以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機の正面図である。図2は、図1のパチンコ遊技機のガラス扉(前面扉)の背面側の構造を示す図である。パチンコ遊技機1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を指示固定する遊技機用枠(ガラス扉枠)20とから構成されている。遊技盤2は、ガイドレールによって囲まれたほぼ円形状の遊技領域を形成している。
遊技盤2の遊技領域のほぼ中央位置には、LCDからなる可変表示部4が設けられている。可変表示部4は、特図ゲームを行うためのものであり、特図ゲームに伴って、背景画像、キャラクタ画像、特別図柄等を表示する。このパチンコ遊技機1では、特図ゲームに使用される特別図柄としては、例えば「0」から「9」までの10種類の数字を用意している。可変表示部4には、左、中及び右の3つの表示領域で特別図柄が変動表示され、特図ゲームは、これら3つの領域で同じ数字が揃って停止することによって大当たりとなる。特に奇数図柄が揃って停止した場合には、確率変動大当たりとなり、大当たり制御が終了した後の特図ゲームの当選確率が高確率となる。また、最終停止までに2つの領域で同じ数字が揃って停止すると、リーチとなる。
可変表示部4の上側中央には、特図ゲームにおける演出や、大当たり演出、或いは遊技が行われていないと判断されるときの客待ちデモでの演出において回転駆動される役物11が設けられている。ここでの回転駆動とは、駆動機構の回転軸を中心として駆動されるということであり、必ずしも周回して駆動されなければならない訳でなく、左右周り交互に小刻みで駆動されるものであってもよい。
可変表示部4の下側には、特図ゲームの保留記憶を表示するための特別図柄保留記憶表示部10が設けられている。可変表示部4の左右には、装飾ランプ13a、13bがそれぞれ設けられている。また、左下と右下の遊技領域の端部にある装飾の中にも装飾ランプ13c、13dが設けられている。さらに他の場所に装飾ランプを設けてもよい。装飾ランプ13a〜13dは、リーチ演出や大当たり演出の際に、例えば可変表示部4に表示される画像の変化に伴って発光し、画像に加えて光による演出で遊技興趣を高めるようにするものである。
可変表示部4の下方位置には、電動チューリップ型役物(普通電動役物)6を兼用する特別図柄始動口(スタートチャッカ)5が配設されている。特別ゲームは、特別図柄始動口5を遊技球が通過することによって開始される。特別図柄始動口5の両側には、遊技球の通過により普図ゲームを開始させるための通過ゲート7a、7bが設けられている。特別図柄始動口5及び通過ゲート7a、7bの遊技球の通過は、それぞれ最大4つまで保留記憶される。特図ゲームの保留記憶は、特別図柄保留記憶表示部10に表示されるが、普図ゲームの保留記憶は、特に表示されない。
特別図柄始動口5の下側には、大当たり発生時にソレノイド等を駆動することで開放動作を行う大入賞口(第1種特別電動役物:アタッカ)8が配設されている。大入賞口8は、特別図柄始動口5への入賞に基づいて特図ゲームが行われた結果大当たりとなった場合に、開放動作を行う。この開放動作は、遊技球が大入賞口8の内部の特定領域(図示せず)を通過することを条件として、断続的に最大15回継続して行う。また、可変表示部4の左右と、通過ゲート7a、7bの下側には、遊技球の通過によって賞球が払い出される入賞口9a〜9dが設けられている。大入賞口8の右側には、普図ゲームの結果を○または×で示す普通図柄表示部12が設けられている。
ガラス扉枠20には、遊技領域を囲むようにして複数の遊技効果LED14a〜14hが設けられている。また、ガラス扉枠20の上部左右側(遊技効果LED14a、14bの内側)には、スピーカ15a、15bが設けられている。可変表示部4に表示される画像の変化に伴って、またはこの画像とは独立して、遊技効果LED14a〜14hが発光し、スピーカ15a、15bから音声が出力される。スピーカ15a、15bからは、役物11の駆動に同期して再生される楽曲も出力される。
ガラス扉枠20の遊技領域の下側には、遊技領域に打ち出す遊技球を供給するための打球供給皿21が設けられている。その下側には、打球供給皿21への払い出しができなくなった賞球を払い出すための余剰球受皿22が設けられている。その右側には、遊技領域に遊技球を打ち出す発射モータ(図示せず)を駆動するための打球操作ハンドル23が設けられている。
ガラス扉枠20の遊技領域の左側には、払い出しを完了していない賞球があることを示す賞球ランプ17が、遊技領域の上側には、払い出すべき賞球が切れてしまったことを報知する球切れランプ18が設けられている。また、パチンコ遊技機1の左側には、プリペイドカードを挿入し、遊技球の貸し出しを受けるためのプリペイドカードユニット200が設けられている。
さらに、図2に示すように、ガラス扉枠20の背面側には、賞球を払い出すための球払出装置105と、球払出装置105が払い出し可能な賞球がなくなったことを検出するための球切れスイッチ52が設けられている。また、球払出装置105からオーバーフローした遊技球の貯留が満タンになったことを検出する満タンスイッチ53(図2には不図示:図3参照)が設けられている。
上記の各部を制御するための制御基板として、遊技制御基板101、演出制御基板102、及び払出制御基板104も、ガラス扉枠20の背面側に配設されている。各部に電力を供給するための電源基板100も、ガラス扉枠20の背面側に配設されている。図3は、各基板100〜104を含む、パチンコ遊技機1の制御回路の構成を示すブロック図である。
遊技制御基板101は、パチンコ遊技機1における遊技の進行全体の流れを制御するためのメイン側の制御基板であり、CPU(Central Processing Unit)111、RAM(Random Access Memory)112、ROM(Read Only Memory)113及びI/O(Input/Output)ポート114を含む1チップマイクロコンピュータからなる基本回路110を搭載している。また、遊技制御基板101は、スイッチ回路120、ソレノイド回路130、情報出力回路140及びアドレスデコード回路150を搭載している。
CPU111は、計時機能、タイマ割り込み機能、及び乱数発生機能を備え、ROM113に記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する制御を行うと共に、パチンコ遊技機1の制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。RAM112は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として使用される。ROM113は、CPU111が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。I/Oポート114は、基本回路110に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
スイッチ回路120は、通過ゲート7を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ37、特別図柄始動口5を通過した遊技球を検出するための始動口スイッチ35、大入賞口8を通過した遊技球を検出するためのカウントスイッチ38、大入賞口8の特定領域を通過した遊技球を検出するためのVカウントスイッチ30、及び入賞口9a〜9dを通過した遊技球を検出するための入賞口スイッチ39に接続されている。また、満タンスイッチ53、球切れスイッチ52、及び球払出装置105が払い出した賞球をカウントするための賞球カウントスイッチ51にも接続されている。
スイッチ回路120は、各スイッチ37、35、38、30、39、53、52及び51から出力されてくる入力信号を、ローパスフィルタ等を通してパルス波として整形した後に、バッファゲート等によって増幅し、I/Oポート114に出力して、CPU111に入力させるものである。
ソレノイド回路130は、電動チューリップ型役物6を駆動するためのソレノイド45、大入賞口8の開閉を駆動するためのソレノイド48、及び大入賞口8内の内部にあり、遊技球を特定領域に寄せるためのシーソー(図示せず)を駆動するためのソレノイド40に接続されている。ソレノイド回路130は、I/Oポート114から出力される制御信号に基づいて、ソレノイド40、45及び48に駆動制御信号(励磁信号)を出力する。
情報出力回路140は、I/Oポート114から出力された制御信号に基づいて、大当たりの発生中を示す大当たり情報、確率変動状態にあることを示す確変情報、特図ゲームの始動に関する情報である始動情報、支払われた賞球に関する情報である賞球情報等の各種情報を、パチンコホール(遊技店)の管理コンピュータ等の外部コンピュータに対して出力する。
アドレスデコード回路150は、CPU111から出力されたアドレス信号を入力し、デコードする。デコードした結果、CPU111の制御対象がRAM112、ROM113及びI/Oポート114のいずれであるかを選択するための信号を、CPU111に出力する。
払出制御基板104は、球払出装置105とプリペイドカードユニット200とに接続されており、遊技球の貸し出しのために必要な情報をプリペイドカードユニット200との間でやりとりし、また、球払出装置105に貸し出された遊技球または入賞により賞球として払い出される遊技球を払い出させるための制御回路を備えている。
演出制御基板102は、パチンコ遊技機1における演出の実行を制御するためのサブ側の制御基板であり、CPU121、RAM122、ROM123及びI/Oポート124を含む1チップマイクロコンピュータからなる基本回路120を搭載している。また、演出制御基板102は、可変表示部4に表示させる画像を描画するためのビデオプロセッサ(VDP)125と、スピーカ15から出力する音声を再生するためのオーディオプロセッサ(ADP)126とを搭載している。
CPU121は、計時機能及びタイマ割り込み機能を備え、ROM123に記憶されたプログラム(後述)を実行して、演出の実行に関する制御を行うと共に、VDP125やADP126に必要な指令を送る。RAM122は、CPU121がプログラムを実行する際の作業領域として使用される。ROM123は、CPU121が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。I/Oポート124は、基本回路120に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
基本回路120は、遊技効果LED(14a〜14h)、賞球ランプ17、球切れランプ18、装飾ランプ13(13a〜13d)、特別図柄保留記憶表示部10、普通図柄表示部12に接続されており、これらを制御する。基本回路120は、また、駆動機構(図示せず)を介して役物11を回転駆動するための役物駆動モータ41と、役物駆動モータ41の基準位置が特定の位置(原点)にあることを検出するためのモータ基準センサ16とに接続されているが、その詳細については後述する。
