JP4564085B2 - 菓子パンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、油で揚げた熱々のパンに冷たいフィリングを詰めた新規な菓子パンの製造方法に関する。
従来から、焼成したパン(以下、「焼成パン」という)内に生クリームやカスタードクリームなどのフィリングを詰めた菓子パンがある。例えば、下記特許文献1には、小麦粉を主原料とするパン生地を捏ねて中央部に空洞を有する角笛(コルネ)状に成形して焼成した後、前記空洞部内にフィリングを充填した所謂コルネパン(「コロネパン」ともいう)が開示されている。
特開平11−32663号公報
一般に、上記したような菓子パンにおいては、焼成パンとフィリングとが略同じ温度で一体化しており、食す際においても焼成パンとフィリングとが略同じ温度の状態で食される。このような事情の下、本発明者は、熱々に熱した焼成パンと冷たく冷やしたフィリングとを一体化することにより、従来にない独特な食味、食感および風味を備える新規な菓子パンを創作できるのではないか、と思い付くに至った。
しかしながら、熱々に熱した焼成パンに冷たく冷やしたフィリングを詰めたり載せたりすると、焼成パンの熱によってフィリングが急速に融けて前記した独特な食味、食感および風味を十分に楽しむことができない。また、融けたフィリングによって菓子パンの外観が著しく損なわれ、商品価値が低下するという問題があった。
本発明は上記問題に対処するためなされたもので、その目的は、熱々に熱した焼成パンと冷たく冷やしたフィリングとの一体化を可能とすることで、独特の食味、食感および風味を備える菓子パンを製造するための菓子パンの製造方法を提供することにある。
なお、下記特許文献2ないし下記特許文献4には、焼成工程を経た焼成パンやドーナツを冷凍した後、冷凍した状態の焼成パンまたはドーナツを油で揚げた食品の製造方法がそれぞれ開示されている。しかし、下記特許文献2〜下記特許文献4にそれぞれ開示された食品の製造方法は、主として焼成パンまたはドーナツを長期保存するために冷凍するものであり、本発明のような熱々に熱した焼成パンに冷たく冷やしたフィリングを一体化するという発想や技術的な工夫がなく、本発明とは全く異なるものである。
特公昭56−50934号公報 特公昭63−58538号公報 特公平04−80663号公報
上記目的を達成するため、請求項1に係る本発明の特徴は、円錐形で、拡径した一端部が開口するとともに他端部が閉塞した有底筒状に成形し、筒内をフィリングを保持するための保持部として形成したパン生地を焼き上げて焼成パンを生成する焼成パン生成工程と、焼成パンを冷凍する焼成パン冷凍工程と、前記冷凍した状態の焼成パンの前記一端部より前記他端部側までの外表面を200℃以上かつ230℃以下の温度の油中にて7秒〜15秒油で揚げた後、前記冷凍した状態の焼成パンの前記一端部の開口する部分の一部を、前記焼成パンを垂直方向に対して約45度傾斜させた状態で200℃以上かつ230℃以下の温度の油中に漬けて前記開口する部分を前記焼成パンの軸線周りに回しながら5秒程度油で揚げ、前記保持部である前記筒内を除く表面を油で揚げるフライ工程と、油で揚げた直後の焼成パンにおける凍結状態、または凍結状態に近い状態の前記保持部に、ソフトクリーム、アイスクリーム、シャーベット又はジェラートを配置するフィリング配置工程とを含むことにある。
このように構成した請求項1に係る本発明の特徴によれば、フィリングを保持する保持部が形成された焼成パンを冷凍した後、同冷凍された状態の焼成パンにおける前記保持部を除く表面を油で揚げている。そして、油で揚げられた焼成パンにおける油で揚げられていない保持部内にフィリングが配置される。すなわち、フィリングを配置する保持部が冷凍または冷凍に近い低い温度に保たれた状態で焼成パンの表面が加熱されている。これにより、加熱された焼成パンに冷たいフィリングが配置された場合であっても焼成パンの熱によりフィリングが急速に融けることが防止される。この結果、熱々に熱した焼成パンと冷たく冷やしたフィリングとを一体化することができ、独特の食味、食感および風味を十分楽しむことができる新規な菓子パンを製造することができる。
また、請求項1に係る本発明の他の特徴は、焼成パン生成工程が、円錐形で、拡径した一端部が開口するとともに他端部が閉塞した有底筒状に成形し、筒内をフィリングを保持するための保持部として形成したパン生地を焼き上げて焼成パンを生成し、フィリング配置工程は、油で揚げた直後の焼成パンにおける凍結状態、または凍結状態に近い状態の保持部に、ソフトクリーム、アイスクリーム、シャーベット又はジェラートを配置することにある。
