JP4571981B2 - 高耐熱性の金属化合物を含有する発光体を備えた白熱ランプ - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、請求項1の上位概念部に記載の形式の、高耐熱性の金属化合物を含有する発光体を備えた白熱ランプ、すなわち高耐熱性の金属化合物を含有する発光体と、該発光体を保持する電流供給部とを備えた白熱ランプであって、発光体が、充填物と共にバルブ(電球)内に真空密に導入されており、発光体の材料が、タングステンの融点の近傍にある融点、有利には少なくとも3000℃、特に有利にはタングステンの融点よりも上にある融点を有する金属または金属化合物、特に金属炭化物を有している形式のものに関する。この白熱ランプは特に炭化物含有の発光体を備えた白熱ランプであり、特に本発明は、TaCから成る発光体を有するか、または発光体がTaCを成分または被覆体として含有しているハロゲン白熱ランプに関する。
背景技術
多数の刊行物から、高耐熱性の金属化合物を含有する発光体を備えた白熱ランプが知られている。これまでまだ解決されていない問題として、著しく制限された寿命が挙げられる。国際公開第01/15206号パンフレットに開示されている手段は、発光体を保持のための別個の架台に結合することにある。
この問題を解決するための広く普及している、発光体の材料の蒸発を阻止するという方法は、循環プロセスの使用にある。この場合、充填ガスには別の化学的な物質が供給される。この化学的な物質は低温の範囲において、蒸発し去った材料と反応して、比較的易揮発性の化合物を形成する。この化合物はバルブ(電球)壁に析出しない。この化合物は、形成される濃度勾配(つまりバブル壁近傍の高い濃度、発光体近傍の低い濃度)において発光体の方向へ運ばれる。発光体近傍における高い温度において、前記化合物は分解下に発光体の材料と、添加された化学的な物質とに分かれる。発光体の材料は再び発光体に付着される。
例:
(a)タングステン−ハロゲン循環プロセス
発光体から蒸発し去ったタングステンは、バブル壁近傍のより低い温度で結合してハロゲン化タングステンを形成する。ハロゲン化タングステンは約200℃よりも上の温度において揮発性であり、バルブ壁には析出しない。これにより、バルブ壁におけるタングステンの沈殿が阻止される。ハロゲン化タングステン化合物は拡散および場合によっては対流によって、高温の発光体へ戻し運ばれ、そしてこの発光体のところでハロゲン化タングステン化合物は分解する。このときに遊離したタングステンは再び発光体に付着される。もちろん、タングステンは一般に、蒸発し去った個所と同じ個所に戻されるのではなく、別の温度の個所に付着される。すなわち、この循環プロセスは再生型ではない。1つの例外はフッ素循環プロセスである。
(b)TaCランプにおける炭素−水素循環プロセス
TaCの分解時に発生するガス状の炭素はバルブ壁の方向に運ばれ、そしてバルブ壁のところでこのガス状の炭素は水素と反応してメタンのような炭化水素を形成する。この炭化水素は高温の発光体に戻し運ばれ、そして再び分解する。炭素はこの場合再び放出されて、発光体に付着することができる。もちろん、炭化水素は既に1000Kよりも下の低い温度において分解するので、炭素を発光体の最も高温の個所を狙って戻すことは行われない。
最後に説明した例におけるように発光体からの蒸発が比較的強力であって、かつ循環プロセスを担う化合物が、後者の例における炭化水素のように極めて低い温度でしか安定していない場合には、発光体の迅速な破壊が生じる。なぜならば、この発光体に含まれる、蒸発し去った材料の含量、たとえば後者の例における炭素の含量が迅速に減少するからである。総合的には、炭素は発光体の最も高温の個所から発光体の、より低温の個所もしくは発光体に対する引出し線へ比較的迅速に運ばれ、このことはやはり、たとえば巻き線短絡(Windungsschluss)によって問題を起こす恐れがある。戻し運ばれる炭素のうち、つる巻き状フィラメントの最も高温の個所には、極めて少量の炭素しか到達しない(極めて低い再生度)。さらに、炭素を水素と再反応させて炭化水素を形成することは、もともと比較的大きな水素過剰量においてしか、バルブの黒化を回避するために十分に迅速には進行しない。
ようするに、TaCランプの場合のような事例では:
(a)第1に、発光体の材料が比較的迅速に蒸発し去るか、もしくは運び去られ、
(b)第2に、蒸発し去った材料が、極めて低い温度においてしか化学的な結合を成立させない、
という循環プロセスの使用が多くの使用事例にとって不十分となる。なぜならば、材料がもともと運び去られた個所と同じ個所に戻される確率が極めて少ないことに基づき、発光体が迅速に破壊されてしまうからである。
上記問題を解決するために考えられる手段としては、国際公開第03/075315号パンフレットに、補給部(Depot)からの発光体の再生が記載されている。補給部からは化学的な物質が連続的に蒸発する。この化学的物質は発光体から濃度減少した物質を再び発光体に供給する。たとえば、TaC発光体を、有機化合物(たとえばアセトン)で含浸されたポリマから再生するための手段が記載されている。このときに気相には、とりわけ炭素を含有する化学的な化合物が永続的に供給される。この場合、炭素が連続的に提供され、この炭素は発光体から蒸発し去った炭素を再び補填することができる。この場合に不都合となるのは、永続的に供給された化学的な化合物により、気相の組成、ひいては発光体の組成も連続的に変化してしまうことである。すなわち、安定した条件のもとでのランプ作動はほとんど不可能である。気相中の炭素の濃度は絶え間なく高められ、このことは最終的には発光体の端部またはバルブ壁のような不適当な部位における炭素の析出を招いてしまう。発光体における炭素濃度の増大も望ましくない。なぜならば、この場合、発光体の特性が連続的に変化してしまうからである。気相中での水素濃度の増大は熱伝導率の増大に基づき、発光体の冷却増加を招いてしまう。
ようするに、補給部から連続的に蒸発する化学的な化合物を用いたランプの安定した作動は不可能である。なぜならば、気相の組成および場合によっては発光体自体の組成が連続的に変化してしまうからである。
さらに別の手段としては、国際公開第03/075315号パンフレットに、交互に作動される2つの発光体の相互再生が記載されている。この場合、高い温度(3000Kを超える)で作動される「アクティブ(活性)」な発光体から永続的に炭素が蒸発し去り、この炭素は、比較的低い温度(2000K前後または2000Kよりも下)で作動される「インアクティブ(不活性)」な第2の発光体へ運ばれ、この第2の発光体に析出するか、もしくは付着する。「アクティブ」な発光体の炭素が減少すると、切換が行われる。すなわち、先ほど「インアクティブ」であった発光体が高い温度で作動され、先ほど「アクティブ」であった発光体が低い温度に保持される。このときに、今や「インアクティブ」になった発光体が、炭素を蒸発させる「アクティブ」な発光体によって再生される。この場合に不都合となるのは、2つの発光体が必要となり、そして両発光体の間で常時切換が行われなければならないことである。
発明の開示
本発明の課題は、請求項1の上位概念部に記載の形式の、高耐熱性の金属化合物および特に炭化物含有の発光体あるいはまた金属を含有する発光体を備えた白熱ランプを改良して、長い寿命を可能にしかつ発光体における蒸発し去った成分の濃度減少の問題を克服するような白熱ランプを提供することである。
