JP4580951B2 - エンジンの電子ガバナ - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンの電子ガバナに関し、詳しくは、PID制御に基づいてエンジン回転数のドループ制御を行うエンジンの電子ガバナに関する。
従来の電子ガバナとして、例えば特許文献1に記載されたものがある。この特許文献1に記載の電子ガバナ101は、図12のブロック図に示すとおり、ECU(電子制御ユニット)105内におけるソフトウェアによって所要の機能が実現されるようになっており、主として、前段の回転数フィードバック制御部106と、後段の電流フィードバック補正部107とを備えている。
回転数フィードバック制御部106は、調速レバーやアクセルレバー、アクセルベダル等の目標回転数設定手段103によって設定されたエンジンの目標回転数と、回転数センサ(実回転数検出手段)104によって検出されたエンジンの実回転数との偏差を許容範囲内に収めるように、PID制御に基づき出力信号を演算する。具体的には、回転数偏差に比例した出力信号を演算する比例演算部121と、回転数偏差の積分値を演算する積分演算部122と、回転数偏差の微分値を演算する微分演算部123とを備え、これらP動作、I動作及びD動作の総和を回転数フィードバック制御部106の出力信号として算出するようになっている。この電子ガバナ101では、回転数フィードバック制御部106の出力信号は、リニアソレノイド等の電磁アクチュエータ102への指令電流値(通電電流値ないし励磁電流値)として出力される。
この電磁アクチュエータ102への指令電流値は、後段の電流フィードバック補正部107において実電流値と比較され、両者の偏差を許容範囲内に収めるように補正される。具体的には、上記回転数フィードバック制御部106において算出された指令電流値と、電流検出部108により検出された電磁アクチュエータ102の実際の通電電流値(実電流値)との偏差を演算し、両者の偏差(電流値偏差)にPID演算を施すことにより、電磁アクチュエータ102に対する最終的な操作信号(通電電流値)を出力するようになっている。電磁アクチュエータ102は、このようにして算出された操作信号に基づいて駆動され、例えばこのエンジンがディーゼルエンジンの場合であれば、電磁アクチュエータ102により燃料噴射ポンプのコントロールラックを駆動することにより燃料噴射量を調節して、エンジン回転数を所要の回転数に制御するようになっている。
ところで、このような従来の電子ガバナ101の制御方式(又はガバナ特性)には、アイソクロナス制御方式(又はアイソクロナス制御特性)とドループ制御方式(又はドループ制御特性)という2つの制御方式(又はガバナ特性)がある。アイソクロナス制御方式(又はアイソクロナス制御特性)とは、エンジンの負荷が変動してもエンジン回転数を常に一定に維持する制御方式(又はガバナ特性)をいい、ドループ制御方式(又はドループ制御特性)とは、エンジンの負荷の増加に伴いエンジン回転数を減少させる制御方式(又はガバナ特性)をいう。
アイソクロナス制御方式とドループ制御方式とは、その時々のエンジンへの要求に応じて適宜切り換えられるようになっている。このうち、ドループ制御方式は、機械式ガバナの制御特性を電子ガバナによって実現しようとするものであり、コンバイン等の農業作業車に用いられるエンジンや土木作業車用のエンジンにおいては、エンジン負荷の増加に伴ってエンジン回転数を減少させることにより、加減速操作の際のオペレータ(運転者)の違和感をなくし、オペレータ(運転者)の運転感覚に適合したエンジン運転性能を実現しようとするものである。
PID制御によりアイソクロナス制御を行う場合、上記回転数フィードバック制御部106におけるPID動作のうち、P動作、I動作及びD動作をすべて実行する文字通りのPID制御(3項動作PID制御)により、又は、P動作及びI動作のみを実行するPI制御により、オフセット(定常偏差)をなくすようにエンジン回転数を制御する。これに対し、PID制御によりドループ制御を行う場合は、I動作及びD動作を無効にして(例えば積分ゲイン及び微分ゲインをゼロにして)、P動作のみに基づいてエンジン回転数を制御する。後者の場合、制御周期毎に算出される操作量である電磁アクチュエータ102への指令電流値Y(t)は次式に基づいて算出される。
Y(t)=Kp・e(t)
ここで、Y(t)は今期(サンプリング時点第t期)の指令電流値、Kpは回転数フィードバック制御部106におけるP動作の比例ゲイン、e(t)は今期(t期)のエンジン回転数偏差。
なお、電磁アクチュエータ102への指令電流値Y(t)は目標ラック位置の代用変数でもあり、一般に、無負荷ラック位置を基準点(ゼロ点)としてそこからの変動分を表している。
