JP4557789B2 - 流体輸送システム、流体の吐出量設定方法 - Google Patents

流体輸送システム、流体の吐出量設定方法 Download PDF

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本発明は、流体輸送システム及びこの流体輸送システムにおける流体の吐出量設定方法に関し、詳しくは、小型の流体輸送装置と吐出データ処理装置と通信装置とを備える流体輸送システムと、流体の吐出量を正確に設定する流体の吐出量設定方法に関する。
近年、患者に緩流の形態で微量の薬液を継続的に投与するための小型ポンプを治療に使用することが研究されている。
例えば、水性薬液などの低速かつ連続的注入用に人体への装着に適する小型蠕動ポンプ装置において、ポンプのローターが軸に取り付けられており、このローターには前述の軸の周囲に均等に分散された状態で複数のローラーが配置され、ローラーが柔軟なチューブに沿って転動しながら回転運動を行い、チューブを所定長さの円弧範囲にわたって囲んでいるバッキングに対して、チューブが押し付けられて、薬液等の流体の吸い込み及び放出を行う小型蠕動ポンプ装置がある。
このような小型蠕動ポンプ装置において、動力源としてステッピングモータを備え、ステッピングモータは、制御回路を備えるブロックICで予め設定されている回転速度で駆動し、所望の吐出量を得るというような小型蠕動ポンプが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、前述した蠕動ポンプ装置において、ハウジング上に、小型蠕動ポンプと、この小型蠕動ポンプの流体吐出量を複数の段階に設定し、複数の設定段階のうちから流体の吐出量を選択して設定するための入力スイッチと、表示部と、を備える蠕動ポンプ装置というものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特許第3177742号公報(第4頁、図4) 米国特許第3737251号明細書(第4,5頁、図1,4)
このような特許文献1では、薬液等の吐出量は、時間ベースから供給される信号を受ける周波数デバイダーステージの数、ギヤ機構の減速比、使用するモーターの種類によって設定、あるいは変更することができるが、その設定条件を予め決めて製造することが要求される。しかしながら、一度設定した吐出条件は固定的であり、使用形態、薬液の投与条件を任意に変更し、流体吐出量を設定することは困難であるという課題がある。
また、特許文献2によれば、流体の吐出量を調整するためのスイッチ及び表示部と蠕動ポンプとをハウジング上に設け吐出量の調整を可能にしているが、ハウジング上に、小型蠕動ポンプ、スイッチ及び表示部を搭載しており、このような構成では小型化は困難であり、新薬開発等の目的で小動物の体内に装着することはできない。
また、前述の特許文献1及び特許文献2は共に、チューブを圧搾して液体を吐出する蠕動型ポンプであり、液体の吐出量は、チューブの液体流動部の直径の二乗(断面積)に比例するが、可撓性があるチューブは、この直径が製造時にばらつきが発生することがある。特に、製造ロットごとのばらつきが存在することがよく知られている。
このような直径のばらつきは、液体の吐出量のばらつきを生じ、特に、薬液投与に使用する場合においては、微量の吐出を継続して行うものであり、正確な吐出量管理が要求され、チューブの直径のばらつきは無視できない。然るに、前述の特許文献1及び特許文献2では、このチューブの直径のばらつきまで含めた正確な吐出量の調整ができないという課題を有している。
さらに、電源としての電池の残存容量や電池電圧のばらつき、電池の不良に係るポンプの駆動不良、駆動時間の低下等への対処ができないことが考えられ、薬液投与などの場合においては、看過できない問題が発生することが推察される。
本発明の目的は、前述の課題を解決することを要旨とし、流体の微量な吐出量を正確に設定、管理可能な流体輸送システムと、流体の正確な吐出量設定方法を提供することである。

本発明の流体輸送システムは、柔軟性を有するチューブと、該チューブを圧搾して流体を吐出するポンプユニットと該ポンプユニットを駆動するポンプ駆動ユニットと、該ポンプ駆動ユニットを制御する駆動制御回路と、通信部と、電池と、が格納されている小型の流体輸送装置と、所望の流体流量を吐出する前記流体輸送装置の駆動条件を設定し、且つ前記流体輸送装置の起動処理を行う吐出データ処理装置と、前記流体輸送装置と前記吐出データ処理装置とを相互接続する通信手段を有する通信装置と、を備え、前期駆動条件は、初期設定される基礎データと、駆動前に設定される駆動対象流体輸送装置個別の吐出データと、を含み、前記基礎データと前記吐出データとを分けて設定し、前記流体輸送装置は、前記吐出データ処理装置から入力された前記駆動条件を前記通信装置から受信して前記駆動制御回路に記憶し、該駆動制御回路に記憶された前記駆動条件に基づいて流体輸送を行うとともに、当該流体輸送装置が駆動された際の吐出情報データを前記駆動制御回路に記憶し、前記吐出情報データは、少なくとも前記流体輸送装置の停止理由または駆動時間を含み、前記吐出データ処理装置は、前記吐出情報データを前記流体輸送装置の前記駆動制御回路から前記通信装置を介して受信し、該受信した前記吐出情報データに基づいて前記流体輸送装置の実動状態を出力することを特徴とする。

ここで、吐出データ処理装置は、例えば、PC(Personal Computer)であり、操作部と表示部を備えている。
また、通信装置による相互接続とは、送受信可能であることを意味している。さらに、通信装置としては、例えば、有線通信、無線通信、赤外線通信等の通信手段を採用することができる。
この発明によれば、本発明の流体輸送システムは、小型の流体輸送装置と吐出データ処理装置と通信装置とから構成されており、吐出データ処理装置を用いて必要とされる多くの駆動条件をPCを扱う要領で設定することができ、その駆動条件を通信装置を介して流体輸送装置に入力する構成であるため、流体輸送装置は、駆動に必要な構成要素のみを備えればよいため、小型化を実現することができる。
また、この流体輸送装置を密閉構造にすれば、小動物等の生体内に装着することができ、このような場合、血液や体液が流体輸送装置内部に侵入することがなく、流体輸送装置の駆動性能を維持することができるので、生体内への薬液投与などに最適な構造である。
また、通信装置は、吐出データ処理装置と流体輸送装置との間で送受信を可能にしているので、駆動条件データを流体輸送装置に出力する他、流体輸送装置から吐出情報データを吐出データ処理装置に入力することができるため、流体輸送装置を駆動した際の吐出情報データを取得することができ、駆動データの管理を的確に行うことができる。
基礎データは、例えば、流体輸送装置の共通の駆動条件であり、吐出データは、実際の使用条件に対応した流体輸送装置個別の駆動条件である。
このように、基礎データと吐出データを分けて設定することで、設定ミスや入力ミスをなくすことができる。
さらに、流体輸送装置が、流体を輸送するためのポンプユニットとポンプ駆動ユニットと駆動電源としての電池とを備えているため、予め駆動条件を設定しておけば、流体輸送装置単独で駆動することが可能である。
また、前記ポンプ駆動ユニットが、少なくともステッピングモータと、該ステッピングモータの回転を前記ポンプユニットに減速して伝達する歯車列と、前記ステッピングモータの駆動を制御する駆動制御回路と、を備え、前記駆動制御回路が、前記ステッピングモータの複数の駆動条件を記憶する駆動パルス設定手段と、前記ステッピングモータの駆動時間をカウントするタイマーと、を備え、前記吐出データ処理装置から入力される駆動条件に基き前記ポンプ駆動ユニットを駆動し、所定の時間が経過した後、前記ポンプ駆動ユニットを停止することが好ましい。
ここで、ステッピングモータの駆動条件としては、例えば、駆動周波数(回転速度)や駆動パルス幅等が含まれる。
