JP4571759B2 - Perlite rail and manufacturing method thereof - Google Patents

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JP4571759B2
JP4571759B2 JP2001167124A JP2001167124A JP4571759B2 JP 4571759 B2 JP4571759 B2 JP 4571759B2 JP 2001167124 A JP2001167124 A JP 2001167124A JP 2001167124 A JP2001167124 A JP 2001167124A JP 4571759 B2 JP4571759 B2 JP 4571759B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レール鋼のパーライト組織を微細化して、靭性および延性の向上を図った高強度レールおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鉄道輸送は輸送効率向上のための重積載化、輸送迅速化のための高速化が進められており、レールの特性に対する要求が厳しくなっている。重積載化、高速化は特に急曲線区間におけるレール頭部の摩耗を促進し、レール寿命を著しく短くする。このため重荷重鉄道、高速鉄道でのレール短寿命化を改善するために、耐摩耗性の優れた高強度レール鋼の開発、実路試験が精力的に行われてきた。その結果、微細パーライト組織を適用した高強度レールが急曲線区間に広く普及している。
【0003】
一方、寒冷地の鉄道では冬季にレールクラック発生によるレール取替が集中しており、レール材の靭性改善がレール寿命の延伸に必要な課題になっている。
寒冷地でのレール鋼に対する衝撃値規格としては、試験温度20℃における2mmUノッチ衝撃値が25J/cm2 以上というロシアΓoct規格の例がある。本来、この衝撃値規格はロシア国内で製造されてきた焼入れ・焼戻し法によって製造されたマルテンサイト鋼高強度レールに適用されてきたものである。焼戻しマルテンサイト鋼レールは、延性、靭性に優れるものの、レールの基本特性である耐摩耗性に課題があるため、日本ではすでに需要が無くなっている。
【0004】
一方、パーライト鋼レールは耐摩耗性は優れているものの、焼戻しマルテンサイト並みの衝撃値達成は困難である。しかしながら、耐摩耗性と衝撃特性を両立するために、これまでに以下のような方法が開発されてきている。
(1)普通圧延後、一旦常温まで冷却したレールを低温度で再加熱した後、加速冷却する方法。
(2)制御圧延によりオーステナイト粒を微細化した後、レール頭部を加速冷却する方法。
(3)パーライト変態時にオーステナイト結晶粒界に加え、オーステナイト結晶粒内からも変態を促進し、微細なパーライト組織を得る方法。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記方法の(1)では、例えば特開昭55−125231号公報に記載されているように、通常の加熱温度よりも低い850℃以下の低温度に再加熱し、オーステナイト粒を細粒化することによって靭性および延性を改善しようとするものである。しかし低温度で加熱し、かつレール頭部内部まで加熱を深めようとすると、投入熱量を下げて長時間の加熱が必要で、生産性が低下する難点がある。
【0006】
また上記(2)の方法は、例えば特開昭52−138427号公報および特開昭52−138428号公報に記載されているように、制御圧延によるオーステナイト粒の細粒化で靭性・延性の向上を図ろうとするものである。しかし、大きな圧下力が必要という圧延機の装置能力、あるいはレールの断面形状の長手方向の寸法安定性が容易に得られないという、形状制御性の観点からの問題を含んでいる。
【0007】
上記(3)の方法としては、例えば特公平6−279928号公報に記載されているように、MnS上に析出させたV炭窒化物、Ti炭窒化物を核として、オーステナイト結晶粒内からのパーライト変態を促進させる方法がある。この方法により靭性および延性に優れたレールの製造が可能となった。
しかしながら、単にVを添加しただけでは延性・靭性を改善する効果が得られないばかりか、V添加量の増加に伴い、鋳造段階での微小割れの発生によりレール内部品質が劣化するという実験事実が判明した。
本発明はこのような事実を解決し、延性・靭性の優れたレール鋼を得るものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は寒冷地において要求される良好な衝撃特性、延性を得るための条件を提供するものであり、その要旨は以下のとおりである。
(1) 質量%で、
C :0.6〜1.2%、 Si:0.1〜1.2%、
Mn:0.1〜1.5%、 V :0.005〜0.07%、
N :0.005〜0.025%、 P :0.015%以下、
S :0.02%以下、 Al:0.01%以下、
Mg:0.02%以下、 Ni:0.1〜4.0%、
Cu:0.1〜4.0%
を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなるであって、VとNの質量%の比V/Nが5以下であり、少なくともレール頭部がパーライト組織であることを特徴とするパーライト系レール。
(2) 質量%でさらに、
Cr:0.1〜1.0%、 Mo:0.01〜0.50
1種または2種を含有することを特徴とする前記(1)に記載のパーライト系レール。
(3) 質量%でさらに、
Nb:0.001〜0.050%、 Ti:0.001〜0.050%
の1種または2種を含有することを特徴とする前記(1)または(2)に記載のパーライト系レール。
(4) 質量%でさらに、
B :0.0001〜0.0015%
を含有することを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載のパーライト系レール。
【0009】
