JP4553446B2 - プロジェクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロジェクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のプロジェクタとしては、例えば、液晶パネルをライトバルブとして用いて映像光を透過させ投射レンズによってスクリーン上に拡大投写するライトバルブ方式プロジェクタがあり、特開平5−165004号公報などに記載されたものが一般に知られている。
【0003】
このライトバルブ方式プロジェクタでは、このプロジェクタに使用されるランプの光の利用率を高めるよう構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来のプロジェクタでは、ランプの光の利用率を高めるよう構成されているが、この種の構成においてもランプ本体の実力10%以下の光のみだけしか利用されていなく、利用されていない殆どの光は、光エネルギおよび熱エネルギ等になって外部へ放出されていた。
【0005】
本発明は、光源からの不要光を有効利用して消費電力を低減したプロジェクタを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のプロジェクタは、反射鏡を用いることなく構成され、光源からの出射光を透過して映像光を形成する映像表示デバイスと、前記映像表示デバイスで形成された映像光を透過して外部のスクリーンに投射するレンズと、前記映像表示デバイスと前記レンズとの間の区間における導光路の周囲に設けられ、前記区間で発生し前記映像表示デバイスから前記レンズに向かう方向とは逆方向の成分と光軸の中心から外側に向かう方向の成分とを有する不要光を受光して光エネルギを電気エネルギに変換する光電変換素子と、前記光電変換素子からの電気エネルギを蓄電する充電器と、前記充電器に電気エネルギが蓄電されたことを検出する検出回路と、を備え、前記検出回路からの指示に基づいて前記充電器の電気エネルギを使用することを特徴としたものである。
【0007】
本発明によると、光源からの不要光を有効利用して消費電力を低減したプロジェクタを得ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、反射鏡を用いることなく構成され、光源からの出射光を透過して映像光を形成する映像表示デバイスと、前記映像表示デバイスで形成された映像光を透過して外部のスクリーンに投射するレンズと、前記映像表示デバイスと前記レンズとの間の区間における導光路の周囲に設けられ、前記区間で発生し前記映像表示デバイスから前記レンズに向かう方向とは逆方向の成分と光軸の中心から外側に向かう方向の成分とを有する不要光を受光して光エネルギを電気エネルギに変換する光電変換素子と、前記光電変換素子からの電気エネルギを蓄電する充電器と、前記充電器に電気エネルギが蓄電されたことを検出する検出回路と、を備え、前記検出回路からの指示に基づいて前記充電器の電気エネルギを使用することを特徴としたプロジェクタとしたものであり、本プロジェクタの動作時における不要光を受光して電気エネルギに変換しこの電気エネルギを使用することができ、プロジェクタの消費電力を低減することができる。
【0010】
本発明の請求項2に記載の発明は、前記充電器からの電気エネルギを、一次側の交流入力を変圧整流した二次側の低電圧ラインと、プロジェクタ動作を制御する制御用マイコンと、光源を冷却する冷却用ファンとのうちのいずれかに供給するよう構成した請求項1記載のプロジェクタとしたものであり、不要光を変換した直流電圧を、二次側の低電圧ラインに供給して使用したり、プロジェクタ動作を制御する制御用マイコンに供給して使用したり、光源を冷却する冷却用ファンに供給して使用することができ、本プロジェクタの消費電力を低減することができる。
【0011】
以下、本発明のプロジェクタを具体的な実施の形態に基づいて説明する。なお、ここではこのプロジェクタをライトバルブ方式プロジェクタとした場合を例に挙げて説明する。
【0012】
(実施の形態1)
図1に示した本発明の実施の形態1のプロジェクタは、光源としてのバルブライト1からの出射光を映像を映出する映像表示デバイス2に照射してこの映像表示デバイス2で形成された映像光を、レンズ2aを介して外部のスクリーン14に投写するライトバルブ方式プロジェクタであって、プロジエクタ15の機体の内部にバルブライト1からの不要光bを受光するように配設され光エネルギを電気エネルギに変換する光電変換素子3と、光電変換素子3からの電気エネルギを蓄電する充電器4と、充電器4に電気エネルギが蓄電されたことを検出する検出回路としての検出器5を設け、検出器5からの指示に基づいて充電器4の電気エネルギを使用するよう構成した点が前述の従来例とは異なっている。
【0013】
スイッチ6は、検出器5からの指示に基づいて、充電器4からの直流電圧、または一次側の交流入力をトランス7で変圧しダイオード8で整流した直流電圧の一方をセット二次側の低電圧ライン9に接続するよう構成されている。このセット二次側の低電圧ライン9は、本プロジェクタで使用される低電圧ラインであり、例えば、本プロジェクタを構成する各種の電気回路部を動作させるための低電圧を供給するためのものである。
