JP4571337B2 - 射出成形機の電動直圧式型締装置 - Google Patents
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- B29C45/17—Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
- B29C45/64—Mould opening, closing or clamping devices
- B29C45/66—Mould opening, closing or clamping devices mechanical
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、射出成形機の型締装置に係り、特に、駆動源の推進力をトグルリンク機構を使用せずに移動ダイプレートに伝達する電動式の直圧式型締装置の構造に係る。
【0002】
【従来の技術】
図2に、従来の電動直圧式型締装置の概略構成を示す。
【0003】
ベース1の両端には、固定ダイプレート3及びバックプレート62が、互いに対向するように配置されている。バックプレート62の前方には、固定ダイプレート3に対向して、移動ダイプレート4が配置されている。固定ダイプレート3の前面には固定金型5が保持され、移動ダイプレート4の前面には移動金型6が保持されている。
【0004】
バックプレート62と固定ダイプレート3の間は、4本のタイロッド67によって連結されている。移動ダイプレート4の四隅には、それぞれ貫通孔が形成され、各タイロッド67はこれらの各貫通孔を貫通している。移動ダイプレート4は、これらの各タイロッド67に沿って摺動し、前後方向(即ち、型締め方向及び型開き方向)に移動することができる。
【0005】
移動ダイプレート4は、バックプレート62の前面にボールネジ70を介して連結されている。移動ダイプレート4の背面にはロードセル75が固定され、ボールネジのネジ軸71の先端は、このロードセル75の背面側に固定されている。ボールネジのナット72は、バックプレート62にベアリング77を介して回転自在に支持されている。
【0006】
ベース1の下側にはモータ80が収容されている。ボールネジのナット72の端面(移動ダイ側の端面)にはプーリ82が取り付けられ、モータ80の軸にはプーリ81が取り付けられている。プーリ81とプーリ82の間には、タイミングベルト83が架け渡されている。モータ80を用いてナット72を回転することによってネジ軸71が軸方向に駆動され、これにより、移動ダイプレート4がタイロッド67に沿って前後方向に移動する。
【0007】
以上のように、従来の電動直圧式型締装置では、ボールネジ70を用いて移動ダイプレート4を駆動することによって、型締め及び型開きの動作を行っている。
【0008】
(従来の直圧式型締装置の問題点)
従来の装置では、型締めの際、その反力を4本のタイロッド67のみで受けていた。タイロッド67は、合計の断面積が大きく、従って剛性が高いので、型締力の反力が作用したときの伸び代が、比較的小さい。このため、固定金型5と移動金型6の型面が互いに接触した直後に、型締力(型面に生ずる圧縮荷重)が急速に立ち上がり、型締力にオーバーシュートが発生したり、あるいは型締力の精度が悪くなるなどの問題があった。
【0009】
更に、その結果、型締装置の構成部品に過大な負荷が作用して、それらの寿命を縮めると言う問題もあった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような従来の射出成形機の電動直圧式型締装置についての問題点に鑑み成されたもので、本発明の目的は、型締めの際の型締力の急速な立ち上がりを抑制し、それによって、型締力のオーバーシュートの発生を防止するとともに、型締力の精度を高めることができる電動直圧式型締装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の射出成形機の電動直圧式型締装置は、
ベースと、
ベースの一方の端に固定されたバックプレートと、
ベースの他方の端に固定され、固定金型を保持する固定ダイプレートと、
固定ダイプレートに対向してベース上に配置され、移動金型を保持する移動ダイプレートと、
ネジ軸の先端が前記固定ダイプレートの背面側に固定されたボールネジと、
前記ボールネジのナットを回転自在に支持するハウジングと、
前記バックプレートと前記ハウジングの間を接続し、型締め方向に対して伸縮可能な弾性部材と、
前記ボールネジのナットを回転させるモータと、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
好ましくは、前記弾性部材として、コイルスプリングを使用する。
【0013】
本発明の電動直圧式型締装置の動きについて説明する。
【0014】
前記ボールネジを駆動することによって、移動ダイプレートを固定ダイプレートに対して前進または後退させることができる。型締めの際、移動ダイプレートを固定ダイプレートに対して前進させることによって、固定金型と移動金型の型面を互いに接触させる。このとき、型締力(型面に生ずる圧縮荷重)の反力は、ボールネジ、ハウジング及び前記弾性部材を介して、バックプレートに伝達される。これによって、ネジ軸が弾性的に縮むとともに、前記弾性部材が縮まる方向に弾性変形する。
【0015】
ここで、前記弾性部材のバネ定数を適切に設計することによって、ボールネジのネジ軸の弾性変形と比較して大きな弾性変形を前記弾性部材に発生させることができる。これによって、型締めの際、型面の接触時に型締力が緩やかに立ち上がるようにすることができる。また、型締力の分解能が向上する。
【0016】
その結果、本発明の射出成形機の電動直圧式型締装置によれば、型締力のオーバーシュートの発生を防止するとともに、型締力の精度を高めることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明の射出成形機の電動直圧式型締装置の概略構成を示す。図中、1はベース、2はバックプレート、3は固定ダイプレート、4は移動ダイプレート、5は固定金型、6は移動金型、8はハウジング、9はコイルスプリング(弾性部材)、10はボールネジ、11はボールネジのネジ軸、12はボールネジのナットを表す。
