JP4561184B2 - 対空通信システム - Google Patents

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Description

本発明は、飛行中の航空機などと管制卓との間で対空通信を行う対空通信システムに関する。
現在、航空管制通信にはアナログ方式が採用されている。このアナログ方式は送れるデータ量が少なく、セキリュリテイ上の問題がある。そこで、国際民間航空機関(ICAO; International Civil Aviation Organization)でデジタル化が進められており、そのICAOはデジタル音声のシステムを推奨している。このデジタル化の推進のために種々の研究開発が行われている(非特許文献1,特許文献1など)。
ICAOはVHFデジタルリンク(VDL;VHF
Digital Link)を次世代の空地間航空通信システムに採用する予定である。このVDLモード3システムを航空管制業務に導入するにあたっては、通信の遅延時間,スループット,優先伝送機能,信頼性等の実用システムでの性能や機能を明らかにする必要があり、ICAOの規格によれば、デジタル音声の伝送遅延量のスペックとして400msecを規定している。この遅延量は管制官が音声を発してからパイロットが聞くまでの時間の遅れを示している。管制官とパイロットとの会話に遅れが生じると、管制官は複数台の航空機をコントロールしているため、その管制業務に支障を来してしまう。そこで、前記遅延量を規格している。
VDL3モードの概要について説明すると、現用無線電話と同様に1チャンネル25KHz幅のチャネルを使用する。そして、時分割多重アクセス(TDMA;Time Division Multiple Access)方式により従来の25KHzを複数のチャンネルに分割して運用することが考えられている。TDMAにより1つのフレーム(120ms)は3つないし4つの時間スロットに分割され、各々を個別のチャネルとして運用することができる(非特許文献1)。
デジタル音声化にはボコーダを使用することとなる。このボコーダは、アナログ信号を分析してデジタル信号を蓄積し、バースト信号が出力される毎にフレーム単位でデジタル信号を出力する。したがって、デジタル信号の送信タイミングが同期していないと、ボコード処理したデジタル信号を対応する時間スロットで出力することができず、VDLモード3のフレームフォーマットでは後続の時間スロットで送信することとなり、デジタル音声の送信に遅延若しくは欠落が生じてしまう。このデジタル信号の伝送遅延を排除するには、ボコーダとデジタル送信機とを接近させて設置すれば、伝送距離がほぼ零に近いため、開発は上述した環境の下で行われているのが実情である(非特許文献1)。
特許第3041284号公報 電子航法研究報告 No.1082004.1 発行 独立行政法人 電子航法研究所
現状の航空管制通信システムについて考察すると、レーダーを用いて航空機を管制するための管制卓は例えば所沢に設置され、この管制卓からの音声信号を送信するための送信所が東久留米などに設置されている。そして、管制卓と送信所との間がアナログ回線の専用線にて接続されている。この構成によれば、管制卓を中心として複数の空港が全国に存在する場合に、アナログ回線網が放射状に存在することとなる。このようにアナログ回線網が放射状に存在すると、回線使用料が嵩むこととなる。
そこで、アナログ回線をデジタル化することが考えられる。回線をデジタル化すると、複数本のアナログ回線を束ねて1本のデジタル回線にすることが可能であり、このことにより回線の使用に伴う経費を大幅に削減することができる。
しかしながら、デジタル回線に伴う新たな問題が発生する。音声送信の遅延を排除するため、ボコーダとデジタル送信機とを接近させて設置した環境で実験が行われているが、運用するにあたっては、ボコーダを管制卓側に設置し、デジタル送信機を送信所側に設置する必要がある。
この場合、管制卓側のボコーダと送信所側のデジタル送信機とはデジタル回線を介して接続される。デジタル回線網においては、デジタル信号の伝送を行うために利得改善などの複数の処理が行われるものである。このデジタル回線網において複数の処理が行われれば、デジタル信号の伝送に遅延が発生することとなる。この方式では、通信に要する費用を軽減することができるが、デジタル信号の伝送遅延に関する問題を解決することができないものである。
