以下、本発明の実施形態に係る環境負荷低減支援装置について、図面を用いて説明する。なお、ここで用いる再生材およびバージン材とは、GPNデータベースの情報登録フォーマットの定義に準ずる。この定義では、再生材料とは、廃棄物として処分されるはずの材料、又はエネルギー回収の目的に供されるはずの材料ではあるが、代わってリサイクル又は製造工程のために、新規の原料に替わる原料として収集及び回収(再生を含む)される材料であり、リサイクル材料とは製造工程において回収(再生を含む)材料から再加工され、更に最終製品、又は製品へ組み込まれる部品に使用される材料である。実施形態では、再生材料(再生材)とリサイクル材料(リサイクル材)を同一の意味で用いている。また実施形態では、リサイクル材料含有率は、製品又は包装中に含有するリサイクル材料の質量比であり、プレコンシューマ材料及びポストコンシューマ材料だけをリサイクル材料とみなす。ここで、プレコンシューマ材料とは、製造工程における廃棄物の流れから取り出された材料であり、その発生と同一の工程で再使用できる加工不適合品、研磨不適合品、スクラップなどの再利用は除く。また、ポストコンシューマ材料とは、家庭から排出される材料、又は製品のエンドユーザとしての商業施設、工業施設及び各種施設から本来の目的のためにはもはや使用できなくなった製品として発生する材料であり、これには流通経路から戻される材料を含む。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る環境負荷低減支援装置を図1に示す。
図1において、環境負荷低減支援装置1は、対象物(例えば、製品、ユニット、部品)の選定に関する対象物データ(例えば、名称、分類、規格、型番、仕様を含む対象物情報)を入力する入力装置10と、部品リユース係数とその分類条件(例えば、コピー速度)及びマテリアルリサイクル係数とその分類条件並びに部品情報を記憶する記憶装置30と、入力装置10から入力された対象物データと記憶装置30に記憶された部品リユース係数及びマテリアルリサイクル係数並びに部品情報(部品リユース率、マテリアルリサイクル率等を含む)とを用いて、資源循環に関する環境負荷を示すデータ(例えば、部品リユース環境負荷、マテリアルリサイクル環境負荷、資源循環環境負荷)を演算すると共に、得られた環境負荷値を用いて対象物の選定に関する演算を行う演算装置20と、演算装置20で演算して選定した対象物を示すデータを出力する出力装置40と、を有する構成である。
ここで、入力装置10は、後述する設計情報入力部19に相当する。演算装置20は、後述する部品リユース環境負荷算出部14、マテリアルリサイクル環境負荷算出部15、資源循環環境負荷算出部16及び対象物選定部17に相当する。記憶装置30は、後述する部品情報記憶部11、部品リユース係数記憶部12及びマテリアルリサイクル係数記憶部13に相当する。出力装置40は、後述する選定対象物表示部18に相当する。
なお、パーソナルコンピュータを用いて環境負荷低減支援装置1を構成した場合、入力装置10は、例えばスキャナ、ポインティングデバイス、キーボードに相当する。ここで、入力装置10に換えて、不図示のネットワーク上の入力装置(例えば、サーバ)及びそのネットワークに接続するためのインタフェースを設けるようにしてもよい。また、演算装置20は、例えばCPU及びROM、RAM等のメモリに相当する。記憶装置30は、例えばハードディスク、フレキシブルディスク、光ディスクを記録媒体として用いた外部記憶装置に相当する。出力装置40は、レーザプリンタ、インクジェットプリンタ等の印刷装置、及び液晶ディスプレイ、CRTディスプレイ等の表示装置に相当する。
次に、本実施形態に係る環境負荷低減支援装置1の機能構成を図2に示す。
図2において、部品情報記憶部11には、部品構成材料データとして部品名称、部品分類、部品番号、寸法、公差、部品重量(複数の材質から構成される場合は各材質ごとの重量も含む)、仕様、仕入先、部品供給メーカー、型番、材質、加工法、材料含有物質情報(有害化学物質含有の有無、有の場合はその重量もしくは割合、管理物質含有の有無、有の場合はその重量もしくは割合、禁止物質含有の有無、有の場合はその重量もしくは割合)、コストに加えて、部品リユースに関するデータ(部品リユースデータ)として部品の再利用の可否および部品リユース率、マテリアルリサイクルに関するデータ(マテリアルリサイクルデータ)として再資源化率、再資源化方法、部品構成材料が再生材であるかバージン材であるかの区別、再生材との混合材料の場合は再生材の割合を示す再生材含有率であるマテリアルリサイクル率が記憶されている。
部品リユース係数記憶部12には、LCAに基づいて算出された複数の部品リユース係数が記憶されている。特性、重量等によりLCAで算出される環境負荷が異なるので、特性等により複数の部品リユース係数を記憶するようにしている。また、部品リユース係数記憶部12には、部品リユース係数の分類条件も記憶されており、部品情報記憶部11に記憶された部品情報に対応する分類条件の部品リユース係数を選定するのに用いられる。ここで、分類条件として、例えば複写機のコピー速度を用いてもよい。なお、分類条件は1つとは限らず複数でもよい。更に、部品リユース係数記憶部12には、各分類条件、環境負荷項目に対応した複数の部品リユース係数が記憶されており、テーブル化されていてもよい。
マテリアルリサイクル係数記憶部13には、LCAに基づいて算出されたマテリアルリサイクル係数が記憶されている。材質、特性等によりLCAで算出される環境負荷が異なるので、複数のマテリアルリサイクル係数を記憶するようにしている。また、マテリアルリサイクル係数記憶部13には、マテリアルリサイクル係数の分類条件も記憶されており、部品情報記憶部11に記憶された部品情報に対応する分類条件のマテリアルリサイクル係数を選定するのに用いられる。ここで、分類条件として、例えば複写機のコピー速度を用いてもよい。なお、分類条件は1つとは限らず複数でもよい。更に、マテリアルリサイクル係数記憶部13には、各分類条件、環境負荷項目に対応した複数のマテリアルリサイクル係数が記憶されており、テーブル化されていてもよい。
部品リユース環境負荷算出部14は、選定された部品リユース係数と部品情報記憶部11に記憶された部品リユース率から部品リユースに関する環境負荷を算出するものである。ここで、部品リユース率は、製品重量中のリユース部品重量の比率であり、例えば式(1)によって得られる。
なお、部品リユース率として重量比を用いる替りに、リユース部品重量を用いてもよい。但し、部品リユース係数と次元を合わせておく必要がある。またここでは、部品を対象物とした場合に、部品リユース率は、部品リユースの可否を示すことになり、部品リユース可ならば100%、不可ならば0%となる。
また、部品リユース環境負荷算出部14で算出される、部品リユースに関する環境負荷を示すデータは、部品リユースに関する環境負荷値、例えばエネルギー消費量、資源使用量、CO2排出量、NOx排出量、SOx排出量等の値もしくは、ポイント等の換算値であり、これを部品リユースに関する環境負荷指標値とする。これらの値は、部品リユース係数によって決まる。
マテリアルリサイクル環境負荷算出部15は、選定されたマテリアルリサイクル係数と部品情報記憶部11に記憶されたマテリアルリサイクル率からマテリアルリサイクルに関する環境負荷を算出するものである。ここで、マテリアルリサイクル率は、製品重量中の再生材料重量の比率であり、例えば式(2)によって得られる。
なお、マテリアルリサイクル率として重量比を用いる替りに、総重量を用いてもよいし、材料ごとの重量比を用いてもよい。具体的には、製品中の総プラスチック重量に対する製品中の再生プラスチック重量の比率でもよい。これは例えば式(3)によって得られる。
更に、マテリアルリサイクル率として重量比を用いる替りに、材料ごとの再生材料重量を用いてもよい。但し、マテリアルリサイクル係数と次元を合わせておく必要がある。また、式(2)、式(3)は製品についてのマテリアルリサイクル率を算出するものであるが、これに限らず、部品に適用しても同様に成り立つ。
