以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。なお、以下の実施の形態では、パチンコ遊技機を例に説明を行うが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、スロット機などの他の遊技機に適用することもできる。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、所定の始動条件の成立(例えば、打球が始動入賞口14に入賞したこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の飾り図柄を可変表示し表示結果を導出表示する可変表示装置9が配置されている。この実施の形態では、可変表示装置9は液晶表示装置(LCD)により構成され、左・中・右の3つの表示領域(飾り図柄表示エリア)に飾り図柄が表示制御されるように構成されている。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄を停止表示させることである(いわゆる再変動の前の停止を除く。)。
この実施の形態では、可変表示装置9の3つの表示領域に表示される飾り図柄として、「0」〜「9」の数字の図柄を用いている。飾り図柄の可変表示(変動)中、「0」〜「9」の飾り図柄が番号順に表示される。
可変表示装置9の上部には、識別情報としての特別図柄を可変表示する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8が設けられている。この実施の形態では、特別図柄表示器8は、例えば「0」〜「9」の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。特別図柄表示器8は、遊技者に特定の停止図柄を把握しづらくさせるために、「0」〜「99」など、より多種類の数字を可変表示するように構成されていてもよい。
可変表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の可変表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。飾り図柄の可変表示を行う可変表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示器8は、遊技制御基板に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。
可変表示装置9の下部には、始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数を表示する4つの表示器からなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。有効始動入賞がある毎に、1つの表示器の表示色を変化させる。そして、特別図柄表示器8の可変表示が開始される毎に、1つの表示器の表示色をもとに戻す。この例では、特別図柄表示器8と特別図柄保留記憶表示器18とが別個に設けられているので、可変表示中も保留記憶数が表示された状態にすることができる。なお、可変表示装置9の表示領域内に、保留記憶数を表示する4つの表示領域からなる特別図柄保留記憶表示領域を設けるようにしてもよい。また、この実施の形態では、保留記憶数の上限値を4とするが、上限値をより大きい値にしてもよい。さらに、上限値を、遊技状態に応じて変更可能であるようにしてもよい。
可変表示装置9の下方には、遊技球が入賞可能な始動入賞口14が設けられている。始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。また、始動入賞口14には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16(図1では図示せず)によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が始動入賞口14に入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。
始動入賞口14の下方には、特別図柄表示器8に特定表示結果(大当り図柄:例えば「0」〜「9」のうちの「7」の図柄)が導出表示された場合に生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開状態とされる特別可変入賞装置が設けられている。特別可変入賞装置は、開閉板20を備え、大入賞口を形成する。大入賞口に入った遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
可変表示装置9の真上には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、複数の入賞口29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33,39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。各入賞口29,30,33,39は、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口14や大入賞口も、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
また、左側のスピーカ27の下方には、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、右側のスピーカ27の下方には、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。さらに、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニットが、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている(図示せず)。
この実施の形態では、打球操作ハンドル5の真上に、遊技者が操作可能な操作手段としてのボタン120が設けられている。このボタン120は、後述する大当り図柄の確変図柄への図柄昇格演出(図29〜図30参照)の実行中に遊技者によって操作される。なお、この実施の形態において、ボタン120のことを図柄昇格ボタンという。図柄昇格ボタン120が遊技者によって押されると、電極が接触することによりオン状態になって、オン信号(検出信号)が基板上に搭載されているマイクロコンピュータ(この実施の形態では演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100:図3参照)に出力される。なお、図1に示す例では、図柄昇格ボタン120は打球操作ハンドル5の真上に設けられているが、他の箇所(例えば打球供給皿3)に設けられていてもよい。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了または前回の可変表示の終了)、特別図柄表示器8において特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、可変表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、特別図柄保留記憶表示器18についての保留記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄および可変表示装置9の飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の停止図柄が大当り図柄(特定表示結果)になると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、一定時間(例えば29秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで特別可変入賞装置が開放される。なお、特別可変入賞装置が開放されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の打球が大入賞口に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。
特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示と、可変表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。ここで、同期とは、可変表示の期間が同じであることをいう。また、特別図柄表示器8において大当り図柄(「7」)が停止表示されるときには、可変表示装置9において左中右の飾り図柄が揃った状態(例えば「222」や「777」など)で停止表示される。以下、可変表示装置9において左中右の飾り図柄が揃った状態で停止表示されることを、飾り図柄の大当り図柄(特定表示結果)が表示されるというように表現する。
可変表示装置9において、例えば、左中右の奇数の飾り図柄(「1」「3」「5」「7」「9」)が揃った状態(例えば「777」)で停止表示されたときは、大当り遊技状態に移行するとともに、大当り遊技状態の終了後に、大当りの判定を行う際に通常遊技状態よりも高い確率(割合)で大当りと判定する確変状態(確率変動状態のことをいい、高確率状態ともいう)に制御される。すなわち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態になる。
このように、「0」〜「9」の飾り図柄のうち、確変状態を生起させる飾り図柄のことを確変図柄といい、確変状態を生起させない飾り図柄のことを非確変図柄という。また、可変表示装置9において確変状態を生起させる飾り図柄が揃った状態で停止表示されることを、飾り図柄の確変図柄(特別表示結果)が表示されるというように表現する。
なお、確変図柄と非確変図柄とをあらかじめ定めず、飾り図柄が揃った状態で停止表示しただけでは、確変大当りであるのか通常大当りであるのかを認識できないようにしてもよい。この場合、例えば、いずれかの飾り図柄が揃った状態で停止表示した後、大当り遊技に移行する前に、可変表示装置9の画面上に「大当り」や「確変大当り」などの文字を表示させることによって、確変大当りであるのか通常大当りであるのかを遊技者に認識させるようにしてもよい。また、確変への昇格演出を実行することに決定されている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、後述するように、遊技制御用マイクロコンピュータ100から受信した図柄特定/演出指定コマンドにもとづいて、大当り遊技に移行する前に可変表示装置9の画面上に「大当り」を仮表示し、大当り遊技の移行後に確変への昇格を報知する昇格演出を実行したり、確変への昇格の期待度を予告する予告演出を実行するようにしてもよい。このような場合であっても、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した図柄特定/演出指定コマンドにもとづいて昇格演出を実行することが指定されているか否かを確認できるので、大当り遊技の移行後において不必要に予告演出を実行する事態を防止できる。
なお、可変表示装置9において大当り図柄として確変図柄が表示されるときも非確変図柄が表示されるときも、特別図柄表示器8には同じ大当り図柄(「7」)が表示される。このように、確変大当りの場合でも非確変大当りの場合でも特別図柄表示器8には同じ大当り図柄が表示されるので、遊技者は、特別図柄表示器8に導出表示される特別図柄にもとづいて確変状態に移行するのか否か判断することができない。
この実施の形態では、確変状態のとき、普通図柄表示器10において、停止図柄が当り図柄になる確率が通常遊技状態より高められるとともに、可変入賞球装置15における開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が遊技者にとって有利な状態になる。また、確変状態では、普通図柄表示器10における普通図柄の可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態よりも短縮されることによって、遊技者にとってさらに有利になるようにしてもよい。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。この実施の形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した飾り図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない飾り図柄については可変表示(変動表示)が行われていること、および全てまたは一部の飾り図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
例えば、可変表示装置9における左、中、右の表示領域のうち左、右の表示領域には大当り図柄の一部になる飾り図柄(例えば、「7」)が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行われている状態、および表示領域の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(例えば、可変表示装置9における左、中、右の表示領域の全てに変動表示が行われ、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行われている状態)がリーチ表示態様またはリーチになる。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行われる。その演出と可変表示装置9におけるリーチ表示態様とをリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(飾り図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、可変表示装置9の背景の表示態様(例えば、色等)を変化させたりすることがある。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路(遊技制御手段に相当)53が搭載されている。基本回路53は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、およびプログラムに従って制御動作を行うCPU56を有する遊技制御用マイクロコンピュータ560と、I/Oポート部57とを含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されていてもよい。その場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560に、I/Oポート部も含まれる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。また、遊技制御手段は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を含む基本回路53で実現されている。
また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を基本回路53に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、特別可変入賞装置(開閉板20)を開閉するソレノイド21および可変入賞装置15を開閉するソレノイド16を基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、基本回路53から与えられるデータに従って、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
なお、この実施の形態では、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号は、主基板31を経由して演出制御基板80にも入力される。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、後述するように、主基板31を経由して入力したゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号、および図柄昇格ボタン120の検出信号にもとづいて、所定の予告演出の実行条件が成立したか否かを判定する。なお、始動口スイッチ14a、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を分岐して、演出制御基板80に直接入力するようにしてもよい。
この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、特別図柄を可変表示する特別図柄表示器8の表示制御を行うとともに、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10の表示制御も行う。さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄保留記憶表示器18の表示状態の制御を行うとともに、普通図柄保留記憶表示器41の表示状態の制御も行う。
遊技球を打撃して発射する打球発射装置は、発射モータ94が回転することによって遊技球を遊技領域7に向けて発射する。発射モータ94を駆動するための電源信号は、電源基板(図示せず)に搭載されている電源からタッチセンサ基板90を介して発射モータ94に供給される。なお、カードユニット50から接続信号(VL信号)がインタフェース基板66を介してタッチセンサ基板90に入力される。また、遊技者が操作ノブ(打球ハンドル)5に触れていることはタッチセンサ基板90に搭載されているタッチセンサで検出される。そして、タッチセンサからの検出信号と電源からの信号とがタッチセンサ基板90上の一のAND回路に入力され、当該一のAND回路の出力信号とカードユニット50からのVL信号とがタッチセンサ基板90上の他のAND回路に入力され、他のAND回路から発射モータ94に信号が出力される。従って、カードユニット50からのVL信号がタッチセンサ基板90に出力されていなかったり、遊技者が操作ノブ5に触れていないことによりタッチセンサから検出信号が出力されていないときは、発射モータ94の駆動が停止される。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する可変表示装置9の表示制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からのストローブ信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、LCDを用いた可変表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入出力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ25に供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入出力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、演出制御用マイクロコンピュータ100とランプドライバ基板35および音声出力基板70との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、可変表示装置9に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(飾り図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100から入力されたデータにもとづいて可変表示装置9の表示制御を実行する。
この実施の形態では、可変表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを可変表示装置9に出力する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入力ポート108を介して図柄昇格ボタン120からのオン信号を入力する。後述するように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄昇格ボタン120からのオン信号に応じて複数種類の演出装置(可変表示装置9、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する。
次に遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560:CPU56およびROM54,RAM55等の周辺回路)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS5)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。なお、割込みモード2は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(図示せず)の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS7)。その確認においてオンを検出した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、通常の初期化処理を実行する(ステップS11〜ステップS14)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。電力供給停止時処理が行われていないことを確認したら、遊技制御用マイクロコンピュータ560は初期化処理を実行する。電力供給停止時処理が行われたか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていれば電力供給停止時処理が行われたことを意味し、「55H」以外の値が設定されていれば電力供給停止時処理が行われたなかったことを意味する。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。ステップS9では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理において同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う(ステップS10)。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の退避値がPCに設定され、そのアドレスに復帰する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否かを確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS11)。また、所定の作業領域(例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、払出コマンド格納ポインタ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグ)に初期値を設定する作業領域設定処理を行う(ステップS12)。さらに、サブ基板(この実施の形態では払出制御基板37および演出制御基板80)を初期化するための初期化コマンドを各サブ基板に送信する処理を実行する(ステップS13)。初期化コマンドとして、可変表示装置9に表示される飾り図柄の初期図柄を示すコマンド等がある。
そして、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に設けられているCTCのレジスタの設定が行われる(ステップS14)。すなわち、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
初期化処理の実行(ステップS11〜S14)が完了すると、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)が繰り返し実行される。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされ(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態とされる(ステップS19)。
表示用乱数とは、特別図柄表示器8に表示される図柄を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否かを決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り決定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理において、大当り決定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされるのは、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行されることから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS17やステップS18の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値や初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS17およびステップS18の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、レジスタの退避処理(ステップS20)を行った後、図5に示すステップS21〜S31の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS22)。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS23,S24)。この実施の形態では、判定用乱数として、大当り判定用乱数の他に、確変状態に制御する(移行させる)か否か決定するための確変決定用乱数などがある。表示用乱数として、特別図柄のはずれ図柄を決定するためのはずれ図柄決定用乱数、変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数、第2昇格演出を行うか否か決定するための第2昇格決定用乱数、第2昇格演出を実行する実行時期を決定するための第2昇格実行時期決定用乱数などがある。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS25)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて特別図柄表示器8や特別可変入賞装置を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。また、特別図柄プロセス処理では、演出制御基板80に対するコマンドの設定処理も実行する。特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態等を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。普通図柄プロセス処理を実行することにより普通図柄表示器10の表示制御および可変入賞球装置15の開閉制御が実行される。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変表示装置9の表示制御に関する演出制御コマンドを送出する処理を行う(飾り図柄コマンド制御処理:ステップS27)。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS28)。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS29)。具体的には、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を作成し出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS30)。さらに、所定の条件が成立したときにソレノイド回路59に駆動指令を行う(ステップS31)。可変入賞球装置15または開閉板20を開状態または閉状態とするために、ソレノイド回路59は、駆動指令に応じてソレノイド16,21を駆動する。その後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS32)、割込許可状態に設定し(ステップS33)、処理を終了する。
なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図6は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS25)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では特別図柄表示器8を制御するための処理が実行される。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、保留記憶数が上限値に達していないことを条件に(ステップS312)、保留記憶数を示す保留記憶カウンタの値を1増やす(ステップS313)。その後、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS300〜S308のうちのいずれかの処理を行う。
なお、保留記憶カウンタの値を1増やす際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタの値等を抽出し、それらを、抽出した乱数値として保留記憶カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する。保留記憶バッファにおいて、保存領域は、保留記憶数の上限値と同数確保されている。なお、大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタや保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
特別図柄通常処理(ステップS300):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は保留記憶カウンタのカウント値により確認できる。そして、保留記憶カウンタのカウント値が0でなければ、特別図柄の可変表示の表示結果を特定表示結果とするか否か(大当りとするか否か)を決定する。特定表示結果とする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値に更新する。
特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301):特別図柄表示器8における停止図柄を決定する。また、大当りフラグがセットされていなければ、可変表示装置9の表示結果がはずれ図柄であることを指定する演出制御コマンド(はずれ指定コマンド)を演出制御基板80に送信する。大当りフラグがセットされていれば、可変表示装置9の表示結果を特別表示結果(確変図柄)にするか否か(通常大当り(非確変大当り)とするか確変大当りとするか)を決定する。通常大当りとすることに決定したときは、可変表示装置9において大当りの確変大当りへの昇格演出(詳細内容については後述する。)を実行するか否かを決定する。昇格演出を実行しないことに決定したときは、可変表示装置9の表示結果が非確変図柄であることを指定する演出制御コマンド(通常大当り指定コマンド)を演出制御基板80に送信する。昇格演出を実行することに決定したときは、昇格演出を大当り遊技状態のラウンド中(例えば、第7ラウンド中)に実行するか大当り遊技の終了後に実行するかを決定する。ラウンド中に実行することに決定したときは、可変表示装置9の表示結果が非確変図柄であることを指定するとともに、ラウンド中に昇格演出を実行することを指定する演出制御コマンド(ラウンド中昇格付き通常大当り指定コマンド)を演出制御基板80に送信する。また、大当り遊技の終了後に実行することに決定したときは、可変表示装置9の表示結果が非確変図柄であることを指定するとともに、大当り遊技の終了後に昇格演出を実行することを指定する演出制御コマンド(大当り終了後昇格付き通常大当り指定コマンド)を演出制御基板80に送信する。確変大当りとすることに決定したときには、可変表示装置9において大当りの確変大当りへの昇格演出を実行するか否かを決定する。昇格演出を実行しないことに決定したときは、可変表示装置9の表示結果が確変図柄であることを指定する演出制御コマンド(確変大当り指定コマンド)を演出制御基板80に送信する。昇格演出を実行することに決定したときは、昇格演出を大当り遊技状態のラウンド中に実行するか大当り遊技の終了後に実行するかを決定する。ラウンド中に実行することに決定したときは、可変表示装置9の表示結果が確変図柄であることを指定するとともに、ラウンド中に昇格演出を実行することを指定する演出制御コマンド(ラウンド中昇格付き確変大当り指定コマンド)を演出制御基板80に送信する。また、大当り遊技の終了後に実行することに決定したときは、可変表示装置9の表示結果が確変図柄であることを指定するとともに、大当り遊技の終了後に昇格演出を実行することを指定する演出制御コマンド(大当り終了後昇格付き確変大当り指定コマンド)を演出制御基板80に送信する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に応じた値に更新する。