本発明の目的は、対空通信におけるデジタル信号の伝送遅延の問題を解決した対空通信システムを提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明に係る対空通信システムは、タイミング制御部とボコーダとを有する管制部と、デジタル送信機と、前記管制部と前記デジタル送信機とを接続するデジタル回線と、監視部とを有し、
前記タイミング制御部は、基準信号に基いて前記ボコーダにボコード開始信号を出力するものであり、
前記ボコーダは、前記タイミング制御部から出力されるボコード開始信号に基いてアナログ信号を分析しデジタル信号に変換して前記監視部のメモリに蓄積し、フレーム毎にデジタル信号を基準信号に同期させて前記デジタル回線を介して前記デジタル送信部に出力するものであり、
前記デジタル送信機は、前記ボコーダから出力されるデジタル信号を基準信号に同期させて空中線により出力するものであり、
前記監視部は、データ解析部とコンパレータとを有し、
前記データ解析部は、前記メモリ内部の蓄積データに基いて、前記デジタル送信機から出力されたデジタル信号に対応する、フレームを多重時分割した対象スロットのデータを解析し、その解析したデータを前記メモリに蓄積するものであり、
前記コンパレータは、前記メモリに蓄積されたデジタル信号のボコードデータと対象スロットの前記データとを比較し、同期ずれが生じている場合、同期ずれが生じている次のフレームの対象スロットのデータを前記メモリから読み出し、その読み出した対象スロットのデータと前記ボコードデータとが最大で1フレーム遅延されているか否かを判断し、ずれが生じた際に前記ボコーダによるボコード開始時期を早めるシフト信号を前記タイミング制御部に出力するものであることを特徴とする。
(削除)
前記ボコーダは、前記シフト信号が前記タイミング制御部に入力された際に、アナログ信号のコード開始時期を前倒してコード処理を行い、前記同期ずれが生じている前記ボコードデータ及び前記対象スロットのデータをインクリメントしてデジタル信号の伝送遅延を解消する機能を有することが望ましいものである。
(削除)
なお、前記タイミング制御部と前記デジタル送信機とが用いる基準信号は、同期していることが望ましいものである。前記基準信号は、静止衛星から発信されるGPS信号、或はGPS信号を補強したSBAS信号であることが望ましいものである。
以上のように本発明に係る対空通信システムによれば、タイミング制御部とボコーダとを有する管制部と、デジタル送信機とを有しており、前記管制部と前記デジタル送信機とをデジタル回線で接続している。そのため、現在敷設されているアナログ回線網をデジタル回線網に置きかえることができ、通信に要する費用を削減することができる。
さらに、前記タイミング制御部は、基準信号に基いて前記ボコーダにボコード開始信号を出力し、前記ボコーダは、前記タイミング制御部から出力されるボコード開始信号に基いてアナログ信号を分析しデジタル信号に変換して蓄積し、フレーム毎にデジタル信号を基準信号に同期させて前記デジタル回線を介して前記デジタル送信部に出力し、前記デジタル送信機は、前記ボコーダから出力されるデジタル信号を基準信号に同期させて空中線により出力するものであるため、管制部にボコーダを設置したとしても、デジタル送信機から出力されるデジタル信号との間に遅延を生じることを回避することができる。したがって、本発明の対空通信システムを民間航空機の管制に適用したとしても、管制業務に障害が発生することを回避することができる。さらには、本発明の対空通信システムは民間航空機の管制業務ばかりでなく、その他の管制業務、例えば道路上を走行する車両の管制業務や人工衛星間での通信などにも適用することができる。