また、マテリアルリサイクル環境負荷算出部15で算出される、マテリアルリサイクルに関する環境負荷を示すデータは、マテリアルリサイクルに関する環境負荷値、例えばエネルギー消費量、資源使用量、CO2排出量、NOx排出量、SOx排出量等の値もしくは、ポイント等の換算値であり、これをマテリアルリサイクルに関する環境負荷指標値とする。これらは、マテリアルリサイクル係数によって決まる。
資源循環環境負荷算出部16は、部品リユース環境負荷算出部14で算出された部品リユースに関する環境負荷指標値と、マテリアルリサイクル環境負荷算出部15で算出されたマテリアルリサイクルに関する環境負荷指標値とを加算して、資源循環に関する環境負荷指標値を算出するものである。これは、例えばエネルギー消費量、資源使用量、CO2排出量、NOx排出量、SOx排出量等の値もしくは、ポイント等の換算値であり、前述の各環境負荷指標値及び係数の次元を合わせておくことで単純加算が可能となる。
対象物選定部17は、資源循環環境負荷算出部16で算出された環境負荷指標値より推奨する対象物(以下「推奨対象物」ともいう)を選定するものである。この対象物は、部品、ユニット、製品のいずれでもよい。例えば、ユニットや製品の構成部品の環境負荷指標値を加算することで、後述するように対象物の環境負荷指標値が得られる。ここで選定する推奨対象物は、1つでも複数でもよく、順位付けされていてもよい。
選定対象物表示部18は、推奨対象物及び該当対象物の環境負荷指標値及び規格・仕様に関する必要条件および対象物情報を表示する。ここで、推奨対象物にはマークをつける、推奨対象物を推奨順に表示する、あるいは推奨対象物の表示欄又は文字等に色をつけるなどして判別し易くすることが好ましい。
ここで、部品リユース係数は、LCAに基づいて算出された数値であり、部品リユース係数記憶部12に分類して記憶するようにしている。また、部品リユース環境負荷算出部14が選定する部品リユース係数は1つとは限らず、複数設定するようにしてもよい。
マテリアルリサイクル係数は、LCAに基づいて算出された数値であり、マテリアルリサイクル係数記憶部13に分類して記憶するようにしている。また、部品リユース環境負荷算出部14が選定するマテリアルリサイクル係数は1つとは限らず、複数設定するようにしてもよい。
ここで、複写機の複写速度を分類条件とし、複写機の部品群に関する部品リユース係数及びマテリアルリサイクル係数を、各環境負荷項目に対応させてテーブル化したものを図3に示す。図3において、係数テーブル101〜103は、部品リユース係数記憶部12及びマテリアルリサイクル係数記憶部13に相当する記憶装置30に記憶するようにしている。例えば、設計情報入力部19から低速の複写機の製品データが入力された場合(分類条件としてのコピー速度が低速である場合に相当する)、部品リユース環境負荷算出部14は、図3の低速機用の係数テーブル101から製品データ中の該当リユース部品に対応するリユース部品群の部品リユース係数を取得する。また、マテリアルリサイクル環境負荷算出部15は、係数テーブル101から製品データ中の該当材料に対応する再生材料群のマテリアルリサイクル係数を取得する。
更に、部品リユース係数及びマテリアルリサイクル係数を算出する方法の一例を示す。まず、同一製品の新規部品による新規製品、部品リユース製品、マテリアルリサイクル製品のそれぞれについて、周知のLCAに基づき、ライフサイクル(製造、物流、使用、廃棄・リサイクルを含む)のインベントリ分析を行い、得られたカテゴリごとの算出値(インベントリ分析値)を合計する。こうして、新規製品、部品リユース製品、マテリアルリサイクル製品のそれぞれについて合計値(以下「LCA値」という)を取得する。次いで、それぞれのLCA値により、新規製品に対する部品リユース製品の環境負荷削減率と、新規製品に対するマテリアルリサイクル製品の環境負荷削減率とを求め、更に双方の環境負荷削減率の比を求める。この比を用いて、部品リユースとマテリアルリサイクルの重み付け係数(部品リユース係数、マテリアルリサイクル係数に相当する)を算出する。
以上のように構成された環境負荷低減支援装置1について、図4を用い、製品設計時に対象物を選定するときの支援手順(ログイン後の支援手順)を説明する。ここで、環境負荷低減支援装置1は、設計者等がログインする際、あるいは製品設計時に必要に応じて呼び出す際、登録ユーザID及びパスワードで情報管理するようにしている。
ステップS101において、設計情報入力部19は製品設計データを入力する。例えば、設計者が入力装置10の操作キー(不図示)を操作することにより、出力装置40に所定の入力項目を示す入力画面を表示し、更に設計者のキー操作で入力項目ごとに製品設計データを入力するようにしてもよい。あるいは、接続インタフェース(不図示)を介してネットワーク上の入力装置から製品設計データを入力するようにしてもよい。
ここで、製品設計情報には、製品名、製品分類、識別コード、製品規格、仕様等が含まれる。また、設計対象モジュールがある場合はそれも入力する。なお、製品設計情報については予め登録してもよいし、その都度入力するようにしてもよい。あるいは、製品設計情報を入力せず、部品情報のみ検索、提示させるようにしてもよい。
ステップS102において、設計情報入力部19は部品情報検索条件を入力する。例えば、設計者が入力装置10の操作キー(不図示)を操作することにより、製品設計における必要部品仕様を設定し、これを部品情報検索条件として入力するようにしてもよい。あるいは、接続インタフェース(不図示)を介してネットワーク上の入力装置から部品情報検索条件を入力するようにしてもよい。
ここでは、部品情報検索条件として、部品分類、部品名称、寸法、公差、重量、材質その他仕様から1つ以上の必要条件を入力する。なお、部品情報検索条件はAND式となるために、入力が多ければ該当部品数が減少する。
ステップS103において、部品リユース環境負荷算出部14及びマテリアルリサイクル環境負荷算出部13は、ステップS102で入力された部品情報検索条件に従い、部品情報記憶部11から該当する部品情報(部品リユース率、マテリアルリサイクル率を含む)を検索する。この検索で、該当部品情報が所定数以下又は存在しない場合は、部品情報検索条件に優先順位を設け、それに従い、類似仕様の部品情報を検索する。優先順位は仕様必要度を数値もしくは割合で入力するようにしてもよい。
ステップS104において、部品リユース環境負荷算出部14及びマテリアルリサイクル環境負荷算出部13は、部品リユース係数記憶部12及びマテリアルリサイクル係数記憶部13から、ステップS103で取得した部品情報に対応する部品リユース係数及びマテリアルリサイクル係数を選定する。
ステップS105において、部品リユース環境負荷算出部14は、ステップS104で選定した部品リユース係数及びステップS103で取得した部品リユース率から部品リユースに関する環境負荷指標値を算出する。また、マテリアルリサイクル環境負荷算出部15は、ステップS104で選定したマテリアルリサイクル係数及びステップS103で取得したマテリアルリサイクル率からマテリアルリサイクルに関する環境負荷指標値を算出する。
ステップS106において、資源循環環境負荷算出部16は、ステップS105で算出された部品リユースに関する環境負荷指標値及びマテリアルリサイクルに関する環境負荷指標値から、資源循環に関する環境負荷指標値を算出する。
ここで、資源循環に関する環境負荷指標値は、資源循環に関するもの、及び部品構成材料に関するもの、もしくは資源循環に関する環境負荷指標値と部品構成材料に関する環境負荷指標値から算出された対象物の環境負荷指標値でもよく、設計主旨に対応して必要な環境負荷指標値を用いる。また、対象物がユニットの場合には、ユニットを構成する部品の環境負荷指標値を加算することでユニットの環境負荷指標値を算出する。
ステップS107において、対象物選定部17は、ステップS106で算出された資源循環に関する環境負荷指標値より、推奨する対象物(例えば、部品、ユニット)を選定する。ここで、推奨対象物は1つでも複数でもよいし、順位付けしてもよい。
ステップS108において、選定対象物表示部18は、ステップS107で選定された推奨対象物、該当対象物の環境負荷指標値、該当対象物の規格・仕様に関する必要条件、並びに仕入先、部品供給メーカー、型番、材質、加工法、コスト等の部品情報を出力装置40の画面に表示する。ここで、推奨対象物にはマークをつける、推奨順に表示する(図5に示す)、あるいは表示欄または文字等に色をつけるなどして判別しやすくするようにしてもよい。
