JP4574615B2 - ククルビツリル誘導体を含むナノ粒子、該ナノ粒子を含む薬剤組成物、及びそれらの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、ククルビツリル誘導体を含むナノ粒子に係る。さらに詳細には、本発明は、ククルビツリル誘導体の凝集によって形成されたナノ粒子、該ナノ粒子を含む薬剤組成物、及びそれらの製造方法に関する。
21世紀を迎え、ヒトゲノムプロジェクトの完成によってかなりの量の遺伝子情報が得られ、多様な疾病に対する診断と予防についての研究が活発になされている。このような状況下で、新薬及びこのための薬物送達システムの開発は、バイオテクノロジー産業の多くの研究の中でも重要な課題である。新薬の開発は、高付加価値産業であるにもかかわらず、大きい危険が生じ、莫大な経済的バックアップが必要である。さらに、商品化を達成するためには、新薬の開発後、複雑な臨床試験が必要であるため、新薬の開発は時間がかかる。これに対し、薬物送達システムの開発は、新薬開発に必要な時間と費用とに比べ、三分の一ほどに低減され、かつ成功率も非常に高い。新しい薬物送達システムの開発は、多くの国内外の大学研究所、企業研究所及び政府出資研究所などで活発に進められている。新たに開発され、現在、国内で商品化された薬物送達システムの例としては、ハンミ薬品(韓国)がノバルティスに輸出した免疫抑制剤として用いられるシクロスポリン(商品名:インプランタ)製剤がある。また、他の例として、ケトトップ(太平洋製薬、韓国)の開発が挙げられる。開発された薬物送達システムの商品化の成功に基づいて、国内のさまざまな大学の化学科、化学工学科、薬学科、医学科など、各製薬会社の研究所、政府出資研究所、および各企業の化学関連研究所で薬物送達システムについての広範囲の研究がなされている。さらに、遺伝子、蛋白質、および有機化合物のためのさまざまな薬物送達システム、経口投与、経皮投与、経鼻投与のような多様な投与方法、ならびに脳、腎臓、および肝臓のような特定器官を標的とした薬物送達システムの研究がなされている。外国では、ほぼあらゆる主要大学に薬物送達システムに関する研究室が設けられており、薬物送達システムに関する研究を導くおもな外国の企業としては、Alza Corp.、Elan Corporation,Plc.、Dura Pharmaceuticals Inc.、Andrx Corp.、Vivus Inc.などが挙げられる。
発明が解決しようとする課題
本発明は、ククルビツリル誘導体を含むナノ粒子を提供する。
本発明の一実施形態によれば、下記化学式1のククルビツリル誘導体の凝集によって形成された、10ないし1,000nmの粒径を有するナノ粒子が提供される:
A1及びA2は、それぞれOR1およびOR2、SR1およびSR2、またはNHR1およびNHR2であり、
前記R1及びR2は、それぞれ独立して水素、置換または非置換のC1〜C30のアルキル、置換または非置換のC2〜C30のアルケニル、置換または非置換のC2〜C30のアルキニル、置換または非置換のC2〜C30のカルボニルアルキル、置換または非置換のC1〜C30のチオアルキル、置換または非置換のC1〜C30のアルキルチオール、置換または非置換のC1〜C30のアルコキシ、置換または非置換のC1〜C30のヒドロキシアルキル、置換または非置換のC1〜C30のアルキルシリル、置換または非置換のC1〜C30のアミノアルキル、置換または非置換のC1〜C30のアミノアルキルチオアルキル、置換または非置換のC5〜C30のシクロアルキル、置換または非置換のC2〜C30のヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6〜C30のアリール、置換または非置換のC6〜C20のアリールアルキル、置換または非置換のC4〜C30のヘテロアリール、及び置換または非置換のC4〜C20のヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、
nは、4ないし20の整数である。
A1及びA2は、それぞれOR1およびOR2、SR1およびSR2、またはNHR1およびNHR2であり、
前記R1及びR2は、それぞれ独立して水素、置換または非置換のC1〜C30のアルキル、置換または非置換のC2〜C30のアルケニル、置換または非置換のC2〜C30のアルキニル、置換または非置換のC2〜C30のカルボニルアルキル、置換または非置換のC1〜C30のチオアルキル、置換または非置換のC1〜C30のアルキルチオール、置換または非置換のC1〜C30のアルコキシ、置換または非置換のC1〜C30のヒドロキシアルキル、置換または非置換のC1〜C30のアルキルシリル、置換または非置換のC1〜C30のアミノアルキル、置換または非置換のC1〜C30のアミノアルキルチオアルキル、置換または非置換のC5〜C30のシクロアルキル、置換または非置換のC2〜C30のヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6〜C30のアリール、置換または非置換のC6〜C20のアリールアルキル、置換または非置換のC4〜C30のヘテロアリール、及び置換または非置換のC4〜C20のヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、