さらに、データ解析部とコンパレータとを有する監視部を付加し、前記監視部のデータ解析部により、受信した電波に基いて、フレームを時分割された対象スロットのデータを解析し、前記コンパレータにより、メモリに蓄積されたデジタル信号のボコードデータと対象スロットの前記デコードデータとを比較し、同期ずれが生じている場合、同期ずれが生じている次のフレームの対象スロットのデコードデータを前記メモリから読み出し、その読み出した対象スロットのデコードデータと前記ボコードデータとが最大で1フレーム遅延されているか否かを判断し、ずれが生じた際に前記ボコーダによるボコード開始時期を早めるシフト信号を前記タイミング制御部に出力する構成とすれば、次のような効果を得ることができる。
すなわち、同期を取るための基準信号が仕様変更により一時的に使用することができなかった場合、或は基準信号が断絶した場合が想定される。これらの場合、管制対象が民間航空機であると、航空管制に支障が生じてしまう。このケースは民間航空機にとって大事故を引き起し兼ねない。
上述したように本発明においては、基準信号が使用できない場合を想定して、監視部によりデジタル信号の遅延を監視するため、異常状態を回避することができる。また基準信号のような外部信号を使用することがなく、管制部のコーダから出力した信号に基いて遅延を監視することができ、コーダを管制部側から遠方の送信所側に設置することができる。このことは、管制部のコーダからデジタル信号をデジタル回線を介して遠方のデジタル送信機まで伝送し、そのデジタル送信機からデジタル信号のままで空中線により通信対象物に伝送することができ、デジタル信号のままでの通信であるから、音質を劣化させることを防止することができる。
さらに前記コーダにより、前記シフト信号が前記タイミング制御部に入力された際に、アナログ信号のコード開始時期を前倒してデコード処理を行い、同期ズレが生じているボコードデータ及びデコードデータをインクリメントしてデジタル信号の遅延を解消する。このため、デジタル信号の伝送遅延を確実に解消することができ、管制業務を良好に運用することができる。
さらに前記コンパレータにより、メモリに蓄積されたデジタル信号のボコードデータと対象スロットの前記デコードデータとを比較し、同期ずれが生じている場合、同期ずれが生じている次のフレームの対象スロットのデコードデータを前記メモリから読み出し、その読み出した対象スロットのデコードデータと前記ボコードデータとが最大で1フレーム遅延されているか否かを判断し、ずれが生じた際に前記ボコーダによるボコード開始時期を早めるシフト信号を前記タイミング制御部に出力することにより、TDMAによりフレームを時分割してデータ伝送を行うようにしても、確実にデータ伝送の遅延をなくすことができる。
また前記タイミング制御部と前記デジタル送信機とが用いる基準信号は、同期している信号、例えば静止衛星から発信されるGPS信号、或はGPS信号を補強したSBAS信号を用いることにより、データ伝送の遅延を確実になくすことができる。
以下、本発明の実施形態を図により詳細に説明する。
図1に示すように、本発明は基本的構成として、タイミング制御部1とボコーダ2とを有する管制部3と、デジタル送信機4と、管制部3(特にボコーダ2)とデジタル送信機4とを接続するデジタル回線5とを有している。
タイミング制御部1は、基準信号に基いてボコーダ2にボコード開始信号を出力する機能を有しており、ボコーダ2は、タイミング制御部1から出力されるボコード開始信号に基いて管制卓6からのアナログ信号を分析して前記アナログ信号をデジタル信号に変換し、前記デジタル信号を監視部9のメモリ17に蓄積すると共に、フレーム毎に前記デジタル信号を基準信号に同期させて前記デジタル回線を介して前記デジタル送信機4に出力する機能を有している。さらにデジタル送信機4は、ボコーダ2から出力されるデジタル信号を基準信号に同期させて空中線により出力する機能を有している。ボコーダ2は、管制卓6からの制御信号に基いてコントロールされる。またタイミング制御部1とデジタル送信機4とが用いる基準信号は同期している。この基準信号は、受信機10,19によりそれぞれ受信されている。この基準信号としては、静止衛星から発信されるGPS信号、或はGPS信号を補強したSBAS信号であることが望ましいものである。GPS信号は全地球的測位システム(Global Positioning System)に用いられる信号である。SBAS信号は、静止衛星などの人工衛星から補強情報を放送し、広い地域をサービスエリアとする衛星補強型システム(SBAS;Satellite Based Augmentation System)に用いる信号である。