) 前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の成分からなる圧延用鋼材を、熱間圧延でレールに形成した後、熱間圧延まま、あるいは熱間圧延後の再加熱によってオーステナイト域温度とし、前記レールの少なくとも頭部を700〜500℃間を1〜5℃/sec で加速冷却することを特徴とするパーライト系レールの製造方法。
) 熱間圧延における圧延仕上げ温度を980℃以下とすることを特徴とする前記()記載のパーライト系レールの製造方法。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について説明する。
レール用鋼として通常用いられるパーライト鋼が破壊する際には、亀裂は結晶粒単位で屈曲して進む。結晶粒界は亀裂伝播の抵抗となるため、結晶粒を細かくすることで破壊に要するエネルギーが大きくなり、衝撃値は増加される。
【0011】
炭素鋼がオーステナイトからパーライト変態する際に、変態は主にオーステナイト粒界から開始する。この時にオーステナイト中にフェライトと結晶格子整合性の高い析出物があれば、それが変態核として機能し、析出物を核とする変態が起こる。その結果、多くのパーライトモジュール(オーステナイト中で変態が球状に進んでいく際の球形領域)が成長し、変態完了後のパーライト組織を細かくすることができる。
【0012】
一般にレール鋼は、精錬−鋳造−冷却−再加熱−熱間圧延−冷却−の工程で製造される。まず転炉、電気炉などで精錬、成分調整された溶鋼が連続鋳造などの方法により凝固される。鋳造された鋳片、鋼塊は熱間圧延される際に、1200℃以上に再加熱される。高温に加熱された鋼材は複数の圧延機を通り、徐々にレール形状に成形され、900〜1100℃でレール形状に仕上げられる。圧延完了後、温度が共析点以下に下がるとパーライト変態が起こる。パーライト変態は一般にオーステナイト結晶粒界で開始し、成長する。
【0013】
レール製造用鋼材にCに加え、V,Nが含まれていると、鋳造後−冷却中の1000℃付近からV炭窒化物が析出する。このV炭窒化物は圧延前に1200℃以上に再加熱されると、再び母材中に溶解する。さらに鋼中に溶解したVは圧延終盤の1000℃付近の温度から改めて炭窒化物として析出してくる。
【0014】
V炭窒化物はフェライトとの結晶格子の整合性が良く、粒界および粒内に析出したV炭窒化物が核となってフェライト変態が起きやすくなる。V炭窒化物を核としてフェライト変態が起きると、即座にセメンタイトが析出し、パーライト変態に移行する。V炭窒化物を核とする多数の異なる結晶方位を持つパーライト・モジュールの成長により、微細なパーライトが形成する。その結果、優れた靭性および延性を有するレール鋼を得ることができる。このような微細なパーライト組織は、車輪からの衝撃的な負荷の加わりやすいレールの頭部に少なくとも形成されている必要がある。
【0015】
ここでさらに、熱間圧延における圧延仕上げ温度を980℃以下とし、V炭窒化物が析出した時点で圧下を加えるようにすることで、さらにパーライト組織を微細にすることができる。このとき圧延仕上げ温度をさらに低くすることで、複数のパス以上にわたってこのような効果を得ることも可能である。ただし圧延仕上げ温度を低くしすぎると圧延が困難になるため、900℃以上が好ましい。
【0016】
一方、重荷重鉄道、高速鉄道の急曲線部ではレール鋼は、過酷な負荷と摩擦にさらされるため、高強度、高硬度が要求される。このような使用環境に供するレール鋼材には、圧延終了後のオーステナイト域温度から直接、あるいは再加熱によりオーステナイト域温度とした後、パーライト変態温度域である700〜500℃間を加速冷却することが望ましい。加速冷却を行うとオーステナイトがより低い温度まで過冷され、パーライト変態温度が低下する。
【0017】
このように過冷度が高まると、パーライト中のフェライト−セメンタイト層間隔が減少して強度が増大すると共に、変態核の生成速度が増加するためパーライト組織を微細にする効果を得ることができる。その結果、強度上昇に加えて靭性を向上させることができる。ただし、加速冷却時の冷却速度が1℃/sec 未満のときは必要な強度を得ることができず、5℃/sec を超える場合はマルテンサイトが生成するため好ましくない。
【0018】
次に、レール鋼の成分を限定した理由について述べる。成分量の%は質量%である。
C:Cは延性、靭性を低下させるが、レールの使用安全性に極めて重要な強度、耐摩耗性能を決める基本的な元素である。Cが0.6%未満では必要とする高強度のパーライト組織が得がたい。また、1.20%を超えると初析セメンタイトを生成し、靭性・延性を著しく低下させるため好ましくない。
【0019】
Si:Siは溶鋼の脱酸材として必要で、レール鋼の精錬には欠くことができない。また、Siはパーライト組織中のフェライト相への固溶強化による高強度化に加え、若干の靭性および延性改善効果がある。しかし、0.1%未満ではその効果は少なく、1.2%を超えると脆化をもたらし溶接接合性も低下するため好ましくない。
【0020】
Mn:Mnは変態温度を低下させ、焼入れ性を高めることによって高強度化に寄与する元素である。また鋼中のSと結合してMnSを析出して、Sを無害化するためにも欠くことができない。析出したMnSはV炭窒化物の析出サイトとなり、パーライト変態時の変態核となる。しかし、0.1%未満ではこれらの効果が小さく、1.5%を超えると偏析部にマルテンサイト組織を生成させ易くするため好ましくない。
【0021】
V:VはV炭窒化物を形成するために欠くことができない元素である。V炭窒化物がパーライト変態核となり、多数のパーライト・モジュールが成長する結果、変態後のパーライト組織を微細化することができる。Vが0.005%未満ではこの効果は弱く、延性、靭性の改善効果は小さい。
【0022】
ここで、本発明者らはV,Nの含有量を変化させて、組織、延靭性を調査した。図1はC:0.75%、Si:0.50%、Mn:0.70%、P:0.010%を含有する溶鋼にVを0〜0.08%、かつNをV/N:0〜7となるよう、添加量を種々変更した鋼片を1250℃に再加熱後、最終パス圧延温度1050℃で圧延した後、自然冷却し、得られた試験片の試験温度20℃における2mmUノッチシャルピー値を測定した結果をV/Nとの関係で示したものである。
