JP4554545B2 - 表示物の作製方法 - Google Patents

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Description

本発明はインクジェットプリンタ用の記録材料に関し、水系インクおよび溶剤系インクの何れのインクに対しても良好な記録特性を有するものに関する。
近年、コンピュータの普及とともに、ハードコピー技術が急速に発達している。ハードコピーの記録方式としては、昇華転写記録方式、電子写真記録方式、インクジェット記録方式等が知られている。
インクジェットプリンタは、ノズルから記録材料に向けてインク液滴を高速で噴射するインクジェット記録方式を用いたプリンタであり、カラー化、小型化がしやすいこと、印字騒音が低いことから、オフィス、ホーム、パーソナルコンピュータなどの端末として、近年急速に普及しつつある。
インクジェットプリンタに使用されるインクとしては、水と低級アルコールを溶媒とするいわゆる水性インクが主流をなしていた。これは水性インクが色調の鮮やかな記録が可能であること、インクの粘度を調節しやすいこと、安全性の面で優れているためである。しかし、水性インクは耐水性に劣るという問題、白インクが存在せず白色の出力ができないという問題があった。
そこで、近年、パラフィン系インクやシンナー系インクなどの溶剤系インクが開発されている。これら溶剤系インクは、高速記録、高耐水性を必要とする分野で、水性インクの代替として有望視されている。
しかしながら、これら溶剤系インクは耐水性に優れ白色の出力が可能であるものの、パラフィン系インクにおいては、記録材料や保護フィルムを侵しやすいという欠点があった。また、シンナー系インクにおいては、臭気がきつく、環境に与える影響が大きく、さらに危険性があるため取扱い時に特定の資格を有する者が必要となってしまうという問題があった。
そこで、グリコールエーテル及びアルキレングリコールを主成分とするグリコール系インクが開発されている。このインクは新しく開発された溶剤系インクであり、耐水性に優れるとともに、上記した従来の溶剤系インクの欠点を解消したものである。
一方、インクジェット記録材料としては、使用するインクに応じて種々のものが提案されている。例えば、水系インク用としては、特許文献1、2のものがあげられ、溶剤系インク用としては、特許文献3〜5のものがあげられる。
しかしながら、水系インクおよび溶剤系インク(溶剤系インクの中でも特にグリコール系インク)の何れのインクに対しても良好に記録できるインクジェット記録材料は未だ提案されていなかった。
特開平8−132727号公報(請求項1) 特開平10−329405号公報(請求項1) 特開平11−99742号公報(請求項1) 特開平11−165460号公報(請求項1) 特開2003−266922号公報(請求項1)
本発明は、上述の事情に鑑みなされたもので、水系インクおよび溶剤系インク(溶剤系インクの中でも特にグリコール系インク)の何れのインクに対しても良好に記録できるインクジェット記録材料を提供することを目的とする。
また、本発明の表示物の作製方法は、本発明のインクジェット記録材料のインク受容層に、水系インクを用いてインクジェットプリンタで鏡像出力を行った後、水系インクの出力面と同一面上に、水系インクの出力部分の少なくとも一部を覆うようにして溶剤系インクを用いてインクジェットプリンタで鏡像出力を行うことを特徴とするものである。
本発明のインクジェット記録材料は、インク受容層を構成する樹脂として、ウレタン系樹脂成分とアルコール及び水可溶性のビニル系樹脂成分とを含み、ウレタン系樹脂成分とビニル系樹脂成分との重量比を20:80〜80:20としたことから、水系インクおよび溶剤系インク(溶剤系インクの中でも特にグリコール系インク)の何れのインクに対しても良好に記録することができる。
また、本発明のインクジェット記録材料は、水系インクおよび溶剤系インクの何れか一方のみのインクで出力を行うこともできるが、両方のインクを用いた出力も可能である。例えば、水系インクで画像部分を出力し、引き続き白色の溶剤系インクを用いて画像の出力を行えば、水系インクで形成された鮮やかな画像に、水系インクでは表現できない白色の画像が加えられた表示物を作製することができる。さらに、水系インクで画像部分を鏡像で出力した後、水系インクの画像部分の少なくとも一部を覆うようにして、水系インクと同一面上に溶剤系インクを用いて画像部分や背景部分の出力を行えば、水系インクで形成された画像は溶剤系インクで覆われることとなるため、得られた表示物の耐水性を良好なものとすることができる。このように本発明のインクジェット記録材料を使用すれば、水系インクと溶剤系インクのお互いの好適な性能を生かした表示物を作製することができる。