nは、4ないし20の整数である。
上述したように、本発明は、ククルビツリル誘導体の凝集によって形成されたナノ粒子、前記ナノ粒子に薬物が担持された薬剤組成物、およびこれらの調製方法を提供する。
図1は、オクタンスルファニルプロピルオキシククルビト[12]ウリルを利用し、本発明の方法に従って調製したナノ粒子の走査電子顕微鏡写真である。
1mgのオクタンスルファニルプロピルオキシククルビト[12]ウリルを0.1mLのテトラヒドロフラン(THF)に完全に溶かした後、10mLの蒸溜水を加え、反応溶液をソニケータで10分間超音波で分散させた。その後、ソニケータの温度を60℃に設定し、THFを完全に除去した。完全にTHFを除去した後、得られた溶液を室温に冷却し、エマルジョンを得た。走査電子顕微鏡(SEM)写真によって、10から200nmの粒径の球状粒子を観察した。
1mgのオクタンスルファニルプロピルオキシククルビト[12]ウリルと10mgのポリ乳酸(PLA)とを0.1mLのTHFに完全に溶かし、10mLの蒸溜水を加え、反応溶液をソニケータで30分間超音波で分散させた。その後、ソニケータの温度を60℃に設定し、THFを完全に除去した。THFを完全に除去した後、得られた溶液を室温に冷却し、エマルジョンを得た。
1mgのオクタンスルファニルプロピルオキシククルビト[12]ウリル、5mgのPLA、及び5mgのアルブミンを0.1mLのTHFに完全に溶かし、10mLの蒸溜水を加え、反応溶液をソニケータで30分間超音波で分散させた。その後、ソニケータの温度を60℃に設定し、THFを完全に除去した。THFを完全に除去した後、得られた溶液を室温に冷却し、エマルジョンを得た。エマルジョンを3,500rpmで遠心分離して乾燥させた。
1mgのオクタンスルファニルプロピルオキシククルビト[12]ウリル、10mgのPLA、及び1mgのヒドロコルチソンを0.1mLのTHFに完全に溶かし、10mLの蒸溜水を加え、反応溶液をソニケータで30分間超音波で分散させた。その後、ソニケータの温度を60℃に設定し、THFを完全に除去した。THFを完全に除去した後、得られた溶液を室温に冷却し、エマルジョンを得た。エマルジョンを3,500rpmで遠心分離して乾燥させた。
1mgのオクタンスルファニルプロピルオキシククルビト[12]ウリル、10mgのPLA、及び1mgのインスリンを0.1mLのTHFに完全に溶かし、10mLの蒸溜水を加え、反応溶液をソニケータで60分間超音波で分散させた。その後、ソニケータの温度を60℃に設定し、THFを完全に除去した。THFを完全に除去した後、得られた溶液を室温に冷却し、エマルジョンを得た。エマルジョンを4,000rpmで遠心分離して乾燥させた。
1mgのオクタンスルファニルプロピルオキシククルビト[12]ウリル、10mgのPLA、及び2mgのカルシトニンを0.1mLのTHFに完全に溶かし、10mLの蒸溜水を加え、反応溶液をソニケータで30分間超音波で分散させた。その後、ソニケータの温度を60℃に設定し、THFを完全に除去した。THFを完全に除去した後、得られた溶液を室温に冷却し、エマルジョンを得た。エマルジョンを3,500rpmで遠心分離して乾燥させた。
Claims (12)
- 下記化学式1のククルビツリル誘導体の凝集によって形成された、10ないし1,000nmの粒径を有するナノ粒子:
A1及びA2は、それぞれOR1およびOR2、SR1およびSR2、またはNHR1およびNHR2であり、
前記R1及びR2は、それぞれ独立して水素、置換または非置換のC1〜C30のアルキル、置換または非置換のC2〜C30のアルケニル、置換または非置換のC2〜C30のアルキニル、置換または非置換のC2〜C30のカルボニルアルキル、置換または非置換のC1〜C30のチオアルキル、置換または非置換のC1〜C30のアルキルチオール、置換または非置換のC1〜C30のアルコキシ、置換または非置換のC1〜C30のヒドロキシアルキル、置換または非置換のC1〜C30のアルキルシリル、置換または非置換のC1〜C30のアミノアルキル、置換または非置換のC1〜C30のアミノアルキルチオアルキル、置換または非置換のC5〜C30のシクロアルキル、置換または非置換のC2〜C30のヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6〜C30のアリール、置換または非置換のC6〜C20のアリールアルキル、置換または非置換のC4〜C30のヘテロアリール、及び置換または非置換のC4〜C20のヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、
nは、4ないし20の整数である。 - ククルビツリル誘導体に加えて生分解性高分子の凝集によって形成された、請求項1に記載のナノ粒子。
- 前記生分解性高分子は、ラクチド−グリコリド共重合体(PLGA)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(アルキルシアノアクリレート)、ポリ−ε−カプロラクトン、セルロース誘導体、アルブミン、ゼラチン、アルギン酸塩、またはこれらの混合物である、請求項2に記載のナノ粒子。
- 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のナノ粒子に薬理活性物質がゲスト分子として担持された薬剤組成物。