前述した支援手順により、設計者は、出力装置40に画面表示された推奨対象物の情報及び資源循環に関する環境負荷指標値と、ステップS103で取得した部品情報とを参酌し、規格及び仕様を満たし、かつ環境に配慮した対象物を選定することができる。
なお、前述した手順を実現するために、環境負荷低減支援装置1に対してソフトウェアのプログラムコードを供給し、環境負荷低減支援装置1を構成するコンピュータ(CPU又はMPU)に格納された環境負荷低減支援プログラムに従って、環境負荷低減支援装置1を動作させることによっても、同様の効果が得られるものである。この場合、前記ソフトウェアのプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、およびそのプログラムコードをコンピュータに供給するための手段、例えばプログラムコードを格納した記録媒体、プログラムを伝送するインターネット等の伝送媒体も本願発明の構成要件となる。ここで、プログラムコードを記録する記録媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
また、本実施形態によれば、部品リユース係数記憶部12に記憶された部品リユース係数、及びマテリアルリサイクル係数記憶部13に記憶されたマテリアルリサイクル係数は、公的基準としてのLCAに基づいて算出されているので、製品の部品リユースによる環境負荷及びマテリアルリサイクルによる環境負荷の双方を、信頼性の高い単一の資源循環環境負荷指標値により評価できるという効果も期待される。更に、マテリアルリサイクルを推進すべきか部品リユースを推進すべきかを、信頼性の高い単一の資源循環環境負荷指標値により対象物ごとに判断できるという効果も期待される。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係る環境負荷低減支援装置を図6に示す。これは、第1の実施形態とは、後述する材料別環境負荷係数記憶部21、部品構成材料環境負荷算出部22及び環境負荷指標値算出部34等を設け、推奨部品を選定して出力するようにした点が相違している。なお、本実施形態に係る環境負荷低減支援装置2は、第1の実施形態と概ね同様の構成を有しているために図1を用いると共に同一構成には同一符号を付与して説明を省略する。
環境負荷低減支援装置2において、材料別環境負荷係数記憶部21には、LCAに基づいて算出された材料毎の材料別環境負荷係数が記憶されている。対象部品、対象ユニット、対象製品等から想定される材質についてあらかじめデータを集め材料別環境負荷係数を算出しておく。材質は随時追加可能とする。加工法も加工法ごとの加工工程における環境負荷を算出して配分し材料別環境負荷係数を求めておく。材料含有物質情報については有害化学物質、管理物質、禁止物質材料ごとにその環境影響度から材料別環境負荷係数を算出する。材料ごとに材料別環境負荷係数は異なるので、全てを記憶してもよいし、あるいは材料別環境負荷係数が所定の範囲内の差異の材料を分類し、分類ごとに平均値あるいは代表値を材料別環境負荷係数として統一してもよい。ここで対象とする材料は、新規材料であり、材料別環境負荷係数は新規材料における係数である。また、材料別環境負荷係数記憶部21には、材料別環境負荷係数の分類条件も記憶されており、部品情報記憶部11に記憶された部品情報に対応する、分類条件の材料別環境負荷係数を選定する際に用いられる。なお、分類条件は1つとは限らず複数でもよい。更に、材料別環境負荷係数記憶部21には、各分類条件、環境負荷項目に対応した複数の材料別環境負荷係数が記憶されており、テーブル化されていてもよい。
部品構成材料環境負荷算出部22は、材料別環境負荷係数記憶部21から選定された材料別環境負荷係数と部品情報記憶部11に記憶された材質ごとの重量もしくは重量比率とから、部品構成材料に関する環境負荷を算出するものである。
また、部品構成材料環境負荷算出部22で算出される、部品構成材料に関する環境負荷を示すデータは、部品構成材料に関する環境負荷、例えばエネルギー消費量、資源使用量、CO2排出量、NOx排出量、SOx排出量等の値もしくは、ポイント等の換算値であり、部品構成材料に関する環境負荷指標値とする。これらは材料別環境負荷係数によって決まる。
環境負荷指標値算出部34は、資源循環環境負荷算出部16で算出された資源循環に関する環境負荷指標値と、部品構成材料環境負荷算出部22で算出された部品構成材料に関する環境負荷指標値と、を加算して部品の環境負荷指標値を算出するものである。ここで、双方の環境負荷指標値及び環境負荷係数の次元を合わせておく、もしくは双方の環境負荷指標値の換算係数を備えることで単純加算が可能となる。
部品選定部32は、環境負荷指標値算出部34で算出された環境負荷指標値より推奨する部品(以下、「推奨部品」ともいう)を選定するものである。構成部品の環境負荷指標値を加算することで製品やユニットの環境負荷指標値が得られる。詳しくは後述する。選定する推奨部品は1つでも複数でも順位付けされてもよい。
選定部品表示部33は、推奨部品及び該当部品の環境負荷指標値及び規格・仕様に関する必要条件及び部品情報を表示する。推奨部品はマークを付ける、推奨順に表示する、あるいは表示欄又は文字等に色を付けるなどして判別し易くする。
ここで、複写機の複写速度を分類条件とし、複写機の部品群に関する部品リユース係数、マテリアルリサイクル係数及び材料別環境負荷係数を、各環境負荷項目に対応させてテーブル化したものを図7に示す。図7において、係数テーブル201〜203は、部品リユース係数記憶部12、マテリアルリサイクル係数記憶部13及び材料別環境負荷係数記憶部21に相当する記憶装置30に記憶するようにしている。例えば、評価対象データ入力部13から低速の複写機の製品データが入力された場合(分類条件としてのコピー速度が低速である場合に相当する)、部品リユース環境負荷算出部14は、図7の低速機用の係数テーブル201から製品データ中の該当リユース部品に対応するリユース部品群の部品リユース係数を取得する。また、マテリアルリサイクル環境負荷算出部15は、係数テーブル201から製品データ中の該当材料に対応する再生材料群のマテリアルリサイクル係数を取得する。更に、部品構成材料環境負荷算出部22は、係数テーブル201から製品データ中の該当新規材料に対応する材料群の材料別環境負荷係数を取得する。
更に、材料別環境負荷係数を算出する方法の一例を示す。まず、同一製品の新規部品による新規製品について、周知のLCAに基づき、ライフサイクル(製造、物流、使用、廃棄・リサイクルを含む)のインベントリ分析を行い、得られたカテゴリごとの算出値(インベントリ分析値)を合計する。こうして、新規製品についてのLCA値を取得する。次いで、新規製品についてのLCA値と、前述した部品リユース製品のLCA値と、前述したマテリアルリサイクル製品のLCA値との関係からの新規製品についての重み付け係数(材料別環境負荷係数に相当する)を算出する。
以上のように構成された環境負荷低減支援装置2について、図8を用い、製品設計時に対象物を選定するときの支援手順(ログイン後の支援手順)を説明する。ここで、環境負荷低減支援装置2は、設計者等がログインする際、あるいは製品設計時に必要に応じて呼び出す際、登録ユーザID及びパスワードで情報管理するようにしている。
ステップS201において、設計情報入力部19は製品設計データを入力する。ここでは、第1の実施形態を適用し、設計者が入力装置10の操作キー(不図示)を操作することにより、製品設計データを入力するか、あるいは、接続インタフェース(不図示)を介してネットワーク上の入力装置から製品設計データを入力する。
ここで、製品設計情報には、製品名、製品分類、識別コード、製品規格、仕様等が含まれる。また、設計対象モジュールがある場合はそれも入力する。なお、製品設計情報については予め登録してもよいし、その都度入力するようにしてもよい。あるいは、製品設計情報を入力せず、部品情報のみ検索、提示させるようにしてもよい。