【0023】
図1に示すように、V量の増加に伴い衝撃値は向上する。この効果をより顕著に得るためには、Vは0.015%以上が望ましい。しかし、Vを多量に添加しても効果は飽和してくるばかりか、鋳造段階での微小割れの発生によりレール内部品質が劣化する場合があるため、Vの添加上限を0.07%とした。
一方、第1図に示すように、V,Nの質量含有率の比、V/N値の増加に伴って、衝撃特性は低下する。したがって、衝撃値を高めるにはV/N値が低いほうが良く、5以下であることが望ましい。
【0024】
V/N比が低い方が、衝撃値がよくなるのは以下の理由によると考えられる。
変態までの高温の状態で生成するV析出物は窒化物であり、変態点以下の比較的低温域では炭化物が生成すると考えられる。したがって、V析出物をパーライト変態核として利用するためには、変態点より高い温度で析出するV窒化物を利用する必要がある。
【0025】
Vを増加させるとV窒化物の生成量が増加し、パーライト組織の微細化が進む。しかしながらNが少ない材料では、オーステナイト温度域でNが消費されてしまうと、変態点以下でV炭化物が生成する。変態温度以下で鋼中に生成する析出物は鉄の結晶格子を歪ませ、転移の運動を妨げる効果が大きく、強度上昇、延靭性の低下を引き起こす、析出強化効果が大きい。
【0026】
N:NはV炭窒化物を析出するために必要な元素であり、そのためには0.005%以上が必要である。本発明者らはV,N添加材は連続鋳造時に鋳片内部に微小な割れが生じやいという実験事実を得た。この割れはレール圧延後も鋼中に残存することがあり、レール使用に供することはできない。これは、湾曲型連続鋳造において、鋳片に矯直曲げが加えられた際に生じたと考えられる。この高温脆化を避けるためにはNを0.025%以下に制限することが有効である。
【0027】
P:Pは鋼中に不可避に含有される元素であるが、多量に含有すると衝撃特性が低下する。ここで図2はC:0.75%、Si:0.50%、Mn:0.70%を含有する溶鋼に、Pを0〜0.03%の範囲で種々変更した鋼片を、1250℃に再加熱後、最終パス圧延温度1050℃で圧延した後、放冷し、得られた試験片の試験温度20℃における2mmUノッチシャルピー値を測定した結果を、P量との関係で示したものである。
図2に示すように、Pはフェライト層を脆化させて衝撃特性を低下する。このため特に靭性、延性を重視する寒冷地向けレールでは、Pは低いことが好ましく、少なくとも0.015%以下である必要がある。
【0028】
さらに本発明においては、上記成分の他にNi,Cu,Mg,Al,Sを添加し、さらに必要に応じて1種または2種以上のCr,Mo,Nb,Ti,Bの添加によって、フェライト地の靭性改善、レール圧延素材の加熱時におけるオーステナイト粒の、あるいは圧延時のオーステナイト粒の細粒化によって高靭性を得ることができる。また、冷却過程における加速冷却によって、より高強度と同時に高靭性を得ることができる。これらの化学成分を限定した理由を以下に説明する。
【0029】
Cr:Crはパーライト変態温度を低下させることによって高強度化に寄与すると共に、溶接継ぎ手部軟化防止の観点で0.1%以上の含有が有効である。一方、1.0%を超えて含有すると、強制冷却時に元素偏析部のみでなく、過冷却傾向の強いレールの肩部にベイナイトやマルテンサイトが生成し、靭性の低下をもたらすため好ましくない。
【0030】
Mo:Moはパーライトの変態速度を抑制し、変態温度を下げて、高強度化に寄与すると共に、パーライト組織を微細化することから靭性向上に有効な元素である。しかし、0.01%未満では上記の効果は少なく、また、0.50%を超える含有量ではパーライト変態速度が低下し過ぎ、パーライト組織中にベイナイトやマルテンサイトを生成させ靭性低下をもたらすため好ましくない。
【0031】
Ni:Niはフェライト中に固溶し、フェライトの靭性を向上させるのに有効な元素である。ただし、Niが0.1%未満の場合にはその効果が弱く、また4.0%を超えて含有してもその効果は飽和する。
【0032】
Cu:CuはNiと同様にフェライト中に固溶し、フェライトの靭性を向上させるのに有効な元素である。ただし、Cuが0.1%未満の場合にはその効果が弱く、また4.0%を超えて含有してもその効果は飽和する。
【0033】
Nb:Nbは熱間圧延時にNb炭窒化物がオーステナイト粒成長を抑制し細粒化に寄与する。この効果を得るためには、Nbは0.001%以上必要であるが、0.05%を超えると粗大なNb炭窒化物の生成によって靭性が低下するため好ましくない。
【0034】
Ti:TiはNbと同様、Ti窒化物がオーステナイト粒成長を抑制し、細粒化に寄与する。また、Mg,Mn粒化物上にTi窒化物として析出すると、パーライト変態核となり、パーライト組織を微細化する機能を持っている。しかしTiが0.001%以下ではその効果が弱く、0.05%を超えると粗大なTi窒化物を生成し靭性が低下するため好ましくない。
【0035】
B:Bは微量添加においてもオーステナイト粒界に偏析し、変態を遅らせることにより焼入れ性を著しく改善する元素である。この効果を得るためには、Bは0.0001%以上必要であり、0.0015%を超えると鉄の炭ホウ化物が生成し、靭性が著しく低下するため好ましくない。
【0036】
S:Sは鋼中に不可避的に含まれるが、Mn,Mgと結合して硫化物を形成し、V炭窒化物の析出サイトとなる。これらの介在物がオーステナイト粒内に存在すると、粒界に加えて粒内からの変態を促進し、パーライト組織の微細化に貢献する。しかし、Sが0.02%を超えると粗大なMnSが生成し、靭性および延性をむしろ低下させるため好ましくない。
【0037】
Al:Al2 3 やAl−Mg複合酸化物は、MnSの析出核となる。また、Al窒化物はオーステナイト粒の成長を抑制する効果があり、パーライト組織の微細化に寄与する。ただしAlが0.1%を超えると酸化物が粗大化し、重荷重鉄道で使用された際に内部疲労起点となる危険性があるため、0.1%以下であることが望ましい。
