JP4578622B2 - 圧力測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電セラミックを圧力検知素子として使用する圧力測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来の圧力測定装置として、例えば、圧電セラミックの端子間の電圧から、該圧電セラミックに作用する圧力を測定するようにしたものがある。
【0003】
かかる圧力測定装置による圧力の測定原理について、図10(a)、(b)及び図11により説明する。なお、図10(a)及び(b)は圧電セラミック61に圧力が作用した状態を示しており、図10(a)は圧力が正方向に作用した場合を、図10(b)は負方向に作用した場合をそれぞれ示し、図11は測定回路の等価回路を示している。
【0004】
図10(a)及び(b)に示すように、圧電セラミック61に圧力Fが作用すると、両電極の表面には極性の異なる電荷が発生し、その発生電荷量qは作用した圧力Fの大きさに比例し、極性は圧力Fの作用方向によって決定される。すなわち、発生電荷量qは、圧電定数をdとすると、(1)式で表される。
【0005】
q=dF ・・・(1)
【0006】
また、圧電セラミック61は、圧力Fによって厚さtが変位し、その厚さtの変位量Δtと発生電荷量qとの関係は、圧電セラミック61の面積をA、ヤング率をY(Y=Ft/AΔt)とすると、(2)式で示すようになる。
【0007】
q=d(AY/t)Δt ・・・(2)
ここで、圧電セラミック61の電極間に発生する電圧Vは、V=q/Cで表され、電極間容量CはC=εA/tで表されるので、出力電圧Voは(3)式で示すようになる。
【0008】
Vo=(dt/εA)F=g(t/A)F=gtp ・・・(3)
g:定数(d/ε)、p:圧力(F/A)
上記(3)式から、圧電セラミック61自体は、圧力Fの計測に理想的な特性を示すことがわかる。
【0009】
ところで、上記の出力電圧Voを増幅して取り出すには、圧電セラミック61の電極間の抵抗が高抵抗であるため、圧電セラミック61の抵抗と同程度以上の入力抵抗を有する増幅器を用いる必要がある。そこで、従来は、図11に示すように、入力段に接合型あるいはMOS型の電界効果型トランジスタ(FET)を有する電荷増幅器62が一般に用いられている。
【0010】
図11において、電荷増幅器62は原理的には演算増幅器であるので、入力電圧をei 、出力電圧をeo 、演算増幅器の増幅率を−A、フィードバック容量CF に蓄積される電荷をqF 、圧電セラミックの内部容量Co と接続ケーブル等の分布容量Cc に蓄積される電荷をqo として、フィードバック抵抗RF を無視すると、圧電セラミックから発生する電荷は、すべて入力容量(Co +Cc )とフィードバック容量CF に蓄積されることになる。従って、
eo =−Aei ,ei −eo =qF /CF ,ei =qo /(Co +Cc )
の関係から、
qo =qF (Co +Cc )/{CF (1+A)} ・・・(4)
ei =qF /{CF (1+A)} ・・・(5)
eo =−qF /{CF (1+1/A)} ・・・(6)
となる。
【0011】
また、増幅率Aが、A≫1ならば、
qo ≒0,ei ≒0,eo ≒qF /CF
となる。すなわち、入力電圧ei は常にゼロとなり、圧電セラミックからの電荷(qo +qF )はフィードバック容量CF に蓄積される電荷qF に等しいと見做すことができる。従って、出力電圧eo は、圧電セラミックに発生する電荷qに比例する。
【0012】
なお、図11においてフィードバック抵抗RF は、微小電流がフィードバック容量CF に流れてその端子間に直流電圧が発生し、それに伴って演算増幅器62の動作点が徐々に移動(ドリフト)して、最終的に演算増幅器62の出力が飽和するのを防止するように作用するが、他方では、これらフィードバック抵抗RF 及びフィードバック容量CF の時定数によって、演算増幅器62の遮断周波数fc が下記の(7)式によって支配されることになる。
【0013】
