JP4574838B2 - 破砕装置、破砕装置用電極およびその製造方法 - Google Patents

破砕装置、破砕装置用電極およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、破砕装置、破砕装置用電極およびその製造方法に関し、より特定的には、耐久性に優れる破砕装置用電極、その製造方法およびその電極を用いた破砕装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
岩石などを破壊するための従来の破砕方法としては、たとえば以下の様な方法が知られている。まず、破砕対象の岩石に下孔を形成して、この下孔に水などの電解液を注入する。さらにこの下孔に同軸電極を挿入して、この同軸電極にパルスパワー源から大電流を投入することにより、下孔の内部で放電を起こす。このとき、同軸電極の先端付近の電解液が放電エネルギーによってプラズマ化することにより、圧力波が発生する。この圧力波により、同軸電極の周囲の岩石などを破壊する。
【0003】
このような破砕方法において用いられる同軸電極は、岩石の破砕の際に大きな衝撃を受け、さらにくり返し使用に耐え得るような、高い耐久性が要求される。
このような高い耐久性を備える同軸電極として、たとえば、特表平11−500799号公報では、破砕の際の同軸電極に対する衝撃を減衰・吸収するためのコイルなどを用いた緩衝手段を備える同軸電極を含むプローブ装置が開示されている。この特表平11−500799号公報において開示されている同軸電極では、電極材料として銅や鋼を用い、また、絶縁体の材料として好ましくは超高分子量ポリエチレンを用いることが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、発明者らが検討した結果、上述した特表平11−500799号公報に開示された同軸電極には、以下に示すような問題があった。
【0005】
すなわち、特表平11−500799号公報に開示された同軸電極を用いて岩石の破砕をおこなうと、特に先端部の絶縁体の部分に損傷が発生し、100〜200回程度放電を行なうとこの損傷のため十分に放電を起こす事が難しくなる場合があった。このような場合、同軸電極の先端部において損傷が発生している部分を数センチ程度切断する必要があるが、このような作業は破砕作業の作業効率を低下させる原因となっていた。つまり、上述した従来の同軸電極は、破砕作業を円滑に行なうためには耐久性が不充分であった。
【0006】
また、特表平11−500799号公報に開示された同軸電極を含むプローブ装置はその構造が複雑であり、破砕装置の装置コストを上昇させる原因となる。
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の目的は、比較的簡単な構造で、かつ、十分な耐久性を備える破砕装置用電極、その製造方法およびその電極を用いた破砕装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明の1の局面における破砕装置用電極は、中心軸に沿って延在し、外周面を有する中心導電体と、中心導電体の外周面上に固着され、中心導電体を取り囲むように中心軸の延びる方向と交差する方向に延びる繊維を有する繊維強化プラスチックを含む絶縁部材と、絶縁部材を囲むように配置された外周導電体とを備える。
【0009】
このようにすれば、破砕装置用電極の絶縁部材として、従来用いられていたポリエチレンなどより強度の高い繊維強化プラスチックを用いているので、破砕装置用電極の耐久性を従来より向上させることができる。さらに、繊維強化プラスチックの繊維の方向が、中心軸の延びる方向と交差する方向になっているので、破砕装置用電極の先端部方向(中心軸の延びる方向)から加えられる衝撃が繊維の延びる方向と交差する方向から絶縁部材に加えられることになる。このため、繊維による絶縁部材の補強効果を充分利用することができるので、絶縁部材の耐久性を十分高く保つ事ができる。したがって、破砕装置用電極の先端部において放電が発生して、その放電に起因する圧力波が破砕装置用電極の中心軸の延びる方向から破砕装置用電極に到達した場合、この衝撃により絶縁部材が切断・変形するなどの損傷を受ける事を有効に防止できる。
【0010】
また、本発明による破砕装置用電極は比較的単純な構造であるので、電極の製造コストが増大する事を抑制できる。
【0011】
また、破砕装置用電極の先端部が何らかの損傷を受けたため、部分的にその先端部を切断・除去する場合、繊維の延びる方向に沿うように破砕装置用電極の先端部を切断すれば、絶縁部材の繊維が切断される事を防止できる。したがって、上記のような切断工程を実施した後においても、十分な耐久性を有する破砕装置用電極を得ることができる。
