており、ベイアダプタボックス14には、複数の雌ピンで構成される雌ピン群16Aが設けられている。ベイアダプタ背面パネル15Bを、ベイアダプタボックス14に装着すると、アダプタ背面パネル15Bの雄ピン群16Bを構成する各雄ピンが、ベイアダプタボックス14の雌ピン群16Aを構成する、対応する雌ピンにはめ込まれ、これにより、ベイアダプタ背面パネル15Bと、ベイアダプタボックス14側のアダプタ内接続パネル15Aとが、電気的に接続される。即ち、アダプタ背面パネル15Bに設けられたRGB用入力端子41乃至電源端子49は、雄ピン群16Bを構成する所定の雄ピンと電気的に接続されており、アダプタ内接続パネル15Aに設けられた端子も、雌ピン群16Aを構成する所定の雌ピンと電気的に接続されている。そして、アダプタ背面パネル15Bの雄ピン群16Bを構成する各雄ピンが、ベイアダプタボックス14の雌ピン群16Aを構成する、対応する雌ピンにはめ込まれることにより、その雌ピン群16Aおよび雄ピン群16Bを介して、アダプタ背面パネル15Bに設けられたRGB用入力端子41乃至電源端子49それぞれと、アダプタ内接続パネル15Aに設けられた、対応する端子それぞれとが、電気的に接続される。
【0055】
次に、上述のように、アダプタ内接続パネル15Aにおいて、各メーカの非対応電子機器の信号端子の位置に対応した固定の位置に、その信号端子と接続される接続端子を設ける場合には、例えば、図7に示したように、背面パネル部15を着脱可能に構成したとしても、各メーカごとに、そのメーカの非対応電子機器の信号端子の位置に対応した固定の位置に信号端子が設けられたアダプタ内接続パネル15Aを有する背面パネル部15が必要となる。
【0056】
そこで、図9は、複数(あるいは、すべて)のメーカの非対応電子機器に対処することのできる背面パネル部15の構成例を示す斜視図である。
【0057】
即ち、図9の実施の形態においては、アダプタ内接続パネル15Aに設けられた、非対応電子機器の信号端子と接続される端子53や54を移動させることができるようになっている。つまり、端子53や54は、非対応電子機器の信号端子と接続する位置に移動することができるようになっている。
【0058】
なお、図9の実施の形態では、図が煩雑になるのを避けるため、アダプタ内接続パネル15Aには、2つの端子53および54だけを図示してある。
【0059】
図9の実施の形態においては、アダプタ内接続パネル15Aは、複数のスリット板51から構成されている。
【0060】
即ち、スリット板51は、例えば、導電性のある平板形状の板(薄膜)で構成され、各スリット板51には、格子状に、スリット(穴)52が設けられている。そして、端子53(54)は、このスリット52に沿って、図9において矢印で示すように移動することができるようになっている。
【0061】
図10は、図9に示したアダプタ内接続パネル15Aの側面の断面図である。
【0062】
複数のスリット板51は、絶縁体62に挟まれて接着されており、最も、アダプタ背面パネル15B側の絶縁体62は、底板61に固定されている。なお、絶縁体62には、スリット板51に設けられたスリット52どうしの間隔よりも大きな間隔を空けて配置されている。
【0063】
また、最も、端子53(54)側のスリット板51の表面には、絶縁膜66が形成されている。この絶縁膜66は、端子53や54が、複数のスリット板51のうちの、最も端子53側にあるものと電気的に接続されるのを防止する。
【0064】
端子53には(端子54も同様)、スリット51の幅よりも、やや小さい直径を有する棒状の胴体部63(67)が取り付けられており、この胴体部63が、スリット51に沿ってスライドすることにより、端子53を、スリット51上の任意の位置に移動させることができるようになっている。
【0065】
また、胴体部63の、端子53が取り付けられていない方の端部には、導体で構成される接点金具64(68)が固定されており、この接点金具64が、複数のスリット板51のうちの所定のものと接するようになっている。ここで、図10の実施の形態では、端子53の胴体部63に取り付けられた接点金具64は、最も、底板61側の2枚のスリット板51と接している。
【0066】
そして、複数のスリット板51それぞれは、アダプタ背面パネル15Bに設けられたRGB用入力端子41乃至電源端子49のうちの所定のものと接続されており、従って、端子53は、胴体部63の内部、接点金具64、およびスリット板51を介して、アダプタ背面パネル15Bに設けられたRGB用入力端子41乃至電源端子49のうちの所定のものと電気的に接続される。
【0067】
なお、端子54の胴体部67は、端子53の胴体部63よりも短くなっており、これにより、端子54の胴体部67に固定された接点金具68は、端子53の胴体部63に固定された接点金具64が接しているスリット板51よりも、端子53(54)側にあるスリット板51に接するようになっている。これにより、端子53は、それに対応するアダプタ背面パネル15Bの端子に、端子54も、それに対応するアダプタ背面パネル15Bの端子に、それぞれ電気的に接続されるようになっている。
【0068】
また、端子53の胴体部63には(端子54の胴体部67も同様)、その表面に、絶縁膜が形成されており、これにより、端子53が、接点金具64が接するスリット板51以外のスリット板51と電気的に接続されることを防止するようになっている。
【0069】
胴体部63の、端子53側の端部には、図11に示すように、ねじが切られたねじ部65が設けられている。さらに、端子53の内部にもねじが切られており、端子53は、胴体部63のねじ部65に螺合している。
【0070】
端子53を、その端子53側から見て、例えば、反時計回りに回すと、ねじがゆるみ、図11に示すように、端子53が、絶縁膜66から離れるとともに、胴体部63の接点金具64が、スリット板51から離れる。これにより、端子53は、胴体部63とともに、スリット52に沿って移動可能な状態となる。
【0071】
なお、図11の実施の形態においては、端子54、胴体部67、および接点金具68の図示を省略してあるが、端子54も、端子53と同様にして、スリット52に沿って移動することができるようになっている。
【0072】
一方、端子53を、その端子53側から見て、例えば、時計回りに回すと、ねじがしまり、図10に示したように、端子53の、絶縁膜66側の端部が、絶縁膜66に押しつけられ、さらに、胴体部63の接点金具64が、本来接すべきスリット板51に、所定の圧力をもって押しつけられる。これにより、端子53は、スリット52に沿った所定の位置に固定され、さらに、胴体部64および接点金具64を介して、スリット板51と、電気的に接続される。
【0073】
次に、図12は、非対応電子機器の信号端子と接続される端子53や54を移動させることができる背面パネル部15の他の構成例を示す斜視図である。
【0074】
図12の実施の形態においては、多数の挿入口(穴)71が設けられており、端子53や54は、この多数の挿入口71のうちの任意の位置に移動することができるようになっている。
【0075】
即ち、端子53は、例えば、挿入口71に挿入することのできるピンジャック形状の胴体部53Aを有しており、この胴体部53Aを、挿入口71に差し込むことで、端子53は、その挿入口71の位置に固定される。
【0076】
なお、端子53の胴体部53Aと、端子54の胴体部54Aとは、異なる長さとなっており、これにより、端子53の胴体部53Aを挿入口71に差し込んだ場合と、端子54の胴体部54Aを挿入口71に差し込んだ場合とで、アダプタ背面パネル15Bの、異なる端子に、電気的に接続されるようになっている。
【0077】
次に、図13は、アダプタ内接続パネル15Aの端子を移動させることができる背面パネル部15の、さらに他の構成例を示す斜視図である。なお、図中、図8における場合と対応する部分については、同一の符号を付してある。
【0078】
図13の実施の形態においては、背面パネル部15のアダプタ背面パネル15Bが、図8の実施の形態で説明したように着脱可能となっている。
【0079】
さらに、図13の実施の形態では、アダプタ内接続パネル15Aが、複数の接続板81で構成されている。ベイアダプタボックス14の左右それぞれには、U字型のはめ込み用スリット82Lと82Rが設けられており、接続板82は、このはめ込み用スリット82Lと82Rにはめ込まれることで固定されるようになっている。なお、接続板81は、はめ込み用スリット82Lおよび82Rに沿ってスライドすることで、容易に着脱することができるようになっている。
【0080】
接続板81は、例えば、図14(A)に示すように、格子状に、枠88が形成されており、さらに、その枠88の内周面には、後述するパッチ板83をはめ込むことのできる溝としての枠溝87が形成されている。枠88で区切られた穴(空間)である枠穴85は、図14(B)の斜視図、図14(C)の側面図、および図14(D)の平面図に示す、平板形状のパッチ板83とほぼ同様の大きさに構成されており、このパッチ板83は、その外周部分が、枠88の内周に形成された枠溝87に嵌合することによって、枠穴85に固定することができるようになっている。
【0081】
そして、パッチ板83には、図14(B)乃至図14(D)に示したように、端子84が設けられており、従って、パッチ板83をはめ込む枠穴85を変えることで、そのパッチ板83に設けられた端子84の配置位置を移動させることができるようになっている。
【0082】
端子84は、パッチ板83が枠88にはめ込まれることにより、その枠88と電気的に接続される。さらに、接続板81には、はめ込みスリット82R(図13)と嵌合する外周部分に、接続端子86が設けられており、枠88は、この接続端子86と電気的に接続されている。また、はめ込み用スリット82Rには、図14(E)に示すように、導電部89が設けられており、接続板81がはめ込み用スリット82Rにはめ込まれることにより、接続端子86は、導電部89と電気的に接続される。そして、導電部89は、雌ピン群16Aおよび雄ピン群16Bを介して、アダプタ背面パネル15Bの所定の端子と接続されるようになっており、従って、枠88にパッチ板83がはめ込まれた端子84は、パッチ板83、枠88、接続端子86、導電部89、並びに雌ピン群16Aおよび雄ピン群16Bを介して、アダプタ背面パネル15Bの所定の端子と、電気的に接続される。
【0083】
ここで、複数の接続板81それぞれにおいては、接続端子86が異なる位置に設けられており、さらに、はめ込み用スリット82Rの導電部89は、そのはめ込み用スリット82Rにはめ込まれる接続板81の接続端子86に対応する位置に設けられている。従って、接続板81の接続端子86は、その接続板81が正しいはめ込み用スリット82Rにはめ込まれたときに、そのはめ込み用スリット82Rに設けられた導電部89と接続するようになっており、これにより、接続板81が、誤ったはめ込み用スリット82Rにはめ込まれたときであっても、その接続板81にはめ込まれた端子84と、雌ピン群16Aおよび雄ピン群16Bを介して導電部89に接続される、アダプタ背面パネル15Bの端子(端子84に接続されるべき端子ではない端子)とが、電気的に接続されるのを防止するようになっている。
【0084】
なお、その他、例えば、接続板81がはめ込まれるべきはめ込み用スリット82Lおよび82Rにのみ、その接続板81がはめ込み可能なように、接続板81、並びにはめ込み用スリット82Lおよび82Rを構成することによって、本来接続されるべきではない、接続板81にはめ込まれた端子84と、アダプタ背面パネル15Bの端子とが、電気的に接続されるのを防止することも可能である。
【0085】
パッチ板83が枠穴85にはめ込まれることにより、接続板81の所定の位置に固定された端子84は、直接、あるいは、その前方(図13のベイアダプタボックス14におけるスロット14A(図5)が開いている方)に配置される接続板81の枠穴85を介して、ベイアダプタボックス14におけるスロット14Aの開口方向に露出し、これにより、ベイアダプタボックス14のスロット14Aに収納される非対応電子機器の端子と接続される。
【0086】
以上のように、アダプタ内接続パネル15Aに設けられた、非対応電子機器の信号端子と接続される端子を移動させることができる場合には、非対応電子機器のメーカごとに、ベイアダプタボックス14や背面パネル部15を用意せずに済むので、ユーザの費用負担を低減することができる。
【0087】
なお、上述のように、アダプタ内接続パネル15Aの端子が移動可能な場合、どの端子を、どの位置に移動させれば良いのかが分かりにくいことがある。そこで、例えば、アダプタ内接続パネル15A等には、非対応電子機器のメーカごとに、端子の位置を記述しておくようにするのが好ましい。
【0088】
また、ここでは、アダプタ内接続パネル15Aに設けられた端子を移動可能なように構成することによって、各メーカの非対応電子機器に対処するようにしたが、その他、例えば、ベイ4内のベイ内接続パネル5(図3)に設けられたRGB用出力端子21乃至電源端子29を移動可能なように構成することも可能である。この場合、ベイアダプタボックス14(あるいは、背面パネル部15)を使用しなくても、非対応電子機器と、ベイ構造型テレビジョン受像機とを電気的に接続することが可能となる。
【0089】
次に、図15は、図1のベイ構造型テレビジョン受像機の電気的構成例を示すブロック図である。
【0090】
リモートコマンダ(以下、適宜、リモコンという)101は、視聴するテレビジョン放送のチャンネルを選択するときや、音量調整するとき、さらには、後述するセレクタ104により、電子機器間における信号の入出力を切り替えるとき等に、ユーザによって操作され、その操作に対応する信号を、赤外線によって、メインコントローラ102に送出する。なお、図1および図1においては、リモコン101の図示を省略してある。
【0091】
