JP4554871B2 - 機器固定レール付実験台 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、実験台に係わり、特に、実験・分析機器などを実験台上に置いて使用する場合の実験台に関する。
【0002】
【従来の技術】
研究室や実験室や検査室でいろいろな装置を用いて作業するときに、実験台上にその装置を載せ、実験処理用の器具を用い試料の前処理等を行う場合がある。
そのため使用する複数の装置を実験台に載せることもあり、実験台は重量物に対して頑丈な構造に作られ、実験に必要なユティリティが装備される。例えば、装置の電源接続のためのコンセント、実験処理用の器具や試薬を収納する棚や引出しや収納ボックス、必要により試料処理などに用いるステンレス製の流し台や採水栓、実験及び処理中に発生する有害なガスを排気する排気フードなどの局所排気装置、化学薬品処理や高温度実験のためのセラミック製の天板、純水製造装置収納部などが、実験台に要求され目的に応じて装備される。
【0003】
図5に通常の両側から作業ができる角形の実験研究用の実験台1aの上面図(a)、正面図(b)を示す。実験台1a本体は、塗装されたスチール角パイプのフレームや、両面化粧ボードで組立てられ、作業する上面にセラミックスプレート、合成樹脂、ステンレスなどの材質の天板2aが使われ、下部中央に正面および背面から開閉扉を開けて内部に実験器具などを収納できる収納ボックスが設けられ、下部両側には試薬、試料などを収納できる引出しが設けられている。さらに実験装置を天板2a上に載せて実験作業を行うために、天板2aの上面、または実験台1aの側面に電気コンセントなどが設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の実験台は以上のように構成されているが、実験装置などを実験台1aに載せる場合は、地震などに対する装置の転倒防止のために、実験台1aを実験室の壁面側に寄せて設置し、固定金具などを壁面に取付け、それにより装置を固定している。そのため実験室の中央や窓側の実験台に載せられた装置は、転倒防止のための固定ができないという問題がある。
また、実験台を実験室の壁面側に寄せて設置し、固定金具などを壁面に取付けそれにより装置を固定している場合でも、装置の増設や移動をしなければならないときには、その度に固定金具を取付け直さないと装置を固定することができないという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、実験台を実験室のどの位置に設置しても、搭載する実験装置の転倒防止を簡単に行うことができる実験台を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の機器固定レール付実験台は、実験・分析用の装置を載せる実験台と、実験台の天板と同一面に埋設されたC型形鋼の機器固定レールと、その機器固定レールの内側に引板と固定ボルトを介して固定される移動フック金具と、その移動フック金具のベルト穴を介して前記装置を固定する固定ベルトとを備え、前記装置を実験台上に固定するように構成したものである。
【0008】
また、本発明の機器固定レール付実験台は、実験・分析用の装置を載せる実験台と、実験台の天板上面と所定の段差をつけて埋設されたC型形鋼の機器固定レールと、その機器固定レールの内側に引板と固定ボルトを介して固定される移動フック金具と、その移動フック金具のベルト穴を介して前記装置を固定する固定ベルトと、前記機器固定レールの上部にセットして天板上面と同一面になる所定の厚さと幅と長さを有する耐薬品性素材からなるレール蓋とを備え、前記装置を実験台上に固定するように構成したものである。
【0009】
本発明の機器固定レール付実験台は上記のように構成されており、C型形鋼の機器固定レールが実験台の天板と同一面に、または、天板上面と所定の段差をつけて埋設され、その機器固定レールの内側に引板と固定ボルトを介して移動フック金具が移動可能に固定される。そして、機器固定レールが天板と段差を有する場合は、機器固定レールの上部に所定の厚さと幅と長さを有する耐薬品性素材からなるレール蓋を被せ、天板上面と同一面にし、移動フック金具のベルト穴に固定ベルトが通され、その固定ベルトによって搭載された実験装置を実験台に固定することができる。したがって移動フック金具を適当な位置に移動させて、固定ボルトを締め、そして、固定ベルトを実験装置に掛け、固定ベルトを引き締めるだけで簡単に固定することができる。それによって実験台を実験室のどの位置に設置しても、装置の転倒防止を容易に行うことができる。また、機器固定レールの上部にレール蓋を被せるので、実験用器具などの不安定さをなくし、安心して実験することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の機器固定レール付実験台の一実施例を、図1を参照しながら説明する。図1は本発明の機器固定レール付実験台に分析装置のガスクロマトグラフを搭載し耐震防止を施した図を示す。