変動パターン設定処理(ステップS302):特別図柄の可変表示の変動パターン(ここでは変動時間に相当)を、始動入賞発生時に抽出した変動パターン決定用乱数(表示用乱数の一つ)の値に応じてあらかじめ定められた複数種類の変動パターンの中から選択する。また、決定された変動パターンにもとづいて、特別図柄が可変表示され導出表示されるまでの可変表示時間(変動時間)を特別図柄プロセスタイマにセットした後、特別図柄プロセスタイマをスタートさせる。このとき、演出制御基板80に対して、変動パターンを指令する情報(変動パターンコマンド)を送信する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に応じた値に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS302でセットされた特別図柄プロセスタイマがタイムアウト)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に応じた値に更新する。なお、この処理では、特別図柄表示器8の表示状態を制御する処理(特別図柄表示制御処理)も実行される。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄表示器8における可変表示を停止して停止図柄を表示させる。また、可変表示装置9における飾り図柄の可変表示の停止を指定する演出制御コマンド(飾り図柄停止指定コマンド)を演出制御基板80に送信する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り図柄を停止表示してから大当り遊技を開始するまでの時間(大当り表示時間)を大入賞口制御タイマにセットした後、大入賞口制御タイマをスタートさせる。また、大当り図柄を停止表示した後に大当り遊技が開始されることを示す合図の演出(ファンファーレ演出)を演出制御用マイクロコンピュータ100に実行させるための演出制御コマンド(ファンファーレコマンド)を演出制御基板80に送信する。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に応じた値に更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS300に応じた値に更新する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞装置を開状態にして大入賞口を開放する。また、カウンタによってラウンド数をカウントする。また、大入賞口制御タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間(ラウンド時間)を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に応じた値に更新する。
大入賞口開放中処理(ステップS306):大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立したら、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞装置を閉状態にして大入賞口を閉鎖する。また、まだ残りラウンドがあるかどうかを確認する。残りラウンドがある場合には、ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(インターバル時間)を大入賞口制御タイマに設定し、内部状態をステップS305に応じた値に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態をステップS307に応じた値に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):大当り遊技状態を終了させるための所定のフラグのセット/リセットの処理等を行う。また、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する演出(エンディング演出)を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための演出制御コマンド(エンディングコマンド)を演出制御基板80に送信する。そして、内部状態をステップS308に応じた値に更新する。
大当り終了演出中処理(ステップS308):大当り終了演出の実行期間としてあらかじめ決められている時間が経過すると、内部状態をステップS300に応じた値に更新する。第2昇格演出を実行する場合には、第2昇格演出の実行期間としてあらかじめ決められている時間が経過すると、内部状態をステップS300に応じた値に更新する。なお、大当り遊技が開始される前に実行される昇格演出を第1昇格演出といい、大当り遊技が開始された後に実行される昇格演出を第2昇格演出という。
図7は、演出制御基板80に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成である。1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」とされる。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図7に示す例において、コマンド8000(H)〜800F(H)は、特別図柄の可変表示に対応して可変表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。
コマンド8100(H)は、可変表示装置9の表示結果がはずれ図柄であることを指定する演出制御コマンド(はずれ指定コマンド)である。コマンド8101(H)は、可変表示装置9の表示結果が通常大当り図柄(すなわち大当り図柄のうちの非確変図柄)であることを指定する演出制御コマンド(通常大当り指定コマンド)である。コマンド8102(H)は、可変表示装置9の表示結果が確変大当り図柄(すなわち大当り図柄のうちの確変図柄)であることを指定する演出制御コマンド(確変大当り指定コマンド)である。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100では、確変大当り指定コマンドにもとづいて大当り遊技の開始前に大当り図柄として確変図柄を導出表示して、確変大当りになることを報知する。
コマンド8103(H)は、可変表示装置9の表示結果が通常大当り図柄であることを指定するとともに、大当り遊技のラウンド中に昇格演出を実行することを指定する演出制御コマンド(ラウンド中昇格付き通常大当り指定コマンド)である。コマンド8104(H)は、可変表示装置9の表示結果が確変大当り図柄であることを指定するとともに、大当り遊技のラウンド中に昇格演出を実行することを指定する演出制御コマンド(ラウンド中昇格付き確変大当り指定コマンド)である。コマンド8105(H)は、可変表示装置9の表示結果が通常大当り図柄であることを指定するとともに、大当り遊技の終了後に昇格演出を実行することを指定する演出制御コマンド(大当り終了後昇格付き通常大当り指定コマンド)である。コマンド8106(H)は、可変表示装置9の表示結果が確変大当り図柄であることを指定するとともに、大当り遊技の終了後に昇格演出を実行することを指定する演出制御コマンド(大当り終了後昇格付き確変大当り指定コマンド)である。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100では、ラウンド中昇格付き確変大当り指定コマンドまたは大当り終了後昇格付き確変大当り指定コマンドにもとづいて、ラウンド中または大当り遊技の終了後の昇格演出(第2昇格演出)において大当り図柄として確変図柄を導出表示することにより、確変大当りに昇格した(成上った)ことを報知する。一方、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ラウンド中昇格付き通常大当り指定コマンドまたは大当り終了後昇格付き通常大当り指定コマンドを受信した場合には、ラウンド中または大当り遊技の終了後の昇格演出(第2昇格演出)において、所定の演出を行うだけで確変図柄の導出表示は行わない(確変大当りに成上らせない)。
なお、コマンド8100(H)〜8106(H)は、飾り図柄の内容を指定するとともに、昇格演出の実行/不実行や昇格演出の実行時期を指定する演出制御コマンドであるので、コマンド8100(H)〜8106(H)を図柄特定/演出指定コマンドという。また、この実施の形態では、昇格演出の実行時期として単にラウンド中または大当り終了後を指定する図柄特定/演出指定コマンドを送信する場合を説明するが、さらに細分化した昇格演出の実行時期を指定する図柄特定/演出指定コマンドを送信するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、昇格演出の実行時期として第7ラウンド中を指定する図柄特定/演出指定コマンドや、第10ラウンド中を指定する図柄特定/演出指定コマンドを送信してもよい。
コマンドA000(H)は、可変表示装置9における飾り図柄の可変表示(変動)の停止を指定する演出制御コマンド(飾り図柄停止指定コマンド)である。
コマンドBXXX(H)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送出される演出制御コマンドである。そして、コマンドD000(H)〜EXXX(H)は、飾り図柄の変動および大当り遊技に関わらない可変表示装置9の表示状態に関する演出制御コマンドである。
コマンドB000(H)は、大当り遊技が開始されることを指定する演出制御コマンド(ファンファーレコマンド)である。
コマンドB1XX(H)は、大当り遊技中のラウンド中の表示を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中表示コマンド)である。なお、「XX」に表示するラウンド数が設定される。コマンドB2XX(H)は、各ラウンド中の大入賞口への入賞球数(カウントスイッチ23の入賞検出数)を指定する演出制御コマンド(カウント数指定コマンド)である。なお、「XX」に入賞球数(カウント数)が設定される。コマンドB3XX(H)は、大当り遊技中のラウンド後の表示(ラウンド間のインターバルの表示)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後表示コマンド)である。
コマンドB400(H)は、大当り遊技の終了後のエンディング演出(大当り終了演出)において通常大当り終了を表示することを指定するエンディング#1指定の演出制御コマンド(エンディング1コマンド)である。コマンドB401(H)は、大当り遊技の終了後のエンディング演出において確変大当り終了を表示することを指定するエンディング#2指定の演出制御コマンド(エンディング2コマンド)である。
なお、ここでは、エンディング1コマンドおよびエンディング2コマンドを使用するが、演出制御用マイクロコンピュータ100は、他のコマンドから確変大当りであるのか非確変大当りであるのか判断できるので、エンディングコマンドとして、大当り遊技の終了のみを指定する(確変大当りは通常大当りかは指定しない)コマンドを送信するようにしてもよい。そのようにした場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を減らすことができ、遊技制御用マイクロコンピュータ560のコマンド選択に関する負担が軽減する。
コマンドD000(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンドである。また、コマンドE401(H)は、遊技状態が通常遊技状態(低確率状態)になったときの可変表示装置9の表示状態(例えば背景や色)を指定する演出制御コマンド(通常表示指定コマンド)であり、コマンドE402(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)になったときの可変表示装置9の表示状態(例えば背景や色)を指定する演出制御コマンド(高確率表示指定コマンド)であり、コマンドE403(H)は、遊技状態が時短状態(時間短縮状態)になったときの可変表示装置9の表示状態(例えば背景や色)を指定する演出制御コマンド(時短表示指定コマンド)である。
なお、時短状態とは、特別図柄表示器8(および可変表示装置9)における特別図柄(および飾り図柄)の可変表示時間(変動時間)を通常遊技状態(あるいは通常遊技状態および確変状態)よりも短縮するように制御された遊技状態をいう。この実施の形態では、確変状態中に通常大当りとなり、その後に通常大当りが終了すると、所定の変動回数(例えば100回)だけ時短状態に制御される。なお、時短状態のとき、普通図柄表示器10における普通図柄の可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態よりも短縮される。さらに、可変入賞装置15において、開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が遊技者にとって有利な状態になる。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると図7に示された内容に応じて可変表示装置9の表示状態を変更するとともに、ランプの表示状態を変更し、音声出力基板70に対して音番号データを出力する。なお、図7に示された演出制御コマンド以外の演出制御コマンドも使用するようにしてもよい。
図8は、この実施の形態で用いられる変動パターンの一例を示す説明図である。図8において、「EXT」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「時間」は特別図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。
この例では、特別図柄の各変動パターンは、はずれとするか大当りとするか、リーチとするか否か、およびリーチとする場合のリーチ態様、第1予告演出をするか否か、大当りとする場合に大当り遊技の開始前に大当たり図柄の昇格演出を実行するか否かなど、各種の演出態様の違いに応じて複数種類用意されている。なお、本例では、リーチ演出、第1予告演出および昇格演出は、演出制御用マイクロコンピュータ100が表示制御する可変表示装置9において実行される。
ここで、「通常変動」は、リーチ態様を伴わない変動パターンである。「ノーマルリーチ」は、単純なリーチ態様を伴う変動パターンである。「リーチA」は、「ノーマルリーチ」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。また、リーチ態様が異なるとは、リーチ変動時間において異なった態様(速度や回転方向等)の変動が行われたりキャラクタ等が現れたりすることをいう。例えば、「ノーマル」では単に1種類の変動態様によってリーチ態様が実現されるのに対して、「リーチA」では、変動速度や変動方向が異なる複数の変動態様を含むリーチ態様が実現される。
また、「リーチB」は、「ノーマルリーチ」および「リーチA」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。そして、「リーチC」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」および「リーチB」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。なお、「ノーマルリーチ」、「リーチA」、「リーチB」および「リーチC」では、大当りとなる場合と大当りとならない場合とがある。
また、「第1予告演出」は、大当りとなるまたはその可能性があることを事前(可変表示装置9において飾り図柄の停止図柄が導出表示される前に)に遊技者に報知するための演出をいう。例えば、変動中に異なった態様(速度や回転方向等)の変動を行ったりキャラクタ等を登場させたりすることにより大当りになる可能性があることを遊技者に報知する。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される演出制御コマンドにもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ100が所定のタイミングで予告演出を実行するように構成されているが、このような構成に限られず、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100が予告判定用乱数にもとづいて第1予告演出を実行するか否か判定し、第1予告演出を実行すると判定したときに所定のタイミングで第1予告演出を実行するように構成されていてもよい。
また、「昇格演出」とは、可変表示装置9に大当り図柄(非確変図柄または確変図柄)が導出表示されることが事前に決定されている場合において、可変表示装置9において左中右の飾り図柄を同一の非確変図柄(非確変図柄が一般的であるが、はずれ図柄であってもよい)が揃った状態で仮停止表示し、後述する図柄昇格演出を行い、揃った状態の非確変図柄を再変動させてから大当り図柄(非確変図柄または確変図柄)を導出表示する演出をいう。この実施の形態では、昇格演出は、大当り遊技の開始前と終了後の2回実行される場合がある。図7に示した変動パターンに含まれる「第1昇格演出」は、大当り遊技の開始前に飾り図柄の変動の一部として実行される昇格演出を意味する。なお、第1昇格演出と第2昇格演出とをともに実行する場合であって確変大当り図柄を導出表示する場合には、第1昇格演出では確変大当りに昇格させる演出を行わずに、第2昇格演出において確変大当りに昇格させる演出を実行する。また、昇格演出の詳細な内容については後述する(図29〜図30参照)。
図9は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動を開始することができる状態(特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合、つまり、特別図柄表示器8において特別図柄の変動表示がなされておらず、かつ、大当り遊技中および大当り終了後のエンディング演出中でもない場合)には(ステップS51)、始動入賞記憶数(保留記憶数)を確認する(ステップS52)。具体的には、始動入賞カウンタのカウント値を確認する。
始動入賞記憶数が0でなければ、始動入賞記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数格納バッファに格納するとともに(ステップS53)、始動入賞記憶数の値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS54)。すなわち、始動入賞記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、始動入賞記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
次いで、CPU56は、乱数格納バッファから大当り判定用乱数を読み出し(ステップS55)、大当り判定処理モジュールを実行する(ステップS56)。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値と大当り判定用乱数値とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。ここで、大当り判定では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合には、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている高確率大当り判定テーブルと、大当り判定値の数が高確率大当り判定テーブルよりも少なく設定されている低確率大当り判定テーブルとを設けておく。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、高確率大当り判定テーブルを使用して大当りの判定処理を行い、遊技状態が通常遊技状態であるときは、低確率大当り判定テーブルを使用して大当りの判定処理を行う。このような構成により、確変状態のときの方が通常遊技状態のときよりも大当りとなる確率が高くなる。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かを確認することによって行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変図柄で大当りとなって、その大当り遊技を終了する処理(大当り終了処理)においてセットされ、非確変図柄で大当りとなって、その大当り遊技を開始する処理(大入賞口開放前処理)においてリセットされる。なお、確変状態が、確変大当り遊技の終了後に特別図柄の変動が所定回数(例えば100回)行われる間だけ継続するような場合には、当該所定回数の変動が行われたときにもリセットされる。
大当り判定処理で大当りとすることに決定した場合には(ステップS57)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りフラグをセットする(ステップS58)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止図柄設定処理に対応した値に更新する(ステップS59)。
図10および図11は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。特別図柄停止図柄設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS101)。大当りフラグがセットされていない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファからはずれ図柄決定用乱数を読み出し、読み出したはずれ図柄決定用乱数の値に応じて特別図柄表示器8に表示する特別図柄のはずれ図柄を決定する(ステップS102)。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変表示装置9の表示結果がはずれであることを指定するはずれ指定コマンド(8100(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS103)。具体的には、はずれ指定コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする。はずれ指定コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスがポインタにセットされると、飾り図柄コマンド制御処理(ステップS27)においてはずれ指定コマンドが送信される。以下、「演出制御コマンドを送信する」とは、このような処理が行われることを示す。なお、コマンド送信テーブルとは、図7に例示された各演出制御コマンドが設定されているROM54の領域である。また、ポインタは、その領域において、該当コマンドが格納されているアドレスを指定するために使用されるデータであり、RAM55に形成されている。
なお、はずれ指定コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスがポインタにセットされたことにもとづいて、飾り図柄コマンド制御処理(ステップS27)において、はずれ指定コマンドを送信する構成に限られるわけではなく、ステップS103の処理において、はずれ指定コマンドを送信する構成であってもよい。以下のコマンド送信処理においても同様である。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS121)。
大当りフラグがセットされている場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄表示器8に表示する特別図柄を大当り図柄(「7」)と決定するとともに、乱数格納バッファから確変決定用乱数を読み出し、読み出した確変決定用乱数の値に従って、大当りを通常大当り(非確変大当り)にするか確変大当りにするかを決定する(ステップS104)。
通常大当りにすると決定した場合には(ステップS105)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから第2昇格決定用乱数を読み出し、読み出した第2昇格決定用乱数の値に従って、昇格演出(第2昇格演出)を実行するか否かを決定する(ステップS106)。そして、第2昇格演出を実行しないと決定した場合には、可変表示装置9の表示結果が通常大当りであることを指定する通常大当り指定コマンド(8101(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS107,S108)。
第2昇格演出を実行すると決定した場合には(ステップS107)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから第2昇格実行時期決定用乱数を読み出し、読み出した第2昇格実行時期決定用乱数の値に従って、第2昇格演出を実行する時期を決定する(ステップS109a)。具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2昇格演出を大当り遊技のラウンド中に実行するか大当り遊技の終了後に実行するかを決定する。ラウンド中に実行すると決定した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変表示装置9の表示結果が通常大当りであることを指定するとともにラウンド中に昇格演出(第2昇格演出)が実行されることを指定するラウンド中昇格付き通常大当り指定コマンド(通常大当りかつラウンド中昇格演出あり指定コマンド:8103(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS109b,S110a)。なお、この実施の形態では、ラウンド中に第2昇格演出を実行すると決定された場合には、第7ラウンド中に昇格演出が実行される。
ラウンド中に実行しない(すなわち、大当り終了後に実行する)と決定した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変表示装置9の表示結果が通常大当りであることを指定するとともに大当り終了時に昇格演出(第2昇格演出)が実行されることを指定する大当り終了後昇格付き通常大当り指定コマンド(通常大当りかつ大当り終了後昇格演出あり指定コマンド:8105(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS109b,S110b)。その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS121)。
なお、この実施の形態では、確変決定用乱数と第2昇格決定用乱数とを別にしているが、それらを共通の乱数にしてもよい。その場合には、乱数値と比較される判定値として、確変とせずかつ第2昇格演出を実行することに対応した判定値と、確変とせずかつ第2昇格演出を実行しないことに対応した判定値と、確変としかつ第2昇格演出を実行することに対応した判定値と、確変としかつ第2昇格演出を実行しないことに対応した判定値とが設定される。さらに、確変決定用乱数および第2昇格決定用乱数に加えて第2昇格実行時期決定用乱数も、共通の乱数にしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS105において、確変大当りにすると決定した場合には、確変大当りが発生することを示す確変大当りフラグをセットする(ステップS111)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから第2昇格決定用乱数を読み出し、読み出した第2昇格決定用乱数の値に従って、昇格演出(第2昇格演出)を実行するか否かを決定する(ステップS112)。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2昇格演出を実行しないと決定した場合には、可変表示装置9の表示結果が確変大当りであることを指定する確変大当り指定コマンド(8102(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS113,S114)。
第2昇格演出を実行すると決定した場合には(ステップS113)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから第2昇格実行時期決定用乱数を読み出し、読み出した第2昇格実行時期決定用乱数の値に従って、第2昇格演出を実行する時期を決定する(ステップS115)。具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2昇格演出を大当り遊技のラウンド中に実行するか大当り遊技の終了後に実行するかを決定する。ラウンド中に実行すると決定した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変表示装置9の表示結果が確変大当りであることを指定するとともにラウンド中に昇格演出(第2昇格演出)が実行されることを指定するラウンド中昇格付き確変大当り指定コマンド(確変大当りかつラウンド中昇格演出あり指定コマンド:8104(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS116,S117)。ラウンド中に実行しない(すなわち、大当り終了後に実行する)と決定した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変表示装置9の表示結果が確変大当りであることを指定するとともに大当り終了時に昇格演出(第2昇格演出)が実行されることを指定する大当り終了後昇格付き確変大当り指定コマンド(確変大当りかつ大当り終了後昇格演出あり指定コマンド:8106(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS116,S118)。
なお、確変大当りにすると決定した場合には、そうでない場合に比べて、第2昇格演出を実行することに決定される割合を高くする。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS106およびS112では、第2昇格決定用乱数の値と判定値とを比較し、第2昇格決定用乱数の値に一致する判定値があったときに第2昇格演出を実行することに決定するのであるが、確変大当りにすると決定した場合の判定値の数は、そうでない場合の判定値の数よりも多い。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS121)。
図12は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS302)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS201)。大当りフラグがセットされているときは、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS202)。そして、ステップS203以降の処理を実行する。
大当りフラグがセットされていなければ、はずれ用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS212)。そして、ステップS213以降の処理を実行する。