この課題は、請求項1の特徴部に記載の特徴、つまり発光体が、作動時における化学的な分解および/または蒸発に基づいて濃度減少する少なくとも1種の化学的な元素を含有する材料を有しており、該元素のためのソースとシンクとがバルブに設けられており、ソースは、発光体において濃度減少する元素を提供し、シンクには、発光体が寿命にわたって常時放出する元素が析出されて、全体的にソースからシンクへの前記元素の連続的な流れが生じるようになっており、しかも当該元素の濃度は、始動プロセスは別として、ランプ内でのいかなる個所でもほぼ定常となり、発光体が、定常作動中に、外部からソースとシンクとの協働により付与された、常時発光体の傍らを通って運ばれる当該元素から成る部分雰囲気と平衡していて、発光体中の当該元素の濃度減少が阻止されるようになっていることにより解決される。請求項2以下には、特に有利な構成が記載されている。
「高耐熱性の金属化合物」とは、タングステンの融点の近傍、部分的にはそれどころかタングステンの融点よりも上の融点を有する化合物を意味する。発光体の材料はTaCまたはTaCであると有利である。しかし、Hf、NbまたはZrの炭化物およびこれらの炭化物の合金も適している。さらに、このような金属の窒化物またはホウ化物も適している。これらの化合物に共通しているのは、この材料から成る発光体の少なくとも1種の元素の濃度が作動中に減少するという性質である。しかし、以下に説明する原理は、金属から成る発光体にも適用可能である。したがって、以下に用いる用語「金属化合物」は限定的な意味を持つのではなく、あくまでも例示的に挙げられているに過ぎない。「金属化合物」に該当するデータは同様に「金属」にも適用可能である。
発光体が高い温度で作動されると、発光体の材料の性質に応じて、材料もしくは材料成分の蒸発が生じる。蒸発し去った材料もしくはその成分は、たとえば対流、拡散または熱拡散により運び去られて、ランプ内の別の個所、たとえばバルブ壁またはフレーム部分に析出する。材料もしくはその成分の蒸発により、発光体の迅速な破壊が生じる。バルブ壁に析出した材料により、光線の透過率は著しく減じられる。
例:
(a)タングステンから成るコイル状の白熱フィラメントから蒸発し去ったタングステンは、コンベンショナルな白熱ランプではバルブ壁にまで運ばれて、このバルブ壁に析出する。
(b)高い温度で作動される炭化タンタル発光体は、TaCに比べてより低い温度で溶融する脆い亜炭化物TaCおよびガス状の炭素の発生下に分解する。この炭素はバルブ壁へ運ばれて、このバルブ壁に析出する。
課題設定は、適当な手段によって発光体からの蒸発を最小限に抑えるか、もしくは抑制することにある。
発光体における蒸発し去った成分の濃度減少を回避するためには、外部から、蒸発し去った成分の濃度が調節され、この場合、理想事例では蒸発と昇華とが平衡を保ち、ひいては発光体内の当該成分の濃度が減少されることも増大されることもなくなるような濃度が調節される。発光体における所要の濃度の調節は、当該成分を含有する物質をソース(Quelle)からシンク(Senke)へ連続的に運搬することにより実現されると望ましい。ソースから補給された物質の連続的な析出により、気相の組成の変化は回避され、そして一定の条件にもとのでの発光体の作動が可能となる。
TaC発光体を備えたランプの1実施態様では、ソースが、固体あるいはまた液体の炭化水素から成っており、この炭化水素は、ソース材料の上にガス状の炭化水素の規定の蒸気圧が形成されるようにランプ内に持ち込まれる。この炭化水素は拡散もしくは対流によりランプ内部へ運び込まれ、そしてこのランプ内部において発光体近傍の、より高い温度で分解する。したがって、発光体は炭素濃度増大された雰囲気内に存在する。すなわち、発光体の分解はこれによって阻止される。理想的事例では、発光体が周辺へ炭素を放出することも、発光体内の炭素濃度が増大されることもない。言い換えれば、発光体では炭素析出と炭素蒸発との間に平衡が生じている。バルブ壁近傍の、より低い温度では、炭素は再び水素と反応して炭化水素に戻る。適当な温度で取り付けられた、たとえば鉄、ニッケル、コバルト、白金またはモリブデンのうちの1種の材料のから成る、十分に大きな表面の線材において、炭化水素は固体の炭素(煤)の析出下に分解する。この過程は工業化学から知られている、適当な触媒における炭化水素のクラッキングにほぼ相当するが、本事例では、化学工業のプラントにおける反応実施とは異なり、触媒における炭素の析出が望まれている。したがって、全体的には連続的に炭素がソースから流出して、シンク内で再び析出される。したがって、ランプの発光体の炭素濃度が増大されることも、減少されることもない。さらに、気相中の炭素濃度は一定に保持される。
水素を用いても、同様に有利な方法を実施することができる。水素シンクとしては、高い温度における透過性の石英バルブ壁が作用する。より低い温度では、発生した水素をヨウ素によって捕捉することができる(ヨウ化水素への反応)。このときに発生したヨウ化水素はランプのメンテナンスに対する影響の点では問題にならない。なぜならば、ヨウ化水素は金属炭化物の化学に干渉することもないし、充填ガスの物理的な特性(特に熱伝導率)を変えてしまうこともないからである。放出された水素(つまり水素のためのシンク)を結合するための別の手段は、適当な温度で水素を「ゲッタリング」する金属、たとえばジルコニウムまたはハフニウムまたはニオブまたはタンタルの使用にある。
もう一度念のため付言しておくと、シンクの存在はランプの機能性にとって重要となる。炭素および水素のためのシンクが存在していなければ、気相または発光体の各元素の濃度が増大し、その結果、ランプの作動データが変化してしまう恐れがある。
特に、前記段落で説明した運搬プロセスは1つまたは複数の循環プロセスによってなお重畳され得る。たとえばTaCから成る発光体を備えたランプにおいて常時炭素が(一部は炭化水素の形で)ソースからシンクへ運ばれる場合、この運搬プロセスに、ハロゲン含有の化合物の添加によってタンタル−ハロゲン循環プロセスを重畳させることができる。このタンタル−ハロゲン循環プロセスは、たとえば未公開のドイツ連邦共和国特許出願第10356651.1号明細書に記載されているように、発光体から蒸発し去ったタンタルがバルブ壁に析出することを阻止して、少なくとも部分的に発光体に戻し運搬する。このことは上記ドイツ連邦共和国特許出願第10356651.1号明細書に詳細に説明されている。さらに、TaCランプについては、上記ドイツ連邦共和国特許出願第10356651.1号明細書に記載されているように、上で説明したようなソースからシンクへの炭素の永続的な運搬に炭素循環プロセス、たとえばC−H循環プロセス、C−ハロゲン循環プロセス、C−S循環プロセスまたはC−N循環プロセスを重畳させることも考えられる。
シンクとして働く金属は、たとえば線材またはプレートの形でフレームもしくは電流供給部に溶接され得るか、または被覆つる巻き線として直接に電流供給部に巻き付けられ得るか、またはたとえば線材の形で直接に一緒にプレス封入され得る。重要となるのは、特にシンクとして触媒作用を有する金属が使用される場合に、触媒の効力を得るために、この金属の表面が十分な大きさを有していることである。なぜならば、この表面は連続的に炭素で覆われるからである(触媒の「被毒」)。フィラメント引出し線もしくは電流供給部を、シンクとして働く金属で被覆することも別の実施態様として考えられる。
