JP4568204B2 - 三次元織物、三次元織物の製織方法及び三次元織物の製織装置並びに摩擦材 - Google Patents

三次元織物、三次元織物の製織方法及び三次元織物の製織装置並びに摩擦材 Download PDF

Info

Publication number
JP4568204B2
JP4568204B2 JP2005300184A JP2005300184A JP4568204B2 JP 4568204 B2 JP4568204 B2 JP 4568204B2 JP 2005300184 A JP2005300184 A JP 2005300184A JP 2005300184 A JP2005300184 A JP 2005300184A JP 4568204 B2 JP4568204 B2 JP 4568204B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
warp
thickness direction
yarns
yarn
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005300184A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006138059A (ja
Inventor
藤夫 堀
昌隆 川端
厚 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Industries Corp
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Industries Corp, Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Industries Corp
Priority to JP2005300184A priority Critical patent/JP4568204B2/ja
Publication of JP2006138059A publication Critical patent/JP2006138059A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4568204B2 publication Critical patent/JP4568204B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Woven Fabrics (AREA)
  • Looms (AREA)

Description

本発明は、三次元織物、三次元織物の製織方法及び三次元織物の製織装置並びに摩擦材に関する。
三次元織物(三次元繊維構造体)は、フィルタや樹脂あるいは無機物をマトリックスとした複合材の骨格材等として幅広い用途が期待されている。従来、三次元織物フィルタとして、少なくともX,Y,Zの3軸方向に繊維束を多重に配列した平板状三次元織物で構成され、三次元織物中の繊維束の交錯点に生じる空隙の大きさを三次元織物の厚み方向の一方側が他方側より小さくなるようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この三次元織物は、X方向に配列された繊維層と、Y方向に配列された繊維層とがZ方向に配列されたZ糸(厚さ方向糸)で結合された構成である。
また、三次元織物として、複数段、複数列に配列された経糸群と、前記経糸群の各段の間に織り込まれた緯糸と、経糸及び緯糸に対して垂直に配列された垂直糸と、緯糸及び垂直糸で耳を組織した三次元織物も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。この三次元織物は、平織り組織の織物を重ね、それをZ糸(垂直糸)で結合した構成である。
特開平4−341313号公報(明細書の段落[0008]、図1) 特許第2516521号公報(明細書の段落[0008]〜[0013]、図1,2,3)
特許文献1及び特許文献2に記載の三次元織物は、層間を固定するZ糸は各層に垂直に配列され、各層を構成する経糸等に絡んでいないため、Z糸が切れると、容易に各層の糸の結合が緩くなって、ばらばらになり易い。従って、三次元織物を樹脂等をマトリックスとした複合材としてではなく、フィルタやベルト等に三次元織物の状態で使用する場合、耐久性が悪くなるという問題がある。また、複合材として使用する場合でも、樹脂等でマトリックスが構成されるまでの段階で、三次元織物として取り扱っている際に、何らかの原因でZ糸が切れると、各層の糸がばらばらになり易いという問題がある。
また、特許文献1及び特許文献2に記載の三次元織物は、各層が積み重なった状態で束ねた組織のため、厚さ方向の繊維間密度が高くクッション性(弾力性)が低い。本願発明者は、三次元織物を強化材とした複合材を湿式クラッチ又は湿式ブレーキなどに使用される摩擦材として使用することを考えている。しかし、Z糸が各糸層と垂直に配列された構成の従来の三次元織物を強化材として使用した場合、クッション性が不十分となる。
本発明は前記の問題に鑑みてなされたものであって、その第1の目的は、三次元織物を構成する各層を結合する役割を果たす厚さ方向糸が切れても、各層を構成する糸がばらばらになるのを抑制することができ、厚さ方向のクッション性(弾力性)を高めることができる三次元織物を提供することにある。第2の目的は、その製織方法を提供することにあり、第3の目的は、前記製織方法を効率良く実施することができる製織装置を提供することにある。また、第4の目的は摩擦材として使用した際の弾力性の低下を抑制することができる摩擦材を提供することにある。
前記第1の目的を達成するため、請求項1に記載の発明の三次元織物は、互いに平行に配置された複数の経糸層と、前記複数の経糸層の一方の側に経糸と直交するように配列された抜け止め糸と、前記複数の経糸層の他方の側から各経糸層を貫通するとともに、前記抜け止め糸で抜け止めされた状態で折り返すように前記経糸と直交する面内に配列される複数本の厚さ方向糸とを少なくとも有する。そして、前記厚さ方向糸は隣接する経糸層間を蛇行するように、かつ前記抜け止め糸で抜け止めされて折り返した部分が、同じ経糸に対して折り返す前に配列された部分と同じ側に位置するように配置されている。ここで、「蛇行する」とは、厚さ方向糸が経糸層間の幅方向(経糸と直交する方向)に延びながら所定の経糸の箇所で延びる向きを変えて、三次元織物の一方から他方へ通るように配置されていることを意味する。
この発明では、複数の経糸層を結合する厚さ方向糸が、従来の三次元織物と異なり、隣接する経糸層間を蛇行するように、かつ前記抜け止め糸で抜け止めされて折り返した部分が、同じ経糸に対して折り返す前に配列された部分と同じ側に位置するように配置されている。従って、厚さ方向糸は隣接する経糸層で挟まれた状態にあるため、厚さ方向糸が切れた場合でも、従来の三次元織物と異なり、厚さ方向糸が抜け難く、各層を構成する糸がばらばらになるのを抑制することができる。また、厚さ方向糸が厚さ方向に真っ直ぐ配列されるのではなく蛇行した状態で配列されて経糸層で挟まれた状態にあるため、厚さ方向のクッション性(弾力性が)向上する。
請求項2に記載の発明の三次元織物は、互いに平行に配置された複数の経糸層と、前記複数の経糸層の一方の側及び前記経糸層の間にそれぞれ経糸と直交するように配列された抜け止め糸と、前記複数の経糸層の他方の側から経糸層を貫通するとともに、前記抜け止め糸で抜け止めされた状態で折り返すように前記経糸と直交する面内に配列される複数本の厚さ方向糸とを少なくとも有する。そして、前記厚さ方向糸は隣接する経糸層間を蛇行するように、かつ前記抜け止め糸で抜け止めされて折り返した部分が、同じ経糸に対して折り返す前に配列された部分と同じ側に位置するように配置されている。
この発明でも、複数の経糸層を結合する厚さ方向糸が、従来の三次元織物と異なり、隣接する経糸層間を蛇行するように、かつ前記抜け止め糸で抜け止めされて折り返した部分が、同じ経糸に対して折り返す前に配列された部分と同じ側に位置するように配置されている。従って、厚さ方向糸は隣接する経糸層で挟まれた状態にあるため、厚さ方向糸が切れた場合でも、従来の三次元織物と異なり、厚さ方向糸が抜け難く、各層を構成する糸がばらばらになるのを抑制することができる。また、厚さ方向糸が厚さ方向に真っ直ぐ配列されるのではなく蛇行した状態で配列されて経糸層で挟まれた状態にあるため、厚さ方向のクッション性(弾力性が)向上する。しかも、経糸層の一方の側及び前記経糸層の間にそれぞれ配置された抜け止め糸は、経糸の配列方向において異なる位置に配置されている。従って、三次元織物全体として抜け止め糸のピッチを、全ての抜け止め糸が経糸層の一方の側に配置された構成に比較して狭くすることができ、織物組織が安定するとともに強固になる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記厚さ方向糸は、織物組織の1単位において、1本の厚さ方向糸が三次元織物の幅方向において異なる位置に配列された経糸間に跨るように配置されている。この発明では、緯糸がなくても三次元織物の形態を確保できる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記厚さ方向糸は、織物組織の1単位において、三次元織物の幅方向で同じ位置における全ての経糸層の経糸に対して前記幅方向の外側を通る部分が存在するようにように配置されている。この発明では、三次元織物の幅方向の最も外側に配列された経糸より外側に厚さ方向糸の一部が配置されるため、耳をわざわざ製織しなくても、最も外側に配列された経糸が所定の位置に保持されて、三次元織物の外形が保持される。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発明において、
前記厚さ方向糸は、少なくとも前記抜け止め糸が配列された側と反対側で複数本の経糸に跨るように配置されている。この発明では、三次元織物の片面に露出して配置される厚さ方向糸の面積が増えるため、例えば樹脂を含浸させて使用する摩擦材用の織物材として、摩擦面に露出する厚さ方向糸の量が増えて接触面積を増やすことができる。
第2の目的を達成するため、請求項6に記載の発明の三次元織物の製織方法は、第1挿入工程において、複数層に配列された各層の経糸をそれぞれ各層毎に独立して経糸層の幅方向に、それぞれ所定ピッチ移動させた状態で、経糸間に厚さ方向糸を厚さ方向糸挿入具を使用して、経糸と直交する方向に配列される抜け止め糸で抜け止めした状態で折り返すように挿入し、その後、各経糸を元の位置まで幅方向に移動させる。第2挿入工程においては、第1挿入工程に続いて各層の経糸をそれぞれ各層毎に独立して経糸層の幅方向に、それぞれ前記と異なる所定ピッチ移動させた状態で、経糸間に厚さ方向糸を厚さ方向糸挿入具を使用して、経糸と直交する方向に配列される抜け止め糸で抜け止めした状態で折り返すように挿入し、その後、各経糸を元の位置まで幅方向に移動させる。第2挿入工程に続いて織物を1ピッチ分引き取った後、厚さ方向糸挿入具を経糸層の幅方向に経糸の1ピッチ分移動させた後、前記第1挿入工程及び第2挿入工程と同じ動作を繰り返す。その後、厚さ方向糸挿入具を経糸層の幅方向に経糸の1ピッチ分、前記と逆方向に移動させる。そして、以上の操作を繰り返すことにより三次元織物が製織される。
