JP2004125667A - 測位装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】位置測定動作を阻害することなく、記憶する補強情報のデータ量を削減する。
【解決手段】衛星の送信信号を受信して受信情報を得る受信部102、103と、受信情報を用いて測位演算を行い受信機位置情報を算出する測位部106と、受信情報の中の衛星軌道情報、補強情報および前記受信機位置情報の一部または全部を記憶する記憶部105と、補強情報が測位演算に利用可能かどうかを受信機位置情報および衛星軌道情報を利用して判定し、測位演算に利用可能な補強情報のみを記憶部106に記憶させる補強情報利用判定部104とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】衛星の送信信号を受信して受信情報を得る受信部102、103と、受信情報を用いて測位演算を行い受信機位置情報を算出する測位部106と、受信情報の中の衛星軌道情報、補強情報および前記受信機位置情報の一部または全部を記憶する記憶部105と、補強情報が測位演算に利用可能かどうかを受信機位置情報および衛星軌道情報を利用して判定し、測位演算に利用可能な補強情報のみを記憶部106に記憶させる補強情報利用判定部104とを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、GNSS(Global Navigation Satellite System)衛星を利用する測位装置に係り、特に地球を周回するGPS衛星から位置および速度を求めるGPS(Global Positioning Ststem)利用の測位装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
GPSシステムやGLONASSシステムなどの衛星を利用した全地球的衛星航法システム(GNSS)を利用した測位装置は、複数のGNSS衛星の電波を同時に受信して、GNSS衛星からの航法メッセージ(軌道情報や時刻情報)を取得することによって、地球上での絶対位置を算出するものである。近年ではGNSSを用いた測位システムは、様々な分野で盛んに利用されている。
【0003】
航空機の分野では、国際民間航空機関(ICAO)によるGNSSを利用した航空保安システムの導入が決まり、GNSSを用いた航法の安全性を向上させるために、米国のWAAS(Wide Area Augmentation System)、欧州の静止衛星のEGNOS(European−Geostationary−Navigation−Overlay−Service)、日本のMSAS(Multi−functional−transport−satellite Satellite−based Augmentation System)といった静止衛星を利用した補強システム(SBAS)が計画されている。
【0004】
静止衛星を利用した補強システムでは、分散配置されたモニタ局で得られた補強情報を静止衛星に集約し、静止衛星はこの補強情報を航空機などの移動体へ送信する。この補正情報には以下に示した3種類の情報がある。
【0005】
(1)インテグリティ:GNSS衛星の信号の確からしさを示す情報
(2)補正データ:GNSS衛星の誤差補正情報(時刻誤差補正情報、軌道誤差補正情報、電離層誤差補正情報)
(3)レンジング情報:GNSS信号と同様(WAAS、EGNOS、MSASはGPSと同様の信号)の信号を送信し、静止衛星をGNSSの一つの衛星として測位計算に用いることができる。
【0006】
また、補強情報のうち、補正データに含まれる電離層誤差補正情報は、地球を格子状に1808箇所に分類し、各格子での垂直方向遅延情報として構成される。測位装置がこの補正情報を使うには、測位装置で測位演算を行って自己の位置を取得し、また各衛星の座標を衛星軌道情報(エフェメリス)を用いて算出する。そして、衛星の送信信号が電離層を通過する座標(以下、ピアースポイントと呼ぶ)を算出し、この座標を中心とする3または4の格子を決定し、垂直方向遅延情報を利用して電離層誤差を算出することができる。
【0007】
なお、SBASは、GPS衛星と同様な信号を送信してレンジングを行うため、静止衛星が送信する信号はGPS衛星が送信する信号とキャリア周波数や変調方式が同様になっている。また、航空機用途に開発されたシステムであるが、車載型などの用途のGPS受信機でも利用可能である。
【0008】
以下、図12を参照しながら従来の測位装置について説明する。また、GPSはGNSSの中で現在最も普及しているシステムであるため、特に断らない限り、今後GNSSをGPSと置き換えて説明する。
【0009】
図12は、従来の測位装置の構成を示すブロック図である。従来の測位装置は、GPS衛星またはSBAS衛星からの電波を受信するアンテナ部1、アンテナ部1で受信した電波を復調して、GPS衛星から送信されるデータを取得するGPS(GNSS)衛星受信部2、アンテナ部1で受信した電波を復調してSBAS衛星から送信されるデータを取得するSBAS衛星受信部3、衛星の軌道情報やGPS補強情報などを記憶する記憶部4、GPS衛星およびSBAS衛星の軌道情報や時刻情報を用いて測位装置の位置を算出する測位部5および測位装置の存在する場所の位置を外部に表示する表示部6を有している。
【0010】
以上のように構成された従来の測位装置について、以下その動作を説明する。まず、アンテナ部1で衛星の電波を受信し、GPS衛星受信部2で受信電波を復調し、衛星から送信される航法メッセージを取得して測位部5に出力する。この航法メッセージには、エフェメリス、アルマナックのような衛星軌道情報や、衛星が信号を送信した時刻情報などが含まれる。
【0011】
SBAS衛星受信部3は、アンテナ部1で受信した信号を復調し、衛星(静止衛星)から送信される補強情報データ(電離層補性情報を含む)などを取得して記憶部4に記憶する。記憶部4は、衛星軌道情報や補強情報や測位演算結果などを記憶するものであり、また、測位装置が停止中にもバックアップ電源などで駆動されてデータを記憶し続ける。測位部5は、GPS衛星受信部2とSBAS衛星受信部3で取得した衛星の送信時刻や衛星軌道情報などを利用すると共に、補強情報を利用して測位演算を行うことによって自己の位置を算出し、その結果を表示部6に表示する。
【0012】
なお、測位装置の従来技術は特許文献1等に記載されている。
【0013】
【特許文献1】
特開2001−124841号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の測位装置では、SBAS衛星受信部3で取得した補強情報が利用可能かどうか判定する機能を有していないため、補強情報の全てを記憶部4に記憶しなければならない。特に、電離層補性情報は、1808の格子点に対して1点の情報量が13bitあるため、最大で約3kバイトの情報を記憶しなければならず、特に小型の測位装置においても利用可能な記憶容量を大きくしなければならないという課題があった。
【0015】
本発明は、このような従来の課題を解決するもので、位置測定動作を阻害することなく、記憶する補強情報のデータ量を削減することができる測位装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、衛星の送信信号を受信して受信情報を得る受信部と、前記受信情報を用いて測位演算を行い受信機位置情報を算出する測位部と、前記受信情報の中の衛星軌道情報、補強情報および前記受信機位置情報の一部または全部を記憶する記憶部と、前記補強情報が前記測位演算に利用可能かどうかを前記受信機位置情報および前記衛星軌道情報を利用して判定し、前記測位演算に利用可能な補強情報のみを前記記憶部に記憶させる補強情報利用判定部とを備える構成とした。このように構成したことにより、記憶部は測位演算に利用する補強情報だけを記憶すればよく、測位演算に利用しない補強情報を記憶しないことでデータ量を削減でき、特に大きな記憶容量の記憶部を搭載できない小型の測位装置でも補強情報を利用して精度の高い測位を行うことができる。
【0017】
また、前記補強情報利用判定部が、前記受信した衛星軌道情報を用いて衛星の移動軌跡を推測する機能を有し、前記記憶部が、前記補強情報利用判定部の推測結果に基づいて前記補強情報のうち将来利用する範囲の情報だけを記憶するように構成した。このように構成したことにより、取得した補強情報のうち将来利用する範囲の情報だけを記憶部に記憶することができ、補強情報のデータ量を削減することができる。
【0018】
また、前記補強情報利用判定部が、補強情報の有効期限を算出する機能を有し、前記記憶部が、前記補強情報利用判定部の算出結果に基づいて前記補強情報の中で将来利用可能な範囲の情報だけを記憶するように構成した。このように構成したことにより、取得した補強情報の中で将来利用可能な範囲の情報だけを記憶部に記憶することができ、補強情報のデータ量を削減することができる。
【0019】
また、前記補強情報利用判定部が、測位装置の移動範囲を予測する機能を有し、前記記憶部が、前記補強情報利用判定部の予測結果に基づいて前記補強情報の中で測位装置の移動範囲内の情報だけを記憶するように構成した。このように構成したことにより、取得した補強情報の中で測位装置の移動範囲内の情報だけを記憶部に記憶することができ、補強情報のデータ量を削減することができる。
【0020】
また、前記補強情報利用判定部が、現在送信信号を受信している衛星が過去に受信した経歴のある衛星である場合に過去に受信した時の衛星座標をもとに抽出した補強情報が前記測位演算に利用可能かどうかを判定する機能を有し、前記記憶部が、前記補強情報利用判定部の判定結果に基づいて前記測位演算に利用可能な補強情報のみを記憶するように構成した。このように構成したことにより、静止衛星を受信した場合にも速やかに補強情報を利用することができると共に、測位演算に利用しない補強情報を記憶しないことで記憶部の記憶容量を削減することができる。
【0021】
また、前記補強情報利用判定部が、前記受信した補強情報を測位演算に利用する可能性に基づいて前記受信した補強情報に優先度を設定する機能を有し、前記記憶部が、前記補強情報以外の情報を前記記憶部に記憶する場合にすでに記憶されている補強情報のうち前記優先度の低い補強情報から順次削除するように構成した。このように構成したことにより、前記補強情報以外の情報を記憶部に記憶する場合には、優先度の低い補強情報から順に削除していくことができ、その分、記憶部の記憶容量を削減することができる。
【0022】
また、前記補強情報利用判定部が、現在衛星を走査中かどうかで設定した補強情報の有効度に基づいて前記受信した補強情報が測位演算の補強に利用する可能性があるかどうかを推測する機能を有し、前記記憶部が、前記補強情報利用判定部の推測結果に基づいて利用する可能性の高い補強情報だけを優先的に記憶するように構成した。このように構成したことにより、補強情報を測位演算の補強に利用する可能性があるかどうかを推測することができ、利用する可能性の高い補強情報を優先的に記憶部に記憶することができ、その分、記憶部の記憶容量を削減することができる。
【0023】
また、前記補強情報利用判定部が、現在衛星を追尾可能かどうかで設定した補強情報の有効度に基づいて前記受信した補強情報が測位演算の補強に利用する可能性があるかどうかを推測する機能を有し、前記記憶部が、前記補強情報利用判定部の推測結果に基づいて利用する可能性の高い補強情報だけを優先的に記憶するように構成した。このように構成したことにより、補強情報を測位演算の補強に将来利用する可能性があるかどうかを推測することができ、利用する可能性の高い補強情報を優先的に記憶することができる。
【0024】
また、前記補強情報利用判定部が、衛星の仰角が高いものから順に設定した補強情報の有効度に基づいて前記受信した補強情報が測位演算の補強に利用する可能性があるかどうか推測する機能を有し、前記記憶部が、前記補強情報利用判定部の推測結果に基づいて利用する可能性の高い補強情報だけを優先的に記憶するように構成した。このように構成したことにより、仰角の低い衛星は周辺に遮蔽物がある場合には測位演算に利用される頻度が低いため、仰角が高く測位演算に利用される可能性が高い補強情報を優先的に記憶することができる。
【0025】