別の実施態様では、炭素のためのソースとして元素の炭素が使用される。元素の炭素は、たとえば炭素プレス加工物、グラファイト繊維または基材に析出されたカーボンブラック、DLCまたはグラファイトの形のダイヤモンドの形で存在していてよい。炭素は所定の「平均」の温度に保持される。この温度は、高温の発光体の個所において生ぜしめられる炭素の蒸気圧が、炭化タンタルに関する炭素平衡蒸気圧にほぼ相当する炭素分圧をもたらすような高さに正確に設定されていなければならない。これによって、炭化タンタルから成る発光体では、炭素析出と炭素蒸発とが平衡を保つ。すなわち、こうして、発光体の脱炭が回避される。炭素がバルブ壁近傍の低温の範囲へ到達すると、この炭素は水素またはハロゲン化物とも反応して(場合によってはハロゲン化された)炭化水素を形成する。これにより、バルブ壁における炭素の析出は阻止される。次いで、触媒において炭化水素の分解が行われ、このときに触媒の表面に炭素が析出し、水素は再び放出される。この場合には、水素もしくは場合によってはハロゲンのためのシンクは必要とされない。水素および場合によってはハロゲンは、バルブ壁における炭素の析出を阻止して、炭化水素の形で結合された炭素を触媒へ運ぶに過ぎない。したがって、水素もしくは場合によってはハロゲンは、炭素を運ぶための運搬手段として働くに過ぎず、消費されない。ようするにこの場合には、炭素が炭素ソース(炭素プレス成形加工物、グラファイト繊維、ダイヤモンド、たとえばDLC、グラファイト層、カーボンブラック等)から炭素シンク(たとえばニッケル、鉄、モリブデンから成る線材)へ運ばれ、そしてこの炭素シンクで炭素は再び析出する。
炭素ソースの1実施態様では、炭素が、金属炭化物から成る、つる巻き状フィラメントとして形成された発光体の幾つかの巻き条に炭素が析出される。有利には炭素析出はフィラメントの外側の巻き条において、発光体の中央部におけるよりも低い温度で行われる。純粋炭素の蒸気圧は、炭化タンタルの炭素蒸気圧よりも大きいので、純粋炭素から成るソースは高温のフィラメント中央部におけるよりも低い温度のところに設けられる。これにより、できるだけ、高温のフィラメント中央部の上の炭素平衡蒸気圧が調節されて、発光体にわたって炭素分圧の、炭素運搬を推進する勾配が生じないことが達成されることが望ましい。
最後に説明した方法は、顧客へのランプの搬送時における炭化タンタルの比較的小さな耐衝撃性に関する問題を回避するためにも役立つ。この問題を回避するための1つのオプションは、顧客へのランプの運搬後にはじめて点灯時に加炭を終了させ、そしてさしあたりなお少なくとも1つのタンタルコアをTaCから成る発光体内に残しておくことにある。その場合、顧客のもとで加炭を終了させるためには、ランプの点灯時に、まだ完全に加炭されていない発光体に大量の炭素が供給されなければならない。この大量の炭素が、ガス雰囲気中のガス状の炭化水素の形または連続的に蒸発する固体の炭化水素の形で貯えられると、加炭反応時に極めて大きな量の水素が放出される。この大量の水素は次いで熱伝導率の増大に基づきランプの効率に対して不都合な作用を及ぼす。また炭化水素との反応は完全に進行しないので、気相中に保持されなければならない大量の、放出された炭素もやはり問題となる。この問題は上で説明したようにして回避され得る。すなわち、まだ完全に加炭されていない発光体が、炭素ソースを起点とした炭素流の連続的な流れの中に存在することにより回避され得る。加炭のために使用されなかった炭素は水素と反応して炭化水素を形成し、これによりバルブ壁における炭素の析出は阻止される。この炭化水素は最終的に再び触媒において分解し、この場合、必要とされなかった炭素は析出され、水素は放出される。この場合、比較的少量の水素を用いれば十分となる。なぜならば、この水素は消費されるのではなく、炭素を炭素シンクへ運ぶためにしか働かないからである。特に、水素量は一定のままとなり、そして加炭の間、常に増大しない。特に石英ガラスから成るバルブの場合に、高いバルブ温度において水素の透過性がもはや無視し得ないほどになると、水素はヨウ素の使用によってバルブ壁近傍で再びヨウ化水素として捕獲され、安定化され得る。
炭素ソースを実現するための別の手段は、炭化タンタルで被覆された炭素繊維の使用にある。高い作動温度では、炭素が炭化タンタル層を通って拡散する。これによって、炭化タンタル層における炭素濃度減少が回避される。しかし、これによりガス室内へ放出された炭素は、対応処置が講じられない場合、バルブ壁の迅速な黒化を招いてしまう。水素を用いて炭素を捕獲することにより、過度に高くないバルブ温度においてバルブの黒化を阻止することができる。しかし、炭素をバルブ壁における析出の前にできるだけ完全に「捕獲」するためには、極めて大量の水素が必要とされる。このことは、適当な温度に保持された触媒、たとえばニッケル、鉄等から成る線材において炭化水素を分解させることにより回避され得る。このときにニッケル線材には炭素が析出し、それに対して水素は再び放出されて、別の炭素との反応のために供される。したがって、水素は、発光体から運ばれて来た炭素を炭化水素の形成により捕獲して、炭素シンク(たとえばニッケル、モリブデン等から成る線材)へ運ぶための「ビークル(乗り物)」としてしか働かない。全体的には、この運搬メカニズムの場合、水素は消費されない。すなわち、比較的少量の水素を用いるだけで十分となる。択一的に循環プロセスが導入されるとすると、大きな濃度で発光体から運ばれて来た炭素を炭化水素の形成により捕獲するか、もしくはバルブ壁近傍に、発光体への炭素の戻し運搬が運び出しを正確に補償するような高さの濃度の炭化水素を形成するためには、極めて大きな量の水素が使用されなければならなくなる。このような大量の水素が使用されると、ランプの効率は著しく減退する。
ソースを形成するためのさらに別の手段としては、発光体において濃度減少した材料であって、かつソースから再び供給したい材料で発光体を被覆し、次いでもう一度、固有の発光体材料の層を外部からこの層に被着させることが考えられる。発光体が、たとえば炭化タンタルまたは炭化ハフニウムのような金属炭化物から成っていると、金属炭化物から成る発光体の表面に炭素から成る層が析出される。次いで、この炭素から成る層にもう一度、金属炭化物から成る層が被着される。ランプ作動中に外側の金属炭化物層から炭素が蒸発すると、取り囲まれた炭素層の内部から直ちに炭素が後拡散して、外側の金属炭化物層における炭素濃度減少を阻止する。この点では機能形式は、金属炭化物で被覆された炭素繊維の機能形式に極めて類似している。しかし、この方法では、発光体の製造時に、ハロゲンランプ製造において確率された方法テクノロジに十分に依ることができるので有利である。炭素被覆体の被着は、たとえばステムランプ(Staengellampe)におけるCVD法により、たとえば発光体における約2500Kの温度でのメタン(1バール圧力)の分解によって行われる。金属炭化物から成る外側の層の被着は、CVD法において、たとえば金属ハロゲン化物、たとえばハロゲン化タンタルおよびメタンを同時に熱分解させることによって行われる。もちろん、前駆物質とは異なる金属化合物もしくは炭化水素を使用することも可能である。その場合、出発化合物の適当な化学量論的比を調節することにより、たとえばTaCl+CH+xH−>TaC+5HCl+(x−1/2)Hにより、金属炭化物を直接に発光体の表面に析出させることができる。水素はこの場合、煤の析出を回避するために働く。発光体の、炭素から成る表面に金属だけを析出させ、その後ではじめて、たとえばメタンを含有する雰囲気中で反応(つまり加炭)にもたらすこともできる。この場合、炭素を含有する外部の雰囲気と、炭素層の内部とから、加炭が開始する。しかし、この方法において不都合となるのは、金属炭化物への金属の変換時に生じる容積変化が比較的大きな層応力を生ぜしめてしまうことである。したがって、金属と炭素とを化学量論的な比で同時に析出させることが有利である。