ドループ制御の特徴は、ドループ率(整定速度変動率ともいう)又はガバナ差によって表すことができるが、その特徴を視覚的に表す場合には、図13に示された制御ラインの傾き具合として表すことができる。ここで、ドループ率は[(無負荷時エンジン回転数)−(全負荷時エンジン回転数)]/(全負荷時エンジン回転数)として定義され、ガバナ差は(無負荷時エンジン回転数)−(全負荷時エンジン回転数)として定義される。P動作によりドループ制御を行う場合、図13の制御ラインの傾き(の大きさ)は、回転数フィードバック制御部におけるP動作の比例ゲインKpで与えられる。
従来の電子ガバナ101は、このようにして得られた操作量(電磁アクチュエータ102への指令電流値ないし目標ラック位置)に基づいて燃料供給量を調節して、機械式ガバナと同等のガバナ特性(ドループ制御特性)を電子制御により実現しようとしていた。
特開2004−293364号公報
しかしながら、従来の電子ガバナ101によるドループ制御には以下の問題点がある。
機械式ガバナでは、ガバナスプリングのばね力とフライウェイトに作用する遠心力との不釣合い力によりコントロールラックを調量移動させ燃料供給量を調節するが、電子ガバナ101で使用される電磁アクチュエータ102の駆動力や電磁アクチュエータ102内のリターンスプリングのばね力は、機械式ガバナにおけるガバナスプリングのばね力やフライウェイトの遠心力に比べると格段に弱いため、コントロールラックの追従性が悪く、制御精度にばらつきが生じていた。この結果、機械式ガバナ並のドループ率ないしガバナ差(機械式ガバナと同等のドループ制御特性)を実現しようとすると、エンジン回転数にハンチング(持続振動)が生じるという問題があった。
特に、特許文献1に記載の従来技術では、コントロールラックの位置を検出するラック位置センサが設けられていないため、コスト面では有利なものの、ラック位置情報を電磁アクチュエータ102の通電電流値で代用している結果、コントロールラックの制御精度の悪化ないしばらつきは直ちにラック位置情報の不正確さとして制御系に反映され、それを是正する手段を欠いているため、回転数制御系を徒に不安定化させる要因となる。
本発明は、上記課題を解決することを目的とし、コントロールラックの制御精度のばらつきに起因するエンジン回転数の不安定化を解消し、機械式ガバナと同等のドループ制御特性を実現する電子ガバナを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は以下のように構成したことを特徴とする。
すなわち、エンジンの目標回転数と実回転数との偏差を許容範囲内に収めるようにエンジン回転数をPID制御する回転数フィードバック制御部を備え、上記回転数フィードバック制御部におけるPID動作のうちP動作を用いてエンジン回転数をドループ制御するエンジンの電子ガバナにおいて、ドループ制御の際の回転数フィードバック制御部の出力信号Y(t)を下記の制御則に基づいて演算するようにした、ことを特徴とする。
Figure 0004580951
但し、αは0<α<1の範囲の定数、Kpは回転数フィードバック制御部のP動作の比例ゲイン、e(t)はサンプリング時点第t期のエンジン回転数偏差、kは正の整数。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載したエンジンの電子ガバナにおいて、αを、0<α<1の範囲の定数とすることに代えて、α=f(|ΔN(t)/Δt|)、かつ、0<α<1で与えられる変数とした、ことを特徴とする。
但し、ΔN(t)/Δtはサンプリング時点第t期のエンジンの実回転数の時間変化率、|・|は絶対値、f(・)は増加関数。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載したエンジンの電子ガバナにおいて、αを、0<α<1の範囲の定数とすることに代えて、α=g(|e(t)|)、かつ、0<α<1で与えられる変数とした、ことを特徴とする。
但し、e(t)はサンプリング時点第t期のエンジン回転数偏差、|・|は絶対値、g(・)は増加関数。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれかに記載したエンジンの電子ガバナにおいて、上記回転数フィードバック制御部の出力信号Y(t)を、エンジンへの燃料供給量を調節するアクチュエータへの指令電流値とするとともに、上記回転数フィードバック制御部の後段に、アクチュエータへの指令電流値を実電流値と比較して両者の偏差を許容範囲内に収めるように補正する電流フィードバック補正部を備えた、ことを特徴とする。
(請求項1に係る発明)
請求項1に係る発明では、今期(t期)の操作量である回転数フィードバック制御部の出力信号Y(t)のうち、今期(t期)の回転数偏差e(t)に基づいて算出した操作量の割合をα(0<α<1)にとどめ、残りの割合(1−α)は過去k回分の操作量{Kp・e(t−n);n=1,2,・・・,k}の移動平均値に基づいて算出したので、操作量のばらつきを抑え、平滑化することができる。これにより、コントロールラックの制御精度の悪化ないしばらつきに起因するエンジン回転数の不安定化を解消することができる一方、静的ないし定常状態においては、e(t)=e(t−1)=e(t−2)=…=e(t−k)とすると、