【0014】
映像表示デバイス2としては、例えば、液晶パネルを入射偏光板と出射偏光板とで挟み込んだものがあり、バルブライト1からの出射光を入射偏光板と液晶パネルと出射偏光板とを順に透過させて映像を映出するものがある。
【0015】
この光電変換素子3は、バルブライト1からの出射光が映像を映出する映像表示デバイス2に照射されこの映像表示デバイス2で形成された映像光が外部のスクリーン14に出射される導光路aの周囲に設けられている。バルブライト1からの出射光は、一般に、バルブライト1から遠ざかるほどに光量が少なくなるので、この光電変換素子3は、映像表示デバイス2の以降よりも、バルブライト1から映像表示デバイス2までの導光路aの周囲に設ける方がより効果的である。
この光電変換素子3としては、例えば、光起電力効果素子を用いており、具体的には太陽電池を用いている。
【0016】
ここで、このプロジェクタでの不要光を利用する動作について説明する。
図1に示すように、光電変換素子3は、バルブライト1からの不要光を受けて光エネルギを電気エネルギに変換し、この電気エネルギを充電器4に出力する。
充電器4は、光電変換素子3からの電気エネルギーを充電する。検出器5は、充電器4に電気エネルギが十分に充電されたことを検出すると、ダイオード8で整流した直流電圧に替えて充電器4からの直流電圧をセット2次側の低電圧ライン9に接続するようスイッチ6を切り替え制御する。
【0017】
なお、検出器5は、充電器4の充電量が少なくなると、充電器4からの直流電圧に替えてダイオード8で整流した直流電圧をセット2次側の低電圧ライン9に接続するようスイッチ6を切り替え制御する。このスイッチ6での切り替えがセット2次側に悪影響を及ぼさないようにスイッチングノイズ対策などが講じられている。
【0018】
このように構成したため、バルブライト1からの不要光を光電変換素子3で受光し電気エネルギに変換して充電器4に充電しこの充電した直流電圧をセット2次側の低電圧ライン9に供給して使用することができ、本プロジェクタの消費電力を低減することができる。
【0019】
(実施の形態2)
図2に示した本発明の実施の形態2のプロジェクタは、前述の実施の形態1のように不要光から得た直流電圧を、具体的に、プロジェクタ動作を制御する制御用マイコン10に供給するように構成した点が前述の実施の形態1とは異なっている。
【0020】
この制御用マイコン10は、本プロジェクタの動作を制御するよう構成されたマイクロコンピュータであり、スクリーン14に拡大投写したりする通常状態での動作のみならず、ユーザからの指示を低消費電力状態で待つスタンバイ状態での動作も制御するものである。制御用マイコン10に直流電圧を供給する制御用マイコン電圧供給部11としては、例えば、本プロジェクタの主電源ラインから直接に必要な直流電圧を生成するものや、本プロジェクタの主電源とは独立した電池などがある。
【0021】
ここで、このプロジェクタでの不要光を利用する動作について説明する。なお、充電器4に十分に電気エネルギが充電されたことを検出器5で検出するまでは、前述の実施の形態1と同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0022】
検出器5は、図2に示すように、充電器4に電気エネルギが十分に充電されたことを検出すると、制御用マイコン電圧供給部11からの直流電圧に替えて充電器4からの直流電圧を制御用マイコン10に接続するようスイッチ6を切り替え制御する。
【0023】
このように構成したため、バルブライト1からの不要光を光電変換素子3で受光し電気エネルギに変換して充電器4に充電しこの充電した直流電圧を制御用マイコン10に供給して使用することができ、本プロジェクタの消費電力を低減することができる。さらに、制御用マイコン10に必要な電圧を供給することが可能になったことによりセット待機(スタンバイ)状態時においても消費電力を低減することができる。
(実施の形態3)
図3に示した本発明の実施の形態3のプロジェクタは、前述の実施の形態1のように不要光から得た直流電圧を、具体的に、バルブライト1を冷却する冷却用ファンとしてのバルブライト冷却用ファン12に供給するように構成した点が前述の実施の形態1とは異なっている。
【0024】
ここで、このプロジェクタでの不要光を利用する動作について説明する。なお、充電器4に十分に電気エネルギが充電されたことを検出器5で検出するまでは、前述の実施の形態1と同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0025】
検出器5は、図3に示すように、充電器4に電気エネルギが十分に充電されたことを検出すると、バルブライト冷却用ファン電圧供給部13からの直流電圧に替えて充電器4からの直流電圧をバルブライト冷却用ファン12に接続するようスイッチ6を切り替え制御する。熱を帯びたバルブライト1はバルブライト冷却用ファン12によって冷却される。
【0026】
