JP4571309B2 - 標的物質と結合する染料を利用した自己充足式装置を用いての汚染物質の検出 - Google Patents
標的物質と結合する染料を利用した自己充足式装置を用いての汚染物質の検出 Download PDFInfo
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Description
発明の背景
本発明は、汚染物質の検査に関するものであり、特に生物に由来する汚染物質の検査を含む分野に関係がある。
【0002】
本明細書は、読者の理解を助けることだけを目的として書かれているのであり、引用した文献が本発明に対する従来技術であることを認めるものではない。
食品材料の処理や食料製品の調理においてのみでなく、その他の分野でも、特定の物質、といってもそれは汚染物質と見なされうる物質であることがしばしばあるが、そうした特定の物質が存在しているかどうかを検査することが望ましい。汚染の証拠として検出された物質としては、例えば、生育できるバクテリア細胞やATPなどがある。しかし多くの物質に関し、一般に用いられている検査方法では、試薬の準備、試薬の混合、サンプルの移動、サンプル/試薬の混合といった数多くの異なる操作が必要とされる。一例であるが、表面が汚染されていることを示すのに役立つ現在のタンパク質確認法には、安定性の問題があるためにその場で試薬を調製して何回も移動させる操作が含まれることがしばしばあり、および/または、解釈が難しい非常に主観的な色彩変化の観察が含まれ、および/または、複雑な装置の使用が必要とされる。
【0003】
一般的なタンパク質確認法の具体例は、METHODS IN ENZYMOLOGY、第182巻、50−68ページ、1990年に、ストシェックが『タンパク質の定量』というタイトルで書いている。基本的なタンパク質確認法がいろいろとある中に、ポリアクリルアミド電気泳動ゲルなどのゲルの中でコロイド状のCoomassie(登録商標)青色染料を用いてタンパク質を検出する方法がある。この方法は、例えば、ノイホフ他、「Electrophoresis」、第6巻、427−448ページ、1985年と、ノイホフ他、「Electrophoresis」、第9巻、255−262ページ、1988年に記載されている。
【0004】
以上に加え、食品処理施設で行なわれる検査においては、検査用試薬による食品の汚染が気がかりな問題である。検査者に化学薬品の調製に関する経験がかなり不足しているかもしれず、その場合には重大な検査ミスが起こる可能性がある。したがって、検査用化学物質の調製または移動が必要な検出方法を用いることは、多くの検査環境において望ましくない。
【0005】
上述した従来のタンパク質検査法に加え、洗浄とタンパク質の染色を合わせて行なう組成物が、1995年6月13日に特許になったウィニコフ他の米国特許第5,424,000号に、『洗浄・染色用の酸性組成物』という名称のもとに記載されている。この溶液には、リン酸、硫酸、硝酸と、酸性バイオレット19(Acid Violet 19)染料が含まれていることが好ましい。
【0006】
これまでに、確実な検査法を利用した多数の異なる自己充足式サンプル採取/検査装置が文献に記載されている。そうした検査法に含まれる具体的な操作としては、食品処理工場におけるバクテリア汚染物のサンプル採取、鉛などの重金属による環境汚染を検査するためのサンプル採取、微生物の感染を検査するための、患者からのサンプル採取などがある。
【0007】
自己充足式サンプル採取/検査装置の具体例を特に挙げるならば、『サンプル検査ユニット』の名称で1993年11月30日に特許になったネイソンの米国特許第5,266,266号と1990年12月18日に特許になったネイソンの米国特許第4,978,504号、『サンプルの採取と検査を行なうユニット』の名称で1987年11月17日に特許になったネイソンの米国特許第4,707,450号、1974年2月19日に特許になったトビンの米国特許第3,792,699号がある。これら特許はすべて、図面も含めてその全体を、本明細書に参考として組み込んである。
【0008】
発明の要約
汚染物質の存在を、検査する人および清掃する人に対してさまざまな環境において迅速にフィードバックする必要があること、また、そうしたことがその場でなされることの意味は、よく認識されている。例えば、残った食品がバクテリアに汚染されたり、人によっては残った食品に対するアレルギー反応が出たりする可能性がある場合には、汚染物質を監視する必要性のあることが、食品安全計画に明記されている。効果的な清掃を行なうと、食品製造後の病原菌による汚染の危険性を減らすこともできる。汚染物質の検査には、さまざまな装置と方法が用いられている。
【0009】
特定の物質が存在していることを検査するための特に好ましい装置では、二次的な試薬や操作が不要で、存在している標的物質の変化が容易に検出でき、検査結果が迅速に得られ、サンプル採取器具をその装置に組み込むことが可能になっている。本発明の発明者は、標的物質と結合する染料を用い、サンプル内に標的物質が存在していることを測色的に検出するタイプの自己充足式サンプル採取/検査装置が製作可能であることを示す。上述したように、この装置は、日常的な衛生検査手順において特に役立つ。
【0010】
本発明の第1の側面は、標的物質を含んでいる可能性のあるサンプルを採取するためのサンプル採取器具と、採取されたその標的物質と結合する接触可能な染料を有する信号発生源と、その標的物質および/またはサンプル採取器具から遊離した染料を洗浄するための洗浄液、またはサンプル採取器具の表面にある染料を洗浄するための洗浄液を収容したサンプル採取器具洗浄器とを備えることによって、染料と標的物質の相互作用の結果として発生する信号の測定を容易にする自己充足式装置に関するものである。サンプル採取器具のサンプル採取面またはサンプル採取部は、サンプル採取器具洗浄器に通じているか、あるいはサンプル採取器具洗浄器に通じる状態にすることができる。好ましい実施態様によれば、サンプル採取器具のサンプル採取面は、湿潤剤および/または染料溶液および/または洗浄液を吸収することのできる吸収物質に通じているか、あるいはその吸収物質に通じる状態にすることもできる。この装置は、用途の特殊性、例えば特殊なタイプの染料を使用するとか、検査する標的物質の種類などに応じて、可能な多数の構造のうちの任意の構造にすることができる。
【0011】
“通じている”という用語は、対象とする要素間で流体の接触を可能とする接触手段や経路などの手段が存在していることを意味する。したがって、例えばサンプル採取器具洗浄器から吸収物質の中に液体が移動する場合には、サンプル採取器具洗浄器と吸収物質は通じている。この用語は、必ずしも液体が実際に存在していることを意味せず、液体が存在していたとすれば液体の接触が起こる、ということを意味しているだけである。
【0012】
好ましい実施態様によれば、本発明の装置は、標的物質を沈殿させる染料を内部に備えている。この標的物質を沈殿させる染料はタンパク質を沈殿させる染料であることが好ましく、それは例えばポンソーS(Ponceau-S)染料である。そのような染料は標的物質と結合し、その標的物質を沈殿させるか、あるいは標的物質の沈殿を促進または標的物質を溶液の外部に出すのを促進する。サンプル採取器具のサンプル採取面は、(溶液中の、または乾燥した)染料と接触させ、サンプル採取器具がサンプル中の標的物質を染色するのに十分な量を取り出せるようにすることができる。そのような染料を用いるにあたっては、一般に、結合した染料を結合していない染料と分離し、標的物質の存在を容易に検出できるようにすることが好ましい。そこで、そのような染料を用いた好ましい実施態様では、(標的物質を含んでいる可能性のある)採取したサンプルを複数の収容部の間に置き、または置けるようにして、洗浄液が、採取したサンプルが載った固体マトリックスの中を通過できるようにする。例えば、採取したサンプルは、洗浄液を吸収することのできる吸収物質と、洗浄液を含む吸収物質または他の収容部の間に置くことができる。これら収容部相互の間には飽和度の差があるため、染料と洗浄液が、採取パッドの表面を通過して一方向に移動する。洗浄液は、毛管現象により、採取したサンプルを担持するマトリックスを通じて吸い上げるのが好ましい。サンプル採取面と乾燥した吸収物質が互いに直接接触している実施態様では、乾燥した吸収物質は、染料と洗浄液を十分に吸収して一方のサンプル採取面を洗浄できるような性能を少なくとも持っている必要がある。別の実施態様では、吸収物質が、サンプルを担持するマトリックスを通して洗浄液を毛管現象によって吸い上げるのではなく、使用者が圧力を加えて、サンプルを担持するマトリックスの中を洗浄液を通過させる洗浄方式が用いられる。
【0013】
“マトリックス”という用語は、染料/標的物質複合体を保持するのに適した固体材料のことを指す。本発明では、マトリックスは、多孔性マトリックスまたは多孔性材料であることが好ましい。これは、マトリックスに十分な大きさの通路が多数貫通していて水などの流体が通過できるようにはなっているが、通路の大きさは、マトリックス中を流体が自由に流れられるほどではないことを意味する。なおマトリックスは、必ずしも多孔性でなくてもよい。そのような多孔性マトリックスは、例えば、紙、木綿のガーゼ、フェルトなどの網状に編んだ繊維でよい。例えば流体を吸収してサンプル採取面を通過させるために本発明で用いる吸収物質は、多孔性マトリックスまたは多孔性材料である。
【0014】
標的物質/染料複合体の捕捉と、結合していない染料の除去に関し、“洗浄する”または“洗浄”という用語は、複合体の検出を促進するために結合していない十分な量の染料を流体で運ぶことを意味する。多くの場合、染色された物質を洗浄しすぎると、結合していない染料だけでなく結合した染料まで除去されてしまう可能性がある。したがって、洗浄を徹底的にやりすぎて結合した染料が除去されてしまうことで、固体支持体または固体マトリックスの内部または表面に保持されている染料の存在を検出することを利用した標的物質の存在の検出が影響を受けることのないようにする。
【0015】
サンプル採取マトリックスは、吸収材料であること、例えば吸収パッドまたは吸収パッドの表面などであることが好ましい。ある実施態様では、サンプル採取マトリックスが標的物質と結合する。別の実施態様では、サンプル採取マトリックスが沈殿した標的物質を捕捉するか、あるいはそのマトリックスの表面に染料/標的物質複合体を保持する。
【0016】
さらに別の実施態様では、本発明の装置は、サンプル採取器具のサンプル採取マトリックスが洗浄液の拡散によって洗浄されるような構成にされている。なお、物理的な撹拌を行なって洗浄を助けることもできる。一般にそのような実施態様では、次にサンプル採取器具を、染料を含んだ洗浄液から取り除く。標的物質、例えばタンパク質は、サンプル採取器具の表面またはサンプル採取器具の一部に結合、捕捉、または固定化されているであろう。
【0017】
“捕捉”または“補捉する”という用語は、たとえ力が加わった場合でも、標的物質が、化学的、静電気的、または空間配置的な結びつきによってマトリックスに保持されていて、そのような結びつきがなければ標的物質がマトリックスから除去される傾向を持ったであろうことを意味する。これは、例えば、標的物質が例えばポンソーSなどの沈殿用染料を用いることによって不溶性になって沈殿することにより起こる可能性がある。このようなわけであるから、洗浄を行なうことで、反応も結合もしない小さな染料分子を、より大きな染料/標的物質複合体から分離し、サンプルの検査を容易にする。
【0018】
