JP4580651B2 - 新規なアレルゲン - Google Patents

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Description

発明の詳細な説明
発明の分野
本発明は、チモシー草(Phleum pratense)花粉からの新規なアレルゲンPhl p11、および試薬としての、および診断キットにおける、ならびに免疫療法用のその使用に関する。
発明の背景
アトピー性アレルギーのホールマークは、感作性生体物質に存在する蛋白質に対するIgE抗体の形成である。アレルゲン源との接触に際し、これらの蛋白質は肥満細胞の表面に存在するIgE抗体を架橋させるように作用し、それにより、ヒスタミンのごとき炎症メディエーターの放出を誘導する。その結果、アレルギー反応が生じる(1)。
工業化された世界においては、人類の人口の10%までが草花粉に対するアレルギー感作を示し、これを、最も重要な風媒アレルゲン源の1つとする(2)。生化学的および免疫学的方法を用いて種々の草種からの花粉アレルゲンの特徴付けに対して多大な努力が払われてきた。かくして、種間で保存された構造的および血清学的交差反応性を呈する多数のIgE結合蛋白質が同定されている。これらの基準に基づき、そのような免疫学的に関連する草花粉アレルゲンは、数字によって命名された群に帰属されてきた。これらは、ほとんどの草種の花粉において代表される群1、群2/3、群4、および群5のアレルゲンを含む。
今日まで、チモシー草(Phleum pratense)花粉からの6つの異なるアレルゲンがクローン化されている:Phl p(4,5)、Phl p2(6)、Phl p5(7−9)、Phl p6(10,11)、Phl p7(12)、Phl p12(プロフィリン(profilin))(13)、およびPhl p13(14)。これらのアレルゲンは、全て、異なるイン・ビトロおよびイン・ビボ活性アッセイによって、それらの天然対応物と免疫学的およびアレルゲン的特性を共有することが示されている組換え蛋白質として生産された。
血清学的および皮膚テスト手法において4種の組換えアレルゲン(rPhl p1、rPhl p2、rPhl p5、およびプロフィリン)のパネルを用い、陽性の結果が、草花粉−アレルギー個体の大きな集団の95%で得られた(15)。Phl p7(カルシウム結合性2−EF−ハンド蛋白質)およびPhl p12のごときアレルゲンに対する感作が草花粉アレルギーの小さな割合で起こるが、それらは、樹木および雑草の花粉に存在する相同蛋白質とIgEエピトープを共有し、従って、これらの無関係なアレルゲン源との接触に際して、感作個体において即時型症状を引き起こし得る(12,16,17)。
発明の概要
本発明は、チモシー草(Phleum pratense)花粉からの新規なアレルゲンPhl p11に関する。草花粉アレルギーの絶対的に大部分は、チモシー草花粉の場合には、群1および群5の草花粉アレルゲン−Phl p1およびPhl p5に結合するIgE抗体を生じるが、該患者のサブセットもまたプロフィリン、Phl p7またはPhl p11のごとき種々の他の蛋白質成分に対するIgE抗体を作成する。これらの患者はそのアレルギー病においてより広い免疫学的活性を有し、(雑草および樹木花粉、ネコおよびイヌの鱗屑、ダニ等のごとき)増大する数のアレルゲン源に対して化学反応性を生じる大きな危険性を有するようになると考えられる。
プロフィリンおよびPhl p7は高度に交差反応性であり(野菜、果実、および雑草および樹木の花粉)、草花粉蛋白質に対する感作を特異的に示すのではない。他方、Phl p11に存在する抗体結合性構造は草花粉に対して特異的なようであり、従って、この特定のアレルゲン源に対する多価感作のマーカー、すなわち、環境物質に対してIgE抗体を生じる増強された総じての性質のマーカーと見なすことができる。組換えPhl p11を用いて、他の草種の花粉におけるPhl p11およびそのホモログのペプチド構造に感作する患者のサブセットを同定することができる。この花粉蛋白質に対してIgE反応性を示す全ての患者の約半分は、報告されているところによると、群11アレルゲンに存在するグリカン構造に向けられたその抗体を有する。これらのグリカン構造は天然では交差反応性であり、それらに結合する抗体は、草花粉−特異的感作に関して情報を与えず/診断にも使えないであろう。rPhl p11に対するIgE反応性は、かくして、他のアレルゲン源とは独立して、草花粉に対する患者のアレルギー感作の免疫学的多様性の状態に関して情報を与えるであろう。
定義された免疫療法試薬として、組換えPhl p11を用いて、保護を誘導し、または免疫応答を減衰させることによって、感作患者を特異的に治療することができる。該活性な物質は、天然の(「野生型」)ポリペプチド配列、または改良された安全性または有効性特質を持つ誘導体いずれかよりなる蛋白質であり得る。
かくして、第1の態様において、本発明は、添付の配列リストの配列番号:1のアミノ酸配列を含む、組換えにより生産されるか、あるいは化学的に合成されたPhl p11であり得る試薬、ならびにその実質的に相同な(75%)および交差反応性の変種および誘導体に関する。これらの変種は、抗体結合に関して同等または同様な機能を有する。また、本発明は、該アミノ酸配列をコードするDNA配列に関する。
第2の態様において、本発明は前記試薬を含む診断キットに関する。該診断キットは、Phl p1、Phl p2、Phl p4、Phl p5a、Phl p5b、Phl p6、Phl p7、Phl p12およびPhl p13のごとき1以上の他の公知のPhlアレルゲンも含むことができる。
第3の態様において、本発明は、
a)疑われる草花粉アレルギーを持つ患者から血液試料を得;
b)該血液試料に由来する血清または血漿を、固相に固定化した、または溶液中の請求項1記載のアレルゲン試薬と接触させ;
c)酵素−結合抗−IgE抗体のごとき特異的検出試薬を用いて該アレルゲン試薬に結合した抗体を検出する;
工程を含む免疫アッセイに関する。
該免疫アッセイは、天然、または組換えにより生産された、または化学的に合成された試薬Phl p11を含むことができる。該免疫アッセイはELISAのごときいずれの所望の様式であってもよい。
