JP4562334B2 - 撮像装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
撮像管,CCDイメージセンサ等のイメージセンサで被写体画像を撮影(撮像)した画像を記録媒体に記録するビデオカメラやデジタルスチルカメラ等の撮像装置が知られている。このような撮像装置では、タングステン光源からの光,蛍光灯からの光,昼光等のように分光特性の異なるさまざまな照明光の下で撮影が行われるため、ホワトバランスを調整する機構を備えている。
【0003】
ホワイトバランスの調整は、任意の光源で照明された白色の物体を撮影したときに、その物体が無彩色となるようにR,G,Bのゲインを設定するものである。例えば、現在市販されているデジタルスチルカメラでは、イメージセンサで被写体を撮影することにより得られる撮像信号から、タングステン光源,蛍光灯,昼光等の光源の種類を推定し、推定された光源の種類に応じたゲインを設定することで、ホワイトバランスの調整が自動的に行われる。また、手動で光源の種類を選択することにより、その光源の種類に応じたゲインを設定するものもある。さらには、季節,天候,時間等を入力することにより、その季節,天候,時間等に応じたゲインを設定することで、ホワイトバランスの調整を行うものも知られている(特開2000−278707号公報)。
【0004】
撮影時における照明光の分光分布を測定し、その測定結果に基づいてカラーバランスを補正するための補正係数を求めることにより、適切なホワイトバランスが得られるようにしたデジタルスチルカメラも知られている(例えば、特開平5−122708号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の各手法では、光源の種類や、「季節,天候,時間等」ごとにゲインの値及びその組み合わせを実験的に決めておき、推定された光源、選択された光源、「季節,天候,時間等」に応じて、予め用意されたゲインの組み合わせのうちから1組を選んで設定を行うようにしている。しかしながら、撮像時における光源は多種多様であり、同じ種類に分類される光源であっても、また同じ「季節,天候,時間」であっても、その分光特性がゲインを決定した際の光源と完全に一致することはほとんどなく、ホワイトバランスの調整が正確に行われるものではなかった。
【0006】
また、イメージセンサから得られる撮像信号に基づいて自動的にホワイトバランスを調整する手法では、例えば撮影画面に対する特定の色に占める比率が極端に高い場合等のように、撮影条件によっては光源の種類を誤って推定してしまい、ホワイトバランスが不適切となるといった問題もある。
【0007】
さらに、測定した照明光の分光分布に基づいて補正係数を求めて、ホワイトバランスを調整する手法では、分光分布を測定し補正係数を求めて、ホワイトバランスの調整するまでの処理に時間がかかり、撮影チャンスを逃しやすいという欠点があった。
【0008】
本発明は、上記問題点を考慮してなされたもので、ホワイトバランスを好ましい形態で調整できる撮像装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明では、被写体を照明する照明光の分光分布を測定する測定手段と、測定手段によって測定された分光分布に基づいてホワイトバランスの調整値を算出する算出手段と、光源の種類を選択する光源選択手段と、この光源選択手段で選択される光源の種類に応じたホワイトバランスの調整値を予め用意された複数のホワイトバランスの調整値のうちから選択する調整値選択手段と、第1〜第3のモードのいずれか1モードを選択するモード選択手段と、設定されるホワイトバランスの調整値に基づいて前記イメージセンサからの出力信号のホワイトバランスを調整するホワイトバランス調整手段と、第1のモードの選択時では、レリーズボタンの操作に応答して前記測定手段で測定を行わせて前記算出手段からの調整値を前記ホワイトバランス調整手段に設定し、第2のモードの選択時では、レリーズボタンの操作に応答して前記測定手段で測定を行わせて前記算出手段で算出されたホワイトバランスの調整値に対して、さらに撮影時の照明光の下での見た目の色味となるように前記測定手段で測定された分光分布に応じたCIEの色順応予測反応式に基づく補正を加えた調整値を前記ホワイトバランス調整手段に設定し、第3のモード選択時では、このモードの選択時より、前記調整値選択手段で選択される調整値を前記ホワイトバランス調整手段に設定する制御手段を備えたものである。