さらに前記監視部9は、データ解析部7とコンパレータ8とを有している。データ解析部7は、受信機11で受信した電波に基いて、前記デジタル送信機4から出力されたデジタル信号に対応する、フレームを多重時分割された対象スロットのデータを解析し、その解析したデコードデータを前記監視部9のメモリ18に蓄積する機能を有している。コンパレータ8は、ボコーダ2から出力されてメモリ17に蓄積されたデジタル信号のボコードデータ(Vn)と前記対象スロットのデータ(Dn)とを比較し、同期ずれが生じている場合、同期ずれが生じている次のフレームの対象スロットのデータ(Dn+1)を前記メモリ18から読み出し、その読み出した対象スロットのデータと前記ボコードデータとが最大で1フレーム遅延されているか否かを判断し、ずれが生じた際に前記ボコーダによるボコード開始時期を早めるシフト信号を前記タイミング制御部に出力する機能を有している。この場合、コンパレータ8は、1フレーム以上伝送遅延が生じたことを検出したときに外部にアラーム信号を出力する機能を備えるようにしてもよいものである。さらにボコーダ2は、前記シフト信号がタイミング制御部1に入力された際に、アナログ信号のコード開始時期を前倒してボコード処理を行い、同期ずれが生じているデジタル信号のボコードデータ及び前記対象スロットのデータをインクリメントしてデジタル信号の遅延を解消する機能を有している。
また管制部3は、GPS信号或はSBAS信号を受信する受信機10を備えている。また監視部9は、デジタル送信機4から空中線により出力された電波を受信する受信機11を備えている。
前記監視部9の具体的な構成について説明する。図1に示すように、監視部9はデータ解析部7とコンパレータ8とを有している。
データ解析部9は、データデコード回路12と、スロット番号タイムスタンプ回路13と、カウンター14とを有している。
データデコード回路12は、デジタル送信機4から空中線により出力されて受信機11で受信された電波に基いて、デジタル送信機4から送信されたデジタル信号に対応する、フレームを多重時分割した対象スロットのデータを解析し、その解析したデータをメモリ17に蓄積する機能を有している。カウンター14は、デジタル送信機4から空中線により出力されて受信機11で受信された電波に基いて受信フレーム同期信号を作成する機能を有している。
スロット番号タイムスタンプ回路13は、受信機10が受信するSBAS信号或はGPS信号と、カウンター14から出力される受信フレーム同期信号とに基いて、スロット番号を示すタイムスタンプのデータをメモリ18に出力するようになっている。このスロット番号を示すタイムスタンプのデータは、前記対象スロットに対応するデータである。
コンパレータ8は、2種類のコンパレータ15,16を有しており、さらに2つのメモリ17,18を備えている。一方のメモリ17は、ボコーダ2から出力されるデジタル信号のボコードデータと、タイミング制御回路1からボコーダ2に出力されるボコード処理開始信号のデータとを記憶する機能を備えている。他方のメモリ18は、データデコード回路12から出力されるデジタル信号のデコードデータと、スロット番号を示すタイムスタンプデータとを記憶する機能を備えている。
一方のコンパレータ15は、ボコーダ2から出力されてメモリ17に蓄積されたデジタル信号のボコードデータ(Vn)とデータデコード回路12から出力される対象スロットのデータ(Dn)とを比較し、タイミングが適正の場合に、タイミング適正の信号をタイミング制御回路1に出力する機能を有している。他方のコンパレータ16は、ボコーダ2から出力されてメモリ17に蓄積されたデジタル信号のボコードデータ(Vn)とデータデコード回路12から出力される次のフレームの対象スロットのデータ(Dn+1)とを比較し、それらのデータに同期ずれ(Vn≠Dn,Vn≠Dn+1)が生じた際にボコーダ2によるボコード開始時期を早めるシフト信号をタイミング制御部1に出力する機能を有している。さらにコンパレータ16は、前記デジタル信号のボコードデータ(Vn)と前記対象スロットのデータ(Dn+1)との間に最大で1フレームの遅延が生じたときに前記シフト信号を出力するように設定してある。またコンパレータ16は、前記デジタル信号のボコードデータと前記対象スロットのデータとの間に最大で1フレームの遅延が生じたときにアラーム信号を出力するようになっている。
