JP4562106B2 - 超音波診断装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、脈波検出装置や超音波画像診断装置等、診断部位へ超音波を送信し、その反射波に基づいて、診断部位の情報を取得する超音波診断装置に係り、詳細には、良好な感度で診断部位を診断できる超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、超音波を用いて生体や物体の情報を得る超音波診断装置はよく知られている。この超音波診断装置は、被験者や診断物の診断部位へ超音波を照射(送信)し、診断部位で反射されてきた反射波を検知し、この検知結果に基づいて、診断部位についての情報を取得する。例えば、超音波による脈波検出装置では、被験者のとう骨動脈に向けて超音波を送信し、反射波の振幅や周波数の変化から、脈波波形や脈拍数を取得する。
【0003】
このような超音波診断装置は、図13に一例を示すように、診断部位に当接されて超音波を発信する超音波送信手段や反射波を受信する超音波受信手段を有するセンサ部600が、診断部位に当接される側と逆側を、接着剤等によって、ベルト等の支持手段100に固着されて構成されている。
そして、超音波診断時には、支持手段100によってセンサ部600を被験者等の診断部位表面に固定して使用される。センサ部600は、直接またはシリコンゲル等の音響整合用材料よりなる層を介して、診断部位に当接される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような超音波診断装置では、超音波はセンサ部600の超音波送信手段から支持手段100の方向へも送信される。そして支持手段100の方向へ送信された超音波は、センサ部600と支持手段100との界面で反射し、支持手段100を伝播し、ノイズ信号として超音波受信手段に受信される場合がある。また、外部の超音波ノイズが支持手段100を伝搬して超音波受信手段に受信されてしまう場合もある。そして、このように、超音波受信手段がノイズ信号を受信することで、受信した超音波に基づいた診断部位についての情報の検出感度が低下してしまう可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は、良好な感度で診断部位を診断できる超音波診断装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、診断部位へ超音波を送信する超音波送信手段、及び前記超音波の前記診断部位からの反射波を受信する超音波受信手段を有するセンサ部と、前記センサ部を、その背面側から、前記診断部位に対して固定して支持する支持手段と、前記超音波受信手段で受信した前記反射波に基づいて、前記診断部位の情報を取得する情報取得手段と、前記センサ部の近傍の前記支持手段に、前記支持手段の幅方向に形成され、前記支持手段内の超音波の伝播を減衰する超音波減衰溝と、を備える超音波診断装置を提供する。
請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明において、前記超音波減衰溝は、中空である。
請求項3記載の発明では、請求項1記載の発明において、前記超音波減衰溝は、超音波の伝播を減衰する超音波減衰性の材料が充填されている。
請求項4記載の発明では、請求項1、請求項2、または請求項3のいずれか1項に記載の発明において、前記支持手段の、前記センサ部と対向する部位に、前記センサ部に対して凹んで形成される超音波減衰凹欠部を更に備える。
請求項5記載の発明では、請求項4に記載の発明において、前記超音波減衰凹欠部は、超音波の伝播を減衰する超音波減衰性の材料が充填されている。
請求項6記載の発明では、請求項3または請求項5に記載の発明において、前記超音波減衰性の材料は、タングステン粉末を含有するエポキシ樹脂、又は多孔質材料である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図1から図5を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の超音波診断装置の一実施形態としての脈波検出装置を被験者に装着した状態で表した斜視図であり、図2は、図1の脈波検出装置を被験者に装着した状態で被験者の腕の付け根側から手先側へ向かって見た側面図である。