請求項2記載の発明では、光源選択手段を、イメージセンサが被写体像を撮像して得られる撮像信号に基づいて推定される光源を選択するようにしたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明を実施したデジタルスチルカメラの前面側を図1に、背面側を図2に示す。カメラボディ2の前面には、撮影レンズ3が組み込まれた鏡筒4,光学式ファインダ5の対物窓5a,レリーズボタン6,照明光の分光分布を測定するための測定窓7が配されている。また、背面には、ファインダ5の接眼側窓5b,LCD(液晶表示ディスプレイ)8,操作部9が設けられている。
【0011】
操作部9は、これを操作することにより、電源のオン・オフ,撮影モードと再生モードの切り換え、撮影モード下における補正モードの選択,再生する画像の選択、画像データの消去等を行うことができる。
【0012】
補正モードとしては、第1〜第3補正モードを選択することができる。第1補正モードは、被写体を照明する照明光の分光分布を測定し、その分光分布に基づいてホワイトバランスを調整するモードである。
【0013】
第2補正モードは、第1補正モードと同様に測定した分光分布に基づいてホワイトバランスを調整するとともに、人の目の不完全な色順応を考慮して、撮影時の照明光の下で見た目の色味となるように補正するモードである。第1,第2補正モードの選択時では、レリーズボタン6の半押しに応答して、分光分布の測定から後述する補正係数の算出までの補正係数算出処理が行われる。
【0014】
第1,第2補正モードでは、分光分布の測定を行い、この測定結果に基づいて補正係数を算出するという補正係数算出処理を行うためレリーズボタン6を半押しとしてからホワイトバランスの調整が完了するまでに多少なりとも処理時間を必要とし、レリーズボタン6を全押しとしてから画像データの書き込みまでのタイミングが大きくずれる場合がある。第3補正モードは、このような事情を考慮して、ホワイトバランスの精度を高くするよりも、レリーズボタン6を全押しとしてから画像データの書き込みまでのタイムラグを小さくできるモードとして設けられている。
【0015】
第3補正モードは、予め用意された光源の種類から1つを撮影者が選択し、選択された光源の種類に対して予め決められた補正係数を用いてホワイトバランスを調整する。第3補正モードに切り換えると、その時点、選択する光源の種類が切り換えられた時点より、選択中の光源の種類に応じたホワイトバランスとなるように調整される。
【0016】
第3補正モード下での光源の種類は、操作部9の操作を操作することで選択することができる。したがって、このデジタルスチルカメラでは、操作部9が第1のモード(第1,第2補正モード)と第2のモード(第3補正モード)を選択する選択手段であると同時に、光源の種類を入力する入力手段となっている。
【0017】
上記のように、この例では第3補正モードは、手動で光源の種類を入力するが、CCDイメージセンサ10から得られる撮像信号に基づいて光源の種類を推定する手段を設け、予め用意された補正係数のうちから推定された光源に応じたもの取り出すことでホワイトバランスを自動的的に調整してもよい。なお、この場合には、光源の種類を推定する手段が光源の種類を入力する入力手段となる。
【0018】
光学式ファインダ5を覗くことによって、撮影範囲を観察することができる。
LCD8は、撮影レンズ3を通して撮影される被写体画像をリアルタイムでカラー表示するいわゆる電子ビューファインダを構成するとともに、画像の再生等に使用される。
【0019】
レリーズボタン6を半押しとすると、撮影レンズ3のピント合わせが行われる。撮影レンズ3の奥に配されたCCDイメージセンサ10(図3参照)で撮影(撮像)中の1フレーム分の画像の取り込みが行われ、装着されたメモリカード11に画像データが記録される。なお、第1,第2補正モード下では、レリーズボタン6 を全押しとすると、その直前の半押しに応答して行われる補正係数算出処理が完了してからの画像データがメモリカード11に記録される。これにより、直前に測定された分光分布に基づいてホワイトバランスが調整された画像データをメモリカード11に記録する。
