JP4573386B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤ製造時の作業性を損なうことなく、低発熱性と耐摩耗性とを大幅に向上させた空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、空気入りタイヤにおいて、低発熱性を確保するために、シリカを配合したゴム組成物をタイヤ部材、特にトレッドに使用することが行われている。
しかしながら、シリカはゴム中での分散性が悪いという問題があり、シリカを配合したものでも十分な低発熱性が得られていないのが現状である。
【0003】
一方、耐摩耗性を確保するために、高ストラクチャー系カーボンブラックを配合したゴム組成物をタイヤ部材、特にトレッドに使用することが行われているが、高ストラクチャー系カーボンブラックをゴム組成物に多量に配合した場合には、カーボンブラックの分散性が悪く作業性の低下を招くという問題がある。
【0004】
これを改良するため、ゴム用カーボンブラックの分散剤として、特開平4−20579号公報に、炭素数8〜24の不飽和脂肪酸のエステルまたは炭素数8〜24の不飽和アルコールのエステルを使用することが開示されており、フタル酸オレイルエステルを使用した例がある。さらに、フタル酸ステアリルエステルの例もあるが、これは、比較例であり、カーボンブラックの分散効果は低いものである。また、この公報には、これらのエステルがシリカの分散改良に効果があるということについては全く記載されていない。
【0005】
シリカとカーボンブラックを配合したゴム組成物をタイヤ部材、特にトレッドに使用することも行われているが、上記夫々の問題を有するため、タイヤ製造時の作業性を損なうことなく、低発熱性と耐摩耗性の両方を向上させることができた空気入りタイヤは得られていないの現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の課題に鑑み、これを解消しようとするものであり、タイヤ製造時の作業性を損なうことなく、低発熱性と耐摩耗性が大幅に向上された空気入りタイヤを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記従来の課題等について、鋭意検討、すなわち、タイヤの発熱性改良のためにゴム組成物中のシリカの分散改良について検討した結果、特定の化合物を配合し、さらにカーボンブラックとシリカのコロイダル特性と配合量を適正化することにより、ゴム組成物へのシリカの分散性が向上し、タイヤ製造時の作業性を損なうことなく、低発熱性と耐摩耗性を大幅に向上することができた空気入りタイヤを得ることに成功し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は次の(1)〜(7)にからなる。
(1) 天然ゴム及びジエン系合成ゴムから選ばれる少なくとも1種からなるゴム成分と、窒素吸着比表面積(N2SA)210〜260m2/gで、かつジブチルフタレート吸油量(DBP)200〜260ml/100gであるシリカと、下記一般式(I)で表される芳香族ポリカルボン酸誘導体の中から選択される化合物の少なくとも1種を含み、該芳香族ポリカルボン酸誘導体の配合量がゴム成分100重量部あたり0.5〜4.0重量部であるゴム組成物をタイヤ部材に使用してなる空気入りタイヤ。
【0008】
【化2】
〔式(I)中、R1は炭素数1から24のアルキル基、炭素数2から24のアルケニル基、炭素数3から24のアリール基またはこれらのハロゲン置換基のいずれか1つであり、R2は水素原子、水酸基、炭素数1から24のアルキル基、炭素数2から24のアルケニル基、炭素数3から24のアリール基またはこれらのハロゲン置換基のいずれか1つである。m、nは、それぞれ1から3の整数、pは0から4の整数で、m+n+p=6であり、mが2以上の場合、カルボキシル基の一部または全部が分子内で無水化されていてもよい。Xは>O、>NR3(R3は水素原子または炭素数1から24のアルキル基)または−O(R4O)q−(R4は炭素数1から4のアルキレン基、qは1から5の整数である)のいずれかである〕
【0009】