fc =1/2πCF RF ・・・(7)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したように電荷増幅器を用いる場合には、特に静的な圧力の測定や、ごく緩やかに変動する圧力の測定が困難となる。これは、圧電セラミックの接続ケーブルや増幅器入力回路の絶縁抵抗によるもので、特に湿度等の周囲の環境に支配される。
【0015】
例えば、図11に示した等価回路において、絶縁抵抗をRin、時間をTとすると、増幅器の出力電圧eo は(8)式のようになる。
【0016】
【数1】
上式から明らかなように、圧電セラミックにステップ状に変化する圧力が加わると、出力電圧eo は圧力の変化時点で圧力の大きさに応じてステップ状に変化するが、その後、時定数τで指数関数的に降下することになる。このため、特に小さな圧力を測定する場合には、増幅器の感度を高く設定するためにフィードバック容量CF の値を小さくすることから、出力電圧eo の電圧降下が速くなり、静的な圧力の測定が困難となる。
【0017】
以上のように、圧電セラミックを用いる従来の圧力測定装置は、圧力の変化に対しては高感度かつ高応答性を有するが、圧電セラミックに一定圧力を加えて長時間放置すると、出力電圧eo が降下してやがて感度が得られなくなるため、結果として、脈動する圧力の測定にしか適用できず、その応用範囲が限定されることになる。
【0018】
このため、例えば、ディーゼルエンジンの排気ガス中に含まれるパティキュレートを除去するパティキュレートフィルタの目詰まり状態を推定するために、パティキュレートフィルタ内における排気ガスの排気圧力を測定する場合には、目詰まりの進行に従って排気圧力が緩やかに増加するために適用できないことになる。
【0019】
従って、かかる点に鑑みてなされた本発明の目的は、脈動する圧力は勿論のこと、静的な圧力も高感度で測定できる汎用性に優れた圧力測定装置を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する請求項1に記載の圧力測定装置の発明は、温度補償用圧電セラミック及び第1の抵抗素子を有する第1の直列回路と、圧力検出用圧電セラミック及び第2の抵抗素子を有する第2の直列回路と、上記第1の直列回路に上記所定周波数の交番電圧を印加すると共に、その温度補償用圧電セラミックの端子間の電圧に基づく交番電圧を上記第2の直列回路に印加する交番電圧印加手段と、上記温度補償用圧電セラミックの端子間の電圧を検出する第1の電圧検出手段と、上記圧力検出用圧電セラミックの端子間の電圧を検出する第2の電圧検出手段と、上記第1の電圧検出手段の出力と第2の電圧検出手段の出力との差を演算する演算手段とを有し、上記演算手段の出力に基づいて上記圧力検出用圧電セラミックに作用する圧力を測定するよう構成したことを特徴とする。
【0025】
請求項1の発明によると、温度補償用圧電セラミックには第1の抵抗素子を介して交番電圧が印加され、圧力検出用圧電セラミックにも第2の抵抗素子を介して交番電圧が印加されるので、第1及び第2の電圧検出手段としてそれぞれ交流増幅器を用いることができると共に、その入力抵抗も小さくできる。また、圧力検出用圧電セラミックには、温度補償用圧電セラミックの端子間の電圧は温度変化に基づく交番電圧が第2の抵抗素子を介して印加され、これにより第2の電圧検出手段からは、圧力に応じた電圧に、温度(焦電効果)による変動分が重畳された出力が得られ、また、第1の電圧検出手段と第2の電圧検出手段の出力の温度特性の傾きがほぼ同じなので、演算手段で第1の電圧検出手段の出力と第2の電圧検出手段の出力との差を演算すれば、焦電効果による出力変動を相殺除去することができる。従って、周囲温度に影響されることなく、脈動する圧力は勿論のこと、静的な圧力も高感度、かつ高精度で測定することが可能となる。
【0026】
請求項2に記載の発明は、請求項1の圧力測定装置において、上記温度補償用圧電セラミック及び上記圧力検出用圧電セラミックをそれぞれほぼ同一形状の弾性部材に貼着し、上記圧力検出用圧電セラミックを含む上記弾性部材の固有振動数または該固有振動数近傍の周波数を上記所定周波数としたことを特徴とする。
【0027】