ステップS202において、設計情報入力部19は部品情報検索条件を入力する。ここでは、第1の実施形態を適用し、設計者が入力装置10の操作キー(不図示)を操作することにより、製品設計における必要部品仕様を部品情報検索条件として入力するか、あるいは、接続インタフェース(不図示)を介してネットワーク上の入力装置から部品情報検索条件を入力する。
ここでは、部品情報検索条件として、部品分類、部品名称、寸法、公差、重量、材質その他仕様から1つ以上の必要条件を入力する。なお、部品情報検索条件はAND式となるために、入力が多ければ該当部品数が減少する。
ステップS203において、部品リユース環境負荷算出部14、マテリアルリサイクル環境負荷算出部15及び部品構成材料環境負荷算出部22は、ステップS102で入力された部品情報検索条件に従い、部品情報記憶部11から該当する部品情報(部品リユース率、マテリアルリサイクル率を含む)を検索する。この検索で、該当部品情報が所定数以下又は存在しない場合は、部品情報検索条件に優先順位を設け、それに従い、類似仕様の部品情報を検索する。優先順位は仕様必要度を数値もしくは割合で入力するようにしてもよい。
ステップS204において、部品リユース環境負荷算出部14、マテリアルリサイクル環境負荷算出部15及び部品構成材料環境負荷算出部22は、部品リユース係数記憶部12、マテリアルリサイクル係数記憶部13及び材料別環境負荷係数記憶部21から、ステップS203で取得した部品情報に対応する部品リユース係数、マテリアルリサイクル係数及び材料別環境負荷係数を選定する。
ステップS205において、部品リユース環境負荷算出部14は、ステップS204で選定した部品リユース係数及びステップS203で取得した部品リユース率から部品リユースに関する環境負荷指標値を算出する。また、マテリアルリサイクル環境負荷算出部15は、ステップS204で選定したマテリアルリサイクル係数及びステップS203で取得したマテリアルリサイクル率からマテリアルリサイクルに関する環境負荷指標値を算出する。更に、部品構成材料環境負荷算出部22は、ステップS204で選定した材料別環境負荷係数及び構成材料重量もしくは重量比率から部品構成材料に関する環境負荷指標値を算出する。
ステップS206において、資源循環環境負荷算出部16は、ステップS205で算出された部品リユースに関する環境負荷指標値及びマテリアルリサイクルに関する環境負荷指標値から、資源循環に関する環境負荷指標値を算出する。
ここで、資源循環に関する環境負荷指標値は、資源循環に関するもの、及び部品構成材料に関するもの、もしくは資源循環に関する環境負荷指標値と部品構成材料に関する環境負荷指標値から算出された部品の環境負荷指標値でもよく、設計主旨に対応して必要な環境負荷指標値を用いる。
ステップS207において、環境負荷指標値算出部34は、ステップS206で算出された資源循環に関する環境負荷指標値と、ステップS205で算出された部品構成材料に関する環境負荷指標値とから、前述したように部品の環境負荷指標値を算出する。
ステップS208において、部品選定部32は、ステップS207で算出された部品の環境負荷指標値より、推奨する部品を選定する。ここで、推奨部品は1つでも複数でもよいし、順位付けしてもよい。
ステップS209において、選定部品表示部33は、ステップS208で選定された推奨部品、該当部品の環境負荷指標値、該当部品の規格・仕様に関する必要条件、並びに仕入先、部品供給メーカー、型番、材質、加工法、コスト等の部品情報を出力装置40の画面に表示する。ここで、推奨部品にはマークを付ける、推奨順に表示する、あるいは表示欄または文字等に色を付けるなどして判別しやすくするようにしてもよい。
前述した支援手順により、設計者は、出力装置40に画面表示された推奨部品の情報及び資源循環に関する環境負荷指標値と、ステップS203で取得した部品情報とを参酌し、規格及び仕様を満たし、かつ環境に配慮した対象物を選定することができる。
なお、前述した実施形態では、材料別環境負荷係数記憶部21と部品構成材料環境負荷算出部22と環境負荷指標値算出部34を備えた場合について説明したが、本発明はこのほかに、前述した資源循環に関する環境負荷指標値のみで対象物を評価する場合、材料別環境負荷係数記憶部21と部品構成材料環境負荷算出部22と環境負荷指標値算出部34を省略しても同様の効果が期待される。
また、市場にて稼動している製品のメンテナンスを行う際、メンテナンスサービスマン等が設計者と同様に環境負荷低減支援装置2に情報入力し、前述のような部品情報及び部品の環境情報をメンテナンス情報として利用するか、あるいは前記環境情報によりメンテナンス部品を選定するようにしてもよい。
更に、前述した手順を実現するために、環境負荷低減支援装置1に対してソフトウェアのプログラムコードを供給し、環境負荷低減支援装置1を構成するコンピュータ(CPU又はMPU)に格納された環境負荷低減支援プログラムに従って、環境負荷低減支援装置1を動作させることによっても、同様の効果が得られるものである。この場合、前記ソフトウェアのプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、およびそのプログラムコードをコンピュータに供給するための手段、例えばプログラムコードを格納した記録媒体、プログラムを伝送するインターネット等の伝送媒体も本願発明の構成要件となる。ここで、プログラムコードを記録する記録媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
また、本実施形態によれば、部品リユース係数記憶部12に記憶された部品リユース係数、及びマテリアルリサイクル係数記憶部13に記憶されたマテリアルリサイクル係数は、公的基準としてのLCAに基づいて算出されているので、製品の部品リユースによる環境負荷及びマテリアルリサイクルによる環境負荷の双方を、信頼性の高い単一の資源循環環境負荷指標値により評価できるという効果も期待される。更に、マテリアルリサイクルを推進すべきか部品リユースを推進すべきかを、信頼性の高い単一の資源循環環境負荷指標値により対象物ごとに判断できるという効果も期待される。
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態に係る環境負荷低減支援装置を図9に示す。これは、第2の実施形態とは、後述する部品情報入力部41を設け、資材購買段階で指定された部品情報を入力し、推奨部品を選定して出力するようにした点が相違している。なお、本実施形態に係る環境負荷低減支援装置3は、第1の実施形態と概ね同様の構成を有しているために図1を用いると共に同一構成には同一符号を付与して説明を省略する。
環境負荷低減支援装置3において、部品情報入力部41は、資材購買段階で設計担当より指定された部品情報を入力するものであり、入力装置10に相当する。この部品情報には、部品名称、部品分類、部品番号、寸法、公差、部品重量、仕様、仕入先、部品供給メーカー、型番、価格等が含まれる。
ここで、環境負荷低減支援装置3について、図10を用い、製品設計時に対象物を選定するときの支援手順(ログイン後の支援手順)を説明する。ここで、環境負荷低減支援装置3は、設計者等がログインする際、あるいは製品設計時に必要に応じて呼び出す際、登録ユーザID及びパスワードで情報管理するようにしている。
ステップS301において、部品情報入力部41は部品データを入力する。ここでは、第1の実施形態を適用し、設計者が入力装置10の操作キー(不図示)を操作することにより、部品データを入力するか、あるいは、接続インタフェース(不図示)を介してネットワーク上の入力装置から部品データを入力する。
ここで、設計対象モジュールがある場合はそれも入力する。製品設計情報については予め登録してもよいし、その都度入力するようにしてもよい。あるいは、製品設計情報を入力せず、部品情報のみ検索、提示させるようにしてもよい。
ステップS302において、部品情報入力部41は部品情報検索条件を入力する。ここでは、第1の実施形態を適用し、設計者が入力装置10の操作キー(不図示)を操作することにより、ステップS301で入力した部品情報のうち必要部品仕様を部品情報検索条件として入力するか、あるいは、接続インタフェース(不図示)を介してネットワーク上の入力装置から部品情報検索条件を入力する。