また、前記補強情報利用判定部が、取得した補強情報に測位演算に利用する時期が近いものから順に設定した有効度に基づいて前記受信した補強情報が測位演算の補強に利用する可能性があるかどうかを推測する機能を有し、前記記憶部が、前記補強情報利用判定部の推測結果に基づいて利用する可能性の高い補強情報だけを優先的に記憶するように構成した。このように構成したことにより、例えば地球の裏側等に存在する衛星が将来通る位置の補強情報は、測位装置に信号が届く範囲に移動したときに取得して、補強情報が記憶部に記憶される時間を短くすることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る測位装置の構成を示すブロック図である。図1において、測位装置は、衛星からの電波を捕捉するアンテナ部101と、受信した電波を復調してGPS衛星から送信されるデータを取得するGPS(GNSS)衛星受信部102と、受信した電波を復調してSBAS衛星から送信されるデータを取得するSBAS衛星受信部103と、SBAS衛星受信部103で取得するGNSS補強情報(以降、単に補強情報と呼ぶ)のうち、測位演算に利用する情報かどうかを判定する補強情報利用判定部104と、衛星の軌道情報や補強情報などを記憶する記憶部105と、GPS衛星およびSBAS衛星の軌道情報や時刻情報を用いて、測位装置の位置を算出する測位部106と、測位装置の位置を外部に表示する表示部107とを有している。
【0027】
次に本実施の形態の動作について説明する。まず、アンテナ部101で衛星の電波を捕捉し、GPS衛星受信部102で受信電波を受信して復調し、衛星から送信される航法メッセージを取得して測位部106に出力する。SBAS衛星受信部103は、アンテナ部101で捕捉した信号を受信して復調し、衛星から送信される補強情報(電離層補性情報を含む)を取得して記憶部105に記憶する。
【0028】
記憶部105は、衛星軌道情報や補強情報や測位演算結果などを記憶するものであり、また、測位装置が停止中にもバックアップ電源などで駆動されてデータを記憶し続ける。測位部106は、GPS衛星受信部102で取得した衛星の送信時刻や衛星軌道情報などとSBAS衛星受信部103で取得して記憶部105に記憶した補強情報を利用して測位演算を行うことにより、自己の位置を算出し、その結果を表示部107に表示する。その際、補強情報利用判定部104により取得された補強情報が測位部106での測位演算に利用できるかどうかを判定し、利用できる補強情報のみを記憶部105に記憶する。
【0029】
以上のように、第1の実施の形態の測位装置は、補強情報の中で測位演算に利用可能かどうかを受信機位置情報および衛星軌道情報を利用して判定し、記憶部105には測位演算に利用する補強情報だけを記憶し、利用しない補強情報は記憶しないようにしている。
【0030】
図2は、補強情報利用判定部104の動作手順を示すフローチャートであり、以下、この図2を用いて取得した補強情報が利用できるかどうかを判定する動作について説明する。
【0031】
まず、測位装置のSBAS衛星受信部103はステップS101にて、アンテナ部101で捕捉した信号を受信してSBAS衛星の信号を復調する。次に補強情報利用判定部104はステップS102にて、SBAS衛星受信部103で取得されたSBAS衛星の信号を解析して補強情報を抽出する。
【0032】
次に、ステップS103で、補強情報利用判定部104は、抽出した補強情報が測位演算に利用されない情報を含む種類であるかどうかを判定し、利用されない情報が含まれない種類の場合には、直ちにステップS108の処理に進んで補強情報を記憶部105に記憶する。
【0033】
ここで、補強情報利用判定部104における補強情報の種類の判別方法としては、事前に補強情報の種類を決定しておく必要がある。従来の測位装置で説明したようにSBASが放送する補強情報には、インテグリティ・補正情報・レンジング情報の3つがある。これらの情報は、SBASが静止衛星を利用して広範囲に補強情報を送信するため、測位装置が存在する場所によっては、補強情報の対象となる衛星が可視範囲に存在しない情報も含まれる。そのため、本実施の形態では、SBASから送信される補強情報の全てを、測位演算に利用しない情報が含まれる種類の情報として扱うが、補強情報の種類に応じて決定することも可能である。
【0034】
抽出した補強情報が、測位演算に利用されない情報を含む種類であると判定された場合(ステップS103)、補強情報利用判定部104はステップS104にて、受信した補強情報の中に測位装置の概略位置と時刻情報があるかどうかを判定し、両者を保持していない場合には、補強情報を利用することが不可能なため、取得した補強情報を破棄する。
【0035】
測位装置の概略位置と時刻情報があると判定された場合(ステップS104)、補強情報利用判定部104はステップS105にて、記憶部105に保持している衛星軌道情報と時刻情報を用いて衛星座標を算出し、測位装置の概略位置との位置関係から、電波が地上約350kmの電離層を貫通する座標(ピアースポイント)を全て算出する。
【0036】
次に、補強情報利用判定部104はステップS106にて、上記受信して取得した補強情報の格子点が、上記ピアースポイント近傍の座標かをどうかを判定し、近傍でない場合には、補強情報を破棄し、近傍である場合にはステップS107に進む。
【0037】
補強情報利用判定部104はステップS107にて、測位装置の座標と格子点の座標をもとに、取得した補強情報の格子点が、測位装置の概略位置から可視範囲に存在するかどうかを判定し(衛星の仰角が0度以上かどうかを判定することと等価)、可視範囲外の補強情報を廃棄し、それ以外の補強情報をステップS108にて記憶部105に記憶する。
【0038】
本実施の形態によれば、SBAS衛星受信部103で取得した補強情報の中で測位演算に利用可能な補強情報のみを記憶部105に記憶することにより、記憶部105の記憶容量を大きくしなくとも、測位演算に支障を来すことなく、従来と同様の精度で測位装置の位置を測定することができる。これにより、小型の測位装置で小さな容量の記憶装置しか搭載できないものでも、補強情報を利用して精度の高い測位を行うことができる。
【0039】
(第2の実施の形態)
図3は、本発明の第2の実施の形態に係る測位装置の動作手順を示すフローチャートである。但し、図1に示した第1の実施の形態と同様の部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0040】
本発明の第2の実施の形態の測位装置は、補強情報利用判定部104に、衛星軌道情報を用いて衛星の移動軌跡を推測する機能を付加し、取得した補強情報のうち将来利用する範囲の情報だけを記憶する。
【0041】
次に本実施の形態の補強情報利用判定部104の動作について説明する。まず、測位装置のSBAS衛星受信部103はステップS201にて、アンテナ部101で捕捉した信号を受信してSBAS衛星の信号を復調する。次に補強情報利用判定部104はステップS202にて、SBAS衛星受信部103で取得されたSBAS衛星の信号を解析し、GNSS補強情報を抽出する。次に、ステップS203で、補強情報利用判定部104は、抽出した補強情報が測位演算に利用されない情報を含む種類であるかどうかを判定し、利用されない情報が含まれない種類の場合には、直ちにステップS208の処理に進んで補強情報を記憶部105に記憶する。
【0042】
抽出した補強情報が、測位演算に利用されない情報を含む種類であると判定された場合(ステップS203)、ステップS204に進み、補強情報利用判定部104は受信した補強情報の中に測位装置の概略位置と時刻情報があるかどうかを判定し、両者を保持していない場合には、補強情報を利用することが不可能なため、取得した補強情報を破棄する。
【0043】
測位装置の概略位置と時刻情報があると判定された場合(ステップS204)、補強情報利用判定部104はステップS205にて、記憶部105に保持している衛星軌道情報と時刻情報を用いて衛星座標を算出し、測位装置の概略位置との位置関係から、電波が地上約350kmの電離層を貫通する座標(ピアースポイント)を全て算出する。
【0044】
次に補強情報利用判定部104はステップS206にて、衛星軌道情報を用いて、現在時刻から一定時間経過後の衛星座標を算出し、時間経過とともに位置の変わるピアースポイントの移動軌跡を算出してステップS207に進む。
【0045】
なお、この一定時間値としては、測位装置の動作を停止させる時間が予め分かっている場合にはこの時間までの値を利用することや、衛星が仰角0度以下になるまでの時間などを利用することができる。
【0046】
補強情報利用判定部104はステップS207で、取得した補強情報の格子点が、ピアースポイントまたはピアースポイントの移動軌跡の近傍の座標かどうかを判定し、近傍でない場合には補強情報を破棄し、近傍の座標の場合は補強情報をステップS208にて記憶部105に記憶する。
【0047】
本実施の形態によれば、補強情報利用判定部104に、衛星軌道情報を用いて衛星の移動軌跡を推測する機能を付加したことにより、取得した補強情報のうち将来利用する範囲の情報だけを記憶部105に記憶することができ、記憶する補強情報を削減して記憶部105の記憶容量を小さくすることができる。
【0048】
(第3の実施の形態)
図4は、本発明の第3の実施の形態に係る測位装置の動作手順を示すフローチャートである。但し、図1に示した第1の実施の形態と同様の部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0049】
本発明の第3の実施の形態の測位装置は、補強情報の有効期限を算出する機能を補強情報利用判定部104に付加し、取得した補強情報の中で将来利用可能な範囲の情報だけを記憶する。
【0050】
次に本実施の形態の補強情報利用判定部104の動作について説明する。まず、測位装置のSBAS衛星受信部103はステップS301にて、アンテナ部101で捕捉した信号を受信してSBAS衛星の信号を復調する。次に補強情報利用判定部104はステップS302にて、SBAS衛星受信部103で取得されたSBAS衛星の信号を解析し、GNSS補強情報を抽出する。
【0051】
次に、ステップS303で、補強情報利用判定部104は、抽出した補強情報が測位演算に利用されない情報を含む種類であるかどうかを判定し、利用されない情報が含まれない種類の場合には、直ちにステップS309の処理に進んで補強情報を記憶部105に記憶する。
【0052】
抽出した補強情報が、測位演算に利用されない情報を含む種類であると判定された場合(ステップS303)、ステップS304に進み、補強情報利用判定部104は測位装置の概略位置と時刻情報があるかどうかを判定し、両者を保持していない場合には、補強情報を利用することが不可能なため、取得した補強情報を破棄する。
【0053】
測位装置の概略位置と時刻情報があると判定された場合(ステップS304)、補強情報利用判定部104はステップS305にて、記憶部105に保持している衛星軌道情報と時刻情報を用いて衛星座標を算出し、測位装置の概略位置との位置関係から、電波が地上約350kmの電離層を貫通する座標(ピアースポイント)を全て算出する。
【0054】
次に補強情報利用判定部104はステップS306にて、補強情報の有効時間を抽出してステップS307に進む。この補強情報の有効時間は、測位装置の仕様用用途などにより、それぞれの補強情報ごとの有効時間が定められている。例えばWAASが放送する電離層遅延誤差は600秒であり、DGPS補正情報は30秒程度である。また、放送する補強情報上に情報の有効時間を定めたものも存在するが、一般に補強情報の有効時間は、仕様書に定められた方法で取得することができる。
【0055】
補強情報利用判定部104はステップS307にて、衛星軌道情報を用いて、現在時刻から一定時間経過後の衛星座標を算出し、時間経過とともに位置の変わるピアースポイントの移動軌跡を、現在時刻から補強情報の有効時間まで算出する。
【0056】
補強情報利用判定部104はステップS308で、取得した補強情報の格子点がピアースポイントまたはピアースポイントの移動軌跡の近傍の座標かどうかを判定し、近傍でない場合には補強情報を破棄し、近傍の座標の場合は補強情報をステップS309にて記憶部105に記憶する。
【0057】
本実施の形態によれば、補強情報利用判定部104に補強情報の有効期限を算出する機能を付加したことにより、取得した補強情報の中で将来利用可能な範囲の情報だけを記憶部105に記憶することができ、記憶する補強情報を削減して記憶部105の記憶容量を小さくすることができる。
【0058】
(第4の実施の形態)