最後に挙げた実施例では、金属炭化物から成る内側の材料(たとえば線材)の材料と、金属炭化物から成る外側の層の材料とが必ずしも同一である必要はない。たとえば、内側の線材は炭化タンタルから成っていてよく、それに対して、炭素層に被着された外側の層は炭化ハフニウムまたは合金HfC−4TaCから成っている。HfCもしくは合金HfC−4TaCに関しては、純粋な炭化タンタルの蒸気圧よりも低い蒸気圧が形成される。しかし、ハフニウムはタンタルよりも著しく高価であるので、こうして、使用されるハフニウムの量を著しく減少させることができる。
炭素のための別のソースとしては、たとえば米国特許第3405328号明細書に記載されているような、炭素を有する焼結材料が挙げられる。同米国特許明細書には、オートクレーブ内の高い温度および高い圧力での焼結プロセスにより金属炭化物、たとえば炭化タンタルを、溶解された炭素を用いて製造することのできる方法が記載されている。発光体材料として使用されるべきこれらの材料はその場合、TaCの化学量論に基づいて予想され得るよりも著しく多い炭素を含有している。同米国特許明細書には、さらに発光体の耐衝撃性を高めるために種々の炭化物の混合物の使用が記載されている。
炭素シンクのための別のオプションとしては、適当な温度で炭化物を形成する金属、たとえばタングステン、タンタル、ジルコニウム等が挙げられる。これらの金属の作動温度は特に発光体から到来する炭素流に左右され、通常ではこの温度は1800〜2500℃の範囲にある。有利には、これらの金属の使用時に、炭素の、バルブ壁における析出を阻止しかつ炭素を炭素シンクへ運ぶために水素が使用される。水素を不要にしてしまうと、発光体から運ばれてきた炭素は、この炭素が発光体からのその経路において、炭化物形成性の金属に偶然に衝突しない限りバルブ壁に析出してしまう。水素が付加的に使用されると、炭素はまず水素と反応して炭化水素、たとえばメタンを形成する。この炭化水素は次いで炭化物形成性の金属に接触して再び炭素から炭化物形成性の金属への移行および水素の放出下に分解する。
炭化水素の分解のための別の可能な触媒はケイ酸アルミニウム、ケイ酸モリブデンまたはケイ酸マグネシウムである。
炭素ソースとして使用するための別の可能性としては、炭化タンタルもしくはその他の炭化物の使用も考えられる。たとえば炭化タンタルから成る、電流により通電されないロッドが、発光体に相当する温度にまでもたらされると、炭化タンタルに関してはまさに炭素の適当な平衡蒸気圧が生じ、この平衡蒸気圧では、発光体において炭素の蒸発または析出がもはや行われなくなる。このことは、たとえば炭化タンタルから成るロッド/線材を、炭化タンタルから成るつる巻き線状のフィラメントの軸線に沿って内部に導入する(IRCランプのために使用されるような内部戻し案内を有するつる巻き状フィラメントと同様であるが、ただし金属炭化物ランプの場合には線材がフィラメント軸線において通電されない)ことにより実現され得る。この場合、短絡を回避するために、TaC線材から成る、電流を案内するフィラメントの巻き条は、TaCから成る、電流を案内しないロッドに接触してはならない。ロッドは隣接した巻き条と実質的に同一の温度になければならない。ロッドは隣接した巻き条よりも著しく低温であってはならない。すなわち、ロッドに沿った熱導出は、たとえば十分に小さな直径の選択により制限されなければならない。ロッドに関しては、炭素の平衡蒸気圧が生じる。炭素は半径方向外側に向けられた濃度勾配において、電流を案内するTaCフィラメントの傍らを通ってバルブ壁にまで運ばれる。これによって、TaCフィラメントの個々の巻き条は絶え間ない炭素流中に存在しており、この場合、炭素分圧はフィラメントに関する平衡圧に相当する。外側へ向かって運ばれた炭素は、バルブ壁近傍で再び水素と反応して炭化水素を形成し、そしてこの炭化水素は次いで、上で説明したように適当な触媒において炭素の析出および水素の放出下に分解する。したがって、全体的には炭素は、フィラメント軸線に位置するTaCから成るロッドからTaCフィラメントの巻き条の傍らを通って炭素シンクにまで運ばれる。この場合、炭素分圧は個々の巻き条における炭素平衡圧にほぼ相当しており、したがってTaCから成る巻き条は安定化される。言い換えれば、TaCフィラメントの個々の巻き条から蒸発し去って外部へ向かって運ばれた炭素は、内部から、TaCロッドから蒸発し去った炭素により代えられる。たとえば純粋な炭素から成るロッドを使用する場合に比べてTaCから成るロッドを使用することの利点は次の点にある。すなわち、同じ温度の場合には、純粋な炭素の炭素蒸気圧は、炭化タンタルの炭素蒸気圧よりも数オーダだけ高くなり、したがってこの場合には、不必要に著しい炭素運搬が生ぜしめられ、部分的にはそれどころかTaCフィラメントに炭素が析出してしまうことになる。フィラメントの温度分布にできるだけ正確に一致する温度分布を有する、フィラメント軸線に沿ったTaCロッドの使用の利点は、その場合TaCフィラメントの個々の巻き条には、発光体の破壊を阻止する炭素平衡圧が自動的に生じることにある。
炭素のためのソースとしては、炭素自体および炭素−水素化合物の他に、炭素と別の元素との化合物も考えられる。
有利には、たとえばテトラフルオロエチレンCの重合の際に生じるような、たとえば炭素およびフッ素を含有するポリマを使用することができる(たとえばポリテトラフルオロエチレンPTFE、DUPONT社の商標名「Teflon」)。このような化合物の分解時には、気相において、たとえばCF、C等のような化合物が生じる。この化合物は発光体近傍の極めて高い温度においてしか分解せず、このときに炭素とフッ素とを放出する。この場合、炭素が特に高い温度の個所で、もしくは実質的に専ら、高い温度の個所でのみ放出されることが有利である。したがって、炭素は高い発光体温度の個所へ的確に運ばれる。より高い温度の個所への的確な逆流に基づき、比較的少ない炭素流もしくはガス状のC−F化合物の比較的小さな分圧を用いて作業することができる。放出されたフッ素は壁において反応してガス状のSiFを形成する。しかし、このガス状のSiFは次いで反応過程にはほとんど干渉せず、しかもたとえば水素のように、高められた熱伝導に基づきランプの効率に不都合な作用を及ぼすこともない。このときに放出された炭素は再び、この炭素が壁反応においてCO形成下に施与されない限りは、運搬成分、たとえば塩素によって、より低温の範囲においてまず結合され、次いで高温の金属線材のところで再び分解され得る。この場合、炭素は再び析出され、塩素は放出される(炭素シンク)。壁反応において2つのF原子が1つのO原子を放出し、かつポリテトラフルオロエチレン中ではほぼ2つのF原子に1つのC原子が到来するので、炭素は十分に、壁反応において放出された酸素と反応されてCOを形成する。
本発明は、特に最大50Vの電圧を有する低電圧ランプのために適している。なぜならば、このために必要となる発光体が比較的中実に形成されていてよく、しかもこのために線材が有利には、100Wの最大出力を有する一般照明目的のための50〜300μmの直径、特に最大150μmの直径を有しているからである。最大300μmまでの太い線材は、特に写真光学的な使用の場合には最大1000Wの出力にまでもたらされる。特に本発明は片側でプレス封止されたランプのために使用される。なぜならば、その場合、発光体は比較的短く保持され得るからである。また、このことは壊れ易さをも低減させる。しかし、両側でプレス封止されたランプおよび電源電圧作動用のランプに適用することも可能である。
この場合に使用される用語「ロッド」とは、中実なロッドまたは特に細い線材として形成されている媒体を意味する。
