JP4556011B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、ぱちんこ遊技機(一般的に「パチンコ機」とも称する)や回胴式遊技機(一般的に「パチスロ機」とも称する)等の遊技機に関するものである。
従来、パチンコ機等の遊技機において、遊技媒体として例えば遊技球が打ち込まれる遊技領域内には、多数の障害釘が所定のゲージ配列をなして設けられている他、遊技領域の上下方向の途中の適宜位置に風車が設けられている。また、遊技領域の適宜位置には、入球確率が変化するように左右に拡開する羽根(所謂チューリップ)を備えた入賞口や、入賞口の羽根を拡開させる始動口が設けられている。
この従来の遊技機では、遊技者の操作により遊技領域の上部に遊技球を打ち込んで、所望の入賞口等に入球させるのを楽しむようにしたものであり、遊技球が遊技領域の上部から下部へ流下する際に、障害釘や風車等に当接してその流下する向きや、速度等を変化させ、遊技球に細かな動きを付与することで、遊技球の動きが楽しめるようになっている。
また、遊技領域中にその中央付近が低くなった固定ステージを設け、遊技球をそのステージ上で左右方向に転動させた上で、中央付近から流出させることで、遊技球の動きが楽しめるようにした遊技機もある(例えば、特許文献1)。或いは、上下に固定ステージを設けると共に、そのステージの転動面を所定の形状とすることで、遊技球の動きに変化を付けて楽しめるようにした遊技機もある(例えば、特許文献2)。
更に、遊技領域中に、略水平方向に延びる振り分け部材を設けておき、遊技状況に応じて、その振り分け部材の傾く方向を変更することで、遊技球の流下する方向を変更させて、遊技球の動きを変更させて楽しめるようにした遊技機もある(例えば、特許文献3)。
特開2004−057655号公報 特開2004−147900号公報 特開2003−290489号公報
しかしながら、従来の遊技機では、流下する遊技媒体を、略水平方向に延びるステージや振り分け部材上等に供給して、遊技媒体の流れを垂直方向から水平方向へ変える際に、湾曲面等により案内させることで、その流れの向きを変えるようにしているので、遊技媒体の動きとしては、単に通路に沿って角を曲がるような動きをするだけであり、単調な動きであり、遊技者によっては、遊技媒体の動きや流れに飽きてしまい、遊技媒体自体の動きを楽しめなくなる問題があった。
そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、略垂直方向に流下する遊技媒体を略水平方向に送る際に、一旦遊技媒体に上下方向の動きをさせた後に、略水平方向に送るようにすることで、遊技媒体の動きにアクセントを付けて、遊技者を遊技媒体の動きに注目させると共に、遊技媒体の動きによる興趣が低下するのを防止することのできる遊技機の提供を課題とするものである。
請求項1に記載の遊技機は、遊技媒体が打ち込まれる遊技領域内に配置され前記遊技媒体を受け入れ可能な受入口と、前記受入口に受け入れられた遊技媒体を検出する受入検出手段と、前記受入口とは異なる位置に配置され、前記受入検出手段による遊技媒体の検出に基づいて、前記遊技領域内に打ち込まれた遊技媒体が進入可能となる役物と、前記役物内に進入した遊技媒体を、左右方向のうちいずれか一方、または当該一方とは反対の他方に転動させうるガイド部材と、前記一方の側に配置され、前記役物内に進入した遊技媒体を受け入れ可能な大当り口と、前記大当り口に遊技媒体が受け入れられると遊技者に所定の特典を付与する特典付与手段を少なくとも有する主制御手段と、前記他方の側に配置され、前記役物内に進入した遊技媒体を受け入れたとしても前記特典が付与されないハズレ口と、前記役物内に進入して前記ハズレ口に向かう遊技媒体と当接するように可動すると共に当該遊技媒体を下降または上昇させた後に前記大当り口に向けて転動させることが可能な押打部、および、可動により所定の演出動作をする可動演出部を有する可動体とを備え、前記可動体は、少なくとも前記押打部の可動が前記主制御手段によって制御され、前記役物内に進入した遊技媒体が前記ガイド部材により前記他方の側に向けて転動されて当該他方の側に放出されると、前記押打部と前記可動演出部とが略一致するタイミングで可動するとともに、当該押打部の動きと当該可動演出部の動きとによって特有のポーズをすることでチャンスの到来を示唆しうるキャラクタ体であって、前記キャラクタ体が前記特有のポーズをすることで遊技者に当該キャラクタ体に注目させて、下降または上昇した後に前記大当り口に向けて転動する遊技媒体が前記大当り口に受け入れられるチャンスの到来を示唆しうるようにしたことを要旨とするものである。
請求項2に記載の遊技機は、請求項1に記載の遊技機において、前記可動体は、少なくとも顔部、腕部および足部を有し、身長が伸び縮みする方向にスライドするとともに、前記顔部、前記腕部および前記足部の全てが略一致するタイミングで可動して前記特有のポーズをすることによって、遊技者に当該可動体としてのキャラクタ体に注目させるようにしたことを要旨とするものである。
請求項3に記載の遊技機は、請求項1または2に記載の遊技機において、前記主制御手段から送信される制御コマンドに応じて、少なくとも前記可動体の前記可動演出部の可動を制御する周辺制御手段をさらに備えることによって、前記主制御手段の負荷を高めることなく前記可動体としての前記キャラクタ体に様々なポーズをさせることができるようにしたことを要旨とするものである。
手段1:「遊技媒体が打ち込まれる遊技領域の左右の何れか一方に配置され、流下する前記遊技媒体と当接可能とすると共に、当接した該遊技媒体を下降又は上昇させた後に前記遊技領域の他方に送ることの可能な可動役物を具備する」ものであることを特徴とする。
ここで、「当接した遊技媒体を下降又は上昇」とは、「遊技媒体を当接した状態で所定距離下降させるもの」、「遊技媒体を当接した状態で所定距離上昇させるもの」、であり、例えば、「可動役物と当接することで、流下する遊技媒体が、その速度を停止又は減速させた上で所定距離下降する動き」、「可動役物と当接することで、流下する遊技媒体が、すくい上げられるように上昇する動き」、等が挙げられる。
また、「下降又は上昇」とは、遊技媒体の移動ベクトルとして、上下方向のベクトルを有しているものであれば良く、その移動軌跡も、直線状、曲線状(例えば、円弧状、放物線状、数次曲線状、自由曲線状、等を含む)、等の移動軌跡を描くものが挙げられる。
ところで、遊技領域内において、流下する遊技媒体の移動方向を、略水平方向つまり、左右方向に変更させるものとして、障害釘によりその方向を変更させることが従来より行われているが、その場合、障害釘と当接する遊技媒体の、流下速度や当接位置によって、様々な方向へ送られ、遊技媒体が一様な動きをしないので、その動き自体は飽き難いものとなるが、遊技媒体の動きが一様ではないので、所望の方向に確実に送ることが困難であった。そこで、流下する遊技媒体の流路上に、可動式の反射板を設けて、その反射板により遊技媒体の移動方向を変更させたり、させなかったりすることで、二通りの流れを作り、遊技媒体の動きに面白味を付加すると共に、遊技媒体を所望の方向へ確実に送ることができるようになるが、反射板において、遊技媒体が単に反射するだけなので、遊技媒体の動きとしては、単調で面白味に欠けるものであり、飽きられ易くなる問題がある。
手段1の構成によれば、遊技領域の左右の何れか一方に配置された可動役物により、流下する遊技媒体と当接した後に、所定距離下降又は上昇させた上で、遊技領域の左右の他方に送るようにしたものである。これにより、可動役物によって遊技媒体の流れる方向が変わる際に、遊技媒体にアクセントのある動きをさせることが可能となり、これまでにない、遊技媒体の動きを実現することができ、遊技者を遊技媒体の動きに注目させることができると共に、その動きを楽しませて、飽き難く、興趣が低下するのを防止することができる。
また、例えば、可動役物により送られる先に、遊技者に有利な特典が付与される受入口等を配置した場合、遊技者は、遊技媒体が可動役物によって送られることを望み、可動役物や可動役物付近の遊技媒体に注目させることができ、可動役物や遊技媒体の動きを楽しませることができる。
なお、例えば、可動役物による遊技媒体を遊技領域の他方へ送るための上下方向の位置を所定位置とし、その所定位置の上下において可動役物により遊技媒体を下降又は上昇させるようにした場合、その所定位置を通過する前に可動役物と当接した上で下降して送られるようにしたり、その所定位置を通過した後で可動役物と当接した上で上昇して送られるようにしたりすることが可能となり、更に、遊技媒体の動きに面白味を付加することが可能となり、より興趣を高められるものとすることができる。
手段2:遊技機の構成において、
「遊技媒体が打ち込まれる遊技領域内に配置され前記遊技媒体が進入可能とされた始動口と、
該始動口に進入した前記遊技媒体を検出する始動検出手段と、
少なくとも該始動検出手段による前記遊技媒体の検出に応じて所定数の前記遊技媒体を払い出す払出装置と、
前記始動検出手段による前記遊技媒体の検出に応じて、前記始動口とは前記遊技領域内の異なる位置に配置され、前記遊技媒体が進入可能なように所定の開閉動作をする進入口と、
該進入口に進入した前記遊技媒体を検出する遊技状態検出手段としての進入検出手段と、
該進入検出手段の下流側、且つ、前記遊技領域の左右の何れか一方に配置され、前記進入検出手段による前記遊技媒体の検出結果に応じて、前記進入検出手段によって検出された前記遊技媒体と当接可能とすると共に、当接した該遊技媒体を下降又は上昇させた後に前記遊技領域の他方に送ることの可能な可動役物と、
該可動役物により送られた前記遊技媒体を受入可能な受入口と、
該受入口に前記遊技媒体が受入れられると遊技者に所定の特典を付与する特典付与手段と、
前記可動役物により送られなかった前記遊技媒体を前記遊技領域外へ排出する排出口とを具備する」ものであることを特徴とする。
ここで、「進入口」としては、その入口が開閉可能なもの、又は、その入口近傍に設けられた可動片が開閉することで進入確率が変化するものであれば良く、「役物用入賞口」、「受取口(ワープ通路入口)」、「可動入賞口(チューリップ)」、等が挙げられる。また、「受入口」としては、「ハズレ入賞口」、「一般入賞口」、「当り入賞口」、「大当り入賞口」、「排出口」、等が挙げられる。また、「特典付与手段」としては、「所定数の遊技媒体を払い出すもの」、「進入すると所定数の遊技媒体が払い出される進入口へ遊技媒体が進入する確率を高くするもの」、等が挙げられる。
手段2の構成によれば、遊技媒体が始動口に進入すると、進入口が所定の開閉動作を行うと共に、払出手段により所定数の遊技媒体が払い出され、開いた進入口に遊技媒体が進入すると、進入検出手段により検出された上で、遊技領域の左右の何れか一方に配置された可動役物に供給され、進入検出手段の検出結果に基づいて遊技媒体が可動役物と当接して遊技領域の他方に送られると、受入口に受入られて所定の特典が付与され、可動役物によって送られなければ排出口から遊技領域外へ排出され、可動役物によって遊技媒体が送られる際に、一旦下降又は上昇した後に送られるようになっている。これにより、進入口への遊技媒体の進入により所定の払出が行われて、興趣を高めた上で、可動役物により送られる際に、遊技媒体がアクセントのある動きをし、遊技者を楽しませることができ、更に、可動役物により送られると、所定の特典が付与されるので、遊技者に可動役物により遊技媒体が送られるのを強く期待させることが可能となり、可動役物やその近辺の遊技媒体の動きに注目させて、それらの動きを楽しませることができると共に、可動役物により送られることで、特典を付与して、より興趣を高められることが期待できる。
手段3:遊技機の構成において、
「遊技媒体が打ち込まれる遊技領域内に配置され前記遊技媒体が進入可能とされた始動口と、
該始動口に進入した前記遊技媒体を検出する始動検出手段と、
少なくとも該始動検出手段による前記遊技媒体の検出に応じて所定数の前記遊技媒体を払い出す払出装置と、
前記始動検出手段による前記遊技媒体の検出に応じて、前記始動口とは前記遊技領域内の異なる位置に配置され、前記遊技媒体が進入可能なように所定の開閉動作をする進入口と、
該進入口に進入した前記遊技媒体を検出する遊技状態検出手段としての進入検出手段と、
該進入検出手段の下流側、且つ、前記遊技領域の左右の何れか一方に配置され、前記進入検出手段による前記遊技媒体の検出結果に応じて、前記進入検出手段によって検出された前記遊技媒体と当接可能とすると共に、当接した該遊技媒体を下降又は上昇させた後に前記遊技領域の他方に送ることの可能な可動役物と、
該可動役物により送られた前記遊技媒体を受入可能な受入口と、
該受入口に受入れられた前記遊技媒体を検出する受入検出手段と、
該受入検出手段による前記遊技媒体の検出に応じて、所定の抽選結果を抽選する抽選手段と、
該抽選手段の抽選結果に基づいて、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる特典付与手段としての有利遊技状態発生手段と、
前記可動役物により送られなかった前記遊技媒体を前記遊技領域外へ排出する排出口とを具備する」ものであることを特徴とする。
ここで、「有利遊技状態」とは、通常の遊技状態よりも遊技者に有利となる状態を意味ものであり、以下のように種々の状態を例示できる。
(1)パチンコ機等の遊技機において、開閉駆動される入賞口を、所定回数繰返し開閉させたり、所定時間、あるいは遊技球が所定個数入賞するまで継続して開放させたりして、遊技球が多量に入賞口に入賞し易くした状態(所謂「大当り状態」)。
(2)パチンコ等の遊技機において、大当り状態が発生する確率を通常よりも高確率とした状態、所謂「確率変動状態」。
(3)パチンコ機等の遊技機において、遊技球の入賞や通過により大当り状態を発生させるか否かの抽選を行う抽選用の入球装置を、通常よりも遊技球が入球し易い状態とし、大当りの抽選が通常よりも頻繁に行われるようにした状態、所謂「時間短縮状態」。
(4)スロットマシーン等の遊技機において、所定ゲームの間、遊技媒体であるメダルの払出しを行う絵柄にてドラムが停止され易くした状態、所謂「ボーナスゲーム状態」。
(5)スロットマシーン等の遊技機において、次回以降のゲーム状態をボーナスゲーム状態にさせるための条件であるボーナス絵柄にてドラムを停止可能とした状態、所謂「ボーナス成立状態」。
(6)スロットマシーン等の遊技機において、所定ゲーム数の間、役を成立させるためのドラムの停止順序や図柄を案内する等して、役の成立を手助けする状態、所謂「アシストゲーム状態」。
(7)スロットマシーン等の遊技機において、ボーナスゲーム状態、ボーナス成立状態、アシストゲーム状態等の特典状態が発生する確率を通常よりも高確率とした状態、所謂「確率変動状態」。
手段3の構成によれば、遊技媒体が始動口に進入すると、進入口が所定の開閉動作を行うと共に、払出手段により所定数の遊技媒体が払い出され、開いた進入口に遊技媒体が進入すると、進入検出手段により検出された上で、遊技領域の左右の何れか一方に配置された可動役物に供給され、進入検出手段の検出結果に基づいて遊技媒体が可動役物と当接して遊技領域の他方に送られると、受入口に受入られて抽選が行われ、その抽選結果に基づいて有利遊技状態が発生される。一方、可動役物によって送られなければ排出口から遊技領域外へ排出される。そして、可動役物によって遊技媒体が送られる際に、遊技媒体が一旦下降又は上昇した後に送られるようになっている。これにより、進入口への遊技媒体の進入により所定の払出が行われて、興趣を高めた上で、可動役物により送られる際に、遊技媒体がアクセントのある動きをし、遊技者を楽しませることができ、更に、可動役物により送られると、特典として有利遊技状態が発生するので、遊技者に可動役物により遊技媒体が送られるのを強く期待させることが可能となり、可動役物やその近辺の遊技媒体の動きに注目させて、それらの動きを楽しませることができると共に、可動役物により送られることで、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させて、より興趣を高められることが期待できる。
手段4:手段1から手段3までの何れか一つの構成において、
「前記可動役物は、
流下する前記遊技媒体を当接可能な当接部と、
該当接部を前記遊技媒体と当接可能となるように移動させる当接部駆動手段と
を備えている」ものであることを特徴とする。
ここで、「当接部駆動手段」としては、モータやソレノイド等を動力として、「当接部を直線移動させるもの」、「当接部を所定の軸を中心として回転移動させるもの」、等が挙げられる。
手段4の構成によれば、可動役物を遊技媒体と当接可能な当接部と、当接部を移動させる当接部駆動手段とで構成したもので、これにより、当接部を移動させることで、遊技媒体と当接部とを当接させたり、当接させなかったりすることが可能となると共に、当接部が遊技媒体と当接した際に、当接部の移動によって遊技媒体を下降又は上昇させることができ、上述の作用効果を奏する可動役物を具現化することができる。
また、当接部が遊技媒体と当接した際に、当接部により遊技媒体が押打されるように当接させることもできる。これにより、遊技媒体が可動役物により押打されるような動きとなるので、遊技者に対して強いインパクトを与えることが期待できると共に、遊技媒体と当接して押打した時と、当接しなかった(押打し損ねた)時との印象の落差が大きくなり、抑揚に富んだものとすることができる。
手段5:手段4の構成において、
「前記当接部駆動手段は、
前記当接部を所定軸心周りに回動させることで移動させる」ものであることを特徴とする。
手段5の構成によれば、所定の軸を中心に当接部を回動させることで、遊技媒体と当接可能としたものである。これにより、当接部は円弧状に移動するので、単に上下方向に当接部を移動させる場合と比較して、その移動ベクトルの成分に上下方向だけでなく左右方向の成分も含まれると共に、当接部の回動位置によってそれらベクトル成分の大きさが異なるものとなるので、当接部が遊技媒体と当接する位置によって、当接した遊技媒体の移動方向や移動速度等が種々に変化し、容易に遊技媒体の動きに変化を付けることが可能となり、遊技媒体の動きを楽しませることができる。
なお、当接部が遊技媒体と当接する位置を、所定の範囲内とすることが望ましく、これにより、当接した遊技媒体の移動先、つまり送られる方向を制御することが可能となり、所望の方向に確実に送ることができる。
手段6:手段5の構成において、
「前記当接部駆動手段は、
一端に前記当接部を有した当接部支持部材と、
該当接部支持部材の他端に接続された回動軸と、
該回動軸を回動駆動させる回動駆動手段と
を備えている」ものであることを特徴とする。
手段6の構成によれば、回動駆動手段により回動軸を回動させることで当接部支持部材が回動し、当接部支持部材の一端(先端)に備えられた当接部が回動するようにしたものである。これにより、例えば、回動軸の回動角度が所定角度とされた場合、当接部支持部材の長さを変えることで、当接部の移動範囲を大きくしたり小さくしたりすることが容易となり、上述の作用効果を奏する可動役物を簡単に具現化することができる。
手段7:手段6の構成において、
「前記当接部駆動手段は、
前記回動駆動手段からの回動を前記回動軸に伝達すると共に、所定回転角度の遊びを有した回転伝達継手
を更に備えている」ものであることを特徴とする。
ここで、「回転伝達手段」としては、「凸部と凹部とを係合させることで回転を伝達するもの」、「摺動板等を合わせてその間の摩擦力により回転を伝達するもの」、等が挙げられる。また、「遊びを有した」とは、「寸法誤差や寸法公差等による遊び」、「積極的に設けられた遊び」、等であり、例えば、「係合部において所定の遊嵌を有したもの」、「バネやゴム等の弾性体を介在させることで回転伝達における一次側と二次側において位相差や追従差等が生じるようにしたもの」、等が挙げられる。
手段7の構成によれば、回動軸の回動方向に対して所定回転角度の遊びを有した回転伝達手段を備えたもので、これにより、当接部に遊技媒体が当接した際の衝撃が、当接部支持部材、及び回動軸を介して直接回動駆動手段に伝達されるのを緩和したり防止したりすることが可能となり、回動駆動手段にかかる負荷を軽減させることができる。
また、遊びを有しているので、当接部が、回動の開始や停止する際、或いは、遊技媒体と当接する際等に、その遊びにより当接部が振れ、当接部の動きに面白味を付加させることが可能となり、遊技者を楽しませることができる。
手段8:手段6又は手段7の構成において、
「前記当接部駆動手段は、
前記回動軸を、その軸心周りに回動させる付勢手段
を更に備えている」ものであることを特徴とする。
ここで、「付勢手段」としては、「回動軸と偏芯した位置に配置された錘りによって回動軸を回動させる方向に力が作用するようにしたもの」、「バネ等の弾性体によって回動軸を回動させる方向に力が作用するようにしたもの」、等が挙げられる。
手段8の構成によれば、回動軸を所定回転方向に付勢する付勢手段を備えたもので、これにより、回動駆動手段によって駆動されていないときは、付勢手段によって所定の回動位置に位置することとなり、当接部が無用に振れたりして、遊技者に違和感を与えて興趣を低下させてしまうのを防止することができる。
手段9:手段1から手段8までの何れか一つの構成において、
「前記可動役物は、
上下方向の所定範囲内において前記遊技媒体を下降又は上昇させることが可能とされ、その所定範囲は、下から第一範囲と第二範囲とに分けられ、前記第一範囲と前記第二範囲との境界付近において前記遊技媒体が前記遊技領域の他方に送られる」ものであることを特徴とする。
手段9の構成によれば、可動役物による遊技媒体の下降又は上昇可能な範囲を下から第一範囲、第二範囲の二つの範囲に分け、第一範囲と第二範囲との境界付近において、遊技媒体を遊技領域の他方に送るようにしたものである。つまり、遊技媒体が第一範囲内で当接して他方に送られる場合は、遊技媒体が一旦境界を通過した後に可動役物により上昇して境界付近から送られるような動きをする。また、遊技媒体が第二範囲内で当接して他方に送られる場合は、遊技媒体が可動役物により下降して境界付近から送られるような動きか、遊技媒体が可動役物により一旦上昇してから下降して境界付近から送られるような動きをする。これにより、可動役物と当接する位置によって遊技媒体の動きを異ならせることが可能となり、その動きを楽しませて、興趣を高められるものとすることができる。
また、可動役物との当接により送られる先に、遊技者に有利な特典が付与される入賞口等の受入口が配置されている場合は、可動役物により遊技球が受入口側へ送られることを強く望むようになる。ところで、遊技媒体は遊技領域を流下するのが通常であるので、遊技者は、遊技媒体が受入口側へ送られる目安の一つとして、第一範囲と第二範囲との境界付近を遊技媒体が通過したか否かに関心を寄せることとなる。そして、その境界付近を通過する以前に当接すれば受入口側に送られるので興趣が高められる。一方、遊技媒体が境界付近を通過すると、受入口側に送られないような錯覚を起こし興趣が低下するが、通過しても可動役物と当接することで境界付近まで上昇して受入口側に送られると興趣が高められ、遊技者を一喜一憂させることが可能な遊技媒体の動きとすることができる。なお、通過した後に当接しても下降した場合は、受入口側に送られないので、通過した後に当接しても、上昇するか否かによって、遊技者を一喜一憂させることができ、抑揚に富んだ面白味のあるものとすることができる。
手段10:手段6から手段9までの何れか一つの構成において、
「前記回動駆動手段は、
直線運動をする駆動部と、
該駆動部の直線運動を回転運動に変換するクランク部と
を備えている」ものであることを特徴とする。
ここで、「駆動部」としては、「進退可能なプランジャを有したソレノイド」、「流体の圧力により進退するピストンロッドを有したシリンダ」、「リニアモータ」、等が挙げられる。
手段10の構成によれば、回動駆動手段を、直線運動する駆動部と、直線運動を回転運動に変換するクランク部とで構成したものである。これにより、駆動部の移動速度が一定でも、回転速度が変化するので、当接部の移動速度も変化し、一定速度で回動しないようにすることができるので、モータを用いた場合とは異なる動きをさせることができる。なお、駆動部としては、ソレノイドを用いることが望ましい。
手段11:手段8から手段10までの何れか一つの構成において、
「前記当接部駆動手段は、
前記当接部を、前記回動駆動手段により前記第一範囲内を回動させると共に、前記付勢手段により前記第二範囲内を回動させる」ものであることを特徴とする。
手段11の構成によれば、当接部を、第一範囲では回動駆動手段により、第二範囲では付勢手段により回動するようにしたものである。これにより、特に、遊技媒体を上昇させるために比較的強い駆動力を必要とする第一範囲内における当接部の移動を、回動駆動手段により駆動するようにしているので、当接部と当接した遊技媒体を確実に上昇させることができる。
また、回動駆動手段により回動する範囲を第一範囲としているので、第一範囲及び第二範囲を全て回動駆動手段により回動させる場合と比較して、回動駆動手段の回動範囲を少なくすることが可能となり、回動駆動手段を小型化することができる。
なお、付勢手段によって当接部が第二範囲の上端側に付勢されるようにした場合、当接部は、回動駆動手段により第一範囲の上端まで移動されると、付勢手段により第二範囲の上端まで移動させられる動きをし、回動駆動手段の駆動により第一範囲の下端から第二範囲の上端まで当接部を移動させることができる。
手段12:手段11の構成において、
「前記当接部駆動手段は、
前記当接部が、前記第二範囲内に位置する時に、前記当接部に前記遊技媒体が当接すると、前記当接部が前記第二範囲の下端に回動する」ものであることを特徴とする。
手段12の構成によれば、第二範囲内において当接部に遊技媒体が当接すると当接部が第二範囲の下端に回動するようにしたものである。これにより、第二範囲内では、当接部に当接した遊技媒体を下降させることができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
手段13:手段8から手段12までの何れか一つの構成において、
「前記付勢手段の付勢力は、
前記当接部に前記遊技媒体が当接した際にかかる力よりも弱い」ものであることを特徴とする。
手段13の構成によれば、当接部に遊技媒体が当接すると、遊技媒体からの力により当接部が付勢手段の付勢力に抗して、遊技媒体と共に移動することができ、当接部に遊技媒体が当接すると、当接部と共に遊技媒体が下降する動きを具現化することができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
手段14:手段1から手段13までの何れか一つの構成において、
「前記可動役物は、立体的に造形された所定形状のキャラクタ体とされている」ものであることを特徴とする。
ここで、「キャラクタ体」とは、小説・漫画・映画・演劇などの登場人物、動物、植物、又は小道具類、もしくは本遊技機のために作成された仮想上の人物、動物、植物、又は小道具類等を立体的に造形したものである。
手段14の構成によれば、可動役物の外観をキャラクタ体としたもので、これにより、可動役物自体を視覚的に強調させることができ、遊技者に注目させることで、可動役物によるこれまでにない遊技媒体の動きを認識させ易くすることができる。
