JP4555786B2 - ねじの締め付け方法及びねじ - Google Patents
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Description
しかしながら、締め付けられたねじはそのねじ頭の十字穴等の形状に合ったねじ回しがあれば緩めることも簡単にでき、このような特性は例えば緩めてはいけないねじを誤って緩めてしまうといったことが起きうる原因となっていた。また、第三者によってねじを緩められてしまうといったいたずらをされる原因にもなっていた。
一方、ねじを回すための構造をねじ頭に何ら有さず、ねじ頭が円形とされて、その頂面が単なる平面とされているようなねじを回すための手法が研究されており、例えば非特許文献1にはそのようなねじを回すためのねじ回しとして、圧電アクチュエータを用いた圧電ねじ回しが提案されている。
川野洋、安藤英由樹、「圧電アクチュエータによる刻印なしねじ回しの開発」、日本機械学会[No.04−4]ロボティクス・メカトロニクス講演会 ’04講演論文集、2004年6月、1P1−L1−23(1)−(4)
この発明の目的はこのような状況に鑑み、誤って緩めたり、いたずらをされたりすることを防止すべく、ねじ頭にすりわり又は十字穴をもたないねじを所要のトルクで簡易に締め付けることができる締め付け方法及びその方法に用いるねじを提供することにある。
請求項3の発明によれば、すりわり又は十字穴をもたないねじ頭を有し、そのねじ頭がねじの締め付けにより接合部材の深座ぐりに沈み込むねじのねじ頭に径方向に貫通する貫通穴を形成して、その貫通穴に線材を通し、その線材を介してトルクを与えることにより
、ねじを締め付け、締め付け後、線材を除去するものとする。
請求項4の発明では請求項1乃至3のいずれかの発明において、軸部がなく、頭部のみとされて径方向に貫通穴が形成されたねじ頭部品を用意し、上記ねじのねじ頭の上にねじ頭部品を搭載して、そのねじ頭部品の貫通穴に上記線材を通すことにより、上記ねじとねじ頭部品とを線材を介して結合一体化し、ねじ頭部品を回すことによって上記トルクを得る。
請求項6の発明によれば、座面が円錐形とされ、すりわり又は十字穴をもたないねじ頭を有するねじは、座面に径方向に貫通する貫通穴が形成されており、その貫通穴に線材を通すことにより、その線材を介して締め付けトルクを与えることが可能とされている。
なお、ねじ頭にはすりわりや十字穴がなく、その頂面を単なる平面とすることができるため、誤って緩めたり、第三者にいたずらをされて緩められるといったことを防止でき、また頂面を単なる平面とすることができる点で、ねじの美観を向上させることができる。
図1乃至4はこの発明の一実施例を説明するための図であって、図1は締め付けられるねじ(ねじ本体)10を示し、図2はねじ10に締め付けトルクを与えるために使用するねじ頭部品20を示す。また、図3はそれらねじ10とねじ頭部品20が線材30によって一体化された状態を示し、図4はねじ10が使用され、締め付けられた状態を示す。
ねじ10はこの例では図1に示したように、さら形状のねじ頭11を有するものとされ、その頂面11aはすりわりや十字穴のない単なる円形の平面とされている。円錐形の座面11bには径方向に貫通する貫通穴12が頂面11a寄りに形成されている。
ねじ頭部品20は図3に示したように、ねじ10のねじ頭11の上に搭載され、これらねじ10及びねじ頭部品20の貫通穴12,22に線材30を通し、線材30の両端を例えば結んで固定することにより、ねじ10とねじ頭部品20とが結合一体化される。この図3に示した複合構造を有するねじは十字形のねじ回しをねじ頭部品20の十字穴21に差し込むことにより回すことができ、ねじ頭部品20に与えられたトルクは線材30を介してねじ10に伝達され、これによりねじ10に締め付けトルクを与えることができる。
線材30はねじ10の締め付け後、切断されて除去され、これによりねじ頭部品20も除去される。線材30の切断はカッタなどを用いて切断してもよく、また単に引きちぎるといったこともできる。この場合、線材30の切断位置は図4に示したように、例えばねじ10の座面11bの上端縁位置とし、つまり再度線材30をつかんで引っ張るといったことができないようにする。このようにすることにより、ねじ10にトルクを与える手段がなくなり、かつねじ頭11の頂面11aは単なる円形平面であるのでねじ10を緩めることが不可能となる。よって、誤って緩めたり、あるいは第三者によって勝手に緩められるといったいたずらを防止することができる。