第4の態様において、本発明は、Phl p11に対するIgE抗体反応性を示す草花粉アレルギー患者の免疫療法(「アレルギーワクチン接種」)用の薬物を製造するための前記試薬またはその誘導体の使用に関する。好ましくは、該使用は、Phl p11に対するIgE抗体反応性を示すチモシー草花粉アレルギー患者の免疫療法(「アレルギーワクチン接種」)用である。
発明の詳細な記載
材料および方法
一般的な試薬、プラスミド、オリゴヌクレオチド、細菌株および抗体
塩および緩衝液はSigma(St.Louis,MO)およびFluka(Buchs,スイス国)から購入した。チモシー草(Phleum pratense)からの花粉はPharmacia Allergon AB(Valinge,スウェーデン国)から入手した。SDS−PAGEによる蛋白質分析は、4ないし20%トリス−グリシンゲル(Novex, San Diego, CA)を用いて行い、エレクトロブロッキングのためには、Hybond-C Extra膜(America Life Science, Amersham, UK)を用いた。IgE結合のイムノブロック分析のためには、ウサギ抗−IgE抗血清(MIAB,Uppsala,スウェーデン国)およびホースラディッシュペルオキシダーゼ−結合ロバ抗−ウサギIgG(Amersham Life Science)を用い、引き続いて、ECL検出を行った(Amersham Life Science)。
全RNAからのポリアデニル化RNAの調製、およびRT-PCRのためのcDNAの引き続いての合成は、共にAmersham Pharmacia Biotech (Uppsala, スウェーデン国)からのmRNA精製キットおよび第1ストランドcDNA合成キットを用いて行った。プラスミドpET−23a(+)およびpMAL−c2は、各々、Novagen(Madison,WI)およびNew England Biolabos (Beverly MA)から購入した。制限エンドヌクレアーゼEcoRI、HindIII、NdeIおよびXhoI、ならびにTaq DNAポリメラーゼおよびデオキシヌクレオチドはAmersham Pharmacia Biotechからのものであった。Pfu DNAポリメラーゼはStratagene (La Jolla, CA)から購入した。PCRおよび他の酵素反応からのDNAは、Promega(Madison, WI)からの適当なWizardキットを用いて精製した。ビオチン化PCR産物の固相捕獲のためには、Dynal AS(Skoeyen,ノルウェー国)からのストレプトアビジン−修飾磁性ビーズ(n−280)を用いた。大規模のプラスミド調製のためには、Qiegen(デュッセルドルフ、ドイツ国)からのPlasmid Naxiキットを用いた。オリゴヌクレオチドはScandinavian Gene Synthesis (Koeping, スウェーデン国)から入手した。DNA配列決定は、Amersham Pharmacia BiotechからのT7配列決定キットおよびAmersham life Scienceからの[α−35S]dATPを用いて行った。クローニング目的では、E.coli株はXL1−BlueMR(Stratagene)であり、発現用には、プラスミドpT7POL23を保有するBL21(Novagen)(18)であった。固定化金属イオンアフィニティークロマトグラフィー(IMAC)のためには、HiTRATキレート化カラム(Amersham Pharmacia Biotech)を用いた。緩衝液の交換およびせ蛋白質調製物のサイズ排除クロマトグラフィーは、FPLCシステム、およびSephadex G-25およびSuperdex75(Amersham Pharmacia Biotech)を充填したカラムを用いて行った。組換えアレルゲンについての定量的な血清学は、供給業者によって推奨された試薬および手法を使用し、Pharmacia CAP System(Pharmacia Diganostics)を用いて確立した。免疫ブロット阻害実験におけるIgE検出のためのPharmacia Diagnosticsからの125I−標識抗−ヒトIgE抗体を用いた。アレルギーおよび健康個体の単離された顆粒球からのヒスタミン放出は、ラジオイムノアッセイ(Immunotech, Narseille,フランス国)によって測定した。細胞のヒスタミン放出能力についての陽性対照として、モノクローナル抗−IgE抗体E124.2.8DΕ2(Immunitech)を用いた。皮膚刺傷テストのためのヒスタミンおよび塩化ナトリウム溶液は、ALK(Hoersholm,デンマーク国)から入手した。
患者試料
188人の草花粉−アレルギー対象または血清試料の全てをこの実験で調べた。150の血清試料は、P.pratenseに対するIgE感作に基づいて選択されたPharmacia Diganosticsにおける社内収集からのものであった。38人の対象はViennaクリニックからのものであり、草花粉アレルギーを示すケース履歴、チモシー草花粉についての陽性RAST結果、および草花粉抽出物に対する陽性皮膚刺傷テストによって特徴付けた。
これらの対象のアレルゲン感作プロフィールは、記載された天然および組換えチモシー草花粉アレルギーで確立された(19)。二人の非−アレルギー個体からの血清試料を対照目的で含めた。
蛋白質抽出物、SDS−PAGEおよびイムノブロット分析
Phleun pratense花粉を室温にて、花粉1g当たり5mlの蒸留水中に2時間抽出した。13000×gにおける5分間の遠心の後に、透明な上澄みを小さなアリコットに分け、用いるまで−20℃で保存した。花粉抽出物を還元性SDS−PAGEに付し、クーマシーブリリアントブルーで染色するか、あるいはニトロセルロース膜に電気ブロットした。蛋白質ブロットは、PBS(137mM NaCl、2.7mM KCl、4.3mMNaHPO、1.4mM KHPO)中の1%(v/v)Tween20またはPBS中の5%(w/v)脱脂乳いずれかを用いて室温にて1時間ブロックし、次いで、0.1%Tween−20を含有するPBS中に5倍希釈した患者血清と共に一晩インキュベートした。同緩衝液中での洗浄の後に、ウサギ抗−IgE抗血清、続いて、ホースラディッシュペルオキシダーゼ−結合ロバ抗−ウサギIgGおよびECL検出を用いて結合したIgEを可視化した。