Y(t)=Kp・e(t)
となり、P動作のみに基づいてドループ制御した場合の操作量ないし出力信号と同一となるので、所期のドループ制御特性を達成することができる。
また次のようにもいうことができる。すなわち、動的ないし過渡状態においては、「数1」に示す演算式のうち、第1項が瞬時に反応するから、図2の破線に示すように、ドループ制御のゲインないし制御ラインの傾き(の大きさ)を小さくした(つまりα倍にした)のと同等の効果を得ることができ、ハンチングを防止することができる一方、静的ないし定常状態においては、図2の実線に示すとおり、ドループ制御のゲインないし制御ラインの傾きは、本来の制御ゲインKpと変わりがないため、所期のドループ制御特性を達成することができる。
(請求項2に係る発明)
請求項1に係る発明では、制御系の安定性を優先して、動的にはゲインを小さくしたのと同等の効果を持つため、瞬時応答性は若干低下することになる。これに対し、請求項2に係る発明では、αを、エンジンの実回転数の時間変化率の大きさに応じて0<α<1の範囲で値が変わる変数とし、エンジンの実回転数の時間変化率の大きさが大きいほど大きな値を取るようにしたので、負荷変動直後のようにエンジンの実回転数が大きく変動し実回転数の時間変化率(の大きさ)が大きい場合に、今期の回転数偏差に基づいて算出した操作量の割合を大きくして、応答性を向上させることができる。
(請求項3に係る発明)
請求項3に係る発明は、αを、エンジンの回転数偏差の大きさに応じて0<α<1の範囲で値が変わる変数とし、エンジンの回転数偏差の大きさが大きいほど大きな値を取るようにしたので、負荷変動直後のようにエンジンの実回転数が大きく変動し回転数偏差(の大きさ)が大きい場合に、今期の回転数偏差に基づいて算出した操作量の割合を大きくして、応答性を向上させることができる。
(請求項4に係る発明)
回転数フィードバック制御部の出力信号Y(t)を、エンジンへの燃料供給量を調節するアクチュエータへの指令電流値とするとともに、上記回転数フィードバック制御部の後段に、アクチュエータへの指令電流値を実電流値と比較して両者の偏差を許容範囲内に収めるように補正する電流フィードバック補正部を設けた場合、ラック位置情報を直接検出するラック位置センサを設ける必要がないため、コストを削減できるものの、ラック位置情報をアクチュエータの通電電流値で代用している結果、コントロールラックの制御精度の悪化ないしばらつきは直ちにラック位置情報の不正確さをもたらし、回転数制御系を徒に不安定化させる要因となる。しかし、本発明の場合、動的にはゲインを小さくしたのと同等の効果を奏するとともに、操作量のばらつきを移動平均処理によりなましているので、制御系を安定化させることができる。これにより、ラック位置センサの省略によるコスト削減及び構成の簡素化のみならず、ラック位置センサを備えていない制御系の信頼性を向上させることができる。
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態1に係るディーゼルエンジンの電子ガバナ(回転数制御システム)のブロック図である。
このディーゼルエンジンの電子ガバナ1は、ディーゼルエンジンの燃料噴射ポンプ(不図示)に設けられた燃料供給量調節手段であるコントロールラック(不図示)をリニアソレノイド2(アクチュエータ2)によって駆動して、エンジン回転数を目標回転数に一致させるもので、要求された目標回転数信号Nrefを出力する目標回転数設定手段3と、電磁ピックアップ等の回転数センサである実回転数検出手段4と、コントロールラックを駆動するリニアソレノイド2と、ECU5とを備えている。目標回転数設定手段3の典型例としては、調速レバーやアクセルレバー、アクセルペダル等の位置に応じて電圧信号を出力するポテンショメータを挙げることができるが、ECU5が他の制御ユニットとの間でCAN通信を行う場合には、他の制御ユニットからの通信信号が入力される入力装置であってもよい。
ECU5は、回転数フィードバック制御部6と、電流フィードバック補正部7と、電流検出部8とを備える。本実施形態では、回転数フィードバックループをメジャーループないしマスターループとし、その内側に電流フィードバックループをマイナーループないしスレーブループとして備えたカスケード制御系を構成している。このうち、電流検出部8は、リニアソレノイド2の通電電流値(励磁電流値)を検出するもので、検出された実電流値を電流フィードバック補正部7へ出力する。
