JP4554337B2 - 圧電素子、および複合圧電素子、ならびにそれらを用いたフィルタ、共用器、通信機器 - Google Patents

圧電素子、および複合圧電素子、ならびにそれらを用いたフィルタ、共用器、通信機器 Download PDF

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Description

本発明は、圧電素子に関し、より特定的には、不要振動に基づく不要信号(以下、スプリアスレスポンスという)を効果的に抑圧し、良好な振動特性が得られるように改良された圧電素子に関する。また、本発明は、隣り合う圧電素子間において、不要振動モードが干渉し合わないように改良された複合圧電素子に関する。また、本発明は、それらを用いたフィルタ、共用器、通信機器に関する。
携帯機器等の電子機器に内蔵される部品には、より小型化、軽量化が要求される。例えば、携帯機器に使われているフィルタには、小型であり、挿入損失が小さく、かつ大きな減衰特性が要求される。
これらの要求を満たすフィルタの1つとして、圧電素子を用いたフィルタが知られている。
図27Aは、従来の圧電素子の概略断面図である。図27Bは、従来の圧電素子の等価回路図である。
図27Aに示すように、従来の圧電素子は、基板91の上に、圧電振動部90を備える。圧電体層92と、上部電極層93と、下部電極層94とが積層されて、圧電振動部90が形成される。上部電極層93と下部電極層94とは、圧電体層92を挟む。基板91を貫通する空洞部95は、圧電振動部90の下面を露出させるように設けられている。圧電振動部90の自由振動を確保するために、基板91中に空洞部95が設けられている。
上部電極層93と下部電極層94との間に電界が加えられると、圧電体層92において、電気エネルギーが機械エネルギーに変換される。例えば、圧電体層92として、厚さ方向に分極軸を持つ窒化アルミニウム(AlN)が用いられた場合、この機械エネルギーは主として、厚さ方向伸び振動に変換される。これによって、圧電体層92は、電界と同じ方向に伸び縮みする。
図27Bに示すように、従来の圧電素子の等価回路は、直列共振回路と並列共振回路とを含む回路である。したがって、従来の圧電素子は、共振周波数と反共振周波数とを持つこととなる。圧電振動部90の厚さをtとしたとき、従来の圧電素子は、t=λ/2となる波長λに対応する共振周波数fr(=v/λ)で共振する。ここで、vは、圧電振動部90を構成する材料内での音速である。反共振周波数faは、共振周波数と同様、圧電振動部90の厚さtに反比例し、圧電振動部90を構成する材料内での音速に比例する。数100MHzから数GHzの周波数帯内に共振周波数および/または反共振周波数を設定したい場合、そのような共振周波数および/または反共振周波数に対応する圧電振動部90の厚さは、工業的に薄膜形成が容易に可能な厚さである。したがって、上記のような周波数帯において、従来の圧電素子は、小型であり、かつ高いQ値を有する共振器として、有益である。
さて、圧電振動部90において、理想的には、圧電体層92の厚さ方向Pの振動のみ存在することが望ましい。しかし、圧電振動部90は、外周部が基板91に支持されているので、基板91における支持部からの拘束を受けている。したがって、スプリアスレスポンスが発生しやすい。
また、従来の圧電素子において、横方向Qの振動も励起されるので、複数の横方向伝搬音波モードが存在する。これらの横方向伝搬音波モードは、不要振動モードである。横方向伝搬音波モードは、電極面に平行に伝搬し、圧電体層92の側壁または上部電極層93および下部電極層94の端部で多重反射し、スプリアスレスポンスの発生の原因となる。また、圧電素子が隣接して配置されている複合圧電素子の場合、隣り合う圧電素子間で、不要振動モードが干渉し、スプリアスレスポンスの発生の原因となる。これらの横方向伝搬音波モードに起因するスプリアスレスポンスは、圧電素子の周波数特性を劣化させる。
スプリアスレスポンスによって圧電素子の周波数特性が劣化するという問題を解決するために、様々な技術が提案されている。図28Aは、特許文献1に記載されている従来の圧電素子の上面図である。図28Bは、図28Aに示す従来の圧電素子のB−B線に沿う断面図である。
図28A,28Bに示すように、絶縁膜73は、空洞部85を有する基板81の上に形成されている。圧電振動部80は、空洞部85を跨るように、空洞部85の上方に設けられている。圧電振動部80の両端は、基板81に支持されている。圧電振動部80は、下部電極層84と、圧電体層82と、上部電極層83とが積層されることによって形成されている。下部電極層84は、配線電極86に接続されている。配線電極86の端部は、端子電極87である。上部電極層83は、接続部88、配線電極89、および接続部70を介して、端子電極71に接続されている。マスク72は、空洞部85を形成するためのマスクである。図28A,28Bに示す従来の圧電素子によれば、圧電振動部80は、空洞部85の上方で、2箇所の支持部74,75によって、基板81に支持されている。そのため、圧電振動部80では、基板81からの拘束が小さくなる。よって、スプリアスレスポンスがある程度は抑圧されることとなる。
図29Aは、特許文献2に記載されている他の従来の圧電素子の上面図である。図29Bは、図29Aに示すBB線に沿う従来の圧電素子の断面図である。
図29A,29Bに示すように、圧電振動部60は、空洞部65を有する基板61の上方に、支持体53を介在させて、空洞部65に跨るように、設けられている。圧電振動部60は、下部電極層64と、圧電体層62と、上部電極層63とが積層されることによって形成されている。下部電極層64は、配線電極66を介して、端子電極67に接続されている。上部電極層63は、配線電極69を介して、端子電極51に接続されている。エッチングホール54は、基板61中に、空洞部65を形成するためのものである。保護膜55は、エッチング時、下部電極層64をエッチング液から保護するためのものである。図29A,29Bに示す従来の圧電素子によれば、圧電振動部60は、2箇所の支持部56,57によって、基板61に支持されている。そのため、圧電振動部60では、基板61からの拘束が小さくなる。よって、スプリアスレスポンスがある程度は抑圧されることとなる。
国際公開第98/52280号パンフレット 特開平9−130199号公報
しかしながら、図28A,28Bに示す従来の圧電素子では、圧電振動部80は、基板81に対して対称な位置で支持されているため、特に、横方向伝搬音波モードを十分に抑圧することができないという課題を有していた。
また、同様に、図29A,29Bに示す従来の圧電素子では、圧電振動部60は、基板61に対して対称な位置で支持されているため、特に、横方向伝搬音波モードを十分に抑圧することができないという課題を有していた。
さらに、図28A,28Bに示す従来の圧電素子には、以下のような問題点がある。圧電振動部80は、2箇所の支持部74,75によって、基板81に支持されている。支持部74と支持部75とは、線分Lに対して線対称である。そのため、圧電振動部80は、たとえば、ねじれ易かったり、幅方向の振動が発生し易かったりする。したがって、主共振である厚さ方向伸び振動以外に、支持部74,75の対称性によって生じるスプリアスレスポンス(例えば、ねじれ成分の入った不要振動や、不要な幅振動等)が生じることとなる。このように、図28A,28Bに示す従来の圧電素子では、効果的にスプリアスレスポンスを抑制することができなかった。
また、図29A,29Bに示す従来の圧電素子には、以下のような問題がある。圧電振動部60は、2箇所の支持部56,57によって、基板61に支持されている。支持部56と支持部57とは、点Oに対して点対称である。そのため、圧電振動部60は、たとえば、ねじれ易かったり、幅方向の振動が発生し易かったりする。したがって、この場合も、主共振である厚さ方向伸び振動以外に、支持部56,57の対称性によって生じるスプリアスレスポンス(例えば、ねじれ成分の入った不要振動や、不要な幅振動等)が生じることとなる。また、上部電極層63または下部電極層64の端部から斜め方向に伝搬する振動モードが、圧電振動部60内に閉じ込められることとなる。閉じ込められた振動モードが、スプリアスレスポンスとなる。このように、図29A,29Bに示す従来の圧電素子では、効果的にスプリアスレスポンスを抑制することができなかった。
それゆえ、本発明の目的は、スプリアスレスポンスを効果的に抑圧することができるように改良された圧電素子を提供することである。また、本発明の他の目的は、良好な振動特性が得られるように改良された圧電素子を提供することである。また、本発明の他の目的は、機械的強度に優れた圧電素子を提供することである。さらに、本発明の他の目的は、隣り合う圧電素子間において、不要振動モードが干渉し合わないように改良された複合圧電素子を提供することである。また、本発明の他の目的は、このような圧電素子および複合圧電素子を用いたフィルタ、共振器および通信機器を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明は、以下のような特徴を有する。本発明は、圧電素子であって、基板と、基板の上方に積層された下部電極層と、下部電極層の上方に積層された圧電体層と、圧電体層の上方に積層された上部電極層と、下部電極層、圧電体層、および上部電極層によって構成される圧電振動部の下に形成された空洞部と、圧電振動部の周縁の一部から延び、空洞部の上方で、圧電振動部を基板に支持するための二以上の架橋部とを備える。二以上の架橋部は、圧電振動部における積層方向への投影において、圧電振動部を通るいかなる線分に対しても互いに線対称とならないように、および/または、圧電振動部内のいかなる点に対しても互いに点対称とならないように、形成されている。