蛋白質配列決定
Phl p11に対応するIgE−結合蛋白質バンドは、実施例にモノ反応性の血清試料を用いるイムノブロッティング分析によって同定した。バンドをクーマシーブリリアントブルー−染色SDS−ポリアクリルアミドゲルから切り出し、ホモゲナイズし、6M塩酸グアニジニルに抽出した。遠心によるポリアクリルアミド断片の除去の後、抽出された蛋白質を、Hewlett-Packard G10000A機器を用いるN−末端からの20サイクルの配列決定に付した。
Phl p11 cDNAのクローニングおよび特徴
ポリアデニル化RNAは、Chirgwinら(20)のイソチオシアン酸グアニジウム方法によって調製したPhleun pratense花粉の全RNAから単離した。Phl p11cDNAは、実験を通じてクローン化Pfu DNAポリメラーゼを用い、Frohman(21)、およびRT−PCRに実質的に従って行った3’−RACEによって生じさせた。全ての熱サイクル反応は以下の試薬条件で行った:20mMトリス−HCl pH8.8、10mM KCl、10mM (NHSO、2mM MgSO、0.1mg/mL BSA、0.1%トリトンX−100、10%DMSO、0.4mM dNTPおよび各々0.5μMのプライマー。
第1ストランドcDNAは、プライマー5'-CCA GTG AGC AGA GTG ACG AGG ACT CGA GCT CAA GC(T)18-3'(QT)を用い、精製されたポリ−A+RNAから合成した。3’−RACEのためには、2つのネステッドユニバーサル逆方向プライマーQ(5’−CCA GTG AGC AGA GTG ACG−3’)およびQ(5’−GAG GAC TCG AGC TCA AGC−3’)と共に、2つのネステッド特異的順方向プライマーGSP−1(5’−CAT TAC ATA TGG ACA AGG GCC CSG GCT TCG TSG TSA C−3’)およびGSP−2(5’−CAT GAA TTC GGA CGC GTC TAC TGC GAC−3’)を用いた。プライマーGSP−1およびGSP−2は、Phl p11蛋白質のN−末端アミノ酸配列から設計し、他方、プライマーQおよびQはcDNA合成プライマーQの隣接部分と同一であった。
3’−RACE用のPhl p11−豊富化鋳型を生じさせるために、第一ストランドcDNAを鋳型として用いる40サイクルのビオチニル化GSP−1のプライマー伸長によって、第二ストランドcDNAを合成した。サイクリングプロフィールは:95℃/5分、続いての40サイクルの95℃/60秒、58℃/60秒、72℃/90秒であった。次いで、この反応の産物をストレプトアビジン−修飾磁性ビーズに固定化させ、0.1M NaOHおよびTE(10mMトリス−HCl、1mM EDTA、pH8.0)で洗浄した。3’−RACEの第一ラウンドにおいて、固定化された第二ストランドcDNAおよびプライマーGSP−1およびQの試料をサイクリングプロフィール:95℃/5分、続いての40サイクルの95℃/1分、72℃/2分で用いた。この反応の20倍希釈1μlを、サイクリングプロフィール:95℃/5分、続いての30サイクルの95℃/60秒、58℃/60秒、72℃/90秒にて、3’−RACEの第二ラウンドにてプライマーGSP−2およびQと共に、鋳型として用いた。GSP−2およびQプライマーは、増幅産物の末端において、各々、EcoRIおよびHindIII部位に取り込まれるように設計した。精製およびこれらの酵素での切断の後、産物をpBR322のEcoRIおよびHindIII部位の間でクローン化した(22)。5つの候補クローンをDNA配列決定に付し、Phl p11に対応する単一のオープンリーディングフレームを明らかとした。
固定化第2ストランドcDNAからの全長Phl p11コーディング配列の増幅は、GSP−プライマーおよびPhl p11オープンリーディングフレームの3’末端に基づく、逆方向プライマーPP11/R-X (5'-AGT CAC TCG AGT GGC GTC TCG GGG GCG TC-3')を用いて行った。これらの2つのプライマーはPCR産物において各々、末端NdeIおよびXhoI部位を取り込むように設計した。この反応で用いた熱サイクリングプロフィールは3’RACE実験の第2ラウンドにおけるものと同一であった。精製し、NdeIおよびXhoIで設計した増幅産物を、E.coliのマルトース結合蛋白質(MBP)に対する融合としての注目する遺伝子の発現用に設計したPET−23a(+)−誘導体のおよびXhoIの間にクローン化した。発現のための得られた全長構築体を、DNA配列決定によって確認した。
翻訳、蛋白質特性予測および配列比較を含めたDNAおよびアミノ酸配列分析は。Wisconsin Package(Genetics Computer Group, Madison,WI.)のプログラムを用いて行った。
rPhl p11の発現および精製
P.pratenseアレルゲンはMBPに対する融合としてE.coliで発現させた。1つの選択されたクローンからのプラスミドDNAをストリンジェントに制御した温度−依存的方法でRNAポリメラーゼを供するプラスミドpT7POL23を保有する株BL21に導入した(18)。