請求項2の発明によると、温度補償用圧電セラミック及び圧力検出用圧電セラミックはそれぞれほぼ同一形状の弾性部材に貼着されて、圧力検出用圧電セラミックを含む弾性部材の固有振動数またはその近傍の周波数の交番電圧が印加されるので、圧力が作用した際の変位量が大きくなり、これにより弾性的ひずみが増加して圧電体の分極が増え、その結果、電気容量が増加して容量インピーダンス値がより小さくなる。従って、第1及び第2の電圧検出手段の入力抵抗に特別の配慮が不要になると共に、圧力をより高感度で測定することが可能となる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による圧力測定装置の実施の形態について、図1乃至図7によって説明する。
【0029】
(参考例)
図1乃至図3は、本発明による圧力測定装置の参考例を説明するための図で、図1は原理的回路構成図、図2(a)及び(b)は圧電セラミックの弾性部材への貼着態様を示す平面図及び正面図、図3は圧電セラミックのインピーダンス値の周波数特性を示す図である。
【0030】
参考例では、図1に示すように、圧電セラミック1に直列に抵抗素子2を接続して、この直列回路に発振回路(交番電圧印加手段)3から所定周波数の交番電圧を印加し、その圧電セラミック1の端子間の電圧を電圧検出器(電圧検出手段)4で検出して、その検出電圧に基づいて圧電セラミック1に作用する圧力を測定する。なお、検出感度や直線性は印加する交番電圧の周波数に依存する。
【0031】
圧電セラミック1は弾性部材に貼着して、該弾性部材を圧電セラミック1が拘束なく自由に変形できるように支持する。ここで、弾性部材は、その厚みが厚すぎると感度が低下し、薄すぎると瞬間的な感度は良くなるが、検出すべき圧力による物理的な歪みが時間の経過によって元に戻ってしまうため、適宜の厚さとする。例えば、図2(a)及び(b)に示すように、弾性部材5として燐青銅を用いる場合には、直径40mm、厚さ0.2mmの円板状とし、その一方の表面に直径30mm、厚さ0.3mmの圧電セラミック1を同心円状に貼着する。また、抵抗素子2は、発振回路3からの交番電圧の周波数を共振時および共振近傍したとき圧電セラミック1のインピーダンス値よりも充分大きな抵抗値を有するものを用いる。
【0032】
図3は、参考までに圧電セラミック1のインピーダンス値の周波数特性を示すもので、図1に示す構成において、発振回路3からの交番電圧の周波数を10Hzから100kHzまで掃引したときの、圧電セラミック1のインピーダンス値の変化をパワーレベルで示したものである。この場合の共振周波数は約52.6kHz付近であり、反共振点は約55.0kHz付近に現れている。
【0033】
ここで、発振回路3によって圧電セラミック1に印加する交番電圧の周波数を圧電セラミック1の共振周波数とすると、脈動する圧力は測定できても、静的な圧力の場合には電圧検出器4の出力が元に戻ってしまうので、圧電セラミック1の共振周波数を外して設定する。
【0034】
参考例では、この交番電圧の周波数を、圧電セラミック1の共振周波数よりも十分低い周波数で、圧電セラミック1を貼着した状態での弾性部材5の固有振動数またはその近傍の周波数に設定する。このように交番電圧の周波数を設定して圧電セラミック1に印加すると、圧力が作用した際の変位量が大きくなり、これにより圧電セラミック1の弾性的ひずみが増加して圧電体の分極が増え、その結果、圧電セラミック1の電気容量が増加して容量インピーダンス値がより小さくなり、固有振動数では電気容量がピークに達して容量インピーダンス値は最小値となる。
【0035】
このように、参考例によると、圧電セラミック1に交番電圧を印加してその端子間の電圧を電圧検出器4で検出するので、電圧検出器4として交流増幅器を用いることができ、しかも圧電セラミック1の容量インピーダンス値を充分小さくできるので、電圧検出器4の入力抵抗に特別の配慮を要することなく、脈動する圧力は勿論のこと、静的な圧力も高感度かつ高応答性で測定することができる。
【0036】
(実施の形態)
図4乃至図7は、本発明による圧力測定装置の実施の形態を説明するための図で、図4は原理的な回路構成図、図5は温度補償用圧電セラミック及び圧力検出用圧電セラミックを有する検出部の一例の構成を示す断面図、図6は温度補償用圧電セラミック及び圧力検出用圧電セラミックの温度特性を示す図、図7は具体的な回路構成を示すブロック図である。