このように、ステッピングモータの駆動条件を複数設定しておき、流体の単位時間当たりの吐出量(吐出速度)、流体輸送装置の駆動負荷、電池容量に対応して最適な条件を選択し駆動することができる。
また、駆動制御回路がタイマーを備えているので、吐出データ処理装置により流体輸送装置を起動した後は、所定駆動時間(総吐出量)に達したときに、駆動制御回路の指示によって流体輸送装置を停止することができる。
また、前述した構造では、前記歯車列のそれぞれの歯数の組み合わせを変え、前記歯車列の減速比が変更できることが好ましい。
このように歯車列の減速比を変えられるような構造にすれば、前述したステッピングモータの駆動条件だけでは設定できない範囲の吐出速度を選択することができる他、減速比を大きくすることで、歯車列末端の出力トルクを上げることができ、ポンプユニットの負荷が大きくなるような場合においても対応することができるので、ユーザーの様々な仕様要求に応えることができる。
また、本発明の流体輸送システムは、前記チューブの流体流動部の直径の個別の差に対応して、前記吐出データを設定し、流体の吐出量を調整することが好ましい。
チューブを圧搾して流体を輸送(吐出)する流体輸送装置では、流体の吐出量は、ステッピングモータの回転速度、チューブの流体流動部の直径(以降、単に直径と表すことがある)の二乗(断面積)に比例する。ステッピングモータの回転速度は、予め設定しておけば個別の流体輸送装置毎の差は生じない。しかしながら、チューブの直径は、製造過程でばらつきが発生し、特に製造ロットの違いによって差が出やすいことが知られている。
流体を微量流動する場合においては、このチューブの直径差の吐出量への影響は無視できない程度となる。従って、チューブの直径に対応して吐出データを設定することで、チューブの直径のばらつきに影響されない正確な吐出量を確保することができる。
また、基準となる前記流体輸送装置の駆動条件における前記チューブの流体流動部の直径の基準値と、前記駆動対象流体輸送装置のチューブの流体流動部の直径と、の比から補正係数を算出し、前記補正係数に対応して前記流体輸送装置の吐出データを設定して、前記流体輸送装置の流体の吐出量を基準となる前記流体輸送装置と同じになるように調整することが望ましい。
前述したように、チューブの直径のばらつきによって流体の吐出量が変化するが、基準のチューブの直径と、駆動対象のチューブの直径の比から個別の補正係数を算出し、駆動対象となる前記流体輸送装置毎に吐出データを設定するために、チューブの直径のばらつきの影響を受けない正確な吐出量を得ることができる。
また、前記流体輸送装置が、基礎データに含まれる初期吐出速度及び初期駆動時間に基き、流体が吐出開始するまでの期間だけ駆動される初期駆動期間と、その後の本駆動期間と、を有して駆動されることが好ましい。
ここで、本駆動期間とは、例えば、薬液投与の際に、定常的に薬液が流動可能な管理すべき流体輸送装置の駆動期間を意味する。
詳しくは実施形態で後述するが、本発明の流体輸送装置は、チューブを圧搾して吐出するポンプユニットであり、組み立て直後は、ローラーが押圧軸と離間し、初期駆動期間にローラーが押圧軸を押圧する位置に移動して流体が吐出開始する構造である。流体吐出前にチューブの特定個所を押圧し続けることによるチューブの変形をなくし、本駆動期間においては、所定の吐出量を安定して得ることができる。
また、前記駆動制御回路が、前記電池の電圧を検出する電源電圧検出回路をさらに備え、前記電源電圧検出回路による検出値が、前記ポンプ駆動ユニットの所定の駆動電圧より低下したときに、前記駆動制御回路によって、前記流体輸送装置を停止することが好ましい。
電池は、残存容量が終末に近づくと電圧が低下する。また、電池によっては電圧特性のばらつきがあることが考えられる。電池電圧が低下すると、ステッピングモータの正常な駆動ができなくなり、所定の吐出量が得られなくなることがあるが、電源電圧検出回路で電池電圧を検出し、ポンプ駆動ユニットが正常に駆動する範囲の駆動電圧より低下したときには、ステッピングモータの駆動を停止することにより、流体の吐出量を管理することができる。
また、本発明の流体輸送システムは、前記吐出データ処理装置が、前記ポンプ駆動ユニットの駆動を、1種類の吐出データによって駆動するシングル駆動と、複数種類の吐出データによって切り替え駆動するマルチ駆動と、を選択する手段を備えていることが好ましい。
前述したように、本発明の流体輸送システムは、1種類の吐出データによって継続するシングル駆動の他、一つの流体輸送装置を複数種類の吐出データ(駆動条件)によって切り替え駆動することができる。例えば、駆動開始の1時間の吐出速度を高くし、次の1時間の吐出速度を低くし、さらに、次の1時間は、駆動開始時の吐出速度に戻すというような駆動を可能にしている。このことにより、仮に新薬の開発等による生体実験における薬液投与と投与速度との関係をきめ細かく知見することができる。
また、前記流体輸送装置が駆動された際の吐出情報データが、前記流体輸送装置から前記通信装置を介して前記吐出データ処理装置に入力されることが好ましい。
このような駆動情報データが通信装置を介して吐出データ入力装置に入力されるために、設定された吐出データと実際に駆動したときの吐出情報データとを比較することができ、流体輸送装置の駆動管理、すなわち吐出量の管理をこの吐出情報データを参照して適宜調整することで適切に行うことができる。
前記吐出情報データが、少なくとも前記流体輸送装置の停止理由、駆動時間を含むことが望ましい。
このような吐出データを吐出データ処理装置で確認できるため、流体輸送装置の停止理由については、電池電圧の低下なのか別に流体輸送装置に駆動異常が発生したのかを判別することができ、また、設定された吐出データと実際の駆動時間から総吐出量を算出することができるので、流体輸送装置の管理を適切に行うことができる。
また、流体輸送システムの流体の吐出量設定方法は、本発明の柔軟性を有するチューブと、該チューブを圧搾して流体を吐出するポンプユニットと該ポンプユニットを駆動するポンプ駆動ユニットと、該ポンプ駆動ユニットを制御する駆動制御回路と、通信部と、電池と、が格納されている小型の流体輸送装置と、前記流体輸送装置が所望の吐出量を吐出する駆動条件を設定し、且つ前記流体輸送装置の起動処理を行う吐出データ処理装置と、前記流体輸送装置と前記吐出データ処理装置とを相互接続する通信手段を有する通信装置と、を備え、前記吐出データ処理装置から入力され前記駆動制御回路に記憶された駆動条件に基づき前記ポンプ駆動ユニットを駆動する流体輸送システムの流体の吐出量設定方法であって、前記流体輸送装置に入力される駆動条件のデータが、初期設定される基礎データと、駆動時に設定される駆動対象流体輸送装置それぞれの吐出データと、を含み、流体輸送システム提供者が前記基礎データを、流体輸送システム使用者が前記吐出データを、それぞれの吐出データ処理装置を操作し、設定することを特徴とする。
本発明によれば、流体輸送装置の共通仕様に関わる基礎データを流体輸送システム提供者が設定し、実際の流体装置の使用要求に対応する吐出データを流体輸送システム使用者が設定する構成であるために、流体輸送システム使用者は基礎データの変更ができず、また、流体輸送システム提供者は吐出データの変更ができないので、それぞれの立場で必要な条件設定を容易に行なうことができ、間違えて要求とは異なる設定をすることを防止することができる。
また、本発明は、予め基準となる前記流体輸送装置の駆動条件における前記チューブの流体流動部の直径の基準値を設定し、駆動対象となる前記流体輸送装置のチューブの流体流動部の直径を測定し、前記チューブの直径の基準値と前記駆動対象のチューブ直径との比から補正係数を算出し、前記補正係数に対応する前記流体輸送装置の吐出データを設定して、前記流体輸送装置の流体の吐出量を基準となる前記流体輸送装置と同じになるように調整することが望ましい。