【0012】
上記1の局面における破砕装置用電極では、繊維の延びる方向が中心軸の延びる方向に対してほぼ垂直になっていることが好ましい。
【0013】
この場合、破砕装置用電極の先端部からの衝撃に対して、より耐久性を向上させることができる。
【0014】
上記1の局面における破砕装置用電極では、絶縁部材と外周導電体との間に位置し、絶縁部材と外周導電体とを互いに固定する接着層をさらに備えることが好ましい。
【0015】
この場合、接着層により絶縁部材と外周電極としての外周導電体とを確実に固定できる。ここで、絶縁部材は中心導電体に固着されていることから、上述のように絶縁部材と外周導電体とを固定する事により、中心導電体、絶縁部材および外周導電体が互いに強固に固定され、一体となった破砕装置用電極を得ることができる。この結果、破砕のための圧力波による衝撃を受けた場合に、破砕装置用電極を構成する外周導電体などの部材間の相対的な位置がずれるといった不良の発生を防止できる。
【0016】
上記1の局面における破砕装置用電極では、外周導電体に対する絶縁部材の相対的な位置を固定するための固定部材をさらに備えることが好ましい。
【0017】
この場合、固定部材により絶縁部材と外周電極としての外周導電体とを確実に固定できる。ここで、上述のように絶縁部材は中心導電体に固着されている。そのため、上述のように絶縁部材と外周導電体とを固定部材により固定する事により、中心導電体、絶縁部材および外周導電体が互いに強固に固定され一体となった破砕装置用電極を得ることができる。
【0018】
上記1の局面における破砕装置用電極では、破砕装置用電極が中心導電体と外周導電体との間で放電を起こさせる一方端部を含み、絶縁部材は、一方端部において絶縁部材の表面を構成し、ゴム系材料からなる端部用絶縁体を含むことが好ましい。
【0019】
この場合、一方端部において放電が起きた際に形成される圧力波による衝撃を、ゴム系材料からなる端部用絶縁体により吸収することができる。この結果、破砕装置用電極の耐久性をより向上させることができるとともに、破砕装置用電極の寿命をさせることができる。
【0020】
上記1の局面における破砕装置用電極では、中心導電体の外周面に、絶縁部材を固着させるための表面処理が行なわれた表面処理領域が形成されていることが好ましい。
【0021】
この場合、中心導電体に対して絶縁部材をより確実に固定する事ができる。
上記1の局面における破砕装置用電極では、表面処理領域が、ローレット加工、ねじ切り加工およびサンドブラスト加工からなる群から選択される少なくとも1つの加工手段を用いて形成されていることが好ましい。
【0022】
この場合、上記のような加工手段を用いる事により、中心導電体の表面処理領域の表面積を増大させることができる。このため、中心導電体と絶縁部材との接着面の表面積を大きくする事ができるので、確実に絶縁部材を中心導電体に固定する事ができる。
【0023】
この発明の他の局面における破砕装置は、上記1の局面における破砕装置用電極を備える。
【0024】
このようにすれば、高い耐久性を有する破砕装置用電極を備えるので、従来より電極のメンテナンスに要する時間や手間を削減できる。したがって、破砕作業を円滑に実施できる破砕装置を実現できる。
【0025】
この発明の別の局面における破砕装置用電極の製造方法は、中心軸に沿って延在し、外周面を有する中心導電体を準備する工程と、中心導電体の外周面上に、樹脂を含浸させた繊維からなるテープを、繊維の延びる方向が中心軸の延びる方向と交差する方向となるように巻き付ける工程と、テープを硬化して繊維強化プラスチックからなる絶縁部材を形成する工程と、絶縁部材を囲むように管状の外周導電体を配置する工程とを備える。
【0026】
このようにすれば、絶縁部材における繊維の方向が中心軸の延びる方向と交差する方向となっている破砕装置用電極を容易に製造できる。
【0027】
また、テープを巻き付ける工程において、テープの巻き付け方向を変更することにより、中心軸に対する絶縁部材の繊維の方向を任意に変更できる。
【0028】
上記別の局面における破砕装置用電極の製造方法では、テープを巻き付ける工程において、繊維の延びる方向が中心軸の延びる方向とほぼ垂直な方向となるようにテープを巻き付けることが好ましい。
【0029】
この場合、破砕装置用電極の先端部からの衝撃に対する耐久性が特に優れた破砕装置用電極を容易に得ることができる。
【0030】