ここでは、部品情報検索条件として、部品分類、部品名称、寸法、公差、重量、材質その他仕様から1つ以上の必要条件を入力する。なお、部品情報検索条件はAND式となるために、入力が多ければ該当部品数が減少する。
ステップS303において、部品リユース環境負荷算出部14、マテリアルリサイクル環境負荷算出部15及び部品構成材料環境負荷算出部22は、ステップS102で入力された部品情報検索条件に従い、部品情報記憶部11から該当する部品情報(部品リユース率、マテリアルリサイクル率を含む)を検索する。この検索で、該当部品情報が所定数以下又は存在しない場合は、部品情報検索条件に優先順位を設け、それに従い、類似仕様の部品情報を検索する。優先順位は仕様必要度を数値もしくは割合で入力するようにしてもよい。
ステップS304において、部品リユース環境負荷算出部14、マテリアルリサイクル環境負荷算出部15及び部品構成材料環境負荷算出部22は、部品リユース係数記憶部12、マテリアルリサイクル係数記憶部13及び材料別環境負荷係数記憶部21から、ステップS303で取得した部品情報に対応する部品リユース係数、マテリアルリサイクル係数及び材料別環境負荷係数を選定する。
ステップS305において、部品リユース環境負荷算出部14は、ステップS304で選定した部品リユース係数及びステップS303で取得した部品リユース率から部品リユースに関する環境負荷指標値を算出する。また、マテリアルリサイクル環境負荷算出部15は、ステップS304で選定したマテリアルリサイクル係数及びステップS303で取得したマテリアルリサイクル率からマテリアルリサイクルに関する環境負荷指標値を算出する。更に、部品構成材料環境負荷算出部22は、ステップS304で選定した材料別環境負荷係数及び構成材料重量もしくは重量比率から部品構成材料に関する環境負荷指標値を算出する。
ステップS306において、資源循環環境負荷算出部16は、ステップS305で算出された部品リユースに関する環境負荷指標値及びマテリアルリサイクルに関する環境負荷指標値から、資源循環に関する環境負荷指標値を算出する。
ここで、資源循環に関する環境負荷指標値は、前述したように資源循環に関するもの、及び部品構成材料に関するもの、もしくは資源循環に関する環境負荷指標値と部品構成材料に関する環境負荷指標値から算出された部品の環境負荷指標値でもよく、設計主旨に対応して必要な環境負荷指標値を用いる。
ステップS307において、環境負荷指標値算出部34は、ステップS306で算出された資源循環に関する環境負荷指標値と、ステップS305で算出された部品構成材料に関する環境負荷指標値とから、前述したように部品の環境負荷指標値を算出する。
ステップS308において、部品選定部32は、ステップS307で算出された部品の環境負荷指標値より、推奨する部品を選定する。ここで、推奨部品は1つでも複数でもよいし、順位付けしてもよい。
ステップS309において、選定部品表示部33は、ステップS308で選定された推奨部品、該当部品の環境負荷指標値、該当部品の規格・仕様に関する必要条件、並びに仕入先、部品供給メーカー、型番、材質、加工法、コスト等の部品情報を出力装置40の画面に表示する。ここで、推奨部品にはマークを付ける、推奨順に表示する、あるいは表示欄または文字等に色を付けるなどして判別しやすくするようにしてもよい。
前述した支援手順により、設計者は、出力装置40に画面表示された推奨部品の情報及び資源循環に関する環境負荷指標値と、ステップS303で取得した部品情報とを参酌し、規格及び仕様を満たし、かつ環境に配慮した部品を選定することができる。
なお、市場にて稼動している製品のメンテナンスを行う際、メンテナンスサービスマン等が外部端末(後述する端末65に相当する)から環境負荷低減支援装置3にアクセスし、前述のような部品情報及び部品の環境情報をメンテナンス情報として利用するか、あるいは前記環境情報によりメンテナンス部品を選定するようにしてもよい。
また、前述した手順を実現するために、環境負荷低減支援装置3に対してソフトウェアのプログラムコードを供給し、環境負荷低減支援装置3を構成するコンピュータ(CPU又はMPU)に格納された環境負荷低減支援プログラムに従って、環境負荷低減支援装置3を動作させることによっても、同様の効果が得られるものである。この場合、前記ソフトウェアのプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、およびそのプログラムコードをコンピュータに供給するための手段、例えばプログラムコードを格納した記録媒体、プログラムを伝送するインターネット等の伝送媒体も本願発明の構成要件となる。ここで、プログラムコードを記録する記録媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
また、本実施形態によれば、部品リユース係数記憶部12に記憶された部品リユース係数、及びマテリアルリサイクル係数記憶部13に記憶されたマテリアルリサイクル係数は、公的基準としてのLCAに基づいて算出されているので、製品の部品リユースによる環境負荷及びマテリアルリサイクルによる環境負荷の双方を、信頼性の高い単一の資源循環環境負荷指標値により評価できるという効果も期待される。更に、マテリアルリサイクルを推進すべきか部品リユースを推進すべきかを、信頼性の高い単一の資源循環環境負荷指標値により対象物ごとに判断できるという効果も期待される。
[第4の実施形態]
本発明の第4の実施形態に係る環境負荷低減支援装置を図11に示す。これは、第4の実施形態とは、後述する製品情報記憶部51、製品情報入力部52、製品環境負荷算出部53、製品選定部54及び選定製品表示部55を設け、消費者、販売店、製造メーカー等から入力された製品情報により、推奨製品を選定して出力するようにした点が相違している。なお、本実施形態に係る環境負荷低減支援装置4は、第1の実施形態と概ね同様の構成を有しているために図1を用いると共に同一構成には同一符号を付与して説明を省略する。
環境負荷低減支援装置4において、製品情報記憶部51には、製品名、製品分類、製品規格、型番、仕様等、及び製品構成部品情報が記憶されている。この製品構成部品情報には、部品名称、部品分類、部品番号、型番、メーカー等、部品情報記憶部11から構成部品を検索するための検索条件となる情報が含まれる。
製品情報入力部52は、製品情報を入力するものであり、入力装置10に相当する。この製品情報には、製品名、製品分類、製品規格、型番、仕様等が含まれる。製品情報については、予め登録するようにしても、登録しないようにしてもよい。
製品環境負荷算出部53は、資源循環環境負荷算出部16で算出された資源循環に関する環境負荷指標値と、部品構成材料環境負荷算出部22で算出された製品構成部品の部品構成材料に関する環境負荷指標値と、を加算して製品の環境負荷指標値を算出するものである。ここで、双方の環境負荷指標値及び環境負荷係数の次元を合わせておく、もしくは双方の環境負荷指標値の換算係数を備えることで単純加算が可能となる。
製品選定部54は、製品環境負荷算出部53で算出された環境負荷指標値より推奨する製品を選定するものである。構成部品の環境負荷指標値を加算することで製品やユニットの環境負荷指標値が得られる。詳しくは後述する。選定する推奨製品は1つでも複数でも順位付けされてもよい。
選定製品表示部55は、推奨製品及び該当製品の環境負荷指標値及び規格・仕様に関する必要条件及び製品情報を表示する。推奨製品はマークを付ける、推奨順に表示する、あるいは表示欄又は文字等に色を付けるなどして判別し易くする。
ここで、環境負荷低減支援装置4について、図12を用い、製品を選定するときの支援手順(ログイン後の支援手順)を説明する。ここで、環境負荷低減支援装置4は、消費者、販売店、製造メーカーの担当者等がログインする際、あるいは必要に応じて呼び出す際、登録ユーザID及びパスワードで情報管理するようにしている。