この場合、前記焼成パン生成工程は、例えば、前記パン生地を円錐形に成形するとよい。この場合、前記焼成パンを巻貝状に形成するとよい。
さらに、請求項1に係る本発明の他の特徴によれば、有底筒状に成形された焼成パンの筒内である保持部内にフィリングが配置される。これにより、冷たいフィリングと熱々の焼成パンとが一体的に形成された菓子パンを手で保持し易くするとともに、焼成パンの熱などにより融けた液体状のフィリングを焼成パンの保持部内に留めて外部に漏れ出すことを抑えることができ、菓子パンの食べ易さを良好にすることができる。また、融けた液体状のフィリングが焼成パン内に浸み込むことにより、焼成パンの食味や食感の変化を楽しむこともできる。さらに、前記焼成パンを円錐形、より具体的には、例えば、巻貝状に成形することにより、菓子パンの食べ易さとともにデザイン性を良好にすることができる。
さらに、請求項1に係る本発明の他の特徴は、フライ工程が、前記冷凍した状態の焼成パンの前記一端部より前記他端部側までの外表面を200℃以上かつ230℃以下の温度の油中にて7秒〜15秒油で揚げた後、前記冷凍した状態の焼成パンの前記一端部の開口する部分の一部を、前記焼成パンを垂直方向に対して約45度傾斜させた状態で200℃以上かつ230℃以下の温度の油中に漬けて前記開口する部分を前記焼成パンの軸線周りに回しながら5秒程度油で揚げ、前記保持部である前記筒内を除く表面を油で揚げることにある。
このように構成した請求項1に係る本発明の他の特徴によれば、有底筒状に成形した焼成パンにおける一端部(開口側)より他端部(閉塞側)側が先に油で揚げられた後、一端部側が油で揚げられる。すなわち、焼成パンにおける一端部より他端部側の大部分が先に油で揚げられる。したがって、一端部側の油で揚げる時間が短くなり、一端部側を揚げている際における保持部内への油の熱気の導入量を抑えることができる。これにより、焼成パンの油揚げ時における保持部の解凍を抑えることができる。すなわち、保持部を凍結状態、または凍結状態に近い状態で焼成パンの外表面を揚げることができる。また、焼成パンにおける一端部が他端部側より後に油で揚げられる、すなわち、焼成パンにおいて消費者の口元に近い部分が後に揚げられるため、菓子パンを食す際の香ばしさを向上させることができる。尚、フライ工程で、冷凍した状態の焼成パンの一端部より他端部側までの外表面を200℃以上かつ230℃以下の温度の油中にて7秒〜15秒油で揚げることにより、焼成パンの表層部分の水分が適度に減少するとともに、表面を色合い良く揚げることができ、菓子パンの食感(サクサクとした食感)、外観の色合いおよび風味(香ばしさ)を向上させることができる。また、冷凍した状態の焼成パンの一端部の開口する部分の一部を、焼成パンを垂直方向に対して約45度傾斜させた状態で200℃以上かつ230℃以下の温度の油中に漬けて開口する部分を焼成パンの軸線周りに回しながら5秒程度油で揚げることにより、油の熱気が焼成パンの保持部内に流入することを抑えることができ、これにより、焼成パンの保持部の内周面をより凍結状態または凍結状態に近い状態を維持して焼成パンの外表面を油で揚げることができる。
また、請求項1に係る本発明の他の特徴は、前記菓子パンの製造方法において、保持部に配置するフィリングが、ソフトクリーム、アイスクリーム、シャーベット又はジェラートであることにある。
このように構成した請求項1に係る本発明の他の特徴によれば、焼成パンに配置されるフィリングは、アイスクリーム、ソフトクリーム、シャーベットまたはジェラートの冷凍または冷凍に近い温度まで冷やした菓子である。これによれば、焼成パンの温度とフィリングの温度との温度差が大きくなり、より一層、独特な食味、食感および風味を備える菓子パンとなる。
以下、本発明に係る菓子パンの製造方法の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る菓子パンの製造方法における主要な工程の流れを示すフローチャートである。なお、本明細書において参照する各図は、本発明の理解を容易にするために一部の構成要素を誇張して表わすなど模式的に表している。このため、各構成要素間の寸法や比率などは異なっていることがある。
まず、作業者は、第1工程として、焼成パン10を生成する。焼成パン10は、図2(A)に示すように、パン生地を所定の形状に成形した後、焼成したパンであり、一般的なパンの製造方法により生成されるものである。すなわち、作業者は、図2(B)に示すように、小麦粉などの穀粉、油脂、砂糖、食塩および膨張剤などの混成物に、卵、酵母、イーストおよび水などを混ぜ合わせ良く練ったパン生地11を安静な状態で発酵させる。