図5は、本発明の第4の実施の形態に係る測位装置の動作手順を示すフローチャートである。但し、図1に示した第1の実施の形態と同様の部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0059】
本発明の第4の実施の形態の測位装置は、補強情報利用判定部104に測位装置の移動範囲を予測する機能を付加し、取得した補強情報の中で測位装置の移動範囲内の情報だけを記憶する。
【0060】
次に本実施の形態の補強情報利用判定部104の動作について説明する。まず、測位装置のSBAS衛星受信部103はステップS401にて、アンテナ部101で捕捉した信号を受信してSBAS衛星の信号を復調する。次に補強情報利用判定部104はステップS402にて、SBAS衛星受信部103で取得されたSBAS衛星の信号を解析し、補強情報を抽出する。
【0061】
次に、ステップS403で、補強情報利用判定部104は、抽出した補強情報が測位演算に利用されない情報を含む種類であるかどうかを判定し、利用されない情報が含まれない種類の場合には、直ちにステップS409の処理に進んで補強情報を記憶部105に記憶する。
【0062】
抽出した補強情報が、測位演算に利用されない情報を含む種類であると判定された場合(ステップS403)、ステップS404に進み、補強情報利用判定部104は測位装置の概略位置と時刻情報があるかどうかを判定し、両者を保持していない場合には、補強情報を利用することが不可能なため、取得した補強情報を破棄する。
【0063】
測位装置の概略位置と時刻情報があると判定された場合(ステップS404)、補強情報利用判定部104はステップS405にて、記憶部105に保持している衛星軌道情報と時刻情報を用いて衛星座標を算出し、測位装置の概略位置との位置関係から、電波が地上約350kmの電離層を貫通する座標(ピアースポイント)を全て算出する。
【0064】
次に補強情報利用判定部104はステップS406にて、測位装置の移動範囲を予測してステップS407に進む。測位装置は通常、車や航空機などの移動体に備えられることが多いため、測位演算に利用可能な衛星数が少ないなどの理由で測位演算を行うことができない時間が長くなると、測位装置の概略位置は時間経過とともに誤差が大きくなるため、誤差の大きい概略位置でピアースポイントを算出した場合にもピアースポイントの誤差が大きくなってしまう。そのため、測位装置が移動する範囲を、例えば日本国内に限定したり、最後に測位演算を行ってからの経過時間に応じて測位装置が存在する概略位置範囲を予測する。
【0065】
補強情報利用判定部104はステップS407にて、概略位置と衛星座標を利用してピアースポイントを算出すると共に、概略位置の移動範囲でのピアースポイントを算出する。
【0066】
なお、測位装置の移動範囲それぞれの箇所についてピアースポイントを算出すると演算量が増加してしまうが、通常は測位装置が移動した場合にもピアースポイントの変動量は小さいため、概略位置のピアースポイントを算出し、ピアースポイント周辺の座標もピアースポイントの候補にすることも当然可能である。
【0067】
補強情報利用判定部104はステップS408で、取得した補強情報の格子点が、ピアースポイントまたはピアースポイントの移動軌跡の近傍の座標かどうかを判定し、近傍でない場合には補強情報を破棄し、近傍の座標の場合は補強情報をステップS409にて記憶部105に記憶する。
【0068】
本実施の形態によれば、補強情報利用判定部104に、測位装置の移動範囲を予測する機能を付加したことにより、取得した補強情報の中で測位装置の移動範囲内の情報だけを記憶部105に記憶することができ、記憶する補強情報を削減して記憶部105の記憶容量を小さくすることができる。
【0069】
(第5の実施の形態)
図6は、本発明の第5の実施の形態に係る測位装置の動作手順を示すフローチャートである。但し、図1に示した第1の実施の形態と同様の部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0070】
本発明の第5の実施の形態の測位装置は過去に静止衛星を受信した経歴がある場合には、過去に受信した時の衛星座標をもとに補強情報を抽出する機能を補強情報利用判定部104に付加し、静止衛星を受信した場合にも速やかに補強情報を利用可能にする。
【0071】
次に本実施の形態の補強情報利用判定部104の動作について説明する。まず、測位装置のSBAS衛星受信部103はステップS501にて、アンテナ部101で捕捉した信号を受信してSBAS衛星の信号を復調する。次に補強情報利用判定部104はステップS502にて、SBAS衛星受信部103で取得されたSBAS衛星の信号を解析し、補強情報を抽出する。
【0072】
次に、ステップS503で、補強情報利用判定部104は、抽出した補強情報が測位演算に利用されない情報を含む種類であるかどうかを判定し、利用されない情報が含まれない種類の場合には、直ちにステップS508の処理に進んで補強情報を記憶部105に記憶する。
【0073】
抽出した補強情報が、測位演算に利用されない情報を含む種類であると判定された場合(ステップS503)、ステップS504に進み、補強情報利用判定部104は測位装置の概略位置と時刻情報があるかどうかを判定し、両者を保持していない場合には、補強情報を利用することが不可能なため、取得した補強情報を破棄する。
【0074】
測位装置の概略位置と時刻情報があると判定された場合(ステップS504)、補強情報利用判定部104はステップS505にて、記憶部105に保持している衛星軌道情報と時刻情報を用いて衛星座標を算出し、測位装置の概略位置との位置関係から、電波が地上約350kmの電離層を貫通する座標(ピアースポイント)を全て算出する。
【0075】
次に補強情報利用判定部104はステップS506にて、過去に受信したことのある静止衛星がある場合でこの静止衛星の軌道情報を保持していない場合には、過去に受信したときの静止衛星座標を利用して、測位装置の概略位置との間のピアースポイントを算出してステップS507に進む。
【0076】
補強情報利用判定部104はステップS507で、取得した補強情報の格子点が、ピアースポイントまたはピアースポイントの移動軌跡の近傍の座標かどうかを判定し、近傍でない場合には補強情報を破棄し、近傍の座標の場合は補強情報をステップS508にて記憶部105に記憶する。
【0077】
本実施の形態によれば、過去に静止衛星を受信した経歴がある場合には、過去に受信した時の衛星座標をもとに補強情報を抽出する機能を補強情報利用判定部104に付加したことにより、静止衛星を受信した場合にも速やかに補強情報を利用することができると共に、補強情報の中で測位演算に利用可能な補強情報のみを記憶部105に記憶することにより、記憶部105の記憶容量を大きくしなくとも、測位演算に支障を来すことなく、従来と同様の精度で測位装置の位置を測定することができる。
【0078】
(第6の実施の形態)
図7は、本発明の第6の実施の形態に係る測位装置の動作手順を示すフローチャートである。但し、図1に示した第1の実施の形態と同様の部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0079】
本発明の第6の実施の形態の測位装置は、取得した補強情報を測位演算に利用する可能性を算出して補強情報の優先度を算出する機能を補強情報利用判定部104に付加し、補強情報以外の情報を記憶する場合には、優先度の低い補強情報から順に削除するようにしている。
【0080】
次に本実施の形態の補強情報利用判定部104の動作について説明する。まず、測位装置のSBAS衛星受信部103はステップS601にて、アンテナ部101で捕捉した信号を受信してSBAS衛星の信号を復調する。
【0081】
次に補強情報利用判定部104はステップS602にて、SBAS衛星受信部103で取得されたSBAS衛星の信号を解析し、補強情報を抽出する。
【0082】
次に、補強情報利用判定部104はステップS603にて、取得した補強情報の有効度を決定し、ステップS604に進む。補強情報利用判定部104はステップS604にて、補強情報を記憶する場合に有効度を付与して記憶部105に記憶する。
【0083】
ここで、補強情報には複数の情報が存在し、従来の測位装置の説明のところで述べたように、例えばSBASが送信する情報には3種類がある。しかし補強情報を測位演算に利用する場合の測位精度の向上効果は補強情報ごとに異なるものである。例えば、電離層遅延誤差は一般に数mから数10mであり、測位演算結果の誤差としてGPS衛星からのC/Aコードのみを利用するSPS(StandardPositioning Service)測位では、数m程度の誤差となる。
【0084】
一方、衛星時計誤差は、衛星の時刻誤差が大きい場合(SA状況下など)には数100m程度まで増加することがある。そのため、測位演算結果への精度向上効果が大きいものを優先的に記憶部105に記憶し、効果の小さいものは廃棄されるように、補強情報の優先度を設定することが出来る。この設定方法としては、上記説明したように補強情報の種類で区別することや、補強情報の誤差値の大きさに応じて決定することができる。
【0085】
本実施の形態によれば、補強情報利用判定部104に、取得した補強情報を測位演算に利用する可能性を算出して補強情報の優先度を算出する機能を付加したことにより、測位装置が補強情報以外の情報を記憶部105に記憶する場合には、優先度の低い補強情報から順に削除することができる。それ故、記憶部105に優先度の低い補強情報をそのまま記憶した状態で補強情報以外の情報を記憶するなどということがなくなるため、その分、記憶部105の記憶容量を小さくすることができる。
【0086】
(第7の実施の形態)
図8は、本発明の第7の実施の形態に係る測位装置の動作手順を示すフローチャートである。但し、図1に示した第1の実施の形態と同様の部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0087】
本発明の第7の実施の形態の測位装置は、現在衛星を走査中かどうかで補強情報の有効度を設定する機能を補強情報利用判定部104に付加し、補強情報を測位演算の補強に利用する可能性があるか推測することができ、利用する可能性の高いデータだけを優先的に記憶する。
【0088】
次に本実施の形態の補強情報利用判定部104の動作について説明する。まず、測位装置のSBAS衛星受信部103はステップS701にて、アンテナ部101で捕捉した信号を受信してSBAS衛星の信号を復調する。
【0089】
次に補強情報利用判定部104はステップS702にて、SBAS衛星受信部103で取得されたSBAS衛星の信号を解析し、補強情報を抽出する。
【0090】
次に補強情報利用判定部104はステップS703にて、補強情報を利用する可能性のある衛星が現在走査中であるかどうか判定し、走査中の衛星の場合には、ステップS704にて補強情報の有効度をHIGHに設定し、一方、走査中でない衛星から算出した補強情報の有効度をステップS705にて、LOWに設定する。
【0091】
補強情報利用判定部104はステップS706にて、補強情報を記憶する場合に、有効度を付与して記憶部105に記憶する。
【0092】
本実施の形態によれば、補強情報利用判定部104に、現在衛星を走査中かどうかにより補強情報の有効度を設定する機能を付加したことにより、補強情報を測位演算の補強に利用する可能性があるかどうかを推測することができ、利用する可能性の高いデータだけを優先的に記憶部105に記憶することができ、記憶する補強情報を削減して記憶部105の記憶容量を小さくすることができる。
【0093】
(第8の実施の形態)
図9は、本発明の第8の実施の形態に係る測位装置の動作手順を示すフローチャートである。但し、図1に示した第1の実施の形態と同様の部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0094】
本発明の第8の実施の形態の測位装置は、現在衛星を追尾可能かどうかで補強情報の有効度を設定する機能を補強情報利用判定部104に付加することで補強情報を測位演算の補強に将来利用する可能性があるかどうかを推測することができ、利用する可能性の高いデータだけを優先的に記憶する。
【0095】
次に本実施の形態の補強情報利用判定部104の動作について説明する。まず、測位装置のSBAS衛星受信部103はステップS801にて、アンテナ部101で捕捉した信号を受信してSBAS衛星の信号を復調する。次に補強情報利用判定部104はステップS802にて、SBAS衛星受信部103で取得されたSBAS衛星の信号を解析し、補強情報を抽出する。