メインコントローラ102は、リモコン101からの赤外線信号その他にしたがい、セレクタコントローラ103を制御し、また、必要に応じて、ベイ構造型テレビジョン受像機を構成する各ブロックを制御する。
【0092】
セレクタコントローラ103は、メインコントローラ102の制御等にしたがい、セレクタ104を制御する。
【0093】
セレクタ104は、CRT2、スピーカ3、チューナ105、TV信号処理部106と接続されている。さらに、セレクタ104は、ベイ4A乃至4Gそれぞれに設けられたベイ内接続パネル5の端子とも接続されている。そして、セレクタ104は、セレクタコントローラ103の制御にしたがい、そこに入力される入力信号の出力先を切り替える。
【0094】
チューナ105には、図示せぬアンテナで受信されたテレビジョン放送信号(以下、適宜、TV信号という)が供給されるようになっており、チューナ105は、メインコントローラ102の制御にしたがって、所定のチャンネルのTV信号を検波、復調し、ベースバンドの信号を、セレクタ104に出力する。
【0095】
TV信号処理部106は、セレクタ104が出力する画像信号(例えば、チューナ105が出力するベースバンドの画像信号)を処理し、その処理の結果得られる画像信号を、セレクタ104に出力する。
【0096】
なお、CRT2は、セレクタ104が出力する画像信号を表示し、スピーカ3は、セレクタ104が出力する音声信号を出力する。
【0097】
また、以上のうち、CRT2、スピーカ3、チューナ105、およびTV信号処理部106が、電子機器としてのテレビジョン受像機として機能する。
【0098】
次に、図16は、図15のTV信号処理部106の構成例を示している。
【0099】
TV信号処理部106は、I/F(Interface)111、コントローラ112、および信号処理回路113で構成されている。
【0100】
I/F111は、セレクタ104、コントローラ112、信号処理回路113それぞれとの間の信号のやりとりを制御する。
【0101】
コントローラ112は、ベイ4に電子機器が収納され、セレクタ104に電気的に接続されているかどうかを、I/F111およびセレクタ104を介することにより判定し、その判定結果に基づいて、信号処理回路113を制御する。ここで、この接続の有無の判定方法としては、様々な方法が考えられるが、例えば、ベイ4に収納された電気機器からの信号に基づいて判定する方法などを採用することができる。
【0102】
また、コントローラ112は、機能IDとIDテーブルを記憶している。機能IDは、信号処理回路113がどのような機能を有するかを識別するためのユニークなID(Identification)であり、IDテーブルには、機能IDに対して、後述するような処理情報が対応付けられている。
【0103】
信号処理回路113は、基本的には、例えば、コンポジット信号の画像信号を、コンポーネント信号の画像信号に変換する機能と、コンポーネント信号の、標準解像度の画像信号(以下、適宜、SD(Standard Definition)画像信号という)を、高解像度の画像信号(以下、適宜、HD(High Definition)画像信号という)に変換する機能とを有している。但し、信号処理回路113は、コントローラ112の制御にしたがい、その機能を変化させることができるようになっている。
【0104】
次に、図17は、ベイ4に収納される電子機器11の電気的構成例を示している。なお、電子機器11は、上述したように、ベイ構造型テレビジョン受像機に対応した電子機器(以下、適宜、対応電子機器という)であるが、対応電子機器は、電子機器11に限らず、図17に示したように構成される。
【0105】
電子機器11は、I/F121、コントローラ122、信号処理回路123、および特有ブロック124で構成されている。
【0106】
I/F121、コントローラ122、または信号処理回路123は、図16のI/F111、コントローラ112、または信号処理回路113と、それぞれ同様に構成される。
【0107】
特有ブロック124は、電子機器11に特有のブロックで、例えば、電子機器11がDVDプレーヤである場合には、特有ブロック124は、図示せぬDVDにレーザ光を照射し、その反射光を受光して光電変換する光ピックアップ等で構成される。また、特有ブロック124は、電子機器11が、例えば、ディジタルVTRである場合には、ビデオテープを駆動する駆動機構や、ビデオテープに対して、信号の記録/再生を行う磁気ヘッド等で構成される。
【0108】
なお、電子機器11が、例えば、DVDプレーヤである場合においては、DVDに記録された信号は、MPEG(Moving Picture Expert Group)符号化されたものであることから、信号処理回路123は、基本的に、MPEG符号化された信号を、MPEG復号する機能を有する。但し、本実施の形態では、信号処理回路123は、さらに、例えば、空間解像度向上処理を行う機能も有しているものとする。
【0109】
次に、図18のフローチャートを参照して、図16のTV信号処理部106の動作について説明する。
【0110】
コントローラ112は、まず最初に、ステップS1において、電子機器が、I/F111およびセレクタ104を介して電気的に接続されているかどうかをチェックし、ステップS2に進む。ステップS2では、コントローラ112は、ステップS1のチェックの結果に基づいて、電子機器が電気的に接続されているかどうかを判定する。
【0111】
ステップS2において、TV信号処理部106と電気的に接続されている電子機器がないと判定された場合、即ち、ベイ4に、電子機器が収納されていない場合、あるいは、ベイ4に、電子機器が収納されていても、セレクタ104において、その電子機器とTV信号処理部106とが電気的に接続されるように選択が行われていない場合、ステップS3に進み、コントローラ112は、信号処理回路113に対して、通常の機能による処理を行うことを指令する。これにより、ステップS3において、信号処理回路113は、通常の信号処理を行い、その後、処理を終了する。
【0112】
即ち、TV信号処理部106が、他の電子機器と接続されていない場合、チューナ105(図15)は、TV信号から、所定のチャンネルのベースバンドの信号を抽出し、セレクタ104を介して、TV信号処理部106に供給する。TV信号処理部106では、I/F111が、セレクタ104を介して供給されるベースバンドの画像信号を受信し、信号処理回路113に供給する。信号処理回路113は、I/F111からの画像信号に対して、コンポジット信号をコンポーネント信号に変換するコンポジット/コンポーネント変換処理と、SD画像信号をHD画像信号に変換することにより空間解像度を向上させる空間解像度向上処理を一括で施す機能を有しており、その機能に基づく処理を行い、さらに、その結果得られるコンポーネント信号のHD画像信号を、I/F111およびセレクタ104を介して、CRT2に供給する。これにより、CRT2では、高解像度の画像であるHD画像が表示される。
【0113】
一方、ステップS2において、TV信号処理部106と電気的に接続されている電子機器があると判定された場合、即ち、ベイ4に、電子機器が収納されており、さらに、必要に応じて、セレクタ104において、その電子機器とTV信号処理部106とが電気的に接続されるように選択が行われている場合、ステップS4に進み、コントローラ112は、I/F111およびセレクタ104を介して、TV信号処理部106と電気的に接続されている電子機器(以下、適宜、接続機器という)に対して、機能IDを要求し、ステップS5に進む。
【0114】
ステップS5では、コントローラ112は、ステップS4における機能IDの要求に対応して、接続機器から、その機能IDが送信されてきたかどうかを判定する。ステップS5において、接続機器から機能IDが送信されてこないと判定された場合、ステップS3に進み、以下、基本的には、上述の場合と同様の処理が行われる。
【0115】
即ち、接続機器から機能IDが送信されてこないということは、その接続機器が、図17に示した電子機器11のような対応電子機器ではないということである。TV信号処理部106では、接続機器が対応電子機器でない場合、つまり接続機器が非対応電子機器である場合には、信号処理回路113において、その非対応電子機器から、セレクタ104およびI/F111を介して供給される画像信号に対して、上述した場合と同様の処理を施す。
【0116】
一方、ステップS5において、接続機器から機能IDが送信されてきたと判定された場合、ステップS6に進み、コントローラ112は、接続機器からの機能IDを受信し、その機能IDに基づき、IDテーブルを参照することで、処理分担を認識し、さらに信号パスを設定する。
【0117】
即ち、IDテーブルには、電子機器の機能IDと、その機能IDを有する電子機器と接続されたときに、信号処理回路113に行わせる処理の内容を表す処理情報とが対応付けられており、コントローラ112は、接続機器から受信した機能IDに対応付けられている処理情報を認識する。そして、コントローラ112は、その処理情報が表す処理を、信号処理回路113が分担すべき処理として認識する。
【0118】
ここで、TV信号処理部106は、対応電子機器と電気的に接続されたときに、その対応電子機器と、いわば一体となって、全体で1つの装置であるかのように協調し、入力信号に対して最適な処理を施すようになっている。つまり、装置それぞれにおいて、各装置の信号処理の効果や機能は、接続された装置に対応して変化する。この信号処理の効果や機能の変化により、各装置からなるシステム全体における、入力信号に対する最適な処理が実現される。従って、この場合、TV信号処理部106と対応電子機器は、全体として、入力信号に対し、最適な処理を分担して施す。TV信号処理部106のコントローラ112に記憶されているIDテーブルには、そのような最適な処理を行うために、TV信号処理部106が、対応電子機器と協調して分担(協調分担)すべき処理に関する処理情報が、対応電子機器の機能IDに対応付けられている。
【0119】
コントローラ112は、入力信号に対する処理の分担を認識すると、信号処理回路113と接続機器における、入力信号の処理順序を表す経路としての信号パスを設定する。
【0120】
その後、ステップS7に進み、コントローラ112は、信号処理回路113に、分担した処理(ステップS6で認識した処理情報が表す処理)を行わせることができるように、信号処理回路113の機能を制御する制御信号を生成し、信号処理回路113に供給する。信号処理回路113は、コントローラ112からの制御信号にしたがい、その機能を変化させ、ステップS8に進む。
【0121】
ステップS8では、信号処理回路113は、信号パスにしたがって供給される入力信号に対して、変化後の機能に対応する処理を施し、その処理結果を、信号パスにしたがって出力する。そして、入力信号に対する処理が終了すると、ステップS9に進み、コントローラ112は、信号処理回路113に制御信号を送信し、これにより、信号処理回路113の機能を元に復元して、処理を終了する。
【0122】
なお、接続機器が、例えば、図17に示した、対応電子機器である電子機器11である場合には、電子機器11でも、図18のフローチャートにしたがった処理と同様の処理が行われる。この場合、電子機器11は、TV信号処理部106に対して、機能IDを要求する。この要求は、TV信号処理部106のコントローラ112で受信され、コントローラ112は、自身が記憶している機能IDを、電子機器11に送信する。電子機器11のコントローラ122は、TV信号処理部106からの機能IDを受信し、その機能IDに基づき、自身が記憶しているIDテーブルを参照することで、電子機器11が、TV信号処理部106と協調して分担(協調分担)すべき処理に関する処理情報を認識する。そして、電子機器11では、コントローラ122において、信号処理回路123の機能を、認識された処理情報にしたがって変化させるように制御が行われる。
【0123】
以上のように、TV信号処理回路113や電子機器11は、他の装置が接続されているときと接続されていないときとで、その機能を変化させ、入力信号に対する処理を、他の装置と協調して分担するので、TV信号処理回路113(または他の装置)単独の場合や、電子機器11単独の場合よりも高品質の処理結果を得ることが可能となる。
【0124】
即ち、TV信号処理部106と電子機器11とが、電気的に接続されていない場合、TV信号処理部106と電子機器11とは、図19に示すように、それぞれ単独で処理を行う。なお、ここでは、電子機器11は、例えば、DVDプレーヤであるとする。
【0125】
図19の実施の形態では、TV信号処理部106は、例えば、図19(A)に示すように、信号処理回路113において、チューナ105(図15)から、セレクタ104およびI/F111を介して供給されるコンポジット信号のSD画像信号に対して、コンポジット/コンポーネント変換処理と、空間解像度向上処理を一括で施し、その結果得られるコンポーネント信号のHD画像信号を、I/F111およびセレクタ104を介して、CRT2に供給する。
【0126】
また、DVDプレーヤである電子機器11は、図19(B)に示すように、特有ブロック124において、DVDに記録された信号を再生し、信号処理回路123に供給する。信号処理回路123は、DVDからの再生信号に対して、例えば、MPEG復号処理と、空間解像度向上処理を一括で施し、その結果得られるコンポーネント信号のHD画像信号を、I/F121を介して出力する。
【0127】
一方、TV信号処理部106と電子機器11とが、電気的に接続されている場合、TV信号処理部106と電子機器11とは、図20に示すように、入力信号に対する処理を協調分担する。TV信号処理部106と電子機器11は、それぞれに分担された処理を、自身の機能を変化させることで行う。
【0128】