本明細書と請求の範囲で用いる“沈殿させる”または“沈殿”という用語には、溶液中の固体粒子を沈殿または堆積させるという、沈殿という語で通常理解している意味が含まれる。また、本明細書で用いるこの用語には、サンプル採取用吸収パッド・マトリックス、サンプル採取器具、またはそれ以外の固相表面の内部、あるいは場合によってはそれらの表面に、何らかの力によって固体物質または粒子状物質が保持されている一般的なあらゆる状態のことも含まれる。したがって、この用語の定義には、標的物質が溶液の外に出ること、標的物質が凝集すること、標的物質が構造変化して多孔性材料の孔を簡単には通過できないような複合体またはそれ以外の物理的構造を作ることにより、その標的物質がマトリックスの外に出るのが妨げられることなどが含まれるが、これが定義に含まれることのすべてではない。当業者であれば、特定の標的物質/染料複合体の沈殿または捕捉に適した物質と条件を選ぶこと、例えば、標的物質が多孔性材料の中に侵入するほど大きいが、染料/標的物質複合体が多孔性材料から素早く外に出るには十分に小さいような適切な平均サイズの孔を有する多孔性材料を選択することは容易であろう。
【0019】
標的物質を沈殿させる染料、例えばタンパク質を沈殿させる染料を利用した実施態様では、その染料が、標的物質である例えばタンパク質を染色/着色し、そして固定化する(例えば、タンパク質が吸収スワブまたは吸収パッドの表面に吸着または沈殿する)。ここでいう“固定化”は、例えば標的物質/染料複合体の沈殿により、または、標的物質および/または標的物質/染料複合体の捕捉により、または、不溶性材料または固体材料、例えば粒子、マトリックス、支持体などに標的物質を付着させることにより、標的物質を溶液(例えば染料溶液または洗浄液)のほとんどの部分から除去すること、または、標的物質がほとんど溶液の中に入っていないようにすることを意味する。標的物質がマトリックスまたは表面に結合している実施態様では、標的物質は固体マトリックスまたは固体支持体と結合することによって固定化されるので、沈殿用染料が標的物質を実際に沈殿させる必要はない。
【0020】
以下に記述するいくつかの実施態様は、サンプル挿入後に密封された状態にはならない装置とその要素、および/または装置の1つ以上の要素を別々に操作する必要があるような装置とその要素に対してほぼ最小限の操作を行なうことも本発明の範囲に含まれることを示している。
例えば一実施態様によれば、本発明の装置は、標的物質または汚染物質を採取するためのサンプル採取器具と;標的物質と結合する染料を提供する信号発生源と;標的物質と結合している染料から標的物質と結合していない染料を洗い流すためのサンプル採取器具洗浄器と;信号発生源と、サンプル採取器具洗浄器の試薬とを収容した少なくとも1つのハウジングとを備えている。
【0021】
好ましい実施態様では、サンプル採取器具は、薄い棒のような形、棒のような形、または特定のタイプのサンプルを採取するのに適したそれ以外の任意の形が可能である。そのような薄い棒状サンプル採取器具は、一般に、吸収剤が表面に付着した棒であり、平らになっていることが好ましく、その棒の一端には、サンプル採取パッドまたはサンプル採取面が取りつけられている。棒状サンプル採取器具は、サンプル採取パッドと通じている吸収物質を備えることも可能である。この吸収物質は、例えばこの棒状サンプル採取器具の同じ端部の裏面に取りつけ、この棒に開けた1つまたは複数の穴を介して表面と裏面が通じるようにする。したがってこの構成では、吸収パッドまたは吸収物質が、染料および/または洗浄液を、表面を汚しているタンパク質などの標的物質を通過して吸い上げるために、採取面と近接した状態に、または近接させうる状態に配置されているため、この標的物質をパッド・マトリックスの表面または内部に容易に捕捉することができる。
【0022】
この装置は、結合していない染料をサンプル採取パッドから洗い流し、好ましくは吸収パッドまたは収容部へと送るサンプル洗浄器を内蔵している。吸収パッドまたは収容部は、薄い棒状サンプル採取器具などの実施態様では、サンプル採取パッドと並置または一体化され、別の実施態様では、棒状サンプル採取器具またはハウジングに収容されたサンプル採取パッド延長部、またはそれに隣接する吸収物質となっていて、洗浄液がサンプルを通過して流れるようになっている。この装置は、サンプル採取マトリックスまたはサンプル採取面を濡らすのに用いることができる湿潤剤または湿潤液をさらに含んでいてもよい。そのように濡らしておくと、サンプルの採取および/または乾燥した染料の吸収に役立つ可能性がある。それぞれの湿潤剤は、同じでも異なっていてもよい。したがって、サンプル採取マトリックスが濡れていることが望ましいような用途では、湿潤液を用いてサンプル採取面またはサンプル採取マトリックスをあらかじめ湿らせておくことができる。
【0023】
薄い棒状サンプル採取器具を含むような実施態様では、そのサンプル採取器具、またはサンプル採取器具の一部が、染料と湿潤剤と洗浄液を収容した“本”または蝶番方式のハウジングまたは柔軟なハウジングの中に差し込まれる。この本の中で、採取されたサンプルが、染料と洗浄液に順番に、または一度に浸されて、標的物質に染料が移動するだけでなく、標的物質から結合していない染料、すなわち反応しなかった染料が、分離除去される。これを実現するには、例えば、ハウジング内の飽和した染料収容部または染料パッドまたは乾燥染料源と、洗浄液収容部または洗浄液パッドとを用い、検査するサンプルを染料の上、次に洗浄液源の上へと順番に置き、サンプルの裏側に飽和していない吸収物質を当てる。この飽和していない吸収物質は、残留している染料を、染料が結合したサンプルから“洗い流す”プロセスにおいて適切な刺激を受けると、飽和した染料源からの流体を受けることができる。この実施態様における刺激は、例えばサンドイッチ状サンプルに圧力を加えることによって発生する。試薬用ハウジングが蝶番方式の本の形態になっている必要はない。試薬用ハウジングは、飽和した吸収物質と飽和していない吸収物質を別々にすることによっても実現される。別の方法では、サンプルの裏側から洗浄液の収容部を当てるのではなく、結合していない染料をサンプル採取パッドから追い出すための洗浄液を収容した収容部の中にサンプルを入れる。
【0024】
上述のように、特定の実施態様では、薄い棒状サンプル採取器具は、サンプル採取パッドだけで吸収物質はなしにした構成にしてもよいし、サンプル採取パッドと、流体をそのサンプル採取パッドを通じて吸い上げるための吸収物質の2つで構成してもよい。後者の場合、例えば一方の側のサンプル採取パッドが他方の側の吸収パッドと通じるようにする。一般に、薄い棒状サンプル採取器具は取っ手を備えており、その取っ手は、さまざまなプラスチック、コーティングされた紙、ガラス、金属などの非多孔性材料で作られていることが好ましい。取っ手は、長さが5.08cm(2インチ)以上あることが好ましく、さらに好ましい長さは、10.16、15.24または20.32cm(4、6または8インチ)である。
【0025】
別の実施態様、例えば棒状サンプル採取器具を含む実施態様では、前記のようなサンドイッチのタイプはなく、サンプル採取器具の本体またはハウジングが中空になっているか、あるいは内部収容部と一体化しているかである。この内部収容部は、サンプル採取面と隣接または接続していて、洗浄液によって結合した染料から洗い流された結合していない染料を受け入れる。
【0026】
したがって“棒状サンプル採取器具”という用語は、サンプル採取面またはサンプル採取パッドと、少なくとも1つの収容部とを備える細長いハウジング構造を意味する。例えば、棒状サンプル採取器具は、サンプル採取パッドと洗浄液を収容することができ、場合によっては湿潤剤をさらに収容することができる。湿潤剤または洗浄液とサンプル採取パッドは、常に通じているようにすることもできるし、セパレータを用いて必要なときまで隔離しておくこともできる。また、棒状サンプル採取器具は、サンプル採取面と通じている洗浄液を吸収するための乾燥した吸収物質が収容された収容部を備えることができる。棒状サンプル採取器具の具体例が、図3〜図5に示してある。
【0027】
ある実施態様では、本発明の装置は複数の収容部を備えている。例えば収容部は3つで、それぞれ、湿潤剤、(乾燥した、または溶液状の)染料、洗浄液が収容される。サンプル採取器具そのものが、前記の実施態様とは異なって補助収容部を備えているので、サンプル採取器具のサンプル採取面にサンプルとある量の染料を吸収させた後、サンプル採取面を洗浄液収容部にわずかに押しつけて、結合していない染料をサンプルから洗い流してこの補助収容部へと送り込む。棒状サンプル採取器具のフォーマットが本明細書に記載されているが、それは例示であって、それに限定されることはない。別の方法では、棒状サンプル採取器具の中にある収容部は、湿潤剤/洗浄液を収容することが可能であり、サンプル採取面にサンプルと染料を吸収させた後、サンプル採取面をハウジング内の吸収物質に押しつけて洗浄液がサンプルを通過するようにする。
【0028】
そのような棒状サンプル採取器具では、例えば図3と図4に示したような平面構成の収容部を備えるハウジング、またはキャップの形態のハウジングを用いることができる(例えば図5)。例えばそのようなキャップは着脱自在であり、キャップは、嵌めた場合には、気密を保持し、および/またはサンプル採取面を保護し、はずした場合には、染料および洗浄液と接触させることができる。当業者であれば、サンプル採取面を濡らしたり、サンプル採取面の表面または中に染料を吸収または移動させたりするのにさまざまな方法が可能なこと、また、マトリックスや洗浄液源のほか、洗浄液で結合していない染料をサンプルから洗い流したときに洗浄液を受ける補助吸収物質をさまざまな構成にできることが理解できよう。
【0029】
ある実施態様では、いくつかの収容部および/または試薬が互いに隣接しているが、それらは破ることのできる膜またはセパレータによって隔離されている。この膜またはセパレータが破られると、試薬が採取/露出したサンプルの中を通過するため、サンプルが効果的に洗浄される。図4にその具体例を示すが、本発明がこれだけに限定されるわけではない。
【0030】
ある実施態様では、固体染料が用いられている。固体染料は、物理的刺激に応答して水と反応し、サンプルと接触する。物理的刺激とは、例えば、その染料を隔離して乾燥状態に保っている膜を破ることである。図4にその具体例を示すが、本発明がこれに限定されることを意図しているわけではない。(染料/洗浄液が一ヶ所にまとめられた図4の収容部には、乾燥した染料または染料溶液を収容することができる。)例えば、濡れたサンプル採取面を乾燥した染料と接触させて、ある量の染料がサンプル採取面に移るようにすることができる。染料を標的物質に直接接触させること、および/または多孔性マトリックスの中を流体を通過させることによって染料をその多孔性マトリックス内の標的物質に接触させることができる。
【0031】
前記の実施態様では、沈殿用染料の性質を利用することが好ましい。これら実施態様からわかるように、本発明によれば、そのような染料を用いて、タンパク質などの標的物質を固定したり、例えば塗りつけることによってすでに内部に標的物質が導入されている多孔性マトリックスからその標的物質が出てくるのを遅らせたりする方法も提供される。したがって、本発明においては、標的物質の導入が電場中の粒子または分子の運動によって容易になることはなく、その運動に依存することもない。また、この方法においては、サンプルの各成分を、多孔性マトリックスの内部における移動速度の違いを利用して分離することもない。その代わり、マトリックスの孔のサイズを適切な値にして、最初に標的物質がマトリックスの内部に侵入したりマトリックスと結合したりできるようにすると同時に、染料が標的物質に影響を与えて標的物質がマトリックスから逃げ出さないようにするだけでよい。これは、例えば、染料が結合して沈殿、構造の変化、凝集が起こるとか、それ以外の何らかの原因で染料が結合するとかしたことの結果であろう。そのようになると、多孔性マトリックス内の標的物質は十分に固定化されているために、結合していない染料を洗い流せて、染色された標的物質をマトリックス内に観察できるようになる。