【0020】
カメラボディ2の側面には蓋12が開閉自在に設けられている。この蓋12を開放することにより、メモリスロットが露呈されてメモリカード11の挿脱を行うことができる。測定窓7の奥には、被写体を照明する照明光の分光分布を測定する分光測定器14(図3参照)のセンサが配されている。
【0021】
上記デジタルスチルカメラの要部構成を図3に示す。なお、デジタルスチルカメラには、撮影レンズ3のピント合わせを行う機構,メモリカード11から画像データを読み出す回路等が設けられているが図示を省略している。
【0022】
システムコントローラ15は、レリーズボタン6,操作部9からの操作信号の入力に応じてデジタルスチルカメラの各部を制御する。撮影レンズ3の背後にCCDイメージセンサ10が配置されている。CCDイメージセンサ10は、ドライバ17で駆動され、光学的な被写体画像を電気的な撮像信号に変換して出力する。CCDイメージセンサ10の受光面にはR,G,Bの微小なマイクロカラーフィルタがマトリクス状に配列され、R,G,Bの各色成分を含む撮像信号はアンプ18で適当なレベルに増幅された後、A/D変換器19によって赤色,緑色,青色の各画像データとされる。
【0023】
ホワイトバランス回路21は、R,G,Bの3色のうちの1色、例えば緑色を基準にして他の2色の信号レベルを補正することでホワイトバランスを調整する。この例では、撮像信号をデジタル変換した3色の画像データのうちの赤色画像データに赤色補正係数krg 、青色画像データに青色補正係数kbg をそれぞれ乗じることによって、ホワイトバランスを調整する。この例では、赤色補正係数krg ,青色補正係数kbg がホワイトバランスの調整値となる。
【0024】
なお、画像データに代えてアナログ信号の信号レベルを補正してもよい。この場合には、撮像信号からR,G,Bの各アナログ信号を生成し、これらの各アナログ信号のうちの2色のアナログ信号を増幅する際のゲインを調整値として増減すればよい。
【0025】
第1,第2補正モードでは、分光測定器14の測定結果に基づいて係数演算部22で算出された赤色補正係数krg ,青色補正係数kbg がホワイトバランス回路21にセットされる。また、第3補正モードでは、操作部9で設定された光源に応じた赤色補正係数krg ,青色補正係数Kbg がシステムコントローラ15によってROM23から読み出されて、ホワイトバランス回路21にセットされる
【0026】
ROM23には、一般的な光源の種類、例えばタングステン光源,蛍光灯,昼光等に応じた赤色補正係数krg ,青色補正係数kbg がそれぞれ書き込まれている。ROM23に書き込まれている赤色補正係数krg ,青色補正係数kbg は、例えば典型的な光源の分光分布に基づいて実験的に予め決められている。
【0027】
ホワイトバランス回路21からは、緑色画像データ,赤色補正係数krg が乗算された赤色画像データ,青色補正係数kbg が乗算された青色画像データが出力され、これらがγ変換回路24を介して出力部25に送られる。γ変換回路24は、LCD8上に適切な階調で画像が表示されるように、各画像データに対してγ変換を行う。
【0028】
出力部25は、メモリカード11に画像データの記録を行う記録回路、LCD8及びこのLCD8を画像データに基づいて駆動するLCD駆動回路等からなる。撮影モード下では、γ変換回路24からの画像データは、LCD駆動回路に送られることにより、撮影中の被写体画像が動画としてLCD8に表示される。また、撮影モード下でレリーズボタン6が全押しとされると、1フレーム分の画像データが記録回路によってメモリカード11に書き込まれる。
【0029】
分光測光器14は、第1,第2補正モードが選択されているときに、測定窓7の奥に配されたセンサで被写体を照明する照明光からの光を受光して、その照明光の分光分布P(λ)を測定する。測定した分光分布P(λ)のデータは、係数演算部22内のメモリ22aに書き込まれる。メモリ22a上の分光分布P(λ)のデータは、レリーズボタン6が半押しとされて分光測光器14で測定が行われる毎に更新される。