上述した例ではねじ10は線材30を通すための貫通穴12を1つ有するものとなっているが、貫通穴12を複数設けてもよく、例えば貫通穴12を2つ、十字をなすように形成し、それら貫通穴12にそれぞれ線材30を通し、それら2本の線材30を介してねじ10にトルクを与えるようにしてもよい。
2本の線材30を上記のような位置に固定することにより、効率良くトルクを与えることができ、この例においても図5の場合と同様、線材30を引っ張ることによりねじ10′を回すことができる。なお、線材30の固定本数は2本に限定されるものではなく、1本であってもよく、2本より多くてもよい。
図8はこの座面11bに2本の溝13を有するねじ10″に線材30が固定された状態を示したものであり、2本の線材30の各一端側はそれぞれ溝13内に収容されて固定されている。このような溝13を設けることにより接着剤を良好に充填することができ、線材30を良好に固定することができるものとなる。
以上、さら形状のねじ頭を有するねじを例に実施例を説明したが、ねじはさら頭に限るものではなく、例えば平頭やなべ頭であってもよく、そのようなねじにおいても座面に線材30の一端を固定し、その線材30を介してトルクを与えることによりねじを締め付けることができる。
締め付け後、この例では線材を切断除去するのではなく、図10に示したように抜き取って除去することもできる。このようにしたとしても、ねじ頭16は深座ぐり42内に沈み込んでいるため、再度線材を貫通穴17に通すことは極めて困難であり、よってねじ15を緩めることはできないものとなる。
Claims (7)
- 座面が円錐形とされ、すりわり又は十字穴をもたないねじ頭を有するねじの締め付け方法であって、
上記座面に溝を形成して、その溝内に線材の一端側を収容固定し、
その線材を介してトルクを与えることにより、ねじを締め付け、
締め付け後、上記線材を切断除去することを特徴とするねじの締め付け方法。 - 座面が円錐形とされ、すりわり又は十字穴をもたないねじ頭を有するねじの締め付け方法であって、
上記座面に径方向に貫通する貫通穴を形成して、その貫通穴に線材を通し、
その線材を介してトルクを与えることにより、ねじを締め付け、
締め付け後、上記線材を切断除去することを特徴とするねじの締め付け方法。 - すりわり又は十字穴をもたないねじ頭を有し、そのねじ頭がねじの締め付けにより接合部材の深座ぐりに沈み込むねじの締め付け方法であって、
上記ねじ頭に径方向に貫通する貫通穴を形成して、その貫通穴に線材を通し、
その線材を介してトルクを与えることにより、ねじを締め付け、
締め付け後、上記線材を除去することを特徴とするねじの締め付け方法。 - 請求項1乃至3記載のいずれかのねじの締め付け方法において、
軸部がなく、頭部のみとされて径方向に貫通穴が形成されたねじ頭部品を用意し、
上記ねじのねじ頭の上に上記ねじ頭部品を搭載して、そのねじ頭部品の貫通穴に上記線材を通すことにより、上記ねじとねじ頭部品とを上記線材を介して結合一体化し、
上記ねじ頭部品を回すことによって上記トルクを得ることを特徴とするねじの締め付け方法。 - 座面が円錐形とされ、すりわり又は十字穴をもたないねじ頭を有するねじであって、
上記座面に溝が形成されており、
その溝内に線材の一端側を収容固定することにより、その線材を介して締め付けトルクを与えることが可能とされていることを特徴とするねじ。 - 座面が円錐形とされ、すりわり又は十字穴をもたないねじ頭を有するねじであって、
上記座面に径方向に貫通する貫通穴が形成されており、
その貫通穴に線材を通すことにより、その線材を介して締め付けトルクを与えることが可能とされていることを特徴とするねじ。 - 円錐形とされた座面に径方向に貫通する貫通穴が形成され、すりわり又は十字穴をもたないねじ頭を有するねじと、
そのねじのねじ頭の上に搭載され、軸部がなく、頭部のみとされて径方向に貫通穴が形成されたねじ頭部品と、
上記ねじの貫通穴と上記ねじ頭部品の貫通穴に通されて、それらねじとねじ頭部品を結合一体化する線材とよりなり、
上記ねじ頭部品を回すことによって上記ねじを締め付け可能とされており、かつ上記線
材を切断することにより上記線材及びねじ頭部品を除去可能とされていることを特徴とする複合構造のねじ。
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JPS5940614U (ja) * | 1982-09-10 | 1984-03-15 | 三菱重工業株式会社 | 回り止めビス,ボルト |
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