本機器固定レール付実験台は、計測・分析・実験装置などを搭載して作業する実験台1本体と、その実験台1の上面に埋設されたC型形鋼製の機器固定レール3と、そのC型形鋼の内部に引板と固定ボルトを介して移動可能に固定される移動フック金具4と、その移動フック金具4のベルト穴に通して分析装置(ガスクロマトグラフ16及びそのモニタ17)などの装置を天板2に固定する固定ベルト13とから構成される。
【0011】
本機器固定レール付実験台は、実験台1本体の上面にC型形鋼の機器固定レール3が埋設され、移動フック金具4が、機器固定レール3のC型形鋼の内部に引板をかいして、固定ボルトによって適正な位置に移動させて固定される。そして、固定ベルト13が、移動フック金具4のベルト穴に通され、実験台1上に搭載された実験装置に掛けられて、実験装置が固定される。
図2に、本発明の機器固定レール付実験台の上面図(a)、正面図(b)を示す。実験台1は、上面に実験装置や実験器具を載せて実験する台であり、上面は天板2と機器固定レール3が設けられる。
実験台1本体は、塗装されたスチール角パイプのフレームや、両面化粧ボードで組立てられ、作業する上面の天板2には、セラミックスプレート、合成樹脂、ステンレスなどの材質が使われ、機器固定レール3には、C型形鋼が用いられ、天板2の面と同一面、または、段差を設けて埋設されている。段差を設けた場合には、その段差に耐薬品性のレール蓋がC型形鋼の開口部に被せられる。
下部中央には、正面および背面から開閉扉を開けて内部に実験器具などを収納できる収納ボックス、下部両側には試薬、試料などを収納できる引出し、前面または側面に、使用する装置の電源を接続するためのコンセントなどが設けられている。また、必要により試料処理などに用いるステンレス製の流し台や採水栓、実験及び処理中に発生する有害なガスを排気する排気フードなどの局所排気装置、化学薬品処理や高温度実験のための特製の天板、純水製造装置収納部などが装備されることもある。
【0012】
図3に、機器固定レール3に移動フック金具4を固定し、固定ベルト13を連結させた図を示す。機器固定レール3は、上部に開口したC型形鋼に表面処理が施されたレール、またはステンレス製のものが用いられ、開口部の上面は天板2の上面と一致するように埋設されている。その埋設方法は、C型形鋼の下部を実験台1の内部の下板7に座板6を介してレール固定ネジ5とナット8で固定される。その機器固定レール3の両側の下板7上に支持ブロック9が固定され、支持ブロック9の上に天板2が接着され、天板2の上面が機器固定レール3の上面と一致するように製作される。
移動フック金具4は、L型のステンレス製の金具で、立面部にベルト15を通すベルト穴12が設けられ、平面部に固定ボルト10を通す穴が設けられ、平面部の幅はC型形鋼の機器固定レール3の幅より少し小さく製作される。これは移動フック金具4を機器固定レール3に固定したとき、移動フック金具4の平面部が天板2の面に架からないようにするためである。
移動フック金具4は、平面部にあけられた穴に固定ボルト10を挿入し、準備された四角板の引板11のネジ穴に少しねじ入れ、その状態でC型形鋼の開口部内に引板11のみを斜めにして挿入し、固定ボルト10を垂直にして機器固定レール3の中央になるように位置し、移動フック金具4を必要とする位置(実験台1上の装置を固定するに適した位置)に移動し、固定ボルト10を締めて引板11を引き寄せC型形鋼の上部を挟み込み、移動フック金具4を機器固定レール3に固定する。
【0013】
固定ベルト13は、ベルト15の一端がロック金具15aの穴に固定され、他端が、移動フック金具4のベルト穴12に通され、そして、実験台1に搭載された実験装置の上部に掛けられ、反対側に固定された移動フック金具4のベルト穴12に通され、再び、実験装置の上部に掛けられ、締金具14のE型形状金具の中央部の棒でUターンさせる。そして、締金具14をロック金具15aに挿入してロックし、固定ベルト13の先端を強く引き寄せ、ベルト15を締め実験装置を実験台1に固定する。そして、固定ベルト13の先端をベルトリング14aに通しておく。固定ベルト13を緩め開放するときは、ロック金具15aのレリーズボタン15bを押すことで、ロック金具15aと締金具14が分離される。
【0014】
図4は、機器固定レール3aが天板2上面と段差をつけて埋設された断面を示し、(a)は移動フック金具4と固定ベルト13を取付けた状態、(b)は機器固定レール3aにレール蓋18を被せた状態を示す図である。