【0032】
固定化は、標的物質がマトリックスに化学的または静電気的に結合して起こる可能性もある。さらに、マトリックスがどのような要素で構成されているかは、前記の基準が満たされている限りは、また、染料が別の点でマトリックスと適合性がよい、あるいは適合性をよくすることができる限りは、問題ではない。適合性の例としては、例えば、染料と中和剤の適合性が挙げられる。多孔性マトリックスとして使用可能な材料の具体例は、以下に“サンプル採取器具”の定義のところで記載するが、それがすべてではない。染料はマトリックス材料と結合してはならない。というのも、マトリックス内で標的物質と結合した染料は、マトリックスと結合した染料と区別できないからである。
【0033】
本発明の前記の側面によれば、標的物質が固体マトリックス、例えば多孔性マトリックスに固定化または捕捉されるため、サンプル内に存在している標的物質を検出する方法が提供される。上述したように、この方法は、固体マトリックスの表面または内部に標的物質/沈殿用染料複合体を捕捉または固定化する操作を含んでいる。例えば、そのような複合体は、標的物質を沈殿用染料と結合させることによって、または、染料/標的物質複合体をサンプル採取面または多孔性マトリックスの表面または内部に採取することによって、多孔性マトリックスの内部に捕捉することができる。一般に、この方法は、結合していない染料を洗い流して、簡便な肉眼による検出またはそれ以外の手段での検出、例えば分光測光器や蛍光計などの測定装置を用いた検出ができるようにする操作を含んでいる。この方法には、本発明の他の側面に関して記述したさまざまなマトリックス材料、中和剤、洗浄液、染料が含まれていてもよい。
【0034】
沈殿を起こさせる染料を利用する方法においては、アゾ染料が好ましいが、さらに好ましいのはジアゾ染料である。染料は、少なくとも1つのスルホン酸基を有することが好ましいが、さらに好ましいのは、例えば2、3、4個と複数のスルホン酸基を有することである。赤色染料であるポンソーS、シグマ・ケミカル社、セントルイス、ミズーリ州(ケミカル・アブストラクトのサービス登録番号6226-79-5、[3-ヒドロキシ-4-[2-スルホ-4-(4-スルホフェニルアゾ)フェニルアゾ]-2, 7-ナフタレンジスルホン酸四ナトリウム塩]、HOC10H4[N=NC6H3(SO3Na)(N=NC6H4SO3Na)](SO3Na)2、F.W.760.58)が、代表例であり、非常に好ましい。ポンソーSは水に溶け、エタノールにはわずかに溶け、植物油には溶けない。ポンソーSは酢酸中では室温で安定である。好ましい実施態様では、約1〜5%(w/v)の酢酸に染料を約0.1〜1.0%(w/v)の濃度にして用い、タンパク質を含む物質を染めるのに使う。この染料は、0.1NのNaOHを添加するか、または洗浄液を過剰にすると、素早く除去することができる。“アゾ染料”と“ジアゾ染料”という用語は、染料業界で一般に受け入れられている意味を持つ。染料化合物との関係で用いる“スルホン化”という用語は、スルホン酸置換基の存在を意味する。そのような基は、対応する塩の形態で存在することが可能である。
【0035】
好ましいことに、ポンソーSは、素早くタンパク質と結合してそのタンパク質を染色/着色するとともに、そのタンパク質を沈殿させるか固定化する。そこでそのような沈殿用染料は、一般に、標的物質、例えばタンパク質を固体マトリックスの内部または表面に結合、沈殿させるのに用いる。そのような場合、結合していない染料は、染料/タンパク質複合体から洗い流され、サンプルのタンパク質を肉眼で検出できるようになる。そうした実施態様では、染料/タンパク質複合体の検出が妨げられるような量まで、あるいはそのような条件で、染料が固体マトリックスと結合しない。
【0036】
本発明では、タンパク質を固体表面において検出する方法が提供される。この方法は、表面の汚染、例えば食品処理後の残留物の汚染を検査するのに用いることが好ましい。この方法には、固体表面、例えば金属の表面をポンソーS染料溶液に接触させてポンソーS染料をタンパク質と結合させる操作が含まれる。ポンソーSは素早くタンパク質と結合するため、表面が垂直であっても、十分な量をタンパク質と結合させることができる。この方法によって、さらに追加処理することなく、タンパク質と結合した染料を表面上ですぐに観察できるようになることが好ましい。望むのであれば、この方法には、結合していない染料を洗い流せる洗浄液を用いて表面を洗浄する操作がさらに含まれていてもよい。染料は、希酢酸中で0.1〜1.0%の濃度にして用いることが好ましい。この染料溶液および/または洗浄液は、前記の中和剤をさらに含んでいてもよい。
【0037】
本発明の別の好ましい実施態様では、染料が標的物質と結合したことを、染料または染料溶液の色彩変化、例えば結合による染料の周波数シフト、または染料の減少による染料溶液の色彩変化によって検出することが可能である。自己充足式装置は、周波数をシフトさせる染料を含んでいることが好ましい。周波数をシフトさせる染料は、標的物質と相互作用すると、吸光度または光の反射や放射が変化する。そのような染料を用いると、結合した染料と結合していない染料を分離しなくても標的物質を容易に検出することができる。
【0038】
したがって、好ましい実施態様では、サンプルの洗浄によって、サンプル、例えば標的物質を、サンプル採取器具の採取部または表面から移動させることができる。液相分析を行なう装置では、一般に、装置の読み取り部を用いて、サンプルの反応を可視化または分析できるようにする。その場合、分光測光器などの装置を用いることもあれば、用いないこともある。サンプルは、洗浄によって、または運ばれてサンプル採取器具の読み取り部に入る。
【0039】
周波数をシフトさせる染料または色彩の変化を検出するタイプの他の染料を用いる実施態様では、サンプル採取器具を下部ハウジングの中に収容して、そのサンプル採取器具が検査前に汚染されるのを防ぐことができる。さらに、上部ハウジングと下部ハウジングを気密に接続して、2つのハウジングが、検査の間、互いに通じているようにすることもできる。サンプル採取器具は、上部ハウジングに固定することが好ましい。そのようなハウジングの中には、洗浄液だけ、またはサンプル洗浄液と信号発生源の配合物を入れるチャンバーまたは収容部、または、信号発生源と洗浄液のそれぞれを入れる別々の収容部を備えることができる。チャンバーは、そのチャンバーと隣接していて折ることができるシャフトをさらに備えているとよい。このシャフトを折ることによって孔が露出し、収容されている溶液が、その孔を通ってサンプル採取器具へ、さらには評価のための読み取り部へと流れていくことができる。
【0040】
このように、染料溶液は中空シャフトを通って装置のスワブへと流れ、スワブ内を通過する流体によってそのスワブに付着している物質が除去されて装置のチャンバーに回収されるため、染料の予想される反応をユーザーが肉眼または機械で検出することができる。また、染料溶液はスワブまたはそれ以外のサンプル採取器具の表面または内部のサンプルを洗浄することができるため、標的物質がサンプル採取器具の表面または内部で検出される。
【0041】
周波数をシフトさせる染料は、結合している染料と結合していない染料の周波数シフトが両者を区別できる程度に大きい場合には、結合していない染料が存在している場合でも、結合している染料の簡便な検出法を提供する。結合結果を読み取るのに機械装置を用いる場合には、周波数シフトは、肉眼による検査の場合よりも一般に小さくてよい。機械装置で読み取る場合には、(波長のシフトとして表現される)結合による吸収のシフトが、少なくとも20ナノメートルであることが好ましい。この値は、少なくとも50ナノメートルであることがさらに好ましく、少なくとも75ナノメートルであることがより一層好ましく、最も好ましいのはこの値が少なくとも100ナノメートルとなっていることである。肉眼で読み取る場合には、結合による吸収周波数のシフトは少なくとも50ナノメートルであることが好ましい。この値は75ナノメートルであることがさらに好ましく、少なくとも100ナノメートルであることがより一層好ましく、最も好ましいのはこの値が少なくとも120ナノメートルとなっていることである。例えば、酸性条件におけるCoomassie(登録商標)ブルー染料の吸収ピークは、この染料がタンパク質と結合すると約465ナノメートルから約595ナノメートルにシフトする。肉眼で読み取るためには、吸光度の変化によって単に陰影が変化するのではなく、色彩が変化することが好ましい。例えばGelCode(登録商標)試薬は、タンパク質と結合することによって琥珀色から青色に変化する。放出される蛍光のシフトは、少なくとも20ナノメートルであることが好ましい。この値は、少なくとも40ナノメートルであることがさらに好ましく、少なくとも75ナノメートルであることがより一層好ましく、最も好ましいのはこの値が少なくとも100ナノメートルとなっていることである。
【0042】
GelCode(登録商標)は、コロイド状のCoomassie(登録商標)G-250染料を含んでいる。コロイド状のCoomassie(登録商標)ブルー染料は、従来技術で作ることもできる。例えば、ノイホフ他、Electrophoresis、第6巻、427〜448ページ、1985年と、ノイホフ他、Electrophoresis、第9巻、255〜262ページ、1988年に記載されている。一般に、Coomassie(登録商標)ブルー染料は、硫酸アンモニウムと硫酸アンモニウム鉄を添加した酸性水溶液として使用される。一実施例によれば、溶液は、2%重量/体積(w/v)のリン酸と6%w/vの硫酸塩の中に0.1%w/vのCoomassie ブルーG-250を含んでいる。別の例では、染料溶液は、10%w/vの硫酸アンモニウムと20%w/vのメタノールを含んでいる。溶液のpHは1と2の間であることが好ましく、硫酸アンモニウムと硫酸アンモニウム鉄の濃度は2%w/vと15%w/vであることが好ましい。硫酸アンモニウムと硫酸鉄アンモニウムの濃度は、4%w/vと10%w/vであることがさらに好ましく、最も好ましいのは、5%w/vと8%w/vである。pHは、染料の分子が急速に劣化するほど小さくなってはならない。また硫酸アンモニウムの濃度は、溶液が色彩特性またはコロイド状を示すような値、すなわち、好ましくは染料分子の過半数が、溶液中に遊離した状態または沈殿して溶液から除外された状態ではなく、コロイド粒子となっているような値を選択する必要がある。
【0043】
当業者であれば、装置に関するいくつかの実施態様においては、標的物質と結合するさまざまなタイプの染料、例えば沈殿を起こさせる染料または周波数をシフトさせる染料を利用できることが理解できよう。例えば、サンプル採取器具からサンプルを洗い流す洗浄液を用いる実施態様において、周波数をシフトさせる染料を利用できる。そのような装置では沈殿を起こさせる染料も用いることができ、その場合には、サンプル採取器具の内部または表面において、または、多孔性セパレータの表面において標的物質と結合した染料から、結合していない染料を洗い流すことができる。サンプル採取器具の一部または上部ハウジングの中にある収容部に洗浄液が収容されている本明細書に記載したいくつかの実施態様では、サンプルをサンプル採取器具の表面に採取し、そのサンプルを例えばサンプル採取器具の一部または上部ハウジングの中にある収容部からの染料、またはサンプル採取よりも前にサンプル採取器具に収容されていた染料と接触させ、次に、そのサンプルを、サンプル採取器具の一部または上部ハウジングにある収容部に収容された洗浄液で洗浄することができる。そのような実施態様では、サンプル採取器具の採取面はあらかじめ濡らしておくことが好ましい。