なお、当接部をキャラクタ体の一部とすることが望ましく、例えば、当接部をキャラクタ体の手や足等とすることで、キャラクタ体の手や足等が動くことで、遊技媒体と当接するので、キャラクタ体に動きを付与することができ、遊技媒体の動きだけでなく、キャラクタ体の動きも楽しめるものとすることができる。
手段15:手段14の構成において、
「前記キャラクタ体は、人形のキャラクタとされ、
該キャラクタ体の少なくとも一方の足に前記当接部が備えられている」ものであることを特徴とする。
手段15の構成によれば、キャラクタ体の足に当接部が備えられているので、遊技媒体と当接するように当接部を移動させることで、キャラクタ体が遊技媒体を蹴るような動作となり、遊技媒体の押打を興趣のあるものとすることができる。なお、キャラクタ体の足の動作は、サッカー等のスポーツに関連する動作としても良いし、キャラクタ体の採用されたキャラクタに特有のポーズをする動作としても良い。これにより、キャラクタ体の動作が判り易くなり、より興趣を高めることができる。
手段16:手段1から手段15までの何れか一つの構成において、
「前記可動役物は、
可動することで所定の演出動作が可能な可動演出手段を更に備えている」ものであることを特徴とする。
ここで、「可動演出手段」とは、可動により遊技者に対して所定の演出を行うものであり、その可動により遊技媒体の動きが変更されても、遊技者が有利となったり不利となったりせず遊技に直接影響のない動きをするものである。
手段16の構成によれば、可動役物に可動演出手段を備えたもので、これにより、当接によって遊技媒体に所定の動きを付加させるだけでなく、可動演出手段の可動により、所定の演出動作を行うことができるので、遊技者をより楽しませることが可能となる。
手段17:手段16の構成において、
「前記可動演出手段は、
前記キャラクタ体の顔を上下方向に移動させると共に、該キャラクタ体の腕を回転移動させる演出移動手段と、
該演出移動手段によって前記キャラクタ体の顔及び腕を移動駆動するための可動演出駆動手段と
を備えている」ものであることを特徴とする。
手段17の構成によれば、可動演出手段を、キャラクタ体の顔と腕を移動させる演出移動手段と、演出移動手段を介してキャラクタ体の顔や腕を駆動するための可動演出駆動手段とを備えたものである。これにより、キャラクタ体の顔が上下に移動すると共に、腕が回転するので、可動役物の可動演出手段を可動させることで、キャラクタ体に様々なポーズや、ジェスチャーをさせることができる。つまり、人形のキャラクタが動くことで、遊技者に親しみ易くすることができると共に、感情移入し易くすることが期待でき、可動役物の動きとの一体感が得られ易くなり、その動きをより楽しませ、更には、遊技全体の興趣を高めることができる。なお、当接部をキャラクタ体の足に備えたものの場合、キャラクタ体の顔や腕の他に、足も可動するので、遊技者を楽しませる可動演出をすることができる。
手段18:手段17の構成において、
「前記キャラクタ体の顔は、
所定軸周りに揺動可能に軸支されている」ものであることを特徴とする。
手段18の構成によれば、キャラクタ体の顔を揺動可能に軸支したものであり、これにより、顔を上下に移動させた際に、その影響で顔が揺動し、顔を振るような面白味のある演出動作をさせることができ、興趣を高められるものとすることができる。
手段19:手段17又は手段18の構成において、
「前記演出移動手段は、
前記可動演出駆動手段により上下方向に移動駆動され、前記キャラクタ体の顔を揺動可能に軸支する支持部と、前記キャラクタ体の本体に肩を中心に回転可能に支持された腕に突設された突起に下方から当接する突起当接部とを有したスライド部材を備えている」ものであることを特徴とする。
手段19の構成によれば、スライド部材を上下方向に移動させるだけで、キャラクタ体の顔の上下移動と、腕の回転移動とを同時に行うようにすることが可能となり、簡単な構成で、上述の可動演出手段を具現化することができ、上記と同様の作用効果を得ることができる。
手段20:手段1,4〜19の何れか一つの構成において、
「遊技媒体が打ち込まれる遊技領域内に配置され前記遊技媒体が進入可能とされた始動口と、
該始動口に進入した前記遊技媒体を検出する始動検出手段と、
該始動検出手段による前記遊技媒体の検出に応じて、前記始動口とは前記遊技領域内の異なる位置で、且つ、前記可動役物の上流側に配置され、前記遊技媒体が進入可能なように所定の開閉動作をする進入口と、
該進入口に進入した前記遊技媒体を検出する遊技状態検出手段としての進入検出手段とを更に具備し、
前記可動役物は、前記進入検出手段による前記遊技媒体の検出結果に応じて、前記進入検出手段により検出された前記遊技媒体を前記遊技領域の他方に送ることが可能とされている」ものであることを特徴とする。
手段20の構成によれば、始動口に遊技媒体が進入すると、進入口が所定の開閉動作をし、進入口に遊技媒体が進入すると、進入検出手段によって検出された上で、可動役物へと送られ、可動役物では、進入検出手段による検出結果に基づいて遊技媒体を他方へ送るようにしたものである。これにより、遊技媒体を始動口に進入させて進入口を開かせた上で、進入口に遊技媒体を進入させないと、遊技媒体が可動役物に供給されないので、可動役物による遊技媒体との当接の価値を高めることができると共に、可動役物との当接による遊技媒体の動きを見て楽しむことができる。
手段21:手段1,4〜20の何れか一つの構成において、
「前記可動役物により送られた前記遊技媒体を受入可能な受入口と、
該受入口に前記遊技媒体が受入れられると遊技者に所定の特典を付与する特典付与手段と、
前記可動役物により送られなかった前記遊技媒体を前記遊技領域外へ排出する排出口とを更に具備する」ものであることを特徴とする。
手段21の構成によれば、可動役物により送られる側には特典が付与される受入口を、送られない側には特典が付与されない排出口を夫々配置したものであり、可動役物との当接によって特典が付与されるか否かを期待させることができ、一喜一憂させるような興趣に富んだものとすることができる。
また、可動役物との当接により遊技媒体を特典の付与される受入口に送るので、遊技者に強いインパクトを与えることが期待できると共に、遊技媒体と当接した時と、当接し損ねた時との印象の落差が大きくなり、抑揚に富んだものとすることができると共に、押打により遊技媒体が左右方向に大きく移動するような、これまでにない、遊技媒体の動きを実現することができ、遊技者を遊技媒体の動きに注目させて、その動きを楽しませることができる。
手段22:手段16から手段21の何れか一つの構成において、
「前記進入検出手段と、前記可動役物との間に配置され、前記遊技媒体の通過を検出可能な通過検出手段を更に具備し、
前記可動役物は、前記進入検出手段の検出によって前記遊技媒体を前記遊技領域の他方へ送ることの可能となるタイミングで、前記通過検出手段により前記遊技媒体が検出されると、前記可動演出手段を演出動作させる」ものであることを特徴とする。
手段22の構成によれば、可動役物の上流側に、遊技媒体の通過を検出可能な通過検出手段を備えた上で、進入検出手段の検出によって可動役物との当接により遊技媒体を送ることが可能となるタイミングで、通過検出手段により遊技媒体が検出されると、可動演出手段を演出動作させるものである。これにより、遊技者に可動演出を見せることで、当接により遊技媒体が送られる可能性が高いことを示唆させることが可能となり、遊技媒体の動きに注視し続けなくても容易にチャンスの到来を認識することができるので、注視し続けることで疲労して興趣が低下するのを防止することができる。
また、可動役物の当接部の動きと、可動演出手段の演出動作とが、略同じ時期に動くこととなるので、例えば、当接部や可動演出手段を所定のキャラクタ体の一部とした場合、可動役物全体で演出動作が行われるようにすることができ、遊技者を楽しませることができる。
手段23:手段2から手段22までの何れか一つの構成において、
「前記受入口は、遊技者に所定の特典を付与又は付与しない第一受入口と、該第一受入口とは異なる特典を付与する第二受入口とからなり、
前記遊技媒体を収容可能とされ、前記第一受入口又は前記第二受入口の何れかに対応する複数の収容部と、複数の該収容部を周方向に配置した回転体と、該回転体を前記収容部に収容された前記遊技媒体が前記収容部と対応する前記第一受入口又は前記第二受入口の何れかに受入れられるように回転駆動する回転駆動手段とを備えた誘導手段を更に具備する」ものであることを特徴とする。
ここで、「第一受入口」としては、ハズレ入賞口、一般入賞口、始動口、或いは、排出口等が挙げられ、また、「第二受入口」としては、当り入賞口、大当り入賞口等が挙げられる。
また、「収容部」は、その数を受入口の数に対応させる必要は必ずしもなく、受入口の数よりも多くても、少なくても良い。収容部の数が受入口の数よりも多い場合は、同じ受入口へ導くための収容部があることとなる。また、収容部の数が受入口の数よりも少ない場合は、一つの収容部が複数の受入口に対応させることとなり、この場合、移動手段(例えば、回転体等)により異なる受入口に移動させるようにすることが望ましい。
更に、「回転体」としては、「回転体自体に収容部が備えられたもの」、「収容部と回転体とが別体とされ、回転体に収容部が周方向に支持されているもの(例えば、遊園地の観覧車状のもの)」、等が挙げられる。
手段23の構成によれば、受入口を付与される特典の異なる第一受入口と第二受入口とし、第一受入口や第二受入口に対応した複数の収容部を備えた回転体を回転させることで、それら収容部を介して遊技媒体を対応する第一受入口や第二受入口へ誘導する誘導手段を備えたものである。これにより、特に遊技者はより有利な特典が付与される受入口に対応した収容部に遊技媒体が収容されるのを望み、遊技媒体が可動役物によって送られて所望の受入口に受入れられるのを、期待感を高揚させながら注視することができ、遊技媒体、可動役物や誘導手段等の動きを楽しませることができると共に、興趣を高めることができる。
また、受入口を特典の異なる第一受入口と第二受入口としているので、それら受入口の手前において誘導手段により、第一受入口又は第二受入口の何れに誘導されるかで、ハラハラ、ドキドキさせることができ、遊技者の興趣を高めることができる。更に、誘導手段では、それら受入口に対応した収容部が回転体と共に回転することで、所望の収容部に収容される確率が変化し、押打手段から遊技媒体が誘導手段に送られるタイミングを楽しむようなものとすることができ、興趣を高めることができる。
更に、回転体の回転により収容部が移動するのもので、その回転速度を一定とすることで、各収容部に収容される確率を略同じものとすることが容易にでき、収容部の設計自由度を高くして、より面白味のあるものとすることができる。また、回転体の回転速度を変化させたり、その周方向に対する収容部の配置ピッチを異なるものとしたりすることで、収容される確率を変化させることができるので、更に、興趣を高められるものとすることができる。
手段24:手段23の構成において、
「前記誘導手段は、前記回転駆動手段により回転する前記回転体の回転状況を検出する回転状況検出手段を更に具備し、
前記可動役物は、前記進入検出手段の検出によって前記遊技媒体を前記遊技領域の他方へ送ることの可能となるタイミングで、前記通過検出手段により前記遊技媒体が検出され、且つ、前記回転状況検出手段により所定の前記収容部に前記遊技媒体が収容される可能性が高い回転状況が検出されると、前記可動演出手段を演出動作させる」ものであることを特徴とする。
手段24の構成によれば、誘導手段における回転体の回転状況を検出する回転状況検出手段を備えた上で、可動役物により遊技媒体を送ることが可能となるタイミングで遊技媒体の通過が検出され、且つ、誘導手段において所定の収容部に収容される可能性が高いと、可動役物を可動演出させるものである。これにより、可動役物全体による可動演出によって、遊技者に所定の収容部(例えば、有利な特典を付与する受入口と対応した収容部)に収容される可能性が高いことを認識させることができ、より期待感を高めることが可能となり、興趣を高められるものとすることができる。
手段25:手段1から手段24までの何れか一つの構成において、
「供給された前記遊技媒体が左右方向に転動可能な転動面を有し、該転動面から前記遊技媒体を所定方向に放出可能なガイド部材と、
該ガイド部材を、前記転動面上の前記遊技媒体が揺動するように動作させる動作駆動手段とを更に具備し、
前記可動役物は、前記ガイド部材からの少なくとも一つの放出方向の下流側に配置されている」ものであることを特徴とする。
ここで、「揺動」とは、転動面上において、遊技媒体が少なくとも1往復以上することであり、望ましくは、1.5往復以上、転動面上を行ったり来たりすることである。なお、転動面上を無限に揺動し続けることは含まず、所定時間、或いは、所定往復(サイクル)の後には、転動面上から放出されて揺動が終わるものである。なお、遊技媒体が転動面上に供給された時の、遊技媒体の移動速度や移動方向、或いは、転動面の動作状況等が所定条件を満たした時に、遊技媒体が転動面上を揺動するようにしても良い。
また、「揺動するようにガイド部材を動作させる」とは、ガイド部材をシーソーのように回動するように構成し、低くなった方の端部に向かって転動する遊技媒体が、その端部から放出される前に、その端部を水平方向よりも高くして、遊技媒体が逆方向に転動させて他方の端部に向かわせ、他方の端部においても同様の動作を行い、それを繰り返すことで遊技媒体が揺動し、そのようにガイド部材を回動させることである。このような回動としては、「ガイド部材の長さに応じて、回動角度、及び回動速度を所定の条件を満たすように周期的に回動させることで遊技媒体を揺動させるもの」、「転動面上の遊技媒体の位置を検出する位置検出手段を設け、その位置検出手段の検出結果に基づいて動作駆動手段(回動駆動手段)によりガイド部材の回動を適宜制御することで、遊技媒体を揺動させるもの」、等が挙げられる。なお、ガイド部材の回動中心の位置は、その長手方向端部でも良いし、中央部でも良く、その他の位置でも良い。
ところで、遊技領域内に、例えば、水平方向に延びるステージ状の載置面を設けて、その載置面上に遊技媒体を供給することで、遊技媒体の動きを水平方向に動くようにすることが考えられるが、この場合、載置面が水平であると、遊技媒体が載置面上に停止してしまう恐れがあり、遊技ができなくなる問題がある。そこで、載置面を傾斜させたり、中央部が両端部よりも相対的に高く、或いは、低くしたりすることも考えられるが、何れの場合も、載置面の低い方へ遊技媒体が流れるだけなので、遊技媒体の動きが飽きられ易いものとなる問題がある。なお、載置面の中央部が両端部よりも相対的に低くした場合、その中央部を中心に、遊技媒体が載置面上を行ったり来たりする可能性があり、遊技媒体の動きにある程度面白味を付与することが可能となるが、遊技媒体は、最終的には載置面の中央部から放出されるので、遊技媒体の流れが容易に予測でき、遊技媒体の動きに注目されなくなる恐れがある。また、載置面を傾斜可能として、傾斜する方向を変更できるようにすることも考えられるが、その場合でも、低い方へ遊技媒体が単に流れるだけなので、上記と同様の問題があった。
また、上記のステージ状の載置面をモータ等の駆動手段により、その傾斜角度等を変化させることも考えられるが、この場合、単に角度を変化させるだけであると、遊技媒体の転動速度が変化するだけであり、例えば、その転動速度を遅くして遊技媒体をじっくり見られるようにすることも考えられるが、その場合でも、最終的に放出される遊技媒体の放出先が予め予測できるので、飽きられ易いものとなる問題がある。
手段25の構成によれば、ガイド部材上に供給された遊技媒体が、ガイド部材上を左右方向に揺動した後に、ガイド部材から所定方向に放出され、その放出方向の少なくとも一つの下流側に、可動役物を配置したものである。これにより、可動役物に遊技媒体が送られる前に、ガイド部材により遊技媒体が左右方向に揺動され、これまでにない遊技媒体の動きを楽しませることができる。
ところで、本願出願人等は、ガイド部材をシーソーのように交互に所定の周期で回動させると、その転動面上の遊技媒体が、行ったり来たりして揺動しながら、徐々にその端部に近づき、やがて端部から放出されることを知見した。これは、遊技媒体をガイド部材の回動中心上を跨がないように揺動させると、ガイド部材の回動に伴って遊技媒体には常に遠心力が作用すると共に、その遠心力は回動中心から遠ざかるほど強く作用するので、遊技媒体が中心に近づく方向へ移動する距離よりも、中心から遠ざかる方向へ移動する距離のほうが長くなり、そのため揺動する遊技媒体が、徐々に中心から遠い方の端部へ移動するものと思われる。これにより、遊技媒体に、転動面上を揺動しながら徐々に端部に移動するような動きを与えることができ、これまでにない、遊技媒体の動きを実現することが可能となり、遊技者に対して、いつガイド部材から遊技媒体が放出されるかを期待させることで、ハラハラ、ドキドキさせて、面白味のあるものとすることができる。
なお、ガイド部材への遊技媒体の供給経路上に、上述の進入口を配置するようにしても良い。つまり、進入口に進入し、進入検出手段により検出された遊技媒体がガイド部材上に供給されるようにしても良く、これにより、遊技媒体が始動口に進入した上で開いた進入口に遊技媒体が進入しなければ、ガイド部材へ遊技媒体が供給されないので、ガイド部材上を揺動する遊技媒体の動きを見られる機会が限定され、その価値を高めることができる。
手段26:手段25の構成において、
「前記ガイド部材における所定の放出方向の下流側に前記受入口を、該受入口とは異なる放出方向の下流側に前記可動役物を夫々配置した」ものであることを特徴とする。
手段26の構成によれば、ガイド部材により遊技媒体が、受入口側か、可動役物側かに放出されるようにしたものである。これにより、ガイド部材上を左右方向に揺動した遊技媒体が、受入口側に放出されれば、所定の特定が付与されることとなる。一方、可動役物側に放出されても、可動役物と当接して送られることにより受入口側に押打される可能性があるので、同じ遊技媒体で、二度のチャンスを楽しむことができ、抑揚に富んだものとすることができる。
また、可動役物側に、当接して送ることの可能となるタイミングで遊技媒体が放出された場合に、可動演出手段より可動演出をするようにしても良く、これにより、遊技者に対して明確に、受入口側へ押打されるチャンスが到来したことを認識させることができ、興趣を高められるものとすることができる。
手段27:手段25又は手段26の構成において、
「前記進入検出手段により検出された前記遊技媒体が、ガイド部材に供給される」ものであることを特徴とする。
手段27の構成によれば、進入検出手段の下流側にガイド部材を配置したものである。つまり、進入口を介して遊技媒体をガイド部材上に供給するようにしたもので、これにより、ガイド部材に所定の位置から遊技媒体を供給させることができるので、供給される遊技媒体を、その供給当初の挙動の変化を少なくし、所定の条件で供給されるようにして、ガイド部材上を安定して揺動するようにさせることができる。
また、上記のようにガイド部材の振り分け先に特典が付与される受入口を配置した場合、遊技媒体が進入口に入るように遊技者を遊技させることができ、進入口に遊技媒体を進入させて、これまでにない揺動する遊技媒体の動きを積極的に堪能させることができると共に、進入口に進入しないとガイド部材に供給されないので、ガイド部材上で揺動する遊技媒体を見られ価値を高めることができ、その揺動を楽しませることができる。
手段28:手段27の構成において、
「前記誘導手段は、
全ての前記収容部で前記遊技媒体の収容が許容される第一収容領域と、前記収容部のうち前記第二受入口に対応した前記収容部を含む所定数の該収容部のみ前記遊技媒体の収容が許容される第二収容領域とに仕切る仕切り部を更に備え、
前記可動役物により送られる前記遊技媒体、又は、前記ガイド部材から前記受入口側に放出された前記遊技媒体が、前記第一収容領域又は前記第二収容領域に放出される」ものであることを特徴とする。
手段28の構成によれば、誘導手段が、仕切り部により第一収容領域と第二収容領域とに仕切られ、遊技媒体が、第一収容領域に位置すると、全ての収容部の中から何れかに収容される一方、第二収容領域に位置すると、第二受入口に対応した収容部を含む所定の収容部の中から何れかに収容されるものとすると共に、可動役物からの遊技媒体が第一収容領域に、ガイド部材からの遊技媒体が第二収容領域に放出されるようにしたものである。これにより、収容領域の違いによって、一つの収容部に収容される収容割合が異なるものとすることができ、誘導手段における収容部へ収容される確率を更に複雑なものとして、遊技媒体の振り分けを楽しませることができる。
また、第二受入口の方をより有利な特典を付与するものとした場合、ガイド部材により直接放出される第二収容領域の方が第二受入口に対応した収容部に収容される収容確率が高いので、ガイド部材において、誘導手段側(受入口側)に放出されなかった場合、その期待感が大きく萎んでしまうが、今度は、可動役物において当接して送られることを期待し、遊技媒体が送られると再び期待感を高揚させることができるので、ハラハラ、ドキドキする面白味のあるものとすることができる。
手段29:遊技機の構成において、
「遊技媒体が打ち込まれる遊技領域内に配置され前記遊技媒体が進入可能とされた始動口と、
該始動口に進入した前記遊技媒体を検出する始動検出手段と、
少なくとも該始動検出手段による前記遊技媒体の検出に応じて所定数の前記遊技媒体を払い出す払出装置と、
前記始動検出手段による前記遊技媒体の検出に応じて、前記始動口とは前記遊技領域内の異なる位置に配置され、前記遊技媒体が進入可能なように所定の開閉動作をする進入口と、
該進入口に進入した前記遊技媒体を検出する遊技状態検出手段としての進入検出手段と、
該進入検出手段により検出された前記遊技媒体が左右方向に転動可能な転動面を有し、該転動面から前記遊技媒体を所定方向に放出可能なガイド部材と、
該ガイド部材を、前記転動面上の前記遊技媒体を揺動するように動作させる動作駆動手段と、
該動作駆動手段により動作する前記ガイド部材の所定の放出方向に放出された前記遊技媒体を受入れることで、遊技者に所定の特典を付与又は付与しない第一受入口と、該第一受入口とは異なる特典を付与する第二受入口とからなる受入口と、
該受入口に前記遊技媒体を誘導するために、前記遊技媒体を収容可能とし前記第一受入口又は前記第二受入口の何れかに対応する複数の収容部と、複数の該収容部を周方向に配置した回転体と、該回転体を前記収容部に収容された前記遊技媒体を前記収容部と対応する前記第一受入口又は前記第二受入口の何れかに受入れられるように回転駆動する回転駆動手段とを備えた誘導手段と、
該誘導手段により誘導された前記遊技媒体が所定の前記受入口に受入れられると遊技者に所定の特典を付与する特典付与手段と、
前記ガイド部材における前記受入口側とは異なる放出方向の下流側に配置され、前記遊技媒体の通過を検出可能な通過検出手段と、
該通過検出手段を通過した前記遊技媒体と当接可能な当接部と、該当接部により当接することで受けられた前記遊技媒体を、前記進入検出手段による前記遊技媒体の検出結果に応じて下降又は上昇させた後に前記受入口側に送られるように前記当接部を移動させる当接部駆動手段と、前記進入検出手段の検出によって前記遊技媒体を前記受入口側に送ることの可能となるタイミングで、前記通過検出手段により前記遊技媒体が検出されると、所定の演出動作をする可動演出手段とを備えた可動役物と、
該可動役物により送られる前記遊技媒体を前記誘導手段に案内する案内手段と、
前記可動役物により送られなかった前記遊技媒体を前記遊技領域外へ排出する排出口とを具備する」ものであることを特徴とする。
手段29の構成によれば、遊技媒体が始動口に進入すると、進入口が所定の開閉動作を行うと共に、払出手段により所定数の遊技媒体が払い出され、開いた進入口に遊技媒体が進入すると、進入検出手段により検出された上でガイド部材上に送られると共に、ガイド部材上を遊技媒体が左右方向に揺動する。その後、ガイド部材から遊技媒体が、所定の特典が付与される受入口側か、可動役物側かの何れかに放出される。そして、ガイド部材から可動役物側へ放出されると、遊技媒体は通過検出手段を通過して可動役物へと送られる。この時、進入検出手段による検出に応じて可動役物が遊技媒体と当接して受入口側へ送ることが可能となるタイミングで通過検出手段により遊技媒体が検出されると、可動役物の可動演出手段が演出動作をする。そして、遊技媒体が可動役物により送られなければ排出口へ、当接して送られると案内手段を介して受入口へと送られる。一方、可動役物により送られた遊技媒体とガイド部材から受入口側へ放出された遊技媒体は、誘導手段における複数の収容部の何れかに収容され、収容部を備えた回転体の回転により遊技媒体が第一受入口又は第二受入口に受入られると、所定の特典が付与されるものである。これにより、始動口に遊技媒体が進入すると、進入口が開閉動作し、進入口に遊技媒体を進入させようと、より多くの遊技媒体を進入口に向かって打ち込ませて興趣を高めることができる。そして、進入口に遊技媒体が進入すると、ガイド部材上で遊技媒体がこれまでにないような揺動する動きをして遊技媒体の動きを楽しませることができると共に、特典の付与される受入口側に放出されるか否かにより遊技者の興趣を高めることができる。その後、受入口側に遊技媒体が放出されると、誘導手段において、所望の収容部(第二受入口に対応した収容部)に収容されるか否かで、遊技者をハラハラ、ドキドキさせることができる。一方、可動役物側に放出されて興趣が低下しても、可動役物の当接部との当接により受入口側に送られる可能性があるので再び興趣を高めることができると共に、当接して送られる可能性が高いと可動演出手段が演出動作をするので、再びチャンスが到来したことを認識させることができ、抑揚に富んだものとすることができる。
手段30:手段2,4〜29の何れか一つの構成において、
「前記受入口に受入れられた前記遊技媒体を検出する受入検出手段と、
該受入検出手段による前記遊技媒体の検出に応じて、所定の抽選結果を抽選する抽選手段と、
該抽選手段の抽選結果に基づいて、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる特典付与手段としての有利遊技状態発生手段と
を更に具備する」ものであることを特徴とする。
手段30の構成によれば、遊技状態に応じて抽選を行い、その抽選結果を基に有利遊技状態を発生させるものである。これにより、有利遊技状態が発生する可能性のあるものとすることができるので、遊技に対する興趣を高めることができる。また、可動役物により送られる先やガイド部材による放出方向の一つに有利遊技状態を発生させる大当り入賞口等の受入口を配置した場合、遊技者はその方向に送られたり放出されたりすることを強く望み、可動役物に送られる遊技媒体や、ガイド部材に向かう遊技媒体やガイド部材上の遊技媒体に強く注目し、その動きをより楽しませて、興趣を高めることができる。
手段31:手段30の構成において、
「前記進入検出手段による前記遊技媒体の検出結果に応じて前記可動役物における前記当接部の移動を制御する当接部制御手段、前記払出装置を制御する払出制御手段、前記抽選手段、及び前記特典付与手段としての有利遊技状態発生手段、少なくとも前記進入検出手段による検出結果に応じて所定の制御コマンドを送信するコマンド送信手段、を少なくとも有する主基板と、