この図1及び図2に示すように、本実施形態の脈波検出装置1は、診断部位であるとう骨動脈へ超音波を送信する超音波送信手段としての送信用圧電素子及び超音波のとう骨動脈からの反射波を受信する超音波受信手段としての受信用圧電素子を有するセンサ部4と、このセンサ部4を、その背面側(センサ部4の、診断部位と逆側、また、とう骨動脈への超音波を発信する側と逆側、また、被験者に当接される側と逆側)から、とう骨動脈外方の体表面に固定しセンサ部4をとう骨動脈に対して固定的に保持する支持手段としてのベルト50と、受信用圧電素子で受信した反射波に基づいて、とう骨動脈の脈波波形と脈拍数(心拍数)を取得する情報取得手段としての処理部3とを備えている。
そして、センサ部4と、ベルト50との間には、超音波の伝播を減衰する超音波減衰部としての空隙62が介在配置されている。
【0009】
続いて、本実施形態の脈波検出装置1について、更に詳細に説明すると、ベルト50は、図2に示すように、2つの部分50b,50cに分断されており、これらの間に処理部3が連接されている。そしてこのベルト50は、被験者の手首に巻き回され、留め具6によって両端部が連結されることによって、被験者の手首の周囲に固定されるようになっている。
処理部3は、表示部33を備えており、ベルト50の装着状態における外周面側に表示部33が配置されている。センサ部4は、ベルト50の装着状態における内周面50a側に固定されており、処理部3を手の甲側にして装着者の左(又は右)手首2に取り付けると、センサ部4が、装着者のほぼとう骨動脈22上に位置して、固定されるようになっている。
【0010】
図3は、センサ部4の概略構成を表した分解斜視図であり、図4は、センサ部4がベルト50に固定された状態をベルト50の長さ方向から見た断面図である。
この図3に示すように、センサ部4は、電極(図示されず)を有する下側基板44と、この下側基板44に重ねられ、該下側基板44とほぼ同形の上側基板48とを備えている。そして、下側基板44と上側基板48との間に、一対の圧電素子(送信用圧電素子41及び受信用圧電素子42)が、前記下側基板44の電極と接触するように固定され、下側基板44と上側基板48との間に圧電素子41,42が挟まれた状態になっている。
【0011】
ベルト50は、図4に示すように、肉厚の帯状体の一方の面に、対向面側に窪んだ凹欠部49が形成された形状をしており、装着状態では、この凹欠部49側が内周面50a側となるようになっている。
そして、センサ部4の周縁が、ベルト50の凹欠部49の周囲に接着剤により固定され、センサ部4が凹欠部49を被覆している。これにより、センサ部4とベルト50との間に、空隙62が形成され、この空隙62が、超音波の伝播を減衰する超音波減衰部として機能するようになっている。
センサ部4をベルト50に固定する接着材としては、従来技術においてセンサ部4をベルト50に固定するのに使用されているものを特に制限することなく用いることができる。なお、本実施の形態では、上側基板48としてガラスを使用したが、音響整合を考慮して音響インピーダンスが人体と圧電素子(PZT等)との中間の値であるエポキシ樹脂などを上側基板48の代わりに塗布することも可能である。
【0012】
送信用圧電素子41は、駆動信号を受信し、動脈に向けて、振幅変調による32KHzの超音波を発信する。このように発信周波数は、時計の発信周波数と共通であるため、脈波検出装置1を時計に配置した場合、時計の発信器を共通に使用し、必要に応じて増幅した後に出力することができ、脈波検出装置1の部品点数を少なく抑えて、安価に製造することが可能である。
送信用圧電素子41及び受信用圧電素子42は、それぞれ、下側基板44及び上側基板48を介してベルト50に埋設された信号線(図示せず)に接続されている。本実施の形態では、送信用圧電素子41と受信用圧電素子42を別個に用いたが、1枚の圧電素子で発信し、一定時間後に受信される反射波を同一の圧電素子で受信しても良い。また、複数枚あるいは複数組の圧電素子を使用することも可能である。
【0013】
図5は、図1の脈波検出装置1の構成を表したブロック図である。