次に、本発明の実施形態に係る対空通信システムの動作を図2〜図4に基いて説明する。
受信機10は図2(a)に示す基準信号B1としてのGPS信号或はSBAS信号を常時受信し、図1に示す様にストローブ信号B2をタイミング制御回路1に出力する。タイミング制御回路1は図1に示す様に、前記ストローブ信号B2が入力すると、ストローブ信号B2に同期させてGPS信号或はSBAS信号からなる基準信号B1に同期させてボコード処理開始信号B3をボコーダ2に出力する。
一方、ボコーダ2は、管制卓6の制御の下に、管制卓を操作する管制官からのアナログ音声の入力に対して待機している。ボコーダ2は、管制卓6側から管制官の図2(b)に示すアナログ音声信号B4が入力すると、図2(c)に示す様にタイミング制御回路1から出力されるボコード開始信号に基いて前記アナログ音声信号B4を分析して前記アナログ音声信号B4を図2(c)に示すような多重時分割したデジタル信号に変換し(ボコード処理)、その変換したデジタル信号をメモリ17に蓄積するとともに、図2(d)に示すように各スロットD毎に前記デジタル信号を図2(e)に示す基準信号B1に同期させてデジタル回線5を介して遠方のデジタル送信機4に出力する。
デジタル送信機4は、受信機19でGPS信号或はSBAS信号からなる基準信号B1を受信しており、この基準信号B1に同期させてデジタル回線5から入力したデジタル信号を空中線により出力する。このデジタル送信機4の構成は汎用のものであるため、詳細な構成については説明を省略しており、デジタル回線5から入力するデジタル信号を空中線により出力する機能についてのみ説明している。
航空機はデジタル送信機4からのデジタル信号を受信したときに、このデジタル信号をアナログ信号に変換する。航空機のパイロットは、この変換されたアナログ信号の音声を聞き、管制に関する情報を得る。パイロットから管制部3に向けたメッセージは図示しない送信機及び受信機により地上側に送られ、管制卓6の管制官に伝えられる。
以上のような動作を繰り返して対空通信が管制官とパイロットとの間で行われ、航空機の管制業務が運用される。
通常の状態では、ボコーダ2,デジタル送信機4は、基準信号B1に基いて、それぞれコード処理,送信処理を行うため、同期ずれが生じることはない。すなわち、図2(f)に示すように、ボコーダ2によりコード処理されたボコードデータ(デジタル信号)X,V1,V2・・・は、対応するフレームを多重時分割したスロットD1,D2・・・に含まれて伝送される。しかしながら、GPS信号/SBAS信号に支障が生じたとき等の場合、ボコーダ2から出力されるデジタル信号の送信タイミングに同期ずれが発生する可能性がある。具体的に説明すると、図3(d)に示すボコーダ2によりコード処理されたボコードデータ(デジタル信号)V1,V2は正常状態で図3(e)に示す対応するスロットD1,D2・・・に含まれてデータ伝送される。しかしながら、図3(f)に示すように同期ずれが生じると、ボコードデータV1,V2は、ずれたスロットD2,D3に含まれてデータ伝送される。この場合にも、航空管制業務に支障が生じることは大事故を招くため、対空通信を途絶することは許されない。
本発明は、このような通信モードであっても、ボコーダ2からのデジタル信号に遅延を発生させずに、管制業務を運用するようにしたものである。
本発明において、上述した対空通信モードにおけるボコーダ2からのデジタル信号の遅延防止動作について図3及び図4に基いて説明する。なお、この対空通信モードにおけるボコーダ2からのデジタル信号の遅延防止動作は、上述した通常の対空通信の際に基準信号を使ったデジタル信号の遅延防止動作に併用して行うようにしてもよいものである。