【0037】
本実施の形態は、圧電セラミックの焦電効果を補償するようにしたもので、図4に示すように、温度補償用圧電セラミック11と第1の抵抗素子12とを直列接続して第1の直列回路を構成すると共に、圧力検出用圧電セラミック13と第2の抵抗素子14とを直列接続して第2の直列回路を構成し、第1の直列回路を発振回路15に接続して所定周波数の交番電圧を印加し、第2の直列回路は温度補償用圧電セラミック11と並列に接続して、温度補償用圧電セラミック11の端子間の電圧V1を印加する。
【0038】
なお、第1の抵抗素子12は、発振回路15からの交番電圧の周波数における温度補償用圧電セラミック11のインピーダンス値よりも大きな抵抗値を有するものを用い、同様に、第2の抵抗素子14も、発振回路15からの交番電圧の周波数における圧力検出用圧電セラミック13のインピーダンス値よりも大きな抵抗値を有するものを用いる。
【0039】
また、温度補償用圧電セラミック11の端子間の電圧V1は第1の電圧検出器16で検出し、圧力検出用圧電セラミック13の端子間の電圧V2は第2の電圧検出器17で検出して、これら第1の電圧検出器16の出力V1と第2の電圧検出器17の出力V2との差を演算回路18で演算し、この演算回路18の出力に基づいて圧力検出用圧電セラミック13に作用する圧力を測定する。
【0040】
温度補償用圧電セラミック11及び圧力検出用圧電セラミック13は、それぞれの圧電定数をできる限り一致させるために、同一の圧電材料で形成してそれぞれほぼ同一形状の弾性部材に貼着する。例えば、各弾性部材として燐青銅を用いる場合には、図2で説明したと同様に、それぞれ直径40mm、厚さ0.2mmの円板状の燐青銅の一方の表面に、直径30mm、厚さ0.3mmの温度補償用圧電セラミック11及び圧力検出用圧電セラミック13をそれぞれ同心円状に貼着する。
【0041】
これら温度補償用圧電セラミック11及び圧力検出用圧電セラミック13は、図5に示すように検出部21に接近して配置する。検出部21には、有底の円筒状のケース22を設け、このケース22の底部に圧力検出口23を形成する。ケース22には、その内部に圧力検出口23と対向して弾性部材24に貼着した圧力検出用圧電セラミック13を配置すると共に、この圧力検出用圧電セラミック13とスペーサ25を介して対向して弾性部材24に貼着した温度補償用圧電セラミック11を配置し、ケース22の開口部はコネクタ26を取り付けた蓋27には大気圧に開放する孔加工を施してこれで閉塞する。なお、温度補償用圧電セラミック11及び圧力検出用圧電セラミック13は、それぞれの弾性部材24の両面周縁部をOリング28で挟持する。
【0042】
これにより、温度補償用圧電セラミック11及び圧力検出用圧電セラミック13を、それぞれ拘束なく自由に変形でき、かつ圧力検出用圧電セラミック13のみに測定すべき圧力が作用するように、検出部21のケース22の内部に支持して、それぞれの電極をコネクタ26の対応する端子に接続する。
【0043】
また、発振回路15から出力する交番電圧の周波数は、上記参考例と同様に、圧力検出用圧電セラミック13の共振周波数よりも十分低い周波数で、圧力検出用圧電セラミック13を貼着した状態での弾性部材24の固有振動数またはその近傍の周波数とする。
【0044】
このようにして、発振回路15からの交番電圧を第1の抵抗素子12を介して温度補償用圧電セラミック11に印加し、この温度補償用圧電セラミック11の端子間の交番電圧を第2の抵抗素子14を介して圧力検出用圧電セラミック13に印加すると、第2の電圧検出器17からは、圧力に応じた電圧に、温度(焦電効果)による変動分が重畳された出力が得られるので、演算回路18で第1の電圧検出器16の出力V1と第2の電圧検出器17の出力V2との差を演算すれば、焦電効果による出力変動を相殺除去することができ、周囲温度に影響されることなく、脈動する圧力は勿論のこと、静的な圧力も高感度、かつ高精度で測定することができる。
【0045】