回転数フィードバック制御部6は、回転数偏差演算部11と、PID演算部12とを備える。回転数偏差演算部11は、実回転数検出手段4によって検出されたエンジンの実回転数Nと、目標回転数設定手段3によって設定されたエンジンの目標回転数Nrefとに基づいて、両者の偏差e=Nref−Nを算出する。なお、以下では、特にサンプリング時点を明示する場合には、今期(t期)の値をe(t)のように表記する。
PID演算部12は、この回転数偏差演算部11が算出した回転数偏差を許容範囲内に収めるようにソレノイド2への指令電流値を出力するもので、PID動作に基づいて指令電流値を演算するようになっている。具体的には、P動作(比例動作)を行う比例演算部21と、I動作(積分動作)を行う積分演算部22と、D動作(微分動作)を行う微分演算部23とを備える。なお、積分演算部22の後段に積分値リミッタを設けても良く、また、算出された各信号の後に、位相の進みや遅れを補償する補償器や、一定の係数を乗算する係数乗算器を設けてもよい。さらに、本実施形態におけるPID演算部12は回転数偏差に対してPID動作を行うように構成されているが、PID動作はこのような構成のみに限定されるものではなく、例えば、D動作を回転数偏差ではなく実回転数信号に対して行う微分先行型PID制御であってもよい。
PID演算部12における比例演算部21、積分演算部22及び微分演算部23のそれぞれには、比例ゲイン、積分ゲイン及び微分ゲインが与えられている。これらの各ゲインは、エンジンの運転状態に関係なく一定であってもよいが、エンジンの運転状態、例えばエンジン冷却水温度、潤滑油温度、吸気温度、吸気圧等に応じて値を変化させるようにしてもよい。本明細書では、回転数フィードバック制御部6におけるPID演算部12の比例ゲインをKp,積分ゲインをKi,微分ゲインをKdと表記する。PID演算部12は、比例演算部21、積分演算部22及び微分演算部23の各出力の総和を同演算部の出力信号として出力する。本実施形態では、PID演算部12の出力信号はリニアソレノイド2への指令電流値を示す信号であり、この指令電流値は、図示しないコントロールラックの目標ラック位置の代用変数として使用される。
本実施形態では、アイソクロナス制御方式(アイソクロナス制御特性)とドループ制御方式(ドループ制御特性)という2つの制御方式(ガバナ特性)が切換可能に構成されている。両者の切り換えは、手動(たとえば切換スイッチのオンオフ)で切り換えられるようにしてもよいし、所定のエンジン運転状態を検出することにより自動的に切り換えられるようにしてもよい。アイソクロナス制御方式が選択された場合には、回転数フィードバック制御部6のPID演算部12では、P動作、I動作及びD動作がすべて実行されるようになっており、これによりオフセット(定常偏差)をなくして、エンジンの負荷の増減に関わらず常にエンジン回転数を一定に保つように燃料噴射量を調節する。他方、ドループ制御方式が選択された場合には、積分演算部22における積分ゲインKi及び微分演算部23における微分ゲインKdはともにゼロにセットされるようになっている(つまりKi=0,Kd=0)。これにより、比例演算部21の出力Kp・e(t)がそのままPID演算部12の出力信号として出力される。
このような制御方式の切換は、ECU5がガバナ特性切換信号を受信することにより行われる。図1では、ガバナ特性切換部31がガバナ特性切換信号に基づいて第1の信号ルート32と第2の信号ルート33との間を切り換えるように表されている。すなわち、制御方式としてドループ制御方式が選択された場合には、ガバナ特性切換部31は第1の信号ルート32を選択し、アイソクロナス制御方式が選択された場合には、ガバナ特性切換部31は第2の信号ルート33を選択するようになっている。アイソクロナス制御方式が選択された場合、PID演算部12の出力信号(この場合P動作、I動作及びD動作がすべて実行される3項動作の総和)は、回転数フィードバック制御部6の出力信号Y(t)(つまり操作量であるリニアソレノイド2への指令電流値ないしコントロールラックの目標ラック位置信号)として電流フィードバック補正部7へ出力される。
他方、ドループ制御方式が選択された場合、PID演算部12の出力信号(この場合P動作の出力信号)は、第1の信号ルート32上の各ブロックを通って電流フィードバック補正部7へ入力される。第1の信号ルート32は、さらに係数乗算器41を通るルートと係数乗算器51を通るルートに分岐する。係数乗算器41では信号に係数αが乗算され、係数乗算器51では信号に係数1−αが乗算される。実施形態1ではα=1−α=1/2とされている。係数乗算器51を通るルートでは、係数乗算器51の前段に移動平均演算部52が設けられており、過去k回分の操作量{Kp・e(t−n);n=1,2,・・・,k}の移動平均値を算出する。ここで、kは正の整数であるが、一般に2以上の正の整数であることが好ましく、例えばk=40、つまり、過去40回分の移動平均値を算出するようになっている。この場合、例えばサンプリング周期を5msecとすると、200msecの期間の移動平均値が算出されることになる。