このようにすれば、基準のチューブの直径と、駆動対象のチューブの直径の比から個別の補正係数を算出し、駆動対象となる前記流体輸送装置毎に吐出データを設定するために、チューブの直径のばらつきの影響を受けない正確な吐出量を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図21は、本発明の実施形態に係る流体輸送システム及び流体輸送システムの流体の吐出量設定方法を示している。
(実施形態)
本実施形態では、生体内に装着可能な、マイクロリットル(μl)単位の微量な吐出を実現するマイクロポンプモジュールを採用する流体輸送装置を例示して説明する。
図1は本実施形態の流体輸送システムの構成の1例を示すブロック図である。図1において、流体輸送システム10は、基本構成として、吐出データ処理装置としてのPC(Personal Computer)20と、通信装置30と流体輸送装置50とから構成されている。
PC20は、流体輸送装置50の駆動条件を入力する入力装置としての操作部21と、入力された駆動条件を表示する表示部22と、他に一般のPCが有する演算処理機能、記憶機能、CD−ROM(Read Only Memory)等の記憶媒体の書き込み、読み出し装置が格納されている。操作部21はキーボードである。このPC20に入力された駆動条件は、USB(Universal Serial Bus)ケーブル39を介して通信装置30に送信される。
なお、詳しくは後述するが、PC20は、流体輸送システム提供者(以降、メーカーと表すことがある)と流体輸送システム使用者(以降、ユーザーと表すことがある)とがそれぞれ所有し操作する。
通信装置としては、流体輸送装置50との間の通信手段として、無線通信手段、赤外線通信手段、有線通信手段等を選択することができるが、本実施形態においては、有線方式の通信手段を用いた通信装置を代表例にして説明する。
通信装置30は、記憶回路36と、送受信制御回路34とを備える通信制御回路32と、電源としての電池45と、から構成されている。また、送受信制御回路34には、接続端子97,98が接続されている。これら接続端子97,98が流体輸送装置50に備えられる接続端子197,198と接触することで通信が接続される。
PC20から入力された駆動条件は、記憶回路36に記憶され、送受信制御回路34によって送信信号に変換され、接続端子97,98を介して流体輸送装置50の送受信制御回路54に入力される。
なお、電源としては、電池45を通信装置30内に内蔵する構造を図示しているが、外部から商用電力を取り込む構造でもよい。この場合、電源制御回路が搭載される。電池45を採用する際には、図示しない電池電圧検出回路を備える。
また、PC20と通信装置30とを接続するUSBケーブル39から電源を導入することもできる。
流体輸送装置50は、マイクロポンプモジュール60と流体を収容する流体収容容器90とから構成されている。マイクロポンプモジュール60は、柔軟性を有するチューブ62(図3、参照)を圧搾して流体を輸送するポンプユニット61と、ポンプユニット61を駆動するポンプ駆動ユニット57と、ポンプ駆動ユニット57の駆動全般を制御する駆動制御回路56と、通信装置30との間で送受信制御するための送受信制御回路54とから構成されている。
また、前述した接続端子197,198は、送受信制御回路54に接続されており、駆動制御回路56と送受信制御回路54とは、流体輸送装置制御回路52として、本実施形態では1チップICで構成されている。マイクロポンプモジュール60は、電源として電池58を内蔵しており、電池58は、ボタン型またはコイン型の小型電池が採用され、充電可能な二次電池を採用することもできる。
駆動制御回路56には、図示しないが、電池58の電圧を検出するための電源電圧検出回路と、駆動時間をカウントするタイマーと、後述するステッピングモータの複数の駆動パルス条件を予め設定しておく駆動パルス設定手段としての記憶部とステッピングモータ駆動制御回路を備えている。
メーカーでは、吐出データ処理装置ソフトウェアに基礎データを入力してCD−ROM等に書き込み、対象の流体輸送装置と共にユーザーに渡す。ユーザーは、ユーザー所有のPC20にこのCD−ROMを挿入し、吐出データ処理装置ソフトウェアをインストールすることで基礎データも入力され、ユーザーが設定する吐出データを入力し、これらのデータを通信装置30を介して流体輸送装置50に出力し、流体輸送装置50はこれらのデータに基き駆動する。
また、記憶媒体としては、CD−ROMに限らずメモリーカードや他の記憶媒体を使用してもよい。
続いて、本実施形態に係る通信装置30と流体輸送装置50とが接続された状態について図面を参照して説明する。図1も参照する。
図2は、通信装置30と流体輸送装置50とが装着され、相互の通信が可能になった状態の概略構造を示す断面図である。図2において、通信装置30の上面に流体輸送装置50が載置されている。
マイクロポンプモジュール60は、通信装置30の蓋体41に形成される凹部内に装着されている。この際、マイクロポンプモジュール60と凹部とはそれぞれ正確に位置決めができるような寸法設定がなされる。
通信装置30は、ケース部40と蓋体41とから構成される筐体の内部に、回路基板37と、この回路基板37の表面に実装される通信制御回路32と、他の回路素子と、電源としての電池45と、USBコネクター38と、が装着されて構成されている。蓋体41の上面には、凹部が形成され、この凹部内にマイクロポンプモジュール60が載置装着されている。USBコネクター38はUSBケーブル39によってPC20に接続されている。USBコネクター38によって電源が導入される場合は、電池45は不要である。
回路基板37には2本の接続端子97,98が植立され、これら接続端子97,98の先端部が蓋体41を貫通してマイクロポンプモジュール60側に突出している。この接続端子97,98は、それぞれ回路基板37に形成される配線パターンによって、通信制御回路32に内蔵される送受信制御回路34の端子(図示せず)と接続されている。
マイクロポンプモジュール60は、ケース部94と蓋体95で形成される筐体の内部に、回路基板85と、この回路基板85の表面に実装される流体輸送装置制御回路52と、ポンプユニット61とポンプ駆動ユニット57と、図示しない電池58と、が格納されている。回路基板85には、接続端子ばね86,87が備えられ、これら接続ばね86,87は、それぞれ回路基板85に形成される配線パターンによって流体輸送装置制御回路52に内蔵される送受信制御回路54に接続されている。
マイクロポンプモジュール60のケース部94の底部94Aには、封止部材194が装着されており、この封止部材194を貫通する接続端子197,198が植立されている。この接続端子197,198は、それぞれ、通信装置30に設けられた接続端子97,98に対向する位置に設けられる。
封止部材194とケース部94、封止部材194と接続端子197,198とは、それぞれ密着固定されており、防水性が保たれ内部に液体が浸入しない構造となっている。
マイクロポンプモジュール60を通信装置30に装着すると、通信装置30側の接続端子97,98とマイクロポンプモジュール60側の接続端子197,198とがそれぞれ接続され、相互の通信が可能となる。封止部材194は、弾性を有するシリコン系ゴム等から形成され、マイクロポンプモジュール60を通信装置30に装着した際に、封止部材194が筐体内側に撓み、接続端子97,98が封止部材194と共に接続端子197,198を押し上げ、接続端子197,198が接続ばね86,87と接触し接続される。
マイクロポンプモジュール60を通信装置30から取り外すと、接続端子97,98が接続端子197,198と離れ、封止部材194の弾性力で接続端子197,198が筐体外側方向に戻される。そして、接続端子197,198と接続ばね86,87との接続が切り離される。
流体収容容器90は、マイクロポンプモジュール60にチューブ62(図3、参照)によって接続された状態で通信装置30の蓋体41の上面に載置される。