そして、作業者は、発酵して膨張したパン生地11から空気を抜いて適当な大きさに分割し所定の形状に成形する。本実施形態においては、パン生地11を円錐状(コーン状)の巻貝状に成形する。この場合、作業者は、棒状に延ばしたパン生地11を隙間なく螺旋状に巻き回して巻貝状に成形する。これにより、図2(C)に示すように、有底筒状の巻貝状に成形されたパン生地11の内側に、一方の端部が開口するとともに他方の端部が閉塞した筒状の保持部12が隙間のない状態で形成される。
次に、作業者は、約180℃に熱した雰囲気内(例えば、オーブン内)に巻貝状に成形したパン生地11を配置して約10分間焼成する。これにより、外表面が比較的硬いキツネ色に焼成されるとともに、保持部12の内周面が比較的柔らかい略白色に焼成された巻貝状の焼成パン10が生成される(図2(A)参照)。なお、焼成パン10を生成するための原料は、前記した原料に限定されるものではなく、好みに応じた原料、例えば、チーズ、果物、野菜、ココアまたは抹茶などを加えてもよいことは当然である。また、本実施形態において焼成パン10は、長さが約12cm、外径が最も太い部分で約7cmに形成されている。また、図2(A)においては、焼成パン10の外表面の焼き上がった状態を点群のパッチングで示している。
次に、作業者は、第2工程として、焼成パン10を冷凍する。具体的には、作業者は、焼き上がった焼成パン10を常温雰囲気中において荒熱を除去した後、図示しない冷凍機内に移して冷凍する。この場合、焼成パン10は、約−20℃の雰囲気中において徐々に冷凍される。この場合、焼成パン10は、焼成パン10の内部まで略完全に凍結させることが好ましいが、最低でも焼成パン10の外表面および保持部12の内周面から焼成パン10の厚さの約1/3程度まで凍結させることができればよい。また、焼成パン10は、徐々に冷凍されることが好ましいが、急速に冷凍させてもよい。この場合、焼成パン10の急速に冷凍による割れや裂けなどに留意する必要がある。
次に、作業者は、第3工程として、冷凍された状態の焼成パン10の外表面を油で揚げる。具体的には、作業者は、好ましくは約190℃〜約230℃、より好ましくは約200℃〜約220℃に熱した油中に、冷凍機内から取り出した焼成パン10を解凍せずに凍ったままの状態で浸漬する。この場合、作業者は、トングなどを用いて焼成パン10の開口部13付近を掴んで同開口部13を上向きにした状態で焼成パン10における開口部13付近より下側部分を油中に漬けて同部分を揚げる。すなわち、作業者は、焼成パン10の開口部13を上方に向けた起立した状態で焼成パン10の開口部13付近、具体的には、開口部13から約1cm〜約1.5cmより下側部分を油中に漬ける。
この場合、焼成パン10を油中に漬ける時間は、焼成パン10の表面のキツネ色が濃く変化するまでの時間であり、概ね7秒〜15秒が好適である。これにより、焼成パン10における開口部13付近より下側部分の外表面が油で揚げられる。また、この場合、焼成パン10は、前記第1工程において、棒状に延ばしたパン生地11を隙間なく螺旋状に巻き回して成形されているため、焼成パン10を油中に浸漬した際に焼成パン10の内側、すなわち、保持部12内に油が浸入することはない。
次に、作業者は、油中から焼成パン10を引き上げた後、焼成パン10における開口部13の下側部分をトングなどで掴み、同開口部13を下向きにした状態で同開口部13を油中に漬けて同部分を揚げる。すなわち、作業者は、焼成パン10の開口部13を下方に向けた起立した状態で焼成パン10の開口部13、より具体的には、開口部13から約1cm〜約1.5cm程度を油中に漬ける。この場合、焼成パン10における前記油で揚げた部分の上端部とオーバラップしない程度に焼成パン10の開口部13を油中に漬けることが望まれる。なお、多少オーバラップさせても問題はない。焼成パン10を油中に漬ける時間は、概ね5秒程度が好適である。これにより、焼成パン10の内側における保持部12内に油の熱気を溜めない状態で焼成パン10における開口部13付近の外表面が油で揚げられる。すなわち、焼成パン10の保持部12の内周面を凍結状態または凍結状態に近い状態を維持して焼成パン10の外表面を油で揚げることができる。
なお、この場合、作業者は、焼成パン10を垂直方向に対して約45度傾斜させた状態で開口部13の一部を油中に漬けて同開口部13を焼成パン10の軸線周りに回しながら揚げることにより、油の熱気が焼成パン10の保持部12内に流入することを抑えることができる。これにより、焼成パン10の保持部12の内周面をより凍結状態または凍結状態に近い状態を維持して焼成パン10の外表面を油で揚げることができる。