従って、この発明の製織方法では、三次元織物を構成する各層を結合する役割を果たす厚さ方向糸が切れても、各層を構成する糸がばらばらになるのを抑制することができ、厚さ方向のクッション性(弾力性)を高めることができる三次元織物を容易に製織することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記複数本の厚さ方向糸に対応して設けられた複数の厚さ方向糸挿入具は、複数のグループに分けられ、グループ毎に経糸層への厚さ方向糸挿入動作が行われる。この発明では、経糸の配列間隔が狭く、厚さ方向糸挿入具の数が多い場合でも、厚さ方向糸挿入具を円滑に経糸層を貫通するように経糸間に挿入することができる。
第3の目的を達成するため、請求項8に記載の発明の三次元織物の製織装置は、複数本の経糸を供給する経糸供給手段と、複数本の経糸を複数層に配列した状態で保持可能な経糸保持部と、前記複数層の経糸層の経糸の配列位置毎に設けられ、各経糸層の各経糸と係合して各経糸を経糸の配列方向と直交する方向に移動可能な経糸ガイドと、前記各経糸ガイドをそれぞれ所定ピッチ移動させる経糸ガイド駆動手段とを備えている。また、前記複数層の経糸層に厚さ方向糸を挿入するため、先端側に厚さ方向糸挿通用の孔を備えた複数本の厚さ方向糸挿入具とを備えている。さらに、前記厚さ方向糸挿入具を前記経糸層を貫通可能な作用位置と、前記経糸層に係合不能な待機位置とに移動させる第1の駆動手段と、前記厚さ方向糸挿入具を経糸の配列方向と直交する方向に移動させる第2の駆動手段と、前記厚さ方向糸挿入具が作用位置に配置された状態で厚さ方向糸と経糸層との間に、抜け止め糸を配置する抜け止め糸配置手段とを備えている。
この発明の製織装置を使用して三次元織物を製織する場合は、経糸供給手段から供給された複数層の経糸の端部が、経糸保持部に保持された状態で製織が開始される。そして、各経糸ガイドが経糸層の幅方向に所定ピッチ移動された状態で厚さ方向糸挿入具により厚さ方向糸が経糸層を貫通するように経糸間に挿入されるとともに、厚さ方向糸挿入具が経糸層を貫通した状態で、厚さ方向糸と経糸層との間に、抜け止め糸が抜け止め糸配置手段により配置される。その状態で厚さ方向糸挿入具が待機位置に戻り、厚さ方向糸が抜け止め糸で抜け止めされた状態で折り返し状に配列される。次に経糸ガイドが元の位置に戻された後、各経糸ガイドが前記所定ピッチと異なる所定ピッチずつ移動された後、厚さ方向糸挿入具により厚さ方向糸が経糸層を貫通するように経糸間に挿入される。その後、前記と同様にして抜け止め糸が配置された後、厚さ方向糸挿入具が待機位置に復帰して、厚さ方向糸が抜け止め糸で抜け止めされた状態で折り返し状に配列される。次に経糸ガイドが元の位置に復帰される。次に、経糸保持部が三次元織物を1ピッチ分引き取った後、厚さ方向糸挿入具が経糸層の幅方向に経糸の1ピッチ分移動され、その状態から前記と同様に厚さ方向糸の挿入動作が2回行なわれる。その後、厚さ方向糸挿入具が前記と逆方向に経糸の1ピッチ分移動されて元の位置に復帰することにより、製織サイクルの1サイクルが完了する。以下この製織サイクルが繰り返されて三次元織物が製織される。従って、この発明では、前記発明の製織方法を効率よく実施することができる。
第4の目的を達成するため、請求項9に記載の発明の摩擦材は、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の三次元織物を強化材とし、熱硬化成樹脂をマトリックスとした複合材で形成されている。この発明では、複合材の強化材となる三次元織物は、複数の経糸層を貫通するように配列される厚さ方向糸が、隣接する経糸層間を蛇行するように配列されている。従って、層間剥離が確実に防止されるとともに、摩擦材として使用された際、摩擦材が相手部材を押圧する弾性力を高めるのに厚さ方向糸が寄与するため、前記弾性力の低下を抑制することができる。
本発明の三次元織物によれば、三次元織物を構成する各層を結合する役割を果たす厚さ方向糸が切れても、各層を構成する糸がばらばらになるのを抑制することができ、厚さ方向のクッション性(弾力性)を高めることができる。本発明の製織方法によれば、前記三次元織物を容易に製織することができる。また、本発明の製織装置を用いれば前記製織方法を効率良く実施することができる。また、本発明の摩擦材は、例えば、湿式クラッチや湿式ブレーキ等の摩擦材として使用した際、摩擦材の弾力性の低下を抑制することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1〜図6に従って説明する。図1(a)は三次元織物の部分模式斜視図、(b),(c)は三次元織物の織物組織の模式図、図2は三次元織物の製織状態を示す模式斜視図である。
図1(a)〜(c)に示すように、三次元織物11は、複数本の経糸12が平行に配列されて形成されるとともに、互いに平行に配置された複数(この実施形態では3層)の経糸層13を厚さ方向糸Zで結合することにより構成されている。複数の経糸層13の一方の側(図1(a)〜(c)の下側)には経糸12と直交するように抜け止め糸14が配列されている。厚さ方向糸Zは、前記複数の経糸層13の他方の側から各経糸層13を貫通するとともに、抜け止め糸14で抜け止めされた状態で折り返すようにして経糸12と直交する面内に配列されている。
図1(a)に示すように、厚さ方向糸Zは隣接する経糸層13間を蛇行するように、かつ抜け止め糸14で抜け止めされて折り返した部分が、同じ経糸12に対して折り返す前に配列された部分と同じ側に位置するように配置されている。即ち、厚さ方向糸Zは、経糸層13間の幅方向(経糸12と直交する方向)に延びながら所定の経糸12の箇所で延びる向きを変えて、三次元織物11の一方から他方へ通るように配置されている。
厚さ方向糸Zは、織物組織の1単位において、1本の厚さ方向糸Zが三次元織物11の幅方向(図1(a)〜(c)の左右方向)において異なる位置に配列された経糸12間に跨るように配置されている。また、厚さ方向糸Zは、少なくとも抜け止め糸14が配列された側と反対側で複数本(この実施の形態では3本)の経糸12に跨るように配置されている。なお、経糸12の本数を図1(b),(c)では1層を8本で説明しているが、図はあくまで模式的なものであり、実際の本数はずっと多い。
次に三次元織物11の織物組織の1単位について詳述する。この実施形態の三次元織物11においては、織物組織の1単位は、厚さ方向糸Zが経糸層13を4回貫通することにより配列された配列組織を備えている。具体的には図1(a)に示すように、上層の経糸12の左側を通った後、その経糸12と隣接する右側の列に配置された中層の経糸12の右側を通り、該経糸12の下側の経糸12の左側を通った後、抜け止め糸14で折り返して、折り返し前と同じ配置で上層の経糸12より上方に至る1往復分の部分15aを有する。また、部分15aに連続し、上層の3本の経糸12を跨ぐように配列された後、3本目の経糸12の右側を通った後、その経糸12と隣接する左側の列に配置された中層の経糸12の左側を通り、該経糸12の下側の経糸12の右側を通った後、抜け止め糸14で折り返して、折り返し前と同じ配置となる1往復分の部分15bを有する。また、前記部分15bに連続し、図1(c)に示すように、前記厚さ方向糸Zの配置位置より経糸12の配列の1ピッチ分右にずれた位置に、前記部分15aと同様に配置された部分15cと、部分15bと同様に配置された部分15dとを備えている。なお、経糸12の列とは全ての経糸層13と直交するとともに経糸12を含む平面上に配列された経糸12を意味する。また、図1(b),(c)においては、折り返し状態に配列された厚さ方向糸Z(部分15a,15b,15c,15d)が1本に図示されている。
なお、三次元織物11の幅方向の端部においては、織物組織が若干異なる。例えば、図1(b),(c)において、三次元織物11の左端には耳糸Pが配置されている。また、図1(b),(c)において、三次元織物11の右端では厚さ方向糸Zの配置が変則的になっている。即ち、部分15aは他の箇所と同じ配置であるが、部分15bは上層の経糸層13の経糸12に対する配置が他の箇所と異なり、部分15cは中層の経糸層13の経糸12に対する配置が他の箇所と異なり、部分15dは上層及び下層の経糸層13の経糸12に対する配置が他の箇所と異なる。
経糸12、抜け止め糸14、厚さ方向糸Z及び耳糸Pは、マルチフィラメント繊維束で構成されている。繊維束を構成する繊維としては、三次元織物11の用途によって決められるが、摩擦材のように耐摩耗性が要求される場合は、例えば、アラミド繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維(PBO繊維)が使用され、耐熱性が要求される場合は、例えば、炭素繊維が使用される。
次に前記のように構成された三次元織物11の製織方法を説明する。三次元織物11の製織には、図2及び図5(a),(b)に示すような製織装置が使用される。
製織装置は、複数本の経糸12を供給する経糸供給手段16と、複数本の経糸12を複数層に配列した状態で保持可能な経糸保持部17と、複数層の経糸層13の経糸12の配列位置毎に設けられた経糸ガイド18a,18b,18cとを備えている。経糸供給手段16は、互いに平行な状態で回転可能に配設された複数本(この実施形態では3本)の支軸19を備え、各支軸19は図示しない正逆回転可能なモータによって駆動されるようになっている。各支軸19には経糸12が巻かれたボビン20がそれぞれ支持され、各ボビン20はモータの正転時に経糸12を繰り出す方向に回転され、モータの逆転時に経糸12を巻き戻す方向に回転される。なお、図2においては、1層分の支軸19及びボビン20が図示されている。経糸供給手段16から供給された経糸12は図示しない張力調整手段によりその張力が調整されるようになっている。張力調整手段には、例えばパウダーブレーキや、渦電流により支軸19に負荷を加える構成の所謂パーマトルクが使用されている。
経糸保持部17は、図示しない駆動手段により、織物を1ピッチずつ引き取り可能に構成されている。この実施の形態では、経糸保持部17は板状に形成され、駆動手段はボールねじを介して往復動される移動体を備え、経糸保持部17はその移動体に固定されている。