また、本発明の表示物の作製方法によれば、水系インクで形成された画像を溶剤系インクで覆い、得られた表示物の耐水性を良好なものとすることができる。また、白色の溶剤系インクを用いれば、水系インクで形成された鮮やかな画像に、水系インクでは表現できない白色の画像が加えられた表示物を作製することができる。
まず、本発明のインクジェット記録材料の実施の形態について説明する。本発明のインクジェット記録材料は、インク受容層を有するインクジェット記録材料において、前記インク受容層を構成する樹脂として、ウレタン系樹脂成分とアルコール及び水可溶性のビニル系樹脂成分(以下、「ビニル系樹脂成分」と省略する場合もある)とを含み、前記ウレタン系樹脂成分と前記ビニル系樹脂成分との重量比が20:80〜80:20であることを特徴とするものである。
インク受容層は、インク受容層を構成する樹脂をフィルム化したもののようにインク受容層単独で取り扱うことができるものと、インク受容層単独では取り扱いが困難なものに分けられる。インク受容層単独での取り扱いが困難な場合、インク受容層は支持体上に形成される。支持体は特に限定されるものではないが、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂などからなるプラスチックフィルム、その他、紙、繊維布帛などを使用することができる。支持体の厚みは特に限定されるものではないが、インクジェットプリンタ内における搬送の関係上、5μm以上にすることが望ましい。
インク受容層は主として樹脂から構成される。インク受容層を構成する樹脂としては、少なくともウレタン系樹脂成分とアルコール及び水可溶性のビニル系樹脂成分とを含んでなる。インク受容層を構成する樹脂をこのような成分とすることにより、水系インクおよび溶剤系インクの何れのインクに対しても記録特性を良好なものとすることができる。この原因は以下のように考えられる。
まず、ウレタン系樹脂成分とアルコール及び水可溶性のビニル系樹脂成分とは相溶性が良好である。そして、ウレタン系樹脂成分は溶剤系インクの記録特性に優れるにもかかわらず、水性溶媒に分散しやすいなど水への親和性が高いため、水系インクの記録特性に悪影響を与えにくい。一方、アルコール及び水可溶性のビニル系樹脂成分は水系インクの記録特性に優れるにもかかわらず、アルコールへの親和性が高いため溶剤系インク、その中でも特にグリコール系インクの記録特性に悪影響を与えにくい。このように、インク受容層内においてウレタン系樹脂成分とアルコール及び水可溶性のビニル系樹脂成分との相溶性が良好であり、さらにウレタン系樹脂成分およびビニル系樹脂成分が、それぞれの樹脂が有する記録特性に悪影響を及ぼし合わないことから、水系インクおよび溶剤系インクの何れのインクに対しても記録特性を良好にできると考えられる。
また、本発明においては、ウレタン系樹脂成分とビニル系樹脂成分との重量比を、20:80〜80:20とする。ウレタン系樹脂成分とビニル系樹脂成分との重量比をこのような範囲とすることにより、水系インクおよび溶剤系インクの何れのインクに対しても記録特性を良好なものとすることができる。また、水系インクおよび溶剤系インクの記録特性のバランス性の観点から、ウレタン系樹脂成分とビニル系樹脂成分との重量比は、30:70〜70:30とすることが好ましく、40:60〜60:40とすることがより好ましい。
インク受容層を構成する樹脂に含まれるウレタン系樹脂成分とアルコール及び水可溶性のビニル系樹脂成分は、前記2種類の樹脂成分がブレンドされている形態でもよいし、共重合された共重合樹脂の形態でもよいが、分子量を高くして塗膜の凝集力を向上することができ、塗膜の強靭性、耐ブロッキング性を向上させることができるという観点から、共重合樹脂の形態が好ましい。
ウレタン系樹脂成分は、ポリヒドロキシル化合物、ジイソシアネートおよびジイソシアネートと反応する水素原子を2個以上含有する低分子量の鎖伸長剤とから合成することができる。ウレタン系樹脂成分は、ポリヒドロキシル化合物の種類によりポリエーテル系、ポリカーボネート系、ポリエステル系、ポリエステル・ポリエーテル系などに分けることができるが、溶剤系インクの記録特性を良好にできるポリエーテル系のものが好ましい。
ポリヒドロキシル化合物としては、フタル酸、アジピン酸、二量化リノレイン酸、マレイン酸などの有機酸と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、グリセリン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトールなどとの脱水縮合反応によって得られるポリエステルポリオールや、低分子ポリオールやグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、などの活性水素基を2個以上有する化合物を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどのアルキルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテルなどのアリールグリシジルエーテル、テトラヒドロフランなどの環状エーテルモノマーの単品又は混合物から公知の方法により付加重合して得られるポリエーテルポリオールや、ポリエステルポリオール源のポリオールの1種類以上とジアルキルカーボネート、ジアルキレンカーボネート、ジフェニルカーボネートとのいずれかの脱アルコール反応、脱グリコール反応や脱フェノール反応から得られるポリカーボネートポリオールや、あるいは上記のポリオールどうしの共重合体などがあげられる。これらポリヒドロキシル化合物の中でも、ポリエーテル系のウレタン系樹脂を得ることのできるポリエーテルポリオールが好ましい。
ジイソシアネートとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチルー4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネートなどがあげられる。
鎖伸長剤としては、エチレングリコール、1,4ブタンジオール、トリメチロールプロパン、トリイソプロパノールアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)アニリン、レゾルシノール−ビス(β−ヒドロキシエチル)エーテルなどのポリオール、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、ジフェニルジアミン、ピペラジン、イソポロンジアミン、ジエチレントリアミンなどのポリアミン、ヒドラジン類及び水があげられる。
アルコール及び水可溶性のビニル系樹脂成分としては、(メタ)アクリル酸類、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類などを構成単位とする(メタ)アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルエチルエーテルなどがあげられる。これらの中でも、グリコール系インクへの親和性の観点から(メタ)アクリルアミド類を構成単位とする(メタ)アクリル系樹脂が好適に使用され、この中でもアクリルアミド類を構成単位とするアクリル系樹脂が特に好適に使用される。なお、本発明でいうアルコール及び水可溶性とは、脂肪族アルコール、グリコールなどのアルコール類および水に膨潤又は溶解可能なもののことをいう。
(メタ)アクリルアミド類としては、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドなどがあげられる。これらの中でも水系インクの記録特性に優れる、N,N−ジメチルアクリルアミドが好適に使用される。
ウレタン系樹脂成分とアルコール及び水可溶性のビニル系樹脂成分との共重合樹脂とする場合には、ウレタン系樹脂の水系分散体にラジカル重合開始剤を加え、45〜85℃の条件下、好ましくは70〜85℃の条件下でビニルモノマーを加えて乳化重合により反応を進める。
なお、重合開始剤として過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの無機過酸化物を用いた時には、共重合樹脂の生成は行われにくく、ビニル系樹脂成分のホモポリマーが生成されやすいため、有機過酸化物による反応が好ましい。
乳化剤の使用においても、アニオンおよびカチオン系界面活性剤より、ノニオン系界面活性剤が共重合樹脂を得る点で好ましい。連鎖移動剤、キレート剤、無機塩類などは乳化重合における公知のものを使用することができる。
インク受容層には、上述した性能を害しない限り、ウレタン系樹脂成分およびビニル系樹脂成分以外の樹脂成分を含ませてもよい。例えば、ウレタン系樹脂成分およびビニル系樹脂成分は、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、イソシアネート系化合物、ジアルデヒド系化合物などで架橋硬化させてもよい。架橋硬化させることで、顔料インクのひび割れを防止するとともに、インク受容層の耐水性、耐薬品性を良好なものとすることができる。ただし、ウレタン系樹脂成分およびビニル系樹脂成分の合計を、インク受容層中の全樹脂成分の80重量%以上とすることが好ましく、90重量%以上とすることがより好ましく、95重量%以上とすることがさらに好ましい。
インク受容層の厚みは特に制限されることはないが、カールの発生を防止するため、上限として70μm以下であることが好ましい。厚みの下限は、インクの滲み、特に水系インクの滲みを防止するため、5μm以上とすることが好ましい。支持体がなくインク受容層単独で取り扱う場合、インクジェットプリンタ内における搬送の関係上、3μm以上にすることが好ましい。
