JP4577152B2 - 印字装置 - Google Patents
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Description
このようなドットインパクト方式の印字装置では、インクリボンのインク含浸量(供給量)に応じて印字濃度が変化する。そして、印字装置では、インクリボンを一定の速度で送るようにしているため、印字される文字の種類(半角文字、全角文字、太字など)や印字ヘッドによる印字速度に応じて消費されるインクの量が変化し、印字濃度を安定化させることができない場合がある。
本発明は上述した点に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、印字濃度の安定化を安価な構成によって実現することが可能な印字装置を提供することにある。
なお、捨て印字とは、プリント情報とは別に、内容自体に特に意味が無い文字や記号を記録材料に印字することをいう。
この結果、インクの供給過多による裏写りや浮きによる他の部分への転写の防止を、安価な構成によって実現することが可能となる。
またここでは、プリント情報を印字した際に用いられたドット数が所定の閾値未満である場合に捨て印字が実行されるように制御する。
これにより、インクの供給量と消費量とのバランスを保つことができ、プリント情報の印字濃度を適正な状態で維持することが可能となる。
定可能である。
ここでは、印字に要したドット数が所定の閾値未満である場合に捨て印字が実行される制御において、この閾値の値を任意に設定することが可能である。
ここでは、濃度の安定化を図るための捨て印字がプリント部とプリント部との間のマージン部分に対して実行されるように制御する。
通常、画像が形成されるプリント部と隣接するプリント部との間に設けられたマージン部分は、プリントサイズに整形される際に切断されて廃棄されている。
これにより、捨て印字を実行するために余分な記録材料を消費することなく、最終的に廃棄されるマージン部分を有効利用して捨て印字を実行することが可能となるのでコストの上昇を抑えることができる。
ここでは、捨て印字の開始が、外部からの入力、例えば、オペレータがタッチパネルのタッチ操作等によって指示することで実行される。
ここで、オペレータの指示入力の方法としては、例えば、GUI化されたタッチパネル対応のディスプレイをタッチ操作する他、マウス等のポインティングデバイスによって操作を行うことも可能である。
これにより、オペレータは、例えば、記録材料に印字されるプリント情報のインク濃度の状態を目視で確認しながら適宜捨て印字を実行させることができる。
ここでは、周波数制御されるパルスモータ等の高価なモータよりも安価なDCモータを採用している。なお、DCモータは安価なモータの例として挙げたものであり、他のモータでも代用できる
これにより、印字濃度の安定化を安価なモータによって実現することが可能になる。
第2の発明に係る印字装置によれば、オペレータは、実際に印字されるインク濃度を確認しながら適宜、閾値を設定することができる。
第4の発明に係る印字装置によれば、オペレータは、例えば、記録材料に印字されるプリント情報のインク濃度の状態を目視で確認しながら適宜、捨て印字を実行させることができる。
[プリントステーション3の構成]
本発明の一実施形態に係るプリントステーション3は、図1に示すように、ケーブル4を介して接続された操作ステーション2から受信したプリントデータに基づいて、印画紙Pを搬送しながら印画紙Pに対して露光処理および現像処理を行って写真プリント画像を形成する写真処理装置1である。
印字ユニット12は、印画紙搬送機構18と隣接する位置に配置されており、画像が形成される印画紙Pの裏面側に、色補正情報やコマ番号等のプリント処理情報の印字を行う。ここでの印字ユニット12とは、カセット式のものが採用されており、インクが無くなると新しいものと交換して用いることになる。
プリント露光部14は、印字ユニット12の下流側における印画紙搬送機構18に隣接
するように配置されており、プリントサイズに切断された印画紙Pの表面に対して、プリントする撮影画像の露光を行う。また、プリント露光部14には、副走査方向に搬送される印画紙Pに対して主走査方向に沿ってRGBの3色のレーザ光線を照射する図示しないライン露光ヘッドを有している。
ソータ17は、プリントステーション3の前面側に鉛直方向に複数のトレイを並べた状態で配置されており、コンベア16によって搬送されるプリント済の印画紙Pを、オーダー単位で各トレイに振り分ける(図1参照)。