なお、図1,2では、有線通信手段を用いた例を示しているが、無線通信手段を採用することもでき、無線通信手段としては電波を用いるもの、赤外線を用いるもが採用可能であり、電波を用いるものは、通信装置30及びマイクロポンプモジュール60にアンテナを設け、赤外線を用いるものは、それぞれに発光素子、受光素子を2対設けることで実現することができる。
続いて、本実施形態に係る流体輸送装置50の構造について説明する。
図3は、本実施形態の流体輸送装置50の構造の1例を示す分解斜視図である。図3において、流体輸送装置50は、基本構成として、マイクロポンプモジュール60と流体収容容器90とから構成されている。
マイクロポンプモジュール60は、ケース部94と蓋体95によって構成される筐体の内部にポンプユニット61とその下部にポンプ駆動ユニット57と前述した流体輸送装置制御回路52(図1、参照)が格納されている。ポンプ駆動ユニット57は、図示しない駆動源としてのステッピングモータとステッピングモータからの駆動力をローラー台80に伝達する歯車列を備えている。本実施形態では、小型化を図るために、ウオッチ用の小型ステッピングモータを採用している。
ステッピングモータは、2極磁石をロータとして用いており、1パルスで180度回転するため、歯車列で、ローラー台が所望の回転速度になるように減速されている。歯車列は、所望の吐出速度を得るため、または、回転トルクを最適にするために、歯車列を構成する歯車の歯数や歯数の組み合わせを変え、減速比を変えることができる構造を採用している。
ローラー台80の周縁部には4個のローラー63〜66がほぼ等間隔で装着されている。ローラー63〜66は、そのうちの少なくとも一つが、押圧軸71〜75とは接触しない位置と押圧する位置まで移動可能に構成されており、マイクロポンプモジュール60を組み立てる際には、接触しない位置にあり、後述する初期駆動期間に押圧可能な位置まで移動する。
すなわち、マイクロポンプモジュール60を組み立てた直後は、ローラー63〜66は、チューブを押圧していない状態であり、初期駆動期間の間に押圧軸を押し圧してチューブ62を圧搾できる状態になる。
チューブ62は、柔軟性を有し、且つ細管であるために、駆動しない状態において押圧軸でチューブ62の特定位置を押し圧し続けると、その位置でチューブ62が永久変形することが考えられ、その結果、所定の吐出量が得られなくことが予測される。このことから、組み立て後、駆動を開始するまではチューブ62を圧搾しない状態にしている。
ケース部94の外周の内側には、ローラー台80に沿うように溝が形成され、この溝内にチューブ62が装着されている。ケース部94に形成される前述の溝とローラー台80が収容される凹部との間の壁部には、押圧軸71〜75が挿着されている。この押圧軸71〜75は、図示右側方向から、ほぼ等間隔でローラー台80の回転軸81から放射状に配置され、軸方向に摺動可能に構成されている。
チューブ62は、弾性を有するシリコンゴムで形成される細管であり、流出側端部62Bと容器接続側端部62Aがケース部94から突出して延在されている。チューブ62には、弾性と生体適合性を有する材料が採用されるが、本実施形態ではシリコンゴム系の樹脂が採用されている。他にポリエチレン系、フッ素系の樹脂を採用することができるが、使用する流体の種類によって、耐薬品性等も考慮して選択される。
チューブ62の容器接続側端部62Aは、流体収容容器90に接続されている、チューブ62と流体収容容器90とは着脱可能な構造になっており、流体収容容器90の交換をすることができるが、チューブ62と流体収容容器90とを分離不可能な一体構造とすることもできる。
流体収容容器90は、チューブ62と同じ材料で形成されたパック状の容器であり、変形可能な厚みで形成されている。
そして、蓋体95がケース部94に装着される。蓋体95は、本実施形態では、5本の固定螺子96で螺合固定されているが、固定構造としては、溶着固定や接着固定を採用することができる他、蓋体95とケース部94との間、チューブ62とケース部94の端部との間にパッキンを備える構造とすることができる。このようにして、筐体内部は密閉され、防水性が備えられている。
なお、生体外や大気中で使用される場合においては、必ずしも密閉構造にしなくてもよい。
なお、マイクロポンプモジュール60は、外郭形状は筒型であり、角部は丸められて滑らかな形状とし、ケース部94及び蓋体95及び流体収容容器90は、外郭に突出する部材がない形状をしており、仮に、小動物の体内に装着される場合であっても、マイクロポンプモジュール60が生体組織を損傷しないような形状である。
ケース部94、蓋体95は共に生体適合性を有する材料で形成されており、チューブ62と同じ材質か、フッ素系樹脂等の変形しない程度の剛性を有する材料が好ましく、他にセラミックス、チタンまたはチタン合金が好ましい。
ここで、本実施形態の流体輸送装置50の具体的なサイズについて説明する。
マイクロポンプモジュール60の直径×厚み寸法は、20mm×10mm、流体収容容器90の幅×長さ×厚みは、10mm×20mm×5mmで設定され小型サイズであり、このとき使用されるチューブ62は、流体流動部の直径0.5mm、外径1.0mmである。
なお、図2、図3では、マイクロポンプモジュール60と流体収容容器90とを別体にする構造について説明したが、流体収容容器90は、マイクロポンプモジュール60の筐体内に一体で構成することもでき、このような構造の場合、前述した流体収容容器90と同じ内容積を確保しても、幅20mm×長さ36mm×厚み10mm程度のサイズを実現できる。
次に、この流体輸送装置50の駆動について図3を参照して説明する。
ローラー台80は、駆動制御回路56の指示に従いステッピングモータによって回転軸81を中心に、図中矢印方向に回転される。ローラー台80の回転に従い、ローラー63〜66が、右側端部の押圧軸71から順次押圧軸を押し圧していく。このとき、押圧軸71〜75が、チューブ62を流体収容容器90側から圧搾し、流体が輸送され、チューブ62の流出側端部62Bから吐出される。
このような押圧軸の動きを蠕動運動と呼び、この蠕動運動を利用したポンプを蠕動ポンプと呼ぶ。この蠕動ポンプは、微量の流体を連続して輸送することができる小型マイクロポンプモジュールに最適なポンプである。
続いて、本実施形態の流体輸送システム10における基礎データ及び吐出データのPC20(吐出データ処理装置)への入力流体の吐出量設定方法について図面を参照して説明する。
まず、メーカーによる基礎データの設定方法について説明する。
図4は、メーカーによる基礎データ設定のフローを示す説明図(フローチャート)である。設定操作に伴うPC20の表示部22に表示される画面を参照して説明する。なお、表示画面は、図6〜図21にそれぞれ示す。なお、表示画面は、基礎データや吐出データを設定する際の操作画面でもある。
まず、初期設定作業として、製造されたマイクロポンプモジュール60の機種と個別識別番号と、対応するマイクロポンプモジュール60の直径と基準直径とから求められる補正係数の値等、を識別シール等に表示し、マイクロポンプモジュール60の目視できる位置に貼着しておく。
また、PC20には、吐出データ処理装置ソフトウェアをインストールしておく。吐出データ処理装置ソフトウェアはCD−ROM等の記憶媒体に格納されている。
図4において、PC20の操作部(キーボード)21を操作し、このソフトウェアを起動する(ST10)。ソフトウェアを起動すると、表示部22には、図6に示す「起動画面」が表示される。この画面の左側の領域はリストボックスがあり、最初に基礎データを入力(登録)するときには何も表示されていない。すでに、登録されているものがある場合には、そのリストと駆動状況が表示される。
表示されている機能表示(以降、ボタンと略称する)には、新規、更新、印刷、削除、システム設定、終了が備えられている。
「新規」ボタンは、新しくマイクロポンプモジュール名を追加登録する場合に選択し、「更新」ボタンは、すでに登録されリストボックス中の表示されているマイクロポンプモジュール名を選択するボタンで、登録されているマイクロポンプモジュールの設定内容(以降、パラメータと表す)を更新することができる。