該主基板から送信される制御コマンドを受信するコマンド受信手段、該コマンド受信手段により受信された制御コマンドに応じて前記可動役物における前記可動演出手段の演出動作を制御する可動演出制御手段、を少なくとも有した周辺基板と
を更に具備する」ものであることを特徴とする。
手段31の構成によれば、遊技機における制御が、コンピュータを用いてなる主基板とコンピュータを用いてなる周辺基板とで分担される。そして、主基板にて、夫々、遊技の実態において特に重要な部分である払出制御手段、抽選手段、有利遊技状態発生手段、可動役物の当接部を制御する当接部制御手段、等の制御を行う。一方、この主基板からの制御コマンドに基づいて、周辺基板にて、遊技の演出に重要な役割を果たす可動演出制御手段の制御が行われる。これにより、主基板の負担を大きくすることなく、上記の作用効果を奏する遊技機を実現することができる。なお、通過検出手段による検出を、周辺基板において行うようにすることが望ましく、これにより、上記と同様の作用効果を奏することができる。
手段32:手段31の構成において、
「前記可動演出制御手段は、
前記主基板からの制御コマンドと、前記通過検出手段からの検出結果とに基づいて、前記可動演出手段の演出動作を制御する」ものであることを特徴とする。
手段32の構成によれば、通過検出手段による検出処理を周辺基板において行うもので、これにより、可動演出手段の演出動作にかかる制御を、主基板の負荷を高めることなく、実現することができるので、可動演出による遊技への影響を防止することができる。
手段33:手段1から手段32までの何れか一つの構成において、
「演出画像を表示するための表示手段と、
該表示手段に、遊技者の操作に応じて変化する遊技状態に応じて所定の演出態様を表示する演出表示制御手段と
を更に具備する」ものであることを特徴とする。
ここで、「表示手段」としては、「液晶ディスプレイ(LCD)」、「CRT」、「ドットマトリックス」、「発光ダイオード(LED)」、「7セグメントLED」、「エレクトロルミネセンス(EL)」、「蛍光表示管」、「白熱ランプ」、等が挙げられる。
また、「演出画像」とは、キャラクタ、背景及び図柄等を静止画や動画として、或る動きをさせたり、ストーリー性のある表示をさせたりした画像のことである。なお、「キャラクタ」とは、図柄列及び背景以外の画像を意味しており、小説・漫画・映画・演劇などの登場人物、動物、植物、又は小道具類、もしくはこの遊技機のために作成された仮想上の人物、動物、植物、又は小道具類等を挙げられる。また、「図柄」とは、数字、記号、幾何学的な模様、あるいはそれらと絵柄との組合わせ等からなる演出用の図柄である。
手段33の構成によれば、遊技状態に応じて演出表示制御手段によって所定の演出態様が表示される表示手段を備えたものである。これにより、可動役物や遊技媒体等の動きだけでなく、表示手段による演出表示によっても、遊技者の興趣を高められる演出を行うことができるので、より面白味のあるものとすることができる。
手段34:手段33の構成において、
「前記表示手段は、前記可動役物、前記ガイド部材、及び前記誘導手段に夫々隣接する位置に配置されている」ものであることを特徴とする。
手段34の構成によれば、表示手段を、可動役物、ガイド部材、及び誘導手段に夫々隣接する位置に備えているので、これにより、遊技媒体の動きと、表示手段による表示とを目線の移動を少なくして、夫々を認識させることができると共に、視線の移動による疲労を低減させることができる。
手段35:手段1〜手段34までの何れか一つの構成において、
前記遊技機は、パチンコ遊技機であることを特徴とする。
パチンコ遊技機とは、「操作ハンドルの操作に対応して遊技球を発射する発射装置と、多数の障害釘、センター役物、表示手段等の適宜の機器が組み込まれたり、始動入賞口、大入賞口、通過口、到達口等の遊技球が入球する適宜の入球口が設けられた遊技領域と、発射装置から遊技領域に遊技球を導くレールと、遊技領域に導かれた遊技球の入球口への入球に応じたり、複数の入球口への遊技球の入球態様に応じて、所定数の遊技球を賞球として払い出す払出手段とを具備するもの」である。
なお、パチンコ遊技機としては、種々のタイプのものがあり、一般に「デジパチ」と称されるものに代表される「入球口への入球状態を検出する入球状態検出手段(すなわち遊技状態検出手段)と、入球状態検出手段によって入球が検出されると所定の抽選を行う抽選手段と、抽選手段の抽選結果に応じて特別図柄を変動させると共に変動を停止させる特別図柄表示手段とを備えたもの」や「加えて、特別図柄の変動中に、複数の装飾図柄からなる装飾図柄列を変動表示させるとともに、所定のタイミングでキャラクタ等を出現させる演出表示手段を更に具備するもの」、一般に「ハネモノ」と称されるものに代表される「役物内での遊技球の振分けによって抽選を行う抽選手段を備えたもの」、一般に「アレパチ」と称されるものに代表される「例えば16個等の所定個数の遊技球により1ゲームが行われ、1ゲームにおける複数の入球口への遊技球の入球態様に応じて所定個数の遊技球の払出しを行うもの」等を例示することができる。
手段35によると、パチンコ遊技機において、手段1〜手段34までのいずれかの作用効果を奏することができる。
手段36:手段1〜手段34までの何れか一つの構成において、
前記遊技機は、停止操作機能付きスロットマシーンであることを特徴とする。
停止操作機能付きスロットマシーンとは、遊技媒体としてメダルを使用し、メダルの投入後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に応じて複数の図柄からなる図柄列を変動表示させるとともに、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて図柄列の変動を停止させるものである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動を停止させるものであってもよい。そして、図柄列の変動停止時における図柄の組合わせが特定の条件を満たす場合に、遊技者に有利な特別有利状態としてメダルを払い出すものである。
手段36によると、停止操作機能付きスロットマシーンにおいて、手段1〜手段34までのいずれかの作用効果を奏することができる。
手段37:手段1〜手段34までの何れか一つの構成において、
前記遊技機は、パチンコ遊技機と停止操作機能付きスロットマシーンとを融合させてなる遊技機であることを特徴とする。
ここで、「パチンコ遊技機と停止操作機能付きスロットマシーンとを融合させてなる遊技機」とは、複数個(例えば5個)の遊技球を1単位として投入した後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に応じて複数の図柄からなる図柄列を変動表示させるとともに、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて図柄列の変動を停止させるものである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動を停止させるものであってもよい。そして、図柄列の変動停止時における図柄の組合わせが特定の条件を満たす場合に、遊技者に有利な特別有利状態として遊技球を払い出すものである。
手段37によると、パチンコ遊技機と停止操作機能付きスロットマシーンとを融合させてなる遊技機において、手段1〜手段34までのいずれかの作用効果を奏することができる。
このように、本発明の遊技機では、略垂直方向に流下する遊技媒体を略水平方向に送る際に、一旦遊技媒体に上下方向の動きをさせた後に、略水平方向に送るようにすることで、遊技媒体の動きにアクセントを付けて、遊技者を遊技媒体の動きに注目させると共に、遊技媒体の動きによる興趣が低下するのを防止することのできる遊技機を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を、図面に基づいて詳細に説明する。
[パチンコ機の全体構成について] 図1に基づき説明する。
図1はパチンコ機の外枠の一側に本体枠が開かれその本体枠の一側に前面枠が開かれた状態を示す斜視図である。なお、図1においては遊技領域における装飾部材が省略された図を示している。
パチンコ機1は、外枠2、本体枠3、前面枠4、及び遊技盤5等を備えて構成されている。外枠2は、上下左右の木製の枠材によって縦長四角形の枠状に形成され、同外枠2の前側下部には、本体枠3の下面を受ける下受板6を有している。外枠2の前面の片側には、ヒンジ機構7によって本体枠3が前方に開閉可能に装着されている。なお、外枠2は、樹脂やアルミニウム等の軽金属によって形成されていてもよい。
[本体枠の構成について] 図2及び図4に基づき説明する。
図2はパチンコ機1の前側全体を示す正面図であり、図4はパチンコ機1の本体枠3と遊技盤5とを分離して斜め右上前方から示す斜視図である。
本体枠3は、前枠体11、遊技盤装着枠12及び機構装着体13を合成樹脂材によって一体成形することで構成されている。本体枠3の前枠体11は、外枠2(図1参照)の前側の下受板6を除く外郭形状に対応する大きさの矩形枠状に形成されている。そして、前枠体11の片側の上下部には、本体枠側ヒンジ具15が固定されており、外枠2の片側の上下部に固定された外枠側ヒンジ具14に対してヒンジピン及びヒンジ孔によって開閉回動可能に装着されている。すなわち、外枠側ヒンジ具14、本体枠側ヒンジ具15、ヒンジピン及びヒンジ孔によってヒンジ機構7が構成されている。
前枠体11の前側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の前下部左側領域にはスピーカボックス部16が一体に形成され、そのスピーカボックス部16の前側開口部には、同開口部を塞ぐようにしてスピーカ装着板17が装着されている。そして、スピーカ装着板17にはスピーカ18が装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内において、その上半部分には発射レール19が傾斜状に装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内の下半部分には下部前面板30が装着されている。そして、下部前面板30の前面の略中央部には、遊技球を貯留可能な下皿31が設けられ、右側寄りには操作ハンドル32が設けられ、左側寄りには灰皿33が設けられている。なお、下皿31には、遊技球を下方に排出するための球排出レバー34が配設されている。
[前面枠の構成について] 図1及び図2に基づき説明する。
前枠体11の前面の片側には、その前枠体11の上端から下部前面板30の上縁にわたる部分を覆うようにして、前面枠4がヒンジ機構36によって前方に開閉可能に装着されている。また、前面枠4の略中央部には、遊技盤5の遊技領域37を前方から透視可能な略円形の開口窓38が形成されている。また、前面枠4の後側には開口窓38よりも大きな矩形枠状をなす窓枠39が設けられ、その窓枠39にはガラス板、透明樹脂板等の透明板50が装着されている。また、前面枠4の前面の略全体は、ランプ等が内設された前面装飾部材によって装飾され、同前面枠4の前面の下部には上皿51が形成されている。詳しくは、開口窓38の周囲において、左右両側部にサイド装飾装置52が、下部に上皿51が、上部に音響電飾装置53が装着されている。サイド装飾装置52は、ランプ基板が内部に配置され且つ合成樹脂材によって形成されたサイド装飾体54を主体として構成されている。サイド装飾体54には、横方向に長いスリット状の開口孔が上下方向に複数配列されており、該開口孔には、ランプ基板に配置された光源に対応するレンズ55が組み込まれている。音響電飾装置53は、透明カバー体56、スピーカ57、スピーカカバー58、及びリフレクタ体(図示しない)等を備え、これらの構成部材が相互に組み付けられてユニット化されている。また、上皿51の左側には、遊技者が操作可能なボタン60が設けられている。
[施錠装置の構成について] 図1及び図4に基づき説明する。
前枠体11のヒンジ機構36に対して反対側となる自由端側の後側には、外枠2に対し本体枠3を施錠する機能と、本体枠3に対し前面枠4を施錠する機能とを兼ね備えた施錠装置70が装着されている。すなわち、この実施形態において、施錠装置70は、外枠2に設けられた閉止具71に係脱可能に係合して本体枠3を閉じ状態に施錠する上下複数の本体枠施錠フック72と、前面枠4の自由端側の後側に設けられた閉止具73に係脱可能に係合して前面枠4を閉じ状態に施錠する上下複数の扉施錠フック74と、パチンコ機1の前方から鍵が挿入されて解錠操作可能に、前枠体11及び下部前面板30を貫通して露出されたシリンダー錠75と、を備えている。そして、シリンダー錠75の鍵穴に鍵が挿入されて一方向に回動操作されることで本体枠施錠フック72と外枠2の閉止具71との係合が外れて本体枠3が解錠され、これとは逆方向に回動操作されることで、扉施錠フック74と前面枠4の閉止具73との係合が外れて前面枠4が解錠されるようになっている。
[遊技盤装着枠及び遊技盤の構成について] 図1、図3、図4、及び図5に基づき説明する。
図3は遊技領域37の構成を示す拡大正面図であり、図5はパチンコ機1の後側全体を示す背面図である。
図1及び図4に示すように、本体枠3の遊技盤装着枠12は、前枠体11の後側に設けられかつ遊技盤5が前方から着脱交換可能に装着されるようになっている。遊技盤5は、遊技盤装着枠12の前方から嵌込まれる大きさの略四角板状に形成されている(図10参照)。遊技盤5の盤面(前面)には、外レール76と内レール77とを備えた案内レール78が設けられ、その案内レール78の内側に遊技領域37が区画形成されている。なお、発射レール19と案内レール78との間には、所定の隙間が設けられており、発射された遊技球が案内レール78を逆戻りした場合には、その遊技球は、その隙間から排出され下皿31に案内されるように構成されている。また、遊技盤5の前面には、その案内レール78の外側領域において、合成樹脂製の前構成部材79が装着されている。
図3に示すように、遊技領域37内には多数の障害釘(図示しない)が所定のゲージ配列をなして設けられているほか、その途中の適宜位置に風車90が設けられている。遊技領域37のほぼ中央位置には、役物91が配設されており、この役物91のデザインによってパチンコ機1の機種やゲームコンセプト等が特徴付けられている。
役物91は全体として額縁状の装飾体から構成されており、その上縁部または左右側縁部には、ワープ入口とともにワープ通路が形成されており、遊技盤面に沿って流下する遊技球がワープ入口に入り込むと、後述のワープ通路を通じて役物91の裏側に取り込まれた後に、役物91の途中または下縁部から再び遊技盤面に放出されるようになっている。
この役物91は、その上縁部近傍に、その内部に遊技球を取り込むことの可能な役物用入賞口92が開閉可能に備えられている。そして、この役物91の内部には、役物用入賞口92から取り込まれた遊技球が入賞可能な大当り入賞口93と、ハズレ入賞口94とが備えられており、これら大当り入賞口93およびハズレ入賞口94と、役物用入賞口92との間には、役物用入賞口92から取り込まれた遊技球を、所定の通路上を転動させながらその動きを様々に変化させて遊技者に注目させた後に、大当り入賞口93またはハズレ入賞口94の何れかに放出する第一転動演出装置95が更に備えられている。
この役物91は、第一転動演出装置95の一方の放出側(図3中左側)には遊技球を押打可能な第二転動演出装置100が、また、第一転動演出装置95の他方の放出側(図3中右側)には回転することで遊技球を大当り入賞口93又はハズレ入賞口94の何れかに導く第三転動演出装置101が更に備えられている。また、第一転動演出装置95の下側に配置され第二転動演出装置100により押打された遊技球を第三転動演出装置101に案内する第四転動演出装置102が更に備えられている。
また、遊技領域37には、役物91の下方位置に、左右に夫々配置された一対の第一始動入賞口96と、一対の第一始動入賞口96の間に配置された第二始動入賞口97とが設けられており、これら始動入賞口96,97に遊技球が入球すると、役物91の役物用入賞口92が開閉するようになっている。詳しくは、第一始動入賞口96に遊技球が入球すると役物用入賞口92が所定間隔で一回だけ開閉動作し、第二始動入賞口97に遊技球が入球すると役物用入賞口92が所定間隔で二回だけ開閉動作をするようになっている。
その他、遊技領域37には一般入賞口98が配設されている。また、役物91の内側には演出表示装置115が配設されており、この演出表示装置115では、例えば動画や映像等の画像、或いは可動部材の動作等による演出表示が行われる。なお、演出表示装置115としては、液晶表示装置、EL表示装置、プラズマ表示装置、及びCRT等の表示装置を例示することができる。演出表示装置115の表示面は役物91の後側においてその開口窓に臨んで装着されており、役物91は、遊技盤5の中央部に貫設された組付孔に嵌込まれ、役物91の後部及び演出表示装置115の表示装置制御基板116を有する表示装置制御基板ボックス117は遊技盤5の後側に突出して配設されている。ここで、演出表示装置115が本発明の表示手段に相当する。
一方、図5に示すように、遊技盤5の後側下部には、その中央部から下部にわたる部分において、各種入賞装置に流入した遊技球を受けかつその遊技球を所定位置まで導く集合樋としての機能とボックス装着部としての機能を兼ね備えたボックス装着台118が設けられている。このボックス装着台118には、音声制御基板、ランプ制御基板等の副制御基板119が収納された副制御基板ボックス130が装着され、その副制御基板ボックス130の後側に重ね合わされた状態で、主制御基板131が収納された主制御基板ボックス132が装着されている。さらに、遊技盤5の後側に対しボックス装着台118、副制御基板ボックス130及び主制御基板ボックス132がそれぞれ装着された状態において、本体枠3の遊技盤装着枠12の前方から遊技盤5を嵌込んで装着できるように、遊技盤5の外郭より外側にはみ出すことなくボックス装着台118、副制御基板ボックス130及び主制御基板ボックス132が配置されている。
[本体枠の機構装着体、球タンク及びタンクレールの構成について] 図8及び図9に基づき説明する。
図8はパチンコ機1の本体枠3に各種部材が組み付けられた状態を斜め右上後方から示す斜視図であり、図9は本体枠3単体を斜め右上後方から示す斜視図である。
本体枠3の機構装着体13には、タンク装着部133、レール装着部134、及び払出装置装着部135等がそれぞれ形成され、タンク装着部133には球タンク136が装着されている。球タンク136は、透明な合成樹脂材よりなり、島設備から供給される多数の遊技球が貯留可能な上方に開口する箱形状に形成されている。そして、球タンク136の遊技球の貯留状態が球タンク136の後側壁を透して視認可能となっている。また、球タンク136の底板部137の後側隅部には遊技球を放出する放出口138が形成されるとともに、底板部137は放出口138に向けて下傾する傾斜面に形成されている。
本体枠3の機構装着体13には、そのタンク装着部133に下方に接近してレール装着部134が一体に形成され、そのレール装着部134にレール構成部材139が装着されることでタンクレール150が構成されるようになっている。すなわち、この実施形態において、レール装着部134は、本体枠3の上部横方向部分が所定深さ凹まされた状態で形成されており、その凹部の奥側壁をタンクレール150の前壁部151とし、その凹部の下縁部に沿って一端(図9に向かって左端)から他端(図9に向かって右端)に向けて下傾する傾斜状のレール棚155が形成されている。そして、レール棚155の横方向に延びる上向き面をレール受け部158としている。
レール装着部134に装着されてタンクレール150を構成するレール構成部材139は、レール装着部134の前壁部151との間にレール通路を構成する後壁部152と、傾斜状をなす下板部と、その下板部の上面の前後方向中央部に沿って突設されレール通路を前後複数列(この実施形態では前後2列)に区画する仕切り壁(いずれも図示しない)とを一体に備えて形成されている。このレール構成部材139は、レール装着部134に対し適宜の取付手段によって装着され、これによって、前後複数列のレール通路を備えたタンクレール150が構成されている。そして、球タンク136の放出口138から放出(自重によって落下)された遊技球がタンクレール150の前後複数列のレール通路の一端部においてそれぞれ受けられた後、遊技球が自重によってレール通路に沿って転動することでレール通路の他端部に向けて流れるようになっている。また、この実施形態において、レール構成部材139は、透明な合成樹脂材より形成され、これによって、レール通路内の遊技球の流れ状態が、レール構成部材139の後壁部152を透して視認可能となっている。
タンクレール150(レール装着部134)の前壁部151は、遊技盤5の後側に突出する装備品(例えば役物91)における後部の上端部との干渉を避けるため第1空間部を隔てた状態で設けられている。また、この実施形態において、本体枠3の後端部となるレール棚155の後端と、タンクレール150の後壁部は、球タンク136の後側壁と略同一面をなしている。言い換えると、球タンク136の後壁部に対しタンクレール150の後壁部が略同一面となる位置までタンクレール150が遊技盤5の後面より後方に離隔して配置されている。これによって、遊技盤5の後側とタンクレール150の前壁部151との間に役物91の後部との干渉を避けるための第1空間部が設けられるようになっている。
また、タンクレール150の上方には、レール通路を流れる遊技球を上下に重なることなく整列させる整流体156がその上部において軸157を中心として揺動可能に装着されている。この整流体156には、その中央部から下部において錘が設けられている。
[払出装置装着部及び球払出装置の構成について] 図8及び図9に基づき説明する。
本体枠3の機構装着体13の片側寄りの上下方向には、次に述べる球払出装置(球払出ユニット)170に対応する縦長の払出装置装着部135が形成されている。払出装置装着部135は、後方に開口部をもつ凹状に形成されている。また、払出装置装着部135の段差状をなす奥壁部(図示しない)の所定位置には、球払出装置170の払出用モータ172(図4参照)が突出可能な開口部173が形成されている。
払出装置装着部135の凹部に球払出装置170が装着された状態において、遊技盤5との間には、第1空間部と前後方向に略同一レベルとなる第2空間部が設けられている。これによって、レール通路と球通路とが前後方向に略同一レベルで配置されている。また、本体枠3の後端、すなわち払出装置装着部135の周壁部後端、レール棚155の後端、球タンク136、タンクレール150及び球払出装置170のそれぞれの後面は略同一面をなしている。
球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部と略同じ大きさの縦長のボックス形状をなし、払い出しに関する各種部品が装着されることでユニット化されている。なお、球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部の後方開口部から嵌込まれて適宜の取付手段(例えば、弾性クリップ、係止爪、ビス等の取付手段)によって装着されるようになっている。
また、図示しないが、球払出装置170は、タンクレール150におけるレール通路の出口にそれぞれ連通する流入口を有する球通路が前後複数列(例えば前後2列)に区画されて形成されている。また、その内部に形成された前後複数列の球通路の下流部が二股状に分岐されて前後複数列の賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路とがそれぞれ形成されている。そして賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路との分岐部には、遊技球をいずれかの通路に振り分けて払い出すための回転体よりなる払出部材(図示しない)が正逆回転可能に配設されている。
[本体枠の後側下部の装備について] 図4及び図5に基づき説明する。
本体枠3の前枠体11の後側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の後下部領域の片側(図5に向かって左側)には、発射レール19の下傾端部の発射位置に送られた遊技球を発射するための発射ハンマー(図示しない)、その発射ハンマーを作動する発射モータ192等が取付基板193に組み付けられてユニット化された発射装置ユニット194が装着されている。また、前枠体11の後下部領域の略中央部には、電源基板195を収容する電源基板ボックス196が装着され、その電源基板ボックス196の後側に重ね合わされた状態で払出制御基板197を収容する払出制御基板ボックス198が装着されている。払出制御基板197は、遊技球を払い出す数を記憶するRAMを備え、主制御基板131から送信される払出用信号に従って遊技球を払い出す制御信号を中継用回路基板(図示しない)に伝達して払出用モータ172を作動制御するようになっている。
[後カバー体の構成について] 図5及び図6に基づき説明する。
図6はパチンコ機1の後側全体を右上後方から示す斜視図である。
遊技盤5後面に配置された表示装置制御基板ボックス117(図10参照)及び主制御基板ボックス132の後端部は機構装着体13の中央部に開口された窓開口部に向けて突出している。そして、機構装着体13の窓開口部の一側壁を構成する側壁部と他側壁を構成する払出装置装着部135の片側壁との間には、不透明な合成樹脂材によって略方形の箱形状に形成された後カバー体210がカバーヒンジ機構211によって開閉並びに着脱可能に装着されている。
後カバー体210は、略四角形状の後壁部212と、その後壁部212の外周縁から前方に向けて突出された周壁部213とから一体に構成されている。後カバー体210の周壁部213のうち、一側の壁部213aには、機構装着体13の側壁部の上下及び中間の計3箇所に形成されたヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ着脱可能に嵌込まれるヒンジピン215を下向きに有するヒンジ体216が一体に形成されている。また、後カバー体210の周壁部213のうち、他側の壁部213bには、払出装置装着部135の片側壁に形成された係止孔に弾性的に係合可能な係止爪を有する弾性閉止体217が一体に形成されている。
すなわち、後カバー体210は、その上下及び中間のヒンジ体216の各ヒンジピン215が機構装着体13の側壁部のヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ嵌込まれる。この状態で、ヒンジピン215を中心として後カバー体210が機構装着体13の他側に向けて回動されながら、その弾性閉止体217を払出装置装着部135の片側壁の係止孔に差し込んで弾性的に係合させることで、機構装着体13の後側に後カバー体210が閉じ状態で保持される。そして、後カバー体210によって、遊技盤5後面の表示装置制御基板ボックス117(図10参照)全体及び主制御基板ボックス132の略中間部から上端にわたる部分が後カバー体210によって覆われるようになっている。これによって、主制御基板ボックス132の上部に露出された主制御基板131の基板コネクタ(主として表示装置制御基板116と接続するための基板コネクタ)が後方から視認不能に隠蔽されている。