(2) 前記一般式(I)で表される芳香族ポリカルボン酸誘導体が、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸又はその無水物の中から選択される少なくとも1種の誘導体からなる上記1記載の空気入りタイヤ。
(3) 前記ゴム成分100重量部中、天然ゴムを50重量部以上含む上記1又は2記載の空気入りタイヤ。
(4) ゴム組成物が、窒素吸着比表面積(N2SA)90〜160m2/gで、かつジブチルフタレート吸油量(DBP)80〜150ml/100gであるカーボンブラックを含むことを特徴とする上記1〜3の何れか一つに記載の空気入りタイヤ。
(5) ゴム組成物中のシリカの配合量が、ゴム成分100重量部あたり5〜25重量部で、カーボンブラックの配合量が、シリカに対して重量比で4.2倍以下であることを特徴とする上記4に記載の空気入りタイヤ。
(6) 上記1〜5のいずれか一つに記載の空気入りタイヤが重荷重用空気入りタイヤである空気入りタイヤ。
(7) 上記6記載の重荷重用空気入りタイヤがオフロードタイヤである空気入りタイヤ。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明は、 天然ゴム及びジエン系合成ゴムから選ばれる少なくとも1種からなるゴム成分と、窒素吸着比表面積(N2SA)210〜260m2/gで、かつ、ジブチルフタレート吸油量(DBP)200〜260ml/100gであるシリカと、上記一般式(I)で表される芳香族ポリカルボン酸誘導体の中から選択される化合物の少なくとも1種を含み、該芳香族ポリカルボン酸誘導体の配合量がゴム成分100重量部あたり0.5〜4.0重量部であるゴム組成物をタイヤ部材に使用した空気入りタイヤである。
【0011】
本発明に用いるシリカは、耐摩耗性向上と低発熱性を両立させるため、窒素吸着比表面積(N2SA)210〜260m2/gで、かつ、ジブチルフタレート吸油量(DBP)200〜260ml/100gを有することが必要となる。
上記N2SA・DBPの各値が上記数値未満では、充分な耐摩耗性向上が得られず、また、上記N2SA・DBPの各値が上記数値を越えるものでは、作業性と低発熱性の両立が困難となり、好ましくない。
N2SAは、220〜250m2/gであることが好ましく、DBPは、220〜260ml/100g であることが好ましい。
特に好ましくは、N2SAは220〜250m2/gで、かつ、DBP220〜260ml/100gのシリカが望ましい。
【0012】
ゴム成分に対するシリカの配合量(A)は、ゴム成分100重量部に対して5〜25重量部、好ましくは7〜20重量部である。
【0013】
本発明に用いる前記一般式(I)で表される芳香族ポリカルボン酸誘導体は、反応性の可塑剤として作用し、耐摩耗性や耐破壊性を維持しながら、分散性の悪いシリカの配合による未加硫時の粘度(ムーニー粘度:ML1+4)の上昇を防ぎ、作業性、生産性の低下を抑制できるものである。
従来の作業性改良剤・可塑剤の多く(代表的なものとしては、プロセスオイル)は、ML1+4の上昇抑制は可能であっても、耐摩耗性・低発熱性の低下が著しく、空気入りタイヤのトレッドゴム等には使用が難しいものである。これは、こうした可塑剤が、加硫後もゴム組成物中にそのままの形で残り、ゴム中で何ら補強に関与しないまま遊離した状態であることが原因と考えられている。これに対して、本発明では上記一般式(I)で表される芳香族ポリカルボン酸誘導体は、未加硫時はシリカの分散性向上効果を有しながら、加硫時にゴム組成物中のポリマーと反応し、オイルと違って遊離しないので、耐摩耗性・低発熱性を向上させることができるのである。
【0014】
前記一般式(I)で表される芳香族ポリカルボン酸誘導体としては、例えば、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸又はその無水物のいずれかの誘導体が好ましい。
また、 前記一般式(I)で表される芳香族ポリカルボン酸誘導体において、R1が炭素数1から22までのアルキル基、Xが−O−又は−O(R4O)q−であることが好ましい。
さらに、前記一般式(I)で表される芳香族ポリカルボン酸誘導体としては、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸又はその無水物のいずれかの一つの誘導体であり、かつ、前記一般式(I)式中のR1が炭素数1から22までのアルキル基、Xが−O−又は−O(R4O)q−であることが好ましい。
