JP4562338B2 - 人体排泄物用のドレン可能な収集袋 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は人体排泄物用の収集袋に関し、詳細には、袋を身体のオリフィスに連結するための入口開口部の他に再閉鎖可能な排出開口部がドレンの目的のために形成された種類の収集袋に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のドレン可能な収集袋は、多くの場合、造瘻袋として使用される。多かれ少なかれ流体稠度の糞便を制御下で放出できない回腸造瘻術の患者及び人工肛門形成術の患者の場合、並びに尿管造瘻術の患者の場合、収集袋を比較的頻繁に空にしなければならず、かくして閉鎖体装置は、開放して空にした後の再閉鎖が容易であると同時に作用時即ち空にしたときと空にするときとの間で信頼性のある密なシールを提供しなければならない。
【0003】
この目的を達成するため、造瘻袋用の幾つかの異なる設計の閉鎖体装置が開発されてきた。これらの設計は一般的に周知である。
【0004】
このような従来技術の閉鎖体装置の例は、例えば、米国特許第2,520,831号、米国特許第5,125,133号、米国特許第4,988,343号、WO96/19164、英国特許第2 000 683号、及び英国特許第2 268 065号に開示されている。
【0005】
公開された国際特許出願WO99/25278から一つの閉鎖体装置が周知である。この閉鎖体装置により、袋の開閉が、第1及び第2の閉鎖体手段を連続的に操作することによって二つの別個の工程で行われる。これらの別個の工程は、第1閉鎖体手段だけを操作した中間位置をとる袋によって分けられる。第1閉鎖体手段は、第1及び第2の折畳み線間の、及び第1折畳み線と制限線との間の夫々に設けられた接触表面からなる第1の対を含み、これらの接触表面は、排出部分を第1折畳み線に沿って折畳み、中間位置で並びに袋の使用位置で接触状態に維持することによって接触状態にされる。第2閉鎖体手段は、袋が使用位置にある場合にのみ接触状態に維持される接触表面の第2の対を含む。
【0006】
袋の開放の第1工程では、第2閉鎖体手段を開放し、袋が中間位置にある状態で排出部分をトイレ等の上の正しい位置に差し向ける。これに対し、これに続いて行われる第2工程では、第1閉鎖体手段を開放し、袋の内容物を制御下で排出する。排出後、第1閉鎖体手段の閉鎖に続いて第2閉鎖体手段を閉鎖する二つの別個の工程で排出部分を再度閉鎖する。これによって、袋を空にした後の排出部分の濯ぎを中間位置で行い、新たに排出された身体の排泄物による排出開口部の汚れを取り除くことができるという利点が得られる。
【0007】
この解決策は、操作が容易であり、かつ器用さ及び第1及び第2の閉鎖体手段の作動/作動停止の論理的且つ明らかな順序を余り必要とせず、そして第1閉鎖体手段が袋を閉鎖位置及び中間位置で閉鎖状態に保持できるために漏れに対する安全性が改良され、閉鎖位置にある第2閉鎖体手段によって追加の漏れ保護が提供されるということに関して重要な利点を提供する。しかしながら、排出部分を使用位置から中間位置を介して開放位置にする又はその逆を行うのに必要な折畳み操作は、排出部分の接合された側縁部の外輪郭間の幅を特定の最小幅にし、よくある場合で造瘻袋の患者がひどく不器用な場合でも手作業による操作を容易に行うことができるようにする必要がある。代表的には、排出部分の幅は、平らな状態で、60mm乃至80mmである。
【0008】
従来技術の造瘻袋では、袋の内部から排出部分を通って排出部分の先端の排出開放に向かって設けられた排出通路の断面寸法は、排出部分の側縁部を接合する溶融接合継目、接着剤継目、又は任意の他の適当な種類の継目等の継目によって画成され、排出通路の大きさは、概して、折畳み及び折拡げを容易にする目的で必要な排出部分の最大幅で決まる。
【0009】
上述の種類の収集袋を用いた経験によれば、袋の内容物の排出の制御性は、袋の内容物が比較的薄い回腸造瘻術の患者を含む大部分の使用者にとって優れているけれども、尿管造瘻術の患者や新たに手術を受けた回腸造瘻術の患者の場合のように袋の内容物が多かれ少なかれ全体に液体である場合には、排出通路の幅のため、排出制御があまりうまく行かなくなるということがわかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的はこのような不都合を緩和し、収集袋を空にするときに液体や非常に薄い排泄物流体の排出の制御を大幅に改良すると同時に、排出部分を折畳みによって手作業で操作することが容易である状態を維持するのに十分な外幅を排出部分に提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、人間の身体の排泄物用の収集袋が提供される。この収集袋は、縁部が接合された二枚のフィルムブランクによって形成された袋部材と、前記フィルムブランクの一方に設けられた入口開口部と、前記袋を身体のオリフィスに連結するため、前記入口開口部を取り囲む連結エレメントと、前記入口開口部から所定距離のところで前記袋部材に連結されている基端と、先端が排出開口部を画成する先端とを有する細長い排出部分とを備え、細長い排出部分は、実質的に平行な側縁部と、これらの側縁部間に配置された最小幅とを有し、前記排出部分はその長さ方向で、前記先端と前記基端との間に設けられた前記排出部分を横切る折畳み線に沿って手作業で折畳み、前記排出部分を開放した拡げられた状態から閉鎖した折畳まれた状態に又はその逆を行うことができる収集袋であって、狭幅の排出通路が前記側縁部間で前記排出部分に形成されており、前記通路は、前記排出部分の前記最小幅の60%以下の幅を有する、という改良がなされている。
【0012】
排出通路を排出部分の全外幅に関して狭幅にすることによって、収集袋を空にするときの液体又は非常に薄い排泄物流体の排出の制御が大幅に改良され、これと同時に、排出部分を折畳みによって手作業で操作することが容易である状態を維持するのに十分な外幅を排出部分に提供する。
【0013】
一実施例では、前記排出部分は、前記フィルムブランクの二つの端区分によって形成されているのがよく、これらの端区分は、前記側縁部に沿って接合されており、前記排出通路は、前記端区分を前記側縁部と実質的に平行に接合する継目によって画成されているのがよく、前記接合継目間の距離は10mm以上であるが、前記排出部分の前記接合された側縁部の外輪郭間の距離の60%以下である。
【0014】
本発明の別の実施例によれば、
縁部が接合された二枚のフィルムブランクによって形成された袋部材と、
前記フィルムブランクの一方に設けられた入口開口部と、
前記袋を身体のオリフィスに連結するため、前記入口開口部を取り囲む連結エレメントと、
前記入口開口部から所定距離のところで前記袋部材に連結されている基端と、排出開口部を画成する先端とを有する細長い排出部分とを備え、細長い排出部分は実質的に平行な側縁部と、これらの側縁部間に配置された最小幅とを有し、前記排出部分はその長さ方向で、前記先端と前記基端との間に設けられた前記排出部分を横切る折畳み線に沿って手作業で折畳まれ、前記排出部分を開放した拡げられた状態から閉鎖した折畳まれた状態に又はその逆を行うことができる種類の収集袋であって、
狭幅の排出通路が前記側縁部間で前記排出部分に形成されており、前記通路は、前記排出部分の前記最小幅の60%以下の幅を有し、前記排出通路は、前記排出部分が前記開放した拡げられた状態にあるとき、実質的にチューブ状である、という改良がなされた収集袋が提供される。
【0015】
本発明を添付図面を参照して以下に詳細に説明する。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1乃至図5に示す収集袋は、それ自体周知の一般的な種類の造瘻袋として設計されている。先ず最初に、添付図面のうちの図1乃至図5に示す第1の実施の形態を参照すると、収集袋は、二枚のフィルムブランク2、3によって形成された袋部材1を含む、これらのフィルムブランクは、溶融接合又は任意の他の便利な方法で形成された継目4によって縁部に沿って接合されている。フィルムブランクは、任意の適当な可撓性プラスチックシート又はホイル材料から形成されているのがよい。
【0017】
使用時に使用者に面するようになっており、及びかくして袋の後壁を形成するフィルムブランク3には入口開口部5が設けられており、この開口部は、袋を、身体のオリフィス、即ちこの場合には使用者の腹壁に設けたいわゆる小口の形態の腸管のオリフィスに連結するため、それ自体周知の方法で連結エレメント6によって取り囲まれている。
【0018】
添付図面では、連結エレメント6が連結システムの部品として示してあるけれども、別の態様では、使用者の皮膚に直接接着される環状接着剤ディスクをなす単一の連結エレメントでできていてもよい。
【0019】
図2で最も明瞭にわかるように、フィルムブランクに使用された材料とは別の材料でできた快適層7が後側フィルムブランク3に設けられている。
【0020】
袋は、入口開口部5から所定距離のところに狭幅の細長い排出部分8を持つように設計されている。この排出部分は、基端即ちネック端部のところで開始し、先端又は末端まで延びている。排出部分8は、フィルムブランク2、3の二つの端区分によって形成されており、同様に、側縁部の外輪郭35及び36に沿って延びる実質的に平行な溶融接合継目33及び34によってその側縁部に沿って接合されている。図示の実施例では、外輪郭35と36との間の距離bによって定義される平らな状態での排出部分8の幅は、60mm乃至80mmであるのがよく、例えば65mmである。
【0021】
排出部分の先端の近くでは、二つのフィルムブランク2、3の端縁部間のスリットによって排出開口部9が形成されており、この開口部を通して袋からその内容物を空にできる。
【0022】
本発明によれば、狭幅の排出通路37が、側縁部輪郭35及び36と実質的に平行であり且つこれらの輪郭の内側にある二つの別々の溶融接合継目38及び39によって排出部分8に画成されている。排出通路37の寸法は、排出部分8が平らな折畳み自在の状態にある場合に排出通路37の幅を画成する溶融接合継目38及び39の距離aが、排出部分8の側縁部の外輪郭35及び36間の距離bの60%以下であるように、排出部分8の全幅に関して定められている。狭幅の排出通路の壁がフィルムブランク2及び3の端区分によって形成された図1乃至5に示す実施例では、排出部分を、以下に更に詳細に説明するように、その閉鎖された折畳まれた状態からその開放した拡げられた状態にする。このとき、距離aを10mm以上の寸法にすることによって、袋の内容物が狭幅の排出通路を通って自由に排出されるようにする。60mm乃至80mmの距離bによって適宜される排出部分8の全幅について、溶融接合継目38と39との間の距離aは、代表的には、15mm乃至36mmであるのがよく、例えば25mmである。
【0023】
袋を、図1及び図2に示す開放位置即ち排出位置から、袋が閉鎖された使用位置にするため、収集袋は、WO99/25278に記載の閉鎖体装置を備えている。同特許に触れたことにより、その特許に開示されている内容は本明細書中に組入れたものとする。
【0024】
図1乃至図5に示す実施例では、この閉鎖体装置は、一対の接触表面10、11を持つ第1閉鎖体手段を排出部分8の基端に備えている。一方の接触表面は、第1及び第2の折畳み線12と13との間を延びており、他方の接触表面は、第1折畳み線12と制限線14との間を延びている。一方の接触表面10の全体にはキャリヤプレート15が設けられており、これは前フィルムブランク2に取り付けられている。キャリヤプレート15は、排出開口部9に向かう方向で第1折畳み線12を越えて更に延びている。ここで、他方の接触表面11上で、キャリヤプレートは、一層の接着剤16によって覆われている。接着剤は、繰り返し接着でき、好ましくは洗浄可能である。キャリヤプレート15自体はフォーム材料から形成されているが、プラスチックや繊維材料等の任意の他の適当な材料から形成することもでき、閉鎖体を密にシールすることに寄与する。
【0025】
袋の第1閉鎖工程では、排出部分8を第1折畳み線12に沿って折畳み、これによって第1対の接触表面10、11を接触させ、接着剤層16によってこの位置に保持する。この折畳み作業を容易にするため、キャリヤプレート15には、実質的に第1折畳み線12に沿って延びるノッチ32が設けられているか或いは、接触表面を別のキャリヤプレートにこれらの表面間に間隔を置いて設けるのがよい。
【0026】
他方の接触表面11に設けられた接着剤層16は、後に行われる接着剤接触の解放を容易にするため、カバー層17によって部分的に覆われている。最適の閉鎖機能を得るため、接着剤層16及び/又はカバー層17の大きさ及び位置は、接着剤の強さを変化させることができるのと同様に、変化させることができる。接着剤層16は、同様に、第1及び第2の折畳み線12、13間の接触表面10に、又はこれらの表面の両方に設けられているのがよい。しかしながら、接着剤層を接触表面10上にだけ設けることによって、排出部分のクリーニングが容易になる。これは、排出部分8を、接着剤層と接触させることなく、先端から第1折畳み線12まで全体に亘って搾って濯ぐことができるためである。
【0027】
袋を中間位置にするこの第1閉鎖工程に続き、排出部分8の先端を第2閉鎖手段によって閉鎖する。
【0028】
第2閉鎖手段は、接触表面18、19からなる第2の対を含む。一方の接触表面18は、下部分が第3折畳み線21まで前フィルムブランク2に取り付けられたフラップエレメントに設けられている。フラップエレメントの上部分はフラップ25として形成されている。フラップ25の機能は、以下に説明する。接触表面18は、排出部分8に面するフラップエレメントの端縁部から上方に、第1折畳み線12から第1折畳み線12と排出部分8の先端との間の距離と実質的に対応する所定距離のところに配置された第3折畳み線21まで延びている。排出部分の先端には、第2対の他方の接触表面19が、図2に最も明瞭に示すように、部分的には前フィルムブランク2に、部分的には後フィルムブランク3の延長部分3aに設けられている。
【0029】
図3に示す袋の位置で、二つの接触面18、19が互いに接触し、フラップエレメントの接触表面18に設けられた接着剤層22によってこの位置に保持される。接触表面18に設けられたカバー層23は、後に行われる接着剤接触の解放を容易にするため、実質的にU字形状の接着剤表面を提供する。第1接触表面対に設けられた接着剤層16と全く同様に、接着剤層22は繰り返し接着でき、更に、洗浄可能である。
【0030】
図3に示す位置から、排出部分8を再び袋部材1上に第2折畳み線13及びこの位置において第2折畳み線13と重なる制限線14に沿って折畳む。次いで、フラップ25を第3折畳み線21に沿って折畳み、フラップ25の接触表面26を別の接触表面27と接触させる。接触表面27は、前フィルムブランク2に設けられた第1及び第2の折畳み線12、13間に配置された第1対の接触表面10の反対側に、後フィルムブランク3に位置決めされた第3対の他方の部分を構成する。この目的のため、フラップ25の接触表面26は、繰り返し接着でき且つ洗浄可能な接着剤層28によって覆われている。フラップ25の最外部分を覆うカバー層29により、収集袋を容易に開放できる。これは、接触表面26、27間の接触を解放するために袋25を簡単に持ち上げることができるためである。図2及び図7に示すように、接着剤層22及び28は、フラップエレメントに亘って延び、フォーム、プラスチック、又は繊維材料でできているキャリヤプレート30上に一体に成形されているのがよい。フラップ25の持ち上げを更に容易にするため、第1の実施の形態では、カバー層31が接触表面26の下方のフラップの領域を覆う。接着剤層及びカバー層の大きさ及び位置、及び使用された接着剤の強さに関する同じ配慮を接触表面の第2及び第3の対にも適用する。
【0031】
収集袋は、次いで、図4及び図5に示す使用位置にある。排出部分8全体が袋部材1上に折畳まれるため、袋部材の外輪郭に影響せず、かくして収集袋の設計が非常にコンパクトになる。更に、袋の使用中、内容物により圧力が第1閉鎖体手段に及ぼされたとき、接触表面10、11からなる第1対間の接触が、フラップ25の接触表面26と排出部分8自体の他方の接触表面27との間の接触により更に堅固となる。
【0032】
収集袋が数時間に亘って使用され、少なくとも部分的に充填されたとき、袋を一連の操作で開放する。
【0033】
先ず最初に、接触表面26、27からなる第3の対間の接着剤接触を、フラップ25を持ち上げて第3折畳み線21に沿って拡げることによって開放する。次いで、排出部分8の先端に設けられた前記一つの第2の対の接触表面19を引っ張ってフラップエレメントに設けられた他方の接触表面18と接触した状態から離すことによって、第2閉鎖体手段を解除する。その後、排出部分8を拡げ、中間位置にする。この状態でも、袋の内容物は、まだ作用している第1閉鎖手段によって流出しないようにされている。排出部分8の先端部分が適当な位置、例えばトイレの上方に差し向けられているときにだけ、排出部分の先端を引っ張って袋を図1及び図6の夫々に示す開放位置にすることによって第1閉鎖手段を解除し、内容物を袋の外に流出させる。
【0034】
次いで、使用者は、排出開口部9に向かう方向でのしごくような又は揉むような動きによって、残った内容物を袋から搾り出すのがよい。袋が空になったとき、排出部分8を完全に濯ぐのがよい。
【0035】
最終的には、収集袋は、上文中に説明した手順に従うことによって閉鎖されているのがよい。
【0036】
図6乃至図10には、本発明による収集袋の別の実施の形態が示してある。この実施の形態は、同様に、一般的に周知の一般的な種類の造瘻袋として設計されており、溶融接合又は任意の他の便利な方法によって形成された継目104によって縁部に沿って接合された二枚のフィルムブランク102、103によって形成された袋部材101を有する。これらのフィルムブランクは、任意の適当な可撓性プラスチックシート又はホイル材料から形成されているのがよい。
【0037】
使用時に使用者に面するようになっており、かくして袋の後壁を形成するフィルムブランク103には、入口開口部105が設けられており、この開口部は、袋を、身体のオリフィス、即ちこの場合には使用者の腹壁に設けたいわゆる小口の形態の腸管のオリフィスに連結するため、それ自体周知の方法で連結エレメント106によって取り囲まれている。
【0038】
図1乃至図5と同様に、連結エレメント106は連結システムの部分として示してあるが、別の態様では、使用者の皮膚に直接接着するための環状接着剤ディスクを含む単一の連結エレメントを使用する場合もある。
【0039】
図7でわかるように、フィルムブランクに使用された材料とは異なる材料でできた快適感触層107が後フィルムブランク103に設けられている。別の態様では、二つのフィルムブランクの両方にこのような快適感触層が設けられているのがよい。快適感触層は、従来の不織布材料でできているのがよい。
【0040】
袋は、入口開口部105から所定距離のところに狭幅の細長い排出部分108を持つように設計されている。この排出部分は、基端即ちネック端108aのところで開始し、先端即ち末端108bまで延びている。排出部分108は、フィルムブランク102、103の二つの端区分によって形成されており、同様に、排出部分108の平行な向き合った側縁部の外輪郭135、136に沿って延びる溶融接合継目133及び134によって接合されている。更に、この実施例では、外輪郭135と136との間の距離b’によって画成された平らな状態での排出部分108の幅は、60mm乃至80mmであるのがよく、例えば65mmである。
【0041】
排出部分108の先端108bの近傍では、排出開口部109が二枚のフィルムブランク102、103の間に形成されており、この開口部を通して袋の内容物を空にできる。
【0042】
更に、この実施の形態では、狭幅の排出通路137が排出部分108に画成されているが、図1乃至図5に示す実施の形態とは異なり、狭幅の排出通路137は、排出部分108が平らな折畳み可能な状態にある場合の排出通路137の幅を画成する溶融接合継目133及び134の距離a’が10mm以上であるけれども排出部分108の側縁部の外輪郭135及び136間の距離b’の60%以下であるように溶融接合継目133及び134の幅を大きくすることによって提供される。図示の例では、排出部分108が平らな状態にある場合の溶融接合継目133及び134の距離a’によって画成される排出通路137の幅は、15mm乃至36mm、例えば25mmであるのがよい。
【0043】
袋を図1及び図2に示す開放位置即ち排出位置から袋が閉鎖された使用位置にするため、収集袋は、係止装置を備えている。係止装置は、図示の実施例では、排出部分108の側縁輪郭135及び136からその基端108aのところで突出した折畳み自在の係止ストリップ112及び113でできている。フィルムブランク102、103の一方と一体成形されている突出した折畳み自在の係止ストリップ112及び113には、係止手段110、111の第1の組が設けられている。係止手段の第1の組は、雄−雌スナップファスニング部材、ベルクロ閉鎖部材、様々な種類の接着剤部材等でできているのがよく、これらの係止手段と対をなす、後フィルムブランク103に設けられた係止手段114及び115の第2の組と解放自在に係合できる。係合装置は、他の方法で、例えば本出願人の現在継続中のデンマーク特許出願第PA1998 00805号に記載されているように、又は従来の係止クリップとして設計することもできるということに着目されたい。
【0044】
圧縮性シールプレート138の形態の弾性シール部材が後フィルムブランク103の延長部103aに設けられており、前フィルムブランク102の端部分には同様の弾性シール部材がシールプレート139と同様の形態で設けられている。シールプレート138、139は、適当な弾性材料、例えばフォームから形成されており、フィルムブランク102及び103よりも剛性が大きく、フィルムブランク103の延長部103aとフィルムブランク102の先端縁部102aとの間に形成された排出開口部109のいずれかの側部で排出部分108の幅に亘って延びている。
【0045】
図示の実施例では、シールプレート138及び139は、いずれも略矩形形状を有し、これらの二つのシールプレートは、シールプレートの弾性又は圧縮性、及びシールプレートが配置されたフィルムブランクの張力強度及び延伸性で決まる隙間140を伴って、第1長さ方向側縁部が実質的に平行な関係で互いに向き合っうように配置されている。
【0046】
袋を閉鎖するとき、排出部分108を折畳む。折畳みは先端から始められ、先ず最初にシールプレート139をシールプレート138にこれらの間の隙間140を折畳み線として使用して折畳む。この最初の折畳みによりシールプレート138及び139を少なくとも隙間即ち折畳み線140と隣接した部分で圧縮する。これは、折畳み領域でフィルムブランク102及び103の張力によって補助される。これによって排出開口部109を効果的にシールできる。
【0047】
次いで、この最初の折畳みに続いて、排出部分108を、図示の例では2回以上、係止手段114及び115が、突出した係止ストリップ112及び113と整合するまで折畳み、その後これらの係止ストリップを折畳み、係止手段110及び111を係止手段114、115と係合させる。
【0048】
フォーム等の圧縮性弾性材料から形成されたシールプレート138、139を使用することによって、排出部分108の排出開口部109での最初の折畳みによりぴったりとした状態を提供する。フォーム材料の圧縮性をブランク102及び103のフィルム材料からの搾り効果と組み合わせることにより、排出部分にある粒子が排出開口部に向かって移動しないようにする。このような粒子は、流路を形成し、これにより袋からの漏れを生じてしまう場合がある。
【0049】
図示の実施例では、各フィルムブランクに弾性シール部材が設けられており、これらのうちの一方、即ちシールプレート138が後フィルムブランク103の延長部103aに、弾性部材が互いに実質的に伸長させた状態で位置決めされるように設けられている。この構成により、収集袋の最適の機能が提供されるが、一方のフィルムブランクに設けられた一方の弾性シール部材だけを使用して他方のフィルムブランクの非弾性接触表面と係合する他の構成もまた考えられる。
【0050】
収集袋が数回使用され、少なくとも部分的に充填されたとき、係止手段110、111及び114、115を互いに係合した状態から外すことによって袋を開放するのがよく、それに続いて排出部分108を拡げてその先端部分を適当な位置、例えばトイレに差し向けるのがよい。この操作中、排出開口部109は、シールプレート138、139を互いに押すことによってシールされた状態に維持されているのがよい。袋は、次いで、図1に示すその開放位置をとり、シールプレートに作用する圧力を解放することにより袋の内容物を流出させることができる。
【0051】
次いで、使用者は、排出開口部109に向かう方向でのしごくような又は揉むような動きによって、袋に残った内容物を搾り出すのがよい。袋を空にしたとき、排出部分8を完全に濯ぐのがよい。
【0052】
所望であれば、上文中に説明した閉鎖手順に従って収集袋を再び閉鎖するのがよい。
【0053】
図11及び図12の斜視図には、袋部材201及び301の夫々を含む変形例が示してある。これらの袋部材は、上述の図面の実施例について説明したのと同じ全体構造を備えているのがよく、溶融接合又は任意の他の従来の方法で形成された継目204及び304の夫々によって縁部に沿って接合された二枚のフィルムブランクによって形成される。
【0054】
袋部材201又は301の一方のフィルムブランクには、入口開口部(図示せず)が上文中に説明したのと同じ方法で設けられており、この入口開口部から所定距離のところで袋部材201又は301が狭幅の細長い排出部分208及び308の夫々に続き、これは基端即ちネック端部208a及び308aの夫々のところで袋部材201又は301に連結され、狭幅の排出通路237及び337の夫々の開口部209及び309の夫々が形成された先端即ち末端208b及び308bの夫々まで延びる。
【0055】
しかしながら、上記の実施例と比較すると、図11及び図12の実施例の排出通路237、337は、排出部分208が開放状態で実質的にチューブ状であるように形成されている。排出部分208、308が開放した拡げられた状態にある場合、狭幅にドレン通路237、337を実質的にチューブ状の形態にすることによって、図1乃至図10の実施例について必要であると考えられる狭幅の排出通路を10mm以上とする必要はない。また標準的なホースコネクタを排出通路237、337内に容易に装着できるようにすることができ、袋からの排出作用を更に容易に行なうことができる。
【0056】
図11では、排出部分208は、袋部材201と同じフィルムブランクでできた一体の端区分によって、上述の実施例について説明したのと同じ方法で形成されている。狭幅の排出通路237は、排出部分208の側縁部の外輪郭235、236と平行な溶融接合継目233及び234によって画成されている。排出部分208が開放状態にある場合の排出通路237の実質的にチューブ状の形態は、少なくとも継目233及び234の溶融接合中に排出部分208のところで端区分のフィルムブランク間に適当なコア部材を配置することによって得られる。狭幅の排出通路237の壁が、袋壁を形成するフィルムブランクの端区分によって形成された図11の実施例では、ポリスチレン、ポリエチレン/ブチレン、ポリスチレンコポリマーのうちの一つ又はそれ以上から選択できる弾性熱可塑性ポリマー製の可撓性ホース部材の短いピース241の形態のコア部材を使用するのが好ましい。このような弾性ホース部材は、溶融接合後に排出通路に滞まることができ、排出部分208が開放状態にある場合に排出通路237を実質的にチューブ状形態にし、それでも排出部分208を折畳んでその閉鎖状態にすることができる。
【0057】
図12に示す実施例では、排出部分308は、溶融接合又は任意の他の便利な方法によって袋部材301に連結された別体の部材である。
【0058】
排出部分308の幅を提供する側部材342及び343間にチューブ状排出通路337が位置決めされており且つこれらの部分と一体の排出部分308は、上文中に説明したように、折畳み及び拡げを手作業で容易に行うことが必要とされ、好ましくは、ポリスチレン、ポリエチレン/ブチレン、ポリスチレンコポリマーのうちの一つ又はそれ以上から選択できる適当な弾性熱可塑性ポリマーを射出成形することによって形成できる。
【0059】
別体の排出部分308の壁厚は、開放排出状態で排出通路337が実質的にチューブ状形態をとるが、排出部分308を折畳んで閉鎖状態にすることを容易に行うことができるように寸法が定められなければならない。更に、この実施例では、弾性熱可塑性材料製の短い可撓性ホース部材341を排出通路に配置し、適正な機能を確保するのが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 使用者から遠い方の面である側部から見た、本発明による収集袋の第1実施例の完全開放位置の平面図である。
【図2】 図1のII−II線に沿った収集袋の長さ方向断面図である。
【図3】 袋の関連部品だけを示す、中間位置にある収集袋の概略側面図である。
【図4】 袋の完全閉鎖位置の図1と対応する平面図である。
【図5】 完全閉鎖位置の収集袋の図3と対応する概略側面図である。
【図6】 使用者から遠い方の面である側部から見た、本発明による収集袋の第2実施例の完全開放位置の平面図である。
【図7】 図6のVII−VII線に沿った収集袋の長さ方向断面図である。
【図8】 袋の関連部品だけを示す、中間位置にある収集袋の概略側面図である。
【図9】 袋の完全閉鎖位置の図6と対応する平面図である。
【図10】 完全閉鎖位置の収集袋の図8と対応する概略側面図である。
【図11】 本発明の変形例の斜視図である。
【図12】 本発明の変形例の斜視図である。
【符号の説明】
1 袋部材
2、3 フィルムブランク
4 継目
5 入口開口部
6 連結エレメント
7 快適感触層
8 排出部分
9 排出開口部
Claims (21)
- 人体排泄物用収集袋であって、
縁部が接合された二枚のフィルムブランク(2、3;102、103)によって形成された袋部材(1;101:201;301)と、
前記フィルムブランクの一方に設けられた入口開口部(5;105)と、
前記袋を身体のオリフィスに連結するため、前記入口開口部を取り囲む連結エレメント(6;106)と、
前記入口開口部(5;105)から所定距離のところで前記袋部材に連結されている基端と、排出開口部(9;109;209;309)を画成する先端とを有する細長い排出部分(8;108;208;308)とを備え、
前記細長い排出部分は実質的に平行な側縁部と、これらの側縁部(35、36;135、136;235、236)間に配置された最小幅とを有し、前記排出部分(8;108;208;308)は、その長さ方向で、前記先端と前記基端との間に設けられた前記排出部分を横切る折畳み線に沿って手作業で折畳まれ、前記排出部分を開放した拡げられた状態から閉鎖した折畳まれた状態に又はその逆を行うことができる、収集袋において、
狭幅の排出通路(37;137;237;337)が前記側縁部間で前記排出部分(8;108;208;308)に形成されており、前記排出通路は、排出部分内に設けられた一対の溶融接合継目(38、39)によって形成され、かつ前記排出部分の前記最小幅の60%以下の幅を有する、ことを特徴とする収集袋。 - 請求項1に記載の収集袋において、
第1及び第2の閉鎖体手段を前記使用位置で連続的に操作することによって、前記袋を二つの別個の工程で開閉するための閉鎖体装置が前記排出部分に配置されており、前記別個の工程は、第1閉鎖体手段だけが作用する中間位置を取る袋によって分けられ、
前記第1閉鎖体手段は、第1折畳み線(12)と第2折畳み線(13)との間及び前記第1折畳み線(12)と制限線(14)との間の夫々の接触表面(10、11)からなる第1の対を含み、前記排出部分(8)を前記第1折畳み線(12)に沿って折畳むことによって前記接触表面を接触させ、前記中間位置のこの位置に、及び前記袋の使用位置に保持し、
前記第1の対の前記接触表面(10、11)は、一方のフィルムブランク(2)に取り付けられたキャリヤプレート(15)に設けられている、ことを特徴とする収集袋。 - 請求項1に記載の収集袋において、前記排出部分(108)よりも剛性が大きい少なくとも一つの弾性シール部材(138、139)を、前記排出開口部(109)にまたは開口部近傍において、前記排出部分の一方の側部に取り付け、排出部分の折畳み時に弾性シール部材を前記排出部分の他方の側部の接触表面を係合させ、前記排出開口部(109)を閉鎖する、ことを特徴とする収集袋。
- 請求項1、2、又は3に記載の収集袋において、前記排出部分が前記閉鎖された折畳まれた状態で前記袋を係止するための係止装置が前記排出部分に設けられている、ことを特徴とする収集袋。
- 請求項4に記載の収集袋において、前記係止装置は、前記排出部分(108)の前記向き合った側縁部(135、136)から突出した折畳み自在の係止ストリップ(112、113)を含み、これらの係止ストリップの一方の表面には、前記排出部分(108)の表面部分に設けられた第2係止手段(114、115)と係合できる第1係止手段(119、111)が設けられており、排出部分の折畳み時に第2係止手段は前記係止ストリップと整合した状態に配置される、ことを特徴とする収集袋。
- 請求項1乃至5のうちのいずれか一項に記載の収集袋において、前記排出部分(8;108)の前記最小幅(b;b’)は60mm乃至80mmであり、前記排出通路(37、;137)の前記幅(a;a’)は30mm以下である、ことを特徴とする収集袋。
- 請求項1乃至6のうちのいずれか一項に記載の収集袋において、前記排出部分(8;108)は、前記フィルムブランク(2、3;102、103)の二つの端区分によって形成されており、前記端区分は、前記側縁部(35、36;135、136)に沿って接合されており、前記排出通路(37、137)は、前記端区分を前記側縁部(35、36;135、136)と実質的に平行に接合する継目(38、39;133、134)によって画成され、前記接合継目間の距離は10mm以上であるが、前記排出部分(8;108)の前記接合された側縁部(35、36;135、136)の外輪郭間の距離の60%以下である、ことを特徴とする収集袋。
- 請求項7に記載の収集袋において、前記排出継目(37)を画成する前記接合継目(38、39)は、前記排出部分(8)の前記側縁部(35、36)を接合する溶融接合継目(33、34)と離間している、ことを特徴とする収集袋。
- 請求項7に記載の収集袋において、前記排出部分(108)の前記側縁部(135、136)は、幅が大きい平行な継目(13、134)によって接合されており、前記接合継目は、更に、前記排出通路(137)を画成する、ことを特徴とする収集袋。
- 請求項7、8、又は9に記載の収集袋において、前記接合継目(38、39;133、134)は溶融接合継目である、ことを特徴とする収集袋。
- 請求項1乃至6のうちのいずれか一項に記載の収集袋において、前記排出通路(237;337)は、前記排出部分(208;308)が前記開放した拡げた状態にあるとき、実質的にチューブ状である、ことを特徴とする収集袋。
- 請求項11に記載の収集袋において、前記フィルムブランクの二つの端区分によって排出部分(208)が形成されており、前記端区分は前記側縁部(235、236)に沿って接合されており、前記チューブ状排出通路(237)は、前記端区分を前記側縁部(235、236)に実質的に平行に接合する通路(233、234)によって画成されている、ことを特徴とする収集袋。
- 請求項12に記載の収集袋において、前記排出通路(237)は、コア部材(241)を前記端区分間に少なくとも前記平行な継目(233、234)の溶融接合中に配置することによって形成される、ことを特徴とする収集袋。
- 請求項13に記載の収集袋において、前記コア部材(241)は可撓性ホース部材である、ことを特徴とする収集袋。
- 請求項14に記載の収集袋において、前記ホース部材(241)は弾性熱可塑性材料でできている、ことを特徴とする収集袋。
- 請求項14又は15に記載の収集袋において、前記ホース部材(241)は、前記溶融接合後、前記排出通路(237)内に滞まる、ことを特徴とする収集袋。
- 請求項11に記載の収集袋において、前記排出部分(308)は、前記袋部材(301)に連結された別体の部材として形成されている、ことを特徴とする収集袋。
- 請求項17に記載の収集袋において、前記排出部分(308)は、弾性熱可塑性ポリマーの射出成形によって形成されている、ことを特徴とする収集袋。
- 請求項18に記載の収集袋において、前記ポリマーは、ポリスチレン、ポリエチレン/ブチレン、ポリスチレンコポリマーのうちの一つ又はそれ以上から選択される、ことを特徴とする収集袋。
- 請求項17、18、又は19に記載の収集袋において、可撓性ホース部材(341)が前記排出通路内に配置されている、ことを特徴とする収集袋。
- 請求項20に記載の収集袋において、前記ホース部材(341)は、弾性熱可塑性材料でできている、ことを特徴とする収集袋。
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