VDP125は、CPU121からの指令に基づいて画像を描画し、可変表示部4に表示させる。VDP125が画像を描画すべき一連の画像データ(特図ゲーム、客待ちデモなど)は、ROM123に記憶されており、どの画像データを描画すべきかがCPU121によって指定される。VDP125が画像を描画する際に使用するキャラクタROMは、ROM123に含まれるものとしても、VDP125の内部に含まれるものとしてもよい。
ADP126は、CPU121からの指令に基づいて楽曲や効果音を再生し、スピーカ15から出力させる。ADP126は、楽曲の再生音量のレベルを調整する機能を有しているが、再生音量レベルの調整はCPU121からの指令に基づいて行われる。再生音量のレベルの設定としては、UpレベルとDownレベルの2段階があり(実際の出力としては楽曲が再生されていない場合の再生レベル0もある)、これらは特別図柄の保留記憶数に従って設定変更される。
ADP126は、CPU121から指令を受けると、次にその指令と相反する内容の指令を受けるまで、受けた指令に基づく処理を連続して行う。例えば、次に説明する特定楽曲の再生を一旦開始すると、再生停止か他の楽曲の再生の指令を受けるまでは、当該特定楽曲の再生を継続する。再生音量のレベルがUpレベルに設定されると、次にDownの指令を受けるまでは、再生音量のレベルをUpレベルに維持し続ける。ADP126が再生する楽曲のデータは、ROM123に含まれるものとしても、ADP126の内部に含まれるものとしてもよい。
図4(a)は、ADP126が再生する楽曲のうちの特定楽曲の楽曲データの構成を示す図である。特定楽曲は、可変表示部4において特図ゲームが行われている間においてリーチが発生していないときに再生される楽曲である。もっとも、特図ゲームが連続して行われる場合に特定楽曲をどのように再生するかは、通常の遊技状態にあるか確率変動状態にあるかで異なっている。特定楽曲の楽曲データは、図4(a)に示すように、開始パート201、Aパート202及びBパート203の3つのパートから構成されている。
開始パート201、Aパート202、Bパート203のそれぞれには、該当するパートの再生を終了したときに次に再生すべきパートを示す制御データ211〜213が含まれている。この制御データ211〜213に従って、開始パート201が最初に再生された後、Aパート202とBパート203とが交互に繰り返して再生される。つまり、開始パート201は、特定楽曲の再生が新たに開始したことを示す開始時演出としてのパートである。
図4(b)は、通常の遊技状態で特図ゲームが複数回連続して行われる場合における特定楽曲の各パート201〜203の再生手順を示す図である。ここで連続して行われている特図ゲームでは、リーチが発生することはないものとする。通常の遊技状態においては、特図ゲームが開始するたびに、特定楽曲の再生が新たに開始される。これを図4(b)を参照して具体的に説明する。
1回目の特図ゲームが開始すると、開始パート201が再生された後、Aパート202とBパート203とが繰り返して再生される。2回目の特図ゲームが開始したときも、開始パート201が再生された後、Aパート202とBパート203とが繰り返して再生される。3回目の特図ゲームが開始したときも、開始パート201が再生された後、Aパート202とBパート203とが繰り返して再生される。2回目、3回目の特図ゲームの開始時に再生されていたパートの再生が終了していなくても、新たに開始パート201が再生されるものである。
図4(c)は、確率変動状態で特図ゲームが複数回連続して行われる場合における特定楽曲の各パート201〜203の再生手順を示す図である。ここで連続して行われている特図ゲームでも、リーチが発生することはないものとする。確率変動状態においては、実行を終了した特図ゲームと新たに実行を開始する特図ゲームとの間にまたがって、連続して特定楽曲が再生される。これを図4(c)を参照して具体的に説明する。
1回目の特図ゲームが開始すると、開始パート201が再生された後、Aパート202とBパート203とが繰り返して再生されるのは、通常の遊技状態の場合と同じである。2回目の特図ゲームが開始したとき、新たに開始パート201が再生されるのではなく、例えばAパート202が再生途中にあるときは、終了までAパート202の再生が続けられる。Aパート202の再生が終了すると、Bパート203の再生が開始される。3回目の特図ゲームが開始したときも同様である。2回目、3回目の特図ゲームの開始時において、それまでに続いていた状態で連続して特定楽曲が再生されるものである。
ADP126が再生する楽曲には、特図ゲームでリーチが発生しているときに再生されるリーチ楽曲がある。リーチの状態が継続する期間には必ず限りがあるため、リーチ楽曲は、特定楽曲のようなパート分けがされておらず、リーチが継続する最長期間の楽曲データが構成されている。なお、特図ゲームでリーチが発生したときには、再生される楽曲が特定楽曲からリーチ楽曲に変更されるが、次の特図ゲームが開始したときには、再び開始パート201から特定楽曲の再生に戻される。
なお、ADP126が再生する楽曲には、大当たり演出中に再生される大当たり楽曲もあるが、本発明とは関係がないため、詳細な説明を省略する。また、ADP126は、これらの楽曲の再生とは別に、CPU121からの指令に基づいて特図ゲームの実行に合わせた効果音の再生も行っているが、このような効果音については本発明と関係がないため、詳細な説明を省略する。
次に、役物11の駆動について説明する。役物11は、役物駆動モータ41が回転駆動されることによって駆動されるものであるが、役物駆動モータ41の回転軸に直接取り付けられているのではなく、複数のギアなどによって構成される駆動機構の役物側の回転軸に取り付けられている。このような駆動機構を介して、役物11は、役物駆動モータ41が1回転する間に2回転するようになっている。
役物駆動モータ41は、ステッピングモータによって構成されている。1ステップで所定角度だけ左回りまたは右回りで回転し、2000ステップ程度同じ方向に回転することで、1周するようになっている。役物駆動モータ41には、半径方向にスリットが付された円盤が付加されており、このスリットの位置は、役物駆動モータ41の基準位置となっており、役物駆動モータ41の回転駆動に合わせて、その位置が遷移する。
また、役物駆動モータ41の近傍であって、スリットの位置が遷移する軌道上には、光透過型センサからなり、回転によりスリットを透過する光を検出して検出信号を出力するモータ基準センサ16が設置されている。役物駆動モータ41は、モータ基準センサ16から検出信号が出力されたときに、役物駆動モータ41の基準位置(すなわち、スリットの位置)が原点位置に戻ったものとなる。役物駆動モータ41の基準位置の現在位置(回転角度)は、モータ基準センサ16が役物駆動モータ41の基準位置が原点にあることを検出してからのステップ数で分かるようになっている。
役物11は、役物駆動モータ41の回転により駆動機構を介して回転駆動されるようになっている。役物11にも回転駆動する範囲のうちの所定の位置が基準位置として設定されているが、モータ基準センサ16のような検出手段はない。役物11の基準位置が特定の位置に戻ったときが原点に戻ったときとして認識される。役物11の基準位置は、役物駆動モータ41の基準位置が原点にあるからといって、必ずしも原点にある訳ではない。もっとも、役物駆動モータ41の基準位置がどの位置にあるかが分かれば、役物11の基準位置がどこにあるかも計算によって分かるようになっているので、役物11の基準位置が原点にあることも、計算によって求められる。なお、役物駆動モータ41の回転方向と役物11の回転方向とは同じでも逆でもよい。もっとも、以下の説明での回転方向は、役物11の回転方向を基準にするものとする。
役物11は、ADP126により楽曲が再生されているとき(実質的に特図ゲームが行われているとき)、再生されている楽曲に同期して回転駆動されるようになっている。もっとも、特図ゲームが開始して特定楽曲の再生が開始されたときに、必ずしも役物11の回転駆動が開始されるのではなく、基準位置が原点になければ、基準位置を原点に復帰させる復帰制御が行われる。
復帰制御を行う際には、役物11の基準位置の現在の位置を特定し、原点まで右回りと左回りのいずれが近いかが判定される。そして、近い方に対応した駆動データが設定され、役物11の基準位置が原点に戻るまで後述するタイマ割り込みの都度1ステップずつ役物駆動モータ41が駆動される。いずれの方向で復帰制御が行われたとしても、1回の特図ゲームの実行最短時間よりも短い時間で、役物11の基準位置が原点に戻るようになっている。なお、パチンコ遊技機1の電源を投入したとき、またはリセットを行ったときにも、役物11の基準位置を原点に復帰させる復帰制御が行われる。
役物11の基準位置が復帰制御により原点に戻った後、或いは最初から原点にあれば、楽曲の再生に同期して役物11が回転駆動される。役物11の回転駆動は、特定楽曲の再生にもリーチ楽曲の再生にも合わせて行われるが、それぞれ特定楽曲の楽曲データ、リーチ楽曲の楽曲データのリズムに同期して役物11が駆動されるような役物駆動モータ41の駆動データが予め用意されており、楽曲の再生を開始する際には、再生される楽曲に合わせた駆動データが設定される。
この駆動データは、役物駆動モータ41を右回りと左回りのいずれで1ステップ回転駆動させるか、或いは停止させておくかを時系列で順次登録したもので、後述するタイマ割り込みの都度、1回分の駆動データが読み出されて役物駆動モータ41が制御される。駆動データは、2回分の組で同じ内容のものが登録されており、楽曲の再生音量のレベルがUpレベルであるときはタイマ割り込みの度に当該回の駆動データに従って役物駆動モータ41が制御されるが、Downレベルであるときは半分に間引かれる。これにより、楽曲の再生音量のレベルがDownレベルにあるときの役物11の回転駆動の大きさは、見かけ上Upレベルあるときの半分となる。
また、可変表示部4における特図ゲームは、遊技制御基板101から特図ゲームコマンドが送られることによって開始し、確定コマンドが送られることによって終了するものとなっている。確定コマンドが送られた後にさらに保留記憶されていれば、確定コマンドの送信から僅かな時間の遅れで次の特図ゲームコマンドが遊技制御基板101から演出制御基板102に送信され、これを繰り返すことで特図ゲームが複数回連続して行われるものとなる。
確定コマンドが送られた後にさらに保留記憶がなければ、次の特図ゲームコマンドの代わりに客待ちコマンドが送られる。演出制御基板102では、客待ちコマンドを受信すると、所定時間経過毎に客待ちデモを可変表示部4に表示させる客待ち状態に制御させる。また、演出制御基板102では、確定コマンドを受信してからの経過時間が計測されており、客待ちコマンドを受信していなくても、確定コマンドの受信から所定時間(確定コマンドの受信から本来客待ちコマンドを受信すべき時間よりも長い時間)を経過すれば、客待ち状態に制御させる。
上記したように可変表示部4において特図ゲームを実行すると共に、ADP126により楽曲を再生し、これに同期して役物11を駆動するために、演出制御基板102のRAM122には様々なデータが設定される。RAM122に設定されるデータとしては、可変表示部4に表示すべき画像を指定するデータ、役物駆動モータ41の駆動データなどがある。