圧接搬送ローラ対18bは、2つのローラを組み合わせて構成されており、2つのローラの間の隙間に印画紙Pを挟み込んで回転することで印画紙Pを下流側へと搬送する。
制御ユニット19は、図1に示すように、操作ステーション2に設けられており、各種プリント処理に関する制御や印字に関する制御を行う。この制御ユニット19は、図3に示すように、オペレータ等によるキーボード20(図1参照)やマウス21(図1参照)を介した入力を受け付けたり、モニタ22(図1参照)に各種制御状態等を表示させる。具体的には、制御ユニット19は、CPU19a、RAM19b、ROM19c等を備えており、これらが相互に機能することで各種制御が行われる。
また、キーボード20は、印字ユニット12による印字濃度や印画紙Pのサイズ、プリント枚数、プリント時の色および濃度の補正値などを制御ユニット19に対して入力する際に用いられる。
次に、上述したカセット式の印字ユニット12の概略的な構成について、図3を参照して詳細に説明する。
印字ユニット12は、印画紙Pの裏面に黒色インクを用いて印字を施すためのドットインパクト方式の印字装置である。この印字ユニット12は、図3に示すように、主として、印字ヘッド31、プラテン32、インクリボン33、駆動ローラ34、押圧ローラ35およびDCモータ(搬送部)41等を備えている。
この印字ユニット12では、図3に示すように、印字ヘッド31とプラテン32との間には、環状に連結されたインクリボン33が印字ヘッド31と対向する部分を有するように配置されている。インクリボン33は布状の材料にインクを含浸させたものである。
DCモータ41は、制御ユニット19によってモータドライバ(図示せず)を介して所定のMAX回転数で駆動されるモータである。このDCモータ41は、高価なパルスモータのように複雑な周波数制御されるものではなく、単純なON状態とOFF状態との2つの状態によって制御される安価な構成のモータである。
<捨て印字実行有無の判定>
本実施例のプリントステーション3では、1枚あたりのプリント情報の印字に実際に用いられたドット数の割合R(以下、ドット数の割合Rと示す)に対して、閾値(任意に設定することができるドット数の割合)が設定されている。そして、制御ユニット19は、前述のドット数の割合Rと閾値とを比較して捨て印字の実行有無を判断する。具体的には、図6に示すように、1枚目のプリント情報の印字に用いられたドット数の割合Rが前述の閾値に満たない場合、制御ユニット19は、隣接するマージン部分(実プリント部の1枚目と2枚目との間の部分)に対して捨て印字を実行させるように印字ヘッド31を制御する。反対に、1枚目のプリント情報の印字に用いられたドット数の割合Rが前述の閾値以上であれば、制御ユニット19は、捨て印字を実行させないように印字ヘッド31を制御する。
R=(1枚あたりのプリント情報の印字に実際に用いられたドット数)×100/(1枚あたりのプリント情報の文字数×印字ヘッドを構成するピンの数)・・・式(1)
前述の閾値は、モニタ22に表示される閾値設定画面50で任意に設定することができる。具体的には、図5に示すように、「閾値設定」という文字とともに、閾値51を小さくするための「小さく」ボタン52および閾値51を大きくするための「大きく」ボタン53がモニタ22に表示される。そして、ユーザが「小さく」ボタン52または「大きく」ボタン53を触れるごとに閾値51の表示が段階的に変更される。この閾値51をインクの供給過多による不具合が発生しない程度の値に設定することによって、プリント情報の印字濃度を適正な状態で維持することが可能となる。なお、印画紙Pの材質や温度等、印字における諸条件が同じ場合、この閾値51を大きく設定するほど、捨て印字を実行する可能性が高くなるので、1枚のプリント情報の印字において濃すぎるといった状況が少なくなる。このため、プリント情報の印字が濃すぎる傾向にある場合には、この閾値51を大きくすることによって対応することが可能である。
制御ユニット19による印字ヘッドに捨て印字を実行させる制御は、図4に示すようなフローチャートにしたがって行われる。
ステップS1では、制御ユニット19は、ROM19cに格納された捨て印字制御データ19dを読み出し、RAM19bに展開する。
ステップS4では、制御ユニット19は、印字ヘッド31に画像がプリントされた裏面に、例えば、コマ番号や日付、露光条件等のプリント情報を印字させる。