インク受容層中には、インク吸収性を向上させたり、ブロッキングを防止するために顔料を含有させてもよい。顔料としては、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、珪酸アルミニウム、酸化チタン、合成ゼオライト、アルミナ、スメクタイトなどの無機顔料の他、スチレン樹脂、ウレタン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂などからなる樹脂ビーズ、若しくはこれらを原料とする中空樹脂ビーズなどの有機顔料があげられ、これらを1種又は2種以上混合して使用することができる。顔料の添加量は、インク受容層の全樹脂100重量部に対し、通常3〜200重量部程度である。顔料の平均粒子径は1〜5μm程度である。
また、インク受容層中には、レベリング剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、キレート剤などの添加剤を添加してもよい。
インク受容層を形成する方法としては、インク受容層の構成成分を適当な溶媒に溶解又は分散させて塗布液を調製し、当該塗布液をロールコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法、エアナイフコーティング法などの公知の方法により支持体上に塗布・乾燥させる方法、インク受容層を構成する樹脂成分を溶融し、これに必要に応じて顔料などの添加剤を含有させてシート化する方法などがあげられる。
なお、カールの発生を防止するため、支持体のインク受容層とは反対側の面にバックコート層を設けたり、帯電を防止するため、インク受容層上や支持体のインク受容層とは反対側の面に帯電防止層を設けてもよい。
次に、本発明の表示物の作製方法の実施の形態について説明する。本発明の表示物の作製方法は、本発明のインクジェット記録材料のインク受容層に、水系インクを用いてインクジェットプリンタで鏡像出力を行った後、水系インクの出力面と同一面上に、水系インクの出力部分の少なくとも一部を覆うようにして溶剤系インクを用いてインクジェットプリンタで鏡像出力を行うことを特徴とするものである。
インクジェット記録材料としては上述した本発明のインクジェット記録材料を用いる。そして、本発明のインクジェット記録材料のインク受容層に、水系インクを用いてインクジェットプリンタで鏡像出力を行う。水系インクとしては従来公知のものを用いることができる。
次いで、水系インクの乾燥後に、水系インクの出力面と同一面上に、水系インクの出力部分の少なくとも一部、好ましくは全部を覆うようにして溶剤系インクを用いてインクジェットプリンタで鏡像出力を行う。溶剤系インクとしては従来公知のものを用いることができるが、その中でもグリコール系インクを用いることが好ましい。
このようにして得られた表示物は、インク受容層の出力面とは反対側の面から観察を行う。
以上のような本発明の表示物の作製方法によれば、水系インクで形成された画像を溶剤系インクで覆い、得られた表示物の耐水性を良好なものとすることができる。また、白色の溶剤系インクを用いれば、水系インクで形成された鮮やかな画像に、水系インクでは表現できない白色の画像が加えられた表示物を作製することができる。
以下、実施例により本発明を更に説明する。なお、「部」、「%」は特に示さない限り、重量基準とする。
1.共重合樹脂a〜fの製造
<共重合樹脂aの製造>
4ツ口フラスコに(1)及び(2)を仕込み、撹拌しながら20分間窒素ガスを吹き込み、充分脱酸素を行った後、70℃まで昇温させた。次いで、(3)のビニルモノマー液を75〜80℃、40〜50分間で滴下した。滴下終了後も80〜85℃で90分間保持しつつ反応を継続させた。25℃まで撹拌を続けながら冷却し、共重合樹脂a(ウレタン系樹脂成分:ビニル系樹脂成分=50:50)の水分散体(固形分17.4%)を得た。
(1)ポリエーテル系ウレタン樹脂水分散液(スーパーフレックス110:第一工業製薬社、固形分30%)278部、イオン交換水556部
(2)重合開始剤乳化物(BPO)2部、界面活性剤(プライサーフA-217E、第一工業製薬社)3.5部、イオン交換水35.5部
(3)N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド83.4部
<共重合樹脂bの製造>
(3)のN−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド83.4部を、N,N−ジメチルアクリルアミド68.2部に変更した以外は共重合樹脂aと同様にして、共重合樹脂b(ウレタン系樹脂成分:ビニル系樹脂成分=55:45)の水分散体(固形分16.1%)を得た。
<共重合樹脂cの製造>
(3)のN−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド83.4部を、N,N−ジメチルアクリルアミド55.6部に変更した以外は共重合樹脂aと同様にして、共重合樹脂c(ウレタン系樹脂成分:ビニル系樹脂成分=60:40)の水分散体(固形分14.9%)を得た。