LB培地(1M NaOH)を用いてpH7.0に調整した、10g/Lトリプトン、5g/L酵母エキス、5g/LNaCl)を一晩の培養にて1:500接種し、まず、30℃にて中期対数期まで増殖させた。次いで、インキュベーション温度を1時間で42℃にて上昇させ、続いて、収穫前に4時間で30℃とした。4℃にて10000×gでの10分間の遠心によって細胞を収集し、1g新鮮な重量の細胞当たり5mLの緩衝液A(20 mM Tris−HCl pH 8.0, 0.5 M NaCl, 100 mM (3-メルカプトエタノール、5mMイミダゾール)に再懸濁させた。再懸濁させた細胞を氷上に保持しつつ、音波処理により破壊し、続いて遠心して固形物質を除去した。Sephadex G-25を用いる5mMイミダゾールを含有する緩衝液B(20 mM Tris−HCl pH 8. 0,0. 5 M NaCl, 5 MMメルカプトエタノール)への交換に続き、上澄みを、IMACのためのNi2+荷電5mL HiTrapキレート化カラムに負荷した。カラムを緩衝液B中の20mLイミダゾールで洗浄し、緩衝液B中のイミダゾールの20ないし250mMグラジエントで行った。溶出した融合蛋白質を含有する画分をプールし、Superdex75を介するサイズ排除クロマトグラフィーの最終工程に付し、非−還元緩衝液で平衡化させ、E.coli蛋白質による可視的汚染なくして均一な凝集していない調製物を得た。機能実験で陰性対照として供するために、5mMイミダゾールを細胞ホモゲナイゼーションの段階で緩衝液Aの代わりに用いる以外は、前記したごとく精製した蛋白質およびインサートを含まない発現ベクターを保有するBL21[pt7POL28]細胞からMBP単独を発現させた。最終調製物中のMBP−Phl p11およびMBPの濃度は、1.30および1.47mg/mL当たりの計算された消光計数を用い、280nmにおけるその吸光度から決定した。
Pharmacia CAP Systemを用いるrPhl p11のIgE−結合活性の評価
精製された組換えアレルゲンのイン・ビトロIgE−結合活性のアトピー性臨床診断においてIgE−抗体検出で用いるイムノアッセイシステムであるPharmacia CAP Systemで調べた。実験的ImmunoCAPテストは、0.35kUA/Lの慣用的カットオフ値未満にて、適切な直線状測定範囲および陰性血清用のバックグラウンドを達成するように選択された濃度にて、活性化セルロースへの精製アレルゲンの共重合固定化によって調製した。MBP単独を運ぶ陰性対照テストは、固定化で同一の蛋白質濃度を用いて調製した。天然P.pratense花粉蛋白質の全補体に対する特異的IgEの決定については、正規の花粉抽出物ベースのImmunoCAPテストを用いた。以前に確立された組換えアレルゲンとの比較の目的で、全ての血清アッセイは、Phl p2ImmunoCAPテストと平行して行った。アッセイ対照および該アッセイの質を証明する統計学的パラメーターの計算は標準的アッセイシステムルーチンソフトウェア(Pharmacia Diagnostics)を用いて行った。
rPhl p11のIgE結合特性のイムノブロット分析
rPhl p11およびrPhl p5に対して向けられたチモシー草−特異的IgEの割合はRAST阻害ベースの実験によって調べた。12のrPhl p11−反応性対象からの血清試料を緩衝液C(50mMリン酸ナトリウム、pH7.5,0.5%v/vTween20、0.5%(w/v)BSA、0.05%(w/v)NaN3)中に1:10希釈し、全て10μg/mLの最終濃度にてrPhl p11、MSP(陰性対象)またはrPhl p5(陽性対照)いずれかと共に4℃にて一晩予め吸着させた。固相で過剰な抗原の状態を確認するために、ほぼ0.2mgの天然チモシー草花粉蛋白質抽出物を正確に同一なサイズ(0.6×3cm)のニトロセルロース片に固定化した。該ニトロセルロース片を緩衝液Cでのプレインキュベーション(1時間で1回および5分間で2回)によってブロックし、次いで、4℃にて一晩予め吸着させた血清に暴露した。翌日、ニトロセルロース片を緩衝液C中で4回洗浄し、次いで、室温にて125I−標識抗ヒトIgE抗体で一晩プローブした。ニトロセルロース片を緩衝液C中で再度4回洗浄し、乾燥した。ガンマカウンター(Wallac, Turku,フィンランド)を用いて、125I−標識抗−ヒトIgE抗体の量を測定した。rPhl p5またはrPhl p11の血清プレインキュベーション後におけるIgE結合のパーセント阻害を以下のごとく計算した:%阻害=100-100×(cpm rPh1 p5/cpm MBPまたはrPhl p 11/cpm MBP)。
Phl p11−特異的IgE抗体に結合する組換えアレルゲンの能力は、IgEイムノブロット阻害実験によって調べた(17)。rPhl p11に対するIgE反応性を持つ2人の草花粉アレルギー対象からの血清を、10μg/mL血清にて精製されたrPhl p11で、あるいは対照目的で、等しい濃度のMBPまたはBSAで予め吸着させた。予め吸着された血清を、SDS−PAGEによって分離されたニトロセルロース−ブロッテッド・チモシー草花粉蛋白質に暴露し、結合したIgEを記載されたごとく検出した(17)。
ヒスタミン放出実験
2人の草花粉アレルギーおよび1人の非−アレルギー個体からのヘパリン化血液試料(23,24)のデキストラン沈積によって顆粒球を単離した。洗浄された細胞のアリコットを、ある範囲の濃度(0.001μg/mL、0.01μg/mL、0.1μg/mL、1μg/mL)の精製されたrPhl p11、MBP、およびモノクローナル抗−IgE抗体と共にインキュベートした。上澄みに放出されたヒスタミンをラジオイムノアッセイによって測定した。細胞の凍結−解凍の後、全ヒスタミンを測定した。結果は三連測定の平均値で示し、全ヒスタミンのパーセンテージを表す。
皮膚テスト
2人の草花粉−アレルギーおよび4人の非−アレルギー個体から通知された同意書を得た後、記載されているごとく皮膚刺傷テストをその前腕で行った(25)。個体を、異なる濃度(0.1μg/mL、1μg/mL、10μg/mL、100μg/mL)の精製されたrPhl p11およびMBPを含有する20μlアリコットの溶液で、およびチモシー草花粉抽出物、ヒスタミンおよび塩化ナトリウムで刺した。試料適用から20分後に、写真によって、および粘着テープを用いて腫れ領域のボールペン追跡を紙に移すことによって、皮膚反応を記録した。平均腫れ直径(Dm)を以下のごとく決定した:Dm=0.5×(D1+D2)。ここに、D1およびD2は、各々、最大の長さ方向および横方向直径を表す。
結果
天然Phl p11の免疫化学検出、単離および蛋白質配列決定