【0096】
次に補強情報利用判定部104はステップS803にて、補強情報を利用する可能性のある衛星を現在走査中であるかどうか判定し、衛星を現在走査中である場合はステップS804に進み、現在、衛星の送信信号を受信して追尾しているか判定する。衛星を現在走査中でない場合、補強情報利用判定部104はステップS807にて、その衛星から算出した補強情報の有効度をLOWに設定して、ステップS808に進む。
【0097】
上記判定の結果、衛星の送信信号を受信して追尾していない場合、補強情報利用判定部104はステップS806にて、その衛星から算出した補強情報の有効度をMIDDLEに設定し、また追尾している場合にはステップS805にて、対応する補強情報の有効度をHIGHに設定した後、それぞれステップS808に進み、補強情報に有効度を付加して記憶部105に記憶する。
【0098】
本実施の形態によれば、補強情報利用判定部104に、現在衛星を追尾可能かどうかで補強情報の有効度を設定する機能を付加したことにより、補強情報を測位演算の補強に将来利用する可能性があるか推測することができ、利用する可能性の高いデータだけを優先的に記憶部105に記憶することができ、その分、記憶部105の記憶容量を小さくすることができる。
【0099】
(第9の実施の形態)
図10は、本発明の第9の実施の形態に係る測位装置の動作手順を示すフローチャートである。但し、図1に示した第1の実施の形態と同様の部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0100】
本発明の第9の実施の形態の測位装置は、衛星の仰角が高いものから順に補強情報の有効度を設定する機能を補強情報利用判定部104に付加し、仰角の低い衛星は周辺に遮蔽物がある場合には測位演算に利用される頻度が低いため、仰角が高く測位演算に利用される可能性が高い補強情報を優先的に記憶する。
【0101】
次に本実施の形態の補強情報利用判定部104の動作について説明する。まず、測位装置のSBAS衛星受信部103はステップS901にて、アンテナ部101で捕捉した信号を受信してSBAS衛星の信号を復調する。
【0102】
次に補強情報利用判定部104はステップS902にて、SBAS衛星受信部103で取得されたSBAS衛星の信号を解析し、補強情報を抽出する。
【0103】
次に補強情報利用判定部104はステップS903にて、衛星軌道情報を保持している衛星の仰角を計算し、仰角の高さに応じて、その衛星から算出した補強情報の有効度を設定してステップS904に進む。
【0104】
補強情報利用判定部104はステップS904にて、補強情報に有効度を付加して記憶部105に記憶する。
【0105】
一般に測位装置は地上で利用されることが多いため、測位装置周辺にビルなどの遮蔽物が存在する場合など、低仰角の衛星は遮蔽物に遮断されて信号を受信できる可能性が低く、また、マルチパスなどの誤差を多く含むため、測位演算に利用した場合に測位演算精度を劣化させてしまうおそれがあるため、測位演算に利用される可能性が低い。そのため、測位演算に利用される頻度の高い、仰角の高い衛星から算出した補強情報を優先的に記憶する。
【0106】
本実施の形態によれば、補強情報利用判定部104に、衛星の仰角が高いものから順に補強情報の有効度を設定する機能を付加したことにより、仰角の低い衛星は周辺に遮蔽物がある場合には測位演算に利用される頻度が低いため、仰角が高く測位演算に利用される可能性が高い補強情報を優先的に記憶部105に記憶することができ、その分、記憶部105の記憶容量を小さくすることができる。
【0107】
(第10の実施の形態)
図11は、本発明の第10の実施の形態に係る測位装置の動作手順を示すフローチャートである。但し、図1に示した第1の実施の形態と同様の部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0108】
本発明の第10の実施の形態の測位装置は、取得した補強情報を測位演算に利用する時期が近いものから順に有効度を高く設定する動作を補強情報利用判定部104に持たせてあるため、例えば地球の裏側等に存在する衛星が将来通る位置の補強情報は、測位装置に信号が届く範囲に移動したときに取得して、記憶部105に記憶される時間を短くする。
【0109】
次に本実施の形態の補強情報利用判定部104の動作について説明する。まず、測位装置のSBAS衛星受信部103はステップS111にて、アンテナ部101で捕捉した信号を受信してSBAS衛星の信号を復調する。
【0110】
次に補強情報利用判定部104はステップS112にて、SBAS衛星受信部103で取得されたSBAS衛星の信号を解析し、補強情報を抽出する。
【0111】
次に補強情報利用判定部104はステップS113にて、補強情報を利用する可能性のある衛星が、補強情報を利用するまでの時間を算出し、ステップS114にて、補強情報の有効度をこの補強情報を利用するまでの時間が近いほど高く設定する(有効度から補強情報を利用するまでの時間を減算する)。
【0112】
補強情報利用判定部104はステップS115にて、補強情報に有効度を付加して記憶部105に記憶する。
【0113】
本実施の形態によれば、補強情報利用判定部104を、取得した補強情報を測位演算に利用する時期が近いものから順に有効度を高く設定する構成としたことにより、例えば地球の裏側等に存在する衛星が将来通る位置の補強情報は、測位装置に信号が届く範囲に移動したときに取得して、記憶部105に記憶される時間を短くすることができ、その分、記憶部105の記憶容量を小さくすることができる。
【0114】
なお、上記ステップS114の時間を用いて優先度を低くする処理には、例えば時間に一定の変換値を乗算して優先度から減算する方法などがある。
【0115】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、補強情報利用判定部により受信した補強情報が測位演算に利用可能かどうかを受信機位置情報および衛星軌道情報を利用して判定し、記憶部には測位演算に利用できる補強情報だけを記憶し、利用しない補強情報は記憶しないようにすることにより、記憶部は測位演算に利用する補強情報だけを記憶すればよく、測位演算に利用しない補強情報を記憶しないことで補強情報のデータ量を削減でき、特に大きな記憶容量の記憶部を搭載できない小型の測位装置でも補強情報を利用して精度の高い測位を行うことができる。
【0116】
また、本発明によれば、前記補強情報利用判定部に、衛星軌道情報を用いて衛星の移動軌跡を推測する機能を付加したので、取得した補強情報のうち将来利用する範囲の情報だけを記憶部に記憶することができ、補強情報のデータ量を削減することができる。
【0117】
また、本発明によれば、前記補強情報利用判定部に、補強情報の有効期限を算出する機能を付加したので、取得した補強情報の中で将来利用可能な範囲の情報だけを記憶部に記憶することができ、補強情報のデータ量を削減することができる。
【0118】
また、本発明によれば、前記補強情報利用判定部に、測位装置の移動範囲を予測する機能を付加したので、取得した補強情報の中で測位装置の移動範囲内の情報だけを記憶部に記憶することができ、補強情報のデータ量を削減することができる。
【0119】
また、本発明によれば、前記補強情報利用判定部に、過去に静止衛星を受信した経歴がある場合には、過去に受信した時の衛星座標をもとに補強情報を抽出する機能を付加したので、静止衛星を受信した場合にも速やかに補強情報を利用することができると共に、測位演算に利用しない補強情報を記憶しないことで補強情報のデータ量を削減することができる。
【0120】
また、本発明によれば、前記補強情報利用判定部に、取得した補強情報を測位演算に利用する可能性を算出して補強情報の優先度を算出する機能を付加したので、前記補強情報以外の情報を記憶部に記憶する場合には、優先度の低い補強情報から順に削除していくことができ、その分、補強情報のデータ量を削減することができる。
【0121】
また、本発明によれば、前記補強情報利用判定部に、現在衛星を走査中かどうかで補強情報の有効度を設定する機能を付加したので、補強情報を測位演算の補強に利用する可能性があるかどうかを推測することができ、利用する可能性の高い補強情報を優先的に記憶部に記憶することができ、補強情報のデータ量を削減することができる。
【0122】
また、本発明によれば、前記補強情報利用判定部に、現在衛星を追尾可能かどうかで補強情報の有効度を設定する機能を付加したので、補強情報を測位演算の補強に将来利用する可能性があるかどうかを推測することができ、利用する可能性の高い補強情報を優先的に記憶することができる。
【0123】
また、本発明によれば、前記補強情報利用判定部に、衛星の仰角が高いものから順に補強情報の有効度を設定する機能を付加したので、仰角の低い衛星は周辺に遮蔽物がある場合には測位演算に利用される頻度が低いため、仰角が高く測位演算に利用される可能性が高い補強情報を優先的に記憶することができる。
【0124】
また、本発明によれば、前記補強情報利用判定部に、取得した補強情報に測位演算に利用する時期が近いものから順に有効度を高く設定する構成としたので、例えば地球の裏側等に存在する衛星が将来通る位置の補強情報は、測位装置に信号が届く範囲に移動したときに取得して、補強情報が記憶部に記憶される時間を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る測位装置の構成を示すブロック図。
【図2】図1に示した補強情報利用判定部の動作手順を示すフローチャート。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る測位装置の動作手順を示すフローチャート。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係る測位装置の動作手順を示すフローチャート。
【図5】本発明の第4の実施の形態に係る測位装置の動作手順を示すフローチャート。
【図6】本発明の第5の実施の形態に係る測位装置の動作手順を示すフローチャート。
【図7】本発明の第6の実施の形態に係る測位装置の動作手順を示すフローチャート。
【図8】本発明の第7の実施の形態に係る測位装置の動作手順を示すフローチャート。
【図9】本発明の第8の実施の形態に係る測位装置の動作手順を示すフローチャート。
【図10】本発明の第9の実施の形態に係る測位装置の動作手順を示すフローチャート。
【図11】本発明の第10の実施の形態に係る測位装置の動作手順を示すフローチャート。
【図12】従来の測位装置の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
101 アンテナ部
102 GPS(GNSS)衛星受信部
103 SBAS衛星受信部
104 補強情報利用判定部
105 記憶部
106 測位部
107 表示部
【発明の属する技術分野】
本発明は、GNSS(Global Navigation Satellite System)衛星を利用する測位装置に係り、特に地球を周回するGPS衛星から位置および速度を求めるGPS(Global Positioning Ststem)利用の測位装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
GPSシステムやGLONASSシステムなどの衛星を利用した全地球的衛星航法システム(GNSS)を利用した測位装置は、複数のGNSS衛星の電波を同時に受信して、GNSS衛星からの航法メッセージ(軌道情報や時刻情報)を取得することによって、地球上での絶対位置を算出するものである。近年ではGNSSを用いた測位システムは、様々な分野で盛んに利用されている。
【0003】
航空機の分野では、国際民間航空機関(ICAO)によるGNSSを利用した航空保安システムの導入が決まり、GNSSを用いた航法の安全性を向上させるために、米国のWAAS(Wide Area Augmentation System)、欧州の静止衛星のEGNOS(European−Geostationary−Navigation−Overlay−Service)、日本のMSAS(Multi−functional−transport−satellite Satellite−based Augmentation System)といった静止衛星を利用した補強システム(SBAS)が計画されている。