また、主制御基板ボックス132の略中間部から下端にわたる部分は後カバー体210によって覆われることなく露出されている。そして、主制御基板ボックス132の下部には、その主制御基板131上に配置された検査用コネクタ218が露出されており、後カバー体210が閉じられた状態で主制御基板131上の検査用コネクタ218に基板検査装置(図示しない)を接続して検査可能となっている。
後カバー体210には、多数の放熱孔230、231、232、233が貫設されており、これら多数の放熱孔230、231、232、233から内部の熱が放出されるようになっている。この実施形態において、後カバー体210には、その周壁部213から後壁部212に延びる多数のスリット状の放熱孔230が貫設され、後壁部212の略中間高さ位置から上部においては多数の長円形、楕円形等の放熱孔231が貫設され、後壁部212の下部には多数の長円形、楕円形等の放熱孔232と所定数の横長四角形状の放熱孔233が貫設されている。
また、横長四角形状の放熱孔233は、主制御基板ボックス132の封印ねじ(封印部材)によって封印される複数の並列状の封印部235の列の大きさ及び配設位置に対応する大きさ及び位置に貫設されている。これによって、不透明な後カバー体210が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス132の複数の並列状の封印部235が放熱孔233の部分において視認可能に露出される。このため、後カバー体210が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス132の封印部235の封印状態を容易に視認することができる。また、不透明な合成樹脂材は、透明な合成樹脂材と比べ、リサイクル使用される合成樹脂材を材料として用いることが容易であるため、後カバー体210を安価に製作することができる。
後カバー体210の周壁部213のうち、上側壁部213cの所定位置(この実施形態では左右2箇所)には、電源コード(図示しない)を適宜に折り畳んだ状態で保持する略C字状でかつ弾性変形可能なコード保持体237が上方のタンクレール150の後壁面(レール構成部材139の後壁面)に向けて延出されている。このコード保持体237の先端部には、同コード保持体237を弾性変形させて電源コードを取り外すためのつまみが形成されている。
電源コードは、その一端が分電基板238の基板コネクタ239に取り外し可能に接続され、他端の電源プラグが電源コンセントに差し込まれる。前記したように、後カバー体210にコード保持体237を一体に形成して電源コードを保持することで、パチンコ機を運搬・保管する際に電源コードがぶらついて邪魔になったり、異物に引っ掛かる不具合を防止することができる。
[本体枠の後側下部の下皿用球誘導体等の構成について] 図2及び図7に基づき説明する。
図7は、図6に示すパチンコ機1の斜視図から後ろカバー210及び各種制御基板等を取り外した状態を示す斜視図である。
本体枠3の後下部領域の他側寄り部分(ヒンジ寄り部分)には、そのスピーカボックス部16の後段差部の凹み部分において下皿用球誘導体253が装着されている。この下皿用球誘導体253は、球払出装置170の賞球及び貸球用球通路から上皿連絡路(図示しない)を経て上皿51に払い出された遊技球が満杯になったときに、上皿連絡路の遊技球を下皿31に導くためのものである。
なお、この実施形態において、下皿用球誘導体253の後壁外面には、インタフェース基板252を収納している基板ボックス254が装着されている。なお、インタフェース基板252は、パチンコ機1に隣接して設置される球貸機と払出制御基板197との間に介在され、球貸に関する信号を球貸機と払出制御基板197との間で送受信可能に電気的に接続するようになっている。
本実施形態のパチンコ機1では、遊技者に利益が付与される態様として複数種類の態様の「大当り遊技」が用意されている。ここで、「大当り遊技」は、例えば役物用入賞口92を一定パターンで開閉させるラウンド動作を最大で16回、繰り返すものであり、このようなラウンド動作の繰り返しは「大当り遊技」と称されている。遊技者は、大当り遊技の間に遊技球を役物用入賞口92に入球させることで、多くの賞球を獲得することができる。なお、ラウンド動作ついては、第一始動入賞口96または第二始動入賞口97への遊技球の入球に応じて行われる役物用入賞口92の1回または2回の開閉動作を初回の1ランウド目のラウンド動作とし、2ラウンド目以降のラウンド動作では、役物用入賞口92を所定間隔で18回開閉させるか、10個の入賞球がカウントされるかのいずれかの条件を満たすと終了する。
また、大当り遊技にて繰り返し行われるラウンド動作の回数については、第一始動入賞口96または第二始動入賞口97への遊技球の入球タイミング(より具体的には、第一始動口センサ318aまたは第二始動口センサ318bによる遊技球の検出タイミング)、役物用入賞口92への遊技球の入球タイミング(より具体的には、カウントセンサ319による遊技球の検出タイミング)、大当り入賞口93への入球タイミング(より具体的には、大当り入賞センサ330による遊技球の検出タイミング)等の適宜タイミングや、役物91内での遊技球の振り分け先等によって行われた抽選の結果に応じて決定される。ここで、上記抽選は、大当りの態様を決定するための抽選であり、この抽選を行う手段を、「大当り態様抽選手段」として捉えることができる。
なお、以上の具体的な数値は、本発明の実施において最良のものである。その上で、これら数値については各種の変更が可能であり、最良の数値によって限定されることはない。
[主基板及び周辺基板の機能的構成について] 図11に基づき説明する。
図11は制御構成を概略的に示すブロック図である。
パチンコ機1の制御は、大きく分けて主基板310のグループと周辺基板311のグループとで分担されており、このうち主基板310のグループが遊技動作(入賞検出や当り判定、特別図柄表示、賞球払出等)を制御しており、周辺基板311のグループが演出動作(発光装飾や音響出力、液晶表示等)を制御している。
主基板310は、主制御基板131と払出制御基板197とから構成されている。主制御基板131は、中央演算装置としてのCPU314、読み出し専用メモリとしてのROM315、読み書き可能メモリとしてのRAM316を備えている。CPU314は、ROM315に格納されている制御プログラムを実行することによりパチンコ機1で行われる各種遊技を制御したり、周辺基板311や払出制御基板197に出力するコマンド信号を作成したりする。RAM316には、主制御基板131で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。主制御基板131には、ゲートセンサ317、第一始動口センサ318a、第二始動口センサ318b、カウントセンサ319、大当り入賞センサ330、ハズレ入賞センサ329、回動検出センサ494、回転位置検出センサ321等からの検出信号が入力される。一方、主制御基板131は、ソレノイド331、モータ332、押打用ソレノイド325、回転体用モータ326等へ駆動信号を出力する。また、払出制御基板197は、中央演算装置としてのCPU333、読み出し専用メモリとしてのROM334、読み書き可能メモリとしてのRAM335を備えている。そして、払出制御基板197は、主制御基板131から入力したコマンド信号を処理し、球払出装置170に駆動信号を出力する。これにより、球払出装置170は、駆動信号に従って遊技球を払い出す。
主制御基板131と払出制御基板197との間では、それぞれの入出力インタフェースを介して双方向通信が実施されており、例えば主制御基板131が賞球コマンドを送信すると、これに応えて払出制御基板197から主制御基板131にACK信号が返される。
一方、周辺基板311には、サブ統合基板336のほかに例えば複数の電飾制御基板337,338や波形制御基板339等が含まれる。上記の主制御基板131とサブ統合基板336との間では、それぞれの入出力インタフェースと入力インタフェースとの間で一方向だけの通信が行われており、主制御基板131からサブ統合基板336へのコマンドの送信はあっても、その逆は行われない。
サブ統合基板336もまた、CPU350をはじめROM351やRAM352等の電子部品を有しており、これら電子部品によって所定の演出制御プログラムを実行することができる。サブ統合基板336とその他の電飾制御基板337,338や波形制御基板339との間では、それぞれの入出力インタフェースとの間で双方向に通信が行われる。1つ目の電飾制御基板337には主にサイド装飾装置52等を含む装飾ランプ353とが接続されており、サブ統合基板336から電飾制御基板337に対して装飾ランプ353の点灯信号が送信されると、これを受けて電飾制御基板337が装飾ランプ353を点灯させる処理を行う。2つ目の電飾制御基板338には演出表示装置115とともに演出ランプ354が接続されている。例えばサブ統合基板336から演出表示装置115に対する表示コマンドが電飾制御基板338に送信されると、これを受けて電飾制御基板338は実際に演出表示装置115を作動させる処理を行う。また、サブ統合基板336には、遊技球センサ361からの検出信号が入力される一方、役物用ソレノイド362へ駆動信号を出力する。
波形制御基板339は、音響出力としての可聴音波のほか、不可聴である超音波等の波形信号を生成・送受信する処理を実行している。例えば、サブ統合基板336から音響出力コマンドが波形制御基板339に送信されると、これを受けて波形制御基板339は上記のスピーカ18,57を駆動する処理を行う。このほかにも、波形制御基板339には超音波送受信装置356が接続されており、この超音波送受信装置356は、複数の台間で超音波による通信を可能とする。通常、ホールの島設備には複数台のパチンコ機1が並べて設置されるが、超音波送受信装置356を装備しているパチンコ機1同士の間では、相互に超音波通信が可能となる。この通信機能を用いて、複数のパチンコ機1で演出動作をシンクロナイズさせたり、特定の台間で遊技情報の交換を行ったりすることができる。
なお、電飾制御基板337,338、及び波形制御基板339にも、それぞれ中央演算装置としてのCPU357,358,359、読み出し専用メモリとしてのROM370,371,372、及び読み書き可能メモリとしてのRAM373,374,375を備えている。
次に、主制御基板131と払出制御基板197との間の通信処理について、詳細に説明する。なお、信号名の先頭に「♯」が付されているものは、負理論であることを意味している。「ハイレベル」は2値信号の2つのレベルのうち「1」レベルを意味し、「ローレベル」は「0」レベルを意味している。
[主制御基板と払出制御基板との通信について]
主制御基板131と払出制御基板197との間では、種々のコマンドがシリアル転送によって送信される。コマンドを正常に受信した基板は、コマンドを送信した基板に対して、正常にコマンドを受け取ったことを伝えるACK(Acknowledge)信号を送信する。主制御基板131から払出制御基板197に対する主なコマンドとしては、遊技球の払い出しに関するコマンドや、払出制御基板197に動作状態の報告を指示するコマンドがある。遊技球の払い出しに関するコマンドとしては、例えば、遊技球の払い出し個数を指定するコマンドの他、遊技球の払い出しの開始を指示するコマンドや、遊技球の払い出しの停止を指示するコマンドなどが考えられる。払出制御基板197から主制御基板131に対する主なコマンドとしては、払出制御基板197の動作状態を伝えるコマンドがある。
図12は、主制御基板131および払出制御基板197の電気的な構成の詳細を示すブロック図である。主制御基板131は、主制御基板131における種々の演算処理を行うCPUとして、外部とのシリアル通信機能およびパラレル通信機能を有するCPU314(主CPU)を備える。CPU314には、演算処理を行う演算処理部390と、外部とのシリアル通信を行うシリアル通信ユニットとしてのシリアルIF部391と、外部とのパラレル通信を行うパラレルIF部392とが回路構成されている。払出制御基板197とのコマンドのやり取りは、シリアルIF部391を介して行われ、払出制御基板197とのACK信号のやり取りは、パラレルIF部392を介して行われる。
シリアルIF部391は、演算処理部390からパラレルデータTDaを受け取り、該データを記憶する送信バッファレジスタ393と、送信バッファレジスタ393に記憶されたデータを受け取り、該データをシリアルデータDabに変換して払出制御基板197にシリアル転送する送信シフトレジスタ394と、払出制御基板197からシリアルデータDbaを受け取り、該データを記憶する受信シフトレジスタ395と、受信シフトレジスタ395に記憶されたデータを受け取り、該データを演算処理部390によってパラレルデータRDaとして読み出し可能に記憶する受信バッファレジスタ396と、シリアルIF部391における各部の動作状態を管理するシリアル管理部397とを備え、これらを1チップに集積して構成されている。送信バッファレジスタ393および送信シフトレジスタ394,受信シフトレジスタ395,受信バッファレジスタ396は、それぞれ1バイトの記憶容量を有するレジスタである。
シリアル管理部397は、送信シフトレジスタ394および送信バッファレジスタ393に関して、送信シフトレジスタ394がシリアル転送中でない場合に、送信バッファレジスタ393から送信シフトレジスタ394へのデータの受け渡しを許可し、該受け渡し後に、該データを送信バッファレジスタ393から消去するように回路構成されている。
シリアル管理部397は、受信シフトレジスタ395および受信バッファレジスタ396に関して、受信バッファレジスタ396にデータが記憶されていない場合に、受信シフトレジスタ395から受信バッファレジスタ396へのデータの受け渡しを許可し、演算処理部390が受信バッファレジスタ396からパラレルデータRDaを読み出した後に、受信バッファレジスタ396からデータを消去するように回路構成されている。
なお、シリアルIF部391によるシリアル転送の転送レートは、CPU314を動作させるためのクロック信号を分周した信号に基づいて決定される。この転送レートを決定するクロック信号の分周比は、シリアルIF部391が有するレジスタ(図示しない)の値によって設定することができる。
演算処理部390は、送信バッファレジスタ393に対して書き込み信号♯WRaを立ち上げることによって、送信バッファレジスタ393へりパラレルデータTDaの書き込みを行い、受信バッファレジスタ396に対して読み出し信号♯REaを立ち上げることによって、受信バッファレジスタ396からのパラレルデータRDaの読み出しを行う。
演算処理部390は、シリアルIF部391における種々の状態を示す信号を、シリアル管理部397から受ける。演算処理部390がシリアル管理部397から受ける信号としては、送信バッファレジスタ393がクリアされている際にハイレベルとされる送信バッファ空き信号TEaと、送信シフトレジスタ394がシリアル転送中である際にハイレベルとされるシリアル転送中信号TCaと、受信バッファレジスタ396にデータが記憶されている際にハイレベルとされる受信データあり信号DFaとがある。
図12に示すように、払出制御基板197は、払出制御基板197における種々の演算処理を行うCPU333(払出CPU)と、外部とのシリアル通信を行う回路が形成されたシリアルIFチップ398と、外部とのパラレル通信を行う回路が形成されたパラレルIFチップ399とを備える。主制御基板131とのコマンドのやり取りは、シリアルIFチップ398を介して行われ、主制御基板131とのACK信号のやり取りは、パラレルIFチップ399を介して行われる。
シリアルIFチップ398は、CPU333からパラレルデータTDbを受け取り、該データを記憶する送信バッファレジスタ400と、送信バッファレジスタ400に記憶されたデータを受け取り、該データをシリアルデータDbaに変換して主制御基板131にシリアル転送する送信シフトレジスタ401と、主制御基板131からシリアルデータDabを受け取り、該データを記憶する受信シフトレジスタ402と、受信シフトレジスタ402に記憶されたデータを受け取り、該データをCPU333によってパラレルデータRDbとして読み出し可能に記憶する受信バッファレジスタ403と、シリアルIFチップ398における各部の動作状態を管理するシリアル管理部404とを備え、これらを1チップに集積して構成されている。送信バッファレジスタ400および送信シフトレジスタ401,受信シフトレジスタ402,受信バッファレジスタ403は、それぞれ1バイトの記憶容量を有するレジスタである。
シリアル管理部404は、送信シフトレジスタ401および送信バッファレジスタ400に関して、送信シフトレジスタ401がシリアル転送中でない場合に、送信バッファレジスタ400から送信シフトレジスタ401へのデータの受け渡しを許可し、該受け渡し後に、該データを送信バッファレジスタ400から消去するように回路構成されている。
シリアル管理部404は、受信シフトレジスタ402および受信バッファレジスタ403に関して、受信バッファレジスタ403にデータが記憶されていない場合に、受信シフトレジスタ402から受信バッファレジスタ403へのデータの受け渡しを許可し、CPU333が受信バッファレジスタ403からパラレルデータRDbを読み出した後に、受信バッファレジスタ403からデータを消去するように回路構成されている。
なお、シリアルIFチップ398がシリアル転送されたコマンドをサンプリングするタイミングは、主制御基板131のCPU314を動作させるためのクロック信号を分周したサンプリングクロックに基づいて決定される。このサンプリングクロックを決定刈るクロック信号の分周比は、シリアルIFチップ398が有するレジスタ(図示しない)の値によって設定することができる。
CPU333は、送信バッファレジスタ400に対して書き込み信号♯WRbを立ち上げることによって、送信バッファレジスタ400へのパラレルデータTDbの書き込みを行い、受信バッファレジスタ403に対して読み出し信号♯RDbを立ち上げることによって、受信バッファレジスタ403からのパラレルデータRDbの読み出しを行う。
CPU333は、シリアルIFチップ398における種々の状態を示す信号を、シリアル管理部404から受ける。CPU333がシリアル管理部404から受ける信号としては、送信バッファレジスタ400がクリアされている際にハイレベルとされる送信バッファ空き信号TEbと、送信シフトレジスタ401がシリアル転送中である際にハイレベルとされるシリアル転送中信号TCbと、受信バッファレジスタ403にデータが記憶されている際にハイレベルとされる受信データ有り信号DFbとがある。
次に、主制御基板131と払出制御基板197との間におけるコマンド転送の際の動作について説明する。本実施形態のパチンコ機1は、主制御基板131から払出制御基板197へのコマンド転送と、払出制御基板197から主制御基板131へのコマンド転送を行うことが可能である。
(主制御基板のコマンド送信について)
払出制御基板197に対してコマンドを送信する主制御基板131の動作について説明する。図13は、主制御基板131の演算処理部390が実行するコマンド送信処理を示すフローチャートである。主制御基板131の演算処理部390は、遊技の進行を制御する処理を実現するために所定の間隔(本実施形態では、4ミリセカンド(以下、msと表記))で定時割り込み処理を繰り返し実行し、この繰り返し実行される定時割り込み処理の一環として、払出制御基板197に対してコマンドを送信する場合に、図13に示したコマンド送信処理を実行する。
演算処理部390は、図13に示したコマンド送信処理を開始すると、払出制御基板197に対するコマンドを生成する(ステップS1001)。本実施形態では、払出制御基板197に対するコマンドは、シリアルIF部391の各レジスタの記憶容量である1バイトよりも大きな2バイトのコマンドである。
コマンドを生成した後(ステップS1001)、「送信バッファ空き信号TEaがハイレベル」かつ「シリアル転送中信号TCaがローレベル」であるか否か、すなわち、「送信バッファレジスタ393にデータが記憶されていない場合」かつ「送信シフトレジスタ394がシリアル転送中でない場合」であるか否かを判断する(ステップS1002)。
「送信バッファ空き信号TEaがハイレベル」かつ「シリアル転送中信号TCaがローレベル」である場合(ステップS1002)には、生成したコマンドの2バイトのうち上位1バイトである1バイト目を、送信バッファレジスタ393に書き込む(ステップS1003)。その後、予め設定された書込待機期間Lwaの待機を行った後(ステップS1004)、生成したコマンドの残りの下位1バイトである2バイト目を、送信バッファレジスタ393に書き込み(ステップS1005)、コマンド送信処理を終了する。
ここで、書込待機期間Lwaは、送信バッファレジスタ393へのコマンドの1バイト目の書き込みから、この1バイト目が送信シフトレジスタ394へと受け渡しされるまでの期間である送信レジスタ引渡期間Lbsよりも長い期間であり、その定時割り込み処理の終了までに2バイト目の書き込み処理(図13のステップS1005)を実行可能な時間を残す期間であり、次の定時割り込み処理の開始まで長引くような期間ではない。また、書込待機期間Lwaは、コマンドの1バイト目のシリアル転送が完了するまでの期間であるシリアル転送期間Lscよりも短い期間であり、定時割り込み処理の間隔である4msよりも短い期間である。本実施形態では、書込待機期間Lwaは、2.5マイクロセカンド(以下、μsと表記)に設定されている。なお、本実施形態のシリアルIF部391のハードウエア仕様による送信レジスタ引渡期間Lbsは、約1.25μsである。また、2バイト目の書き込み処理(図13のステップS1005)に要する演算処理部390の演算処理時間が、シリアルIF部391の送信レジスタ引渡期間Lbs異常である場合には、図13に示したコマンド待機処理のソフトウエアによる待機処理(ステップS1004)は不要である。
図14は、コマンド送信処理が実行される際の主制御基板131における各信号の様子を示すタイムチャートである。上述したコマンド送信処理にて、「送信バッファ空き信号TEaがハイレベル」かつ「シリアル転送中信号TCaがローレベル」てあると判断されると(図13中のステップS1002)、パラレルデータTDaにコマンドの1バイト目の出力が開始される(タイミングta1)。その後、書き込み信号♯WRaの立ち上がりによって、送信バッファレジスタ393にコマンドの1バイト目が書き込まれる(タイミングta2,図13中のステップS1002)。
送信バッファレジスタ393は、書き込まれたコマンドの1バイト目を送信シフトレジスタ394に引き渡し、この引き渡しが完了するとシリアル管理部397によってクリアされる。送信シフトレジスタ394は、送信バッファレジスタ393から受け取ったコマンドの1バイト目をシリアルデータDabに出力する。シリアル転送中のシリアルデータDabには、スタートビットSTに続いて、コマンドの1ビット目D0から8ビット目D7までの各ビットが続き、最後にストップビットSPが出力される。このように、コマンドの1バイト目のシリアル転送が開始されると、シリアル転送中信号TCaはハイレベルとなる(タイミングta3)。
コマンドの1バイト目の書き込み(タイミングta2,図13中のステップS1002)から、書込待機期間Lwaの待機を経た後(図13中のステップS1004)、コマンドの1バイト目と同様に、送信バッファレジスタ393にコマンドの2バイト目が書き込まれる(タイミングta4,図13中のステップS1005)。
この際の送信シフトレジスタ394は、コマンドの1バイト目をシリアル転送中であり、コマンドの2バイト目を送信バッファレジスタ393から受け取ることができないため、送信バッファレジスタ393は、書き込まれたコマンドの2バイト目を記憶して保持し、送信バッファ空き信号TEaはローレベルとなる(タイミングta4)。
その後、送信シフトレジスタ394によるコマンドの1バイト目のシリアル転送が終了すると、送信バッファレジスタ393は、記憶するコマンドの2バイト目を送信シフトレジスタ394に引き渡し、この引き渡しが完了するとシリアル管理部397によってクリアされ、送信バッファ空き信号TEaはハイレベルとなる(タイミングta5)。
その後、送信シフトレジスタ394は、コマンドの1バイト目と同様に、送信バッファレジスタ393から受け取ったコマンドの2バイト目をシリアルデータDabに出力する(タイミングta6〜ta7)。
以上説明した主制御基板131の動作によって、払出制御基板197に対して2バイトのコマンドが送信される。本実施形態の主制御基板131は、払出制御基板197に対してコマンドを送信してから所定の期間の間に、払出制御基板197からACK信号の返答がない場合には、コマンドを再送する。
なお、逆に、主制御基板131に対してコマンドを送信する払出制御基板197の動作は、演算処理部390に代えてCPU333、送信バッファレジスタ393に代えて送信バッファレジスタ400、送信シフトレジスタ394に代えて送信シフトレジスタ401が、それぞれ上述した主制御基板131の場合と同様の動作を行うことによって実現される。
なお、本実施形態では、CPU314は、4ミリセカンドの感覚で定時割り込み処理を繰り返し実行するのに対し、シリアルIF部391は、1200bps(Bit Per Second)の転送レートでシリアル転送を実行する。したがって、本実施形態では、シリアルIF部391が2バイトのコマンドをシリアル転送する時間は約16.7msとなり、CPU314は、その間に定時割り込み処理を約4回繰り返し実行することとなる。このように、CPU314は、送信バッファレジスタ393にコマンドを書き込んでしまえば、そのコマンドの払出制御基板197へのシリアル転送をシリアルIF部391に任せることができる。なお、シリアル転送における1200bpsの転送レートは、電気的ノイズに対するコマンド転送の信頼性を確保可能な転送レートであり、また、比較的安価なフォトカプラを用いたアイソレーションによってシリアル転送することが可能な転送レートである。
なお、主制御基板131は、シリアル転送中(送信バッファレジスタ393にコマンドが有る状態)に、制御処理を中断することなく、入賞があれば入賞情報を記憶するなど他の制御処理を実行する。パチンコ機の場合、遊技板13へと打ち出される遊技球は、1分間に最大100個までと規制されているため、遊技球の打ち出し間隔は約600msである。したがって、遊技球が入賞口61に連続して入賞したとしても、主制御基板131は、遊技球の検出情報を滞りなく処理し、賞球コマンドを払出制御基板197にシリアル転送することができる。
(払出制御基板のコマンド受信について)