現在入手可能なP.pratense(rPhl p1、rPhl p2、rPhl p4、rPhl p5、rPhl p6、rPhl p7、およびrPhl p12)からの全ての精製されたまたは組換えアレルゲンに対するIgE抗体を欠く、草花粉−アレルギー対象からの血清のイムノブロット分析は、ほぼ20kDaにて単一蛋白質バンドに対する支配的IgE−結合を明らかにした。クーマシー−染色SDS−PAGEにおける1つの弱いバンドはイムノブロット分析におけるIgE−反応性バンドと完全に整列したが(図1)、わずかに小さなサイズのより豊富な蛋白質は明らかには除外されなかった。双方のバンドからの蛋白質を別々に抽出し、各々の一部をドット−ブロット分析用のニトロセルロース膜に適用した。反応性血清とのインキュベーション、および引き続いてのIgE検出は、血清試料に存在するIgE抗体に対する標的としてのより高いMWのバンドの陽性同定を可能とした(示さず)。抽出された蛋白質をN−末端配列決定に付し、20−残基の後に決定が得られた:DKGPGFVVTGRVYCDPCRAG。相同な配列についてのデータベースサーチは、従前に精製されたライムギ草アレルゲンLol p11、およびvan Reeら(26)によって配列決定されたアミノ酸に対する正確なマッチが明らかとなった。
Phl p11のcDNAクローニングおよび配列分析
P.pratense花粉に発現された他の遺伝子で観察されたコドン選択性を用い、DNAへのN−末端アミノ酸配列の逆翻訳の後、2つのネステッド順方向PCRプライマー(GSP−1およびGSP−2)を、3’−RACEおよびRT−PCRで用いるために設計した。第一ストランドcDNAは、増幅の引き続いての工程で用いるべき2つのネステッド逆方向PCRプライマーQおよびQについての末端標的配列を運ぶユニバーサルオリゴ−dTプライマーを用い、ポリ−ARNA調製物から合成した第一ストランドcDNA上でのGSP−1の40サイクルのプライマー延長によって生じた特異的に豊富化された第2ストランドcDNAを、プライマーGSP−1およびQで行われた3’−RACEの第一ラウンドで鋳型として用いた。第二ラウンドにおいて第一ラウンド反応物の1/1000を、プライマーGSP−2およびQと共に鋳型として用いた。アガロースゲル電気泳動によるこの反応の分析により、同様な強度の2つの区別されるバンド(サイズがほぼ700および800bp(示さず))が明らかとなった。上昇させたアニーリング温度の使用は、第二ラウンドの3’−RACE産物の出現を変化させなかった。従って、二重−バンド産物は仮に、真性かつ特異的と考えた。産物をクローン化し、双方の断片サイズにマッチするインサートを保有する形質転換体を同定し、DNA配列決定によって分析した。全ての5つの調べたクローンはほぼ同一の配列のインサートを含み、3’−RACEの第二ラウンド後に観察された2つのバンド間のサイズの差は、おそらくは、転写体ポリアデニル化の部位の不均一性の結果としての、cDNA合成の起点用の別の部位によるものであった(図2)。全てのクローンは、P.pratense花粉に発現された既に知られた遺伝子のそれとよく合致するコドン用法を持つ同一のオープンリーディングフレームを含んだ。観察された停止コドンを超えて、3つの順方向リーディングフレームのいずれも、この基準を満たすコドンを呈しなかった。全長ポリペプチドをコードするcDNAを得るために、順方向プライマーGSP−1および逆方向プライマーPP11/R−X(後者はオープンリーディングフレームの3’末端から設計した)を用いてRT−PCR反応を行った。アガロースゲル電気泳動において単一のバンドとして出現したこの反応の産物を発現ベクターにクローン化し、その配列を確認した。
cDNAのオープンリーディングフレームは、4.8の計算された等電点、15.8kDaの分子質量およびN−結合グリコシル化のための1つの潜在的部位を持つ143アミノ酸残基のポリペプチドを規定した(図2)。NCBI(www.ncbi.nlm.nih.gov)で入手可能なデータを通じての同様性サーチにより、cDNA配列から推定されたポリペプチドに対する配列相同を持つある範囲の単子葉植物および双子葉植物種からの花粉蛋白質が同定された。これらはLolium perenne(ライムギ草)、Phalaris coerulescens(カナリークサヨシ)、Oryza sativa(コメ)、Zea mays(トウモロコシ)、Betula pendula(カバ)、Arabidopsis thaliana、Lycopersicon esculentum(トマト)、Olea europaea(オリーブ)、Syringa vulgaris(リラ)およびLigustrum vulgare(イボタノキ)を含んだ。花粉蛋白質のこのファミリー内のアミノ酸配列同一性のレベルは32%ないし95%の範囲であり、二次構造の予測および保存された特徴を呈する整列を図3に示す。配列比較から、P.pratenseアレルゲンはL.perenneアレルゲンLol p11の対応物であることは明らかであり、従って、Phl p11と命名されるべきである。
Phl p11およびLol p11(配列受託番号A54002)の間で観察された一次構造の最も顕著な差は、分子質量の1.0kDaの増加分と等しい、Phl p11のC−末端における9のさらなるアミノ酸残基(−DLRDAPETP)のストレッチであった。L.perenneホモログとの比較において、Phl p11配列は合計6つのアミノ酸置換を含み、そのうち4つは非−保存的であった(D42N、K56G、D57L、K83T)。Lol p11の場合には決定されなかった位置103において、アスパラギン残基がPhl p11配列に存在した。2つのホモログは、N−結合グリコシル化のための1つの潜在的部位(残基24)および6つのシステイン残基の保存を示す。
van Reeら(26)によって従前に示されているごとく、群11の草花粉アレルゲンは大豆トリプシン阻害剤と構造的に関連しており、従って、このファミリーに属する蛋白質と同様な抗原構造を表す。ごく最近、英国のオオバコPlantago lanceolata、(Pla 11)およびアカザChenopodium album、(Che a 1)からの構造的に関連したアレルゲンが報告された(27,28)。
SDS-PAGEによる天然rPhl p11アレルゲンの観察された見かけのMWおよび推定されたアミノ酸配列から計算されたMWの間の矛盾は、天然アレルゲンの翻訳後修飾によって推定的に説明される。これを裏付けるものとしては、Reeら(26)による報告がある。そこでは、相同なL.perenne蛋白質が、全分子質量のほぼ8%に至るN−結合グリコシル化 およびPhl p11のアミノ酸配列における対応するグリカン付着の保存を運ぶことが示された。