この発明のもう一つの局面における破砕装置用電極の製造方法は、中心軸に沿って延在し、外周面を有する中心導電体を準備する工程と、中心導電体の外周面上に、中心軸の延びる方向と交差する方向に延びるように繊維を配置する工程と、中心導電体の外周面上に配置された繊維に樹脂を含浸させる工程と、繊維に含浸させた樹脂を硬化して繊維強化プラスチックからなる絶縁部材を形成する工程と、絶縁部材を囲むように管状の外周導電体を配置する工程とを備える。
【0031】
このようにすれば、絶縁部材における繊維の方向が中心軸の延びる方向と交差する方向となっている破砕装置用電極を容易に製造できる。
【0032】
また、繊維を配置する工程において、繊維の配置方向を変更することにより、中心軸に対する絶縁部材の繊維の方向を任意に変更できる。
【0033】
上記もう一つの局面における破砕装置用電極の製造方法では、繊維を配置する工程において、中心軸の延びる方向とほぼ垂直な方向に延びるように繊維を配置することが好ましい。
【0034】
この場合、破砕装置用電極の先端部からの衝撃に対する耐久性が特に優れた破砕装置用電極を容易に得ることができる。
【0035】
上記別の局面またはもう一つの局面における破砕装置用電極の製造方法では、中心導電体を準備する工程が、中心導電体の外周面に表面処理加工を行なう工程を含むことが好ましい。
【0036】
この場合、中心導電体に対して絶縁部材をより確実に固定する事ができる。
上記別の局面またはもう一つの局面における破砕装置用電極の製造方法では、表面処理加工が、ローレット加工、ねじ切り加工およびサンドブラスト加工からなる群から選択される少なくとも1つであることが好ましい。
【0037】
この場合、上記のような加工方法を用いる事により、中心導電体の表面処理加工を受けた領域の表面積を増大させることができる。このため、中心導電体と絶縁部材との接着面の表面積を大きくする事ができるので、確実に絶縁部材を中心導電体に固定する事ができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
【0039】
(実施の形態1)
図1は、本発明による破砕装置用電極およびその破砕装置用電極を用いた破砕装置の実施の形態1における装置構成を説明するための模式図である。図2は、図1に示した破砕装置用電極の先端部を示す部分断面模式図である。図3は、図1に示した破砕装置用電極の先端部を示す斜視拡大模式図である。図1〜3を参照して、本発明による破砕装置用電極および破砕装置の実施の形態1を説明する。
【0040】
図1を参照して、本発明による破砕装置は、同軸電極1とパルスパワー源6と電源9と同軸ケーブル5とを備える。パルスパワー源6はコンデンサ8、スイッチ7などを含む回路からなる。パルスパワー源6には電源9が接続されている。
パルスパワー源6の回路は接地されている。破砕装置用電極である同軸電極1はパルスパワー源6と同軸ケーブル5により接続されている。
【0041】
同軸電極1は、岩石などの破砕対象物2に形成された下孔10の内部に挿入されている。下孔10の内部には電解液としての水11が配置されている。同軸電極1は、中心軸にそって延在する中心導電体としての中心電極12と、この中心電極12の外周面上に固着された絶縁部材としての絶縁体13と、この絶縁体13の外周面上に接着剤層3を介して配置された外周導電体としての外周電極15とを備える。絶縁体13と外周電極15とは接着剤層3により固定されている。
外周電極15および中心電極12の材料としては、ニッケル、銅、鋼などの金属といった導電体を用いることができる。絶縁体13はガラス繊維などの強化繊維を内部に有する繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastics)からなる。なお、強化繊維としてはカーボン繊維やその他の繊維を用いることができる。FRPの強化繊維の延びる方向は、図3の矢印の方向、つまり同軸電極1の中心軸の延びる方向に対してほぼ垂直な方向(中心電極の周方向)となっている。また、中心電極12の外周面には、絶縁体13を中心電極12の外周面に確実に固定するため、表面処理領域としてのローレット加工が施された領域が形成されている。このようにすれば、表面処理領域における中心電極12の外周面の表面積を大きくする事ができるので、絶縁体13を中心電極12の外周面上に確実に固着させる事ができる。
【0042】
岩石などの破砕対象物2を破砕する際には、パルスパワー源6のスイッチ7が閉じられたときにコンデンサ8に蓄えられた電荷が同軸電極1に導入される。すると、同軸電極1の先端部において、中心電極12の端部と外周電極15との間で放電が発生する。このとき、同軸電極1の先端部付近の電解液である水11が放電エネルギーによってプラズマ化することにより、圧力波が発生する。この圧力波により、同軸電極1の周囲の岩石などの破砕対象物2を破壊する。