ステップS401において、製品情報入力部52は製品データを入力する。ここでは、第1の実施形態を適用し、消費者、販売店、製造メーカーの担当者等が入力装置10の操作キー(不図示)を操作することにより、製品データを入力するか、あるいは、接続インタフェース(不図示)を介してネットワーク上の入力装置から製品データを入力する。ここで、製品情報は、前述したように製品名、製品分類、製品規格、型番、仕様等であり、予め登録してもよいし、その都度入力するようにしてもよい。
ステップS402において、製品情報入力部52は製品情報検索条件を入力する。ここでは、第1の実施形態を適用し、消費者、販売店、製造メーカーの担当者等が入力装置10の操作キー(不図示)を操作することにより、ステップS401で入力した製品情報のうち必要仕様を製品情報検索条件として入力するか、あるいは、接続インタフェース(不図示)を介してネットワーク上の入力装置から製品情報検索条件を入力する。
ここでは、製品情報検索条件として、例えば文房具であれば、種類(例えば、ボールペン)、仕様(例えば、黒色)等1つ以上の必要条件を入力する。製品情報検索条件はAND式となるため、入力条件が多ければ該当製品数が減少する。
ステップS403において、部品リユース環境負荷算出部14、マテリアルリサイクル環境負荷算出部15及び部品構成材料環境負荷算出部22は、ステップS402で入力された製品情報検索条件に従い、製品情報記憶部51から該当する製品情報を検索する。この検索で、該当製品情報が所定数以下又は存在しない場合は、製品情報検索条件に優先順位を設け、それに従い、類似仕様の製品情報を検索する。優先順位は仕様必要度を数値もしくは割合で入力するようにしてもよい。
ステップS404において、部品リユース環境負荷算出部14、マテリアルリサイクル環境負荷算出部15及び部品構成材料環境負荷算出部22は、該当する製品について、製品情報記憶部51から製品構成部品の検索条件となる情報を取得する。
ステップS405において、部品リユース環境負荷算出部14、マテリアルリサイクル環境負荷算出部15及び部品構成材料環境負荷算出部22は、ステップS404で取得した製品構成部品の検索条件により、部品情報記憶部11から検索条件を満たす製品構成部品の部品情報(部品リユース率、マテリアルリサイクル率を含む)を検索する。
ステップS406において、部品リユース環境負荷算出部14、マテリアルリサイクル環境負荷算出部15及び部品構成材料環境負荷算出部22は、部品リユース係数記憶部12、マテリアルリサイクル係数記憶部13及び材料別環境負荷係数記憶部21から、ステップS405で取得した製品構成部品の情報に対応する部品リユース係数、マテリアルリサイクル係数及び材料別環境負荷係数を選定する。
ステップS407において、部品リユース環境負荷算出部14は、ステップS406で選定した部品リユース係数及びステップS405で取得した部品リユース率から部品リユースに関する環境負荷指標値を算出する。また、マテリアルリサイクル環境負荷算出部15は、ステップS406で選定したマテリアルリサイクル係数及びステップS405で取得したマテリアルリサイクル率からマテリアルリサイクルに関する環境負荷指標値を算出する。更に、部品構成材料環境負荷算出部22は、ステップS406で選定した材料別環境負荷係数及び構成材料重量もしくは重量比率から製品構成部品の部品構成材料に関する環境負荷指標値を算出する。
ステップS408において、資源循環環境負荷算出部16は、ステップS407で算出された部品リユースに関する環境負荷指標値及びマテリアルリサイクルに関する環境負荷指標値から、資源循環に関する環境負荷指標値を算出する。
ここで、資源循環に関する環境負荷指標値は、前述したように資源循環に関するもの、及び製品構成部品の部品構成材料に関するもの、もしくは資源循環に関する環境負荷指標値と製品構成部品の部品構成材料に関する環境負荷指標値から算出された製品構成部品の環境負荷指標値でもよく、設計主旨に対応して必要な環境負荷指標値を用いる。
ステップS409において、製品環境負荷算出部53は、ステップS408で算出された資源循環に関する環境負荷指標値と、ステップS407で算出された製品構成部品の部品構成材料に関する環境負荷指標値とを加算し、製品の環境負荷指標値を算出する。
ステップS410において、製品選定部54は、ステップS410で算出された製品の環境負荷指標値より、推奨する製品を選定する。ここで、推奨製品は1つでも複数でもよいし、順位付けしてもよい。
ステップS411において、選定製品表示部55は、ステップS410で選定された推奨製品、該当製品の環境負荷指標値、該当製品の規格・仕様に関する必要条件、並びに仕入先、部品供給メーカー、型番、材質、加工法、コスト等の部品情報を出力装置40の画面に表示する。ここで、推奨製品にはマークを付ける、推奨順に表示する、あるいは表示欄または文字等に色を付けるなどして判別しやすくするようにしてもよい。
前述した支援手順により、消費者、販売店、製造メーカー等の担当者は、出力装置40に画面表示された推奨製品の情報及び資源循環に関する環境負荷指標値と、ステップS405で取得した製品構成部品の情報とを参酌し、規格及び仕様を満たし、かつ環境に配慮した製品を選定することができる。
なお、前述した手順を実現するために、環境負荷低減支援装置4に対してソフトウェアのプログラムコードを供給し、環境負荷低減支援装置4を構成するコンピュータ(CPU又はMPU)に格納された環境負荷低減支援プログラムに従って、環境負荷低減支援装置1を動作させることによっても、同様の効果が得られるものである。この場合、前記ソフトウェアのプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、およびそのプログラムコードをコンピュータに供給するための手段、例えばプログラムコードを格納した記録媒体、プログラムを伝送するインターネット等の伝送媒体も本願発明の構成要件となる。ここで、プログラムコードを記録する記録媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
また、本実施形態によれば、部品リユース係数記憶部12に記憶された部品リユース係数、及びマテリアルリサイクル係数記憶部13に記憶されたマテリアルリサイクル係数は、公的基準としてのLCAに基づいて算出されているので、製品の部品リユースによる環境負荷及びマテリアルリサイクルによる環境負荷の双方を、信頼性の高い単一の資源循環環境負荷指標値により評価できるという効果も期待される。更に、マテリアルリサイクルを推進すべきか部品リユースを推進すべきかを、信頼性の高い単一の資源循環環境負荷指標値により対象物ごとに判断できるという効果も期待される。
なお、前述した実施形態では、材料別環境負荷係数記憶部21と部品構成材料環境負荷算出部22を備えた場合について説明したが、本発明はこのほかに、前述した資源循環に関する環境負荷指標値のみで対象物を評価する場合、材料別環境負荷係数記憶部21と部品構成材料環境負荷算出部22を省略しても同様の効果が期待される。
[第5の実施形態]
本発明の第5の実施形態に係る環境負荷低減支援システムを図13に示す。これは、第1から第4の実施形態に係る環境負荷低減支援装置とは、部品供給メーカーが自社部品の情報を部品情報データベース(以下「部品情報DB」と記す)に登録し、設計者、資材購買担当者等が部品情報DBに登録された部品情報を取得し、環境負荷の小さい部品又はユニットを選定するようにした点が相違している。
環境負荷低減支援システム5において、部品供給メーカーの端末装置61と、設計者、資材購買担当者、メンテナンスサービスマン等の端末装置65とは、情報共有設計支援装置63にインターネット、電話回線又は無線及びサーバ又はターミナルアダプタ(TA)で接続されている。
情報共有設計支援装置63は、コスト情報を含む部品情報DB71と、前述した部品リユース係数が登録された部品リユース係数DB72と、前述したマテリアルリサイクル係数が登録されたマテリアルリサイクル係数DB73と、前述した材料別環境負荷係数が登録された材料別環境負荷係数DB74と、それらのDB71、72、73を管理する管理マスタ80と、を備えた構成を有している。この管理マスタ80は、例えばパーソナルコンピュータを用いて構成してもよい。この場合、管理マスタ80は、例えばスキャナ、ポインティングデバイス、キーボード等の入力装置と、CPU及びROM、RAM等の演算装置及びメモリと、レーザプリンタ、インクジェットプリンタ等の印刷装置、及び液晶ディスプレイ、CRTディスプレイ等の出力装置と、を備えた構成としてもよい。また、それぞれのDB71、72、73、74は、例えばハードディスク、フレキシブルディスク、光ディスクを記録媒体として用いた外部記憶装置を備えた構成としてもよい。同じく、端末装置61、65は、パーソナルコンピュータを用いて構成してもよい。この場合、端末装置61、65は、前述した入力装置、演算装置及びメモリ、印刷装置及び出力装置を備えた構成としてもよい。