Escherichia coliにおける発現およびPhl p11の精製
Phl p11アレルゲンのアレルギーおよび血清学的特徴付けを目的とし、当該蛋白質をE.coliで発現させ、均一になるまで精製した。アレルゲンが唯一の作成された負荷としてN−末端ヘキサヒスチジンタグを伴って最初に発現させた場合の貧弱な溶解性のため、我々は、溶解性を援助する手段としてE.coliマルトース結合蛋白質への融合としてそれを製造することを選択した。融合の転写がT7プロモーターの制御下にある構築体を調製した後、クローニング宿主として、E.coli Xl1−Blueを用い、プラスミド、pT7POL23を保有する株BL21に移した。この二元系においては、構築体は30℃において静止性であり、組換え蛋白質の発現は42℃での温度シフトによって誘導される(図4)。発現用のこの株を用い、ほぼ10%の合計細胞蛋白質へのMBP-Phl p11の蓄積がクーマシー染色SDS−PAGEから見積もって得られた(図4)。
分画した細胞物質の分析により融合蛋白質のほぼ半分が可溶性相に存在することが明らかとなった(示さず)。収穫するまで42℃に維持するのと反対に、可溶性蛋白質の割合は、培養を42℃における誘導器官の後に30℃に戻すとより高くなる傾向があった(示さず)。可溶性蛋白質の凝集を最小化させるために、還元条件下で収穫後処理を行った。緩衝液を交換して、清澄化された細胞抽出物中の還元剤の濃度を退化させた後、蛋白質をIMACによる精製の第1工程に付した。溶出した物質は、還元性SDS−PAGEで予測されたサイズの単一の区別されるバンドとして出現したが、分析ゲル濾過はモノマーに加えて種々の凝集形態の存在を示した。従って、Superdex75を用いるサイズ排除クロマトグラフィーの工程を精製工程に付け加えた。最終調製物は分析ゲル濾過によるとモノマーで出現し、SDS−PAGEによると、汚染細菌蛋白質がないように見えた。それが安定なように見え、−20℃での貯蔵に際しては、凝集物の形成は観察されなかった。精製された蛋白質の最終収率は、細菌培養1リットル当たり12mgであるか、または細胞ペレット1グラム当たり1.7mgであった(新鮮な重量)。
rPhl p11の抗体認識の分析
組換えアレルゲンのIgE抗体の結合能力を調べ、草花粉−アレルギーのうち、Phl p11−特異的IgE感作の頻度および大きさを調べるために、Pharmacia CAP Systemで用いるために血清学的テストを作成した。融合蛋白質のMDP部分に対する抗体結合の対照として、MBP単独を運ぶテストを作成し、平行して用いた。これらのテストを用いる184人の草花粉−感作対象の血清試料の分析に際し、それらのうち59人(32%)が組換えアレルゲンに対する特異的IgE反応性を含むことかが判明した(表II)。特異的反応性の血清におけるIgEないしrPhl p11の平均レベルは、P. pratense花粉の天然抽出物に対するIgEの79lU/Lと比較して、16kU/Lであった。かくして、これらの対象間を平均すると、P. pratense花粉アレルゲンに対するIgE反応性のほぼ20%がrPhl p11に向けられたようであった。
rPhl p11テストで陽性の結果を示した血清の2つにおいて、MBP単独に対するIgEの見かけの結合もあった。これらの血清の1つでは、IgE測定は、事実、MBPテストではより高まり、従ってこの血清はIgEないしrPhl p11を欠くとみなされた。他の血清では、融合蛋白質によるIgE結合へのMBPによる寄与は約1%にすぎず、これは有利ではないと考えられた。まとめると、全てのテストした184人の4つの血清のみが(2%)MBP単独に対する検出可能なIgE結合を示した。これは、MBPが可溶性非−誘導体化E,coliで効果的に生産できない場合において組換えアレルゲン生産のための適切な融合パートナーであり得ることを示す。
比較の目的で、184人の血清試料を、以前に確立された主な草花粉アレルゲンrPhl p2に対して特異的なアッセイでテストした。このアレルゲンに向けられたIgE抗体の反応性は、全てのテストした対象のうち103人(53%)で見出され、平均IgEレベルは11.4kU/Lであった。それにより、rPhlp2への結合は、血清のこのサブセットにおけるP. pratense花粉の全天然抽出物に対するIgEの全レベルのほぼ15%を占めるであろう。まとめると、血清学的分析は、E.coli−発現rPhl p11が、rPhlp2のそれに頻度および大きさが匹敵する、有利なかつ特異的IgE抗体結合能力を有することを示す。
可溶性rPhl p11による天然草花粉抽出物へのIgE結合の阻害
組換えおよび天然Phl p11に特徴的なIgE結合をより直接的に比較するために、イムノブロット阻害実験を行った。この分析では、可溶性rPhl p11による固定化天然アレルゲンへのIgE結合に対する競合が、組換えアレルゲンでの患者血清のプレインキュベーションの後に、固定化天然Phl p11へのIgE結合の減衰として可視化されるであろう。非特異的阻害に対する対照として、用いた双方の血清試料を、rPhl p11予備処理と平行して、BSAおよびMBPとプレインキュベートした。対照蛋白質は、緩衝液でのプレインキュベーション(示さず)と比較して、抽出物蛋白質へのIgE結合に対して目に見える効果を有しないが、rPhl p11での血清試料の予備処理は、20kDa分子量においてオートラジオグラフィーシグナルをほとんど完全に消失させた(図5)。結果は、組換え蛋白質が、天然Phl p11でのヒトIgE抗体に対するエピトープを共に有することを示した。