主制御基板131からのコマンドを受信する払出制御基板197の動作について説明する。図15は、払出制御基板197のCPU333が実行するコマンド受信処理を示すフローチャートである。払出制御基板197のCPU333は、遊技球の払い出しを制御する一環として主制御基板131からのコマンドを受信する場合に、図15に示したコマンド受信処理を実行する。
CPU333は、コマンド受信処理を開始すると、「受信データ有り信号DFbがハイレベル」であるか否か、すなわち、「受信バッファレジスタ403にデータが記憶されている場合」であるか否かを判断する(ステップS1101)。
ここで、コマンド受信処理において「受信データ有り信号DFbがハイレベル」であると判断される場合(ステップS1101)には、主制御基板131から払出制御基板197に対して送信された2バイトのコマンドのうち、コマンドの1バイト目が受信バッファレジスタ403に記憶された状態である。
「受信データ有り信号DFbがハイレベル」である場合(ステップS1101)には、受信バッファレジスタ403に記憶されているコマンドの1バイト目を読み出す(ステップS1102)。その後、受信シフトレジスタ402を介して受信バッファレジスタ403に記憶されたコマンドの2バイト目を読み出し(ステップS1103)、コマンド受信処理を終了する。
図16は、コマンド受信処理が実行される際の払出制御基板197における各信号の様子を示すタイムチャートである。前述した主制御基板131におけるコマンド送信処理によって、シリアルデータDabにコマンドの1バイト目が出力されると(タイミングtb1〜tb2)、受信シフトレジスタ402にコマンドの1バイト目が記憶された後、受信バッファレジスタ403にコマンドの1バイト目が受け渡され、受信データ有り信号DFbはハイレベルとなる。
コマンドの1バイト目に続いた、シリアルデータDabにコマンドの2バイト目が出力されると(タイミングtb1〜tb2)、受信シフトレジスタ402にコマンドの2バイト目が記憶される。この際には、受信バッファレジスタ403からコマンドの1バイト目が読み出されておらず、受信バッファレジスタ403はシリアル管理部404によってクリアされていないため、受信シフトレジスタ402はコマンドの2バイト目の記憶を保持する。
その後、図15に示したコマンド受信処理にて、「受信データ有り信号DFbがハイレベル」であると判断されると(図15中のステップS1101)、読み出し信号♯REbの立ち下がりによって、受信バッファレジスタ403からパラレルデータRDbにコマンドの1バイト目が出力され、コマンドの1バイト目が、CPU333によって受信バッファレジスタ403から読み出される(タイミングtb5〜tb6,図15中のステップS1102)。
コマンドの1バイト目の読み出しが完了すると、受信バッファレジスタ403はシリアル管理部404によってクリアされ、受信データ有り信号DFbはローレベルとなる(タイミングtb6)。その後、受信シフトレジスタ402から受信バッファレジスタへとコマンドの2バイト目が受け渡されると、受信出た有り信号DFbはハイレベルとなる(タイミングtb7)。その後、コマンドの1バイト目と同様にして、受信バッファレジスタ403からコマンドの2バイト目が読み出される(タイミングtb8〜tb9,図15中のステップS1103)。なお、説明の便宜上、図16では、コマンドの1バイト目と2バイト目とのシリアル転送時間のスケールは、CPU333の演算処理時間のスケールと比べ縮小されているが、実際には、コマンドの1バイト目と2バイト目とのシリアル転送時間は、CPU333の演算処理時間に比べて相当の時間を要する。したがって、図15に示したコマンド受信処理は、CPU333が所定の間隔で繰り返し実行する定時割り込み処理の一環として、複数回の定時割り込み処理に分けて実行される処理である。
以上説明した払出制御基板197の動作によって、主制御基板131から送信された2バイトのコマンドが受信される。本実施形態の払出制御基板197は、主制御基板131からコマンドを受信してから所定の期間の間に、主制御基板131に対してACK信号を送信する。
なお、本実施形態では、シリアルIFチップ398のサンプリングタイミングは、転送レート(1200bps)の16倍である19.2キロヘルツ(kHz)に設定されている。本実施形態では、シリアルIFチップ398は、スタートビット,コマンドの各データビット,ストップビットのビット毎に、それぞれ3回のサンプリングを行い、この3回のサンプリングで検出された値を多数決判定することによって、コマンド受信の信頼性の向上を図っている。
なお、逆に、払出制御基板197からのコマンドを受信する主制御基板131の動作は、CPU333に代えて演算処理部390、受信シフトレジスタ402に代えて受信シフトレジスタ395、受信バッファレジスタ403に代えて受信バッファレジスタ396が、それぞれ上述した払出制御基板197の場合と同様の動作を行うことによって実現される。
上記の構成により、主制御基板131のCPU314が1回の定時割り込み処理内を行う間に、シリアルIF部391がシリアル転送可能なコマンドを2バイト分、シリアルIF部391の送信バッファレジスタ393,送信シフトレジスタ394に格納することができ、主制御基板131のCPU314がコマンドのシリアル転送に関わる期間を短縮することができる。その結果、主制御基板131における他の制御処理の進行の阻害や、主制御基板131で実行される制御プログラムの複雑化を抑制することができる。したがって、コマンドを分割してシリアル転送する場合における円滑な遊技制御を実現することができる。
ところで、上記の払出制御基板197では、CPU333,シリアルIFチップ398及びパラレルIFチップ399を備えたものを示したが、以下に示すような構成としても良い。具体的には、図17に示すような、払出制御基板197に、払出制御基板197における種々の演算処理を行うCPU333(払出CPU)と、外部とのシリアル通信およびパラレル通信を行う回路が形成されたシリパラIFチップ405とを備えるものとすることができる。このシリパラIFチップ405には、主制御基板131のパラレルIF部392とパラレル通信をするパラレルIF部406が備えられている。なお、図17は、図12に示すものとは異なる主制御基板131および払出制御基板197の電気的な構成の詳細を示すブロック図である。また、上記以外の構成については、図12に示したものと同様の構成であり、同一の符号を付してある。
図17に示す払出制御基板197のシリアル管理部407は、図12に示すシリアル管理部404とは異なるものとされている。このシリアル管理部407は、シリアル管理部407は、受信バッファレジスタ403のデータがCPU333からの読み出しによって消去される図13に示すシリアル管理部404とは異なり、CPU333からのバッファクリア信号#CBbに基づいて、受信バッファレジスタ403からデータを消去する。
(図17における主制御基板のコマンド送信について)
払出制御基板197に対してコマンドを送信する主制御基板131の動作について説明する。図18は、主制御基板131の演算処理部390が実行するコマンド送信処理を示すフローチャートである。主制御基板131の演算処理部390は、遊技の進行を制御する処理の一環として、図18に示したコマンド送信処理を所定のタイミングで繰り返し実行する。
演算処理部390は、図18に示したコマンド送信処理を開始すると、ジョブフラグFjの値を判断する(ステップS1201)。ジョブフラグFjは、コマンド送信処理における状態を示すフラグであり、演算処理部390の起動時には「0」に設定されている。
「ジョブフラグFj=0」の場合には、払出制御基板197に対するコマンドの出力するためのコマンド出力処理を実行し(ステップS1202)、「ジョブフラグFj=1」の場合には、払出制御基板197からのACK信号を確認するためのACK待ち処理を実行する(ステップS1203)。コマンド出力処理(ステップS1202)、または、ACK待ち処理(ステップS1203)を終了した後、コマンド送信処理を終了する。なお、コマンド出力処理(ステップS1202),ACK待ち処理(ステップS1203)の詳細については後述する。
図18に示したコマンド送信処理におけるコマンド出力処理(図18中のステップS1202)の詳細について説明する。図19は、コマンド出力処理(図18中のステップS1202)を示すフローチャートである。演算処理部390は。図19に示すコマンド出力処理を開始すると、「送信バッファ空き信号TEaがハイレベル」かつ「シリアル転送中信号TCaがローレベル」であるか否か、すなわち、「送信バッファレジスタ393にデータが記憶されていない場合」かつ「送信シフトレジスタ394がシリアル転送中でない場合」であるか否かを判断する(ステップS1301)。「送信バッファ空き信号TEaがハイレベル」かつ「シリアル転送中信号TCaがローレベル」である場合(ステップS1301)には、「チェックフラグFc=1」であるか否かを判断する(ステップS1302)。チェックフラグFcは、払出制御基板197からのACK信号が確認できない場合に、払出制御基板197に対して動作状態の報告を指示するためのフラグであり、演算処理部390の起動時には「0」に設定されている。
「チェックフラグFc=1」でない場合であって(ステップS1302)、遊技球の入賞口への入賞がある場合には(ステップS1303)、払出制御基板197に所定の個数の賞品球の払い出しを指示する入賞コマンドの1バイト目を生成する(ステップS1304)。
一方、「チェックフラグFc=1」である場合には(ステップS1302)、チェックフラグFcを「0」に設定し(ステップS1305)、払出制御基板197に対して動作状態の報告を指示するチェックコマンドの1バイト目を生成する(ステップS1306)。なお、主制御基板131は、払出制御基板197からの動作状態の報告を、払出制御基板197から主制御基板131に対するコマンドの形態で受け取る。
入賞コマンドまたはチェックコマンドの1バイト目を生成した後(ステップS1304,S1306)、生成した1バイト目の各ビットを反転して、すなわち、1バイト目のビットのうち、「0」であるビットを「1」とし、「1」であるビットを「0」として、コマンドの2バイト目を生成する(ステップS1307)。本実施形態では、コマンドの1バイト目は、コマンドとしての実質的な意味を持つデータであり、コマンドの2バイト目は、払出制御基板197側でコマンドの正誤を判断するためのデータである。
コマンドの2バイト目を生成した後(ステップS1307)、生成したコマンドを送信する(ステップS1308〜S1310)。この処理(ステップS1308〜S1310)は、図13に示したコマンド送信処理における処理(ステップS1003〜S1005)と同様である。コマンドを送信した後(ステップS1308〜S1310)、ジョブフラグFjを「1」に設定し(ステップS1311)、コマンド出力処理を終了する。
コマンド出力処理においてコマンドの送信が実行される際(ステップS1308〜S1310)の主制御基板131における各信号の様子は、図14に示した主制御基板131における各信号の様子と同様である。
図18に示したコマンド送信処理におけるACK待ち処理(図18中のステップS1203)の詳細について説明する。図20は、ACK待ち処理(図17中のステップS1203)を示すフローチャートである。演算処理部390は、図20に示すACK待ち処理を開始すると、払出制御基板197からACK信号を検出したか否かを判断する(ステップS1401)。ACK信号を検出した場合には(ステップS1401)、ジョブフラグFjを「0」に設定し(ステップS1402)、ACK待ち処理を終了する。
一方、ACK信号を検出しない場合には(ステップS1401)、コマンドの送信(図19中のステップS1308〜S1310)を終えてから所定の時間が経過したか否かを判断する(ステップS1403)。この所定の時間は、払出制御基板197からのACK信号の返答を待つ時間であり、本実施形態では、100msに設定されている。所定の時間が経過していない場合には(ステップS1403)、そのままACK待ち処理を終了し、所定の時間が経過した場合には(ステップS1403)、チェックフラグFcを「1」に設定し(ステップS1404)、ジョブフラグFjを「0」に設定した後(ステップS1402)、ACK待ち処理を終了する。
以上説明した主制御基板131の動作によって、払出制御基板197に対して2バイトのコマンドが送信される。なお、逆に、主制御基板131に対してコマンドを送信する払出制御基板197の動作は、演算処理部390に代えてCPU333、送信バッファレジスタ393に代えて送信バッファレジスタ400、送信シフトレジスタ394に代えて送信シフトレジスタ401が、それぞれ上述した主制御基板131の場合と同様の動作を行うことによって実現される。
(図17における払出制御基板のコマンド受信について)
主制御基板131からのコマンドを受信する払出制御基板197の動作について説明する。図21は、払出制御基板197のCPU333が実行するコマンド受信処理を示すフローチャートである。払出制御基板197のCPU333は、遊技球の払い出しを制御する一環として主制御基板131からのコマンドを受信する場合に、図21に示したコマンド受信処理を実行する。なお、図21に示したコマンド受信処理は、図15に示したコマンド受信処理と同様に、CPU333が所定の間隔で繰り返し実行する定時割り込み処理の一環として、複数回の定時割り込み処理に分けて実行される処理である。
CPU333は、コマンド受信処理を開始すると、「受信データ有り信号DFbがハイレベル」であるか否か、すなわち、「受信バッファレジスタ403にデータが記憶されている場合」であるか否かを判断する(ステップS1501)。
ここで、コマンド受信処理において「受信データ有り信号DFbがハイレベル」であると判断される場合(ステップS1501)には、主制御基板131から払出制御基板197に対して送信された2バイトのコマンドのうち、コマンドの1バイト目が受信バッファレジスタ403に記憶された状態である。
「受信データ有り信号DFbがハイレベル」である場合(ステップS1501)には、受信バッファレジスタ403に記憶されているコマンドの1バイト目を読み出した後(ステップS1502)、再び受信バッファレジスタ403に記憶されているコマンドの1バイト目を読み出す(ステップS1503)。その後、1回目に読み出したコマンドの1バイト目と、2回目に読み出したコマンドの1バイト目とを照合して(ステップS1504)、両者が一致するか否かを判断する(ステップS1505)。
読み出したコマンドの1バイト目が1回目と2回目とで一致する場合には(ステップS1505)、バッファクリア信号♯CBbを立ち下げることによって受信バッファレジスタ403に記憶されたコマンドの1バイト目をクリアする(ステップS1506)。これによって、受信シフトレジスタ402に記憶されていたコマンドの2バイト目が、受信バッファレジスタ403に受け渡される。
受信バッファレジスタ403をクリアした後(ステップS1506)、受信バッファレジスタ403に記憶されているコマンドの2バイト目を、コマンドの1バイト目と同様に、2回の読み出しの後に照合を行い(ステップS1507,S1508,S1509)、1回目と2回目とが一致する場合には(ステップS1510)、受信バッファレジスタ403に記憶されたコマンドの2バイト目をクリアする(ステップS1511)。
その後、読み出したコマンドの1バイト目と、読み出したコマンドの2バイト日とを照合して(ステップS1512)、両者が整合するか否かを判断する(ステップS1513)。なお、前述したように、コマンドの2バイト目は、主制御基板131がコマンドの1バイト目の各ビットを反転して生成したデータである。
読み出したコマンドの1バイト目と2バイト目とが整合する場合には(ステップS1513)、主制御基板131に対してACK信号を送信して(ステップS1514)、コマンド送信処理を終了する。
一方、読み出したコマンドの1バイト目が1回目と2回目とで一致しない場合や(ステップS1505)、読み出したコマンドの1バイト目と2バイト目とが整合しない場合には(ステップS1513)、次回のコマンド受信に備えるために、受信シフトレジスタ402および受信バッファレジスタ403をクリアして(ステップS1515)、コマンド送信処理を終了する。
図22は、コマンド受信処理が実行される際の払出制御基板197における各信号の様子を示すタイムチャートである。なお、説明の便宜上、図22では、コマンドの1バイト目と2バイト目とのシリアル転送時間のスケールは、CPU333の演算処理時間のスケールと比べ縮小されている。
図21に示したコマンド受信処理にて、「受信データ有り信号DFbがハイレベル」であると判断されると(図21中のステップS1501)、読み出し信号#REbの立ち下がりによって、受信バッファレジスタ403からパラレルデータRDbにコマンドの1バイト目が出力され、コマンドの1バイト目が、CPU333によって受信バッファレジスタ403から読み出される(タイミングtb11〜tb12,図21中のステップS1502)。その後、さらにコマンドの1バイト目が、1回目と同様にして読み出される(タイミングtb13〜tb14,図21中のステップS1503)。
コマンドの1バイト目の2回の読み出しが完了した後、バッファクリア信号#CBbの立ち下がりによって受信バッファレジスタ403がクリアされ、受信データ有り信号DFbはローレベルとなる(タイミングtb15,図21中のステップS1506)。その後、受信シフトレジスタ402から受信バッファレジスタヘとコマンドの2バイト目が受け渡されると、受信データ有り信号DFbはハイレベルとなる(タイミングtb16)。
その後、コマンドの2バイト目が、コマンドの1バイト目と同様にして受信バッファレジスタ403から読み出される(タイミングtb21〜tb24,図21中のステップS1507,S1508)。コマンドの2バイト目の読み出しが完了した後、バッファクリア信号#CBbの立ち下がりによって受信バッファレジスタ403がクリアされ、受信データ有り信号DFbはローレベルとなる(タイミングtb25,図21中のステップS1511)。
以上説明した払出制御基板197の動作によって、主制御基板131から送信された2バイトのコマンドが受信される。なお、逆に、払出制御基板197からのコマンドを受信する主制御基板131の動作は、第一の実施例と同様である。
以上、図17から図22に示した構成によれば、主制御基板131における他の制御処理の進行の阻害や、主制御基板131で実行される制御プログラムの複雑化を抑制することができる。更に、払出制御基板197のCPU333側の都合に応じて受信バッファレジスタ403に記憶されているコマンドの消去を行うことができるため、2バイト単位で1バイト毎にシリアル転送されるコマンドに対して、CPU333による2バイト単位での取り扱いの容易化を図ることができる。
また、払出制御基板197は、コマンドを重複して読み取り、重複して読み取ったコマンドを照合するため(図21中のステップS1502〜S1505)、受信バッファレジスタ403からCPU333へのコマンドの受け渡しの際に、ノイズなどの影響によって書き換えられてしまった異常なコマンドに基づいて処理が行われてしまうことを防止することができる。
また、主制御基板131は、コマンドの1バイト目を反転して2バイト目を生成し(図19中のステップS1307)、払出制御基板197は、コマンドの1バイト目と2バイト目とを照合するため(図21中のステップS1512〜S1513)、主制御基板131から払出制御基板197へのコマンド転送の際に、ノイズなどの影響によって書き換えられてしまった異常なコマンドに基づいて処理が行われてしまうことを防止することができる。
また、コマンドを受け取った払出制御基板197は、主制御基板131に対してACK信号を送信するため、主制御基板131は、コマンドが正常に転送されたか否かを確認することができる。さらに、主制御基板131は、払出制御基板197からのACK信号の返答がない場合に、払出制御基板197に対してチェックコマンドを送信するため、コマンドが正常に転送されなかった理由が払出制御基板197における異常動作に基づくものであるか否かを判断することができる。
なお、上記図12から図22に示した構成は、サブ統合基板336や電飾制御基板337,338および波形制御基板339などの基板に適用可能であり、或いは、主制御基板131とサブ統合基板336との間のコマンド転送に適用しても良い。主制御基板131からサブ統合基板336に対するコマンドとしては、演出表示装置115における表示画像の演出内容を指示する演出コマンドがある。
また、送信側CPUが生成する2バイト以上のコマンドは、偶数バイトであることとしても良い。これによって、送信側CPUからシリアル通信ユニットに対する1回の定時割込処理あたり2バイト分のコマンドの格納を効率良く実行することができる。例えば、主制御基板131は、演出指示を規定した3バイトの指示コマンドと、この指示コマンドのチェックサムを算出した1バイトのチェックコマンドとから成る計4バイトのコマンドを一群のコマンドとして生成し、4バイトの一群のコマンドを2回分に分けて、2回の定時割り込み処理にて2バイト毎にシリアル転送することとしても良い。
また、主制御基板131は、3バイトの指示コマンドと、1バイトのチェックコマンドとの各ビットを反転させた4バイトの反転コマンドも併せて、計8バイトのコマンドを一群のコマンドとして生成し、8バイトの一群のコマンドを4回に分けて、4回の定時割り込み処理にて2バイト毎にシリアル転送することとしても良い。
次に、主制御基板131(特にCPU314)で実行される制御処理の例について説明する。
[役物用入賞口の始動入賞処理について] 図23に基づき説明する。
図23は役物用入賞口の始動入賞処理のルーチンを示している。
この始動入賞処理では、遊技中に始動入賞が有るか否かが判断される(ステップS1601)。具体的には、第一始動入賞口96または第二始動入賞口97に遊技球が入球することで、第一始動入賞口96、第二始動入賞口97に夫々対応する第一始動口センサ318a、第二始動口センサ318bが検出信号を出力し、その検出信号が入力されると、始動入賞有りと判断され、一方検出信号の入力がなければ、始動入賞は無いものと判断される。
始動入賞が有りと判断された場合(ステップS1601においてYES)、次に遊技球を検出した始動口センサ318に応じて役物用入賞口92を所定回数開閉動作させる開閉処理が行われる(ステップS1602)。具体的には、第一始動口センサ318aにおいて遊技球を検出した場合は役物用入賞口92を開閉するソレノイド331により役物用入賞口92を所定時間一回だけ開閉する。一方、第二始動口センサ318bにおいて遊技球を検出した場合はソレノイド331により役物用入賞口92を所定時間間隔で二回だけ開閉する。そして、役物用入賞口92が所定回数開閉されると、開閉処理を終えて本ルーチンがリターンされる。
[大当り処理について] 図24に基づき説明する。
図24は大当り処理の内容を示している。
遊技球が役物91内部の大当り入賞口93に入球して大当り入賞センサ330により検出されると、内部的に条件装置が作動して大当り処理が実行される。先ず主制御基板131において乱数を発生させると共に、発生した乱数によって大当り遊技のラウンド回数である設定最大継続回数が設定される(ステップS1701)。本実施形態では、ラウンド回数が、2回、8回、16回の何れかから乱数によって設定される。具体的には、2回、8回、16回の夫々のラウンド回数が選択される割合が、例えば、2回が「1/4」、8回が「1/4」、16回が「1/2」となるように割り振られた適宜の選択テーブルを用いて、乱数に応じたラウンド回数が設定される。
ステップS1701において設定最大継続回数が設定されると、続いて所定のラウンドカウンタが初期化(例えばラウンドカウンタの数値=2)される(ステップS1702)。このラウンドカウンタは例えばRAM内に確保されており、この初期化に伴ってラウンドカウンタの値はリセットされる。なお、ラウンドカウンタは大当り遊技中のラウンド数をカウントするためのものであり、その値が設定最大回数に達すると大当り処理が終了となる。
上記のラウンドカウンタが初期化された後、所定の入賞球数カウンタに「0」がセットされ(ステップS1703)、続いて役物用入賞口92が所定時間間隔で開閉動作が開始される(ステップS1704)。そして、次のステップS1705では役物用入賞口92の開閉回数が設定最大回数(例えば18回)以内であるか否かが判断される。開閉回数が設定最大回数内であれば(YES)、次に入賞球カウンタの値が10未満であるか否かが判断される(ステップS1706)。このとき入賞球カウンタの値が10に満たなければ(YES)、大入賞口に対応するカウントセンサの検出信号がONになったか否かが判断される(ステップS1707)。役物用入賞口92への入賞によりカウントセンサがONになると(YES)、次のステップS1708で入賞球数カウンタに「1」が加算され、再度ステップS1604の判断が行われる。あるいは、ステップS1707で大入賞口への入賞がなく、カウントセンサがONになっていなければ(NO)、入賞球数カウンタが加算されることなくステップS1705の判断が行われる。
1回のラウンド動作中において、役物用入賞口92の開閉が設定最大回数である18回に達するか、あるいは入賞球が10カウントに達するかのいずれかの条件が満たされると1ラウンドが終了となる。これら2つの条件のいずれかが満たされると、ステップS1705またはステップS1706の判断が否定(NO)されるので、ラウンド終了のために役物用入賞口92の開閉動作が停止(ステップS1709)される。そして、次のステップS1710でラウンドカウンタの値が、2ラウンド、8ラウンドまたは16ラウンドの中から選択されて設定された設定最大継続回数に達したか否かが判断される。
ラウンドカウンタの値が設定最大継続回数に達していなければ(ステップS1710においてNO)、次にラウンドカウンタの値に「1」が加算(ステップS1711)されて入賞球数カウンタが「0」にリセットされる(ステップS1703)。
なお、本例では、第一始動入賞口96または第二始動入賞口97への遊技球の入球に応じて行われる役物用入賞口92の1回または2回の開閉動作を第1ラウンドとしてラウンド回数を算定しているため、上記の処理は、第2ラウンド以降の1回のラウンド動作の処理に相当する内容である。そして、第2ラウンド以降においては、ラウンド動作が繰り返されてラウンドカウンタの値が設定最大継続回数に達したと判断されると(ステップS1710においてYES)、そこで大当り処理は終了となる。
[役物の構成について]
次に本実施形態における役物91の具体的な構成について図25乃至図27を基に詳細に説明する。図25は本実施形態における役物の一例を示す正面図であり、図26は図25に示す役物を右上前方から示す斜視図である。また、図27(A)は役物用入賞口を拡大して示す正面図であり、(B)は役物用入賞口の可動片をその動きと共に示す説明図である。