【0038】
Mg:MgはMg酸化物、Mg−Al酸化物、Mg硫化物を析出し、さらにこれらを核としてMnS、V炭窒化物の析出核となる。これらの介在物は粒内変態の促進効果によりパーライト変態後のパーライトブロックを微細にする。しかし、0.02%を超えると粗大な介在物が生成し、靭性が著しく低下するため好ましくない。
【0039】
【実施例】
(実施例1)
本発明の実施例を以下に詳細に説明する。表1はその化学組成を質量%で示したものである。符号C,Dは本発明例、C1,D1,D2は比較例であり、前記成分の鋼材から熱間圧延によりレールを製造した。
【0040】
表2は各レール鋼種について、「熱処理有り」として、圧延後のオーステナイト温度域から700℃〜500℃間の冷却速度を1〜5℃/sの範囲で冷却し、引張り強度TS=1300MPaを狙った場合、および「熱処理無し」として圧延後、大気中で放冷した場合のそれぞれについて、試験温度20℃での2mmUノッチシャルピー衝撃値、丸棒引張り試験値、レール頭部断面における微小割れの有無の結果を示す。
【0041】
シャルピー試験片は、レール頭頂面下3mmの位置を試験片上面とし、レール幅方向に3列、長手方向に4列採取し、ノッチ位置は頭頂面側とした。ノッチ深さは2mmであるので、ノッチ底の位置はレール頭頂面下5mmに相当する。
衝撃試験値は12本の平均値を記載した。引張試験はレール頭部ゲージコーナー表面から内部方向10mm位置を試験片の円心とする、平行部直径6mm、平行部長さ30mmのJIS4号サブサイズ試験片で行った。頭部断面の微小割れの有無は、鏡面研磨した断面試料を塩酸エッチングして観察した。
【0044】
表2に示すように、V,N量、V/N比が適正な本発明鋼は、多数のV炭窒化物を核としてパーライト変態が進んだ結果、微細なパーライト組織が得られ、また、P値も低いため、良好な衝撃値、伸び値が得られた。
【0045】
一方、比較例の鋼は本発明例に比較して衝撃値、伸び値が顕著に低下した。
この理由は、比較例C1はV,N量および、V/Nの比率は良く、組織は微細になったものの、Pが高いために延性・靭性が低下した。
比較例D1はV/N比が高い例で、組織は微細化していることから、V炭窒化物は析出していると考えられる。それにもかかわらず延性・靭性は低いのは、V/N比が高いため変態終了までにV炭窒化物の析出が終了せず、変態完了以後にV炭化物が多量に析出し、析出強化の悪影響が顕在化したためである。
比較例D2はNが高い例で、組織は微細化しているものの、断面内に欠陥が残存しており、これらを起点に破壊が生じたため、延性・靭性が低くなった。
また、本発明例Cにおいて圧延仕上げ温度を1000℃とした例では、衝撃値や全伸びなどに若干の低下が見られた。
【0048】
【表1】

Figure 0004571759
【0049】
【表2】
Figure 0004571759
【0050】
【発明の効果】
本発明により、オーステナイト内にV炭窒化物が析出し、それを核としてパーライト変態が起こることから、変態後のパーライト組織が微細になる。また、V/Nの含有比率の制限により、変態以後のV炭化物析出による析出強化の影響を防止することができる。さらにPを制限することにより、優れた衝撃特性、延性を得ることができる。またN値の制限により、割れが無い健全な内部品質を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】V/N含有量と衝撃値の関係を示す図である。
【図2】P含有量と衝撃値の関係を示す図である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a high-strength rail in which the pearlite structure of rail steel is refined to improve toughness and ductility, and a method for manufacturing the same.
[0002]
[Prior art]
Rail transport is being loaded with heavy loads to improve transportation efficiency and speeding up to speed up transportation, and the requirements for rail characteristics are becoming stricter. Heavy loading and high speed promote the wear of the rail head especially in the sharp curve section, and shorten the rail life remarkably. For this reason, in order to improve the shortening of the rail life in heavy-duty railways and high-speed railways, development of high-strength rail steel with excellent wear resistance and actual road tests have been vigorously conducted. As a result, high-strength rails using a fine pearlite structure are widely used in sharply curved sections.
[0003]
On the other hand, rail replacement in cold districts is concentrated in the winter due to the occurrence of rail cracks, and improving the toughness of the rail material is a necessary issue for extending the rail life.