実験台1上では実験装置を載せて、各種の実験器具を用い、試料や試薬の前処理がおこなわれる。実験台1の天板2上面で実験器具の移動が行われるので、上面は平面に仕上げられ、実験器具などがスムースに移動できるようにしなければならない。また、試料や試薬などが処理中にこぼれたり、埃などが入らないように機器固定レール3の開口部を上部から覆うようにすることが望ましい。そのため、図4に示す機器固定レール3aは図3に示すものより高さが段差分低いものが用いられ、図4(b)に示すように、機器固定レール3aの上部にレール蓋18が設けられる。
レール蓋18は、樹脂製またはゴム製の耐薬品性の素材で、天板2の上面と機器固定レール3a上面との段差に相当する厚さを有し、その幅及び長さは機器固定レール3aの幅と長さに等しい寸法に製作され、機器固定レール3aの上面の段差に置かれて、実験台1の上面が隙間なく同一平面に仕上げられる。実験台1に搭載される実験装置を固定するために、移動フック金具4を用いるときは、移動フック金具4の平面部に相当する面積分をレール蓋18からカットし、カットされたレール蓋18が用いられる。
図4に示す移動フック金具4及び固定ベルト13の構造、および、それを用いて実験装置を実験台1に固定する方法については、図3に示すものと同じ構造であり、同じ方法で行われる。
【0015】
上記の実施例では、実験台1上に搭載された実験装置を固定するとき、2個の移動フック金具4を同一または同列の機器固定レール3(または3a)に挿入し、左右に固定ベルト13を実験装置にかけて固定する方法について説明したが、移動フック金具4を前後に埋設された機器固定レール3(または3a)にそれぞれ挿入し、前後に固定ベルト13を実験装置にかけて固定することもできる。
このように、実験台1上に搭載された実験装置の転倒防止は、実験台1の上面に機器固定レール3(または3a)を埋設し、移動フック金具4をその機器固定レール3(または3a)に固定し、固定ベルト13を用いて、実験台1に実験装置を容易に、適切な位置に、確実に固定することができる。
【0016】
【発明の効果】
本発明の機器固定レール付実験台は上記のように構成されており、実験台の上面にC型形鋼の機器固定レールが埋設されており、機器固定レールに固定ボルトを介して移動可能に固定できる移動フック金具を用い、移動フック金具のベルト穴に固定ベルトが通され、実験台上で使用される分析機器などにその固定ベルトを掛け、固定ベルトを引き締めるだけで所定の位置に簡単に固定でき、実験台が実験室のどの位置に設置されても、装置の転倒防止を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の機器固定レール付実験台の一実施例を示す図である。
【図2】 本発明の機器固定レール付実験台の機器固定レールが埋設された実験台を示す図である。
【図3】 本発明の機器固定レール付実験台の機器固定レールが天板上面と同一面に埋設された断面構造を示す図である。
【図4】 本発明の機器固定レール付実験台の機器固定レールが天板と段差をつけて埋設された断面構造を示す図である。
【図5】 従来の実験台を示す図である。
【符号の説明】
1、1a…実験台
2、2a…天板
3、3a…機器固定レール
4…移動フック金具
5…レール固定ネジ
6…座板
7…下板
8…ナット
9…支持ブロック
10…固定ボルト
11…引板
12…ベルト穴
13…固定ベルト
14…締金具
14a…ベルトリング
15…ベルト
15a…ロック金具
15b…レリーズボタン
16…ガスクロマトグラフ
17…モニタ
18…レール蓋
Claims (2)
- 実験・分析用の装置を載せる実験台と、実験台の天板と同一面に埋設されたC型形鋼の機器固定レールと、その機器固定レールの内側に引板と固定ボルトを介して固定される移動フック金具と、その移動フック金具のベルト穴を介して前記装置を固定する固定ベルトとを備え、前記装置を実験台上に固定するように構成したことを特徴とする機器固定レール付実験台。
- 実験・分析用の装置を載せる実験台と、実験台の天板上面と所定の段差をつけて埋設されたC型形鋼の機器固定レールと、その機器固定レールの内側に引板と固定ボルトを介して固定される移動フック金具と、その移動フック金具のベルト穴を介して前記装置を固定する固定ベルトと、前記機器固定レールの上部にセットして天板上面と同一面になる所定の厚さと幅と長さを有する耐薬品性素材からなるレール蓋とを備え、前記装置を実験台上に固定するように構成したことを特徴とする機器固定レール付実験台。
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