本発明によれば、圧電振動部が、当該空洞部の上方に設けられているので、自由振動に近い振動が得られ、実効的電気機械結合係数を大きく取ることができる。また、二以上の架橋部が、当該積層方向への投影において、当該圧電振動部を通るいかなる線分に対しても互いに線対称にならないように、および/または上記圧電振動部内のいかなる点に対しても互いに点対称にならないように形成されているので、支持部の対称性によって生じるスプリアスレスポンスが抑圧される。
好ましくは、空洞部は、基板を加工することによって形成されているとよい。また、空洞部は、基板の上に設けられた、当該空洞部を形成するための空洞形成層を加工することにより形成されてもよい。
これにより、空洞部を容易に形成することができる。
好ましくは、下部電極層、圧電体層、または上部電極層の少なくとも一つに接触するように設けられた誘電体層をさらに備えるとよい。
このように、当該誘電体層を介在させることによって、接着強度を高めることができる。また、圧電体層は共振周波数に対して大きな温度係数を有するが、誘電体層を追加的に設けることによって、温度変化に対して、弾性定数を補償することができる。結果、温度変化に対する共振周波数の変化を小さくすることができる。
好ましくは、誘電体層は、基板と下部電極層との間に設けられているとよい。
これにより、当該基板と当該下部電極層との接着強度が高まる。また、基板にシリコン半導体を用いた場合、当該誘電体層が絶縁層として作用することとなる。
好ましくは、架橋部は、下部電極層、圧電体層、上部電極層、および誘電体層からなる群から選ばれる少なくとも一つの層が延びて形成されているとよい。
これにより、架橋部を構成するための特別な製造工程が不要となる。
好ましくは、下部電極層、圧電体層、上部電極層、および誘電体層からなる群から選ばれる少なくとも一つの層は、空洞部の周縁部の少なくとも一部にまで延びて形成されているとよい。
これにより、圧電振動部を支持する強度が増す。
好ましくは、二以上の架橋部は、上部電極層から延びた部分を含む第1の架橋部と、下部電極層から延びた部分を含む第2の架橋部とを含む。当該圧電素子は、さらに、基板の上方であって、上部電極層から延びた部分に電気的に接続されるように、空洞部の周縁部に設けられ、第1の端子電極に接続される第1の配線電極と、基板の上方であって、下部電極層から延びた部分に電気的に接続されるように、空洞部の周縁部に設けられ、第2の端子電極に接続される第2の配線電極とを備える。
このように構成することにより、第1の架橋部と上部電極層とを電気的接続することができ、また第2の架橋部と下部電極層とを電気的接続することができる。
好ましくは、第1の配線電極は、積層方向への投影において、圧電振動部の中心と第1の架橋部の中心とを結ぶ第1の中心線と、圧電振動部の中心と第1の配線電極の中心とを結ぶ第2の中心線とが重ならないように、配置されており、第2の配線電極は、積層方向への投影において、圧電振動部の中心と第2の架橋部の中心とを結ぶ第3の中心線と、圧電振動部の中心と第2の配線電極の中心とを結ぶ第4の中心線とが重ならないように、配置されているとよい。
好ましくは、第1の架橋部は、積層方向への投影において、当該第1の架橋部が圧電振動部と第1の配線電極との間に配置されないように、配置されており、第2の架橋部は、積層方向への投影において、当該第1の架橋部が圧電振動部と第2の配線電極との間に配置されないように、配置されているとよい。
このように構成することにより、配線電極から圧電振動部に対して、ハイパワーの電気信号が一気に入らなくなる。従って、圧電素子の絶縁破壊を防止できる。結果、圧電素子の耐電力性を向上させることができる。
好ましくは、二以上の架橋部を介して空洞部の周縁まで延びた上部電極層に、電気的に接続された第1の中継用電極と、二以上の架橋部を介して空洞部の周縁まで延びた上部電極に、電気的に接続された第2の中継用電極とをさらに備えるとよい。
このように、第1および第2中継用電極を設けることによって、圧電振動部に対して、当該圧電振動部の周縁から架橋部を通じて入力電圧を均一に供給することができる。
好ましくは、第1および第2の中継用電極の少なくとも一方は、空洞部の周縁に沿ってリング状もしくは枠状に設けられているとよい。
これにより、入力電力が最も均一に供給されることが期待できる。
また、本発明は、少なくとも二つの圧電素子が電気的に接続された複合圧電素子であって、少なくとも一つの圧電素子は、基板と、基板の上方に積層された下部電極層と、下部電極層の上方に積層された圧電体層と、圧電体層の上方に積層された上部電極層と、下部電極層、圧電体層、および上部電極層によって構成される圧電振動部の下に形成された空洞部と、圧電振動部の周縁の一部から延び、空洞部の上方で、圧電振動部を基板に支持するための二以上の架橋部とを備える。二以上の架橋部は、圧電振動部における積層方向への投影において、圧電振動部を通るいかなる線分に対しても互いに線対称とならないように、および/または、圧電振動部内のいかなる点に対しても互いに点対称とならないように、形成されている。
このように、スプリアスレスポンスが抑圧された圧電素子を用いることによって、特性の良好な複合圧電素子が提供される。
また、本発明は、圧電素子であって、基板と、基板の上方に積層された下部電極層と、下部電極層の上方に積層された圧電体層と、圧電体層の上方に積層された上部電極層と、下部電極層、圧電体層、および上部電極層によって構成される圧電振動部の下に形成されたミラー層と、上部電極層から延びた部分を含み、ミラー層上に形成された第1の配線電極に、電気的および機械的に接続するための第1の接合部と、下部電極層から延びた部分を含み、ミラー層上に形成された第2の配線電極に、電気的および機械的に接続するための第2の接合部とを備える。第1の接合部と第2の接合部とは、圧電振動部における積層方向への投影において、圧電振動部を通るいかなる線分に対しても互いに線対称とならないように、および/または、圧電振動部内のいかなる点に対しても互いに点対称とならないように、形成されている。
このように、第1および第2の接合部が、当該積層方向への投影において、当該圧電振動部を通るいかなる線分に対しても互いに線対称にならないように、および/または上記圧電振動部内のいかなる点に対しても互いに点対称にならないように形成されているので、支持部の対称性によって生じるスプリアスレスポンスが抑圧される。
また、本発明は、複数の圧電素子を備えるフィルタであって、少なくとも一つの圧電素子は、基板と、基板の上方に積層された下部電極層と、下部電極層の上方に積層された圧電体層と、圧電体層の上方に積層された上部電極層と、下部電極層、圧電体層、および上部電極層によって構成される圧電振動部の下に形成された空洞部と、圧電振動部の周縁の一部から延び、空洞部の上方で、圧電振動部を基板に支持するための二以上の架橋部とを備える。二以上の架橋部は、圧電振動部における積層方向への投影において、圧電振動部を通るいかなる線分に対しても互いに線対称とならないように、および/または、圧電振動部内のいかなる点に対しても互いに点対称とならないように、形成されている。
また、本発明は、複数の圧電素子を備えるフィルタで構成される共用器であって、少なくとも一つの圧電素子は、基板と、基板の上方に積層された下部電極層と、下部電極層の上方に積層された圧電体層と、圧電体層の上方に積層された上部電極層と、下部電極層、圧電体層、および上部電極層によって構成される圧電振動部の下に形成された空洞部と、圧電振動部の周縁の一部から延び、空洞部の上方で、圧電振動部を基板に支持するための二以上の架橋部とを備える。二以上の架橋部は、圧電振動部における積層方向への投影において、圧電振動部を通るいかなる線分に対しても互いに線対称とならないように、および/または、圧電振動部内のいかなる点に対しても互いに点対称とならないように、形成されている。
また、本発明は、圧電素子を備える通信機器であって、圧電素子は、基板と、基板の上方に積層された下部電極層と、下部電極層の上方に積層された圧電体層と、圧電体層の上方に積層された上部電極層と、下部電極層、圧電体層、および上部電極層によって構成される圧電振動部の下に形成された空洞部と、圧電振動部の周縁の一部から延び、空洞部の上方で、圧電振動部を基板に支持するための二以上の架橋部とを備え、二以上の架橋部は、圧電振動部における積層方向への投影において、圧電振動部を通るいかなる線分に対しても互いに線対称とならないように、および/または、圧電振動部内のいかなる点に対しても互いに点対称とならないように、形成されている。
以上、本発明によれば、基板の支持部に起因するスプリアスレスポンスが効果的に抑圧され、良好な振動特性を有する圧電素子が提供される。また、機械的強度に優れた圧電素子が提供される。また、本発明によれば、隣り合う圧電素子間において、不要振動モードが干渉し合わない良好な特性を有する複合圧電素子が提供される。また、本発明によれば、このような圧電素子および複合圧電素子を用いたフィルタ、共振器および通信機器が提供される。
本発明のこれらおよび他の目的、特徴、局面、効果は、添付図面と照合して、以下の詳細な説明から一層明らかになるであろう。
