JP4563914B2 - 焼成用成形体の製造方法および焼結体の製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献2には、押出機構にて軟化した所定の素材を混合して不定形の状態で押し出し、押し出した素材を不定形のまま成形機用容器に導入し、導入した不定形の素材をペレット成形装置にてペレット形状に成形することが記載されている。
また、本発明の焼結体の製造方法は、上記成形用素材生成工程と、上記焼成用成形体形成工程と、形成した焼成用成形体を加熱により脱脂し、焼成して焼結体を形成する焼成工程とを備えることを特徴とする。
また、上記成形用素材生成工程では、微粒状の無機、金属または木質系材料からなる充填材と、当該充填材と等重量以下の流動状態の樹脂と、を含む素材を不定形押出機構にて混合して不定形の状態で押し出し、押し出した素材を不定形のまま所定の導入部に導入し、導入した不定形の素材を少なくとも用いて粉砕機構にて粉砕し、粉砕後の素材を少なくとも用いてペレット形状に成形して、ペレット形状の成形用素材を生成する。従って、焼成用成形体の量産に好適である。
上記樹脂には、例えば、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂といった合成樹脂を用いることができる。上記流動状態の樹脂には、加熱軟化した熱可塑性樹脂、液状の熱硬化性樹脂、等が含まれる。前記液状は、低粘度の液状から高粘度の液状まで含む。
上記押出機構にて押し出して成形することには、例えば、押出成形すること、射出成形すること、が含まれる。
請求項2〜請求項4に係る発明では、焼成用成形体に含まれる樹脂から発生する気体によるクラックの発生をより確実に防ぎ、焼結体の製造歩留まりをさらに向上させることができる。
(1)焼成用成形体および焼結体の製造方法の説明:
(2)本製造方法に用いられる製造装置の構成:
(3)焼成用成形体および焼結体の製造方法の作用、効果:
(4)各種変形例:
図1〜図3は本発明の一実施形態にかかる焼成用成形体および焼結体の製造方法の概略を示す流れ図であり、図4は焼成用成形体を製造する一例を示す模式図である。本焼結体の製造方法は、微粒状の無機、金属または木質系材料からなる充填材M1と、当該充填材と等重量以下の流動状態の樹脂M2と、を少なくとも含む素材から、焼成用の成形体に所定の成形機構A4にて成形可能とする成形用素材M6を生成する成形用素材生成工程S1と、生成した成形用素材M6を少なくとも用いて前記成形機構A4にて成形して焼成用成形体M8(グリーン成形体)を形成する際に、加熱による脱脂時に前記樹脂M2から発生する気体を内部から外部へ逃がすための逃げ道が確保される構造となるように焼成用成形体M8を形成する焼成用成形体形成工程S2と、形成した焼成用成形体を加熱により脱脂し、焼成して焼結体M9を形成する焼成工程S3とを備える。ここで、焼成用成形体M8は焼成して焼成体M9を形成するための成形体であり、成形用素材M6は成形機構A4にて焼成用成形体の形状に成形可能とする素材である。
焼成用成形体M8を製造するための素材は、成形用素材M6のみでも、成形用素材M6に第三の素材M7が配合された素材でもよい。むろん、第三の素材M7は、複数の種類の素材から構成されてもよい。
焼成用成形体M8を形成するための素材に含まれる第三の素材M3,M5,M7の合計の配合割合は、重量比で充填材の重量未満となる配合割合が好ましい。
なお、焼成用成形体を製造する際に押出成形や射出成形を行う場合、素材が粉体状であると、混練段階で原料を均質に混練するのが容易ではない。成形用素材をペレット形状にすることにより、成形用素材を用いて押出成形または射出成形により焼成用成形体を形成するのが容易となる。
上記導入部A2に導入する素材は、不定形の素材M4のみでも、充填材の重量未満で第三の素材M5を含んでいてもよい。
すなわち、不定形の素材が一旦粉砕されてペレットとされるので、ペレットをより均質にさせ、焼成用成形体をより均質にさせて、より均質で良質の焼結体を得ることが可能となる。また、当該ペレットを原料として焼成用成形体の形状に成形する時に、原料段階ではペレット形状が維持される一方、混練段階でペレットがより崩れやすくなって分散性が向上するので、より容易に成形して焼成用成形体を得ることが可能となる。さらに、不定形の素材が粉砕されることによってペレットを成形する際に成形用の穴や隙間等に入りやすくなるので、単位時間当たりのペレットの生成量がさらに増え、焼成用成形体の生産量をさらに増やすことが可能となる。
上記ペレット成形機構A13には、直径1〜8mm程度の押出口を多数有するダイの各押出口から素材を棒状に押し出してカッタにより長さ1〜30mmに切断してペレット形状に成形する成形機を用いることができる。同ペレット成形機構A13に供給する素材は、上記粉砕物M13のみでも、充填材の重量未満で第三の素材M14を含んでいてもよい。
図2に示すように、樹脂M2が熱可塑性である場合には、所定の加熱機構A11にて不定形押出用素材M11を軟化させることができるので好適である。同図の例では、充填材M1と熱可塑性樹脂M12と必要に応じて第三の素材M3とを含む不定形押出用素材M11を加熱して熱可塑性樹脂M12を溶融させることにより素材M11を軟化させ、不定形押出機構A1にて素材M11を混合して成形することなく不定形の状態で押し出して所定の導入部A2に導入し、導入した不定形の素材M4と必要に応じて第三の素材M5とを含む素材を粉砕機構A12にて粉砕し、得られる粉砕物M13と必要に応じて第三の素材M14とを含む素材をペレット成形機構A13にてペレット化して、ペレットM15を形成している。なお、第三の素材M3が加熱により溶融する素材であれば、第三の素材M3を固形の原反として不定形押出機構A1に供給することができる。焼成用成形体形成工程S2では、ペレットM15と必要に応じて第三の素材M16とを用いて加熱機(混練用素材加熱機構)A24付き押出成形装置A20(成形機構A4を有する)にて素材を押出成形するか、ペレットM15と必要に応じて第三の素材M16とを用いて加熱機(混練用素材加熱機構)A30a付き射出成形装置A30(成形機構A4を有する)にて素材を射出成形するかして、焼成用成形体M9を形成している。
また、ペレットM15と必要に応じて第三の素材M16とを射出成形装置A30に投入すると、同装置A30は、加熱機A30aにてペレットM15を含む混練用の素材を加熱して軟化させ、軟化した混練用の素材を混合して所定のダイから所定形状の金型内に射出し(押し出し)、所定の形状に成形する。
以上のようにして、焼成用成形体M8が製造される。
樹脂M2として熱可塑性樹脂を用いる場合、第二の加熱機構A24,A30aにて混練用の素材を加熱すると、混練用の素材を軟化させることができるので好適である。
混練用の素材を押し出す押出機構や不定形押出用素材を押し出す不定形押出機構A1には、一軸スクリュー混練押出機、二軸スクリュー混練押出機等の多軸スクリュー混練押出機、等を用いることができる。
また、成形機構A4にて成形された素材を第二の冷却機構にて冷却する第二冷却工程を設けてもよい。すると、焼成用成形体の形状の素材を速やかに固化させることができ、焼成用成形体が相互に接着してしまうことを防止することができる。さらに、焼成用成形体の形状の素材を冷却することにより容易に焼成用成形体を適宜保管することができ、保管した焼成用成形体を用いて焼結体を製造することも可能となるので、焼結体の生産の自由度を向上させることができる。
樹脂M2が溶融状態(流動状態)であれば、そのまま充填材M1と混合して軟化した素材とすることができる。樹脂M2が熱可塑性樹脂である場合、加熱機付き混練押出機に対して固形の原反として樹脂M2を投入可能である。ここで、熱可塑性樹脂を図2の混練用素材加熱機構A24,A30aにて加熱された混練用素材の温度におけるMFRが10g/10min以上(好ましくは100g/10min以上)の樹脂とすると、混練用素材から焼成用成形体の形状に成形する時に良好な流動性が得られ、単位時間当たりの焼成用成形体の生産量を向上させることができる。PPのような熱可塑性樹脂では、一般に分子量が小さくなるほど流動性が大きくなる(MFRが大きくなる)ため、比較的低分子量の熱可塑性樹脂を用いると良好な流動性が得られる。樹脂としてPPを用いる場合、200〜230℃程度でペレットから焼成用成形体への成形を行うため、この温度範囲内のMFRが10以上(100以上)のPPを使用すればよい。なお、JIS K7210に関連するISO規格に規定されているPPの試験条件はJIS K7210の附属書A表1の条件M(試験温度230℃)であるため、この条件でのMFRが10以上(100以上)のPPを用いてもよい。なお、同じ条件下でMFRが大きい樹脂であるほどペレットから焼成用成形体への成形が容易となるため、素材中の樹脂の配合割合をより少なくさせることができる。
樹脂M2が無機成分や金属成分を含まない化合物とされていると、焼成用成形体を焼成したときに残留しないので、不要成分の無い良質の焼結体を製造することができる。焼成時に残留しない樹脂M2としては、C(炭素)原子とH(水素)原子とO(酸素)原子のみからなる高分子化合物が非常に好ましいが、さらにハロゲン原子、窒素原子、硫黄原子を含む高分子化合物でもよい。
素材中の好ましい配合割合は、充填材の合計が51〜99.9重量%(より好ましくは70〜95重量%)であるのに対し、樹脂と相溶化剤の合計が0.1〜49重量%(より好ましくは5〜30重量%)であり、相溶化剤のみが0.05〜5重量%である。充填材の合計を51重量%(70重量%)以上とするのは焼成用成形体を焼成したときに収縮度合を小さくして焼結体を十分に所望の形状にさせるためであり、樹脂と相溶化剤の合計を0.1重量%(5重量%)以上とするのは焼成用成形体の保形性を十分に良好にさせるためである。また、樹脂と相溶化剤との好ましい配合比は、樹脂50〜99重量%に対し、相溶化剤1〜50重量%である。
熱可塑性樹脂をマレイン酸で変性した酸変性合成樹脂を製造するには、付加重合前の熱可塑性樹脂の原料にマレイン酸を添加して付加重合を行えばよい。すると、付加重合後の高分子には、親水基の一つであるカルボキシル基が付加される。従って、酸変性合成樹脂は、充填材M1とのなじみが良くなっている。
一般に、合成樹脂を有機酸で変性した酸変性合成樹脂を製造するには、重合前の合成樹脂の原料に有機酸を添加して重合を行えばよい。すると、重合後の高分子には、カルボキシル基が付加され、充填材M1とのなじみが良くなる。
素材中の好ましい配合割合は、充填材の合計が51〜99.9重量%(より好ましくは70〜95重量%)であるのに対し、樹脂と滑剤の合計が0.1〜49重量%(より好ましくは5〜30重量%)であり、滑剤のみが0.05〜5重量%である。充填材の合計を51重量%(70重量%)以上とするのは焼成用成形体を焼成したときに収縮度合を小さくして焼結体を十分に所望の形状にさせるためであり、樹脂と滑剤の合計を0.1重量%(5重量%)以上とするのは焼成用成形体の保形性を十分に良好にさせるためである。また、樹脂と滑剤との好ましい配合比は、樹脂20〜99重量%に対し、滑剤1〜20重量%である。
素材中の好ましい配合割合は、充填材の合計が51〜99.8重量%(より好ましくは70〜95重量%)であるのに対し、樹脂と繊維状素材の合計が0.2〜49重量%(より好ましくは5〜30重量%)であり、繊維状素材のみが0.1〜30重量%である。充填材の合計を51重量%(70重量%)以上とするのは焼成用成形体を焼成したときに収縮度合を小さくして焼結体を十分に所望の形状にさせるためであり、樹脂と繊維状素材の合計を0.2重量%(5重量%)以上とするのは焼成用成形体の保形性を十分に良好にさせるためである。この条件で、素材中の樹脂の好ましい配合割合は0.1重量%以上(より好ましくは5重量%以上)である。
シランカップリング処理は、例えば特開平8−252813号公報に記載された方法で行うことができる。すなわち、イソプロピルアルコールまたは約5〜50体積%のイソプロピルアルコールを含む水の中に微粒状の無機素材または金属素材を高速ミキサで一様となるように十分に分散させ、生成したスラリーにオクタデシルトリエトキシシランを徐々に加え、60℃付近に維持して約15〜60分間撹拌し、その後遠心分離機でcake状の表面変性した無機素材または金属素材を分離し、約120℃で約5〜10時間乾燥すればよい。
素材中の好ましい配合割合は、シランカップリング処理を行った充填材の合計が51〜99.9重量%(より好ましくは70〜95重量%)であるのに対し、樹脂が0.1〜49重量%(より好ましくは5〜30重量%)である。シランカップリング工程で得られた充填材の合計を51重量%(70重量%)以上とするのは焼成用成形体を焼成したときに収縮度合を小さくして焼結体を十分に所望の形状にさせるためであり、樹脂を0.1重量%(5重量%)以上とするのは焼成用成形体の保形性を十分に良好にさせるためである。
上述した相溶化剤や滑剤や繊維状素材は、炭素原子と水素原子と酸素原子のみからなる化合物とされていてもよい。さらに、ハロゲン原子、窒素原子、硫黄原子を含む化合物とされてもよい。このような相溶化剤等は焼成しても残留しないので、不要成分の無い高品質の焼結体を得ることができる。
ここで、第一の成形用素材M32と第二の成形用素材M31とが異なり、第一の成形用素材M32と第二の成形用素材M33とが異なっていればよく、成形用素材M31と成形用素材M33とは異なっていても同じでもよい。従って、ペレット化機構A31にて形成されたペレットM31をペレットM33として用いてもよいし、ペレット化機構A31〜A33に共通の単一のペレット化機構を用いてペレットM31〜M33を形成してもよい。
混練工程S7では、第一の成形用素材M32を少なくとも含む素材と第二の成形用素材M31,M33を少なくとも含む素材とを別々に混練し、第一の積層用素材M35と第二の積層用素材M34,M36とをそれぞれ生成する。図の例では、それぞれペレットM31,M32,M33を少なくとも含む素材を所定の押出機構A34,A35,A36にて別々に混練し、混練された積層用素材M34,M35,M36をそれぞれ生成している。ここでも、第一の積層用素材M35と第二の積層用素材M34とが異なり、第一の積層用素材M35と第二の積層用素材M36とが異なっていればよく、積層用素材M34と積層用素材M36とは異なっていても同じでもよい。従って、押出機構A34にて形成された積層用素材M34を積層用素材M36として用いてもよいし、押出機構A34〜A36に共通の単一の押出機構を用いて積層用素材M34〜M36を形成してもよい。
この場合、内層M42に含まれる第一の樹脂M25と外層M41,M43に含まれる第二の樹脂M24,M26とは、互いに熱分解する温度が違っている。これにより、加熱により焼成用成形体M40を脱脂する時に、内層M42の樹脂M25から発生する気体の逃げ道が外層M41,43に形成される。従って、内層に生じる気体が外層を壊さずに外部へ逃げ、クラックが生じない。
この場合、内層M42に含まれる第一の樹脂M25と外層M41,M43に含まれる第二の樹脂M24,M26とは、充填材の配合割合が異なることによって互いに熱分解する温度が違っている。これにより、加熱により焼成用成形体M40を脱脂する時に、内層M42の樹脂M25から発生する気体の逃げ道が外層M41,43に形成される。従って、内層に生じる気体が外層を壊さずに外部へ逃げ、クラックが生じない。
この場合、内層M42に含まれる第一の樹脂M25と外層M41,M43に含まれる第二の樹脂M24,M26とは、結晶化度変更材料の配合割合が異なることによって互いに熱分解する温度が違っている。これにより、加熱により焼成用成形体M40を脱脂する時に、内層M42の樹脂M25から発生する気体の逃げ道が外層M41,43に形成される。従って、内層に生じる気体が外層を壊さずに外部へ逃げ、クラックが生じない。
図4に示すように、焼成用成形体形成工程S2では、成形用素材M6を成形機構A4にて成形して表面処理前成形体M51を形成し、充填材M51aを残して当該表面処理前成形体M51の表面に存在する樹脂を少なくとも除去して焼成用成形体M52を形成してもよい。樹脂を除去する際には、樹脂M2のみを除去してもよいし、酸変性合成樹脂等の相溶化剤、滑剤、樹脂繊維等の繊維状素材、等も除去してもよい。
焼成用成形体M52を形成するための樹脂としては、表面処理前成形体M51の表面を加熱して樹脂を除去する場合には、上述した各種樹脂を用いることができる。また、酸、アルカリ、有機溶剤により劣化して除去される樹脂を用いると、表面処理前成形体M51の表面に酸、アルカリ、有機溶剤を接触させることにより、表面処理前成形体M51の表面に存在する樹脂を劣化により除去して焼成用成形体M52を形成することができる。さらに、紫外線により劣化して除去される樹脂を用いると、表面処理前成形体M51の表面に紫外線を照射することにより、表面処理前成形体M51の表面に存在する樹脂を劣化により除去して焼成用成形体M52を形成することができる。
この場合、加熱による脱脂時に樹脂から発生する気体を内部から外部へ逃がすための逃げ道が既に形成された構造の焼成用成形体が形成されるので、焼成用成形体M52は、加熱による脱脂時に樹脂から発生する気体を内部から外部へ逃がすための逃げ道が確保される構造となっている。加熱により焼成用成形体M52を脱脂する時、内部の樹脂から発生する気体の逃げ道が表面に形成されているので、内部に生じる気体が焼成用成形体の表面側を壊さずに外部へ逃げ、クラックが生じない。
なお、脱脂時の気体の逃げ道を確保する構造にした積層構造の焼成用成形体を表面処理前成形体として、当該積層構造の焼成用成形体の表面に存在する樹脂を少なくとも除去して焼成用成形体を形成することにより、気体の逃げ道を確保する相乗的な効果を期待することができる。
樹脂M2に熱可塑性樹脂を用いる場合、上記ペレットM15を形成する装置には、上記粉砕機構A12を除いて、概略、特開2004−17502号公報に記載されたペレット製造装置(10)を用いることができる。同装置は、材料供給装置(11)、素材搬送装置(12)、素材加熱装置(13)、ペレット成形装置(20)、選別搬送装置(14)、制御盤(15)を備えている。
材料供給装置では、微粒状の充填材と断片形状の熱可塑性樹脂原反とを少なくともホッパ装置に投入すると、当該ホッパ装置内に収容された素材が粒状のまま撹拌されつつ混合され、素材搬送装置に供給される。素材搬送装置では、略円筒形状の中空管(図6の12b)の内部にスクリュー軸(図6の12c)が配設され、スクリュー軸の回転速度に応じた押出速度で素材が混合されながら流動体流出口(図6の12f)に向かって押し出される。素材搬送装置に併設された素材加熱装置(不定形押出用加熱機構)は、中空管内の素材を加熱するヒータ部を備え、中空管内を搬送される素材を加熱して熱可塑性樹脂を溶融させ、素材を軟化させる。ここで、ヒータ部は、熱可塑性樹脂を溶融させる温度に上昇させることができればよく、例えば、熱可塑性樹脂としてPPを用いる場合には200〜230℃程度とし、ポリアミドを用いる場合には270〜290℃程度とする。ペレット成形装置は、素材搬送装置から押し出された素材からペレットM15を形成する。選別搬送装置は、固化されたペレットを選別搬送網で選別し、選別搬送網上に残存したペレットについてはペレット収容部に収容し、選別搬送網から落下したペレットについては再利用のために回収する。制御盤は、複数の操作ボタンや、本ペレット製造装置の運転条件の設定や運転状態をモニタリングする操作ディスプレイ等を備え、操作者から操作を受け付け、当該操作に応じてペレット製造装置全体の制御を行う。
ペレット成形装置20は、円筒形状の金属製外筒部21、同外筒部の素材出口側(図の右側)の端部に取り付けられた金属製の出口部22、同出口部の下側において開口31aを上側に向けて設置された粉砕機(粉砕機構)30、同粉砕機にて粉砕された素材m2を導入する成形機用容器23、同容器23内に設けられた押し込みローラ25,25、成形機用容器23の下側にて回転可能に取り付けられた金属製ダイフェースカッタ部26、同ダイフェースカッタ部を回転駆動する電動モータ27、等を備えている。
外筒部21の左側に設けられた素材流入口21aには、素材搬送装置から軟化状態の素材が流入する。外筒部21内に搬送された軟化状態の素材は、外筒部21内に先端部(左端部)が挿入されたスクリュー12gの回転動作により混合されながら右方向に押され、出口部22から右側に押し出され、不定形の素材m1として金属製の粉砕機用ホッパ32内に落下する。なお、素材搬送装置と外筒部21と出口部22が不定形押出機構を構成する。
出口部22には、成形用のダイではなく、製造されるペレットよりもはるかに径の大きい単一の開口22aが形成されており、軟化して混合された素材は同開口22aを貫通して成形されることなく不定形の状態で押し出される。
流動性の小さい素材については、ペレット成形用のダイ(押出口が直径1〜8mm)を外筒部の端部に取り付けた押出成形機における素材の排出圧力Pe(上記出口の位置P1に相当する位置における素材の圧力)が大きくなりすぎ、押し出すことが困難となって、ペレットを大量生産することができない。なお、排出圧力Peは、押出成形機内において上記出口の位置P1に相当する位置に圧力計の検出部を挿入して測定することができる。特に、排出圧力Peが25.0MPa以上となる流動性の低い素材では、ペレット成形用のダイを装着した押出成形機では機械の耐久性の観点からペレットの成形を行っていない。通常、微粒状の充填材と熱可塑性樹脂の配合比が重量比で70〜99.9:0.1〜30である素材は樹脂が加熱軟化した状態で排出圧力Peが25.0MPa以上となってしまうが、このような流動性の小さい素材であっても本発明のペレット製造装置は押出機構にて混練しながら素材を押し出すことができ、ペレットを大量生産することが可能である。
粉砕機用ホッパ32は、出口部の開口22aから押し出された不定形の素材m1を一旦収容し、下部開口32bから略上下方向を中心軸とする円筒形状の金属製粉砕室33内へ供給することができる。ホッパの開口32aは出口部22から離されて同出口部22の下側に位置しているので、押し出した素材m1が後続の素材m1の押し出しを阻害することなく、ホッパ32は出口部の開口22aから押し出された不定形の素材m1を収容することができる。そして、押出機構から押し出された素材を不定形のまま導入する所定の導入部31が、ホッパ32と粉砕室33に形成されていることになる。むろん、導入部は、一部が押出機構と繋がっている構造とされてもよいし、押出機構の出口部22の下側からホッパ32の上側まで不定形の素材を載置して移送するコンベアとホッパ32と粉砕室33とから構成されてもよい。
粉砕機30では、常時モータ36に通電してあり、回転駆動軸36aを介して載置テーブル34が回転駆動される。すると、載置テーブル34の上面で当該テーブル34の上下方向を軸とする回転動に従動して粉砕ローラが左右方向を軸として回転動し、粉砕室33内に導入された不定形の素材は、載置テーブル34上と粉砕ローラ35,35周面との間で粉砕される。ここで、導入された素材は微粒状の充填材に熱可塑性樹脂がなじんだ素材とされており、樹脂となじんだ充填材を有する軟化状態の素材が粉砕され、均質にされる。また、粉体輸送機37の送風機にも常時通電してあり、粉砕されて粉砕室33の内周面と載置テーブル34の外周面との間33bから収容室33a内に落下した素材は、粉体吸引口37bから粉体輸送機37に吸い込まれ、粉体吐出口よりも上側まで斜め上方に移送されて、粉体吐出口37aから下方に向けて吐出され、落下して成形機用容器23内に収容される。
なお、粉砕機構としては、公知の種々の粉砕機を使用可能である。
押し込みローラ25,25は、略水平に設置された略円柱状の棒状部材25aの両端にて回転可能に取り付けられている。棒状部材25aは、両端からの中間部にて略上下方向に設けられた回転軸材25bを中心軸として回転動可能に設けられている。回転軸材25bを取り付けたローラ駆動用電動モータ25cに対して通電を行って動作させ、回転軸材25bを回転させると、ローラ25,25が自ら回転しながら底部円板23b上を周回する(図5では左回り)。このとき、ローラ25,25は自ら回転しながら(図6に示されたローラ25では左回り)成形機用容器23内の粉砕後の素材を多数の貫通穴23dの一方の上側開口から押し込み、他方の下側開口から略棒状に押し出す。
固定金型72には、型面72zに各混練された積層用素材の射出口72d〜fが形成され、型面72zとは反対側の面(左側)に各混練された積層用素材を射出成形型内に流入させる流入口72a〜cが形成されるとともに、内部に冷却通路72gや空気抜き孔72hが形成されている。固定金型の流入口72a〜cは、それぞれ各押出口63aに接続され、各押出機構にて各押出口63aから押し出される各混練された積層用素材が流入するようになっている。移動金型73には、内部に冷却通路73aが形成されている。肉厚調整金型74には、型面74zに複数の空気吸引孔74aが形成され、これらの空気吸引孔74aから水平(左右)方向に貫通して型面74zとは反対側の面(左側)から空気が吸引される貫通孔が形成されるとともに、内部に冷却通路74bが形成されている。各冷却通路72g,73a,74bは、図示しない冷却液循環機構に接続されており、内部を冷却水等の冷却液が通過するようになっている。
その後、型面72z,74z間を積層用素材2層分よりも広くさせた状態で移動金型73を固定金型72に当接させて混練された積層用素材の別の一つを押出口63aから所定量押し出して流入口72bに流入させ、射出口72eから射出成形型内に射出する。次に、型面72z,74z間を積層用素材2層分にさせる所定の位置まで肉厚調整金型74を固定金型72に近接させ(図の状態)、一旦金型72〜74を冷却して2層分の積層用素材を固化させ、空気吸引孔74aに真空圧を作用させて2層分の積層用素材を吸引させた肉厚調整金型74を固定金型72から離反させる。
そして、型面72z,74z間を積層用素材3層分よりも広くさせた状態で移動金型73を固定金型72に当接させて混練された積層用素材の別の一つを押出口63aから所定量押し出して流入口72cに流入させ、射出口72fから射出成形型内に射出する。次に、型面72z,74z間を積層用素材3層分にさせる所定の位置まで肉厚調整金型74を固定金型72に近接させ(図の状態)、一旦金型72〜74を冷却して3層分の積層用素材を固化させ、空気吸引孔74aに真空圧を作用させて3層分の積層用素材を吸引させた肉厚調整金型74を固定金型72から離反させる。このようにして、焼成用成形体M40が形成される。
樹脂に熱可塑性樹脂を用いる場合、素材加熱装置の加熱により熱可塑性樹脂が溶融して素材が軟化する。素材は、フィラー高充填であるので、樹脂が溶融しても固形分が多いことによって流動性は大きくなりすぎず、粉砕可能な程度に軟化する。素材は、スクリュー12gにより混合されながら外筒部21内に押し込まれ、充填材に樹脂がなじんだ不定形の素材となって、成形されることなく不定形の状態で押し出される。ここで、出口部の開口の断面積S1が外筒部の出口部側端部における開口部分の断面積S0以上とされているので、MFRが1.0g/10min以下と低流動性の素材であっても、素材の排出圧力Peは5.0MPa以下、通常は1.0MPa以下となる。すると、軟化しているが流動性の低い素材は、図5に示す不定形の素材m1のように、成形されることなく不定形の状態で容易に押し出される。なお、素材中の充填材の配合割合が多いと素材m1は粉っぽい感じで押し出され、素材中の樹脂の配合割合が多いと素材m1は太いうどん状となって押し出される。押し出された不定形の素材m1は、落下して粉砕機用ホッパ32内に収容され、粉砕室33内に供給される。
複数の種類のペレットを生成する場合には、ペレットの種類毎に上述した処理を繰り返せばよい。
特に、高充填量の充填材と流動状態の樹脂とを含む素材を混練せずに粉砕してペレット形状に成形すると、充填材に樹脂がなじまず、充填材と樹脂とがばらばらに崩れて粉体状になりやすいペレットが形成される。本製造方法では、ペレットから焼成用成形体への成形時に原料段階ではペレットが粉体状に崩れることなく熱を加える混練段階で崩れて分散するため、混練段階で容易に原料を均質に混練することができる。
なお、素材中の樹脂の配合割合が多くて従来の押出成形機では成形後のペレットどうしがくっついてしまう素材であっても、成形後のペレットどうしがくっつかず分離した状態となる。ペレットどうしがくっついていると焼成用成形体を製造する時にペレットがスムーズに成形工程に送り込まれないが、ペレットどうしが分離しているため、スムーズに焼成用成形体を製造することができる。
素材に繊維状素材を添加していた場合、焼成用成形体が崩れにくくなるので、保形性に優れた焼成用成形体を形成して焼結体を製造することが可能となる。
製造された焼結体は、充填材が無機材料であれば種々のセラミック製品、充填材が金属材料であれば種々の金属製品、充填材が木質系材料であれば種々の炭製品として使用可能である。
一方、焼成用成形体中で外層用の樹脂として内層用の樹脂が熱分解する温度よりも高い温度で熱分解する樹脂を用いると、脱脂工程では先に内層の樹脂が熱分解されることになる。ここで、外層に存在する樹脂が外層に存在する充填材どうしをつなぎ止め、脱脂中に焼成用成形体が崩れてしまうことを防ぎながら、内層で発生した樹脂由来の気体の圧力により外層に当該気体が通過した通過孔が形成されるとも考えられる。すなわち、外層に生じる気体の通過孔が気体の逃げ道であり、当該通過孔が形成されることによって焼成用成形体は気体の逃げ道が確保された構造になると推測される。
以上より、内層用の樹脂と外層用の樹脂とで熱分解する温度の異なる樹脂を用いると、脱脂処理時に内層の樹脂に由来する気体の逃げ道が外層に形成され、クラックが発生せず、焼結体の製造歩留まりを向上させることが期待される。
一方、焼成用成形体中で内層の充填材の配合割合を外層の充填材の配合割合よりも少なくすると、脱脂工程では先に内層の樹脂が熱分解されることになる。ここで、外層に存在する樹脂が外層に存在する充填材どうしをつなぎ止め、脱脂中に焼成用成形体が崩れてしまうことを防ぎながら、内層で発生した樹脂由来の気体の圧力により外層に当該気体が通過した通過孔が形成されるとも考えられる。すなわち、外層に気体の通過孔(逃げ道)が形成されることによって焼成用成形体は気体の逃げ道が確保された構造になると推測される。
以上より、内層と外層とで充填材と樹脂との配合割合を異ならせると、脱脂処理時に内層の樹脂に由来する気体の逃げ道が外層に形成され、クラックが発生せず、焼結体の製造歩留まりを向上させることが期待される。
一方、焼成用成形体中で内層の結晶化度変更材料の配合割合を外層の結晶化度変更材料の配合割合よりも少なくすると、脱脂工程では先に内層の樹脂が熱分解されることになる。ここで、外層に存在する樹脂が外層に存在する充填材どうしをつなぎ止め、脱脂中に焼成用成形体が崩れてしまうことを防ぎながら、内層で発生した樹脂由来の気体の圧力により外層に当該気体が通過した通過孔が形成されるとも考えられる。すなわち、外層に気体の通過孔(逃げ道)が形成されることによって焼成用成形体は気体の逃げ道が確保された構造になると推測される。
以上より、内層と外層とで結晶化度変更材料の配合割合を異ならせると、脱脂処理時に内層の樹脂に由来する気体の逃げ道が外層に形成され、クラックが発生せず、焼結体の製造歩留まりを向上させることが期待される。
この場合、充填材どうしの間で樹脂等の除去された部分が空隙になっており、脱脂工程では内部の樹脂が熱分解することにより発生する気体が当該空隙を通って内部から外部へ逃げると考えられる。すなわち、表面に形成された空隙が気体の逃げ道であり、当該空隙が形成されることによって焼成用成形体は気体の逃げ道が確保された構造になると推測される。
以上より、押出成形や射出成形等の成形により一旦表面処理前成形体を形成し、脱脂前に当該表面処理前成形体の表面に存在する樹脂を少なくとも取り除いて焼成用成形体を形成すると、脱脂処理時に樹脂に由来する気体の逃げ道が表面に形成され、クラックが発生せず、焼結体の製造歩留まりを向上させることが期待される。
ペレットを形成する際、特開2004−17502号公報に開示されるように、一対の圧延ロールで不定形の素材を略平板状に圧延し、シュレッダ(樹脂細断機)で細断することによりペレット形状に成形してもよい。
樹脂M2として常温で液状(流動状態)の熱硬化性樹脂を用いる場合、図2の不定形押出工程S4では素材を加熱することなく不定形押出機構A1にて不定形の状態で押し出すことができる。そして、ペレット成形工程S6で例えばペレットM15を形成し、焼成用成形体形成工程S2では、成形機構A4にて焼成用成形体の形状に成形した後、成形後の素材を加熱機構にて加熱すると、素材中の熱硬化性樹脂が硬化して強固な焼成用成形体M8を形成することができる。すると、焼成用成形体が焼成中や焼成前に崩れることがなく、保形性の非常に良好な焼成用成形体が得られる。
また、ペレットM15から焼成用成形体の形状に成形する際に熱硬化性樹脂用の硬化剤や硬化促進剤を添加してもよい。すると、ペレットを加熱することなく素材中の熱硬化性樹脂を硬化させることができるので、強固な焼成用成形体M8を形成することができる。すると、焼成用成形体が焼成中や焼成前に崩れることがなく、保形性の非常に良好な焼成用成形体が得られる。
さらに、複数種類の樹脂のうち少なくとも一部の種類の樹脂に熱硬化性樹脂を用いることができる。樹脂として熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の双方を用いる場合、ペレットから焼成用成形体への成形を行うと、この段階で熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とが互いになじんだ新規のポリマーブレンドを有する焼成用成形体を製造することができ、新規の焼結体を製造することができる。
30…粉砕機(粉砕機構)
31…所定の導入部
60…押出成形機(成形機構を有する)
70…射出成形機(成形機構を有する)
80…焼成装置(焼成機構)
A1…不定形押出機構(第二押出機構)
A2…所定の導入部
A3…成形用素材生成機構
A4…成形機構
A5…脱脂機構
A6…焼成機構
A11…不定形押出用加熱機構
A12…粉砕機構
A13…ペレット成形機構
A20…押出成形装置
A24,A30a…加熱機(混練用素材加熱機構)
A30…射出成形装置
A31〜A33…ペレット化機構
A34〜A36…押出機構
A37…成形機構
M1,M21〜M23…微粒状の充填材
M2…流動状態の樹脂
M3,M5,M7,M14,M16,M27〜M29…第三の素材
M4,m1…不定形の素材
M6…成形用素材
M8,M40,M52…焼成用成形体
M9…焼結体
M11…不定形押出用素材
M12…熱可塑性樹脂
M13…粉砕物
M15,M31〜M33,m3…ペレット
M24〜M26…樹脂
M34〜M36…混練された積層用素材
M37…積層された状態の積層用素材
M41,M43…外層
M42…内層
M51…表面処理前成形体
m2…粉砕された素材
S1…成形用素材生成工程
S2…焼成用成形体形成工程
S3…焼成工程
S4…不定形押出工程
S5…粉砕工程
S6…ペレット成形工程
S7…混練工程
S8…積層工程
S9…成形工程
Claims (5)
- 微粒状の無機、金属または木質系材料からなる充填材と、当該充填材と等重量以下の流動状態の樹脂と、を含む素材を不定形押出機構にて混合して不定形の状態で押し出し、押し出した素材を不定形のまま所定の導入部に導入し、導入した不定形の素材を少なくとも用いて粉砕機構にて粉砕し、粉砕後の素材を少なくとも用いてペレット形状に成形して、押出成形または射出成形により成形する所定の成形機構にて成形可能とするペレット形状の成形用素材を生成する成形用素材生成工程と、
生成した成形用素材を少なくとも用いて前記成形機構にて成形して焼成用成形体を形成する焼成用成形体形成工程とを備え、
前記樹脂に、互いに熱分解する温度の異なる第一および第二の樹脂を少なくとも用い、
前記成形用素材に、微粒状の無機、金属または木質系材料からなる充填材と当該充填材と等重量以下の流動状態の前記第一の樹脂とを含む第一の成形用素材と、微粒状の無機、金属または木質系材料からなる充填材と当該充填材と等重量以下の流動状態の前記第二の樹脂とを含む第二の成形用素材と、を少なくとも用い、
前記成形用素材生成工程では、前記第一の成形用素材と前記第二の成形用素材とを別々に生成し、
前記焼成用成形体形成工程では、前記第一の成形用素材を少なくとも含む素材と前記第二の成形用素材を少なくとも含む素材とを別々に混練して押出機構にて押し出して内層が前記第一の成形用素材を含む素材で外層が前記第二の成形用素材を含む素材となるように積層して成形することにより、
加熱による脱脂時に前記内層の第一の樹脂から発生する気体の逃げ道が前記外層に形成されるように前記焼成用成形体を形成することを特徴とする焼成用成形体の製造方法。 - 前記第一および第二の成形用素材に、前記充填材と前記樹脂との配合割合が互いに異なる成形用素材を少なくとも用いることを特徴とする請求項1に記載の焼成用成形体の製造方法。
- 前記第一および第二の成形用素材に、形成される前記焼成用成形体中の前記樹脂の結晶化度を変える結晶化度変更材料が0重量%以上かつ前記充填材の配合割合未満であって互いに異なる配合割合で含まれる成形用素材を少なくとも用いることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の焼成用成形体の製造方法。
- 前記焼成用成形体形成工程では、前記成形用素材を前記成形機構にて成形して表面処理前成形体を形成し、前記充填材を残して当該表面処理前成形体の表面に存在する樹脂を少なくとも除去して前記焼成用成形体を形成することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の焼成用成形体の製造方法。
- 微粒状の無機、金属または木質系材料からなる充填材と、当該充填材と等重量以下の流動状態の樹脂と、を含む素材を不定形押出機構にて混合して不定形の状態で押し出し、押し出した素材を不定形のまま所定の導入部に導入し、導入した不定形の素材を少なくとも用いて粉砕機構にて粉砕し、粉砕後の素材を少なくとも用いてペレット形状に成形して、押出成形または射出成形により成形する所定の成形機構にて成形可能とするペレット形状の成形用素材を生成する成形用素材生成工程と、
生成した成形用素材を少なくとも用いて前記成形機構にて成形して焼成用成形体を形成する焼成用成形体形成工程と、
形成した焼成用成形体を加熱により脱脂し、焼成して焼結体を形成する焼成工程とを備え、
前記樹脂に、互いに熱分解する温度の異なる第一および第二の樹脂を少なくとも用い、
前記成形用素材に、微粒状の無機、金属または木質系材料からなる充填材と当該充填材と等重量以下の流動状態の前記第一の樹脂とを含む第一の成形用素材と、微粒状の無機、金属または木質系材料からなる充填材と当該充填材と等重量以下の流動状態の前記第二の樹脂とを含む第二の成形用素材と、を少なくとも用い、
前記成形用素材生成工程では、前記第一の成形用素材と前記第二の成形用素材とを別々に生成し、
前記焼成用成形体形成工程では、前記第一の成形用素材を少なくとも含む素材と前記第二の成形用素材を少なくとも含む素材とを別々に混練して押出機構にて押し出して内層が前記第一の成形用素材を含む素材で外層が前記第二の成形用素材を含む素材となるように積層して成形することにより、
加熱による脱脂時に前記内層の第一の樹脂から発生する気体の逃げ道が前記外層に形成されるように前記焼成用成形体を形成することを特徴とする焼結体の製造方法。
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