即ち、図20の実施の形態では、TV信号処理部106における信号処理回路113の機能は、コンポジット/コンポーネント変換処理と空間解像度向上処理を一括で施す機能から、空間解像度向上処理のみを施す機能に変化している。一方、電子機器11における信号処理回路123の機能は、MPEG復号処理および空間解像度向上処理を一括で施す機能から、MPEG復号処理および歪み除去処理を一括で施す機能に変化している。また、図20の実施の形態では、信号パスが、電子機器11における特有ブロック124、信号処理回路123、I/F121、セレクタ104、TV信号処理部106におけるI/F111、信号処理回路113、I/F111、セレクタ104の順で設定されている。
【0129】
以上のように、信号処理回路113と123の機能が変更され、さらに、信号パスが設定されると、電気的に接続されているTV信号処理部106と電子機器11では、図21のフローチャートに示すような処理が行われる。
【0130】
即ち、DVDプレーヤである電子機器11の特有ブロック124において、DVDに記録された信号が再生され、信号処理回路123に供給される。信号処理回路123は、ステップS11において、DVDからの再生信号に対して、MPEG復号処理と歪み除去処理を一括で施し、その結果得られるコンポーネント信号のSD画像信号(歪みが除去されたもの)を、I/F121を介して出力する。
【0131】
ここで、歪み除去処理では、MPEG符号化に起因して生じるブロック歪み等の歪みが除去される。
【0132】
以上のようにして、電子機器11のI/F121が出力するコンポーネント信号のSD画像信号は、セレクタ104で受信され、TV信号処理部106に供給される。
【0133】
TV信号処理部106では、信号処理回路113が、セレクタ104からのコンポーネント信号のSD画像信号を、I/F111を介して受信し、ステップS12において、そのSD画像信号を対象として空間解像度向上処理を行う。信号処理回路113において空間解像度向上処理が行われることにより得られるコンポーネント信号のHD画像信号は、I/F111を介して、セレクタ104に供給される。
【0134】
セレクタ104は、HD画像信号を、例えば、CRT2(図15)に供給し、これにより、CRT2においては、DVDに記録された信号をMPEG復号し、歪み除去を行って、その空間解像度を向上させたコンポーネント信号のHD画像が表示される。
【0135】
次に、TV信号処理部106の信号処理回路113の機能は、上述のように、コンポジット/コンポーネント変換処理と空間解像度向上処理を一括で施す機能から、空間解像度向上処理のみを施す機能に変化する。また、電子機器11における信号処理回路123の機能も、上述のように、MPEG復号処理および空間解像度向上処理を一括で施す機能から、MPEG復号処理および歪み除去処理を一括で施す機能に変化する。
【0136】
このように機能が変化する信号処理回路は、例えば、本件出願人が先に提案しているクラス分類適応処理によって実現することが可能である。
【0137】
クラス分類適応処理は、クラス分類処理と適応処理とからなり、クラス分類処理によって、信号(データ)が、その性質に基づいてクラス分けされ、各クラスごとに適応処理が施される。
【0138】
ここで、適応処理について、SD画像をHD画像に変換する空間解像度向上処理を行う場合を例に説明する。
【0139】
この場合、適応処理では、SD画像を構成する画素(以下、適宜、SD画素という)と、所定のタップ係数との線形結合により、そのSD画像の空間解像度を向上させたHD画像の画素の予測値を求めることで、そのSD画像の解像度を向上させた画像が得られる。
【0140】
具体的には、例えば、いま、あるHD画像を教師データとするとともに、そのHD画像の解像度を劣化させたSD画像を生徒データとして、HD画像を構成する画素(以下、適宜、HD画素という)の画素値yの予測値E[y]を、幾つかのSD画素(SD画像を構成する画素)の画素値x1,x2,・・・の集合と、所定のタップ係数w1,w2,・・・の線形結合により規定される線形1次結合モデルにより求めることを考える。この場合、予測値E[y]は、次式で表すことができる。
【0141】
E[y]=w11+w22+・・・
・・・(1)
【0142】
式(1)を一般化するために、タップ係数wjの集合でなる行列W、生徒データxijの集合でなる行列X、および予測値E[yj]の集合でなる行列Y’を、
【数1】
Figure 0004582681
で定義すると、次のような観測方程式が成立する。
【0143】
XW=Y’
・・・(2)
【0144】
ここで、行列Xの成分xijは、i件目の生徒データの集合(i件目の教師データyiの予測に用いる生徒データの集合)の中のj番目の生徒データを意味し、行列Wの成分wjは、生徒データの集合の中のj番目の生徒データとの積が演算されるタップ係数を表す。また、yiは、i件目の教師データを表し、従って、E[yi]は、i件目の教師データの予測値を表す。なお、式(1)の左辺におけるyは、行列Yの成分yiのサフィックスiを省略したものであり、また、式(1)の右辺におけるx1,x2,・・・も、行列Xの成分xijのサフィックスiを省略したものである。
【0145】
そして、この観測方程式に最小自乗法を適用して、HD画素の画素値yに近い予測値E[y]を求めることを考える。この場合、教師データとなるHD画素の真の画素値yの集合でなる行列Y、およびHD画素の画素値yに対する予測値E[y]の残差eの集合でなる行列Eを、
【数2】
Figure 0004582681
で定義すると、式(2)から、次のような残差方程式が成立する。
【0146】
XW=Y+E
・・・(3)
【0147】
この場合、HD画素の画素値yに近い予測値E[y]を求めるためのタップ係数wjは、自乗誤差
【数3】
Figure 0004582681
を最小にすることで求めることができる。
【0148】
従って、上述の自乗誤差をタップ係数wjで微分したものが0になる場合、即ち、次式を満たすタップ係数wjが、HD画素の画素値yに近い予測値E[y]を求めるため最適値ということになる。
【0149】
【数4】
Figure 0004582681
・・・(4)
【0150】
そこで、まず、式(3)を、タップ係数wjで微分することにより、次式が成立する。
【0151】
【数5】
Figure 0004582681
・・・(5)
【0152】
式(4)および(5)より、式(6)が得られる。
【0153】
【数6】
Figure 0004582681
・・・(6)
【0154】
さらに、式(3)の残差方程式における生徒データxij、タップ係数wj、教師データyi、および残差eiの関係を考慮すると、式(6)から、次のような正規方程式を得ることができる。
【0155】
【数7】
Figure 0004582681
・・・(7)
【0156】
なお、式(7)に示した正規方程式は、行列(共分散行列)Aおよびベクトルvを、
【数8】
Figure 0004582681
で定義するとともに、ベクトルWを、数1で示したように定義すると、式
AW=v
・・・(8)
で表すことができる。
【0157】
式(7)における各正規方程式は、生徒データxijおよび教師データyiのセットを、ある程度の数だけ用意することで、求めるべきタップ係数wjの数Jと同じ数だけたてることができ、従って、式(8)を、ベクトルWについて解くことで(但し、式(8)を解くには、式(8)における行列Aが正則である必要がある)、最適なタップ係数wjを求めることができる。なお、式(8)を解くにあたっては、例えば、掃き出し法(Gauss-Jordanの消去法)などを用いることが可能である。
【0158】
以上のように、生徒データと教師データを用いて、生徒データとタップ係数から、教師データを予測するのに最適なタップ係数wjを求める学習をしておき、さらに、そのタップ係数wjを用い、式(1)により、教師データyに近い予測値E[y]を求めるのが適応処理である。
【0159】
なお、適応処理は、SD画像には含まれていないが、HD画像に含まれる成分が再現される点で、例えば、単なる補間処理とは異なる。即ち、適応処理では、式(1)だけを見る限りは、いわゆる補間フィルタを用いての補間処理と同一に見えるが、その補間フィルタのタップ係数に相当するタップ係数wが、教師データと生徒データを用いての学習により求められるため、HD画像に含まれる成分を再現することができる。このことから、適応処理は、いわば画像の創造(解像度創造)作用がある処理ということができる。
【0160】
また、ここでは、適応処理について、空間解像度を向上させる場合を例にして説明したが、適応処理によれば、教師データおよび生徒データを変えて学習を行うことにより得られる種々のタップ係数を用いることで、例えば、S/N(Signal to Noise Ratio)の向上や、ぼけの改善、その他の各種の処理を行うことが可能である。
【0161】
即ち、例えば、S/Nの向上やぼけの改善を、適応処理によって行うには、S/Nの高い画像データを教師データとするとともに、その教師データのS/Nを低下させた画像や、ぼかした画像を生徒データとして、タップ係数を求めればよい。
【0162】
また、例えば、コンポジット/コンポーネント変換処理と空間解像度向上処理を、適応処理によって一括で施すには、コンポーネント信号のHD画像を教師データとするとともに、その教師データの空間解像度を低下させ、さらにコンポジット信号に変換した画像を生徒データとして、タップ係数を求めればよい。
【0163】
また、例えば、コンポーネント信号の画像に対し、空間解像度向上処理を、適応処理によって施すには、コンポーネント信号のHD画像を教師データとするとともに、その教師データの空間解像度を低下させたSD画像を生徒データとして、タップ係数を求めればよい。
【0164】
また、例えば、MPEG符号化された画像に対し、MPEG復号処理および空間解像度向上処理を、適応処理によって一括で施すには、コンポーネント信号のHD画像をMPEG符号化して復号したものを教師データとするとともに、その教師データの空間解像度を低下させ、さらにMPEG符号化した符号化データを生徒データとして、タップ係数を求めれば良い。あるいは、また、例えば、コンポーネント信号の画像を教師データとするとともに、その教師データをMPEG符号化した符号化データを生徒データとして、タップ係数を求めても良い。
【0165】
次に、図22は、上述のようなクラス分類適応処理を行うクラス分類適応処理回路によって実現される、TV信号処理部106の信号処理部113の構成例を示している。なお、電子機器11(図17)の信号処理部123も同様に構成される。
【0166】
信号処理回路113において処理すべき入力データ(入力信号)は、バッファ131に供給され、バッファ131は、そこに供給される入力データを一時記憶する。
【0167】
予測タップ抽出回路132は、後述する積和演算回路136において求めようとする出力データを、順次、注目データとし、さらに、その注目データを予測するのに用いる入力データを、バッファ131から抽出し、予測タップとする。
【0168】
即ち、例えば、入力データがSD画像データであり、出力データが、そのSD画像の空間解像度を向上させたHD画像データである場合には、予測タップ抽出回路132は、例えば、注目データとしてのHD画素に対応する位置に対して、空間的または時間的に近い位置にあるSD画像のSD画素の幾つかを、予測タップとして抽出する。
【0169】
また、例えば、入力データが、画像をMPEG符号化した符号化データであり、出力データが、その符号化データをMPEG復号した画像データである場合には、予測タップ抽出回路132は、例えば、注目データとしての画素を含むDCTブロック(MPEG符号化の際のDCT(Discrete Cosine Transform)処理の単位となるブロック)を構成するDCT係数や、そのDCTブロックから空間的または時間的に近い位置にあるDCT係数等を、さらには、注目データとしての画素が、他のフレーム(またはフィールド)の画像を予測画像としてMPEG符号化されたものであるとき(例えば、PピクチャやBピクチャであるとき)には、その予測画像を構成する画素のDCT係数等を、予測タップとして抽出する。
なお、その他、既に出力データとして出力された、予測画像となる画像の画素を、予測タップとすることも可能である。
【0170】
予測タップ抽出回路132は、注目データについて、予測タップを得ると、その注目データについての予測タップを、積和演算回路136に供給する。
【0171】
ここで、予測タップ抽出回路132には、機能制御部137から制御信号が供給されるようになっており、予測タップ抽出回路132は、機能制御部137からの制御信号にしたがって、予測タップを構成させる入力データ(さらには、出力データ)、即ち、予測タップの構造を決定する。
【0172】
クラスタップ抽出回路133は、注目データを、幾つかのクラスのうちのいずれかに分類するためのクラス分類に用いる入力データを、バッファ131から抽出し、クラスタップとする。
【0173】
ここで、クラスタップ抽出回路133にも、機能制御部137から制御信号が供給されるようになっており、クラスタップ抽出回路133も、予測タップ抽出回路132と同様に、機能制御部137からの制御信号にしたがって、クラスタップを構成させる入力データ、即ち、クラスタップの構造を決定する。
【0174】
なお、ここでは、説明を簡単にするために、例えば、予測タップ抽出回路132で得られる予測タップと、クラスタップ抽出回路133で得られるクラスタップとは、同一のタップ構造を有するものとする。但し、勿論、予測タップとクラスタップとは、独立のタップ構造を有するものとすることが可能である。
【0175】
クラスタップ抽出回路133において得られる、注目データについてのクラスタップは、クラス分類回路134に供給される。クラス分類回路134は、クラスタップ抽出回路133からのクラスタップに基づき、注目データをクラス分類し、その結果得られるクラスに対応するクラスコードを出力する。
【0176】
