JP4574750B2 - 抗体変異物 - Google Patents
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Description
抗体、あるいはイムノグロブリンは、ジスルフィド結合および2つの軽鎖により連結された2つの重鎖からなり、各々の軽鎖は各々の重鎖とジスルフィド結合により結合している。各々の重鎖は、一方の末端に可変ドメインを有し、多くの定常ドメインへと続く。各々の軽鎖は一方の末端に可変ドメインをそして他方の末端に定常ドメインを有し、軽鎖の可変ドメインは重鎖の可変ドメインと一列に並び、そして軽鎖の定常ドメインは重鎖の第1の定常ドメインと一列に並ぶ。軽鎖および重鎖の定常ドメインは抗体の抗原への結合に直接関与していない。
軽鎖および重鎖の各々の対の可変ドメインは抗原結合部位を形成する。軽鎖および重鎖の可変ドメインは同じ一般構造を有し;各ドメインは4つのフレームワーク領域からなり、それらの配列は相対的に保存されており、3つの相補性決定領域(CDRs)により接続している。CDRsは、フレームワーク領域により極めて接近して支えられている。隣接した軽鎖並びに重鎖可変ドメインからのCDRsは、共に抗原結合部位の形成に寄与する。
発明の背景
特別に選択された抗原に対する抗体が、様々な状態の治療に用いられてきた。
例えば、カンパス(Campath)−1モノクローナル抗体(mAb)は、リンパ腫および白血病患者における緩解を誘導することおよびリウマチ性関節炎および脈管炎の治療にうまく使用されてきた。標的抗原CD52(CDw52とも呼ばれる;Xia et al., 1991も参照されたい)は、リンパ球および単球(およびオスの生殖システムの一部)のGP−1アンカー糖蛋白質である。それは、例外的に短い12アミノ酸のペプチド配列を有し、そして単一の、コンプレックスのAsn3におけるN結合オリゴサッカライドである(Hale et al., 1990;Xia et al., 1991)。CD52は抗体介在殺傷の良好な標的であり、そしてしたがって、リンパ球の減少が対象である様々な治療養生法のための効果的な細胞表面分子である(例えば、移植片対宿主疾患を予防するためのドナー骨髄からの細胞の除去、白血病並びにリンパ腫の治療、および免疫抑圧)。
Y3ラットミエローマ系を、ヒトTリンパ球で免疫したラット脾臓細胞と融合することにより、幾つかのラット抗ヒトCD52カンパス−1 mAbを生成した(Hale et al., 1990)。ラットカンパス−1 mAbの臨床上の効果は定期的に示されてきたが、多くの患者は、治療用抗体による再治療を防いだ組織移植片蛋白質に対する抗−抗体(アンチグロブリン)応答を示した(mounted)。抗体治療はしばしばアンチグロブリン応答により限定される。抗イディオタイプ成分(抗−Id;Ab V領域、特にAb−結合領域に対する)はAbのその標的への結合を阻害する一方、抗−Idおよび抗イソタイプ成分(定常領域に対する)の両者は抗体浄化(clearance)を促進するように作用する。主要な関心はアンチグロブリン応答の中和効果である。通常のアンチグロブリン応答の場合のように、抗−Id応答は、循環から迅速に浄化されるAb凝集物を形成することにより治療用Abの臨床能力を干渉し、標的抗原との相互作用の機会を減らす。残念ながら、ほとんどのアンチグロブリン血清は抗−Id抗体を含む。これは、多くの治療用mAbに関して証明されてきており、そして繰り返しの処置後に特に認められる。
ラットIgG2bカンパス−1抗体YTH34−5の免疫原性を低下させるために、ヒトフレームワーク領域上へのげっ歯類の高可変領域の「CDRグラフティング」により、VLおよびVHをコードする遺伝子断片をヒト化した(Jones et al., 1986;Reichmann et al., 1988)。これは、結晶学解析されたミエローマ蛋白質NEW(VHに関して)およびREI(VLに関して)により提供されたヒトフレームワークバックボーンをコードする配列上に、ラットカンパス−1抗体をコードするCDR配列をスプライシングすることにより、実施した。その結果の蛋白質は低抗原結合力価を有し、そしてヒト化V領域のモデリングは、VH中の残基27のフレームワーク配列がCDR1のループ構造の保存に必須であることを示した。この残基は、NEWに見いだされる残基(Ser)からラットの残基Pheへ元に戻って変化し、抗原結合の復活をもたらした。モデリングの間、付加的な変化(NEW残基Serからラット残基Thr)も示唆された。しかしながら、機能アッセイにおいて、この置換は抗体結合に効果を有さず、しかし二重変異(Ser27からPhe27およびSer30からThr30)はほとんどの蛋白質を発現し、したがって、カンパス−1Hと称される治療用ヒト化カンパス−1Abの生成に用いられた(Reichmann et al., 1988)。多くのヒトVHフレームワークが30位にスレオニンを有するとおり、この変化は抗体の免疫原性に対して付加的な危険とは考えられなかった。次に、ヒトVLおよびVHを、それぞれ遺伝的にヒト軽鎖および重鎖の定常領域に融合させた。要約すると、ヒト化カンパス−1抗体は、軽鎖の3CDRs、重鎖の3CDRsをコードする位置および重鎖のVH中の残基Phe27およびThr30は除くすべての位置においてヒト残基からなる。
臨床上の試験において、ヒト化バージョン(カンパス−1)は、ラットIgG2bカンパス−1抗体より大幅に低い免疫原性であることが見いだされた。ヒト化はげっ歯類mAbの免疫原性を低下させるが、ヒト化mAbのイディオタイプおよびアロタイプの両者はまだ体液性応答の標的かもしれない。イディオタイプへの感作は実にカンパス−1Hの幾つかのアロタイプ適合受容者において証明されてきた(Isaacs et al., 1992;Lockwood et al., 1993)。これらの応答は、患者の血清中の抗−Idの存在により明らかとなった。一人の患者は、CD52mAbの完全なパネル上で交差反応した高力価の抗−Idを生じた。ヒト化カンパス−1抗体はEP 0 328 404に記載されており、その完全な教示は引用により編入される。