前記コンセプトは、特殊な化学的な運搬システムに対して多種多様に適用され得る。1つの特別な実施態様では、前記コンセプトが炭素−硫黄循環プロセスの設計のために利用される。ドイツ連邦共和国特許出願第10358262.2号明細書に記載されているように、CSは3000Kを著しく上回る温度でしか分解しない。この場合、CSの解離度は温度上昇と共に著しく増大する。これによってC−S循環プロセスは、炭素をつる巻き状フィラメントに沿って最も高温の個所へ戻し運び、ひいては「ホットスポット(Hot-Spots)」の形成を遅らせるか、もしくは阻止するために適している。このC−Sシステムの使用時には、高温範囲で炭素を運ぶ化合物CSが約2200Kよりも下の温度で、2CS−>CS+Cにより不均化し、この場合、炭素がフレームもしくはフィラメント引出し線に析出されることが考慮されるだけでよい。他方においてCSが、拡散もしくは流動によって再び高温の個所へ向かって運ばれると、このCSはT>2200KでCSと硫黄とに分解し、この場合、硫黄は金属炭化物−発光体に対して脱炭作用を及ぼす。したがって、発光体もしくはその引出し線を2200Kよりも上の範囲において炭素層で被覆することが有利である。この温度範囲で遊離した硫黄原子は次いで炭素と反応してCSを形成する。すなわち、金属炭化物−発光体の脱炭が回避される。この炭素被覆体は寿命の経過中にゆっくりと被着される。他方において、約2200Kよりも下の低い温度では、CSの不均化の際に炭素が放出されかつ析出される。したがって、全体的には、CSシステムによって炭素が、T>2200Kを有する高い温度の個所からT<2200Kを有する低い温度の個所へ運ばれる。T>2200Kのための炭素の貯え(ソース)もしくはT<2200Kでの炭素の析出(シンク)なしに、定常の作動条件を達成することは極めて困難である。
上で説明した方法は、金属炭化物、金属ホウ化物または金属窒化物とは異なる材料から成る発光体に対しても適用され得る。例として、以下においてはタングステンのような純粋な金属に対する適用を説明する。発光体における「ホットスポット」が完治される、寿命を延長させる再生型の循環プロセスを形成するためには、文献にフッ素循環プロセスが記載されている(たとえば(a)J.Schroeder, Kino-Technik No.2,1965, (b)Dittmer, Klopfer, Rees, Schroeder, J.C.S. Chem. Comm,1973参照)。フッ素循環プロセスの再生作用は、フッ化タングステンが約2500Kよりも上の温度でしか分解しないことに基づいている。この場合、タングステンは最も高温の個所に再び付着されると有利である。フッ素を使用する際の大きな障害は、フッ素がバルブ壁で反応して四フッ化ケイ素SiFを形成し、この場合、付加的になお酸素が放出されることである。SiF中に結合されたフッ素はハロゲン循環プロセスにおける別の反応のためにはもはや提供されない。したがって、文献には、バルブ壁を不働態化するための複数の手段が挙げられている(たとえばSchroeder,PHILIPS Techn.Rundschau 1963/64,第359頁 Al2O3の使用に関して参照)。別の手段はこの場合に処理されるコンセプトの使用時に得られる。このためには、炭素およびフッ素から成る高分子量の化合物、たとえばポリテトラフルオロエチレンがフッ素ソースとして使用される。これらの化合物は、より高い温度でゆっくりと分解し、この場合、気相中に低分子量の炭素およびフッ素を含有する種類(Spezies)が生じる。このときに放出されたフッ素は約1600〜2400Kの温度範囲でタングステン表面において反応してフッ化タングステンを形成する。したがって、タングステンから成る、相応する温度で存在するフレーム部分またはフィラメント引出し線は有利には厚肉化されて形成され、これにより循環プロセスには十分な量のタングステンを提供することができる。こうして形成されたフッ化タングステンは、より高い温度の個所へ運ばれ、この場所でフッ化タングステンは有利には、より高い温度の個所で分解する。したがって、タングステンは発光体の最も高温の個所へ的確に戻し運ばれる。フッ素もしくはフッ素を含有する化合物がバルブのガラス壁に衝突すると、フッ素は分解反応してSiFを形成し、これによって引き続き化学的な運搬反応へ参加するためには利用され得なくなる。壁反応時には、さらに酸素が放出される。ポリテトラフルオロエチレン中では2つのフッ素原子に1つの炭素原子が到来し、そして壁反応時にそれぞれ2つのフッ素原子が1つの酸素原子を放出させるので、化学量論的に見て、壁反応において放出された酸素は炭素によってゲッタリングされて完全にCOを形成することができる。放出された炭素はたいていまだ別の方法で、たとえば炭化物の形に結合されるので、炭素による酸素のゲッタリングはたいてい完全には行われない。したがって、必要に応じて、リンのようなさらに別のゲッタが使用されなければならない。タングステンリザーバに生じたフッ化タングステンは対流もしくは拡散によって発光体の方向へ完全には運ばれないか、もしくは発光体において完全には変換されない。すなわち、一部はバルブ壁の方向に運ばれる。バルブ壁において、フッ化タングステンは少なくとも部分的に、上で説明したように壁と反応するフッ素と、タングステンとの放出下に分解する。ランプバルブの黒化を回避するためには、臭素を同時に使用することが推奨される。これにより、(オキシ)臭化タングステンが生じ得るので、バルブ壁はきれいに保持される。オキシ臭化タングステンは発光体の温度よりも大きく下の温度で分解する。すなわち、オキシ臭化タングステン中に結合されたタングステンは主としてフレームもしくはフィラメント引出し線に析出される。したがって、この重畳されたW−Br(−O)循環プロセスは再生型ではない。このような循環プロセスは、ランプバルブを澄明保持するためにしか働かない。
この場合に説明した基本原理である、ソースからシンクへの物質の連続的な運搬は、バルブの澄明保持ならびに発光体への材料の戻し案内のために利用される運搬媒体に対しても適用され得る。この場合、連続的に運搬媒体がフレームの一部またはバルブ壁の一部との反応または吸収によって気相から取り出される(シンク)か、または連続的に運搬媒体が脱着または化学的な反応によって気相へ持ち込まれる(ソース)という状況が生じ得る。したがって、このような場合に、気相中での定常状態を達成するためには、シンクの発生時には付加的にソースをランプに導入し、ソースの発生時には付加的にシンクをランプに導入することが推奨される。第1の例としては、ソースからシンクへの水素の連続的な運搬が扱われる。水素のためのソースとしては、発光体(金属炭化物)内に混入された水素、リード線またはゲッタ中に吸収された水素(場合によっては金属水素化物、たとえば水素化タンタルとして結合された)が使用され得る。加炭の際に、発光体およびリード線内の水素分圧および温度分配を介してステムランプ内の水素濃度を意図的に増大させることができる。ランプ作動時には、加炭時とは異なる温度分布が生ぜしめられる。典型的には、発光体温度はランプ作動中では約3300〜3600Kとなって、加炭時(2800〜3100K)よりも高くなる。さらに、加炭時には、より高い水素分圧を使用することができる。したがって、加炭時に適当な温度で存在する、たとえばタンタルまたはニオブから成るフレーム部分は水素を吸収することができる。このフレーム部分はあとでランプ作動中に、あまり水素を含んでいない雰囲気中により高い温度で存在し、したがって水素を放出する(ソース)。著しく低い温度に存在するフレーム部分はこの水素を吸収する(シンク)。たとえば組み込まれたフィラメント引出し線(図1におけるものと同様)を備えたTaC発光体を備えたランプの場合には、フィラメント引出し線が加炭時に加炭されない。したがって、この場合、タンタルは大きな温度スペクトルで提供されているので、いかなる場合にも、ソースもしくはシンクとして作用することのできる個所が生じる。さらに、石英ガラスも水素ソースとして働くことができる。このことはガラス中のOH基の適当な含量を調節することにより可能となる(石英ガラスの真空焼きなましによる)。あとで導入される充填ガスはこの物質転位(Stoffumlagerung)を考慮しなければならない。必要に応じて、水素貯蔵体として使用される別の化合物もしくは金属、たとえばジルコニウムを水素ソースとして使用することができる。これらの成分は、生じた温度で水素が比較的ゆっくりと比較的長い時間にわたって放出されるようにフレームもしくはフィラメント引出し線に固定される。