図2に示すように、各経糸ガイド18a〜18cには、それぞれ各経糸層13の各経糸12が挿通される孔21が一定間隔で1列に形成されている。各経糸ガイド18a〜18cは一端が経糸ガイド駆動手段としての電気シリンダ22の作動ロッド22aに連結されている。各電気シリンダ22は、図示しない制御装置からの指令信号により各経糸ガイド18a〜18cを経糸12の配列方向と直交する方向に所定ピッチ移動させる。
図5(a)に示すように、経糸層13の配列箇所の上方には、複数層の経糸層13に厚さ方向糸Zを挿入するため、先端側に厚さ方向糸挿通用の孔23aを備えた複数本の厚さ方向糸挿入具23を、経糸層13を貫通可能な作用位置と、経糸層13に係合不能な待機位置とに移動させる第1の駆動手段24が設けられている。厚さ方向糸挿入具23は、板状に形成されるとともに、先端部に孔23aが形成され、孔23aより基端側(この実施形態では上側)に、凹部23bが形成されている。厚さ方向糸挿入具23は基端において支持プレート24aに固定されている。
第1の駆動手段24はエアシリンダ25を備えており、そのピストンロッド25aの先端に支持プレート24aが固定されている。エアシリンダ25は、2個の支持部材26a,26bにより、経糸12の配列方向に沿った方向(X方向)と、経糸12の配列方向と直交する方向(Y方向)とに移動可能に配設されている。支持部材26aは図示しないフレーム沿ってX方向に移動可能に支持され、支持部材26bは支持部材26a上でY方向に移動可能に支持されている。エアシリンダ25は支持部材26bに固定されており、支持部材26bは第2の駆動手段27により支持部材26a上をY方向に移動されるようになっている。即ち、第2の駆動手段27は、厚さ方向糸挿入具23を経糸12の配列方向と直交する方向に移動させる。なお、支持部材26aにはエアシリンダ25の移動を許容する孔が形成されている。また、支持部材26aは、第3の駆動手段28によりX方向に移動される。支持部材26aがX方向に移動されると、支持部材26bも支持部材26aと共にX方向に移動される。即ち、エアシリンダ25は、第2の駆動手段27によりY方向に移動され、第3の駆動手段28によりX方向に移動される。第2の駆動手段27及び第3の駆動手段28には、例えばエアシリンダが使用されている。
経糸層13の配列箇所の下方には、厚さ方向糸挿入具23が作用位置に配置された状態で孔23aを貫通している厚さ方向糸Zと、経糸層13との間に、経糸12と直交するように抜け止め糸14を配置する抜け止め糸配置手段としての抜け止め糸挿通針29(図2に図示)が設けられている。抜け止め糸挿通針29は、作用位置に配置された厚さ方向糸挿入具23の凹部23bを挿通する作用位置と、経糸層13の配列箇所と対応しない待機位置とに、図示しない駆動装置により移動されるようになっている。
なお、耳糸Pを挿入するため、厚さ方向糸挿入具23と同様の構成の耳糸挿入具30(図3及び図4に図示)が、厚さ方向糸挿入具23の列の一端に位置するように支持プレート24aに固定されている。従って、この実施形態では、耳糸挿入具30は厚さ方向糸挿入具23と同様の動きをする。但し、耳糸挿入具30と厚さ方向糸挿入具23との間隔は、厚さ方向糸挿入具23同士の間隔(ピッチ)の1/2に設定されている。
次に前記製織装置による三次元織物11の製織方法を図3(a)〜(d)、図4(a)〜(d)及び図5(a),(b)に従って説明する。図3(a)〜(d)及び図4(a)〜(d)は製織作用を経糸12の配列方向から見た模式図、図5(a)は厚さ方向糸挿入具23が待機位置に配置された状態の概略側面図、図5(b)は厚さ方向糸挿入具23が作用位置に配置された状態の概略側面図である。なお、図3(a)〜(d)及び図4(a)〜(d)において、1点鎖線Oで示す位置が左端の経糸12の基準位置となる。
三次元織物11の製織に先立って、先ず経糸供給手段16の各ボビン20から繰り出された経糸12が、経糸ガイド18a〜18cの孔21に挿通された状態でその端部が経糸保持部17に固定され、3層の経糸層13が経糸供給手段16と経糸保持部17との間に配置される。また、図示しない厚さ方向糸供給部から厚さ方向糸Zを引き出し、各厚さ方向糸挿入具23の孔23aに挿通し、その端部を経糸保持部17に固定する。厚さ方向糸Zの端部の固定位置は、経糸12の固定位置より上に設定されている。耳糸Pは図示しない耳糸供給部から引き出されて耳糸挿入具30の孔に挿通され、その端部が経糸保持部17に固定される。そして、その状態から製織が開始される。
先ず電気シリンダ22が駆動されて、経糸ガイド18a〜18cがそれぞれ、製織すべき三次元織物11の織物組織に対応した所定ピッチ移動される。この実施形態では、上層用の経糸ガイド18aは0ピッチ移動され(即ち、移動されず)、中層用の経糸ガイド18bは左側に2ピッチ移動され、下層用の経糸ガイド18cは左側に1ピッチ移動される。その結果、厚さ方向糸挿入具23及び耳糸挿入具30と対応する位置の経糸12の配置は図3(a)の状態となる。
この状態で第1の駆動手段24のエアシリンダ25が駆動されて、図3(b)、図5(b)に示すように、厚さ方向糸挿入具23が経糸12間に挿入される。耳糸挿入具30も共に移動される。厚さ方向糸挿入具23は、凹部23bが下層の経糸層13より下方に位置する状態となるまで挿入される。また、エアシリンダ25による厚さ方向糸挿入具23の下降が完了した後、第3の駆動手段28が駆動され、支持部材26a,26bは厚さ方向糸挿入具23が経糸保持部17に近づく方向へ所定量移動される。この動作により厚さ方向糸挿入具23が筬の役割を果たしながら織り前まで移動する。なお、図5(a),(b)は、三次元織物11が少し製織された後の状態を示しており、製織開始時においては、孔23aからの厚さ方向糸Zは経糸保持部17に繋がっており、図5(a),(b)の三次元織物11の部分の無い状態となる。
厚さ方向糸挿入具23が織り前まで移動された状態で抜け止め糸挿通針29が駆動され、抜け止め糸挿通針29が凹部23bを通過するようにして前進する。抜け止め糸挿通針29は、先端の鉤部が経糸層13を挟んで抜け止め糸挿通針29の待機位置と反対側に設けられた図示しない抜け止め糸供給部の抜け止め糸14を係止可能な位置まで前進した後、後退する。後退途中で、抜け止め糸挿通針29は抜け止め糸14を係止し、後退が継続されることにより、抜け止め糸14が厚さ方向糸挿入具23の凹部23bに挿通されて、折り返し状に挿通される。その後、第3の駆動手段28が駆動されて凹部23bが抜け止め糸14と干渉しない位置に移動された後、エアシリンダ25が駆動されて、厚さ方向糸挿入具23が上昇されて待機位置に戻り、厚さ方向糸Zが抜け止め糸14で抜け止めされた状態で折り返し状に配列される。その結果、厚さ方向糸Zは図3(c)に示す状態となる。なお、抜け止め糸14の挿通動作は、例えば、特開平5−272030号公報(特許第3036216号)に開示されている抜け止め糸の挿入動作と基本的に同じである。
次に、電気シリンダ22が駆動されて各経糸ガイド18a〜18cが元の位置に戻され、厚さ方向糸Zが、図3(d)に示すように配置される。即ち、厚さ方向糸Zは、上層の経糸12の左側を通った後、その経糸12と隣接する右側の列に配置された中層の経糸12の右側を通り、該経糸12の下側の経糸12の左側を通った後、抜け止め糸14で折り返して、折り返し前と同じ配置で上層の経糸12より上方に至る図1(b)の部分15aに対応する配置となる。以上で第1挿入工程が完了する。
次に、各経糸ガイド18a〜18cが前記所定ピッチと異なる所定ピッチずつ移動される。詳しくは、上層用の経糸ガイド18aは左側に3ピッチ移動され、中層用の経糸ガイド18bは左側に1ピッチ移動され、下層用の経糸ガイド18cは左側に2ピッチ移動される。その結果、厚さ方向糸挿入具23と対応する位置の経糸12の配置は図4(a)に示す状態となる。
次に前記と同様に、エアシリンダ25が駆動されて、厚さ方向糸挿入具23により厚さ方向糸Zが経糸層13を貫通するように経糸12間に挿入されるとともに、第3の駆動手段28の駆動により、厚さ方向糸挿入具23が織り前まで移動される。その後、前記と同様にして抜け止め糸14が凹部23bを挿通する位置に配置された後、第3の駆動手段28及びエアシリンダ25が順に駆動される。そして、厚さ方向糸挿入具23が待機位置に復帰して、厚さ方向糸Zが抜け止め糸14で抜け止めされた状態で折り返し状に配列される。その結果、厚さ方向糸Zは図4(b)に示す状態となる。
次に電気シリンダ22が駆動されて、各経糸ガイド18a〜18cが元の位置に復帰される。その結果、厚さ方向糸挿入具23と対応する位置の経糸12の配置は図4(c)に示すように配置される。即ち、厚さ方向糸Zは、上層の経糸層13の経糸12を3本跨いでその経糸12の右側を通った後、その経糸12の斜め左下に配置された中層の経糸12の左側を通り、該経糸12の下側の経糸12の右側を通った後、抜け止め糸14で折り返して、折り返し前と同じ配置で上層の経糸12より上方に至る図1(b)の部分15bに対応する配置となる。以上で第2挿入工程が完了する。
次に、経糸保持部17が移動されて、三次元織物11が1ピッチ分引き取られた後、第2の駆動手段27が駆動され、厚さ方向糸挿入具23が経糸層13の幅方向に経糸12の1ピッチ分移動される。その状態から前記と同様に、第1挿入工程及び第2挿入工程と同じ動作が行なわれて、図4(d)に示すように、経糸12の1ピッチ分ずれた位置に、図1(c)の部分15cに対応する実線で示す配置と、部分15dに対応する破線で示す配置とが形成される。
その後、第2の駆動手段27が駆動され、厚さ方向糸挿入具23が前記と逆方向に経糸12の1ピッチ分移動されて元の位置に復帰することにより、製織サイクルの1サイクルが完了する。以下この製織サイクルが繰り返されて三次元織物が製織される。
前記のように構成された三次元織物11は、例えば、車両用オートマチックトランスミッションにおけるクラッチの摩擦材として使用される。摩擦材を形成する際は、三次元織物11に熱硬化成樹脂(例えば、フェノール樹脂)が含浸、硬化されて形成された中間製品であるシートが形成される。シートは、三次元織物11を強化材とし、熱硬化成樹脂をマトリックスとした複合材である。次に図6に示すように、シート40から、プレスにより円環状の摩擦材41が打ち抜かれる。
前記のように構成された摩擦材41は、一方の面(抜け止め糸14が配置された側と反対側の面)が相手部材を押圧する状態に保持されて、その面と相手部材との摩擦により相手部材との相対移動を抑制するように作用する。
この実施の形態では以下の効果を有する。
(1)三次元織物11は、複数の経糸層13を結合する厚さ方向糸Zが、従来の三次元織物と異なり、隣接する経糸層13間を蛇行するように、かつ抜け止め糸14で抜け止めされて折り返した部分が、同じ経糸12に対して折り返す前に配列された部分と同じ側に位置するように配置されている。従って、厚さ方向糸Zは隣接する経糸層13で挟まれた状態にあるため、厚さ方向糸Zが切れた場合でも、従来の三次元織物と異なり、厚さ方向糸Zが抜け難く、各層を構成する糸がばらばらになるのを抑制することができる。