【0004】
静止衛星を利用した補強システムでは、分散配置されたモニタ局で得られた補強情報を静止衛星に集約し、静止衛星はこの補強情報を航空機などの移動体へ送信する。この補正情報には以下に示した3種類の情報がある。
【0005】
(1)インテグリティ:GNSS衛星の信号の確からしさを示す情報
(2)補正データ:GNSS衛星の誤差補正情報(時刻誤差補正情報、軌道誤差補正情報、電離層誤差補正情報)
(3)レンジング情報:GNSS信号と同様(WAAS、EGNOS、MSASはGPSと同様の信号)の信号を送信し、静止衛星をGNSSの一つの衛星として測位計算に用いることができる。
【0006】
また、補強情報のうち、補正データに含まれる電離層誤差補正情報は、地球を格子状に1808箇所に分類し、各格子での垂直方向遅延情報として構成される。測位装置がこの補正情報を使うには、測位装置で測位演算を行って自己の位置を取得し、また各衛星の座標を衛星軌道情報(エフェメリス)を用いて算出する。そして、衛星の送信信号が電離層を通過する座標(以下、ピアースポイントと呼ぶ)を算出し、この座標を中心とする3または4の格子を決定し、垂直方向遅延情報を利用して電離層誤差を算出することができる。
【0007】
なお、SBASは、GPS衛星と同様な信号を送信してレンジングを行うため、静止衛星が送信する信号はGPS衛星が送信する信号とキャリア周波数や変調方式が同様になっている。また、航空機用途に開発されたシステムであるが、車載型などの用途のGPS受信機でも利用可能である。
【0008】
以下、図12を参照しながら従来の測位装置について説明する。また、GPSはGNSSの中で現在最も普及しているシステムであるため、特に断らない限り、今後GNSSをGPSと置き換えて説明する。
【0009】
図12は、従来の測位装置の構成を示すブロック図である。従来の測位装置は、GPS衛星またはSBAS衛星からの電波を受信するアンテナ部1、アンテナ部1で受信した電波を復調して、GPS衛星から送信されるデータを取得するGPS(GNSS)衛星受信部2、アンテナ部1で受信した電波を復調してSBAS衛星から送信されるデータを取得するSBAS衛星受信部3、衛星の軌道情報やGPS補強情報などを記憶する記憶部4、GPS衛星およびSBAS衛星の軌道情報や時刻情報を用いて測位装置の位置を算出する測位部5および測位装置の存在する場所の位置を外部に表示する表示部6を有している。
【0010】
以上のように構成された従来の測位装置について、以下その動作を説明する。まず、アンテナ部1で衛星の電波を受信し、GPS衛星受信部2で受信電波を復調し、衛星から送信される航法メッセージを取得して測位部5に出力する。この航法メッセージには、エフェメリス、アルマナックのような衛星軌道情報や、衛星が信号を送信した時刻情報などが含まれる。
【0011】
SBAS衛星受信部3は、アンテナ部1で受信した信号を復調し、衛星(静止衛星)から送信される補強情報データ(電離層補性情報を含む)などを取得して記憶部4に記憶する。記憶部4は、衛星軌道情報や補強情報や測位演算結果などを記憶するものであり、また、測位装置が停止中にもバックアップ電源などで駆動されてデータを記憶し続ける。測位部5は、GPS衛星受信部2とSBAS衛星受信部3で取得した衛星の送信時刻や衛星軌道情報などを利用すると共に、補強情報を利用して測位演算を行うことによって自己の位置を算出し、その結果を表示部6に表示する。
【0012】
なお、測位装置の従来技術は特許文献1等に記載されている。
【0013】
【特許文献1】
特開2001−124841号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の測位装置では、SBAS衛星受信部3で取得した補強情報が利用可能かどうか判定する機能を有していないため、補強情報の全てを記憶部4に記憶しなければならない。特に、電離層補性情報は、1808の格子点に対して1点の情報量が13bitあるため、最大で約3kバイトの情報を記憶しなければならず、特に小型の測位装置においても利用可能な記憶容量を大きくしなければならないという課題があった。
【0015】
本発明は、このような従来の課題を解決するもので、位置測定動作を阻害することなく、記憶する補強情報のデータ量を削減することができる測位装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、衛星の送信信号を受信して受信情報を得る受信部と、前記受信情報を用いて測位演算を行い受信機位置情報を算出する測位部と、前記受信情報の中の衛星軌道情報、補強情報および前記受信機位置情報の一部または全部を記憶する記憶部と、前記補強情報が前記測位演算に利用可能かどうかを前記受信機位置情報および前記衛星軌道情報を利用して判定し、前記測位演算に利用可能な補強情報のみを前記記憶部に記憶させる補強情報利用判定部とを備える構成とした。このように構成したことにより、記憶部は測位演算に利用する補強情報だけを記憶すればよく、測位演算に利用しない補強情報を記憶しないことでデータ量を削減でき、特に大きな記憶容量の記憶部を搭載できない小型の測位装置でも補強情報を利用して精度の高い測位を行うことができる。
【0017】
また、前記補強情報利用判定部が、前記受信した衛星軌道情報を用いて衛星の移動軌跡を推測する機能を有し、前記記憶部が、前記補強情報利用判定部の推測結果に基づいて前記補強情報のうち将来利用する範囲の情報だけを記憶するように構成した。このように構成したことにより、取得した補強情報のうち将来利用する範囲の情報だけを記憶部に記憶することができ、補強情報のデータ量を削減することができる。
【0018】
また、前記補強情報利用判定部が、補強情報の有効期限を算出する機能を有し、前記記憶部が、前記補強情報利用判定部の算出結果に基づいて前記補強情報の中で将来利用可能な範囲の情報だけを記憶するように構成した。このように構成したことにより、取得した補強情報の中で将来利用可能な範囲の情報だけを記憶部に記憶することができ、補強情報のデータ量を削減することができる。
【0019】
また、前記補強情報利用判定部が、測位装置の移動範囲を予測する機能を有し、前記記憶部が、前記補強情報利用判定部の予測結果に基づいて前記補強情報の中で測位装置の移動範囲内の情報だけを記憶するように構成した。このように構成したことにより、取得した補強情報の中で測位装置の移動範囲内の情報だけを記憶部に記憶することができ、補強情報のデータ量を削減することができる。
【0020】
また、前記補強情報利用判定部が、現在送信信号を受信している衛星が過去に受信した経歴のある衛星である場合に過去に受信した時の衛星座標をもとに抽出した補強情報が前記測位演算に利用可能かどうかを判定する機能を有し、前記記憶部が、前記補強情報利用判定部の判定結果に基づいて前記測位演算に利用可能な補強情報のみを記憶するように構成した。このように構成したことにより、静止衛星を受信した場合にも速やかに補強情報を利用することができると共に、測位演算に利用しない補強情報を記憶しないことで記憶部の記憶容量を削減することができる。
【0021】
また、前記補強情報利用判定部が、前記受信した補強情報を測位演算に利用する可能性に基づいて前記受信した補強情報に優先度を設定する機能を有し、前記記憶部が、前記補強情報以外の情報を前記記憶部に記憶する場合にすでに記憶されている補強情報のうち前記優先度の低い補強情報から順次削除するように構成した。このように構成したことにより、前記補強情報以外の情報を記憶部に記憶する場合には、優先度の低い補強情報から順に削除していくことができ、その分、記憶部の記憶容量を削減することができる。
【0022】
また、前記補強情報利用判定部が、現在衛星を走査中かどうかで設定した補強情報の有効度に基づいて前記受信した補強情報が測位演算の補強に利用する可能性があるかどうかを推測する機能を有し、前記記憶部が、前記補強情報利用判定部の推測結果に基づいて利用する可能性の高い補強情報だけを優先的に記憶するように構成した。このように構成したことにより、補強情報を測位演算の補強に利用する可能性があるかどうかを推測することができ、利用する可能性の高い補強情報を優先的に記憶部に記憶することができ、その分、記憶部の記憶容量を削減することができる。
【0023】
また、前記補強情報利用判定部が、現在衛星を追尾可能かどうかで設定した補強情報の有効度に基づいて前記受信した補強情報が測位演算の補強に利用する可能性があるかどうかを推測する機能を有し、前記記憶部が、前記補強情報利用判定部の推測結果に基づいて利用する可能性の高い補強情報だけを優先的に記憶するように構成した。このように構成したことにより、補強情報を測位演算の補強に将来利用する可能性があるかどうかを推測することができ、利用する可能性の高い補強情報を優先的に記憶することができる。
【0024】
また、前記補強情報利用判定部が、衛星の仰角が高いものから順に設定した補強情報の有効度に基づいて前記受信した補強情報が測位演算の補強に利用する可能性があるかどうか推測する機能を有し、前記記憶部が、前記補強情報利用判定部の推測結果に基づいて利用する可能性の高い補強情報だけを優先的に記憶するように構成した。このように構成したことにより、仰角の低い衛星は周辺に遮蔽物がある場合には測位演算に利用される頻度が低いため、仰角が高く測位演算に利用される可能性が高い補強情報を優先的に記憶することができる。
【0025】
また、前記補強情報利用判定部が、取得した補強情報に測位演算に利用する時期が近いものから順に設定した有効度に基づいて前記受信した補強情報が測位演算の補強に利用する可能性があるかどうかを推測する機能を有し、前記記憶部が、前記補強情報利用判定部の推測結果に基づいて利用する可能性の高い補強情報だけを優先的に記憶するように構成した。このように構成したことにより、例えば地球の裏側等に存在する衛星が将来通る位置の補強情報は、測位装置に信号が届く範囲に移動したときに取得して、補強情報が記憶部に記憶される時間を短くすることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る測位装置の構成を示すブロック図である。図1において、測位装置は、衛星からの電波を捕捉するアンテナ部101と、受信した電波を復調してGPS衛星から送信されるデータを取得するGPS(GNSS)衛星受信部102と、受信した電波を復調してSBAS衛星から送信されるデータを取得するSBAS衛星受信部103と、SBAS衛星受信部103で取得するGNSS補強情報(以降、単に補強情報と呼ぶ)のうち、測位演算に利用する情報かどうかを判定する補強情報利用判定部104と、衛星の軌道情報や補強情報などを記憶する記憶部105と、GPS衛星およびSBAS衛星の軌道情報や時刻情報を用いて、測位装置の位置を算出する測位部106と、測位装置の位置を外部に表示する表示部107とを有している。
【0027】
次に本実施の形態の動作について説明する。まず、アンテナ部101で衛星の電波を捕捉し、GPS衛星受信部102で受信電波を受信して復調し、衛星から送信される航法メッセージを取得して測位部106に出力する。SBAS衛星受信部103は、アンテナ部101で捕捉した信号を受信して復調し、衛星から送信される補強情報(電離層補性情報を含む)を取得して記憶部105に記憶する。
【0028】
記憶部105は、衛星軌道情報や補強情報や測位演算結果などを記憶するものであり、また、測位装置が停止中にもバックアップ電源などで駆動されてデータを記憶し続ける。測位部106は、GPS衛星受信部102で取得した衛星の送信時刻や衛星軌道情報などとSBAS衛星受信部103で取得して記憶部105に記憶した補強情報を利用して測位演算を行うことにより、自己の位置を算出し、その結果を表示部107に表示する。その際、補強情報利用判定部104により取得された補強情報が測位部106での測位演算に利用できるかどうかを判定し、利用できる補強情報のみを記憶部105に記憶する。
【0029】
以上のように、第1の実施の形態の測位装置は、補強情報の中で測位演算に利用可能かどうかを受信機位置情報および衛星軌道情報を利用して判定し、記憶部105には測位演算に利用する補強情報だけを記憶し、利用しない補強情報は記憶しないようにしている。
【0030】
図2は、補強情報利用判定部104の動作手順を示すフローチャートであり、以下、この図2を用いて取得した補強情報が利用できるかどうかを判定する動作について説明する。
【0031】