第2の例は金属炭化物発光体を備えかつ、つる巻き状フィラメントとフィラメント引出し線との一体設計を有するランプにおける硫黄の使用に関する。すなわち、フィラメントとフィラメント引出し線とはタンタル線材から一体に製作され、次いで発光体が加炭される。加炭時にフィラメント引出し線は完全には一緒に加炭されない。すなわち、この場合、タンタルもしくは亜炭化タンタルTa2Cが認められる。低い温度のこの範囲において、ランプ内に存在する硫黄は反応されて、極めて安定した化合物硫化タンタルを形成する。したがって、硫黄は気相から抽出される(シンク)。気相から抽出された硫黄は、C−S循環プロセスを維持するために常時補充されなければならない(ソース)。このことは、たとえばCH3CSCH3で含浸された(たとえばゴムから成る)リザーバから、CH3CSCH3を常時蒸発させることにより行なわれ得る。約100℃よりも下の極めて低いバルブ温度を有するランプでは、元素の硫黄がソースとして使用され得る。この元素の硫黄は既に低い温度でかなりの蒸気圧を有していて、たとえば100℃よりも上で溶融する。硫黄ソースよりも高い融点を有する高分子量のメルカプタンを使用することも可能である。
図面の簡単な説明
以下に、本発明の複数の実施例を図面につき詳しく説明する。
図1は、本発明の第1実施例による炭化物−発光体を備えた白熱ランプを示しており、
図2は、本発明の第2実施例による炭化物−発光体を備えた白熱ランプを示しており、
図3〜図5は、それぞれ本発明の別の実施例による炭化物−発光体を備えた白熱ランプを示している。
本発明の有利な構成
図1には、片側でプレス封止された白熱ランプ1が図示されている。この白熱ランプ1は石英ガラスから成るバルブ(電球)2と、プレス封止部3と、複数の内部の電流供給部10とを備えている。これらの電流供給部10はプレス封止部3内の箔4を発光体7に接続している。発光体7は、単コイル巻きの、軸方向に配置された、TaCから成る線材である。この線材の端部14は巻かれておらず、ランプ軸線に対して直交する横方向に突出している。外側のリード線5は外部で箔4に当て付けられている。
ここで説明される構造は、たとえば別の金属炭化物、たとえば炭化ハフニウム、炭化ジルコニウム、炭化ニオブの発光体を備えたランプに対しても転用され得る。種々の炭化物の合金を使用することも可能である。さらに、ホウ化物またな窒化物、特に窒化レニウムまたはホウ化オスミウムの使用も可能である。
一般にランプは炭化タンタルから成る発光体を使用すると有利である。この発光体はシングルコイル状に巻かれた、つまり単コイル巻きの線材から成っていると有利である。有利にはコイル状に巻かれた線材である発光体材料としては、有利には炭化ジルコニウム、炭化ハフニウムまたはたとえば米国特許第3405328号明細書に記載されているような種々の炭化物の合金が適している。
バルブは典型的には、5〜35mm、有利には8〜15mmのバルブ直径を持って石英ガラスまたは硬質ガラスから製作されている。
充填物は主として不活性ガス、特に希ガス、たとえばAr、KrまたはXeであり、しかも場合によっては少量(最大15モル%まで)の窒素を添加されている。これに加えて、典型的には炭化水素、水素およびハロゲン添加物である。
ハロゲン添加物は、可能となる炭素−ハロゲン循環プロセスもしくは運搬プロセスとは無関係に、金属炭化物から成る発光体から蒸発し去った金属がバルブ壁に析出することを阻止し、かつできるだけ発光体へ戻し運ぶために有利である。このことは、たとえばドイツ連邦共和国特許出願第10356651.1号明細書に記載されているような金属−ハロゲン循環プロセスである。重要となるのは、特に次の状況である:発光体からの炭素の蒸発を抑制することができればできるほど、金属成分の蒸発もますます少なくなる(たとえばJ.A.Coffmann, G.M.Kibler,T.R.Riehof, A.A.Watt: WADD-TR-60-646 Part1(1960)参照)。
以下に、本発明の本質を詳しく説明する具体的な実施例を説明する。
(a) TaCから成る発光体と、ソースとして固形の炭化水素とを備えたランプのための実施例
芳香族炭化水素に関しては、一般に、融点が通常では低すぎるという理由で高分子量の化合物しか挙げられない(たとえばC56114の融点は100℃を少し下回る温度でしかなく、このことはたいていの使用のために低すぎてしまう;ただし液状の化合物の使用が可能となる場合は別として)。芳香族炭化水素、たとえばアントラセン(融点216℃)、ナフタセン(融点355℃)、コロネン(融点440℃)が適している。これらの芳香族炭化水素はさらに、C原子1個当たりかなり少量の水素しかランプ内に持ち込まれないという利点をも有している。たとえば、アントラセンの蒸気圧は50ミリバール付近で融点よりも少しだけ低くなり、1ミリバールよりも少しだけ上では145℃となる。適当な温度の範囲におけるソースの位置を特定することにより、適当な蒸気圧を調節することができる。炭化水素の蒸気圧は、たとえばその完全な分解の後に生じた、TaC発光体におけるC原子のモル濃度が、発光体にわたるC原子の平衡濃度のオーダ内にあるように調節されなければならない;正確な値は細部に関連する(たとえば発光体およびシンクに対するCソースの間隔、シンクにおける炭化水素の分解速度等)。炭素のためのソースとしてアントラセンが使用される場合、たとえば3400Kに位置する発光体とソースとの間の間隔が約3cmでありかつ炭化水素の分解後の炭素の析出が、約400〜800℃の高温のニッケル線材に対して行われると、ソースのための適当な温度は120〜150℃である。このようなランプ内の低温充填圧は約1バールの範囲にある;不活性ガス(たとえばアルゴン、クリプトン)は有利には水素H2ミリバール〜20ミリバール、CHBr0.5ミリバールおよびヨウ素2ミリバール〜20ミリバールを含有している。臭素によって、バルブにおけるタンタルの析出が阻止されることが望ましく(ドイツ連邦共和国特許出願第10356651.1号明細書参照)、そしてヨウ素はアントラセンの蒸発および分解の途中で放出される水素がHJの形で結合されることが望ましい。HJはこの場合、放出した水素のためのシンクを成す。
図1には、片側でプレス封止されたランプのためのソースおよびシンクの可能な構造のための1例が概略的に図示されている。ソース6はソース材料として固形の炭化水素8を利用する。この炭化水素8はタングステンから成る線材状のロッド9(しばしば「センタホルダ」と呼ばれる)の端部に析出されている。ロッド9をプレス封止部3の中央で付加的な箔11に結合することにより、ロッド9は保持されている。箔11は導入を容易にするために外側の線材付設部12を有している。この線材付設部12は典型的にモリブデンから成っている。
シンク13は被覆つる巻き体15によって一方または両方の電流供給部10において実現されている。この被覆つる巻き体は、たとえばニッケル線材から成っている。このニッケル線材は、プレス封止部の近傍で内部容積に取り付けられているか、またはそれどころか図示の右側の被覆つる巻き体15のようにプレス封止部3の内部にまで突入していてよい。