また、「印刷」ボタンは、登録されているマイクロポンプモジュールのパラメータを出力するための機能を有し、リストボックス中の任意のマイクロポンプモジュール名を選択後、このボタンをクリックすると、登録されているマイクロポンプモジュールのパラメータが印刷される。この際、PC20には図示しないプリンターが接続されている。
「削除」ボタンは、登録されているマイクロポンプモジュールを削除する場合に使用し、リストボックス中のマイクロポンプモジュール名を選択しクリックすると、そのマイクロポンプモジュール名とパラメータが削除される。
「システム設定」ボタンは、この流体輸送装置50を最初に起動するときに選択し、吐出データ処理装置ソフトウェアで使用するために必要なパスワード、通信ポートを設定するために使用し、また、初回の基礎データを入力するステップに進むためのボタンである。
「終了」ボタンは、吐出データ処理装置ソフトウェアを終了するときにクリックする。
続いて、次のステップに移行する方法を説明する。最初にこの吐出データ処理装置ソフトウェアを起動するときには、基礎データを入力するためにシステム設定選択を行う(ST15)。「システム設定」ボタンをクリックすると図7に示す「システム設定画面」が表示される。
ここでは、パスワードの設定または更新を行う。詳しくは、パスワードを更新するときには、「現在のパスワード」、「新しいパスワード」「再入力」の全ての欄に入力後「パスワード更新」ボタンをクリックする。新規に登録するときにも同様な操作で入力することができる。
また、「通信ポート」を設定する場合には、「自動設定」ボタンをクリックすることで、自動的に有効な通信ポートを検索し表示する。手動で、任意の通信ポートを選択することも可能である。
基礎データ入力に移行する際には、前述したパスワード等の入力をした後に、基礎設定選択操作(ST20)を行う。図7に示す「システム設定」画面の「基礎設定」ボタンをクリックすると図9に示す「パスワード」画面が表示される。
なお、「基礎設定」ボタン以外の機能表示は、ユーザーが選択する機能であるため、後述するユーザー操作の項で説明するので、ここでは説明を省略する。
図9は「パスワード」設定画面を示している。ここでは、予め決められているパスワードを入力する(ST30)。「OK」ボタンをクリックすると図10に示す「基礎データ設定」画面が表示される。
図10は、「基礎データ設定」画面を示している。ここでは、この表示画面に記載されている機能表示の空欄に流体輸送装置駆動のための基礎データを設定する(ST35)。この表示画面の▼印が付されている欄は、予め対象基礎データが段階的に設定されている項目で、その中から選択することを示し、他の空欄には、任意の数字を入力する。
まず、ステッピングモータ駆動パルス周波数(単位:Hz)を選択し、マイクロポンプ吐出量基準値(単位:μl/回転)を入力する。なお、補正係数は、ユーザーが、個別の駆動対象流体輸送装置に対応して設定するので、詳しくは後述する。補正係数1000は、チューブ直径が基準値と同じことを意味し、これより数値が大きい場合は、チューブ直径が基準値より大きく、補正係数が1000より小さい場合は、チューブ直径が基準値より小さいことを示している。
本実施形態による補正係数の求め方を以下に示す。チューブ62の流体流動部の設計値の直径(基準値)をD、駆動対象のチューブの直径の実測値をdとしたとき補正係数Rは、R=(d/D)2で算出する。d=Dの場合は、R=1000と表す。
「マイクロポンプ吐出量(単位:μl/回転)」は、前述したマイクロポンプ吐出量基準値と補正係数の積からから算出され表示される。また、最大吐出速度の上限値(単位:μl/H)は、使用電池の最大許容電流から、メーカー側が制限を加える必要がある場合に設定する。
また、初期吐出速度(単位:μl/H)及び初期駆動時間(単位:秒S)は、初期駆動期間における駆動条件の基礎データとして設定される。「ステッピングモータパルス幅(単位:mS)」は、ステッピングモータの駆動特性に合わせて設定する。
ステッピングモータ減速比は、歯車列の減速比を示し、ステッピングモータの駆動周波数、つまり回転速度に対してローラー台の回転速度を算出する要素である。「電池容量」、「安全率」、「ステッピングモータ消費電流(単位:μA/1Step)」、「CPU実行時消費電流(単位:μA)」の項目は、駆動時間の設定の基準となる項目である。
安全率は、基準の電池容量(単位:mAH)に対して、残存容量のばらつきを想定して設定する。また、CPU実行時消費電流は、流体輸送装置が駆動開始する以前もCPU(流体輸送装置制御回路52)の一部が駆動しているため、その際の消費電流を入力する。
本実施形態では、駆動制御回路56に電源電圧検出回路を内蔵しており、電源としての電池58の電圧を検出するが、まずこの「電源電圧検出回路」のONまたはOFFを切り替え、ONを選択するときには、「電源電圧検出回路の検出間隔(単位:分min)」を設定値から選択し、「電源電圧検出回路の検出電圧(単位:V)」を設定値から選択する。図10では、この検出電圧は1.13Vを例示している。この検出電圧は電池電圧が1.13V以下に低下したときには、マイクロポンプモジュール60を停止するための閾値電圧である。
上述した基礎データをPC20に入力し、「登録」ボタンをクリックすると基礎データが吐出データ処理装置ソフトウエアに書き込まれる(ST40)。従って、吐出データ処理装置ソフトウエアが書き込まれているCD−ROMに基礎データが書き込まれていることになり、このCD−ROMは、書き込まれた基礎データに対応する流体輸送装置50と共にユーザーに渡される。
また、吐出データ処理装置ソフトウエアと基礎データが書き込まれたPC20そのものをユーザーに渡してもよい。
なお、この際、流体収容容器90をマイクロポンプモジュール60に装着した状態でユーザーに渡し、ユーザーが流体収容容器90に薬液等の流体を注入するが、流体収容容器90を別体でユーザーに納入し、ユーザーが薬液等を流体収容容器90に注入して、マイクロポンプモジュール60に装着することも可能である。
続いて、ユーザーによる流体輸送装置への吐出データの設定、入力と、駆動方法について図面を参照して説明する。
図5は、吐出データ処理装置としてのPC20への吐出データの設定とマイクロポンプモジュール60の駆動についてのフローを示す説明図である。まず、ユーザーは、メーカーから供給される吐出データ処理装置ソフトウエアと基礎データとが書き込まれたCD−ROMをPC20に挿入して、吐出データ処理装置ソフトウエアを起動する(ST50)。
吐出データ処理装置ソフトウェアを起動すると、図6に示す「起動画面」が表示される。ここでは、吐出データを新規に登録するか、更新するかを選択する(ST55)。「新規」を選択すると、図11に示す「マイクロポンプモジュール名&コード入力」画面が表示される。マイクロポンプモジュール名とコードを登録し(ST60)「OK」ボタンをクリックすると、図8に示す「マイクロポンプ制御」画面が表示される。
マイクロポンプモジュール名は、駆動対象の個別識別呼称であり、コードは、本実施形態では、「0503311000」と例示している。これは、製造日としての2005年3月31日と補正係数1000を表している。製造日は、マイクロポンプモジュール60を組み立てると電池58も装着されているために、このときから駆動制御回路56の一部が駆動を開始するため、電池容量を消費し始めるため記載が必要になる。
「更新」を選択すると、図8に示す「マイクロポンプ制御」画面が表示され、以降、「新規」を選択する場合と同じフローで吐出データの登録を行う。
次に、駆動するマイクロポンプモジュールが単一仕様(シングル)か複数仕様(マルチ)かを選択する(ST65)。まず、「シングル」を選択した場合の吐出データ設定フローを説明する。「吐出データ」ボタンを選択し(ST70)クリックすると図12に示す「吐出データ(シングル)設定」画面が表示され、この表示画面内において吐出データを設定する(ST75)。