<共重合樹脂dの製造>
(3)のN−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミドの添加量を、44.9部に変更した以外は共重合樹脂aと同様にして、共重合樹脂d(ウレタン系樹脂成分:ビニル系樹脂成分=65:35)の水分散体(固形分14.0%)を得た。
<共重合樹脂eの製造>
(3)のN−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド83.4部を、N,N−ジメチルアクリルアミド44.9部に変更した以外は共重合樹脂aと同様にして、共重合樹脂e(ウレタン系樹脂成分:ビニル系樹脂成分=65:35)の水分散体(固形分14.0%)を得た。
<共重合樹脂fの製造>
(3)のN−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド83.4部を、N−ビニル2ピロリドン35.7部に変更した以外は共重合樹脂aと同様にして、共重合樹脂f(ウレタン系樹脂成分:ビニル系樹脂成分=70:30)の水分散体(固形分13.1%)を得た。
2.インクジェット記録材料の製造
[実施例1]
厚み100μmの透明ポリエステルフィルム(ルミラーU35:東レ社)上に、共重合樹脂aの水分散体を、乾燥後の厚みが15μmとなるようにバーコーティング法により塗布、乾燥してインク受容層を形成し、実施例1のインクジェット記録材料を得た。
[実施例2]
共重合樹脂aの水分散体を共重合樹脂bの水分散体に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例2のインクジェット記録材料を得た。
[実施例3]
共重合樹脂aの水分散体を共重合樹脂cの水分散体に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例3のインクジェット記録材料を得た。
[実施例4]
共重合樹脂aの水分散体を共重合樹脂dの水分散体に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例4のインクジェット記録材料を得た。
[実施例5]
共重合樹脂aの水分散体を共重合樹脂eの水分散体に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例5のインクジェット記録材料を得た。
[実施例6]
共重合樹脂aの水分散体を共重合樹脂fの水分散体に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例6のインクジェット記録材料を得た。
[実施例7]
厚み100μmの透明ポリエステルフィルム(ルミラーU35:東レ社)上に、下記組成のインク受容層塗布液gを、乾燥後の厚みが15μmとなるようにバーコーティング法により塗布、乾燥してインク受容層を形成し、実施例7のインクジェット記録材料を得た。
<インク受容層塗布液g>
・ポリエーテル系ウレタン樹脂水分散液 10部
(スーパーフレックス110:第一工業製薬社)
(固形分30%)
・ポリN,N−ジメチルアクリルアミド 12部
(数平均分子量:20,000)
[実施例8]
インク受容層塗布液gのポリN,N−ジメチルアクリルアミドの添加量を7部に変更した以外は、実施例7と同様にして実施例8のインクジェット記録材料を得た。
[実施例9]
インク受容層塗布液gのポリN,N−ジメチルアクリルアミドの添加量を4.5部に変更した以外は、実施例7と同様にして実施例9のインクジェット記録材料を得た。
[実施例10]
インク受容層塗布液gのポリN,N−ジメチルアクリルアミドの添加量を3部に変更した以外は、実施例7と同様にして実施例10のインクジェット記録材料を得た。
[実施例11]
インク受容層塗布液gのポリN,N−ジメチルアクリルアミドの添加量を2部に変更した以外は、実施例7と同様にして実施例11のインクジェット記録材料を得た。
[実施例12]
インク受容層塗布液gのポリエーテル系ウレタン樹脂水分散液の添加量を70部、ポリN,N−ジメチルアクリルアミドの添加量を9部に変更した以外は、実施例7と同様にして実施例12のインクジェット記録材料を得た。
[実施例13]
インク受容層塗布液gのポリN,N−ジメチルアクリルアミドを除き代わりにポリN−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド(数平均分子量:20,000)を1部添加した以外は、実施例7と同様にして実施例13のインクジェット記録材料を得た。
[実施例14]
インク受容層塗布液gのポリエーテル系ウレタン樹脂水分散液の添加量を40部、ポリN,N−ジメチルアクリルアミドの添加量を3部に変更した以外は、実施例7と同様にして実施例14のインクジェット記録材料を得た。
[比較例1]
インク受容層塗布液gからポリN,N−ジメチルアクリルアミドを除いた以外は、実施例7と同様にして比較例1のインクジェット記録材料を得た。