(2)三次元織物11は、厚さ方向糸Zが厚さ方向に真っ直ぐ配列されるのではなく蛇行した状態で配列されて経糸層13で挟まれた状態にあるため、厚さ方向のクッション性(弾力性が)向上する。
(3)三次元織物11を強化材とし、熱硬化成樹脂をマトリックスとした複合材で摩擦材41を形成した場合、複合材の強化材となる三次元織物11は、複数の経糸層13を貫通するように配列される厚さ方向糸Zが、隣接する経糸層13間を蛇行するように配列されている。従って、層間剥離が確実に防止されるとともに、摩擦材として使用された際、摩擦材が相手部材を押圧する弾性力を高めるのに厚さ方向糸Zが寄与するため、前記弾性力の低下を抑制することができる。
(4)三次元織物11を構成する厚さ方向糸Zは、織物組織の1単位において、1本の厚さ方向糸Zが三次元織物11の幅方向において異なる位置に配列された経糸12間に跨るように配置されている。従って、緯糸がなくても三次元織物11の形態を確保できる。
(5)厚さ方向糸は、少なくとも抜け止め糸14が配列された側と反対側で複数本の経糸12に跨るように配置されている。従って、三次元織物11の片面に露出して配置される厚さ方向糸Zの面積が増えるため、例えば樹脂を含浸させて使用する摩擦材用の織物材として、摩擦面に露出する厚さ方向糸Zの量が増えて接触面積を増やすことができる。
(6)三次元織物11の製織方法は、第1挿入工程と第2挿入工程とを繰り返すことを基本としている。第1挿入工程は、複数層に配列された各層の経糸12をそれぞれ各層毎に独立して経糸層13の幅方向に、それぞれ所定ピッチ移動させた状態で、経糸12間に厚さ方向糸Zを厚さ方向糸挿入具23を使用して、経糸12と直交する方向に配列される抜け止め糸14で抜け止めした状態で折り返すように挿入する。その後、各経糸12を元の位置まで幅方向に移動させる。第2挿入工程は、第1挿入工程に続いて各層の経糸12をそれぞれ各層毎に独立して経糸層13の幅方向に、それぞれ前記と異なる所定ピッチ移動させた状態で、経糸12間に厚さ方向糸Zを厚さ方向糸挿入具23を使用して、経糸12と直交する方向に配列される抜け止め糸14で抜け止めした状態で折り返すように挿入する。その後、各経糸12を元の位置まで幅方向に移動させる。従って、三次元織物を構成する各層を結合する役割を果たす厚さ方向糸Zが切れても、各層を構成する糸がばらばらになるのを抑制することができ、厚さ方向のクッション性(弾力性)を高めることができる三次元織物11を容易に製織することができる。
(7)製織装置は、各経糸層13の各経糸12と係合して各経糸12を経糸12の配列方向と直交する方向に移動可能な経糸ガイド18a〜18cと、各経糸ガイド18a〜18cをそれぞれ所定ピッチで移動させる経糸ガイド駆動手段(電気シリンダ22)とを備えている。そして、各経糸ガイド18a〜18cの移動と、厚さ方向糸挿入具23の移動との組合せによる、単純な動作の組合せで、前記三次元織物11を効率良く製織することができる。
(8)厚さ方向糸挿入具23を経糸12の配列方向に移動させる第3の駆動手段28を備えているため、厚さ方向糸挿入具23が筬の役割も果たし、筬を別に設けるより構成が簡単になる。
(9)経糸12、抜け止め糸14及び厚さ方向糸Zにアラミド繊維やPBO繊維を使用した場合、三次元織物11を強化材とした複合材で摩擦材41を構成したときに、接触面となる側の、摩擦係数、耐熱性、摩耗性等の物性が要求性能を満たす三次元織物を得るのが容易になる。
(10)経糸12、抜け止め糸14及び厚さ方向糸Zに炭素繊維を使用した場合、より耐熱性が要求される用途に用いることができる。
(第2の実施形態)
次に第2の実施形態を図7及び図8に従って説明する。この実施形態は、三次元織物11を構成する繊維束として緯糸を含んでいる点が前記第1の実施形態と異なっており、その他の構成は同じである。前記第1の実施形態と同一部分は同一符号を付して詳しい説明を省略する。
図7(a),(b)に示すように、三次元織物11は、経糸12、抜け止め糸14、厚さ方向糸Z及び耳糸Pに加えて緯糸32を有している。緯糸32は、経糸層13の間に経糸12と直交する状態に配列されている。
三次元織物11を製織する場合、図8(a)に示すように、厚さ方向糸挿入具23が待機位置に配置された状態で、図示しない緯糸挿入手段により緯糸32が織り前から孔23aに連なる厚さ方向糸Zより手前側(図8(a)における左側)に挿入される。緯糸32の挿入は、各経糸ガイド18a〜18cを所定ピッチずつ移動させる前でも、移動させた後のいずれでもよい。そして、各経糸ガイド18a〜18cの移動及び緯糸32の挿入が完了した後、図8(b)に示すように、厚さ方向糸挿入具23が経糸層13を貫通する作用位置に配置される。その他の製織動作は第1の実施形態と同じである。
この第2の実施形態においては、第1の実施形態の効果(1)〜(10)と同様の効果を有する他に次の効果を有する。
(11)三次元織物11は織物組織に緯糸32が加わったため、織物組織が安定するとともに、緯糸方向の力に対して強固になる。従って、三次元織物11を摩擦材41に適用した場合、より性能が向上する。
(第3の実施形態)
次に第3の実施形態を図9(a),(b)に従って説明する。この実施形態の三次元織物11は、厚さ方向糸Zが、織物組織の1単位において、三次元織物11の幅方向で同じ位置における全ての経糸層13の経糸12に対して前記幅方向の外側を通る部分が存在するようにように配置されている点と、耳糸Pを有しない点とが第1の実施形態の三次元織物11と異なっている。前記第1の実施形態と同一部分は同一符号を付して詳しい説明を省略する。
この三次元織物11では、厚さ方向糸Zは、2ピッチ離れて配列されている経糸12との間を蛇行するように配置されている。
三次元織物11の製織は、第1の実施形態の製織方法において、第1挿入工程及び第2挿入工程における各経糸ガイド18a〜18cの移動量が異なるだけで、他の動作は同じである。第1挿入工程で各経糸ガイド18a〜18cを移動させる際は、上層及び下層の経糸ガイド18a,18cの移動量を0ピッチとし、中層の経糸ガイド18bの移動量を左側へ3ピッチとする。また、第2挿入工程で各経糸ガイド18a〜18cを移動させる際は、上層及び下層の経糸ガイド18a,18cの移動量を左側へ3ピッチとし、中層の経糸ガイド18bの移動量を0ピッチとする。
この第3の実施形態においては、第1の実施形態の効果(1)〜(10)と同様の効果を有する他に次の効果を有する。
(12)この三次元織物11では、三次元織物11の幅方向の最も外側に配列された経糸12より外側に厚さ方向糸Zの一部が配置されるため、耳をわざわざ製織しなくても、最も外側に配列された経糸12が所定の位置に保持されて、三次元織物11の外形が保持される。
(13)第1の実施形態と異なり各経糸ガイド18a〜18cの移動量は3ピッチに限る。従って、各経糸ガイド18a〜18cを移動させる経糸ガイド駆動手段は、電気シリンダ22のように、異なる移動量に移動量の変更が容易にできるものではなく、単純な往復動作だけですむエアシリンダや油圧シリンダを使用でき、制御も簡単になる。
(第4の実施形態)
次に第4の実施形態を図10(a),(b)に従って説明する。この実施形態の三次元織物11は、厚さ方向糸Zが、各経糸層13の同じ列の経糸12間を蛇行するように配置されている点と、耳糸Pを有しない点とが第1の実施形態の三次元織物11と異なっている。前記第1の実施形態と同一部分は同一符号を付して詳しい説明を省略する。
この三次元織物11においては、厚さ方向糸Zは、織物組織の1単位において、三次元織物11の幅方向で同じ位置における全ての経糸層13の経糸12に対して前記幅方向の外側(左側)及び内側(右側)を通る部分が存在するようにように配置されている。
三次元織物11の製織は、第1の実施形態の製織方法において、第1挿入工程及び第2挿入工程における各経糸ガイド18a〜18cの移動量が異なる。第1挿入工程で各経糸ガイド18a〜18cを移動させる際は、上層及び下層の経糸ガイド18a,18cの移動量を0ピッチとし、中層の経糸ガイド18bの移動量を左側へ1ピッチとする。また、第2挿入工程で各経糸ガイド18a〜18cを移動させる際は、上層及び下層の経糸ガイド18a,18cの移動量を左側へ1ピッチとし、中層の経糸ガイド18bの移動量を0ピッチとする。
また、第1挿入工程及び第2挿入工程終了後、三次元織物11が1ピッチ分引き取られた後、第1の実施形態と異なり第2の駆動手段27による厚さ方向糸挿入具23の経糸層13の幅方向への移動を行わずに次の2回の厚さ方向糸Zの挿入工程が行われる。第1挿入工程に準じる第3挿入工程で各経糸ガイド18a〜18cを移動させる際は、上層及び下層の経糸ガイド18a,18cの移動量を0ピッチとし、中層の経糸ガイド18bの移動量を右側へ1ピッチとする。また、第2挿入工程に準じる第4挿入工程で各経糸ガイド18a〜18cを移動させる際は、上層及び下層の経糸ガイド18a,18cの移動量を右側へ1ピッチとし、中層の経糸ガイド18bの移動量を0ピッチとする。その結果、厚さ方向糸挿入具23を経糸層13の幅方向への移動を行わずに、第1挿入工程及び第2挿入工程で厚さ方向糸Zにより結合された経糸12の左側に配列されている経糸12を結合するように厚さ方向糸Zが配列される。
この第4の実施形態においては、第1の実施形態の効果(1)〜(10)と、第3の実施形態の効果(12)と同様の効果を有する他に次の効果を有する。
(14)同じ経糸12に対して厚さ方向糸Zが外側及び内側に配置されるため、厚さ方向糸Zによる外径保持性が第3の実施形態より向上する。
(15)各経糸ガイド18a〜18cの移動量は1ピッチに限るため、各経糸ガイド18a〜18cを移動させる経糸ガイド駆動手段は、電気シリンダ22のように移動量の変更が容易にできるものではなく、単純な往復動作だけですむエアシリンダや油圧シリンダを使用でき、制御も簡単になる。また、第3の実施形態より経糸ガイド駆動手段を小型化できる。
(16)第2挿入工程終了後、三次元織物11が1ピッチ分引き取られた後に各厚さ方向糸挿入具23を1ピッチ分移動させずに、製織サイクル後半の厚さ方向糸Zの挿入が行われるため、第2の駆動手段27が不要となり、製織装置の構成が簡単になる。
(第5の実施形態)
次に第5の実施形態を図11〜図14に従って説明する。この実施形態の三次元織物11は、抜け止め糸が複数の経糸層の一方の側だけでなく、経糸層の間にもそれぞれ経糸と直交するように配列されている点が第1の実施形態の三次元織物11と異なっている。前記第1の実施形態と同一部分は同一符号を付して詳しい説明を省略する。