本発明において、圧電振動部は、空洞部の上方で、2以上の架橋部によって基板に支持される。この2以上の架橋部は、圧電振動部における積層方向への投影において、圧電振動部を通るいかなる線分に対しても互いに線対称にならないように、および/または、圧電振動部内のいかなる点に対しても互いに点対称にならないように、形成されている。これによって、圧電振動部を基板に支持するための支持部に起因するスプリアスレスポンスが抑圧される。以下、図面を参照しながら、本発明の構成について説明する。各図において、同一の参照符号が付された部分は、それぞれ同一の部分であるか、または互いに同等の機能を有する部分である。
(第1の実施形態)
図1Aは、本発明の第1の実施形態に係る圧電素子20の上面図である。図1Bは、図1AにおけるB−B線に沿う第1の実施形態に係る圧電素子20の断面図である。図1Cは、下部電極層の近傍を抜き出して描いた平面図である。
図1A〜図1Cにおいて、圧電素子20は、圧電振動部1と、二つの架橋部2(2a,2b)と、二つの配線電極部3(3a,3b)と、二つの端子電極部4(4a,4b)とを備える。
圧電振動部1は、基板21の上に積層された下部電極層24と、下部電極層24の上に積層された圧電体層22と、圧電体層22の上に積層された上部電極層23とを含む。圧電振動部1は、基板21の表面に形成された空洞部25の上方に設けられている。圧電体層22の材料は、酸化亜鉛(ZnO)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、または窒化アルミニウム(AlN)等の適当な圧電材料である。上部電極層23および下部電極層24の材料は、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銅(Cu)、白金(Pt)、または金(Au)等の適当な材料である。
二つの架橋部2は、第1の架橋部2aと、第2の架橋部2bとからなる。なお、図1A〜図1Cでは、表現上の都合上、架橋部2を表す点線は、第1の架橋部2aおよび第2の架橋部2bを完全に示していない。第1の架橋部2aは、図1Aにおいて、2aの引き出し線が指し示すハッチングされた部分である(以下同様)。また、第2の架橋部2bは、図1Aにおいて、2bの引き出し線が指し示すハッチングされた部分である(以下同様)。
二つの配線電極部3は、第1の配線電極3aと、下部電極層24bを含む第2の配線電極3bとからなる。
二つの端子電極部4は、第1の端子電極4aと、第2の端子電極4bとからなる。
第1および第2の架橋部2a,2bは、圧電振動部1の周縁の一部から延びている。第1および第2の架橋部2a,2bは、空洞部25の上で、圧電振動部1を基板21に固定するために支持する。第1および第2の架橋部2a,2bは、圧電振動部1における積層方向への投影において、圧電振動部1を通るいかなる線分に対しても互いに線対称にならないように、かつ圧電振動部1内のいかなる点に対しても互いに点対称にならないように形成されている。
第1の架橋部2aは、上部電極層23の一部であって圧電振動部1の周縁から延びた部分23aと、圧電体層22の一部であって圧電振動部1の周縁から延びた部分22aとからなる。圧電体層22における延びた部分22aは、空洞部25の周縁部分にまで延びている。上部電極層23における延びた部分23aは、空洞部25の周縁部分にまで延びた圧電体層22の部分22aの上に形成された第1の配線電極3aと接続される。第1の配線電極3aは、第1の端子電極4aと接続される。
第2の架橋部2bは、下部電極層24の一部であって圧電振動部1の周縁から延びた部分24aと、圧電体層22の一部であって圧電振動部1の周縁から延びた部分22bとからなる。圧電体層22における延びた部分22bは、空洞部25の周縁部分にまで延びている。また、下部電極層24における延びた部分24aは、空洞部25の周縁部分にまで延びている。空洞部25の周縁部分にまで延びた下部電極層24における延びた部分24bは、第2の配線電極3bとなる。第2の配線電極3bは、第2の端子電極4bと接続される。上部電極層23は、下部電極層24における延びた部分24aおよびさらに延びた部分24bの上に重なるように延びている。
このように、第1および第2の架橋部2a,2bは、多層構造となっている。したがって、圧電振動部1を支持するための機械的強度が高まる。
本実施形態に係る圧電素子の等価回路図は、図26Bと一致する。しかし、上部電極層23は、下部電極層24における延びた部分24aおよびさらに延びた部分24bの上方に、圧電体層22を挟むようにして形成されている。したがって、この延びた部分24a,24bにおいて、新たなコンデンサが形成される。よって、当該新たなコンデンサの静電容量を調整することによって、圧電素子20の静電容量を調整することができる。
次に、第1の実施形態に係る圧電素子20の製造方法について説明する。まず、基板21の表面に空洞部25が形成される。次に、空洞部25に、たとえばPSGやSiO2 等で犠牲層が埋め込まれる。次に、犠牲層が埋め込まれた空洞部25の上に、下部電極層24、圧電体層22、上部電極層23、および端子電極が積層される。その後、犠牲層が、たとえばフッ化水素水溶液等によってエッチング除去される。このようにして、圧電素子20が形成される。
第1の実施形態に係る圧電素子20において、圧電振動部1は、空洞部25の上方に設けられており、かつ第1および第2の架橋部2a,2bによって二箇所で基板21に支持されている。したがって、圧電振動部1は自由振動に近い振動となるので、実効的電気機械結合係数が大きくなる。結果、圧電素子20の電極間に加えた電気エネルギーは、従来と比べて効率良く機械的エネルギーに変換されることとなる。
さらに、第1の実施形態に係る圧電素子20において、圧電振動部1を支持する第1および第2の架橋部2a,2bは、圧電振動部1における積層方向への投影において、圧電振動部1を通るいかなる線分に対しても互いに線対称にならないように、かつ圧電振動部1内のいかなる点に対しても互いに点対称にならないように形成されている。したがって、圧電振動部1は、ねじれにくい。また、圧電振動部1において、幅方向の振動が生じにくくなる。したがって、第1の実施形態に係る圧電素子20では、スプリアスレスポンスの発生源自体が生じにくい。よって、第1の実施形態に係る圧電素子20は、従来の圧電素子に比べて、支持部の対称性に起因するスプリアスレスポンスを抑圧することができる。結果、第1の実施形態に係る圧電素子は、不要振動モードを減衰させることができる周波数特性の良好な共振器となる。
なお、第1の実施形態では、空洞部25は、基板21の表面にのみ形成されるとしたが、空洞部が形成されるのであれば、本発明は、これに限られるものではない。たとえば、基板を上下に貫通させて空洞部を形成するようにしてもよいし、基板の上に、空洞形成層を形成して空洞部を形成するようにしてもよい。
図2Aは、基板を上下に貫通するようにして空洞部を形成したときの圧電素子20aの上面図である。図2Bは、基板を上下に貫通するようにして空洞部を形成したときの圧電素子20aの図2AにおけるB−B線に沿う断面図である。図2A,2Bに示すように、空洞部25は、基板21を上下に貫通することによって、形成されてもよい。製造方法として、まず、基板21の上に、下部電極層24、圧電体層22、上部電極層23、および端子電極部4が形成される。そして、基板21の底面部分が削り取られて、空洞部25が形成される。
図3Aは、基板の上に空洞形成層を形成して空洞部を形成するようにしたときの圧電素子20bの上面図である。図3Bは、基板の上に空洞形成層を形成して空洞を形成するようにしたときの圧電素子20bの図3AにおけるB−B線に沿う端面図である。図3A,3Bに示すように、空洞部25は、空洞形成層10によって形成されてもよい。空洞形成層10は、酸化ケイ素や窒化ケイ素などの誘電体薄膜からなる。また、空洞形成層10は、複数の材料からなる積層構造であっても良い。また、共振器部分との接触面が誘電体であれば、空洞形成層10は、金属などの導体による積層膜であってもよい。製造方法として、まず、基板21の上に、空洞形成層10が設けられる。次に、空洞形成層10を上下に貫通する空洞部25が形成される。次に、空洞部25に犠牲層(たとえば、PSGやSiO2 が埋め込まれる。次に、犠牲層が埋め込まれた空洞部25の上に、下部電極層24、圧電体層22、上部電極層23、および端子電極部4が形成される。最後に、犠牲層が空洞部25の開口部からエッチング除去される。
(第2の実施形態)
図4Aは、本発明の第2の実施形態に係る圧電素子20cの上面図である。図4Bは、図4Aに示すX−X線に沿う第2の実施形態に係る圧電素子20cの断面の第1の例を示す図である。図4Cは、図4Aに示すX−X線に沿う第2の実施形態に係る圧電素子20cの断面の第2の例を示す図である。図4Dは、図4Aに示すX−X線に沿う第2の実施形態に係る圧電素子20cの断面の第3の例を示す図である。
図4Bに示すように、第1の例では、圧電素子20cは、下部電極層24と基板21との間に、誘電体層7aを追加的に備える。基板21がシリコン基板のような半導体の場合、誘電体層7aは、絶縁基板として機能する。また、誘電体層7aを設けることによって、第1および第2の架橋部2a,2bを構成する構成要素に誘電体層7aが加わることとなるので、第1および第2の架橋部2a,2bの機械的強度が高まる。