また、特図ゲームが実行されているときの楽曲の再生と役物11の駆動とを様々な態様に変化させるため、RAM122には各種のフラグが設定される。RAM122に設定されるフラグとしては、役物11の位置が復帰制御中にあることを示す復帰制御中フラグ、楽曲の再生音量のレベルがUpレベルにあることを示す音量Upフラグ、役物11の駆動の間引きを行うための駆動ステップフラグ、確率変動状態にあることを示す確率変動状態フラグ、客待ち状態にあることを示す客待ちフラグ、特図ゲームでリーチが発生したことを示すリーチ発生フラグなどがある。
以下、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1における遊技動作について説明する。なお、パチンコ遊技機1における動作としては、装飾ランプ13或いは遊技効果LED14の発光などを含んでいるが、これらは本発明とは関係ないので、説明を省略することとする。
図5は、遊技制御基板101の基本回路110内のCPU111が実行する処理を示すフローチャートである。パチンコ遊技機1の電源が投入されると、図5(a)に示すメイン処理が実行されることとなる。
メイン処理では、まず初期設定処理が行われる(ステップS11)。初期設定処理では、後述する割り込み処理を実行するタイミングを規定するタイマ割り込み時間(例えば、2msec)をCPU111に設定する処理が行われる。これにより、電源投入等によるリセット後、最初の割り込み処理が実行されるタイミングを規定するための計時が開始される。また、初期設定処理においては、種々のタイマをセットするための処理も行われる。
初期設定処理が終了すると、この電源投入前に生じた電源エラーによる電源遮断時における状態のバックアップがされていないかどうかを判定する(ステップS12)。電源遮断時における状態のバックアップがされていれば、バックアップされていた状態を復元して、電源エラーの前の状態に復帰する(ステップS13)。そして、復帰した電源エラーの前の状態からの処理を継続して行う。
電源遮断時における状態のバックアップがされていなければ、RAM112を初期化すること、及び各種フラグの初期化などの処理が行われる(ステップS14)。次に、演出制御基板102、払出制御基板104などのサブ基板などに初期コマンドを送信し、これらのサブ基板の状態を初期化させる(ステップS15)。
サブ基板の初期化が行われると、確定図柄(予定停止図柄)を決定するための表示図柄乱数、及び特図ゲームの変動表示パターンを決定するための変動表示パターン決定用乱数を更新する処理が行われる(ステップS16)。さらに、特図ゲームで大当たりとするかどうかを決定するための大当たり乱数に設定すべき初期値を決定する初期値決定用乱数を更新する処理が行われる(ステップS17)。ステップS15でサブ基板の初期化が終了した後には、ステップS16及びS17の処理が無限ループで繰り返して実行されることとなる。この間にタイマ割り込みが入ると、図5(b)のタイマ割り込み処理が実行され、タイマ割り込み処理が終了すると、再度ステップS16及びS17の無限ループの処理が実行されることとなる。
タイマ割り込み処理では、まずゲートスイッチ37、カウントスイッチ38、Vカウントスイッチ30等の状態を入力し、各入賞口や通過ゲートに対する入賞があったか否かを判定するスイッチ処理を行う(ステップS21)。なお、始動口スイッチ35による始動入賞の判定は、後述する特別柄プロセス処理において行っている。
次に、パチンコ遊技機1の内部に備えられている自己診断機能によって種々の異常診断を行い、その結果に応じて必要ならば警報を発生させる等の処理を含むエラー処理を行う(ステップS22)。
さらに、大当たり乱数を更新する処理が行われ(ステップS23)、初期値決定用乱数を更新する処理が行われ(ステップS24)、表示図柄乱数及び変動表示パターン決定用乱数を更新する処理が行われる(ステップS25)。ここで、初期値決定用乱数は、大当たり乱数の値が周期的に更新されるのを避けるために、例えば大当たり乱数の値が最大値に達した後に最初に行われるタイマ割り込み処理で、大当たり乱数の値として設定する初期値を決定するための乱数である。
ステップS23〜S25における各種の乱数値の更新が終了すると、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。この特別図柄プロセス処理では、特別図柄プロセスフラグに従って、上記した各種の乱数を抽出して、特図ゲームの結果を大当たりとするか、特図ゲームにおける確定図柄をどの種類の図柄とするか、特図ゲームの変動表示パターンをどのパターンとするか、などの抽選を行う処理が含まれる。また、その処理結果に応じて、必要なコマンドを生成する。特別図柄プロセス処理の詳細については、後述する。
次に、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。この普通図柄プロセス処理では、普通図柄を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。また、その処理結果に応じて、普図ゲームコマンドなどのコマンドを生成する。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次に、特別図柄コマンド処理を行う(ステップS28)。この特別図柄コマンド処理は、ステップS26において各種のコマンドが生成されていれば、これを基本回路110から演出制御基板102へ伝送する処理である。次に、普通図柄コマンド処理を行う(ステップS29)。この普通図柄コマンド処理は、普通図柄を表示制御するためのコマンドを基本回路110から演出制御基板102へ伝送する処理である。
次に、情報出力回路140を介して確変情報、大当たり情報、始動情報、賞球情報等の情報を外部に出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。次に、ソレノイド45、48、40を励磁制御するための制御信号をソレノイド回路130に出力するソレノイド出力処理を行う(ステップS31)。次に、基本回路110から払出制御基板104に賞球個数信号と賞球可能信号とを送信して、賞球の払出指令を行うための賞球処理を行う(ステップS32)。
次に、保留記憶処理を行う(ステップS33)。この保留記憶処理は、例えば、特別図柄始動口5に遊技球の入賞があって保留記憶が増加した場合や特別図柄の変動が開始されて保留記憶が減少した場合などの保留記憶数が変化した場合に、保留記憶数の表示変更を指示するための保留記憶数コマンドを基本回路110から演出制御基板102へ伝送する処理である。保留記憶処理の詳細については後述する。このステップS33の処理が終了すると、前述したステップS16及びS17の無限ループの処理に戻る。
次に、ステップS26の特別図柄プロセス処理について詳しく説明する。図6は、ステップS26の特別図柄プロセス処理を詳細に示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、まず、始動口スイッチ35による特別図柄始動口5への遊技球の通過の検出(いわゆる始動入賞)を確認し、始動入賞があった際に、各種の抽選用の乱数の抽出処理を含む入賞確認処理を行う(ステップS100)。
その後、特図ゲーム及び特図ゲームで大当たりとなった場合の制御状態を示す特別図柄プロセスフラグ(RAM112に設定)に従って、客待ち処理(ステップS101)、停止図柄設定処理(ステップS102)、全図柄変動開始処理(ステップS103)、全図柄停止待ち処理(ステップS104)、大入賞口開放開始処理(ステップS105)、大入賞口開放中処理(ステップS106)、特定領域有効時間処理(ステップS107)、大当たり終了処理(ステップS108)のうちのいずれかの処理を行う。
これらの処理のうち、本発明に関わる処理について詳しく説明すると、ステップS100の入賞確認処理では、特別図柄始動口5への遊技球の通過が始動口スイッチ35により検出された場合、入賞時フラグを設定すると共に、大当たり判定用の乱数、表示図柄決定用の乱数及び変動表示パターン決定用の乱数を抽出し、始動記憶用の特別図柄判定用バンクに記憶する。また、保留記憶数が4となるまで(特別図柄判定用のバンクは4つからなり、始動入賞が検出された際に全てのバンクに記憶がある場合には、その始動入賞が無効とされるため)、保留記憶数を1だけ加算する。抽出した大当たり決定用の乱数の値に応じて、特図ゲームの結果を大当たりとするかどうか、さらには確率変動大当たりとするかどうかを決定する。
ステップS101の客待ち処理では、特別図柄判定用のバンクの少なくとも1つに大当たり判定用の乱数、表示図柄決定用の乱数及び変動表示パターン決定用の乱数が記憶されているかどうかを判定する。いずれの特別図柄判定用のバンクにもこれらの乱数が記憶されていなければ、客待ちコマンドを生成し、次の特別図柄コマンド処理で演出制御基板102に送信されるようにする。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、停止図柄設定処理を行わせるための値に更新する。大当たり判定用の乱数、表示図柄決定用の乱数及び変動表示パターン決定用の乱数が記憶された特別図柄判定用のバンクがある場合には、客待ちコマンドを生成することなく、特別図柄プロセスフラグの値を、停止図柄設定処理を行わせるための値に更新する。
ステップS102の停止図柄設定処理では、特別図柄判定用のバンクの少なくとも1つに大当たり判定用の乱数、表示図柄決定用の乱数及び変動表示パターン決定用の乱数が記憶されていれば、記憶されている表示図柄決定用乱数の値に応じて特図ゲームの確定図柄を決定する。また、記憶されている変動表示パターン決定用の乱数の値に応じて、特図ゲームに要する変動表示パターンを決定する。さらに、確定図柄の決定結果及び変動表示パターンを特定可能な情報を含む特図ゲームコマンドを生成し、特図ゲームの開始が可能となった時点で演出制御基板102に送信するようにするため、特別図柄判定用のバンクに追加して保存する。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、全図柄変動開始処理を行わせるための値に更新する。
ステップS103の全図柄変動開始処理では、特図ゲームの開始が可能となったかどうかを判定し、開始可能となった場合に可変表示部4において特図ゲームが開始されるように、特別図柄判定用のバンクに保存しておいた特図ゲームコマンドを演出制御基板102に送信する。また、保留記憶数を1だけ減算する。そして、特別図柄プロセスフラグの値を全図柄停止待ち処理を行わせるための値に更新する。
ステップS104の全図柄停止待ち処理では、特図ゲームを終了するタイミングとなったかどうかを判定し、終了タイミングとなった場合に可変表示部4において特図ゲームの確定結果が示されるように、確定コマンドを生成し、次に特別図柄コマンド処理が実行されるときに送信されるようにする。そして、特図ゲームの確定結果に従って、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放開始処理または客待ち処理を行わせるための値に更新する。