この対空通信モードにおいて、ボコーダ2から出力されるデジタル信号のボコードデータをVnとし、このボコーダ2からのデジタル信号がデジタル送信機4から送信されて再び受信機11で受信されデータデコード回路12で解析された、フレームを時分割した対象スロットのデータをDnとする。
この対空通信モードの場合、監視部9はボコーダ2から出力されるデジタル信号のボコードデータVnをメモリ17に記憶させる(図4のステップS1)。一方、監視部9は、ボコーダ2から出力されてデジタル送信機4から空中線により送信されたデジタル信号を受信機11で受信し、この受信電波をデータデコード回路12及びスロット番号タイムスタンプ回路13並びにカウンター14に入力する。
カウンター14は、受信機11で受信した受信電波に基いて、受信フレーム同期信号をスタンプ番号タイムスタンプ回路13に出力する。
スタンプ番号タイムスタンプ回路13は、カウンター14から入力する受信フレーム同期信号と、受信機10で受信しているGPS信号或はSBAS信号とに基いて、スロット番号を示すタイムスタンプのデータを出力する。監視部9は、スタンプ番号タイムスタンプ回路13からのスロット番号タイムスタンプのデータをメモリ18に記憶させる。
データデコード回路12は、受信機11で受信した受信電波に基いて、送信されたデジタル信号に対応する、フレームを時分割された対象スロットのデータDnを解析し、その解析したデータを出力する。監視部9は、データコード回路12からのデータ(データDnを含む)をメモリ18に記憶させる(図4のステップS2)。
コンパレータ15は、2つのメモリ17,18に記憶されたボコードデータVnとデータDnをそれぞれメモリ17,18から読み出す。そしてコンパレータ15は、2つのデータVn,Dnが対応しているか否かについて比較する(図4のステップS3)。コンパレータ15は、2つのデータVn,Dnのタイミングが一致している場合(図4のステップS3の=)にはタイミング適正(図4のステップS4)として、タイミング適正信号をタイミング制御回路1に出力する。
この場合、監視部9のコンパレータ15は、デジタル信号のボコードデータVnと対象スロットのデータDnとをインクリメント(図4のステップS5,ステップS6)して次のフレーム処理に移行させる(図4のステップS7)。
一方のコンパレータ15が一致を確認する際に、他方のコンパレータ16は、対象スロットのデータDn+1とデジタル信号のボコードデータVnとを読み出し、これらの対象スロットのデータDn+1とデジタル信号のボコードデータVnとを比較する(図4のステップS3)。
他方のコンパレータ16は、前記対象スロットのデータDnとデジタル信号のボコードデータVnとを比較した結果、同期ずれが生じている場合(図4のステップS3の≠)、同期ずれが生じている次のフレームの対象スロットのデータDn+1をメモリ18から読み出す。そしてコンパレータ16は、この対象スロットのデータDn+1とデジタル信号のボコードデータVnとが最大で1フレーム遅延されているか否かについて判断する。
コンパレータ16は、これらの対象スロットのデータDn+1とデジタル信号のボコードデータVnとが最大で1フレーム遅延されていると判断した場合に、ボコーダ2のコード開始時期のタイミングをτだけ前に変更することを決定する。そしてコンパレータ16は、ボコーダ2のコード開始時期のタイミングをτだけ前に変更することを決定した場合にシフト信号をタイミング制御回路1に出力する(図4のステップS8の≠)。
タイミング制御回路1は、ボコーダ2のコード開始時期のタイミングをτだけ前に変更するためのシフト信号がコンパレータ16から入力されると、ボコーダ2に向けて、コード開始時期のタイミングをτだけ前に変更するためのコード処理開始信号を出力する(図3(b)参照)。
ボコーダ2は、タイミング制御回路1からコード開始時期のタイミングをτだけ前に変更するためのコード処理開始信号を受取ると、ボコーダ2は、前記シフト信号がタイミング制御部1に入力された際に、アナログ信号のコード開始時期を前倒してコード処理を行う。具体的には図3(b)に示すように、ボコーダ2は図3(b)に示すようにコード開始タイミングをτだけ前倒ししてコード処理を行う。そして、ボコーダ2は図3(c)に示すように、フレームを多重分割した対象スロットの間隔をΔtだけ長く設定し、このスロットに、同期ずれが発生したときのボコードデータVnとτだけ刻んだ次のボコードデータVn+1とを含めてデータ伝送を行う。