ここで、クラス分類を行う方法としては、例えば、ADRC(Adaptive Dynamic Range Coding)等を採用することができる。
【0177】
ADRCを用いる方法では、クラスタップを構成する入力データが、ADRC処理され、その結果得られるADRCコードにしたがって、注目データのクラスが決定される。
【0178】
なお、KビットADRCにおいては、例えば、クラスタップを構成する入力データの最大値MAXと最小値MINが検出され、DR=MAX-MINを、集合の局所的なダイナミックレンジとし、このダイナミックレンジDRに基づいて、クラスタップを構成する入力データがKビットに再量子化される。即ち、クラスタップを構成する各入力データから、最小値MINが減算され、その減算値がDR/2Kで除算(量子化)される。そして、以上のようにして得られる、クラスタップを構成するKビットの各入力データを、所定の順番で並べたビット列が、ADRCコードとして出力される。従って、クラスタップが、例えば、1ビットADRC処理された場合には、そのクラスタップを構成する各入力データは、最小値MINが減算された後に、最大値MAXと最小値MINとの平均値で除算され、これにより、各入力データが1ビットとされる(2値化される)。そして、その1ビットの入力データを所定の順番で並べたビット列が、ADRCコードとして出力される。
【0179】
なお、クラス分類回路134には、例えば、クラスタップを構成する入力データのレベル分布のパターンを、そのままクラスコードとして出力させることも可能であるが、この場合、クラスタップが、N個の入力データで構成され、各入力データに、Kビットが割り当てられているとすると、クラス分類回路134が出力するクラスコードの場合の数は、(2NK通りとなり、入力データのビット数Kに指数的に比例した膨大な数となる。
【0180】
従って、クラス分類回路134においては、クラスタップの情報量を、上述のADRC処理や、あるいはベクトル量子化等によって圧縮してから、クラス分類を行うのが好ましい。
【0181】
クラス分類回路134が出力するクラスコードは、係数記憶部135に、アドレスとして与えられる。
【0182】
係数記憶部135は、学習処理が行われることにより得られるタップ係数を記憶しており、クラス分類回路134が出力するクラスコードに対応するアドレスに記憶されているタップ係数を、積和演算回路136に出力する。
【0183】
なお、係数記憶部135には、後述するように、複数セットの教師データと生徒データをそれぞれ用いた学習を行うことにより得られる複数セット(複数種類)のタップ係数が記憶されている。係数記憶部135において、複数セットのタップ係数のうち、どのセットのタップ係数を用いるかは、機能制御部137からの制御信号にしたがって決定される。即ち、係数記憶部135には、機能制御部137が出力する制御信号が供給されるようになっており、係数記憶部135は、その制御信号にしたがって、用いるタップ係数のセットを決定し、そのタップ係数のセットの中から、クラス分類回路134より供給されるクラスコードに対応するものを、積和演算回路136に出力する。
【0184】
積和演算回路136は、予測タップ抽出回路132が出力する予測タップと、係数記憶部135が出力するタップ係数とを取得し、その予測タップとタップ係数とを用いて、式(1)に示した線形予測演算(積和演算)を行い、その演算結果を、出力データとして出力する。
【0185】
機能制御部137には、コントローラ112(図16)から制御信号が供給されるようになっており、機能制御部137は、その制御信号にしたがって、予測タップ抽出回路132、クラスタップ抽出回路133、および係数記憶部135を制御する。
【0186】
次に、図23は、図22の係数記憶部135に記憶させるタップ係数の学習処理を行う学習装置の一実施の形態の構成例を示している。
【0187】
教師データ生成回路141には、学習に用いられる学習用データが供給される。ここで、学習用データとしては、HD画像データ等の、品質の高いデータを用いることができる。
【0188】
教師データ生成回路141は、学習用データから、学習の教師となる教師データを生成する。
【0189】
即ち、例えば、学習用データがHD画像データである場合において、学習により求めようとするタップ係数が、SD画像をHD画像に変換するためのものであるときや、MPEG符号化データをHD画像に変換するためのものであるとき等には、教師データ生成回路141は、学習用データとしてのHD画像データを、そのまま教師データとして出力する。
【0190】
また、例えば、学習用データがHD画像データである場合において、学習により求めようとするタップ係数が、S/Nの低いSD画像をS/Nの高いSD画像に変換するためのものであるときや、MPEG符号化データをSD画像に変換するためのものであるとき等には、教師データ生成回路141は、学習用データとしてのHD画像データから、その画素数を間引く等して、SD画像データを生成し、これを、教師データとして出力する。
【0191】
教師データ生成回路141が出力する教師データは、教師データメモリ142に供給される。教師データメモリ142は、教師データ生成回路141からの教師データを記憶する。
【0192】
生徒データ生成回路143は、教師データメモリ142に記憶された教師データから、学習の生徒となる生徒データを生成する。
【0193】
即ち、例えば、学習により求めようとするタップ係数が、SD画像をHD画像に変換するためのものである場合には、教師データメモリ142には、上述のように、教師データとしてのHD画像が記憶されるが、この場合、生徒データ生成回路143は、教師データの画素数を間引く等して、SD画像データを生成し、これを、生徒データとして出力する。
【0194】
また、例えば、学習により求めようとするタップ係数が、MPEG符号化データをHD画像に変換するためのものである場合には、教師データメモリ142には、上述のように、教師データとしてのHD画像が記憶されるが、この場合、生徒データ生成回路143は、教師データをMPEG符号化することにより符号化データを生成し、これを、生徒データとして出力する。
【0195】
さらに、例えば、学習により求めようとするタップ係数が、S/Nの低いSD画像をS/Nの高いSD画像に変換するためのものである場合には、教師データメモリ142には、上述のように、教師データとしてのSD画像が記憶されるが、この場合、生徒データ生成回路143は、教師データにノイズを付加することにより、S/Nの低いSD画像データを生成し、これを、生徒データとして出力する。
【0196】
また、例えば、学習により求めようとするタップ係数が、MPEG符号化データをSD画像に変換するためのものである場合には、教師データメモリ142には、上述のように、教師データとしてのSD画像が記憶されるが、この場合、生徒データ生成回路143は、教師データをMPEG符号化することにより符号化データを生成し、これを、生徒データとして出力する。
【0197】
生徒データ生成回路143が出力する生徒データは、生徒データメモリ144に供給される。生徒データメモリ144は、生徒データ生成回路143から供給される生徒データを記憶する。
【0198】
予測タップ抽出回路145は、教師データメモリ142に記憶された教師データを、順次、注目データとし、さらに、その注目データを予測するのに用いる生徒データを、生徒データメモリ144から抽出し、図22の予測タップ抽出回路132が構成するのと同一のタップ構造の予測タップを構成する。予測タップ抽出回路145で得られた予測タップは、正規方程式加算回路148に供給される。
【0199】
クラスタップ抽出回路146は、注目データのクラス分類に用いる生徒データを、生徒データメモリ144から抽出し、図22のクラスタップ抽出回路133が構成するのと同一のタップ構造のクラスタップを構成して、クラス分類回路147に供給する。クラス分類回路147は、図22のクラス分類回路134と同様に、クラスタップ抽出回路146からのクラスタップを用いてクラス分類を行い、注目データのクラスを表すクラスコードを、正規方程式加算回路148に供給する。
【0200】
正規方程式加算回路148は、教師データメモリ142から、注目データとなっている教師データを読み出し、予測タップ抽出回路145からの予測タップを構成する生徒データ、および注目データとしての教師データを対象とした足し込みを、クラス分類回路147から供給されるクラスコードが表すクラスごとに行う。
【0201】
即ち、正規方程式加算回路148は、クラス分類回路147から供給されるクラスコードに対応するクラスごとに、予測タップ(生徒データ)を用い、式(8)の行列Aにおける各コンポーネントとなっている、生徒データどうしの乗算(xinim)と、サメーション(Σ)に相当する演算を行う。
【0202】
さらに、正規方程式加算回路148は、やはり、クラス分類回路147から供給されるクラスコードに対応するクラスごとに、予測タップ(生徒データ)および注目画素(教師データ)を用い、式(8)のベクトルvにおける各コンポーネントとなっている、生徒データと教師データの乗算(xini)と、サメーション(Σ)に相当する演算を行う。
【0203】
正規方程式加算回路148は、以上の足し込みを、教師データメモリ142に記憶された教師データすべてを注目データとして行い、これにより、各クラスについて、式(8)に示した正規方程式をたてる。
【0204】
タップ係数決定回路149は、正規方程式加算回路148においてクラスごとに生成された正規方程式を解くことにより、クラスごとに、タップ係数を求め、係数テーブル記憶部150の、各クラスに対応するアドレスに供給する。
【0205】
なお、学習用データとして用意するデータによっては、正規方程式加算回路148において、タップ係数を求めるのに必要な数の正規方程式が得られないクラスが生じる場合があり得るが、タップ係数決定回路149は、そのようなクラスについては、例えば、デフォルトのタップ係数を出力する。
【0206】
係数テーブル記憶部150は、タップ係数決定回路149から供給されるクラスごとのタップ係数を記憶する。
【0207】
制御回路151は、教師データ生成回路141、生徒データ生成回路142、予測タップ抽出回路145、およびクラスタップ抽出回路146を制御する。
【0208】
即ち、図23の学習装置においては、どのような処理を行うタップ係数を学習するかを表す情報として、そのタップ係数を用いて行われる処理の内容を表す処理情報が、図示せぬ操作部が操作されることにより、制御回路151に設定されるようになっている。制御回路151は、操作部が操作されることにより設定される処理情報にしたがい、教師データ生成回路141、生徒データ生成回路142、予測タップ抽出回路145、およびクラスタップ抽出回路146を制御する。
【0209】
これにより、教師データ生成回路141では、制御回路151の制御にしたがい、学習用データから教師データが生成される。生徒データ生成回路143でも、制御回路151の制御にしたがい、教師データから生徒データが生成される。
さらに、予測タップ抽出回路145でも、制御回路151の制御にしたがい、予測タップのタップ構造が設定され、そのようなタップ構造の予測タップが生成される。クラスタップ抽出回路146でも、制御回路151の制御にしたがい、クラスタップのタップ構造が設定され、そのようなタップ構造のクラスタップが生成される。
【0210】
次に、図24のフローチャートを参照して、図23の学習装置の処理(学習処理)について説明する。
【0211】
まず最初に、ステップS21において、制御回路151は、設定された処理情報に基づいて、教師データ生成回路141、生徒データ生成回路142、予測タップ抽出回路145、およびクラスタップ抽出回路146を制御する。これにより、教師データ生成回路141では、学習用データから教師データの生成方法が設定され、生徒データ生成回路143では、教師データから生徒データの生成方法が設定される。さらに、予測タップ抽出回路145では予測タップのタップ構造が設定され、クラスタップ抽出回路146では、クラスタップのタップ構造が設定される。
【0212】
そして、ステップS22に進み、教師データ生成回路141は、ステップS21で設定した生成方法にしたがい、そこに供給される学習用データから教師データを生成し、教師データメモリ142に供給して記憶させる。
【0213】
その後、生徒データ生成回路143は、ステップS23において、ステップS21で設定した生成方法にしたがい、教師データメモリ142に記憶された教師データから生徒データを生成し、生徒データメモリ144に供給して記憶させる。
【0214】
そして、ステップS24に進み、予測タップ抽出回路145が、教師データメモリ142に記憶された教師データのうち、まだ、注目データとされていないものを注目データとする。さらに、予測タップ抽出回路145は、生徒データメモリ144から生徒データを読み出すことにより、注目データについて、ステップS21で設定したタップ構造となる予測タップを生成し、正規方程式加算回路148に供給する。
【0215】
また、ステップS24では、クラスタップ抽出回路146が、生徒データメモリ144から生徒データを読み出すことにより、注目データについて、ステップS21で設定したタップ構造となるクラスタップを生成し、クラス分類回路147に供給して、ステップS25に進む。
【0216】
ステップS25では、クラス分類回路147が、クラスタップ抽出回路146からのクラスタップを用いてクラス分類を行い、注目データについてのクラスコードを求める。このクラスコードは、クラス分類回路147から正規方程式加算回路148に供給される。
【0217】
正規方程式加算回路148は、ステップS26において、教師データメモリ142から、注目データとなっている教師データを読み出し、予測タップ抽出回路145から供給される予測タップを構成する生徒データ、および注目データとしての教師データを対象として、式(8)の行列Aとベクトルvの、上述したような足し込みを行う。なお、この足し込みは、クラス分類回路147からのクラスコードに対応するクラスごとに行われる。