このように構成したため、バルブライト1からの不要光を光電変換素子3で受光し電気エネルギに変換して充電器4に充電しこの充電した直流電圧をバルブライト冷却用ファン12に供給して使用することができ、本プロジェクタの消費電力を低減することができる。さらに、本プロジェクタの主電源が故意に切断されたときにおいても、バルブライト冷却用ファン12の電源は主電源とは独立にしているため、バルブライト冷却用ファン12は常に動作し、熱を帯びたバルブライト1を冷却することが可能となるため、熱によるバルブライト1の破壊を防ぐことができる。
【0027】
なお、前述の各実施の形態では、光源をバルブライトとしているが、バルブライト1の以外の光源とした場合であっても、前述と同様の効果を有する。
前述の各実施の形態では、映像表示デバイス2として液晶パネルを用いているが、映像表示デバイス2を反射型のディジタルミラーレンズ(DMD)やDLP(Direct Light Panel)とした場合であっても、前述と同様の効果を有する。
【0028】
前述の各実施の形態では、ライトバルブ方式プロジェクタを一例に説明しているが、ライトバルブ方式以外のプロジェクタであっても、前述と同様の効果を有する。
【0029】
前述の各実施の形態では、光電変換素子3を、前記導光路の周囲に設けているが、受光する光量が十分であれば光電変換素子3を前記導光路の周囲の一部分に設けたり、光源からの光の利用率を低減させないのであれば光電変換素子3を前記導光路に設けたりする場合であっても、前述と同様の効果を有する。具体的には、図4に示すようにプロジエクタ15の機体の内部に光電変換素子3を配設する。
【0030】
【発明の効果】
以上のように本発明のプロジェクタによれば、反射鏡を用いることなく構成され、光源からの出射光を透過して映像光を形成する映像表示デバイスと、前記映像表示デバイスで形成された映像光を透過して外部のスクリーンに投射するレンズと、前記映像表示デバイスと前記レンズとの間の区間における導光路の周囲に設けられ、前記区間で発生し前記映像表示デバイスから前記レンズに向かう方向とは逆方向の成分と光軸の中心から外側に向かう方向の成分とを有する不要光を受光して光エネルギを電気エネルギに変換する光電変換素子と、前記光電変換素子からの電気エネルギを蓄電する充電器と、前記充電器に電気エネルギが蓄電されたことを検出する検出回路と、を備え、前記検出回路からの指示に基づいて前記充電器の電気エネルギを使用することにより、本プロジェクタの動作時における不要光を受光して電気エネルギに変換しこの電気エネルギを使用することができ、プロジェクタの消費電力を低減することができる。
【0032】
また、前記充電器からの電気エネルギを、一次側の交流入力を変圧整流した二次側の低電圧ラインと、プロジェクタ動作を制御する制御用マイコンと、光源を冷却する冷却用ファンとのうちのいずれかに供給するよう構成した場合では、不要光を変換した直流電圧を、二次側の低電圧ラインに供給して使用したり、プロジェクタ動作を制御する制御用マイコンに供給して使用したり、光源を冷却する冷却用ファンに供給して使用することができ、本プロジェクタの消費電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1のプロジェクタの不要光再利用の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態2のプロジェクタの不要光再利用の構成を示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態3のプロジェクタの不要光再利用の構成を示すブロック図
【図4】本発明の上記各実施の形態における光電変換素子の具体的な配置位置の説明図
【符号の説明】
1 バルブライト
2 映像表示デバイス
3 光電変換素子
4 充電器
5 検出器
6 スイッチ
10 制御用マイコン
12 バルブライト冷却用ファン
Claims (2)
- 反射鏡を用いることなく構成され、光源からの出射光を透過して映像光を形成する映像表示デバイスと、
前記映像表示デバイスで形成された映像光を透過して外部のスクリーンに投射するレンズと、
前記映像表示デバイスと前記レンズとの間の区間における導光路の周囲に設けられ、前記区間で発生し前記映像表示デバイスから前記レンズに向かう方向とは逆方向の成分と光軸の中心から外側に向かう方向の成分とを有する不要光を受光して光エネルギを電気エネルギに変換する光電変換素子と、
前記光電変換素子からの電気エネルギを蓄電する充電器と、
前記充電器に電気エネルギが蓄電されたことを検出する検出回路と、
を備え、
前記検出回路からの指示に基づいて前記充電器の電気エネルギを使用することを特徴としたプロジェクタ。 - 前記充電器からの電気エネルギを、一次側の交流入力を変圧整流した二次側の低電圧ラインと、プロジェクタ動作を制御する制御用マイコンと、光源を冷却する冷却用ファンとのうちのいずれかに供給するよう構成した請求項1記載のプロジェクタ。
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