【0044】
また、染料溶液が、サンプル採取面と接触可能な収容部に収容されている装置(例えば図2を参照)では、周波数をシフトさせる染料または沈殿用染料を用いることができる。いずれのタイプの染料でも、サンプル物質が移動してサンプル採取器具の表面で染料と接触する。周波数をシフトさせる染料の場合には、標的物質と結合する染料は、染料が染料溶液の中またはサンプル採取器具の表面で標的物質と結合するときの色彩変化、または染料がサンプル採取器具の内部または表面で標的物質と結合して染料が溶液から不足するときの色彩変化によって検出する。
【0045】
“サンプル採取/検査装置”または“自己充足式サンプル採取/検査装置”という用語は、特定の検査のためのあらゆる要素と、サンプルを装置の中に導入する手段とが、単一の装置の内部に用意されている構成の装置を意味する。しかし、実施態様によっては、検査中にインキュベーションを行なう装置または検査結果の読み取り装置を別の装置にするほうが好ましい場合もあろう。
【0046】
“サンプル採取器具”は、検査する表面、溶液の中、または大気中に存在している可能性のあるサンプルの全部または一部を得るための部品(または部品群)を意味する。例えば、サンプル採取器具は、シャフトおよび吸収端を備えた吸収パッドまたはスワブであってよい。サンプル採取器具または棒状サンプル採取器具ハウジングのシャフトは中空にすることが可能で、通気孔がさらに設けられていてもよい。別の例として、サンプル採取器具/スワブは、Q-Tip(登録商標)または単純なパッドの形態にすることもできる。スワブは、サンプルをその表面に付着させることができ、しかも結合する染料が標的物質の検出を妨げないのであれば、天然材料であっても人工材料であってもかまわない。例えば、材料を選択すること、および/または装置の部品相互の物理的関係を考えることで、そうした妨げをなくする、または少なくすることができる。材料としては、スポンジ、マイラー、ナイロン、ダクロン、レーヨン、ポレックス、多孔性ポリプロピレン、多孔性ポリエチレン、グラスファイバー、紙などの他、織ったりフェルトにしたりした繊維、例えばニトロセルロース、木綿、羊毛、セルロース、またはこれらの組み合わせが可能であるが、これらに限定されるわけではない。スワブがシャフトを含んでいる好ましい実施態様では、スワブのシャフトが中空となっていて、採取されたサンプル物質が、サンプル洗浄液および/または染料溶液によってスワブから反応および/または読み取りを行なうチャンバーに送り込まれるようになっていることが好ましい。
【0047】
スワブをあらかじめ濡らしておき、サンプルが溶解してサンプル採取器具の中に吸収されやすくするか、あるいは、装置の中にあって例えば飽和した吸収マトリックス中に湿潤液を収容した収容部からスワブを容易に濡らせるようになっていることが好ましい。湿潤流体は、用いる染料のタイプに応じて、緩衝液、水、酸、塩基のいずれかが可能である。当業者であれば、個々のタイプの検査を行なう場合に染料および標的物質と適合性の湿潤流体をどのように選択したらよいかを理解している。サンプル採取器具は、例えば1本または複数本の毛細管による毛管現象を通じて機能するようにできる。サンプル採取器具は、ピペット手段を備えていてもよい。サンプル採取器具は、大気サンプル、例えば閉鎖された仕事空間の大気を取り込むチャンバーを備えることもできる。サンプル採取器具は、ほとんど任意の形状または複数の形状の組み合わせが可能であり、例えば平面状、細長い形状、環状、楕円状、シリンダー状、球状、立方体状、円錐状などにできる。サンプル採取器具は、使用者が手を延ばせば、例えば食品処理施設などの施設内の近づくことが難しいいろいろな場所に容易に届くような設計にすることが好ましい。したがってサンプル採取器具は、断面積が例えば12.90cm2(2平方インチ)未満と小さな延長部を有する構成にすることが好ましい。断面積は、6.45cm2(1平方インチ)未満であることがさらに好ましく、実施態様によっては3.23cm2(1/2平方インチ)未満となっている。そのような延長部の長さは5.08cm(2インチ)以上あることが好ましく、少なくとも10.16、15.24、20.32cm(4、6、8インチ)あることがさらに好ましい。そのような延長部としては、例えば薄い棒状の取っ手、スワブのシャフト、細長いハウジング、またはこれらの組み合わせが可能である。
【0048】
“サンプル採取器具の一部”という用語は、サンプル採取器具のほかに、サンプル採取器具を気密にしたり他の部分に付着させたりすることのできる追加要素を含む組み立て構造物を意味する。サンプル採取器具の一部には、サンプル洗浄液のための収容部などの1つ以上の試薬スペースがさらに含まれていてもよい。
“サンプル採取器具洗浄器”は、“サンプル採取器具”の表面に存在しているサンプルの全部または一部の除去を可能にする部品(または部品群)を意味する。例えば、ある実施態様では、上部ハウジングまたはサンプル採取器具の一部または棒状サンプル採取器具は、流体を含む収容部としてのチャンバーを備えている。このチャンバーの中では、通常は得られたサンプルを放出させるか、または結合していない染料を染料/標的物質複合体から洗い流すために、その流体が必要に応じて選択的に放出される。
【0049】
別の実施態様では、上部ハウジングまたはサンプル採取器具の一部にアンプルまたはパッケージなどの収容部を備えることが可能である。ただし収容部の形態がここに例示したものに限定されるわけではない。アンプルまたはパッケージには前記の流体を収容することが可能で、その流体が選択的に放出される。別の実施態様では、上部ハウジングまたはサンプル採取器具の一部に収容部を2つ備えることが可能である。その収容部の両方または一方が、例えばアンプルまたはパッケージを備えており、その中には同じ流体、または異なる流体、または乾燥物質が収容されている。ただし収容部の形態がここに例示したものに限定されるわけではない。別の実施態様では、流体を上部ハウジングまたはサンプル採取器具の一部に直接収容するとともに、流体または乾燥物質(流体または乾燥物質は複数であってもよい)を収容した1つまたは複数の収容部をその場所に収容することが可能である。さらに別の実施態様では、ハウジングの下部すなわち下部ハウジングに、サンプルをサンプル採取器具から洗い流すのに用いる流体を収容することが可能である。サンプルの洗浄を行なうには、例えば、サンプル採取器具の端部を流体の中に入れるか、または強制的に流体をサンプル採取器具の中を通過させる。
【0050】
“洗浄液”は、例えば水溶液であり、結合していない染料を染料/標的物質複合体から分離することのできる溶液、および/または、サンプル物質をサンプル採取器具から別の場所に運ぶことのできる溶液のことを意味する。この溶液は、湿潤剤としても使うことができ、例えばサンプル採取の前に、またはサンプルの採取を容易にするために、スワブまたは採取面を濡らすのに用いる。特定の染料に対して用いられる洗浄液は、その染料と標的物質の結合を阻止する傾向のある薬剤を、その染料が標的物質と結合したことを確認できなくなるほど大量には含んでいない。そのような薬剤は存在していないことが好ましい。しかし、例えば多孔性マトリックスに対する染料の結合を最小にしてコントラストを大きくすることで標的物質の検出精度を上げるため、そのような薬剤を少量含んでいることが望ましい場合もある。当業者であれば、個々の染料に対する適切な洗浄液を容易に選択することができよう。ポンソーS染料を用いる実施態様では、洗浄液および/または湿潤剤は、希酢酸溶液であることが好ましい。好ましいのは0.1〜10%の酢酸水溶液であり、濃度は0.5〜5%であることがさらに好ましく、もっとも好ましいのは1.0〜5%の酢酸である。
【0051】
“信号発生源”は、標的物質が存在していると測定可能な反応または検出可能な反応をする化合物、物理的刺激、または生物学的薬剤を意味する。化合物は、人工染料、酵素、またはそうした反応を誘起することのできる有機または無機の構造物である。
“標的物質結合染料”または“染料”という用語は、サンプル内の標的物質と、そのサンプルの中に存在している可能性のある他の分子とを比較した場合、標的物質の方と結合するであろう化合物を意味する。したがって、その染料は、標的物質との結合と同じ程度かそれよりも強く他の分子と結合する可能性があるが、そうした他の分子は、検査するサンプル、例えば処理過程での汚染を評価するために検査するサンプルには一般に存在していない。優先の結合がどのような条件でも起こる必要があるわけではないが、少なくとも本発明の装置において選択した検査条件においては優先の結合が起こらなくてはならない。染料は、肉眼または分光手段で検出することが可能である。染料は、可視光の波長で蛍光を吸収して特徴的な色彩を呈することが好ましい。染料が標的物質、例えばタンパク質に結合して、目に見える形で色彩変化および/またはタンパク質の沈殿が起こることが好ましい。例えば“タンパク質結合性染料”という用語は、タンパク質、ポリペプチド、オリゴペプチドに対して他の分子よりも優先的に結合する化合物を意味する。染料は、水溶液の形態で活性を示すわけだが、最初は乾燥した状態で、検査中に、例えば湿潤溶液/洗浄液と接触して水和物となるようにしてもよい。
【0052】
“周波数をシフトさせる染料”とは、検出すべき物質と相互作用して、染料分子の光の放出スペクトルまたは吸収スペクトルにおいて検出可能な特徴的な変化を示す組成物を意味する。染料分子の光吸収特性の変化が観測されることが好ましい。吸収スペクトルまたは放出スペクトルの変化には、例えば吸収または放出のピークまたはバンドの出現または上昇、消失または下降、ならびにこれらの組み合わせが含まれる。周波数をシフトさせる染料は、コロイド状のタンパク質結合性染料であることが好ましい。具体例としては、例えばCoomassie(登録商標)ブルー染料があり、より好ましいものとして、GelCode(登録商標)ブルー染料(ピアース・ケミカルズ社、ロックフォード、イリノイ州)がある。
【0053】
“コロイド状染料”という用語は、液体中に細かく分散された状態の染料を意味する。固体染料粒子は1〜1000ナノメートルのサイズであり、好ましいのは1〜100ナノメートル、さらに好ましいのは5〜100ナノメートルのサイズである。これは、液体中のすべての染料がそのような粒子状になっていることを意味しない。実際、当業者は、コロイド状態が、一般に、溶解した染料および/またはコロイドのサイズよりも大きな例えば1000ナノメートル以上の固体染料粒子と熱力学的な平衡にあると認識している。非常に有用なコロイド状染料は、コロイド状態の染料が十分にあるおかげで、同量の染料を含むが染料が溶液および/または非コロイド粒子になっている溶液と比べた場合、染料溶液の色彩を変化させることのできるような染料である。好ましい実施態様では、染料分子の少なくとも30%がコロイドのサイズとなった粒子である。この割合は少なくとも50%であることが好ましく、少なくとも70%または90%であることがさらに好ましい。当業者であれば、液体中で分子が溶解可能な形態からコロイドの形態へと変化したことは、その溶液の光散乱が増えることでわかる。
【0054】
この明細書で使用する“スワブ”という用語は、サンプルとなる標的物質を、信号発生源である染料と接触させる前または接触させるのと同時に採取するのに役立つ吸収および/または付着パッドを意味する名詞として用いる。