この図5に示すように、処理部3は、送信用圧電素子41を駆動する駆動信号を発信する駆動回路32、受信用圧電素子42で受信した超音波に基づく信号を処理することにより脈波波形と脈拍数を得る演算処理部31、及び、演算処理部31で取得した脈波波形と脈拍数とを表示する表示部33とを備えている。
【0014】
駆動回路32は、水晶等の振動子による発信源を備え、その固有振動数に応じた周波数の交流を発生させ、この周波数を何分の1かに分周して、32KHzの高周波を得る。そして、この32KHzの高周波を信号線を介して送信用圧電素子41に送信して送信用圧電素子41を駆動し、この送信用圧電素子41から装着者の体表面へ向けて超音波を発信させる。
演算処理部31は、とう骨動脈で反射された反射波を受信した受信用圧電素子42からの受信信号を検波し、検波した受信信号に基づいて、脈波信号を形成する。また、脈波信号のピーク間の時間間隔を所定回数(例えば、3回、5回、7回、10回等)測定し、各回の測定時間の平均時間Tから1分間の脈波数Vを次の数式(1)に従って求める。
V=60/T … (1)
なお、脈波間の平均時間Tから脈波数を求める場合に限られず、例えば、所定時間t(例えば、10秒)内に存在する脈波数wを検出し、次の数式(2)により1分間の脈波数Vを求めるようにしてもよい。
V=w×(60/t) … (2)
演算処理部31で取得された脈波波形と脈拍数は、表示部33に出力され、表示部33で表示されるようになっている。この表示部33は、液晶表示装置で構成することで脈拍数や脈波信号を画像表示し、又はパネルに脈波数を電光表示するようにしてもよい。
【0015】
上述のような構成の脈波検出装置1は、脈波の測定に際して、センサ部4がとう骨動脈22のほぼ上方となるように、体表上に配置し、ベルト50を締めて被験者の手首2周りに固定する。
この状態で、脈波検出装置1の電源が投入されると、駆動回路32が送信用圧電素子41を駆動させ、送信用圧電素子41からは、32KHzの周波数の超音波が、とう骨動脈22に向けて発信される。このとき、送信用圧電素子41からの超音波は、外周面側にも発信される。外周面側に発信された超音波は、空隙によって減衰、吸収される。
とう骨動脈22へ向けて発信された超音波は、とう骨動脈22の血流によって、反射される。超音波は、血流によって減衰され振幅変調される。この振幅変調の度合いは、血圧に応じて変動する。従って、反射波は、血圧に応じて振幅変調した波形となっている。
【0016】
そして、反射波は、受信用圧電素子42で受信される。この受信用圧電素子42には、外部からの超音波等もベルト50から伝播してくるが、ベルトの外方側からセンサへの方向に伝播してくる分については空隙46で減衰、吸収される。
受信用圧電素子42においては、受信した反射波に基づいて受信信号が生成される。この受信信号は、受信用圧電素子42から図示しない信号線を介して処理部3の演算処理部31に送信される。
演算処理部33では、受信した信号を、通常のAM検波と同様に検波する。即ち、ダイオードによる整流とコンデンサによる平滑化の後、負荷抵抗の両端子電圧としてた検波信号を取得する。そしてこの検波信号に基づいて、脈拍数が計数され、脈波信号が形成される。
演算処理部31で計数された脈拍数や脈波信号は、表示部33に供給され、表示部33において、脈拍数や脈波信号が表示される。本実施の形態では、AM検波を用いて検波したが、血流によるドップラ効果で変化する反射波の周波数を検知しても良い。その場合、演算処理部33を適宜変更する必要がある。また、本実施の形態は32KHzの周波数を使用したが、これに限定されず、1〜10MHz程度であれば、使用することができる。
【0017】
このように、本実施形態の脈波検出装置1では、ベルトのセンサ部4を取り付ける取り付け部が凹状に形成されていることにより、センサ部4とベルト50との間に空隙が形成されている。従って、センサ部4からベルト50に向けて送信された超音波は、空隙62によって減衰され、吸収される。その結果、センサ部4からベルト50に伝播され、受信用圧電素子42で受信されるノイズが、減少する。
また、外部からベルトに入射し、ベルトの外方側からセンサへ向けて伝播してくる超音波も、空隙62で減衰、吸収される。従って、この点からも、受信用圧電素子42で受信されるノイズが減少する。
そして、受信用圧電素子42で受信されるノイズが少ないので、受信信号に基づいて脈波情報を高い感度で検出することが可能となる。