【0030】
係数演算部22は、ホワイトバランス回路21とともに調整手段を構成する。
この係数演算部22は、分光分布P(λ)のデータの書き込みが完了する毎に、メモリ22aから分光分布P(λ)のデータを読み出す。また、係数演算部22にはCCDイメージセンサ10の赤色,緑色,青色の分光感度r(λ),g(λ),b(λ)が予めセットされている。なお、分光感度r(λ),g(λ),b(λ)は、厳密にはCCDイメージセンサ10に入射する撮影光の光路上に配された撮影レンズ3,CCDイメージセンサ10の前面に取り付けられた赤外線カットフィルタ,光学像の高周波成分を取り除くための光学的なLPF(low pass filter) 等の分光透過率を考慮したものである。
【0031】
係数演算部22は、測定して得られる分光分布P(λ)、及びCCDイメージセンサ10の赤色,緑色,青色の分光感度r(λ),g(λ),b(λ)を次の(1)〜(3)式に適用して赤色,緑色,青色の信号レベルR1 ,G1 ,B1 を算出する。
【0032】
【数1】
Figure 0004562334
【0033】
係数演算部22は、(1)〜(3)式で算出した各信号レベルR1 ,G1 ,B1 を次の(4)式に適用してマトリクス演算を行うことにより、デジタルカメラ毎の個体差等を考慮した色味の微調整した信号レベルR2 ,G2 ,B2 を算出する。なお、(4)式中の値m11〜m33は、デジタルカメラ毎の個体差等を考慮した色味の微調整のレベルに応じて決められる。
【0034】
【数2】
Figure 0004562334
【0035】
係数演算部22は、第1補正モード下では、(4)式から得られる各信号レベルR2 ,G2 ,B2 を次の(5),(6)式に適用して、緑色を基準としてホワイトバランスを調整するための赤色補正係数krg ,青色補正係数kbg を算出する。
【0036】
【数3】
Figure 0004562334
【0037】
一方、第2補正モード下では、係数演算部22は、不完全な色順応に応じたホワイトバランスの調整を行うために、(4)式から得られる信号レベルR2 ,G2 ,B2 に対して、CIEの色順予測反応式に基づいた補正を加えてから、赤色補正係数krg ,青色補正係数kbg を算出する。なお、この補正をする際には、分光測定器14で測定された照明光の分光分布P(λ)に応じたパラメータが用いられる。
【0038】
次に上記構成の作用について図4を参照しながら説明する。撮影モード下では、これまでのデジタルカメラと同様、CCDイメージセンサ10が撮影した被写体画像の画像データがA/D変換器19からホワイトバランス回路21,γ補正回路24を介して連続的に出力回路25に送られる。これにより、LCD8に撮影中の被写体画像が動画としてカラー表示される。
【0039】
このようにLCD8には被写体画像がカラー表示されるが、この時点で設定されている赤色補正係数krg ,青色補正係数kbg が被写体を照明する照明光に対応したものでなければ適切なホワイトバランスとはなっておらず、被写体の色味が不適切なものとなっている。
【0040】
例えば第1補正モードが選択された状態で、レリーズボタン6が半押しとされると、これに応答してシステムコントローラ15からの指示により分光測光器14による被写体を照明する照明光の分光分布P(λ)の測定が行われ、この測定により得られる分光分布P(λ)のデータが係数演算部22のメモリ22aに書き込まれる。
【0041】
分光分布P(λ)の測定終了後、係数演算部22は、メモリ22aに書き込まれた分光分布P(λ)のデータと、CCDイメージセンサ10の各分光感度r(λ),g(λ),b(λ)を上記の(1)〜(3)式に適用して、信号レベルR1 ,G1 ,B1 を求め、引き続き信号レベルR1 ,G1 ,B1 を上記(4)式に適用してマトリクス演算を行い、信号レベルR2 ,G2 ,B2 を求める。
【0042】