ステップS108の大当たり終了処理では、大入賞口8の開放動作を終了させる制御を行うと共に、大当たりデモ終了を指示するコマンドを生成し、次に特別図柄コマンド処理が実行されるときに送信されるようにする。また、当該大当たりが確率変動大当たりであった場合に、遊技状態を確率変動状態に移行させる。通常の大当たりであった場合は、遊技状態を通常の遊技状態とする。
次に、ステップS33の保留記憶処理について詳しく説明する。図7は、ステップS33の保留記憶処理を詳細に示すフローチャートである。保留記憶処理では、まず、RAM112に設定されている現在の保留記憶数と前回保留記憶数とが等しいかどうか、すなわち保留記憶数に変化がなかったかどうかを判定する(ステップS201)。現在の保留記憶数と前回保留記憶数とが等しく、保留記憶数に変化がなければ、そのままこのフローチャートの処理を終了する。
現在の保留記憶数と前回保留記憶数とが等しくなく、保留記憶数に変化があった場合には、現在の保留記憶数を示す保留記憶コマンドを生成する(ステップS202)。さらに現在の保留記憶数を前回保留記憶数としてRAM112に設定し直す(ステップS203)。その後、ステップS202で生成された保留記憶数コマンドを演出制御基板102に送信する(ステップS204)。そして、このフローチャートの処理を終了する。
以上示した処理により、遊技制御基板101の側では、特別図柄始動口5への遊技球の通過に基づいて抽選を行い、その結果が大当たりとなった場合に、大入賞口8を一定期間断続的に開放させる。また、入賞によって遊技球を払い出したり、抽選結果によっては、次の抽選確率を変動させたりする動作を行っている。一方、演出制御基板102のCPU121は、遊技制御基板101から送られてくるコマンドに従って、可変表示部4における特図ゲームの実行、役物11の駆動、特定楽曲の再生/出力を含む各種の演出動作を行っている。なお、遊技制御基板101の側で制御する遊技動作は、送信したコマンドに従って演出制御基板102の側で制御さている演出動作とのタイミングが図られている。
図8は、演出制御基板102のCPU121が実行するコマンド受信待機処理を示すフローチャートである。演出制御基板102側では、遊技制御基板101から送られてくるコマンドを受信したかどうかを判定している(ステップS301)。コマンドを受信するまでは、ステップS301の処理を繰り返し、コマンドの受信を待機している状態にある。遊技制御基板101からいずれかのコマンドを受信すると、受信したコマンドの種類が何であるかを判定する(ステップS302)。
受信したコマンドの種類が初期コマンドであった場合には、まず、RAM122の所定の領域を初期化する(ステップS303)。次に、後述する役物駆動割り込み処理を割り込み禁止に設定する(ステップS304)。次に、役物駆動モータ41を制御して、右回りで1ステップだけ回転駆動させる(ステップS305)。そして、役物駆動モータ41を右回りで1ステップ回転駆動させた結果として、モータ基準センサ16によりモータ基準位置が原点に達したことが検出されたかどうかを判定する(ステップS306)。
モータ基準位置が原点に達していなければ、ステップS305の処理に戻り、さらに右回りで1ステップだけ役物駆動モータ41を回転駆動させる。モータ基準位置が原点に達したことが検出された場合には、ステップS304で禁止した役物駆動割り込み処理を許可する(ステップS307)。さらに、ここから役物11の基準位置を原点に復帰させる復帰制御を行うため、RAM122に復帰制御中フラグを設定し(ステップS308)、ここから役物11の基準位置が原点に達するまでの復帰制御用の役物駆動モータ41の駆動データをRAM122に設定する(ステップS309)。そして、ステップS301の処理に戻る。
また、ステップS302で受信したコマンドの種類が保留記憶数コマンドであった場合には、RAM122に保存されている現在の保留記憶数を旧保留記憶数としてRAM122に保存し(ステップS310)、受信した保留記憶数コマンドが示す保留記憶数を現在の保留記憶数としてRAM122に設定すると共に、現在の保留記憶数を特別図柄保留記憶表示部10に表示させる(ステップS311)。
次に、RAM122に保存された現在の保留記憶数と旧保留記憶数とを比較して、保留記憶数が1から0に変化したかどうかを判定する(ステップS312)。保留記憶数が1から0に変化していた場合には、ADP126に楽曲の再生音量のDownを指令する(ステップS313)。また、楽曲の再生音量がUpレベルとなっていることを示す音量UpフラグをRAM122から消去する(ステップS314)。そして、ステップS301の処理に戻る。
保留記憶数が1から0に変化したのでない場合には、ここでもRAM122に保存された現在の保留記憶数と旧保留記憶数とを比較して、保留記憶数が0から1に変化したかどうかを判定する(ステップS315)。保留記憶数が0から1に変化していた場合には、ADP126に楽曲の再生音量のUpを指令する(ステップS316)。また、音量UpフラグをRAM122に設定する(ステップS317)。そして、ステップS301の処理に戻る。保留記憶数が0から1に変化したのでなければ、そのままステップS301の処理に戻る。
また、ステップS302で受信したコマンドの種類が特図ゲームコマンドであった場合には、RAM122に設けられた客待ちタイマが計時している時間を0にクリアする(ステップS318)。また、特図ゲームコマンドが示す変動表示パターンに対応した一連の画像データをVDP125が描画すべき画像データとして指定する(ステップS319)。
次に、RAM122の確率変動状態フラグが設定されているか否かにより現在の遊技状態が確率変動状態にあるかどうかを判定する(ステップS320)。確率変動状態になければ、ステップS325の処理に進む。確率変動状態フラグが設定されていれば、RAM122に客待ちフラグが設定されているかどうか、すなわち前回の特図ゲームから一旦特図ゲームの実行が途切れて、新たな始動入賞により特図ゲームが実行される場合であるかどうかを判定する(ステップS321)。客待ちフラグが設定されていれば、客待ちフラグをRAM122から消去して(ステップS322)、ステップS325の処理に進む。
客待ちフラグが設定されていなければ、RAM122に前回の特図ゲームでリーチ発生フラグが設定された状態となっているかどうかを判定する(ステップS323)。なお、大当たり制御の終了後の特図ゲームとなった場合には、大当たり制御前の前回の特図ゲームでは大当たり前に必ずリーチが発生しているので、リーチ発生フラグが設定されていることとなる。リーチ発生フラグも設定されていなければ、ステップS301の処理に戻る。リーチ発生フラグが設定されていれば、リーチ発生フラグをRAM122から消去して(ステップS324)、ステップS325の処理に進む。
ステップS325では、役物11の基準位置が原点にない場合に役物11の基準位置を原点に復帰させるための駆動データを設定する役物復帰設定処理を実行する。役物復帰設定処理の詳細については後述する。その後、ステップS326の処理に進む。ステップS326では、ADP126に特定楽曲の再生開始を指令する。また、ADP126により再生される特定楽曲に合わせた役物駆動データをRAM122に設定する(ステップS327)。そして、ステップS301の処理に戻る。
また、ステップS302で受信したコマンドの種類が確定コマンドであった場合には、確定コマンドが示す確定図柄を可変表示部4に表示させるための一連の画像データをVDP125が描画すべき画像データとして指定する(ステップS328)。また、客待ちコマンドを取りこぼしても客待ち状態に制御するための客待ちタイマの計時を開始する(ステップS329)。そして、ステップS301の処理に戻る。
また、ステップS302で受信したコマンドの種類が客待ちコマンドであった場合には、客待ちタイマが計時している時間を0にクリアする(ステップS330)。また、ここで客待ち状態となるため、RAM122に客待ちフラグを設定し(ステップS331)、所定時間間隔でデモ画面が表示されるようになる客待ち用の一連の画像データをVDP125が描画すべきデータとして指定する(ステップS332)。また、ADP126の楽曲(特定楽曲またはリーチ楽曲)の再生停止を指令し(ステップS333)、RAM122に設定されている役物駆動データを消去する(ステップS334)。そして、ステップS301の処理に戻る。
また、ステップS302で受信したコマンドの種類が他の種類のコマンドであった場合には、その他の受信したコマンドの種類に応じた処理を行う(ステップS335)。ここでは、確率変動大当たりが発生した後の確率変動状態フラグの設定や確率変動状態の終了条件が成立した後の確率変動状態フラグの消去などが含まれるが、本発明に特に関わるものではないため、詳細な説明を省略する。そして、ステップS301の処理に戻る。
次に、ステップS325の役物復帰設定処理について詳しく説明する。図9は、ステップS325の役物復帰設定処理を詳細に示すフローチャートである。役物復帰設定処理では、モータ基準センサ16が役物駆動モータ41の基準位置を直前に検出してから役物駆動モータ41を駆動したステップ数に基づいて、役物11の基準位置が現在どの位置にあるかを特定する(ステップS401)。そして、役物11の基準位置が原点にあるかどうかを判定する(ステップS402)。役物11の基準位置が原点にあれば、復帰制御を行う必要がないので、そのまま役物復帰設定処理を終了する。
役物11の基準位置が原点になければ、ここから役物11の基準位置を原点に復帰させる復帰制御を行うため、RAM122に復帰制御中フラグを設定する(ステップS403)。次に、ステップS401で特定した役物11の基準位置の現在の位置から原点まで近いのは右回りであるか左回りであるかを判定する(ステップS404)。
原点まで右回りの方が近い場合には、右回りで役物11を回転駆動して基準位置を原点まで復帰制御させるための役物駆動モータ41の駆動データをRAM122に設定する(ステップS405)。原点まで左回りの方が近い場合には、左回りで役物11を回転駆動して基準位置を原点まで復帰制御させるための役物駆動モータ41の駆動データをRAM122に設定する(ステップS406)。ステップS405またはS406で役物駆動モータ41の駆動データがRAM122に設定されると、このフローチャートの処理を終了する。
また、演出制御基板102のCPU121は、図8及び図9の処理と並行して割り込み処理により客待ちタイマを監視して楽曲の再生及びこれに同期した役物11の駆動を停止させる処理、特図ゲームなどの表示画像を1コマ毎に生成する処理、役物駆動モータ41を制御して役物11を回転駆動させる処理を行っている。以下、これらの処理について詳しく説明する。