このように、焼成パン10を揚げる油の温度を一般的な揚げ物の油温(約180℃)より高く設定することにより、焼成パン10の油中への浸漬時間を短くして保持部12の内周面の解凍を抑えることができるとともに、焼成パン10の外表面を香ばしくサクサクした感じに揚げることができる。なお、本発明における焼成パン10を揚げる油の温度は、約200℃〜約220℃の温度に限定するものではなく、焼成パン10の揚げ上がり状態の好みに応じて適宜設定すればよい。すなわち、焼成パン10を一般的な揚げ物の油温(約180℃)で揚げてもよい。
次に、作業者は、第4工程として、油で揚げられた焼成パン10の開口部13に切り込み14を入れる。具体的には、作業者は、図示しないカッターを用いて焼成パン10の開口部13から保持部12の底部(図示下方)に向って切り込み14を形成する。この場合、作業者は、開口部13上に円周方向に沿って等間隔に3つの切り込み14を形成する(図においては、2つのみ図示)。また、切り込み14の深さは、本実施形態においては巻貝状に形成された焼成パン10における2巻き分の深さに相当する深さであり、具体的には、約2cm〜約3cmである。
次に、作業者は、第5工程として、焼成パン10の保持部12内にフィリング15を詰める。本実施形態においては、作業者は、焼成パン10の保持部12内にソフトクリームからなるフィリング15を充填するとともに、焼成パン10の開口部13aの上方に向ってフィリング15(ソフトクリーム)を螺旋状に積み上げて配置する。これにより、図3に示すように、熱々に熱せられた焼成パン10と冷たく冷やされたフィリング15とが一体的に形成された菓子パン20が完成する。作業者は、焼成パン10にフィリング15を詰めて菓子パン20を完成させた後、焼成パン10を包装紙(図示せず)で巻くなどして覆い消費者に提供する。
消費者は、熱々の焼成パン10と冷たく冷やされたフィリング15とが一体的に形成された菓子パン20を食すことにより、独特の食味、食感および風味を楽しむことができる。この場合、焼成パン10の外表面が熱い一方で、焼成パン10の内周面である保持部12は冷凍状態に近い温度であるため、フィリング15は急速には融けず時間を掛けて徐々に融ける。これにより、フィリング15を長時間に亘ってアイスの状態を維持することができ、時間の経過により融けたフィリング15の一部の焼成パン10からの漏れを遅らせることができる。また、融けたフィリング15の一部が焼成パン10に浸み込むことにより、菓子パン20の出来上がり直後とは異なる独特の食味、食感および風味を楽しむことができる。
なお、この場合、焼成パン10の他方の端部が閉塞して成形されているため、時間の経過により融けたフィリング15が焼成パン10の底部に溜まるまたは浸み込むことにより融けたフィリング15の漏れを効果的に防止することができるとともに、菓子パン20の出来上がり直後とは異なる独特の食味、食感および風味をより楽しむことができる。また、焼成パン10の開口部13には3つの切り込み14が形成されているため、螺旋状に繋がった焼成パン10開口部13の周辺部が分断されて食べ易くなる。さらに、また、第3工程において、焼成パン10における開口部13より下側部分を揚げた後、同開口部13を揚げている。これにより、焼成パン10において消費者の口元に近い部分が後に揚げられるため、菓子パン10を食す際の香ばしさを向上させることができる。
上記作動説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、フィリング15を保持する保持部12が形成された焼成パン10を冷凍した後、同冷凍された状態の焼成パン10における前記保持部12を除く表面を油で揚げている。そして、油で揚げられた焼成パン10における油で揚げられていない保持部12内にフィリング15が配置される。すなわち、フィリング15を配置する保持部12が冷凍または冷凍に近い低い温度に保たれた状態で焼成パン10の外表面が加熱されている。これにより、加熱された焼成パン10に冷たいフィリング15が配置されても焼成パン10の熱によりフィリング15が急速に融けることが防止される。この結果、熱々に熱した焼成パン10と冷たく冷やしたフィリング15とを一体化することができ、独特の食味、食感および風味を備える菓子パン17を製造することができる。