【0018】
尚、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載された範囲内において種々の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態においては、凹欠部49はベルト50の外周表面から一段だけ窪んだ形状に形成されており、センサ部4はベルトの外周表面に固着され、凹欠部49全体が空隙62となっている。しかし、凹欠部49の形状はこれに限られるものではなく、図6に示すように、凹欠部49を途中に段部49aを有する形状として、段部49aにセンサ部4を固定して、凹欠部49のうち段部49aよりも底側を空隙62としてもよい。このように凹欠部49の途中までセンサ部4を埋没させることによって、センサ部4の厚みを制限することなく、センサ部4を適度な量で突出させ、センサ部4の診断部位に対する接触の強度を適正な度合いに設定し、センサ部4の診断部位への当接が強すぎて診断部位の状態が変化したり当接が弱すぎて反射光の検出感度が低下するのを、回避することが可能である。
上述の実施形態及び変形例においては、ベルト50の凹欠部49が空隙62となっており、この空隙62が超音波減衰部として機能しているが、超音波減衰部は空隙ではなく、超音波の伝播を減衰する材料で形成されたものとすることもできる。例えば、上述の実施形態の凹欠部49を、タングステン粉末を含有するエポキシ樹脂や、多孔質材料よりなる多孔質材で充填して超音波減衰部とする等である。
【0019】
また、上述の実施形態及び変形例においては、ベルトに凹欠部49を形成しこの凹欠部49を利用して超音波減衰部を形成しているが、ベルト50に凹欠部49を形成せず、図7に示すように、帯状のベルト50とセンサ部4との間に超音波の伝播を減衰する材料で形成された超音波減衰部材60を挟み込み固定し、この超音波減衰部材60を超音波減衰部として機能させてもよい。超音波減衰部を、ベルト50とセンサ部4との間に固定された超音波減衰部材60で形成することによって、超音波減衰部が、ベルト50とセンサ部4との間全てに介在配置され、センサ部4はいずれの部分もベルト50に直接接触しない状態となる。その結果、センサ部4とベルト50との境界部における超音波の反射に加えて、ベルト50を伝播してきた超音波についても、センサ部4へ入射する前に確実に超音波減衰部で減衰、吸収される。超音波の伝播を減衰する材料としては、タングステン粉末を含有するエポキシ樹脂、又は多孔質材を挙げることができる。
【0020】
また、上述の実施形態及び各変形例においては、センサ部(センサ部)4とベルト(支持手段)50との間に、空隙62や超音波減衰部材60(超音波減衰部)が介在配置されているが、この空隙62や超音波減衰部材60とともに、またはこの空隙62や超音波減衰部材60に代えて、ベルト50の、センサ部4が固定される固定部の近傍に、ベルト50内の超音波の伝播を減衰する超音波減衰部を形成してもよい。図8から図11までには、このような例の超音波診断装置が示されている。
図8に示す変形例は、図6に示す超音波診断装置において、凹欠部49のうち外周面側から段部49aまでをより広く形成し、センサ部4をその中央に固定し、凹欠部49の周面とセンサ部4との間に空隙を設け、この空隙をベルト内の超音波の伝播を減衰する超音波減衰部(第2の超音波減衰部)63としている。この図8に示す変形例では、ベルトの内周面50a側を伝播してきた超音波が第2の超音波減衰部63によって減衰、吸収され、センサ部4への伝播が回避される。従って、センサ部4とベルト50との界面での反射によりセンサ部4に戻ってきたために発生した超音波ノイズと、反射によりベルトに入射したり外部から入射したノイズの両方について、受信用圧電素子42に受信されるのを良好に回避することができる。
【0021】
図9に示す変形例は、センサ部4は、ベルト50に直接接着剤で固着されている。そして、ベルトの、センサ部4を固定する固定部52の周囲に、溝53が穿設形成されており、この溝53内の空隙が超音波減衰部63となっている。また、図10に示す変形例においては、センサ部4は、ベルト50に直接接着剤で固着されており、ベルト50の、センサ部4を固定した固定部の近傍に、ベルト4の幅方向に亘る溝53,53が穿設形成されており、この溝53,53内の空隙が超音波減衰部となっている。尚、空隙はそのまま超音波減衰部とすることもできるが、タングステン粉末を含有するエポキシ樹脂、又は多孔質材料等の超音波減衰性の材料を充填して超音波減衰部としてもよいことは、他の例と同様である。