ここで、「シングル」とは、一つのマイクロポンプモジュールに対して一つの吐出データに基き駆動することを表し、「マルチ」とは、一つのマイクロポンプモジュールに対して複数の吐出データに基き駆動することを表している。
図12は、「吐出データ」設定を示す画面である。この画面において設定する吐出データのパラメータについて説明を加える。「設定可能な最大吐出速度(単位:μl/H)は、メーカー側で入力される基礎データから算出される。ユーザーは、まず、「吐出速度設定(単位:μl/H)」欄に実際に駆動する必要な吐出速度を入力する。この吐出速度が最大吐出速度を超える数字を入力すると、「エラー」表示されるので、その範囲で再入力する。
「設定可能な最大吐出時間(単位:時間H)」は、基礎データで入力された電池容量と安全率と総消費電流から算出される値であり、「最大吐出量(単位:μl)」は、前述した最大吐出速度と最大吐出時間の積から算出される値であり、PC20の演算装置によって算出される。
次に、「吐出時間設定(単位:H)」欄に所定の吐出時間(駆動時間)を設定する。この値が最大吐出時間を超えて設定されると「エラー」表示され、再設定を行う。
「総吐出量(単位:μl)」は、吐出速度と吐出時間から算出される値である。
これらの吐出データを設定、入力した後「登録」ボタンをクリックすると、図12に示されたパラメータが保存され(ST80)、図8に示す「マイクロポンプ制御」画面が表示される。この際、マイクロポンプモジュール60を通信装置30の所定位置に装着する。接続端子97,98と197,198とがそれぞれ接続し、通信装置30とマイクロポンプモジュール60との通信が接続される。
図8に示す「マイクロポンプ制御」画面において、「データ転送」ボタンをクリックすると図13に示す「マイクロポンプへデータを転送します」という画面が表示される。この画面で、「OK」ボタンをクリックするとマイクロポンプモジュール60にシングルデータ作動時の基礎データ、吐出データが転送される(ST85)。
マイクロポンプモジュール60には、基礎データ及び吐出データが入力される(ST210)。ここで、入力された吐出データが所定の内容で入力されたと確認すると、データ入力を完了信号を通信装置30を介してPC20に出力する。
PC20では、データ転送の可否を判定する(ST90)。所定時間内に入力完了信号が入力されない場合には、データ転送が失敗したと判断して、再度「データ転送」操作を行う。
マイクロポンプモジュール60にデータが入力されると、マイクロポンプモジュール60は初期駆動を開始し(ST215)、入力された基礎データ及び吐出データに基き一定時間駆動した後、駆動を終了する(ST220)。初期駆動期間は、前述したように、基礎データによって予め設定されており、マイクロポンプモジュール60が、組み立て後から流体が吐出可能な状態までの時間として設定されている。
初期駆動が行われている間、PC20には、図14に示す「マイクロポンプ制御」画面が表示されており、初期駆動中には、「動作中」と表示され、初期駆動残存時間が表示される。初期駆動が終了すると図15に示す「投薬を開始しますか?」という画面が表示される。ここで、「はい(Y)」ボタンをクリックすると、投薬開始命令が出力される(ST95)。投薬開始命令は、通信装置30を経て、マイクロポンプモジュール60に転送される。マイクロポンプモジュール60は、命令が入力される(ST225)と、命令入力終了信号をPC20に出力する。
PC20は、投薬開始の命令がマイクロポンプモジュール60に転送されたかを判定し(ST100)、命令入力終了信号を受信したときには、マイクロポンプモジュールの駆動が終了するまで待機する。データ転送に失敗したときには、図16に示す画面が表示され、「OK」ボタンをクリックし、再度、データ転送操作を行う。
マイクロポンプモジュール60は、投薬開始命令が入力されると駆動を開始し(ST230)、前述した基礎データ、吐出データに基き、設定された吐出速度で、吐出時間だけ駆動し終了(停止)する(ST235)。
なお、通信手段が有線通信の場合は、この時点で所定の装着場所に流体輸送装置50を装着する。赤外線通信手段を採用する場合も同様である。
また、無線通信手段の場合は、流体輸送装置50を所定位置に装着後、投薬開始命令を転送してもよい。
PC20は、やはり、設定された駆動時間を経過するとPC20自身の駆動カウントを停止する(動作停止、ST105)。
なお、駆動停止後、図8に示す「マイクロポンプ制御」画面において、「吐出情報」ボタンをクリックすると、マイクロポンプモジュール60が実際に駆動した際の吐出情報(駆動情報)を図21に示す「マイクロポンプ吐出情報」画面に表示される。
この画面において、「マイクロポンプ動作データ」欄には、シングルデータであることが表示され、「マイクロポンプ停止理由」欄には、マイクロポンプモジュール60が停止した理由が表示される。図中、「時間経過」と表示される場合は、所定の吐出時間駆動した後停止したことを示し、仮に「電池電圧低下」と表示された場合は、所定の吐出時間よりも電池電圧の低下が早く、駆動途中で停止したことを意味する。
他に、吐出情報としては、実際にマイクロポンプモジュール60が駆動したときの「マイクロポンプ駆動時間(単位:H)」、「マイクロポンプ総吐出量(単位:μl)」が表示される。
マイクロポンプモジュール60を駆動途中で停止する場合は、図8に示すマイクロポンプ制御画面において、流体輸送装置50を通信装置30に装着し、「動作停止」ボタンをクリックする。この際、図17で示す「マイクロポンプ動作停止」画面が表示され、「OK」ボタンをクリックすると、マイクロポンプの動作停止命令がマイクロポンプモジュール60に転送される。
マイクロポンプの動作停止命令がマイクロポンプモジュール60に入力されると、図18に示される「マイクロポンプの動作停止」画面が表示される。ここで、「OK」ボタンをクリックすることで、マイクロポンプモジュール60の動作とPC20の駆動カウント動作(駆動)が終了する。
次に、マルチ駆動について説明する。図8に示す「マイクロポンプ制御」画面で、「マルチ」駆動を選択し(ST65)、「吐出データ」を選択すると(ST170)、図19に示す「吐出データ設定:マルチ」画面が表示される。この画面上で、マイクロポンプモジュール名毎の吐出データを設定する。
マルチ駆動とは、一つのマイクロポンプモジュールに対して、複数の吐出データ(吐出条件)による駆動を行うことを意味する。
図19の例では、5個のマルチデータを設定できる。例えば、マルチデータNo.1の吐出データを設定するには「No.1」ボタンをクリックする。すると、図20に示す「吐出データ設定No.1」が表示される。この画面においてシングル駆動のときと同様に吐出データを設定する(ST175)。
マルチデータは、No.1〜No.5までの吐出データ設定画面は同じである。これらマルチデータNo.1〜No.5までは、図19の画面で上段から順次選択し、図20の画面で吐出データを設定する。No.1のマルチデータの設定が終了すると、図19に示すNo.1横のラジオボタンは、無効から有効に変わり、No.1のマルチデータの設定が終了していることを示しており、No.2の吐出データの設定が可能になる。このようにして、No.1〜No.5までの吐出データを順次設定していく。
吐出データ設定後、「登録」ボタンをクリックし、マルチ駆動の吐出データを登録する(ST180)。登録後、データ転送の操作を行うが、以降はシングル駆動と同じ操作をST85から駆動終了(ST105)まで行い、マイクロポンプモジュールはST235まで駆動動作を続ける。
マルチ駆動を例示すると、一つのマイクロポンプモジュールにNo.1〜No.5までの5個の吐出データが設定されており、駆動開始命令により、まずNo,1の吐出データに基き駆動し、続いてNo.2の吐出データに基き駆動する。同様にして順次No.3からNo.5の吐出データに基き駆動する。これらの吐出データは、最大駆動時間、最大吐出量の範囲内で設定されている。