【0218】
そして、ステップS27に進み、予測タップ抽出回路145は、教師データメモリ142に記憶された教師データのすべてを、注目データとして、足し込みを行ったかどうかを判定する。ステップS27において、教師データのすべてを、注目データとして、まだ足し込みを行っていないと判定された場合、ステップS24に戻り、予測タップ抽出回路145は、教師データのうち、まだ、注目データとしていないものを、新たに注目データとして、以下、同様の処理を繰り返す。
【0219】
また、ステップS27において、教師データすべてを、注目データとして、足し込みを行ったと判定された場合、ステップS28に進み、タップ係数決定回路149は、正規方程式加算回路148においてステップS26の足し込みが行われることにより、各クラスごとに生成された正規方程式を解き、これにより、各クラスごとのタップ係数を求め、係数メモリ150の、各クラスに対応するアドレスに供給して記憶させ、処理を終了する。
【0220】
以上のようにして、係数メモリ150には、制御回路151に設定された処理情報が表す処理を行うための、各クラスごとのタップ係数が記憶される。
【0221】
そして、以上のような学習装置による学習処理は、制御回路151に設定する処理情報を変えて行われ、各処理情報ごとのタップ係数のセットが求められる。
【0222】
図22の信号処理回路113における係数記憶部135には、このようにして、複数の処理情報それぞれに対して求められた複数のタップ係数のセットが記憶されている。
【0223】
即ち、図25は、図22の係数記憶部135の構成例を示している。
【0224】
セレクタ161と162は、機能制御部137(図22)から供給される制御信号にしたがって、N個の係数メモリ1631乃至163Nのうちのいずれか1つを選択する。なお、セレクタ161と162は、同一の係数メモリ163nを選択する。
【0225】
係数メモリ1631乃至163Nそれぞれは、図23の学習装置で求められたタップ係数のセットを、処理情報ごとに記憶している。
【0226】
以上のように構成される係数記憶部135では、セレクタ161と162が、機能制御部137から供給される制御信号にしたがって、N個の係数メモリ1631乃至163Nの中の1つの係数メモリ163nを選択する。
【0227】
また、セレクタ161には、クラス分類回路134からクラスコードが供給されるようになっており、セレクタ161は、このクラスコードを、選択している係数メモリ163nに供給する。係数メモリ163nは、自身が記憶している、所定の処理情報に対応するタップ係数のセットから、セレクタ161からのクラスコードに対応するアドレスに記憶されたタップ係数を読み出して出力する。
【0228】
係数メモリ163nが出力するタップ係数は、その係数メモリ163nを選択しているセレクタ162に供給され、セレクタ162は、係数メモリ163nから供給されるタップ係数を、積和演算回路136(図22)に供給する。
【0229】
なお、処理情報ごとのタップ係数のセットを記憶する係数メモリ1631乃至163Nは、物理的に別々のメモリである必要はない。即ち、係数メモリ1631乃至163Nは、1つのメモリをバンク切り替えして使用することにより実現すること等が可能である。
【0230】
ここで、本実施の形態では、TV信号処理部106における信号処理回路113の機能は、コンポジット/コンポーネント変換処理と空間解像度向上処理を一括で施す機能から、空間解像度向上処理のみを施す機能に変化するため、信号処理回路113の係数記憶部135には、少なくとも、次のような2セットのタップ係数が記憶されている。
【0231】
即ち、信号処理回路113の係数記憶部135における、ある1つの係数メモリ163iには、コンポーネント信号のHD画像を教師データとするとともに、その教師データの空間解像度を低下させたSD画像をコンポーネント信号からコンポジット信号に変換したものを生徒データとして学習処理を行うことにより得られるタップ係数のセットが記憶されている。さらに、信号処理回路113の係数記憶部135における、他の1つの係数メモリ163jには、コンポーネント信号のHD画像を教師データとするとともに、その教師データの空間解像度を低下させたSD画像を生徒データとして学習処理を行うことにより得られるタップ係数のセットが記憶されている。
【0232】
また、本実施の形態では、電子機器11(図17)における信号処理回路123の機能は、MPEG復号処理および空間解像度向上処理を一括で施す機能から、MPEG復号処理および歪み除去処理を一括で施す機能に変化するため、電子機器11の信号処理回路123における係数記憶部135には、少なくとも、次のような2セットのタップ係数が記憶されている。
【0233】
即ち、信号処理回路123の係数記憶部135における、ある1つの係数メモリ163iには、コンポーネント信号のHD画像をMPEG符号化し、その符号化データをMPEG復号して得られるHD画像を教師データとするとともに、その教師データの空間解像度を低下させたSD画像をMPEG符号化した符号化データを生徒データとして学習処理を行うことにより得られるタップ係数のセットが記憶されている。さらに、信号処理回路123の係数記憶部135における、他の1つの係数メモリ163jには、コンポーネント信号のSD画像を教師データとするとともに、その教師データをMPEG符号化した符号化データを生徒データとして学習処理を行うことにより得られるタップ係数のセットが記憶されている。
【0234】
なお、TV信号処理部106や電子機器11の係数記憶部135には、その他のタップ係数を記憶させておくことが可能である。即ち、係数記憶部135には、例えば、画像の拡大/縮小(リサイズ)を行うタップ係数や、時間方向の解像度を向上させるタップ係数、階調方向の解像度を向上させるタップ係数、ぼけの改善を行うタップ係数、歪みやノイズ除去を行うタップ係数等を記憶させておくことが可能である。
【0235】
ここで、例えば、空間解像度や時間解像度を向上させ、あるいはリサイズを行うタップ係数を用いたクラス分類適応処理については、特開平7-79418号公報に記載されている。また、例えば、MPEG復号を行うタップ係数を用いたクラス分類適応処理については、特開2001-320711号公報に記載されている。さらに、例えば、階調を変化させるタップ係数を用いたクラス分類適応処理については、特開平9-219833号公報に記載されている。また、例えば、ぼけを改善するタップ係数を用いたクラス分類適応処理については、特開平11-27564号公報に記載されている。さらに、例えば、歪みやノイズを除去するタップ係数を用いたクラス分類適応処理については、特開平7-115569号公報に記載されている。
【0236】
以上のように、多種類のタップ係数のセットを、係数記憶部135に記憶させておき、そのうちのいずれを使用するかを切り替えることで、TV信号処理部106の信号処理回路113や、電子機器11の信号処理回路123の機能を、容易に変化させることができる。なお、ここでは、信号処理の効率化やメモリ使用の効率化等のために、予測タップやクラスタップのタップ構造が、信号処理の機能に応じて変化している。しかしながら、予測タップやクラスタップを、各信号処理の機能に対して十分なタップ構造となるようにあらかじめ設計した場合等においては、特に、予測タップやクラスタップのタップ構造を変化させなくても良い。
【0237】
次に、図26のフローチャートを参照して、図22の信号処理回路113の処理について説明する。
【0238】
機能制御部137は、ステップS31において、コントローラ112から、信号処理回路113の機能を変更させる制御信号を受信し、その制御信号にしたがって、予測タップ抽出回路132、クラスタップ抽出回路133、および係数記憶部135を制御する。
【0239】
即ち、コントローラ112から機能制御部137に供給される制御信号は、コントローラ112が記憶している機能IDに対応付けられた処理情報を含んでおり、機能制御部137は、その処理情報にしたがい、図23の制御回路151と同様に、予測タップ抽出回路132、クラスタップ抽出回路133、および係数記憶部135を制御する。
【0240】
これにより、予測タップ抽出回路132は、図23の学習装置の予測タップ抽出回路145における場合と同一構造のタップ構造を有する予測タップを生成するように設定され、クラスタップ抽出回路133も、図23の学習装置のクラスタップ抽出回路146における場合と同一構造のタップ構造を有するクラスタップを生成するように設定される。
【0241】
さらに、係数記憶部135は、機能制御部137からの制御信号に含まれる処理情報に対応するタップ係数のセットを記憶している係数メモリ163n(図25)を使用するように設定される。
【0242】
その後、バッファ131に、入力データが供給されて記憶されると、ステップ32に進み、予測タップ抽出回路132が、積和演算回路136において求めようとしている出力データのうち、まだ、注目データとされていないものを注目データとし、さらに、バッファ131から入力データを読み出すことにより、注目データについて、ステップS31で設定したタップ構造となる予測タップを生成(構成)し、積和演算回路136に供給する。
【0243】
さらに、ステップS32では、クラスタップ抽出回路133が、バッファ131から入力データを読み出すことにより、注目データについて、ステップS31で設定したタップ構造となるクラスタップを生成し、クラス分類回路134に供給して、ステップS33に進む。
【0244】
ステップS33では、クラス分類回路134が、クラスタップ抽出回路133からのクラスタップを用いてクラス分類を行い、注目データについてのクラスコードを求める。このクラスコードは、係数記憶部135に供給される。
【0245】
係数記憶部135(図25)では、セレクタ161および162が、ステップS31で設定した係数メモリ163nを選択しており、クラス分類回路134からクラスコードが供給されると、ステップS34において、その係数メモリ163nの、クラス分類回路134からのクラスコードに対応するアドレスからタップ係数を読み出し、積和演算回路136に供給する。
【0246】
積和演算回路136は、係数記憶部135から供給されるタップ係数を取得し、ステップS35において、そのタップ係数と、ステップS32で予測タップ抽出回路132から供給される予測タップとを用いて、式(1)に示した積和演算を行い、注目データの予測値を求め、出力データとして出力する。
【0247】
ここで、このようにして積和演算回路136が出力する出力データは、処理情報に対応したタップ構造の予測タップおよびクラスタップと、タップ係数のセットを用いて得られたものであり、従って、入力データに対し、処理情報が表す処理を施したものとなる。
【0248】
その後、ステップS36に進み、予測タップ抽出回路132は、まだ、注目データとすべき出力データが存在するかどうかを判定する。ステップS36において、注目データとすべき出力データが存在すると判定された場合、ステップS32に戻り、まだ注目データとしていない出力データを、新たに注目データとして、以下、同様の処理を繰り返す。
【0249】
一方、ステップS36において、注目データとすべき出力データが存在しないと判定された場合、処理を終了する。
【0250】
以上のように、TV信号処理部106の信号処理回路113は、処理情報にしたがって、予測タップ抽出回路132で生成される予測タップのタップ構造、クラスタップ抽出回路133で構成されるクラスタップのタップ構造、および積和演算回路136の積和演算に用いるタップ係数のセットの種類を設定することにより、その機能を変化させる。また、電子機器11(図17)の信号処理回路123も、信号処理回路123と同様にして、その機能を変化させる。そして、信号処理回路113と123は、このように機能を変化させることにより、入力信号に対する処理を協調して分担する。従って、この場合、信号処理回路113または123のうちのいずれか一方のみで処理を行う場合よりも、高品質の出力データを得ることが可能となる。
【0251】
即ち、TV信号処理部106の信号処理回路113単独では、コンポーネント信号のHD画像を教師データとするとともに、その教師データの空間解像度を低下させたSD画像をコンポーネント信号からコンポジット信号に変換したものを生徒データとして学習処理を行うことにより得られるタップ係数(以下、適宜、コンポジット/コンポーネント変換かつSD/HD変換用タップ係数という)が用いられる。そして、このタップ係数を用いて、チューナ105(図15)が出力するベースバンドのSD画像信号であって、コンポジット信号となっているものが処理されることにより、そのコンポジット信号のSD画像信号が、コンポーネント信号のHD画像信号に変換される。
【0252】
また、電子機器11の信号処理回路123単独では、コンポーネント信号のHD画像をMPEG符号化し、その符号化データをMPEG復号して得られるHD画像を教師データとするとともに、その教師データの空間解像度を低下させたSD画像をMPEG符号化した符号化データを生徒データとして学習処理を行うことにより得られるタップ係数(以下、適宜、MPEG復号かつSD/HD変換用タップ係数という)が用いられる。そして、このタップ係数を用いて、特有ブロック124(図17)が出力する、コンポーネント信号のSD画像信号をMPEG符号化した符号化データが処理されることにより、その符号化データが、コンポーネント信号のHD画像信号に変換される。
【0253】
一方、TV信号処理部106と電子機器11とが電気的に接続された場合には、TV信号処理部106の信号処理回路113と、電子機器11の信号処理回路123とは、それぞれの機能を変化させ、入力信号に対する処理を協調分担する。