図6は、上記構成において、検出部21を恒温槽に入れ、発振回路15の発振周波数を1.0kHzとし、恒温槽の温度を変化させた場合の温度補償用圧電セラミック11及び圧力検出用圧電セラミック13の温度特性、すなわち第1の電圧検出器16の出力V1及び第2の電圧検出器17の出力V2の変化を示している。図6から明らかなように、温度補償用圧電セラミック11及び圧力検出用圧電セラミック13の温度特性の傾きには大きな差異がないので、両出力のレベルが一致するように、いずれか一方の出力に直流のバイアス電圧を加えれば、焦電効果による出力変動をほぼ完全に相殺除去することができ、圧力をより高精度で測定できることがわかる。
【0046】
図7に示す実施の形態の具体的回路構成では、発振回路15から出力される所定周波数の交番電圧を増幅回路31で所定の振幅に増幅して、第1の抵抗素子12を経て温度補償用圧電セラミック11に印加し、この温度補償用圧電セラミック11の端子間の出力V1を、増幅回路32で増幅して第2の抵抗素子14を経て圧力検出用圧電セラミック13に印加すると共に、増幅回路33で増幅した後、交流(AC)−直流(DC)変換回路34で直流に変換して演算回路18の一方の入力端子に供給する。
【0047】
また、圧力検出用圧電セラミック13の端子間の出力V2は、AC−DC変換回路35で直流に変換して演算回路36に供給し、ここで温度補償用圧電セラミック11と圧力検出用圧電セラミック13との温度特性を揃えるための所要のバイアス電圧を加算して演算回路18の他方の入力端子に供給し、演算回路18においてAC−DC変換回路34の出力(V1に相当)と演算回路36の出力(V2に相当)とを差動増幅して、その出力に基づいて圧力検出用圧電セラミック13に作用する圧力を測定する。
【0048】
なお、図7において、発振回路15、増幅回路31及び増幅回路32は交番電圧印加手段を構成し、増幅回路33及びAC−DC変換回路34は第1の電圧検出手段を構成し、AC−DC変換回路35及び演算回路36は第2の電圧検出手段を構成する。
【0049】
次に、本発明による圧力測定装置をディーゼルエンジンの排気経路に設けられたパティキュレートフィルタの目詰まり検出に応用した場合について図8及び図9によって説明する。
【0050】
図8は、排ガス浄化装置を有するタイプのもので、ディーゼルエンジン(E/G)41からの排ガスは、触媒を有する排ガス浄化装置42で浄化され、更に、パティキュレートフィルタ43でパティキュレートが補集された後、マフラ44及び配管45を経て排出されるようになっている。この例では、パティキュレートフィルタ43に圧力検出装置の圧電セラミックを有する検出部46(例えば、第2実施の形態の検出部21)を取り付け、この検出部46に接続される圧力測定回路部は、例えば電子制御ユニット(ECC)47に設けてパティキュレートフィルタ43内の排気ガスの圧力を測定し、その測定値とディーゼルエンジン41の運転状態からフィルタの目詰まりが許容限界値に達したのを検出して、フィルタの再生動作を行わせたり、あるいはランプやブザー等の警報装置を駆動してフィルタの交換を促すようにする。
【0051】
この例によると、パティキュレートフィルタ43の目詰まりの進行による排気圧力の緩やかな増加を高感度で検出できるので、フィルタの再生動作や交換を適切に行うことが可能となり、これによりディーゼルエンジン41の運転効率の低下及び環境汚染を有効に防止することができる。
【0052】
図9は、燃料に白金添加剤等の触媒金属を添加するタイプのもので、ディーゼルエンジン41からの排ガスは、パティキュレートフィルタ43でパティキュレートが補集され、配管45から排出されるようになっている。この例では、図8と同様に、パティキュレートフィルタ43に圧力検出装置の圧電セラミックを有する検出部46を取り付け、この検出部46に接続される圧力測定回路部はECC47に設けてパティキュレートフィルタ43内の排気ガスの圧力を測定する。
【0053】
また、触媒金属51は触媒タンク52に収容して、触媒タンク52と燃料タンク53とを電磁弁54を介して連結し、この電磁弁54をECC47により、圧力測定装置によるパティキュレートフィルタ43内の測定圧力、及び燃料タンク53に設けられている液面センサ55の出力に基づいて開閉制御して、燃料タンク53に触媒金属51を供給する。
【0054】