なお、マルチ駆動においても、マイクロポンプモジュール60の吐出情報を得ることができる。シングル駆動と同様に、図8に示す「マイクロポンプ制御」画面において、「マルチ」を選択後、「吐出情報」ボタンをクリックすると、図21に示す「マイクロポンプ吐出情報」画面が表示され、対象のマイクロポンプモジュールの吐出情報が表示される。ここでは、「マイクロポンプ動作データ」欄には、「マルチデータ」が表示される。
従って、前述した実施形態によれば、流体輸送システム10は、マイクロポンプモジュール60と吐出データ処理装置としてのPC20と通信装置30とから構成されており、PC20において、マイクロポンプモジュール60の多くの駆動条件を一般のPC20を扱う要領で設定することができ、その駆動条件を通信装置30を介してマイクロポンプモジュール60に入力する構成であるため、マイクロポンプモジュール60は、駆動に必要な構成要素のみを備えればよいため、小動物などの生体に装着可能な程度に小型化することができる。
また、このマイクロポンプモジュール60は、密閉構造を有し、且つ小型であるため、生体の内外に装着することができると共に、生体内部に装着する場合において、血液や体液が流体装置内部に侵入することがなく、マイクロポンプモジュール60の駆動性能を維持することができるので、生体内への薬液投与などに最適な構造である。さらに、生体外に装着する場合においても、水滴や塵埃が内部に侵入しないため使用環境に影響されないという効果がある。なお、生体外や大気環境で使用する場合には、必ずしも密閉構造にしなくてもよい。
また、通信装置30は、PC20とマイクロポンプモジュール60との間で送受信を可能にしているので、基礎データ、吐出データをマイクロポンプモジュール60に転送する他、マイクロポンプモジュール60から吐出情報データをPC20に入力することができるため、マイクロポンプモジュール60を駆動した際の吐出情報データを取得することができ、マイクロポンプモジュール60の駆動管理を的確に行うことができる。
さらに、マイクロポンプモジュール60が、流体を輸送するためのポンプユニット61とポンプ駆動ユニット57と駆動電源としての電池58とを備えているため、予め駆動条件を設定しておけば、流体輸送装置単独で駆動することが可能である。
また、ステッピングモータの駆動パルス周波数、パルス幅が複数設定されているために、駆動パルス周波数を選択することで流体の単位時間当たりの吐出量(吐出速度)、パルス幅を選択することで、ステッピングモータの回転トルクを最適に設定でき、駆動負荷、電池容量の他、ステピングモータの駆動特性に対応して最適な条件を選択し駆動することができる。このことから所望の吐出量、吐出速度が設定でき、微量な薬液等吐出量の調整ができるという効果がある。
また、歯車列の減速比が可変できるように構成しているので、ステッピングモータだけで設定できない範囲の吐出速度を選択することができる他、減速比を小さくすることで、歯車列末端の出力トルクを上げることができ、ポンプユニット61の負荷が大きくなるような場合においても対応することができる。
また、本実施形態の流体輸送システム10においては、マイクロポンプモジュール60に入力される駆動条件が、予め設定される基礎データと、駆動前に設定される駆動対象のマイクロポンプモジュール毎の吐出データと、を含み、それぞれを分けて設定するシステムであるために、設定ミスや入力ミスをなくすことができる。
また、チューブを圧搾して流体を輸送(吐出)する流体輸送装置では、流体の吐出量は、ステッピングモータの回転速度に比例し、チューブの流体流動部の直径の二乗(断面積)に比例する。ステッピングモータの回転速度は、予め設定しておけば個別流体輸送装置毎の差は生じない。しかしながら、チューブの直径は、製造過程でばらつきが発生し、特に製造ロットの違いによって差が出やすいことが知られている。
本実施形態のような微量な薬液を流動する場合においては、チューブ62の直径差の吐出量への影響は無視できない程度となる。例えば、直径0.5mmのチューブでは、直径が0.02mm大きくなった場合、単位時間当たりの吐出量は、およそ8%差がでることになる。従って、チューブ62の直径に対応して吐出データを設定することで、チューブ62の直径のばらつきに影響されない正確な吐出量を確保することができる。
また、基準のチューブの直径と、駆動対象のチューブの直径の比から個別の補正係数を算出し、駆動対象となる前記流体輸送装置毎に吐出データを設定するために、チューブの直径のばらつきの影響を受けない正確な吐出量を得ることができる。
なお、チューブの直径は、製造ロット毎にばらつきが発生することが一般に知られている。従って、駆動対象のチューブの製造ロット毎に補正係数を設定しておくことができる。
また、本実施形態による流体輸送システム10は、組み立て直後は、ローラー63〜66が押圧軸と離間し、初期駆動期間にローラー63〜66が押圧軸71〜75を押圧する位置に移動して流体が吐出開始する構造であるため、流体吐出前にチューブ62の特定個所を押圧し続けることによるチューブの変形をなくし、本駆動期間においては、所定の吐出量を安定して得ることができる。
また、駆動制御回路56が、電池58の電圧を検出する電源電圧検出回路を備えているために、残存容量が終末に近づくときの電圧低下、電圧特性のばらつきに対して、電源電圧検出回路で電池電圧を検出し、所望の吐出量が得られる範囲の所定の駆動電圧より低下したときには、ステッピングモータの駆動を停止することにより、流体の吐出量を管理することができる。
また、前述したように、マイクロポンプモジュール60は、1種類の吐出データによって駆動するシングル駆動の他、一つの流体輸送装置を複数種類の吐出データ(駆動条件)によって切り替え駆動することができる。マルチ駆動では、例えば、駆動開始の1時間の吐出速度を高くし、次の1時間の吐出速度を低くし、さらに、次の1時間は、駆動開始時の吐出速度に戻すというような駆動を可能にしている。このことにより、仮に新薬の開発等による生体実験における薬液投与と投与速度との関係をきめ細かく知見することができる。
また、マイクロポンプモジュール60が駆動された際の吐出情報データが、通信装置30を介してPC20に入力されるために、設定された吐出データと実際に駆動したときの吐出情報データとを比較することができ、マイクロポンプモジュール60の駆動管理、すなわち吐出量の管理を行うことができる。
また、前記吐出情報データには、マイクロポンプモジュール60の停止理由、駆動時間を含みこれらの実動状態を確認することができる。マイクロポンプモジュール60の停止理由については、電池電圧の低下なのか別に流体輸送装置に駆動異常が発生したのかを判別することができ、また、設定された吐出データと実際の駆動時間から総吐出量を算出することができるので、流体輸送装置の管理を適切に行うことができる。
さらに、本実施形態によれば、流体輸送装置50の駆動の基本仕様に関わる基礎データを流体輸送システム提供者(メーカー)が設定し、実際の流体輸送装置50の使用条件に対応する吐出データを流体輸送システム使用者(ユーザー)が設定する構成であるために、ユーザーは基礎データの変更ができず、流体輸送システム提供者は吐出データの変更ができないので、それぞれの立場で必要な条件設定を容易に行なうことができ、間違えて要求とは異なる設定をすることを防止することができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前述した実施形態では、吐出量が微量のマイクロポンプモジュール60を採用しているが、吐出量が多い流体輸送にもこの流体輸送システムを採用することができる。
また、前述した実施形態では、薬液投与のための流体輸送システムを例示して説明しているが、この流体輸送システムは、薬液に限らず、水や食塩水、油類、芳香液、インク、気体等の流体の輸送に利用することができる。