本実施形態の役物91は、その内部に遊技球が進入可能な役物用入賞口92と、役物用入賞口92に入球した遊技球を、所定の通路上を転動演出させた後に二方のうちの何れか一方に放出することの可能な第一転動演出装置95と、第一転動演出装置95の一方の放出側(図25中左側)に配置され遊技球を押打可能な第二転動演出装置100と、第一転動演出装置95の他方の放出側(図25中右側)に配置され回転することで遊技球を大当り入賞口93又はハズレ入賞口94の何れかに導く第三転動演出装置101と、第一転動演出装置95の下側に配置され第二転動演出装置100により押打された遊技球を第三転動演出装置101に案内する第四転動演出装置102と、第一転動演出装置95の左右に配置され放出された遊技球の流れを夫々整流する第一整流手段500a及び第二整流手段500bと、役物91の上方から流下する遊技球を第一転動演出装置95及び第四転動演出装置102と当接しないように役物91の下流に導くワープ通路510とを備えている。
この役物91は、図3にも示すように、遊技領域の比較的広い範囲内を占めるような大きさとされており、一目で認識できるものとなっている。これにより、本例のパチンコ機1を容易に識別することができると共に、遊技者の関心を引き付け易いようになっている。
(役物用入賞口について)
役物用入賞口92は、役物91の中央かつ上縁部近傍に配置され大きく口を開けたキャラクタ体455の口とされており、これにより、遊技球がキャラクタ体455に飲み込まれるような雰囲気を醸し出すことが可能となり、遊技の面白味を高める効果が期待できるようになっている。
この役物用入賞口92は、キャラクタ体455の口の左右両側に配置された左右一対の可動片456(羽根部材)と、一対の可動片456の間に配置され遊技球を役物内部へと導くための球入口457と、球入口457を通過した遊技球を検出する遊技球検出センサとしてのカウントセンサ319と、カウントセンサ319を通過した遊技球を第一転動演出装置95に受け渡す受渡口458とを備えている。
一対の可動片456は、役物91の裏面に配置されたソレノイド331が駆動されることで、そのプランジャ(図示しない)が直線運動し、その直線運動がリンク機構470を介して駆動軸471を回動運動させることで可動片456が回動するようになっている(図26参照)。この一対の可動片456は、その先端を互いに離反する方向に回動させることで、キャラクタ体455の口の中に遊技球が入球可能となり、また、その先端を互いに接近する方向に回動させることで、キャラクタ体455の口の中に遊技球が入球不能となるようになっている(図27(A)参照)。つまり、一対の可動片456を回動させることで、役物用入賞口92が開閉可能とされている。なお、本例では、一対の可動片456は、夫々別々のソレノイド331により駆動されるようになっている。
この可動片456について図27を基に更に詳しく説明する。図27(A)は本実施形態の役物用入賞口を示す正面図であり、(B)は可動片の動作を示す説明図である。同図(B)に示すように、この可動片456は、ソレノイド331の駆動により回動駆動される駆動軸471を有し駆動軸471を回転中心として回動する主可動片472と、主可動片472の駆動軸471とは異なる位置に回動軸473を有すると共に主可動片472の回動に伴って回動軸473を回転中心として回動する副可動片474とを備えている。つまり、この可動片456は、主可動片472が駆動軸471を、副可動片474が回動軸473を夫々中心として回動可能とされている。
主可動片472は、駆動軸471と共に回動し所定方向に延出する回動延出部475と、回動延出部475の先端に備えられ遊技球を誘導する誘導部476と、回動延出部475の所定位置に設けられ副可動片474のガイド部477に係合する被ガイド部478とを備えている。
一方、副可動片474は、回動軸473の他に、主可動片472の被ガイド部478と係合すると共に被ガイド部478を回動軸473の半径方向にガイド可能なガイド部477と、ガイド部477のガイド方向と略平行とされ遊技球を誘導するための誘導面479とを更に備えている。
なお、この可動片456では、回動軸473、ガイド部477および被ガイド部478が夫々駆動軸471よりも上方に配置されると共に、駆動軸471を中心とした主可動片472の回転半径が、回動軸を中心とした副可動片474の回転半径よりも大とされている。
なお、本例の役物用入賞口92、一対の可動片456、リンク機構470、駆動軸471及びソレノイド331は、本発明の進入口に相当している。
続いて、可動片456の動作について詳細に説明する。この可動片456は、同図(B)において鎖線(一点および二点鎖線)で示すように、役物用入賞口92を閉鎖する位置(第一姿勢)にある場合、主可動片472の被ガイド部478は副可動片474のガイド部477の回動軸473に接近する端部に位置している。この状態では、図示するように、主可動片472の誘導部476が副可動片474の誘導面479上に大きく重なるように位置している。また、図示は省略するが、この状態では、ソレノイド331のプランジャが没入端に位置した状態となっている。
この状態から可動片456を、ソレノイド331の駆動によって駆動軸471を回動(図中反時計回り)させ、図中実線で示すように、役物用入賞口92を開放する位置(第二姿勢)に回動させた場合、駆動軸471の回動により主可動片475が回動すると、被ガイド部478がガイド部477を介して副可動片474を回転方向に押し、これによって副可動片474が主可動片472と同じ方向に回動する。
その際に、主可動片472の被ガイド部478は、副可動片474のガイド部477内を回動軸473から遠ざかる方向に移動する。そして、これら主可動片472及び副可動片477が共に同図において実線で示す位置まで回動すると、ソレノイド331のプランジャの伸長端に達し、回動駆動が停止され、可動片456の回動動作が停止する。この状態では、図示するように、主可動片472の誘導部476が副可動片474の誘導面479上に重なる部分が少なくなり、誘導部476が誘導面479よりも外側に飛出した位置となる。
このように、この可動片456は、開閉動作させることで、主可動片472の誘導部476が副可動片474のガイド部477に沿って相対移動し、可動片456を開くと、誘導部476が副可動片474の誘導面479の先端よりも外側に突出した位置に移動するので、可動片456自体が長くなったように見える。しかしながら、可動片456の回転中心である駆動軸471を中心として最も外側端部までの長さ、換言すれば、主可動片472自体の長さは、変化しないので、現実には可動片456の長さは変化していない。つまり、回動させることで誘導部476と誘導面479との位置が変化するようにすることで、あたかも可動片456の長さが変化したような錯覚を遊技者に与えることができるようになっている。
これにより、可動片456が開動作した時に、可動片456が長くなったように錯覚させることができるので、遊技球が役物用入賞口92に入賞し易いものと思わせることが可能となり、数ある遊技機の中から取り分け本実施形態のパチンコ機1で遊技したいと思わせることができると共に、入賞への期待感が高められ興趣を高めることができる。なお、実際には、開放された一対の可動片456の開口幅は変化しないので、見た目よりは入賞する割合は増加せず必要以上に興趣が高くなるのを抑制すると共に、ホール側の負担が増加するのを抑制することができるようになっている。
なお、上記の可動片456では、ソレノイド331におけるプランジャの没入端と伸長端とによって、駆動軸471の回動端つまり可動片456の回動端が規制されたものを示したが、被ガイド部478は、ガイド部477の両端部に当接することで可動片456の回動端が規制されるものとしても良いし、プランジャ及びガイド部477の両方により回動端が規制されるものであっても良い。
(第一転動演出装置について)
次に、第一転動演出装置95について、図28乃至図31に基づいて詳細に説明する。図28は、第一転動演出装置を概略構成で示す正面図である。図29は、第一転動演出装置の動作を示す説明図である。図30は、第一転動演出装置における遊技媒体の動きを示す説明図である。図31は、第一転動演出装置におけるモータの動作を示すタイムチャートである。
この第一転動演出装置95は、図25、図26及び図28に示すように、左右方向に延び上面に遊技球が転動可能な転動面490を有した長尺状のガイド部材491と、ガイド部材491を回動可能に支持する回動支持軸492手段と、ガイド部材491を回動駆動させる回動駆動手段493(本発明の動作駆動手段に相当)と、ガイド部材491の回動状況を検出する回動検出センサ494とを備えている。
ガイド部材491は、転動面490から遊技球が前側(遊技機に対して遊技者側)に落下するのを防止する堰部495が転動面490の略全長に亘って設けられている。また、転動面490はその前側が低くなるように前後方向において傾斜しており、これにより、転動面490上に投入された遊技球Bが堰部495に沿って転動すると共に、ガイド部材491の後側に配置された受渡口458などに遊技球Bが当接するのを防止するようになっている。
回動駆動手段493は、モータ332と、モータ332の回転により作動するクランク部496と、クランク部496の動きをガイド部材491の一端に設けられたピン497に伝達させるリンク部498とから構成されている。図29に示すように、モータ332を所定方向に回転させることで、ガイド部材491は、クランク部496、リンク部498を介して、回動支持軸492周りをシーソーのように回動するようになっている。なお、図示は省略するが、モータ332とクランク部496との間にはギアを介在しており、本例では、モータ332を一回転させると、ガイド部材491が、二往復シーソーのように回動するようになっている。
ガイド部材491のピン497とは回動支持軸492を挟んで反対側の端部には、回動検出センサ494により検出可能な回動検出部499が設けられている。図29に示すように、この回動検出センサ494は、ガイド部材491が略水平位置となると回動検出部499を検出するような位置に配置されている。なお、本例の回動検出センサ494、回動検出部499は、本発明の動作状況検出手段に相当している。
続いて、第一転動演出装置95における、遊技球Bの動作について図30を基に詳細に説明する。なお、便宜上、反時計回りの回転を正とし、時計回りの回転を負として説明する。ガイド部材491は、モータ332の回転により、所定周期でシーソーのように回動を繰り返しており、その状態で、ガイド部材491の転動面上に遊技球Bが供給される。この時、例えばガイド部材491が同図(ア)に示すように、図中右側が低くなるように傾斜している場合、ガイド部材491上に供給された遊技球Bは、重力によりガイド部材491の右側端部の方向に転動する。その後、ガイド部材491が正の方向に回動してその右側端部が回動支持軸492よりも高くなると、遊技球Bはその転動する方向を折り返して、回動支持軸492の方向に転動する(同図(イ)参照)。なお、遊技球Bには、その転動する方向に慣性力が働くので、ガイド部材491の傾斜方向が変わっても、その遊技球Bの転動方向はすぐには変わらない。
そして、遊技球Bが回動支持軸492に到達する前に、ガイド部材491が負の方向に回動して右側端部が回動支持軸492よりも低くなると、遊技球Bは再び転動する方向を折り返して、ガイド部材491の右側端部の方向へ転動する(同図(ウ)参照)。その後、ガイド部材491が正の方向に回動してその右側端部が回動支持軸492よりも高くなると、再度転動する方向を折り返して、遊技球Bが再び回動支持軸492の方向へ転動する(同図(エ)参照)。この時、遊技球Bの転動の折り返し位置は、前回の折り返し位置よりも、ガイド部材491の右側端部に近い位置となる。これは、遊技球Bがガイド部材491の回動と共に回動支持軸492を中心として回動するので、遊技球Bには、回動支持軸492から遠ざかる方向に遠心力が作用しており、これによって、遊技球Bが回動支持軸492の方向へ移動する距離よりも、ガイド部材491の端部の方向へ移動する距離の方が長くなるためである。
上記のように、ガイド部材491がシーソーのように回動することで、ガイド部材491上の遊技球Bが揺動すると共に、徐々にガイド部材491の端部へと移動し、やがてガイド部材491の端部から放出される(同図(キ)参照)。なお、遊技球Bが放出される過程において、同図(オ)及び(カ)に示すように、ガイド部材491の右側端部の近傍まで転動した遊技球Bが、回動支持軸492の方向へ折り返すような場合もあり、この遊技球Bが放出されそうでされないような動きにより、遊技者に、ハラハラ、ドキドキさせて抑揚に富んだ演出が可能となっている。なお、上記では、ガイド部材491の回動支持軸492よりも右側における遊技球Bの動きを示したが、回動支持軸492よりも左側においても遊技球Bは同様の動きをするものである。
ところで、本例では、モータ332の回転が、図31に示すように、所定の周期で停止するようになっている。具体的には、回動検出センサ494により回動検出部499を所定回数(ここでは4回)検出する毎に、その検出から所定時間後に、モータ332を所定時間停止させることで、ガイド部材491が、右側端部が高くなった位置で所定時間停止するようになっている(図29(A)参照)。これにより、図30(カ)に示すように、回動支持軸492の右側で揺動する遊技球Bを、回動支持軸492の左側へ移動させ、その左側において遊技球Bを揺動させて、ガイド部材491の左側端部から遊技球Bを放出させることができる。
なお、この第一転動演出装置95では、ガイド部材491の長さ、回動角度、回動速度は、ガイド部材491上に供給される遊技球Bの移動速度、移動方向、等が所定の条件を満たす時に、ガイド部材491上を遊技球Bが揺動するようにしており、その条件以外で遊技球Bが供給されると、ガイド部材491上を揺動することなく、何れかから放出される。
また、上記のモータ332の回転制御は、主基板310における主制御基板131のCPU314において、所定のプログラムを実行することで機能する転動演出制御手段によって制御されている。
(第二転動演出装置について)
次に、第二転動演出装置100について、図32乃至図36に基づいて詳細に説明する。図32(A)は第二転動演出装置の構成を示す斜視図であり、(B)は、第二転動演出装置における押打部駆動手段の構成を示す背面図である。図33は、第二転動演出装置における可動演出の状況を示す正面図である。図34は、図32(A)に示す第二転動演出装置の分解斜視図である。図35は(A)は第二転動演出装置における押打部の動作を示す説明図であり、(B)は可動演出手段の演出動作を示す説明図である。図36(A)〜(C)は、第二転動演出装置における遊技球の動きのパターンを示す説明図である。
この第二転動演出装置100は、図示するように、役物91において、ガイド部材491の左側に配置されている。つまり、遊技球が打ち込まれる遊技領域において、その左右方向の中心に対して左側に配置されている。この第二転動演出装置100は、遊技球Bと当接することで遊技球Bを左右方向へ押打可能な押打部531と、押打部531が遊技球Bを押打するように押打部531を移動させる押打部駆動手段532とを備えている。また、第二転動演出装置100には、上記のキャラクタ体455とは異なる態様のキャラクタ体533を更に備えており、このキャラクタ体533の足534が押打部531とされている。また、第二転動演出装置100には、キャラクタ体533の腕541と顔542を可動させて所定の演出動作させる可動演出手段543を更に備えている。
押打部駆動手段532は、押打部531を回動可能に支持すると共に回動駆動させるための回動軸535と、回動軸535に固定された第一ギア536と、第一ギア536と噛合する扇状の第二ギア537と、第二ギア537の回転中心から所定距離離れた位置に配置されたクランクピン538と、クランクピン538を摺動可能に保持するクランクピンホルダ539と、クランクピンホルダ539をプランジャ540の出没(進退)により所定方向に移動させる押打用ソレノイド325とを備えている。
また、押打部駆動手段532は、回動軸535と第一ギア536との間に所定回転角度の遊嵌を有した回転伝達継手525を備えている。この回転伝達継手525は、回動軸535側に固定され第一ギア536側へ突出する二つの突起526を有した第一回転板527と、第一ギア536と一体回転し第一回転板の突起526と係合可能な溝528を有した第二回転板529とから構成されている。この第一回転板527の突起526と第二回転板529の溝528とを互いに係合させることで回転が伝達されるようになっている。また、突起526の幅に対して溝528の幅が所定量大きくされており、これにより、回転方向に対して所定の遊嵌を有した状態となっている(図32及び図34参照)。
更に、押打部駆動手段532は、回転伝達継手525における第一回転板527の外周に所定重量の錘530が取付けられており、この錘530に作用する重力によって、第一回転板527を所定方向に回転(回動)するように付勢している。具体的には、図35(A)に示すように、押打部531が図中実線で示す位置に位置するときは、反時計回りの方向にその付勢力が作用すると共に、押打部531が図中破線で示す位置に位置するときは、時計回りの方向に付勢力が作用するようになっている。なお、押打部531が回動軸535の軸心よりも偏芯した位置に位置しているので、錘530の重量を適宜設定することで、偏芯した押打部531により回動軸535にかかるモーメントを少なくなるようにしても良く、これにより、押打用ソレノイド325の駆動力を少なくすることができ、押打用ソレノイド325を小型化することができる。
この押打部駆動手段532は、押打用ソレノイド325によりプランジャ540を出没させることで、回動軸535を回動させて、キャラクタ体533の足534と共に押打部531を回動させて移動させるものである。なお、本例では、プランジャ540が押打用ソレノイド325に没入すると足534が上がり、プランジャ540を進出させると足534が下がるようになっている。
ところで、図33に示すように、役物91には、第二転動演出装置100の下側に、遊技球Bを転動可能で上方に開放された円弧状の受部105が設けられており、その受部105の底部にハズレ入賞口94が開口している。この受部105の半径は、押打部531の回動中心と略同心上にその中心が配置されると共に、押打部531の回動により描かれるその先端の軌跡よりも若干大きい半径とされている。そして、受部105の図中右側端部は、押打部531が最も上昇した位置よりも所定距離低い位置とされ、後述の第四転動演出手段102の上側端部(左側端部)と接続されている。
本例では、押打部531の移動範囲として、受部105と第四転動演出装置102との境界部よりも下側を第一範囲と、受部105と第四転動演出装置102との境界部よりも上側を第二範囲とするものである。詳しくは、図35(A)に示すように、図中破線と二点鎖線とで示す押打部531の回動範囲が第一範囲とされ、二点鎖線と実線とで示す押打部531の回動範囲が第二範囲とされている。そして、この押打部531の回動移動は、第一範囲内においては、押打用ソレノイド325の駆動により回動移動し、第二範囲内においては、回転伝達継手525における錘530の付勢力により回動移動するようになっている。
なお、本例の第二転動演出装置100が本発明の可動役物に相当している。また、本例の押打部531が本発明の当接部に、本例の押打部駆動手段532が本発明の当接部駆動手段に夫々相当している。また、本例の足534が本発明の当接部支持部材に相当している。更に、本例の錘530が本発明の付勢手段に相当している。
可動演出手段543は、キャラクタ体533の腕(右腕)541がその肩を中心に回動可能とされていると共に、顔(上顎から上の部分)542が上下方向にスライド可能とされている。具体的には、腕541の裏側には、腕541がその一端(肩)を中心に回転可能に支持するための支持ピン520と、支持ピン520から腕541の先端(手)方向へ所定距離離れた位置に設けられたピン状の突起521とが夫々突設されており、腕541の支持ピン520がキャラクタ体533の肩部に回転可能に支持されている。また、顔542の裏側にも、後方に突出する支持ピン522が設けられている。
また、可動演出手段543は、キャラクタ体533の後側に配置され、プランジャ544を出没可能に駆動する役物用ソレノイド362と、役物用ソレノイド362のプランジャ544の出没量を増幅させるリンク機構545と、リンク機構545により上下方向に移動するスライド板部材とを備えている(図32(A)及び図34参照)。
このスライド部材546には、キャラクタ体533の顔542に突設された支持ピン522を回転可能に軸支するための支持部523と、腕541の突起521に下方から当接可能とされた突起当接部524とが形成されている。なお、スライド部材546の裏面(キャラクタ体533とは反対側の面)には、リンク機構545と連結する連結部547が設けられている。
この可動演出手段543は、役物用ソレノイド362によりスライド部材546が上昇することで、顔542が上昇すると共に、スライド部材546の突起当接部が腕541の突起と当接することで、腕541が図33中時計回りに回動するようになっている(図35(B)参照)。なお、顔542の支持ピン522がスライド部材546の支持部523に軸支されているので、顔542が上昇した際に、その勢いにより顔542が支持部523の軸を中心に揺動するようになっている。
なお、本例の突起521、支持ピン522、及びスライド部材546が、本発明の演出移動手段に相当している。
続いて、第二転動演出装置100の動作について説明する。この第二転動演出装置100は、役物用入賞口92のカウントセンサ319により遊技球Bが検出されると、押打用ソレノイド325により、押打部531を、図25中二点鎖線で示す位置まで回動させて、遊技球Bを押打することが可能となる。具体的には、カウントセンサ319により遊技球Bが検出されてから所定時間後(例えば、0.5〜2.5秒後)に押打部531を回動させる。これにより、役物用入賞口92に進入した遊技球Bが、ガイド部材491上を揺動した上で第二転動演出手段100により押打可能な押打領域に到達する頃に、押打部531が回動するので、押打部531により遊技球Bを押打することができる。なお、実際には、遊技球Bが第二転動演出装置100に到達する到達時間が区々となるので、押打部531が作動するタイミングと、遊技球Bが到達するタイミングとが一致し難く、ガイド部材491上を揺動する遊技球の動きに、一層、ハラハラ、ドキドキさせて興趣を高めることができる。
この第二転動演出装置100における押打部531の動きを更に詳細に説明すると、第二転動演出装置100では、押打部531が回動移動するタイミングと、第一整流手段500aから遊技球Bが供給される(ガイド部材491から遊技球Bが放出される)タイミングとによって、遊技球Bに様々な動きを付与することができるものである。具体的には、押打部531が押打用ソレノイド325の駆動により、第一範囲の略上端部に到達したタイミングで遊技球Bが供給されると、遊技球Bが押打部531と当接して第四転動演出装置102へと押打される(図36(A)参照)。これにより、遊技球Bが押打されるので、インパクトのある動きを付与することができる。
一方、押打部531が、押打用ソレノイド325の駆動により第一範囲の上端に達した後に、更に、錘530の付勢力により第二範囲の上端付近に到達したタイミングで遊技球Bが供給されると、押打部531と当接した遊技球Bの力が錘530による付勢力に抗して、押打部531を下側(第二範囲の下端)へ回動移動させると共に、遊技球Bが押打部531と共に下降して第四転動演出装置102へと送られる(図36(B)参照)。これにより、流下する遊技球Bを、一旦押打部531に受けるように当接させた上で下降させて送ることができるので、遊技球Bの動きにアクセントを付けて楽しませることができる。
また、押打手段531が、押打用ソレノイド325の駆動により第一範囲の上端に達する前に遊技球Bが供給された場合、第一整流手段500aから放出された遊技球Bが、役物91の受部105と第四転動演出装置102との境界部を通過して、受部105に受けられると共に、受部105に沿ってハズレ入賞口94の方向へ転動し、その転動途中において、押打用ソレノイド325の駆動により図中反時計周りの方向へ回動移動する押打部531と当接した上で、押打部531によって受部105に沿って上昇させられ、受部105の上端から第四転動演出装置102へと送られる(図36(C)参照)。これにより、遊技球Bが第四転動演出装置102との境界付近を通過すると、第四転動演出装置102側に送られないような錯覚を起こし興趣が低下するが、通過しても押打部531と当接することで境界付近まで上昇して第四転動演出装置102側に送られると興趣が高められ、遊技者を一喜一憂させることが可能な遊技球Bの動きとすることができる。
なお、この第二転動演出装置100は、押打部531により押打した遊技球Bを、第四転動演出装置102に送ると共に、押打されずに押打領域を通過した遊技球Bを、第二転動演出装置100の下側に配置されたハズレ入賞口94から、遊技領域外へ排出するようになっている。なお、本例のハズレ入賞口94は、本発明の排出口に相当している。
また、上記の押打用ソレノイド325の駆動制御は、主基板310における主基板131のCPU314において、所定のプログラムを実行することで機能する当接部制御手段によって制御されている。
ところで、第二転動演出装置100は、上述した遊技球Bの転動演出だけでなく、キャラクタ体533を可動させることで、所定の可動演出をすることもできるものである。なお、第二転動演出手段100の上流側に配置された第一整流手段500aには、その内部を通過した遊技球Bを検出する遊技球センサ361が設けられており、この遊技球センサ361は、周辺基板311(サブ統合基板336)に接続されている(図11参照)。この第二転動演出装置100は、役物用入賞口92に進入した遊技球Bを検出するカウントセンサ319と、ガイド部材491の動作状況(回動状況)を検出する回動検出センサ494と、第一整流手段に設けられた遊技球センサ361との検出結果に応じて、所定の可動演出をするようになっている。
具体的には、主基板310(主制御基板131)において、カウントセンサ319により遊技球Bを検出したときに、回動検出センサ494によりガイド部材491の傾きが、第二転動演出装置100側が低くなるような回動状況であると、遊技球が第二転動演出装置100側に放出される可能性が高いことを示唆する制御コマンドを周辺基板311に送信する。そして、周辺基板311では、上述の制御コマンドを受信した後に、所定時間内に遊技球センサ361により遊技球Bが検出されると、役物用ソレノイド362を駆動して、可動演出手段543におけるキャラクタ体533の腕541を回動させると共に顔542を上昇させる。この可動演出手段543を可動させる所定時間(タイミング)は、上述した、主基板310による押打部531の回動タイミングと略一致しており、これにより、キャラクタ体533は、図33(図35(B))に示すような手足を曲げ大きく口を開けて頭(顔542)を揺らした独特のポーズをすることとなる。つまり、遊技球Bが、押打部531により押打される可能性が極めて高いと、可動演出としてキャラクタ体533が独特のポーズをして、チャンスの到来を遊技者に示唆して興趣を高められるようになっている。なお、可動演出手段543の制御を周辺基板311によって行っているので、キャラクタ体533を可動演出させても主基板310の負荷を抑制することができるようになっている。なお、周辺基板311には、上記の可動演出を制御するための可動演出制御手段が備えられている。