まず、測位装置のSBAS衛星受信部103はステップS101にて、アンテナ部101で捕捉した信号を受信してSBAS衛星の信号を復調する。次に補強情報利用判定部104はステップS102にて、SBAS衛星受信部103で取得されたSBAS衛星の信号を解析して補強情報を抽出する。
【0032】
次に、ステップS103で、補強情報利用判定部104は、抽出した補強情報が測位演算に利用されない情報を含む種類であるかどうかを判定し、利用されない情報が含まれない種類の場合には、直ちにステップS108の処理に進んで補強情報を記憶部105に記憶する。
【0033】
ここで、補強情報利用判定部104における補強情報の種類の判別方法としては、事前に補強情報の種類を決定しておく必要がある。従来の測位装置で説明したようにSBASが放送する補強情報には、インテグリティ・補正情報・レンジング情報の3つがある。これらの情報は、SBASが静止衛星を利用して広範囲に補強情報を送信するため、測位装置が存在する場所によっては、補強情報の対象となる衛星が可視範囲に存在しない情報も含まれる。そのため、本実施の形態では、SBASから送信される補強情報の全てを、測位演算に利用しない情報が含まれる種類の情報として扱うが、補強情報の種類に応じて決定することも可能である。
【0034】
抽出した補強情報が、測位演算に利用されない情報を含む種類であると判定された場合(ステップS103)、補強情報利用判定部104はステップS104にて、受信した補強情報の中に測位装置の概略位置と時刻情報があるかどうかを判定し、両者を保持していない場合には、補強情報を利用することが不可能なため、取得した補強情報を破棄する。
【0035】
測位装置の概略位置と時刻情報があると判定された場合(ステップS104)、補強情報利用判定部104はステップS105にて、記憶部105に保持している衛星軌道情報と時刻情報を用いて衛星座標を算出し、測位装置の概略位置との位置関係から、電波が地上約350kmの電離層を貫通する座標(ピアースポイント)を全て算出する。
【0036】
次に、補強情報利用判定部104はステップS106にて、上記受信して取得した補強情報の格子点が、上記ピアースポイント近傍の座標かをどうかを判定し、近傍でない場合には、補強情報を破棄し、近傍である場合にはステップS107に進む。
【0037】
補強情報利用判定部104はステップS107にて、測位装置の座標と格子点の座標をもとに、取得した補強情報の格子点が、測位装置の概略位置から可視範囲に存在するかどうかを判定し(衛星の仰角が0度以上かどうかを判定することと等価)、可視範囲外の補強情報を廃棄し、それ以外の補強情報をステップS108にて記憶部105に記憶する。
【0038】
本実施の形態によれば、SBAS衛星受信部103で取得した補強情報の中で測位演算に利用可能な補強情報のみを記憶部105に記憶することにより、記憶部105の記憶容量を大きくしなくとも、測位演算に支障を来すことなく、従来と同様の精度で測位装置の位置を測定することができる。これにより、小型の測位装置で小さな容量の記憶装置しか搭載できないものでも、補強情報を利用して精度の高い測位を行うことができる。
【0039】
(第2の実施の形態)
図3は、本発明の第2の実施の形態に係る測位装置の動作手順を示すフローチャートである。但し、図1に示した第1の実施の形態と同様の部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0040】
本発明の第2の実施の形態の測位装置は、補強情報利用判定部104に、衛星軌道情報を用いて衛星の移動軌跡を推測する機能を付加し、取得した補強情報のうち将来利用する範囲の情報だけを記憶する。
【0041】
次に本実施の形態の補強情報利用判定部104の動作について説明する。まず、測位装置のSBAS衛星受信部103はステップS201にて、アンテナ部101で捕捉した信号を受信してSBAS衛星の信号を復調する。次に補強情報利用判定部104はステップS202にて、SBAS衛星受信部103で取得されたSBAS衛星の信号を解析し、GNSS補強情報を抽出する。次に、ステップS203で、補強情報利用判定部104は、抽出した補強情報が測位演算に利用されない情報を含む種類であるかどうかを判定し、利用されない情報が含まれない種類の場合には、直ちにステップS208の処理に進んで補強情報を記憶部105に記憶する。
【0042】
抽出した補強情報が、測位演算に利用されない情報を含む種類であると判定された場合(ステップS203)、ステップS204に進み、補強情報利用判定部104は受信した補強情報の中に測位装置の概略位置と時刻情報があるかどうかを判定し、両者を保持していない場合には、補強情報を利用することが不可能なため、取得した補強情報を破棄する。
【0043】
測位装置の概略位置と時刻情報があると判定された場合(ステップS204)、補強情報利用判定部104はステップS205にて、記憶部105に保持している衛星軌道情報と時刻情報を用いて衛星座標を算出し、測位装置の概略位置との位置関係から、電波が地上約350kmの電離層を貫通する座標(ピアースポイント)を全て算出する。
【0044】
次に補強情報利用判定部104はステップS206にて、衛星軌道情報を用いて、現在時刻から一定時間経過後の衛星座標を算出し、時間経過とともに位置の変わるピアースポイントの移動軌跡を算出してステップS207に進む。
【0045】
なお、この一定時間値としては、測位装置の動作を停止させる時間が予め分かっている場合にはこの時間までの値を利用することや、衛星が仰角0度以下になるまでの時間などを利用することができる。
【0046】
補強情報利用判定部104はステップS207で、取得した補強情報の格子点が、ピアースポイントまたはピアースポイントの移動軌跡の近傍の座標かどうかを判定し、近傍でない場合には補強情報を破棄し、近傍の座標の場合は補強情報をステップS208にて記憶部105に記憶する。
【0047】
本実施の形態によれば、補強情報利用判定部104に、衛星軌道情報を用いて衛星の移動軌跡を推測する機能を付加したことにより、取得した補強情報のうち将来利用する範囲の情報だけを記憶部105に記憶することができ、記憶する補強情報を削減して記憶部105の記憶容量を小さくすることができる。
【0048】
(第3の実施の形態)
図4は、本発明の第3の実施の形態に係る測位装置の動作手順を示すフローチャートである。但し、図1に示した第1の実施の形態と同様の部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0049】
本発明の第3の実施の形態の測位装置は、補強情報の有効期限を算出する機能を補強情報利用判定部104に付加し、取得した補強情報の中で将来利用可能な範囲の情報だけを記憶する。
【0050】
次に本実施の形態の補強情報利用判定部104の動作について説明する。まず、測位装置のSBAS衛星受信部103はステップS301にて、アンテナ部101で捕捉した信号を受信してSBAS衛星の信号を復調する。次に補強情報利用判定部104はステップS302にて、SBAS衛星受信部103で取得されたSBAS衛星の信号を解析し、GNSS補強情報を抽出する。
【0051】
次に、ステップS303で、補強情報利用判定部104は、抽出した補強情報が測位演算に利用されない情報を含む種類であるかどうかを判定し、利用されない情報が含まれない種類の場合には、直ちにステップS309の処理に進んで補強情報を記憶部105に記憶する。
【0052】
抽出した補強情報が、測位演算に利用されない情報を含む種類であると判定された場合(ステップS303)、ステップS304に進み、補強情報利用判定部104は測位装置の概略位置と時刻情報があるかどうかを判定し、両者を保持していない場合には、補強情報を利用することが不可能なため、取得した補強情報を破棄する。
【0053】
測位装置の概略位置と時刻情報があると判定された場合(ステップS304)、補強情報利用判定部104はステップS305にて、記憶部105に保持している衛星軌道情報と時刻情報を用いて衛星座標を算出し、測位装置の概略位置との位置関係から、電波が地上約350kmの電離層を貫通する座標(ピアースポイント)を全て算出する。
【0054】
次に補強情報利用判定部104はステップS306にて、補強情報の有効時間を抽出してステップS307に進む。この補強情報の有効時間は、測位装置の仕様用用途などにより、それぞれの補強情報ごとの有効時間が定められている。例えばWAASが放送する電離層遅延誤差は600秒であり、DGPS補正情報は30秒程度である。また、放送する補強情報上に情報の有効時間を定めたものも存在するが、一般に補強情報の有効時間は、仕様書に定められた方法で取得することができる。
【0055】
補強情報利用判定部104はステップS307にて、衛星軌道情報を用いて、現在時刻から一定時間経過後の衛星座標を算出し、時間経過とともに位置の変わるピアースポイントの移動軌跡を、現在時刻から補強情報の有効時間まで算出する。
【0056】
補強情報利用判定部104はステップS308で、取得した補強情報の格子点がピアースポイントまたはピアースポイントの移動軌跡の近傍の座標かどうかを判定し、近傍でない場合には補強情報を破棄し、近傍の座標の場合は補強情報をステップS309にて記憶部105に記憶する。
【0057】
本実施の形態によれば、補強情報利用判定部104に補強情報の有効期限を算出する機能を付加したことにより、取得した補強情報の中で将来利用可能な範囲の情報だけを記憶部105に記憶することができ、記憶する補強情報を削減して記憶部105の記憶容量を小さくすることができる。
【0058】
(第4の実施の形態)
図5は、本発明の第4の実施の形態に係る測位装置の動作手順を示すフローチャートである。但し、図1に示した第1の実施の形態と同様の部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0059】
本発明の第4の実施の形態の測位装置は、補強情報利用判定部104に測位装置の移動範囲を予測する機能を付加し、取得した補強情報の中で測位装置の移動範囲内の情報だけを記憶する。
【0060】
次に本実施の形態の補強情報利用判定部104の動作について説明する。まず、測位装置のSBAS衛星受信部103はステップS401にて、アンテナ部101で捕捉した信号を受信してSBAS衛星の信号を復調する。次に補強情報利用判定部104はステップS402にて、SBAS衛星受信部103で取得されたSBAS衛星の信号を解析し、補強情報を抽出する。
【0061】
次に、ステップS403で、補強情報利用判定部104は、抽出した補強情報が測位演算に利用されない情報を含む種類であるかどうかを判定し、利用されない情報が含まれない種類の場合には、直ちにステップS409の処理に進んで補強情報を記憶部105に記憶する。
【0062】
抽出した補強情報が、測位演算に利用されない情報を含む種類であると判定された場合(ステップS403)、ステップS404に進み、補強情報利用判定部104は測位装置の概略位置と時刻情報があるかどうかを判定し、両者を保持していない場合には、補強情報を利用することが不可能なため、取得した補強情報を破棄する。
【0063】
測位装置の概略位置と時刻情報があると判定された場合(ステップS404)、補強情報利用判定部104はステップS405にて、記憶部105に保持している衛星軌道情報と時刻情報を用いて衛星座標を算出し、測位装置の概略位置との位置関係から、電波が地上約350kmの電離層を貫通する座標(ピアースポイント)を全て算出する。
【0064】
次に補強情報利用判定部104はステップS406にて、測位装置の移動範囲を予測してステップS407に進む。測位装置は通常、車や航空機などの移動体に備えられることが多いため、測位演算に利用可能な衛星数が少ないなどの理由で測位演算を行うことができない時間が長くなると、測位装置の概略位置は時間経過とともに誤差が大きくなるため、誤差の大きい概略位置でピアースポイントを算出した場合にもピアースポイントの誤差が大きくなってしまう。そのため、測位装置が移動する範囲を、例えば日本国内に限定したり、最後に測位演算を行ってからの経過時間に応じて測位装置が存在する概略位置範囲を予測する。
【0065】
補強情報利用判定部104はステップS407にて、概略位置と衛星座標を利用してピアースポイントを算出すると共に、概略位置の移動範囲でのピアースポイントを算出する。
【0066】