- 前記薬理活性物質は、有機化合物、蛋白質、または遺伝子である、請求項4に記載の薬剤組成物。
- 前記有機化合物は、ヒドロコルチソン、プレドニソロン、スピロノラクトン、テストステロン、酢酸メゲステロール、ダナゾール、プロゲステロン、インドメタシン、アンホテリシンB、またはこれらの混合物である、請求項5に記載の薬剤組成物。
- 前記蛋白質は、ヒト成長ホルモン、G−CSF(顆粒球コロニー刺激因子)、GM−CSF(顆粒球・マクロファージコロニー刺激因子)、エリスロポイエチン、ワクチン、抗体、インスリン、グルカゴン、カルシトニン、ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)、ソマトスタチン、ソマトトロピン、ソマトメジン、副甲状腺ホルモン、甲状腺ホルモン、視床下部分泌物質、プロラクチン、エンドルフィン、VEGF(新規血管新生因子)、エンケファリン、バソプレシン、神経成長促進因子、非自然発生的オピオイド、インターフェロン、アスパラギナーゼ、アルギナーゼ、スーパーオキシドジスムターゼ、トリプシン、キモトリプシン、ペプシン、またはこれらの混合物である、請求項5または6に記載の薬剤組成物。
- 下記化学式1のククルビツリル誘導体を有機溶媒に溶かして反応溶液を得る工程と、
前記反応溶液に水を加えた後、分散させる工程と、
前記分散された溶液を、前記有機溶媒の沸点から100℃の温度範囲で蒸留することによって有機溶媒を除去する工程と、
得られた溶液を室温に冷却する工程と、
を含む請求項1〜7のいずれか1項に記載のナノ粒子の製造方法:
A1及びA2は、それぞれOR1およびOR2、SR1およびSR2、またはNHR1およびNHR2であり、
前記R1及びR2は、それぞれ独立して水素、置換または非置換のC1〜C30のアルキル、置換または非置換のC2〜C30のアルケニル、置換または非置換のC2〜C30のアルキニル、置換または非置換のC2〜C30のカルボニルアルキル、置換または非置換のC1〜C30のチオアルキル、置換または非置換のC1〜C30のアルキルチオール、置換または非置換のC1〜C30のアルコキシ、置換または非置換のC1〜C30のヒドロキシアルキル、置換または非置換のC1〜C30のアルキルシリル、置換または非置換のC1〜C30のアミノアルキル、置換または非置換のC1〜C30のアミノアルキルチオアルキル、置換または非置換のC5〜C30のシクロアルキル、置換または非置換のC2〜C30のヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6〜C30のアリール、置換または非置換のC6〜C20のアリールアルキル、置換または非置換のC4〜C30のヘテロアリール、及び置換または非置換のC4〜C20のヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、
nは、4ないし20の整数である。 - 下記化学式1のククルビツリル誘導体と薬理活性物質とを有機溶媒に溶かして反応溶液を得る工程と、
前記反応溶液に水を加えた後、分散させる工程と、
前記分散された溶液を、前記有機溶媒の沸点から100℃の温度範囲で蒸留することによって有機溶媒を除去する工程と、
得られた溶液を室温に冷却する工程と、
を含む請求項4〜7のいずれか1項に記載の薬剤組成物の製造方法:
A1及びA2は、それぞれOR1およびOR2、SR1およびSR2、またはNHR1およびNHR2であり、
前記R1及びR2は、それぞれ独立して水素、置換または非置換のC1〜C30のアルキル、置換または非置換のC2〜C30のアルケニル、置換または非置換のC2〜C30のアルキニル、置換または非置換のC2〜C30のカルボニルアルキル、置換または非置換のC1〜C30のチオアルキル、置換または非置換のC1〜C30のアルキルチオール、置換または非置換のC1〜C30のアルコキシ、置換または非置換のC1〜C30のヒドロキシアルキル、置換または非置換のC1〜C30のアルキルシリル、置換または非置換のC1〜C30のアミノアルキル、置換または非置換のC1〜C30のアミノアルキルチオアルキル、置換または非置換のC5〜C30のシクロアルキル、置換または非置換のC2〜C30のヘテロシクロアルキル、置換または非置換のC6〜C30のアリール、置換または非置換のC6〜C20のアリールアルキル、置換または非置換のC4〜C30のヘテロアリール、及び置換または非置換のC4〜C20のヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、
nは、4ないし20の整数である。 - 前記ククルビツリル誘導体を有機溶媒に溶かして反応溶液を製造する工程で、生分解性高分子を有機溶媒にさらに溶かす、請求項8または9に記載の方法。
- 前記有機溶媒は、クロロホルム、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、またはこれらの混合物である、請求項8または請求項9に記載の方法。
- 前記分散させる工程は、ソニケータを使用して超音波で行われる、請求項8〜11のいずれか1項に記載の方法。
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