【0254】
即ち、まず、電子機器11の信号処理回路123において、コンポーネント信号のSD画像を教師データとするとともに、その教師データをMPEG符号化した符号化データを生徒データとして学習処理を行うことにより得られるタップ係数(以下、適宜、MPEG復号用タップ係数という)を用いて、特有ブロック124(図17)が出力する、コンポーネント信号のSD画像信号をMPEG符号化した符号化データが処理されることにより、その符号化データが、コンポーネント信号のSD画像信号に変換される。
【0255】
そして、TV信号処理部106の信号処理回路113において、コンポーネント信号のHD画像を教師データとするとともに、その教師データの空間解像度を低下させたSD画像を生徒データとして学習処理を行うことにより得られるタップ係数(以下、適宜、SD/HD変換用タップ係数という)を用いて、電子機器11の信号処理回路123で得られたコンポーネント信号のSD画像信号が処理されることにより、そのSD画像信号が、コンポーネント信号のHD画像信号に変換される。
【0256】
従って、信号処理回路113または123のうちのいずれか一方だけが、単独で処理を行う場合であっても、信号処理回路113と123とが協調分担して処理を行う場合であっても、最終的に得られるのは、コンポーネント信号のHD画像信号である。
【0257】
しかしながら、TV信号処理部106の信号処理回路113単独の場合に用いられるコンポジット/コンポーネント変換かつSD/HD変換用タップ係数によれば、一度の処理で、コンポジットのSD画像を、コンポーネント信号のHD画像に変換することはできるが、その変換精度は、コンポジットのSD画像を、コンポーネント信号のSD画像に変換するのと、そのコンポーネント信号のSD画像を、コンポーネント信号のHD画像に変換するのを、別々に行う場合に比較して劣化することがある。
【0258】
即ち、コンポジットのSD画像を、コンポーネント信号のSD画像に変換することは、コンポーネント信号のSD画像を教師データとするとともに、その教師データをコンポジット信号に変換したSD画像を生徒データとして学習処理を行うことにより得られるタップ係数(以下、適宜、コンポジット/コンポーネント変換用タップ係数という)を用いて行うことができる。
【0259】
また、コンポーネント信号のSD画像を、コンポーネント信号のHD画像に変換することは、上述のSD/HD変換用タップ係数(コンポーネント信号のHD画像を教師データとするとともに、その教師データの空間解像度を低下させたSD画像を生徒データとして学習処理を行うことにより得られるタップ係数)を用いて行うことができる。
【0260】
コンポジット/コンポーネント変換用タップ係数は、コンポジット信号のSD画像を、コンポーネント信号のSD画像に変換する処理に特化したものであるから、コンポジット信号をコンポーネント信号に変換することだけに注目すれば、コンポジットのSD画像を、コンポーネント信号のHD画像に、一度に変換することができるコンポジット/コンポーネント変換かつSD/HD変換用タップ係数よりも、精度良く、コンポジット信号のSD画像を、コンポーネント信号のSD画像に変換することができる。
【0261】
また、SD/HD変換用タップ係数は、SD画像をHD画像に変換する処理に特化したものであるから、そのような空間解像度を向上させることにだけ注目すれば、やはり、コンポジット/コンポーネント変換かつSD/HD変換用タップ係数よりも、精度良く、SD画像の空間解像度を向上させたHD画像を得ることができる。
【0262】
同様に、MPEG復号かつSD/HD変換用タップ係数は、コンポーネント信号のSD画像信号をMPEG符号化した符号化データを、一度の処理で、MPEG復号し、HD画像に変換することができるが、このMPEG復号かつSD/HD変換用タップ係数を用いる場合には、MPEG復号用タップ係数を用いる場合よりも、復号精度は劣化し、また、SD/HD変換用タップ係数を用いる場合よりも、変換精度は劣化することがある。
【0263】
以上から、信号処理回路113と123とが協調分担して処理を行う場合には、MPEG復号用タップ係数を用いて、符号化データがSD画像に変換され、さらに、そのSD画像が、SD/HD変換用タップ係数を用いて、HD画像に変換されるので、TV信号処理部106の信号処理回路113単独でコンポジット/コンポーネント変換かつSD/HD変換用タップ係数が用いられる場合や、電子機器11の信号処理回路123単独でMPEG復号かつSD/HD変換用タップ係数が用いられる場合に比較して、画質の良いHD画像を得ることができる。
【0264】
なお、MPEG復号用タップ係数によれば、符号化データをMPEG復号するだけでなく、MPEG符号化に起因して生じるブロック歪み等の歪み除去も行われる。
【0265】
即ち、MPEG復号タップ係数は、上述のように、コンポーネント信号のSD画像を教師データとするとともに、その教師データをMPEG符号化した符号化データを生徒データとして学習処理を行うことにより得られるものであるから、符号化データを、原画像との自乗誤差(の総和)が最小になる画像に変換するものとなる。従って、MPEG復号タップ係数によれば、符号化データが、歪みのない原画像に近い画像に変換されるから、MPEG復号の他、MPEG符号化に起因するブロック歪み等の歪み除去も行われることになる。
【0266】
なお、コンポーネント信号のSD画像をMPEG符号化してMPEG復号したものを教師データとするとともに、その教師データをMPEG符号化した符号化データを生徒データとして学習処理を行うことによりタップ係数を得た場合には、そのタップ係数は、符号化データを、通常のMPEG復号した場合に得られる復号画像、即ち、MPEG符号化に起因するブロック歪み等を有する復号画像に近い画像に変換するものとなる。従って、この場合、上述のような歪み除去は行われないことになる。
【0267】
以上のように、電子機器11のような対応電子機器は、ベイ構造型テレビジョン受像機(図1、図2)のベイ4に対して、ベイアダプタボックス14なしで収納することができ、さらに、TV信号処理部106と電気的に接続されることにより、協調分担して処理を行い、画質の良い画像等を得ることができる。一方、電子機器13のような非対応電子機器は、ベイ構造型テレビジョン受像機のベイ4に収納するために、ベイアダプタボックス14が必要であり、また、TV信号処理部106と電気的に接続されても、単独で処理を行うため、TV信号処理部106と電気的に接続されているかどうかにかかわらず、協調分担して処理が行われる場合のような画質の良い画像等を得ることができない。
【0268】
従って、対応電子機器は、非対応電子機器に比較して、ベイ4への収納が簡易であり、かつ、品質の良いデータが得られるという付加価値を有することになる。
【0269】
次に、上述の場合には、TV信号処理部106の信号処理回路113や、電子機器11の信号処理回路123を、クラス分類適応処理を行うクラス分類適応処理回路(図22)で構成することにより、各種の機能を実現するようにしたが、その他、信号処理回路113および123は、各種の機能の一つ一つに対応する処理を行うモジュール(ブロック)で構成することが可能である。
【0270】
そこで、図27は、TV信号処理部106および電子機器11の他の構成例を示している。なお、図中、図16または図17における場合と対応する部分については、同一の符号を付してあり、以下では、その説明は、適宜省略する。
【0271】
即ち、図27(A)は、TV信号処理部106の他の構成例を示しており、信号処理部113が、クラス分類適応処理回路ではなく、変換部171、空間解像度向上処理部172、ノイズ除去処理部173、およびセレクタ174で構成されている他は、図16における場合と同様に構成されている。
【0272】
また、図27(B)は、電子機器11の他の構成例を示しており、やはり、信号処理部123が、クラス分類適応処理回路ではなく、MPEGデコーダ175、歪み除去処理部176、およびセレクタ177で構成されている他は、図17における場合と同様に構成されている。
【0273】
図27(A)のTV信号処理部106が単独で処理を行う場合には、チューナ105(図15)が出力する、ベースバンドのコンポジット信号のSD画像信号が、セレクタ104およびI/F111を介して、信号処理回路113に供給される。
【0274】
信号処理回路113では、チューナ105からの信号が、図27(A)において点線で示すようにやりとりされることにより処理される。
【0275】
即ち、信号処理回路113では、セレクタ174において、チューナ105からのコンポジット信号のSD画像信号が受信される。そして、セレクタ174は、変換部171を選択し、その選択した変換部171に、コンポジット信号のSD画像信号を供給する。
【0276】
変換部171は、セレクタ174からのコンポジット信号のSD画像信号を、コンポーネント信号のSD画像信号に変換して、セレクタ174に供給する。セレクタ174は、空間解像度向上処理部172を選択し、その選択した空間解像度向上処理部172に、コンポーネント信号のSD画像信号を供給する。
【0277】
空間解像度向上処理部172は、セレクタ174からのコンポーネント信号のSD画像信号の空間解像度を向上させる処理を行い、その結果得られる、コンポーネント信号のHD画像信号を、セレクタ174に供給する。セレクタ174は、ノイズ除去処理部173を選択し、その選択したノイズ除去処理部173に、コンポーネント信号のHD画像信号を供給する。
【0278】
ノイズ除去処理部173は、セレクタ174からのHD画像信号に対して、ノイズ除去処理を施し、その結果得られるHD画像信号を、セレクタ174に供給する。そして、セレクタ174は、ノイズ除去処理部173からのHD画像信号を、I/F111を介して、セレクタ104(図15)に出力する。
【0279】
セレクタ104は、このHD画像信号を、例えば、CRT2(図15)に供給し、CRT2では、対応するHD画像が表示される。
【0280】
従って、TV信号処理部106が単独で処理を行う場合、TV信号処理部106の信号処理回路113は、コンポジット信号をコンポーネント信号に変換する機能、空間解像度を向上させる機能(SD画像をHD画像に変換する機能)、およびノイズを除去する機能を有する。
【0281】
一方、図27(B)の電子機器11が単独で処理を行う場合には、特有ブロック124が出力する、SD画像をMPEG符号化して得られる符号化データが、信号処理回路123に供給される。
【0282】
信号処理回路123では、符号化データが、図27(B)において点線で示すようにやりとりされることにより処理される。
【0283】
即ち、信号処理回路123では、セレクタ177において、特有ブロック124からの符号化データが受信される。そして、セレクタ177は、MPEGデコーダ175を選択し、その選択したMPEGデコーダ175に、符号化データを供給する。
【0284】
MPEGデコーダ175は、セレクタ177からの符号化データをMPEG復号し、その結果得られる復号画像信号(SD画像信号)を、セレクタ177に供給する。セレクタ177は、歪み除去処理部176を選択し、その選択した歪み除去処理部176に、復号画像信号を供給する。
【0285】
歪み除去処理部176は、セレクタ177からの復号画像信号からブロック歪み等を除去する歪み除去処理を行い、その結果得られる復号画像信号を、セレクタ177に供給する。セレクタ177は、歪み除去処理部176からの復号画像信号を、I/F121を介して出力する。
【0286】
従って、電子機器11が単独で処理を行う場合、電子機器11の信号処理回路123は、画像をMPEG符号化した符号化データをMPEG復号する機能、およびブロック歪み等を除去する機能を有する。
【0287】
次に、電子機器11が、ベイ4(図1、図2)に収納され、TV信号処理部106と電気的に接続された場合には、TV信号処理部106の信号処理回路113と、電子機器11の信号処理回路123は、処理を協調分担するために、上述したように、互いの機能IDをやりとりすることで、少なくとも一方が、その機能を変化させる。
【0288】
即ち、TV信号処理部106の信号処理回路113は、例えば、上述した、コンポジット信号をコンポーネント信号に変換する機能、空間解像度を向上させる機能、およびノイズを除去する機能の3つの機能を有するものから、空間解像度を向上させる機能だけを有するものに変化する。
【0289】
また、電子機器11の信号処理回路123は、上述した、符号化データをMPEG復号する機能、およびブロック歪み等を除去する機能の2つの機能を有するもののままとされる。
【0290】
そして、TV信号処理部106の信号処理回路113と、電子機器11の信号処理回路123では、符号化データが、図28において点線で示すようにやりとりされることにより処理される。
【0291】
即ち、電子機器11の信号処理回路123では、図27(B)における場合と同様の処理が行われ、これにより、I/F121から、歪み除去が行われた復号画像信号が出力される。
【0292】
この復号画像信号は、セレクタ104に供給され、セレクタ104は、電子機器11(のI/F121)からの復号画像信号を、TV信号処理部106に供給する。
【0293】
TV信号処理部106では、セレクタ104からの復号が画像信号が、I/F111で受信され、信号処理回路113に供給される。
【0294】
信号処理回路113では、セレクタ174において、復号画像信号が受信され、さらに、空間解像度向上処理部172が選択される。そして、セレクタ174は、受信した復号画像信号を、選択した空間解像度向上処理部172に供給する。
【0295】
空間解像度向上処理部172は、セレクタ174からの復号画像信号の空間解像度を向上させる処理を行い、その結果得られるHD画像信号を、セレクタ174に供給する。セレクタ174は、空間解像度向上処理部172からのHD画像信号を、I/F111を介して、セレクタ104に出力する。