このようにして、現在の照明光の下で白色を撮影したときに相当する各色の信号レベルR2 ,G2 ,B2 を算出する。そして、これら各色の信号レベルR2 ,G2 ,B2 を上記(5)式に適用することより、ホワイトバランスをとるための赤色補正係数krg ,青色補正係数kbg がそれぞれ求められる。このようにして、補正係数算出処理が完了すると、係数演算部22は、算出した赤色補正係数krg ,青色補正係数kbg がホワイトバランス回路21にセットする。
【0043】
赤色補正係数krg ,青色補正係数kbg がホワイトバランス回路21にセットされると、これ以降に入力される3色の画像データのうちの赤色画像データと青色画像データには、今回セットされた赤色補正係数krg ,青色補正係数kbg が乗算されて出力されるようになる。そして、緑色画像データとともに、補正係数が乗算された赤色画像データ,青色画像データがホワイトバランス回路21からγ変換回路24を経て出力部25に送られる。
【0044】
これにより、緑色画像データと、赤色補正係数krg ,青色補正係数kbg で補正された赤色画像データ及び青色画像データとによってLCD8が駆動される。赤色補正係数krg ,青色補正係数kbg は、前述のように被写体を照明する照明光の分光分布P(λ)に基づいて作成されたものであるから、ホワイトバランスが正しく調整された状態でLCD8上に被写体画像が表示される。また、このように測定した照明光の分光分布P(λ)に基づいてホワイトバランスの調整を行うから、どのような分光分布の光源であっても極めて精度よくホワイトバランスの調整が行われる。
【0045】
さらにレリーズボタン6を押し込んで全押しとすると、上記のようにしてホワイトバランスが精度よく調整された1フレーム分の画像データがメモリカード11に書き込まれる。
【0046】
なお、ホワイトバランスが適切に調整されていない状態で、レリーズボタン6を押圧操作して全押しとした場合では、その押圧操作の途中でレリーズボタン6が半押しとなった段階で、上記のように照明光の分光分布P(λ)から赤色補正係数krg ,青色補正係数kbg の算出までのは補正係数算出処理が行われる。そして、これらの赤色補正係数krg ,青色補正係数kbg で補正された赤色,青色の画像データを含む1フレーム分の画像データがメモリカード11に書き込まれる。したがって、ホワイトバランスが適切に調整されていない状態でレリーズボタン6を押圧操作して全押しとした場合でも、ホワイトバランスが適切に調整された画像データが記録される。
【0047】
第2補正モードが選択されている場合では、第1補正モード時と同様に、レリーズボタン6が半押しとされた時点で照明光の分光分布P(λ)の測定が行われ、上記(1)〜(3)式,(4)式により各信号レベルR2 ,G2 ,B2 が求められる。そして、この後に、色順応予測式に基づいた補正が施された各信号レベルR2 ,G2 ,B2 から得られる赤色補正係数krg ,青色補正係数kbg がホワイトバランス回路21にセットされる。
【0048】
したがって、第2補正モードでは、色順応予測式に基づいた補正が加えられることにより、不完全な色順応を考慮した被写体画像がLCD8に表示され、またその画像データがメモリカード11に記録される。この第2補正モードでは、第1補正モードと同様にしてホワイトバランスを適切に調整した状態で、色順応予測式に基づいた補正を加えているから、色順応予測式に基づいた適切な色再現性が得られる。
【0049】
例えば動きの速い被写体をさつするような場合で、ホワイトバランスの調整精度よりもシャッタチャンスを優先させたい場合では、操作部9を操作して第3補正モードを選択する。第3補正モードを選択した場合には、撮影者は、さらに操作部9を操作して被写体を照明している光源の種類を選択する。光源の種類を選択すると、その光源に応じた赤色補正係数krg ,青色補正係数kbg がROM23からシステムコントローラ15によって読み出され、ホワイトバランス回路21にセットされる。
【0050】
そして、A/Dコンバータ19から出力される画像データのうちの赤色画像データに赤色補正係数krg が、青色画像データに青色補正係数kbg がそれぞれホ乗算され、緑色画像データとともにγ変換回路24を経て出力部25に送られて、被写体画像がLCD8に表示され、またレリーズボタン6を全押しとすればその画像データがメモリカード11に記録される。