以上のように、ドループ制御方式が選択された場合には、PID演算部12の出力信号(P動作の出力信号)は、一方では、係数乗算器41においてα=1/2が乗算され、(1/2)Kp・e(t)が算出される。他方、移動平均演算部52において過去k回分の操作量{Kp・e(t−n);n=1,2,・・・,k}の移動平均値が算出され、この移動平均値に対して係数乗算器51において1−α=1/2が乗算される。このようにして、上記両方の算出値の総和Y(t)が回転数フィードバック制御部6の出力信号として、後段の電流フィードバック補正部7に入力される。この場合の回転数フィードバック制御部6の出力信号Y(t)もリニアソレノイド2への指令電流値を示し、この指令電流値は、図示しないコントロールラックの目標ラック位置の代用変数として使用される。
電流フィードバック補正部7は、回転数フィードバック制御部6の後段に直結され、回転数フィードバック制御部6により算出されたリニアソレノイド2への指令電流値Y(t)を実電流値に基づいて補正するものである。具体的には、上記指令電流値Y(t)と実電流値の偏差を演算し、この電流値偏差を許容範囲内に収めるようにPID制御する。これにより、ラック位置センサを設けなくても精度の高いラック位置制御を行うことができるという利点がある。電流フィードバック補正部7は、上記のように補正された指令電流値信号(目標ラック位置信号)をPWM信号として出力し、図示しないドライバ回路を介してリニアソレノイド2をデューティ駆動する。なお、リニアソレノイド2のヒステリシスやコントロールラックの摺動部の摩擦抵抗を低減するために、上記補正後の操作量(指令電流値信号)に対しディザ信号を重畳させてもよい。
このように構成された実施形態1の動作について説明する。
キースイッチのオンによりエンジンをスタートさせた後、ECU5は、アイソクロナス制御方式又はドループ制御方式のいずれの制御方式が選択されているかを読み込む。ここでは、ドループ制御方式が選択されているものと仮定して説明する。
図3は、実施形態1の電子ガバナによるドループ制御のフローチャートである。ECU5は、ステップS1において、目標回転数設定手段3により設定された目標回転数Nrefを読み込み、ステップS2において、実回転数検出手段4により検出された実回転数Nを読み込み、ステップS3において、回転数偏差e=Nref−Nを演算する。ECU5は、このようにして算出された今期の回転数偏差e(t)に基づいて操作量である指令電流値(目標ラック位置)Y(t)を演算する(ステップS4)。
このステップS4における指令電流値演算処理(目標ラック位置演算処理)は図4に示すフローチャートに従って実行される。すなわち、ステップS11において、ECU5は、今期(t期)の回転数偏差e(t)に基づく操作量Kp・e(t)を演算する。また、ステップS12において、過去k回分の操作量{Kp・e(t−n);n=1,2,・・・,k}の移動平均値を演算する。前述のとおり、kの具体的な値としては、例えばk=40、つまり、過去40回分の移動平均値を算出する。そして、ステップS13において、下記の式に基づいて操作量である指令電流値Y(t)を算出する。
Figure 0004580951
上記の式の技術的意義は次のとおりである。すなわち、今期の操作量Y(t)のうち、今期の回転数偏差e(t)に基づいて算出された操作量の割合を1/2にとどめ、残りの1/2は過去k回分の操作量{Kp・e(t−n);n=1,2,・・・,k}の移動平均値に基づいて算出したものである。これにより、操作量のばらつきを抑え、平滑化することができるので、コントロールラックの制御精度の悪化ないしばらつきに起因するエンジン回転数の不安定化を解消することができる一方、静的ないし定常状態においては、e(t)=e(t−1)=e(t−2)=…=e(t−k)とすると、
Y(t)=Kp・e(t)
となり、P動作のみに基づいてドループ制御した場合の操作量ないし出力信号と同一となるので、所期のドループ制御特性を達成することができる。
また、次のようにもいうことができる。すなわち、本実施形態におけるドループ制御のガバナ特性は、動的ないし過渡状態では、図2の破線に示すように、ドループ制御のゲインないし制御ラインの傾き(の大きさ)が1/2になったのと同等の効果が得られる一方、静的ないし定常状態では、図2の実線に示すとおり、ドループ制御のゲインないし制御ラインの傾き(の大きさ)は、P動作本来の制御ゲインである比例ゲインKpと等しい値を維持するので、過渡状態においてはゲイン低下の効果により制御系を安定化させつつ、定常状態においては所期のドループ制御特性を達成することができる。
ステップS14において、次回のサンプリング時点における移動平均演算に備えて、図示しないメモリ上に用意したバッファ(配列)に格納された前回分までの操作量データを順次シフトし、今期の操作量Kp・e(t)を格納しておく。