ここで、環境負荷低減支援システム5は、登録ユーザID及びパスワードで管理されるようにしている。この登録ユーザID及びパスワードで管理された部品供給メーカーの担当者は、端末装置61から部品情報DB71に部品情報を登録し、設計者、資材購買担当者、メンテナンスサービスマン等は、端末装置65から情報共有設計支援装置63にアクセスし、DB71、72、73、74に登録されている部品情報、部品リユース係数、マテリアルリサイクル係数、材料別環境負荷係数を用いて使用部品を選定するようにしている。
以上のように構成された環境負荷低減支援システム5について、図14を用い、部品供給メーカーの端末装置61から部品情報DB11に部品情報を登録するときの支援手順(ログイン後の支援手順)を説明する。ここで、環境負荷低減支援システム5は、部品供給メーカーの端末装置61から担当者等がログインする際、あるいは必要に応じて呼び出す際、登録ユーザID及びパスワードで情報管理するようにしている。
ステップS501において、端末装置61の入力装置は、登録対象部品のデータ(部品構成材料のデータを含む)を入力する。ここでは、端末装置61の出力装置の画面等に登録対象部品のデータを表示し、担当者による入力装置の操作で部品構成材料のデータ内容を確認するようにしてもよい。具体的には、部品構成材料は再生材料であるか、バージン材であるか、再生材料の場合その再生材料混合率等を確認する。
ステップS501で確認された部品構成材料が再生材料の場合に、ステップS502において、端末装置61の演算装置は、マテリアルリサイクル係数DB73よりマテリアルリサイクル係数を取得し、同じく、バージン材の場合には、端末装置61の演算装置は、材料別環境負荷係数DB74より材料別環境負荷係数を取得する。なお、部品が複数種類の材料より構成されている場合には、端末装置61の演算装置は、相当する全ての種類の部品構成材料について、再生材であるかバージン材であるかに応じて環境負荷係数を取得する。
ステップS503において、端末装置61の演算装置は、ステップS502で取得した部品構成材料の環境負荷係数(マテリアルリサイクル係数と材料別環境負荷係数のいずれか又は双方)を用いてその部品構成材料の環境負荷指標値を算出する。ここで、マテリアルリサイクル率と構成材料重量もしくは重量比率を用いる場合は、ステップS501で端末装置61の入力装置から入力する。
ステップS504において、端末装置61の演算装置は、ステップS502で取得した部品構成材料の環境負荷係数(マテリアルリサイクル係数と材料別環境負荷係数のいずれか又は双方)と、構成材料重量もしくは重量比率から材料毎の環境負荷指標値を算出する。更に、算出した各構成材料毎の環境負荷指標値を加算し、部品の環境負荷指標値を算出する。
ステップS505において、端末装置61の演算装置は、サーバ又はTA62を介して部品情報DB71に部品情報を入力する。この部品情報には、部品名称、部品分類、部品番号、寸法、公差、部品重量(複数の材質から構成される場合は各材質ごとの重量も含む)、仕様、仕入先、部品供給メーカー、型番、材質、加工法、材料含有物質情報(有害化学物質含有の有無、有の場合はその重量もしくは割合、管理物質含有の有無、有の場合はその重量もしくは割合、禁止物質含有の有無、有の場合はその重量もしくは割合)、コストに加えて、部品リユースに関するデータとして部品の再利用の可否および部品リユース率、マテリアルリサイクルに関するデータとして再資源化率、再資源化方法、部品構成材料が再生材であるかバージン材であるか、再生材との混合材料の場合は再生材の割合を示す再生材含有率であるマテリアルリサイクル率、及びステップS504で算出した部品の環境負荷指標値が含まれる。なお、部品材料の環境負荷情報があるので、再生材料情報については部品供給メーカーの事情により未入力としてもよい。
ステップS506において、端末装置61の入力装置からの指示入力により、情報共有設計支援装置63の管理マスタ80は、ステップS505で入力された部品情報を部品情報DB71に登録する。
ここで、前述した手順を実現するために、環境負荷低減支援システム5に対してソフトウェアのプログラムコードを供給し、環境負荷低減支援システム5を構成するコンピュータ(CPU又はMPU)に格納された環境負荷低減支援プログラムに従って、環境負荷低減支援システム5を動作させることによっても、同様の効果が得られるものである。この場合、前記ソフトウェアのプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、およびそのプログラムコードをコンピュータに供給するための手段、例えばプログラムコードを格納した記録媒体、プログラムを伝送するインターネット等の伝送媒体も本願発明の構成要件となる。ここで、プログラムコードを記録する記録媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
なお、前述した実施形態では、部品供給メーカーの端末装置61が情報共有設計支援装置63からマテリアルリサイクル係数及び材料別環境負荷係数を取得して、部品の環境負荷指標値を算出して、部品情報として入力し、部品登録するようにした場合について説明したが、本発明はこのほかに、供給メーカーの端末装置61の入力装置を操作し、同じく出力装置に表示された画面上の所定の欄に必要部品情報を入力することによって、情報共有設計支援装置63の管理マスタ80又は演算装置(不図示)が当該部品の環境負荷指標値を算出し、部品情報DB71の部品情報を更新(追加登録)するようにしても同様の効果が期待される。
また、前述した実施形態では、部品供給メーカーの端末装置61が情報共有設計支援装置63からマテリアルリサイクル係数及び材料別環境負荷係数を取得して、部品の環境負荷指標値を算出して、部品情報として入力し、部品登録するようにした場合について説明したが、本発明はこのほかに、市場にて稼動している製品のメンテナンスにおいて、前記部品情報及び部品の環境情報を利用してメンテナンス部品を選定する、あるいは環境負荷低減支援システム5をメンテナンスサービスマン等がメンテナンス情報として設計者同様にアクセスし、利用するようにしても同様の効果が期待される。
また、前述した実施形態では、材料別環境負荷係数記憶部21と部品構成材料環境負荷算出部22を備えた場合について説明したが、本発明はこのほかに、前述した資源循環に関する環境負荷指標値のみで対象物を評価する場合、材料別環境負荷係数記憶部21と部品構成材料環境負荷算出部22を省略しても同様の効果が期待される。
また、前述した実施形態では、部品により構成される製品を対象物とした場合について説明したが、本発明はこのほかに、部品に限らずユニットでもよく、仕入単位でもよい。また必ずしも部品に限るものではなく、梱包材、パッケージでもよく、例えば製品を構成する単位に分解できるもの(仕入単位)であれば構成成分に適用しても同様の効果が期待される。
なお、請求項1に係る本発明の実施の一形態によれば、部品リユース率及びリユース係数を用いて演算により部品リユースに関する環境負荷指標値を算出するとともに、マテリアルリサイクル率及びマテリアルリサイクル係数を用いて演算によりマテリアルリサイクルに関する環境負荷指標値を算出し、これら部品リユースに関する環境負荷指標値とマテリアルリサイクルに関する環境負荷指標値とを加算することによって資源循環に関する環境負荷指標値を算出し、該資源循環に関する環境負荷指標値から環境負荷の小さい評価対象物を選定し、表示するようにしたので、資源循環に関する環境負荷低減を支援することができる。ここで、部品情報記憶部11及び部品情報DB71は、本発明に係る部品情報記憶部に相当し、部品リユース係数記憶部12及び部品リユース係数DB72は、本発明に係る部品リユース係数記憶部に相当し、マテリアルリサイクル係数記憶部13及びマテリアルリサイクル係数DB73は、本発明に係るマテリアルリサイクル係数記憶部に相当し、部品リユース環境負荷算出部14及び端末装置61は、本発明に係る部品リユース環境負荷算出部に相当し、マテリアルリサイクル環境負荷算出部15及び端末装置61は、本発明に係るマテリアルリサイクル環境負荷算出部に相当し、資源循環環境負荷算出部16及び端末装置61は、本発明に係る資源循環環境負荷算出部に相当する。