図4Cに示すように、第2の例において、圧電素子20cは、下部電極層24と圧電体層22との間に、誘電体層7bをさらに追加的に備える。圧電体層22と下部電極層24とを直接接触させる構造の場合、圧電体層22と下部電極層24との接着強度が弱いので、構造に対する信頼性が欠ける。しかし、第2の例のように、誘電体層7bが圧電体層22と下部電極層24との間に介在することによって、接着強度が高くなり、構造に対する信頼性が向上する。また、圧電体層22そのものは、温度変化に対して共振周波数が大きく変化する、すなわち、共振周波数に対して大きな温度係数を有する。しかし、SiO2 によって誘電体層7bを形成することによって、温度変化に対して、弾性定数を補償することができる。したがって、温度変化に対する共振周波数の変化が小さくなる。さらに、誘電体層7bは、第2の架橋部2bを構成する構成要素として、第2の架橋部2bに加わることとなる。したがって、第2の架橋部2bの機械的強度がさらに高まる。さらに、誘電体層7bが圧電体層22と下部電極層24との間に介在するように設けられると、スプリアスがさらに低減するという効果も得られる。
図4Dに示すように、第3の例において、圧電素子20cは、上部電極層23と圧電体層22との間にも、誘電体層7cをさらに追加的に備える。圧電体層22と上部電極層23とを直接接触させる構造の場合、圧電体層22と上部電極層23との接着強度が弱いので、構造に対する信頼性が欠ける。しかし、第3の例のように、誘電体層7cが圧電体層22と上部電極層23との間に介在することによって、接着強度が高くなり、構造に対する信頼性が向上する。また、圧電体層22そのものは、温度変化に対して共振周波数が大きく変化する、すなわち、共振周波数に対して大きな温度係数を有する。しかし、SiO2 によって誘電体層7cを形成することによって、温度変化に対して、弾性定数を補償することができる。したがって、温度変化に対する共振周波数の変化が小さくなる。さらに、誘電体層7cは、第1の架橋部2aを構成する構成要素として、第1の架橋部2aに加わることとなる。したがって、第1の架橋部2aの機械的強度がさらに高まる。さらに、誘電体層7cが圧電体層22と上部電極層23との間に介在するように設けられると、スプリアスがさらに低減するという効果も得られる。
なお、第2の実施形態において、第1〜第3の例で示した誘電体層7a,7b,7cは、全て設けられていることが最も効果的であるが、少なくとも一層が圧電素子に設けられていても、一定の効果が得られる。すなわち、架橋部は、下部電極層、圧電体層、上部電極層、および誘電体層からなる群から選ばれる少なくとも一つの層が延びて形成されていてもよい。
第1および第2の実施形態で示したように、圧電体層は、下部電極層の上方に設けられていればよい。また、上部電極層は、圧電体層の上方に設けられていればよい。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態は、本発明の第1の実施形態の変形例である。
図5Aは、第3の実施形態に係る圧電素子20dの断面の第1の例を示す図である。第1の実施形態では、図1Bに示すように、下部電極層24は、空洞部25を跨いでいなかった。しかし、第3の実施形態に係る第1の例では、図5Aに示すように、下部電極層24は、部分24cを含む。すなわち、下部電極層24は、空洞部25を跨るように形成されている。このように構成することによって、第1の架橋部2aの機械的強度が増大する。また、このように、下部電極層24を延ばして、上部電極層23と下部電極層24との対向面積を増大させることによって、コンデンサの静電容量を調整することができる。
図5Bは、第3の実施形態に係る圧電素子20dの断面の第2の例を示す図である。図5Bに示すように、上部電極層23は、空洞部25の周縁まで延びた圧電体層22における部分22cの上まで延びていなくてもよい。このように、上部電極層23を短くしていくことによって、上部電極層23と下部電極層24との対向面積量を調整することができ、コンデンサの静電容量を調整することができる。
図5Cは、第3の実施形態に係る圧電素子20dの断面の第3の例を示す図である。図5Cに示すように、圧電体層22は、空洞部25の周縁まで延びていなくてもよい。
図5Dは、第3の実施形態に係る圧電素子20dの断面の第4の例を示す図である。図5Dに示すように、上部電極層23は、第2の架橋部2bまで延びていなくてもよい。すなわち、第2の架橋部2bは、圧電体層22の延びた部分22bと下部電極層24の延びた部分24aとによってのみ形成されてもよい。
図5Eは、第3の実施形態に係る圧電素子20dの断面の第5の例を示す図である。図5Eに示すように、上部電極層23および圧電体層22は、第2の架橋部2bまで延びていなくてもよい。すなわち、第2の架橋部2bは、下部電極層24の延びた部分24aのみによって形成されてもよい。
このように、下部電極層、圧電体層、および上部電極層からなる群から選ばれる少なくとも一つの層が、空洞部の周縁部の少なくとも一部にまで延びて形成されていることによって、機械的強度および静電容量が調整されることとなる。
なお、図5B,5C,5D,5Eにおいて、下部電極層24は、図5Aに示すように、空洞部25を跨ぐように形成されてもよい。
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態は、本発明の第2の実施形態の変形例である。
図6Aは、第4の実施形態に係る圧電素子20eの断面の第1の例を示す図である。第2の実施形態では、図4Bに示すように、下部電極層24は、空洞部25を跨いでいなかった。しかし、第4の実施形態に係る第1の例では、図6Aに示すように、下部電極層24は、部分24cを含む。すなわち、下部電極層24は、空洞部25を跨るように形成されている。このように構成することにより、第1の架橋部2aの機械的強度が増大する。
図6Bは、第4の実施形態に係る圧電素子20eの断面の第2の例を示す図である。図6Bに示すように、上部電極層23は、空洞部25の周縁まで延びた圧電体層22における部分22cの上まで延びていなくてもよい。このように、上部電極層23を短くしていくことによって、上部電極層23と下部電極層24との対向面積量を調整することができ、コンデンサの静電容量を微妙に調整することができる。
図6Cは、第4の実施形態に係る圧電素子20eの断面の第3の例を示す図である。図6Cに示すように、圧電体層22は、空洞部25の周縁まで延びていなくてもよい。
図6Dは、第4の実施形態に係る圧電素子20eの断面の第4の例を示す図である。図6Dに示すように、上部電極層23は、第2の架橋部2bまで延びていなくてもよい。すなわち、第2の架橋部2bは、圧電体層22の延びた部分22bと下部電極層24の延びた部分24aとによってのみ形成されてもよい。
図6Eは、第4の実施形態に係る圧電素子20eの断面の第5の例を示す図である。図6Eに示すように、上部電極層23および圧電体層22は、第2の架橋部2bまで延びていなくてもよい。すなわち、第2の架橋部2bは、下部電極層24の延びた部分24aのみによって形成されてもよい。
このように、下部電極層、圧電体層、上部電極層、および誘電体層からなる群から選ばれる少なくとも一つの層が、空洞部の周縁部の少なくとも一部にまで延びて形成されていることによって、機械的強度および静電容量が調整されることとなる。
なお、図6B,6C,6D,6Eにおいて、下部電極層24は、図6Aに示すように、空洞部25を跨ぐように形成されてもよい。
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態は、本発明の第1の実施形態における圧電振動部の形状を種々に変形した例である。
図7Aは、圧電振動部1を矩形にした圧電素子20fの上面図である。図7Aに示すように、圧電振動部1は、円形ではなくてもよく、矩形であってもよい。このようにしても、圧電素子20fは、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
図7Bは、圧電振動部1を不等辺不平行多角形とした圧電素子20fの上面図である。図7Bに示すように、圧電振動部1は、互いに等しくなくかつ互いに平行でない複数の辺を有する不等辺不平行多角形であってもよい。このようにしても、圧電素子20fは、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、第1の実施形態に係る圧電素子20において、空洞部25は平面形状が円形であるとしたが、本発明は、これに限られるものではない。図7Cは、空洞部25の平面形状を矩形としたときの圧電素子20fの上面図である。図7Cに示すように、空洞部25の平面形状は、矩形形状であってもよい。また、空洞部25の形状は、円形、矩形以外に、不等辺不平行多角形であってもよい。
(第6の実施形態)
図8Aは、本発明の第6の実施形態に係る圧電素子20gの上面図である。図8Bは、図8AにおけるB−B線に沿う第6の実施形態に係る圧電素子20gの断面図である。図8Cは、下部電極層の近傍を抜き出して描いた平面図である。
図8A,8B,8Cに示すように、第6の実施形態では、圧電素子20gは、第1,第2および第3の架橋部2a,2b,2cを備える。第1,第2および第3の架橋部2a,2b,2cは、圧電振動部1における積層方向への投影において、圧電振動部1を通るいかなる線分に対しても互いに線対称にならないように、かつ圧電振動部1内のいかなる点に対しても互いに点対称にならないように形成されている。したがって、支持部の対称性によって生じるスプリアスが抑圧される。
第1〜第3の架橋部2a,2b,2cのうち、例えば、第2の架橋部2bは、上部電極層23が延びた部分23aを含む。第3の架橋部2cは、下部電極層24が延びた部分24aを含む。圧電体層22の端部分上に第1の配線電極3aが設けられている。第1の配線電極3aの一方端は、上部電極層23に向けて電気信号を送受するための第1の端子電極4aと接続される。基板21の上に第2の配線電極3bが設けられている。第2の配線電極3bの一方端は、下部電極層24に向けて電気信号を送受するための第2の端子電極(図示せず)と接続される。