ステップS13において算出されたY(t)は、電流値フィードバック補正部7に入力される。ECU5は、ステップS5(図3参照)において、電流検出部8により検出したリニアソレノイド2の実電流値を読み込み、ステップS6において、Y(t)と実電流値との偏差(電流値偏差)が算出され、ステップS7において、上記電流値偏差を許容範囲内に収めるように指令電流値Y(t)を補正する。かかる補正処理の詳細は前述したとおりである(電流フィードバック補正部7の説明参照)。このようにして補正された指令電流値に基づいてリニアソレノイド2を駆動して燃料噴射量を調節し、エンジン回転数を制御する(ステップS8)。
以上のとおり、本実施形態では、今期の操作量Y(t)のうち、今期の回転数偏差e(t)に基づいて算出された操作量の割合を1/2にとどめ、残りの1/2は過去k回分の操作量{Kp・e(t−n);n=1,2,・・・,k}の移動平均値に基づいて算出したので、操作量のばらつきを抑え、平滑化することができる。これにより、コントロールラックの制御精度の悪化に起因するエンジン回転数の不安定化を解消することができる一方、静的ないし定常状態においては、P動作のみに基づいてドループ制御した場合の操作量ないし出力信号と同等になるので、所期のドループ制御特性を達成することができる。また、これをゲインに着目していうと、本実施形態では、動的ないし過渡状態では、図2の破線に示すように、ドループ制御のゲインないし制御ラインの傾き(の大きさないし絶対値)が1/2になったのと同等の効果を得ることができるので、このゲイン低下の効果によりハンチングを防止できる一方、静的ないし定常状態では、図2の実線に示すとおり、ドループ制御のゲインないし制御ラインの傾きは、P動作本来の制御ゲインである比例ゲインKpと変わりがないため、所期のドループ制御特性を得ることができる。
なお、上記実施形態では、今期の操作量Y(t)のうち、今期の回転数偏差e(t)に基づいて算出された操作量の割合と、過去k回分の操作量の移動平均値に基づいて算出した割合をともに1/2ずつにして、この両者の重み付けに基づいて算出したが、両者の割合ないし重み付けは必ずしも1/2ずつである必要はなく、αを0<α<1の任意の定数として、α:(1−α)の割合に按分してもよい。この場合、今期の操作量Y(t)は以下のようになる。
Figure 0004580951
ここで、αは、0<α<1の範囲にあれば任意の定数でよいが、0.5≦α<1であることが好ましく、更に0.5≦α≦0.9であることが好ましい。
また、上記実施形態では、操作量Kp・e(t)の移動平均を算出するようにしたが、回転数偏差e(t)の移動平均を演算するようにしてもよい。この場合のブロック図を描くと、図5に示すとおりとなる。図5のようにブロック図を構成した場合、移動平均演算部52では、過去k回分の回転数偏差{e(t−n);n=1,2,・・・,k}の移動平均値が演算されることになるので、バッファに記憶されるデータも、操作量Kp・e(t)ではなく、回転数偏差e(t)となる。もちろん、指令電流値Y(t)を算出する演算式自体は図1のブロック図の場合と同様である。なお、以下の実施形態についても等価なブロック図は種々存在し得るが、それらはコンピュータ内の計算手順が相違するだけであり、演算結果ないし制御思想自体は上記数式で表すことができるので、説明の都合上それらへの言及は省略するものの、本発明の権利範囲に含まれるものである。
(実施形態2)
実施形態2は、実施形態1において定数としていたαを、エンジンの実回転数の時間変化率の大きさに応じて0<α<1の範囲で値が変わる変数とし、エンジンの実回転数の時間変化率の大きさが大きいほど大きな値を取るようにしたものである。
具体的には以下のとおりである。
α=f(|ΔN(t)/Δt|)
但し、ΔN(t)/Δtはサンプリング時点第t期のエンジンの実回転数の時間変化率、|・|は絶対値、f(・)は増加関数である。α=f(|ΔN(t)/Δt|)は、例えば、図7(A)又は(B)に示すマップで与えられる。なお、図7(B)に示すように、f(・)は不感帯を有していてもよく、単調増加関数に限らず、定義域の一部においてαが一定となる場合も含まれる。図7(A)又は(B)では、エンジン実回転数の時間変化率の大きさ|ΔN(t)/Δt|が所定値以上の場合、αの値が飽和するようになっている。また、図7(A)又は(B)では、αの値域を0.5≦α≦0.9としているが、これに限らず、0<α<1の範囲の値を取るようにしてもよい。
実施形態2のブロック図は図6に示すとおりであり、実施形態1と同一の要素には同一の符号を付して、重複する説明は省略する。この実施形態2は、エンジンの実回転数の時間変化率ΔN(t)/Δtを演算する回転数変化率演算部61を備え、この回転数変化率演算部61で演算されたエンジンの実回転数の時間変化率ΔN(t)/Δtをα設定部62に入力するようになっている。α設定部62は、エンジンの実回転数の時間変化率の大きさ|ΔN(t)/Δt|に基づいて、図7(A)又は(B)のマップからαの値を決定し、係数乗算器41及び51にαの値を出力する。