【0018】
ベース1の両端には、固定ダイプレート3及びバックプレート2が、互いに対向するように配置されている。バックプレート2の前方には、固定ダイプレート3に対向して移動ダイプレート4が配置されている。固定ダイプレート3の前面には固定金型5が保持され、移動ダイプレート4の前面には移動金型6が保持されている。移動ダイプレート4は、ベース1上を摺動し、前後方向(即ち、型締め方向及び型開き方向)に移動することができる。
【0019】
移動ダイプレート4は、バックプレート2の前面にコイルスプリング9及びボールネジ10を介して、以下のように連結されている。即ち、バックプレート2の前方には、ボールネジのナット12を収容するハウジング8が配置されている。このハウジング8は、バックプレート2の前面に上下一対のコイルスプリング9を介して接続されている。コイルスプリング9の伸縮方向は、ボールネジのネジ軸11の方向に対して平行である。ボールネジのナット12は、ハウジング8にベアリング17を介して回転自在に支持されている。移動ダイプレート4の背面にはロードセル15が固定されている。ボールネジのネジ軸11の先端は、このロードセル15の背面側に固定されている。
【0020】
ベース1の下側にはモータ20が収容されている。ボールネジのナット12の端面(移動ダイ側の端面)にはプーリ22が取り付けられ、モータ20の軸にはプーリ21が取り付けられている。プーリ21とプーリ22の間にはタイミングベルト23が架け渡されている。モータ20を用いてナット12を回転することによって、ネジ軸11が軸方向に駆動され、移動ダイプレート4がベース1上を前後方向に移動する。このように、型締め及び型開きの動作は、ボールネジ10を駆動することによって行われる。
【0021】
以上のように、上記の電動直圧式型締装置では、移動ダイプレート4を駆動するボールネジ10を、コイルスプリング9を介してバックプレート2の前面に取り付けている。
【0022】
型締めの際、ボールネジ10を駆動して、移動ダイプレート4を固定ダイプレート3に対して前進させることによって、固定金型5と移動金型6の型面を互いに接触させる。このとき、型締力(型面に生ずる圧縮荷重)の反力は、ロードセル15、ボールネジのネジ軸11、ナット12、ハウジング8及びコイルスプリング9を順に介して、バックアッププレート2に伝達される。これによって、ネジ軸11が弾性的に縮むと同時に、コイルスプリング9が縮む。
【0023】
ここで、コイルスプリング9のバネ定数を適切に設計することによって、ネジ軸11の縮み代と比較して大きな弾性変形をコイルスプリング9に発生させることができる。これによって、型締めの際、型面の接触時に型締力が緩やかに立ち上がるようにすることができる。また、型締力の分解能が向上する。その結果、型締力のオーバーシュートの発生を防止するとともに、型締力の精度を高めることができる。
【0024】
なお、上記の例では、一対のコイルスプリング9をボールネジのネジ軸11を中心にして上下に配置しているが、4個のコイルスプリングをバックプレート2の四隅に配置したり、あるいは、一対のコイルスプリングをバックプレート2の対角位置に配置するなどの種々の変形も可能である。
【0025】
また、上記の例では、移動ダイプレート4の支持にタイロッドを使用していないが、2本または4本のタイロッドを使用する形式の型締装置の場合にも、本発明を適用することができる。
【0026】
【発明の効果】
本発明の射出成形機の電動直圧式型締装置によれば、移動ダイプレートを直接駆動するボールネジを、弾性部材を介してバックプレートの前面に取り付けることによって、型締めの際、型面の接触時に型締力が緩やかに立ち上がるようにすることができる。また、型締力の分解能が向上する。その結果、型締めの際の型締力のオーバーシュートの発生を防止するとともに、型締力の精度を高めることができる。これに伴い、型締装置の構成部品に過大な負荷が作用することを防止することができるので、それらの構成部品の寿命を延ばすこともできる。
【0027】
また、本発明の射出成形機の電動直圧式型締装置によれば、従来の型締装置におけるタイロッドを省略することができる。これによって、装置の構成部品の点数を減らし、装置の構成を簡素化することができる。また、従来の装置と比べて金型へのアクセスが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電動直圧式型締装置の概略構成を示す正面図。
【図2】従来の電動直圧式型締装置の概略構成を示す図。
【符号の説明】
1・・・ベース、
2・・・バックプレート、
3・・・固定ダイプレート、
4・・・移動ダイプレート、
5・・・固定金型、
6・・・移動金型、
8・・・ハウジング、
9・・・コイルスプリング(弾性部材)、
10、70・・・ボールネジ、
11、71・・・ボールネジのネジ軸、
12、72・・・ボールネジのナット、
15、75・・・ロードセル、
17、77・・・ベアリング、
20、80・・・モータ、
21、22、81、82・・・プーリ、
23、83・・・タイミングベルト、
62・・・バックプレート、
67・・・タイロッド。
Claims (2)
- ベースと、
ベースの一方の端に固定されたバックプレートと、
ベースの他方の端に固定され、固定金型を保持する固定ダイプレートと、
固定ダイプレートに対向してベース上に配置され、移動金型を保持する移動ダイプレートと、
ネジ軸の先端が前記移動ダイプレートの背面側に固定されたボールネジと、
前記ボールネジのナットを回転自在に支持するハウジングと、
前記バックプレートと前記ハウジングの間を接続し、型締め方向に対して伸縮可能な弾性部材と、
前記ボールネジのナットを回転させるモータと、
を備えたことを特徴とする射出成形機の電動直圧式型締装置。 - 前記弾性部材は、コイルスプリングであることを特徴とする請求項1に記載の射出成形機の電動直圧式型締装置。
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