As an impact value standard for rail steel in a cold region, there is an example of the Russian Γoct standard in which a 2 mmU notch impact value at a test temperature of 20 ° C. is 25 J / cm 2 or more. Originally, this impact value standard has been applied to martensitic steel high-strength rails manufactured by quenching and tempering methods manufactured in Russia. Although tempered martensitic steel rails are excellent in ductility and toughness, there is a problem in wear resistance, which is a basic characteristic of rails, and therefore there is no demand in Japan.
[0004]
On the other hand, pearlitic steel rails have excellent wear resistance, but it is difficult to achieve an impact value similar to that of tempered martensite. However, in order to achieve both wear resistance and impact characteristics, the following methods have been developed so far.
(1) A method of accelerating cooling after re-heating the rail once cooled to room temperature after normal rolling at a low temperature.
(2) A method in which the rail head is accelerated and cooled after the austenite grains are refined by controlled rolling.
(3) A method of obtaining a fine pearlite structure by promoting transformation from within the austenite crystal grain in addition to the austenite crystal grain boundary during pearlite transformation.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
In the above method (1), for example, as described in JP-A-55-125231, the austenite grains are refined by reheating to a low temperature of 850 ° C. or lower, which is lower than the normal heating temperature. This is to improve toughness and ductility. However, heating at a low temperature and deepening the heating to the inside of the rail head requires a long time heating by lowering the input heat amount, and there is a difficulty in reducing productivity.
[0006]
Further, the method (2) is improved in toughness and ductility by austenite grain refinement by controlled rolling, as described in, for example, JP-A-52-138427 and JP-A-52-138428. It is going to plan. However, there is a problem from the viewpoint of shape controllability that the apparatus capacity of the rolling mill that requires a large rolling force or the dimensional stability of the cross-sectional shape of the rail in the longitudinal direction cannot be easily obtained.
[0007]
As the method of (3), for example, as described in Japanese Patent Publication No. 6-279928, the V carbonitride and Ti carbonitride precipitated on MnS are used as nuclei from the austenite crystal grains. There are ways to promote pearlite transformation. This method made it possible to produce rails with excellent toughness and ductility.
However, there is an experimental fact that not only the effect of improving ductility and toughness is not obtained by simply adding V, but the internal quality of the rail deteriorates due to the occurrence of microcracks in the casting stage as the amount of V added increases. found.
The present invention solves such a fact and obtains a rail steel excellent in ductility and toughness.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The present invention provides conditions for obtaining good impact characteristics and ductility required in cold regions, and the gist thereof is as follows.
(1) In mass%,
C: 0.6 to 1.2%, Si: 0.1 to 1.2%,
Mn: 0.1 to 1.5%, V: 0.005 to 0.07%,
N: 0.005 to 0.025%, P: 0.015% or less,
S: 0.02% or less, Al: 0.01% or less,
Mg: 0.02% or less, Ni: 0.1-4.0%,
Cu: 0.1-4.0%
Containing, a steel and the balance Fe and unavoidable impurities, mass% ratio V / N of the V and N are 5 or less, pearlitic, wherein at least the rail head is pearlite structure rail.
(2) Further in mass%,
Cr: 0.1 to 1.0%, Mo: 0.01 to 0.50 %
The pearlite rail according to (1) above, which contains one or two of the above.
(3) Further in mass%,
Nb: 0.001 to 0.050%, Ti: 0.001 to 0.050%
The pearlite rail according to (1) or (2) above, which contains one or two of the above.
(4) Further in mass%,
B: 0.0001 to 0.0015%
The pearlite rail according to any one of (1) to (3), characterized in that
[0009]
(5) the (1) to the rolling steel material containing components according to any one of (4), after forming the rail by hot rolling, while hot rolling or reheating after hot rolling A method for producing a pearlite rail characterized in that the austenite region temperature is set to accelerating and cooling at least the head of the rail between 700 and 500 ° C. at 1 to 5 ° C./sec.
( 6 ) The method for producing a pearlite rail according to ( 5 ), wherein the rolling finish temperature in hot rolling is 980 ° C. or lower.
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention will be described below.
When pearlite steel, which is usually used as rail steel, breaks, the cracks bend and proceed in units of crystal grains. Since the crystal grain boundary provides resistance to crack propagation, making the crystal grain fine increases the energy required for fracture and increases the impact value.
[0011]
When carbon steel undergoes pearlite transformation from austenite, the transformation starts primarily from the austenite grain boundaries. At this time, if there is a precipitate having high crystal lattice matching with ferrite in austenite, it functions as a transformation nucleus, and transformation with the precipitate as a nucleus occurs. As a result, many pearlite modules (spherical regions when transformation progresses spherically in austenite) grow, and the pearlite structure after transformation can be made fine.
[0012]
Generally, rail steel is manufactured by a process of refining, casting, cooling, reheating, hot rolling, and cooling. First, molten steel refined and component-adjusted in a converter, electric furnace or the like is solidified by a method such as continuous casting. When the cast slab and the steel ingot are hot-rolled, they are reheated to 1200 ° C. or higher. The steel material heated to a high temperature passes through a plurality of rolling mills, is gradually formed into a rail shape, and is finished into a rail shape at 900 to 1100 ° C. After the rolling is completed, pearlite transformation occurs when the temperature falls below the eutectoid point. The pearlite transformation generally starts and grows at austenite grain boundaries.
[0013]
If the steel for rail production contains V and N in addition to C, V carbonitride precipitates from around 1000 ° C. during cooling after casting. When the V carbonitride is reheated to 1200 ° C. or higher before rolling, it is dissolved again in the base material. Furthermore, V dissolved in the steel is newly precipitated as carbonitride from a temperature around 1000 ° C. at the end of rolling.