花粉蛋白質の全IgE結合活性へのPhl p11の寄与は、ドットブロット阻害実験によってさらに調べ、そこでは、その高いIgE結合能力で知られたアレルゲンであるrPhl p5(7)を比較のために用いた。等しい量の花粉蛋白質抽出物をニトロセルロース膜の同一ピースにスポットし、rPhl p11、rPhl p5またはMBPいずれかと共にプレインキュベートした患者の血清に暴露した。血清学的分析から、これらの血清はPhl p11およびPhl p5双方に対するIgEを含むことが知られているが、MBPに対してはそうではない。対照として、緩衝液インキュベーションおよび1人の非−アレルギー個体からの血清を用いた。洗浄の後、膜−結合IgEをラジオメトリーで測定し、rPhl p11およびrPhl p5の阻害効果をMBP−予備処理試料に関して計算した。実験の結果を表IIIに示す。平均して、rPhl p11は花粉抽出物に対するIgE結合の25%を阻害することが判明し、これは、表IIに示される定量的血清学的データに対応し、他方、rPhl p5は55%の平均阻害を引き起こした。我々は、Phl p5よりは小さいが、Phl p11は、チモシー草花粉−特異的IgE抗体のかなりの割合を占めると結論する。
rPhl p11は、好塩基球ヒスタミン放出および即時型皮膚反応を誘導する。
高レベルのPhl p11−感作アレルギー個体からの好塩基球についての実験において、rPhl p11はヒスタミンの用量−依存的放出を誘導し、これは、細胞表面−結合IgE抗体を生産的に架橋させるその能力を証明する。限定されたヒスタミン放出が低グレードPhl p11−感作対象の細胞から起こり、rPhl p11とのインキュベーションに際して非−アレルギーの細胞からは起こらなかった(表1)。インビボでのrPhl p11の特異的生物学的活性の証拠は皮膚テスト実験から得られた。2人の感作対象において、用量−依存的腫れ反応がアレルゲンの希釈シリーズでの挑戦から生じ、他方テストした4つの非−アレルギー対照では反応は起こらなかった(表2)。rPhl p11融合パートナーMBP単独では、これらの実験において反応を起こさなくなかった。よって、rPhl p11は、特異性の基準を満足する生物学的活性を呈した。
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考察
草花粉は最も頻繁に感作する優れたアレルゲン源に属する。それは多数のアレルギー原性分子を含み、そのいくつかは最近同定され、特徴付けられている(3)。本発明においては、我々は、組換え草花粉アレルゲンの成長するパネルに新しく重要なエピトープを加える新規なP.pratense花粉アレルゲンの同定、クローニングおよび組換え製造を報告する(29)。群11草花粉アレルゲンは糖蛋白質であり(26)、いくつかのシステイン残基を含むという事実にもかかわらず、我々は、E.coliでの発現用の融合パートナーとしてMBPを利用することによって、可溶性で、モノマーであり、かつ免疫学的に活性なrPhl p11アレルゲンを生産することができた。アレルゲンを活性化されたセルロースの共有結合によって固定化する定量的アッセイシステムを用い、rPhl p11に対するIgE反応性の広範な血清学的特徴付けを行った。rPhl p11−特異的テストを用い、我々は、分析された全ての草花粉感作対象の約1/3(m=184)が、rPhl p11に対する血清IgE抗体結合を含み、結合の大きさは、これらの対象における草花粉−特異的IgE抗体のかなりの割合に対応することを見出した。
rPhl p11によるエピトープ提示の真性を裏付ける証拠は天然草蛋白質が、固相、および流体相阻害剤として用いたrPhl p11に付着したイムノブロット阻害実験から得た。
天然アレルゲンへのIgE結合の特異的かつ広範な阻害は、調べた2人の患者の血清の双方で起こり、これはrPhl p11がIgE抗体結合に対して天然rPhl p11と競合し得ることを示す。一緒に考えあわせると、血清学的データは、免疫反応性rPhl p11がE.coli発現を用いて生じさせることができ、組換え蛋白質が天然アレルゲンとIgE抗体に対するエピトープを共有することを示す。得られた結果に基づくと、rPhl p11は、草花粉アレルギーのイン・ビトロ診断で有用な組換え草花粉アレルゲンのパネルへの重要な付加を表すことは明らかである。
この議論に関連するのは、このアレルゲンのIgE結合特性における炭水化物構造の関与を示唆したvan Reeら(26)に報告されている化学的に脱グリコシル化天然Lol p11の免疫学的分析である。かくして、我々は、天然rPhl p11と、本論文に記載した組換え分子との間にアレルギー特性の定量的な差が存在し、真核生物宿主を用いる、グリコシル化形態のrPhl p11の発現は種々のIgE結合特徴を持つ組換えアレルゲンを生じさせることを排除することができない。他方、グルカンのエピトープは、IgE−媒体反応の有効なエリシターではなく、または臨床アレルギー発現(30ないし34)に関して情報を与えるものではないという最近の認識を考慮すると、E.coliで発現された未修飾組換えアレルゲンは診断目的でより有用である可能性がある。チモシー草におけるrPhl p11およびオリーブ樹木花粉におけるOle e 1によって例示されるアレルゲンの広く示された(草、樹木および雑草)群のメンバーの間での有意な配列相同性にもかかわらず、IgE抗体に対する交差反応性は、それらの間でほとんど存在しない。予備的な解析において、我々は、rPhl p11およびOle e 1(Niederberger, Valenta & Lidholm,未公表データ)の間の交差反応を検出することができず、このアレルゲンファミリーの他のメンバーに対する最近の研究の結果(27,28)はこの観察と合致する。
rPhl p11と、このアレルゲンファミリーの他のメンバーとの間の有意な交差反応性の明らかな欠如の1つの重要な意味が、それらが、天然抽出物、またはプロフィリン、2−EP−ハンドアレルゲンまたはBet v 1ホモログのごとき交差反応性成分と比較して、アレルギー個体の重要な感作剤をより正確に同定するための診断マーカーとして有用であることである。かくして、Phl p11の優先的なIgE認識は、このアレルゲンファミリーの他のメンバーに対して、交差反応性成分を含有するもう1つのアレルゲン源よりも草花粉による重要な感作を示唆し得る。このような選択された組換えアレルゲンの使用は、アレルゲン回避に対するアドバイス、および特異的な免疫療法処置についてのアレルゲン抽出物の適切な選択で有用な情報を提供することができる。