図11及び図12(a),(b)に示すように、三次元織物11は、複数本の経糸12が平行に配列されて形成されるとともに、互いに平行に配置された複数(この実施形態では3層)の経糸層13を厚さ方向糸Zで結合することにより構成されている。複数の経糸層13の一方の側(図11及び図12(a),(b)の下側)及び経糸層13の間に経糸12と直交するように抜け止め糸14,34,35が配列されている。厚さ方向糸Zは、前記複数の経糸層13の他方の側から各経糸層13を貫通するとともに、抜け止め糸14,34,35で抜け止めされた状態で折り返すようにして経糸12と直交する面内に配列されている。
図11に示すように、厚さ方向糸Zは隣接する経糸層13間を蛇行するように、かつ抜け止め糸14,34,35で抜け止めされて折り返した部分が、同じ経糸12に対して折り返す前に配列された部分と同じ側に位置するように配置されている。即ち、厚さ方向糸Zは、経糸層13間の幅方向(経糸12と直交する方向)に延びながら所定の経糸12の箇所で延びる向きを変えて、三次元織物11の一方から他方へ通るように配置されている。
厚さ方向糸Zは、織物組織の1単位において、1本の厚さ方向糸Zが三次元織物11の幅方向(図12(a)の左右方向)において異なる位置に配列された経糸12間に跨るように配置されている。また、厚さ方向糸Zは、少なくとも抜け止め糸14が配列された側と反対側で複数本(この実施の形態では3本)の経糸12に跨るように配置されている。
この実施形態の三次元織物11においては、織物組織の1単位は、厚さ方向糸Zが3層の経糸層13を2回貫通するように配列された部分と、2層の経糸層13を2回貫通するように配列された部分と、1層の経糸層13を2回貫通するように配列された部分とを備えている。具体的には図11に示すように、上層の経糸12の左側を通った後、その経糸12と同じ列に配置された中層の経糸12の右側を通り、該経糸12の下側の経糸12の左側を通った後、抜け止め糸14で折り返して、折り返し前と同じ配置で上層の経糸12より上方に至る1往復分の部分36aを有する。また、部分36aに連続し、上層の3本の経糸12を跨ぐように配列された後、3本目の経糸12の右側を通り、その経糸12と同じ列に配置された中層の経糸12の左側を通り、中層の経糸12の下側に配列された抜け止め糸34で折り返して、折り返し前と同じ配置で上層の経糸12より上方に至る部分36bを有する。図12(b)に示すように、部分36bは、部分36aの配置位置より1ピッチ分ずれた位置で中層の経糸12の下側に配列された抜け止め糸34で折り返す。また、部分36bに連続し、上層の2本の経糸12を跨ぐように配列された後、2本目の経糸12の左側を通った後、その経糸12の下側において、部分36bが折り返した抜け止め糸34の配列位置から1ピッチ分ずれた位置に配列された抜け止め糸35で折り返して、1本目の経糸12を跨ぐように配列された部分36cを有する。
なお、図12(a)においては、折り返し状態に配列された厚さ方向糸Z(部分36a,36b,36c)が1本に図示されている。
この実施形態の三次元織物11を製織する場合に使用する製織装置は、前記第1の実施形態で使用された製織装置と基本的には同じ構成である。しかし、抜け止め糸挿通針29が各経糸層13の下方においてそれぞれ抜け止め糸14,34,35を配列可能に装備されている点と、図14(a),(b)に示すように、厚さ方向糸挿入具23の孔23aより先端部側の長さが長く形成されている点とが異なる。
厚さ方向糸挿入具23は、厚さ方向糸Zが折り返すべき抜け止め糸に対応する経糸層13より下方に凹部23bが位置する状態となるまで挿入された後、経糸保持部17に近づく方向へ所定量移動されて筬の役割を果たしながら織り前まで移動する。その際、第1の実施形態のように厚さ方向糸Zが常に下層の経糸層13の下方に配列された抜け止め糸14で折り返す位置(図14(a)の位置)まで厚さ方向糸挿入具23が挿入されるのであれば問題はない。しかし、厚さ方向糸Zが中層の経糸層13の下方に配列された抜け止め糸34で折り返す位置あるいは図14(b)に示すように、厚さ方向糸Zが上層の経糸層13の下方に配列された抜け止め糸35で折り返す位置まで厚さ方向糸挿入具23が挿入された場合、厚さ方向糸挿入具23の孔23aより先端部側が短いと問題が生じる。
なぜならば、厚さ方向糸挿入具23の孔23aより先端部側が短いと、厚さ方向糸挿入具23が経糸保持部17側へ移動する際に、それまでに配列された抜け止め糸14に対して押圧力を作用させることができず、筬としての役割を果たせない。しかし、この実施形態では、厚さ方向糸Zが上層の経糸層13の下方に配列された抜け止め糸35で折り返す位置まで厚さ方向糸挿入具23が挿入された場合においても厚さ方向糸挿入具23の孔23aより先端部側の部分が抜け止め糸14に押圧力を作用させることが可能な長さに形成されているため、筬としての役割を果たすことができる。
その結果、厚さ方向糸Zと抜け止め糸14,34,35との関係を模式的に示すと、この実施形態の三次元織物11においては、図13(b)に示すように、下層の経糸層13と対応する抜け止め糸14、中層の経糸層13と対応する抜け止め糸34及び上層の経糸層13と対応する抜け止め糸35のピッチが狭くなる。一方、第1の実施形態の場合は、図13(a)に示すように、抜け止め糸のピッチがこの実施形態に比較して広くなる。
この実施形態においては、第1の実施形態の効果(1)〜(10)と同様の効果を有する他に次の効果を有する。
(17)三次元織物11は、経糸層13の一方の側及び経糸層13の間にそれぞれ配置された抜け止め糸14,34,35が、経糸12の配列方向(経糸12の延びる方向)において異なる位置に配置されるように構成されている。従って、三次元織物11全体として抜け止め糸のピッチを、全ての抜け止め糸が経糸層の一方の側に配置された構成に比較して狭くすることができ、織物組織が安定するとともに強固になる。
(18)三次元織物11を製織する際、厚さ方向糸Zを複数の経糸層13の一方の側及び経糸層13の間にそれぞれ経糸12と直交するように配列された抜け止め糸14,34,35で折り返すように厚さ方向糸挿入具23が経糸層13に挿入される毎に、厚さ方向糸挿入具23に筬打ち動作に相当する動きをさせる。従って、経糸12の配列方向における厚さ方向糸Zの密度を高くすることができる。
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば次のように構成してもよい。
○ 図15(a),(b)に示すように、厚さ方向糸Zが1ピッチ離れて配列されている中層の経糸12との間を蛇行するように配置される構成としてもよい。この三次元織物11の製織は、第1の実施形態の製織方法において、第1挿入工程及び第2挿入工程における各経糸ガイド18a〜18cの移動量が異なるだけで、他の動作は同じである。第1挿入工程において各経糸ガイド18a〜18cを移動させる際は、上層及び下層の経糸ガイド18a,18cの移動量を0ピッチとし、中層の経糸ガイド18bの移動量を左側へ2ピッチとする。また、第2挿入工程において各経糸ガイド18a〜18cを移動させる際は、上層及び下層の経糸ガイド18a,18cの移動量を左側へ3ピッチとし、中層の経糸ガイド18bの移動量を左側へ1ピッチとする。
○ 図16(a),(b)に示すように、厚さ方向糸Zが各経糸層13の同じ列の経糸12間を蛇行するように配置されるとともに、前記各実施形態と異なり、経糸12と直交する平面内に配列される厚さ方向糸Zが経糸12間に1列置きではなく、各経糸12間に配列された構成としてもよい。この三次元織物11は、織物組織の1単位の構成は第4の実施形態の三次元織物11と同じで、厚さ方向糸Zの配列密度が2倍である点が異なる。従って、この三次元織物11は、第4の実施形態の三次元織物11と同様の効果を有する他に、厚さ方向糸Zの挿入密度が高いため、強度が向上する。
○ 図16(a),(b)に示す構成の三次元織物11の製織方法として、三次元織物11が1ピッチ分引き取られた後、第1の実施の形態と同様に厚さ方向糸挿入具23を第2の駆動手段27で経糸12の1ピッチ分移動させた後、第3挿入工程及び第4挿入工程を実施するようにしてもよい。
○ 厚さ方向糸Zが各経糸層13の同じ列の経糸12間を蛇行するように配置されるとともに、経糸12と直交する平面内に配列される厚さ方向糸Zが経糸12間に1列置きではなく、各経糸12間に配列された構成として、図16(a)に示す構成又は図16(b)に示す構成のみで構成される三次元織物11としてもよい。
○ 三次元織物11を構成する経糸層13の層数は複数であればよく、3層に限らずに三次元織物11に対する要求性能に対応して変更してもよく、例えば、図16(c),(d)に示すように経糸層13が2層であってもよい。この三次元織物11の製織は、第1の実施形態とほぼ同様に行われ、第1挿入工程において上層の経糸ガイドの移動量を0ピッチとし、下層の経糸ガイドの移動量を左側へ2ピッチとする。また、第2挿入工程において上層の経糸ガイドの移動量を左側へ3ピッチとし、下層の経糸ガイドの移動量を左側へ1ピッチとする。
○ 三次元織物11は、図17(a),(b)に示すように経糸層13が4層であってもよい。この三次元織物11の製織は、第1の実施形態とほぼ同様に行われ、第1挿入工程において上層及び中2層の経糸ガイドの移動量を0ピッチとし、中1層及び下層の経糸ガイドの移動量を左側へ2ピッチとする。また、第2挿入工程において上層及び中2層の経糸ガイドの移動量を左側へ3ピッチとし、中1層及び下層の経糸ガイドの移動量を左側へ1ピッチとする。
○ 第1の実施形態と同様な織物組織以外の織物組織に緯糸32を加えた構成としてもよい。また、緯糸32は全ての経糸層13の間に配列される必要はなく、緯糸32の配列層が1層であってもよい。しかし、第5の実施形態の三次元織物11のように抜け止め糸が経糸層13の一方の側だけでなく経糸層13の間にも配列される構成の三次元織物では、緯糸は必要ない。
○ 抜け止め糸が経糸層13の一方の側及び経糸層13の間に配列される構成の三次元織物も、第5の実施形態の三次元織物11のように経糸層13が3層の構成に限らず、2層あるいは4層以上の構成であってもよい。例えば、2層構成の三次元織物11においては、織物組織の1単位は、図18(a),(b)に示すように、厚さ方向糸Zが上層の経糸12の左側を通って、上層の経糸層13の下側に配列された抜け止め糸35で折り返して、折り返し前と同じ配置で上層の経糸12より上方に至る1往復分の部分37aを有する。また、部分37aに連続し、上層の3本の経糸12を跨ぐように配列された後、3本目の経糸12の右側を通って折り返し、その経糸12の下側を通り、下層の2本目の経糸12の左側を通った後、下層の経糸12の下側に配列された抜け止め糸14で折り返して、折り返し前と同じ配置で上層の経糸12より上方に至る部分37bを有する。図18(a)に示すように、部分37bは、部分37aの配置位置より1ピッチ分ずれた位置で下層の経糸12の下側に配列された抜け止め糸14で折り返す。