[比較例2]
インク受容層塗布液gからポリエーテル系ウレタン樹脂水分散液を除き、溶媒として水を48部加えた以外は、実施例7と同様にして比較例2のインクジェット記録材料を得た。
[比較例3]
インク受容層塗布液gのポリエーテル系ウレタン樹脂水分散液の添加量を57部、ポリN,N−ジメチルアクリルアミドの添加量を3部に変更した以外は、実施例7と同様にして比較例3のインクジェット記録材料を得た。
[比較例4]
インク受容層塗布液gのポリN,N−ジメチルアクリルアミドの添加量を17部に変更した以外は、実施例7と同様にして比較例4のインクジェット記録材料を得た。
実施例1〜14および比較例1〜4で得られたインクジェット記録材料につき、水系インクおよび溶剤系インク(グリコール系インク)を用いてインクジェットプリンタ(水系インクでは「PX−9000:EPSON社」を用い、溶剤系インクでは「SC−540:Roland社」を用いた)で記録を行い、水系インク及び溶剤系インクそれぞれについて、下記の基準で印字性(滲み防止性)の評価を行った。結果を表1に示す。また、併せて表1に、実施例1〜14および比較例1〜4のインクジェット記録材料の、ウレタン系樹脂成分とビニル系樹脂成分との重量比、ビニル系樹脂成分の種類、ブレンド樹脂か共重合樹脂かの種別を示す。なお、表1中のHEAAはN−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、DMAAはN,N−ジメチルアクリルアミド、VPはN−ビニル2ピロリドンを示す。
<印字性>
記録後のインクジェット記録材料の印字部の滲みを目視で観察した。表1に、滲みがないものから順に1〜18の数字を付与した。何れのインクの評価も、1は滲みが全くないもの、17、18は滲んで画像にならないものを示している。また、水系インクおよび溶剤系インクの両方の評価結果を踏まえた総合評価(優、良、可、不可)を表1に示す。
Figure 0004554545
表1から明らかなように、実施例1〜14のインクジェット記録材料は、インク受容層中にウレタン系樹脂成分とビニル系樹脂成分とを20:80〜80:20の重量比で含むものであることから、水系インクおよび溶剤系インクの何れのインクに対しても滲みを発生することなく、記録特性のバランスに優れるものであった。
特に、実施例2、3、5、9〜11のインクジェット記録材料は、ウレタン系樹脂成分とビニル系樹脂成分との重量比が40:60〜60:40の範囲であり、かつビニル系樹脂成分としてN,N−ジメチルアクリルアミドを用いていることから、水系インクおよび溶剤系インクの記録特性のバランスに極めて優れるものであった。
また、表中には記載していないが、共重合樹脂を用いた実施例1〜6のインクジェット記録材料は、ブレンド樹脂を用いた実施例7〜14のインクジェット記録材料に比べ、塗膜の強靭性、および耐ブロッキング性に優れるものであった。
また、実施例1〜14のインクジェット記録材料のインク受容層に、水系インクで鏡像出力を行った後、当該出力面と同一面上の全面に、溶剤系インク(グリコール系インク)を用いて鏡像出力を行ったところ、水系インクで形成された鮮やかな画像に、水系インクでは表現できない白色の画像が加えられた表示物を作製することができた。さらに、水系インクで形成された画像が溶剤系インクで覆われていることから、得られた表示物の耐水性は良好なものであった。
一方、比較例1〜4のインクジェット記録材料は、インク受容層中にウレタン系樹脂成分若しくはビニル系樹脂成分の一方のみを含むか、あるいは両方含んでいても、ウレタン系樹脂成分とビニル系樹脂成分との重量比が20:80〜80:20の範囲外のものである。したがって、いずれか一方のみのインクに対して滲んで画像を形成することができず、記録特性のバランスに劣るものであった。

Claims (3)

  1. ウレタン系樹脂成分とアルコール及び水可溶性のビニル系樹脂成分とを含み、前記ウレタン系樹脂成分と前記ビニル系樹脂成分との重量比が20:80〜80:20であるインク受容層を有するインクジェット記録材料のインク受容層に、水系インクを用いてインクジェットプリンタで鏡像出力を行った後、前記水系インクの出力面と同一面上に、水系インクの出力部分の少なくとも一部を覆うようにして溶剤系インクを用いてインクジェットプリンタで鏡像出力を行うことを特徴とする表示物の作製方法。
  2. 前記インク受容層を構成する樹脂として、ウレタン系樹脂成分とアルコール及び水可溶性のビニル系樹脂成分との共重合樹脂を用いてなることを特徴とする請求項1記載の表示物の作製方法。
  3. 前記ビニル系樹脂成分が(メタ)アクリルアミド類を構成単位とする(メタ)アクリル系樹脂であることを特徴とする請求項1又は2記載の表示物の作製方法。
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