なお、測位装置の移動範囲それぞれの箇所についてピアースポイントを算出すると演算量が増加してしまうが、通常は測位装置が移動した場合にもピアースポイントの変動量は小さいため、概略位置のピアースポイントを算出し、ピアースポイント周辺の座標もピアースポイントの候補にすることも当然可能である。
【0067】
補強情報利用判定部104はステップS408で、取得した補強情報の格子点が、ピアースポイントまたはピアースポイントの移動軌跡の近傍の座標かどうかを判定し、近傍でない場合には補強情報を破棄し、近傍の座標の場合は補強情報をステップS409にて記憶部105に記憶する。
【0068】
本実施の形態によれば、補強情報利用判定部104に、測位装置の移動範囲を予測する機能を付加したことにより、取得した補強情報の中で測位装置の移動範囲内の情報だけを記憶部105に記憶することができ、記憶する補強情報を削減して記憶部105の記憶容量を小さくすることができる。
【0069】
(第5の実施の形態)
図6は、本発明の第5の実施の形態に係る測位装置の動作手順を示すフローチャートである。但し、図1に示した第1の実施の形態と同様の部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0070】
本発明の第5の実施の形態の測位装置は過去に静止衛星を受信した経歴がある場合には、過去に受信した時の衛星座標をもとに補強情報を抽出する機能を補強情報利用判定部104に付加し、静止衛星を受信した場合にも速やかに補強情報を利用可能にする。
【0071】
次に本実施の形態の補強情報利用判定部104の動作について説明する。まず、測位装置のSBAS衛星受信部103はステップS501にて、アンテナ部101で捕捉した信号を受信してSBAS衛星の信号を復調する。次に補強情報利用判定部104はステップS502にて、SBAS衛星受信部103で取得されたSBAS衛星の信号を解析し、補強情報を抽出する。
【0072】
次に、ステップS503で、補強情報利用判定部104は、抽出した補強情報が測位演算に利用されない情報を含む種類であるかどうかを判定し、利用されない情報が含まれない種類の場合には、直ちにステップS508の処理に進んで補強情報を記憶部105に記憶する。
【0073】
抽出した補強情報が、測位演算に利用されない情報を含む種類であると判定された場合(ステップS503)、ステップS504に進み、補強情報利用判定部104は測位装置の概略位置と時刻情報があるかどうかを判定し、両者を保持していない場合には、補強情報を利用することが不可能なため、取得した補強情報を破棄する。
【0074】
測位装置の概略位置と時刻情報があると判定された場合(ステップS504)、補強情報利用判定部104はステップS505にて、記憶部105に保持している衛星軌道情報と時刻情報を用いて衛星座標を算出し、測位装置の概略位置との位置関係から、電波が地上約350kmの電離層を貫通する座標(ピアースポイント)を全て算出する。
【0075】
次に補強情報利用判定部104はステップS506にて、過去に受信したことのある静止衛星がある場合でこの静止衛星の軌道情報を保持していない場合には、過去に受信したときの静止衛星座標を利用して、測位装置の概略位置との間のピアースポイントを算出してステップS507に進む。
【0076】
補強情報利用判定部104はステップS507で、取得した補強情報の格子点が、ピアースポイントまたはピアースポイントの移動軌跡の近傍の座標かどうかを判定し、近傍でない場合には補強情報を破棄し、近傍の座標の場合は補強情報をステップS508にて記憶部105に記憶する。
【0077】
本実施の形態によれば、過去に静止衛星を受信した経歴がある場合には、過去に受信した時の衛星座標をもとに補強情報を抽出する機能を補強情報利用判定部104に付加したことにより、静止衛星を受信した場合にも速やかに補強情報を利用することができると共に、補強情報の中で測位演算に利用可能な補強情報のみを記憶部105に記憶することにより、記憶部105の記憶容量を大きくしなくとも、測位演算に支障を来すことなく、従来と同様の精度で測位装置の位置を測定することができる。
【0078】
(第6の実施の形態)
図7は、本発明の第6の実施の形態に係る測位装置の動作手順を示すフローチャートである。但し、図1に示した第1の実施の形態と同様の部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0079】
本発明の第6の実施の形態の測位装置は、取得した補強情報を測位演算に利用する可能性を算出して補強情報の優先度を算出する機能を補強情報利用判定部104に付加し、補強情報以外の情報を記憶する場合には、優先度の低い補強情報から順に削除するようにしている。
【0080】
次に本実施の形態の補強情報利用判定部104の動作について説明する。まず、測位装置のSBAS衛星受信部103はステップS601にて、アンテナ部101で捕捉した信号を受信してSBAS衛星の信号を復調する。
【0081】
次に補強情報利用判定部104はステップS602にて、SBAS衛星受信部103で取得されたSBAS衛星の信号を解析し、補強情報を抽出する。
【0082】
次に、補強情報利用判定部104はステップS603にて、取得した補強情報の有効度を決定し、ステップS604に進む。補強情報利用判定部104はステップS604にて、補強情報を記憶する場合に有効度を付与して記憶部105に記憶する。
【0083】
ここで、補強情報には複数の情報が存在し、従来の測位装置の説明のところで述べたように、例えばSBASが送信する情報には3種類がある。しかし補強情報を測位演算に利用する場合の測位精度の向上効果は補強情報ごとに異なるものである。例えば、電離層遅延誤差は一般に数mから数10mであり、測位演算結果の誤差としてGPS衛星からのC/Aコードのみを利用するSPS(StandardPositioning Service)測位では、数m程度の誤差となる。
【0084】
一方、衛星時計誤差は、衛星の時刻誤差が大きい場合(SA状況下など)には数100m程度まで増加することがある。そのため、測位演算結果への精度向上効果が大きいものを優先的に記憶部105に記憶し、効果の小さいものは廃棄されるように、補強情報の優先度を設定することが出来る。この設定方法としては、上記説明したように補強情報の種類で区別することや、補強情報の誤差値の大きさに応じて決定することができる。
【0085】
本実施の形態によれば、補強情報利用判定部104に、取得した補強情報を測位演算に利用する可能性を算出して補強情報の優先度を算出する機能を付加したことにより、測位装置が補強情報以外の情報を記憶部105に記憶する場合には、優先度の低い補強情報から順に削除することができる。それ故、記憶部105に優先度の低い補強情報をそのまま記憶した状態で補強情報以外の情報を記憶するなどということがなくなるため、その分、記憶部105の記憶容量を小さくすることができる。
【0086】
(第7の実施の形態)
図8は、本発明の第7の実施の形態に係る測位装置の動作手順を示すフローチャートである。但し、図1に示した第1の実施の形態と同様の部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0087】
本発明の第7の実施の形態の測位装置は、現在衛星を走査中かどうかで補強情報の有効度を設定する機能を補強情報利用判定部104に付加し、補強情報を測位演算の補強に利用する可能性があるか推測することができ、利用する可能性の高いデータだけを優先的に記憶する。
【0088】
次に本実施の形態の補強情報利用判定部104の動作について説明する。まず、測位装置のSBAS衛星受信部103はステップS701にて、アンテナ部101で捕捉した信号を受信してSBAS衛星の信号を復調する。
【0089】
次に補強情報利用判定部104はステップS702にて、SBAS衛星受信部103で取得されたSBAS衛星の信号を解析し、補強情報を抽出する。
【0090】
次に補強情報利用判定部104はステップS703にて、補強情報を利用する可能性のある衛星が現在走査中であるかどうか判定し、走査中の衛星の場合には、ステップS704にて補強情報の有効度をHIGHに設定し、一方、走査中でない衛星から算出した補強情報の有効度をステップS705にて、LOWに設定する。
【0091】
補強情報利用判定部104はステップS706にて、補強情報を記憶する場合に、有効度を付与して記憶部105に記憶する。
【0092】
本実施の形態によれば、補強情報利用判定部104に、現在衛星を走査中かどうかにより補強情報の有効度を設定する機能を付加したことにより、補強情報を測位演算の補強に利用する可能性があるかどうかを推測することができ、利用する可能性の高いデータだけを優先的に記憶部105に記憶することができ、記憶する補強情報を削減して記憶部105の記憶容量を小さくすることができる。
【0093】
(第8の実施の形態)
図9は、本発明の第8の実施の形態に係る測位装置の動作手順を示すフローチャートである。但し、図1に示した第1の実施の形態と同様の部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0094】
本発明の第8の実施の形態の測位装置は、現在衛星を追尾可能かどうかで補強情報の有効度を設定する機能を補強情報利用判定部104に付加することで補強情報を測位演算の補強に将来利用する可能性があるかどうかを推測することができ、利用する可能性の高いデータだけを優先的に記憶する。
【0095】
次に本実施の形態の補強情報利用判定部104の動作について説明する。まず、測位装置のSBAS衛星受信部103はステップS801にて、アンテナ部101で捕捉した信号を受信してSBAS衛星の信号を復調する。次に補強情報利用判定部104はステップS802にて、SBAS衛星受信部103で取得されたSBAS衛星の信号を解析し、補強情報を抽出する。
【0096】
次に補強情報利用判定部104はステップS803にて、補強情報を利用する可能性のある衛星を現在走査中であるかどうか判定し、衛星を現在走査中である場合はステップS804に進み、現在、衛星の送信信号を受信して追尾しているか判定する。衛星を現在走査中でない場合、補強情報利用判定部104はステップS807にて、その衛星から算出した補強情報の有効度をLOWに設定して、ステップS808に進む。
【0097】
上記判定の結果、衛星の送信信号を受信して追尾していない場合、補強情報利用判定部104はステップS806にて、その衛星から算出した補強情報の有効度をMIDDLEに設定し、また追尾している場合にはステップS805にて、対応する補強情報の有効度をHIGHに設定した後、それぞれステップS808に進み、補強情報に有効度を付加して記憶部105に記憶する。
【0098】
本実施の形態によれば、補強情報利用判定部104に、現在衛星を追尾可能かどうかで補強情報の有効度を設定する機能を付加したことにより、補強情報を測位演算の補強に将来利用する可能性があるか推測することができ、利用する可能性の高いデータだけを優先的に記憶部105に記憶することができ、その分、記憶部105の記憶容量を小さくすることができる。
【0099】
(第9の実施の形態)
図10は、本発明の第9の実施の形態に係る測位装置の動作手順を示すフローチャートである。但し、図1に示した第1の実施の形態と同様の部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0100】
本発明の第9の実施の形態の測位装置は、衛星の仰角が高いものから順に補強情報の有効度を設定する機能を補強情報利用判定部104に付加し、仰角の低い衛星は周辺に遮蔽物がある場合には測位演算に利用される頻度が低いため、仰角が高く測位演算に利用される可能性が高い補強情報を優先的に記憶する。
【0101】
次に本実施の形態の補強情報利用判定部104の動作について説明する。まず、測位装置のSBAS衛星受信部103はステップS901にて、アンテナ部101で捕捉した信号を受信してSBAS衛星の信号を復調する。
【0102】
次に補強情報利用判定部104はステップS902にて、SBAS衛星受信部103で取得されたSBAS衛星の信号を解析し、補強情報を抽出する。
【0103】
次に補強情報利用判定部104はステップS903にて、衛星軌道情報を保持している衛星の仰角を計算し、仰角の高さに応じて、その衛星から算出した補強情報の有効度を設定してステップS904に進む。
【0104】
補強情報利用判定部104はステップS904にて、補強情報に有効度を付加して記憶部105に記憶する。
【0105】