実施形態2によるドループ制御のフローチャートは、「指令電流値演算処理」(図3のステップS4)のみが実施形態1と相違する。図8に、実施形態2の指令電流値演算処理を示す。まず、ステップS21において、ECU5は、今期の回転数偏差e(t)に基づく操作量Kp・e(t)を演算する。また、ステップS22において、過去k回分の操作量{Kp・e(t−n);n=1,2,・・・,k}の移動平均値を演算する。ステップS23において、エンジンの実回転数の時間変化率の大きさ|ΔN(t)/Δt|に基づいて、αの値を決定する。そして、ステップS24において、下記の式に基づいて操作量である指令電流値Y(t)を算出する。
Figure 0004580951
ステップS25において、次回のサンプリング時点における移動平均演算に備えて、図示しないメモリ上に用意したバッファ(配列)に格納された前回分までの操作量データを順次シフトし、今期の操作量Kp・e(t)を格納しておく。この点は、実施形態1と同様である。
このように、実施形態2では、αを、0<α<1の範囲の定数とすることに代えて、エンジンの実回転数の時間変化率の大きさに応じて0<α<1の範囲の値を取る変数とし、かつ、エンジンの実回転数の時間変化率の大きさが大きいほど大きな値を取るようにしたので、負荷変動直後のようにエンジンの実回転数が大きく変動し実回転数の時間変化率(の大きさ)が大きい場合に、今期の回転数偏差に基づいて算出した操作量の割合を大きくして、応答性を向上させることができる。
図9に、上記実施形態2の変形例のブロック図を示す。この変形例では、上記実施形態2において、PID演算部12とは別個に回転数変化率演算部61を設けることに代えて、PID演算部12を微分先行型PID制御方式とし、この微分先行型PID演算部12の微分演算部23を回転数変化率演算部61と兼用したものである。微分先行型PID制御方式における微分演算部23は、実回転数の微分値すなわち実回転数の時間変化率を演算するので、ここで演算された実回転数の時間変化率をα設定部62に入力するように構成することにより、PID演算部12とは別個に回転数変化率演算部61を設ける必要がなく、構成を簡素化することができる。この変形例におけるドループ制御のフローチャート及び指令電流値演算処理のフローチャートは、前記実施形態2のものと同様である。また、図9において、実施形態1又は2と同一の要素には同一の符号が付してある。
(実施形態3)
実施形態3は、実施形態1において定数としていたαを、エンジンの回転数偏差の大きさに応じて0<α<1の範囲で値が変わる変数とし、エンジンの回転数偏差の大きさが大きいほど大きな値を取るようにしたものである。
具体的には以下のとおりである。
α=g(|e(t)|)
但し、|・|は絶対値、g(・)は増加関数である。α=g(|e(t)|)は、例えば、図11(A)又は(B)に示すマップで与えられる。なお、図11(B)に示すように、g(・)は、不感帯を有していてもよく、単調増加関数に限らず、定義域の一部においてαが一定となる場合も含まれる。図11(A)又は(B)では、エンジンの回転数偏差の大きさ|e(t)|が所定値以上の場合、αの値が飽和するようになっている。また、図11(A)又は(B)では、αの値域を0.5≦α≦0.9としているが、これに限らず、0<α<1の範囲の値を取るようにしてもよい。
実施形態3のブロック図は、図10に示すとおりである。実施形態1と同一の要素には同一の符号を付して、重複する説明は省略する。この実施形態3は、回転数偏差演算部11において算出された回転数偏差e(t)がα設定部62に入力されるようになっている。α設定部62は、入力された回転数偏差e(t)の大きさ|e(t)|に基づいて、図11(A)又は(B)のマップからαの値を決定し、係数乗算器41及び51にαの値を出力する。
実施形態3によるドループ制御のフローチャートは、「指令電流値演算処理」(図3のステップS4)のみが実施形態1と相違し、実施形態2についての図8の処理と同様である。但し、実施形態3の場合は、ステップS23におけるαの決定がα=g(|e(t)|)に基づいて決定される点で、実施形態2の場合と相違する。ステップS21において今期の回転数偏差e(t)に基づく操作量Kp・e(t)を演算する点、及び、ステップS22において過去k回分の操作量{Kp・e(t−n);n=1,2,・・・,k}の移動平均値を算出する点は実施形態2と同様である。実施形態3では、ステップS24において、下記の式に基づいて操作量である指令電流値Y(t)を算出する。
Figure 0004580951