大当り用変動パターン決定テーブルには、図8に示す大当りのときに選択される変動パターン(「02H」「05H」「06H」「09H」「0AH」「0DH」「0EH」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。また、はずれ用変動パターン決定テーブルには、図8に示すはずれのときに選択される変動パターン(「00H」「01H」「03H」「04H」「07H」「08H」「0BH」「0CH」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。なお、はずれ用変動パターン決定テーブルは、遊技状態が通常遊技状態のときの変動パターン決定テーブルであって、遊技状態が確変状態のときは、別の変動パターン決定テーブルが用いられる。例えば、確変状態のときのはずれ用変動パターン決定テーブルには、図8に示したはずれのときに選択される変動パターン(「04H」「08H」「0CH」「0FH」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。
なお、時短状態のときのはずれ用変動パターン決定テーブルは、確変状態のときのはずれ用変動パターン決定テーブルと同じテーブルが用いられる。ただし、時短状態のときのはずれ用変動パターン決定テーブルと確変状態のときのはずれ用変動パターン決定テーブルとを異なるテーブルを用いるようにしてもよい。
ステップS203において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから変動パターン決定用乱数を読み出し、読み出した変動パターン決定用乱数の値に従って、変動パターンを決定するとともに大当り遊技の開始前に昇格演出(第1昇格演出)を実行するか否かを決定する。第1昇格演出を実行すると決定した場合には、大当り用変動パターン決定テーブルから第1昇格演出付きのものを選択する(ステップS204,S206)。また、第1昇格演出を実行しないと決定した場合には、大当り用変動パターン決定テーブルから第1昇格演出付きでないものを選択する(ステップS204,S205)。その後、ステップS213に移行する。なお、ここでは、変動パターン決定用乱数にもとづいて変動パターンと第1昇格演出を実行するか否かとを決定するが、第1昇格演出決定用乱数も使用し、変動パターンは変動パターン決定用乱数にもとづいて決定され、第1昇格演出を実行するか否かは第1昇格演出決定用乱数にもとづいて決定されるようにしてもよい。
ステップS213では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから変動パターン決定用乱数を読み出し、読み出した変動パターン決定用乱数の値にもとづいて、大当り用変動パターン決定テーブルまたははずれ用変動パターン決定テーブルを用いて飾り図柄の変動パターンを決定する。具体的には、変動パターン決定用乱数値と一致する判定値に対応した変動パターンが可変表示装置9において実行される飾り図柄の変動パターンと決定される。なお、ステップS205またはステップS206の処理を実行した場合には、大当り用変動パターン決定テーブルのうちの選択されたものを対象として、変動パターン決定用乱数値と一致する判定値に対応した変動パターンが決定される。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、決定された変動パターン(変動時間)に応じた変動パターン指定の演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を送信する制御を行う(ステップS214)。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスタイマに変動時間をセットする(ステップS215)。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に応じた値に更新する(ステップS216)。
図13は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS241)。確変大当りフラグがセットされている場合には、ステップS245に移行する。
確変大当りフラグがセットされていない場合には、エンディング演出(大当りの終了を表示する演出)において通常大当りの終了を表示(報知)することを指定するエンディング1コマンド(B400(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS243)。その後、ステップS251に移行する。
ステップS245では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変大当りフラグをリセットするとともに(ステップS245)、確変フラグをセットする(ステップS246)。また、エンディング演出において確変大当りの終了を表示することを指定するエンディング2コマンド(B401(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS248)。その後、ステップS251に移行する。
ステップS251では、大当りフラグをリセットする(ステップS251)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了演出中処理(ステップS308)に応じた値に更新する(ステップS253)。
なお、この実施の形態では、遊技状態が確変状態に制御されているときに通常大当りとなると、その大当り遊技の終了後に遊技状態が所定の変動回数分だけ時短状態に制御される。このように遊技状態が確変状態から時短状態に移行するときに、遊技状態が時短状態であることを示す時短フラグがセットされる。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS241で確変大当りフラグがセットされていないことを確認したら、時短フラグがセットされているときは時短表示指定の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を実行し、時短フラグがセットされていないときは通常表示指定の演出制御コマンドを送信する制御を実行する。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される各演出制御コマンドの送信タイミングおよび昇格演出の内容について説明する。
図14、図15および図16は、第1昇格演出、大当り遊技および第2昇格演出が実行されるときの演出制御コマンドの送信タイミングを示すタイミング図である。図14は、第1昇格演出に関連する部分を示し、図15および図16は、第2昇格演出に関連する部分を示す。また、図15は、大当り遊技のラウンド中(本例では、第7ラウンド中)に第2昇格演出を実行する場合を示し、図16は、大当り遊技終了時に第2昇格演出を実行する場合を示す。
始動入賞があり特別図柄表示器8において特別図柄の可変表示が開始される度に、特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)において、大当り判定の判定結果(ステップS56)、通常大当りか確変大当りか(確変大当りになるかどうか)の決定結果(ステップS104)、昇格演出の実行の有無の決定結果(ステップS106,S112)、および昇格演出の実行時期の決定結果(ステップS109a,S115)に応じた図柄特定/演出指定コマンドが、図15および図16に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。図15には確変大当りかつラウンド中昇格演出あり指定の図柄特定/演出指定コマンドが送信される例が示されている。また、図16には確変大当りかつ大当り終了時昇格演出あり指定の図柄特定/演出指定コマンドが送信される例が示されている。
具体的には、大当り判定の判定結果が「はずれ」のときは、はずれ指定コマンドが送信される(ステップS103)。大当り判定の判定結果が「大当り」である場合には、通常大当りか確変大当りかの決定結果が「通常大当り」であり、かつ、昇格演出の実行の有無の決定結果が「第2昇格演出の不実行」であるときは、通常大当り指定コマンドが送信される(ステップS108)。
また、通常大当りか確変大当りかの決定結果が「通常大当り」であり、昇格演出の実行の有無の決定結果が「第2昇格演出の実行」であり、かつ、昇格演出の実行時期の決定結果が「大当り遊技のラウンド中」であるときは、ラウンド中昇格付き通常大当り指定コマンドが送信される(ステップS110a)。また、通常大当りか確変大当りかの決定結果が「通常大当り」であり、昇格演出の実行の有無の決定結果が「第2昇格演出の実行」であり、かつ、昇格演出の実行時期の決定結果が「大当り遊技の終了後」であるときは、大当り終了後昇格付き通常大当り指定コマンドが送信される(ステップS110b)。
通常大当りか確変大当りかの決定結果が「確変大当り」である場合には、昇格演出の実行の有無の決定結果が「第2昇格演出の不実行」であるときは、確変大当り指定コマンドが送信される(ステップS114)。また、昇格演出の実行の有無の決定結果が「第2昇格演出の実行」であり、かつ、昇格演出の実行時期の決定結果が「大当り遊技のラウンド中」であるときは、ラウンド中昇格付き確変大当り指定コマンドが送信される(ステップS117)。また、昇格演出の実行の有無の決定結果が「第2昇格演出の実行」であり、かつ、昇格演出の実行時期の決定結果が「大当り遊技の終了後」であるときは、大当り終了後昇格付き確変大当り指定コマンドが送信される(ステップS118)。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの図柄特定/演出指定コマンドにもとづいて、可変表示装置9において停止表示する飾り図柄の停止図柄を選択する。
そして、変動パターン設定処理(ステップS302)において、所定の変動パターン決定テーブルを用いて飾り図柄の変動パターン(変動時間)が決定され(ステップS213)、決定された変動パターンを示す変動パターンコマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される(ステップS214)。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、図14に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの変動パターンコマンドの受信に応じて、可変表示装置9において飾り図柄の変動(可変表示)を開始する。上述したように、可変表示装置9における飾り図柄の変動は、特別図柄表示器8における特別図柄の変動と同期している。また、変動パターンに「第1昇格演出」が含まれているときは(図8参照)、飾り図柄の変動の一部として大当り遊技の開始前に可変表示装置9において第1昇格演出を実行する。
図14に示すように、第1昇格演出は、複数回(図14に示す例では2回であるが1回であってもよい)の図柄昇格演出と大当り図柄確定演出とが含まれている。「図柄昇格演出」とは、所定の非確変図柄を確変図柄に昇格させる機会(チャンス)を遊技者に与える演出である。また、この実施の形態では、所定の非確変図柄を確変図柄に昇格させることを「図柄昇格」という。第1昇格演出において図柄昇格演出が実行されているときに、遊技者が昇格有効期間内に図柄昇格ボタン120を操作して所定の条件を成立させた場合には、非確変図柄が確変図柄に図柄昇格する。
非確変図柄が確変図柄に図柄昇格して全飾り図柄に対する確変図柄の割合が多くなると、遊技者からは確変図柄で大当りになる確率が高くなったように見える。確変状態は遊技者にとって極めて有利な状態であるので、遊技者は、非確変図柄を確変図柄に図柄昇格させるために、図柄昇格演出中に図柄昇格ボタン120を操作するようになる。このようにして図柄昇格ボタン120を操作させるモチベーション(動機付け)を遊技者に与えている。図14に示す例では、1回目の図柄昇格演出のときに、非確変図柄「2」「4」を確変図柄に図柄昇格させる機会が与えられ、2回目の図柄昇格演出のときに、非確変図柄「6」「8」を確変図柄に図柄昇格させる機会が与えられる。また、1回目の図柄昇格演出では、図柄昇格条件が満たされた(成立した)ことにより、非確変図柄「2」「4」が確変図柄に図柄昇格されている。2回目の図柄昇格演出では、所定の条件が満たされなかったことにより、非確変図柄「6」「8」は確変図柄に図柄昇格されていない。
複数回の図柄昇格演出が実行されると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、本来の確変図柄(「1」「3」「5」「7」「9」)と図柄昇格演出によって図柄昇格された確変図柄(図14に示す例では「2」「4」)と非確変図柄(図14に示す例では「0」「6」「8」)の中から、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの通常大当り指定コマンド(8101(H))、通常大当りかつラウンド中成上り演出あり指定コマンド(8103(H))、確変大当りかつラウンド中成上り演出あり指定コマンド(8104(H))通常大当りかつ大当り終了後成上り演出あり指定コマンド(8105(H))、確変大当りかつ大当り終了後成上り演出あり指定コマンド(8106(H))、または確変大当り指定コマンド(8102(H))にもとづいて、通常大当りまたは確変大当りに応じた大当たり図柄(変動時間終了時の最終停止図柄すなわち第1昇格演出における最終停止図柄)を抽選によって決定する。
図14に示す例では、図15および図16に示すように、確変大当りかつラウンド中昇格演出あり指定コマンド(8104(H))または確変大当りかつ大当り終了後昇格演出あり指定コマンド(8106(H))を受信したことにもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1昇格演出を実行した後に最終停止図柄として非確変図柄を導出表示する。すなわち、確変大当りが指定されている場合であるが、第2昇格演出の実行が指定されている場合であるので、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1昇格演出を実行する際には確変大当りに昇格させない。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、後述する第2昇格演出において確変大当りに昇格させる演出を実行することになる。演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1昇格演出実行開始時に非確変図柄(図14に示す例では「222」)を仮停止し、第1昇格演出を実行する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、1回または2回(図14に示す例では2回)の図柄昇格演出を含む第1昇格演出を実行する。演出制御用マイクロコンピュータ100は、そして、最終停止図柄として非確変図柄を抽選により決定して、非確変図柄(図14に示す例では、図柄昇格した確変図柄「666」)を導出表示する。
なお、通常大当り指定コマンド(8101(H))を受信した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1昇格演出のみを実行するとともに、第1昇格演出において確変大当りに昇格させない演出を実行することになる。また、確変大当り指定コマンド(8102(H))を受信した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1昇格演出のみを実行するとともに、第1昇格演出において確変大当りに昇格させる演出を実行することになる。また、通常大当りかつラウンド中昇格演出あり指定コマンド(8103(H))または通常大当りかつ大当り終了後昇格演出あり指定コマンド(8105(H))を受信した場合には、第1昇格演出および第2昇格演出をともに実行するとともに、第1昇格演出および第2昇格演出のいずれにおいても確変大当りに昇格させない演出を実行することになる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄変動中処理(ステップS303)において、特別図柄の変動時間を計測するとともに、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示の制御を行う(ステップS301〜S303)。飾り図柄の変動時間が経過すると、特別図柄変動停止処理(ステップS304)において、特別図柄表示器8における特別図柄の変動を停止させるとともに、飾り図柄停止指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。また、大当り判定における判定結果が大当りであるときは、ファンファーレコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのファンファーレコマンドの受信に応じて、可変表示装置9やスピーカ27、ランプ28a〜28c等の演出装置を用いて大当りが開始することを遊技者に報知するファンファーレ演出を所定期間実行する。例えば、可変表示装置9に飾り図柄の大当り図柄(「222」や「777」など)を表示するとともに、大当りになったことを示す文字(「大当り!」)などを表示する。また、スピーカ27から大当りになったときの効果音を鳴らしたり、ランプ28a〜28c等を大当りになったときの点灯パターンで点灯させたりする。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口開放前処理(ステップS305)において、大当り表示時間(大当り図柄を停止表示してから大当りの第1ラウンドが開始するまでの時間)の計測を開始する。大当り表示時間が経過すると、大入賞口開放中表示コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。大入賞口開放中表示コマンドによって各ラウンド中における可変表示装置9の表示状態が指定される。また、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放する。すなわち、大当り遊技中の第1ラウンドが開始する。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの大入賞口開放中表示コマンドの受信に応じて、可変表示装置9やスピーカ27、ランプ28a〜28c等の演出装置を用いて大当り遊技のラウンド中であることを遊技者に報知するラウンド演出(ラウンド表示)を実行する。例えば、可変表示装置9に飾り図柄の大当り図柄(「222」や「777」など)を表示するとともに、現在のラウンドを示す文字(「第1ラウンド」)やその他のキャラクタなどを表示する。また、スピーカ27からラウンド中の効果音を鳴らしたり、ランプ28a〜28c等をラウンド中の点灯パターンで点灯させたりする。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口開放中処理(ステップS306)において、ラウンド時間の計測を開始する。また、カウントスイッチ23のオンを検出する毎に入賞個数カウンタの値を+1することにより大入賞口への入賞球数をカウントする。また、カウント数を指定するカウント数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
ラウンド時間が経過したとき、または入賞個数が所定数になったときは、ソレノイド21を駆動して大入賞口を閉鎖する。すなわち、大当り遊技中の第1ラウンドが終了する。このとき、15ラウンド目ではないので、大入賞口開放後表示コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの大入賞口開放後表示コマンドの受信に応じて、可変表示装置9やスピーカ27、ランプ28a〜28c等の演出装置を用いてラウンド間のインターバルであることを遊技者に報知するインターバル演出(インターバル表示)を所定期間実行する。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口開放前処理(ステップS305)において、インターバル時間(ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間)の計測を開始する。インターバル時間が経過すると、大入賞口開放中表示コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。また、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放する。
以上のような大入賞口開放前処理と大入賞口開放中処理とが、15ラウンドが終了するまで繰り返し実行される。
また、後述するように、ラウンド中に所定の第2予告演出実行条件が成立すると、第2予告演出を実行する。「第2予告演出」とは、大当りを確変大当りに昇格させる期待度を予告する演出である。この実施の形態では、各入賞口14,29,30,33,39(始動入賞口14を含む)への遊技球の入賞、ゲート32への遊技球の通過、または遊技者による図柄昇格ボタン120の操作を検出すると、所定の第2予告演出実行条件が成立し、第2予告演出を実行する。例えば、第2予告演出において、可変表示装置9に所定のキャラクタを表示したり、確変大当りへの昇格の可能性の度合い(例えば、パーセント表示)を表示することによって、確変大当りへの昇格の期待度の予告を報知する。
また、図柄特定/演出指定コマンドにおいてラウンド中に第2昇格演出を実行することが指定されているときは、可変表示装置9において第2昇格演出を実行する。この実施の形態では、第2昇格演出を実行することが指定されいる場合、第7ラウンド中に第2昇格演出を実行する。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、図15に示すように、大当り遊技のラウンド中に第2昇格演出を開始する。図15に示すように、第2昇格演出でも、複数回(図15に示す例では2回であるが1回であってもよい)の図柄昇格演出と大当り図柄確定演出とが含まれている。図柄昇格演出が実行されているときに、遊技者が昇格有効期間内に図柄昇格ボタン120を操作して所定の条件を成立させた場合には、非確変図柄が確変図柄に図柄昇格する。図15に示す例では、1回目の図柄昇格演出のときに、非確変図柄「6」「8」を確変図柄に図柄昇格させる機会が与えられ、2回目の図柄昇格演出のときに、非確変図柄「0」を確変図柄に図柄昇格させる機会が与えられる。また、1回目の図柄昇格演出では、図柄昇格条件が満たされたことにより、非確変図柄「6」「8」が確変図柄に図柄昇格されている。2回目の図柄昇格演出では、所定の条件が満たされなかったことにより、非確変図柄「0」は確変図柄に図柄昇格されていない。
複数回の図柄昇格演出が実行されると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、本来の確変図柄(「1」「3」「5」「7」「9」)と図柄昇格演出によって図柄昇格された確変図柄(図14および図15に示す例では「2」「4」「6」「8」)と非確変図柄(図14および図15に示す例では「0」)の中から、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの通常大当りかつラウンド中昇格演出あり指定コマンド(8103(H))または確変大当りかつラウンド中昇格演出あり指定コマンド(8104(H))にもとづいて、通常大当りまたは確変大当りに応じた大当たり図柄(第2昇格演出における最終停止図柄)を抽選によって決定する。
図15に示す例では、確変大当りかつラウンド中昇格演出あり指定コマンド(8103(H))にもとづいて、確変大当りに応じた図柄昇格された確変図柄(「6」)が抽選によって決定されている。その後、大当り図柄確定演出を実行する。なお、この実施の形態では、第1昇格演出と第2昇格演出がともに実行される場合には、第1昇格演出において確変図柄に図柄昇格した非確変図柄は、第2昇格演出の開始時に既に確変図柄に図柄昇格したものとして扱われるが、第2昇格演出の開始時には、本来の非確変図柄(「0」「2」「4」「6」「8」)を全て非確変図柄として扱うようにしてもよい。すなわち、第1昇格演出の結果を第2昇格演出に引き継がせないようにしてもよい。
全てのラウンドが終了すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り終了処理において、確変大当りフラグがセットされているか否か(ステップS241)に応じたエンディングコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS243,S258)。また、所定のフラグ(大当りフラグ、確変大当りフラグ)のセット/リセットの処理を行う(ステップS245等)。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのエンディングコマンドの受信に応じて、可変表示装置9やスピーカ27、ランプ28a〜28c等の演出装置を用いて大当りが終了することを遊技者に報知するエンディング演出(大当り終了表示)を所定期間実行する。例えば、可変表示装置9に大当りの終了を示す文字(「またね!!」)などを表示したり、スピーカ27からエンディング演出用の効果音を鳴らしたり、ランプ28a〜28c等をエンディング演出用の点灯パターンで点灯させたりする。そして、図柄特定/演出指定コマンドにおいて大当り終了後に第2昇格演出を実行することが指定されているときは、可変表示装置9において第2昇格演出を実行する。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、図16に示すように、大当り遊技の終了時に第2昇格演出を開始する。図16に示すように、第2昇格演出でも、複数回(図16に示す例では2回であるが1回であってもよい)の図柄昇格演出と大当り図柄確定演出とが含まれている。図柄昇格演出が実行されているときに、遊技者が昇格有効期間内に図柄昇格ボタン120を操作して所定の条件を成立させた場合には、非確変図柄が確変図柄に図柄昇格する。図16に示す例では、1回目の図柄昇格演出のときに、非確変図柄「6」「8」を確変図柄に図柄昇格させる機会が与えられ、2回目の図柄昇格演出のときに、非確変図柄「0」を確変図柄に図柄昇格させる機会が与えられる。また、1回目の図柄昇格演出では、図柄昇格条件が満たされたことにより、非確変図柄「6」「8」が確変図柄に図柄昇格されている。2回目の図柄昇格演出では、所定の条件が満たされなかったことにより、非確変図柄「0」は確変図柄に図柄昇格されていない。
複数回の図柄昇格演出が実行されると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、本来の確変図柄(「1」「3」「5」「7」「9」)と図柄昇格演出によって図柄昇格された確変図柄(図14および図16に示す例では「2」「4」「6」「8」)と非確変図柄(図14および図16に示す例では「0」)の中から、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの通常大当りかつ大当り終了後昇格演出あり指定コマンド(8105(H))または確変大当りかつ大当り終了後昇格演出あり指定コマンド(8106(H))にもとづいて、通常大当りまたは確変大当りに応じた大当たり図柄(第2昇格演出における最終停止図柄)を抽選によって決定する。
図16に示す例では、確変大当りかつ大当り終了後昇格演出あり指定コマンド(8105(H))にもとづいて、確変大当りに応じた図柄昇格された確変図柄(「6」)が抽選によって決定されている。その後、大当り図柄確定演出を実行する。なお、この実施の形態では、第1昇格演出と第2昇格演出がともに実行される場合には、第1昇格演出において確変図柄に図柄昇格した非確変図柄は、第2昇格演出の開始時に既に確変図柄に図柄昇格したものとして扱われるが、第2昇格演出の開始時には、本来の非確変図柄(「0」「2」「4」「6」「8」)を全て非確変図柄として扱うようにしてもよい。すなわち、第1昇格演出の結果を第2昇格演出に引き継がせないようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り終了演出中処理(ステップS309)において、大当り終了演出時間(大当り終了を遊技者に報知するエンディング演出の実行時間)の計測を開始する。大当り終了時間が経過すると、特別図柄通常処理(ステップS300)に戻る。
以上のように、この実施の形態では、昇格演出が2回実行される可能性があり、長期間にわたって遊技者の確変状態への移行に対する期待感を持続させることができる。また、大当り図柄が停止表示(図14における「仮停止」)された後において、遊技者は、昇格演出の抽選結果(特に、確変図柄への昇格による確変状態の発生の報知)が大当り遊技の開始前と終了後のどちらのタイミングで表示されるかわからず、長期間にわたって遊技者の確変状態への移行に対する期待感を持続させることができる。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図17は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御処理の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して可変表示装置9の表示制御を実行する。さらに、飾り図柄決定用乱数や仮停止図柄決定用乱数、大当り表示図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS706)。その後、ステップS702に移行する。
図18〜図20は、メイン処理におけるコマンド解析処理(ステップS704)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、コマンド受信バッファに格納される。コマンド解析処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。
受信した演出制御コマンドが、可変表示装置9の表示結果がはずれであることを指定する演出制御コマンド(はずれ指定コマンド:8100(H))であれば(ステップS613)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄決定用乱数を抽出し(ステップS614)、抽出した飾り図柄決定用乱数の値にもとづいて、はずれに対応した左中右の飾り図柄の停止図柄を決定する(ステップS615)。なお、飾り図柄決定用乱数は、左中右の飾り図柄に対応して設けられている。そして、決定した飾り図柄の停止図柄をRAMにおける飾り図柄格納領域に格納する(ステップS616)。
また、受信した演出制御コマンドが、可変表示装置9の表示結果が通常大当り(非確変大当り)であることを指定する演出制御コマンド(通常大当り指定コマンド:8101(H))であれば(ステップS617)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常大当りが指定されたことを示す通常大当り演出フラグをセットする(ステップS618)。
また、受信した演出制御コマンドが、可変表示装置9の表示結果が確変大当りであることを指定する演出制御コマンド(確変大当り指定コマンド:8102(H))であれば(ステップS620)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当りが指定されたことを示す確変大当り演出フラグをセットする(ステップS621)。
また、受信した演出制御コマンドが、可変表示装置9の表示結果が通常大当りであることを指定するとともに、大当り遊技のラウンド中において第2昇格演出が実行されることを指定する演出制御コマンド(ラウンド中第2昇格付き通常大当り指定コマンド:8103(H))であれば(ステップS628A)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常大当りが指定されたことを示す通常大当り演出フラグをセットし(ステップS629A)、また、大当りの遊技のラウンド中において第2昇格演出を実行することを示すラウンド中第2昇格実行フラグをセットする(ステップS630A)。
また、受信した演出制御コマンドが、可変表示装置9の表示結果が確変大当りであることを指定するとともに、大当り遊技のラウンド中において第2昇格演出が実行されることを指定する演出制御コマンド(ラウンド中第2昇格付き確変大当り指定コマンド:8104(H))であれば(ステップS628B)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当りが指定されたことを示す確変大当り演出フラグをセットし(ステップS629B)、また、大当りの遊技のラウンド中において第2昇格演出を実行することを示すラウンド中第2昇格実行フラグをセットする(ステップS630B)。