なお、上記の役物用ソレノイド362の駆動制御は、周辺基板311におけるサブ統合基板336のCPU350において、所定のプログラムを実行することで機能する可動演出制御手段によって制御されている。
(第三転動演出装置について)
次に、第三転動演出装置101について、図37乃至図40に基づいて詳細に説明する。図37(A)は第三転動演出装置の断面図であり、(B)は第三転動演出装置の分解斜視図である。図38は、役物における第三転動演出装置近傍を拡大して示す正面図である。図39は、第三転動演出装置の動作を示す説明図である。図40は、第三演出装置の図39とは異なる動作を示す説明図である。この第三転動演出装置101は、第一転動演出装置95又は第二転動演出装置100から送られた遊技球Bを、大当り入賞口93又はハズレ入賞口94の何れかに振り分けて導くものである。
なお、本例の第三転動演出装置101は、本発明の誘導手段に相当している。
この第三転動演出装置101は、遊技球Bを収容可能な複数の収容部550と、それら収容部550を周方向に複数配置した回転体552と、回転体552を回転させることで収容部550を移動させる移動手段551とを備えている。この移動手段551は、回転体552を回転駆動させるための回転軸553と、回転軸553に固定され回転体552の回転位置を検出するための回転検出部554と、回転軸553を回転駆動する回転体用モータ326とを備えている。なお、本例では、回転体用モータ326から回転軸553への回転伝達は、一組のギア555を介して伝達されるようになっている。また、本例では、収容部550が基本的に、その前方側と、回転体552の半径方向外側が開放された形態とされている。
この第三転動演出装置101には、回転体552の後方側(遊技者が位置する側とは反対側)に配置され、大当り入賞口93を有し、大当り入賞口93に入球した遊技球Bを大当り入賞センサ330へ導く大当り誘導部556と、回転体552の外周を覆うと共にその周方向の所定位置にハズレ入賞口94を有し、ハズレ入賞口94に入球した遊技球Bをハズレ入賞センサ329へ導くハズレ誘導部557とを更に備えている。なお、本例では、ハズレ誘導部557は、ハズレ入賞口94を有し回転体552の外周を覆ってその半径方向外側が開放された収容部550から遊技球Bがその半径方向外側へ移動するのを阻止する筒状部558と、ハズレ入賞センサ329へ遊技球Bを導く誘導部559とが、夫々別部材により構成されている(図39及び図40参照)。
収容部550は、回転体552の外周からその中心部に向かって延びる長さの短い第一収容部550aと、第一収容部550aよりも、少なくとも遊技球Bの長さ分、回転体552の外周からその中心部に向かって延びる長さの長い第二収容部550bとからなっており、本例では、第一収容部550aと第二収容部550bとが、夫々四つずつ回転体552の周方向に交互に配置されている。なお、収容部550では、第二収容部550bの一つが、遊技球Bを大当り入賞口93へと導く特定収容部550cとされており、この特定収容部550cは、回転体552の前後方向に開放されると共に、半径方向には開放されていない形態とされている。また、特定収容部550c以外の収容部550は、全て遊技球Bをハズレ入賞口94へと導くものとされている。
回転体552は、第一収容部550aよりも中心側の位置において、前方側に所定量突出した突出部560が形成されており、この突出部560においても、その半径方向の外側から連続するように第二収容部550bが設けられている。つまり、回転体552の突出部560には、第二収容部550bが備えられている。なお、本例では、図37(B)に示すように、回転体552の突出部560は、特定収容部550cと共に、回転体552の本体とは別部材により構成されている。また、回転体552は、その軸の延出方向が、遊技盤5に対して略直角方向とされている。
この第三転動演出装置101には、全ての収容部550、つまり、第一収容部550a及び特定収容部550cを含む第二収容部550bで遊技球Bの収容が許容される第一収容領域と、特定収容部550cを含む第二収容部550bのみが遊技球Bの収容を許容される第二収容領域とを仕切る仕切り部561を更に備えている。この仕切り部561は、図38に示すように、回転体552の突出部560を挿通可能な挿通孔562と、挿通孔562の下側に配置され回転体552における第一収容部550aに望むように扇状に開口する開口部563とを有し、回転体552の前面に配置される板状の仕切り板564から構成されている。また、仕切り部561には、挿通孔562の略外周に沿うように前方に延びだし挿通孔562に挿通された回転体552の突出部560の外周を所定範囲覆う被覆部565が更に備えられている。この仕切り部561は、図38に示すように、挿通孔562の図中左側に、仕切り板564から前方に延び、ガイド部材491からの遊技球Bを挿通孔562へ導くL字形状の壁部566を更に備えている。なお、本例では、仕切り板564が略透明な素材により形成されており、仕切り板564を介して回転体552が見えるようになっている。
この第三転動演出装置101は、仕切り部561により挿通孔562に回転体552の突出部560を挿通させることで第一収容領域が形成される共に、その下側の開口部563により第二収容領域が形成されるようになっている。つまり、ガイド部材491からの遊技球Bが回転体552の突出部560に備えられた四つの第二収容部550bの何れかに収容されるようになっていると共に、押打部531により押打された遊技球Bが回転体552の八つの収容部550(第一収容部550a及び特定収容部550cを含む第二収容部550b)の何れかに収容されるようになっている。
なお、本例では、第二収容部550bの一つが大当り入賞口93へ遊技球Bを導く特定収容部550cとされているので、その特定収容部550cに遊技球Bが収容される確率は、ガイド部材491から流出したものが1/4、押打部531により押打されたものが1/8の確率となっている。
なお、本例の第三転動演出装置101が、本発明の誘導手段に相当している。
続いて、第三転動演出装置101の動作について説明する。この第三転動演出装置101は、遊技球Bの収容部550を有した回転体552が、回転体用モータ326により、時計回りに所定速度で回転させられている。そして、回転体552を回転させた状態で、遊技球Bが供給されると、何れかの収容部550に収容される。例えば、ガイド部材491の右側端部から流出した遊技球Bの場合は、仕切り部561により回転体552の突出部560に配置された四つの第二収容部550bの何れかに収容された後に、回転体552の回転に伴って遊技球Bが移動し、その第二収容部550bが回転体552の中心よりも下側に位置すると、遊技球Bは、第二収容部550bにおいて回転体552の半径方向外側の位置に移動する。一方、押打部531により押打された遊技球Bの場合は、第四転動演出装置102及び仕切り部561の開口部563を介して、回転体552における全ての収容部550の何れかに収容された後に、回転体552の回転と共に、回転体552の半径方向外側の位置に保ったまま移動する。
そして、遊技球Bが特定収容部550cに収容された場合は、図39に示すように、回転体552の回転に伴って時計回りに移動し、大当り入賞口93が開口する位置に達すると、特定収容部550cはその後方側が開放されているので、そこから遊技球Bが大当り入賞口93に入球し、大当り誘導部556を通って大当り入賞センサ330に検出された後に遊技領域外へ排出される。なお、特定収容部550cは、半径方向外側には開放されていないので、ハズレ入賞口94に到達しても入球することはない。
一方、遊技球Bが特定収容部550c以外の収容部550に収容された場合は、図40に示すように、回転体552の回転に伴って時計回りに移動し、ハズレ誘導部557の筒状部558に開口するハズレ入賞口94に達すると、これらの収容部550は、半径方向に開放されているので、そこから遊技球Bがハズレ入賞口94へと入球し、ハズレ誘導部557を通ってハズレ入賞センサ329に検出された後に遊技領域外へと排出される。なお、特定収容部550c以外の収容部550は、その後方側が開放されていないので、その収容部550が大当り入賞口93に到達しても入球することはない。
このように、第三転動演出装置101は、回転体552に複数の収容部550を備えて、供給された遊技球Bを特定収容部550c又はそれ以外の収容部550の何れかに収容させることで、遊技球を大当り入賞口93又はハズレ入賞口94に誘導して振り分けることができる。これにより、特定収容部550cに収容されることで大当りが得られるので、供給された遊技球Bが、特定収容部550cに収容される否かに重大な関心を寄せ、遊技球Bの動きと回転体552の回転により遊技球が収容されるまでの間、ハラハラ、ドキドキさせて、興趣を高められるものとなっている。
(第四転動演出装置について)
次に、第四転動演出装置102について詳細に説明する。この第四転動演出装置102は、図25及び図26に示すように、第二転動演出装置100における押打部531により押打された遊技球を、第三転動演出装置101へと案内するものである。この第四転動演出装置102は、本発明の案内手段に相当している。
この第四転動演出装置102は、図示するように、ガイド部材491の下方に配置され、第二転動演出装置100側から第三転動演出装置101側へ緩く傾斜するように延びる案内面571を有している。この案内面571は、ガイド部材491と略同じ長さとされていると共に、その下流側先端には、第三転動演出装置101の開口部563の下縁形状と一部が略一致するような円弧状の揺動面572が設けられている。
この第四転動演出装置102では、第二転動演出装置100からの遊技球を、所定長さの案内面571上を転動させることで、遊技球の動きを認識できるようにしており、これにより、遊技球が第三転動演出装置101に到達するタイミングが、第三転動演出装置101における回転体552の回転による特定収容部550cに収容されるタイミングとなるか否かを楽しませるようになっている。また、案内面571の先端に揺動面572が設けられているので、遊技球はその揺動面を揺動した後に回転体552に備えられた収容部550に収容されるので、その遊技球の揺動具合によって、収容部550に収容されるタイミングが区々となるので、遊技者をハラハラ、ドキドキさせて楽しませることができるようになっている。
なお、本例では、案内面571を滑らかな面としたものを示したが、案内面571に複数の凹凸を設けて、案内される遊技球の動きに変化を付けて、その動きを楽しませるようにしても良い。
(整流手段について)
次に、整流手段について詳細に説明する。本例の整流手段は、図25及び図26に示すように、ガイド部材491の左側端部の左斜め下には、ガイド部材491の左側端部から放出された遊技球を受けて、その動きを整流させる第一整流手段500aが備えられている。この第一整流手段500aは、その左側に上下方向に延びる仕切り部501と、仕切り部501の下端に遊技球を受けると共に役物91の奥へと導く受部502と、受部502の下側に配置され受部502により受けられた遊技球を遊技領域へと流出させる流出口503とを備えている。この第一整流手段500aにより受けられた遊技球は、仕切り部501及び受部502により整流され、流出口503からその下方に配置された第二転動演出装置100に送られるようになっている。
また、ガイド部材491の右側端部の右斜め下には、ガイド部材491の右側端部から放出された遊技球を受けて、その動きを整流させる第二整流手段500bが備えられている。この第二整流手段500bは、上部が開放されたカップ形状とされており、この第二整流手段500bに受けられた遊技球は、渦巻状に回転しながら整流され、第三転動演出装置101に送られるようになっている。なお、第二整流手段500bは、図示するように、第三転動演出装置101の上方に配置されたキャラクタ体504のどんぶりとされており、そのどんぶり内で遊技球を旋回させることで、面白味を増させている。なお、このキャラクタ体504は、本例の第二キャラクタ体に相当している。
これら第一整流手段500a及び第二整流手段500bにより、ガイド部材491により振り分けられた遊技球が整流されて、スムーズに下流の第二転動演出装置100や第三転動演出装置101へ受け渡しできるようになっている。
なお、本例の第二整流手段500bは、第三転動演出装置101の仕切り部561の一部が備えられており、第二収容領域へ遊技球を確実に誘導できるようになっている。
(ワープ通路について)
次に、ワープ通路について詳細に説明する。本例のワープ通路は、図25及び図26に示すように、ワープ通路510は、役物用入賞口92の左右に配置され、遊技盤5を流下する遊技球を受ける受取口511と、受取口511により受けられた遊技球をガイド部材491と当接することなく、ガイド部材491の下方に導く誘導路512と、誘導路512により導かれた遊技球を第四転動演出装置102と当接することなく遊技盤5に流出させる流出口513とを備えている。本例のワープ通路51が本発明の遊技媒体誘導路に相当している。この受取口511は、役物用入賞口92の可動片456が開いた状態では、その上方が略覆われるような位置及び大きさとされている。
このワープ通路510は、ガイド部材491の上方において、役物用入賞口92に入賞しなかった遊技球を受取口511により受けられるようになっており、受渡口458以外からガイド部材491に遊技球が供給されないようになっている。これにより、ガイド部材491及び第四転動演出装置102上を揺動及び転動する遊技球に、無用に他の遊技球が当接して、遊技球の揺動や転動を阻害しないようになっている。
[演出表示装置における演出表示について]
次に本実施形態における演出表示装置115に表示される演出表示の制御処理について、図41〜図52に基づき説明する。図41は演出表示制御における機能的な構成を示すブロック図である。図42は演出表示制御手段による演出表示処理を示すフローチャートである。図43は具体的な演出例を示す図である。図44は第二演出態様表示処理を示すフローチャートである。図45は具体的な演出例を示す図である。図46は第三演出態様表示処理を示すフローチャートである。図47は特別第三演出態様におけるハズレ演出態様の表示を示すフローチャートの一部を示す説明図である。図48は具体的な演出例を示す図である。図49は第三演出態様表示処理における特定演出態様及び特別特定演出態様の表示処理を示すフローチャートである。図50は第二転動演出装置の動作と特定演出態様の表示とを拡大して示す正面図である。図51は特定演出態様の具体的な演出例を示す図である。図52は第二転動演出装置の可動演出と特別特定演出態様の表示とを示す正面図である。
本例のパチンコ機1では、役物91の略中央に演出表示装置115が配置されており、この演出表示装置115に、キャラクタや背景等を表示させると共に、遊技状態に応じて、それらキャラクタ等の表示態様を変化させることで、遊技者に所定の演出表示を楽しめるようにしたり、遊技状態を認識できるようにしたりするものである。
(演出表示制御における機能的構成について)
キャラクタや背景等の演出表示制御における機能的な構成、すなわち、演出プログラムとして実現される機能的な構成と、それらの構成を用いた具体的な演出表示の例を説明する。図41に示すように、主基板310には、役物91内部に配置された第三転動演出装置101によって大当り入賞口93に遊技球が入球し大当り入賞センサ330により検出されると抽選手段として乱数を発生させる乱数発生手段611と、乱数発生手段611によって発生した乱数、すなわち抽選結果に基づいて、大当りとして遊技者に有利な有利遊技状態(図24に示す大当り処理)を発生させる有利遊技状態発生手段612と、乱数発生手段611によって発生した乱数、すなわち抽選結果を制御コマンドとして周辺基板311(具体的にはサブ統合基板336)へ送信するコマンド送信手段613とが備えられている。なお、有利遊技状態発生手段612は、役物用入賞口92に入賞した遊技球をカウントするためのカウントセンサ319からの検出信号に応じて、有利遊技状態の発生を制御している。
また、主基板310には、始動口としての第一始動入賞口96、第二始動入賞口97に遊技球が入球し第一始動口センサ318a、第二始動口センサ318bからなる始動口センサ318により検出されると、ソレノイド311により可動片456を駆動することで役物用入賞口92の開閉を制御する開閉制御手段614と、第一転動演出手段95におけるガイド部材491の回動状況を検出する回動検出センサ494からの検出結果により、ガイド部材491を回動駆動させるモータ332を制御してガイド部材491上で遊技球が揺動するように制御する転動演出制御手段615とを更に備えている。なお、始動口センサ318、回動検出センサ494、カウントセンサ319、及び回転位置検出センサ321からの検出信号は、コマンド送信手段613を介して周辺基板311へ送信されるようになっている。
一方、周辺基板311には、主基板から送信される制御コマンドを受信するコマンド受信手段631と、コマンド受信手段631によって受信された制御コマンドに基づいて、演出表示装置115に所定の演出表示を表示させる演出表示制御手段632と、コマンド受信手段631により受信された制御コマンドのうち始動口センサ318、カウントセンサ319、回動検出センサ494、及び回転位置検出センサ321に関する制御コマンドによってガイド部材491の第三転動演出装置101の方向に放出される遊技球の放出度合を判定して演出表示制御手段632に判定された放出度合を出力する放出度合判定手段633とを備えている。なお、演出表示制御手段632には、遊技球センサ361からの検出信号が送られるようになっている。
演出表示制御手段632は、キャラクタを動的に表示させるキャラクタ制御手段634と、背景を動的に表示させる背景制御手段635と、図柄を動的に表示させる図柄制御手段636とを備え、主基板310からの制御コマンドに応じて、キャラクタ制御手段634、背景制御手段635、及び図柄制御手段636によって、記憶手段(例えば、サブ統合基板336や電飾制御基板338のROM351やROM371)に予め記憶されているキャラクタや背景等の静止画や動画等の画像から所定の画像を呼出して、所定の演出態様を演出表示装置115に表示させるものである。つまり、遊技状態に応じた所定の演出態様を表示するようになっている。
演出表示制御手段632は、遊技状態に応じて演出表示装置115に表示させる演出表示の演出態様を変更する演出態様変更手段637を更に備えている。この演出態様変更手段637には、演出態様を変更させるものとして、キャラクタや背景等の移動速度を変更させる速度変更手段638、放出度合判定手段633により判定された放出度合に基づいてキャラクタや背景等を所定の演出表示する放出度合表示制御手段639とを有している。この放出度合表示制御手段639は、例えば、放出度合に応じて、キャラクタの色、表情、ポーズ等を変更することで遊技者に放出度合が認識できるようにするものである。
なお、本例のカウントセンサ319は本発明の進入検出手段に、また、遊技球センサ361は本発明の通過検出手段に夫々相当している。また、本例の回転位置検出センサ321及び回転検出部554(図37参照)は、本発明の回転状況検出手段に相当している。
(演出表示処理について)
次に、上述の構成による演出表示処理について図42及び図43に基づいて具体的に説明する。本例のパチンコ機1では、演出表示処理として、図42に示すように、先ずステップS1801において、第一演出態様表示処理が行われる。このステップS1801において演出表示装置115に表示される第一演出態様は、図43(a)に示すように、画面の略中央に所定のキャラクタC1が表示されると共に、キャラクタC1の後に背景H(塀や道)が表示され、このキャラクタC1は、その向きを所定方向(ここでは、第二転動演出装置100のある図中左方向)に向けられると共に、歩いているように手足を動かす表示がなされる。一方、背景Hは、キャラクタC1の手足の動きに合った速度(第一速度)でキャラクタC1の向く方向とは逆方向(例えば図中右方向)へ移動表示され、これにより、キャラクタC1があたかもその進行方向(左方向)へ向かって歩いているような演出態様となっている。
また、ステップS1801における第一演出態様表示処理では、単にキャラクタC1が歩いている演出表示だけでは遊技者に飽きられ易くなるため、周辺基板311に備えられた図示しない乱数発生手段により取得された乱数に応じて、画面上に、犬C2、蛙C3、鳥C4、小物(缶)C5、等が適宜表示されるようになっており、演出表示を飽き難くして、面白味のあるものとしている。
演出表示装置115に第一演出態様が表示されると、続くステップS1802において、始動口センサ318(第一始動口センサ318a,第二始動口センサ318b)において、遊技球が検出されたか否かを判断し、遊技球が検出されるまで、ループするようになっている。つまり、遊技球が始動口(第一始動入賞口96又は第二始動入賞口97)に入球されるまで、演出表示装置115には、第一演出態様が表示され続けるようになっている。
そして、ステップS1802では、始動口センサ318において遊技球が検出されると、ステップS1803へと進み、第一演出態様表示処理に代えて、第二演出態様表示処理が行われる。この第二演出態様表示処理は、演出表示制御手段632における演出態様変更手段637によって第二演出態様に変更されるもので、具体的には、図43(b)に示すように、キャラクタC1の向きはそのままで、キャラクタC1が走っているような表示がなされると共に、背景Hが速度変更手段638により第一速度よりも速い第二速度で図中右側へ移動表示される。これにより、キャラクタC1があたかも走っているような演出表示がなされる。
なお、第二演出態様では、図示は省略するが、遊技球が入球した始動口の種類(第一始動入賞口96,第二始動入賞口97)によって異なる背景等が表示されるようにしても良い。また、図示は省略するが、この第二演出態様においても、第一演出態様と同様に、キャラクタC1以外のキャラクタ等を、取得した乱数等により適宜表示するようにしても良い。
ステップS1803において、第二演出態様が表示されると、続くステップS1804において、カウントセンサ319によって遊技球が検出されたか否かを判断し、遊技球が検出されなければ、続くステップS1805において、始動口センサ318により遊技球が検出されてから所定時間経過したか否かを判断し、所定時間経過していなければ、ステップS1804に戻って再び、カウントセンサ319による遊技球の検出を判断する。つまり、所定時間が経過するまでカウントセンサ319、すなわち役物用入賞口92に遊技球が入球したか否かが判断されると共に、第二演出態様が表示され続ける。なお、ステップS1805における所定時間は、遊技球が入球した始動口の種類(第一始動入賞口96,第二始動入賞口97)によって異なっており、第二始動入賞口97への入球の方が、第一始動入賞口96への入球よりも所定時間が長い時間とされている。
そして、所定時間が経過してもカウントセンサ319による遊技球の検出がなれければ、ステップS1805からステップS1806へと進み、演出態様変更手段637によって第二演出態様から第一演出態様に変更され、当初の表示状態に戻される。
一方、ステップS1804において、所定時間内にカウントセンサ319により遊技球が検出されると、ステップS1807へと進み、第二演出態様表示処理に代えて、第三演出態様表示処理が行われる。この第三演出態様表示処理は、具体的な表示内容としては、まず、図43(c)に示すように、カウントセンサ319により遊技球が検出されると、キャラクタC1の頭上にタライC6が落下してキャラクタC1に当たると共に、第二演出態様において移動表示されている背景Hが停止表示される。その後、図43(d)に示すように、キャラクタC1が上を見上げながら顔を左右に振る演出表示がなされる。
この第三演出態様は、詳述すると、演出表示装置115がガイド部材491の左右方向略中央の直下に配置されており、役物用入賞口92に入球し球入口457を通ってその下方の受渡口458からガイド部材491上へと受け渡される遊技球の動きと連動するように、タライC6がキャラクタC1の頭上に落下するような演出表示がなされるので、この演出表示により、遊技者に遊技球がタライC6に変化してキャラクタC1に当たったように錯覚させることができ、面白味のある演出表示となっている。更に、その後、キャラクタC1が上を見ながらキョロキョロし、演出表示のストーリーとしてはタライC6が何処から落ちてきたのかを不思議がるものであるが、ガイド部材491上を左右方向に揺動する遊技球と、キャラクタC1のキョロキョロ表示とが重なって、あたかもキャラクタC1が揺動する遊技球を見ているような演出表示となって、遊技者を楽しませるような演出表示となるようになっている。
そして、ステップS1807において、第三演出態様が表示されると、続くステップS1808において、大当り入賞センサ330によって遊技球が検出されたか否かを判断し、遊技球が検出されなければ、続くステップS1809において、始動口センサ318或いはカウントセンサ319により遊技球が検出されてから所定時間経過したか否かを判断し、所定時間経過していなければ、ステップS1808に戻って再び、大当り入賞センサ330による遊技球の検出を判断する。つまり、所定時間が経過するまで大当り入賞センサ330、すなわち大当り入賞口93に遊技球が入球したか否かが判断されると共に、第三演出態様が表示され続ける。なお、このステップS1809における所定時間は、上述のステップS1805と同様の時間としても良いし、カウントセンサ319による遊技球の検出からの時間としても良い。
そして、所定時間が経過しても大当り入賞センサ330による遊技球の検出がなれければ、ステップS1809からステップS1806へと進み、演出態様変更手段637によって第三演出態様から第一演出態様に変更され、当初の表示状態に戻される。
一方、ステップS1808において、所定時間内に大当り入賞センサ330により遊技球が検出されると、ステップS1810において、第三演出態様表示処理に代えて、大当り演出態様表示処理が行われる。この大当り演出態様表示処理は、詳細は省略するが、例えば、図48(b)に示すような、大当りであることを示唆する表示をした後に、乱数発生手段611により発生された乱数(抽選結果)に応じた、有利遊技状態におけるラウンド演出表示や、カウントセンサ319によるカウント演出表示等の所定の演出表示がなされ、有利遊技状態が終了すると、ステップS1806へと進み、演出態様変更手段637によって第一演出態様に変更され、当初の表示状態に戻される。