○ 第5の実施形態の三次元織物11のように抜け止め糸が経糸層13の一方の側だけでなく経糸層13の間にも配列される構成において、全ての経糸層13の間にそれぞれ抜け止め糸を配列する必要はない。経糸層13がN層(Nは3以上の自然数)の場合、抜け止め糸は、経糸層の一方の側に配列される抜け止め糸14に加えて、(N−1)箇所の経糸層13の間の少なくとも一つに抜け止め糸が配列される構成であればよい。例えば、経糸層13が3層の場合、経糸層の一方の側に配列される抜け止め糸14に加えて、上層の経糸層13の下側に配列される抜け止め糸35だけ、あるいは中層の経糸層13の下側に配列される抜け止め糸34だけとしてもよい。
○ 緯糸32が織物組織を構成する場合は、厚さ方向糸Zは、織物組織の1単位において、1本の厚さ方向糸Zが三次元織物11の幅方向において異なる位置に配列された経糸12間に跨るように配置されていなくてもよい。例えば、第4の実施形態のように厚さ方向糸Zが、三次元織物11の幅方向で同じ位置における全ての経糸層13の経糸12に対して前記幅方向の外側及び内側を通る部分が存在するようにように配置されている構成で、緯糸32も織物組織に加わる構成とした場合、厚さ方向糸Zが異なる列の経糸12間に跨るように配列される必要はない。なぜならば、経糸層13の幅方向の結合を緯糸32によって確保することができるからである。しかし、厚さ方向糸Zが三次元織物11の幅方向において異なる位置に配列された経糸12間に跨るように配置されるとともに、緯糸32も含む構成の方が強度が高くなる。
○ 厚さ方向糸Zが抜け止め糸14の配列面と反対側において経糸12と直交する方向に配列される長さは、経糸12の3ピッチ分以上であってもよい。この場合、三次元織物11を摩擦材として使用する際に、摩擦面に現れる厚さ方向糸Zの面積をより多くすることができる。
○ 三次元織物11は、その全長にわたって同じ織物組織で構成されたものに限らず、複数の織物組織が混在する構成としてもよい。
○ 第1の実施形態の三次元織物11のように、幅方向の端部に配置される経糸12の外側に厚さ方向糸Zが配置されない織物組織であっても、必ずしも耳糸Pを設けなくてもよい。この場合、三次元織物11にその経糸12は含まれなくなるが、経糸12の本数が多い場合、三次元織物11の物性に殆ど影響しない。
○ 耳糸挿入具30を厚さ方向糸挿入具23と独立して移動可能に構成し、耳糸Pを三次元織物11の端部において経糸12の外側のみを通過するように配置してもよい。
○ 三次元織物11は、隣接する経糸層13の間に経糸12に対して斜めに交差するように配列されたバイアス糸が配列された構成としてもよい。また、緯糸32とバイアス糸の両方を含む構成としてもよい。
○ 経糸ガイド18a〜18cは、各経糸層13の各経糸12と係合して各経糸12を経糸12の配列方向と直交する方向に移動可能な構成であればよく、必ずしも一定間隔で経糸12の本数以上の孔21を有する構成に限らない。例えば、孔21に代えて、経糸12のピッチと対応する間隔で溝を設けたり、係止ピンを設けてもよい。
○ 三次元織物11を製織する際、複数本の厚さ方向糸Zに対応して設けられた複数の厚さ方向糸挿入具23を複数のグループに分け、グループ毎に経糸層13への厚さ方向糸挿入動作が行われるようにしてもよい。この場合、経糸12の配列間隔が狭く、厚さ方向糸挿入具23の数が多い場合でも、厚さ方向糸挿入具23が円滑に経糸層13を貫通するように経糸12間に挿入することができる。
○ 経糸保持部17は板状に限らず、製織された三次元織物11を巻き取り可能な形状、例えば円柱状や円筒状であってもよい。三次元織物11が可撓性を有し巻き取り可能な場合、三次元織物11を巻き取る方が製織装置の設置に必要な面積を小さくできる。
○ 経糸ガイド駆動手段は電気シリンダ22に限らず、経糸ガイド18a〜18cを所定ピッチ移動させることができる構成であればよく、例えば、リニアアクチュエータ、エアシリンダ、油圧シリンダ等を使用してもよい。所定ピッチの大きさが複数の場合は、エアシリンダや油圧シリンダより電気シリンダ22やリニアアクチュエータの方が精度良く制御するのが容易である。
○ 厚さ方向糸挿入具23は凹部23bを備えていなくてもよい。
○ 第1の駆動手段24は、厚さ方向糸挿入具23をエアシリンダ25で作用位置と、待機位置とに移動させる構成に限らず、エアシリンダ25に代えて、例えばボールねじ機構を備えた構成やリニアアクチュエータを備えた構成としてもよい。
○ 第3の駆動手段28はなくてもよい。筬打ちの機能を別に設けた専用の装置で行う構成としてもよい。
○ 抜け止め糸配置手段は抜け止め糸挿通針29のように、経糸層13を挟んで反対側にある抜け止め糸供給部から抜け止め糸14を引き戻す構成に限らない。例えば、シャトルで抜け止め糸14を経糸層13と厚さ方向糸Zの間に挿入して配置する構成としてもよい。
○ 製織装置は、経糸12が上下方向に延びるように配列された状態で製織を行う構成としてもよい。この場合、厚さ方向糸挿入具23は水平方向に往復移動して厚さ方向糸Zの挿入動作が行われる。
○ 経糸12が水平方向に配列された場合でも、厚さ方向糸挿入具23は必ずしも上下方向に往復動する構成に限らず、水平方向に往復動する構成としてもよい。
〇 三次元織物11を構成する繊維は、アラミド繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維(PBO繊維)、炭素繊維に限らず、三次元織物11の使用条件に応じて他の繊維としてもよい。
○ 三次元織物11を構成する繊維束として、異なる材質の繊維を混合した繊維束を使用してもよい。この場合、摩擦材41としたときの接触面となる側の、摩擦係数、耐熱性、摩耗性等の物性を要求性能に合わせて調整するのが容易になる。また、三次元織物11を摩擦材41以外の用途に使用する場合でも、三次元織物11の物性を要求性能に合わせて調整するのが容易になる。
〇 三次元織物11を構成する経糸12、抜け止め糸14、厚さ方向糸Z及び緯糸32を全て同じ材質の繊維束で形成する必要はない。例えば、炭素繊維を経糸12及び緯糸32に使用し、厚さ方向糸Zにアラミド繊維やPBO繊維を使用する。アラミド繊維やPBO繊維は曲げに強いが静電気を発生し易く、帯電し易い。一方、炭素繊維は静電気が発生し難く帯電し難いが曲げに弱い。従って、曲げに弱い炭素繊維を経糸12や緯糸32に使用することにより、静電気の悪影響を受け難く、製織装置により、良好な三次元織物11が得られる。
○ 三次元織物11を構成する経糸12、抜け止め糸14、厚さ方向糸Z及び緯糸32に同じ太さの繊維束を使用する必要はない。また、経糸12も経糸層13によって太さを変更してもよい。
○ 経糸12、抜け止め糸14、厚さ方向糸Z及び緯糸32の太さを変える場合、繊維束を構成するフィラメントの本数を変える代わりに、本数は変えずにフィラメント自身の太さを変えてもよい。
○ 三次元織物11に含浸させる熱硬化性樹脂として、フェノール樹脂に限らず、変性フェノール樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂等の他の熱硬化性樹脂を使用してもよい。
○ 三次元織物11を摩擦材41として使用する場合、第1の実施形態のように、三次元織物11に熱硬化成樹脂が含浸、硬化されて形成されたシート40から、プレスにより円環状の摩擦材41を打ち抜いて使用する代わりに、図19(a)に示すような、扇状の摩擦材片41aをリング42に貼り付けて摩擦材としてもよい。第1の実施形態のように摩擦材41を円環状に打ち抜いて摩擦材41を形成した場合、繊維の配列を模式的に表すと図19(b)のようになる。そのため、回転方向に対する繊維の配列方向(織布の織目の方向)が場所によって異なり、摩擦材41に作用する抵抗が場所によって異なる状態となる。しかし、この実施形態のように、各摩擦材片41aの繊維の配列方向がリング42の中心に対して同じとなるように環状に貼り付けることにより、回転方向に対する抵抗を安定させることができる。また、摩擦材片41aの圧接面の繊維の配列方向を変えることにより、抵抗の強さを調整できる。例えば、図19(a)のように繊維の配列方向が回転方向とほぼ同方向の場合は抵抗が小さくなり、繊維の配列方向を回転方向とほぼ直交する方向とすれば抵抗は最大となる。
○ 三次元織物11は、摩擦材41として使用する使用方法に限らず、摩擦材以外の複合材の補強材(骨格材)として使用したり、フィルタとして使用したり、動力伝達用のベルト、例えば、Vベルトに使用したりしてもよい。
以下の技術的思想(発明)は前記実施の形態から把握できる。
(1)請求項1及び請求項3〜請求項5のいずれか一項に記載の発明において、前記経糸層の間に緯糸が配列されている。
(2)請求項1〜請求項5及び前記技術的思想(1)のいずれか一項に記載の発明において、前記経糸層の間に経糸に対して斜めに交差するように配列されたバイアス糸が存在する。
(a)は第1の実施形態の三次元織物の部分模式斜視図、(b),(c)は同じく三次元織物の織物組織の模式図。 三次元織物の製織状態を示す模式斜視図。 (a)〜(d)は製織作用を示す模式図。 (a)〜(d)は製織作用を示す模式図。 (a),(b)は製織作用を示す模式側面図。 シート状の中間製品から摩擦材を打ち抜いた状態の模式斜視図。 (a),(b)は第2の実施形態の三次元織物の織物組織の模式図。 (a),(b)は同じく製織作用を示す模式側面図。 (a),(b)は第3の実施形態の三次元織物の織物組織の模式図。 (a),(b)は第4の実施形態の三次元織物の織物組織の模式図。 第5の実施形態の三次元織物の部分模式斜視図。 (a)は図11において三次元織物を経糸の延びる方向から見た模式図、(b)は同じく抜け止め糸の延びる方向から見た模式図。 (a)は抜け止め糸が経糸層の一方の側にのみ配列された三次元織物の模式図、(b)は抜け止め糸が経糸層の間にも配列された三次元織物の模式図。 (a),(b)は製織作用を示す模式図。 (a),(b)は別の三次元織物の織物組織の模式図。 (a),(b)は別の三次元織物の織物組織の模式図、(c),(d)は別の三次元織物の織物組織の模式図。 (a),(b)は別の三次元織物の織物組織の模式図。 (a)は別の三次元織物の模式斜視図、(b)はその織物組織の模式図。 (a)は摩擦材の別の構成を示す模式図、(b)は円環状の摩擦材の繊維の配列を示す模式図。
符号の説明
Z…厚さ方向糸、11…三次元織物、12…経糸、13…経糸層、14,34,35…抜け止め糸、15a,15b,15c,15d,36a,36b,36c,37a,37b…部分、16…経糸供給手段、17…経糸保持部、18a,18b,18c…経糸ガイド、22…経糸ガイド駆動手段としての電気シリンダ、23…厚さ方向糸挿入具、23a…孔、24…第1の駆動手段、27…第2の駆動手段、29…抜け止め糸配置手段としての挿通針、41…摩擦材。