【0043】
ここで、図1〜3に示した破砕装置用電極としての同軸電極1の絶縁体13として、従来用いられていたポリエチレンなどより強度の高い繊維強化プラスチック(FRP)を用いているので、同軸電極1の耐久性を従来より向上させることができる。さらに、繊維強化プラスチックの繊維の方向が、同軸電極1の中心軸の延びる方向に対してほぼ垂直になっているので、同軸電極1の先端部方向から加えられる衝撃に対して、絶縁体13の耐久性を十分高く保つ事ができる。したがって、同軸電極1の先端部において放電が発生して、その放電に起因する圧力波が同軸電極1の中心軸の延びる方向から同軸電極1に到達した場合、この衝撃により絶縁体13が切断・変形するなどの損傷を受ける事を有効に防止できる。
【0044】
また、図1〜3に示した同軸電極1は比較的単純な構造であるので、同軸電極1の製造コストが増大する事を抑制できる。
【0045】
また、同軸電極1の先端部が何らかの損傷を受けたため、部分的にその先端部を切断・除去する場合、繊維の延びる方向に沿うように同軸電極1の先端部を切断すれば、絶縁体13の繊維が切断される事を防止できる。したがって、上記のような切断工程を実施した後においても、十分な耐久性を有する同軸電極を得ることができる。
【0046】
また、接着剤層3により絶縁体13と外周電極15とを確実に固定できる。ここで、絶縁体13と中心電極12とは固着されていることから、上述のように絶縁体13と外周電極15とを固定する事により、中心電極12、絶縁体13および外周電極15が互いに強固に固定され、一体となった同軸電極1を得ることができる。この結果、破砕のための圧力波による衝撃を受けた場合に、同軸電極1を構成する外周電極15などの部材間の相対的な位置がずれるといった不良の発生を防止できる。
【0047】
また、図1に示すような、本発明による同軸電極1を備える破砕装置では、従来より同軸電極1のメンテナンスに要する時間や手間を削減できる。したがって、破砕作業を円滑に実施できる。
【0048】
次に、図1〜3に示した破砕装置用電極である同軸電極の製造方法を図4および5を参照して説明する。図4は、図1〜3に示した破砕装置用電極の製造方法を説明するためのフローチャートであり、図5は、図4に示した破砕装置用電極の製造方法をより詳しく説明するためのフローチャートである。
【0049】
図4を参照して、破砕装置用電極である同軸電極1(図1参照)の製造方法においては、まず、中心電極12の外周面上に絶縁体13としてのFRPを配置・固定する工程(S1)を実施する。このとき、FRPの繊維の方向が中心電極12の周方向とおぼ同じ方向(中心電極の中心軸の延びる方向に対してほぼ垂直な方向)となるように、FRPを配置・固定する。
【0050】
次に、FRPが外周面上に配置・固定された中心電極12を筒状の導電体からなる外周電極15の内部に挿入・固定する工程(S2)を実施する。このとき、FRPの外周面に接着剤を塗布しておく。このようにして、図1〜3に示した破砕装置用電極である同軸電極1が形成される。
【0051】
ここで、FRPを配置・固定する工程(S1)として、たとえば図5に示すような工程を実施する。図5を参照して、FRPを配置・固定する工程(S1)においては、まず、中心電極12の外周面に表面処理加工としてのローレット加工を行なう工程(S11)を実施する。この表面処理加工としては、ローレット加工に代えて、ねじ切り加工やサンドブラスト加工を実施してもよい。
【0052】
この場合、上記のような加工方法を用いる事により、中心電極12の外周面における表面処理加工を受けた領域の表面積を増大させることができる。このため、中心電極12と絶縁体13との接着面の表面積を大きくする事ができるので、確実に絶縁体13を中心電極12に固定する事ができる。
【0053】
次に、エポキシ樹脂などの樹脂を含浸させたガラス繊維テープ(ガラス樹脂テープ)を中心電極12の外周面上に直接巻き付ける工程(S12)を実施する。
このとき、テープのガラス繊維の方向が、図3の矢印で示した方向(中心電極12の周方向とほぼ同じ方向)となるようにテープを配置する。
【0054】
次に、熱処理などにより樹脂を硬化させる硬化処理工程(S13)を実施する。このようにして、中心電極12の外周面上に、繊維の方向が中心電極12の周方向とほぼ同じとなるようにFRPを配置・固定する工程(S1)を実施する。
【0055】
このようにすれば、絶縁体13におけるガラス繊維の方向が同軸電極1の中心軸の延びる方向に対して垂直な方向(中心電極12の周方向)となっている、耐久性に優れた同軸電極1を容易に製造できる。
【0056】
また、ガラス樹脂テープを中心電極12の外周面上に直接巻き付ける工程(S12)において、ガラス樹脂テープの巻き付け方向を変更することにより、中心軸に対する絶縁体13のガラス繊維の方向を任意に変更できる。
【0057】
なお、図5に示した樹脂を含浸させたガラス樹脂テープを中心電極12の外周面上に直接巻き付ける工程(S12)に代えて、ガラス繊維を直接中心電極12の外周面上に配置するとともに、中心電極12の外周面上に配置されたガラス繊維に直接液状のエポキシ樹脂を塗布する工程を実施してもよい。このとき、ガラス繊維の方向は、中心電極12の周方向とほぼ同じ方向とする。
【0058】
このようにしても、絶縁体13におけるガラス繊維の方向が中心軸の延びる方向に対してほぼ垂直な方向となっている、耐久性に優れた同軸電極1を容易に製造できる。
【0059】
また、ガラス繊維を直接中心電極12の外周面上に配置する工程において、ガラス繊維の方向を変更することにより、同軸電極1の中心軸に対する絶縁体13のガラス繊維の方向を任意に変更できる。
【0060】
図6は、図1〜3に示した破砕装置用電極の変形例を示す断面模式図である。
図6を参照して、図1〜3に示した破砕装置用電極の変形例を説明する。
【0061】
図6を参照して、破砕装置用電極としての同軸電極1は、基本的に図1〜3に示した破砕装置用電極としての同軸電極1と同様の構造を備えるが、同軸電極1の後端(放電を起こす先端部と反対側の端部)において、外周電極15に対する絶縁体13の相対的な位置を固定するための固定部材としての押さえ部材4が配置されている。押さえ部材4は、外周電極15の外周面上から、絶縁体13の側壁上にまで延在するように形成された、キャップ状の部材である。押さえ部材4は、ねじにより外周電極15に固定されている。このため、押さえ部材4が配置されている事により、絶縁体13と外周電極15とを確実に固定できる。したがって、絶縁体13の位置が外周電極15に対して相対的に後端方向へずれることを防止できる。なお、絶縁体13と外周電極15との間には図2に示すような接着剤層が形成されていてもよい。
【0062】
(実施の形態2)
図7は、本発明による破砕装置用電極の実施の形態2を示す部分断面模式図である。図7を参照して、本発明による破砕装置用電極の実施の形態2を説明する。
【0063】
図7を参照して、破砕装置用電極としての同軸電極1は、基本的には図6に示した同軸電極と同様の構造を備えるが、同軸電極1の一方端部としての先端部において、絶縁体としてゴム系の材料からなる端部用絶縁体14が配置されている。
【0064】
このようにすれば、本発明の実施の形態1による同軸電極と同様の効果を得ることができると同時に、同軸電極1の先端部において放電が起きた際に形成される圧力波による衝撃を、ゴム系の材料からなる端部用絶縁体14により吸収することができる。この結果、同軸電極1の耐久性をより向上させることができるとともに、その寿命を増大させることができる。
【0065】
なお、ゴム系の材料としては、EP(エチレンプロピレン)ゴムなどの電気絶縁用のものやCR(クロロプレン)ゴム、ウレタンなどを用いることができる。
図8は、図7に示した破砕装置用電極の変形例を示す部分断面模式図である。図8を参照して、図7に示した破砕装置用電極としての同軸電極の変形例を説明する。
【0066】
図8を参照して、同軸電極1は基本的に図7に示した同軸電極1と同様の構造を備えるが、同軸電極1の一方端部としての先端部において、中心電極12の端部に先端電極部材16が配置されている。この先端電極部剤16は、中心電極12とは異なる金属などの導電体であって、より高強度の材料からなる。このようにすれば、図7に示した破砕装置用電極により得られる効果に加えて、さらに破砕装置用電極としての同軸電極1の耐久性を向上させることができる。
【0067】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、破砕装置用電極の絶縁体として繊維強化プラスチックを用い、その繊維強化プラスチックの繊維の方向を調整することにより、比較的簡単な構造で、かつ、十分な耐久性を備える破砕装置用電極およびその電極を用いた破砕装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による破砕装置用電極およびその破砕装置用電極を用いた破砕装置の実施の形態1における装置構成を説明するための模式図である。
【図2】図1に示した破砕装置用電極の先端部を示す部分断面模式図である。
【図3】図1に示した破砕装置用電極の先端部を示す斜視拡大模式図である。