また、請求項2に係る本発明の実施の一形態によれば、部品構成材料の材質毎の重量もしくは重量比率及び材料別の環境負荷係数を用いて演算により部品構成材料の環境負荷指標値を算出し、資源循環環境負荷算出部により算出された資源循環に関する環境負荷指標値と部品構成材料の環境負荷指標値とを加算することによって部品の環境負荷指標値を算出して、該部品の環境負荷指標値から環境負荷の小さい評価対象物を選定し、表示するようにしたので、対象物の環境負荷の低減を支援することができる。ここで、材料別環境負荷係数記憶部21及び材料別環境負荷係数DB74は、本発明に係る材料別環境負荷係数記憶部に相当する。
また、請求項3に係る本発明の実施の一形態によれば、部品リユース環境負荷算出部が、設計情報入力部に入力された設計情報に対応する部品リユース係数を取得し、取得した部品リユース係数を用いて部品をリユースする際の環境負荷指標値を算出し、マテリアルリサイクル環境負荷算出部が、設計情報入力部に入力された設計情報に対応するマテリアルリサイクル係数を取得し、取得したマテリアルリサイクル係数を用いてマテリアルをリサイクルする際の環境負荷指標値を算出するので、特に資源循環に関し、現製品の環境配慮を容易に十分考慮した製品設計・部品選定を支援する環境負荷低減支援システムを提供することができる。
また、請求項4に係る本発明の実施の一形態によれば、部品情報を入力することにより部品情報記憶部を検索して得られた部品の環境負荷指標値に応じ、部品を選定し、表示するようにしたので、特に資源循環に関し、環境配慮を容易に十分考慮した部品を推奨し、購買支援する環境負荷低減支援システムを提供することができる。
また、請求項5に係る本発明の実施の一形態によれば、製品環境負荷算出部が、資源循環環境負荷算出部で算出された資源循環に関する環境負荷指標値と部品構成材料環境負荷算出部で算出された部品構成材料の環境負荷指標値とを加算することによって製品の環境負荷指標値を算出し、該製品の環境負荷指標値から環境負荷の小さい製品を選定し、推奨製品として表示するようにしたので、特に資源循環に関し、環境配慮を容易に十分考慮した製品を推奨し、消費者及び販売店担当者に製品選択情報を、製造メーカーに環境に配慮した製品情報を提供する環境負荷低減支援システムを提供することができる。
また、請求項6に係る本発明の実施の一形態によれば、部品情報入力部に入力された部品又はユニットに関する情報に基づき、算出された部品又はユニットの環境負荷指標値に応じた部品又はユニットを選定し、製品メンテナンスにおいて選定部品情報を提示するようにしたので、特に資源循環に関し、環境配慮を容易に十分考慮したメンテナンス部品の選定を支援することができる。
また、本発明の実施の一形態によれば、部品リユース係数DB72とマテリアルリサイクル係数DB73と、材料別環境負荷係数DB74を備えているので、部品供給メーカーが容易に部品評価指標を算出、登録でき、環境配慮を考慮するための情報を容易に供給・提供し、製品設計側が環境配慮を考慮するための部品情報を容易に利用できるシステムを提供することができる。また、部品供給メーカーおよび設計者が部品情報を共有するので、設計者も設計情報を入力することで容易に環境負荷情報を含む部品情報を取得でき、容易に環境配慮を十分考慮した製品設計・部品選定を行うことができる。また部品情報を部品メーカーが調査し、データベースを構築するのは大変な手間と時間がかかり、また再生材料情報等は部品メーカー企業内部情報の場合も有り、大変困難である。部品メーカーに直接データベース構築を依頼するにはLCA等を利用したデータ算出は手間と時間がかかり部品メーカーにとっても大きな負担となる。材料別環境負荷係数DB74を用いれば素材製造工程、再生工程の環境負荷をメーカーが独自に算出する必要がなく、メーカーに大きな負荷をかけることなく部品材料の環境負荷を求めることができる。また、部品供給メーカーが許可を得て、材料メーカーに必要な材料別環境負荷情報を与えると材料メーカーにおいて部品構成材料の環境負荷が算出され、よって再生材含有比率等が材料メーカーのノウハウ的な企業内情報の場合も材料メーカーに企業内情報の開示を含む負担をかけることなく部品構成材料の環境負荷を求めることができる。ここで、情報共有設計支援装置63は、記憶装置に相当し、端末装置61の入力装置と演算装置及びメモリは、係数取得手段に相当し、端末装置61の演算装置及びメモリは、算出手段に相当し、端末装置61は、端末装置に相当し、サーバ(又はターミナルアダプタ)62は、接続手段に相当する。
また、本発明の実施の一形態によれば、部品リユース係数DB72とマテリアルリサイクル係数DB73と、材料別環境負荷係数DB74と、を備えているので、部品供給メーカーが容易に部品評価指標を算出、登録でき、環境配慮を考慮するための情報を容易に供給・提供し、メンテナンスを実施する者が環境配慮を考慮するための部品情報を容易に利用できる環境負荷低減支援システム5を提供することができる。
また、本発明の実施の一形態によれば、部品構成材料情報及び部品リユースに関するデータとマテリアルリサイクルに関するデータを含む部品情報と、部品リユース係数とマテリアルリサイクル係数と材料別環境負荷係数から資源循環に関する環境負荷を示すデータと、部品構成材料環境負荷を示すデータを算出し、該データから環境負荷の小さい評価対象物を選定し、表示するので、環境負荷の低減を支援する環境負荷低減支援方法をコンピュータに実行させることができる。
また、本発明の実施の一形態によれば、部品構成材料情報及び部品リユースに関するデータとマテリアルリサイクルに関するデータを含む部品情報と、部品リユース係数とマテリアルリサイクル係数と材料別環境負荷係数から資源循環に関する環境負荷を示すデータと、部品構成材料環境負荷を示すデータを算出し、該データから環境負荷の小さい評価対象物を選定し、表示するので、環境負荷の低減を支援する環境負荷低減支援方法をコンピュータに実行させるプログラムを記憶する記憶媒体を提供することができる。
また、請求項8に係る本発明の実施の一形態によれば、部品構成材料情報及び部品リユースに関するデータとマテリアルリサイクルに関するデータを含む部品情報と、部品リユース係数とマテリアルリサイクル係数と材料別環境負荷係数から資源循環に関する環境負荷を示すデータと、部品構成材料環境負荷を示すデータを算出し、該データから環境負荷の小さい評価対象物を選定し、表示するので、環境負荷の低減を支援する環境負荷低減支援方法を提供することができる。
換言すれば、環境影響の大きな要因となるリサイクルに関し、資源循環の環境負荷を簡便に効率的に評価し、更に構成材料の環境負荷も簡便に効率的に評価し、環境負荷低減を支援することができる。更に、現製品の環境配慮を十分に考慮した製品設計を支援すること、環境影響の大きな要因である製品構成要素となる部品の選定において環境配慮を十分に考慮するよう支援すること、環境配慮を十分に考慮した製品選択情報を提供すること、また部品供給メーカーが容易に部品の環境負荷を表すデータを算出し、部品選定の情報として提供すること、ができる。
更に、請求項9に係る本発明の実施の一形態によれば、部品構成材料情報及び部品リユースに関するデータとマテリアルリサイクルに関するデータを含む部品情報と、部品リユース係数とマテリアルリサイクル係数と材料別環境負荷係数から資源循環に関する環境負荷を示すデータと、部品構成材料環境負荷を示すデータとを算出し、これら各データから部品の環境負荷を示すデータを算出して、該データから環境負荷の小さい評価対象物を選定し、表示するので、環境負荷の低減を支援する環境負荷低減支援方法を提供することができる。