カンパス−1Hの免疫原性をさらに低下させるための一つの戦略は、特性がよく明らかにされているヒト微生物ライン(human germline)フレームワーク領域上へ6 CDRループを再グラフトすることであるらしい。ヒト化V領域までのところの大部分は再構成されたV遺伝子をアクセプターフレームワーク配列として用いた。これはカンパス−1Hに関するケースであったが、ミエローマ蛋白質からのフレームワーク配列を用いることによりVHおよびVL両者のアクセプター配列を提供した。再構成されたV遺伝子はしばしば体性の変異を含み、親和性成熟の過程の間に獲得される。これらは、再構成された遺伝子が由来する個人にとっては唯一であり、よって、他の個人においては外来として見られるかもしれない。しかしながら、再グラフトは、CDR残基を包含する連結領域並びに新たなフレームワーク残基により形成される新たなイディオタイプのエピトープを導入するかもしれない。さらに、ヒト集団は異系交配しており且つ全ての患者が与えられたヒト化mAbに対して寛容でありそうもないので、ヒト化のみが抗−Id応答の問題を解決しないかもしれない。抗体の定常領域においてさえ、天然に生じるアンチグロブリン応答が証明できるアロタイプのマーカーを有する異なる多くのアリールが存在する。この問題はV領域に関してより複雑であり、定常領域に比してアロタイプおよびハプロタイプ両者において高度の変異を示す。
他のアプローチは、カンパス−1HのV領域内に含まれる潜在的外来ペプチドに対する寛容を誘導することである。我々は、アンチグロブリン応答自体がCD4+ T細胞依存性のB細胞応答であることを知っている。IsaacsとWaldmann(1994)は、CD4+ T細胞を拒むマウスは外来細胞結合性mAb(ラット抗マウスCD8 mAb)に応答できなかったことを証明した。CD4+ T細胞の枯渇は、枯渇したCD4 mAbの投与と組み合わせた成体の胸腺摘出により実施した。これらのマウスにおいて、次に投与されたmAbまたはSRBCに対する応答を測定した。CD4+ T細胞欠損マウスはアンチグロブリン応答あるいは抗SRBC応答のいずれかを示さなかったことから、抗−Ig応答は抗SRBC応答のように、古典的なCD4+ T細胞依存性であることが証明された。T細胞の援助(help)を生じさせて適切なT細胞応答を得るためには、投与されたAbが蛋白質抗原として加工されなければならず、そして適切な抗原提示細胞により、たぶんMHCクラスII分子のコンテクスト中に提示されていなければならない。よって、2つの主要な戦略が、ヒト化V領域の免疫原性を低下させるために採用されうる。(1)我々は抗体分子自体を「沈黙させる」ことができ、あらゆる潜在性Tヘルパーエピトープを除くための戦略を採用するか、または(2)我々はそれらのエピトープに対する反応性の代わりに寛容を誘導する様式ですべての潜在性Tヘルパーエピトープを提示することができる。
抗体分子の沈黙化:
a)理論上、我々は抗体自身を沈黙化して、免疫系が外来決定基を認識しないようにすることができるかもしれない。これは、我々がMHCクラスII分子に結合できるモチーフに関するVLおよびVHのアミノ酸配列をスキャンできれば、可能なはずである。即ち、我々が抗体特異性または親和性に関与しなかった潜在性クラスIIペプチド内の鍵となるひとつまたは複数の残基を同定できれば、それ/それらは、クラスII分子との結合を許容しなかった残基への部位特異的変異導入により変化させることができる。Tヘルパーペプチドはランダムではなく、そしていずれかの蛋白質はMHCクラスII分子に結合できるほんの限定された数のペプチドを有し、そしてT細胞抗原受容体でもある。しかしながら、これは現在可能ではなく、なぜならば、クラスII結合性ペプチドは蛋白質配列をスキャニングすることにより同定されるほど十分な程度に同定されていないからである。これは、一部は、クラスIIペプチドの不均質性による。MHCクラスII分子から単離された天然加工ペプチドは、MHCクラスI分子から単離された加工ペプチドに比して、一般に大きなサイズであり、大きさが変更可能であり、そしてC−およびN−末端の両方において不揃いの(ragged)末端を有する。クラスI由来のペプチドはほとんど一律に8−9アミノ酸残基であるが、クラスII関連のペプチドは12−24アミノ酸の範囲である(Rudensky et al., 1991;Hunt et al., 1992;Rudensky and Janeway, 1993)。クラスI由来のペプチドは、それらの側鎖をペプチド結合グローブの結合ポケット中に適合させる特定の位置において特定のアンカー残基を伴う配列モチーフを有し、そしてペプチド結合グローブは両末端で接近している。対照的に、クラスIIペプチドは「開口末端の」抗原結合グローブの両末端から突出する伸長したコンフォメーション中で結合しており;突起の非極性ポケットはアンカーペプチドの側鎖が結合グローブの一方の末端近傍に適合する(Brown et al., 1993)。
b)クラスIIペプチド結合モチーフを予測できるか否かについて抗体を「沈黙化」するために他の戦略が採用できるかもしれない。例えば。クラスIIのコンテクスト中に提示されうる前にペプチドの分解の機会を増やすために、あらゆる潜在性のクラスIIエピトープ内にプロテアーゼ分解部位を挿入することを含みうる。別法として、V領域へのモチーフ例えばGly−Ala繰り返しの挿入は、クラスII分子に結合できるペプチド中でのV領域の分解を阻害するかもしれない。一つの系において、EBNA1のGly−Alaの繰り返しは、CTL認識が阻害されるようにMHCクラスI制限提示の間に抗原プロセシングを干渉したシス作用性阻害シグナルを生じたことが示された(Levitskaya et al., 1995)。これらのアプローチのいずれかは今後いくらかの見込みを持つが、それらは再び、ヒト化VLおよびVH領域の蛋白質配列からの潜在性MHCクラスIIペプチドの予測に依存し、したがって、クラスIIペプチドに関するコンセンサスモチーフに関する不十分な知識により制限される。
Tヘルパーエピトープへの寛容の誘導
クラスIIペプチドモチーフに関する十分な知見の代わりに、我々は治療用抗体への寛容の誘導に注意を向けてきた。1986年、Benjamin et alおよびCobbold et alは細胞結合mAbの予測されない特性を記載した:Fc領域に寛容を誘導することは可能であったが(抗イソタイプ寛容)、均等な条件下ではイディオタイプは抗原性のままであった。さらに、非細胞結合mAbに寛容を誘導することは相対的に簡単であったが、細胞結合mAbは極めて免疫原性であることが見いだされた。