図10は、演出制御基板102のCPU121が実行する客待ちタイマ監視処理を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、例えば2ミリ秒ごとにCPU121に生じるタイマ割り込みによって開始される。客待ちタイマ監視処理では、ステップS329で計時開始した客待ちタイマが、ステップS318またはS330でクリアされることなく、所定時間(確定コマンドの送信から客待ちコマンドの送信までの本来の時間より長い)を計時したかどうかを判定する(ステップS501)。所定時間を計時していなければ、そのままこのフローチャートの処理を終了する。
客待ちタイマが所定時間を計時していた場合には、RAM122に客待ちフラグを設定し(ステップS502)、所定時間間隔でデモ画面が表示されるようになる客待ち用の一連の画像データをVDP125が描画すべきデータとして指定する(ステップS503)。また、ADP126の楽曲(特定楽曲またはリーチ楽曲)の再生停止を指令し(ステップS504)、RAM122に設定されている役物駆動データを消去する(ステップS505)。そして、このフローチャートの処理を終了する。
図11は、演出制御基板102のCPU121が実行する表示画像設定処理を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、1フレーム期間毎にCPU121に生じるタイマ割り込みによって開始される。表示画像設定処理では、まず、指定された一連の画像データと当該画像データの指定からの経過時間に基づく画像の変動態様とに従って特定される背景画像のデータをRAM122の所定の領域に一時設定する(ステップS601)。
次に、指定された一連の画像データと当該画像データの指定からの経過時間に基づく画像の変動態様とに従って各特別図柄の今フレームでの位置及び態様を特定し、RAM122の所定の領域に一時設定する。もっとも、客待ち用の一連の画像データが設定されている場合などには、特別図柄の位置及びの設定はない(ステップS602)。
次に、指定された一連の画像データと当該画像データの指定からの経過時間に基づく画像の変動態様とに従ってキャラクタ図柄を表示する必要がある場合には、表示すべきキャラクタ図柄の位置及び態様を特定し、RAM122の所定の領域に一時設定する(ステップS603)。そして、RAM122に一時的に設定した背景画像のデータ、特別図柄の位置及び態様、キャラクタ図柄の位置及び態様と共に、VDP125に画像の描画を指令する(ステップS604)。これに基づいて、VDP125が画像を描画し、可変表示部4に表示させることとなるが、本発明とは関係がないので、詳細な説明は省略する。
VDP125に画像の描画を指令すると、ステップS602で特定した特別図柄の位置及び態様に従って、今フレームにおいて特図ゲームのリーチが発生することとなったかどうかを判定する(ステップS605)。今フレームにおいてリーチが発生したのではない(リーチが発生していない、或いは前フレーム以前に既に発生している)場合には、そのままこのフローチャートの処理を終了する。
今フレームにおいてリーチが発生した場合には、RAM122にリーチ発生フラグを設定する(ステップS606)。また、ADP126に再生すべき楽曲を特定楽曲からリーチ楽曲とする楽曲変更を指令する。リーチ楽曲は、リーチパターン毎に異なっていてもよいが、その場合にはリーチ楽曲の種類も指令する必要がある(ステップS607)。また、リーチ楽曲に合わせた役物駆動モータ41の駆動データをRAM122に設定する(ステップS608)。そして、このフローチャートの処理を終了する。
図12は、演出制御基板102のCPU121が実行する役物駆動割り込み処理を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、例えば2ミリ秒ごとにCPU121に生じるタイマ割り込みによって開始される。役物駆動割り込み処理では、まず、復帰制御用以外の役物駆動モータ41の駆動データ(特定楽曲またはリーチ楽曲に合わせたもの)がRAM122に設定されているかどうかを判定する(ステップS701)。復帰制御用以外の役物駆動データ41の駆動データが設定されていなければ、ステップS705の処理に進む。
復帰制御用以外の役物駆動モータ41の駆動データが設定されていれば、一連の駆動データのうちで取り出し対象となっている1回分の駆動データ(右または左回りの1ステップの駆動、もしくは停止を示す)を取り出す(ステップS702)。そして、取り出し対象を次の1回分の駆動データに設定する。ここで取り出した駆動データの次が制御データであれば、当該制御データが示す1回分の駆動データが次の取り出し対象となる(ステップS703)。さらにRAM122の駆動ステップフラグの状態を現在の状態から反転する(ステップS704)。そして、ステップS705の処理に進む。
ステップS705では、RAM122に復帰制御中フラグが設定されているかどうかにより、役物11の位置の復帰制御が現在行われているかどうかを判定する。役物11の位置の復帰制御が行われていれば、ステップS703で取り出した1回分の駆動データを破棄する(ステップS706)。もっとも、ステップS701で駆動データが設定されていなくて、ステップS705に進んだ場合は、駆動データの破棄はない。
次に、この場合においてはRAM122に復帰制御用の役物駆動モータ41の駆動データが設定されているので、該復帰制御用の駆動データに従って役物駆動モータ41を右回りまたは左回りで1ステップだけ回転駆動させる(ステップS707)。その結果として、役物11の基準位置が原点に到達したかどうかを判定する(ステップS708)。役物11の基準位置が原点に到達していなければ、そのままこのフローチャートの処理を終了する。役物11の基準位置が原点に到達した場合は、これで復帰制御が終了するので、RAM122に設定されている復帰制御中フラグを消去する(ステップS709)。そして、このフローチャートの処理を終了する。
また、ステップS705において役物11の位置の復帰制御が行われていなかった場合には、役物駆動モータ41の1回分の駆動データを取り出せていたかどうかを判定する(ステップS710)。役物駆動モータ41の1回分の駆動データを取り出せていない場合は、そもそも役物11を回転駆動させる場合ではないので、そのままこのフローチャートの処理を終了する。
役物駆動データ41の1回分の駆動データを取り出せていた場合には、RAM122に音量Upフラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS711)。音量Upフラグが設定されていれば、ステップS713の処理に進む。音量Upフラグが設定されていなければ、RAM122の駆動ステップフラグの状態が0となっているか1となっているかを判定する(ステップS712)。駆動ステップフラグの状態が1となっていれば、役物11の回転駆動を1回分間引くので、そのままこのフローチャートの処理を終了する。駆動ステップフラグの状態が0となっていれば、ステップS713の処理に進む。
ステップS713では、取り出した1回分の駆動データに従って役物駆動モータ41を1ステップだけ右回りまたは左回りで回転駆動させる。この場合、役物11が1ステップだけ右回りまたは左回りで回転することとなる。もっとも、取り出した1回分の駆動データが停止を示していれば、役物駆動モータ41を回転駆動させない。そして、このフローチャートの処理を終了する。
演出制御基板102において、VDP125及びADP126は、CPU121からの指示に基づいて、それぞれ画像の描画処理と音声の再生処理を行っている。VDP125による画像の描画処理については本発明と関係ないので、詳細な説明を省略する。また、ADP126は、楽曲の再生以外にも特図ゲームの実行に合わせた効果音の再生などを行っているが、楽曲以外の音声の再生については本発明と関係ないので、詳細な説明を省略する。
図13は、演出制御基板102のADP126が実行する楽曲再生処理を示すフローチャートである。ADP126は、CPU121から新たな指令を受けない限り、前の処理を継続して行うものであり、このフローチャートの処理は、処理の切り替えを判断するために行うものである。
楽曲再生処理では、CPU121から特定楽曲の再生開始の指令を受けたかどうかを判定する(ステップS801)。特定楽曲の再生開始の指令を受けていた場合には、開始パート201から特定楽曲の再生を開始させる。リーチ楽曲の再生中にこの指令を受けた場合は、リーチ楽曲の再生を停止してから特定楽曲の再生を開始させる(ステップS802)。こうして再生開始された特定楽曲は、開始パート201の再生が終了すると、Aパート202の再生が開始され、Aパート202の再生も終了するとBパート203の再生が開始される。Bパート203の再生が終了した後は、Aパート202の再生に戻る。そして、ステップS801の処理に戻る。
特定楽曲の再生開始の指令を受けていなかった場合には、CPU121から再生音量Downの指令を受けたかどうかを判定する(ステップS803)。再生音量Downの指令を受けていた場合には、再生音量をDownレベルに設定し直す(ステップS804)。そして、ステップS801の処理に戻る。再生音量Downの指令を受けていなかった場合には、CPU121から再生音量Upの指令を受けたかどうかを判定する(ステップS805)。再生音量Upの指令を受けていた場合には、再生音量をUpレベルに設定し直す(ステップS806)。そして、ステップS801の処理に戻る。
再生音量Upの指令も受けていなかった場合には、CPU121から楽曲の再生停止の指令を受けたかどうかを判定する(ステップS807)。再生停止の指令を受けていた場合には、現在再生している楽曲(特定楽曲またはリーチ楽曲)の再生を停止する(ステップS808)。そして、ステップS801の処理に戻る。再生停止の指令も受けていなかった場合には、CPU121からリーチ楽曲への楽曲変更の指令を受けたかどうかを判定する(ステップS809)。楽曲変更の指令を受けていた場合には、特定楽曲の再生を停止して、リーチ楽曲の再生を開始させる(ステップS810)。そして、ステップS801の処理に戻る。楽曲変更の指令を受けていなければ、そのままステップS801の処理に戻る。
以下、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1における動作を具体的な例に基づいて説明する。まず、遊技制御基板101から受信するコマンドに基づいてそれぞれ行われる特図ゲームの実行、役物11の駆動、楽曲の再生の関係を、演出制御基板102が特定のタイミングで遊技制御基板101から受信したものとして説明する。
図14は、遊技制御基板101からのコマンドの受信タイミング、及び受信したコマンドに基づいて演出制御基板102のCPU121が実行する処理を具体的に示したタイミングチャートの第1の例である。この例における初期状態として、遊技状態は確率変動状態にあり、特図ゲームの実行が行われておらず、客待ち状態にあるものとする。保留記憶数は当然に0である。特図ゲームが実行されていないので、楽曲の再生はなく、再生音量のレベルは0である(但し、ADP126における設定はDownレベル)。また、役物11は、その基準位置が原点になく停止しているものとする。