Claims (9)

  1. 互いに平行に配置された複数の経糸層と、
    前記複数の経糸層の一方の側に経糸と直交するように配列された抜け止め糸と、
    前記複数の経糸層の他方の側から各経糸層を貫通するとともに、前記抜け止め糸で抜け止めされた状態で折り返すように前記経糸と直交する面内に配列される複数本の厚さ方向糸と
    を少なくとも有し、
    前記厚さ方向糸は隣接する経糸層間を蛇行するように、かつ前記抜け止め糸で抜け止めされて折り返した部分が、同じ経糸に対して折り返す前に配列された部分と同じ側に位置するように配置されている三次元織物。
  2. 互いに平行に配置された複数の経糸層と、
    前記複数の経糸層の一方の側及び前記経糸層の間にそれぞれ経糸と直交するように配列された抜け止め糸と、
    前記複数の経糸層の他方の側から経糸層を貫通するとともに、前記抜け止め糸で抜け止めされた状態で折り返すように前記経糸と直交する面内に配列される複数本の厚さ方向糸と
    を少なくとも有し、
    前記厚さ方向糸は隣接する経糸層間を蛇行するように、かつ前記抜け止め糸で抜け止めされて折り返した部分が、同じ経糸に対して折り返す前に配列された部分と同じ側に位置するように配置されている三次元織物。
  3. 前記厚さ方向糸は、織物組織の1単位において、1本の厚さ方向糸が三次元織物の幅方向において異なる位置に配列された経糸間に跨るように配置されている請求項1又は請求項2に記載の三次元織物。
  4. 前記厚さ方向糸は、織物組織の1単位において、三次元織物の幅方向で同じ位置における全ての経糸層の経糸に対して前記幅方向の外側を通る部分が存在するようにように配置されている請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の三次元織物。
  5. 前記厚さ方向糸は、少なくとも前記抜け止め糸が配列された側と反対側で複数本の経糸に跨るように配置されている請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の三次元織物。
  6. 経糸層が複数平行に配置され、前記複数の経糸層が、各経糸層を貫通するとともに、前記経糸層の一方の側に経糸と直交する方向に配列された抜け止め糸で抜け止めされた状態で折り返すように配列された厚さ方向糸により結合された三次元織物の製織方法であって、
    前記複数層に配列された各層の経糸をそれぞれ各層毎に独立して経糸層の幅方向に、それぞれ所定ピッチ移動させた状態で、経糸間に厚さ方向糸を厚さ方向糸挿入具を使用して、経糸と直交する方向に配列される抜け止め糸で抜け止めした状態で折り返すように挿入し、その後、各経糸を元の位置まで幅方向に移動させる第1挿入工程と、第1挿入工程に続いて各層の経糸をそれぞれ各層毎に独立して経糸層の幅方向に、それぞれ前記と異なる所定ピッチ移動させた状態で、経糸間に厚さ方向糸を厚さ方向糸挿入具を使用して、経糸と直交する方向に配列される抜け止め糸で抜け止めした状態で折り返すように挿入し、その後、各経糸を元の位置まで幅方向に移動させる第2挿入工程と、第2挿入工程に続いて織物を1ピッチ分引き取った後、厚さ方向糸挿入具を経糸層の幅方向に経糸の1ピッチ分移動させた後、前記第1挿入工程及び第2挿入工程と同じ動作を繰り返し、その後、厚さ方向糸挿入具を経糸層の幅方向に経糸の1ピッチ分、前記と逆方向に移動させる操作を繰り返すようにした三次元織物の製織方法。
  7. 前記複数本の厚さ方向糸に対応して設けられた複数の厚さ方向糸挿入具は、複数のグループに分けられ、グループ毎に経糸層への厚さ方向糸挿入動作が行われる請求項6に記載の三次元織物の製織方法。
  8. 複数本の経糸を供給する経糸供給手段と、
    複数本の経糸を複数層に配列した状態で保持可能な経糸保持部と、
    前記複数層の経糸層の経糸の配列位置毎に設けられ、各経糸層の各経糸と係合して各経糸を経糸の配列方向と直交する方向に移動可能な経糸ガイドと、
    前記各経糸ガイドをそれぞれ所定ピッチ移動させる経糸ガイド駆動手段と、
    前記複数層の経糸層に厚さ方向糸を挿入するため、先端側に厚さ方向糸挿通用の孔を備えた複数本の厚さ方向糸挿入具と、
    前記厚さ方向糸挿入具を前記経糸層を貫通可能な作用位置と、前記経糸層に係合不能な待機位置とに移動させる第1の駆動手段と、
    前記厚さ方向糸挿入具を経糸の配列方向と直交する方向に移動させる第2の駆動手段と、
    前記厚さ方向糸挿入具が作用位置に配置された状態で厚さ方向糸と経糸層との間に、抜け止め糸を配置する抜け止め糸配置手段と
    を備えた三次元織物の製織装置。
  9. 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の三次元織物を強化材とし、熱硬化成樹脂をマトリックスとした複合材で形成された摩擦材。
JP2005300184A 2004-10-15 2005-10-14 三次元織物、三次元織物の製織方法及び三次元織物の製織装置並びに摩擦材 Expired - Fee Related JP4568204B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005300184A JP4568204B2 (ja) 2004-10-15 2005-10-14 三次元織物、三次元織物の製織方法及び三次元織物の製織装置並びに摩擦材