Isaacs and Waldmann(1994)は、予備研究において、野生型に寛容を誘導するために細胞結合性Abの非細胞結合性「混合分子」誘導体を用いた。細胞結合性抗体はマウスモデルにおいて抗CD8mAbであった。非細胞結合性誘導体は関連のL−およびH−鎖を、それぞれ非関連のH−またはL−鎖に対合させることにより作成した。非関連L−鎖と対合させた関連H鎖は、ミエローマ軽鎖(Y3融合パートナーから)並びに特定の抗CD8 H−およびL−鎖を発現した起源ハイブリドーマの限定希釈クローニングにより得た。ミエローマL−鎖および特定の抗CD8 H−鎖を発現したが抗CD8 L−鎖を発現しなかったハイブリドーマの変異体を得た。関連のL−鎖のみを発現するクローンもこの様式により得た。そのクローンを次に、非関連特異性(抗ヒトCD3)を発現するハイブリドーマに融合させ、そして非関連CD3 H−鎖を伴う関連抗CD8 L−鎖を発現した変異体を選択した。T細胞に提示される前に蛋白質はペプチドにプロセシングされるから、抗原特異的H−およびL−鎖からのヘルパーペプチドは、それらのパートナー鎖に拘わらず、T細胞により「認識される(seen)」はずである。しかしながら、この場合、治療用mAbの非細胞結合性混合分子誘導体をインビボで用いる寛容誘導に関して、イソタイプ適合対照に比しての利点はなく、用いられたマウス株においては、ほとんどの(あるいは全ての)ヘルパーエピトープは定常領域に位置したことが示唆される。
実際は、ヒトの治療のために抗原特異的かつ非関連のイムノグロブリン鎖のこれら「混合された分子」の使用は可能性がないはずであり、なぜならば、非関連のH−およびL−鎖はぞれら自身幾つかのヘルパーエピトープを有するはずであり、即ち関連のH−およびL−鎖に対する寛容を達成する可能性を複雑にする。抗体の組み合わせにより形成されたイディオタイプの決定基を「認識する(see)」それらのB細胞を寛容にすることはだれも予測しなかったはずである。
カンパス−1は細胞結合性mAbであり、そしてそれを用いた使用のための効果的な寛容源、例えば治療用mAbの非細胞結合性形態は、したがって利点を有するはずである。同じことが、細胞結合性を有する他の治療用抗体、およびその非細胞結合性変異体に当てはまる。
本発明
本発明は、よって、細胞表面抗原に親和性を有する治療用抗体の修飾バージョンである抗体を提供するが、該抗体は抗体分子に対するひとつまたは複数の修飾の結果として治療用抗体に比して低下した抗原親和性を有し、該抗体は治療用抗体の免疫寛容を誘導することができる。
好ましくは、本発明の抗体の抗原に対する親和性は、治療用抗体の抗原に対する親和性の50%またはそれ未満に減じられる。より好ましくは、親和性は治療用抗体の10%またはそれ未満あるいは1%またはそれ未満に減じられる。親和性は、本発明の抗体が治療用抗体に関して寛容源として作用できるように、十分に減じられることが要求される。用語「非細胞結合性変異体(non-cell-binding variant)」は、本明細書においては、本発明の抗体を意味するが、本発明の抗体は細胞表面抗原にいくらかの結合親和性をまだ有していてよい。
本発明の抗体が治療用細胞結合性抗体に免疫寛容を誘導する能力は、治療用抗体にも存在する非細胞結合性抗体中の少なくとも一つのエピトープの存在に依存し、該エピトープは意図する患者内の免疫応答を誘導する。
非細胞結合性抗体は、好ましくは抗イディオタイプ応答、少なくとも治療用抗体のVドメインの高可変領域、そして好ましくはフレームワーク領域も寛容化することができる。即ち、寛容抗体(torelising antibody)は、それらの領域において治療用抗体と類似のアミノ酸配列を有することが望まれる。好ましくは、非細胞結合性抗体と治療用抗体の可変ドメインの間には>90%、または>95%>または99%のアミノ酸同一性がある。より好ましくは、相違は、非細胞結合性抗体中で抗原結合親和性を十分減じるのに必要な任意のアミノ酸置換に限定される。
好ましくは、非細胞結合性抗体は治療用抗体の定常領域に寛容を誘導することができる。即ち、非細胞結合性抗体の定常ドメインは治療用抗体の定常ドメインに類似しており、例えば、>90%、または>95%>または99%のアミノ酸同一性を有する。最も好ましくは、非細胞結合性抗体と治療用抗体の定常ドメインは同一であり、即ちアロタイプ上は(allotypically)対等である。
本発明は、さらに本明細書に記載された抗体の断片も提供し、該断片は寛容誘導能力を有する。そのような断片は、一価および二価の断片、他えばFab,Fab’およびF(ab’)2断片を包含する。また、単鎖の抗体も含まれる。そのような断片の好ましい特徴は、本明細書において、本発明の非細胞結合性抗体に関して記載される。非細胞結合性断片は、対応する治療用抗体断片または治療用抗体分子と共に使用してよい。
非細胞結合性抗体の減じられた結合親和性は様々な方法により達成してよい。本明細書において記載される好ましい態様において、ひとつまたは2つまたはそれ以上のアミノ酸置換を有するCDRs中の変化は結合親和性を減じる。別法として、抗体分子の他の部分内のアミノ酸置換を用いることにより結合親和性を減じてよい。例えば、フレームワーク領域内のアミノ酸置換は結合親和性に顕著に影響することが知られている(Reichmann et al., 1988)。別の代替物は治療用抗体の一価の形態である。多価の抗体は二価の対照物に比して低下した結合親和性を有する。多価の形態は、例えばFab断片、または単鎖の抗体、または単一の結合部位を残した他の遺伝子工学による抗体断片であってよい。多価変異体は内部鎖(H−H)ジスルフィド形成に参加しているシステイン残基の変異によっても生成することができる(例えば、cys→serまたはcys→ala)。二価対照物に比した単価抗体の結合親和性の低下は、寛容誘導できるのに十分であってよい。好ましくは、単価抗体はFcリセプターに結合できないか、または相補成分C1qに結合できないか、またはその両方である。これらの特性のいずれかまたは両方は、適当な変異により導入することができる(例えば、Morgan et al., 1994年12月22日公表のWO 94/29351およびWinter et al., EP 0 307 434 B1を参照されたい)。
本発明の非細胞結合性抗体または断片は、即ち、あらゆる種類の抗体または断片のひとつであってよく、遺伝子工学による抗体または抗体断片を包含する。さらに、抗体または断片は一般に起源の混合物由来であってよい。例えば、それらはキメラ、例えばヒト定常領域にラット可変ドメインを付随したキメラであるか;またはヒト化されているかまたはCDRグラフト化されているかまたは別に作り直されてよい(例えば、Cabilly et al., 米国特許第4,816,567号;Cabilly et al., 欧州特許番号0 125 023 B1;Boss et al., 米国特許第4,816,397号;Boss et al., 欧州特許番号0 120 694 B1;Neuberger, M. S. et al., WO 86/01533;Neuberger, M. S. et al., 欧州特許番号0 194 276 B1;Winter, 米国特許第5,225,539号;Winter, 欧州特許番号0 239 400 B1;Queen et al., 米国特許第5,585,089号;Queen et al., 欧州特許番号0 451 216 B1;Adair et al., 1991年7月11日公表のWO 91/09967, Adair et al., 欧州特許番号0 460 167 B1;およびPadlan, E. A. et al., 欧州特許番号O 159 596 A1を参照されたい。また、一次(primatized)抗体に関してはNewman, R. et al., Biotechnology, 10:1455-1460(1992)を、そして単鎖の抗体に関してはHuston et al., 米国特許第5,091,513号;Huston et al., 米国特許第5,132,405号;Ladner et al., 米国特許第4,946,778号およびBird, R. E. et al., Science, 242:423-426(1988)も参照されたい)。カンパス−1Hはヒト化されたと考えられるが、フレームワーク領域において2つのアミノ酸置換を含む。
理想的には、本発明の抗体は基になった治療用抗体と可能な限り類似している。細胞結合性治療用mAbの注射前のそのような「最小限の変異物」の投与を用いることにより、治療用mAb中のすべてのT−並びにほとんどのB−細胞エピトープを寛容化することができる。古典的な実験は、B−細胞よりもT−細胞により、より効果的に寛容が保持されることを示す。しかしながら、抗−Id応答を含むほとんどのB−細胞応答はT−細胞の助けを必要とするので、B−細胞が与えられた抗原に応答性であっても、抗体の生産はT−細胞の感受性の状態により決定されることになる(Chiller et al., 1971)。即ち、細胞表面抗原に関するその親和性を減じるのに必要な最小限の相違を含む非細胞結合性変異体を用いることにより、それを寛容源として使用可能にすることが好ましい。X線結晶解析、コンピューターモデリングおよび部位特異的変異導入のような技術、およびファージディスプレイのような遺伝学の方法も用いることにより、あらゆる細胞結合性の治療用抗体に関する適切な非細胞結合性変異体をデザインすることが可能になる。
本発明の抗体は、好ましくは生物学上純粋な形態であり、望ましくは他の生物学上の物質が少なくとも95%(重量)含まれない。
本明細書において用いられるとおり、用語「細胞表面抗原」は、細胞表面上に見いだされるが細胞表面上で必ずしも独占的ではない抗原を意味する。
用語「治療用抗体」は、本明細書中では、特に疾患の治療に所望の効果を示すためのヒトまたは動物に投与してよい抗体を意味する。そのような治療用抗体は一般にはモノクローナル抗体であり、そして一般には遺伝子工学操作される。
他の側面において、本発明は、本明細書にて記載されたとおりの抗体と共に薬学上受容可能な希釈剤または担体を含む患者に投与するための組成物からなる。
さらなる側面において、本発明は、本明細書にて記載されたとおりの抗体を発現する宿主細胞または細胞系、並びにそのような抗体を生産するための宿主細胞または細胞系の使用法を提供する。
本発明の別の側面は、寛容、特に治療用抗体に対する寛容の誘導のための薬剤の製造における、本明細書にて記載されたとおりの抗の使用法を含む。
添付の図面において:
図1は、実施例において記載されたとおりに製造されたカンパス−1H重鎖の最小変異(minimal mutant)構築物を示す。
図2は、図1の変異構築物の製造のためのPCR変異導入戦略を示す。
図3は、野生型カンパス−1H重鎖を含むpGEM9zf、および重鎖内の変異断片の置換を示す。
図4は、単価の非細胞結合性治療用抗体の一つの態様の模式図を示す。
「最小変異体(minimal mutant)」創製のためのデザインの合理的な使用
治療用mAbの非細胞結合性変異体の生産のための一つの態様において、標的抗原に対する結合に関与しているアミノ酸残基を同定する。VLおよびVHドメインからなる残基の数に関して、抗原との相互作用に直接関与しているものは数が小さい(Novotny et al, 1983)。そして、Ab結合部位は6つの高可変ループからなるが、これらのループの1つまたは2つはその相互作用において目立つかもしれない。鍵となるひとつまたは複数の残基が同定されうるなら、それ/それらは抗原結合性を低下させる(低下させるかまたは壊滅させる)残基への部位特異的変異導入により変化させることができる。これらの残基は高可変ループ構造内で最も見いだされるにふさわしく、それらのループを支持するフレームワーク配列内ではないから、小さな変化はAbの全体構造を顕著に破壊しないかもしれない。
変異導入のための鍵の残基を規定するAb結合部位のモデルの構築
Ab分子の定常領域および可変領域は配列中および構造中にて極めて小さいから、Ab構造に関する一般の原理は、相対的にあまり解析されていない結晶構造を用いて規定された。現在まで、Ab断片約50構造がブルックヘブンプロテインデータバンクに含まれており、そのうちの20%が2.0オングストロームまたはそれより多い分解能(resolution)までに精製された。構造上の知見の基礎が増加するにつれて、比較上のAbモデリング(ホモロジーによるモデリング)はより信頼できるようになるが、いろいろな構造上の鋳型が存在するからである。異なるAb構造の可変領域(VLおよびVH)は、それらの最も保存された残基を重ねた(superimposing)後に構造上の鋳型として結合することができる。次に、覆い隠された残基の側鎖のコンフォメーションをモデリングする。CDRループは構造上類似のループ鋳型の特徴付けによりモデリングする(しばしば、同じ長さで類似の配列のループは類似のバックボーンコンフォメーションを有する)。これらのCDR配列はしばしば標準的なループモチーフになる(H3を除いて、マウスVL(カッパ)とVHの50から95%は古典的標準モチーフと一致するループ配列を有する)。標準的ループのバックボーンは、次に、フレームワークのモデル上にスプライスすることができ、CDR側鎖のコンフォメーションは、同じ標準的構造の他のループ内の対応する位置に見いだされる残基のコンフォメーションに基づいてモデリングできる。最後に、煩わしいステレオケミカルの束縛を最小にするコンピュータープログラムを用いて、モデルはしばしば純化される。
比較上のモデル構築は構造上のデータベースのサイズが増大するにつれて広く用いられつつあり、極めて広範囲の構造上の鋳型を提供する。また、利用可能な極めて広範囲のコンピュータープログラムは、モデルがますます正確になりつつあることを保証する。例えば、カンパス−1Hの解析された結晶構造は分子モデリングにより予測された構造に極めて近かった。我々は、実施例に記載された変異1および2がCD52への結合に有害な作用を有するらしかったことを、分子モデリングから予測できた。結晶構造はこれらの予測を確認し、そして変異3がCD52への結合を破壊できることも予測した。
明らかに、治療用Abの非細胞結合性バージョンを創製するためには、解析された結晶構造を用いて、好ましくは抗原と共に結晶化された構造で開始することが望まれ、その結果、鍵となる接触残基が同定されて、抗原結合を破壊する残基を置換することができる。しかしながら、多くの場合、良好な分子モデルは必要な情報を提供することができる。分子モデルの質がよくない場合(例えば、適当な構造上の鋳型がデータバンクに存在しないなら)、CDR交換実験(実施例に記載されるとおり)は、CDRsが変異の標的とされなければならない際の情報を提供する。それらの領域を通したアラニンスキャニング変異導入(Alaに続く各残基を変異させること)は抗原結合に関与する鍵の残基を同定することができる(Cunningham and Wells, 1989)。一つの残基のAlaへの変更が結合性を低下させるが結合性を破壊しなかったなら、その位置はより劇的な変異の標的となることができ(例えば、電荷の相違を生じる置換)、所望であればさらに結合性を低下させることができる。
治療用抗体の非細胞結合性バージョンを得るための別の方法は、遺伝的な技術、例えばエラーしがちなPCR(Gram et al, 1992)を用いてV領域遺伝子を循環する(例えば、sFv構築物として)バクテリアの変異誘発株(例えば、mutD5)を通したファージディスプレイを含む(Low et al, 1996)。
本発明は、今、以下の実施例にてさらに記載される。カンパス−1Hの特定の実施例が本明細書にて提供されるが、本発明はカンパス−1Hに基づく抗体のみに限定されない。他の細胞結合性治療用抗体、特に繰り返しの投薬量で与えられるはずの抗体がこの戦略を用いてより広く受容されるようになることが予測される。
実施例
A.「最小変異体」の創製
我々は、ヒト化カンパス−1のmAbのどのCDRループがCD52への結合に最も重要なのかを決定する方法を工夫した。6つの高可変領域(蛋白質データベース中のV領域のアミノ酸配列の整列を用いてKabat et al(1987)により定義された)の各々が、ヒト化の間に、ヒトVLまたはVHのアクセプター配列を提供したV領域からの相当するCDRに関して個々に交換されたように、変異VLまたはVHを遺伝的に構築した(それぞれ、REIおよびNEW)。工作されたV領域はpHENベクターを用いて大腸菌中においてFab断片として発現された(Hoogenboom et al, 1991)。この系においては、pelBリーダー配列を用いることによりペリプラズムへの蛋白質発現を指示したが、L−鎖と末端削除されたH−鎖の結合が生じる(Hoogenboom et al, 1991)。これらのFab断片を固定化されたCDRへの結合に関して分析した場合、ヒト化カンパス−1 FabへのNEWの(VH)CDRの交換はCD52への結合性を完全に破壊したことが見いだされた。(VH)CDR3の置換はCD52への結合性を8倍低下させ、(VH)CDR1および(VL)CDR3の置換は結合性を3倍低下させた。(VL)CDR1または(VL)CDR2を置換した場合には、結合性における変化が検出されなかった。これらの結果から、(VH)CDR2は抗原結合性に必要な鍵となるひとつまたは複数の残基を含んだらしい。「野生型」ヒト化カンパス−1H鎖をコードするDNA(Reichmann et al, 1988)を部位特異的変異導入のPCR鋳型として用いた。この重鎖配列は、3つのVH CDRおよび第1フレームワークの27および30位を除いてすべての位置でヒト蛋白質をコードする。我々は、AbのCD52への結合性を壊滅させるはずの変異を作成するために、VH CDR2内のH2ループに焦点を絞った。H2は、Kabatらの定義(Kabat et al, 1987)によれば「高可変」と示される19アミノ酸のVH CDR2内に見いだされる実際のループ構造(Chothia and Lesk, 1987)である(図1を参照されたい)。このループおよび/またはフレームワーク中の少数の鍵となる残基が相対的にわずかなCDRループコンフォメーションを決定し、そして標準的ループモチーフがVH CDR2を含むほとんどのCDRに関して同定されたことは公知である(Chothia and Lesk, 1987)。それは抗原と接触するためにV領域のβバレル(barrel)のフレームワークから明瞭なループ構造であるから、該ループ内の変異は抗原結合性を破壊する一方でAb構造は保持する最も大きなチャンスを有するはずである。一般に、我々は、以下においてより詳細に論じられるとおり、H2直前の残基にさらなる変異を含んだH−鎖のmut6を除いてH2ループへの変化を制限した。
カンパス−1H重鎖の最小変異構築物の概要(図1)
変異1は、残基52bにおけるlysからAspへの単一の電荷の変化である。カンパス−1H Abの分子モデリングから予測され、そして結晶構造から支持されたことは、この残基の側鎖が抗原の接近に関してAb結合性ポケットを指示することであった。該Lysの陽性電荷はCD52のGPIアンカーの陰性電荷のリン酸基と相互作用すると考えられたので、この単一の変異は抗原結合性を破棄する可能性がある。
変異2は、残基52aにおけるAspからLysへの単一の電荷の変化である。カンパス−1H Abの分子モデリングから、この変化が抗原結合性に相互作用しうることが予測された。