圧電素子20gは、さらに、第1〜第3の架橋部2a,2b,2cを介して空洞部25の周縁まで延びた上部電極層23に電気接続された第1の中継用電極5aを備える。第1の中継用電極5aは、上部電極層23の延びた部分23aからさらに延びた部分23bによって形成される。第1の中継用電極5aの内側側面は、上部電極層23の延びた部分23aに電気的接続される。第1の中継用電極5aの外側側面は、第1の配線電極3aの他方端に電気的接続される。第1の中継用電極5aは、上記のような接続関係が得られるように、空洞部25の周縁に沿ってリング状に設けられている。第1の中継用電極5a(23b)は、第1の配線電極3aから上部電極層23が延びた部分23aを介して上部電極層23に印加する電気信号を、中間で受け継ぐ働きをする。
圧電素子20gは、さらに、第1〜第3の架橋部2a,2b,2cを介して空洞部25の周縁まで延びた下部電極層24と電気接続された第2の中継用電極5bを備える。第2の中継用電極5bは、圧電振動部1における積層方向への投影において、第1の中継用電極5aの下方で、第1の中継用電極5aに重なるように、空洞部25の周縁に沿ってリング状に設けられている。第2の中継用電極5bは、下部電極層24の延びた部分24aからさらに延びた部分24bによって形成される。第2の中継用電極5b(24b)の内側側面は、下部電極層24が延びた部分24aに電気的接続される。第2の中継用電極5b(24b)の外側側面は、第2の配線電極3bの他方端に電気的接続される。これによって、第2の中継用電極5b(24b)は、第2の配線電極3bから下部電極層24が延びた部分24aを介して下部電極層24に印加する電気信号を、中間で受け継ぐ働きをする。
図9は、第1および第2中継用電極5a,5bを設けた効果を説明するための図である。第1および第2中継用電極5(5a,5b)を設けることによって、図9に示すように、圧電振動部1の周囲に配置された3つの架橋部2a,2b,2cを介して、入力電圧39が圧電振動部1内に均一に印加されるという効果が生じる。
また、第6の実施形態に係る圧電素子20gでは、図8Bに示すように、第1〜第3の架橋部2a,2b,2cは、それぞれ、圧電体層22の延長部分22a,22bを間に挟んで上下に重ねて設けられた、上部電極層23の延長部23a,23bと下部電極層24の延長部24aとによって形成されている。これらは、新たなコンデンサを形成している。
また、第1の中継用電極5aと第2の中継用電極5bとは、圧電体層22のさらなる延長部分22cを間に挟んで上下に重ねて設けられている。したがって、これもまた新たなコンデンサを形成する。
第6の実施形態にかかる圧電素子の等価回路図は、図26Bに示すものと基本的に一致する。しかし、上部電極層と下部電極層との重なり度合いや、第1の中継電極と第2の中継電極との重なり度合いを調整することによって、新しく形成されたこれらのコンデンサの静電容量を調整することができる。これによって、圧電素子内の静電容量を調整することができるという新たな効果が生じる。
なお、第6の実施形態では、第1および第2の中継用電極5a,5bの平面形状は、圧電振動部1の形状に合わせて、円形であるとしたが、第1および第2の中継電極の形状はこれに限られるものではない。第1および第2の中継用電極の形状は、圧電振動部の形状に限定されるものではなく、矩形その他の任意の形状であってよい。
図10Aは、第6の実施形態の変形例に係る圧電素子20hの上面図である。図10Bは、図10AのB−B線に沿う圧電素子20hの断面図である。図10Cは、下部電極層の近傍を抜き出して描いた平面図である。
第6の実施形態では、第1および第2の中継用電極5a,5bは、それぞれ、完全なリング状であったが、本発明は、これに限られるものでない。図10A,10B,10Cに示すように、第1の中継用電極5aは、第1〜第3の架橋部2a,2b,2cを介して、空洞部25の周縁部まで延びた上部電極層23に電気接続されるのであれば、一部に切欠きを有してもよい。同様に、第2の中継用電極5bは、第1〜第3の架橋部2a,2b,2cを介して、空洞部25の周縁部まで延びた下部電極層24に電気接続されるのであれば、一部に切欠きを有してもよい。このように、第1および第2の中継用電極5a,5bが完全なリング状になっていなくても、同様の効果が得られる。
また、リング状以外に、四角形枠状等の多角形枠状や自由曲線枠状が用いられてもよい。
なお、上記変形例では、第1および第2の中継用電極5a,5bの双方が、ともに切欠きを有することとしたが、一方は、完全なリング状であってもよい。また、第1および第2の中継用電極5a,5bにおける双方の切欠き部分は、互いに同じ形状でなくてもよい。
なお、上記変形例では、第1の中継用電極5aの切欠きの位置と第2の中継用電極5bの切欠きの位置とが上下に重なるようにしたが、切欠きの位置は、ずれていてもよい。
(第7の実施形態)
図11Aは、本発明の第7の実施形態に係る圧電素子20iの上面図である。図11Bは、図11AにおけるB−B線に沿う圧電素子20iの断面図である。第7の実施形態に係る圧電素子20iは、以下の点を除いて、第6の実施形態に係る圧電素子20gと同様である。
図11Aに示すように、第1の配線電極3aは、圧電振動部1における積層方向への投影において、圧電振動部1の中心Oと第1〜第3の架橋部2a,2b,2cの中心とを結ぶ三本の中心線OMa,OMb,OMcと、圧電振動部1の中心Oと第1の配線電極3aの中心とを結ぶ中心線ON1とが重ならないように、配置されている。また、第2の配線電極3bは、圧電振動部1における積層方向への投影において、圧電振動部1の中心Oと第1〜第3の架橋部2a,2b,2cの中心とを結ぶ各中心線OMa,OMb,OMcと、圧電振動部1の中心Oと第2配線電極3bの中心を結ぶ中心線ON2とが重ならないように、配置されている。この2点が、第6の実施形態と異なる。
好ましくは、第1〜第3の架橋部2a,2b,2cは、圧電振動部1と第1の配線電極3aとの間にそれぞれ配置されず、かつ圧電振動部1と第2の配線電極3bとの間にそれぞれ配置されないとよい。
図12Aは、第1〜第3の架橋部2a,2b,2cが、圧電振動部1と第1の配線電極3aとの間にそれぞれ配置されず、かつ圧電振動部1と第2の配線電極3bとの間にそれぞれ配置されないようにしたときの圧電素子の上面概略図である。
図12Aに示すように、第1〜第3の架橋部2a,2b,2cを配置することによって、第1の配線電極3aから、圧電振動部1に対して、ハイパワーの入力電圧39が一気に入らなくなる。これによって、圧電素子の絶縁破壊が防止される。結果、圧電素子の耐電力性を向上させることができる。
図12Bは、第2架橋部2bが圧電振動部1と第1の配線電極3aとの間に配置され、第3の架橋部2cが圧電振動部1と第2の配線電極3bとの間に配置されたときの圧電素子の上面概略図である。図12Bに示すように、圧電振動部1の中心Oと第2の架橋部2bの中心とを結ぶ中心線OMbと、圧電振動部1の中心Oと第1の配線電極3aの中心を結ぶ中心線ON1とが重なるように第1の配線電極3aが配置され、さらに、圧電振動部1の中心Oと架橋部2cの中心とを結ぶ中心線OMcと、圧電振動部1の中心Oと第2の配線電極3bの中心とを結ぶ中心線ON2とが重なるように第2の配線電極3bが配置されると、第1および第2の配線電極3a,3bから、圧電振動部1に対して、ハイパワーの入力電圧39が一気に入ることとなる。これによって、圧電素子が絶縁破壊する。
このように、第7の実施形態では、圧電素子が絶縁破壊するのを防止することができる。
(第8の実施形態)
図13Aは、本発明の第8の実施形態に係る複合圧電素子20jの上面図である。第8の実施形態に係る複合圧電素子20jは、フィルタである。複合圧電素子20jは、互いに共振周波数が異なるあるいは同一の少なくとも二つの圧電素子20k,20lを備える。圧電素子20kと圧電素子20lとは、それぞれ下部電極層同士を電気的に接続するために、配線電極3bを一体化または連結している。圧電素子20kおよび圧電素子20lは、たとえば、図8Aや図11Aに示す圧電素子である。圧電素子20kおよび圧電素子20lの構造については、図8Aおよび図11Aを参照しながら既に説明しているので、ここでは繰り返して説明しない。
第8の実施形態に係る複合圧電素子20jにおいて、各圧電振動部1は、空洞部25の上方に設けられている。各圧電振動部1は、第1〜第3の架橋部2a,2b,2cによって三箇所で基板21に支持されている。そのため、各圧電振動部1は、自由振動に近い振動を得ることができる。よって、実効的電気機械結合係数は大きくなる。
第1〜第3の架橋部2a,2b,2cは、圧電振動部1における積層方向への投影において、圧電振動部1を通るいかなる線分に対しても互いに線対称にならないように、かつ圧電振動部1内のいかなる点に対しても互いに点対称にならないように形成されている。したがって、支持部の対称性によって生じるスプリアスが抑圧される。
第1および第2の配線電極3a,3bは、それぞれの圧電素子20k,20lにおいて、圧電振動部1における積層方向への投影において、圧電振動部1の中心Oと架橋部2a,2b,2cの中心とを結ぶ各中心線OMa,OMb,OMcと、圧電振動部1の中心Oと第1および第2の配線電極3a,3bの中心とを結ぶ各中心線ON1,ON2とが重ならないように配置されている。したがって、圧電振動部1から漏れた振動43は、隣の圧電振動部1まで伝搬しない。したがって、隣接する圧電素子から漏れてくる振動43の伝搬に起因するスプリアスレスポンスが生じなくなる。結果、第8の実施形態に係る複合圧電素子は、横方向伝搬音波モードで伝搬する不要振動の干渉を有しなくなり、周波数特性の良好なフィルタとなる。