ボコーダ2はコード開始タイミングをτだけ前倒ししてコード処理を行うため、そのτの前倒し処理を行ったスロットの箇所で一部音声が途切れることがあるが、その後は、デジタル信号のボコードデータVn及び前記対象スロットのデータDnをインクリメントする。すなわち、ボコードデータをVnからVn+1、対象スロットのデータをDnからDn+1にそれぞれインクリメントする(図4のステップS5,S6)。
したがって、前記ボコーダ2による前倒し処理に後にインクリメントされたスロットからは、再び正常にデジタル信号が送られることとなる。これにより、GPS信号或はSBAS信号に異常を来した場合、或は、これらの信号を使用することに支障が生じた場合にも、ボコーダ2から出力されるデジタル信号とデジタル送信機4から出力されるデジタル信号との間に同期を取ることができ、データ伝送に遅延を発生させることがない。
以上説明したように本発明によれば、ボコーダから出力されるデジタル信号とデジタル送信機から出力されるデジタル信号との間で常時同期を取ることができるため、管制部から対象物に対空通信される際の遅延を防止してリアルタイムで通信を行うことができる。
本発明の実施形態に係る対空通信システムの構成を示す構成図である。 本発明の実施形態に係る対空通信システムにおいて、データ伝送が遅延なく正常に行われている状態を説明する特性図である。 本発明の実施形態に係る対空通信システムに発生したデータ伝送の遅延を解消する状態を説明する特性図である。 本発明の実施形態に係る対空通信システムにおける動作を説明するフローチャートである。
1 タイミング制御回路
2 ボコーダ
3 管制部
4 デジタル送信機
5 デジタル回線
6 管制卓
7 データ解析部
8,15,16 コンパレータ
9 監視部
10,11 受信機
12 データデコード回路
13 スロット番号タイムスタンプ回路
14 カウンター
17,18 メモリ

Claims (2)

  1. タイミング制御部とボコーダとを有する管制部と、デジタル送信機と、前記管制部と前記デジタル送信機とを接続するデジタル回線と、監視部とを有し、
    前記タイミング制御部は、基準信号に基いて前記ボコーダにボコード開始信号を出力するものであり、
    前記ボコーダは、前記タイミング制御部から出力されるボコード開始信号に基いてアナログ信号を分析しデジタル信号に変換して前記監視部のメモリに蓄積し、フレーム毎にデジタル信号を基準信号に同期させて前記デジタル回線を介して前記デジタル送信部に出力するものであり、
    前記デジタル送信機は、前記ボコーダから出力されるデジタル信号を基準信号に同期させて空中線により出力するものであり、
    前記監視部は、データ解析部とコンパレータとを有し、
    前記データ解析部は、前記メモリ内部の蓄積データに基いて、前記デジタル送信機から出力されたデジタル信号に対応する、フレームを多重時分割した対象スロットのデータを解析し、その解析したデータを前記メモリに蓄積するものであり、
    前記コンパレータは、前記メモリに蓄積されたデジタル信号のボコードデータと対象スロットの前記データとを比較し、同期ずれが生じている場合、同期ずれが生じている次のフレームの対象スロットのデータを前記メモリから読み出し、その読み出したデータと前記ボコードデータとが最大で1フレーム遅延されているか否かを判断し、ずれが生じた際に前記ボコーダによるボコード開始時期を早めるシフト信号を前記タイミング制御部に出力するものであることを特徴とする対空通信システム。
  2. 前記ボコーダは、前記シフト信号が前記タイミング制御部に入力された際に、アナログ信号のード開始時期を前倒してコード処理を行い、前記同期ずれが生じている前記ボコードデータ及び前記対象スロットのデータをインクリメントしてデジタル信号の伝送遅延を解消する機能を有することを特徴とする請求項1に記載の対空通信システム。
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