ステップS25において、次回のサンプリング時点における移動平均演算に備えて、図示しないメモリ上に用意したバッファ(配列)に格納された前回分までの操作量データを順次シフトし、今期(t期)の操作量データKp・e(t)を格納しておく点は実施形態1及び2と同様である。
このように、実施形態3では、αを、0<α<1の範囲の定数とすることに代えて、エンジンの回転数偏差の大きさに応じて0<α<1の範囲の値を取る変数とし、かつ、エンジンの回転数偏差の大きさが大きいほど大きな値を取るようにしたので、負荷変動直後のようにエンジンの実回転数が大きく変動し回転数偏差(の大きさ)が大きい場合には、今期の回転数偏差に基づいて算出した操作量の割合を大きくして、応答性を向上させることができる。
本発明の実施形態の説明は以上のとおりであるが、本発明は上記実施形態にのみ限定されるものではない。上記各実施形態では、ラック位置センサを設けずに、リニアソレノイドの通電電流値によりコントロールラックの位置情報を代用したが、ラック位置センサを設けて精度の高いラック位置情報を検出するようにしてもよい。また、本明細書における「PID制御」という用語には、P動作、I動作及びD動作のすべてを実行する3項動作PID制御のみならず、P動作及びI動作からなるPI制御も含まれる。
本発明の実施形態1に係る電子ガバナのブロック図である。 実施形態1におけるドループ制御のガバナ特性図である。 実施形態1におけるドループ制御のフローチャートである。 実施形態1における指令電流値演算処理のフローチャートである。 実施形態1のブロック図の別構成例である。 本発明の実施形態2に係る電子ガバナのブロック図である。 図7(A)及び(B)とも、実施形態2におけるα=f(|ΔN(t)/Δt|)の対応関係を表すマップの概念図である。 実施形態2における指令電流値演算処理のフローチャートである。 実施形態2の変形例に係る電子ガバナのブロック図である。 本発明の実施形態3に係る電子ガバナのブロック図である。 図11(A)及び(B)とも、実施形態3におけるα=g(|e(t)|)の対応関係を表すマップの概念図である。 従来の電子ガバナのブロック図である。 従来の電子ガバナにおけるドループ制御のガバナ特性図である。
符号の説明
1…電子ガバナ
2…リニアソレノイド(アクチュエータ)
3…ポテンショメータ(目標回転数設定手段)
4…回転数センサ(実回転数検出手段)
5…ECU
6…回転数フィードバック制御部
7…電流フィードバック補正部
8…電流検出部
11…回転数偏差演算部
12…PID演算部
21…比例演算部
22…積分演算部
23…微分演算部
31…ガバナ特性切換部
32…第1の信号ルート
33…第2の信号ルート
41…係数乗算器
51…係数乗算器
52…移動平均演算部
61…回転数変化率演算部
62…α設定部

Claims (4)

  1. エンジンの目標回転数と実回転数との偏差を許容範囲内に収めるようにエンジン回転数をPID制御する回転数フィードバック制御部を備え、上記回転数フィードバック制御部におけるPID動作のうちP動作を用いてエンジン回転数をドループ制御するエンジンの電子ガバナにおいて、
    ドループ制御の際の回転数フィードバック制御部の出力信号Y(t)を下記の制御則に基づいて演算するようにした、ことを特徴とするエンジンの電子ガバナ。
    Figure 0004580951
    但し、αは0<α<1の範囲の定数、Kpは回転数フィードバック制御部のP動作の比例ゲイン、e(t)はサンプリング時点第t期のエンジン回転数偏差、kは正の整数。
  2. 請求項1に記載したエンジンの電子ガバナにおいて、
    αを、0<α<1の範囲の定数とすることに代えて、α=f(|ΔN(t)/Δt|)、かつ、0<α<1で与えられる変数とした、ことを特徴とするエンジンの電子ガバナ。
    但し、ΔN(t)/Δtはサンプリング時点第t期のエンジンの実回転数の時間変化率、|・|は絶対値、f(・)は増加関数。
  3. 請求項1に記載したエンジンの電子ガバナにおいて、
    αを、0<α<1の範囲の定数とすることに代えて、α=g(|e(t)|)、かつ、0<α<1で与えられる変数とした、ことを特徴とするエンジンの電子ガバナ。
    但し、e(t)はサンプリング時点第t期のエンジン回転数偏差、|・|は絶対値、g(・)は増加関数。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載したエンジンの電子ガバナにおいて、
    上記回転数フィードバック制御部の出力信号Y(t)を、エンジンへの燃料供給量を調節するアクチュエータへの指令電流値とするとともに、上記回転数フィードバック制御部の後段に、アクチュエータへの指令電流値を実電流値と比較して両者の偏差を許容範囲内に収めるように補正する電流フィードバック補正部を備えた、ことを特徴とするエンジンの電子ガバナ。
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