ステップS6では、制御ユニット19は、ステップS2において設定された閾値51(図5参照)の設定の再受付を可能としている。これにより、ユーザは、実際にプリント情報の印字濃度の状態を確認した後、濃すぎる場合の対処を講じることができる。
以上の処理を繰り返すことにより、インクの供給量と消費量とのバランスを保つことができ、プリント情報の印字濃度を適正な状態で維持することが可能となる。
(1)
本実施形態のプリントステーション3は、プリント情報の印字濃度の調整を行うために、プラテン32とインクリボン33との間において搬送される印画紙Pに対して捨て印字を実行させるような制御を行う制御ユニット19を備える印字ユニット12を有することを特徴としている。そして、印字ユニット12は、図3に示すように、印字ヘッド31に対向して配置されているプラテン32と、インクを含浸した状態で印字ヘッド31に対向する位置に搬送されるインクリボン33と、印字ヘッド31に対してインクリボン33を相対的に移動させるDCモータ41と、プラテン32とインクリボン33との間において搬送される印画紙Pに対して、印字ヘッド31に捨て印字を実行させるように制御を行う制御ユニット19とを備えている。
そこで、本実施形態のプリントステーション3では、インクの消費量を調整することによって印字濃度の安定化を図っている。すなわち、インクの消費量が少なくなってきた場合には、捨て印字を実行することによってインクの消費量を必然的に増やし、定量的に供給されるインク量との安定化を図る。
この結果、インクの供給過多による裏写りや浮きによる他の部分への転写の防止を、高価なパルスモータ等を用いず、安価なDCモータ等を用いた構成によって実現することが可能となる。
本実施形態のプリントステーション3では、プリント情報の印字に用いられたドット数として、1枚のプリントに対するプリント情報の印字に用いられたドット数の割合Rという指標を用いている。そして、1枚のプリントに対するプリント情報の印字終了時に、制御ユニット19は、ドット数の割合Rを算出し、予め設定されたドット数の割合Rに対する閾値との関係によって捨て印字の実行有無を決定している。
これにより、インクの供給量と消費量とのバランスを保つことができ、プリント情報の印字濃度を適正な状態で維持することが可能となる。
本実施形態のプリントステーション3では、1枚のプリント情報を印字するのに要したドット数の割合Rに対する閾値の設定を、モニタ22に表示された設定画面50によって行うことが可能である。
これにより、同じ閾値51でも印画紙Pの材質や温度等に左右されるインク特性等により印字濃度が違なる場合に対して、オペレータは、実際に印字されるインク濃度を目視で確認しながら適宜、閾値を変更することができる。
本実施形態のプリントステーション3では、図6に示すように、捨て印字がプリント部とプリント部との間のマージン部分に対して実行されるように印字ヘッド31を制御する。
これにより、コストの上昇を抑えることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態のプリントステーション3では、制御ユニット19が、捨て印字をマージン部分に実行されるように印字ヘッド31を制御する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、プリント面の裏面側に、プリント情報とは明確に区別がつく記号等を印字してインクの消費量を調節しても上記と同様の効果を得ることができる。
上記実施形態のプリントステーション3では、プリント情報の印字に用いられたドット数として、1枚目のプリント情報の印字に用いられたドット数の割合Rという指標を用いて、1枚のプリント直後に捨て印字の実行有無を判断させる制御例を挙げて説明した。しし、本発明はこれに限定されるものではない。
上記実施形態のプリントステーション3では、1枚目のプリント情報の印字に用いられたドット数の割合Rという指標に対して閾値を設定し、捨て印字の実行有無を判断させる制御例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
1枚のプリントに対するドット数の割合を、例えば、50%と設定し、このドット数の割合が50%を下回るプリントが何回続くかという指標に対して閾値を設定し、捨て印字の実行有無を判断させる制御であってもよい。この場合でも、上記と同様の効果を得ることができる。