図13Bは、図13Aに示す複合圧電素子の効果を説明するための比較例に係る複合圧電素子の上面図である。図13Bに示すように、第2の配線電極3bは、圧電振動部1における積層方向への投影において、圧電振動部1の中心Oと第3の架橋部2cの中心とを結ぶ中心線OMcと、圧電振動部1の中心と第2の配線電極3bの中心とを結ぶ中心線ON2とが重なるように配置されている。このように配置すると、圧電素子20kの圧電振動部1から漏れた振動43は、隣の圧電素子20lの圧電振動部1まで伝搬してしまう。このような場合、隣り合った共振器間で、不要振動モードが干渉し、スプリアスレスポンスが発生することとなる。図13Aに示す複合圧電素子では、このような問題を解決している。
ただし、図13Bに示すような配置を有する複合圧電素子であっても、圧電素子20kの共振周波数と圧電素子20lの共振周波数とが等しく、位相が互いに逆の関係にある場合には、横方向伝搬音波モードで伝搬する不要振動は互いに相殺される。したがって、スプリアスは抑制されるので、図13Bに示すような複合圧電素子であっても有効である。
なお、第8の実施形態では、圧電素子20k,20lを、下部電極層に接続された第2の配線電極3b同士を一体化または連結することによって、複合圧電素子が構成されることとしたが、本発明は、これに限られるものではない。図14は、上部電極層に接続された第1の配線電極3a同士を一体化または連結することによって構成された複合圧電素子の上面図である。図14に示すように、圧電素子20k,20lは、中継用電極5aを介して上部電極層に電気的に接続されている配線電極3a同士を一体化または連結することによって、電気的接続されてもよい。
なお、第8の実施形態では、複合圧電素子を構成する空洞部は、圧電素子毎に設けられていることとしたが、空洞部は、各圧電素子に共通して設けられていてもよい。図15Aは、二つの圧電素子に共通の空洞部を設けたときの複合圧電素子の断面図である。図15Bは、二つの圧電素子に共通の空洞部を設けたときの複合圧電素子の上面図である。図15A,15Bに示すように、圧電素子20k、20lに共通の空洞部25aを設けるようにしてもよい。
なお、第8の実施形態では、複合圧電素子を構成する圧電素子は、二つであるとしたが、三つ以上であってもよい。共通の空洞部を設ける場合、全ての圧電素子に対して、空洞部が共通化されていてもよいし、一部の圧電素子に対して空洞部が共通化されていてもよい。
なお、第8の実施形態において、いずれか一つの圧電素子が、本発明の圧電素子であればよい。
(第9の実施形態)
第8の実施形態では、リング状の中継用電極を有する圧電素子を用いて複合圧電素子を構成する場合を示したが、本発明は、これに限定されるものではない。第9の実施形態では、中継用電極を有さない第1の実施形態に係る圧電素子を用いて、複合圧電素子を構成してもよい。
図16Aは、本発明の第9の実施形態の第1の例に係る複合圧電素子20mの上面図である。複合圧電素子20mは、フィルタである。複合圧電素子20mは、互いに共振周波数が異なるあるいは同一の少なくとも二つの圧電素子20n,20pを備える。圧電素子20nと圧電素子20pとは、下部電極層に電気的に接続された第2の配線電極3b同士が一体化または連結されることによって接続されている。
図16Bは、本発明の第9の実施形態の第2の例に係る複合圧電素子20qの上面図である。複合圧電素子20qは、フィルタである。複合圧電素子20qは、互いに共振周波数が異なるあるいは同一の少なくとも二つの圧電素子20r,20sを備える。圧電素子20rと圧電素子20sとは、上部電極層に電気的に接続された第1の配線電極3a同士が一体化または連結されることによって接続されている。
図16A,16Bに示すいずれの複合圧電素子であっても、スプリアスレスポンスが抑圧された圧電素子を用いているので、フィルタ特性の良好なフィルタとなる。
なお、第9の実施形態では、平面形状が円形の圧電振動部を有する圧電素子を用いてフィルタを形成することとしたが、本発明は、これに限られるものではない。たとえば、図7A,7Bに示すように、平面形状が矩形または不等辺不平行多角形の圧電振動部を有する圧電素子を用いてフィルタを形成してもよい。この場合も、同様の効果が得られる。また、空洞部は、図7Cに示すように、平面形状が矩形、その他の任意の形状であってもよい。
なお、第1〜第9の実施形態において、各架橋部は、圧電振動部における積層方向への投影において、圧電振動部を通るいかなる線分に対しても互いに線対称にならないように、かつ圧電振動部内のいかなる点に対しても互いに点対称にならないように形成されているとした。しかし、本発明において、各架橋部は、圧電振動部における積層方向への投影において、圧電振動部を通るいかなる線分に対しても互いに線対称にならないように形成されていれば、互いに点対称であっても効果が得られる。また、各架橋部は、圧電振動部における積層方向への投影において、圧電振動部内のいかなる点に対しても互いに点対称にならないように形成されていれば、互いに線対称であっても効果が得られる。すなわち、各架橋部は、圧電振動部における積層方向への投影において、圧電振動部を通るいかなる線分に対しても互いに線対称にならないように、および/または圧電振動部内のいかなる点に対しても互いに点対称にならないように形成されていればよい。
図17,18,19,20,21,22は、架橋部の種々の変形例を示す図である。
図17に示すように、第1の架橋部2aは、圧電体層と上部電極層とによって構成され、第2の架橋部2bは、圧電体層と下部電極層とによって構成されてもよい。
図18に示すように、第1の架橋部2aの太さと第2の架橋部2bの太さとを異ならせることによって、線分A−Aに対しては線対称となるが、圧電振動部1内のいかなる点に対しても点対称とならないようにすることができる。図18に示す圧電素子も、本発明に含まれる。
図19に示すように、第1の架橋部2aの長さと第2の架橋部2bの長さとを異ならせることによって、線分A−Aに対しては線対称となるが、圧電振動部1内のいかなる点に対しても点対称とならないようにすることができる。図19に示す圧電素子も、本発明に含まれる。
図20に示すように、第1〜第4の架橋部2a,2b,2c,2dは、それぞれ、太さ、長さ、形状が同じである。しかし、第1〜第4の架橋部2a,2b,2c,2dは、圧電振動部1における積層方向への投影において、圧電振動部1を通るいかなる線分に対しても互いに線対称とならないように、かつ圧電振動部内のいかなる点に対しても互いに点対称とならないように配置されている。図20に示す圧電素子も、本発明に含まれる。
図21に示すように、第1の架橋部2aの太さおよび長さと第2の架橋部2bの太さおよび長さとは、同じであるが、第1の配線電極3aの太さと第2の配線電極3bの太さとを異なるものとすることによって、線分A−Aに対しては線対称となるが、圧電振動部1内のいかなる点に対しても点対称とならないようにすることができる。図21に示す圧電素子も、本発明に含まれる。
図22に示すように、第1の架橋部2aの中心線Ca−Caと第2の架橋部の中心線Cb−Cbとが垂直になるように配置されてよい。この場合、線分A−Aに対しては線対称となるが、圧電振動部1内のいかなる点に対しても点対称とならない。図22に示す圧電素子も、本発明に含まれる。
(第10の実施形態)
本発明は、ミラー型の圧電素子にも適用される。図23は、本発明の第10の実施形態に係るミラー型の圧電素子の断面図である。図23において、ミラー型の圧電素子100は、上部電極層101と、圧電体層102と、下部電極層103と、ミラー層104と、第1の接合部105aと、第2の接合部105bと、第1の配線電極106aと、第2の配線電極106bと、基板107とを備える。上部電極層101と、圧電体層102と、下部電極層103とによって、圧電振動部が形成される。
第1の接合部105aは、上部電極層101の周縁の一部から延びている電極と、圧電体層102からミラー層104の上方に引き出された圧電体とによって構成される。第1の接合部105aは、第1の配線電極106aと上部電極層101とを電気的に接続すると共に、圧電振動部と第1の配線電極106aとを機械的に接続する。
第2の接合部105bは、下部電極層103の周縁の一部から延びている電極と、圧電体層102からミラー層104の上方に引き出された圧電体とによって構成される。第2の接合部105bは、第2の配線電極106bと下部電極層103とを電気的に接続すると共に、圧電振動部と第2の配線電極106bとを機械的に接続する。
第1および第2の接合部105a,105bは、圧電振動部における積層方向への投影において、圧電振動部を通るいかなる線分に対しても互いに線対称とならないように、および/または圧電振動部内のいかなる点に対しても互いに点対称とならないように配置されている。第1および第2の接合部105a,105bの配置パターンは、たとえば、図1Aにおける空洞部25がミラー層104に置き換わったものとなる。