[0014]
V carbonitride has good crystal lattice consistency with ferrite, and the V carbonitride precipitated at the grain boundaries and within the grains becomes the nucleus and ferrite transformation is likely to occur. When ferrite transformation occurs using V carbonitride as a nucleus, cementite immediately precipitates and shifts to pearlite transformation. Fine pearlite is formed by the growth of pearlite modules with many different crystal orientations centered on V carbonitride. As a result, a rail steel having excellent toughness and ductility can be obtained. Such a fine pearlite structure needs to be formed at least on the head portion of the rail to which an impact load from the wheel is easily applied.
[0015]
Here, the pearlite structure can be further refined by setting the rolling finishing temperature in the hot rolling to 980 ° C. or less and applying the reduction when the V carbonitride is precipitated. At this time, it is also possible to obtain such an effect over a plurality of passes by further lowering the rolling finishing temperature. However, if the rolling finish temperature is too low, rolling becomes difficult, so 900 ° C. or higher is preferable.
[0016]
On the other hand, rail steel is required to have high strength and high hardness because it is exposed to severe load and friction in the sharp curve part of heavy-duty railway and high-speed railway. In the rail steel material to be used in such a use environment, it is possible to accelerate cooling between 700 to 500 ° C., which is a pearlite transformation temperature range, directly from the austenite range temperature after the end of rolling or after being reheated to the austenite range temperature. desirable. When accelerated cooling is performed, austenite is supercooled to a lower temperature, and the pearlite transformation temperature is lowered.
[0017]
When the degree of supercooling increases in this way, the ferrite-cementite layer spacing in the pearlite decreases, the strength increases, and the rate of formation of transformation nuclei increases, so that the effect of making the pearlite structure fine can be obtained. As a result, the toughness can be improved in addition to the strength increase. However, when the cooling rate during accelerated cooling is less than 1 ° C./sec, the required strength cannot be obtained, and when it exceeds 5 ° C./sec, martensite is generated, which is not preferable.
[0018]
Next, the reason why the components of the rail steel are limited will be described. % Of component amount is mass%.
C: C lowers ductility and toughness, but is a basic element that determines the strength and wear resistance, which are extremely important for the safety of use of the rail. If C is less than 0.6%, the required high-strength pearlite structure is difficult to obtain. On the other hand, if it exceeds 1.20%, pro-eutectoid cementite is generated, and the toughness and ductility are remarkably lowered.
[0019]
Si: Si is necessary as a deoxidizer for molten steel and is essential for refining rail steel. Further, Si has a slight toughness and ductility improvement effect in addition to an increase in strength by solid solution strengthening in the ferrite phase in the pearlite structure. However, if the content is less than 0.1%, the effect is small, and if it exceeds 1.2%, embrittlement is caused and the weldability is also deteriorated.
[0020]
Mn: Mn is an element that contributes to increasing the strength by lowering the transformation temperature and enhancing the hardenability. Moreover, it is indispensable in order to combine with S in steel and to precipitate MnS to render S harmless. The deposited MnS becomes a precipitation site of V carbonitride and becomes a transformation nucleus at the time of pearlite transformation. However, if it is less than 0.1%, these effects are small, and if it exceeds 1.5%, a martensite structure is easily generated in the segregated portion, which is not preferable.
[0021]
V: V is an element indispensable for forming V carbonitride. V carbonitride serves as a pearlite transformation nucleus and a large number of pearlite modules grow. As a result, the pearlite structure after transformation can be refined. When V is less than 0.005%, this effect is weak and the effect of improving ductility and toughness is small.
[0022]
Here, the present inventors investigated the structure and ductility by changing the contents of V and N. FIG. 1 shows a molten steel containing C: 0.75%, Si: 0.50%, Mn: 0.70%, P: 0.010%, and V is 0 to 0.08% and N is V / N. : Steel pieces with various addition amounts changed so as to be 0 to 7 were reheated to 1250 ° C., rolled at a final pass rolling temperature of 1050 ° C., then naturally cooled, and the obtained test piece at a test temperature of 20 ° C. The result of measuring the 2 mm U notch Charpy value is shown in relation to V / N.
[0023]
As shown in FIG. 1, the impact value increases as the V amount increases. In order to obtain this effect more remarkably, V is desirably 0.015% or more. However, the addition of a large amount of V not only saturates the effect, but the internal quality of the rail may deteriorate due to the occurrence of microcracks in the casting stage, so the upper limit of V addition is set to 0.07%. .
On the other hand, as shown in FIG. 1, as the ratio of the mass contents of V and N and the V / N value increase, the impact characteristics decrease. Therefore, in order to increase the impact value, the V / N value is preferably low, and is preferably 5 or less.
[0024]
The reason why the impact value is improved when the V / N ratio is lower is considered to be as follows.
V precipitates generated in a high temperature state until transformation are nitrides, and it is considered that carbides are generated in a relatively low temperature region below the transformation point. Therefore, in order to use the V precipitate as a pearlite transformation nucleus, it is necessary to use a V nitride that precipitates at a temperature higher than the transformation point.
[0025]
When V is increased, the amount of V nitride produced increases and the pearlite structure becomes finer. However, in a material with less N, if N is consumed in the austenite temperature range, V carbide is generated below the transformation point. Precipitates formed in steel below the transformation temperature have a great effect of distorting the iron crystal lattice and hindering the movement of the transition, leading to an increase in strength and a reduction in ductility.