上記実施形態のプリントステーション3では、1枚のプリントにおける印字に用いられるドット数の割合Rに対する閾値を、図5に示すようなGUI(Graphical User Interface)によって入力する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図7に示すようなGUI55によって制御することも可能である。ユーザは、印字濃度が濃すぎると感じたときには、「うすく」ボタン57に触れるまたはクリックして、印字濃度インジケータ56を操作する。このようなGUI55によってユーザは、直感的に濃度の調整を行うことができる。
上記実施形態のプリントステーション3では、設定画面50(図5参照)による閾値51の入力によって制御ユニット19が自動的に印字ヘッド31に捨て印字を実行させる例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
さらに、上記実施形態で示した捨て印字の自動制御と、前述したような指示入力による捨て印字の制御を組み合わせることによって、印字濃度が濃すぎる問題に対して柔軟に対処することが可能となる。
上記実施形態では、12を含むプリントステーション3全体に対して制御ユニット19が制御する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、上述した各ステップによって印字ユニット12のみの制御を行う制御部を別途設けてもよい。
上記実施形態では、プリントステーション3では、印字ユニット12を組み込んで用いる場合を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではなく、上記実施形態の印字ユニット12はどのような装置においても、また、単独でも使用することができる。
上記実施形態では、プリントステーション3では、制御ユニット19が3mmのマージン部分に捨て印字を実行させるように制御する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限られるものではない。
マージン部分の長さは3mmでなくてもよく、例えば、マージン部分の長さ10mmの場合であっても、制御ユニット19は、画像の大きさや任意に設定されるマージン部分の長さを考慮して、マージン部分に捨て印字を実行させるように制御することができる。
2 操作ステーション
3 プリントステーション
4 ケーブル
11 印画紙マガジン
12 印字ユニット(印字装置)
13 シートカッター
14 プリント露光部
15 処理槽ユニット
15a 発色現像槽
15b 漂白定着処理槽
15c 安定処理槽
16 コンベア
17 ソータ
18 印画紙搬送機構
18a チャッカー式搬送ユニット
18b 圧接搬送ローラ対
19 制御ユニット(制御部)
19a CPU
19b RAM
19c ROM
19d 捨て印字制御データ
20 キーボード
21 マウス
22 モニタ
31 印字ヘッド
32 プラテン
33 インクリボン
34 駆動ローラ
35 押圧ローラ
41 DCモータ(搬送部)
50 閾値設定画面
51 閾値
52 「小さく」ボタン
53 「大きく」ボタン
55 印字濃度設定画面
56 印字濃度インジケータ
57 「うすく」ボタン
P 印画紙
R プリント1枚あたりのプリント情報の印字に実際に用いられたドット数の割合
Claims (5)
- ドットインパクト方式の印字ヘッドと、
前記印字ヘッドに対向して配置されているプラテンと、
インクを含浸した状態で前記印字ヘッドに対向する位置に搬送されるインクリボンと、
前記印字ヘッドに対して前記インクリボンを相対的に移動させる搬送部と、
前記プラテンと前記インクリボンとの間において搬送される記録材料に対して、前記印字ヘッドに捨て印字を実行させるように制御を行う制御部と、
を備え、
前記制御部は、プリント情報の印字に用いられたドット数が所定の閾値未満である場合に、前記印字ヘッドに前記捨て印字を実行させる、
印字装置。 - 前記閾値は、任意に設定可能である、
請求項1に記載の印字装置。 - 前記制御部は、前記記録材料のプリント部とプリント部との間のマージン部分に対して前記印字ヘッドに前記捨て印字を実行させる、
請求項1または2に記載の印字装置。 - 前記制御部は、外部からの指示入力によって前記印字ヘッドに前記捨て印字を実行させる、
請求項1から3のいずれか1項に記載の印字装置。 - 前記搬送部は、DCモータによって駆動する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の印字装置。
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