以下、図面を参照しながら、本発明の第1〜第15の実施の形態について説明する。本発明の第1〜第15の実施の形態における説明においても、従来の技術の説明の際に使用した図1に示す無線通信システムの構成を参照する。すなわち、CN40と通信を行っているMN10が、AP23が形成する無線カバーエリア25内からオーバラップエリア26を通ってAP32が形成する無線カバーエリア34内に移動する際に、サブネット20からサブネット30へのハンドオーバを行う場合を想定する。
なお、後述の第1〜第12の実施の形態では、MN10がハンドオーバ前に接続しているサブネット20のリンク上において、ハンドオーバ後に接続するサブネット30に係る外部送信用アドレス(NAR31のリンクローカルアドレス、又は、サブネット30に属するデフォルトルータ37のリンクローカルアドレス)を取得するための方法について説明し、後述の第13〜第15の実施の形態では、MN10がハンドオーバ後に接続するサブネット30のリンク上において、ハンドオーバ後にサブネット30に係る外部送信用アドレスを迅速に取得するための方法について説明する。
<第1の実施の形態>
まず、本発明の第1の実施の形態について説明する。図2は、本発明の第1〜第4の実施の形態に共通する主要な処理を示すシーケンスチャートである。なお、図2に示すシーケンスチャートは、本発明に係る主要な処理のみを図示したものであり、本発明の第1〜第4の実施の形態において説明される技術は、図41や図42に示すFMIPにおける第1又は第2の動作モードと組み合わせて実施可能なものである。
図2に示すシーケンスチャートでは、図41や図42に示す従来のFMIPと同様に、まず、MN10がサブネット20に接続し(ステップS101)、この接続状態において、新たなサブネット30の配下に存在するAP32を発見して、AP32へのL2ハンドオーバの実行を決定する(ステップS103)。そして、MN10は、PAR21に対して、AP32のAP−IDを含むRtSolPrメッセージに加えて、外部送信用アドレスを要求する旨の情報を送信する(ステップS105)。
PAR21は、RtSolPrメッセージをMN10から受信し、例えば、従来のFMIPにおいて行われているNAR31の情報を取得する方法と同一の方法を用いて、サブネット30に係る外部送信用アドレスを取得する(ステップS107)。具体的には、例えば、PAR21は、RtSolPrメッセージに含まれるAP32のAP−IDに基づいて、近隣に存在するアクセスルータを検索して、サブネット30に属するNAR31やデフォルトルータ37のリンクローカルアドレスを取得するか、あるいは、すでに検索済みの情報(PAR21に保持されている情報)から、サブネット30に属するNAR31やデフォルトルータ37のリンクローカルアドレスを取得することが可能である。
そして、PAR21は、NAR31の情報を含むPrRtAdvメッセージの送信時に、MN10に対して、ステップS107で取得したサブネット30に係る外部送信用アドレスを通知する(ステップS109)。これにより、MN10は、サブネット30に係る外部送信用アドレスをPAR21から取得することが可能となり、すなわち、MN10は、サブネット30のリンクへのハンドオーバを行った(ステップS111)直後に、上述の方法によって事前に取得したNAR31のリンクローカルアドレス又はデフォルトルータ37のリンクローカルアドレスを、ルーティングテーブルにおけるデフォルトルータとして設定することによって、サブネット30における外部(例えば、CN40)へのパケット送信を迅速に行うことが可能となる。
また、図3は、本発明の第1の実施の形態におけるPARの構成の一例を示すブロック図である。なお、図3では、PAR21が有する各機能がブロックにより図示されているが、これらの各機能はハードウェア及び/又はソフトウェアによって実現可能である。図3に示すPAR21は、受信手段1101、送信手段1102、RtSolPr処理手段1103、PrRtAdv生成手段1104、近隣サブネット情報取得手段1105、近隣サブネット情報格納手段1106を有している。
受信手段1101及び送信手段1102は、配下に存在するAP(AP22、AP23)やIPネットワーク15と接続して、パケットの送受信を行うための手段である。なお、通常は、AP22及びAP23に接続するためのインターフェイスと、IPネットワーク15に接続するためのインターフェイスとは異なっており、各インターフェイスに応じて複数の受信手段及び送信手段が設けられているが、ここでは、まとめて1つの受信手段1101及び送信手段1102として図示することにする。
また、RtSolPr処理手段1103は、MN10から受信したRtSolPrメッセージに係る処理を行い、PrRtAdv生成手段1104に対して、応答メッセージとなるPrRtAdvメッセージの生成を指示するとともに、近隣サブネット情報取得手段1105に対して、MN10のハンドオーバ先のサブネット30に係る外部送信用アドレスの取得を指示する手段である。
また、PrRtAdv生成手段1104は、RtSolPr処理手段1103からの指示を受けて、近隣サブネット情報取得手段1105から通知されるサブネット30に係る外部送信用アドレスを含むPrRtAdvメッセージを生成する手段である。
また、近隣サブネット情報取得手段1105は、サブネット30に係る外部送信用アドレスを取得して、取得したサブネット30に係る外部送信用アドレスをPrRtAdv生成手段1104に通知する手段である。近隣サブネット情報取得手段1105は、例えば、送信手段1102を介して、NAR31や所定のサーバなどに、サブネット30に係る外部送信用アドレスを要求するための情報を送信し、受信手段1101を介して、サブネット30に係る外部送信用アドレスを受信することによって、サブネット30に係る外部送信用アドレスの取得を行うことが可能である。また、このようにして取得したサブネット30に係る外部送信用アドレスを、近隣サブネット情報格納手段1106に格納することも可能であり、この近隣サブネット情報格納手段1106に格納されたサブネット30に係る外部送信用アドレスを参照して、所望のサブネット30に係る外部送信用アドレスを取得することも可能である。
また、図4Aは、図3に示すPARにおいて処理されるMNからの外部送信用アドレスの要求情報を示す図であり、図4Bは、図3に示すPARにおいて処理されるMNに対して送信される外部送信用アドレスの通知情報のデータ構成の一例を示す図である。図4Aに示されるように、PAR21は、MN10から従来のRtSolPrメッセージ、又は、外部送信用アドレスの要求を指示する情報が付加されたRtSolPrメッセージを受信する。
例えば、PAR21は、従来のRtSolPrメッセージを受信した場合に、図4Bに示される外部送信用アドレスを含むPrRtAdvメッセージを送信するように構成されている(すなわち、従来のRtSolPrメッセージが外部送信用アドレスを要求するための情報の役割を果たしている)か、あるいは、例えば、PAR21は、RtSolPrメッセージ内に規定された外部送信用アドレスの要求を指示する情報の有無を検証して、外部送信用アドレスの要求を指示する情報が付加されている場合に、図4Bに示される外部送信用アドレスを含むPrRtAdvメッセージを送信するように構成されている。
したがって、不図示ではあるが、本発明の第1の実施の形態を実現するためには、MN10が、PAR21から受信したPrRtAdvメッセージ内から外部送信用アドレスを抽出するための手段を有する必要がある。また、PAR21が、外部送信用アドレスの要求を指示する情報が付加されているRtSolPrメッセージを送ったMN10に対して、外部送信用アドレスを含むPrRtAdvメッセージを送信するように構成されている場合には、不図示ではあるが、MN10は、RtSolPrメッセージ内に外部送信用アドレスの要求を指示する情報を挿入するための手段を有する必要がある。
以上、説明したように、本発明の第1の実施の形態によれば、MN10が異なるサブネット30にハンドオーバを行う際、MN10は、ハンドオーバ前に接続しているPAR21に対してRtSolPrメッセージを送信することによって、サブネット30に係る外部送信用アドレスの要求を行い、PAR21は、その応答メッセージであるPrRtAdvメッセージを送信することによって、サブネット30に係る外部送信用アドレスの通知を行うことが可能となり、MN10は、ハンドオーバ前に接続しているサブネット20のリンク上において、ハンドオーバ後に接続するサブネット30に係る外部送信用アドレスを取得し、ハンドオーバ直後に迅速に、外部に対してパケット送信を行うことが可能となる。
なお、上述の第1の実施の形態では、PAR21が、MN10から受けたRtSolPrメッセージの応答メッセージであるPrRtAdvメッセージ内に、外部送信用アドレスを含ませ、この外部送信用アドレスを含むPrRtAdvメッセージを送信する場合が説明されているが、例えば、PAR21は、MN10からRtSolPrメッセージを受けずに、PrRtAdvメッセージ(unsolicited PrRtAdvメッセージ)を送信することも可能である(非特許文献1のSection 3.3参照)。
このRtSolPrメッセージによる要求がない状態で送信されるunsolicited PrRtAdvメッセージには、近隣のサブネットのうちの特定のサブネットに関する情報(例えば、そのサブネットに属するNAR31のIPアドレスや、そのサブネットのネットワークプリフィックスなどの情報)が含まれており、このunsolicited PrRtAdvメッセージを受けたMN10は、unsolicited PrRtAdvメッセージ内に含まれる特定のサブネットへのハンドオーバを行わなければならない。すなわち、unsolicited PrRtAdvメッセージは、特定のサブネットに関する情報を含み、当該特定のサブネットにハンドオーバを行うように指示するためのメッセージである。
本発明では、図4Bに示すように、PAR21が、上述のunsolicited PrRtAdvメッセージに、特定のサブネットに関する情報と共に、この特定のサブネットに係る外部送信用アドレスを含ませ、MN10からの要求がない状態で、MN10に対して、外部送信用アドレスを含むunsolicited PrRtAdvメッセージを送信することも可能である。
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本発明の第2の実施の形態における動作は、図2のシーケンスチャートを参照しながら説明した上述の動作と同一であり、説明を省略する。
また、図5は、本発明の第2の実施の形態におけるPARの構成の一例を示すブロック図である。なお、図5では、PAR21が有する各機能がブロックにより図示されているが、これらの各機能はハードウェア及び/又はソフトウェアによって実現可能である。図5に示すPAR21は、受信手段1201、送信手段1202、RtSolPr処理手段1203、PrRtAdv生成手段1204、近隣サブネット情報取得手段1205、近隣サブネット情報格納手段1206、外部送信用アドレス通知メッセージ生成手段1207を有している。なお、受信手段1201、送信手段1202、RtSolPr処理手段1203、近隣サブネット情報格納手段1206は、図3に示す受信手段1101、送信手段1102、RtSolPr処理手段1103、近隣サブネット情報格納手段1106と同一である。
PrRtAdv生成手段1204は、RtSolPr処理手段1203からの指示を受けて、従来のFMIPにおいて生成されるPrRtAdvメッセージと同一のメッセージを生成する手段であり、すなわち、従来のFMIPにおけるPrRtAdvメッセージを生成する手段と同一である。
また、近隣サブネット情報取得手段1205は、サブネット30に係る外部送信用アドレスを取得して、取得したサブネット30に係る外部送信用アドレスを外部送信用アドレス通知メッセージ生成手段1207に通知する手段である。なお、図3に示す近隣サブネット情報取得手段1105との差異は、サブネット30に係る外部送信用アドレスの通知先が外部送信用アドレス通知メッセージ生成手段1207であるという点であり、その他の機能は、図3に示す近隣サブネット情報取得手段1105と同一である。
また、外部送信用アドレス通知メッセージ生成手段1207は、近隣サブネット情報取得手段1205から通知されるサブネット30に係る外部送信用アドレスを含む外部送信用アドレス通知メッセージを生成する手段である。なお、この外部送信用アドレス通知メッセージは、PrRtAdvメッセージとは異なるものである。
また、図6Aは、図5に示すPARにおいて処理されるMNからの外部送信用アドレスの要求情報を示す図であり、図6Bは、図5に示すPARにおいて処理されるMNに対して送信される外部送信用アドレスの通知情報のデータ構成の一例を示す図である。なお、図6Aに示されるRtSolPrメッセージは、図4Aに示されるものと同一である。
PAR21は、図6Aに示される従来のRtSolPrメッセージ、又は、外部送信用アドレス要求を含むRtSolPrメッセージを受信した場合、PrRtAdvメッセージとは別に、MN10に対して、外部送信用アドレス通知メッセージを送信するように構成されている。なお、外部送信用アドレス通知メッセージは、MN10がL2ハンドオーバを行う前に、MN10に対して送信される必要がある。なお、外部送信用アドレス通知メッセージとPrRtAdvメッセージとはそれぞれ独立したパケットによって伝送されるので、外部送信用アドレス通知メッセージは、PrRtAdvメッセージの送信タイミングに依存することなく、任意のタイミングで送信可能である。また、外部送信用アドレス通知メッセージの送信と、PrRtAdvメッセージの送信との間の同期付けを行って、外部送信用アドレス通知メッセージ及びPrRtAdvメッセージの両方のメッセージが、例えば、連続してPAR21からMN10に送信されるようにすることも可能である。
なお、不図示ではあるが、本発明の第2の実施の形態を実現するためには、MN10が、PAR21から受信した外部送信用アドレス通知メッセージ内から外部送信用アドレスを抽出するための手段(例えば、後述の図11に図示されている外部送信用アドレス通知メッセージ処理手段1417)を有する必要がある。また、PAR21が、外部送信用アドレスの要求を指示する情報が付加されているRtSolPrメッセージを送ったMN10に対して、外部送信用アドレスを含むPrRtAdvメッセージを送信するように構成されている場合には、不図示ではあるが、MN10が、RtSolPrメッセージ内に外部送信用アドレスの要求を指示する情報を挿入するための手段を有する必要がある。
以上、説明したように、本発明の第2の実施の形態によれば、MN10が異なるサブネット30にハンドオーバを行う際、MN10は、ハンドオーバ前に接続しているPAR21に対してRtSolPrメッセージを送信することによって、サブネット30に係る外部送信用アドレスの要求を行い、PAR21は、その応答メッセージであるPrRtAdvメッセージとは異なる外部送信用アドレス通知メッセージを送信することによって、サブネット30に係る外部送信用アドレスの通知を行うことが可能となり、MN10は、ハンドオーバ前に接続しているサブネット20のリンク上において、ハンドオーバ後に接続するサブネット30に係る外部送信用アドレスを取得し、ハンドオーバ直後に迅速に、外部に対してパケット送信を行うことが可能となる。
<第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。本発明の第3の実施の形態における動作は、図2のシーケンスチャートを参照しながら説明した上述の動作と同一であり、説明を省略する。
また、図7は、本発明の第3の実施の形態におけるPARの構成の一例を示すブロック図である。なお、図7では、PAR21が有する各機能がブロックにより図示されているが、これらの各機能はハードウェア及び/又はソフトウェアによって実現可能である。図7に示すPAR21は、受信手段1301、送信手段1302、RtSolPr処理手段1303、PrRtAdv生成手段1304、近隣サブネット情報取得手段1305、近隣サブネット情報格納手段1306、外部送信用アドレス要求メッセージ処理手段1307を有している。なお、受信手段1301、送信手段1302、PrRtAdv生成手段1304、近隣サブネット情報格納手段1306は、図3に示す受信手段1101、送信手段1102、PrRtAdv生成手段1104、近隣サブネット情報格納手段1106と同一である。
RtSolPr処理手段1303は、MN10から受信したRtSolPrメッセージに係る処理を行い、PrRtAdv生成手段1304に対して、応答メッセージとなるPrRtAdvメッセージの生成を指示する手段であり、すなわち、従来のFMIPにおけるRtSolPrメッセージを処理する手段と同一である。
また、近隣サブネット情報取得手段1305は、外部送信用アドレス要求メッセージ処理手段1307から、サブネット30に係る外部送信用アドレスの取得指示を受けて、サブネット30に係る外部送信用アドレスを取得し、取得したサブネット30に係る外部送信用アドレスをPrRtAdv生成手段1304に通知する手段である。なお、図3に示す近隣サブネット情報取得手段1105との差異は、サブネット30に係る外部送信用アドレスの取得指示が、外部送信用アドレス要求メッセージ処理手段1307から供給されるという点であり、その他の機能は、図3に示す近隣サブネット情報取得手段1105と同一である。
また、外部送信用アドレス要求メッセージ処理手段1307は、MN10によってRtSolPrメッセージと同時期に送信された外部送信用アドレス要求メッセージに係る処理を行い、近隣サブネット情報取得手段1305に対して、このメッセージによって指定されたサブネット30に係る外部送信用アドレスの取得指示を行う手段である。なお、外部送信用アドレス要求メッセージには、例えば、AP32のAP−IDなどのサブネット30又はサブネットの構成要素を特定可能とする任意の情報が含まれていることが望ましい。
また、図8Aは、図7に示すPARにおいて処理されるMNからの外部送信用アドレスの要求情報を示す図であり、図8Bは、図7に示すPARにおいて処理されるMNに対して送信される外部送信用アドレスの通知情報のデータ構成の一例を示す図である。なお、図8Bに示されるPrRtAdvメッセージは、図4Bに示されるものと同一である。
PAR21は、図8Aに示されるように、MN10によってRtSolPrメッセージと同時期に送信された外部送信用アドレス要求メッセージを受信(すなわち、PAR21は、RtSolPrメッセージ及び外部送信用アドレス要求メッセージの両方を受信)した場合、図8Bに示される外部送信用アドレスを含むPrRtAdvメッセージを送信するように構成されている。なお、ここでは、外部送信用アドレス要求メッセージが、RtSolPrメッセージと同時期に送信される場合について述べているが、例えば、PAR21が、RtSolPrメッセージよりも先に外部送信用アドレス要求メッセージを受信して、このMN10に対して、サブネット30に係る外部送信用アドレスの通知準備をあらかじめ行っておき、その後、RtSolPrメッセージを受けた場合に、外部送信用アドレスを含むPrRtAdvメッセージを迅速に生成できるようにすることも可能である。
なお、不図示ではあるが、本発明の第3の実施の形態を実現するためには、MN10が、ハンドオーバを実行する旨を決定した後、RtSolPrメッセージの生成と共に、外部送信用アドレス要求メッセージを生成するための手段(例えば、後述の図11に図示されている外部送信用アドレス要求メッセージ生成手段1416)と、PAR21から受信したPrRtAdvメッセージ内から外部送信用アドレスを抽出するための手段とを有する必要がある。
以上、説明したように、本発明の第3の実施の形態によれば、MN10が異なるサブネット30にハンドオーバを行う際、MN10は、ハンドオーバ前に接続しているPAR21に対して外部送信用アドレス要求メッセージを送信することによって、サブネット30に係る外部送信用アドレスの要求を行い、PAR21は、PrRtAdvメッセージを送信することによって、この外部送信用アドレス要求メッセージに基づいて取得したサブネット30に係る外部送信用アドレスの通知を行うことが可能となり、MN10は、ハンドオーバ前に接続しているサブネット20のリンク上において、ハンドオーバ後に接続するサブネット30に係る外部送信用アドレスを取得し、ハンドオーバ直後に迅速に、外部に対してパケット送信を行うことが可能となる。
<第4の実施の形態>
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。本発明の第4の実施の形態における動作は、図2のシーケンスチャートを参照しながら説明した上述の動作と同一であり、説明を省略する。
また、図9は、本発明の第4の実施の形態におけるPARの構成の一例を示すブロック図である。なお、図9では、PAR21が有する各機能がブロックにより図示されているが、これらの各機能はハードウェア及び/又はソフトウェアによって実現可能である。図9に示すPAR21は、受信手段1401、送信手段1402、RtSolPr処理手段1403、PrRtAdv生成手段1404、近隣サブネット情報取得手段1405、近隣サブネット情報格納手段1406、外部送信用アドレス要求メッセージ処理手段1407、外部送信用アドレス通知メッセージ生成手段1408を有している。なお、受信手段1401、送信手段1402、近隣サブネット情報格納手段1406は、図3に示す受信手段1101、送信手段1102、近隣サブネット情報格納手段1106と同一であり、PrRtAdv生成手段1404及び外部送信用アドレス通知メッセージ生成手段1408は、図5に示すPrRtAdv生成手段1204及び外部送信用アドレス通知メッセージ生成手段1207と同一であり、RtSolPr処理手段1403及び外部送信用アドレス要求メッセージ処理手段1407は、図7に示すRtSolPr処理手段1303及び外部送信用アドレス要求メッセージ処理手段1307と同一である。
近隣サブネット情報取得手段1405は、外部送信用アドレス要求メッセージ処理手段1407から、サブネット30に係る外部送信用アドレスの取得指示を受けて、サブネット30に係る外部送信用アドレスを取得し、取得したサブネット30に係る外部送信用アドレスを外部送信用アドレス通知メッセージ生成手段1408に通知する手段である。なお、近隣サブネット情報取得手段1405は、図3に示す近隣サブネット情報取得手段1105と同一の機能を有しており、説明を省略する。
また、図10Aは、図9に示すPARにおいて処理されるMNからの外部送信用アドレスの要求情報を示す図であり、図10Bは、図9に示すPARにおいて処理されるMNに対して送信される外部送信用アドレスの通知情報のデータ構成の一例を示す図である。なお、図10Aに示されるMN10からPAR21に対して送信されるパケットは、図8Aに示されるものと同一であり、図10Bに示されるPAR21からMN10に対して送信されるパケットは、図6Bに示されるものと同一である。
また、図11は、本発明の第4の実施の形態におけるMNの構成の一例を示すブロック図である。なお、図11では、MN10が有する各機能がブロックにより図示されているが、これらの各機能はハードウェア及び/又はソフトウェアによって実現可能である。図11に示すMN10は、無線受信手段1411、無線送信手段1412、L2ハンドオーバ決定手段1413、RtSolPr生成手段1414、PrRtAdv処理手段1415、外部送信用アドレス要求メッセージ生成手段1416、外部送信用アドレス通知メッセージ処理手段1417を有している。
無線受信手段1411及び無線送信手段1412は、AP(AP22、AP23、AP32、AP33)と無線通信を行い、その上位に存在するPAR21、NAR31や、さらには、IPネットワーク15に接続する任意のノードとの通信を行うための手段である。また、L2ハンドオーバ決定手段1413は、例えば、各APから発せられる電界強度の強弱を判断して、最適なAP(ここでは、MNがAP23からAP32へのハンドオーバを行うことを想定しているので、AP32)へのハンドオーバを行う旨を決定する手段である。
また、RtSolPr生成手段1414は、L2ハンドオーバ決定手段1413からのハンドオーバを行う旨の指示を受けて、ハンドオーバを行う先のAP32のリンクレイヤアドレスを含むRtSolPrメッセージを生成するとともに、外部送信用アドレス要求メッセージ生成手段1416に対して、例えば、ハンドオーバを行う先のAP32のリンクレイヤアドレスを含み、ハンドオーバ先のサブネット30に係る外部送信用アドレスを要求するためのメッセージ(外部送信用アドレス要求メッセージ)の生成を指示する手段である。また、外部送信用アドレス要求メッセージ生成手段1416は、RtSolPr生成手段1414からの外部送信用アドレス要求メッセージの生成指示(又は、L2ハンドオーバ決定手段1413から送出されるハンドオーバを行う旨の指示)を受けて、外部送信用アドレス要求メッセージを生成する手段である。
なお、RtSolPr生成手段1414におけるRtSolPrメッセージ、及び、外部送信用アドレス要求メッセージ生成手段1416における外部送信用アドレス要求メッセージの両方とも、L2ハンドオーバ決定手段1413によるハンドオーバの決定をトリガーとして生成されるが、RtSolPrメッセージ、及び、外部送信用アドレス要求メッセージは、図10Aに示すように、それぞれ異なるパケットとして、MN10からPAR21に送信される。
また、PrRtAdv処理手段1415は、PAR21から受信したPrRtAdvメッセージの処理を行う手段であり、すなわち、従来のFMIPにおけるPrRtAdvメッセージを処理する手段と同一である。また、外部送信用アドレス通知メッセージ処理手段1417は、PAR21から受信した外部送信用アドレス通知メッセージの処理を行って、外部送信用アドレス通知メッセージの中からサブネット30に係る外部送信用アドレスを抽出する手段である。外部送信用アドレス通知メッセージ処理手段1417によって処理された外部送信用アドレスは、例えば、不図示の経路設定手段などによって、デフォルトルータリスト内の所定のリンクローカルアドレスの設定欄に記載されることとなる。
以上、説明したように、本発明の第4の実施の形態によれば、MN10が異なるサブネット30にハンドオーバを行う際、MN10は、ハンドオーバ前に接続しているPAR21に対して外部送信用アドレス要求メッセージを送信することによって、サブネット30に係る外部送信用アドレスの要求を行い、PAR21は、外部送信用アドレス通知メッセージを送信することによって、この外部送信用アドレス要求メッセージに基づいて取得したサブネット30に係る外部送信用アドレスの通知を行うことが可能となり、MN10は、ハンドオーバ前に接続しているサブネット20のリンク上において、ハンドオーバ後に接続するサブネット30に係る外部送信用アドレスを取得し、ハンドオーバ直後に迅速に、外部に対してパケット送信を行うことが可能となる。
上述の第1〜第4の実施の形態では、MN10が、RtSolPrメッセージの生成(ハンドオーバの実行の決定)を契機として、PAR21に対してサブネット30に係る外部送信用アドレスを要求する4通りの態様について説明したが、以下の第5〜第8の実施の形態では、FBUメッセージの生成(あるいは、PrRtAdvメッセージの受信)を契機として、PAR21に対してサブネット30に係る外部送信用アドレスを要求する4通りの態様について説明する。
<第5の実施の形態>
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。図12は、本発明の第5〜第8の実施の形態に共通する主要な処理を示すシーケンスチャートである。なお、図12に示すシーケンスチャートは、本発明に係る主要な処理のみを図示したものであり、本発明の第5〜第8の実施の形態において説明される技術は、図41に示すFMIPにおける第1のモード(MN10がハンドオーバ前のリンクでFBUメッセージを送信する場合の動作モード)と組み合わせて実施可能なものである。
図12に示すシーケンスチャートでは、図41に示す従来の技術と同様に、まず、MN10がサブネット20に接続し(ステップS201)、この接続状態において、新たなサブネット30の配下に存在するAP32を発見して、AP32へのL2ハンドオーバの実行を決定する(ステップS203)。そして、MN10は、PAR21に対して、AP32のAP−IDを含むRtSolPrメッセージを送信し(ステップS205)、PAR21からPrRtAdvメッセージを受信する(ステップS207)ことによって、ハンドオーバ先のサブネット30において適合し得るNCoAを生成することが可能となる。
そして、MN10は、PAR21に対して、上記のNCoAを含むFBUメッセージに加えて、外部送信用アドレスを要求する旨の情報を送信する(ステップS209)。PAR21は、FBUメッセージの受信後、例えば、第1〜第4の実施の形態で説明したように、近隣に存在するアクセスルータを検索して、サブネット30に属するNAR31やデフォルトルータ37のリンクローカルアドレスを取得するか、あるいは、すでに検索済みの情報(PAR21に保持されている情報)から、サブネット30に属するNAR31やデフォルトルータ37のリンクローカルアドレスを取得するか、あるいは、その他の方法(具体的には、後述の第9〜第12の実施の形態で説明する方法)を利用して、サブネット30に属するNAR31やデフォルトルータ37のリンクローカルアドレス(外部送信用アドレス)を取得する(ステップS211)。
そして、PAR21は、NAR31の情報を含むFBAckメッセージの送信時に、MN10に対して、ステップS211で取得したサブネット30に係る外部送信用アドレスを通知する(ステップS213)。これにより、MN10は、サブネット30に係る外部送信用アドレスをPAR21から取得することが可能となり、すなわち、MN10は、サブネット30のリンクへのハンドオーバを行った(ステップS215)直後に、上述の方法によって事前に取得したNAR31のリンクローカルアドレス又はデフォルトルータ37のリンクローカルアドレスを、デフォルトルータとして設定することによって、サブネット30における外部(例えば、CN40)へのパケット送信を迅速に行うことが可能となる。
また、図13は、本発明の第5の実施の形態におけるPARの構成の一例を示すブロック図である。なお、図13では、PAR21が有する各機能がブロックにより図示されているが、これらの各機能はハードウェア及び/又はソフトウェアによって実現可能である。図13に示すPAR21は、受信手段2101、送信手段2102、FBU処理手段2103、FBAck生成手段2104、近隣サブネット情報取得手段2105、近隣サブネット情報格納手段2106を有している。なお、PAR21は、MN10から受信したRtSolPrメッセージを処理するRtSolPr処理手段、MN10に対して送信するPrRtAdvメッセージを生成するPrRtAdv生成手段、NAR31に対して送信するHIメッセージを生成するHI処理手段、NAR31から受信したHAckメッセージを処理するHAck処理手段を始めとした様々な機能を有しているが、ここでは図示省略する。
この図13に示すPAR21は、図3に示すPAR21のRtSolPr処理手段1103をFBU処理手段2103に置き換え、図3に示すPAR21のPrRtAdv生成手段1104をFBAck生成手段2104に置き換えたものと言うことができる。すなわち、図14Aに示すように、PAR21は、MN10から従来のFBUメッセージ、又は、外部送信用アドレスの要求を指示する情報が付加されたFBUメッセージを受信する。
そして、例えば、PAR21は、従来のFBUメッセージを受信した場合に、図14Bに示す外部送信用アドレスを含むFBAckメッセージを送信するように構成されている(すなわち、従来のFBUメッセージが外部送信用アドレスを要求するための情報の役割を果たしている)か、あるいは、例えば、PAR21は、FBUメッセージ内に規定された外部送信用アドレスの要求を指示する情報の有無を検証して、外部送信用アドレスの要求を指示する情報が付加されている場合に、図14Bに示す外部送信用アドレスを含むFBAckメッセージを送信するように構成されている。
なお、不図示ではあるが、本発明の第5の実施の形態を実現するためには、MN10が、PAR21から受信したFBAckメッセージ内から外部送信用アドレスを抽出するための手段を有する必要がある。また、PAR21が、外部送信用アドレスの要求を指示する情報が付加されているFBUメッセージを送ったMN10に対して、外部送信用アドレスを含むFBAckメッセージを送信するように構成されている場合には、不図示ではあるが、MN10が、FBUメッセージ内に外部送信用アドレスの要求を指示する情報を挿入するための手段を有する必要がある。
以上、説明したように、本発明の第5の実施の形態によれば、MN10が異なるサブネット30にハンドオーバを行う際、MN10は、ハンドオーバ前に接続しているPAR21に対してFBUメッセージを送信することによって、サブネット30に係る外部送信用アドレスの要求を行い、PAR21は、その応答メッセージであるFBAckメッセージを送信することによって、サブネット30に係る外部送信用アドレスの通知を行うことが可能となり、MN10は、ハンドオーバ前に接続しているサブネット20のリンク上において、ハンドオーバ後に接続するサブネット30に係る外部送信用アドレスを取得し、ハンドオーバ直後に迅速に、外部に対してパケット送信を行うことが可能となる。
<第6の実施の形態>
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。本発明の第6の実施の形態は、上述の第2の実施の形態と対応関係を有しており、この対応関係は、上述の第1の実施の形態と第5の実施の形態との対応関係と同一である。すなわち、図15に示すPAR21は、FBUメッセージを受信した場合には、FBU処理手段2203が、FBAck生成手段2204にFBAckの生成指示を行うとともに、近隣サブネット情報取得手段2205に対してサブネット30に係る外部送信用アドレスの取得要求を行い、近隣サブネット情報取得手段2205は、取得した外部送信用アドレスを外部送信用アドレス通知メッセージ生成手段2207に供給して、外部送信用アドレスを外部送信用アドレス通知メッセージ生成手段2207において、FBAckメッセージとは別に、外部送信用アドレス通知メッセージが生成されるように構成されている。
すなわち、PAR21は、図16Aに示す従来のFBUメッセージ、又は、外部送信用アドレス要求を含むFBUメッセージを受信した場合、図16Bに示すように、FBAckメッセージ、及び、外部送信用アドレス通知メッセージを、MN10に対して送信するように構成されている。なお、RtSolPrメッセージとFBUメッセージとの差異、及び、PrRtAdvメッセージとFBAckメッセージとの差異がある点を除いて、本発明の第6の実施の形態におけるデータ構成の詳細やデータ処理の詳細、MN10において必要な構成などに関しては、上述の第2の実施の形態と同一である。
以上、説明したように、本発明の第6の実施の形態によれば、MN10が異なるサブネット30にハンドオーバを行う際、MN10は、ハンドオーバ前に接続しているPAR21に対してFBUメッセージを送信することによって、サブネット30に係る外部送信用アドレスの要求を行い、PAR21は、その応答メッセージであるFBAckメッセージとは異なる外部送信用アドレス通知メッセージを送信することによって、サブネット30に係る外部送信用アドレスの通知を行うことが可能となり、MN10は、ハンドオーバ前に接続しているサブネット20のリンク上において、ハンドオーバ後に接続するサブネット30に係る外部送信用アドレスを取得し、ハンドオーバ直後に迅速に、外部に対してパケット送信を行うことが可能となる。
<第7の実施の形態>
次に、本発明の第7の実施の形態について説明する。本発明の第7の実施の形態は、上述の第3の実施の形態と対応関係を有しており、この対応関係は、上述の第1の実施の形態と第5の実施の形態との対応関係と同一である。すなわち、図17に示すPAR21は、FBUメッセージ及び外部送信用アドレス要求メッセージを受信した場合には、FBU処理手段2303が、FBAck生成手段2304にFBAckの生成指示を行うとともに、外部送信用アドレス要求メッセージ処理手段2307が、近隣サブネット情報取得手段2305に対してサブネット30に係る外部送信用アドレスの取得要求を行い、近隣サブネット情報取得手段2305は、取得した外部送信用アドレスをFBAck生成手段2304に供給して、外部送信用アドレスを含むFBAckメッセージが生成されるように構成されている。
すなわち、PAR21は、図18Aに示す従来のFBUメッセージ、及び、外部送信用アドレス要求メッセージを受信した場合、図18Bに示すように、外部送信用アドレスを含むFBAckメッセージを、MN10に対して送信するように構成されている。なお、RtSolPrメッセージとFBUメッセージとの差異、及び、PrRtAdvメッセージとFBAckメッセージとの差異がある点を除いて、本発明の第7の実施の形態におけるデータ構成の詳細やデータ処理の詳細、MN10において必要な構成などに関しては、上述の第3の実施の形態と同一である。
以上、説明したように、本発明の第7の実施の形態によれば、MN10が異なるサブネット30にハンドオーバを行う際、MN10は、ハンドオーバ前に接続しているPAR21に対して外部送信用アドレス要求メッセージを送信することによって、サブネット30に係る外部送信用アドレスの要求を行い、PAR21は、FBAckメッセージを送信することによって、この外部送信用アドレス要求メッセージに基づいて取得したサブネット30に係る外部送信用アドレスの通知を行うことが可能となり、MN10は、ハンドオーバ前に接続しているサブネット20のリンク上において、ハンドオーバ後に接続するサブネット30に係る外部送信用アドレスを取得し、ハンドオーバ直後に迅速に、外部に対してパケット送信を行うことが可能となる。
<第8の実施の形態>
次に、本発明の第8の実施の形態について説明する。本発明の第8の実施の形態は、上述の第4の実施の形態と対応関係を有しており、この対応関係は、上述の第1の実施の形態と第5の実施の形態との対応関係と同一である。すなわち、図19に示すPAR21は、FBUメッセージ及び外部送信用アドレス要求メッセージを受信した場合には、FBU処理手段2403が、FBAck生成手段2404にFBAckの生成指示を行うとともに、外部送信用アドレス要求メッセージ処理手段2407が、近隣サブネット情報取得手段2405に対してサブネット30に係る外部送信用アドレスの取得要求を行い、近隣サブネット情報取得手段2405は、取得した外部送信用アドレスを外部送信用アドレス通知メッセージ生成手段2408に供給して、外部送信用アドレス通知メッセージ生成手段2408において、FBAckメッセージとは別に、外部送信用アドレス通知メッセージが生成されるように構成されている。
すなわち、PAR21は、図20Aに示す従来のFBUメッセージ、及び、外部送信用アドレス要求メッセージを受信した場合、図20Bに示すように、FBAckメッセージ、及び、外部送信用アドレス通知メッセージを、MN10に対して送信するように構成されている。なお、RtSolPrメッセージとFBUメッセージとの差異、及び、PrRtAdvメッセージとFBAckメッセージとの差異がある点を除いて、本発明の第8の実施の形態におけるデータ構成の詳細やデータ処理の詳細、MN10において必要な構成などに関しては、上述の第4の実施の形態と同一である。
以上、説明したように、本発明の第8の実施の形態によれば、MN10が異なるサブネット30にハンドオーバを行う際、MN10は、ハンドオーバ前に接続しているPAR21に対して外部送信用アドレス要求メッセージを送信することによって、サブネット30に係る外部送信用アドレスの要求を行い、PAR21は、外部送信用アドレス通知メッセージを送信することによって、この外部送信用アドレス要求メッセージに基づいて取得したサブネット30に係る外部送信用アドレスの通知を行うことが可能となり、MN10は、ハンドオーバ前に接続しているサブネット20のリンク上において、ハンドオーバ後に接続するサブネット30に係る外部送信用アドレスを取得し、ハンドオーバ直後に迅速に、外部に対してパケット送信を行うことが可能となる。
なお、上述の第1〜第4の実施の形態と、上述の第5〜第8の実施の形態とを組み合わせて、例えば、PAR21が、RtSolPrメッセージの受信時にMN10から要求されたサブネット30に係る外部送信用アドレスを、FBAckメッセージの送信時にMN10に対して通知するように構成することも可能である。
上述の第5〜第8の実施の形態では、FBUメッセージの生成(あるいは、PrRtAdvメッセージの受信)を契機として、PAR21に対してサブネット30に係る外部送信用アドレスを要求する4通りの態様について説明したが、これらの第5〜第8の実施の形態では、PAR21の近隣サブネット情報取得手段2105、2205、2305、2405におけるサブネット30に係る外部送信用アドレスの取得方法に関しては、特に限定してはいない。以下の第9〜第12の実施の形態では、上述の第5〜第8の実施の形態の近隣サブネット情報取得手段2105、2205、2305、2405におけるサブネット30に係る外部送信用アドレスの取得方法が、従来のFMIPにおいて規定されているPAR21とNAR31との間のHIメッセージ及びHAckメッセージの送受信に伴って行われる方法について説明する。
<第9の実施の形態>
次に、本発明の第9の実施の形態について説明する。図21は、本発明の第9〜第12の実施の形態に共通する主要な処理を示すシーケンスチャートである。なお、図21に示すシーケンスチャートは、本発明に係る主要な処理のみを図示したものであり、本発明の第9〜第12の実施の形態において説明される技術は、図41に示すFMIPにおける第1の動作モード(MN10がハンドオーバ前のリンクでFBUメッセージを送信する場合の動作モード)において、PAR21とNAR31との間で、HIメッセージ及びHAckメッセージのやり取りが行われる場合と組み合わせて実施可能なものである。
図21に示すシーケンスチャートは、図12に示すシーケンスチャートと基本的に同一であるが、図12に示すシーケンスチャートでは、ステップS211におけるサブネットに係る外部送信用アドレスの取得を特に限定していないのに対し、図21に示すシーケンスチャートでは、PAR21が、NAR31へのHIメッセージの送信時に、NAR31に対して外部送信用アドレスの要求を行い(ステップS311)、NAR31がHIメッセージの応答であるHAckメッセージの送信時に、PAR21に対して外部送信用アドレスの通知を行う(ステップS313)。
そして、PAR21は、NAR31の情報を含むFBAckメッセージの送信時に、MN10に対して、サブネット30に係る外部送信用アドレスを通知する(ステップS317)ことによって、MN10は、サブネット30に係る外部送信用アドレスをPAR21から取得することが可能となり、すなわち、MN10は、サブネット30のリンクへのハンドオーバを行った(ステップS319)直後に、上述の方法によって事前に取得したNAR31のリンクローカルアドレス又はデフォルトルータ37のリンクローカルアドレスを、送信パケットに設定することによって、サブネット30における外部(例えば、CN40)へのパケット送信を迅速に行うことが可能となる。
また、図22は、本発明の第9の実施の形態におけるPARの構成の一例を示すブロック図である。なお、図22では、PAR21が有する各機能がブロックにより図示されているが、これらの各機能はハードウェア及び/又はソフトウェアによって実現可能である。図22に示すPAR21は、受信手段3101、送信手段3102、FBU処理手段3103、FBAck生成手段3104、近隣サブネット情報取得手段3105を有しており、近隣サブネット情報取得手段3105が、HIメッセージを生成するHI生成手段3106とHAckメッセージの処理を行うHAck処理手段3107とを有している。
なお、本発明の第9の実施の形態で説明するPAR21は、FBUメッセージによって外部送信用アドレス要求をMN10から受けた場合、HIメッセージ及びHAckメッセージの送受信を行うとともに、このHIメッセージ及びHAckメッセージの送受信を利用して、MN10のハンドオーバ先となるサブネット30に係る外部送信用アドレスを取得し、外部送信用アドレスを含むFBAckメッセージをMN10に送信するものである。したがって、この本発明の第9の実施の形態で説明するPAR21は、上述の第5の実施の形態で説明したPAR21の一態様であると言え、特に、図13に示す近隣サブネット情報取得手段2105の機能に関して、HIメッセージ及びHAckメッセージの利用が可能なように構成されている。
以下、図13に示すPAR21の構成と比較しながら、図22に示すPAR21の構成について説明する。なお、図22に示すPAR21が有する受信手段3101、送信手段3102、FBU処理手段3103、FBAck生成手段3104は、図13に示す受信手段2101、送信手段2102、FBU処理手段2103、FBAck生成手段2104と基本的に同一である。
図22に示すPAR21のHI生成手段3106は、従来のFMIPにおけるHIメッセージ、又は、外部送信用アドレス要求を含むHIメッセージを生成する手段である。HI生成手段3106によるHIメッセージの生成は、FBU処理手段3103から供給されるHIメッセージの生成指示によって行われる。HI生成手段3106によって生成されたHIメッセージは、送信手段3102を介してNAR31に送信され、NAR31からは、サブネット30に係る外部送信用アドレスを含むHAckメッセージを受信する。そして、HAck処理手段3107によってHAckメッセージの処理が行われ、HAck処理手段3107からFBAck生成手段3104に対して、FBAckの生成指示が、HAckメッセージから抽出されたサブネット30に係る外部送信用アドレスと共に供給される。これにより、FBAck生成手段3104は、サブネット30の外部送信用アドレスを含むFBAckメッセージを生成することが可能となる。
また、図23は、本発明の第9の実施の形態におけるNARの構成の一例を示すブロック図である。なお、図23では、NAR31が有する各機能がブロックにより図示されているが、これらの各機能はハードウェア及び/又はソフトウェアによって実現可能である。図23に示すNAR31は、受信手段3111、送信手段3112、HI処理手段3113、HAck生成手段3114、サブネット情報取得手段3115、サブネット情報格納手段3116を有している。
この図23に示すNAR31は、PAR21からHIメッセージを受信した場合、HI処理手段3113で処理(例えば、NCoAの検証処理など)を行い、HAck生成手段3114に対してHAckメッセージの生成指示を行うとともに、サブネット情報取得手段3115に対してサブネット30(NAR31が属する自サブネット)に係る外部送信用アドレスの取得要求を行う。サブネット情報取得手段3115は、例えば、サブネット30における自分のリンクローカルアドレスや、デフォルトルータリストなどに存在するデフォルトルータ37のリンクローカルアドレスをサブネット情報格納手段3116から読み出すか、あるいは、サブネット30内における他のルータとの通信を行って、サブネット30におけるデフォルトルータ37のリンクローカルアドレスを取得し、その取得結果をHAck生成手段3114に通知する。これにより、HAck生成手段3114は、サブネット30に係る外部送信用アドレスを含むHAckメッセージを生成することが可能となる。
また、図24Aは、図22に示すPARと図23に示すNARとの間でやり取りされる外部送信用アドレスの要求情報を示す図であり、図24Bは、図22に示すPARと図23に示すNARとの間でやり取りされる外部送信用アドレスの通知情報のデータ構成の一例を示す図である。PAR21は、NAR31に対して、図24Aに示すような従来のFMIPにおけるHIメッセージ(この場合は、従来のHIメッセージが外部送信用アドレスを要求するための情報の役割を果たしている)、又は、外部送信用アドレス要求を含むHIメッセージを送信するように構成されており、NAR31は、HIメッセージを受けて、図24Bに示すような外部送信用アドレスを含むHAckメッセージを送信するように構成されている。
以上、説明したように、本発明の第9の実施の形態によれば、MN10が異なるサブネット30にハンドオーバを行う際、サブネット30に係る外部送信用アドレスをMN10から受けたPAR21は、NAR31に対してHIメッセージを送信することによって、サブネット30に係る外部送信用アドレスの要求を行い、NAR31は、その応答メッセージであるHAckメッセージを送信することによって、サブネット30に係る外部送信用アドレスの通知を行うことが可能となり、PAR21は、このようにして取得したサブネット30に係る外部送信用アドレスをMN10に通知することによって、MN10は、ハンドオーバ前に接続しているサブネット20のリンク上において、ハンドオーバ後に接続するサブネット30に係る外部送信用アドレスを取得し、ハンドオーバ直後に迅速に、外部に対してパケット送信を行うことが可能となる。
なお、図22に示すPAR21では、上述の第5の実施の形態のPAR21(図13に示すPAR21)における近隣サブネット情報取得手段2105が、HIメッセージ及びHAckメッセージの送受信時に、サブネット30に係る外部送信用アドレスを取得することが可能なように構成されている場合について説明したが、上述の第6〜第8の実施の形態のPAR21(図15、17、19のそれぞれに示すPAR21)における近隣サブネット情報取得手段2205、2305、2405に関して、HIメッセージ及びHAckメッセージの送受信時に、サブネット30に係る外部送信用アドレスを取得することが可能なように構成することも可能である。
<第10の実施の形態>
次に、本発明の第10の実施の形態について説明する。本発明の第10の実施の形態における動作は、図21のシーケンスチャートを参照しながら説明した上述の動作と同一であり、説明を省略する。
また、図25は、本発明の第10の実施の形態におけるPARの構成の一例を示すブロック図である。なお、図25では、PAR21が有する各機能がブロックにより図示されているが、これらの各機能はハードウェア及び/又はソフトウェアによって実現可能である。図25に示すPAR21は、受信手段3201、送信手段3202、FBU処理手段3203、FBAck生成手段3204、近隣サブネット情報取得手段3205を有しており、近隣サブネット情報取得手段3205が、HIメッセージを生成するHI生成手段3206、HAckメッセージの処理を行うHAck処理手段3207、NAR31から受信した外部送信用アドレスを含む外部送信用アドレス通知メッセージの処理を行う外部送信用アドレス通知メッセージ処理手段3208を有している。
なお、本発明の第10の実施の形態で説明するPAR21も、FBUメッセージによって外部送信用アドレス要求をMN10から受けた場合、HIメッセージ及びHAckメッセージの送受信を行うとともに、このHIメッセージ及びHAckメッセージの送受信を利用して、MN10のハンドオーバ先となるサブネット30に係る外部送信用アドレスを取得し、外部送信用アドレスを含むFBAckメッセージをMN10に送信するものであり、上述の第5の実施の形態で説明したPAR21の一態様であると言える。
以下、図13に示すPAR21の構成と比較しながら、図25に示すPAR21の構成について説明する。なお、上述の第9の実施の形態と同様、図25に示すPAR21が有する受信手段3201、送信手段3202、FBU処理手段3203、FBAck生成手段3204は、図13に示す受信手段2101、送信手段2102、FBU処理手段2103、FBAck生成手段2104と基本的に同一である。
図25に示すPAR21のHI生成手段3206は、図22に示すHI生成手段3106と同一であり、従来のFMIPにおけるHIメッセージ、又は、外部送信用アドレス要求を含むHIメッセージを生成する手段である。上述の第9の実施の形態と同様、PAR21は、このHI生成手段3206によって生成されたHIメッセージをNAR31に対して送信し、NAR31から、HIメッセージの応答であるHAckメッセージと、サブネット30に係る外部送信用アドレスを含む外部送信用アドレス通知メッセージとを受信する。PAR21では、NAR31から受信したHAckメッセージは従来のFMIPに規定されているHAckメッセージと同一であり、HAck処理手段3207によって処理が行われる一方、NAR31から受信した外部送信用アドレス通知メッセージに関しては、外部送信用アドレス通知メッセージ処理手段3208によって処理が行われる。外部送信用アドレス通知メッセージ処理手段3208は、外部送信用アドレス通知メッセージから、サブネット30に係る外部送信用アドレスを抽出して、この抽出したサブネット30に係る外部送信用アドレスを、FBAck生成手段3204に対して供給する。これにより、FBAck生成手段3204は、サブネット30の外部送信用アドレスを含むFBAckメッセージを生成することが可能となる。
また、図26は、本発明の第10の実施の形態におけるNARの構成の一例を示すブロック図である。なお、図26では、NAR31が有する各機能がブロックにより図示されているが、これらの各機能はハードウェア及び/又はソフトウェアによって実現可能である。図26に示すNAR31は、受信手段3211、送信手段3212、HI処理手段3213、HAck生成手段3214、サブネット情報取得手段3215、サブネット情報格納手段3216、外部送信用アドレス通知メッセージ生成手段3217を有している。
この図26に示すNAR31は、図23に示すNAR31と同様に、PAR21からHIメッセージを受信した場合には、HI処理手段3213が、HIメッセージの処理を行って、HAck生成手段3214に対してHAckメッセージの生成指示を行うとともに、サブネット情報取得手段3215に対してサブネット30に係る外部送信用アドレスの取得要求を行い、サブネット情報取得手段3215が、サブネット30に係る外部送信用アドレスを取得する。そして、サブネット情報取得手段3215は、その取得結果を外部送信用アドレス通知メッセージ生成手段3217に通知する。これにより、HAck生成手段3214は、HAckメッセージに加えて、サブネット30に係る外部送信用アドレスを含む外部送信用アドレス通知メッセージを生成することが可能となる。
また、図27Aは、図25に示すPARと図26に示すNARとの間でやり取りされる外部送信用アドレスの要求情報を示す図であり、図27Bは、図25に示すPARと図26に示すNARとの間でやり取りされる外部送信用アドレスの通知情報のデータ構成の一例を示す図である。PAR21は、NAR31に対して、図27Aに示すような従来のFMIPにおけるHIメッセージ、又は、外部送信用アドレス要求を含むHIメッセージを送信するように構成されており、NAR31は、PAR21に対して、図27Bに示すように、従来のFMIPにおけるHAckメッセージ、及び、サブネット30に係る外部送信用アドレスを含む外部送信用アドレス通知メッセージを送信するように構成されている。
以上、説明したように、本発明の第10の実施の形態によれば、MN10が異なるサブネット30にハンドオーバを行う際、サブネット30に係る外部送信用アドレスをMN10から受けたPAR21は、NAR31に対してHIメッセージを送信することによって、サブネット30に係る外部送信用アドレスの要求を行い、NAR31は、その応答メッセージであるHAckメッセージとは異なる外部送信用アドレス通知メッセージを送信することによって、サブネット30に係る外部送信用アドレスの通知を行うことが可能となり、PAR21は、このようにして取得したサブネット30に係る外部送信用アドレスをMN10に通知することによって、MN10は、ハンドオーバ前に接続しているサブネット20のリンク上において、ハンドオーバ後に接続するサブネット30に係る外部送信用アドレスを取得し、ハンドオーバ直後に迅速に、外部に対してパケット送信を行うことが可能となる。
なお、上述の第9の実施の形態の場合と同様に、図25に示すPAR21では、上述の第5の実施の形態のPAR21(図13に示すPAR21)における近隣サブネット情報取得手段2105が、HIメッセージ及びHAckメッセージの送受信時に、サブネット30に係る外部送信用アドレスを取得することが可能なように構成されている場合について説明したが、上述の第6〜第8の実施の形態のPAR21(図15、17、19のそれぞれに示すPAR21)における近隣サブネット情報取得手段2205、2305、2405に関して、HIメッセージ及びHAckメッセージの送受信時に、サブネット30に係る外部送信用アドレスを取得することが可能なように構成することも可能である。
<第11の実施の形態>
次に、本発明の第11の実施の形態について説明する。本発明の第11の実施の形態における動作は、図21のシーケンスチャートを参照しながら説明した上述の動作と同一であり、説明を省略する。
また、図28は、本発明の第11の実施の形態におけるPARの構成の一例を示すブロック図である。なお、図28では、PAR21が有する各機能がブロックにより図示されているが、これらの各機能はハードウェア及び/又はソフトウェアによって実現可能である。図28に示すPAR21は、受信手段3301、送信手段3302、FBU処理手段3303、FBAck生成手段3304、近隣サブネット情報取得手段3305を有しており、近隣サブネット情報取得手段3305が、HIメッセージを生成するHI生成手段3306、HAckメッセージの処理を行うHAck処理手段3307、NAR31に対して外部送信用アドレスを要求するための外部送信用アドレス要求メッセージを生成する外部送信用アドレス要求メッセージ生成手段3308を有している。
なお、本発明の第11の実施の形態で説明するPAR21も、FBUメッセージによって外部送信用アドレス要求をMN10から受けた場合、HIメッセージ及びHAckメッセージを行うとともに、このHIメッセージ及びHAckメッセージの送受信を利用して、MN10のハンドオーバ先となるサブネット30に係る外部送信用アドレスを取得し、外部送信用アドレスを含むFBAckメッセージをMN10に送信するものであり、上述の第5の実施の形態で説明したPAR21の一態様であると言える。
以下、図13に示すPAR21の構成と比較しながら、図28に示すPAR21の構成について説明する。なお、上述の第9の実施の形態と同様、図28に示すPAR21が有する受信手段3301、送信手段3302、FBU処理手段3303、FBAck生成手段3304は、図13に示す受信手段2101、送信手段2102、FBU処理手段2103、FBAck生成手段2104と基本的に同一である。
図28に示すPAR21のHI生成手段3306は、図22に示すHI生成手段3106と同一であり、従来のFMIPにおけるHIメッセージ、又は、外部送信用アドレス要求を含むHIメッセージを生成する手段である。PAR21のFBU処理手段3303は、MN10からのFBUメッセージを処理した後、HI生成手段3306に対してHIメッセージの生成指示を供給するとともに、外部送信用アドレス要求メッセージ生成手段3308に対して、サブネット30に係る外部送信用アドレスを要求するための外部送信用アドレス要求メッセージの生成指示を行い、NAR31に対して、HI生成手段3306で生成されたHIメッセージ、及び、外部送信用アドレス要求メッセージ生成手段3308で生成された外部送信用アドレス要求メッセージを送信する。NAR31は、PAR21から受信したHIメッセージ、及び、外部送信用アドレス要求メッセージに基づいて、サブネット30に係る外部送信用アドレスを取得して、この取得結果を含むHAckメッセージを生成して、PAR21に送信する。PAR21のHAck処理手段3307は、NAR31から受信したHAckメッセージから、サブネット30に係る外部送信用アドレスを抽出して、この抽出したサブネット30に係る外部送信用アドレスを、FBAck生成手段3304に対して供給する。これにより、FBAck生成手段3304は、サブネット30の外部送信用アドレスを含むFBAckメッセージを生成することが可能となる。
また、図29は、本発明の第11の実施の形態におけるNARの構成の一例を示すブロック図である。なお、図29では、NAR31が有する各機能がブロックにより図示されているが、これらの各機能はハードウェア及び/又はソフトウェアによって実現可能である。図29に示すNAR31は、受信手段3311、送信手段3312、HI処理手段3313、HAck生成手段3314、サブネット情報取得手段3315、サブネット情報格納手段3316、外部送信用アドレス要求メッセージ処理手段3317を有している。
この図29に示すNAR31は、PAR21からHIメッセージ及び外部送信用アドレス要求メッセージを受信した場合には、HI処理手段3313が、HIメッセージの処理を行って、HAck生成手段3314に対してHAckメッセージの生成指示を行う一方、外部送信用アドレス要求メッセージ処理手段3317が、外部送信用アドレス要求メッセージを受けて、サブネット情報取得手段3315に対してサブネット30に係る外部送信用アドレスの取得要求を行う。この後は、上述の第9の実施の形態と同様に、サブネット情報取得手段3315が、サブネット30に係る外部送信用アドレスを取得して、その取得結果をHAck生成手段3314に通知する。これにより、HAck生成手段3314は、サブネット30に係る外部送信用アドレスを含むHAckメッセージを生成することが可能となる。
また、図30Aは、図28に示すPARと図29に示すNARとの間でやり取りされる外部送信用アドレスの要求情報を示す図であり、図30Bは、図28に示すPARと図29に示すNARとの間でやり取りされる外部送信用アドレスの通知情報のデータ構成の一例を示す図である。PAR21は、NAR31に対して、図30Aに示すような従来のFMIPにおけるHIメッセージ、及び、外部送信用アドレス要求メッセージを送信するように構成されており、NAR31は、PAR21に対して、図30Bに示すように、サブネット30に係る外部送信用アドレスを含むHAckメッセージを送信するように構成されている。
以上、説明したように、本発明の第11の実施の形態によれば、MN10が異なるサブネット30にハンドオーバを行う際、サブネット30に係る外部送信用アドレスをMN10から受けたPAR21は、NAR31に対してHIメッセージとは異なる外部送信用アドレス要求メッセージを送信することによって、サブネット30に係る外部送信用アドレスの要求を行い、NAR31は、HAckメッセージを送信することによって、サブネット30に係る外部送信用アドレスの通知を行うことが可能となり、PAR21は、このようにして取得したサブネット30に係る外部送信用アドレスをMN10に通知することによって、MN10は、ハンドオーバ前に接続しているサブネット20のリンク上において、ハンドオーバ後に接続するサブネット30に係る外部送信用アドレスを取得し、ハンドオーバ直後に迅速に、外部に対してパケット送信を行うことが可能となる。
なお、上述の第9の実施の形態の場合と同様に、図28に示すPAR21では、上述の第5の実施の形態のPAR21(図13に示すPAR21)における近隣サブネット情報取得手段2105が、HIメッセージ及びHAckメッセージの送受信時に、サブネット30に係る外部送信用アドレスを取得することが可能なように構成されている場合について説明したが、上述の第6〜第8の実施の形態のPAR21(図15、17、19のそれぞれに示すPAR21)における近隣サブネット情報取得手段2205、2305、2405に関して、HIメッセージ及びHAckメッセージの送受信時に、サブネット30に係る外部送信用アドレスを取得することが可能なように構成することも可能である。
<第12の実施の形態>
次に、本発明の第12の実施の形態について説明する。本発明の第12の実施の形態における動作は、図21のシーケンスチャートを参照しながら説明した上述の動作と同一であり、説明を省略する。
また、図31は、本発明の第12の実施の形態におけるPARの構成の一例を示すブロック図である。なお、図31では、PAR21が有する各機能がブロックにより図示されているが、これらの各機能はハードウェア及び/又はソフトウェアによって実現可能である。図31に示すPAR21は、受信手段3401、送信手段3402、FBU処理手段3403、FBAck生成手段3404、近隣サブネット情報取得手段3405を有しており、近隣サブネット情報取得手段3405が、HIメッセージを生成するHI生成手段3406、HAckメッセージの処理を行うHAck処理手段3407、NAR31に対して外部送信用アドレスを要求するための外部送信用アドレス要求メッセージを生成する外部送信用アドレス要求メッセージ生成手段3408、NAR31から受信した外部送信用アドレスを含む外部送信用アドレス通知メッセージの処理を行う外部送信用アドレス通知メッセージ処理手段3409を有している。
なお、本発明の第12の実施の形態で説明するPAR21も、FBUメッセージによって外部送信用アドレス要求をMN10から受けた場合、HIメッセージ及びHAckメッセージを行うとともに、このHIメッセージ及びHAckメッセージの送受信を利用して、MN10のハンドオーバ先となるサブネット30に係る外部送信用アドレスを取得し、外部送信用アドレスを含むFBAckメッセージをMN10に送信するものであり、上述の第5の実施の形態で説明したPAR21の一態様であると言える。
以下、図13に示すPAR21の構成と比較しながら、図31に示すPAR21の構成について説明する。なお、上述の第9の実施の形態と同様、図31に示すPAR21が有する受信手段3401、送信手段3402、FBU処理手段3403、FBAck生成手段3404は、図13に示す受信手段2101、送信手段2102、FBU処理手段2103、FBAck生成手段2104と基本的に同一である。
また、図31に示すPAR21のHI生成手段3406及び外部送信用アドレス要求メッセージ生成手段3408は、図28に示すHI生成手段3306及び外部送信用アドレス要求メッセージ生成手段3308と同一であり、図31に示すPAR21のHAck処理手段3407及び外部送信用アドレス通知メッセージ処理手段3409は、図25に示すHAck処理手段3207及び外部送信用アドレス通知メッセージ処理手段3208と同一である。
すなわち、PAR21のFBU処理手段3403は、MN10からのFBUメッセージを処理した後、HI生成手段3406に対してHIメッセージの生成指示を供給するとともに、外部送信用アドレス要求メッセージ生成手段3408に対して、サブネット30に係る外部送信用アドレスを要求するための外部送信用アドレス要求メッセージの生成指示を行い、NAR31に対して、HI生成手段3406で生成されたHIメッセージ、及び、外部送信用アドレス要求メッセージ生成手段3408で生成された外部送信用アドレス要求メッセージを送信する。
一方、NAR31は、PAR21から受信したHIメッセージ、及び、外部送信用アドレス要求メッセージに基づいて、サブネット30に係る外部送信用アドレスを取得して、HIメッセージの応答となるHAckメッセージと、サブネット30に係る外部送信用アドレスを含む外部送信用アドレス通知メッセージとを生成して、PAR21に送信する。
そして、PAR21は、HIメッセージに関しては従来のFMIPにおける処理と同一の処理を行うとともに、外部送信用アドレス通知メッセージに関しては、外部送信用アドレス通知メッセージ処理手段3409によって、外部送信用アドレス通知メッセージから、サブネット30に係る外部送信用アドレスを抽出し、この抽出したサブネット30に係る外部送信用アドレスを、FBAck生成手段3404に対して供給する。これにより、FBAck生成手段3404は、サブネット30の外部送信用アドレスを含むFBAckメッセージを生成することが可能となる。
また、図32は、本発明の第12の実施の形態におけるNARの構成の一例を示すブロック図である。なお、図32では、NAR31が有する各機能がブロックにより図示されているが、これらの各機能はハードウェア及び/又はソフトウェアによって実現可能である。図32に示すNAR31は、受信手段3411、送信手段3412、HI処理手段3413、HAck生成手段3414、サブネット情報取得手段3415、サブネット情報格納手段3416、外部送信用アドレス要求メッセージ処理手段3417、外部送信用アドレス通知メッセージ生成手段3418を有している。
この図32に示すNAR31の外部送信用アドレス要求メッセージ処理手段3417は、図29に示すNAR31の外部送信用アドレス要求メッセージ処理手段3317と同一であり、NAR31の外部送信用アドレス通知メッセージ生成手段3418は、図26に示すNAR31の外部送信用アドレス通知メッセージ生成手段3217と同一である。すなわち、図32に示すNAR31は、PAR21からHIメッセージ及び外部送信用アドレス要求メッセージを受信した場合には、HI処理手段3413が、HIメッセージの処理を行って、HAck生成手段3414に対してHAckメッセージの生成指示を行う一方、外部送信用アドレス要求メッセージ処理手段3417が、外部送信用アドレス要求メッセージを受けて、サブネット情報取得手段3415に対してサブネット30に係る外部送信用アドレスの取得要求を行う。そして、サブネット情報取得手段3415が、サブネット30に係る外部送信用アドレスを取得して、その取得結果を外部送信用アドレス通知メッセージ生成手段3418に通知する。これにより、外部送信用アドレス通知メッセージ生成手段3418は、HAckメッセージとは異なる、サブネット30に係る外部送信用アドレスを含む外部送信用アドレス通知メッセージを生成することが可能となる。
また、図33Aは、図31に示すPARと図32に示すNARとの間でやり取りされる外部送信用アドレスの要求情報を示す図であり、図33Bは、図31に示すPARと図32に示すNARとの間でやり取りされる外部送信用アドレスの通知情報のデータ構成の一例を示す図である。PAR21は、NAR31に対して、図33Aに示すような従来のFMIPにおけるHIメッセージ、及び、外部送信用アドレス要求メッセージを送信するように構成されており、NAR31は、PAR21に対して、図33Bに示すように、従来のFMIPにおけるHAckメッセージ、及び、外部送信用アドレス通知メッセージを送信するように構成されている。
以上、説明したように、本発明の第12の実施の形態によれば、MN10が異なるサブネット30にハンドオーバを行う際、サブネット30に係る外部送信用アドレスをMN10から受けたPAR21は、NAR31に対してHIメッセージとは異なる外部送信用アドレス要求メッセージを送信することによって、サブネット30に係る外部送信用アドレスの要求を行い、NAR31は、HAckメッセージとは異なる外部送信用アドレス通知メッセージを送信することによって、サブネット30に係る外部送信用アドレスの通知を行うことが可能となり、PAR21は、このようにして取得したサブネット30に係る外部送信用アドレスをMN10に通知することによって、MN10は、ハンドオーバ前に接続しているサブネット20のリンク上において、ハンドオーバ後に接続するサブネット30に係る外部送信用アドレスを取得し、ハンドオーバ直後に迅速に、外部に対してパケット送信を行うことが可能となる。
なお、上述の第9の実施の形態の場合と同様に、図31に示すPAR21では、上述の第5の実施の形態のPAR21(図13に示すPAR21)における近隣サブネット情報取得手段2105が、HIメッセージ及びHAckメッセージの送受信時に、サブネット30に係る外部送信用アドレスを取得することが可能なように構成されている場合について説明したが、上述の第6〜第8の実施の形態のPAR21(図15、17、19のそれぞれに示すPAR21)における近隣サブネット情報取得手段2205、2305、2405に関して、HIメッセージ及びHAckメッセージの送受信時に、サブネット30に係る外部送信用アドレスを取得することが可能なように構成することも可能である。
また、上述の第1〜第12の実施の形態において、サブネット30に係る外部送信用アドレス以外にも、サブネット30に属するNAR31やその他のルータ(例えば、デフォルトルータ37)がサブネット30内で送出するRAメッセージに含まれる任意の情報を、付加情報として通知することも可能である。
特に、下記に列挙する情報は、RAメッセージに含まれる任意の情報のうち、付加情報としてハンドオーバ前のMN10に対して提供する価値がある情報と言える。例えば、MN10から送信するパケットのホップ数を規定する『CureHopLimit』は付加情報としてMN10に提供する価値がある情報と言える。この『CureHopLimit』はMN10がパケットを送信する際にIPv6ヘッダに記載すべき情報であり、MN10は、この値をあらかじめ知っておく必要がある。また、例えば、デフォルトルータとして使用できる時間を規定する『RouterLifetime』も付加情報としてMN10に提供する価値がある情報と言える。また、例えば、Neighbor Unreachability Detectionアルゴリズムなどで利用される、NS(Neighbor Solicitation)の送信間隔を規定する『ReachableTime』も付加情報として利用する価値がある情報と言える。
また、例えば、Address ResolutionやNeighbor Unreachability Detectionアルゴリズムなどで利用される、『ReachableTime』で送信したNSの応答がない場合の再送間隔を規定する『RetransmissionTime』も付加情報として利用する価値がある情報と言える。また、例えば、ネットワークプレフィックスの使用可能期間を規定する『ValidLifetime』も付加情報として利用する価値がある情報と言える。また、例えば、ネットワークプレフィックスの使用が望ましい期間を規定する『PreferredLifetime』も付加情報として利用する価値がある情報と言える。また、例えば、MN10が送信するパケットのMTU(Maximum Transmission Unit)長を規定する『MTU option』も付加情報として利用する価値がある情報と言える。
<第13の実施の形態>
次に、本発明の第13の実施の形態について説明する。図34は、本発明の第13及び第14の実施の形態に共通する主要な処理を示すシーケンスチャートである。なお、図34に示すシーケンスチャートは、本発明に係る主要な処理のみを図示したものであり、本発明の第13の実施の形態において説明される技術は、図41や図42に示すFMIPにおける第1又は第2の動作モードと組み合わせて実施可能なものである。
図34に示すシーケンスチャートでは、まず、MN10が、サブネット30にL2ハンドオーバを行った後(ステップS401)、NAR31に対して、FNAメッセージに加えて、外部送信用アドレスを要求する旨の情報を送信する(ステップS403)。なお、本発明においては、MN10が送信するFNAメッセージ内に、FBUメッセージが含まれているか否かは関係なく、すなわち、従来のFMIPにおける第1及び第2の動作モードのどちらが行われてもよい。
NAR31は、MN10からFNAメッセージを受信し、所定の処理(例えば、FNAメッセージの検証や、バッファリングしているパケットの転送開始処理など)を行うとともに、サブネット30に係る外部送信用アドレスを取得して(ステップS405)、MN10に対して外部送信用アドレスの通知を行う(ステップS407)。具体的には、例えば、NAR31は、NAR31自身のリンクローカルアドレスを通知するか、同一サブネット30内のアクセスルータを検索して、サブネット30に属するデフォルトルータ37のリンクローカルアドレスを取得して通知するか、あるいは、すでに検索済みの情報(NAR31に保持されている情報)から、サブネット30に属するデフォルトルータ37のリンクローカルアドレスを取得して通知することが可能である。
これにより、MN10は、サブネット30に係る外部送信用アドレスをハンドオーバ直後にNAR31から取得することが可能となり、すなわち、MN10は、サブネット30のリンクへのハンドオーバを行った直後に、上述の方法によって取得したNAR31のリンクローカルアドレス又はデフォルトルータ37のリンクローカルアドレスを、送信パケットに設定することによって、サブネット30における外部(例えば、CN40)へのパケット送信を迅速に行うことが可能となる。
また、図35は、本発明の第13の実施の形態におけるNARの構成の一例を示すブロック図である。なお、図35では、NAR31が有する各機能がブロックにより図示されているが、これらの各機能はハードウェア及び/又はソフトウェアによって実現可能である。図35に示すNAR31は、受信手段4101、送信手段4102、FNA処理手段4103、RA生成手段4104、サブネット情報取得手段4105、サブネット情報格納手段4106を有している。
NAR31がMN10から受信したFNAメッセージは、FNA処理手段4103によって処理されるとともに、FNA処理手段4103からサブネット情報取得手段4105に対して、サブネット30に係る外部送信用アドレスの取得指示が行われる。サブネット情報取得手段4105は、サブネット内のルータと通信を行ったり、サブネット情報格納手段4106に格納されている情報を読み出したりすることによって、サブネット30に係る外部送信用アドレスを取得し、その取得結果をRA生成手段4104に対して通知する。RA生成手段4104は、サブネット30に係る外部送信用アドレスを含むRA(Router Advertisement)メッセージを生成して、MN10に対して送信する。これによって、MN10は、新たなサブネット30のリンクへのハンドオーバ直後に、そのサブネット30に係る外部送信用アドレスを迅速に取得することが可能となる。
また、図36Aは、図35に示すNARにおいて処理されるMNからの外部送信用アドレスの要求情報を示す図であり、図36Bは、図35に示すNARにおいて処理されるMNに対して送信される外部送信用アドレスの通知情報のデータ構成の一例を示す図である。図36Aに示すように、NAR31は、従来のFNAメッセージ(この場合は、従来のFNAメッセージが外部送信用アドレスを要求するための情報の役割を果たしている)、又は、外部送信用アドレス要求(例えば、RS(Router Solicitation)メッセージに準ずる情報)を含むFNAメッセージを受信し、図36Bに示すように、従来の外部送信用アドレスを含むRAメッセージを送信する。
したがって、NAR31が、外部送信用アドレスの要求を指示する情報が付加されているFNAメッセージを送ったMN10に対して、RAメッセージを送信するように構成されている場合には、不図示ではあるが、MN10は、FNAメッセージ内に外部送信用アドレスの要求を指示する情報を挿入するための手段を有する必要がある。
以上、説明したように、本発明の第13の実施の形態によれば、異なるサブネット30にハンドオーバを行ったMN10は、NAR31に対してFNAメッセージを送信することによって、サブネット30に係る外部送信用アドレスの要求を行い、NAR31は、この要求に応じて、MN10に対してRAメッセージを送信することによって、サブネット30に係る外部送信用アドレスの通知を行うことが可能となり、MN10は、新たに接続するサブネット30に係る外部送信用アドレスをハンドオーバの直後に取得して、外部に対して迅速にパケット送信を行うことが可能となる。
<第14の実施の形態>
次に、本発明の第14の実施の形態について説明する。本発明の第14の実施の形態における動作は、図34のシーケンスチャートを参照しながら説明した上述の動作と同一であり、説明を省略する。
また、図37は、本発明の第14の実施の形態におけるNARの構成の一例を示すブロック図である。なお、図37では、NAR31が有する各機能がブロックにより図示されているが、これらの各機能はハードウェア及び/又はソフトウェアによって実現可能である。図37に示すNAR31は、受信手段4201、送信手段4202、FNA処理手段4203、RS処理手段4204、サブネット情報取得手段4205、サブネット情報格納手段4206、RA生成手段4207を有している。図37に示すNAR31は、従来のアクセスルータとほぼ同一の構成であるが、NAR31自身のリンクローカルアドレスだけではなく、NAR31が属するサブネット30のデフォルトルータ37のリンクローカルアドレスをも含むRAメッセージを生成することが可能な点で異なっている。なお、NAR31として、NAR31自身のリンクローカルアドレスのみをRAメッセージによって通知する従来のアクセスルータを利用することも可能である。
また、図38Aは、図37に示すNARにおいて処理されるMNからの外部送信用アドレスの要求情報を示す図であり、図38Bは、図37に示すNARにおいて処理されるMNに対して送信される外部送信用アドレスの通知情報のデータ構成の一例を示す図である。図38Aに示すように、NAR31は、FNAメッセージ、及び、RSメッセージをMN10から受信し、図38Bに示すように、サブネット30に係る外部送信用アドレスを含むRAメッセージをMN10に対して送信する。
また、図39は、本発明の第14の実施の形態におけるMNの構成の一例を示すブロック図である。なお、図39では、MN10が有する各機能がブロックにより図示されているが、これらの各機能はハードウェア及び/又はソフトウェアによって実現可能である。図39に示すMN10は、無線受信手段4211、無線送信手段4212、L2ハンドオーバ通知手段4213、FNA生成手段4214、RS生成手段4215、経路設定手段4216、パケット生成手段4217を有している。
L2ハンドオーバ通知手段4213によってL2ハンドオーバが行われた旨を示す情報が、FNA生成手段4214及びRS生成手段4215に通知された場合、FNA生成手段4214及びRS生成手段4215はそれぞれ独立して、FNAメッセージ及びRSメッセージを生成し、無線送信手段4212を介して、NAR31に送信する。
NAR31は、受信手段4201を介してMN10から受信したFNAメッセージ及びRSメッセージを、それぞれFNA処理手段4203及びRS処理手段4204において処理する。FNA処理手段4203では、従来のFMIPにおけるFNAメッセージの処理と同様の処理が行われる。また、RS処理手段4204は、MN10からRSを受けた旨をサブネット情報取得手段4205に対して通知し、この通知を契機としてサブネット情報取得手段4205で取得されたサブネット30に係る外部送信用アドレスは、RA生成手段4207に供給される。RA生成手段4207は、このサブネット30に係る外部送信用アドレスを含むRAメッセージを生成して、送信手段4202を介してMN10に送信する。
MN10は、NAR31からのRAメッセージを無線受信手段4211を介して受信し、経路設定手段4216において、RAメッセージ内からNAR31及び/又はデフォルトルータ37のリンクレイヤアドレスを抽出して、例えば、サブネット30の外部にパケットを送出するための経路として、このリンクレイヤアドレスを設定する。これにより、例えば、パケット生成手段4217において送信データをパケット化する際、送信パケットのヘッダに外部送信用アドレスを設定することで、MN10は、新たに接続するサブネット30に係る外部送信用アドレスをハンドオーバの直後に取得して、外部に対して迅速にパケット送信を行うことが可能となる。
以上、説明したように、本発明の第14の実施の形態によれば、異なるサブネット30にハンドオーバを行ったMN10は、NAR31に対してFNAメッセージと共にRSメッセージを送信することによって、サブネット30に係る外部送信用アドレスの要求を行い、NAR31は、この要求に応じて、MN10に対してRAメッセージを送信することによって、サブネット30に係る外部送信用アドレスの通知を行うことが可能となり、MN10は、新たに接続するサブネット30に係る外部送信用アドレスをハンドオーバの直後に取得して、外部に対して迅速にパケット送信を行うことが可能となる。
<第15の実施の形態>
次に、本発明の第15の実施の形態について説明する。図40は、本発明の第15の実施の形態における主要な処理を示すシーケンスチャートである。なお、図40のシーケンスチャートは、図34のシーケンスチャートと比べて、MN10が、FNAメッセージ及び/又はRSメッセージをマルチキャストすることによって、FNAメッセージ及び/又はRSメッセージがNAR31だけではなく、デフォルトルータ37を含むサブネット30内の複数のルータに到達し(ステップS503、S505)、複数のルータからRAメッセージがMN10に対して送信される(ステップS511、S513)という点で異なっている。
この場合、MN10は複数のルータからRAメッセージを受信することになるが、各ルータが送出するRAメッセージ内には、例えば、デフォルトルータ37を判別するための情報などを始めとする様々な情報が記載されている。したがって、MN10は、各ルータから受信したRAメッセージ内の情報から、デフォルトルータ37を判別するとともに、このデフォルトルータ37のリンクローカルアドレスを取得することが可能となる。
例えば、上述の第13及び第14の実施の形態において、MN10がサブネット30のリンクへのハンドオーバ直後に、FNAメッセージ、外部送信用アドレス要求を含むFNAメッセージ、RSメッセージの少なくとも1つがMN10からサブネット30内にマルチキャストされ、サブネット30内に存在するルータ(特に、NAR31やデフォルトルータ37)が、このメッセージを受信した場合には自ルータのリンクレイヤアドレスを含むRAメッセージをMN10又はマルチキャストで送信するよう構成されている場合に、本発明の第15の実施の形態(図40のシーケンスチャート)が実現される。なお、デフォルトルータ37からMN10に対して、デフォルトルータ37のリンクローカルアドレスが通知される場合には、NAR31からMN10に対して、デフォルトルータ37のリンクローカルアドレスが通知されるようにする必要はない。