[0026]
N: N is an element necessary for precipitating V carbonitride, and 0.005% or more is necessary for this purpose. The present inventors have obtained an experimental fact that the V and N additive materials are likely to cause minute cracks inside the slab during continuous casting. This crack may remain in the steel after rolling the rail and cannot be used for rail use. This is considered to have occurred when straight bending was applied to the slab in curved continuous casting. In order to avoid this high temperature embrittlement, it is effective to limit N to 0.025% or less.
[0027]
P: P is an element inevitably contained in the steel, but if it is contained in a large amount, the impact characteristics are lowered. Here, FIG. 2 shows steel pieces in which P is variously changed in the range of 0 to 0.03% to molten steel containing C: 0.75%, Si: 0.50%, and Mn: 0.70%. After reheating to ℃, after rolling at the final pass rolling temperature of 1050 ℃, it was allowed to cool, and the result of measuring the 2 mmU notch Charpy value at the test temperature of 20 ℃ of the obtained test piece was shown in relation to the P amount. Is.
As shown in FIG. 2, P embrittles the ferrite layer and lowers impact characteristics. For this reason, it is preferable that P is low in rails for cold districts where emphasis is placed on toughness and ductility.
[0028]
Furthermore, in the present invention, in addition to the above components, Ni, Cu, Mg, Al, S is added, and if necessary, one or more Cr, Mo, Nb, Ti, B are added to add ferrite. High toughness can be obtained by improving the toughness of the ground, making the austenite grains during heating of the rail rolling material, or making the austenite grains fine during rolling. Moreover, high strength and high toughness can be obtained by accelerated cooling in the cooling process. The reason for limiting these chemical components will be described below.
[0029]
Cr: Cr contributes to high strength by lowering the pearlite transformation temperature, and it is effective to contain 0.1% or more from the viewpoint of preventing weld joint softening. On the other hand, if the content exceeds 1.0%, bainite and martensite are generated not only in the element segregation portion but also in the shoulder portion of the rail having a strong supercooling tendency during forced cooling, which causes a decrease in toughness.
[0030]
Mo: Mo is an element effective in improving toughness because it suppresses the transformation rate of pearlite, lowers the transformation temperature, contributes to high strength, and refines the pearlite structure. However, if the content is less than 0.01%, the above effect is small, and if the content exceeds 0.50%, the pearlite transformation rate is too low, and bainite and martensite are generated in the pearlite structure, resulting in a decrease in toughness. Absent.
[0031]
Ni: Ni is an element effective for improving the toughness of ferrite by dissolving in ferrite. However, when Ni is less than 0.1%, the effect is weak, and even if the content exceeds 4.0%, the effect is saturated.
[0032]
Cu: Cu is an element effective for improving the toughness of ferrite by dissolving in ferrite similarly to Ni. However, when Cu is less than 0.1%, the effect is weak, and even if it exceeds 4.0%, the effect is saturated.
[0033]
Nb: Nb contributes to fine graining by Nb carbonitride suppressing austenite grain growth during hot rolling. In order to obtain this effect, Nb needs to be 0.001% or more. However, if it exceeds 0.05%, the toughness decreases due to the formation of coarse Nb carbonitride, which is not preferable.
[0034]
Ti: Ti, like Nb, Ti nitride suppresses austenite grain growth and contributes to fine graining. Moreover, when it precipitates as Ti nitride on Mg and Mn granulated material, it becomes a pearlite transformation nucleus and has a function of refining the pearlite structure. However, when Ti is 0.001% or less, the effect is weak, and when it exceeds 0.05%, coarse Ti nitride is generated and toughness is lowered, which is not preferable.
[0035]
B: B is an element that remarkably improves hardenability by segregating at austenite grain boundaries and delaying transformation even when added in a small amount. In order to obtain this effect, B must be 0.0001% or more. If it exceeds 0.0015%, iron carboboride is generated, and the toughness is remarkably lowered.
[0036]
S: S is inevitably contained in the steel, but combines with Mn and Mg to form a sulfide, which becomes a precipitation site for V carbonitride. If these inclusions are present in the austenite grains, in addition to the grain boundaries, the transformation from within the grains is promoted, contributing to refinement of the pearlite structure. However, if S exceeds 0.02%, coarse MnS is generated, and the toughness and ductility are rather lowered.
[0037]
Al: Al 2 O 3 and Al—Mg composite oxide serve as MnS precipitation nuclei. In addition, Al nitride has an effect of suppressing the growth of austenite grains and contributes to the refinement of the pearlite structure. However, if Al exceeds 0.1%, the oxide becomes coarse and there is a risk of becoming an internal fatigue starting point when used in heavy-duty railways.
[0038]
Mg: Mg precipitates Mg oxide, Mg-Al oxide, and Mg sulfide, and these serve as nuclei for precipitation of MnS and V carbonitrides. These inclusions refine the pearlite block after pearlite transformation by the effect of promoting intragranular transformation. However, if it exceeds 0.02%, coarse inclusions are generated and the toughness is remarkably lowered, which is not preferable.
[0039]
【Example】
Example 1
Examples of the present invention are described in detail below. Table 1 shows the chemical composition in mass%. Reference numerals C and D are examples of the present invention, and C1, D1 and D2 are comparative examples . Rails were manufactured from the above steel components by hot rolling.
[0040]
Table 2 shows that for each rail steel type, “with heat treatment”, the cooling rate between 700 ° C. and 500 ° C. from the austenite temperature range after rolling is cooled in the range of 1 to 5 ° C./s, and the tensile strength TS = 1300 MPa is targeted. 2 mmU notch Charpy impact value at a test temperature of 20 ° C., round bar tensile test value, presence or absence of microcracks in the rail head section The results are shown.