このように、第10の実施形態では、各接合部は、圧電振動部における積層方向への投影において、圧電振動部を通るいかなる線分に対しても互いに線対称とならないように、および/または圧電振動部内のいかなる点に対しても互いに点対称とならないように配置されている。したがって、圧電振動部は、ねじれにくい。また、圧電振動部において、幅方向の振動が生じにくくなる。したがって、第10の実施形態に係る圧電素子100では、スプリアスレスポンスの発生源自体が生じにくい。よって、第10の実施形態に係る圧電素子は、従来の圧電素子に比べて、支持部の対称性に起因するスプリアスレスポンスを抑圧することができる。結果、第10の実施形態に係る圧電素子は、不要振動モードを減衰させることができる周波数特性の良好な共振器となる。
なお、第10の実施形態に係る圧電素子は、第1の実施形態と同様に、本明細書に記載されている種々の変形例に従って変形することができる。
また、上記実施形態では、架橋部が2つまたは3つの場合を例示したが、本発明はこれに限られるものでなく、必要に応じて、架橋部の数を増やしてもよい。
さらに、上記実施形態では複合圧電素子の例として、フィルタが例示されたが、本発明はこれに限られるものでなく、インクジェットプリンタヘッド、センサー等のいろいろなデバイスに本発明に係る複合圧電素子は応用される。
(第11の実施形態)
次に、本発明の圧電素子をラダー型フィルタに適用した構成について、図24を用いて説明を行う。
図24は、本発明の第11の実施形態に係るラダー型フィルタ600の構成を示す図である。図24において、ラダー型フィルタ600は、第1の圧電素子610と、第2の圧電素子620と、入出力端子630,640とを備える。第1および第2の圧電素子610,620は、第1〜第10のいずれかの実施形態に示す圧電素子である。
第1の圧電素子610は、入出力端子630と入出力端子640との間に直列に接続される。したがって、第1の圧電素子610は、直列共振器として動作する。
第2の圧電素子620は、入出力端子630と入出力端子640との間に並列に接続され、接地されている。したがって、第2の圧電素子620は、並列共振器として動作する。
このように圧電共振器を接続することにより、フィルタ構成は、L型構成のラダー型フィルタとなる。
第1の圧電素子610の共振周波数と第2の圧電素子620の共振周波数とは、異なるように、各圧電素子の厚さが設定されている。第1の圧電素子610の共振周波数は、第2の圧電素子620の共振周波数よりも高く設定されている。これによって、帯域通過特性を有するラダー型フィルタが実現される。好ましくは、第1の圧電素子610の共振周波数と第2の圧電素子620の反共振周波数とを一致させるか、または近傍に設定することによって、より通過帯域の平坦性に優れたラダー型フィルタが実現されることとなる。
なお、第11の実施形態では、1段のラダー型フィルタであるとしたが、多段のラダー型フィルタに、本発明の圧電素子を用いてもよい。
なお、第11の実施形態では、L型ラダー構成のフィルタであるとしたが、その他の構成、例えばT型、あるいはπ型のラダー構成のフィルタであっても、同様の効果を得ることができる。T型、或いはπ型の多段構成であっても同様の効果を得ることができるのはいうまでもない。
さらに、ラダー型だけでなく、格子型フィルタ構成においても同様の効果を得ることができる。すなわち、本発明の圧電素子が少なくとも一つ用いられるフィルタであれば、構成は、上述のものには限られない。
(第12の実施形態)
第12の実施形態では、上記実施形態に係る圧電素子を用いたアンテナ共用器及び通信機器の構成について説明する。
図25は、本発明の第12の実施形態に係るアンテナ共用器200の構成例を示す図である。図25において、アンテナ共用器200は、本発明の圧電素子が適用されるTxフィルタ(送信フィルタ)201と、本発明の圧電素子が適用されるRxフィルタ(受信フィルタ)202と、2つの伝送線路204,205で構成される移相回路203とで構成される。Txフィルタ201は、送信帯域の信号を通過させて、受信帯域の信号を減衰させる。Rxフィルタ202は、受信帯域の信号を通過させて、送信帯域の信号を減衰させる。これにより、低損失等の特性の優れたアンテナ共用器を得ることができる。なお、フィルタの数やフィルタを構成する圧電共振器の段数等は、図24に例示したものに限られず自由に設計することが可能である。なお、Txフィルタ201および/またはRxフィルタ202を構成する圧電素子として、少なくとも一つ本発明の圧電素子が使われていればよい。
図26は、本発明の第12の実施形態に係る通信機器411の構成例を示す図である。図26において、通信機器411は、図25に示したアンテナ共用器404と、送信増幅器405と、フィルタ406と、送信回路407と、受信増幅器408と、受信回路409と、アンテナ410とを備える。送信回路407から出力される送信信号は、フィルタ406及び送信増幅器405を介して、アンテナ共用器404に入力される。アンテナ共用器404に入力された送信信号は、アンテナ410を介して送信される。一方、アンテナ410で受信された受信信号は、アンテナ共用器404及び受信増幅器408を介して、受信回路409に入力される。このように、低損失等の特性の優れたアンテナ共用器404を用いれば、小型で高性能な通信機器を実現することができる。なお、本発明の圧電素子は、フィルタ406に用いてもよい。また、通信機器は、図26に例示したものに限られず自由に設計することが可能である。なお、本発明の圧電素子が使用される部位は、共用器またはフィルタに限られるものではない。受信側のフィルタに本発明の圧電素子が使用されてもよい。
このように、本発明の圧電素子をアンテナ共用器や通信機器に用いることによって、良好な特性を有するアンテナ共用器や通信機器を実現することができる。
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。
本発明は、横方向伝搬音波モードが抑圧された、周波数特性の良好な圧電素子、複合圧電素子であるので、携帯機器、通信機器等に有用である。
本発明の第1の実施形態に係る圧電素子20の上面図 図1AにおけるB−B線に沿う第1の実施形態に係る圧電素子20の断面図 下部電極層の近傍を抜き出して描いた平面図 基板を上下に貫通するようにして空洞部を形成したときの圧電素子20aの上面図 基板を上下に貫通するようにして空洞部を形成したときの圧電素子20aの図2AにおけるB−B線に沿う断面図 基板の上に空洞形成層を形成して空洞部を形成するようにしたときの圧電素子20bの上面図 基板の上に空洞形成層を形成して空洞を形成するようにしたときの圧電素子20bの図3AにおけるB−B線に沿う端面図 本発明の第2の実施形態に係る圧電素子20cの上面図 図4Aに示すX−X線に沿う第2の実施形態に係る圧電素子20cの断面の第1の例を示す図 図4Aに示すX−X線に沿う第2の実施形態に係る圧電素子20cの断面の第2の例を示す図 図4Aに示すX−X線に沿う第2の実施形態に係る圧電素子20cの断面の第3の例を示す図 第3の実施形態に係る圧電素子20dの断面の第1の例を示す図 第3の実施形態に係る圧電素子20dの断面の第2の例を示す図 第3の実施形態に係る圧電素子20dの断面の第3の例を示す図 第3の実施形態に係る圧電素子20dの断面の第4の例を示す図 第3の実施形態に係る圧電素子20dの断面の第5の例を示す図 第4の実施形態に係る圧電素子20eの断面の第1の例を示す図 第4の実施形態に係る圧電素子20eの断面の第2の例を示す図 第4の実施形態に係る圧電素子20eの断面の第3の例を示す図 第4の実施形態に係る圧電素子20eの断面の第4の例を示す図 第4の実施形態に係る圧電素子20eの断面の第5の例を示す図 圧電振動部1を矩形にした圧電素子20fの上面図 圧電振動部1を不等辺不平行多角形とした圧電素子20fの上面図 空洞部25の平面形状を矩形としたときの圧電素子20fの上面図 本発明の第6の実施形態に係る圧電素子20gの上面図 図8AにおけるB−B線に沿う第6の実施形態に係る圧電素子20gの断面図 下部電極層の近傍を抜き出して描いた平面図 第1および第2中継用電極5a,5bを設けた効果を説明するための図 第6の実施形態の変形例に係る圧電素子20hの上面図 図10AのB−B線に沿う圧電素子20hの断面図 下部電極層の近傍を抜き出して描いた平面図 本発明の第7の実施形態に係る圧電素子20iの上面図 図11AにおけるB−B線に沿う圧電素子20iの断面図 第1〜第3の架橋部2a,2b,2cが、圧電振動部1と第1の配線電極3aとの間にそれぞれ配置されず、かつ圧電振動部1と第2の配線電極3bとの間にそれぞれ配置されないようにしたときの圧電素子の上面概略図 第2架橋部2bが圧電振動部1と第1の配線電極3aとの間に配置され、第3の架橋部2cが圧電振動部1と第2の配線電極3bとの間に配置されたときの圧電素子の上面概略図 本発明の第8の実施形態に係る複合圧電素子20jの上面図 図13Aに示す複合圧電素子の効果を説明するための比較例に係る複合圧電素子の上面図 上部電極層に接続された第1の配線電極3a同士を一体化または連結することによって構成された複合圧電素子の上面図 二つの圧電素子に共通の空洞部を設けたときの複合圧電素子の断面図 二つの圧電素子に共通の空洞部を設けたときの複合圧電素子の上面図 本発明の第9の実施形態の第1の例に係る複合圧電素子20mの上面図 本発明の第9の実施形態の第2の例に係る複合圧電素子20qの上面図 架橋部の変形例を示す図 架橋部の変形例を示す図 架橋部の変形例を示す図 架橋部の変形例を示す図 架橋部の変形例を示す図 架橋部の変形例を示す図 本発明の第10の実施形態に係るミラー型の圧電素子の断面図 本発明の第11の実施形態に係るラダー型フィルタ600の構成を示す図 本発明の第12の実施形態に係るアンテナ共用器200の構成例を示す図 本発明の第12の実施形態に係る通信機器411の構成例を示す図 従来の圧電素子の概略断面図 従来の圧電素子の等価回路図 特許文献1に記載されている従来の圧電素子の上面図 図28Aに示す従来の圧電素子のB−B線に沿う断面図 特許文献2に記載されている他の従来の圧電素子の上面図 図29Aに示すBB線に沿う従来の圧電素子の断面図