一般に測位装置は地上で利用されることが多いため、測位装置周辺にビルなどの遮蔽物が存在する場合など、低仰角の衛星は遮蔽物に遮断されて信号を受信できる可能性が低く、また、マルチパスなどの誤差を多く含むため、測位演算に利用した場合に測位演算精度を劣化させてしまうおそれがあるため、測位演算に利用される可能性が低い。そのため、測位演算に利用される頻度の高い、仰角の高い衛星から算出した補強情報を優先的に記憶する。
【0106】
本実施の形態によれば、補強情報利用判定部104に、衛星の仰角が高いものから順に補強情報の有効度を設定する機能を付加したことにより、仰角の低い衛星は周辺に遮蔽物がある場合には測位演算に利用される頻度が低いため、仰角が高く測位演算に利用される可能性が高い補強情報を優先的に記憶部105に記憶することができ、その分、記憶部105の記憶容量を小さくすることができる。
【0107】
(第10の実施の形態)
図11は、本発明の第10の実施の形態に係る測位装置の動作手順を示すフローチャートである。但し、図1に示した第1の実施の形態と同様の部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0108】
本発明の第10の実施の形態の測位装置は、取得した補強情報を測位演算に利用する時期が近いものから順に有効度を高く設定する動作を補強情報利用判定部104に持たせてあるため、例えば地球の裏側等に存在する衛星が将来通る位置の補強情報は、測位装置に信号が届く範囲に移動したときに取得して、記憶部105に記憶される時間を短くする。
【0109】
次に本実施の形態の補強情報利用判定部104の動作について説明する。まず、測位装置のSBAS衛星受信部103はステップS111にて、アンテナ部101で捕捉した信号を受信してSBAS衛星の信号を復調する。
【0110】
次に補強情報利用判定部104はステップS112にて、SBAS衛星受信部103で取得されたSBAS衛星の信号を解析し、補強情報を抽出する。
【0111】
次に補強情報利用判定部104はステップS113にて、補強情報を利用する可能性のある衛星が、補強情報を利用するまでの時間を算出し、ステップS114にて、補強情報の有効度をこの補強情報を利用するまでの時間が近いほど高く設定する(有効度から補強情報を利用するまでの時間を減算する)。
【0112】
補強情報利用判定部104はステップS115にて、補強情報に有効度を付加して記憶部105に記憶する。
【0113】
本実施の形態によれば、補強情報利用判定部104を、取得した補強情報を測位演算に利用する時期が近いものから順に有効度を高く設定する構成としたことにより、例えば地球の裏側等に存在する衛星が将来通る位置の補強情報は、測位装置に信号が届く範囲に移動したときに取得して、記憶部105に記憶される時間を短くすることができ、その分、記憶部105の記憶容量を小さくすることができる。
【0114】
なお、上記ステップS114の時間を用いて優先度を低くする処理には、例えば時間に一定の変換値を乗算して優先度から減算する方法などがある。
【0115】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、補強情報利用判定部により受信した補強情報が測位演算に利用可能かどうかを受信機位置情報および衛星軌道情報を利用して判定し、記憶部には測位演算に利用できる補強情報だけを記憶し、利用しない補強情報は記憶しないようにすることにより、記憶部は測位演算に利用する補強情報だけを記憶すればよく、測位演算に利用しない補強情報を記憶しないことで補強情報のデータ量を削減でき、特に大きな記憶容量の記憶部を搭載できない小型の測位装置でも補強情報を利用して精度の高い測位を行うことができる。
【0116】
また、本発明によれば、前記補強情報利用判定部に、衛星軌道情報を用いて衛星の移動軌跡を推測する機能を付加したので、取得した補強情報のうち将来利用する範囲の情報だけを記憶部に記憶することができ、補強情報のデータ量を削減することができる。
【0117】
また、本発明によれば、前記補強情報利用判定部に、補強情報の有効期限を算出する機能を付加したので、取得した補強情報の中で将来利用可能な範囲の情報だけを記憶部に記憶することができ、補強情報のデータ量を削減することができる。
【0118】
また、本発明によれば、前記補強情報利用判定部に、測位装置の移動範囲を予測する機能を付加したので、取得した補強情報の中で測位装置の移動範囲内の情報だけを記憶部に記憶することができ、補強情報のデータ量を削減することができる。
【0119】
また、本発明によれば、前記補強情報利用判定部に、過去に静止衛星を受信した経歴がある場合には、過去に受信した時の衛星座標をもとに補強情報を抽出する機能を付加したので、静止衛星を受信した場合にも速やかに補強情報を利用することができると共に、測位演算に利用しない補強情報を記憶しないことで補強情報のデータ量を削減することができる。
【0120】
また、本発明によれば、前記補強情報利用判定部に、取得した補強情報を測位演算に利用する可能性を算出して補強情報の優先度を算出する機能を付加したので、前記補強情報以外の情報を記憶部に記憶する場合には、優先度の低い補強情報から順に削除していくことができ、その分、補強情報のデータ量を削減することができる。
【0121】
また、本発明によれば、前記補強情報利用判定部に、現在衛星を走査中かどうかで補強情報の有効度を設定する機能を付加したので、補強情報を測位演算の補強に利用する可能性があるかどうかを推測することができ、利用する可能性の高い補強情報を優先的に記憶部に記憶することができ、補強情報のデータ量を削減することができる。
【0122】
また、本発明によれば、前記補強情報利用判定部に、現在衛星を追尾可能かどうかで補強情報の有効度を設定する機能を付加したので、補強情報を測位演算の補強に将来利用する可能性があるかどうかを推測することができ、利用する可能性の高い補強情報を優先的に記憶することができる。
【0123】
また、本発明によれば、前記補強情報利用判定部に、衛星の仰角が高いものから順に補強情報の有効度を設定する機能を付加したので、仰角の低い衛星は周辺に遮蔽物がある場合には測位演算に利用される頻度が低いため、仰角が高く測位演算に利用される可能性が高い補強情報を優先的に記憶することができる。
【0124】
また、本発明によれば、前記補強情報利用判定部に、取得した補強情報に測位演算に利用する時期が近いものから順に有効度を高く設定する構成としたので、例えば地球の裏側等に存在する衛星が将来通る位置の補強情報は、測位装置に信号が届く範囲に移動したときに取得して、補強情報が記憶部に記憶される時間を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る測位装置の構成を示すブロック図。
【図2】図1に示した補強情報利用判定部の動作手順を示すフローチャート。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る測位装置の動作手順を示すフローチャート。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係る測位装置の動作手順を示すフローチャート。
【図5】本発明の第4の実施の形態に係る測位装置の動作手順を示すフローチャート。
【図6】本発明の第5の実施の形態に係る測位装置の動作手順を示すフローチャート。
【図7】本発明の第6の実施の形態に係る測位装置の動作手順を示すフローチャート。
【図8】本発明の第7の実施の形態に係る測位装置の動作手順を示すフローチャート。
【図9】本発明の第8の実施の形態に係る測位装置の動作手順を示すフローチャート。
【図10】本発明の第9の実施の形態に係る測位装置の動作手順を示すフローチャート。
【図11】本発明の第10の実施の形態に係る測位装置の動作手順を示すフローチャート。
【図12】従来の測位装置の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
101 アンテナ部
102 GPS(GNSS)衛星受信部
103 SBAS衛星受信部
104 補強情報利用判定部
105 記憶部
106 測位部
107 表示部
Claims (10)
- 衛星の送信信号を受信して受信情報を得る受信部と、
前記受信情報を用いて測位演算を行い受信機位置情報を算出する測位部と、
前記受信情報の中の衛星軌道情報、補強情報および前記受信機位置情報の一部または全部を記憶する記憶部と、
前記補強情報が前記測位演算に利用可能かどうかを前記受信機位置情報および前記衛星軌道情報を利用して判定し、前記測位演算に利用可能な補強情報のみを前記記憶部に記憶させる補強情報利用判定部と、
を備える測位装置。 - 前記補強情報利用判定部が、前記受信した衛星軌道情報を用いて衛星の移動軌跡を推測する機能を有し、
前記記憶部が、前記補強情報利用判定部の推測結果に基づいて前記補強情報のうち将来利用する範囲の情報だけを記憶することを特徴とする請求項1に記載の測位装置。 - 前記補強情報利用判定部が、補強情報の有効期限を算出する機能を有し、
前記記憶部が、前記補強情報利用判定部の算出結果に基づいて前記補強情報の中で将来利用可能な範囲の情報だけを記憶することを特徴とする請求項1または2に記載の測位装置。 - 前記補強情報利用判定部が、測位装置の移動範囲を予測する機能を有し、
前記記憶部が、前記補強情報利用判定部の予測結果に基づいて前記補強情報の中で測位装置の移動範囲内の情報だけを記憶することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の測位装置。 - 前記補強情報利用判定部が、現在送信信号を受信している衛星が過去に受信した経歴のある衛星である場合に過去に受信した時の衛星座標をもとに抽出した補強情報が前記測位演算に利用可能かどうかを判定する機能を有し、
前記記憶部が、前記補強情報利用判定部の判定結果に基づいて前記測位演算に利用可能な補強情報のみを記憶することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の測位装置。 - 前記補強情報利用判定部が、前記受信した補強情報を測位演算に利用する可能性に基づいて前記受信した補強情報に優先度を設定する機能を有し、
前記記憶部が、前記補強情報以外の情報を前記記憶部に記憶する場合にすでに記憶されている補強情報のうち前記優先度の低い補強情報から順次削除することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の測位装置。 - 前記補強情報利用判定部が、現在衛星を走査中かどうかで設定した補強情報の有効度に基づいて前記受信した補強情報が測位演算の補強に利用する可能性があるかどうかを推測する機能を有し、
前記記憶部が、前記補強情報利用判定部の推測結果に基づいて利用する可能性の高い補強情報だけを優先的に記憶することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の測位装置。 - 前記補強情報利用判定部が、現在衛星を追尾可能かどうかで設定した補強情報の有効度に基づいて前記受信した補強情報が測位演算の補強に利用する可能性があるかどうかを推測する機能を有し、
前記記憶部が、前記補強情報利用判定部の推測結果に基づいて利用する可能性の高い補強情報だけを優先的に記憶することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の測位装置。 - 前記補強情報利用判定部が、衛星の仰角が高いものから順に設定した補強情報の有効度に基づいて前記受信した補強情報が測位演算の補強に利用する可能性があるかどうか推測する機能を有し、
前記記憶部が、前記補強情報利用判定部の推測結果に基づいて利用する可能性の高い補強情報だけを優先的に記憶することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の測位装置。 - 前記補強情報利用判定部が、取得した補強情報に測位演算に利用する時期が近いものから順に設定した有効度に基づいて前記受信した補強情報が測位演算の補強に利用する可能性があるかどうかを推測する機能を有し、前記記憶部が、前記補強情報利用判定部の推測結果に基づいて利用する可能性の高い補強情報だけを優先的に記憶することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の測位装置。
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