【0296】
セレクタ104は、このHD画像信号を、例えば、CRT2(図15)に供給し、CRT2では、対応するHD画像が表示される。
【0297】
従って、電子機器11が単独で処理を行う場合には、符号化データをMPEG復号し、その結果得られる復号画像信号から、歪み除去を行ったものが得られるが、電子機器11とTV信号処理部106とが電気的に接続され、協調分担して処理が行われる場合には、歪み除去を行った復号画像信号の空間解像度を向上させたHD画像を得ることができる。
【0298】
なお、図27および図28の実施の形態に示したように、信号処理回路113や123を、各機能に対応するモジュール(ブロック)を用いて構成する場合には、信号処理回路113や123に持たせる機能の数と同一の数のモジュールが必要となり、機能の数を増加させると、モジュールの数も増加するから、回路規模も大きくなる。
【0299】
これに対して、信号処理回路113や123を、図22に示したように、クラス分類適応処理回路で構成する場合には、機能の数の増加によって増加するのは、基本的に、係数記憶部135の記憶容量だけであり、従って、回路規模の大型化を低減することができる。また、信号処理として、クラス分類適応処理を採用することで、機能の変化に伴う信号処理手順の変化や回路構成の変化がほとんどないことは、図22や、図25、図26から分かる。即ち、図22のクラス分類適応処理回路によれば、タップ係数と予測タップとの積和演算を行うという、1つの処理手順に特化した処理を行う積和演算回路136の物理的構成を変更せずに、各種の機能の信号処理を実現することができる。
【0300】
次に、信号処理回路113や123による、上述した一連の処理は、ハードウェアにより行うこともできるし、ソフトウェアにより行うこともできる。一連の処理をソフトウェアによって行う場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、マイクロコンピュータ等のコンピュータにインストールされる。
【0301】
そこで、図29は、上述した一連の処理を実行するプログラムがインストールされるコンピュータの一実施の形態の構成例を示している。
【0302】
プログラムは、コンピュータに内蔵されている記録媒体としてのハードディスク205やROM203に予め記録しておくことができる。
【0303】
あるいはまた、プログラムは、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体211に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体211は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することができる。
【0304】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体211からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、ディジタル衛星放送用の人工衛星を介して、コンピュータに無線で転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送し、コンピュータでは、そのようにして転送されてくるプログラムを、通信部208で受信し、内蔵するハードディスク205にインストールすることができる。
【0305】
コンピュータは、CPU(Central Processing Unit)202を内蔵している。CPU202には、バス201を介して、入出力インタフェース210が接続されており、CPU202は、入出力インタフェース210を介して、ユーザによって、キーボードや、マウス、マイク等で構成される入力部207が操作等されることにより指令が入力されると、それにしたがって、ROM(Read Only Memory)203に格納されているプログラムを実行する。あるいは、また、CPU202は、ハードディスク205に格納されているプログラム、衛星若しくはネットワークから転送され、通信部208で受信されてハードディスク205にインストールされたプログラム、またはドライブ209に装着されたリムーバブル記録媒体211から読み出されてハードディスク205にインストールされたプログラムを、RAM(Random Access Memory)204にロードして実行する。これにより、CPU202は、上述したフローチャートにしたがった処理、あるいは上述したブロック図の構成により行われる処理を行う。そして、CPU202は、その処理結果を、必要に応じて、例えば、入出力インタフェース210を介して、LCD(Liquid Crystal Display)やスピーカ等で構成される出力部206から出力、あるいは、通信部208から送信、さらには、ハードディスク205に記録等させる。
【0306】
ここで、本明細書において、コンピュータに各種の処理を行わせるためのプログラムを記述する処理ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むものである。
【0307】
また、プログラムは、1のコンピュータにより処理されるものであっても良いし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであっても良い。さらに、プログラムは、遠方のコンピュータに転送されて実行されるものであっても良い。
【0308】
なお、ベイ構造型テレビジョン受像機(図1、図2)のベイ4に収納する電子機器は、上述したDVDプレーヤやディジタルVTR等に限定されるものではなく、例えば、プリンタやHD(Hard Disk)レコーダその他の、どのようなものであってもかまわない。
【0309】
また、本実施の形態では、TVラック1(図1)に、チューナ104やTV信号処理部106等を、あらかじめ組み込むことにより、ベイ構造型テレビジョン受像機(図1、図2)を構成するようにしたが、チューナ104やTV信号処理部106等は、TVラック1に、あらかじめ組み込んでおく必要はない。即ち、チューナ104やTV信号処理部106等は、電子機器の1つとして、TVラック1のベイ4に収納して使用するようにすることが可能である。
【0310】
また、本実施の形態では、TV信号処理部106と電子機器11との2つの電子機器が、処理の協調分担を行う場合について説明したが、処理の協調分担は、3以上の電子機器で行うことも可能である。また、処理の内容も、ここで挙げたもの以外に時間解像度創造、階調創造その他を採用することができる。
【0311】
さらに、本実施の形態では、ベイ構造型テレビジョン受像機のベイ4に、電子機器11が収納され、TV信号処理部106と電気的に接続された場合に、処理の協調分担が行われることとしたが、処理の協調分担は、ベイ4に収納されることにより電気的に接続された複数の電子機器どうしで行う他、ケーブルや無線等を介して電気的に接続された複数の電子機器どうしで行うことも可能である。
【0312】
また、本実施の形態では、係数記憶部135(図22)に、複数種類のタップ係数のセットをあらかじめ記憶させておき、使用するタップ係数のセットを切り替えることで、信号処理回路113の機能を変化させるようにしたが、このように、信号処理回路113の機能を変化させるためのタップ係数は、係数記憶部135にあらかじめ記憶させておくのではなく、外部からダウンロードすることが可能である。
【0313】
即ち、例えば、図1で説明したように、ベイ構造型テレビジョン受像機のベイ4Gには、携帯電話機を収納することができるが、このように、ベイ4Gに携帯電話機が収納されている場合には、その携帯電話機の通信機能により、インターネットその他のネットワーク上のサーバにアクセスし、必要なタップ係数をダウンロードするようにすることができる。また、例えば、他の電子機器と電気的に接続されている場合において、その電子機器が、必要なタップ係数を記憶しているときには、その電子機器から、タップ係数をダウンロードするようにすることができる。
【0314】
なお、同様にして、予測タップやクラスタップのタップ構造に関する情報も、外部からダウンロードするようにすることが可能である。
【0315】
ここで、上述のように、タップ係数を外部からダウンロードする場合には、そのダウンロードしたタップ係数(以下、適宜、ダウンロードタップ係数という)を、係数記憶部135(図22)に記憶させる必要があり、従って、係数記憶部135には、ダウンロードタップ係数を記憶させる記憶領域が必要となる。
【0316】
従って、係数記憶部135は、必要最小限のタップ係数(TV信号処理部106についていえば、TV信号処理部106が最低限有していなければならない機能を実現するための、例えば、コンポジット/コンポーネント変換用タップ係数など)のための記憶領域の他に、ダウンロードタップ係数を記憶させるための記憶領域を設けて構成するようにすることができる。
【0317】
また、この場合、ダウンロードタップ係数を使用しないときは、係数記憶部135の記憶領域が無駄になる。そこで、係数記憶部135には、必要最小限の記憶領域だけを設け、その記憶領域に、必要最小限のタップ係数をあらかじめ記憶させておき、ダウンロードタップ係数を使用する場合には、そのダウンロードタップ係数を、上書きする形で、係数記憶部135に記憶させるようにすることができる。
【0318】
但し、この場合、ダウンロードタップ係数が不要となったとき(例えば、他の電子機器との電気的な接続が切断されたとき等)には、係数記憶部135に、あらかじめ記憶されていたタップ係数を記憶させ直す必要がある。そのためには、係数記憶部135に、ダウンロードタップ係数を上書きする際に、あらかじめ記憶されていたタップ係数を保持しておく必要があるが、これは、例えば、図15に点線で示すように、セレクタ104に接続する形で、HD(Hard Disk)107などの記憶媒体を設けておくことにより可能である。即ち、係数記憶部135に、あらかじめ記憶されていたタップ係数は、HD107に保持しておくことが可能である。
【0319】
また、図25の実施の形態の係数記憶部135における、1つの係数メモリ163nには、基本的に、1セットのタップ係数が記憶されるが、タップ係数のビット数が多かったり、クラス数が多いこと等に起因して、1つの係数メモリ163nに、1セットのタップ係数を記憶しきれない場合には、係数メモリ1631乃至163Nのうちの複数に、1セットのタップ係数を記憶させるようにすることが可能である。
【0320】
また、本実施の形態では、画像を処理する場合について説明したが、本発明は、音声等を処理する場合にも適用可能である。
【0321】
【発明の効果】
以上の如く、本発明の信号処理装置および信号処理方法、プログラム、並びに信号処理システムによれば、入力信号に対して、第1の信号処理と、第1の信号処理とは異なる第2の信号処理とが、所定の係数を用いて、適応処理により一括で行われ、第1の信号処理を行う他の装置が接続されているかどうかが判定され、他の装置が接続されているときに、所定の係数が、第2の信号処理に特化した係数に変更されることにより、信号処理手段が行う処理が、第2の信号処理に変化する。従って、複数の装置が、入力信号に対する処理を協調して分担することが可能となり、さらに、1つの装置単独の場合よりも高品質の処理結果を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したベイ構造型テレビジョン受像機の一実施の形態の構成例を示す斜視図である。
【図2】電子機器が収納された状態のベイ構造型テレビジョン受像機を示す斜視図である。
【図3】ベイ内接続パネル5の構成例を示す平面図である。
【図4】電子機器11(12)を背面側から見た場合の斜視図である。
【図5】ベイアダプタボックス14の構成例を示す斜視図である。
【図6】アダプタ内接続パネル15Aとアダプタ背面パネル15Bの構成例を示す斜視図である。
【図7】背面パネル部15の着脱が可能なベイアダプタボックス14を示す斜視図である。
【図8】アダプタ背面パネル15Bの着脱が可能なベイアダプタボックス14を示す斜視図である。
【図9】端子が移動可能な背面パネル部15の構成例を示す斜視図である。
【図10】端子が移動可能な背面パネル部15を示す断面図である。
【図11】端子が移動可能な背面パネル部15を示す断面図である。
【図12】端子が移動可能な背面パネル部15の他の構成例を示す斜視図である。
【図13】端子が移動可能な背面パネル部15の、さらに他の構成例を示す斜視図である。
【図14】接続板81を説明するための図である。
【図15】ベイ構造型テレビジョン受像機の電気的構成例を示すブロック図である。
【図16】TV信号処理部106の構成例を示すブロック図である。
【図17】電子機器11(12)の構成例を示すブロック図である。
【図18】TV信号処理部106(電子機器11(12))の処理を説明するフローチャートである。
【図19】TV信号処理部106と電子機器11それぞれが単独で行う処理を説明するための図である。
【図20】TV信号処理部106と電子機器11とが協調分担して行う処理を説明するための図である。
【図21】TV信号処理部106と電子機器11とが協調分担して行う処理を説明するフローチャートである。
【図22】信号処理回路113の構成例を示す図である。
【図23】係数記憶部135に記憶させるタップ係数を学習する学習装置の構成例を示すブロック図である。
【図24】学習装置による学習処理を説明するフローチャートである。
【図25】係数記憶部135の構成例を示すブロック図である。
【図26】クラス分類適応処理回路で構成される信号処理回路113の処理を説明するフローチャートである。
【図27】TV信号処理部106と電子機器11それぞれが単独で行う処理を説明するための図である。
【図28】TV信号処理部106と電子機器11とが協調分担して行う処理を説明するための図である。