【0015】
具体的には、フタル酸モノデシル、フタル酸モノステアリル、フタル酸モノオクチルアミド、トリメリット酸モノデシル、トリメリット酸モノステアリル、ピロメリット酸モノステアリル、ピロメリット酸ジステアリル、フタル酸モノドデシル・トリ(オキシエチレン)付加体などが挙げられる。
【0016】
これらの中でも目的の効果である可塑化効果及び低コスト、さらにその分解物とゴム成分との親和性が高いことで表面にブルームまたはブリードしないという点でフタル酸モノアルキルエステルが好ましく、更に好ましくは、フタル酸モノドデシル・トリ(オキシエチレン)付加体が望ましい。
【0017】
前記一般式(I)で表される芳香族ポリカルボン酸誘導体の配合量は、ゴム成分100重量部に対して、0.5〜4.0重量部、好ましくは、1.0〜3.0重量部である。
配合量が、0.5重量部未満での使用では、充分なシリカ分散性向上効果が発現せず、生産性、作業性を低下させてしまうので、好ましくない。また、配合量が4.0重量部を越えると、ポリマーとの反応が飽和に達し、遊離して残ってしまったものがでてきて、耐摩耗性、低発熱性を低下させてしまうため、好ましくない。
上記0.5〜4.0重量部の配合量の範囲で用いることにより、シリカの分散性を大幅に向上せしめ、未加硫時の粘度の変動もあまりなく、シリカ配合前と同様の作業性、生産性が確保できるものとなる。
【0018】
本発明では耐摩耗性を確保するため、カーボンブラックを用いることができるが、カーボンブラックは、耐摩耗性向上と低発熱性を両立させるため、N2SA90〜160m2/gで、かつ、DBP80〜150ml/100gを有することが好ましい。 上記N2SA・DBPの各値が、上記数値未満では、作業性は良好となるが充分な耐摩耗性向上が得られず、また、上記N2SA・DBPの各値が上記数値を越えるものでは、作業性と低発熱性の両立が困難となる。
N2SAは、100〜150m2/gが好ましく、DBPは、90〜130ml/100gが好ましい。
特に好ましくは、N2SAは100〜150m2/gで、かつ、DBP90〜130ml/100gのカーボンブラックであり、ISAF、SAFから選ぶことが好ましい。
【0019】
また、カーボンブラックの好ましい配合量(B)は、耐摩耗性向上を目的とする以上、ゴム成分100重量部に対して、30重量部〜60重量部、さらに好ましくは、35重量部〜55重量部である。
配合量が30重量部未満であると、耐摩耗性が低下し、目的のゴム組成物が得られないことがあり、また、60重量部を越えると、後述する芳香族ポリカルボン酸誘導体による生産性低下抑制効果を上回る作業性低下を生じることがあるため、好ましくない。
【0020】
さらに、カーボンブラックの配合量(B)とシリカの配合量(A)は、重量比で(B)/(A)≦4.2であることが好ましく、さらに好ましくは、2.5≦(B)/(A)≦4.2、もっと好ましくは、2.8≦(B)/(A)≦4.2である。上記重量比(B)/(A)が4.2を超えると、低発熱性と耐摩耗性を同時に高レベルに改良することが困難となることがあり、好ましくない。
【0021】
シリカの配合量を上記(B)/(A)≦4.2の範囲で増量する場合は、シランカップリング剤の併用が好ましい。
このシランカップリング剤を用いることにより、更に低発熱化を図ることができる。
シランカップリング剤としては、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド等が挙げられる。
上記シランカップリング剤の配合量は、シリカの量に対して、5〜15重量%が望ましい。
【0022】
本発明で用いるゴム成分は、天然ゴム(NR)およびジエン系合成ゴムから選ばれる少なくとも1種からなるものである。ジエン系合成ゴムは、特に限定されるものではないが、例えば、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)などを用いることができる。
好ましくは、ゴム成分100重量部中、NR50重量部以上、更に好ましくは、80重量部以上とすることが望ましい。
NR50重量部以上とすることにより、更に耐摩耗性及び低発熱性を向上せしめることができる。
【0023】
本発明では、これら以外にもゴム工業で通常使用されている加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、亜鉛華(ZnO)、ステアリン酸、ワックス類等の添加剤を配合することもできる。
【0024】
本発明では、上記ゴム成分、シリカ、上記一般式(I)で表される芳香族ポリカルボン酸誘導体、カーボンブラック等をロール、インターナルミキサー等の混練り機を用いて混練りすることによってゴム組成物を調製し、該ゴム組成物をタイヤ部材に用いることにより空気入りタイヤを作製することができる。
一般に、空気入りタイヤは、トレッド部と、該トレッド部の両側で連なる一対のサイドウォール部と、該サイドウォール部の内周に夫々形成された一対のビード部とを備え、タイヤ半径方向にカーカスプライコードを配列してなるカーカスプライと、該カーカスプライのクラウン部を取り巻き、トレッド部の内側に配設されたベルト層とで補強された構造となるものである。
【0025】
本発明の空気入りタイヤは、上記配合組成からなるゴム組成物を上記構造のタイヤの部材、すなわち、例えばトレッドゴム、ベルトコーティングゴム、カーカスプライゴム、ビードフィラーゴム、ゴムチェーファー、サイドウォールゴムに適宜使用する。
本発明の空気入りタイヤの製造は、上記で得られたゴム組成物を各タイヤ部材に適用する。これらの部材はドラム上でグリーンタイヤに成形された後、加硫機にて加硫され、目的の空気入りタイヤが得られる。
【0026】
本発明は、上記ゴム組成物をタイヤ部材、特にトレッド部に使用することによって、作業性・生産性の低下なしに、低発熱性と耐摩耗性を大幅に向上せしめることができた空気入りタイヤを実現できるものである。すなわち、本発明では、シリカが良好に分散されたゴム組成物を空気入りタイヤのゴム部材に使用するものなので、シリカを配合することによるゴムとのネットワーク構造が形成され低発熱性が改善され、また、ゴムが大きく変形する際にはこのネットワークによる破壊エネルギーのために耐摩耗性が大幅に向上することとなる。
特に、本発明の空気入りタイヤは、低発熱性と耐摩耗性の要求の厳しい重荷重用空気入りタイヤに好適であり、更に、発熱とゴムの大変形による摩耗(カット摩耗)が苛酷なオフザロード用に特に好適に使用できるものである。
【0027】
【実施例】
次に、実施例及び比較例によって、本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0028】
〔実施例1〜9及び比較例1〜7〕
下記表1に示す配合組成でゴム組成物を調製した。
シリカは、300℃で1時間乾燥した後、N2SAをASTM D 4820に準拠して測定し、DBPをASTM D 2414に準拠して測定した。また、カーボンブラックについても、ASTM D 4820及びASTM D 2414に準拠してN2SA、DBPをそれぞれ測定した。
【0029】
得られた上記各ゴム組成物をトレッドゴムとして用いて、通常の加硫条件に従い、供試タイヤ(サイズ;3700R57)を作製した。
得られた供試タイヤ等について、下記評価法により工場作業性、発熱性能、耐摩耗性を評価した。
これらの評価結果を下記表1に示す。また、図1に、横軸に工場作業性の評価指標となるムーニー粘度(ML1+4)を、縦軸に耐摩耗性をプロットした評価図を示す。
【0030】
〔工場作業性の評価法〕
ムーニー粘度(ML1+4)をL型ローターを用いて130±1℃で測定し、比較例2を100(コントロール)として指数表示した。
数値が小さいほど作業性が良好であることを示す。この値は、工場での熱入れロールの熱入れ性に反映するもので、値が小さいほど熱入れ時間が短く、作業性も良好であることを示す。
【0031】
〔発熱性能の評価法〕
一定速度(10km/h)、7.0kg/cm2内圧、50t荷重下でのドラム試験を実施し、トレッド内側の定位置で温度測定(24h走行後の温度測定)し、その逆数をとり比較例2を100として指数表示した。数値が小さいほど発熱性能が良好であることを示す。
【0032】
〔耐摩耗性の評価法〕
2000時間走行後の残った溝の深さを数カ所測定し、その平均値から下記式によって評価した。数値が大きいほど耐摩耗性が良好であることを示す。なお、比較例2をコントロールタイヤ(100)として指数表示した。
【数1】
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
(表1の考察)
上記表1の結果及び図1から明らかなように、本発明範囲となる実施例1〜9は、本発明の範囲外となる比較例1〜7に較べ、工場作業性、低発熱性及び耐摩耗性に優れていることが判明した。
具体的には、実施例1〜9は、シリカのコロイダル特性と配合量を本発明の範囲内とすると共に、シリカの分散性を向上せしめる芳香族ポリカルボン酸誘導体の1種を、特定量配合したゴム組成物を空気入りタイヤに使用したものであり、さらにカーボンブラックのコロイダル特性も好ましい範囲内にあるもので、タイヤ製造時の(工場)作業性を損なうことなく、低発熱性と耐摩耗性を大幅に向上することができる空気入りタイヤが得られることが判明した。
【0036】
これに対して、比較例1〜7を具体的にみると、比較例1〜4はシリカの分散性を向上せしめる芳香族ポリカルボン酸誘導体を配合しない場合の例であると共に、比較例1はシリカのN2SA・DBPの特性値が本発明の範囲外で、また、カーボンブラックのN2SAが70(<90)の場合であり、比較例2はシリカを配合しない場合(コントロール)であり、比較例3、4は、シリカのN2SA・DBPの特性値が本発明の範囲外である上、カーボンブラックとシリカが重量比(B)/(A)で比較例3は5.6(>4.2)となる場合であり、比較例4は4.5(>4.2)となる場合である。
【0037】
また、比較例5はシリカのN2SA・DBPの特性値が本発明の範囲内となる場合であっても、芳香族ポリカルボン酸誘導体が5重量部(>4重量部)となる場合であり、比較例6、7はシリカのN2SA・DBPの特性値が本発明の範囲内であり、カーボンブラックのN2SA・DBPはそれぞれ140、95となる場合であっても、芳香族ポリカルボン酸誘導体を配合しない場合である。
これらの本発明の範囲外となる比較例1〜7では、図1に示すように、工場作業性、低発熱性及び耐摩耗性の全てを満足することができないことが判明した。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、タイヤ製造時の作業性を損なうことなく、低発熱性と耐摩耗性とを大幅に向上させた空気入りタイヤが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】横軸に工場作業性の評価指標となるムーニー粘度(ML1+4)を、縦軸に耐摩耗性をプロットした評価図(グラフ)である。
Claims (6)
- 天然ゴム及びジエン系合成ゴムから選ばれる少なくとも1種からなるゴム成分と、ゴム成分100重量部あたり窒素吸着比表面積(N2SA)210〜260m2/gで、かつジブチルフタレート吸油量(DBP)200〜260ml/100gであるシリカ5〜25重量部と、シリカに対して重量比で4.2倍以下のカーボンブラックと、下記一般式(I)で表される芳香族ポリカルボン酸誘導体の中から選択される化合物の少なくとも1種をゴム成分100重量部あたり0.5〜4.0重量部含むゴム組成物をタイヤ部材に使用してなる空気入りタイヤ。
- 前記一般式(I)で表される芳香族ポリカルボン酸誘導体が、
フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸又はその無水物の中から選択される少なくとも1種の誘導体からなる請求項1記載の空気入りタイヤ。 - 前記ゴム成分100重量部中、天然ゴムを50重量部以上含む請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
- ゴム組成物に含まれるカーボンブラックが、窒素吸着比表面積(N2SA)90〜160m2/gで、かつジブチルフタレート吸油量(DBP)80〜150ml/100gであることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の空気入りタイヤ。
- 請求項1〜4のいずれか一つに記載の空気入りタイヤが重荷重用空気入りタイヤである空気入りタイヤ。
- 請求項5記載の重荷重用空気入りタイヤがオフロードタイヤである空気入りタイヤ。
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