【0051】
このように第3補正モードでは、そのモードが選択された時点でホワイトバランスが調整された状態となり、レリーズボタン6を全押しとすれば、タイムラグがほとんどなく1フレーム分の画像データがメモリカード11に記録される。
【0052】
上記実施形態では、電源をオンとした後では、レリーズボタンを半押しとしすることで、はじめてホワイトバランスの調整が行われるが、電源をオンとした直後に自動的に行われるようにしてもよい。さらに、上記実施形態では、画像データをメモリカードに記録するデジタルカメラについて説明したが、動画をアナログ信号や画像データで記録するビデオカメラであってもよく、撮影した画像をアナログ信号や画像データで出力するものでもよい。ビデオカメラ等のようにレリーズボタンを持たないものでは、録画開始ボタンの操作でホワイトバランスを調整するための処理を開始させたり、それ専用の操作ボタンを設けてもよい。また、外部からの操作によらず、例えば一定の周期でホワイトバランスの調整が行われるようにしてもよい。
【0053】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の撮像装置によれば、被写体を照明する照明光の分光分布を測定して、この測定された分光分布に基づいてホワイトバランスを調整する第1のモードと、光源の種類を入力し、この入力された光源の種類に応じて予め用意された調整値を用いて、ホワイトバランスを調整する第2のモードとを切り換え可能にしたから、撮影条件に応じてホワイトバランスを精度よく調整可能な第1のモードと、撮影時のタイムラグがほとんどない第2のモードとを使い分けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したデジタルカメラの前面側外観を示す斜視図である。
【図2】デジタルカメラの背面側外観を示す斜視図である。
【図3】デジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【図4】撮影時の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
3 撮影レンズ
6 レリーズボタン
7 測光窓
10 CCDイメージセンサ
14 分光測光器
21 ホワイトバランス回路
22 係数演算部

Claims (2)

  1. レリーズボタンの操作に応答して、イメージセンサで撮像した被写体像を記録する撮像装置において、
    被写体を照明する照明光の分光分布を測定する測定手段と、前記測定手段によって測定された分光分布に基づいてホワイトバランスの調整値を算出する算出手段と、光源の種類を選択する光源選択手段と、この光源選択手段で選択される光源の種類に応じたホワイトバランスの調整値を予め用意された複数のホワイトバランスの調整値のうちから選択する調整値選択手段と、第1〜第3のモードのいずれか1モードを選択するモード選択手段と、設定されるホワイトバランスの調整値に基づいて前記イメージセンサからの出力信号のホワイトバランスを調整するホワイトバランス調整手段と、第1のモードの選択時では、レリーズボタンの操作に応答して前記測定手段で測定を行わせて前記算出手段からの調整値を前記ホワイトバランス調整手段に設定し、第2のモードの選択時では、レリーズボタンの操作に応答して前記測定手段で測定を行わせて前記算出手段で算出されたホワイトバランスの調整値に対して、さらに撮影時の照明光の下での見た目の色味となるように前記測定手段で測定された分光分布に応じたCIEの色順応予測反応式に基づく補正を加えた調整値を前記ホワイトバランス調整手段に設定し、第3のモード選択時では、このモードの選択時より、前記調整値選択手段で選択される調整値を前記ホワイトバランス調整手段に設定する制御手段を備えたことを特徴とする撮像装置。
  2. 前記光源選択手段は、前記イメージセンサが被写体像を撮像して得られる撮像信号に基づいて推定される光源を選択することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
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