図9に示す変形例や、図10に示す変形例のように、ベルト(支持手段)50の、センサ部(センサ部)4が固定される固定部の近傍に、ベルト(支持手段)50内の超音波の伝播を減衰する空隙63を形成することによって、センサ部4とベルト50との界面での反射によりベルト50に入射したり外部から入射したノイズが、ベルト50を伝播して、受信用圧電素子42に受信されるのを回避することができ、この点から、良好な感度で診断部位を診断可能である。
【0022】
図11に示す変形例は、上述の実施形態(図1から図5)において、図10と同様に、センサ部4を固定した固定部の近傍に、ベルト50の幅方向に亘る溝53を穿設形成し、溝53内の空隙を第2の超音波減衰部としたものである。この変形例においても、図8に示す変形例と同様に、センサ部4とベルト50との界面での反射によりセンサ部4に戻ってきたために発生した超音波ノイズと、反射によりベルトに入射したり外部から入射したノイズの両方について、受信用圧電素子42に受信されるのを良好に回避することができる。
上述の実施形態及び各変形例においては、センサ部4が固定されるベルト50の内周面50a側に凹欠部49を形成してセンサ部4とベルト50との間に超音波減衰部を配設しているが、センサ部4とベルト50の間に超音波減衰部を配設する場合に、ベルト50の内周面50aに凹欠部49を形成せずに、ベルト50の内周面50a側に、突部55を設け、この突部55にセンサ部4を固定することによって、センサ部4とベルト50との間に空隙62を設け、この空隙をそのまま、または超音波減衰性の材料を充填して、超音波減衰部としてもよい。この突部55は、ベルトの幅方向に亘って2本設けても、センサ部4よりも各辺の長さの小さい四角形状等の筒状としてもよい。
【0023】
上述の実施形態及び各変形例においては、超音波診断装置は、脈波検出装置であるが、本発明が適用される超音波診断装置は脈波検出装置に限られるものではなく、本発明の超音波診断装置は、診断部位へ超音波を送信する超音波送信手段、及び前記超音波の前記診断部位からの反射波を受信する超音波受信手段を有するセンサ部と、前記センサ部を、その背面側から、前記診断部位に対して固定して支持する支持手段と、前記超音波受信手段で受信した前記反射波に基づいて、前記診断部位の情報を取得する情報取得手段とを備えたものであればよく、例えば、超音波により体内の画像を得る画像診断装置や、超音波により建物等の損傷を探索する超音波探傷装置、各種の計測装置等とすることもできる。
上述の各変形は、適宜重複して採用することが可能である。
本実施形態は、診断部位へ超音波を送信する超音波送信手段、及び前記超音波の前記診断部位からの反射波を受信する超音波受信手段を有するセンサ部と、前記センサ部を、その背面側から、前記診断部位に対して固定して支持する支持手段と、前記超音波受信手段で受信した前記反射波に基づいて、前記診断部位の情報を取得する情報取得手段とを備え、前記センサ部と前記支持手段との間には、前記超音波の伝播を減衰する超音波減衰部が介在配置されている超音波診断装置(第1の構成)を提供することにより、前記目的を達成する。
この第1の構成の超音波診断装置では、前記支持手段が、前記センサ部と対向し且つ前記センサ部に対して凹んだ凹欠部が形成されており、前記センサ部と前記凹欠部との間の空隙が、前記超音波減衰部として機能する超音波診断装置(第2の構成)とすることができる。
前記第1の構成の超音波診断装置は、前記超音波減衰部が、超音波の伝播を減衰する超音波減衰性の材料よりなる超音波減衰部材である超音波診断装置(第3の構成)とすることができる。
また、本実施形態は、診断部位へ超音波を送信する超音波送信手段、及び前記超音波の前記診断部位からの反射波を受信する超音波受信手段を有するセンサ部と、前記センサ部を、その背面側から、前記診断部位に対して固定して支持する支持手段と、前記超音波受信手段で受信した前記反射波に基づいて、前記診断部位の情報を取得する情報取得手段とを備え、前記支持手段には、前記センサ部が固定される固定部の近傍に、前記支持手段内の超音波の伝播を減衰する超音波減衰部が形成されている超音波診断装置(第4の構成)を提供することにより、前記目的を達成する。