変異3は、残基53におけるLysからAspへの単一の電荷の変化である。カンパス−1H Abの結晶構造から、この残基の側鎖の大部分は溶剤接近可能であり、よって、変異1に関するように、CD52のGPIアンカーの陰性電荷のリン酸基との相互作用に関与するらしいことは明らかである。
変異4は、変異1および3の個々の置換を包含する二重変異である(Lys52bおよびLys53からAsp)。
変異5は、変異1、2および3の個々の置換を包含する三重変異である(3つの電荷の差異:Asp52aからLys;Lys52bおよびLys53からAsp)。
変異6は、変異1および2の個々の置換(2つの電荷の差異:Asp52aからLys;Lys52bからAsp)およびさらなるArg52からAlaへの変異を包含する三重変異である。残基52は、高、低、中親和性の3つの異なるカンパス−1H Abの間で違うことが示され、そして親和性の成熟に直接関与するらしい。これは逆に抗原結合性における役割を示唆するかもしれない。
これら重鎖変異の各々に関して、変異はオリゴヌクレオチドプライマー1Bおよび2A上にコードされた(図2)。PCRは、リーダー配列にアニーリングされかつ上流のHindIII部位を含む5’プライマー(プライマー1A)およびプライマー1Bを用いて「野生型」カンパス−1重鎖DNA上にて実施することにより、200bpの断片を生じた。同様に、プライマー2B(CH1にアニーリングされ、BstXI部位を含みEcoRI部位に続く)およびプライマー2Aを用いて440bpの断片が生じた。これらの断片はゲル精製されて次に単一のPCR反応にて混合された。プライマー1Aおよびプライマー2Bは第1の循環の後に加えられた(即ち、2片のオーバーラップするDNAを増幅前にアニールさせる)。PCRに続き、断片をゲル精製してHindIIIとEcoRIにより消化して、配列の確認のために中間体配列決定用ベクター(PUC19またはpGEM3zf)に移した。カンパス−1HのVH内に位置する唯一のPstI部位およびCH1領域内に位置する唯一のBstXI部位は、変異V領域(および一部のCH1配列)がPstI−BstXI断片として、該変異がPstIおよびBstXI部位を周囲に有する6つの異なるDNAカセット中にコードされるように単離されることを可能にする。変異カンパス−1H重鎖を創製するために、起源の重鎖構築物(中間体ベクターpGEM3zf中)をPstIとBstXIにより切り出して、断片を除去した。残りのDNA(カンパス−1H重鎖のリーダー配列およびPstI部位上流のV領域、プラスBstXI下流のCH1領域、続くヒンジ、CH2,CH3,pGEM3zf中)をゲル精製した(図3)。次に、上記変異を含む各々のDNAカセットがゲル精製されたpGEM3zf/PstI−BstXIで切断されたカンパス−1H重鎖DNAに連結するように、ライゲーションを設定した。これら6つの変異導入されたカンパス−1H重鎖は、次に、HindIIIによる消化およびゲル精製、続くHindIIIで切断された哺乳類発現ベクターpBAN−2へのライゲーションにより単離した。このベクターは、マウスメタロチオネインプロモーターおよび所望の遺伝子産物のための強力なヒトβ−アクチンプロモーター/ポリアデニレーションシグナルの制御下でネオマイシン選択可能マーカーを含むpNH316に由来する(Page and Sydebham, 1991)。これらの断片は単一のHindIII制限部位に導入されたので、各々の断片の配向をDNA配列決定によりチェックした。
同時トランスフェクションのためのカンパス−1H軽鎖構築物
ヒト化「野生型」カンパス−1H軽鎖をコードするDNA(V領域中の3つのCDRを除くすべての残基においてヒト配列)は、HindIIIからEcoRIまでの断片として中間体ベクターから単離された。この断片をゲル精製し、次にHindIII−EcoRI切断された哺乳類発現ベクターpRDN−1にライゲートした。このベクターは、「不具の」ジヒドロフォレートレダクターゼ(dhfr)選択可能マーカー(SV40のエンハンサー要素が除去されたことによりメトトレキセートの存在下において遺伝子発現のレベルの増大を可能にした)および強力な所望の遺伝子産物のための強力なヒトβ−アクチンプロモーター/ポリアデニレーションシグナルを含むpLD9ベクターに由来する(Page and Sydebham, 1991)。
カンパス−1H軽鎖DNAと変異体重鎖DNAの同時トランスフェクション
過去において高いレベルのヒト化カンパス−1H Abの生産に使用された発現系は、ジヒドロフォレートレダクターゼ(dhfr)欠損のチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞の使用並びに所望の遺伝子産物の選択および増幅のための強力なヒトβ−アクチンプロモーターの使用による遺伝子増幅を特徴とする広範囲に使用される哺乳類発現系である(Page and Sydebham, 1991)。
以下のトランスフェクション(TF)を実施した:
TF1:にせ(mock)(「空の」pRDN−1プラス「空の」pBAN−2)
TF2:軽鎖のみ(軽鎖/pRDN−1プラス「空の」pBAN−2)
TF3:軽鎖/pRDN−1プラスH鎖変異体1/pBAN−2
TF4:軽鎖/pRDN−1プラスH鎖変異体2/pBAN−2
TF5:軽鎖/pRDN−1プラスH鎖変異体3/pBAN−2
TF6:軽鎖/pRDN−1プラスH鎖変異体4/pBAN−2
TF7:軽鎖/pRDN−1プラスH鎖変異体5/pBAN−2
TF8:軽鎖/pRDN−1プラスH鎖変異体6/pBAN−2
TF9:軽鎖/pRDN−1プラスH鎖「野生型」/pBAN−2
DNA(20μgの軽鎖/pRDN−1プラス20μgの重鎖/pBAN−2)を滅菌エッペンドルフ中で混合して、エタノール沈殿させて、70%エタノールで2回洗浄した。DNA沈殿物を滅菌Tris−EDTA中に懸濁した。
各々のトランスフェクションに関して、DNAを60μlの20mM HEPES(pH7.4)により5mlのポリスチレンチューブの中で希釈した。他のチューブにおいては、120μlのDOTAPリポソームトランスフェクション試薬(ベーリンガーマンハイム)を80μlの20mM HEPES(pH7.4)により希釈した。次に、DNA/HEPESを希釈したDOTAPに加えて、混合して、室温にて15分間放置した。培地(IMDM+5%FCS+HT)を、約50%コンフルエントに生育させたdhfr欠損CHO細胞を含むT75フラスコから吸引した。DNA/DOTAPを、次に10mlの新鮮な培地と共に該フラスコに加えた。フラスコを24時間37℃において5%CO2中で培養した。次に、DNA/DOTAPをフラスコから吸引して、細胞に15mlの新鮮な培地を与えた。さらに24時間後、培地を除去して選択培地(IMDM+5%透析されたFCS+1mg/ml G418)を加えることにより、選択を開始した。細胞を37℃にて5%CO2中で培養して、必要に応じて新鮮な選択培地を加えた。次に、培養上清をELISAにより抗体の存在に関して以下に記載されるとおりに試験した。