“中和剤”は、検査する表面に存在していて、またはサンプル採取器具の内部または表面にある湿潤剤の中に存在していて、染料が標的物質、例えばタンパク質と結合するのを妨げる可能性を持った化合物を中和させるのに役立つ化合物または溶液を意味する。中和剤としては、例えば、チオ硫酸ナトリウム、MgCl2、Triton-X(登録商標)(オクトキシノール;α-[4-(1, 1, 3, 3, -テトラメチルブチル)フェニル]-w-ヒドロキシポリ(オキシ-1, 2-エタンジイル)などがある。これらはすべて、シグマ社、セントルイス、ミズーリ州から調達することができる。Triton-X(登録商標)は、実質的な濃度を約0.01〜0.5%(w/v)にして使用することが好ましい。チオ硫酸ナトリウムは、実質的な濃度を約0.01〜1.0mg/mlにして使用することが好ましい。MgCl2は、濃度を0.1〜20mg/mlにして使用することが好ましい。これら中和剤は、湿潤剤、洗浄液、染料溶液、サンプル溶液のいずれか1つにも、すべてにも、これらの組み合わせにも、添加することができる。当業者であれば、信号発生のメカニズムや測定を邪魔しない限りは他の中和剤も前記の中和剤の代わりに使えること、また、どの中和剤が個々の用途に適切であるかを認識しているであろう。さらに、当業者であれば、使える可能性のある化合物が適切であるかどうかを簡単なテストで決定することができよう。
【0055】
したがって、“中和する”とは、信号発生源のほか、標的物質や装置のその他の部分の機能を阻害することなしに、サンプルの表面に存在していて邪魔をする可能性のある化合物を不活性化することを意味する。
“実質的な濃度”は、予定している効果または望ましい効果のすべてまたは一部を与える濃度を意味する。例えば、望ましい中和効果を与える濃度のことである。
【0056】
請求の範囲で使用する“関与している”という用語は、例えばサンプル採取用の吸収スワブまたは吸収パッドをあらかじめ湿らせておいて標的物質がサンプル採取器具の表面に移動および/または集合するのを助けることを意味する。
“読み取り部”は、装置のハウジングのうちで、他の部分とは区別ができて、読み取りまたは測定または検出が行なわれる区画のことを意味する。
【0057】
“連続して”という用語は、時間的順序を意味するが、サンプル採取器具のスワブを染料と接触させる前に洗浄液をそのスワブのための湿潤剤として使用できないわけではない。したがって、洗浄液は、染料と接触させる前後の2回使用することができる。
“接触する”という用語は、ある物体が別の物体と直接的または間接的に接触していることを意味する。いくつかの実施態様では、孔を開けることのできる膜を介して接触している。サンプル採取器具でこの膜を破り、そのサンプル採取器具の表面に存在している標的物質を染色し、洗浄する。
【0058】
本明細書で使用する“隔離する”という用語は、膜に適切な刺激を加える、例えばサンプル採取器具で膜を破ることによって膜の両側にある成分が混合する前の分離および/または収容の状態を意味する。
“安定にパッケージされた”は、染料またはそれ以外の信号発生要素が、利用前に、長期間にわたって、例えば4℃で保管する場合には1年以上にわたって保管されているにもかかわらず、活性化と同時に信号を出すことを意味する。本発明の一実施態様では、信号発生手段は例えばコロイド状染料溶液を含んでおり、密封されたガラス製アンプルの中に安定にパッケージされている。アンプルは、ホウケイ酸ガラス、例えばパイレックス(登録商標)にすることができる。また、“オニオンスキン”タイプのガラス製アンプルも可能である。他の実施態様では、信号発生要素、例えば染料は、1枚または複数枚の膜によってチャンバー内に密封されている。
【0059】
染料分子の安定性は保管条件によって変わるため、当業者は、染料ごとに適切な保管形態が異なることを理解している。染料が検査溶液中で十分に安定であるならば、その染料の溶液を装置の中に単一の溶液としてパッケージすることができる。逆に、染料が検査溶液中で十分に安定ではないのであれば、混合が必要となるときまで染料を装置内で検査溶液の他の成分と隔離してパッケージすることで、その染料の安定性を増すことができる。したがって、例えば染料および/または染料の安定性を低下させる成分をさまざまな方法のうちの任意のものを利用して装置内で隔離することができる。そうした方法には、互いに隔離された収容部、カプセル、アンプル、セパレータ、またはこれらの組み合わせなどがあり、これらのうちの1つ以上を、破る、壊す、開放するなどして複数の成分を所望するときに混合できるようにする。
【0060】
“セパレータ”は、装置の2つの部分を隔離している部品(部品群)または構造物を意味する。例えば、検出が行なわれる領域(読み取り部)にサンプルを導入する必要があるまで、サンプル採取器具を収容している領域を検出領域から隔離している部品(部品群)または構造物のこと、または、サンプルと染料の接触が必要となるまで、サンプル採取器具の表面にあるサンプルを染料溶液から隔離している部品(部品群)または構造物のことを意味する。例えば、セパレータは、多孔性プラスチックまたは疎水性材料のフィルターにすることが可能であるが、多孔度は、重力以外の力をサンプルに加えなくてもサンプルが孔を通過してしまうようなものであってはならない。さらに別の例だが、セパレータとしては、一方向性バルブ、破ることのできる膜、壊すことのできる収容部やカプセルやアンプルが可能である。
【0061】
“収容部”としては、ウエル、アンプル、窪み、空隙、あるいは、液体または固体を保持することのできるチャンバーが可能である。そのような収容部は、固い、柔らかい、または柔軟性のある、プラスチックなどのハウジングの中に収容することができる。収容部は、1種類または複数種類の溶液で飽和した吸収パッド、またはそのような溶液を吸収することのできる吸収パッドにすること、またはそのような吸収パッドを含むことができる。溶液は、例えば、標的物質の溶液、染料溶液、洗浄液、湿潤剤や、これらの組み合わせである。吸収パッドは、ハウジングの窪み、空隙、チャンバー、キャビティなどに置くことが好ましい。
【0062】
染料と検査条件は、読み取り可能な結果が室温において1時間以内に得られるように選択することが好ましい。検査時間は、30分または20分以内がより好ましく、10分または5分以内がさらに好ましく、2分または1分以内が最も好ましい。そのように迅速に結果が得られるのであれば、サンプルを長時間保持しておく必要がなく、終了した検査結果の読み取りの安定性または整合性が向上するため、屋外での衛生検査において特に有利である。
【0063】
上述したように、本発明の特に好ましい態様はタンパク質の検出用であり、したがって表面または溶液がタンパク質含有物質によって汚染されているかどうかを迅速かつ簡便に検査することができる。タンパク質は多くの食料製品の成分であるため、タンパク質の存在は、清掃作業が終了した後に残る食品汚染のよい目安となる。例えば、1つの応用として、本発明の装置または方法によって食品製造工場、スーパーマーケット、レストランにおいて表面の検査を行なうことで、食品処理後の清掃作業が効果的に行なわれたことを確認できる。いくつかの好ましい実施態様では、タンパク質を沈殿させるとともに染色することのできる染料、例えばポンソーSが用いられる。ポンソーSは、染色速度と、タンパク質を沈殿させ、かつ染色する性能に優れているため、特に役に立つ。他の実施態様では、これよりも染色が遅く、単一ステップ統合型サンプル採取検査装置においては、タンパク質に結合するコロイド状染料が用いられている。染料は、少量のタンパク質物質の存在下で色彩が目で見てはっきりと変化するようなタイプのもので、例えばGelCode(登録商標)ブルー染料試薬に含まれるようなコロイド状Coomassie(登録商標)ブルー染料である。コロイド状Coomassieブルー染料は、タンパク質が存在しているとスペクトルまたは色彩が簡単にシフトする。
【0064】
“タンパク質”は、ペプチドポリマー(すなわちアミノ酸のポリマー)を意味し、したがってタンパク質には、オリゴペプチド、細胞が生産したポリペプチドの全長、分解した細胞ポリペプチド、複数のポリペプチドの複合体、他の分子と結合したポリペプチドなどが含まれる。
好ましい実施態様では、本発明の装置を用いた検査結果を肉眼で読み取ることができる。他の実施態様では、結果は分光測光器や色彩計などの機械装置から読み取ることができる。本発明の装置は、周波数をシフトさせる染料を用いる用途において非常に役に立つ。
【0065】
好ましい態様の装置は、サンプル採取器具と、サンプルの処理・洗浄部および信号発生源を合体した部分とが安定にパッケージされたものを備えることで、結果を肉眼で容易に解釈できるようになっていることが好ましい。
“サンプルの処理・洗浄部および信号発生源を合体した部分”は、標的物質と結合する染料、例えばコロイド状染料を含んでいる要素または構造物を意味する。この染料は、タンパク質を沈殿させ、かつ染色するか、あるいはタンパク質と接触して周波数をシフトさせるかのいずれかであることが好ましい。いずれの場合にも、染料溶液を望み通りに放出させて、サンプル採取器具の表面にあるサンプルを洗浄したり、サンプル採取器具からサンプルを洗い流したりすることで、タンパク質の有無、または存在しているタンパク質の量に関する信号を発生させることができる。好ましい実施態様では、溶液は装置の読み取り部に集まる。染料溶液または湿潤剤を用いて、サンプルを望むように処理することもできる。例えば微生物(例えばバクテリアと菌類)またはその他の細胞の細胞壁および/または膜を溶解させるか透過可能にするかして処理する。
【0066】
“固定”は、染料、例えばポンソーSが存在している場合の標的物質は、沈殿用染料が存在していない場合の標的物質/多孔性マトリックスと比べると、標的物質が侵入している、または含まれている多孔性マトリックスから、よりゆっくりと拡散したり出ていったり、あるいは拡散しなくなったり出ていかなくなったりすることを意味する。
【0067】
本発明の他の特定の応用としては以下のようなものがあるが、応用がそれだけに限定されるわけではない。表面が、炭水化物、脂質、微生物など、他のタイプの汚染を受けているかどうかの検査。タンパク質、炭水化物、脂質、微生物が溶液中に存在しているかどうかの検査。タンパク質、炭水化物、脂質、微生物が空気またはガスの中に存在しているかどうかの検査。ごみ、植物性物質、人工物、香辛料、粉末、化学薬品、くずなどのサンプルのほか、当業者にはなじみのこれら以外のタイプのサンプルの中に、タンパク質、炭水化物、脂質、核酸、微生物、微生物の毒素、毒物、副生成物、不純物などのほか、当業者に知られていて、染料またはリガンドと結合でき、コロイドその他の形にすることができる汚染物質が含まれているかどうかの検査。染料またはリガンドと結合できる検査可能な汚染物質には、特定の標的物質と反応することによって、またはその反応に刺激されて、急速に明確な変化を起こして検出可能になるような試薬が隔離または含有されている。
【0068】
前記のサンプル採取/検査装置の構成を考えると、本発明の別の側面により、標的物質と結合する染料、好ましくは沈殿させるタイプの染料または周波数をシフトさせる染料を自己充足式サンプル採取/検査装置の収容部の中に配置して検査装置を製造する方法が提供される。すでに指摘したように、サンプル採取器具の一部とハウジングを有する装置においては、染料溶液を、サンプル採取器具の一部またはハウジングの中にある収容部に入れる。装置が上部ハウジングと下部ハウジングを有する態様では、収容部は、上部ハウジングまたは下部ハウジングの中に設ける。使用する染料は、ポンソーSなどの沈殿を起こさせる染料であることが好ましい。また、タンパク質と接触すると周波数がシフトして色彩が変化するコロイド状染料、例えばコロイド状Coomassie(登録商標)ブルー染料などを用いることもできる。