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004301801 2004-10-15
JP2005300184A JP4568204B2 (ja) 2004-10-15 2005-10-14 三次元織物、三次元織物の製織方法及び三次元織物の製織装置並びに摩擦材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006138059A JP2006138059A (ja) 2006-06-01
JP4568204B2 true JP4568204B2 (ja) 2010-10-27

Family

ID=36619057

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005300184A Expired - Fee Related JP4568204B2 (ja) 2004-10-15 2005-10-14 三次元織物、三次元織物の製織方法及び三次元織物の製織装置並びに摩擦材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4568204B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0433674U (ja) * 1990-07-10 1992-03-19
JP2000028296A (ja) * 1998-07-07 2000-01-28 Toyota Autom Loom Works Ltd 防弾部材及び防弾衣
JP2001513855A (ja) * 1997-03-03 2001-09-04 ビテアム アクチボラゲット 網状構造様の3次元織物
JP2003506580A (ja) * 1999-07-31 2003-02-18 カー・イュー・ルーベン・リサーチ・アンド・ディベロップメント 三次元サンドイッチプリフォームおよびそれを提供する方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2791875B2 (ja) * 1996-01-31 1998-08-27 川崎重工業株式会社 高含浸性三次元織物、並びに該織物を用いた炭素繊維強化複合材料及びセラミックス系複合材料

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0433674U (ja) * 1990-07-10 1992-03-19
JP2001513855A (ja) * 1997-03-03 2001-09-04 ビテアム アクチボラゲット 網状構造様の3次元織物
JP2000028296A (ja) * 1998-07-07 2000-01-28 Toyota Autom Loom Works Ltd 防弾部材及び防弾衣
JP2003506580A (ja) * 1999-07-31 2003-02-18 カー・イュー・ルーベン・リサーチ・アンド・ディベロップメント 三次元サンドイッチプリフォームおよびそれを提供する方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006138059A (ja) 2006-06-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2288296C (en) Woven material comprising tape-like warp and weft and an aid for producing the same
US9926651B2 (en) Method and means for weaving, 3D fabric items thereof and their use
EP1944398A2 (en) Reinforcing woven fabric and method and apparatus for manufacturing the same
JPH04108137A (ja) 結合部材用三次元織物
JP2019505695A (ja) 導電性布、導電性布の製造方法、およびその装置
US5143569A (en) Method for manufacturing a three dimensional laminate from double pile fabrics
JP2022182789A (ja) 繊維構造体、及び繊維強化複合材
WO2018179878A1 (ja) 繊維構造体及び繊維強化複合材
JP4568204B2 (ja) 三次元織物、三次元織物の製織方法及び三次元織物の製織装置並びに摩擦材
US20030217780A1 (en) Three-dimensional woven fabric manufacturing method and apparatus
JP2010018909A (ja) 強化繊維織物とその製織方法
JP2007023449A (ja) 多層織物及び摩擦材並びにフィルター
KR101319361B1 (ko) 통합형 다층 직물의 형성 방법 및 그 장치
JP2005089877A (ja) 三次元織物及びその製造方法並びに摩擦材
JP2011073402A (ja) 繊維強化複合材料のプリフォーム及びその製造方法
WO2013035518A1 (ja) 織物基材及び繊維強化複合材料
JPH055242A (ja) 筒状多層織物とその製造方法
JP3518388B2 (ja) レピア織機における緯入れ装置及びレピアバンド
KR19980042060A (ko) 레이피어직기용 캐리어테이프 및 섬유구조체
JPH10130994A (ja) レピア織機用キャリアテープ及び繊維構造体
JP3225323B2 (ja) 螺旋状織物織機のテークアップ装置
JPH04370243A (ja) 結合部材用三次元織物の製造方法
JPH05106140A (ja) 三次元織物の製造方法
JP2023167846A (ja) 繊維強化複合材用繊維構造体及び繊維強化複合材
JP2008297637A (ja) 製紙用シーム付きフェルト

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080304

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100728

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100803

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100806

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130813

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees