JP4115932B2 - 排出可能なストーマパウチ及びそのための閉鎖手段 - Google Patents

Description

我々は、２００１年６月１５日に出願された仮出願第６０／２９８，４９２号の出願日に対して優先権を主張し、また、共通してそこに開示されたすべての主題に関して、その利益を得る権利を与えられる。

排出可能なストーマパウチは、例えば、ノランの米国特許第３，５２３，５３４号（特許文献１）、及びジェンセンらの米国特許第４，４４１，６５９号（特許文献２）に示されるように良く知られている。そのようなパウチは、典型的には、それらの縁に沿って共に固定された平坦な対向する側壁を有し、体内老廃物を受けるチャンバを規定している。その壁のうちの１つには、ストーマ受容開口が設けられ、ストーマから排出される老廃物がチャンバで受けられるように、患者の腹部にパウチを固定する手段が設けられる。その下端では、排出可能なパウチは、狭くなったネック部分の下端に通常設けられた排出開口を有しており、該排出開口を、老廃物がパウチから排出されるまで、密封された状態に維持するための手段が設けられる。そのような閉鎖手段は、前記ノラン特許のように、又はネック部分を上方に巻いた状態で固定する或る装置のように、クランプの形態を取ることが可能である。従来のワイヤによる結び又は巻き付けがその目的のために使用されている。

排出可能なパウチは、再使用可能であり、その内容物が定期的に空にされなければならない。再使用に先立って、効果的な密閉を確実にすることができ、再密閉されたパウチから出る匂いを回避することができるように、クリーニングが必要である。ユーザは、老廃物に対する直接的な露出のために、また、操作に（患者、特に、高齢の患者よりも）器用さが要求されるかも知れないために、排出可能なパウチを、開封し、空にし、クリーニングし、密閉し直す際に、困難さと不快さとにしばしば遭遇する。その問題に加えて、排出可能なパウチの下端の固体及び／又は液体の老廃物の残余物がパウチの壁を閉鎖するか又は互いに保持することが、排出開口に隣接する内部表面をクリーニングすることをさらに困難にする傾向にあるという事実がある。
米国特許第３，５２３，５３４号明細書 米国特許第４，４４１，６５９号明細書

この発明の排出可能なパウチは、それらの縁に沿って互いに合わさる柔軟性のあるプラスチックフィルム製の従来の側壁を備え、そして、排出開口を終端とする下方に延びるネック部分を提供する。該排出開口に隣接するパウチの壁には、排出開口を開いた状態で保持するために、互いから遠ざけて通常曲げられたアーチ形の横方向に延びるスプリング部材が設けられている。該スプリング部材は、好ましくは、排出開口に隣接するパウチの各壁に、それらの長さ方向に沿って固定された曲がったプラスチック製のストリップの形態である。パウチを閉じるために、ユーザは、単にストリップを真っすぐになった平行状態となるように絞り、次に、ネック部分を上方に２回以上巻くか又は折り曲げる。

ネック部分をその巻いた又は折り曲げた状態で解放可能に維持する手段が提供される。この発明の好ましい実施の形態においては、そのような手段は、スプリング部材の上方に離隔された位置でネック部分の壁のうちの１つに固定された折り曲げ可能なワイヤ締結ストラップの形態である。ストラップは、ネック部分の側縁の各々を越えて実質的な距離横方向に延びる端部を有している。ネック部分が上方に巻かれた後で、締結ストラップの端部は、巻き取り部上をオーバーラップした状態で折り曲げ可能である。また、締結ストラップのオーバーラップした端部によって提供される手段は、パウチのネック部分がほどけることを防ぐために、それらの端部を共に解放可能にロックする。

好ましい実施の形態においては、締結ストラップのオーバーラップする端部を共に解放可能に固定する手段は、ホックループ型（つまり、面ファスナタイプ）のパッチの形態であるが、オーバーラップした状態で端部を共に保持しておくためのその他の手段が提供されることも可能である。

本発明のその他の特徴及び利点は、図面及び記述からより明白になるであろう。

例示の明瞭化のために、この出願に現われるすべての図面が少なくとも幾らか概略的であることは理解される。したがって、図１乃至図４においては、図示の明瞭化のために、部品は、実際に期待されるよりも大きな厚みを有するように示されている。その結果、図４の断面図は、パウチの折り曲げられたネックが相当に誇張された厚みを有しているように図示してある。図５乃至図９は、パウチを閉じた状態に固定するのに関する操作のステップをより明白に示すために単一の線によって表わされたパウチの壁の単純化された概略図である。

図面を参照して、参照符号10は、水及びガス（匂い）に対する不透過性を有した柔軟性のあるプラスチックフィルムから形成された側壁11及び12を有する排出可能なストーマパウチを概して表わしている。該壁は、13で示されるようなそれらの縁に沿って互い密閉されており、そのうちの１つの壁11には、パウチを患者に取り付ける手段によって囲まれたストーマ受容開口14が設けられている。そのような手段は、粘着剤で覆われた取り付けリング15の形態とし、パウチをワンピースの器具にしてもよいし、又は、これに代えて、該手段は、対になった結合リングを装備した粘着性のフェイスプレートにパウチを分離可能に固定する結合リングの形態としてもよい。後者の場合においては、パウチがツーピースの器具の１つの構成要素を構成するものと、すべて同様に本技術分野においては理解されるものである。

パウチは、排出開口17におけるその下端を終端とする、長く下方に延びたネック部分16を有している。図面中で示される実施の形態においては、ネック部分16の各壁には、アーチ形の横方向に延びるスプリング部材20，21が設けられている。各スプリング部材は、排出開口17に隣接して配置され、ネック部分の密封された縁部13の間の距離に実質的に及んでいる。前記部材は、金属を含む任意のスプリング状の材料から形成されることが可能であるが、例えば、ナイロンのような、任意の様々な比較的堅く、強靭で、柔軟性のあるプラスチック材料から形成されることが好ましい。各スプリング部材は、パウチの壁に固定されるか又は埋め込まれる。その結果、それは、他方の部材から遠ざかるように曲がり、パウチの排出開口を、通常、開いた状態にさせる。しかしながら、図６中において矢符の方向に指で圧力を働かせることによって、スプリング部材は、真っすぐになった状態に互いの方向に絞られることが可能であり、それによって、パウチの下端の前記開口を閉じる。

図２中において最も明白に示されるように、スプリング部材20及び21がそれらの緩んだ状態にあるときに、それらの曲率が、滑らかで、均一で、緩やかであり、ネック部分の壁を、互いから限られた距離外方に曲げさせるということは強調されるべきである。各部材の曲率が滑らかで緩やかであるので、それらの部材を真っすぐにすることは、限られた指の圧力で、排出開口に隣接するネックの対向する内面を互いに実質的に均一に密閉接触させることによって容易に達成されることができる。そのような作用を達成するために、緩やかに曲がったスプリング部材の両方が、それらの全長に沿って、粘着剤又は他の適切な密閉する手段により、ネックの壁の対応する表面（好ましくは、外面）に固定されるか、又は、それらの全長に亘って、そのような壁の材料中に埋め込まれるということは重要である。さらに、２つのスプリング部材のそれらの緩んだ状態における緩やかな曲率は、好ましくは同一であるが、反対の向きである。

スプリング部材を真っすぐになった平行状態で保持する手段は、図７及び図８に示されるように、ネックの下端を上方へ２回以上巻くことを含んでいる。巻く動作は、排出開口17を効率的に密閉する。そして、固定する手段が、パウチのネック部分を、その上方に巻くか又は折り曲げた状態で解放可能に固定するために提供される。

図面中で示される実施の形態においては、ネックを巻かれた状態に維持する手段は、締結ストラップ22の形態とされている。該締結ストラップは、柔軟性のあるプラスチック材料から形成されることが可能であり、好ましくは、それに亘って縦方向に延びる金属線又はワイヤ23を有する。与えられた例示においては、ストラップ22は、その中央部分をパウチの壁12に固定されているが、これに代えて、ストラップは、壁11（即ち、ストーマ受容開口14が設けられたのと同一の壁）に固定されることも可能である。もし望まれるのであれば、ストラップの片側又は両側は、皮膚焦燥（特に、長期間に亘る接触による）を防ぐために、弾力性のある発泡プラスチック又はその他の柔軟性のある保護被覆材料（図示せず）で覆うことが可能である。

特に重要なのは、ストラップが、ネック部分の側縁を越えて横方向に外方に十分な距離延びる端部22a及び22bを有しているという事実であり、その結果、図４において例示されるように、端部は、オーバーラップした状態に互いに折り曲げられる。オーバーラップする端部の対向面には、相互に連結する手段が、好ましくは、ホック／ループ（つまり、面ファスナタイプ）ゾーン、又は、パッチ24及び25の形態で設けられる。したがって、図８及び図９に示されるように、ネック部分の下端が上方に巻かれたときに、端部22a及び22bは、ネック部分を折り曲げて密封した状態で維持するために、共に連結されることが可能である。

面ファスナタイプの取り付けパッチは、ストラップの端部を共に固定するのに特に有効であると考えられるが、これに代えて、該端部をオーバーラップした状態で保持するその他の取り付け手段を使用することも可能である。例えば、端部を解放可能に固定する感圧式の粘着性コーティングを共に使用することも可能である。あるいは、一方の端部には、縦方向の一連の開口が設けられ、他方には、そのような開口（図示せず）に受容可能なラグ又は挿入要素が設けられることが可能である。これに代えて、いくらか同様の結果（図示せず）を得るために、スプリングスナップをそれぞれの端部に設けることも可能である。

ストラップ22が、パウチの壁12であって、パウチの下端から上方に、且つ、スプリング部材20及び21から上方に所定の距離のところに固定されるということには注意すべきである。図示の実施の形態においては、前記距離は、ストラップの幅（さらに、パウチの下端から、スプリング要素20及び21の各々の幅）よりも僅かに大きい。理想的には、ストラップ22とスプリング部材21との間の間隔は、図７に示されるように、ネック部分の単一の上方への折り曲げの後で、スプリング部材20及び21と同一の高さにストラップ22を配置するのにちょうど十分な程度である。２回目の折り曲げ（図８）の後で、ストラップ22は、パウチの本体側の壁11に沿って位置決めされ、これによって、その端部が、パウチの反対の壁12上に折り曲げ、且つ、壁12に亘って共に接合されるのを可能にする。しかしながら、ストラップが巻取り部を包むべき位置にある前に、ネック部分が上方に２回以上巻かれるか又は折り曲げられるのを可能にするために、該ストラップが、ネックの下端から上方にさらにより大きな距離のところに位置することが可能であることは理解されるであろう。

図中に示された本発明の好ましい実施の形態においては、２つのスプリング要素20及び21が設けられている。そのような配置は、ネックがパウチの内容物を排出するために解かれたときに、パウチのネック部分が、図１乃至図３に示されるように、開いた状態に拡げられるのを確実にする。しかしながら、いくらか同様の結果（恐らく、それほど有効ではないが）を、一方の壁に単一のスプリング要素のみを設けることによっても達成することが可能であると考えられる。そのような構成は、例えば、好ましい実施の形態からスプリング要素21を取り除き、単一のアーチ形のスプリング要素20のみを残すことによって達成される。

パウチの下端を通常開いた状態に付勢することによって、スプリング要素は、ユーザが、パウチから内容物を排出し、該パウチをその折り曲げられて密封された状態に戻す前に、ネック部分の表面を清潔にすることをより容易にする。

先においては、我々は、本発明の実施の形態を例示の目的のために相当に詳細に開示しましたが、当業者にとっては、それらの詳細の多くが本発明の目的及び範疇から逸脱することなく変更され得ることは、理解されるであろう。

本発明のスプリング要素及び閉鎖手段を装備した排出可能なパウチの斜視図である。 図１の線２−２に沿って得られた拡大断面図である。 図２の線３−３に沿って得られた断面図である。 図２の構造の断面図であるが、真っすぐになった状態のスプリング要素を保持するために折り曲げられた状態の締結ストラップと、閉じた状態のパウチの排出開口とを示している。 この発明のストーマパウチの排出ネックを閉じ、閉じた状態に固定するステップを示す概略図である。 この発明のストーマパウチの排出ネックを閉じ、閉じた状態に固定するステップを示す概略図である。 この発明のストーマパウチの排出ネックを閉じ、閉じた状態に固定するステップを示す概略図である。 この発明のストーマパウチの排出ネックを閉じ、閉じた状態に固定するステップを示す概略図である。 この発明のストーマパウチの排出ネックを閉じ、閉じた状態に固定するステップを示す概略図である。

符号の説明

10 排出可能なストーマパウチ
11 側壁
12 側壁
13 縁部
14 ストーマ受容開口
15 取り付けリング
16 ネック部分
17 排出開口
20 スプリング部材（スプリング要素）
21 スプリング部材（スプリング要素）
22 締結ストラップ
22a 締結ストラップの端部
22b 締結ストラップの端部
23 金属線又はワイヤ
24 取り付けパッチ
25 取り付けパッチ

Claims (5)

1. 柔軟性のあるフィルムからなり互いの縁に沿って接合された概して平行な側壁と、該側壁から下方に延び、該側壁の間に規定されるチャンバから内容物を排出するための排出開口をその終端において形成するネック部分とを有し、前記排出開口で前記ネック部分をなす一対の壁を互いに固定し、且つ前記ネック部分を上方へ折り曲げることによって閉じられる排出可能なストーマパウチにおいて、
   前記ネック部分の前記一対の壁の各々に固定された一対のスプリング部材を備え、該一対のスプリング部材は前記排出開口と隣接すると共に前記ネック部分の一対の壁の全長に亘るよう縁部の間に及んで配置され、通常の緩んだ状態においてはアーチ形に湾曲して横方向に延びるようになっており、
   前記一対のスプリング部材が該通常の緩んだ状態となっているときには、前記一対のスプリング部材が互いから遠ざかるようにして夫々アーチ形に滑らかに曲がった状態となって前記ネック部分の前記一対の壁が該スプリング部材と共に互いに遠ざかるように曲がり、これにより前記排出開口が通常開放されるようになっており、
   前記一対のスプリング部材は、指からの圧力により真っ直ぐに延びる状態となるよう柔軟性を有し、この状態となっているときには前記ネック部分の一対の壁を互いに当接させるように曲げて前記排出開口を閉鎖可能になっており、
   さらに、前記真っ直ぐに延びる状態とされた前記スプリング部材をその状態で保持し且つその保持を解放できるように保持する保持手段を備え、該保持手段は、前記真っ直ぐに延びる状態とされている一対のスプリング部材の周囲で前記ネック部分を少なくとも２回上方へ巻いた状態で固定し且つその固定を解放できるように固定する固定手段を具備することを特徴とする排出可能なストーマパウチ。
2. 前記スプリング部材は、これらが前記ネック部分の壁を前記排出開口で互いから外方に遠ざかるように曲がるように緩んだ状態にあるときに、同一のサイズ及び曲率である請求項１記載の排出可能なストーマパウチ。
3. 前記スプリング部材は、各々、堅いが柔軟性のあるプラスチック材料からなる滑らかに緩やかに曲がったアーチ形のストリップを具備する請求項１記載の排出可能なストーマパウチ。
4. 前記固定手段は、前記スプリング部材の上方に離隔された横断線に沿って前記ネック部分の前記壁のうちの一方に固定された折り曲げ可能である締結ストラップを具備し、該締結ストラップは、前記ネック部分の側縁を越えて横方向に外方に延びる端部を有し、該端部が互いに対してオーバーラップした状態に折り曲げ可能であり、
   前記固定手段は、前記ストラップの端部をオーバーラップした状態で連結し且つその連結を解放できるように連結する取付手段をさらに具備する請求項１記載の排出可能なストーマパウチ。
5. 前記取付手段は、前記端部の対向する面に相互係合するホック・ループ接触パッチである請求項４記載の排出可能なストーマパウチ。

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