また、受信した演出制御コマンドが、可変表示装置9の表示結果が通常大当りであることを指定するとともに、大当り遊技の終了後のエンディング演出において第2昇格演出が実行されることを指定する演出制御コマンド(大当り終了後第2昇格付き通常大当り指定コマンド:8105(H))であれば(ステップS631A)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常大当りが指定されたことを示す通常大当り演出フラグをセットし(ステップS632A)、また、大当りの終了後のエンディング演出において第2昇格演出を実行することを示す大当り終了後第2昇格実行フラグをセットする(ステップS633A)。
また、受信した演出制御コマンドが、可変表示装置9の表示結果が確変大当りであることを指定するとともに、大当り遊技の終了後のエンディング演出において第2昇格演出が実行されることを指定する演出制御コマンド(大当り終了後第2昇格付き確変大当り指定コマンド:8106(H))であれば(ステップS631B)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当りが指定されたことを示す確変大当り演出フラグをセットし(ステップS632B)、また、大当りの終了後のエンディング演出において第2昇格演出を実行することを示す大当り終了後第2昇格実行フラグをセットする(ステップS633B)。
また、受信した演出制御コマンドが、変動パターン指定の演出制御コマンド(変動パターンコマンド:8000(H)〜800F(H))であれば(ステップS634)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのコマンドのEXTデータをRAMにおける変動パターンデータ格納領域に格納し(ステップS635)、変動パターン受信フラグをセットする(ステップS636)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンに昇格演出(ここでは大当り遊技の開始前の第1昇格演出)が含まれているか否かを確認し(ステップS637)、第1昇格演出が含まれている場合には、仮停止図柄決定用乱数を抽出し(ステップS638)、抽出した仮停止図柄決定用乱数の値にもとづいて、飾り図柄の仮停止図柄を決定する(ステップS639)。ここで、仮停止図柄とは、大当り遊技の開始前の昇格演出(第1昇格演出)が実行される前に仮停止表示される非確変図柄(はずれ図柄であってもよい)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、決定した仮停止図柄をRAMにおける仮停止図柄格納領域に格納する(ステップS640)。なお、確変図柄と非確変図柄とをあらかじめ定めていない場合には、仮停止図柄としていずれの飾り図柄を決定してもよい。
変動パターンに第1昇格演出が含まれていない場合には(ステップS637のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンが大当り時の変動パターンであるかどうかを判断する(ステップS641)。大当り時の変動パターンであれば(ステップS641のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り表示図柄決定用乱数を抽出し(ステップS642)、抽出した大当り表示図柄決定用乱数の値にもとづいて、通常大当りか確変大当りかに対応した、また、昇格演出(第2昇格演出)の実行の有無に対応した大当り表示図柄を決定する(ステップS643)。なお、確変図柄と非確変図柄とをあらかじめ定めていない場合には、大当り表示図柄としていずれの飾り図柄を決定してもよい。
具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常大当り演出フラグまたは確変大当り演出フラグがセットされているか否かを確認することにより、大当りが通常大当りか確変大当りかを認識する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ラウンド中第2昇格実行フラグまたは大当り終了後第2昇格実行フラグ(以下、単に第2昇格実行フラグともいう)がセットされているか否かを確認することによって、大当り遊技のラウンド中、または大当り遊技の終了後のエンディング演出において第2昇格演出を実行するかどうかを認識する。
通常大当り演出フラグがセットされている場合には、第2昇格実行フラグがセットされているか否かを問わず、大当り表示図柄として非確変図柄を決定する。また、確変大当り演出フラグがセットされ、かつ、第2昇格実行フラグがセットされている場合には、第2昇格演出が実行される前に確変大当りとなってしまうのを回避するために、大当り表示図柄(飾り図柄の可変表示の終了時に停止表示される大当り図柄)として非確変図柄を決定する。確変大当り演出フラグがセットされて、かつ、第2昇格実行フラグがセットされていない場合には、大当り表示図柄として確変図柄を決定する。つまり、第2昇格演出が実行されることになっている場合には、大当り表示図柄として確変図柄(例えば、奇数の左中右が揃った図柄)を選択しない。
このような状況に応じて、確変図柄を決定するときに用いる確変大当り用の大当り表示図柄決定用テーブルと、通常大当りのときに用いる通常大当り用の大当り表示図柄決定用テーブルとがあらかじめ用意されている。確変大当り用の大当り表示図柄決定用テーブルには各確変図柄に対応付けて複数の判定値が割り振られ、また、通常大当り用の大当り表示図柄決定用テーブルには各非確変図柄に対応付けて複数の判定値が割り振られている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り表示図柄として確変図柄と非確変図柄のうちのどちらを決定すべきかを認識した上で、大当り表示図柄決定用テーブルを選択する。そして、大当り表示図柄決定用乱数を抽出し、抽出した大当り表示図柄決定用乱数の値と一致する判定値に対応付けられた確変図柄または非確変図柄を大当り表示図柄に決定する。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、決定した大当り表示図柄をRAMにおける大当り表示図柄格納領域に格納する(ステップS644)。
また、受信した演出制御コマンドが、エンディング指定の演出制御コマンド(エンディングコマンド:B400(H)〜B404(H))であれば(ステップS648)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのコマンドのEXTデータをRAMにおけるエンディングデータ格納領域に格納し(ステップS649)、エンディングコマンドを受信したことを示すエンディングフラグをセットする(ステップS650)。
ステップS612で読み出した受信コマンドがその他の演出制御コマンドである場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信コマンドに対応するフラグをセットする(ステップS651)。
図21は、図17に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S811のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):コマンド受信割込処理によって、変動パターン指定の演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(変動パターン受信フラグ)がセットされたか否か確認する。変動パターン受信フラグは、演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するコマンド解析処理で可変表示装置9における飾り図柄の変動パターン指定の演出制御コマンド(8000(H)〜800F(H)のいずれか)が受信されたことが確認された場合にセットされる(ステップS636参照)。変動パターンコマンドを受信したら、演出制御プロセスフラグの値をステップS801に応じた値に更新する。
演出態様決定処理(ステップS801):変動パターンに第1昇格演出が含まれているか否かを確認し、第1昇格演出が含まれている場合は、確変大当りへの昇格演出の演出態様を決定する。具体的には、昇格演出に含まれる図柄昇格演出の回数(例えば1回または2回)と、各図柄昇格演出において図柄昇格のチャンスが与えられる図柄の数(例えば2図柄など)および内容(例えば「2」「4」など)を決定する。さらに、図柄昇格のチャンスが与えられた各図柄について確変図柄に図柄昇格させるための図柄昇格条件を決定する。なお、変動パターンに第1昇格演出が含まれていない場合は、上記の各処理は行われない。そして、演出制御プロセスフラグの値をステップS802に応じた値に更新する。
飾り図柄変動開始処理(ステップS802):飾り図柄の変動が開始されるように制御する。また、変動時間タイマに変動時間に相当する値を設定し、使用するプロセステーブルを選択するとともに、プロセステーブルの最初に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する。そして、演出制御プロセスフラグの値をステップS803に応じた値に更新する。
飾り図柄変動中処理(ステップS803):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。なお、大当り遊技の開始前の昇格演出(第1昇格演出)を実行するときには、飾り図柄変動中処理において、大当りのときの飾り図柄の変動パターンの一部の演出として昇格演出を実行する。変動時間タイマがタイムアウトしたら、演出制御プロセスフラグの値をステップS804に応じた値に更新する。
飾り図柄変動停止処理(ステップS804):遊技制御用マイクロコンピュータ560からの飾り図柄停止指定コマンドを受信したことに応じて、飾り図柄の変動を停止し停止図柄(確定図柄)を導出表示する制御を行う。なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの飾り図柄停止指定コマンドの受信に応じて飾り図柄を停止表示する制御を行うが、このような構成に限られず、変動時間タイマがタイムアップしたことのみにもとづいて飾り図柄を停止表示する制御を行うようにしてもよい。そして、大当り遊技を行う場合には、演出制御プロセスフラグの値をステップS805に応じた値に更新する。そうでない場合には、演出制御プロセスフラグの値をステップS800に応じた値に更新する。
大当り表示処理(ステップS805):変動時間の終了後、大当り表示の制御を行う。例えば、大当りの開始を指定するファンファーレコマンドを受信したら、ファンファーレ演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値をステップS806に応じた値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS806):ラウンド中の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放中であることを示す大入賞口開放中表示コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。大入賞口が開放後(閉鎖中)であることを示す大入賞口開放後表示コマンドを受信したら、演出制御プロセスフラグの値をステップS809に応じた値に更新する。また、図柄特定/演出指定コマンドでラウンド中の第2昇格演出の実行が指定されていた場合には、第2昇格演出の演出態様を決定した後、演出制御プロセスフラグの値をステップS807に応じた値に更新する。また、所定の第2予告演出実行条件が成立するか否かを判定し、成立する場合には、演出制御プロセスフラグの値をステップS808Aに応じた値に更新する。また、大当りの終了を指定するエンディングコマンドを受信したら、演出制御プロセスフラグの値をステップS810Aに応じた値に更新する。
ラウンド中演出処理(ステップS807):第2昇格演出を実行する。その後、演出制御プロセスフラグの値をステップS806に応じた値に更新する。
予告演出態様決定処理(ステップS808A):確変大当りへの昇格の期待度を予告する第2予告演出の態様を決定する。具体的には、第2予告演出で可変表示装置9に表示させるキャラクタの種類と、第2予告演出で実行する演出ステップの数(例えば1回または2回)とを決定する。そして、演出制御プロセスフラグの値をステップS808Bに応じた値に更新する。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、予告演出態様決定処理で決定した演出態様に従って、1つまたは複数の演出段階を含む第2予告演出を実行する。この実施の形態では、この第2予告演出における各演出段階のことを「演出ステップ」という。例えば、第2予告演出に含まれる演出ステップごとに異なる演出態様(例えば、異なるキャラクタや背景色)が決定され、演出ステップごとに異なる態様で第2予告演出が実行される。
予告演出処理(ステップS808B):第2予告演出を実行する。その後、演出制御プロセスフラグの値をステップS806に応じた値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS809):ラウンド間の表示制御を行う。例えば、インターバル表示を行う。また、演出制御プロセスフラグの値をステップS806に応じた値に更新する。
大当り終了表示処理(ステップS810A):大当り遊技の終了後の大当り終了表示の制御を行う。図柄特定/演出指定コマンドで大当り終了後の第2昇格演出の実行が指定されていた場合には、第2昇格演出の演出態様を決定した後、演出制御プロセスフラグの値をステップS810Bに応じた値に更新する。図柄特定/演出指定コマンドで大当り終了後の第2昇格演出の実行が指定されていない場合には、エンディング演出として大当りの終了を報知する演出のみを行う。そして、図柄特定/演出指定コマンドで大当り終了後の第2昇格演出の実行が指定されていない場合には、演出制御プロセスフラグの値をステップS800に応じた値に更新する。
大当り終了後演出処理(ステップS810B):第2昇格演出を実行する。その後、演出制御プロセスフラグの値をステップS800に応じた値に更新する。
図22は、プロセステーブルの一構成例を示す説明図である。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、変動パターンを構成する各変動態様が記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動態様での変動時間が設定されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動態様で飾り図柄を変動表示させる制御を行う。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示制御実行データにもとづく制御と同様に、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけランプ制御実行データにもとづいて各種ランプの点灯状態を制御し、音番号データを音声出力基板70に出力する。
図22に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンのそれぞれに応じて用意されている。
図23は、演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターン受信フラグがセットされたか否か確認する(ステップS791)。セットされていたら、そのフラグをリセットする(ステップS792)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド解析処理において決定した図柄(飾り図柄(はずれ図柄)、大当り表示図柄または仮停止図柄)および変動パターンコマンドで指定された内容(変動時間)にもとづいて、飾り図柄の変動パターンを決定する(ステップS793)。その後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセスフラグの値を演出態様決定処理(ステップS801)に対応した値に変更する(ステップS794)。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS793において、第1昇格演出を行うことを示していない変動パターンコマンドを受信しているときには、第1昇格演出を含まない変動パターンを選択し、第1昇格演出を行うことを示している変動パターンコマンドを受信しているときには、第1昇格演出を含む変動パターンを選択する。
図24は、演出制御プロセス処理における演出態様決定処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出態様決定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、変動パターンデータ格納領域に格納されている変動パターンに第1昇格演出が含まれているか否かを確認する(ステップS811)。変動パターンに第1昇格演出が含まれていなければ、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS802)を示す値に更新して(ステップS820)、処理を終了する。昇格演出が含まれていなければ、昇格演出の態様を決定する必要がないからである。
変動パターンに昇格演出が含まれていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターン(EXTデータ)にもとづき昇格演出の実行時間を確認する(ステップS812)。図8に示したように、変動パターン毎に変動時間があらかじめ決まっているが、昇格演出(第1昇格演出)の実行時間も変動パターン毎にあらかじめ決まっている。例えば、変動時間が全体で30秒である場合に、昇格演出の実行時間は後ろの15秒であると定められている。なお、昇格演出の実行時間が全ての変動パターンで同じ時間である場合は、昇格演出の実行時間を確認する必要はない。また、あらかじめ決められている変動時間内で、演出制御用マイクロコンピュータ100が昇格演出の実行時間を決めるようにしてもよい。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出回数決定用乱数を抽出し(ステップS813)、抽出した演出回数決定用乱数の値にもとづいて、演出回数決定用テーブルを用いて図柄昇格演出の演出回数を決定する(ステップS814)。
具体的には、演出回数決定用テーブルには、各演出回数に対応付けて複数の判定値が割り振られている。そして、抽出された演出回数決定用乱数の値と一致する判定値に対応付けられた回数が演出回数に決定される。演出回数決定用テーブルの例を図25に示す。図25に示す例では、図柄昇格演出の演出回数として1回と2回が設定されている。また、演出回数の1回と2回には、同じ数の判定値が割り当てられている。従って、この実施の形態では、演出回数が1回の場合と2回の場合とは同じ確率(50パーセントの確率)で決定される。なお、この実施の形態では、図柄昇格演出の演出回数は1回または2回とされているが、3回以上であってもよい。また、各演出回数に同じ数の判定値を割り振る(振分率を同じにする)必要はなく、各演出回数に異なる数の判定値を割り振ってもよい(各演出回数の振分率を異ならせてもよい)。また、通常大当りの場合と確変大当りの場合とで振分率の異なるテーブルを用いるようにしてもよい。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄数決定用乱数を抽出する(ステップS815)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記のように決定した図柄昇格演出の演出回数が1回であるかどうかを確認し(ステップS816)、演出回数が1回のときは、抽出した図柄数決定用乱数の値にもとづいて、図柄数決定用テーブルを用いて図柄昇格演出において図柄昇格のチャンスを与える図柄数を決定する(ステップS817)。演出回数が1回でなく2回のときは、抽出した図柄数決定用乱数の値にもとづいて、図柄数決定用テーブルを用いて1回目の図柄昇格演出において図柄昇格のチャンスを与える図柄数と2回目の図柄昇格演出において図柄昇格のチャンス(確変図柄に昇格するチャンス)を与える図柄数を決定する(ステップS818)。
図柄数決定用テーブルの例を図26に示す。図26(A)は、演出回数1回の場合の図柄数決定用テーブルを示し、図26(B)は、演出回数2回の場合の図柄数決定用テーブルを示す。
図26(A)に示すテーブルには、図柄数として1図柄〜5図柄が設定されている。また、各図柄数に対応付けて複数の判定値が割り振られている。さらに、各図柄数に割り振られた判定値の数は、通常大当りの場合と確変大当りの場合とで異なる数とされている。例えば、図柄数が1図柄については、通常大当りの場合は判定値の数が20とされ、確変大当りの場合は判定値の数が5とされている。また、図柄数が5図柄については、通常大当りの場合は判定値の数が5とされ、確変大当りの場合は判定値の数が20とされている。このように、図柄数が少ないとき、通常大当りの場合は確変大当りの場合よりも判定値の数が相対的に多くなるように設定され、逆に、図柄数が多いとき、確変大当りの場合は通常大当りの場合よりも判定値の数が相対的に少なくなるように設定されている。よって、図柄昇格演出において図柄昇格のチャンスが与えられた図柄の数が多くなればなるほど(図柄昇格演出において表示された図柄の数が多くなればなるほど)、確変大当りとなる確率が高くなったように遊技者は感ずる。なお、この実施の形態では、飾り図柄の大当り図柄は、「0」「0」「0」〜「9」「9」「9」の10種類である。また、図柄昇格がない場合には、そのうちの5種類が非確変図柄である。よって、図柄昇格のチャンスを与える図柄数として5が選択された場合には、全ての非確変図柄が選択されることになる。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、図26に示すテーブルを用いて図柄数を決定する。具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常大当りフラグまたは確変大当りフラグのいずれのフラグがセットされているかを確認することによって、通常大当りまたは確変大当りのいずれの状態であるかを判断する。そして、大当りの状態に応じて使用するテーブルを切り替える。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した図柄数決定用乱数の値と一致する判定値に対応付けられた図柄数を図柄昇格のチャンスを与える図柄数として決定する。
また、図26(A)には示されていないが、図柄昇格のチャンスが与えられる図柄(通常識別情報)の組み合わせも決定される。例えば、図柄数として2図柄が決定されるとする。図柄昇格可能な図柄の組み合わせとして、「0」と「2」、「0」と「4」、「0」と「6」、「0」と「8」、「2」と「4」・・・というような複数の組み合わせがある。図柄数として2図柄が決定された場合には、そのうちのいずれの組み合わせにおける各図柄に図柄昇格のチャンスを与えるのかも決定される。
図26(A)に示すテーブルにおいて2図柄に設定された判定値の数は40である。そこで、2図柄の各組み合わせに対応付けて40の判定値を割り振っておく。これにより、抽出された図柄数決定用乱数の値と一致する判定値によって図柄数が決定されるとともに、図柄昇格演出において図柄昇格のチャンスが与えられた図柄も決定されることになる。なお、図柄数決定用乱数を用いて図柄数を決定するとともに組み合わせも決定するような構成に限られるわけではなく、図柄数を図柄数決定用乱数を用いて決定し、組み合わせを別の乱数(表示図柄決定用乱数)を用いて決定するように構成されていてもよい。その場合には、図柄数に応じた表示図柄決定用テーブルを用意しておき、各表示図柄決定用テーブルには、図柄の組み合わせ(例えば、「0」と「2」の組み合わせ)に対応付けて判定値が割り振られることになる。
図柄昇格演出において図柄昇格のチャンスが与えられた図柄は、非確変図柄であるという定義から確変図柄であるという定義に変更される可能性がある(確変図柄に変更される可能性がある)図柄である。
図26(B)に示すテーブルには、図柄数として図柄昇格演出1回目の図柄数と図柄昇格演出2回目の図柄数の組み合わせが設定されている。また、各図柄数の組み合わせに対応付けて複数の判定値が割り振られている。さらに、各図柄数の組み合わせに割り振られた判定値の数は、通常大当りの場合と確変大当りの場合とで異なる数とされている。例えば、1回目の図柄数が1図柄で2回目の図柄数も1図柄については、通常大当りの場合は判定値の数が15とされ、確変大当りの場合は判定値の数が5とされている。また、1回目の図柄数が4図柄で2回目の図柄数が1図柄については、通常大当りの場合は判定値の数が5とされ、確変大当りの場合は判定値の数が15とされている。このように、通常大当りの場合は確変大当りの場合よりも1回目と2回目の図柄昇格演出で図柄昇格のチャンスが与えられる図柄数が少ないときの判定値の数が相対的に多く設定され(例えば、1回目と2回目の図柄昇格演出で図柄昇格のチャンスが与えられる図柄数が2のときは、通常大当りの場合の判定値の数は15であり確変大当りの場合の判定値の数は5である)、逆に、確変大当りの場合は通常大当りの場合よりも1回目と2回目の図柄昇格演出で図柄昇格のチャンスが与えられる図柄数が多いときの判定値の数が相対的に多く設定されている(例えば、1回目と2回目の図柄昇格演出で図柄昇格のチャンスが与えられる図柄数が5のときは、通常大当りの場合の判定値の数は10であり確変大当りの場合の判定値の数は30である)。よって、2回の図柄昇格演出において図柄昇格のチャンスが与えられた図柄の総数が多くなればなるほど(図柄昇格演出において表示された図柄の総数が多くなればなるほど)、確変大当りとなる確率が高くなるように遊技者は感ずる。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、図26に示されたテーブルを用いて1回目の図柄数と2回目の図柄数を決定する。具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常大当りフラグまたは確変大当りフラグのいずれのフラグがセットされているかを確認することによって、通常大当りまたは確変大当りのいずれの状態であるかを判断する。そして、大当りの状態に応じて使用するテーブルを切り替える。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した図柄数決定用乱数の値と一致する判定値に対応付けられた図柄数の組み合わせを各図柄昇格演出において図柄昇格のチャンスを与える図柄数に決定する。
また、図26(B)には示されていないが、1回目と2回目の図柄昇格演出において図柄昇格のチャンスが与えられる図柄(非確変図柄)も決定される。例えば、図柄数として1回目の図柄数が2図柄で2回目の図柄数が1図柄の組み合わせが決定されるものとする。1回目の図柄(2図柄)と2回目の図柄(1図柄)とは異なる図柄になるようにすると、1回目と2回目で合計3図柄が表示(図30(2)に示すように報知)されることになる。3図柄として、「0」と「2」と「4」、「0」と「2」と「6」、「0」と「2」と「8」、「0」と「4」と「6」・・・というような複数の組み合わせがある。
図26(B)に示すテーブルにおいて図柄数として2図柄と1図柄の組み合わせに設定された判定値の数は20である。そこで、合計3図柄の各組み合わせに対応付けて20の判定値を割り振っておく。よって、抽出された図柄数決定用乱数の値と一致する判定値によって1回目と2回目の図柄数が決定されるとともに、1回目と2回目の図柄昇格演出において図柄昇格のチャンスが与えられる図柄の組み合わせも決定されることになる。なお、図柄数決定用乱数を用いて図柄数を決定するとともに図柄の組み合わせも決定するような構成に限られるわけではなく、図柄数を図柄数決定用乱数を用いて決定し、図柄の組み合わせを別の乱数(表示図柄決定用乱数)を用いて決定するように構成されていてもよい。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、各図柄昇格演出における非確変図柄を確変図柄に図柄昇格させるための図柄昇格条件を決定する(ステップS819)。この実施の形態では、図柄昇格条件として、遊技者が所定期間(昇格有効期間)内に図柄昇格ボタン120を押さなければならない操作回数が複数種類の回数の中から決定される。操作回数として、例えば、5回操作できたら1つの図柄を確変図柄に図柄昇格させ、10回操作できたら2つ目の図柄を確変図柄に図柄昇格させるといった、詳細な決定を行うようにしてもよい。
ここで、通常大当りになることが決定されているときは、全ての非確変図柄が確変図柄に図柄昇格してしまうと、確変大当りに確定させざるを得ないので、5つの非確変図柄のうちの少なくとも1つの図柄は確変図柄に図柄昇格させてはならないことになる。
図柄昇格演出の回数が1回で図柄数が5図柄と決定された場合に、5図柄の全てが確変図柄に図柄昇格してしまうと確変大当りが確定したことになってしまう。つまり、実際に可変表示されている図柄が全て確変図柄であるのに対して、停止するときの図柄が非確変図柄となっているのは不自然であって、全てが確変図柄に図柄昇格してしまった場合には、停止図柄を確変図柄にせざるを得ない。その場合、確変状態にしないことに決定されているときには、遊技制御用マイクロコンピュータ560において事前に決定された決定結果(通常大当り)と可変表示装置9に導出表示される表示結果(停止図柄が非確変図柄)に矛盾が生ずることになる。
そこで、例えば、昇格有効期間内に遊技者が押すことが不可能な図柄昇格ボタン120の押回数(操作回数)を図柄昇格条件に設定する。例えば、5秒間に10回の操作を行うことが限度と考えられる場合には、図柄昇格条件としての操作回数を、10を越える値にする。なお、確実に図柄昇格させないようにするために、図柄昇格ボタン120が何回押されても図柄昇格条件を満たさないことにしてもよい。
このように構成することにより、遊技制御用マイクロコンピュータ560において事前に決定された決定結果(通常大当り)と可変表示装置9に導出表示される表示結果(停止図柄が非確変図柄)とが整合しない状況を回避することができる。確変大当りになることが決定されているときは、図柄昇格条件に特に制限を設ける必要はない。逆に、満たしやすい図柄昇格条件を設定することにより、確変図柄に図柄昇格しやすいときは、確変大当りになっていると遊技者に期待感を抱かせることができる。
また、第2昇格演出実行フラグがセットされている場合、すなわちラウンド中または大当り遊技の終了後にも昇格演出が実行されることになっている場合には、確変大当りとすることに決定されているときでも、やはり、図柄昇格のチャンスが与えられた全ての図柄が確変図柄に図柄昇格してしまわないようにする。第2昇格演出が実行されるときには、第1昇格演出の結果、すなわち飾り図柄の可変表示の停止図柄を確変図柄にしないようにするためである。
その後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理を示す値に更新して(ステップS820)、処理を終了する。
図27は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS802)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、使用する飾り図柄の変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS821)。そして、選択したプロセステーブルにおけるプロセスデータ1のプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS822)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(可変表示装置9、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する(ステップS823)。例えば、可変表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に制御信号を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
その後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動時間タイマ(飾り図柄の変動時間に応じたタイマ)をスタートし(ステップS824)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS803)を示す値に更新する(ステップS825)。
図28〜図30は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動中処理(ステップS803)を示すフローチャートである。飾り図柄変動中処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄昇格演出の演出回数として2回が選択されているか否か確認する(ステップS827)。2回が選択されている場合には、1回目の演出が実行されているか否か確認する(ステップS828)。1回目の演出が実行されている場合には、変動開始からの経過時間が、2回目の演出開始の時間(この実施の形態では、1回目の演出の終了時間でもある。図14参照)に一致したか否か確認する(ステップS829)。一致した場合には、内部状態(例えば、ステップS841で参照される内部フラグの状態)を一旦昇格演出の実行中でない状態に設定する(ステップS830)。そして、ステップS831に移行する。
ステップS831では、変動時間タイマがタイムアウトしていないかどうかを確認する。変動時間タイマがタイムアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS804)を示す値に更新する(ステップS840)。
変動時間タイマがタイムアウトしていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマを1減算するとともに(ステップS832)、変動時間タイマを1減算する(ステップS833)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンデータ格納領域に格納されているEXTデータから変動パターンに昇格演出が含まれているか否かを確認し、変動パターンに第1昇格演出が含まれているときはEXTデータから認識可能な変動パターンにおける第1昇格演出の開始時間を確認し、さらに変動時間タイマの値を確認することにより、変動開始後の時間が第1昇格演出の開始時間を経過しているか否かを判定する(ステップS834)。変動パターンに第1昇格演出が含まれず、または変動パターンに第1昇格演出が含まれているが未だ昇格演出の開始時間を経過していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認する(ステップS835)。プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS836)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS837)。また、次のプロセスデータの内容に従って演出装置(可変表示装置9、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する(ステップS838)。
変動パターンに第1昇格演出が含まれ、かつ、変動開始後の時間が第1昇格演出の開始時間を経過していれば(ステップS834のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンデータ格納領域に格納されているEXTデータから認識可能な変動パターンにおける大当り図柄確定演出の開始時間を確認するとともに、変動時間タイマの値を確認することにより、変動開始後の時間が大当り図柄確定演出の開始時間を経過しているか否かを判定する(ステップS839)。
この実施の形態では、第1昇格演出には、図柄昇格演出と大当り図柄確定演出とが含まれている(図14参照)。図柄昇格演出は、所定の非確変図柄を確変図柄に図柄昇格させる機会(チャンス)を遊技者に与える演出である。図柄昇格演出が実行されているときに、遊技者が昇格有効期間内に図柄昇格ボタン120を操作して所定の条件を満たした場合、非確変図柄が確変図柄に図柄昇格する。非確変図柄が確変図柄に図柄昇格して全飾り図柄に対する確変図柄の割合が多くなると、遊技者からは確変図柄で大当りになる確率が高くなったように見える。確変状態は遊技者にとって極めて有利な状態であるので、遊技者は、非確変図柄を確変図柄に図柄昇格させるために、図柄昇格演出中に図柄昇格ボタン120を操作するようになる。また、大当り図柄確定演出は、図柄昇格演出において変更された図柄を反映した特定の図柄配列(この例では「0」〜「9」の並び、その中で、図柄昇格演出において変更された図柄は例えば変更されない図柄とは区別可能な態様で表示されている。)により飾り図柄の再変動を行い、図柄昇格演出の実行後に決定された大当り図柄を停止図柄として停止表示する演出である。
大当り図柄確定演出の開始時間を経過していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動時間タイマの値およびステップS830で設定された内部状態を確認することにより、第1昇格演出を実行している最中であるかどうかを判定する(ステップS841)。このとき、第1昇格演出を実行している最中でないと判定されたということは、第1昇格演出が開始された直後であることを意味する。なお、ステップS830で設定された内部状態により第1昇格演出を実行している最中でないと判定された場合には、2回目の図柄昇格演出が開始されることを意味する。第1昇格演出が開始された直後(ステップS830で設定された内部状態により判定された場合には、2回目の図柄昇格演出を開始すべき)であれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄昇格演出のプロセスデータを選択(ステップS830で設定された内部状態により判定された場合にはあらためて選択)し(ステップSS842)、選択したプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS843A)。そして、図柄昇格演出のプロセスデータの内容に従って演出装置(可変表示装置9、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する(ステップS843B)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、昇格有効期間の計測を開始する(ステップS844)。
なお、この実施の形態では、2回の図柄昇格演出が実行される場合があるが、図柄昇格演出のプロセスデータとして1回の図柄昇格演出が実行される場合のプロセスデータと2回の図柄昇格演出が実行される場合のプロセスデータとを用意し、2回の図柄昇格演出が実行される場合のプロセスデータに、図14に示されたように演出を進行させる。
第1昇格演出を実行している最中であれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動時間タイマの値を確認することにより、昇格有効期間が経過しているか否かを判定する(ステップS845)。昇格有効期間が経過していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄昇格演出のプロセスデータの内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS846)。例えば、あらかじめ定められた図柄昇格対象の非確変図柄を可変表示装置9に表示する制御などを行う。次いで、図柄昇格ボタン120のオン(図柄昇格ボタン120が押された状態)を確認する(ステップS847)。図柄昇格ボタン120のオンを確認したときに(ステップS848)、図柄昇格ボタン120のオンに応じ演出装置を制御する(ステップS849A)。また、オン回数をオン回数カウンタでカウントする(ステップS849B)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄昇格演出における図柄昇格条件(図柄昇格ボタン120の操作回数)が成立したか否かを判定する(ステップS850)。図柄昇格条件が成立したときは、非確変図柄を確変図柄に図柄昇格させ(非確変図柄とされていたものを確変図柄と定義し)、図柄昇格させた図柄を示すデータをRAMにおける所定の記憶領域(昇格図柄記憶領域)に記憶する(ステップS851)。ここで、2以上の図柄(非確変図柄)に図柄昇格のチャンスが与えられている場合には、所定の順番(例えば、数が少ない順、ランダムでもよい)で図柄昇格させる。
昇格有効期間が経過していれば(ステップS845のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄昇格した図柄が昇格図柄記憶領域に記憶されているか否かを確認し(ステップS852)、図柄昇格した図柄が記憶されていれば、図柄昇格演出において表示された非確変図柄が確変図柄に図柄昇格したことを可変表示装置9で表示する表示制御を実行する(ステップS853)。図柄昇格した図柄が記憶されていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄降格条件が成立したか否かを判定する(ステップS854)。
なお、図24に示された演出態様決定処理では、図柄昇格のチャンスを与える図柄(非確変図柄)を決定していたが、図柄降格の対象となる確変図柄も決定するように構成されていることが好ましい。具体的には、図柄降格対象となる確変図柄を決定するための乱数(降格対象図柄決定用乱数)の値を抽出し、抽出した乱数の値に対応した図柄降格対象の確変図柄を決定する。
ここで、図柄降格条件は、確変図柄を非確変図柄に図柄降格させるための条件である。例えば、昇格有効期間において1回も遊技者によって図柄昇格ボタン120が押されたことを確認できなかったとき、図柄降格条件が成立したと判定する。このように、遊技に参加する意欲のない遊技者に対しては、確変図柄を非確変図柄に図柄降格させるようにすることにより、積極的に遊技に参加させるようにすることができる。なお、確変大当りになることが決定されているときは、全ての確変図柄が非確変図柄に図柄降格されてしまうと、非確変大当り(通常大当り)が確定したことになってしまうため、5つの確変図柄のうちの少なくとも1つの図柄は非確変図柄に図柄降格させてはならない。これを実現するために、例えば確変図柄の少なくとも一つ(例えば「7」)は非確変図柄に図柄降格しないとあらかじめ決めておいてもよい。
図柄降格条件が成立したときは、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄降格した図柄(確変図柄)を示すデータをRAMにおける所定の記憶領域(降格図柄記憶領域)に記憶する(ステップS855)。そして、所定の確変図柄が非確変図柄に図柄降格したことを可変表示装置9で表示する表示制御を実行する(ステップS856)。図柄降格条件が成立しなかったときは、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄昇格演出において表示された非確変図柄が確変図柄に図柄昇格しなかったことを可変表示装置9で表示する表示制御を実行する(ステップS857)。
ステップS839において大当り図柄確定演出の開始時間を経過していると判定した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動時間タイマの値を確認することにより、大当り図柄確定演出を実行している最中であるかどうかを判定する(ステップS861)。このとき、大当り図柄確定演出を実行している最中でないと判定されたということは、大当り図柄確定演出が開始された直後であることを意味する。大当り図柄確定演出を実行している最中でなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9に表示する飾り図柄の大当り表示図柄を決定し格納する処理を行う(ステップS862)。
具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常大当り演出フラグまたは確変大当り演出フラグがセットされているか否かを確認することにより、大当りが通常大当りか確変大当りかを認識する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2昇格実行フラグがセットされているか否かを確認することにより、大当り遊技のラウンド中または大当り遊技の終了後のエンディング演出において昇格演出(第2昇格演出)が実行されるかどうかを認識する。さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、昇格図柄記憶領域および降格図柄記憶領域に記載されている内容を確認することにより、変更された飾り図柄、すなわち、非確変図柄から確変図柄に図柄昇格した図柄および確変図柄から非確変図柄に図柄降格した図柄を認識する。
通常大当り演出フラグがセットされている場合、また、確変大当り演出フラグがセットされ、かつ、第2昇格実行フラグがセットされている場合には、大当り表示図柄として非確変図柄を決定する必要がある。確変大当り演出フラグがセットされ、かつ、第2昇格実行フラグがセットされていない場合には、大当り表示図柄として確変図柄を決定する必要がある。さらに、図柄昇格あるいは図柄降格した図柄を反映させて、大当り表示図柄として所定の確変図柄または非確変図柄を決定する必要がある。
このような状況に応じて、確変図柄を決定するときに用いる確変大当り用の大当り表示図柄決定用テーブルと、通常大当りのときに用いる通常大当り用の大当り表示図柄決定用テーブルとをあらかじめ用意しておく。また、確変大当り用の大当り表示図柄決定用テーブルおよび通常大当り用の大当り表示図柄決定用テーブルとして、それぞれ、図柄昇格あるいは図柄降格した図柄が反映されるように、確変図柄または非確変図柄の種類や数を変化させたテーブルをあらかじめ複数用意しておく。そして、これらの大当り表示図柄決定用テーブルには各図柄に対応付けて複数の判定値が割り振られる。演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS862において、大当り表示図柄として確変図柄と非確変図柄のどちらを決定すべきかを認識した上で、大当り表示図柄決定用テーブルを選択する。例えば、確変大当り演出フラグがセットされ、かつ、第2昇格実行フラグがセットされているときは、大当り表示図柄として非確変図柄を決定する必要があるので、通常大当り用の大当り表示図柄決定用テーブルを選択する。そして、大当り表示図柄決定用乱数を抽出し、抽出した大当り表示図柄決定用乱数の値と一致する判定値に対応付けられた確変図柄または非確変図柄を大当り表示図柄に決定する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、決定した大当り表示図柄をRAMにおける大当り表示図柄格納領域に格納する。
なお、変更された図柄(図柄昇格した図柄または図柄降格した図柄)に対応する判定値を、本来の確変図柄(この例では、「1」「3」「5」「7」「9」)または本来の非確変図柄(この例では、「0」「2」「4」「6」「8」)に対応する判定値よりも多く設定することにより、変更された図柄が高い割合で大当り表示図柄に決定されるようにすることができる。
その後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変更された図柄が反映された図柄配列(「0」〜「9」の並び、その中で、図柄昇格演出において変更された図柄は特殊な態様で表示されている。特殊な態様は本来の確変図柄の表示態様と同じでもよい。)に対応した大当り図柄確定演出のプロセスデータを選択し(ステップSS863)、選択したプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS864)。なお、大当り図柄確定演出のプロセスデータは、変更された図柄の全ての組み合わせに対応可能な図柄配列のプロセスデータがあらかじめ複数用意されている。そして、大当り図柄確定演出のプロセスデータの内容に従って演出装置(可変表示装置9、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する(ステップS865)。
ステップS861において大当り図柄確定演出を実行している最中であれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り図柄確定演出のプロセスデータの内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS867)。
次に、可変表示装置9において実行される大当り図柄の昇格演出の演出態様について説明する。ここでは、第1昇格演出について説明する。図31〜図33は、可変表示装置において実行される大当り図柄の昇格演出の表示例を示す説明図である。図31〜図33において、(1)(2)(3)・・・というように番号順に表示状態が遷移する。
ここでは、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、大当りの判定(ステップS56)において大当りとする旨の判定を行い、また確変大当りとする旨の決定をしたとする(ステップ104,S105のY)。また、大当り遊技の終了後における第2昇格演出を実行しないと決定したとする(ステップ112,S113のN)。さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、大当り遊技の開始前の第1昇格演出を含む変動パターンを決定したとする(ステップS206)。よって、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1昇格演出を含む変動パターンの演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS214)。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した変動パターンが第1昇格演出を含む変動パターンであるから、飾り図柄の仮停止図柄を決定する(ステップS637〜S640)。
図31(1)に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9において飾り図柄の変動(可変表示)が開始されてから所定時間が経過すると、変動を一旦停止してステップS639で決定した非確変図柄の大当り図柄(仮停止図柄)を仮停止表示する。(1)に示す例では、非確変図柄「222」が仮停止表示されている。その後、大当り図柄の昇格演出(ここでは、第1昇格演出)が開始される(ステップS834のY、ステップS839のN)。第1昇格演出には、図14に示されたように、1回目の図柄昇格演出と2回目の図柄昇格演出と大当り図柄確定演出とが含まれている。
なお、確変図柄と非確変図柄とをあらかじめ定めない場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、いずれの飾り図柄を揃った状態で仮停止表示してもよい。また、この場合、停止図柄を見ただけでは遊技者は確変大当りであるのか通常大当りであるか認識できないため、大当り図柄を仮停止表示した後に、可変表示装置9の画面上に「大当り」や「確変大当り」などの文字を表示してもよい。例えば、図31に示す例では、図31(1)に示す大当り図柄(確変図柄/非確変図柄の区別なし)を表示した後に、通常大当りであることを示す「大当り」の文字を表示してもよい。
昇格演出が開始され1回目の図柄昇格演出が開始されると(ステップS841のN)、図31(2)に示すように、可変表示装置9の画面上にメータを表示させる。また、可変表示装置9の画面上に「「2」「4」を確変図柄に昇格させる場合にはボタンを連打!!」という文を表示させる(ステップS842,S843A,S843B)。この時点から昇格有効期間(例えば5秒)の計測を開始し(ステップS844)。図31(2)に示す内容の文に従って、遊技者は図柄昇格ボタン120を連打する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、VDP109に、可変表示装置9に表示させたい画面を示すコマンドを出力することによって、VDP109に画面表示の制御を行わせる。
なお、この実施の形態では、可変表示装置9に表示されるメータによって、第1昇格演出の進行状況(具体的には、経過時間:操作回数計数手段により計数された操作出力回数と変更条件選択手段により選択された所定の操作出力回数とに応じた情報に相当)を遊技者に報知するようにしたが、遊技に設けられている他の演出装置(ランプ、LED、スピーカなど)によって報知するようにしてもよい。
図31(3)に示すように、遊技者が図柄昇格ボタン120を押す(操作する)ことに応じて、演出制御用マイクロコンピュータ100は、メータのレベルを徐々に上昇していくような表示を行わせる(ステップS847〜S849A)。図31(4)に示すように、メータのレベルが昇格有効期間(例えば5秒)内に最大まで上昇すると(つまり図柄昇格条件である図柄昇格ボタン120が10回押されると;ステップS850,S851)、昇格有効期間経過後に可変表示装置9の画面上に「「2」「4」を確変図柄に昇格させます」という文を表示させる(ステップS852,S853)。このような表示が、図柄の昇格の表示に該当する。なお、メータのレベルに合わせて非確変図柄の色を確変図柄の色に近づくように変更していってもよい。このような構成によれば、さらに図柄が昇格されそうかどうかを遊技者が認識しやすくなる。なお、図31(3)に示された例は、図柄昇格のチャンスが与えられた図柄数が2の場合の例であり、図柄昇格のチャンスが与えられた図柄数に応じて、表示内容は異なる。すなわち、図柄昇格のチャンスが与えられた全ての図柄を遊技者に報知する。
2回目の図柄昇格演出が開始されると、図32(5)に示すように、再び、可変表示装置9の画面上にメータが表示される。また、可変表示装置9の画面上に「「6」「8」を確変図柄に昇格させたい場合はボタンを連打!!」という文が表示される(ステップS842,S843A,S843B)。この時点から昇格有効期間(例えば5秒)の計測が開始される(ステップS844)。図32(5)に示す内容の文に従って、遊技者は図柄昇格ボタン120を連打する。
図32(6)に示すように、遊技者が図柄昇格ボタン120を押す(操作する)ことに応じて、メータのレベルが徐々に上昇していくような表示が行われる(ステップS847〜S849A)。図32(7)に示すように、メータのレベルが昇格有効期間内に最大まで達しなかった場合(つまり図柄昇格条件である図柄昇格ボタン120が20回押されなかった場合;ステップS850のN)は、可変表示装置9の画面上に「タイムオーバー、残念!!「6」「8」は確変図柄に昇格しません」という文が表示される(ステップS857)。このような表示が、図柄の非昇格の表示に該当する。
その後、大当り図柄確定演出の実行時間になると(ステップS839のY、ステップS861のN)、停止図柄として停止表示される飾り図柄の大当り表示図柄を決定する(ステップS862)。そして、大当り図柄確定演出を開始する。大当り図柄確定演出が開始されると、図33(8)に示すように、左中右の飾り図柄が同一図柄で揃った状態で全図柄の変動が開始される(ステップS865,S866)。このとき、確変図柄と非確変図柄とが遊技者から明確に分かるように、確変図柄と非確変図柄とを区別されて表示させる。例えば、確変図柄と非確変図柄とを異なる形で表示させたり、確変図柄と非確変図柄とを異なる色(例えば、確変図柄は赤で、非確変図柄は青)で表示させる。また、図柄昇格演出において図柄昇格した図柄を、確変図柄として表示させる。具体的には、図柄昇格演出において確変図柄に図柄昇格した図柄「2」「4」は、確変図柄として遊技者に認識可能な態様で表示される。
その後、(9)に示すように、可変表示装置9に、ステップS862で決定した大当り表示図柄を停止表示させる(ステップS872)。この実施の形態では、確変図柄に図柄昇格した左中右の図柄「222」が揃った状態で表示されている。その結果、(10)に示すように、確変大当りが確定したことになる。そして、大当り遊技の終了後に、遊技状態が確変状態に制御されることになる。
なお、確変図柄と非確変図柄とをあらかじめ定めない場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、(3)〜(7)に示す図柄昇格演出を実行することなく、図33(8)に示すように、そのまま左中右の飾り図柄が同一図柄で揃った状態で全図柄の変動を開始すればよい。そして、(9)に示すように、可変表示装置9に大当り表示図柄(確変図柄/非確変図柄の区別なし)を停止表示する。この場合であっても、(10)に示すように、確変大当りに昇格したことを示す「確変大当り」の文字を表示することによって、遊技者に確変大当りが確定したことを認識させることができる。
図34および図35は、演出制御プロセス処理におけるラウンド中処理(ステップS806)を示すフローチャートである。ラウンド中処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、エンディングフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS721)。エンディングフラグがセットされていないときは(ステップS721のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放後表示コマンドを受信したことを示す大入賞口開放後フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS722)。
大入賞口開放後フラグもセットされていないときは(ステップS722のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、各入賞口スイッチ14a,29a,30a,33a,39aのオン(各入賞口14,29,30,33,39(始動入賞校14を含む)に遊技球が入賞した状態)を確認し(ステップS723)、ゲートスイッチ32aのオン(ゲート32を遊技球が通過した状態)を確認する(ステップS724)。また、図柄昇格ボタン120のオン(図柄昇格ボタン120が押された状態)を確認する(ステップS725)。なお、この実施の形態では、各入賞口スイッチ14a,29a,30a,33a,39aおよびゲートスイッチ32aの検出信号は、主基板31を経由して演出制御基板80に入力される。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31を介して入力した検出信号にもとづいて、各入賞口スイッチ14a,29a,30a,33a,39aおよびゲートスイッチ32aのオン状態を確認する。なお、各入賞口スイッチ14a,29a,30a,33a,39aおよびゲートスイッチ32aの検出信号を分岐して演出制御基板80に直接入力するようにし、演出制御用マイクロコンピュータ100は、直接入力した検出信号にもとづいて、各入賞口スイッチ14a,29a,30a,33a,39aおよびゲートスイッチ32aのオン状態を確認するようにしてもよい。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2予告演出実行条件が成立したか否かを判定する(ステップS726)。この実施の形態では、ステップS723〜S725で、いずれかの入賞口スイッチ14a,29a,30a,33a,39aのオン、ゲートスイッチ32aのオン、または図柄昇格ボタン120のオンを検出すると、第2予告演出実行条件が成立したと判定する。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、いずれかの入賞口スイッチ14a,29a,30a,33a,39aのオン、ゲートスイッチ32aのオン、または図柄昇格ボタン120のオンのうちのいずれか1つを検出したことを条件として、第2予告演出実行条件が成立したと判定する。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入賞口スイッチ14a,29a,30a,33a,39aのオン、ゲートスイッチ32aのオン、または図柄昇格ボタン120のオンのうちのいずれか2つを検出したことを条件として、第2予告演出実行条件が成立したと判定してもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入賞口スイッチ14a,29a,30a,33a,39aのオン、ゲートスイッチ32aのオン、および図柄昇格ボタン120のオンの全てを検出したことを条件として、第2予告演出実行条件が成立したと判定してもよい。
第2予告演出実行条件が成立していれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセスフラグの値を予告演出態様決定処理(ステップS808A)に応じた値に更新する(ステップS727)。第2予告演出実行条件が成立していれば、ステップS728に移行する。なお、既に第2昇格演出を実行した後である場合には、ステップS726において、第2予告演出実行条件が成立していても、そのままステップS728に移行する。すなわち、この場合、既に確変大当りに昇格する演出を実行した後であるので、第2予告演出の実行を行わない。
第2予告演出実行条件が成立していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ラウンド中第2昇格実行フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS728)。ラウンド中第2昇格実行フラグがセットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り遊技の第7ラウンドであるか否かを確認する(ステップS729)。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100から受信する大入賞口開放中表示コマンドB1XX(H)に示されるラウンド数にもとづいて、現在が大当り遊技の第7ラウンドであるか否かを判断すればよい。なお、この実施の形態では、ラウンド中第2昇格実行フラグがセットされている場合に、大当り遊技の第7ラウンドにおいて第2昇格演出を実行する場合を説明するが、他のラウンド(例えば、第10ラウンド)において第2昇格演出を実行するようにしてもよい。また、図柄特定/演出コマンドにおいて、第7ラウンド中や第10ラウンド実行中など細分化された昇格演出の実行時期が指定されている場合には、図柄特定/演出コマンドで指定されたランド中に第2昇格演出を実行するようにしてもよい。
第2昇格実行フラグがセットされているとともに、現在が第7ラウンドであった場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2昇格演出の演出態様を決定する(ステップS740)。この実施の形態では、ステップS740の処理は、第1昇格演出について演出態様を決定する処理(図24参照)と同じであるとする。よって、第2昇格演出も図31〜図33に示されたように実行される。当然のことであるが図24のステップS811の「第1」を「第2」と読み替える。ただし、第1昇格演出の演出態様と同じであることは必須のことではない。つまり、第2昇格演出の演出態様は、第1昇格演出の演出態様と全く異なっていてもよい。
ステップS740では、第1昇格演出の場合と同様に、図26に例示されたような図柄数決定用テーブルを用いる。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図26に示されたようなテーブルを用いて図柄数を決定する。具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常大当りフラグまたは確変大当りフラグのいずれのフラグがセットされているかを確認することによって、通常大当りまたは確変大当りのいずれの状態であるかを判断する。そして、大当りの状態に応じて使用するテーブルを切り替える。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した図柄数決定用乱数の値と一致する判定値に対応付けられた図柄数を図柄昇格のチャンスを与える図柄数に決定する。
また、ステップS740では、図柄昇格演出において図柄昇格のチャンスが与えられる図柄(1回だけ実行される図柄昇格演出において図柄昇格のチャンスが与えられる非確変図柄として表示される飾り図柄)も決定される。例えば、図柄数として2図柄が決定されたとする。2図柄として、「0」と「2」、「0」と「4」、「0」と「6」、「0」と「8」、「2」と「4」・・・というような複数の組み合わせがある。
図26(A)に示すテーブルにおいて2図柄に設定された判定値の数は40である。そこで、2図柄の各組み合わせに対応付けて40の判定値を割り振っておく。これにより、抽出された図柄数決定用乱数の値と一致する判定値によって図柄数が決定されるとともに、図柄昇格演出において図柄昇格のチャンスが与えられる図柄の組み合わせも決定されることになる。なお、図柄数決定用乱数を用いて図柄数を決定するとともに図柄昇格のチャンスが与えられる図柄の組み合わせも決定するような構成に限られるわけではなく、図柄数は図柄数決定用乱数を用いて決定し、図柄の組み合わせは別の乱数(表示図柄決定用乱数)を用いて決定するように構成されていてもよい。その場合には、図柄数に応じた表示図柄決定用テーブルを用意しておき、各表示図柄決定用テーブルには、図柄の組み合わせに対応付けて判定値が割り振られることになる。
図26(B)に示すテーブルには、図柄数として図柄昇格演出1回目の図柄数と図柄昇格演出2回目の図柄数の組み合わせが設定されている。また、各図柄数の組み合わせに対応付けて複数の判定値が割り振られている。さらに、各図柄数の組み合わせに割り振られた判定値の数は、通常大当りの場合と確変大当りの場合とで異なる数とされている。例えば、1回目の図柄数が1図柄で2回目の図柄数も1図柄については、通常大当りの場合は判定値の数が15とされ、確変大当りの場合は判定値の数が5とされている。また、1回目の図柄数が4図柄で2回目の図柄数が1図柄については、通常大当りの場合は判定値の数が5とされ、確変大当りの場合は判定値の数が15とされている。このように、通常大当りの場合は確変大当りの場合よりも1回目と2回目の図柄昇格演出で図柄昇格のチャンスが与えられる図柄数が少ないときの判定値の数が相対的に多く設定され(例えば、1回目と2回目の図柄昇格演出で図柄昇格のチャンスが与えられる図柄数が2のときは、通常大当りの場合の判定値の数は15であり確変大当りの場合の判定値の数は5である)、逆に、確変大当りの場合は通常大当りの場合よりも1回目と2回目の図柄昇格演出で図柄昇格のチャンスが与えられる図柄数が多いときの判定値の数が相対的に多く設定されている(例えば、1回目と2回目の図柄昇格演出で図柄昇格のチャンスが与えられる図柄数が5のときは、通常大当りの場合の判定値の数は10であり確変大当りの場合の判定値の数は30である)。よって、2回の図柄昇格演出において図柄昇格のチャンスが与えられた図柄の総数が多くなればなるほど(図柄昇格演出において図柄昇格のチャンスが与えられた図柄の総数が多くなればなるほど)、遊技者は確変大当りとなる確率が高くなるように感ずる。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記のテーブルを用いて1回目の図柄数と2回目の図柄数を決定する。具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常大当りフラグまたは確変大当りフラグのいずれのフラグがセットされているかを確認することによって、通常大当りまたは確変大当りのいずれの状態であるかを判断する。そして、大当りの状態に応じて使用するテーブルを切り替える。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した図柄数決定用乱数の値と一致する判定値に対応付けられた図柄数の組み合わせを各図柄昇格演出において図柄昇格のチャンスを与える図柄数に決定する。
また、1回目と2回目の図柄昇格演出において図柄昇格のチャンスが与えられる図柄(非確変図柄)も決定される。例えば、図柄数として1回目の図柄数が2図柄で2回目の図柄数が1図柄の組み合わせが決定されるものとする。1回目の図柄と2回目の図柄とは異なる図柄になるようにすると、1回目と2回目で合計3図柄が表示されることになる。3図柄の組み合わせとしては、「0」と「2」と「4」、「0」と「2」と「6」、「0」と「2」と「8」、「0」と「4」と「6」・・・というような複数の組み合わせがある。図26(B)に示すテーブルにおいて図柄数として2図柄と1図柄の組み合わせに設定された判定値の数は20である。そこで、合計3図柄の各組み合わせに対応付けて20の判定値を割り振っておく。これにより、抽出された図柄数決定用乱数の値と一致する判定値によって1回目と2回目の図柄数が決定されるとともに、1回目と2回目の図柄昇格演出において図柄昇格のチャンスが与えられる図柄の組み合わせも決定されることになる。なお、図柄数決定用乱数を用いて図柄数を決定するとともに図柄の組み合わせも決定するような構成に限られるわけではなく、図柄数を図柄数決定用乱数を用いて決定し、図柄の組み合わせを別の乱数(表示図柄決定用乱数)を用いて決定するように構成されていてもよい。図26(B)のやり方ではなく、図柄昇格演出の回数を決め、例えば2回なら1回目と2回目で別々に図柄数と図柄(非確変図柄)を選択し(第1昇格演出と第2昇格演出のそれぞれで)、最終的に全ての図柄(非確変図柄)を選択するようにしてもよい。図柄(非確変図柄)の数が足りなければ、1つの図柄(非確変図柄)を成り上げないようにしておいて複数回同じ図柄(非確変図柄)を出すようにする。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS740において、第1昇格演出の場合と独立して図柄数を決定してもよいが、第1昇格演出の場合と連動して図柄数を決定することが好ましい。例えば、図柄昇格がない場合の非確変図柄の種類が5であった場合、第1昇格演出では図柄昇格のチャンスが与えられた図柄数が3であったとする。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1昇格演出において選択されなかった2図柄を特定する。特定するために、例えば、第1昇格演出において、図柄昇格のチャンスが与えられた図柄を示すデータをRAMの特定領域に記憶する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS740において、特定領域に存在しないデータに対応した図柄を、第1昇格演出において選択されなかった図柄とする。そして、第2昇格演出では、第1昇格演出において選択されなかった2図柄を含む複数の図柄を、図柄昇格のチャンスが与えられた図柄として選択する。そのような構成によれば、全ての本来の非確変図柄が、一度は、図柄昇格のチャンスが与えられた図柄として選択される。なお、同じ図柄(非確変図柄)を2回図柄昇格対象としてもよい。
また、第1昇格演出のみが実行される場合(第2昇格演出は実行されない場合)には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、全ての本来の非確変図柄を、図柄昇格のチャンスが与えられた図柄として可変表示装置9において報知する選択手段をさらに備えていてもよい。すなわち、第1昇格演出において未だ選択されていない通常識別情報(非確変図柄)があるか否かを特定する特定手段と備え、選択手段は、特定手段により特定された通常識別情報が全て選択されるように通常識別情報を選択するようにしてもよい。その場合、全ての通常識別情報に対して特別識別情報に変更される可能性を与えることができ、遊技者の期待感を維持できる。特定手段は、演出回数が1回の場合には(図24におけるステップS816参照)、当然に全ての図柄を選択するが、演出回数が2回の場合には、2回目に、1回目において選択されなかった図柄を全て選択すればよい。同じ図柄(非確変図柄)を2回図柄昇格対象としてもよい。
また、第2昇格演出のみを実行してもよく(第1昇格演出は実行されない)、その場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、全ての本来の非確変図柄を、図柄昇格のチャンスが与えられた図柄として可変表示装置9において報知する選択手段をさらに備えていてもよい。すなわち、第2昇格演出において未だ選択されていない通常識別情報(非確変図柄)があるか否かを特定する特定手段と備え、選択手段は、特定手段により特定された通常識別情報が全て選択されるように通常識別情報を選択するようにしてもよい。特定手段は、演出回数が1回の場合には(図24におけるステップS816参照)、当然に全ての図柄を選択するが、演出回数が2回の場合には、2回目に、1回目において選択されなかった図柄を全て選択すればよい。同じ図柄(非確変図柄)を2回図柄昇格対象としてもよい。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS740において、各図柄昇格演出における非確変図柄を確変図柄に図柄昇格させるための図柄昇格条件を決定する。図柄昇格条件として、遊技者が所定期間(図柄昇格有効期間)内に昇格ボタン120を押さなければならない回数が複数種類の回数の中から決定される。
ここで、通常大当りになることが決定されているときは、全ての非確変図柄が確変図柄に図柄昇格されてしまうと、上述したように、確変大当りが確定したことになってしまうため、5つの非確変図柄のうちの少なくとも1つの図柄は確変図柄に図柄昇格させてはならないことになる。具体的には、図柄昇格演出の回数が1回で図柄数が5図柄と決定された場合に、5図柄の全てが確変図柄に図柄昇格してしまうと確変大当りが確定したことになってしまうので、これを防ぐために、昇格有効期間内に遊技者が押すことが不可能な昇格ボタン120の押回数(操作回数)を図柄昇格条件に設定する。なお、確実に図柄昇格させないようにするために、昇格ボタン120が何回押されても図柄昇格条件が成立しないことにしてもよい。このように構成することにより、遊技制御用マイクロコンピュータ560において事前に決定された決定結果(通常大当り)と可変表示装置9に導出表示される表示結果(停止図柄が非確変図柄)とが整合しない状況を回避することができる。確変大当りになることが決定されているときは、図柄昇格条件に特に制限を設ける必要はない。逆に、成立しやすい図柄昇格条件を設定することにより、確変図柄に図柄昇格しやすいときは、確変大当りになっていると遊技者に期待感を抱かせることができる。
そして、第1昇格演出の場合と同様に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、昇格有効期間の計測を開始する(ステップS741)。すなわち、昇格有効期間計測タイマをスタートさせる。なお、この実施の形態では、昇格有効期間計測タイマとして演出制御用マイクロコンピュータ100の内部タイマを使用するが、ソフトウェアタイマを使用する場合には、演出時間計測タイマの場合と同様、ラウンド中演出処理において、その値が1ずつ減算される。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄昇格演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS742)。そして、第2昇格演出の終了時点を決めるための演出期間継続タイマに、第2昇格演出の期間(例えば、15秒)に相当する値を設定し(ステップS743)、図31(1)に示されたような非確変図柄を可変表示装置9に表示(停止表示)させる(ステップS744)。停止表示される非確変図柄は、飾り図柄の可変表示が終了したときに停止表示されたものでもよいが、他の非確変図柄でもよい。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中演出処理(ステップS807)に応じた値に更新する(ステップS745)。
第2昇格実行フラグがセットされてない場合、または第7ラウンドでない場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS730)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27、ランプ28a〜28c等)の制御を実行する(ステップS731)。例えば、可変表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、ラウンド数を示す文字やその他のキャラクタなどを表示する演出が実行される。このとき、図柄/演出指定コマンドの内容とファンファーレコマンドの内容とが不一致だった場合には、大当り表示図柄として特定の図柄(「???」)が表示される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS732)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS733)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS734)。
ステップS722において大入賞口開放後フラグがセットされているときは(ステップS722のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放後表示コマンドの内容にもとづいてインターバル演出(ラウンド数に応じたインターバル表示を行う演出)を選択する(ステップS735)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放後フラグをリセットし(ステップS736)、選択したインターバル演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS737)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS738)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS808)に対応した値に設定する(ステップS739)。
ステップS721においてエンディングフラグがセットされたときは(ステップS721のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、エンディングフラグをリセットし(ステップS746)、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了表示処理(ステップS809)に対応した値に設定する(ステップS747)。
図36〜38は、ラウンド中演出処理を示すフローチャートである。ラウンド中演出処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS740の処理で図柄昇格演出の演出回数として2回が選択されているか否か確認する(ステップS496)。2回が選択されている場合には、1回目の演出が実行されているか否か確認する(ステップS497)。1回目の演出が実行されている場合には、第2昇格演出の開始からの経過時間が、2回目の演出開始の時間(この実施の形態では、1回目の演出の終了時間でもある。図15参照)に一致したか否か確認する(ステップS498)。一致した場合には、昇格有効期間の計測をあらためて開始する(ステップS499)。すなわち、昇格有効期間計測タイマを再スタートさせる。また、図柄昇格演出に応じたプロセスデータをあらためて選択する(ステップS500)。そして、ステップS501に移行する。ステップS499,S500の処理によって、図柄昇格演出(具体的には、2回目の図柄昇格演出)があらためて開始される。
ステップS501では、演出期間計測タイマの値を−1する。そして、演出期間計測タイマの値が0になった場合には(ステップS502)、大当り表示図柄を可変表示装置9において停止表示させ(ステップS503)、第2昇格実行フラグをリセットする(ステップS503A)。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS806)に応じた値に更新し(ステップS504)、処理を終了する。なお、大当り表示図柄とは、第2昇格演出が実行された後に最終的に停止表示(導出表示)される飾り図柄の大当り図柄のことをいう。また、大当り表示図柄は、後述するステップS532において決定される。
演出期間計測タイマの値が0になっていない場合には、第2昇格演出開始後の時間が大当り図柄確定演出の開始時間として決められている時間を経過しているか否か判定する(ステップS511)。経過している場合には、ステップS531に移行する。経過していない場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、昇格有効期間計測タイマの値を参照して、昇格有効期間が経過しているか否か判定する(ステップS512)。昇格有効期間が経過していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄昇格演出のプロセスデータの内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS513)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、あらかじめ定められた図柄昇格対象の図柄(非確変図柄)を示す情報を可変表示装置9に表示する制御やメータのレベルを徐々に上昇していくような表示を行わせる制御などを行う(図31(2),(3)参照)。次いで、図柄昇格ボタン120のオン(図柄昇格ボタン120が押された状態)を確認する(ステップS515)。図柄昇格ボタン120のオンを確認したときに、図柄昇格ボタン120のオンに応じ演出装置を制御する(ステップS516)。また、オン回数をオン回数カウンタでカウントする(ステップS517)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄昇格演出における図柄昇格条件(図柄昇格ボタン120の操作回数)が成立したか否かを判定する(ステップS518)。図柄昇格条件が成立したときは、非確変図柄を確変図柄に図柄昇格させ(非確変図柄とされていたものを確変図柄と定義し)、図柄昇格した図柄を示すデータをRAMにおける所定の記憶領域(昇格図柄記憶領域)に記憶する(ステップS519)。
ステップS512において、昇格有効期間が経過していることを確認すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄昇格した図柄を示すデータが昇格図柄記憶領域に記憶されているか否かを確認し(ステップS521)、図柄昇格した図柄を示すデータが記憶されていれば、図柄昇格演出において表示された非確変図柄が確変図柄に図柄昇格したことを可変表示装置で表示する表示制御(図31(4)参照)を実行する(ステップS522)。図柄昇格した図柄を示すデータが記憶されていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄降格条件が成立したか否かを判定する(ステップS523)。
第1昇格演出の場合と同様、図柄降格条件は、確変図柄を非確変図柄に図柄降格させるための条件である。この実施の形態では、昇格有効期間において1回も遊技者によって図柄昇格ボタン120が押されたことを確認できなかったとき、図柄降格条件が成立したと判定する。このように、遊技に参加する意欲のない遊技者に対しては、確変図柄を非確変図柄に図柄降格させるようにすることにより、積極的に遊技に参加させるようにすることができる。なお、確変大当りになることが決定されているときは、全ての確変図柄が非確変図柄に図柄降格されてしまうと、非確変大当り(通常大当り)が確定したことになってしまうため、5つの確変図柄のうちの少なくとも1つの図柄は非確変図柄に図柄降格させてはならない。そのために、例えば確変図柄の少なくとも一つ(例えば「7」)は非確変図柄に図柄降格しないとあらかじめ決めておいてもよい。
図柄降格条件が成立したときは、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変図柄を非確変図柄に図柄降格させ(確変図柄を非確変図柄と定義する)、図柄降格した図柄(確変図柄)を示すデータRAMにおける所定の記憶領域(降格図柄記憶領域)に記憶する(ステップS524)。そして、所定の確変図柄が非確変図柄に図柄降格したことを可変表示装置9で表示する表示制御を実行する(ステップS525)。図柄降格条件が成立しなかったときは、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄昇格演出において表示された非確変図柄が確変図柄に図柄昇格しなかったことを可変表示装置9で表示する表示制御を実行する(ステップS526)。
ステップS511において大当り図柄確定演出の開始時間を経過していると判定した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出期間計測タイマの値を参照して、大当り図柄確定演出を実行している最中であるかどうかを判定する(ステップS531)。このとき、大当り図柄確定演出を実行している最中でないと判定されたということは、大当り図柄確定演出が開始された直後であることを意味する。大当り図柄確定演出を実行している最中でなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9に停止表示する飾り図柄の大当り表示図柄を決定し格納する処理を行う(ステップS532)。
具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常大当り演出フラグまたは確変大当り演出フラグがセットされているか否かを確認することにより、大当りが通常大当りか確変大当りかを認識する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、昇格図柄記憶領域および降格図柄記憶領域に記載されている内容を確認することにより、変更された飾り図柄、すなわち、非確変図柄から確変図柄に図柄昇格した図柄および確変図柄から非確変図柄に図柄降格した図柄を認識する。
通常大当り演出フラグがセットされている場合には、大当り表示図柄として非確変図柄を決定する必要がある。一方、確変大当り演出フラグがセットされている場合には、大当り表示図柄として確変図柄を決定する必要がある。さらに、図柄昇格あるいは図柄降格した図柄を反映させて、大当り表示図柄として所定の確変図柄または非確変図柄を決定する必要がある。
このような状況に応じて、確変図柄を決定するときに用いる確変大当り用の大当り表示図柄決定用テーブルと、通常大当りのときに用いる通常大当り用の大当り表示図柄決定用テーブルとをあらかじめ用意しておく。また、確変大当り用の大当り表示図柄決定用テーブルおよび通常大当り用の大当り表示図柄決定用テーブルとして、それぞれ、図柄昇格あるいは図柄降格した図柄が反映されるように、確変図柄または非確変図柄の種類や数を変化させたテーブルをあらかじめ複数用意しておく。そして、これらの大当り表示図柄決定用テーブルには各図柄に対応付けて複数の判定値が割り振られる。演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り表示図柄として確変図柄と非確変図柄のどちらを決定すべきかを認識した上で、大当り表示図柄決定用テーブルを選択する。そして、大当り表示図柄決定用乱数を抽出し、抽出した大当り表示図柄決定用乱数の値と一致する判定値に対応付けられた確変図柄または非確変図柄を大当り表示図柄に決定する。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、決定した大当り表示図柄をRAMにおける大当り表示図柄格納領域に格納する。
なお、変更された図柄(図柄昇格した図柄または図柄降格した図柄)に対応する判定値を、本来の確変図柄(この例では、「1」「3」「5」「7」「9」)または本来の非確変図柄(この例では、「0」「2」「4」「6」「8」)に対応する判定値よりも多く設定することにより、変更された図柄が高い割合で大当り表示図柄に決定されるようにすることができる。
なお、そのような構成に関連する技術が、例えば特開2003−325873号公報に記載されている。すなわち、演出制御手段は、遊技制御手段からのコマンドに従って選択肢を遊技者に提示し、遊技者の選択にもとづいて演出態様を決定している。しかし、遊技制御手段における事前決定手段の決定にもとづいて選択肢が提示されることになり、提示される選択肢によっては遊技者の遊技参加への意欲を減退させてしまうおそれがある。また、遊技者は、あらかじめ決定された選択肢の中から選択を行うにすぎず、実行される演出に関して影響を与えることはできるものの、表示される結果に与える影響はほとんどない。
これに対して、この実施の形態では、提示されたものによって遊技者の遊技に対する意欲を減退させることなく、遊技者を遊技に積極的に参加させることができる。また、最後の段階まで確変状態に移行されるか否か不明になるので、遊技者の確変状態に対する期待感を向上させることができる。さらに、遊技者の操作に応じて非確変図柄を確変図柄に図柄昇格させるので、遊技者に対して、最終停止図柄に対して大きな影響を与えたかのように感じさせることができる。また、全ての図柄(非確変図柄)を1度は表示するとしたときに、遊技者の確変状態に対する期待感をより向上させることができる。
その後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変更された図柄が反映された図柄配列に対応した大当り図柄確定演出のプロセスデータを選択し(ステップS533)、選択したプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS534)。なお、大当り図柄確定演出のプロセスデータは、変更された図柄の全ての組み合わせに対応可能な図柄配列のプロセスデータがあらかじめ複数用意されている。そして、大当り図柄確定演出のプロセスデータの内容に従って演出装置(可変表示装置9、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する(ステップS535)。
ステップS531において大当り図柄確定演出を実行している最中であれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り図柄確定演出のプロセスデータの内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS536)。ステップS536の処理によって、図33(8)に示されたような可変表示が実行される。すなわち、「0」「0」「0」から「9」「9」「9」の方向に(「9」「9」「9」の次には「0」「0」「0」を表示)、左中右図柄が揃った状態で特定配列(この例では「0」〜「9」の並び、その中で、図柄昇格演出において変更された図柄は変更されない図柄と区別可能な態様で表示されている。)により可変表示が実行される。特定配列には、確変図柄(本来の確変図柄の他に非確変図柄から図柄昇格したものを含む)と非確変図柄(非確変図柄には確変図柄から図柄降格したものを含む)とが含まれる。
図39は、演出制御プロセス処理における予告演出態様決定処理(ステップS808A)を示すフローチャートである。予告演出態様決定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、予告演出決定用乱数を抽出し(ステップS540)、確変大当り演出フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS541)。確変大当り演出フラグがセットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2予告演出の内容を決定するための予告演出決定用テーブルとして、確変大当り時予告演出決定用テーブルを選択する(ステップS542)。確変大当り演出フラグがセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2予告演出の内容を決定するための予告演出決定用テーブルとして、通常大当り時予告演出決定用テーブルを選択する(ステップS543)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した予告演出決定用乱数の値にもとづいて、選択した予告演出決定用テーブルを用いて第2予告演出の内容(例えば、第2予告演出において可変表示装置9の画面上に登場させるキャラクタ)を決定する(ステップS544)。
具体的には、予告演出決定用テーブルには、第2予告演出で用いる各キャラクタに対応付けて複数の判定値が割り振られている。そして、抽出された予告演出決定用乱数の値と一致する判定値に対応付けられたキャラクタが、第2予告演出で画面上に登場させるキャラクタとして決定される。予告演出決定用テーブルの例を図40に示す。図40に示す例では、第2予告演出に用いるキャラクタ(画面上に登場させるキャラクタ)としてキャラクタA,Bが設定されている。また、図40に示すように、通常大当りの場合と確変大当りの場合とで振分率の異なるテーブルを用いる。図40(A)は、通常大当り時に第2予告演出の内容を決定するための通常大当り時予告演出決定用テーブルである。また、図40(B)は、確変大当り時に第2予告演出の内容を決定するための確変大当り時予告演出決定用テーブルである。
図40(A)に示すように、通常大当り時予告演出決定用テーブルでは、キャラクタAがキャラクタBよりも多くの判定値が割り当てられている。従って、この実施の形態では、通常大当り時に、第2予告演出に用いるキャラクタとして、キャラクタAがキャラクタBよりも高い確率(70パーセントの確率)で決定される。また、図40(B)に示すように、確変大当り時予告演出決定用テーブルでは、キャラクタBがキャラクタAよりも多くの判定値が割り当てられている。従って、この実施の形態では、確変大当り時に、第2予告演出に用いるキャラクタとして、キャラクタBがキャラクタAよりも高い確率(70パーセントの確率)で決定される。なお、この実施の形態では、第2予告演出で用いるキャラクタの種類を2種類としているが、第2予告演出で3種類以上のキャラクタを用いてもよい。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出ステップ数決定用乱数を抽出し(ステップS545)、確変大当り演出フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS546)。確変大当り演出フラグがセットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2予告演出で実行する演出ステップの数を決定するための演出ステップ数決定用テーブルとして、確変大当り時演出ステップ数決定用テーブルを選択する(ステップS547)。確変大当り演出フラグがセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2予告演出で実行する演出ステップの数を決定するための演出ステップ数決定用テーブルとして、通常大当り時演出ステップ数決定用テーブルを選択する(ステップS548)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した演出ステップ数決定用乱数の値にもとづいて、選択した演出ステップ数決定用テーブルを用いて第2予告演出で実行する演出ステップ数を決定する(ステップS549)。
具体的には、演出ステップ数決定用テーブルには、演出ステップ数に対応付けて複数の判定値が割り振られている。そして、抽出された演出ステップ数決定用乱数の値と一致する判定値に対応付けられた演出ステップ数が、第2予告演出で実行される演出ステップ数として決定される。演出ステップ数決定用テーブルの例を図41に示す。図41に示す例では、第2予告演出で実行する演出ステップ数として1ステップと2ステップとが設定されている。また、図41に示すように、通常大当りの場合と確変大当りの場合とで振分率の異なるテーブルを用いる。図41(A)は、通常大当り時に第2予告演出で実行する演出ステップ数を決定するための通常大当り時演出ステップ数決定用テーブルである。また、図41(B)は、確変大当り時に第2予告演出で実行する演出ステップ数を決定するための確変大当り時演出ステップ数決定用テーブルである。
図41(A)に示すように、通常大当り時演出ステップ数決定用テーブルでは、演出ステップ数「1」が演出ステップ数「2」よりも多くの判定値が割り当てられている。従って、この実施の形態では、通常大当り時に、第2予告演出で実行する演出ステップ数として、1ステップが2ステップよりも高い確率(70パーセントの確率)で決定される。また、図41(B)に示すように、確変大当り時演出ステップ数決定用テーブルでは、演出ステップ数「2」が演出ステップ数「1」よりも多くの判定値が割り当てられている。従って、この実施の形態では、確変大当り時に、第2予告演出で実行する演出ステップ数として、2ステップが1ステップよりも高い確率(70パーセントの確率)で決定される。すなわち、この実施の形態では、確変大当り時において、通常大当り時よりも多くの演出ステップを含む第2予告演出が実行されやすい。なお、この実施の形態では、第2予告演出で実行する演出ステップ数を1ステップまたは2ステップとしているが、第2予告演出で3ステップ以上の演出ステップを実行してもよい。
その後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、決定した予告演出態様にもとづいて第2予告演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS550)。そして、第2予告演出の終了時点を決めるための演出期間計測タイマに、第2予告演出の期間(例えば、15秒)に相当する値を設定し(ステップS551)、演出制御プロセスフラグの値を予告演出処理を示す値に更新して(ステップS552)、処理を終了する。
図42は、予告演出処理を示すフローチャートである。予告演出処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS549の処理で第2予告演出の演出ステップ数として2ステップが選択されているか否か確認する(ステップS560)。2ステップが選択されている場合には、1ステップ目の演出が実行されているか否か確認する(ステップS561)。1ステップ目の演出が実行されている場合には、第2予告演出の開始からの経過時間が、2ステップ目の演出開始の時間(この実施の形態では、1ステップ目の演出の終了時間でもある。)に一致したか否か確認する(ステップS562)。一致した場合には、第2予告演出に応じたプロセスデータ(すなわち、2ステップ目の演出に応じたプロセスデータ)をあらためて選択する(ステップS563)。そして、ステップS564に移行する。ステップS562,563の処理によって、第2予告演出(具体的には、2ステップ目の予告演出)があらためて開始される。
ステップS564では、演出期間計測タイマの値を−1する。そして、演出期間計測タイマの値が0になった場合には(ステップS565)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS806)に応じた値に更新し(ステップS567)、処理を終了する。
演出期間計測タイマの値が0になっていない場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、選択されている第2予告演出のプロセスデータの内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS566)。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS544で決定したキャラクタなどを表示することによって、確変大当りへの昇格の期待度を予告する演出を行う。なお、1ステップ目の予告演出を実行する場合と、2ステップ目の予告演出を実行する場合とで、可変表示装置9の画面上に異なる数のキャラクタを表示してもよい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、1回目の予告演出を実行する場合には画面上にキャラクタを1つ登場させ、2回目の予告演出を実行する場合には画面上にキャラクタを2つ登場させてもよい。そのようにすれば、画面上に登場させるキャラクタの数によって、確変大当りへの昇格の期待度に差をつけることができ、遊技者の興趣をより向上させることができる。
次に、可変表示装置9において実行される確変大当りへの昇格の期待度の予告を報知する第2予告演出の演出態様について説明する。図43および図44は、可変表示装置9において実行される第2予告演出の表示例を示す説明図である。図43および図44において、(1)(2)(3)・・・というように番号順に表示状態が遷移する。
図43に示す例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、大当りの判定(ステップS56)において大当りとする旨の判定を行い、また、通常大当りとする旨の決定をしたとする(ステップ104,S105のN)。図43(1)に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9において飾り図柄の変動(可変表示)が開始されてから所定時間が経過すると、変動を一旦停止してステップS639で決定した非確変図柄の大当り図柄(仮停止図柄)を仮停止表示する。(1)に示す例では、非確変図柄「222」が仮停止表示されている。
なお、確変図柄と非確変図柄とをあらかじめ定めない場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、いずれの飾り図柄を揃った状態で仮停止表示してもよい。また、この場合、停止図柄を見ただけでは遊技者は確変大当りであるのか通常大当りであるか認識できないため、大当り図柄を仮停止表示した後に、可変表示装置9の画面上に「大当り」や「確変大当り」などの文字を表示してもよい。例えば、図43に示す例では、図43(1)に示す大当り図柄(確変図柄/非確変図柄の区別なし)を表示した後に、通常大当りであることを示す「大当り」の文字を表示してもよい。
大当り遊技の開始後のラウンド中に、図43(2)に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、いずれかの入賞口スイッチ14a,29a,30a,33a,39aのオン、ゲートスイッチ32aのオン、または図柄昇格ボタン120のオンを検出すると、第2予告演出実行条件が成立したと判定する(ステップS726のY)。すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、予告演出態様決定処理(ステップS808A)に移行し、予告演出決定用テーブルを用いて第2予告演出の内容(本例では、第2予告演出において可変表示装置9の画面上に登場させるキャラクタ)を決定する(ステップS544)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出ステップ数決定用テーブルを用いて第2予告演出で実行する演出ステップ数を決定する(ステップS549)。図43に示す例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2予告演出の内容として「キャラクタA」を選択し、演出ステップ数として「1ステップ」を決定したとする。すなわち、通常大当りの場合であるので、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当りの場合と比較して、高い割合で第2予告演出の内容として「キャラクタA」を選択し、高い割合で演出ステップ数「1ステップ」を選択する。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、予告演出処理(ステップS808B)に移行し、第2予告演出を実行する。図43(3)に示す例では、予告演出態様決定処理の決定結果に従って、可変表示装置9の画面上に「キャラクタA」を登場させる演出が実行され、1ステップのみの予告演出が実行される。また、図43(3)に示すように、可変表示装置9の画面上にメータを表示させ、可変表示装置9の画面上に「確変成上り期待度30%」という文を表示(キャラクタのセリフとして表示)させる。
また、図44に示す例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、大当りの判定(ステップS56)において大当りとする旨の判定を行い、また、確変大当りとする旨の決定をしたとする(ステップ104,S105のY)。図44(1)に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9において飾り図柄の変動(可変表示)が開始されてから所定時間が経過すると、変動を一旦停止してステップS639で決定した非確変図柄の大当り図柄(仮停止図柄)を仮停止表示する。(1)に示す例では、非確変図柄「222」が仮停止表示されている。
なお、確変図柄と非確変図柄とをあらかじめ定めない場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、いずれの飾り図柄を揃った状態で仮停止表示してもよい。また、この場合、停止図柄を見ただけでは遊技者は確変大当りであるのか通常大当りであるか認識できないため、大当り図柄を仮停止表示した後に、可変表示装置9の画面上に「大当り」や「確変大当り」などの文字を表示してもよい。例えば、図44に示す例では、図44(1)に示す大当り図柄(確変図柄/非確変図柄の区別なし)を表示した後に、通常大当りであることを示す「大当り」の文字を表示してもよい。
大当り遊技の開始後のラウンド中に、図44(2)に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、いずれかの入賞口スイッチ14a,29a,30a,33a,39aのオン、ゲートスイッチ32aのオン、または図柄昇格ボタン120のオンを検出すると、第2予告演出実行条件が成立したと判定する(ステップS726のY)。すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、予告演出態様決定処理(ステップS808A)に移行し、予告演出決定用テーブルを用いて第2予告演出の内容(本例では、第2予告演出において可変表示装置9の画面上に登場させるキャラクタ)を決定する(ステップS544)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出ステップ数決定用テーブルを用いて第2予告演出で実行する演出ステップ数を決定する(ステップS549)。図44に示す例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2予告演出の内容として「キャラクタB」を選択し、演出ステップ数として「2ステップ」を決定したとする。すなわち、確変大当りの場合であるので、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常大当りの場合と比較して、高い割合で第2予告演出の内容として「キャラクタB」を選択し、高い割合で演出ステップ数「2ステップ」を選択する。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、予告演出処理(ステップS808B)に移行し、第2予告演出を実行する。図44(3)(4)に示す例では、予告演出態様決定処理の決定結果に従って、可変表示装置9の画面上に「キャラクタB」を登場させる演出が実行され、2ステップにわたる予告演出が実行される。この場合、図44(2)(3)に示すように、1ステップ目ではキャラクタを1つのみ表示し、2ステップ目の演出ではキャラクタを2つ表示する。また、図44(3)(4)に示すように、可変表示装置9の画面上にメータを表示させ、1ステップ目の演出において可変表示装置9の画面上に「確変成上り期待度30%」という文を表示(キャラクタのセリフとして表示)させ、2ステップ目の演出において可変表示装置9の画面上に「確変成上り期待度70%」という文を表示(キャラクタのセリフとして表示)に切り替える。そのような演出を行うことによって、遊技者に対して確変大当りへの昇格の期待度を高めることができ、遊技への興趣をより高めることができる。
なお、第2予告演出の態様は本例で示したものに限られず、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技に設けられている他の演出装置(ランプ、LED、スピーカなど)を用いて、確変大当りへの昇格の期待度の予告を報知するようにしてもよい。
図45は、演出制御プロセス処理におけるラウンド後処理(ステップS809)を示すフローチャートである。ラウンド後処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放中表示コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS951)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS951のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS952)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27、ランプ28a〜28c等)の制御を実行する(ステップS953)。例えば、可変表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、所定のキャラクタなどを表示する演出が実行される。このとき、図柄/演出指定コマンドの内容とファンファーレコマンドの内容とが不一致だった場合には、大当り表示図柄として特定の図柄(「???」)が表示される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS954)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS955)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS956)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS951のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放中表示コマンドの内容にもとづいてラウンド中演出(ラウンド数に応じたラウンド表示を実行する演出)を選択する(ステップS957)。次いで、大入賞口開放中フラグをリセットし(ステップS958)、ラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS959)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS960)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS806)に対応した値に設定する(ステップS961)。
図46は、演出制御プロセス処理における大当り終了表示処理(ステップS810A)を示すフローチャートである。大当り終了表示処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2昇格実行フラグ(大当り終了後第2昇格実行フラグ)がセットされているか否かを確認する(ステップS873)。第2昇格実行フラグがセットされていなければ、可変表示装置9に大当り遊技が終了したことを示す表示を行わせ(ステップS874)、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新し(ステップS875)、処理を終了する。なお、図46では簡略化されて示されているが、ステップS874の処理にもとづく報知は、所定期間(例えば、6秒)に亘って継続される。この実施の形態では、そのような報知が、大当り終了後第2昇格演出を実行しない場合のエンディング演出に相当する。
第2昇格実行フラグがセットされていた場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2昇格演出の演出態様を決定する(ステップS876)。この実施の形態では、ステップS876の処理は、第1昇格演出についての演出態様を決定する処理(図24参照)と同じであるとする。よって、大当り終了後第2昇格演出も図31〜図33に示されたように実行される。当然のことであるが図24のステップS811の「第1」を「第2」と読み替える。ただし、第1昇格演出の演出態様と同じであることは必須のことではない。つまり、第2昇格演出の演出態様は、第1昇格演出の演出態様と全く異なっていてもよい。
ステップS876では、第1再抽選演出の場合と同様に、図26に例示されたような図柄数決定用テーブルを用いる。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、図26に示されたようなテーブルを用いて図柄数を決定する。具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常大当りフラグまたは確変大当りフラグのいずれのフラグがセットされているかを確認することによって、通常大当りまたは確変大当りのいずれの状態であるかを判断する。そして、大当りの状態に応じて使用するテーブルを切り替える。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した図柄数決定用乱数の値と一致する判定値に対応付けられた図柄数を図柄昇格のチャンスを与える図柄数に決定する。
また、ステップS876では、図柄昇格演出において図柄昇格のチャンスが与えられる図柄(1回だけ実行される図柄昇格演出において図柄昇格のチャンスが与えられる非確変図柄として表示される飾り図柄)も決定される。例えば、図柄数として2図柄が決定されたとする。2図柄として、「0」と「2」、「0」と「4」、「0」と「6」、「0」と「8」、「2」と「4」・・・というような複数の組み合わせがある。
図26(A)に示すテーブルにおいて2図柄に設定された判定値の数は40である。そこで、2図柄の各組み合わせに対応付けて40の判定値を割り振っておく。これにより、抽出された図柄数決定用乱数の値と一致する判定値によって図柄数が決定されるとともに、図柄昇格演出において図柄昇格のチャンスが与えられる図柄の組み合わせも決定されることになる。なお、図柄数決定用乱数を用いて図柄数を決定するとともに図柄昇格のチャンスが与えられる図柄の組み合わせも決定するような構成に限られるわけではなく、図柄数は図柄数決定用乱数を用いて決定し、図柄の組み合わせは別の乱数(表示図柄決定用乱数)を用いて決定するように構成されていてもよい。その場合には、図柄数に応じた表示図柄決定用テーブルを用意しておき、各表示図柄決定用テーブルには、図柄の組み合わせに対応付けて判定値が割り振られることになる。
図26(B)に示すテーブルには、図柄数として図柄昇格演出1回目の図柄数と図柄昇格演出2回目の図柄数の組み合わせが設定されている。また、各図柄数の組み合わせに対応付けて複数の判定値が割り振られている。さらに、各図柄数の組み合わせに割り振られた判定値の数は、通常大当りの場合と確変大当りの場合とで異なる数とされている。例えば、1回目の図柄数が1図柄で2回目の図柄数も1図柄については、通常大当りの場合は判定値の数が15とされ、確変大当りの場合は判定値の数が5とされている。また、1回目の図柄数が4図柄で2回目の図柄数が1図柄については、通常大当りの場合は判定値の数が5とされ、確変大当りの場合は判定値の数が15とされている。このように、通常大当りの場合は確変大当りの場合よりも1回目と2回目の図柄昇格演出で図柄昇格のチャンスが与えられる図柄数が少ないときの判定値の数が相対的に多く設定され(例えば、1回目と2回目の図柄昇格演出で図柄昇格のチャンスが与えられる図柄数が2のときは、通常大当りの場合の判定値の数は15であり確変大当りの場合の判定値の数は5である)、逆に、確変大当りの場合は通常大当りの場合よりも1回目と2回目の図柄昇格演出で図柄昇格のチャンスが与えられる図柄数が多いときの判定値の数が相対的に多く設定されている(例えば、1回目と2回目の図柄昇格演出で図柄昇格のチャンスが与えられる図柄数が5のときは、通常大当りの場合の判定値の数は10であり確変大当りの場合の判定値の数は30である)。よって、2回の図柄昇格演出において図柄昇格のチャンスが与えられた図柄の総数が多くなればなるほど(図柄昇格演出において図柄昇格のチャンスが与えられた図柄の総数が多くなればなるほど)、遊技者は確変大当りとなる確率が高くなるように感ずる。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記のテーブルを用いて1回目の図柄数と2回目の図柄数を決定する。具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常大当りフラグまたは確変大当りフラグのいずれのフラグがセットされているかを確認することによって、通常大当りまたは確変大当りのいずれの状態であるかを判断する。そして、大当りの状態に応じて使用するテーブルを切り替える。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した図柄数決定用乱数の値と一致する判定値に対応付けられた図柄数の組み合わせを各図柄昇格演出において図柄昇格のチャンスを与える図柄数に決定する。
また、1回目と2回目の図柄昇格演出において図柄昇格のチャンスが与えられる図柄(非確変図柄)も決定される。例えば、図柄数として1回目の図柄数が2図柄で2回目の図柄数が1図柄の組み合わせが決定されるものとする。1回目の図柄と2回目の図柄とは異なる図柄になるようにすると、1回目と2回目で合計3図柄が表示されることになる。3図柄の組み合わせとしては、「0」と「2」と「4」、「0」と「2」と「6」、「0」と「2」と「8」、「0」と「4」と「6」・・・というような複数の組み合わせがある。図26(B)に示すテーブルにおいて図柄数として2図柄と1図柄の組み合わせに設定された判定値の数は20である。そこで、合計3図柄の各組み合わせに対応付けて20の判定値を割り振っておく。これにより、抽出された図柄数決定用乱数の値と一致する判定値によって1回目と2回目の図柄数が決定されるとともに、1回目と2回目の図柄昇格演出において図柄昇格のチャンスが与えられる図柄の組み合わせも決定されることになる。なお、図柄数決定用乱数を用いて図柄数を決定するとともに図柄の組み合わせも決定するような構成に限られるわけではなく、図柄数を図柄数決定用乱数を用いて決定し、図柄の組み合わせを別の乱数(表示図柄決定用乱数)を用いて決定するように構成されていてもよい。図26(B)のやり方ではなく、図柄昇格演出の回数を決め、例えば2回なら1回目と2回目で別々に図柄数と図柄(非確変図柄)を選択し(第1昇格演出と第2昇格演出のそれぞれで)、最終的に全ての図柄(非確変図柄)を選択するようにしてもよい。図柄(非確変図柄)の数が足りなければ、1つの図柄(非確変図柄)を成り上げないようにしておいて複数回同じ図柄(非確変図柄)を出すようにする。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS876において、第1昇格演出の場合と独立して図柄数を決定してもよいが、第1昇格演出の場合と連動して図柄数を決定することが好ましい。例えば、図柄昇格がない場合の非確変図柄の種類が5であった場合、第1昇格演出では図柄昇格のチャンスが与えられた図柄数が3であったとする。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1昇格演出において選択されなかった2図柄を特定する。特定するために、例えば、第1昇格演出において、図柄昇格のチャンスが与えられた図柄を示すデータをRAMの特定領域に記憶する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS876において、特定領域に存在しないデータに対応した図柄を、第1昇格演出において選択されなかった図柄とする。そして、第2昇格演出では、第1昇格演出において選択されなかった2図柄を含む複数の図柄を、図柄昇格のチャンスが与えられた図柄として選択する。そのような構成によれば、全ての本来の非確変図柄が、一度は、図柄昇格のチャンスが与えられた図柄として選択される。なお、同じ図柄(非確変図柄)を2回図柄昇格対象としてもよい。
また、第1昇格演出のみが実行される場合(第2昇格演出は実行されない場合)には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、全ての本来の非確変図柄を、図柄昇格のチャンスが与えられた図柄として可変表示装置9において報知する選択手段をさらに備えていてもよい。すなわち、第1昇格演出において未だ選択されていない通常識別情報(非確変図柄)があるか否かを特定する特定手段と備え、選択手段は、特定手段により特定された通常識別情報が全て選択されるように通常識別情報を選択するようにしてもよい。その場合、全ての通常識別情報に対して特別識別情報に変更される可能性を与えることができ、遊技者の期待感を維持できる。特定手段は、演出回数が1回の場合には(図24におけるステップS816参照)、当然に全ての図柄を選択するが、演出回数が2回の場合には、2回目に、1回目において選択されなかった図柄を全て選択すればよい。同じ図柄(非確変図柄)を2回図柄昇格対象としてもよい。
また、第2昇格演出のみを実行してもよく(第1昇格演出は実行されない)、その場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、全ての本来の非確変図柄を、図柄昇格のチャンスが与えられた図柄として可変表示装置9において報知する選択手段をさらに備えていてもよい。すなわち、第2昇格演出において未だ選択されていない通常識別情報(非確変図柄)があるか否かを特定する特定手段と備え、選択手段は、特定手段により特定された通常識別情報が全て選択されるように通常識別情報を選択するようにしてもよい。特定手段は、演出回数が1回の場合には(図24におけるステップS816参照)、当然に全ての図柄を選択するが、演出回数が2回の場合には、2回目に、1回目において選択されなかった図柄を全て選択すればよい。同じ図柄(非確変図柄)を2回図柄昇格対象としてもよい。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS876において、各図柄昇格演出における非確変図柄を確変図柄に図柄昇格させるための図柄昇格条件を決定する。図柄昇格条件として、遊技者が所定期間(昇格有効期間)内に昇格ボタン120を押さなければならない回数が複数種類の回数の中から決定される。
ここで、通常大当りになることが決定されているときは、全ての非確変図柄が確変図柄に図柄昇格されてしまうと、上述したように、確変大当りが確定したことになってしまうため、5つの非確変図柄のうちの少なくとも1つの図柄は確変図柄に図柄昇格させてはならないことになる。具体的には、図柄昇格演出の回数が1回で図柄数が5図柄と決定された場合に、5図柄の全てが確変図柄に図柄昇格してしまうと確変大当りが確定したことになってしまうので、これを防ぐために、昇格有効期間内に遊技者が押すことが不可能な昇格ボタン120の押回数(操作回数)を図柄昇格条件に設定する。なお、確実に図柄昇格させないようにするために、昇格ボタン120が何回押されても図柄昇格条件が成立しないことにしてもよい。このように構成することにより、遊技制御用マイクロコンピュータ560において事前に決定された決定結果(通常大当り)と可変表示装置9に導出表示される表示結果(停止図柄が非確変図柄)とが整合しない状況を回避することができる。確変大当りになることが決定されているときは、図柄昇格条件に特に制限を設ける必要はない。逆に、成立しやすい図柄昇格条件を設定することにより、確変図柄に図柄昇格しやすいときは、確変大当りになっていると遊技者に期待感を抱かせることができる。
そして、第1昇格演出の場合と同様に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、昇格有効期間の計測を開始する(ステップS877)。すなわち、昇格有効期間計測タイマをスタートさせる。なお、この実施の形態では、昇格有効期間計測タイマとして演出制御用マイクロコンピュータ100の内部タイマを使用するが、ソフトウェアタイマを使用する場合には、演出時間計測タイマの場合と同様、大当り終了後演出処理において、その値が1ずつ減算される。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、エンディング演出(具体的には、図柄昇格演出)に応じたプロセスデータを選択する(ステップS878)。そして、第2昇格演出の終了時点を決めるための演出期間継続タイマに、第2昇格演出の期間(例えば、15秒)に相当する値を設定し(ステップS879)、図31(1)に示されたような非確変図柄を可変表示装置9に表示(停止表示)させる(ステップS880)。停止表示される非確変図柄は、飾り図柄の可変表示が終了したときに停止表示されたものでもよいが、他の非確変図柄でもよい。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了後演出中処理(ステップS810)に応じた値に更新する(ステップS881)。
図47〜図49は、大当り終了後演出処理を示すフローチャートである。大当り終了後演出処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS876の処理で図柄昇格演出の演出回数として2回が選択されているか否か確認する(ステップS896)。2回が選択されている場合には、1回目の演出が実行されているか否か確認する(ステップS897)。1回目の演出が実行されている場合には、第2昇格演出の開始からの経過時間が、2回目の演出開始の時間(この実施の形態では、1回目の演出の終了時間でもある。図16参照)に一致したか否か確認する(ステップS898)。一致した場合には、昇格有効期間の計測をあらためて開始する(ステップS899)。すなわち、昇格有効期間計測タイマを再スタートさせる。また、図柄昇格演出に応じたプロセスデータをあらためて選択する(ステップS900)。そして、ステップS901に移行する。ステップS899,S900の処理によって、図柄昇格演出(具体的には、2回目の図柄昇格演出)があらためて開始される。
ステップS901では、演出期間計測タイマの値を−1する。そして、演出期間計測タイマの値が0になった場合には(ステップS902)、大当り表示図柄を可変表示装置9において停止表示させ(ステップS903)、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新し(ステップS904)、処理を終了する。なお、大当り表示図柄とは、第2昇格演出が実行された後に最終的に停止表示(導出表示)される飾り図柄の大当り図柄のことをいう。また、大当り表示図柄は、後述するステップS932において決定される。
演出期間計測タイマの値が0になっていない場合には、第2昇格演出開始後の時間が大当り図柄確定演出の開始時間として決められている時間を経過しているか否か判定する(ステップS911)。経過している場合には、ステップS931に移行する。経過していない場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、昇格有効期間計測タイマの値を参照して、昇格有効期間が経過しているか否か判定する(ステップS912)。昇格有効期間が経過していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄昇格演出のプロセスデータの内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS913)。例えば、あらかじめ定められた図柄昇格対象の図柄(非確変図柄)を示す情報を可変表示装置9に表示する制御やメータのレベルを徐々に上昇していくような表示を行わせる制御などを行う(図31(2),(3)参照)。次いで、図柄昇格ボタン120のオン(図柄昇格ボタン120が押された状態)を確認する(ステップS915)。図柄昇格ボタン120のオンを確認したときに、図柄昇格ボタン120のオンに応じ演出装置を制御する(ステップS916)。また、オン回数をオン回数カウンタでカウントする(ステップS917)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄昇格演出における図柄昇格条件(図柄昇格ボタン120の操作回数)が成立したか否かを判定する(ステップS918)。図柄昇格条件が成立したときは、非確変図柄を確変図柄に図柄昇格させ(非確変図柄とされていたものを確変図柄と定義し)、図柄昇格した図柄を示すデータをRAMにおける所定の記憶領域(昇格図柄記憶領域)に記憶する(ステップS919)。