ところで、本例のパチンコ機1では、始動口センサ318、カウントセンサ319、回動検出センサ494、及び回転位置検出センサ321からの検出信号に基づいて、放出度合判定手段633によって、ガイド部材491上の遊技球が第三転動演出装置101の方向へ放出される放出度合が判定され、演出表示制御手段632において、その放出度合に応じて(放出度合が高い(例えば、75〜100%))、第二演出態様及び第三演出態様を、夫々特別演出態様として特別第二演出態様及び特別第三演出態様に変更して、演出表示による面白味を付加して興趣を高められるようになっている。
(第二演出態様表示処理について)
次に、第二演出態様表示処理について、図44及び図45に基づいて詳細に説明する。図42に示すフローチャートのステップS1803において、第二演出態様表示処理が実行されると、まず、ステップS1901において、ガイド部材491の回動状況(動作状況)を取得する。具体的には、ガイド部材491は、図31に示すように、所定周期でモータ332により回動させられており、モータ332の回転位置検出センサ321と回動検出センサ494による検出とによって、始動口センサ318に遊技球が検出された時点の、ガイド部材491の回動角度や回動方向、及び回動位置等が取得される。
ステップS1901において、ガイド部材491の回動状況が取得されると、続くステップS1902において、その取得した回動状況を基に、ガイド部材491から遊技球が第三転動演出装置101の方向へ放出される確率を取得する。具体的には、ガイド部材491の回動角度や方向を所定の演算式に代入することで計算により放出度合を取得する。或いは、ガイド部材491の回動角度や方向と放出度合との関係をテーブルとして予め記憶手段(ROM351又はROM371)に記憶させておき、取得した回動状況に基づいて記憶手段から抽出することで放出度合を取得する。
そして、続くステップS1903では、ステップS1902で取得した放出度合が所定以上(例えば、75%以上)であるか否かを判断し、放出度合が所定未満であれば、ステップS1904へ進み、図43(b)に示すような第二演出態様を表示させる。一方、ステップS1903において、放出度合が所定以上であると判断された場合、ステップS1905へと進み、特別第二演出態様を表示させる。
この特別第二演出態様は、図45(a)に示すように、演出態様変更手段637によって、第一演出態様に対して、キャラクタC1を第三転動演出装置101の方向(大当り入賞口93の配置された方向)に向けられると共に、速度変更手段638により背景を、上述の第二演出態様における第二速度よりも速い第三速度でキャラクタC1の向く方向とは反対方向に移動表示させるものである。これにより、キャラクタC1が大当り入賞口93のある方向に向かって急いで走っているような演出表示をさせることができ、この演出表示により、遊技者に遊技球が大当り入賞口93側へ放出されることを示唆することができるものである。
また、特別第二演出態様では、放出度合表示制御手段639により、図45(b)に示すように、放出度合の値に応じて、キャラクタC1の顔を変化(例えば驚いたような表情に変化)させると共に、その色も変更(例えば肌色から赤色に変更)し、キャラクタC1が、より大急ぎで大当り入賞口93側へ走るような演出表示をさせることで、遊技者にその方向に放出される可能性(確率)が高いことを示唆するようになっている。
(第三演出態様表示処理について)
次に、第三演出態様表示処理について、図46〜図48に基づいて詳細に説明する。図42に示すフローチャートのステップS1807において、第三演出態様表示処理が実行されると、まず、ステップS2001において、第二演出態様表示処理において、特別第二演出態様が表示されたか否かが判断され、特別第二演出態様が表示されていない場合は、ステップS2002へと進み、図43(c)及び(d)に示すような第三演出態様が表示される。
一方、ステップS2001において、特別第二演出態様が表示されたと判断した場合、続くステップS2003において、ガイド部材491の回動状況(動作状況)を取得する。具体的には、ガイド部材491は、図31に示すように、所定周期でモータ332により回動させられており、モータ332の回転位置検出センサ321と回動検出センサ494による検出とによって、始動口センサ318に遊技球が検出された時点の、ガイド部材491の回動角度や回動方向、及び回動位置等が取得される。
ステップS2003において、ガイド部材491の回動状況が取得されると、続くステップS2004において、その取得した回動状況を基に、ガイド部材491から遊技球が第三転動演出装置101の方向へ放出される確率を取得する。具体的には、ガイド部材491の回動角度や方向を所定の演算式に代入することで計算により放出度合を取得する。或いは、ガイド部材491の回動角度や方向と放出度合との関係をテーブルとして予め記憶手段(ROM351又はROM371)に記憶させておき、取得した回動状況に基づいて記憶手段から抽出することで放出度合を取得する。
そして、続くステップS2005では、ステップS2004で取得した放出度合が所定以上(例えば、75%以上)であるか否かを判断し、放出度合が所定未満であれば、ステップS2002へ進み、図43(c)及び(d)に示すような第三演出態様を表示させる。一方、ステップS2005において、放出度合が所定以上であると判断された場合、ステップS2006へと進み、特別第三演出態様を表示させる。
この特別第三演出態様は、図48(a)に示すように、演出態様変更手段637によって、キャラクタC1が拡大表示されると共に、キャラクタC1の前後に炎を示す背景Hが表示されると共に、キャラクタC1の表情が炎に炙られて熱がっているような表情に変更表示される。これにより、キャラクタC1が炎に包まれて大変な状態になっている演出表示がなされ、遊技者に熱い状態であることを認識させることで遊技球が第三転動演出装置101の方向、つまり、大当り入賞口93の方向へ放出される可能性が高いことを示唆し、チャンスの到来を認識させて、演出表示と同様に遊技者を熱くさせて興趣を高める効果が期待できるようになっている。
そして、図42のフローチャートに示すようにステップS1808及びステップS1809において、所定時間内に大当り入賞口93に遊技球が入球して大当り入賞センサ330に検出されると、図48(b)に示すような大当りを示唆する表示がなされた後に、所定の有利遊技状態の発生と共に、所定の大当り演出態様(大当りラウンド演出態様)表示処理が行われる。
ところで、本例では、図42に示すフローチャートにおいて、ステップS1809とステップS1806との間に、図47に示すような、追加フローを備えている。詳述すると、図42におけるステップS1809において所定時間が経過すると、ステップS2101へと進み、特別第三演出態様が表示されたか否かが判断される。そして、ステップS2101で特別第三演出態様が表示されていないと判断されると、ステップS1806へと進み、第一演出態様に変更される。
一方、ステップS2101において、特別第三演出態様が表示されたと判断された場合は、ステップS2102へと進み、図48(c)に示すようなハズレ演出態様を表示する。つまり、特別第三演出態様が表示された後に大当りとならずに、ハズレとなるとハズレ演出態様が表示されるようになっている。このハズレ演出態様は、図示するように、キャラクタC1が真っ黒に黒焦げになった状態で横たわるような表示とされており、先の特別第三演出態様において炎に包まれたキャラクタC1が、ハズレとなったことで、真っ黒に燃え尽きたような演出表示となる。これにより、大当りとなる可能性の高い特別第三演出態様が表示された後に、ハズレとなるとハズレとなったことを積極的に示唆するハズレ演出態様を表示するので、期待感が高揚したところで、一気に減退させることができ、それが逆に面白味となって抑揚に富んだものとする効果が期待できるものとなっている。
なお、上述した種々の演出態様において、キャラクタC1以外に、犬C2や蛙C3等の他のキャラクタを適宜出現させたり、背景Hを適宜異なるものと変更したりしても良い。
(特定演出態様表示処理について)
ところで、本例では、第二転動演出装置100において遊技球が第三転動演出装置101側へ押打される可能性が高い場合、演出表示装置115に特定演出態様(特別特定演出態様を含む)が表示されるようになっている。この特定演出態様表示処理について、図49乃至図52に基づいて詳細に説明する。図49は、特定演出態様表示処理を示すフローチャートであり、このフローチャートは、図46に示すフローチャートにおけるステップS2002に続くものである。
図49に示すように、第三演出態様表示処理のステップS2002において第三演出態様の表示が開始された後に、ステップS2201において、カウントセンサ319により遊技球が検出されてからK1時間経過したか否かが判断され、K1時間が経過するまでステップS2201をループするようになっている。そして、K1時間が経過すると、続くステップS2202へと進み、このステップS2202では、遊技球センサ361により遊技球が検出されたか否かが判断され、検出されなければ、続くステップS2203において、カウントセンサ319により遊技球が検出されてからK2時間経過したか否かが判断され、K2時間が経過していなければ、ステップS2202へ戻り、遊技球センサ361による検出の有無を判断するようになっている。
このステップS2202〜ステップS2203は、カウントセンサ319が遊技球を検出した後、K1時間経過してからK2時間経過するまでの間に、遊技球センサ361により遊技球が検出されたか否かが判断される。つまり、カウントセンサ319のよる検出に基づいて第二転動演出装置100の押打部531が駆動されて、遊技球が押打可能となるタイミングがK1〜K2時間の範囲内とされ、その時間内に整流手段500aを遊技球が通過するか否かを判断するようになっている。なお、K1とK2との関係は、K1<K2を満たす関係とされており、例えば、0.5≦K1<K2≦2.5を満たす関係とされている。
そして、ステップS2203においてK2時間経過すると、特定演出態様等には変更されず、第三演出態様を表示した状態で特定演出態様表示処理が終了する。一方、ステップS2202において、遊技球センサ361により遊技球が検出されると、ステップS2204へと進み、第三転動演出装置101における回転体552の回転状況が所定の回転状況であるか否かが判断される。具体的には、回転体552の回転軸553に設けられた回転検出部554を回転位置検出センサ321により検出することで回転体552の回転位置を検出すると共に、検出された回転位置が、第二転動演出装置100からの遊技球が特定収容部550cに収容される可能性の高い位置であると、所定の回転状況である判断される。
このステップS2204において、回転体552が所定の回転状況でないと判断された場合、ステップS2205へと進み、特定演出態様を表示する。この時、役物91では、図50に示すように、特定演出態様の表示と共に、第二転動演出装置100における押打部531が押打部駆動手段532により図中反時計回りの方向へ回動(移動)された状態となり、整流手段500aからの遊技球Bを、第三転動演出装置101つまり第四転動演出装置102の方向へ押打するようになっている。
この特定演出態様は、図50に示すように、第二転動演出装置100としてのキャラクタ体533と同じキャラクタC7が略同じポーズで、遊技球Bが押打される方向(図中右方向)とは反対側の演出表示装置115における表示領域の外側から、表示領域の略中央に向かって、その後方に残像を表示しながら移動表示され、一端、略中央で停止した後に(図51(a)参照)、その後方(図中左側)から遊技球Bを模した図柄TBに押されるように図柄TBと共にキャラクタC7が、遊技球Bが押打される方向の表示領域外へと移動表示され、遊技球Bが第二転動演出装置100により押打される可能性が極めて高いことを示唆する演出表示となっている。
一方、ステップS2204において、回転体552が所定の回転状況であると判断された場合、つまり、第二転動演出装置100において遊技球Bが押打されると、第三転動演出装置101における回転体552の特定収容部550cに、遊技球Bが収容される可能性が高いと判断されるとステップS2206へ進み、図50及び図51に示す特定演出態様とは異なる特別特定演出態様を表示すると共に、役物用ソレノイド362が駆動される。これにより、役物91は、図52に示すように、第二転動演出装置100の押打部531と、可動演出手段543とが駆動されることで、キャラクタ体533が所定のポーズをとる可動演出をすると共に、演出表示装置115に、キャラクタ体533と略同じポーズのキャラクタC7が拡大表示される。
特別特定演出態様は、図52に示すように、キャラクタC7の顔を正面に向けると共に、漸次拡大表示させるものであり、これにより、キャラクタC7が遊技者に迫ってくるような表示とされ、遊技者を驚かせると共に、押打された遊技球Bが、第三転動演出装置101における回転体552の特定収容部550cに収容される可能性が高いことを示唆することができ、より興趣を高められる演出表示となっている。
なお、上述の特定演出態様及び特別特定演出態様の表示は、演出表示制御手段632における演出態様変更手段637によって、第三演出態様から変更されるものである。
ところで、上述のカウントセンサ319による遊技球Bの検出からの経過時間の求める方法としては、例えば、カウントセンサ319の検出によりスタートする計測手段を備えることで経過時間を求める方法、パチンコ機1に時計手段を備えておき、カウントセンサ319により検出された時点の時間を記憶し、その記憶した時間を基に経過時間を算出して求める方法、等がある。
なお、上述の特定演出態様表示処理の他に、例えば、カウントセンサ319により遊技球Bが検出された時間を記憶手段に記憶し、遊技球センサ361により遊技球Bが検出されると、その遊技球センサ361により検出された時間と、記憶手段に記憶されたカウントセンサ319による検出時間とで、経過時間を算出し、算出した経過時間が、所定時間範囲内(例えば、K1〜K2時間内)であれば、特定演出態様や特別特定演出態様を表示するようにしても良い。これにより、カウントセンサ319により計測が開始されるような手段を備える必要がないので、構成を簡略化することができる。
また、上述の特定演出態様表示処理の他に、例えば、カウントセンサ319による遊技球Bの検出から所定時間範囲内のみ、遊技球センサ361による検出を行うようにし、その時間内に遊技球Bが検出されると、特定演出態様や特別特定演出態様を表示するようにしても良く、これにより、常時遊技球センサ361による検出処理をし続ける必要が無くなり、制御処理にかかる負荷を低減させることができる。
このように、本実施形態のパチンコ機1によれば、第一始動入賞口96や第二始動入賞口97に遊技球Bが進入すると、役物用入賞口92が開閉動作し、開いた役物用入賞口92に遊技球Bが進入すると、カウントセンサ319により検出された上で第一転動演出装置95のガイド部材491上に送られると共に、ガイド部材491上を遊技球Bが左右方向に揺動する。その後、ガイド部材491から遊技球Bが、大当り入賞口93が配置された第三転動演出装置101側か、ハズレ入賞口94が配置された第二転動演出装置100側かの何れかに放出される。そして、ガイド部材491から第二転動演出装置100側へ放出されると、遊技球Bは遊技球センサ361を通過して第二転動演出装置100へと送られる。この時、カウントセンサ319による検出に応じて第二転動演出装置100の押打部531が回動移動して遊技球Bと当接可能なタイミングで遊技球センサ361により遊技球Bが検出されると、第二転動演出装置100の可動演出手段543が演出動作をする。そして、遊技球Bが第二転動演出装置100において押打部531と当接して送られなければハズレ入賞口94へ、当接して送られると第四転動演出装置102を介して第三転動演出装置101へと送られる。一方、第二転動演出装置100により押打された遊技球Bとガイド部材491から第三転動演出装置101側へ放出された遊技球Bは、第三転動演出装置101における複数の収容部550の何れかに収容され、収容部550を備えた回転体552の回転により遊技球Bが大当り入賞口93に受入られると、所定の特典(有利遊技状態)が付与されるものである。これにより、第一始動口96や第二始動口97に遊技球Bが進入すると、役物用入賞口92が開閉動作し、役物用入賞口92に遊技球Bを進入させようと、より多くの遊技球Bを役物用入賞口92に向かって打ち込ませて興趣を高めることができる。そして、役物用入賞口92に遊技球Bが進入すると、第一転動演出装置95としてのガイド部材491上で遊技球Bがこれまでにないような揺動する動きをして遊技球Bの動きを楽しませることができると共に、特典の付与される第三転動演出装置101側に放出されるか否かにより遊技者の興趣を高めることができる。その後、第三転動演出装置101側に遊技球Bが放出されると、第三転動演出装置101において、所望の収容部550(大当り入賞口93に対応した特定収容部550c)に収容されるか否かで、遊技者をハラハラ、ドキドキさせることができる。一方、ハズレ入賞口94のある第二転動演出装置100側に放出されて興趣が低下しても、第二転動演出装置100の押打部531と当接することで第三転動演出装置101側に送られる可能性があるので再び興趣を高めることができると共に、当接して送られる可能性が高いと可動演出が行われるので、再びチャンスが到来したことを認識させることができ、抑揚に富んだものとすることができる。そして、第二転動演出装置100の押打部531と当接して遊技球Bが送られる際に、押打部531により一旦上下方向に移動してから送られるようなアクセントのある動きをし、その動きにより遊技者を楽しませることができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記の実施形態では、第二転動演出装置100における押打部531の回動移動を、押打用ソレノイド325の駆動力と錘530の付勢力とにより駆動するものを示したが、錘530を廃止して、押打用ソレノイド325の駆動のみで、第一範囲の下端から第二範囲の上端まで回動移動させるようにしても良い、この場合、これにより、構成を簡略化することができると共に、上記と同様の作用効果を奏することができる。なお、押打用ソレノイド325におけるプランジャ540の進退に所定の遊びを持たせるようにした場合、所定回転角度の遊びを有した回転伝達手段525を廃止しても、押打部531と当接した遊技球Bを下降させることが可能となり、更に構成を簡略化することができる。
また、上記の実施形態では、遊技機としてパチンコ遊技機1を示したが、パチンコ機以外の遊技機、例えば、スロットマシーンや、パチンコ機とスロットマシーンとを融合させてなる遊技機等であっても本発明を適用することができる。
パチンコ機の外枠の一側に本体枠が開かれその本体枠の一側に前面枠が開かれた状態を示す斜視図である。 パチンコ機の前側全体を示す正面図である。 遊技領域の構成を示す拡大正面図である。 パチンコ機の本体枠と遊技盤とを分離して斜め右上前方から示す斜視図である。 パチンコ機の後側全体を示す背面図である。 パチンコ機の後側全体を右上後方から示す斜視図である。 図6に示すパチンコ機の斜視図から後ろカバー及び各種制御基板等を取り外した状態を示す斜視図である。 パチンコ機の本体枠に各種部材が組み付けられた状態を斜め右上後方から示す斜視図である。 本体枠単体を斜め右上後方から示す斜視図である。 各種の制御基板ボックスが装着された遊技盤を右下後方から示す斜視図である。 制御構成を概略的に示すブロック図である。 主制御基板および払出制御基板の電気的な構成の詳細を示すブロック図である。 主制御基板の演算処理部が実行するコマンド送信処理を示すフローチャートである。 コマンド送信処理が実行される際の主制御基板における各信号の様子を示すタイムチャートである。 払出制御基板の払出CPUが実行するコマンド受信処理を示すフローチャートである。 コマンド受信処理が実行される際の払出制御基板における各信号の様子を示すタイムチャートである。 主制御基板および払出制御基板の電気的な構成の詳細を示すブロック図である。 主制御基板の演算処理部が実行するコマンド送信処理を示すフローチャートである。 コマンド出力処理を示すフローチャートである。 ACK待ち処理を示すフローチャートである。 払出制御基板の払出CPUが実行するコマンド受信処理を示すフローチャートである。 コマンド受信処理が実行される際の払出制御基板における各信号の様子を示すタイムチャートである。 役物用入賞口の始動入賞処理のルーチンを示すフローチャートである。 大当り処理の内容を示すフローチャートである。 本実施形態における役物の一例を示す正面図である。 図25に示す役物を右上前方から示す斜視図である。 (A)は本実施形態の役物用入賞口を示す正面図であり、(B)は可動片の動作を示す説明図である。 第一転動演出装置を概略構成で示す正面図である。 第一転動演出装置の動作を示す説明図である。 第一転動演出装置における遊技媒体の動きを示す説明図である。 第一転動演出装置におけるモータの動作を示すタイムチャートである。 (A)は第二転動演出装置の構成を示す斜視図であり、(B)は第二転動演出装置における押打部駆動手段の構成を示す背面図である。 第二転動演出装置における可動演出の状況を示す正面図である。 図32(A)に示す第二転動演出装置の分解斜視図である。 (A)は第二転動演出装置における押打部の動作を示す説明図であり、(B)は可動演出手段の演出動作を示す説明図である。 (A)〜(C)は、第二転動演出装置における遊技球の動きのパターンを示す説明図である。 (A)は第三転動演出装置の断面図であり、(B)は第三転動演出装置の分解斜視図である。 役物における第三転動演出装置近傍を拡大して示す正面図である。 第三転動演出装置の動作を示す説明図である。 第三演出装置の図39とは異なる動作を示す説明図である。 演出表示制御における機能的な構成を示すブロック図である。 演出表示制御手段による演出表示処理を示すフローチャートである。 具体的な演出例を示す図である。 第二演出態様表示処理を示すフローチャートである。 具体的な演出例を示す図である。 第三演出態様表示処理を示すフローチャートである。 特別第三演出態様におけるハズレ演出態様の表示を示すフローチャートの一部を示す説明図である。 具体的な演出例を示す図である。 第三演出態様表示処理における特定演出態様及び特別特定演出態様の表示処理を示すフローチャートである。 第二転動演出装置の動作と特定演出態様の表示とを拡大して示す正面図である。 特定演出態様の具体的な演出例を示す図である。 第二転動演出装置の可動演出と特別特定演出態様の表示とを示す正面図である。
符号の説明
1 パチンコ機
37 遊技領域
91 役物
92 役物用入賞口(進入口)
93 大当り入賞口(第二受入口)
94 ハズレ入賞口(第一受入口)
95 第一転動演出装置(ガイド部材)
96 第一始動入賞口(始動口)
97 第二始動入賞口(始動口)
100 第二転動演出装置(可動役物)
101 第三転動演出装置(誘導手段)
102 第四転動演出装置(案内手段)
115 演出表示装置
170 球払出装置(払出手段)
310 主基板
311 周辺基板
318 始動口センサ(始動検出手段)
319 カウントセンサ(進入検出手段)
321 回転位置検出センサ(回転状況検出手段)
325 押打用ソレノイド(回動駆動手段)
326 回転体用モータ
331 ソレノイド(進入口)
361 遊技球センサ(通過検出手段)
362 役物用ソレノイド
456 可動片(進入口)
490 転動面
491 ガイド部材
494 回動検出センサ
520 支持ピン
521 突起
522 支持ピン
523 支持部
524 突起当接部
525 回転伝達継手
526 突起
527 第一回転板
528 溝
529 第二回転板
530 錘(付勢手段)
531 押打部(当接部)
532 押打部駆動手段(当接部駆動手段)
533 キャラクタ体
534 足(当接部支持部材)
535 回動軸
541 腕
542 顔
543 可動演出手段
546 スライド部材
550 収容部
550a 第一収容部
550b 第二収容部
550c 特定収容部
551 移動手段
552 回転体
553 回転軸
554 回転検出部(回転状況検出手段)
561 仕切り部
611 乱数発生手段
612 有利遊技状態発生手段
613 コマンド送信手段
614 開閉制御手段
615 転動演出制御手段
631 コマンド受信手段
632 演出表示制御手段

Claims (3)

  1. 遊技媒体が打ち込まれる遊技領域内に配置され前記遊技媒体を受け入れ可能な受入口と、
    前記受入口に受け入れられた遊技媒体を検出する受入検出手段と、
    前記受入口とは異なる位置に配置され、前記受入検出手段による遊技媒体の検出に基づいて、前記遊技領域内に打ち込まれた遊技媒体が進入可能となる役物と、
    前記役物内に進入した遊技媒体を、左右方向のうちいずれか一方、または当該一方とは反対の他方に転動させうるガイド部材と、
    前記一方の側に配置され、前記役物内に進入した遊技媒体を受け入れ可能な大当り口と、
    前記大当り口に遊技媒体が受け入れられると遊技者に所定の特典を付与する特典付与手段を少なくとも有する主制御手段と、
    前記他方の側に配置され、前記役物内に進入した遊技媒体を受け入れたとしても前記特典が付与されないハズレ口と、
    前記役物内に進入して前記ハズレ口に向かう遊技媒体と当接するように可動すると共に当該遊技媒体を下降または上昇させた後に前記大当り口に向けて転動させることが可能な押打部、および、可動により所定の演出動作をする可動演出部を有する可動体と
    を備え、
    前記可動体は、
    少なくとも前記押打部の可動が前記主制御手段によって制御され、
    前記役物内に進入した遊技媒体が前記ガイド部材により前記他方の側に向けて転動されて当該他方の側に放出されると、前記押打部と前記可動演出部とが略一致するタイミングで可動するとともに、当該押打部の動きと当該可動演出部の動きとによって特有のポーズをすることでチャンスの到来を示唆しうるキャラクタ体であって、
    前記キャラクタ体が前記特有のポーズをすることで遊技者に当該キャラクタ体に注目させて、下降または上昇した後に前記大当り口に向けて転動する遊技媒体が前記大当り口に受け入れられるチャンスの到来を示唆しうるようにした
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 前記可動体は、
    少なくとも顔部、腕部および足部を有し、身長が伸び縮みする方向にスライドするとともに、前記顔部、前記腕部および前記足部の全てが略一致するタイミングで可動して前記特有のポーズをすることによって、遊技者に当該可動体としてのキャラクタ体に注目させるようにした
    ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記主制御手段から送信される制御コマンドに応じて、少なくとも前記可動体の前記可動演出部の可動を制御する周辺制御手段をさらに備えることによって、前記主制御手段の負荷を高めることなく前記可動体としての前記キャラクタ体に様々なポーズをさせることができるようにした
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。
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