ELISAによるトランスフェクション上清中の分泌Abの検出
マイクロタイタープレートをPBS中の50μl/ウエルの抗−ヒトIg Fc(シグマ、カタログ番号I−2136)により2.5μg/mlにて一晩4℃においてコートした。コートされたAbを除去して、100μl/ウエルのブロッキングバッファー(PBS+1%BSA+5%FCS+1%熱不活性化正常ウサギ血清(NRS))の一晩4℃における添加によりプレートをブロックした。トランスフェクション上清を少なくとも1時間室温において加えた(50μl/ウエル)。ウエルをPBS/0.5%ツイーン−20(PBS/ツイーン)で洗浄した。ブロッキングバッファーにより1/5000に希釈されたビオチン化ヒツジ抗−ヒトIg(アマシャム、カタログ番号RPN1003)またはブロッキングバッファーにより1/1000に希釈されたビオチン化ヤギ抗−ヒトカッパ軽鎖(シグマ、カタログ番号B−1393)(50μl/ウエル)を1時間室温において加えた。ウエルをPBS/ツイーンで洗浄して50μl/ウエルのExtrAvidin−ペルオキシダーゼ(シグマ、カタログ番号E−2886)を室温において30分間加えた。ウエルをもう一度洗浄して100μl/ウエルの基質o−フェニレンジアミンジヒドロクロリド(シグマ、カタログ番号P−7288)を加えた。色の変化をマルチスキャンプラスマイクロタイタープレートリーダーを用いて492nmにおいて測定した。
ELISAによるカンパス−1抗原への結合の検出
マイクロタイタープレートを、PBS中の50μl/ウエルの抗−マウスIgFc(シグマ、カタログ番号M−4280)で2.5μg/mlにおいて一晩4℃においてコートした。コーティングAbを除去して、100μl/ウエルのブロッキングバッファー(PBS+1%BSA+5%FCS+1%熱不活性化NRS)の一晩4℃における添加によりプレートをブロックした。精製された組換えカンパス−1 Ag−融合蛋白質(マウスCH2およびCH3ドメインをコードする配列に融合させたCD52ペプチドバックボーンをコードする配列、そしてプロテインAカラム上で精製された)を次に4μg/mlにて各々のウエルに一晩4℃において加えた(50μl/ウエル)。次に、ウエルをPBS/ツイーンにより洗浄して、トランスフェクション上清を少なくとも1時間室温において加えた(50μl/ウエル)。ウエルをPBS/ツイーンで洗浄し、ブロッキングバッファーにより1/5000に希釈されたビオチン化ヒツジ抗−ヒトIg(アマシャム、カタログ番号RPN1003)(50μl/ウエル)を1時間室温において加えた。ウエルをPBS/ツイーンで洗浄して50μl/ウエルのExtrAvidin−ペルオキシダーゼ(シグマ、カタログ番号E−2886)を室温において30分間加えた。ウエルをもう一度洗浄して100μl/ウエルの基質o−フェニレンジアミンジヒドロクロリド(シグマ、カタログ番号P−7288)を加えた。色の変化を492nmにおいて測定した。
ELISAによる非結合性変異体の評価:
「野生型」精製カンパス−1H Abは、ELISAアッセイにおいて、組換えカンパス−1H Ag−融合蛋白質に強固に結合する。非細胞結合性抗体を評価する比較を提供するためには、結合がまさに検出可能になるまでの濃度に下げて野生型Abの力価を測定できる。これは、「1 Ab結合ユニット」と呼んでよい。野生型の適切な非結合性変異体は、野生型カンパス−1H Abのこの濃度の数倍、例えば100倍、または1000倍、または好ましくは10,000倍において検出可能な結合を示さない。
インビボにおける非結合性変異体の評価:
非結合性能力を評価するために適用可能な別の方法を記載する。我々は、野生型カンパス−1H AbがヒトCD52を発現するトランスジェニックマウス(これらのマウスの詳細は次のセクションを参照されたい)において強力な抗−イムノグロブリン応答を引き出すことを知っているので、変異体の生成された脱凝集調製物をインビボにおいて用いることにより、それら免疫原性か否かを評価することができる。抗−グロブリン応答はマウスあたり1μgから1mgの間の脱凝集変異体投薬量では検出できないなら、これは該変異体がCD52に結合できないことの良い示唆である。
B.寛容誘導のインビボモデル
カンパス−1Hの最小変異体がインビボにおいて野生型カンパス−1H Abを寛容する能力を試験するため、トランスジェニックマウスを用いた。例えば、T細胞上でのCD52の発現を模倣するため、マウスCD2プロモーターの陰でヒトCD52を発現するトランスジェニックマウスを用いることができる。
そのようなマウスを創製するために、ヒトCD52遺伝子の2つのエクソンを含む2.8kbのゲノミック断片、並びに4.5kbの上流およびヒトCD2遺伝子の3’周辺配列をトランスジェニックマウスのゲノムに導入することができる。強力な制御領域が3’から、ヒトCD2遺伝子の高いレベルの組織特異性発現を決定する該遺伝子にわたって存在すると考えられる(Greaves et al, 1989)。この方法により、4つのCD52/CBA開祖(founders)はトランス遺伝子を遺伝したことが立証された。事実、蛍光活性化セルソーティングおよび2色染色を用いてそれらの子孫の末梢血染色を分析した際に、マウスCD3を発現する細胞(T細胞)もヒトCD52を発現したことが示された(Kioussis, 未公開データ)。これらのマウスを同型接合で育種されて、それらのT細胞の95%以上が細胞表面上に高いレベルのヒトCD52を発現する。
これらのマウスは、1から10mg/マウスの投薬量にて野生型カンパス−1Hへの激しい抗グロブリン応答(1/1000またはそれ以上の力価)を生じる。この抗グロブリン応答は、CDRループがラット配列であるように、抗−Id成分を含む。最小変異体が野生型カンパス−1H Abの次のチャレンジを寛容する効果は以下の方法により評価してよい。
1.各非細胞結合性変異体または非関連対照Ab(超遠心分離により脱凝集された)の単一投薬量(0.5から1mg/マウス日0)の静脈投与、続く4から6週目の1から10mg野生型カンパス−1H Abのチャレンジ。チャレンジ10日後の尾の血液をカンパス−1H抗−Id特異性に関してELISAにより試験する。
2.1から10mg野生型カンパス−1H Abのチャレンジ前2カ月にわたる脱凝集された非細胞結合性変異体または対照Abの複数投薬量(0.5から1mg/マウス)の静脈投与。チャレンジ10日後の尾の血液をカンパス−1H抗−Id特異性に関してELISAにより試験する。両方の場合に、非関連の対照Abは、マウス中でイソタイプ適合の非細胞結合性Ab、例えばヒト化抗−CD4Abであるカンパス−9になる(Gorman et al, 1991)。
C.ヒトの治療のために如何に戦略を採用するか
かなりの量(例えば、500mg)の治療用抗体の非細胞結合性形態を、治療用抗体を待ち受ける患者に投与する。好ましくは、投与される非細胞結合性抗体は新たに脱凝集される(例えば、細かいフィルターを通過させることにより)。一定時間後(例えば、7日)、T−細胞およびB−細胞が寛容になった時に、治療用抗体の野生型形態が投与される。
1:).さらなる考慮:
1.HGGまたは混合鎖Ab分子よりも最小変異体を寛容にする方が用であるべきである。
Benjamin et al(1986)の寛容モデルにおいては、ポリクローナル抗体の寛容がCD4+ T−細胞の消耗を続ける(following)マウスにおいて誘導されたが、脱凝集された物質も用いた。これらの可溶性蛋白質の寛容は相対的に容易に達成されることができた。また、Isaacs and Waldmann(1994)の研究においては、非細胞結合性混合鎖Ab分子の寛容誘導の間にCD4 Abを与えたか(非関連および抗原特異的H−およびL−鎖)、または非細胞結合性形態をそれらの脱凝集後にそれら自身において正しく(in their own right)寛容源として用いた。
最小変異体を用いて寛容を誘導する我々の修飾アプローチにおいては、蛋白質の外来性は、マウスにおいてはポリクローナル抗体または混合鎖Ab分子よりも低くなる。治療用mAbをヒト化する場合、CDRループ(および、幾つかの場合、幾つかのフレームワーク位置)のみは、げっ歯類配列からなる。したがって、CD4 mAb不在下において脱凝集された最小変異体で寛容することが可能になるかもしれない。しかしながら、たとえCD4の投与が必要であっても、ヒト化治療用CD4が利用可能である(CAMPATH−9:Gorman et al, 1991)。トランスジェニック動物における研究がこの詳細に立ち向かう。
2.最小変異体の単価形態の創製(図4)。
ここまでは、抗原結合性を破壊する最小残基の変化を除いて、本質的に野生型治療用であるような最小変異体を用いた寛容誘導を我々が考えてきた。我々は、最小変異体と顕著に類似してもいる単価形態も提案する。
一つの態様において、単価形態は、単鎖Fv[VL、短いペプチドリンカー(例えばHuston et al, 1991に記載されたようなもの)および変異VHにより形成された]を、ヒトIgG1のヒンジ−CH2−CH3をコードする配列に遺伝的に融合させる。この構築物は、単一のAb結合部位および機能的Ig Fcドメインから本質的になる蛋白質を発現させるように、末端削除された重鎖(ヒンジ−CH2−CH3のみ;Routledge et al, 1991)と結合して発現される。異なるペプチドリンカーの免疫原性は、与えられたそれらの小さなサイズ(一般に14から18残基長)およびリンカーを形成する小さな残基(例えばGlyおよびSer)の豊富さを無視してよいと予測される。一般の選択は15残基リンカー(Gly4Ser)3であって、セリン残基はペプチドバックボーン上で超親水性を示し(フォールディングの間の可変ドメイン間へのそのインターカレーションを阻害する)、そしてドメインフォールディングを複雑にするかもしれない側鎖を他に含まない(Huston et al, 1988)。
SFvは、哺乳類細胞において多くの異なる抗体から発現され、そして機能的活性による抗原結合の正確なコンフォメーションへとフォールドされることが示されてきた(Gilliland et al, 1996)。Fc位置は最小変異体および野生型治療用Abに匹敵する血清半減期を保証すべき好ましい位置であるが、単価性はその結合力の低下によりCD52への結合性が大きく低下することを保証する。我々は、CDR−交換実験(セクションA1)からカンパス−1 Abが単価形態でCD52に不十分に結合することを既に示した。該分子の結合力を低下させることに加えて、小さなサイズはおまけであり:古典的な寛容実験においては、分子が小さければ小さいほど寛容を誘導するのに良好であったことが見いだされた(Parish and Ada, 1969;Anderson, 1969;Miranda et al, 1973)。単価性を非細胞結合性変異体と組み合わせることにより、より高い効果が得られるかもしれない。
文献
Claims (7)
- 変異1(残基52bにおけるLysからAspへの置換)、
変異2(残基52aにおけるAspからLysへの置換)、
変異3(残基53におけるLysからAspへの置換)、
変異4(変異1及び変異3の二重変異:残基52bにおけるLysからAspへの置換;及び残基53におけるLysからAspへの置換)、
変異5(変異1、2及び3の三重変異:残基52bにおけるLysからAspへの置換;残基52aにおけるAspからLysへの置換;及び残基53におけるLysからAspへの置換)、及び
変異6[変異1(残基52bにおけるLysからAspへの置換);変異2(残基52aにおけるAspからLysへの置換);及び残基52におけるArgからAlaへの置換の三重変異]
からなる群から選択されるアミノ酸置換を少なくとも1つ有する修飾されたカンパス−1H抗体。 - 請求項1記載の抗体を発現する細胞系。
- 抗体の発現に適した条件下で請求項2記載の細胞を保持することからなる、請求項1記載の抗体の製造方法。
- 抗体を回収することをさらに含む、請求項3記載の方法。
- 抗体を単離することをさらに含む、請求項4記載の方法。
- 請求項1記載の抗体を活性成分として含む、治療用抗体に対する免役寛容を誘導するための医薬組成物。
- 治療用抗体に対する免疫寛容誘導のための医薬の製造における、請求項1記載の抗体の使用。
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