ステップS912において、昇格有効期間が経過していることを確認すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄昇格した図柄を示すデータが昇格図柄記憶領域に記憶されているか否かを確認し(ステップS921)、図柄昇格した図柄を示すデータが記憶されていれば、図柄昇格演出において表示された非確変図柄が確変図柄に図柄昇格したことを可変表示装置で表示する表示制御(図31(4)参照)を実行する(ステップS922)。図柄昇格した図柄を示すデータが記憶されていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄降格条件が成立したか否かを判定する(ステップS923)。
第1昇格演出の場合と同様、図柄降格条件は、確変図柄を非確変図柄に図柄降格させるための条件である。この実施の形態では、昇格有効期間において1回も遊技者によって図柄昇格ボタン120が押されたことを確認できなかったとき、図柄降格条件が成立したと判定する。このように、遊技に参加する意欲のない遊技者に対しては、確変図柄を非確変図柄に図柄降格させるようにすることにより、積極的に遊技に参加させるようにすることができる。なお、確変大当りになることが決定されているときは、全ての確変図柄が非確変図柄に図柄降格されてしまうと、非確変大当り(通常大当り)が確定したことになってしまうため、5つの確変図柄のうちの少なくとも1つの図柄は非確変図柄に図柄降格させてはならない。そのために、例えば確変図柄の少なくとも一つ(例えば「7」)は非確変図柄に図柄降格しないとあらかじめ決めておいてもよい。
図柄降格条件が成立したときは、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変図柄を非確変図柄の図柄降格させ(確変図柄を非確変図柄と定義する)、図柄降格した図柄(確変図柄)を示すデータRAMにおける所定の記憶領域(降格図柄記憶領域)に記憶する(ステップS924)。そして、所定の確変図柄が非確変図柄に図柄降格したことを可変表示装置9で表示する表示制御を実行する(ステップS925)。図柄降格条件が成立しなかったときは、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄昇格演出において表示された非確変図柄が確変図柄に図柄昇格しなかったことを可変表示装置9で表示する表示制御を実行する(ステップS926)。
ステップS911において大当り図柄確定演出の開始時間を経過していると判定した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出期間計測タイマの値を参照して、大当り図柄確定演出を実行している最中であるかどうかを判定する(ステップS931)。このとき、大当り図柄確定演出を実行している最中でないと判定されたということは、大当り図柄確定演出が開始された直後であることを意味する。大当り図柄確定演出を実行している最中でなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9に停止表示する飾り図柄の大当り表示図柄を決定し格納する処理を行う(ステップS932)。
具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常大当り演出フラグまたは確変大当り演出フラグがセットされているか否かを確認することにより、大当りが通常大当りか確変大当りかを認識する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、昇格図柄記憶領域および降格図柄記憶領域に記載されている内容を確認することにより、変更された飾り図柄、すなわち、非確変図柄から確変図柄に図柄昇格した図柄および確変図柄から非確変図柄に図柄降格した図柄を認識する。
通常大当り演出フラグがセットされている場合には、大当り表示図柄として非確変図柄を決定する必要がある。一方、確変大当り演出フラグがセットされている場合には、大当り表示図柄として確変図柄を決定する必要がある。さらに、図柄昇格あるいは図柄降格した図柄を反映させて、大当り表示図柄として所定の確変図柄または非確変図柄を決定する必要がある。
このような状況に応じて、確変図柄を決定するときに用いる確変大当り用の大当り表示図柄決定用テーブルと、通常大当りのときに用いる通常大当り用の大当り表示図柄決定用テーブルとをあらかじめ用意しておく。また、確変大当り用の大当り表示図柄決定用テーブルおよび通常大当り用の大当り表示図柄決定用テーブルとして、それぞれ、図柄昇格あるいは図柄降格した図柄が反映されるように、確変図柄または非確変図柄の種類や数を変化させたテーブルをあらかじめ複数用意しておく。そして、これらの大当り表示図柄決定用テーブルには各図柄に対応付けて複数の判定値が割り振られる。演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り表示図柄として確変図柄と非確変図柄のどちらを決定すべきかを認識した上で、大当り表示図柄決定用テーブルを選択する。そして、大当り表示図柄決定用乱数を抽出し、抽出した大当り表示図柄決定用乱数の値と一致する判定値に対応付けられた確変図柄または非確変図柄を大当り表示図柄に決定する。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、決定した大当り表示図柄をRAMにおける大当り表示図柄格納領域に格納する。
なお、変更された図柄(図柄昇格した図柄または図柄降格した図柄)に対応する判定値を、本来の確変図柄(この例では、「1」「3」「5」「7」「9」)または本来の非確変図柄(この例では、「0」「2」「4」「6」「8」)に対応する判定値よりも多く設定することにより、変更された図柄が高い割合で大当り表示図柄に決定されるようにすることができる。
その後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変更された図柄が反映された図柄配列に対応した大当り図柄確定演出のプロセスデータを選択し(ステップS933)、選択したプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS934)。なお、大当り図柄確定演出のプロセスデータは、変更された図柄の全ての組み合わせに対応可能な図柄配列のプロセスデータがあらかじめ複数用意されている。そして、大当り図柄確定演出のプロセスデータの内容に従って演出装置(可変表示装置9、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する(ステップS935)。
ステップS931において大当り図柄確定演出を実行している最中であれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り図柄確定演出のプロセスデータの内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS936)。ステップS939の処理によって、図33(8)に示されたような可変表示が実行される。すなわち、「0」「0」「0」から「9」「9」「9」の方向に(「9」「9」「9」の次には「0」「0」「0」を表示)、左中右図柄が揃った状態で特定配列(この例では「0」〜「9」の並び、その中で、図柄昇格演出において変更された図柄は変更されない図柄と区別可能な態様で表示されている。)により可変表示が実行される。特定配列には、確変図柄(本来の確変図柄の他に非確変図柄から図柄昇格したものを含む)と非確変図柄(非確変図柄には確変図柄から図柄降格したものを含む)とが含まれる。
以上のように、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定の第2予告演出実行条件が成立したことにもとづいて第2予告演出を実行する。そのため、大当り遊技状態に移行した後に、確変大当りへの昇格(成上り)の期待度を予告演出することができる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって確変大当りとすることが事前に決定されている場合には、通所大当りとすることに事前決定されているときよりも高い割合で特別予告演出(例えば、キャラクタBを用いた予告演出)を実行する。そのため、特別予告演出を実行する場合には、遊技者に対して確変大当りへの昇格の期待感をより高めることができ、遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変状態に移行させるか否かと第2昇格演出を実行するか否かの決定結果とを含む図柄特定/演出指定コマンドを送信する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄特定/演出指定コマンドにもとづいて第2昇格演出を実行する。そのため、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄特定/演出指定コマンドにもとづいて、第2昇格演出を実行することが指定されているかを確認できるとともに、確変状態に移行させることが指定されているかを確認できる。従って、飾り図柄の可変表示の停止時に確変図柄を導出表示したにもかかわらず、大当り遊技状態への移行後に確変大当りへの昇格の期待度の予告演出を行うことを防止することができる。
また、この実施の形態によれば、いずれかの入賞口スイッチ14a,29a,30a,33a,39aのオン、ゲートスイッチ32aのオン、または図柄昇格ボタン120のオンを検出すると、第2予告演出実行条件が成立したと判断し、第2予告演出を実行する。そのため、複数種類の条件が成立したか否かを判断して第2予告演出を実行することができる。従って、第2予告演出の実行条件をランダムに成立させることができ、第2予告演出をランダムに実行することができる。
また、この実施の形態によれば、複数の演出ステップを含む第2予告演出を実行し、少なくとも1以上の演出ステップを実行することによって第2予告演出を実行する。また、特に遊技制御用マイクロコンピュータ560によって確変大当りとすることが事前に決定されている場合には、高い頻度で全ての演出ステップ(例えば2ステップ)を実行することによって第2予告演出を実行する。そのため、いずれの演出ステップまで第2予告演出が実行されたかによって遊技者に対して確変大当りへの昇格の期待感に差をつけることができる。また、特に最終段階の演出ステップ(例えば2ステップ)まで第2予告演出が実行された場合には、遊技者に対して確変大当りへの昇格の期待感をより高めることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2昇格演出の実行時期を含む図柄特定/演出指定コマンドを送信する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄特定/演出指定コマンドで示される第2昇格演出の実行時期に第2昇格演出を実行する。そのため、第2昇格演出の実行時期をランダムにすることができ、遊技者に対して遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100において、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの変動パターンコマンドにもとづいて、飾り図柄の変動パターンと大当り遊技の開始前に第1昇格演出を実行するか否かとを決定し、決定した変動パターンにもとづいて可変表示装置9において飾り図柄の変動を実行し、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのエンディングコマンドにもとづいて大当り遊技の終了後に第2昇格演出を実行するように構成されているので、大当り図柄が表示された以後において遊技者にとって昇格演出がいつ実行されるかわからず、また昇格演出が複数回(2回)実行される可能性もあるため、長期間にわたって遊技者の確変状態への移行に対する期待感を持続させることができる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100において、第1昇格演出を実行することが決定され、かつ、図柄特定/演出指定コマンドが第2昇格演出の実行を指定するものであるときは、大当り遊技の開始前の昇格演出において確変大当りにならないように(大当り図柄を確変図柄としないように)構成されているので、大当り遊技の開始前の昇格演出において確変大当りが発生したにもかかわらず大当り遊技の終了後の昇格演出が実行されるといった不自然な状況が発生してしまうことを防止することができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560がエンディングコマンドを大当り遊技(全てのラウンド)が終了した後に送信するので、大当りの終了後においても次の飾り図柄の変動が開始されるまで第2昇格演出が実行される可能性があるため、確変状態への移行に対する期待感を一層長期間にわたって持続させることができる。
また、第2昇格演出が実行されるエンディング演出よりも第2昇格演出が実行されないエンディング演出(この実施の形態では、ステップS874の処理に応じた表示)の方が実行時間を短くすることにより、エンディング演出において昇格演出が実行されず確変状態への移行の可能性がないときに、無駄に演出が長く実行されるのを回避することができる。なお、例えば、昇格演出を実行するときのエンディング演出の実行時間は15秒とされ、昇格演出を実行しないときのエンディング演出の実行時間は6秒とされる。
図50は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される演出制御コマンドの他の例を示す説明図である。図50には、3種類のコマンド仕様(コマンド体系)が示されている。#1のコマンド仕様は、上記の実施の形態で用いられていたコマンド仕様である。上述したように、#1のコマンド仕様では、飾り図柄の停止図柄と第2昇格演出に関わる図柄特定/演出指定コマンド(結果表示コマンド)として、No.1〜7のコマンドが使用されていた。また、変動パターンを示す変動パターンコマンド(変動時間の通知も兼ねる)としてNo.12のコマンドが使用されていた。なお、50には明示されていないが、いずれのコマンド仕様における変動パターンコマンドも、第1昇格演出を実行するか否かを指定する情報を含んでいる。
上述したように、#1のコマンド仕様では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、No.4〜7のコマンドによって第2昇格演出を行うか否か判定することができる。
なお、#1のコマンド仕様を用いる場合(図7に例示した場合)に、8103(H)のコマンド(通常大当りかつラウンド中昇格あり指定のコマンド)や、8105(H)のコマンド(通常大当りかつ大当り終了後昇格あり指定のコマンド)を使用せず、演出制御用マイクロコンピュータ100は、8101(H)のコマンド(通常大当り指定のコマンド)を受信した場合に、常に、第2昇格演出を実行する指示を受けたと判断するようにしてもよい。
#2のコマンド仕様では、図柄特定/演出指定コマンド(結果表示コマンド)として、No.1,2,3のコマンドを使用する。また、変動パターンを示す変動パターンコマンド(変動時間の通知も兼ねる)としてNo.13のコマンドを使用する。No.13のコマンドとは、第2昇格演出の有/無の情報を付加したコマンドである。図50に示すように、#2のコマンド仕様では、コマンドの種類を減らすことができ、遊技制御用マイクロコンピュータ560のコマンド選択に関する負担が軽減する。なお、#2のコマンド仕様では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、No.13のコマンドによって第2昇格演出を行うか否か判定することができる。
#3のコマンド仕様では、図柄特定/演出指定コマンド(結果表示コマンド)として、No.1,8〜11のコマンドを使用する。また、変動パターンを示す変動パターンコマンド(変動時間の通知も兼ねる)としてNo.14のコマンドを使用する。No.14のコマンドとは、確変/非確変指定の情報を付加したコマンドである。
なお、#3のコマンド仕様では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、No.8,9のコマンドによって第2昇格演出を行うか否か判定することができる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、No.10,11のコマンドによって、第2昇格演出をラウンド中に実行するか大当り終了後に実行するかを判定することができる。
なお、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動パターンコマンドを送信する前に図柄特定/演出指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するように構成されていたが、図柄特定/演出指定コマンドを送信する前に変動パターンを決定して変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するように構成されていてもよい。
また、上記の実施の形態では、第1昇格演出の演出態様は、第2昇格演出の演出態様と同様な態様であるとした。しかし、そのことは、必須のことではなく、第1昇格演出の演出態様を、上記の実施の形態のものと異ならせてもよい。その場合、遊技者がボタンを連打する形態のみならず、可変表示装置9に表示されるキャラクタ等の表示物の特定の動作によって図柄昇格したりしなかったりするなど、種々の態様の第1昇格演出を用いることができる。図柄昇格演出をやらずに単に再変動(上記の実施の形態の第1昇格演出から図柄昇格演出を除いたような形態)を行ってもよい。抽選によりどの態様で第1昇格演出を実行するか決定してもよい。
また、上記の実施の形態では、第2昇格演出を大当り遊技のラウンド中または大当り遊技が終了した直後に実行するようにしたが、第2昇格演出は、大当り遊技が終了した後であれば、大当り遊技のラウンド中または大当り遊技が終了した直後以外の時期に実行してもよい。例えば、、第1昇格演出の後に実行されるのであれば、大当り遊技が開始された後、大当り遊技のラウンドインターバルにおいて実行するようにしてもよい。ファンファーレ演出中でもよい。
なお、上記の実施の形態では、特定遊技状態に移行させるための所定の移行条件として、可変表示装置9に確変図柄が導出表示された場合を例示したが、所定の移行条件はその条件に限られない。例えば、可変表示装置9に導出表示される図柄の種類とは関係なく、確変大当りにするかどうかの内部抽選の結果が確変大当りとする旨である場合や、所定のタイミングで確変再抽選演出を実行して、その演出内において特定の条件が成立した場合(例えば特定のキャラクタが現れたり、バトルに勝利した場合など)などであってもよい。また、これらの任意の組み合わせの条件であってもよい。
また、上記の実施の形態では、大当り遊技として、15ラウンドの大入賞口の開閉による遊技を例示したが、そのような大当り遊技とは別に、少ないラウンド(例えば、2ラウンド)の大当り遊技を定義してもよい。その場合、確変状態に移行することに決定されている場合(すなわち、突然確変大当りの場合)には、15ラウンドの大当りの場合と異なり、各ラウンドの演出が順に進行していくのではなく、突然、遊技状態が確変状態に移行したように遊技者に見せる特別な演出(突然確変演出)を実行するようにしてもよい。例えば、スピーカ27から突然確変演出時の効果音を鳴らしたり、突然確変演出時の点灯パターンでランプ28a〜28c等を点灯させたりする。また、突然確変大当りの場合には、特別図柄表示器8に導出表示される特別図柄を、それ以外の場合の大当り図柄(上記の例では「7」)と異ならせてもよい。
また、ファンファーレ指定の演出制御コマンド(図7参照)を、15ラウンドの大当り遊技の実行を示すものと突然確変演出の実行するを示すものとに分けるようにしてもよい。そのようにすれば、ファンファーレ演出のバリエーションを増やすことができ、遊技興趣を向上させることができる。さらに、図柄特定/演出指定コマンドとして突然確変演出を実行するか否か示すコマンドを設け、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ファンファーレ指定の演出制御コマンドを受信したときに、その内容と、既に受信している図柄特定/演出指定コマンドの内容とが整合しているか否か確認し、整合していない場合には所定の制御(例えば、エラー報知、大当り遊技中に表示される飾り図柄を特別な図柄(一例として「?」)に変更するなど)を行うようにしてもよい。
また、上記の実施の形態のパチンコ遊技機は、主として、始動入賞にもとづいて可変表示部に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄になると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続するパチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。さらに、遊技媒体が遊技球であるパチンコ遊技機に限られず、遊技媒体がコイン(メダル)等のスロット機等においても、本発明を適用することができる。さらに、遊技球をコインに代わる遊技媒体とするようなスロット機等においても、本発明を適用することができる。
なお、上述した実施の形態では、以下の(1)〜(7)に示すような遊技機の特徴的構成も示されている。
(1)遊技機は、特定遊技状態に移行されるときに識別情報の可変表示が開始された後特定遊技状態に移行される前に、特定の移行報知として、または特定の移行報知とは異なる特定の移行条件が成立していないときの所定の報知(例えば、確変状態へ移行しないことの報知)として移行前報知演出(例えば、第1昇格演出)を実行するか否かを特定可能な可変表示データ(例えば、変動パターンを示すデータ)をあらかじめ定められた複数種類の可変表示データの中から選択する可変表示データ選択手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS205,S206,S212,S213の処理を実行する部分)と、特定遊技状態に移行した後に実行する報知演出である移行後報知演出の実行中に、所定の通常識別情報を可変表示装置において表示し、所定の移行後報知実行条件が成立したことに応じて、可変表示装置において表示されている所定の通常識別情報を特別識別情報に変更する識別情報変更手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS919の処理を実行する部分)と、識別情報変更手段により特別識別情報に変更された所定の通常識別情報を記憶する変更識別情報記憶手段(RAM、特に昇格図柄記憶領域)と、変更識別情報記憶手段の記憶内容にもとづいて可変表示装置に移行後報知演出実行手段により実行される移行後報知演出の表示結果として導出表示される特定表示結果を構成する識別情報を選択する導出識別情報選択手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS932の処理を実行する部分)と、変更識別情報記憶手段に記憶された所定の通常識別情報を含む通常識別情報と特別識別情報からなる特定配列(変更されたものを含む図柄配列)により可変表示を開始し、移行後報知演出の終了時に、導出識別情報選択手段により選択された特定表示結果を可変表示装置に導出表示する表示結果導出表示手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS935,S903の処理を実行する部分)と、コマンド送信手段により送信されたコマンドが移行後報知演出の実行を示しているときに、移行前報知演出において所定の移行報知としての移行前報知演出を実行するように制御する報知制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップ862の処理を実行する部分、特に、大当り遊技終了後に昇格演出が実行されることを第2昇格実行フラグで認識したときは、大当り表示図柄として確変図柄を決定しないように制御する部分)とを含むように構成されていてもよい。そのような構成によれば、特別遊技状態が発生することの報知がいつ行われるかわからなくすることにより、長期間にわたって遊技者の確変状態への移行に対する期待感を持続させることができ、また、遊技進行中における遊技者の操作を効果的に報知演出に反映できる。さらに、移行前報知演出において所定の移行条件を成立させることを報知したにもかかわらず、移行後報知演出において所定の移行条件を成立させることをあらためて報知してしまうような状況が発生することはない。
(2)遊技機は、コマンド送信手段により送信されたコマンドにもとづいて、所定の通常識別情報を特別識別情報に変更させるための変更条件(例えば、図柄昇格条件)を複数種類の中から選択する変更条件選択手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100における第2昇格演出実行時のステップS876においてステップS819の処理を実行する部分)を備え、識別情報変更手段は、変更条件選択手段によって選択された変更条件が成立したときに、所定の通常識別情報を特別識別情報に変更する(例えば、ステップS918,S919)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、通常表示結果にするか特別表示結果にするかの決定結果と可変表示装置に実際に表示される表示結果との整合がとれない状況が発生することを防止することができる。
(3)遊技機は、遊技者の操作に応じて操作信号を出力する操作手段(例えば、図柄昇格ボタン120)と、操作手段からの操作信号の出力回数を計数する操作回数計数手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS917の処理を実行する部分)とを備え、変更条件選択手段は、変更条件として、複数の操作回数の中からいずれかの操作回数を選択し(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100における第2昇格演出実行時のステップS876においてステップS819の処理)、操作回数計数手段により計数された出力回数と変更条件選択手段により選択された操作回数とに応じた情報(例えば、メータ:図31(2)〜(4)参照)を表示する回数情報表示制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS916の処理を実行する部分)を備えるように構成されていてもよい。そのような構成によれば、遊技者は特別表示結果に変更されるか否かがはっきりと認識でき、遊技者を積極的に遊技演出に参加させることができる。
(4)遊技機は、移行後報知演出において一度に可変表示装置において表示される所定の通常識別情報の数(例えば、1図柄〜5図柄の図柄数:図31に示す例では「2」「4」の2図柄)を決定する通常識別情報数決定手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS815〜S818を実行する部分)を備えるように構成されていてもよい。そのような構成によれば、表示される通常識別情報の数の変化により遊技者の遊技演出に参加しようとする意欲を向上させることができる。
(5)移行後報知演出実行手段は、所定の通常識別情報を可変表示装置において表示した後、所定の移行後報知実行条件が成立したことに応じて可変表示装置において表示されている所定の通常識別情報を特別識別情報に変更する所定の演出(例えば、図柄昇格演出)を複数回実行可能であり(図15,16参照)、遊技機は、所定の演出の実行回数(例えば、図柄昇格演出の演出回数)を決定する実行回数決定手段例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100における第2昇格演出実行時のステップS876においてステップS813,S814の処理を実行する部分)を備えるように構成されていてもよい。そのような構成によれば、遊技に参加する機会を複数回与えることができ、遊技演出への参加意欲を向上させることができる。
(6)遊技機は、導出識別情報選択手段が識別情報を選択するときに用いる識別情報選択用数値データ(例えば、飾り図柄決定用乱数)を所定の範囲で更新する識別情報選択用数値データ更新手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS706の処理を実行する部分)と、識別情報選択用数値データを抽出する識別情報選択用数値データ抽出手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS932の処理のうち乱数抽出処理を実行する部分)と、識別情報と識別情報選択用数値データとが対応付けて設定された識別情報選択テーブル(例えば大当り表示図柄決定用テーブル)とを備え、識別情報選択テーブルは、変更識別情報記憶手段に変更された識別情報(例えば、非確変図柄から確変図柄に昇格した図柄)の記憶がないときに用いられる第1識別情報選択テーブル(例えば、昇格した確変図柄がないときの大当り表示図柄決定用テーブル)と、変更識別情報記憶手段に変更された識別情報の記憶があるときに用いられ、第1識別情報選択テーブルにおける特別識別情報(例えば、図31に示す例では「2」「4」)のうち識別情報変更手段により変更された特別識別情報に対応する識別情報選択用数値データが、他の特別識別情報(例えば、「1」「3」「5」「7」「9」)に対応する識別情報選択用数値データよりも多く設定された第2識別情報選択テーブル(例えば、昇格した確変図柄があるときの大当り表示図柄決定用テーブル)とを含み、導出識別情報選択手段は、変更識別情報記憶手段の記憶の有無に応じて第1識別情報選択テーブルまたは第2識別情報選択テーブルのいずれかを用いて、識別情報選択用数値データ抽出手段が抽出した識別情報選択用数値データに対応する識別情報を、可変表示装置に導出表示される特定表示結果を構成する識別情報として選択する(例えばステップS932の処理で大当り表示図柄決定用テーブルを用いて飾り図柄決定用乱数の値にもとづいて大当り時の飾り図柄を決定する)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、遊技者に自らの操作によって特別表示結果が表示されたという印象を与えることができ、遊技演出への参加意欲を向上させることができるとともに、遊技者に満足感を与えることができる。
(7)演出制御用マイクロコンピュータは、移行前報知演出を実行する移行前報知演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS842〜S867の処理を実行する部分)を備え、移行前報知演出実行手段は、移行前報知演出の実行中に所定の通常識別情報を可変表示装置において表示し、操作手段から操作信号が出力されたことに応じて、可変表示装置において表示されている所定の通常識別情報を特別識別情報に変更する移行前報知演出識別情報変更手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS851の処理を実行する部分)を含み、移行前報知演出実行手段により表示される通常識別情報を選択する移行前通常識別情報選択手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS817,S818の処理を実行する部分)と、移行後報知演出実行手段により表示される通常識別情報を選択する移行後通常識別情報選択手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるS876の処理にもとづいてステップS817,S818の処理を実行する部分)と、移行前通常識別情報選択手段により選択されていない通常識別情報があるか否かを特定する未選択通常識別情報特定手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS876の処理を実行する部分、特に、第1昇格演出において選択されなかった図柄を特定する部分)とを備え、移行後通常識別情報選択手段は、未選択通常識別情報特定手段により特定された通常識別情報を全て選択する(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS876の処理、特に、第1昇格演出の場合と連動して図柄数を決定する処理)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、全ての通常識別情報に対して特別識別情報に変更される可能性を与えることができ、遊技者の期待感を維持するとともに遊技演出への参加意欲を向上させることができる。