この実施例では、ソースもシンクも、バルブ壁近傍において認められるような比較的低い温度、通常では約500℃よりも下の温度で作動されなければならない。導入の点では、プレス封止部3の近傍における電流供給部10の使用が最も簡単である。択一的には、ソースが一方の電流供給部10に取り付けられており、シンクが他方の電流供給部10に取り付けられていてもよい。
センタホルダ9の端部は、ソース材料として働く炭化水素で被覆されている。たしかに、この実施例は簡単に製造され得るが、しかしソ―スからシンクへの運搬が主として発光体7の傍らを通って行われることが甘受されなければならない。しかし、ニッケル線材から成るシンクにより形成されている触媒における炭化水素の分解のためには、規定された時間が必要とされるので、定常の状態では全気相において、ソースからシンクへの直接的な経路の外でも、炭化水素もしくは炭素の高められた濃度が生じる。
したがって、機能形式にとって有利になるのは、図2に示したような配置の使用である。この場合、ソース16はポンプ先端17にプレス封入されたタングステンから成るホルダ18から成っており、このホルダ18の、発光体7に面した端部にはソース材料19、つまり固形物として析出された炭化水素が座着している。
シンクはこの場合、電流供給部22の、プレス封止部近傍の下側の部分21により実現されている。この下側の部分21は、炭化水素の分解時に触媒として働くモリブデンから成っている。電流供給部22の上側の部分20は発光体の炭化物によって一体に形成されている。下側の部分21はプレス封止部の内部にまで突入している。
このようなジオメトリ的な配置形式では、発光体7が、ソース16からシンク21へ向かって形成される材料流内に位置している。図2に示した実施例では、内側の電流供給部22の下側の部分がモリブデンから成っている。このモリブデンは炭化水素の分解時に触媒として作用し、ひいてはシンクとして作用する。
(b) TaCから成る発光体と炭化水素ソースとを備えたランプのための実施例
TaCから成る発光体23(図3参照)は、3300K〜3600Kの温度で作動される。TaCから成る発光体の位置する個所に適当な炭素分圧を形成するために、炭素ソース24は2700K〜3000Kの温度範囲に保持される。バルブ壁における炭素の析出を回避し、かつ炭素をシンクにまで運ぶために、不活性ガス(クリプトン、アルゴン)には水素が添加される。この場合、水素は、水素の分圧が有利にはH2ミリバール〜20ミリバールの範囲となるように添加される。この場合には、ソースから水素が放出されないので、水素のためのシンクは必要とされない。炭素ソースは、水素との直接的な反応が行われないような高さの温度にある。炭化水素の分解のためのシンクとしては、たとえば再び400〜800℃作動されるニッケルまたは鉄またはモリブデンから成る線材またはプレート、または約500℃の温度で作動されるアルミノケイ酸塩が適している。
図3には、このようなランプのための可能なジオメトリが示されている。炭素ソース24としては、コイル状のフィラメント23への移行範囲の近傍、つまり既に比較的高い温度が存在している個所における電流供給部25の「上側の」の範囲におけるC析出物が働く。フィラメント温度分布に関するフィラメントの構成に応じて、発光体の外側の巻き線における炭素析出物も有利になり得る。電流供給部はこの場合、フィラメント23の一体の引出し線である。C析出物の代わりに、C繊維を引出し線に巻き付けることもできる。シンク26はこの場合、鉄から成る被覆つる巻き体であり、この被覆つる巻き体は白金で被覆されている。シンク26はプレス封止部の近傍に、つまり著しい温度の近傍に取り付けられている。
(c) フィラメント軸線に配置されたソースを備えたジオメトリのための例
図4には、発光体の軸線に配置されたソースの1例が示されている。この場合、TaCから成るロッド27がランプ軸線に位置しており、したがってこのランプ軸線は同時に発光体の軸線でもある。ロッド27はフィラメント28の範囲において、フィラメントとほぼ同じ温度分布を有している。フィラメントは、ロッド27が無接触にフィラメントの軸線に嵌入するように巻かれている。シンクは再び図3におけるような被覆つる巻き体26により形成されている。シンクはモリブデンから成っている。ロッド27は図1の場合と同様にセンタホルダ9によって保持されている。ロッド27は特にポンプ先端29にまで延びていてよい(破線で示した構成参照)。これにより、ロッドは一層良好に係止されている。
(d) 両側でプレス封止されたランプにおける使用のための例
図5には、両側でプレス封止されたランプ30のための可能な配置が示されている。この場合、有利にはソース31とシンク32とを発光体33の互いに異なる側に配置することができる。これにより、発光体33はこのジオメトリ的な配置に基づき、ソース31からシンク32への運搬流内に位置している。プレス封止部は符号39で示されている。
ソース31は炭素析出物(煤)または電流供給部34に巻き付けられた炭素繊維である。シンク32は、モリブデンから製作されていてかつ発光体33とは反対の側に配置されている電流供給部の一部である。この部分は溶接点35を介して、Tacから成る発光体の引出し線36に結合されている。
この場合、軸方向で発光体33の両側に温度スペクトル全体が提供されていると有利である。これにより、たとえばソースは発光体近傍における比較的高い温度に配置され、シンクは発光体から一層離れる方向で他方の側における低い温度に配置され得る。図5に示した例では、モリブデン引出し線がシンクとして働く。
発光体材料としては、タングステンの融点の近傍、有利には少なくとも3000℃および特に有利にはタングステンの融点よりも上にある融点を有する金属または金属化合物が適している。タングステンの他に、特にレニウム、オスミウムおよびタンタルが挙げられる。
本発明の第1実施例による炭化物−発光体を備えた白熱ランプを示す概略図である。 本発明の第2実施例による炭化物−発光体を備えた白熱ランプを示す概略図である。 本発明の第3実施例による炭化物−発光体を備えた白熱ランプを示す概略図である。 本発明の第4実施例による炭化物−発光体を備えた白熱ランプを示す概略図である。 本発明の第5実施例による炭化物−発光体を備えた白熱ランプを示す概略図である。

Claims (30)

  1. 属化合物を含有する発光体(7)と、該発光体(7)を保持する電流供給部(10)とを備えた白熱ランプであって、発光体(7)が、充填物と共にバルブ(2)内に真空密に導入されており、発光体(7)の材料が、タングステンの融点の近傍にある少なくとも3000℃融点を有する金属または金属化合物を有している形式のものにおいて、発光体(7)が、作動時における化学的な分解および/または蒸発に基づいて濃度減少する少なくとも1種の化学的な元素を含有する材料を有しており、該元素のためのソースとシンクとがバルブに設けられており、ソースは、発光体において濃度減少する元素を提供し、シンクには、発光体が寿命にわたって常時放出する元素が析出されて、全体的にソースからシンクへの前記元素の連続的な流れが生じるようになっており、しかも当該元素の濃度は、始動プロセスは別として、ランプ内でのいかなる個所でもほぼ定常となり、発光体(7)が、定常作動中に、外部からソースとシンクとの協働により付与された、常時発光体の傍らを通って運ばれる当該元素から成る部分雰囲気と平衡していて、発光体中の当該元素の濃度減少が阻止されるようになっていることを特徴とする、金属化合物を含有する発光体を備えた白熱ランプ。
  2. 発光体が、石英ガラスまたは硬質ガラスまたはセラミックスから成るバルブによって取り囲まれている、請求項1記載の白熱ランプ。