【0069】
本発明の別の側面によれば、前記のサンプル採取/検査装置を利用して、ある物質、すなわち標的物質の存在を検出する方法が提供される。したがって、好ましい実施態様では、検査方法に、検出されるはずの物質(すなわち標的物質)を含む可能性のあるサンプルを、サンプル採取器具の表面または内部に得る操作が含まれる。サンプルのタイプに応じて、この検査方法には、例えば、検査する表面上を移動させてサンプルを採取し、溶解した液体、または懸濁溶液をサンプルの表面にかけ、次に、その液体の少なくとも一部を、または液体全体からサンプル用液体を、例えばピペッティングで、または毛細管で、または吸収材料を濡らすことによって吸収する操作が含まれていてもよい。サンプルは、標的物質と結合する染料、例えば沈殿用染料または周波数をシフトさせる染料と、上述のように装置の内部で接触させ、サンプル内の標的物質の存在を、染料の色彩変化の発生、例えば染料の周波数のシフトの発生により確認する。この確認は、サンプルとの接触によって染料溶液の色彩または陰影に目で見てわかる変化が生じるのを観察することにより、または、サンプルとの接触によって変化した染料の吸収スペクトルまたは放出スペクトルを読み取り装置で読むことにより、または、染料/標的物質複合体は固定化するが、結合していない染料は例えば洗い流してしまうマトリックスの表面または内部に結合した染料を検出することにより行なう。
【0070】
特に、前記の装置を利用して、例えば表面を清掃した後、表面上の汚染物質、または表面からの汚染物質、または溶液中の汚染物質の存在を検出するという衛生検査法が提供される。特定の実施態様では、この方法に、食品生産工場やレストランなどの食品処理施設で表面または溶液の汚染検査を行なう操作が含まれる。好ましい実施態様では、検出すべき汚染物質は、残ったタンパク質食品である。
【0071】
本発明の他の目的、特徴、ならびに利点は、本発明の好ましい実施態様に関する以下の記述と特許請求の範囲から明らかになろう。
好ましい実施態様の詳細な説明
本発明の装置は、たいていの場合、検査するサンプルがサンプル採取器具の表面または内部に得られるような構成にされている。この装置は、サンプル中に標的物質が存在していることを検出するための以後のすべての操作を、サンプルを保持したサンプル採取器具を設置した後は検査に必要な要素をさらに追加することなく、ハウジング内で実施できるような構成にされている。本明細書では、たいていの場合、沈殿を起こさせる染料または周波数をシフトさせる染料を含む実施態様について記述するが、この記述は、一般に、標的物質と結合する染料にも適用することができる。
【0072】
本発明の装置の各要素は、サンプルが、または少なくともサンプルのうちで標的物質の存在の検出を可能にするのに十分な部分が、染料と接触するような配置になっている。接触の結果として得られる混合物は、装置内の検査結果読み取り部に存在するか、またはその読み取り部に移される。読み取りは、例えば、肉眼により行なうか、分光測光計、蛍光計、またはそれ以外の読み取り装置で行なう。装置の各要素を特定の配置にした実施態様について、図面に示し、以下に説明する。しかし、本発明が、前記の操作を行なうのに別の要素を選択して別の配置にした装置にも関することは明らかである。それゆえ、例えば、サンプルをサンプル採取器具から反応読み取り部に移動させるために染料溶液を洗浄液として利用できる配置にすること、または、(例えば、ピペッティングによって液体サンプルを染料溶液の中に入れる、またはサンプル採取器具のサンプル保持部を染料溶液の中に入れることによって)サンプルが染料溶液の中に直接送り込まれるようにすること、または、洗浄液でサンプルをサンプル採取器具から染料溶液の中に送り込めるようにすることができる。本明細書の記述を考慮すると、当業者であれば、特別な実施態様についての記述をどのように変更すればそれぞれの形態にできるか、また他の形態にできるかが理解できよう。
【0073】
図1〜図5に示した実施態様は、沈殿を起こさせる染料を用いるのに特に適しており、図6〜図8に示した実施態様は、周波数をシフトさせる染料を用いるのに特に適している。
図1を参照すると、この装置は3つのウエルを有するプラスチック製ハウジング(3)を備えている。1つのウエルには、標的物質に結合する染料(5)と染料吸収パッド(4)が収容されている。第2のウエルには、吸収パッド(6)だけが収容されている。これら2つのウエルとヒンジによってつながっている第3のウエルには、吸収パッド(1)と洗浄液(8)が収容されている。ハウジング(3)はホイル状のシール(9)で覆われているが、使用前にそのシールを除去する。別になった薄い棒状サンプル採取器具(1)にはサンプル採取パッド(2)が取りつけられている。サンプル採取パッド(2)は、洗浄液パッド(7)に接触させて濡らす。次に、薄い棒状サンプル採取器具(1)をサンプルの表面上、例えば食品と接触したサンプルの表面上を移動させ、残された食品をサンプル採取パッド(2)の中に移動または吸収させる。薄い棒状サンプル採取器具(1)を装置のハウジング(3)の中に入れて、染料パッド(4)と数秒間接触させ、染料(5)をサンプル採取パッド(2)に移動させる。次に薄い棒状サンプル採取器具(1)を吸収パッド(6)の上に置き、洗浄液パッド(7)をサンプル採取パッド(2)の裏側に押しつける。力を加えた状態を数秒間維持し、洗浄液がサンプル採取パッド(2)を通過して吸収パッド(6)に到達するようにする。すると結合していない染料が除去される。次に、サンプル採取パッド(2)の表面に色彩が現われているかどうかを観察する。着色した染料が存在しているのであれば、標的と結合した物質が存在していることを示す。この実施態様では、洗浄操作の間、標的物質がパッド・マトリックスの表面および/または内部に固定化された状態にとどまるようなサンプル採取パッドを選択する。
【0074】
図2を参照すると、この装置は、薄い棒状サンプル採取器具(1)と、ハウジング/試薬トレイ(17)内の3つの収容部を備えている。収容部の1つには、薄い棒状サンプル採取器具をサンプルの表面上を移動させる前に濡らすための湿潤剤/洗浄液(14)が収容されている。第2の収容部には、染料試薬(15)が収容されている。第3の収容部には洗浄剤/洗浄液(16)が収容されているが、これは、湿潤剤/洗浄液(14)と同じでも異なっていてもよい。これら試薬は、個々のウエル/収容部の底に置かれた吸収パッド(18)の中にある。試薬トレイ(17)はホイル状のシール(19)で覆われているが、そのシールは使用前に除去する。薄い棒状サンプル採取器具(10)は、吸収パッド(3)に接した採取面(11)を備えている。吸収パッド(3)と採取面(11)は、パッド・ハウジング(12)によって所定の位置に保持されている。検査は、薄い棒状サンプル採取器具(10)の採取面(11)を湿潤剤/洗浄液(14)の中に浸して濡らすことから始める。次に、採取面(11)を検査する表面上を移動させ、さらに採取面(11)上のサンプルを染料(15)と接触させる。それに続けて採取面を洗浄液(16)に浸すと、過剰な染料が洗い流される。それぞれの操作において、染料と洗浄液は、吸収によって採取面のほうに移動して/採取面を通過して、吸収パッドまたは吸収物質(13)の中に入る。
【0075】
図3を参照すると、試薬に関する部分は図2とほぼ同じである。しかし、サンプル採取器具(20)が、薄い棒のような部材の代わりに、棒の形態になっている。このサンプル採取器具(20)では、採取パッド(23)の表面は、この棒のハウジング(21)に収められた吸収物質(22)とは別であっていてよいが、その吸収物質(22)と隣接した状態にされている。また、吸収パッド(23)はハウジング(21)の中まで延びて、吸収引き込み部となっている。これ以外のこと、例えば、採取面を濡らすこと、サンプルを染料で処理すること、洗浄液を用いて過剰な染料を洗い流すことは、この実施態様では図2と同様にして行なわれる。
【0076】
図4の装置では、図3のような棒状サンプル採取器具が用いられているが、試薬用ハウジング(34)にはウエルが3つでなくて2つになっている。第1のウエルには、採取パッド(33)の表面を濡らすのに用いる湿潤剤(35)が収容されている。第2のウエルは、上下に配置した2つの区画を備えており、洗浄液(37)の上に染料(36)が層状に載せられている。染料は、破ることのできる膜(36a)の上に乾燥した状態で存在している。棒状サンプル採取器具が染料と接触した後に膜(36a)に穴を開けると、洗浄液(37)が採取パッド(33)に吸収される。
【0077】
図5は、複数の試薬が、キャップの形をした試薬トレイ/ハウジング(46)に収められている実施態様である。この実施態様は、キャップとしてだけでなく棒状サンプル採取器具(40)の内部としても機能する。この実施態様の試薬トレイ/ハウジング(46)は、棒状サンプル採取器具(40)の端部に着脱自在なキャップとして嵌められる。採取パッドの表面(45)は、湿潤剤(51)であらかじめ濡らしておく。この実施態様では、採取パッドの表面(45)は、破ることのできる膜(47)を有するチューブ状の試薬ハウジング(46)の端部で、ふたをされてる。この膜(47)は、採取パッドの表面(45)が吸収パッド(49)の染料(48)と接触するのを防いでいる。棒状サンプル採取器具(40)は、チューブ状の試薬ハウジング(46)からはずしてサンプルの採取に使う。次に、チューブ状の試薬ハウジング(46)を180度回転させて棒状サンプル採取器具(40)に再び嵌めるが、アラインメント・ガイド(42)を利用すると棒状サンプル採取器具に対してキャップが同じ側を向く。採取パッドの表面(46)が最初のバリアーである膜(47)に穴を開けると、染料(48)との接触が起こり、ある量の染料が採取パッドの表面(45)に付着する。次に、棒状サンプル採取器具(40)をキャップの他端に嵌め、棒状サンプル採取器具ハウジング(41)の中にある破ることのできるシール(43)を破ると、棒状サンプル採取器具(40)の中の洗浄液(44)が採取パッドの表面(45)を通過し、試薬トレイ/ハウジング(46)の中にある吸収物質(50)に移動する。このようにして過剰な染料が効果的に洗い流される。したがって、採取面の表面に残った染料だけが、標的物質、例えばタンパク質と結合しているために固定化された染料である。
【0078】
図6を参照すると装置の一実施態様が示されている。この装置(60)は、サンプル採取部または上部ハウジング(61)と、標的物質と結合する染料(70)を収容した染料収容部(62)と、スワブ式中空シャフト(66)と通じていて栓(68)を折ったときに露出する孔(64)と、ハウジング(74)と、スワブ式吸収端(72)と、下部にある読み取りチャンバーまたは読み取り部(76)とを備えている。
【0079】
図7を参照すると装置の別の実施態様が示されている。この装置(60)は、上部ハウジング(80)を備えるとともに、この上部ハウジング(80)と下部ハウジング(87)の上部区画(82)の間にある上部バリアー手段(81)を備えている。上部ハウジング(80)と上部バリアー手段(81)は、チャンバー(88)を区画形成している。サンプル採取器具(83)が、上部ハウジングに取りつけられている。下部ハウジング(87)の下部区画は、読み取り部(85)を形成している。
【0080】