【図29】本発明を適用したコンピュータの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 TVラック, 2 CRT, 3 スピーカ, 4A乃至4G ベイ, 5 ベイ内接続パネル, 11乃至13 電子機器, 14 ベイアダプタボックス, 14A スロット, 15 背面パネル部, 15A アダプタ内接続パネル, 15B アダプタ背面パネル, 16A 雌ピン群, 16B 雄ピン群, 21 RGB用出力端子, 22 RGB用入力端子, 23 オーディオ出力端子, 24 オーディオ入力端子, 25 出力用S端子, 26 入力用S端子, 27 IEEE1394端子, 28 USB端子, 29 電源端子, 31 RGB用入力端子, 32 RGB用出力端子, 33 オーディオ入力端子, 34 オーディオ出力端子, 35 入力用S端子, 36 出力用S端子, 37 IEEE1394端子, 38 USB端子, 39 電源端子, 41 RGB用入力端子, 42 RGB用出力端子, 43オーディオ入力端子, 44 オーディオ出力端子, 45 入力用S端子,46 出力用S端子, 47 IEEE1394端子, 48 USB端子,49 電源端子, 51 スリット板, 52 スリット, 53 端子, 53A 胴体部, 54 端子, 54A 胴体部, 61 底板, 62 絶縁体, 63 胴体部, 64 接点金具, 65 ねじ部, 66 絶縁膜,67 胴体部, 68 接点金具, 71 挿入口, 81 接続板, 82L,82R はめ込み用スリット, 83 パッチ板, 84 端子, 85 枠穴, 86 接続端子, 87 枠溝, 88 枠, 89 導電部, 101 リモコン, 102 メインコントローラ, 103 セレクタコントローラ, 104 セレクタ, 105 チューナ, 106 TV信号処理部, 107 HD, 111 I/F, 112 コントローラ, 113 信号処理回路, 121 I/F, 122 コントローラ, 123 信号処理回路, 124 特有ブロック, 131 バッファ, 132 予測タップ抽出回路, 133 クラスタップ抽出回路, 134 クラス分類回路, 135 係数記憶部, 136 積和演算回路, 137 機能制御部, 141 教師データ生成回路, 142 教師データメモリ, 143 生徒データ生成回路, 144 生徒データメモリ, 145 予測タップ抽出回路, 146 クラスタップ抽出回路, 147 クラス分類回路, 148 正規方程式加算回路, 149 タップ係数決定回路, 150 係数メモリ, 151 制御回路, 161,162 セレクタ, 1631乃至163N 係数メモリ, 171 変換部, 172 空間解像度向上処理部, 173 ノイズ除去処理部,174 MPEGデコーダ, 175 歪み除去処理部, 176 セレクタ, 201 バス, 202 CPU, 203 ROM, 204 RAM, 205ハードディスク, 206 出力部, 207 入力部, 208 通信部,209 ドライブ, 210 入出力インタフェース, 211 リムーバブル記録媒体

Claims (18)

  1. 入力信号を処理する信号処理装置であって、
    前記入力信号に対して、第1の信号処理と、前記第1の信号処理とは異なる第2の信号処理とを、所定の係数を用いて、適応処理により一括で行う信号処理手段と、
    前記第1の信号処理を行う他の装置が接続されているかどうかを判定する判定手段と、
    前記他の装置が接続されているときに、前記所定の係数を、前記第2の信号処理に特化した係数に変更することにより、前記信号処理手段が行う処理を、前記第2の信号処理に変化させる制御手段と
    を備え
    前記入力信号は、前記信号処理手段と、前記他の装置との両方で処理される
    ことを特徴とする信号処理装置。
  2. 前記制御手段は、前記他の装置が接続されていないときに、前記信号処理手段または他の装置の単独の処理によって得られる出力信号よりも、前記他の装置が接続されているときに、前記信号処理手段および他の装置の処理によって得られる出力信号の品質が向上するように、クラス分類適応処理により、前記所定の係数を、前記第2の信号処理に特化した係数に変更することにより、前記信号処理手段が行う処理を、前記第2の信号処理に変化させる
    ことを特徴とする請求項に記載の信号処理装置。
  3. 前記信号処理手段は、
    前記入力信号としての入力画像データの品質を向上した、前記出力信号としての出力画像データのうちの、求めようとする画素単位の前記出力画像データを注目データとし、前記注目データを求めるための所定のタップ係数との積和演算に用いる画素単位の前記入力画像データの幾つかを、予測タップとして抽出する予測タップ抽出手段と、
    前記注目データを、複数のクラスのうちのいずれかのクラスに分類するのに用いる画素単位の前記入力画像データの幾つかを、クラスタップとして抽出するクラスタップ抽出手段と、
    前記注目データを、前記クラスタップを構成する前記入力画像データに対応するクラスに分類するクラス分類を行うクラス分類手段と、
    学習を行うことにより得られるタップ係数であって、前記クラス分類の結果得られるクラスコードに対応するものを取得するタップ係数取得手段と、
    前記クラスコードに対応するタップ係数と、前記予測タップとの積和演算を行うことにより、前記注目データを求める予測手段と
    を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の信号処理装置。
  4. 前記学習の教師となる教師データ、または前記学習の生徒となる生徒データを変えて学習を行うことにより、複数種類の前記タップ係数が用意されており、
    前記制御手段は、前記信号処理手段において用いられる前記タップ係数の種類を制御することによって、前記信号処理手段が行う処理を変化させる
    ことを特徴とする請求項に記載の信号処理装置。
  5. 複数種類の前記タップ係数を記憶する記憶手段をさらに備える
    ことを特徴とする請求項に記載の信号処理装置。
  6. 前記制御手段は、必要な種類の前記タップ係数を、外部からダウンロードする
    ことを特徴とする請求項に記載の信号処理装置。
  7. 前記制御手段は、前記信号処理手段において用いられる前記予測タップまたはクラスタップの構造をも制御することによって、前記信号処理手段が行う処理を変化させる
    ことを特徴とする請求項に記載の信号処理装置。
  8. 前記制御手段は、前記他の装置が接続されているときに、前記他の装置が行う前記第1の信号処理を表す処理情報に基づいて、前記所定の係数を、前記第2の信号処理に特化した係数に変更することにより、前記信号処理手段が行う処理を、前記第2の信号処理に変化させ、
    前記処理情報は、前記信号処理装置および前記他の装置が有する機能を表す機能情報に対応付けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の信号処理装置。
  9. 前記制御手段は、前記機能情報を、前記他の装置から受信し、前記機能情報に対応付けられている処理情報に基づいて、前記所定の係数を、前記第2の信号処理に特化した係数に変更することにより、前記信号処理手段が行う処理を、前記第2の信号処理に変化させる
    ことを特徴とする請求項に記載の信号処理装置。
  10. 前記信号処理手段が有する機能を表す機能情報を、前記他の装置に供給する供給手段をさらに備える
    ことを特徴とする請求項に記載の信号処理装置。
  11. 入力信号を処理する信号処理装置の信号処理方法であって、
    前記入力信号に対して、第1の信号処理と、前記第1の信号処理とは異なる第2の信号処理とを、所定の係数を用いて、適応処理により一括で行う信号処理ステップと、
    前記第1の信号処理を行う他の装置が接続されているかどうかを判定する判定ステップと、
    前記他の装置が接続されているときに、前記所定の係数を、前記第2の信号処理に特化した係数に変更することにより、前記信号処理ステップにより行われる処理を、前記第2の信号処理に変化させる制御ステップと
    を備え
    前記入力信号は、前記信号処理ステップと、前記他の装置との両方で処理される
    ことを特徴とする信号処理方法。
  12. 入力信号を処理する信号処理を、コンピュータに行わせるプログラムであって、
    前記入力信号に対して、第1の信号処理と、前記第1の信号処理とは異なる第2の信号処理とを、所定の係数を用いて、適応処理により一括で行う信号処理ステップと、
    前記第1の信号処理を行う他の装置が接続されているかどうかを判定する判定ステップと、
    前記他の装置が接続されているときに、前記所定の係数を、前記第2の信号処理に特化した係数に変更することにより、前記信号処理ステップにより行われる処理を、前記第2の信号処理に変化させる制御ステップと
    を備え
    前記入力信号は、前記信号処理ステップと、前記他の装置との両方で処理される
    ことを特徴とするプログラム。
  13. 入力信号を処理する信号処理を、コンピュータに行わせるプログラムが記録されている記録媒体であって、
    前記入力信号に対して、第1の信号処理と、前記第1の信号処理とは異なる第2の信号処理とを、所定の係数を用いて、適応処理により一括で行う信号処理ステップと、
    前記第1の信号処理を行う他の装置が接続されているかどうかを判定する判定ステップと、
    前記他の装置が接続されているときに、前記所定の係数を、前記第2の信号処理に特化した係数に変更することにより、前記信号処理ステップにより行われる処理を、前記第2の信号処理に変化させる制御ステップと
    を備えるプログラムが記録され
    前記入力信号は、前記信号処理ステップと、前記他の装置との両方で処理される
    ことを特徴とする記録媒体。
  14. 入力信号を処理する第1および第2の信号処理装置を、少なくとも備える信号処理システムであって、
    前記第1と第2の信号処理装置は、
    前記入力信号に対して、第1の信号処理と、前記第1の信号処理とは異なる第2の信号処理とを、所定の係数を用いて、適応処理により一括で行う信号処理手段と、
    前記第1の信号処理を行う他方の信号処理装置が接続されているかどうかを判定する判定手段と、
    前記他方の信号処理装置が接続されているときに、前記所定の係数を、前記第2の信号処理に特化した係数に変更することにより、前記信号処理手段が行う処理を、前記第2の信号処理に変化させる制御手段と
    を備え
    前記入力信号は、第1および第2の信号処理装置との両方で処理される
    ことを特徴とする信号処理システム。
  15. 前記信号処理手段は、
    前記入力信号としての入力画像データの品質を向上した、前記出力信号としての出力画像データのうちの、求めようとする画素単位の前記出力画像データを注目データとし、前記注目データを求めるための所定のタップ係数との積和演算に用いる画素単位の前記入力画像データの幾つかを、予測タップとして抽出する予測タップ抽出手段と、
    前記注目データを、複数のクラスのうちのいずれかのクラスに分類するのに用いる画素単位の前記入力画像データの幾つかを、クラスタップとして抽出するクラスタップ抽出手段と、
    前記注目データを、前記クラスタップを構成する前記入力画像データに対応するクラスに分類するクラス分類を行うクラス分類手段と、
    学習を行うことにより得られるタップ係数であって、前記クラス分類の結果得られるクラスコードに対応するものを取得するタップ係数取得手段と、
    前記クラスコードに対応するタップ係数と、前記予測タップとの積和演算を行うことにより、前記注目データを求める予測手段と
    を有する
    ことを特徴とする請求項14に記載の信号処理システム。
  16. 前記第1または第2の信号処理装置のうちの一方の信号処理装置は、
    単独で作動し、かつ信号の入力または出力を行う1以上の信号端子が外部に露出しているものであり、
    前記第1または第2の信号処理装置のうちの他方の信号処理装置は、
    前記一方の信号処理装置を収納する凹形状に形成された1以上の収納部と、前記一方の信号処理装置の前記信号端子と接続し、かつ信号の入力または出力を行う1以上の接続端子が設けられた、前記収納部内の接続パネルとを備える収納ラックに組み込まれているものであり、
    前記信号端子と前記接続端子とは、前記一方の信号処理装置が前記収納ラックに収納されたときに、電気的に接続される位置に配置されている
    ことを特徴とする請求項14に記載の信号処理システム。
  17. 前記収納部は、前記一方の信号処理装置とは異なる、単独で作動し、かつ信号の入力または出力を行う1以上の信号端子が外部に露出している第3の信号処理装置をさらに収納する
    ことを特徴とする請求項16に記載の信号処理システム。
  18. 前記第1および第2の信号処理装置は、
    単独で作動し、かつ信号の入力または出力を行う1以上の信号端子が外部に露出しているものであり、
    前記第1および第2の信号処理装置をそれぞれ収納する凹形状に形成された2以上の収納部と、前記第1および第2の信号処理装置の前記信号端子と接続し、かつ信号の入力または出力を行う1以上の接続端子が設けられた、前記収納部内の接続パネルとを備える収納ラックに収納され、
    前記第1の信号処理装置の前記信号端子と、前記第2の信号処理装置の前記信号端子とは、前記第1および第2の信号処理装置が前記収納ラックに収納されたときに、前記接続端子を介して電気的に接続される位置に配置されている
    ことを特徴とする請求項14に記載の信号処理システム。
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