【図4】図1〜3に示した破砕装置用電極の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【図5】図4に示した破砕装置用電極の製造方法をより詳しく説明するためのフローチャートである。
【図6】図1〜3に示した破砕装置用電極の変形例を示す断面模式図である。
【図7】本発明による破砕装置用電極の実施の形態2を示す部分断面模式図である。
【図8】図7に示した破砕装置用電極の変形例を示す部分断面模式図である。
【符号の説明】
1 同軸電極、2 破砕対象物、3 接着剤層、4 押さえ部材、5 同軸ケーブル、6 パルスパワー源、7 スイッチ、8 コンデンサ、9 電源、10下孔、11 水、12 中心電極、13 絶縁体、14 端部用絶縁体、15外周電極、16 先端電極部材。

Claims (14)

  1. 中心軸に沿って延在し、外周面を有する中心導電体と、
    前記中心導電体の外周面上に固着され、前記中心導電体を取り囲むように前記中心軸の延びる方向と交差する方向に延びる繊維を有する繊維強化プラスチックを含む絶縁部材と、
    前記絶縁部材を囲むように配置された外周導電体とを備える、破砕装置用電極。
  2. 前記繊維の延びる方向は、前期中心軸の延びる方向に対してほぼ垂直になっている、請求項1に記載の破砕装置用電極。
  3. 前記絶縁部材と前記外周導電体との間に位置し、前記絶縁部材と前記外周導電体とを互いに固定する接着層をさらに備える、請求項1または2に記載の破砕装置用電極。
  4. 前記外周導電体に対する前記絶縁部材の相対的な位置を固定するための固定部材をさらに備える、請求項1または2に記載の破砕装置用電極。
  5. 前記破砕装置用電極は前記中心導電体と前記外周導電体との間で放電を起こさせる一方端部を含み、
    前記絶縁部材は、前記一方端部において前記絶縁部材の表面を構成し、ゴム系材料からなる端部用絶縁体を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の破砕装置用電極。
  6. 前記中心導電体の外周面には、絶縁部材を固着させるための表面処理が行なわれた表面処理領域が形成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の破砕装置用電極。
  7. 前記表面処理領域は、ローレット加工、ねじ切り加工およびサンドブラスト加工からなる群から選択される少なくとも1つの加工手段を用いて形成されている、請求項6に記載の破砕装置用電極。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の破砕装置用電極を備えた破砕装置。
  9. 中心軸に沿って延在し、外周面を有する中心導電体を準備する工程と、
    前記中心導電体の外周面上に、樹脂を含浸させた繊維からなるテープを、前記繊維の延びる方向が前記中心軸の延びる方向と交差する方向となるように巻き付ける工程と、
    前記テープを硬化して繊維強化プラスチックからなる絶縁部材を形成する工程と、
    前記絶縁部材を囲むように管状の外周導電体を配置する工程とを備える、破砕装置用電極の製造方法。
  10. 前記テープを巻き付ける工程では、前記繊維の延びる方向が前記中心軸の延びる方向とほぼ垂直な方向となるように前記テープを巻き付ける、請求項9に記載の破砕装置用電極の製造方法。
  11. 中心軸に沿って延在し、外周面を有する中心導電体を準備する工程と、
    前記中心導電体の外周面上に、前記中心軸の延びる方向と交差する方向に延びるように繊維を配置する工程と、
    前記中心導電体の外周面上に配置された繊維に樹脂を含浸させる工程と、
    前記繊維に含浸させた樹脂を硬化して繊維強化プラスチックからなる絶縁部材を形成する工程と、
    前記絶縁部材を囲むように管状の外周導電体を配置する工程とを備える、破砕装置用電極の製造方法。
  12. 前記繊維を配置する工程では、前記中心軸の延びる方向とほぼ垂直な方向に延びるように繊維を配置する、請求項11に記載の破砕装置用電極の製造方法。
  13. 前記中心導電体を準備する工程は、前記中心導電体の外周面に表面処理加工を行なう工程を含む、請求項9〜12のいずれか1項に記載の破砕装置用電極の製造方法。
  14. 前記表面処理加工は、ローレット加工、ねじ切り加工およびサンドブラスト加工からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項13に記載の破砕装置用電極の製造方法。
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