図8を参照すると、別の実施態様が示されている。この実施態様は図6のものと同様であるが、染料収容部(62)に、染料を含まない洗浄液(71)が収容されている点が異なっている。ハウジング(74)の中にはホイル状のバリアー(78)(すなわちセパレータ)があり、このハウジングを上部区画(73)と下部区画(75)に分割している。下部区画には乾燥した染料(79)が収容されている。この下部区画は、上部区画(73)に対して気密を保ったままスライドする。この実施態様で他のタイプのバリアーを用いても、望んでいるよりも前に洗浄液でサンプル採取器具が洗浄されるのを防止することができる。また、別のタイプのセパレータを用いてハウジングを上部区画と下部区画に分割することもできる。また、下部区画にある染料は、乾燥した染料ではなく染料溶液または染料懸濁液であってもよい。ハウジングの上部区画と下部区画の間のスライド可能な接合部にねじが切られた面を備えて上部区画と下部区画が互いにねじ込まれたときにサンプル採取器具によってセパレータに穴が開くようにしてもよい。
【0081】
図面に示した実施態様以外にも、サンプルを、標的物質に結合する染料、例えば沈殿を起こさせる染料または周波数をシフトさせる染料と接触させるさまざまな要素を自己充足式サンプル採取/検査装置の内部に組み合わせて配置することにより、別の実施態様を構成することができる。何を選択して配置したかの例を示すことにする。前記の実施態様に従えば、装置は、ハウジングに気密を保てるように取りつけられたサンプル採取部を備える構成、または、上部ハウジングと下部ハウジングを備え、サンプル採取器具は上部ハウジングに取りつけられ、上部ハウジングと下部ハウジングが気密を保って嵌合しているような構成にすることができる。これ以外の変形例も構成することができる。
【0082】
すでに指摘したように、前記のさまざまな実施態様においては、異なったタイプのサンプル採取器具を用いることができる。具体例としては、例えば、スワブ、ピペット、毛細管などが挙げられる。サンプル採取器具がスワブまたはそれ以外のぬぐいとるタイプの部材であるような実施態様には、サンプル洗浄器が取りつけられる。好ましい実施態様では、サンプル洗浄器は、サンプルをサンプル採取器具から洗い流すのに用いることのできる洗浄液を収容した収容部を備えている。洗浄液をサンプル採取器具に送るには、さまざまな方法がある。例えば、膜を破って洗浄液がサンプル採取器具の中空シャフトの中を通過できるようにする方法、端部または栓を壊してサンプル採取器具の中空シャフトと通じている孔をあらわにし、流体をシャフトを流下させる方法、パッケージまたはアンプルを壊して流体を放出させ、その液体がサンプル採取器具のシャフトを流下してサンプルを洗浄する方法などである。
【0083】
洗浄液は、さまざまな構成にとって適切な、また選択した染料にとって適切なさまざまな方法で構成してパッケージすることもできる。例えば、上記のように、洗浄液は染料を含んでもよい。しかしながら、実施態様によっては、染料を洗浄液とは別にパッケージすることが好ましかろう。例えば、染料とそれ以外の洗浄液成分を、混合が必要になるときまで上部収容部に別々に保管する。一例として、濃縮した染料溶液を、他の洗浄液成分を収容した貯蔵チャンバー内の壊すことのできるアンプルまたはパッケージに入れることができる。また、染料とそれ以外の洗浄液成分を、セパレータによって隔てられた別々のチャンバーに入れておくこともできる。染料の容器を壊す、または別々のチャンバーにある内容物を組み合わせると、混合が起こり、染料の混じった洗浄液が得られる。このような構成は、他の洗浄液成分が1種類以上存在していると染料分子を長期間にわたって安定に保管することはできないような場合に望ましかろう。また、洗浄液と染料を隔離し、洗浄液を上部収容部だけに入れ、染料は、装置の下部、例えばハウジングの下部区画または下部ハウジングの収容部、アンプル、パッケージ、またはチャンバーに入れた構成にすることもできる。
【0084】
サンプル採取器具がピペットまたは毛細管であるような実施態様では、例えば、液体サンプルを空気で飛ばすとか、サンプルを洗浄液で洗浄してピペットまたは毛細管から除去するなど、サンプルをさまざまな方法でサンプル採取器具から移動させることができる。一般に、サンプルを移動させるためには、装置の上部が変形可能で、圧力を加えて液体サンプルをピペットまたは毛細管から押し出せるようになっている。
【0085】
染料が装置の下部区画に収容されている実施態様では、上部ハウジングのサンプル採取部において染料がその他の溶液成分とは隔てられている前記の実施態様と同様、染料とその他の溶液成分のいずれかまたは両方を別々のチャンバー、アンプル、パッケージ、または複数の成分を望みのときに混合させることのできるその他の構造物の中に入れることで、染料をその他の溶液成分から隔離することができる。
【0086】
さらに別の実施態様では、サンプル採取器具を装置の下部区画にある溶液の中に直接入れる。例えば、実施態様によっては、装置の上部区画には洗浄液用の収容部が備えられていない。その代わり、染料の入った洗浄液、または染料の入っていない洗浄液が装置の下部区画に収容されており、サンプルを採取した後、サンプル採取器具を洗浄液の中に入れる。そのような実施態様では、バリアー、例えば破ることのできる膜、一方向性バルブ、または、サンプル採取器具を通すことのできる圧縮変形可能な構造物などによって、洗浄液を装置の上部区画から隔離することができる。また、そのような実施態様では、すでに指摘したように、染料は、洗浄液とは別にパッケージしてもよいし、洗浄液の中に混ぜてもよい。上述したように、そのような隔離は、別々のチャンバー、壊すことのできるパッケージやアンプル、破ることのできる膜、半多孔性のフィルター、またはこれら以外の同様の構造物を用いて実現することができる。
【0087】
装置の一実施態様を利用してタンパク質の存在を検査する方法について簡単に説明する。この実施態様の装置は、図6に示した構成であり、表面にタンパク質が存在していることを検出するのに染料溶液を用いる。
この装置は、サンプル採取器具(61)をハウジング(74)からはずすことで利用可能な状態になる。あらかじめ濡らしておいたスワブ(72)を、タンパク質を検査する領域の表面上を移動させ、タンパク質の一部がスワブに吸収されるようにする。次にこのサンプル採取器具(61)を、ハウジング(74)に対して気密が保たれるように嵌める。染料(70)を含有する染料収容部(62)を区画形成している球状部を曲げて栓(68)を壊すことにより、スワブの中空シャフト(66)の上端と通じている孔(64)を露出状態にして染料(70)を放出させ、その染料がスワブ内の中空部を流下するようにする。染料の流れは、球状部を押して染料溶液を強制的に外に出すことで加速させることができる。染料溶液は、タンパク質含有残留物をスワブ(72)から洗い流し、読み取り部(76)となっている装置の底部へと導く。強制排出された液体を含有する読み取り部の壁面は半透明または透明になっているため、染料とタンパク質の反応によって起こる色彩変化を直接目で見ることができる。
【0088】
ここで説明した実施態様の装置は、さまざまな材料または材料の組み合わせのうちの任意のものを用いて構成される。材料としては例えばプラスチックがあるが、それに限られるわけではない。射出成形を利用すること、または適切なハウジングを製造できる他の任意の手段を利用することができる。好ましい装置では、ウエル/収容部は、機械による穴開けや射出成形によって、または特定の材料にそのような窪みを形成するのに適した他の方法によって形成することができる。これらは当業者にはおなじみであり、当業者であれば、適切な材料と形成技術を選択することができよう。また、図1に示した本のようにしたタイプの実施態様と同様、別々になったハウジングと部品は、ヒンジ、留め金、ラッチ、Velcro(登録商標)を用いて、または試薬の機能を妨げない他の任意の接続部材を用いて接続することができる。吸収スワブとサンプル採取面の材料としては、すでに説明したように、以下の材料、またはそれと機能が等価なものにする。材料の具体例としては、スポンジ、マイラー、ナイロン、ダクロン、レーヨン、ポレックス、多孔性ポリプロピレン、多孔性ポリエチレン、グラスファイバー、紙などの他、これら以外の織ったりフェルトにしたりした繊維、例えばニトロセルロース、木綿、羊毛、セルロース、またはこれらの組み合わせのうちの任意のものが挙げられるが、材料がこれらに限定されるわけではない。これらの材料は、今度は、糊や接着剤、または標的物質の採取や染色を妨げない他の任意の手段を用いて、また、沈殿を起こさせる染料を用いる場合には、標的物質の沈殿または固定化を妨げない他の任意の手段を用いて、図1、図2、図3の実施態様におけるように、ハウジングの適切な位置に取りつけることができる。
【0089】
当業者であれば、本発明のこれら実施態様をいろいろなやり方で利用できることがわかるであろう。利用法としては、例えば次のものがある。
(1)液体サンプルを検査して、その中に汚染物質が含まれているかどうかを確認する。ある物質が液体サンプル中に含まれているかどうかを検査する方法は、表面を検査する方法と同様であろうが、検査するサンプルが液体である点が異なっている。
【0090】
(2)あらゆるサンプルについて汚染を検査し、目による読み取りではなく機械装置による読み取りを行なう。
実施例
実施例1
一般的に図2に記載した装置を製作し、沈殿を起こさせる染料(ポンソーS)と周波数をシフトさせる染料(コロイド状Coomassieブルー染料、GelCode(登録商標))を用いて、ミルク、チーズ、ローストビーフ、七面鳥、またはトマトで汚した食品の表面を検査した。表面は、本発明のタンパク質検出装置を用いて検査しただけでなく、表面の汚染測定用として業界で受け入れられているATP検出に基づいた手段(ライトニング(LIGHETNING、登録商標)、製造はイデックス・ラボラトリーズ社、ウエストブルック、メーン州)でも検査した。すでに指摘したように、本発明の2つの異なる実施態様を用いた。1つはタンパク質結合性染料としてポンソーSを用いたもの、もう1つはコロイド状青色染料であるGelCode(登録商標)を用いたものである。
【0091】
ステンレススチール製の表面に前記の食品材料をなすりつけた。それぞれの検査において、サンプルは、個々の装置に属するサンプル採取器具のあらかじめ濡らしておいたサンプル採取面をその表面上を移動させて採取した。“汚れている”は、食品残留物を表面になすりつけたあとで検査したことを示す。“ぬぐって清潔にした”は、目で見たときに食品残留物が表面に残っていない状態であり、その表面を乾いた紙タオルでぬぐったことを示す。“こすって清潔にした”は、食品処理産業において清掃の際に一般的に用いられている方法に従って、ブラシと洗剤タイプの洗浄液を用いて濡らしてきれいにしたことを示す。
【0092】
ポンソーSを用いたほうの装置では、サンプル採取器具の吸収パッドを湿潤剤で濡らした後、サンプルを表面からぬぐい取り、サンプル採取器具の吸収パッドを染料に短時間(数秒間)接触させた。次に、サンプル採取器具の吸収パッドを洗浄液に浸し、結合していない染料を洗い流した。
GelCode(登録商標)を用いたほうの装置も同様であるが、染料の色彩変化を染料溶液とサンプル採取器具の吸収パッドの両方で観察できた点が異なっている。
【0093】
結果を表1に示す。このデータは、本発明の装置が、それぞれの食品タイプごとに、表面の異なる3つの状態(汚れていると、ぬぐって清潔にしたと、それ以上に徹底した、こすって清潔にした)を区別できることを示している。両方の染料とも、検査者が、汚れている表面、最低限清潔にした(ぬぐった)表面、完全に清潔にした(こすった)表面を区別できるという結果が現われている。
【0094】
ライトニング(登録商標)を用いた装置での結果は、0〜7.5の範囲の数値で評価した。染色の結果は目で見て読み取り、0〜5の数値で評価した。どちらの場合も、数値が大きいほうが、汚染レベルが高いことを示す。
【0095】
【表1】
【0096】
実施例2
図6に一般的に記載した装置を製作し、ピアース・GelCode(登録商標)染料2mlを用いて装置の検出感度を決定した。タンパク質の検出は、定性的な目での読み取りと、595nmでの光学密度(OD)読み取りによって行なった。記載してあるODは、2回の読み取り値の平均である。