[0041]
For the Charpy test piece, the position 3 mm below the rail top surface was taken as the top surface of the test piece, 3 rows in the rail width direction and 4 rows in the longitudinal direction were collected, and the notch position was on the top surface side. Since the notch depth is 2 mm, the position of the notch bottom corresponds to 5 mm below the rail top surface.
The impact test value is an average value of twelve. The tensile test was carried out with a JIS No. 4 subsize test piece having a parallel part diameter of 6 mm and a parallel part length of 30 mm with the position of 10 mm from the rail head gauge corner surface as the center of the test piece. The presence or absence of microcracks in the cross section of the head was observed by etching a mirror-polished cross section sample with hydrochloric acid.
[0044]
As shown in Table 2 , the steel of the present invention in which the amount of V, N and the V / N ratio are appropriate resulted in a fine pearlite structure as a result of progress of pearlite transformation with a large number of V carbonitrides as nuclei. Since the P value was also low, good impact values and elongation values were obtained.
[0045]
On the other hand, the impact value and the elongation value of the steel of the comparative example were significantly reduced as compared with the inventive example.
This is because, in Comparative Example C1, the V, N amount and V / N ratio were good and the structure became fine, but because P was high, the ductility and toughness were lowered.
Comparative Example D1 is an example having a high V / N ratio, and since the structure is refined, it is considered that V carbonitride is precipitated. Nevertheless, the ductility and toughness are low because the V / N ratio is high, so the precipitation of V carbonitrides does not end by the end of transformation, and a large amount of V carbides precipitate after the completion of transformation, which has the adverse effect of precipitation strengthening. This is because of the actualization.
Comparative Example D2 is an example having a high N. Although the structure is refined, defects remain in the cross section, and fractures occurred starting from these, resulting in low ductility and toughness.
In the example C of the present invention, the rolling finish temperature was set to 1000 ° C., and the impact value and the total elongation were slightly decreased.
[0048]
[Table 1]
Figure 0004571759
[0049]
[Table 2]
Figure 0004571759
[0050]
【The invention's effect】
According to the present invention, V carbonitride precipitates in austenite, and pearlite transformation occurs using it as a nucleus, so that the pearlite structure after transformation becomes fine. Moreover, the restriction | limiting of the content ratio of V / N can prevent the influence of precipitation strengthening by V carbide precipitation after transformation. Further, by limiting P, excellent impact characteristics and ductility can be obtained. Further, due to the restriction of the N value, it is possible to obtain a sound internal quality without cracks.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a graph showing the relationship between V / N content and impact value.
FIG. 2 is a diagram showing the relationship between P content and impact value.

Claims (6)

質量%で、
C :0.6〜1.2%、
Si:0.1〜1.2%、
Mn:0.1〜1.5%、
V :0.005〜0.07%、
N :0.005〜0.025%、
P :0.015%以下、
S :0.02%以下、
Al:0.1%以下、
Mg:0.02%以下、
Ni:0.1〜4.0%、
Cu:0.1〜4.0%
を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなるであって、VとNの質量%の比V/Nが5以下であり、少なくともレール頭部がパーライト組織であることを特徴とするパーライト系レール。
% By mass
C: 0.6-1.2%
Si: 0.1-1.2%,
Mn: 0.1 to 1.5%
V: 0.005-0.07%,
N: 0.005-0.025%,
P: 0.015% or less,
S: 0.02% or less,
Al: 0.1% or less,
Mg: 0.02% or less,
Ni: 0.1-4.0%,
Cu: 0.1-4.0%
Containing, a steel and the balance Fe and unavoidable impurities, mass% ratio V / N of the V and N are 5 or less, pearlitic, wherein at least the rail head is pearlite structure rail.
質量%でさらに、
Cr:0.1〜1.0%、
Mo:0.01〜0.50%
の1種または2種を含有することを特徴とする、請求項1に記載のパーライト系レール。
In addition by mass%
Cr: 0.1 to 1.0%,
Mo: 0.01 to 0.50%
The pearlite rail according to claim 1, comprising one or two of the following.
質量%でさらに、
Nb:0.001〜0.050%、
Ti:0.001〜0.050%
の1種または2種を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載のパーライト系レール。
In addition by mass%
Nb: 0.001 to 0.050%,
Ti: 0.001 to 0.050%
The pearlite-based rail according to claim 1, comprising one or two of the following.
質量%でさらに、
B :0.0001〜0.0015%
を含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに1項に記載のパーライト系レール。
In addition by mass%
B: 0.0001 to 0.0015%
The pearlitic rail according to any one of claims 1 to 3, wherein the pearlitic rail is contained.
請求項1〜4のいずれか1項に記載の成分からなる圧延用鋼材を、熱間圧延でレールに形成した後、熱間圧延まま、あるいは熱間圧延後の加熱によってオーステナイト域温度とし、前記レールの少なくとも頭部を700〜500℃間を1〜5℃/sec で加速冷却することを特徴とするパーライト系レールの製造方法。  After forming the rolling steel material comprising the component according to any one of claims 1 to 4 on a rail by hot rolling, the steel is made into an austenite region temperature by heating after hot rolling or after hot rolling, A method for producing a pearlite rail characterized by accelerating and cooling at least the head of the rail between 700 and 500 ° C at 1 to 5 ° C / sec. 熱間圧延における圧延仕上げ温度を980℃以下とすることを特徴とする請求項5記載のパーライト系レールの製造方法。  6. The method for producing a pearlite rail according to claim 5, wherein a rolling finish temperature in hot rolling is 980 ° C. or lower.
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