結論として、本発明は、IgE−反応性であって、生物学的に活性な群11の草花粉アレルゲンのcDNAクローニングおよび組換え生産に関する。組換えPhl p11は、患者において群11アレルゲンの感作を同定するのに、および特異的な免疫療法で用いることができる。
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図1は、P.pratense花粉抽出物のSDS−PAGEおよびイムノブロット分析を用いるPhl p11の同定を示す。A:花粉抽出物を推定し、SDS−PAGEによって分離し、続いて、クーマシーブリリアントブルーで染色した。Phl p11として同定されたかすかな蛋白質バンドを矢印で示す。B:二連ゲルの免疫ブロット分析であり、ここに、1人の患者の血清IgE抗体の結合を可視化する。レーン1:分子量マーカー、レーン2:P.pratense花粉抽出物。 図2は、Phl p11 cDNAのヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示す。全てのクローンと同一のオープンリーディングフレームは、全ての公表された花粉で発現されるP.pratense遺伝子に由来するコドン選択性と密接に関連した。下線を施したヌクレオチド配列はプライマーGSP−1およびGSP−2を表す。塗りつぶしていない矢印の頭は、分析したクローンの間のヌクレオチドの差を示す;標準ヌクレオチドのアンビギューイティー暗号をそれらの位置で用いる。クローンの間のホモポリマーストレッチの長さの変動は影によって示す。配列は、5つの分析したクローンの最長を表し、他方、黒色矢印の頭は、他のcDNAがポリ−Aストレッチで終わる場合を示す。塗りつぶした下線によって示されるアミノ酸配列は、天然花粉蛋白質のN−末端ミクロ配列決定によって決定された20の残基を表す。潜在的N−結合グリコシル化のための単一部位は点線の下線によって示される。 図3は、Phl p11および構造的に関連する蛋白質の複数アミノ酸配列整列を表す。データベースから検索された各配列の前にはその受託番号を示す:A54002(Lolium perenne)、1815759(Phalaris coerulescens)、S31710(Oryza sativa)、P33050(Zea mays)、2765366(Betula pendula)、P13447(Lycopersicon esculentum)、2832664および398899(Arabidopsis thaliana)、S43242およびS43244(Syringa vulgaris)、3256212(Ligustrum vulgare)、および926885(Olea europaea)。全てのエントリーは、ここに調べた蛋白質ファミリーと整列させるドメインのみを示すように切形したA.thaliana配列2832664を除き、全てのエントリーは全長で示す。xで印を付けた位置は、同定されていないかまたは典型的でない残基を示す。3ないし8番目の配列は推定N−末端リーダーペプチドを含む。ハイホンは、整列させる残基の数を最小化するために導入したギャップを示す。 図4は、E.coliにおける組換えPhl p11の発現の分析を示す。MBP−Phl p11融合蛋白質の発現用に調製されたE.coli株を中期対数期まで増殖させ、次いで、温度シフトに付して、発現系を脱抑制した。試料は、SDSおよびβ−メルカプトエタノールを含有する負荷緩衝液中でペレット化された細胞を沸騰させることによって調製した。レーン1:分子量マーカー、レーン2:プレ誘導試料、レーン3:誘導後収穫、レーン4:精製された蛋白質の試料。蛋白質は、クーマシーブリリアントブルー染色によって可視化した。 図5は、可溶性rPhl p11による固定化されたP.pratense抽出物蛋白質に対するIgE結合のイムノブロット阻害を示す。花粉抽出物を推定し、SDS−PAGEによって分離し、ニトロセルロース膜へ電気ブロットした。BSA(レーン1)、rPhl p11(レーン2)またはMBP(レーン3)いずれかとのプレインキュベーション後に、該膜を、2人のPhl p11−感作草花粉−アレルギー対象からの血清試料と共にインキュベートした(AおよびB)。

Claims (13)

  1. 配列番号:1のアミノ酸配列を持つポリペプチドをコードするDNA分子。
  2. 図2のヌクレオチド1−429の核酸配列を有する請求項1記載のDNA分子。
  3. 請求項1または2記載のDNA分子を宿主生物において発現させ;次いで、生産された組換えPhl p11を精製する;
    工程を含む、組換えPhl p11を生産する方法。
  4. 該宿主生物が原核生物宿主である請求項3記載の方法。
  5. 該原核生物宿主がEscherichia coliである請求項4記載の方法。
  6. 配列番号:1のアミノ酸配列を有する、組換えにより生産されたアレルゲン試薬Phl p11。
  7. 請求項記載の試薬を含む診断キット。
  8. さらに、1以上のPhlアレルゲンを含む請求項7記載の診断キット。
  9. 該1以上のPhlアレルゲンが、Phl p1、Phl p2、Phl p4、Phl p5a、Phl p5b、Phl p6、Phl p7、Phl p12およびPhl p13よりなる群から選択される請求項8記載の診断キット。
  10. a)疑われる草花粉アレルギーを持つ患者から得た血液試料に由来する血清または血漿を、固相に固定化した、または溶液中の請求項6記載のアレルゲン試薬と接触させ;次いで
    b)特異的検出試薬を用いて該アレルゲン試薬に結合した抗体を検出する;
    工程を含むイムノアッセイ方法。
  11. 該特異的検出試薬が酵素−結合抗−IgE抗体である請求項10記載のイムノアッセイ方法。
  12. 該アレルゲン試薬Phl p11に対するIgE抗体反応性を示す草花粉アレルギー患者の免疫療法用の薬物を製造するための請求項6記載のアレルゲン試薬の使用。
  13. 該アレルゲン試薬Phl p11に対するIgE抗体反応性を示すチモシー草花粉アレルギー患者の免疫療法用の薬物を製造するための請求項12記載の使用。
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