【0097】
さまざまな濃度のウシ血清アルブミン(BSA)を清潔な10.16cm×10.16cm(4インチ×4インチ)のステンレススチール片の上で乾燥させた。各試験サンプルについて、ステンレススチール片の表面上を、装置のあらかじめ濡らしたスワブ部をしっかりと力を加えて移動させた。スワブ部をハウジングの中に入れ、染料貯蔵用球状部をポキッと横に折って染料を下部の読み取りチャンバーに入れた。次に、目による評価を行ない、その後、595nmでの読み取りを行なうため、サンプルを読み取りチャンバーから使い捨てキュベットへと移した。結果を表2に示す。
【0098】
【表2】
【0099】
この結果は、この実施態様の装置の検出感度が2.5μg/検査であることを示している。
実施例3
実施例2の検査装置を用いて、生物学的汚染検査とコニカ衛生検査キットの比較テストを行なった。コニカ・キットはこのメーカーの指示に従って用い、室温で10分後に読み取りを行なった。検査装置は、以下のようにして使用した。
【0100】
さまざまなタンパク質源を清潔な10.16cm×10.16cm(4インチ×4インチ)のステンレススチール片の上で乾燥させた。各ステンレススチール片には、二等分するための印があらかじめつけられている。検査装置を用いて、サンプルをステンレススチール片の表面の左側から採取した。コニカ・キットの方法に従い、対応するステンレススチール片の右側からサンプルをコニカ・スワブで採取した。活性化の直後に検査装置を目で見て評価した。コニカの検査結果は、このキットの指示に従い10分後に読み取った。次にステンレススチール片をマイルドな洗剤(Palmolive(登録商標))と水で洗浄し、乾燥させた後、ステンレススチール片の左右それぞれの側を再度検査して、表面に汚染物質が残っていないかどうか調べた。
【0101】
比較テストの結果を表3に示す。コニカ・キットの清潔さのレベルは、以下の清潔さの基準に従って表示する。
レベル1(清潔)
レベル2(1よりも清潔度が劣る)
レベル3(わずかに汚れている)
レベル4(汚れている)
【0102】
【表3】
【0103】
この結果は、検査装置がコニカ・キットのシステムよりも感度が優れていることを示している。それ以外にも、検査装置のほうが結果が出るのが早く、使いやすいという利点がある。
この明細書で言及したあらゆる特許と出版物は、本発明に関わる当業者の技術レベルを示している。この明細書において引用したすべての参考文献は、個々の参考文献を参考としてその全体を組み込むのと同様にして、参考として本明細書に組み込んである。
【0104】
当業者であれば、本発明が、目的の遂行に非常に適しているとともに、本発明に固有の結果と利点ならびにこの明細書で指摘した結果と利点を得るのに非常に適していることが容易に理解できよう。現在のところ代表的な実施態様であるとしてこの明細書に記載した溶液、染料、方法は、単なる例であって、本発明の範囲を限定しようとするものではない。当業者であれば、請求の範囲に規定した本発明の精神に包含されるような変更および他の用途を思いつくことであろう。
【0105】
当業者であれば、本発明の請求の範囲と精神からはずれることなく、本明細書に記載した発明に対するさまざまな代替物や修正を見いだしうることは明らかであろう。例えば、当業者であれば、さまざまな染料、pH緩衝液、追加の反応成分を用いて本発明を実施できることが理解できよう。
この明細書の中で実例を交えて説明した発明は、特にはっきりとは説明していないいずれかの要素や制約がなくても適切に実施できる。例えば、“備える”、“主に〜からなる”、“からなる”といった用語のいずれも、出現するたびに、他の2つの用語のいずれかで置き換えることができる。この明細書で用いた用語と表現は、説明のために用いたのであって、発明の範囲を制限するために用いたわけではない。また、そうした用語と表現を用いることで、図示したり説明したりした特徴やその一部と等価なものを排除しようとする意図はなく、本発明の請求の範囲内で可能なさまざまな変更が可能である。したがって、本発明を好ましい実施態様と付加的な特徴に基づいて特に説明したとはいえ、当業者であればこの明細書に開示したアイディアに対する変更や変形を考えつくであろうから、そうした変更や変形は、添付の請求の範囲に規定した本発明の範囲内であると見なされることを理解しておく必要がある。
【0106】
以上に加えて、当業者であれば、本発明の特徴と側面がマーカッシュ形式の特性基またはそれに代わる特性基について記載されている箇所では、本発明をマーカッシュ形式またはそれ以外の特性基の任意の個々の要素または要素群の一部について記載することも可能であることが理解できよう。
したがって、追加の実施態様は、本発明と請求の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 サンプル採取用吸収パッドを有する薄い棒状サンプル採取器具と、染料パッド、吸収剤パッド、洗浄液パッドの3つすべてを収容した、本のように折り畳み可能な部品とを備えた本発明の装置の一実施態様を示している。
【図2】 サンプル採取吸収パッドと吸収パッド支持体とを有する薄い棒状サンプル採取器具と、3つのウエルを有する試薬トレイとを備えた本発明の装置の一実施態様を示している。3つのウエルとは、スワブを濡らす溶液を有するウエル、染料を有するウエル、洗浄液を有するウエルである。
【図3】 棒状サンプル採取器具と、3つのウエルを有する試薬トレイとを備えた本発明の装置の一実施態様を示している。3つのウエルとは、サンプル採取器具を濡らす溶液を有するウエル、染料を有するウエル、洗浄液を有するウエルである。
【図4】 図3に示した本発明の実施態様と似た別の実施態様を示している。この装置では、試薬トレイが簡単化されてウエルは2つだけになり、染料と洗浄液が、同じウエルに、非浸透性だが破ることのできる膜によって隔てられて存在している。
【図5】 洗浄液が、非浸透性の膜によってサンプル採取面からは隔てられた状態で棒状サンプル採取器具に収容された本発明の装置の一実施態様を示している。使用する前には、棒状サンプル採取器具のサンプル採取端が、ハウジング内の空間に密閉された状態で嵌め込まれている。染料は、同じ空間に、浸透性の膜によって洗浄液とは隔てられた状態で存在している。ハウジングの他端には吸収物質が収容されており、サンプル採取の後、ハウジングのこの他端は、棒状サンプル採取器具のサンプル採取端に、気密を保てるように嵌合させることができる。
【図6】 スワブ・タイプのサンプル採取器具を備えた本発明の装置の一実施態様を示している。このサンプル採取器具においては、サンプル採取器具の一部にある染料溶液が、サンプル採取器具の洗浄液としても機能する。
【図7】 ハウジングが上部ハウジングと下部ハウジングに分割された本発明の装置の一実施態様を示している。上部ハウジングと下部ハウジングは気密を保てるように嵌合し、下部ハウジングの下部は、セパレータによって仕切られている。
【図8】 本発明の装置の一実施態様を示しており、この装置では、上部区画に、サンプル採取器具と、染料を含まないサンプル採取器具洗浄液とが収容されている。この装置の下部区画(ハウジング)は、この装置の上部区画と下部区画が合わさって気密状態になったときにサンプル採取器具を保護するようになっている。ハウジングは、このハウジングを上部空間と下部空間に分けるセパレータを備えている。下部空間には、染料組成物が収容されている。その染料組成物は、乾燥した染料であることが好ましい。
Claims (19)
- 自己充足式サンプル採取/検査装置であって、前記装置が、
a.タンパク質である標的物質を採取するためのサンプル採取器具と、
b.前記標的物質と結合してその標的物質が存在していることを知らせる染料を含む信号発生源と、
c.洗浄液と、
を備え、前記サンプル採取器具が吸収パッドを含有し、前記吸収パッドがその中に含有された染料を有し、
前記装置が、Triton−X(登録商標)、チオ硫酸ナトリウムおよびMgCl 2 からなる群から選択される中和剤をさらに含んでいる装置。 - 前記洗浄液を含むサンプル採取器具洗浄器をさらに含む請求項1に記載の装置。
- 前記吸収パッドが湿潤液であらかじめ湿らされている請求項1に記載の装置。
- 前記染料が、タンパク質と結合する染料である請求項1に記載の装置。
- 前記染料が、前記タンパク質を沈殿させ、かつ、染色する請求項4に記載の装置。
- 前記染料が、前記サンプル採取器具と接触するまで乾燥している請求項1に記載の装置。
- 前記染料が、周波数をシフトさせる染料である請求項1に記載の装置。
- 前記染料が、コロイド状染料である請求項1に記載の装置。
- 前記染料が、コロイド状のCoomassie(登録商標)ブリリアントブルー染料である請求項8に記載の装置。
- 反応読み取り部をさらに備える請求項1に記載の装置。
- 前記サンプル採取器具が下部ハウジングの中に収容されてこのサンプル採取器具が検査前に汚染されることを防いでおり、前記装置は上部ハウジングをさらに備え、この上部ハウジングと下部ハウジングは気密を保てるように嵌合しており、前記サンプル採取器具はこの上部ハウジングに取りつけられる請求項1に記載の装置。
- サンプル中の標的物質の存在を検出する方法であって、
a.自己充足式サンプル採取/検査装置であって、標的物質を収集するためのサンプル採取器具、染料を含む信号発生源および洗浄液を含み、Triton−X(登録商標)、チオ硫酸ナトリウムおよびMgCl 2 からなる群から選択される中和剤をさらに含む装置、のサンプル採取器具の表面に、タンパク質である標的物質を含んでいる可能性のあるサンプルを取得し、その標的物質は染料が結合することでその標的物質の存在を知らせることが可能である物質である、ステップ、
b.前記サンプルに前記染料を接触させるステップ、
c.その接触によって発色または色彩変化が起こったかどうかを確認し、その発色または色彩変化が、前記サンプル中に前記標的物質が存在していることを示しているステップ、および
d.前記標的物質を溶液中で染料の存在下において分析できるよう、前記標的物質を前記サンプル採取器具から洗浄するステップ
を含む方法。 - 前記サンプル採取器具が多孔性マトリックスを含み、前記サンプルが液体であり、前記染料が沈殿を起こさせる染料であり、そして、前記標的物質を溶液中で染料の存在下において分析できるよう前記標的物質を前記サンプル採取器具から洗浄する前記dのステップの後、前記標的物質と前記染料とを結合させて標的物質/染料複合体を形成させ、これを次いで前記多孔性マトリックスの内部に固定化し、前記方法が、結合していない染料を、洗浄液を用いて前記サンプル採取器具から洗浄するステップを更に含み、前記結合していない染料の前記洗浄後に前記多孔性マトリックスの内部に保持されている染料の量が、サンプルがない場合に前記多孔性マトリックスの内部に保持されている染料の量と比べて多く存在することが、サンプル中に標的物質が存在していることを示す請求項12に記載の方法。
- 前記染料が、周波数をシフトさせる染料である請求項12または13に記載の方法。
- 前記染料が、コロイド状染料である請求項14に記載の方法。
- 前記コロイド状染料が、コロイド状のCoomassie(登録商標)ブリリアントブルー染料である請求項15に記載の方法。
- 前記染料が、スルホン化ジアゾ染料である請求項12に記載の方法。
- 前記スルホン化ジアゾ染料が、ポンソーSである請求項17に記載の方法。
- ポンソーSを、希酢酸溶液中で最終濃度を0.1〜1.0%(w/v)にして用いる請求項18に記載の方法。
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