すなわち、圧力測定装置による測定値からパティキュレートフィルタ43の目詰まりが許容限界値に達したのを検出したら、例えば液面センサ55による燃料タンク53内の液面が所定の範囲にある状態で、電磁弁54を開として一定量の触媒金属51を燃料タンク53内に供給する。これにより触媒金属51をディーゼルエンジン41を経てパティキュレートフィルタ43に供給してその再生開始温度を低下させ、フィルタを再生する。
【0055】
この例によると、従来、触媒金属51を手動で燃料タンク53に直接添加していたのを、圧力測定装置によるパティキュレートフィルタ43の圧力検出に基づいて自動的に添加できるので、フィルタを効率良く再生することができ、図8の例と同様に、ディーゼルエンジン41の運転効率の低下及び環境汚染を有効に防止することができる。
【0057】
【発明の効果】
以上説明した圧力測定装置の発明によれば、温度補償用圧電セラミックに第1の抵抗素子を介して交番電圧を印加し、この温度補償用圧電セラミックの端子間の電圧に基づく交番電圧を、圧力検出用圧電セラミックに第2の抵抗素子を介して印加して、両圧電セラミックの端子間電圧の差に基づいて圧力検出用圧電セラミックに作用する圧力を測定するので、更に両圧電セラミックの焦電効果による出力変動を相殺除去でき、周囲温度に影響されることなく、圧力を高感度かつ高精度で測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る圧力測定装置の参考例の原理的回路構成図である。
【図2】 図1に示す圧電セラミックの弾性部材への貼着態様を示す平面図及び正面図である。
【図3】 同じく、圧電セラミックのインピーダンス値の周波数特性を示す図である。
【図4】 本発明による圧力測定装置の実施の形態の原理的回路構成図である。
【図5】 図4に示す温度補償用圧電セラミック及び圧力検出用圧電セラミックを有する検出部の一例の構成を示す断面図である。
【図6】 同じく、温度補償用圧電セラミック及び圧力検出用圧電セラミックの温度特性を示す図である。
【図7】 実施の形態の具体的な回路構成を示すブロック図である。
【図8】 本発明による圧力測定装置の応用例を示す図である。
【図9】 同じく、本発明による圧力測定装置の応用例を示す図である。
【図10】 圧電セラミックを用いる圧力の測定原理を説明するための図である。
【図11】 従来の圧力測定装置の等価回路図である。
【符号の説明】
1 圧電セラミック
2 抵抗素子
3 発振回路(交番電圧印加手段)
4 電圧検出器(電圧検出手段)
5 弾性部材
11 温度補償用圧電セラミック
12 第1の抵抗素子
13 圧力検出用圧電セラミック
14 第2の抵抗素子
15 発振回路
16 第1の電圧検出器
17 第2の電圧検出器
18 演算回路
21 検出部
22 ケース
23 圧力検出口
24 弾性部材
25 スペーサ
26 コネクタ
27 蓋
28 Oリング
31、32、33 増幅回路
34、35 AC−DC変換回路
36 演算回路
Claims (2)
- 温度補償用圧電セラミック及び第1の抵抗素子を有する第1の直列回路と、圧力検出用圧電セラミック及び第2の抵抗素子を有する第2の直列回路と、
上記第1の直列回路に上記所定周波数の交番電圧を印加すると共に、その温度補償用圧電セラミックの端子間の電圧に基づく交番電圧を上記第2の直列回路に印加する交番電圧印加手段と、
上記温度補償用圧電セラミックの端子間の電圧を検出する第1の電圧検出手段と、
上記圧力検出用圧電セラミックの端子間の電圧を検出する第2の電圧検出手段と、
上記第1の電圧検出手段の出力と第2の電圧検出手段の出力との差を演算する演算手段とを有し、
上記演算手段の出力に基づいて上記圧力検出用圧電セラミックに作用する圧力を測定するよう構成したことを特徴とする圧力測定装置。 - 上記温度補償用圧電セラミック及び上記圧力検出用圧電セラミックをそれぞれほぼ同一形状の弾性部材に貼着し、上記圧力検出用圧電セラミックを含む上記弾性部材の固有振動数または該固有振動数近傍の周波数を上記所定周波数としたことを特徴とする請求項1に記載の圧力測定装置。
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---|---|---|---|
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