前記第4の構成の超音波診断装置は、前記超音波減衰部は、前記支持部材の前記センサ部側の面に形成された中空の溝である超音波診断装置(第5の構成)とすることができる。
前記第4の構成の超音波診断装置は、前記超音波減衰部は、前記支持部材に形成された溝に、超音波の伝播を減衰する超音波減衰性の材料を充填してなる超音波診断装置(第6の構成)とすることができる。
前記第3の構成または前記第6の構成の超音波診断装置は、前記超音波減衰性の材料は、タングステン粉末を含有するエポキシ樹脂、又は多孔質材料である超音波診断装置(第7の構成)とすることができる。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る超音波診断装置によれば、超音波ノイズが減少し、良好な感度で診断部位を診断することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超音波診断装置の一実施形態としての脈波検出装置を被験者に装着した状態で表した斜視図である。
【図2】図1の脈波検出装置を被験者に装着した状態で被験者の腕の付け根側から見た側面図である。
【図3】センサ部の概略構成を表した分解斜視図である。
【図4】センサ部がベルトに固定された状態をベルトの長さ方向から見た要部断面図である。
【図5】図1の脈波検出装置の構成を表したブロック図である。
【図6】本発明の超音波診断装置の他の例を示す要部図であり、(a)はベルトの長さ方向から見た断面図、(b)は要部斜視図である。
【図7】本発明の超音波診断装置の他の例を示す要部斜視図である。
【図8】本発明の超音波診断装置の他の例を示す、ベルトの長さ方向から見た要部断面図である。
【図9】本発明の超音波診断装置の他の例を示す要部斜視図である。
【図10】本発明の超音波診断装置の他の例を示す要部斜視図である。
【図11】本発明の超音波診断装置の他の例を示す、ベルトの長さ方向から見た要部断面図である。
【図12】本発明の超音波診断装置の他の例を示す、要部断面面図である。
【図13】従来技術の超音波診断装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 超音波診断装置(脈波検出装置)
3 処理部
31 演算処理部
32 駆動回路
33 表示部
4 センサ部
41 送信用圧電素子
42 受信用圧電素子
44 下側基板
45 支持体
46 上側基板
49 凹欠部
49a段部
50 ベルト
50a内周面
52 固定部
53 溝
55 突部
60 超音波減衰部材
62 空隙
63 空隙
Claims (6)
- 診断部位へ超音波を送信する超音波送信手段、及び前記超音波の前記診断部位からの反射波を受信する超音波受信手段を有するセンサ部と、
前記センサ部を、その背面側から、前記診断部位に対して固定して支持する支持手段と、
前記超音波受信手段で受信した前記反射波に基づいて、前記診断部位の情報を取得する情報取得手段と、
前記センサ部の近傍の前記支持手段に、前記支持手段の幅方向に形成され、前記支持手段内の超音波の伝播を減衰する超音波減衰溝と、
を備えることを特徴とする超音波診断装置。 - 前記超音波減衰溝は、中空であることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
- 前記超音波減衰溝は、超音波の伝播を減衰する超音波減衰性の材料が充填されていることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
- 前記支持手段の、前記センサ部と対向する部位に、前記センサ部に対して凹んで形成される超音波減衰凹欠部を更に備えることを特徴とする請求項1、請求項2、または請求項3のいずれか1項に記載の超音波診断装置。
- 前記超音波減衰凹欠部は、超音波の伝播を減衰する超音波減衰性の材料が充填されていることを特徴とする請求項4に記載の超音波診断装置。
- 前記超音波減衰性の材料は、タングステン粉末を含有するエポキシ樹脂、又は多孔質材料であることを特徴とする請求項3または請求項5に記載の超音波診断装置。
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