  3. 充填物が、希ガスおよび/または窒素の形の少なくとも1種のベースガスを使用している、請求項1記載の白熱ランプ。
  4. 金属化合物が、金属炭化物である、請求項1に記載の白熱ランプ。
  5. 金属炭化物が、炭化タンタル、炭化ジルコニウムまたは炭化ハフニウムまたは種々の金属炭化物の合金である、請求項記載の白熱ランプ。
  6. ソースが、100〜400℃の温度範囲で作動され、かつ分解時に炭素を放出する固体または液体の炭化水素またはハロゲン化炭化水素から成っている、請求項4記載の白熱ランプ。
  7. ソースが、炭素から成っており、シンクへの炭素の運搬が、水素および/またはハロゲンのグループからの、充填物の成分である付加的に導入された材料によって行なわれ、しかも該材料は低温の範囲で炭素と反応して炭化水素もしくはハロゲン化炭化水素を形成し、該炭化水素が、シンクで再び分解されて炭素を析出し、かつ運搬媒体を放出させる、請求項4記載の白熱ランプ。
  8. ソースが、相応する金属炭化物で被覆された黒鉛体から成っており、シンクへの炭素の運搬が、水素および/またはハロゲンのグループからの、充填物の成分である付加的に導入された材料によって行なわれ、しかも該材料は低温の範囲で炭素と反応して炭化水素もしくはハロゲン化炭化水素を形成し、該炭化水素が、シンクで再び分解されて炭素を析出し、かつ運搬媒体を放出させる、請求項4記載の白熱ランプ。
  9. ソースが、炭素を含有する焼結材料から成っており、シンクへの炭素の運搬が、水素および/またはハロゲンのグループからの、充填物の成分である付加的に導入された材料によって行なわれ、しかも該材料は低温の範囲で炭素と反応して炭化水素もしくはハロゲン化炭化水素を形成し、該炭化水素が、シンクで再び分解されて炭素を析出し、かつ運搬媒体を放出させる、請求項4記載の白熱ランプ。
  10. 炭素のためのソースとして、発光体と同一の金属炭化物から成る、発光体の近傍に取り付けられたロッドが働き、該ロッドの長手方向の温度分布が、同一の金属炭化物から成る発光体の温度分布に相当しており、炭素をシンクへ運ぶための媒体として水素またはハロゲンまたは水素と一緒にハロゲンが使用される、請求項4記載の白熱ランプ。
  11. 炭素のためのソースとして、発光体の軸線の近傍に取り付けられた、第2の金属炭化物から成るロッドが働き、該ロッドの蒸気圧が、与えられた所定温度で発光体線材の金属炭化物の蒸気圧よりも高く設定されていて、これによりつる巻き線状フィラメントの軸線内に取り付けられた線材に沿った熱伝導による損失が補償されるようになっており、炭素をシンクへ運ぶための媒体として水素またはハロゲンまたは水素と一緒にハロゲンが使用される、請求項1記載の白熱ランプ。
  12. 炭素のためのシンクが、触媒作用を有する金属から成っており、該金属のもとで、炭化水素が、炭素の析出下および水素の放出下に分解する、請求項5から11までのいずれか1項記載の白熱ランプ。
  13. ハロゲン化された炭化水素が、炭素の析出下および水素またはハロゲンまたは水素と一緒にハロゲンの放出下に分解する、請求項12記載の白熱ランプ
  14. 炭素のためのシンクが、炭化物を形成する金属から成っており、該金属のもとで炭化水素が、金属炭化物の形成下および水素の放出下に分解する、請求項5から11までのいずれか1項記載の白熱ランプ。
  15. 炭素のためのシンクが、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムまたはケイ酸モリブデンから成っている、請求項5から11までのいずれか1項記載の白熱ランプ。
  16. 充填物がヨウ素を含有しており、放出された水素が反応によってヨウ素と結合されてヨウ化水素を形成し、ヨウ素が、水素のためのガス状のシンクの機能を有している、請求項12から15までのいずれか1項記載の白熱ランプ。
  17. 放出された水素が、高温の石英バルブ壁を通って逃出し、水素のためのシンクが、高温のバルブ壁の透過によって提供されている、請求項12から15までのいずれか1項記載の白熱ランプ。
  18. バルブ内に、水素に対して親和性の金属が導入されており、放出された水素が、水素に対して親和性の金属によって結合されるか、または「ゲッタリング」される、請求項12から15までのいずれか1項記載の白熱ランプ。
  19. ソースとして、ポリテトラフルオロエチレンが使用される、請求項4記載の白熱ランプ。
  20. 炭素が、ハロゲンによって、触媒作用を有する金属または炭化物を形成する金属から成るシンクへ運ばれる、請求項19記載の白熱ランプ。
  21. 金属または金属および炭素がバルブ壁に析出することを阻止し、かつ金属または金属および炭素をできるだけ完全に発光体へ戻し運ぶために、充填ガスが、付加的にハロゲン含有の化合物を含有している、請求項1から20までのいずれか1項記載の白熱ランプ。
  22. 充填ガスが、付加的にハロゲン含有の化合物および水素、硫黄またはシアン化物含有の化合物を含有している、請求項21記載の白熱ランプ
  23. 発光体が、該発光体において濃度減少しかつソースから再び供給されるべき材料で被覆されていて、第1の層を形成しており、次いで該第1の層に外部から本来の発光体材料の第2の層が被着されている、請求項4記載の白熱ランプ。
  24. ソースが、まず第1の層で炭素で被覆され、次いで第2の層で金属炭化物で被覆された、同一または別の金属炭化物から成る物体から成っており、シンクへの炭素の運搬が、水素および/またはハロゲンのグループからの、充填物の成分である付加的に導入された材料によって行なわれ、該材料が、低温の領域で炭素と反応して炭化水素もしくはハロゲン化炭化水素を形成し、該炭化水素が、シンクのところで炭素の析出下および運搬媒体の放出下に再び分解する、請求項4記載の白熱ランプ。
  25. 外側の第2の層が、種々の金属炭化物の合金である、請求項24記載の白熱ランプ。
  26. 金属炭化物の合金が、炭化タンタルと炭化ハフニウムとから成る合金である、請求項25記載の白熱ランプ
  27. ソースが、請求項1から26までのいずれか1項記載の純粋な炭素または炭素を含有する化合物から形成され、シンクが、化学的に不活性であるフレームにおける炭素の放出によって、制限された温度領域で気相反応系により実現されている、請求項4記載の白熱ランプ。
  28. 炭素−硫黄系が、炭素を発光体に戻し運ぶために使用され、フレームの、作動時に2200Kよりも上の温度が生ぜしめられる個所に、炭素被覆体がソースとして被着されており、さらにシンクが、2200Kよりも下の温度でCS系における不均化反応によって実現されている、請求項4または27記載の白熱ランプ。
  29. 発光体が金属から成っている、請求項1から3までのいずれか1項記載の白熱ランプ。
  30. 発光体がタングステンから成っており、ポリテトラフルオロエチレンが、ランプの寿命にわたってゆっくりと分解し、フッ素が放出され、該フッ素が、1600K〜2400Kの温度範囲に取り付けられたタングステンリザーバで反応してフッ化タングステンを形成し、ひいてはソースの機能を有しており、該ソースがタングステンを発光体の最も高温の個所へ戻し運び、発光体で反応されなかったフッ化タングステンからのフッ素が、バルブ壁で分解反応してガス状のSiFを形成するか、もしくはタングステンが、重畳された臭素循環プロセスによってフレームの低温の個所に堆積され、ひいてはタングステンおよびフッ素のためのシンクの機能を有している、請求項29記載の白熱ランプ。
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