さらに、本実施形態の流体輸送装置は、小型であるために、様々な機械装置において、装置内、または装置外に搭載することができ、前述した各種の流体の輸送、吐出に利用することができる。この際、通信装置に無線通信手段を用いれば、ユーザーの手が届きにくい場所に流体輸送装置を設置し、駆動条件を変えたり、駆動状況を確認することができ、様々な使用環境に対応した分野に採用できる。
また、前述の実施形態では、吐出データ処理装置としてPC20を採用しているが、PCに限らず、表示部と操作部を備える本システム専用の吐出データ処理装置データを備えるシステムとすることができる。
なお、前述の実施形態による流体輸送システムによる基礎データ、吐出データの設定及び吐出量の設定方法は1例であり、その順番、メーカーによる設定範囲、ユーザーによる設定範囲等は、流体輸送システムの使用実態に合わせて変更することができる。
さらに、本実施形態の流体輸送システムは、蠕動型のマイクロポンプモジュールを採用しているが、小型、微量吐出が可能な別の形式のポンプを採用することができる。このような場合、基礎データ及び吐出データを、採用するポンプに合わせてパラメータ設定すればよい。
従って、前述の実施形態によれば、チューブの直径差にも対応して、流体の微量な吐出量を正確に設定、管理可能な流体輸送システムと、流体の正確な吐出量設定方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る流体輸送システムの構成を示すブロック図。 本発明の実施形態に係る通信装置と流体輸送装置とが装着された状態の概略構造を示す断面図。 本発明の実施形態に係る流体輸送装置の構造を示す分解斜視図。 本発明の実施形態に係る基礎データ設定のフローを示す説明図。 本発明の実施形態に係る吐出データの設定とマイクロポンプモジュールの駆動のフローを示す説明図。 本発明の実施形態に係る起動画面を示す説明図。 本発明の実施形態に係るシステム設定画面を示す説明図。 本発明の実施形態に係るマイクロポンプ制御画面を示す説明図。 本発明の実施形態に係るパスワード設定画面を示す説明図。 本発明の実施形態に係る基礎データ設定画面を示す説明図。 本発明の実施形態に係るマイクロポンプモジュール名&コード入力画面を示す説明図。 本発明の実施形態に係る吐出データ(シングル)設定画面を示す説明図。 本発明の実施形態に係る吐出データデータ転送画面を示す説明図。 本発明の実施形態に係る初期駆動期間中におけるマイクロポンプ制御画面を示す説明図。 本発明の実施形態に係る投薬を開始画面を示す説明図。 本発明の実施形態に係るデータ転送に失敗を示す画面の説明図。 本発明の実施形態に係るマイクロポンプ動作停止命令画面を示す説明図。 本発明の実施形態に係るマイクロポンプの動作停止を示す画面の説明図。 本発明の実施形態に係る吐出データ(マルチ)設定画面を示す説明図。 本発明の実施形態に係る吐出データ設定(マルチNo.1)画面を示す説明図。 本発明の実施形態に係るマイクロポンプ吐出情報画面の説明図。
符号の説明
10…流体輸送システム、20…吐出データ処理装置としてのPC、30…通信装置、34,54…送受信制御回路、56…駆動制御回路、57…ポンプ駆動ユニット、58…電池、62…チューブ、61…ポンプユニット、90…流体収容容器。

Claims (9)

  1. 柔軟性を有するチューブと、該チューブを圧搾して流体を吐出するポンプユニットと該ポンプユニットを駆動するポンプ駆動ユニットと、該ポンプ駆動ユニットを制御する駆動制御回路と、通信部と、電池と、が格納されている小型の流体輸送装置と、
    所望の流体流量を吐出する前記流体輸送装置の駆動条件を設定し、且つ前記流体輸送装置の起動処理を行う吐出データ処理装置と、
    前記流体輸送装置と前記吐出データ処理装置とを相互接続する通信手段を有する通信装置と、を備え、
    前記駆動条件は、予め定められた基礎データと、駆動前に設定される駆動対象流体輸送装置個別の吐出データと、を含み、
    前記吐出データは、前記吐出データ処理装置から設定し、
    前記流体輸送装置は、前記吐出データ処理装置から入力された前記駆動条件を前記通信装置から受信して前記駆動制御回路に記憶し、該記憶した駆動条件に基づいて流体輸送を行い、
    前記基礎データは、少なくとも前記流体輸送装置個別の、電池容量と前記電池容量の安全率と総消費電流と、を含み、
    前記吐出データ処理装置は、前記基礎データに基づき、吐出速度と吐出時間との、設定可能な最大範囲を算出し、
    前記吐出データは、前記設定可能な最大範囲内で入力可能であることを特徴とする流体輸送システム。
  2. 請求項1に記載の流体輸送システムにおいて、
    前記ポンプ駆動ユニットが、少なくともステッピングモータと、該ステッピングモータの回転を前記ポンプユニットに減速して伝達する歯車列と、を備え、
    前記駆動制御回路が、前記ステッピングモータの複数の駆動条件を記憶する駆動パルス設定手段と、前記ステッピングモータの駆動時間をカウントするタイマーと、を備え、前記吐出データ処理装置から入力された駆動条件に基づき前記ポンプ駆動ユニットを駆動し、所定の時間が経過した後、前記ポンプ駆動ユニットを停止することを特徴とする流体輸送システム。
  3. 請求項1または請求項2に記載の流体輸送システムにおいて、
    前記歯車列のそれぞれの歯数の組み合わせを変え、前記歯車列の減速比が変更できることを特徴とする流体輸送システム。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の流体輸送システムにおいて、
    前記チューブの流体流動部の直径の個別の差に対応して、前記吐出データを設定し、流体の吐出量を調整することを特徴とする流体輸送システム。
  5. 請求項4に記載の流体輸送システムにおいて、
    基準となる前記流体輸送装置の駆動条件における前記チューブの流体流動部の直径の基準値と、前記駆動対象流体輸送装置のチューブの流体流動部の直径と、の比から補正係数を算出し、
    前記補正係数に対応して前記流体輸送装置の吐出データを設定して、前記流体輸送装置の流体の吐出量を基準となる前記流体輸送装置と同じになるよう補正することを特徴とする流体輸送システム。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の流体輸送システムにおいて、
    前記流体輸送装置が、基礎データに含まれる初期吐出速度及び初期駆動時間に基づき、
    流体が吐出開始するまでの期間だけ駆動される初期駆動期間と、その後の本駆動期間と、
    を有して駆動されることを特徴とする流体輸送システム。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の流体輸送システムにおいて、
    前記駆動制御回路が、前記電池の電圧を検出する電源電圧検出回路をさらに備え、
    前記電源電圧検出回路による検出値が、前記ポンプ駆動ユニットの所定の駆動電圧より低下したときに、前記駆動制御回路によって、前記流体輸送装置を停止することを特徴とする流体輸送システム。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の流体輸送システムにおいて、
    前記吐出データ処理装置が、前記ポンプ駆動ユニットの駆動を、1種類の吐出データによって駆動するシングル駆動と、複数種類の吐出データによって切り替え駆動するマルチ駆動と、を選択する手段を備えていることを特徴とする流体輸送システム。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の流体輸送システムにおいて、
    前記流体輸送装置の露出部材が、生体適合性を有する材料で形成されていることを特徴とする流体輸送システム。
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