タイミングt0において最初の始動入賞があり、特図ゲームコマンドが送られてきたものとする。このときの始動入賞によっても保留記憶数の変化はないので、保留記憶コマンドは送られてこない。この特図ゲームコマンドの受信により、可変表示部4においては該特図ゲームコマンドが示す変動表示パターンで特図ゲームが開始される。また、ADP126は、再生音量をDownレベルとして開始パート201から特定楽曲の再生を開始する。特定楽曲の再生は、開始パート201を終了した後は、Aパート202及びBパート203を交互に繰り返す。特定楽曲の再生が開始されたが、役物11の基準位置は原点にないので、役物11の位置の復帰制御が開始される。
タイミングt1において2つ目の始動入賞があったものとする。このとき、特図ゲームは直ぐに開始できないので、保留記憶数コマンドが送られてきて、現在の保留記憶数の設定が0から1に変更される。これにより、ADP126に再生音量のUpが指令され、特定楽曲の再生音量がUpレベルに変更される。タイミングt2において役物11の基準位置が原点に到達すると、特定楽曲に合わせた回転駆動が行われるが、再生音量がUpレベルで駆動データの間引きがないので、回転駆動の大きさは大きなものとなる。
タイミングt3において3つ目の始動入賞があると、保留記憶数コマンドが送られてきて、現在の保留記憶数の設定が1から2に変更される。タイミングt4において特図ゲームの終了タイミングとなり、変動の過程でリーチが発生することなく確定コマンドが送られてきたものとする。これで確定図柄が示されて1回目の特図ゲームが終了するが、このときから客待ちタイマの計時が開始される。
その直後のタイミングt5において、保留記憶に基づいて続けて特図ゲームを実行できるので、特図ゲームコマンドが送られてくる。この特図ゲームコマンドの受信により、可変表示部4においては該特図ゲームコマンドが示す変動表示パターンで特図ゲームが新たに開始される。これにより客待ちタイマによる時間の計時がクリアされる。また、このときには保留記憶数の変化が生じるため、保留記憶数コマンドも実質的に同時と言えるタイミングで送られてきて、現在の保留記憶数の設定が2から1に変更される。
この2回目の特図ゲームは、確率変動状態において、前回の特図ゲームでリーチが発生することなく、前回の特図ゲームと続けて開始されるものである。このため、ADP126に対して楽曲の再生に関して新たな指令がされることがなく、特定楽曲の再生が1回目の特図ゲームと2回目の特図ゲームとにまたがって、継続して行われるものとなる。タイミングt6において特図ゲームの終了タイミングとなり、変動の過程でリーチが発生することなく確定コマンドが送られてくると、確定図柄が示されて2回目の特図ゲームも終了するが、このときから客待ちタイマの計時が開始される。
その直後のタイミングt7において、保留記憶に基づいて続けて特図ゲームを実行できるので、特図ゲームコマンドが送られてくる。この特図ゲームコマンドの受信により、可変表示部4においては該特図ゲームコマンドが示す変動表示パターンで特図ゲームが新たに開始される。これにより客待ちタイマによる時間の計時がクリアされる。
このときには保留記憶数のの変化が生じるため、保留記憶数コマンドも実質的に同時と言えるタイミングで送られてきて、現在の保留記憶数の設定が1から0に変更される。これにより、ADP126に再生音量のDownが指令され、特定楽曲の再生音量がDownレベルに変更される。また、再生音量がDownレベルに変更されたことから、駆動データの間引きが開始されるので、役物11の回転駆動の大きさは小さくなる。
この3回目の特図ゲームも、確率変動状態において、前回の特図ゲームでリーチが発生することなく、前回の特図ゲームに続けて開始されるものである。このため、ADP126に対して楽曲の再生に関して新たな指令がされることがなく、特定楽曲の再生が2回目の特図ゲームと3回目の特図ゲームとにまたがって、継続して行われるものとなる。タイミングt8において特図ゲームの終了タイミングとなり、変動の過程でリーチが発生することなく確定コマンドが送られてくると、確定図柄が示されて3回目の特図ゲームも終了するが、このときから客待ちタイマの計時が開始される。
その直後のタイミングt9において、保留記憶に基づいて実行できる特図ゲームがないので、客待ちコマンドが送られてくる。客待ちコマンドの受信により、客待ちタイマによる時間の計時がクリアされる。また、客待ちコマンドの受信により、ADP126に楽曲の再生停止が指令されて、特定楽曲の再生が停止する。再生レベルは0となる。また、特定楽曲の再生の停止と共に役物駆動モータ41の駆動データもRAM122から削除されて、役物11の回転駆動も停止される。
図15は、遊技制御基板101からのコマンドの受信タイミング、及び受信したコマンドに基づいて演出制御基板102のCPU121が実行する処理を具体的に示したタイミングチャートの第2の例である。この例における初期状態としても、遊技状態は確率変動状態にあり、特図ゲームの実行が行われておらず、客待ち状態にあるものとする。保留記憶数は当然に0である。特図ゲームが実行されていないので、楽曲の再生はなく、再生音量のレベルは0である(但し、ADP126における設定はDownレベル)。もっとも、役物11は、その基準位置が最初から原点にあるものとする。
タイミングt0において最初の始動入賞があり、特図ゲームコマンドが送られてきたものとする。このときの始動入賞によっても保留記憶数の変化はないので、保留記憶コマンドは送られてこない。この特図ゲームコマンドの受信により、可変表示部4においては該特図ゲームコマンドが示す変動表示パターンで特図ゲームが開始される。また、ADP126は、再生音量をDownレベルとして開始パート201から特定楽曲の再生を開始する。役物11の基準位置は最初から原点にあるので、役物11の回転駆動も開始されるが、駆動データの間引きが行われるので、その大きさは小さくなる。
タイミングt1において2つ目の始動入賞があったものとする。このとき、特図ゲームは直ぐに開始できないので、保留記憶数コマンドが送られてきて、現在の保留記憶数の設定が0から1に変更される。これにより、ADP126に再生音量のUpが指令され、特定楽曲の再生音量がUpレベルに変更される。また、役物11の駆動データの間引きがなくなるので、役物11の回転駆動の大きさが大きくなる。
さらにタイミングt2において3つ目の始動入賞があると、保留記憶数コマンドが送られてきて、現在の保留記憶数の設定が1から2に変更される。タイミングt3において特図ゲームの終了タイミングとなり、変動の過程でリーチが発生することなく確定コマンドが送られてきたものとする。これで確定図柄が示されて1回目の特図ゲームが終了するが、このときから客待ちタイマの計時が開始される。
その直後のタイミングt4において、保留記憶に基づいて続けて特図ゲームを実行できるので、特図ゲームコマンドが送られてくる。この特図ゲームコマンドの受信により、可変表示部4においては該特図ゲームコマンドが示す変動表示パターンで特図ゲームが新たに開始される。これにより客待ちタイマによる時間の計時がクリアされる。また、このときには保留記憶数の変化が生じるため、保留記憶数コマンドも実質的に同時と言えるタイミングで送られてきて、現在の保留記憶数の設定が2から1に変更される。
この2回目の特図ゲームは、確率変動状態において、前回の特図ゲームでリーチが発生することなく、前回の特図ゲームと続けて開始されるものである。このため、ADP126に対して楽曲の再生に関して新たな指令がされることがなく、特定楽曲の再生が1回目の特図ゲームと2回目の特図ゲームとにまたがって、継続して行われるものとなる。この2回目の特図ゲームの実行途中のタイミングt5においてリーチが発生したものとする。
すると、ADP126にリーチ楽曲の再生が指令されるので、特定楽曲の再生が停止され、リーチ楽曲の再生が開始される。役物11の駆動の大きさは大きいままであるが、リーチ楽曲に合わせた駆動に変更されることとなる。タイミングt6において特図ゲームの終了タイミングとなり、確定コマンドが送られてくると、確定図柄が示されて2回目の特図ゲームも終了するが、このときから客待ちタイマの計時が開始される。
その直後のタイミングt7において、保留記憶に基づいて続けて特図ゲームを実行できるので、特図ゲームコマンドが送られてくる。この特図ゲームコマンドの受信により、可変表示部4においては該特図ゲームコマンドが示す変動表示パターンで特図ゲームが新たに開始される。これにより客待ちタイマによる時間の計時がクリアされる。
このときには保留記憶数のの変化が生じるため、保留記憶数コマンドも実質的に同時と言えるタイミングで送られてきて、現在の保留記憶数の設定が1から0に変更される。これにより、ADP126に再生音量のDownが指令され、特定楽曲の再生音量がDownレベルに変更される。また、再生音量がDownレベルに変更されたことから、駆動データの間引きが開始されるので、役物11の回転駆動の大きさは小さくなる。
この3回目の特図ゲームは、確率変動状態において前回の特図ゲームに続けて開始されるものであるが、前回の特図ゲームでリーチが発生している。このため、ADP126に特定楽曲の再生開始が新たに指令される。この指令により、再び開始パート201から特定楽曲の再生が開始される。開始パート201が終了した後は、Aパート202とBパート202の再生の繰り返しとなる。タイミングt8において特図ゲームの終了タイミングとなり、変動の過程でリーチが発生することなく確定コマンドが送られてくると、確定図柄が示されて3回目の特図ゲームも終了するが、このときから客待ちタイマの計時が開始される。
その後、本来客待ちコマンドを受信すべきタイミングで客待ちコマンドを受信することがなく、タイミングt9において客待ちタイマが所定時間を計時したものとする。これにより、ADP126に楽曲の再生停止が指令されて、特定楽曲の再生が停止する。再生レベルは0となる。また、特定楽曲の再生の停止と共に役物駆動モータ41の駆動データもRAM122から削除されて、役物11の回転駆動も停止される。
次に、パチンコ遊技機1における具体的な動作として、役物11の復帰制御について説明する。図16は、役物11の復帰制御にいずれの制御方法を選択するかを説明する図である。ここでは、復帰制御を開始する際における役物11の回転態様がどのようになっているかは関係がない。復帰制御を開始する際における役物11の基準位置がどの位置にあるかだけに従って決められる。
図16(a)に示すように、役物11の基準位置が左回りとした方が原点まで近い位置にあるときは、復帰制御用の役物駆動モータ41の駆動データとして左回りの駆動データが設定され、左回りで役物11が回転駆動されて、その基準位置が原点まで戻される。一方、図16(b)に示すように、役物11の基準位置が右回りとした方が原点まで近い位置にあるときは、復帰制御用の役物駆動モータ41の駆動データとして右回りの駆動データが設定され、右回りで役物11が回転駆動されて、その基準位置が原点まで戻される。
次に、パチンコ遊技機1における具体的な動作として、役物11の回転駆動と再生される楽曲との関係について説明する。役物11の回転駆動と特定楽曲の再生とは同期したものとなっているが、CPU121が開始タイミングの制御を行うだけで、実際にはCPU121とADP126とがそれぞれ別に制御を行っている。外部的な出力としては、役物11の回転駆動を基準として見れば、役物11の回転駆動の態様に合わせて楽曲が再生されていることとなる。楽曲の再生を基準として見れば、楽曲の再生態様に合わせて役物11が回転駆動されていることとなる。