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態においては、焼成パン10を巻貝状に形成した。しかし、焼成パン10の形状は、フィリング15を保持する保持部12を有して形成されていれば、当然、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、焼成パン10を単に円錐状(コーン状)に成形してもよいし、両端部が開口した筒状に形成してもよい。また、例えば、ハンバーガーやホットドッグに用いる所謂バン(「バンズ」ということもある)を焼成パン10として用い、フィリング15をバンで挟むように構成してもよい。これらによっても、上記実施形態と同様の効果が期待できる。
また、上記実施形態においては、フィリング15としてソフトクリームを用いた。しかし、フィリング15は、常温未満の温度に冷やした食品であれば、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、アイスクリーム,シャーベット,カキ氷およびジェラートなどの冷菓類、生クリーム,チーズクリーム,カスタードクリームおよび餡子などのクリーム類、ムース,プリン,ババロアなどの半固形状の和洋菓子類、ヨーグルトなどの乳製品類、フルーツ類および野菜サラダ類などを単体で、またはこれらを適宜組み合わせて用いることができる。これらによれば、多種多様な菓子パン20を製造でき、幅広い食味、食感および風味を楽しむことができる。
また、上記実施形態においては、焼成パン10の開口部13に3つの切り込み14をそれぞれ形成した。しかし、これらの切り込み14は、螺旋状に繋がった焼成パン10を食べ易くするためであり、必ずしも、必要なものではない。すなわち、焼成パン10に切り込み14を設けない構成であってもよい。これによれば、菓子パン15の製造工程が減少するため短時間に菓子パン20を製造することができる。なお、切り込み14は、4つ以上設けてもよいことは謂うまでもない。
また、上記実施形態においては、焼成パン10における開口部13付近より下側部分を先に油で揚げた後、開口部13を油で揚げるようにした。しかし、焼成パン10の油揚げ工程は、保持部12の凍結状態を維持した状態で焼成パン10の外表面を揚げることができれば、上記実施形態に限定されるものではない。すなわち、焼成パン10における開口部13を先に揚げた後、開口部13付近より下側部分を揚げることも可能である。また、例えば、焼成パン10における保持部12内に熱伝導率の低い物質を詰めた焼成パン10を油中に投入して揚げることもできる。さらに、また、焼成パン10の開口部13を下向きにして焼成パン10を網金上に起立させた状態で熱した油を起立した焼成パン10の上端部から掛けて揚げるようにしてもよい。これらによっても、上記実施形態と同様の効果が期待できる。
本発明の一実施形態に係る菓子パンの製造方法における主要な工程の流れを示すフローチャートである。 (A)〜(C)は、本発明に係る菓子パンの製造方法により製造される菓子パンを構成する焼成パンを示しており、(A)は焼成後の焼成パンを示す正面図であり、(B)は焼成前のパン生地を成形した状態を示す正面図であり、(C)は(B)に示した成形したパン生地の正面断面図である。 本発明に係る菓子パンの製造方法により製造される菓子パンを示す正面図である。
符号の説明
10…焼成パン、11…パン生地、12…保持部、13…開口部、14…切り込み、20…菓子パン。

Claims (1)

  1. 円錐形で、拡径した一端部が開口するとともに他端部が閉塞した有底筒状に成形し、筒内をフィリングを保持するための保持部として形成したパン生地を焼き上げて焼成パンを生成する焼成パン生成工程と、
    前記焼成パンを冷凍する焼成パン冷凍工程と、
    前記冷凍した状態の焼成パンの前記一端部より前記他端部側までの外表面を200℃以上かつ230℃以下の温度の油中にて7秒〜15秒油で揚げた後、前記冷凍した状態の焼成パンの前記一端部の開口する部分の一部を、前記焼成パンを垂直方向に対して約45度傾斜させた状態で200℃以上かつ230℃以下の温度の油中に漬けて前記開口する部分を前記焼成パンの軸線周りに回しながら5秒程度油で揚げ、前記保持部である前記筒内を除く表面を油で揚げるフライ工程と、
    前記油で揚げた直後の焼成パンにおける凍結状態、または凍結状態に近い状態の前記保持部に、ソフトクリーム、アイスクリーム、シャーベット又はジェラートを配置するフィリング配置工程とを含むことを特徴とする菓子パンの製造方法。
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