符号の説明
1 圧電振動部
2a,2b 架橋部
3a 第1の配線電極
3b 第2の配線電極
4a 第1の端子電極
4b 第2の端子電極
20 圧電素子
21 基板
22 圧電体層
23 上部電極層
24 下部電極層
25 空洞部

Claims (17)

  1. 圧電素子であって、
    基板と、
    前記基板の上方に積層された下部電極層と、
    前記下部電極層の上方に積層された圧電体層と、
    前記圧電体層の上方に積層された上部電極層と、
    前記下部電極層、前記圧電体層、および前記上部電極層によって構成される圧電振動部の下に形成された空洞部と、
    前記圧電振動部の周縁の一部から延び、前記空洞部の上方で、前記圧電振動部を前記基板に支持するための二以上の架橋部とを備え、
    前記二以上の架橋部は、前記圧電振動部における積層方向への投影において、前記圧電振動部を通るいかなる線分に対しても互いに線対称とならないように、および/または、前記圧電振動部内のいかなる点に対しても互いに点対称とならないように、形成されていることを特徴とする、圧電素子。
  2. 前記空洞部は、前記基板を加工することによって形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の圧電素子。
  3. 前記空洞部は、前記基板の上に設けられた、当該空洞部を形成するための空洞形成層を加工することにより形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の圧電素子。
  4. 前記下部電極層、前記圧電体層、または前記上部電極層の少なくとも一つに接触するように設けられた誘電体層をさらに備える、請求項1に記載の圧電素子。
  5. 前記誘電体層は、前記基板と前記下部電極層との間に設けられていることを特徴とする、請求項4に記載の圧電素子。
  6. 前記架橋部は、前記下部電極層、前記圧電体層、前記上部電極層、および前記誘電体層からなる群から選ばれる少なくとも一つの層が延びて形成されていることを特徴とする、請求項4に記載の圧電素子。
  7. 前記下部電極層、前記圧電体層、前記上部電極層、および前記誘電体層からなる群から選ばれる少なくとも一つの層は、前記空洞部の周縁部の少なくとも一部にまで延びて形成されていることを特徴とする、請求項4に記載の圧電素子。
  8. 前記二以上の架橋部は、
    前記上部電極層から延びた部分を含む第1の架橋部と、
    前記下部電極層から延びた部分を含む第2の架橋部とを含み、
    当該圧電素子は、さらに、
    前記基板の上方であって、前記上部電極層から延びた部分に電気的に接続されるように、前記空洞部の周縁部に設けられ、第1の端子電極に接続される第1の配線電極と、
    前記基板の上方であって、前記下部電極層から延びた部分に電気的に接続されるように、前記空洞部の周縁部に設けられ、第2の端子電極に接続される第2の配線電極とを備える、請求項1に記載の圧電素子。
  9. 前記第1の配線電極は、前記積層方向への投影において、前記圧電振動部の中心と前記第1の架橋部の中心とを結ぶ第1の中心線と、前記圧電振動部の中心と前記第1の配線電極の中心とを結ぶ第2の中心線とが重ならないように、配置されており、
    前記第2の配線電極は、前記積層方向への投影において、前記圧電振動部の中心と前記第2の架橋部の中心とを結ぶ第3の中心線と、前記圧電振動部の中心と前記第2の配線電極の中心とを結ぶ第4の中心線とが重ならないように、配置されていることを特徴とする、請求項8に記載の圧電素子。
  10. 前記第1の架橋部は、前記積層方向への投影において、当該第1の架橋部が前記圧電振動部と前記第1の配線電極との間に配置されないように、配置されており、
    前記第2の架橋部は、前記積層方向への投影において、当該第2の架橋部が前記圧電振動部と前記第2の配線電極との間に配置されないように、配置されていることを特徴とする、請求項9に記載の圧電素子。
  11. 前記二以上の架橋部を介して前記空洞部の周縁まで延びた前記上部電極層に、電気的に接続された第1の中継用電極と、
    前記二以上の架橋部を介して前記空洞部の周縁まで延びた前記下部電極層に、電気的に接続された第2の中継用電極とをさらに備える、請求項1に記載の圧電素子。
  12. 前記第1および第2の中継用電極の少なくとも一方は、前記空洞部の周縁に沿ってリング状もしくは枠状に設けられていることを特徴とする、請求項11に記載の圧電素子。
  13. 少なくとも二つの圧電素子が電気的に接続された複合圧電素子であって、
    少なくとも一つの前記圧電素子は、
    基板と、
    前記基板の上方に積層された下部電極層と、
    前記下部電極層の上方に積層された圧電体層と、
    前記圧電体層の上方に積層された上部電極層と、
    前記下部電極層、前記圧電体層、および前記上部電極層によって構成される圧電振動部の下に形成された空洞部と、
    前記圧電振動部の周縁の一部から延び、前記空洞部の上方で、前記圧電振動部を前記基板に支持するための二以上の架橋部とを備え、
    前記二以上の架橋部は、前記圧電振動部における積層方向への投影において、前記圧電振動部を通るいかなる線分に対しても互いに線対称とならないように、および/または、前記圧電振動部内のいかなる点に対しても互いに点対称とならないように、形成されていることを特徴とする、複合圧電素子。
  14. 圧電素子であって、
    基板と、
    前記基板の上方に積層された下部電極層と、
    前記下部電極層の上方に積層された圧電体層と、
    前記圧電体層の上方に積層された上部電極層と、
    前記下部電極層、前記圧電体層、および前記上部電極層によって構成される圧電振動部の下に形成されたミラー層と、
    前記上部電極層から延びた部分を含み、前記ミラー層上に形成された第1の配線電極に、電気的および機械的に接続するための第1の接合部と、
    前記下部電極層から延びた部分を含み、前記ミラー層上に形成された第2の配線電極に、電気的および機械的に接続するための第2の接合部とを備え、
    前記第1の接合部と第2の接合部とは、前記圧電振動部における積層方向への投影において、前記圧電振動部を通るいかなる線分に対しても互いに線対称とならないように、および/または、前記圧電振動部内のいかなる点に対しても互いに点対称とならないように、形成されていることを特徴とする、圧電素子。
  15. 複数の圧電素子を備えるフィルタであって、
    少なくとも一つの前記圧電素子は、
    基板と、
    前記基板の上方に積層された下部電極層と、
    前記下部電極層の上方に積層された圧電体層と、
    前記圧電体層の上方に積層された上部電極層と、
    前記下部電極層、前記圧電体層、および前記上部電極層によって構成される圧電振動部の下に形成された空洞部と、
    前記圧電振動部の周縁の一部から延び、前記空洞部の上方で、前記圧電振動部を前記基板に支持するための二以上の架橋部とを備え、
    前記二以上の架橋部は、前記圧電振動部における積層方向への投影において、前記圧電振動部を通るいかなる線分に対しても互いに線対称とならないように、および/または、前記圧電振動部内のいかなる点に対しても互いに点対称とならないように、形成されていることを特徴とする、フィルタ。
  16. 複数の圧電素子を備えるフィルタで構成される共用器であって、
    少なくとも一つの前記圧電素子は、
    基板と、
    前記基板の上方に積層された下部電極層と、
    前記下部電極層の上方に積層された圧電体層と、
    前記圧電体層の上方に積層された上部電極層と、
    前記下部電極層、前記圧電体層、および前記上部電極層によって構成される圧電振動部の下に形成された空洞部と、
    前記圧電振動部の周縁の一部から延び、前記空洞部の上方で、前記圧電振動部を前記基板に支持するための二以上の架橋部とを備え、
    前記二以上の架橋部は、前記圧電振動部における積層方向への投影において、前記圧電振動部を通るいかなる線分に対しても互いに線対称とならないように、および/または、前記圧電振動部内のいかなる点に対しても互いに点対称とならないように、形成されていることを特徴とする、共用器。
  17. 圧電素子を備える通信機器であって、
    前記圧電素子は、
    基板と、
    前記基板の上方に積層された下部電極層と、
    前記下部電極層の上方に積層された圧電体層と、
    前記圧電体層の上方に積層された上部電極層と、
    前記下部電極層、前記圧電体層、および前記上部電極層によって構成される圧電振動部の下に形成された空洞部と、
    前記圧電振動部の周縁の一部から延び、前記空洞部の上方で、前記圧電振動部を前記基板に支持するための二以上の架橋部とを備え、
    前記二以上の架橋部は、前記圧電振動部における積層方向への投影において、前記圧電振動部を通るいかなる線分に対しても互いに線対称とならないように、および/または、前記圧電振動部内のいかなる点に対しても互いに点対称とならないように、形成されていることを特徴とする、通信機器。
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