図17は、楽曲の再生態様と役物の駆動態様との第1の例を示す図である。ここでは、ADP126の再生音量のレベルの設定により音量が変化するのではなく、楽曲データそのものによって小節毎に音量が順次増大していく場合を、3小節分示している。楽曲のリズムは4拍子で、1拍目と3拍目とにストレスがおかれている。
楽曲データの音量が小さい1小節目では、ストレスのおかれた1拍目と3拍目だけにおいて役物11が左右に小刻みに若干駆動される。楽曲データの音量が大きくなる2小節目では、ストレスのおかれた1拍目と3拍目における役物11の駆動の大きさがより大きくなり、ストレスのおかれていない2拍目と4拍目とでも役物11が左右に小刻みに若干駆動される。さらに楽曲データの音量が大きくなる3小節目では、ストレスのおかれた1拍目と3拍目における役物11の駆動の大きさがさらに大きくなり、ストレスのおかれていない2拍目と4拍目とでも役物11の駆動の大きさがより大きくなる。
図18は、楽曲の再生態様と役物の駆動態様との第2の例を示す図である。ここでは、同じ部分の楽曲データを再生する場合に、ADP126の再生音量のレベルがDownレベルに設定されているときとUpレベルに設定されているときとの役物11の駆動の態様を示している。楽曲のリズムが4拍子で1拍目と3拍目にストレスがおかれていることについては、図17の場合と同じである。
再生音量のレベルがDownレベルに設定されているときには、駆動データの間引きが行われて、役物駆動割り込み処理の2回に1回の割合でしか、役物11が駆動されることはない。一方、再生音量のレベルがUpレベルに設定されているときには、役物駆動割り込み処理が行われる度に、駆動データに従って役物11が駆動される。これにより、図18に示すように、再生音量のレベルがUpレベルに設定されているときの役物11の駆動の大きさは、Downレベルに設定されているときの駆動の大きさの2倍となる。
以上説明したように、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1では、特図ゲームが行われている間においては(リーチ発生時を除く)、特定楽曲が再生されて出力される。このように特定楽曲が再生されて出力されることにより、特図ゲームの実行中であることが聴覚的にもわかるようになり、視覚と聴覚との演出の相乗効果を生むことができる。
しかも、楽曲が再生されている間は、その楽曲に同期して役物11も回転駆動される。これにより、演出の態様が豊富なものとなると共に、視覚と聴覚による演出の相乗効果がさらに高まり、遊技の興趣を向上させることができる。ここで、役物11の駆動は、再生されている楽曲のリズムと音量とに合わせて行われるものとなっている。このようなリズムや音量に合わせた役物11の駆動によって、面白みのある演出を行えるようになる。
特定楽曲の再生音量のレベルは、保留記憶数が1から0に変化するとDownレベルに設定される。こうして再生音量が小さくなったことで、遊技者は保留記憶がなくなったことを知ることができるので、特図ゲームの実行が途切れたことに突然気づいて不快感を感じることがなくなる。また、再生音量のレベルは、保留記憶数が0から1に変化したときにはUpレベルに設定される。こうして再生音量が大きくなることによっても、遊技者は新たな始動入賞により保留記憶がされたことを知ることができる。
そして、保留記憶数の変化は、特定楽曲が再生される音量の変化によって分かり易いものとなり、また、保留記憶数の変化によって再生音量が変化していくことで、演出効果を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、特定楽曲の再生音量のレベルを変化は、役物11の駆動の大きさの変化としても現れるので、さらに演出効果を高めることができると共に、遊技者は、役物11の駆動の大きさの変化によっても保留記憶数の変化を知ることができるようになる。
ところで、特定楽曲は、特図ゲームが行われている間において再生されるものであるが、複数回の特図ゲームが連続して行われる場合において、通常の遊技状態であれば各回の特図ゲームの開始する度に特定楽曲が最初から再生開始されるが、確率変動状態であれば複数回の特図ゲームにまたがって特定楽曲が継続して再生される。このような違いによって、遊技者は、通常の遊技状態にあるか確率変動状態にあるかの違いが分かりやすくなり、確率変動状態における遊技者の期待感を高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
また、特図ゲームが行われている場合であっても、特図ゲームの過程においてリーチが発生すれば、特定楽曲の再生が停止されて、これとは別のリーチ楽曲が再生されることとなる。このようなリーチ楽曲の再生により、リーチが発生したときの遊技者の期待感を聴覚的な効果によっても高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
確率変動状態にあるときであっても、前の特図ゲームでリーチが発生してリーチ楽曲が再生されていたときや、客待ち状態から最初の特図ゲームが開始したときには、特定楽曲の再生が最初から開始されるものとなる。このため、特定楽曲の再生開始が中途半端な場所から行われることがなく、遊技者に違和感を与えることはない。また、特定楽曲は、3つのパートからなるが、そのうちの開始パート201は、再生開始時にしか再生されることはないので、特定楽曲の再生が始まったことを遊技者に分かり易く示すことができる。
特定楽曲の再生は、特図ゲームの連続した実行が途切れたときに停止されるものであるが、これは遊技制御基板101からの客待ちコマンドの受信をトリガとして行われる。もっとも、確定コマンドを受信する度に客待ちタイマの計時を開始しており、本来客待ちコマンドを受信すべきタイミングで受信していなかったとしても、客待ちタイマが所定時間を計時すれば、特定楽曲の再生が停止され、役物11の駆動も停止される。このため、演出制御基板102で客待ちコマンドを取りこぼしてしまったとしても、特図ゲームが実行されていないのに、特定楽曲が再生され続けたり、これに合わせて役物11が駆動され続けるといったことが起こらない。
また、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1では、特定楽曲の再生を開始する際、役物11の基準位置の現在位置を調べて、原点になければ基準位置をそこに復帰させる復帰制御を行うものとしている。この復帰制御は、右回りと左回りとで、現在位置から原点までの回転方向が近い方のいずれの方向も選んで行えるようになっている。このため、効率的な復帰制御を行うことができるようになる。ここで、復帰制御により役物11の基準位置が原点に戻るまでの時間は、1回当たりの特図ゲームに要する時間よりも短くなるように設定されている。このため、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対して役物11の動作に違和感が生じる期間を最小限に抑えることができる。
役物11は、駆動機構を介して役物駆動モータ41により回転駆動されるものであるが、その回転比は2:1であって、役物駆動モータ41の基準位置が原点にあるからといって役物11の基準位置が原点にあるとは限らない。もっとも、役物11の基準位置が現在どこにあるかは、モータ基準センサ16が役物駆動モータ41の基準位置を検出してからの役物駆動モータ41の駆動ステップ数によって特定することができる。このため、役物11の基準位置と役物駆動モータ41の基準位置を異なるものとしても、全く問題となることがない。
さらに、パチンコ遊技機1の電源を投入したときや、リセットしたときには、役物駆動モータ41の基準位置をモータ基準センサ16により検出してから、役物11の基準位置が原点に戻るまで役物駆動モータ41を駆動させる復帰制御を行っている。このため、役物11の基準位置がどこにあるか分からず、位置ずれが生じた状態で役物11を回転駆動することによる演出が行われないようにすることができる。
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
上記の実施の形態では、復帰制御を開始する際において役物11の基準位置がどの位置にあるかに従って、復帰制御の回転方向を決めるものとしていた。これに対して、復帰制御を開始する直前までの役物11の回転方向と同じ方向に、復帰制御の回転方向を決めるものとしてもよい。これにより、自然な見た目となる。この場合でも復帰制御を開始する直前に役物11が停止していたときには、上記の実施の形態と同様にして復帰制御の回転方向を決めるものとすることができる。
また、役物駆動モータ41によっては、左回りから右回りに回転方向を切り替えるとき、或いは右回りから左回りに回転方向を切り替えるとき、一定期間停止状態とする必要がある場合がある。この場合には、復帰制御を開始する際における役物11の基準位置がどの位置にあるかだけに従って復帰制御の回転方向を決めたのでは、必ずしも基準位置が原点まで戻る時間が早くなるとは限らない。そこで、復帰制御を開始する直前までの役物11の回転方向と基準位置が存在する位置の両方に従って、復帰制御の回転方向を決めることで、役物11の基準位置を最も早く原点まで戻すことができるようになる。
図19は、この変形例において役物11の復帰制御にいずれの制御方法を選択するかを説明する図である。ここでは、復帰制御を開始する直前までの役物11の回転方向の別に、右回りでの復帰制御の方が基準位置が原点に復帰するまでの時間が短くなる範囲と、左回りでの復帰制御の方が時間が短くなる範囲とが予め設定されている。復帰制御を開始する際には、回転方向と基準位置の存する位置、及び設定された範囲に従って復帰制御の時間が短くなる回転方向を判定し、復帰制御の時間が短くなると判定した回転方向を選択することができる。
図19(a)及び(b)では、位置だけで考えると、役物11の基準位置は左回りの方が原点まで近い位置にある。図19(a)では、役物11が左回りで回転していて左回りの方が時間が短い範囲にあるので、そのまま左回りで復帰制御が行われる。一方、図19(b)では、位置的には左回りの方が近くても、役物11が右回りで回転していて右回りの方が時間が短い範囲にあるので、そのまま右回りで復帰制御が行われる。
一方、図19(c)及び(d)では、位置だけで考えると、役物11の基準位置は右回りの方が原点まで近い位置にある。図19(c)では、位置的には右回りの方が近くても、役物11が左回りで回転していて左回りの方が時間が短い範囲にあるので、そのまま左回りで復帰制御が行われる。一方、図19(d)では、役物11が右回りで回転していて右回りの方が時間短い範囲にあるので、そのまま右回りで復帰制御が行われる。
なお、復帰制御を開始する直前まで役物11が停止していた場合は、上記の実施の形態と同様にして復帰制御の回転方向を決めることで、復帰制御の時間が短くなる回転方向を選択することができる。また、図19では、説明を分かり易くするため、役物11の回転方向の別に、右回りでの復帰制御の方が基準位置が原点に復帰するまでの時間が短くなる範囲と、左回りでの復帰制御の方が時間が短くなる範囲とが予め設定されているものとしていたが、役物駆動モータ41についてこのような範囲を予め設定しておくものとすることができる。
以上示したいずれの方法により復帰制御の回転方向を選択する場合でも、右回りによる復帰制御と左回りの復帰制御とのいずれを選択するかの選択条件(距離の近い方を選択するか、時間の短い方を選択するか、回転方向に応じた選択をするか等)をROM113に記憶しておくことができる。復帰制御を行う際には、CPU111は、ROM113に記憶された選択条件を参照し、この選択条件に応じて、役物駆動モータ41の復帰制御用の駆動データとして、右回りのものか左回りのものかのいずれかを選択してをRAM112に設定し、復帰制御を行わせることができる。このように右回りの復帰制御と左回りの復帰制御とのいずれかを任意に選択できるようにすることで、復帰制御の融通性が高まることとなる。
上記の実施の形態では、復帰制御により役物11の基準位置が原点に戻ると、その時点から直ぐに再生されている楽曲に合わせて役物11が駆動されるものとしていた。これに対して、復帰制御が行われた特図ゲームが終了するまでは、楽曲に合わせて役物11を駆動しないものとすることができる。また、1つのパートの再生が終了するまでは、楽曲に合わせて役物11を駆動しないものとすることもでき、新たなパートの再生を開始するときに、楽曲に合わせて役物11の駆動を開始させることもできる。
上記の実施の形態では、役物11は、役物駆動モータ41が回転駆動することで、駆動機構を介して回転駆動されるものとしていた。役物11と役物駆動モータ41の回転比は、2:1で異なっていた。これに対して、役物11と役物駆動モータ41の回転比を同じとしてもよく、その場合には、役物11の回転軸を役物駆動モータ41の軸に直接取り付けることができる。また、役物駆動モータ41の基準位置と役物11の基準位置とが異なるものとなっていたが、役物駆動モータ41の基準位置が原点にあるときには、必ず役物11の基準位置も原点にあるものと設定することもできる。この場合には、役物11の基準位置がどの位置にあるかを判定し易くなる。
役物11は、再生されている楽曲に同期して駆動されるものであったが、楽曲と同期して駆動することを考えるのであれば、回転駆動されるものでなくてもよい。例えば、左右方向或いは上下方向の直線上で往復して駆動されるものであってもよい。直線上で往復して駆動される役物では、駆動手段そのものが直線上で往復して駆動されるものであってもよいが、駆動機構の構造により役物駆動モータ41により駆動させることも可能である。さらには、直線上で往復して駆動される駆動手段から駆動機構を介することによって、役物を回転駆動させることもできる。
上記の実施の形態では、ADP126は、特定楽曲の再生を開始するとき、設定された再生音量のレベルでそのまま開始させるものとしていたが、フェードインさせて再生開始してもよい。再生を停止するときも、そのまま再生を停止してしまうものとしていたが、フェードアウトさせて再生停止してもよい。特定楽曲からリーチ楽曲へ切り替えるとき、リーチ楽曲から特定楽曲へ切り替えるときに、先に再生されている楽曲をフェードアウトさせると共に、後から再生する楽曲をフェードインさせてもよい。これにより、遊技者は、より自然に再生されている楽曲を聴くことができる。
上記の実施の形態では、役物11の駆動態様は、再生されている楽曲に同期したものであったが、特図ゲームが複数回連続して行われたとしても、変化することはなかった。これに対して、特定楽曲が継続して再生されている間における特図ゲームの連続実行回数をカウントし、このカウント値に従って、例えば役物11の駆動の大きさをより大きくするなどして、駆動態様を変化させてもよい。さらに、このカウント値に従って再生されている特定楽曲に音を追加していくなどして、特定楽曲の再生態様を変化させていくものとしてもよい。これにより、演出効果が高まると共に、特図ゲームが連続して行われるのに従って遊技者の期待感をより高めることができるようになり、遊技の興趣を向上させることができる。
上記の実施の形態では、保留記憶数が1から0に変化するか、0から1に変化したときに、楽曲の再生音量のレベルを変化させるものとしていた。これに対して、保留記憶数が多くなっているとき(例えば特図ゲームの開始時において実行開始するものを含めて4以上となっているとき)、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示の時間が短縮される時短制御が行われるパチンコ遊技機もある。このように特図ゲームの時短制御が行われた場合は、再生する楽曲のテンポを変化させるようにしてもよい。これにより、楽曲の再生態様を特図ゲームの実行態様と同期させることができ、時短制御が行われている程に保留記憶数が多くなっていることを遊技者に分かり易く報知できると共に、演出効果を高めることができる。
また、楽曲の再生音量のレベルを変化させたり、テンポを変化させたりするのは、楽曲の各パートの先頭から行うものとしてもよい。例えば、Aパート202の再生中に保留記憶数が0から1に変化したときは、その時点で再生音量をUpレベルとはしないが、次にBパート203に移行するときに、再生音量のレベルをUpレベルに変化させるものとすることができる。この場合、楽曲の再生音量が突然変更されないので、遊技者に違和感を与えないで済む。なお、楽曲の再生態様の変化としては、再生音量のレベルの変化や再生テンポの変化に限るものではない。
上記の実施の形態では、役物11の復帰制御を行っているときも、復帰制御が終了して楽曲に同期して役物11の駆動を行う場合と、特定楽曲の再生態様は変わらなかった。これに対して、役物11の復帰制御を行っている間は、例えば、音量を変化させる、特定の音を削除または追加するなどして特定楽曲の再生の態様を変えてもよい。役物11の復帰制御を行っている間に再生される楽曲は、特定楽曲とは異なるものであってもよい。これにより、遊技者は、役物11の復帰制御動作が行われていることが、再生されている楽曲からも分かるようになる。
上記の実施の形態では、特図ゲームが行われているとき(リーチ発生時を除く)に再生される特定楽曲は、通常の遊技状態でも確率変動状態でも同じものであり、ただ新たな特図ゲームが開始する都度、最初から再生を開始させるかどうかということだけが異なっていた。これに対して、通常の遊技状態と確率変動状態とでは異なる特定楽曲を用意しておき、それぞれの遊技状態に応じた特定楽曲を再生するものとすることができる。
また、通常の遊技状態よりも有利な特別遊技状態として確率変動状態の他に時短状態を含むパチンコ遊技機では、時短状態のときにも複数回の特図ゲームにまたがって、特定楽曲が連続して再生されるようにすることができる。この時短状態では、単位時間当たりに特図ゲームが実行される回数が増えるので、通常の遊技状態よりも大当たりが発生し易くなる。その他、普図ゲームの時短、電動チューリップ型役物6の開放延長など、特別図柄始動口5へ遊技球が入賞し易くなる特別遊技状態についても同様である。いずれにしてもこのような特別遊技状態は、通常の遊技状態よりも大当たりが発生し易くなっている遊技状態である。
上記の実施の形態では、確率変動時において特定楽曲の再生と役物11の駆動とが、複数回の連続して行われる特図ゲームの間にまたがって継続して行われるものとしていた。しかしながら、特定楽曲の再生と役物11の駆動以外の演出、例えば装飾ランプ13や遊技効果LED14の発光についても、複数回の特図ゲームの間にまたがって継続して行われるものとしてもよい。また、このように複数回の特図ゲームの間にまたがって継続して演出を行う場合は、確率変動状態にある場合に限らず、通常の遊技状態や、遊技状態として時短状態を含むパチンコ遊技機では時短状態でもよい。
上記の実施の形態では、演出制御基板102により画像の表示、音声の出力及びランプ類の発光を含む全ての演出を制御するように、パチンコ遊技機1の制御回路を構成するものとしていた。これに対して、画像の表示、音声の出力及びランプ類の発光をそれぞれ制御するサブ側の制御基板を別々に設けるものとしてもよい。この場合、サブ側の制御基板同士では、双方向通信によりタイミング制御を行えるようにすることが好ましい。
上記の実施の形態では、LCDにより構成される可変表示部4に画像を表示して、複数種類の特別図柄を可変表示して特図ゲームを行うパチンコ遊技機1に本発明を適用した場合について説明した。これに対して、外周部に複数種類の特別図柄が描かれた複数のリールを回転させることで特別図柄を可変表示して特図ゲームを行うパチンコ遊技機にも適用することができる。或いは、画像やリールの回転により変動される図柄は飾り図柄とし、実際に特図ゲームとして複数種類の特別図柄が可変表示されるのは7セグメント表示器などとしたパチンコ遊技機にも適用することができる。
また、特別図柄(または飾り図柄)を変動させる表示領域は、3つに限るものではなく、2以上の任意の数を適用することができる。大当たり表示態様としては、全ての表示領域に同じ種類の図柄が揃って停止した場合だけでなく、各表示領域に停止した図柄の組み合わせ表示態様が特定の表示態様(例えば、1−2−3の組み合わせなど)となった場合も適用することができる。
いずれにしても、リーチ表示態様とは、複数の表示領域における一部の表示領域において表示結果が未だ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示領域の表示結果が大当たりの組み合わせとなる条件を満たしている表示態様をいう。また、リーチ表示態様として定義されるもののうちには、複数の表示領域の全てで大当たりの組み合わせを保持した状態で可変表示を行っているいわゆる全回転リーチも含まれる。
上記の実施の形態では、プリペイドカードによって球貸しを行うカードリーダ(CR:Card Reader)式の第1種パチンコ遊技機を例にとって説明したが、画像表示装置を有するものであれば、例えば第2種或いは第3種に分類されるパチンコ遊技機や、一般電役機、またはパチコンと呼ばれる確率設定機能付き弾球遊技機等であってもよい。さらには、プリペイドカードによって球貸しを行うCR式パチンコ遊技機(CR機)だけでなく、現金によって球貸しを行うパチンコ遊技機(現金機)にも適用可能である。
さらには、パチンコ遊技機の動作をシミュレーションするゲーム機等に本発明を適用することができる。上記の実施の形態のパチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機では、ゲーム機のCPUが所定のプログラムを実行することにより、上記した遊技機の動きをシミュレーションし、その結果として特別図柄始動口5を通過したと判別したときに、上記と同様の抽選を行い、図柄を可変表示させることができる。このゲーム機のプログラムは、CD−ROMやDVD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納したり、Web上のサーバ装置からゲーム機にダウンロードさせるものとして、ゲーム機とは別に流通させることができる。