JP4552420B2 - ガラス繊維織物の表面処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、プリント配線基板用ガラス繊維織物の表面処理方法に関する。
ガラス繊維織物は、溶融ガラスを延伸して得られたガラスモノフィラメントを束にしたもの(ストランドないしはヤーン)をエアージェット織機等により製織して製造される。このようなガラス繊維織物を樹脂と組み合わせ、電子機器等のプリント配線板等の複合材料の基材として使用する場合、ガラス繊維の表面と樹脂とを強固に結合させるために、シラン化合物のカップリング剤(以下、「シランカップリング剤」という)の水溶液及び/又は水分散液等である表面処理液をガラス繊維に含浸させ乾燥する、いわゆる表面処理が行われる。この際、この表面処理液の効果を十分に利用するためにはガラスモノフィラメントの表面に有機物等の不純物がないことが要求される。
しかし、ガラス繊維織物を構成するガラスストランドを形成する工程ではガラスモノフィラメントを束にし、ガラスストランドとするためにデンプン等の有機物を含む集束剤がガラスモノフィラメントに塗付される。また、ガラス繊維織物を製織する工程ではガラス繊維同士の摩擦によるガラスモノフィラメントの切断等からガラス繊維を保護するためアクリル樹脂等の有機物を含む集束剤が経糸に塗付される。これらの集束剤は、ガラス繊維と樹脂との結合を強固にするためのシランカップリング剤の効果を阻害する。
そのため、プリント配線板等の複合材料の基材として使用するガラス繊維織物を製造する工程において、ガラス繊維に含浸した集束剤中の有機物を除去する、いわゆる脱油処理が行われる。
脱油処理後のガラス繊維織物は、ガラス繊維の表面を保護するもの(集束剤、シランカップリング剤等)が残っていないため、摩擦や衝撃に弱くガラスモノフィラメントが切断しやすい。ガラスモノフィラメントが切断するとガラス繊維織物の毛羽になり品質上問題となる。
脱油処理後の表面処理の工程としては、脱油処理工程の最後で巻芯に巻かれたガラス繊維織物を送り出す工程、送り出されたガラス繊維織物を表面処理液が貯蔵された処理槽に通し表面処理液をガラス繊維に含浸させる工程、ガラス繊維織物に余分に含浸した表面処理液を絞る工程、表面処理液が含浸したガラス繊維織物を乾燥させる工程、再度ガラス繊維織物を巻芯に巻き取る工程がある。これらのいずれかの工程あるいは各工程間のガラス繊維織物の搬送時にガラスモノフィラメントが切断する恐れがあるが、特に脱油処理後から巻芯に巻かれたガラス繊維織物を送り出す工程を経て表面処理液が貯蔵された処理槽に通し表面処理液をガラス繊維に含浸させる工程まではガラス繊維表面にガラス繊維を保護するもの(集束剤、シランカップリング剤等)が付着していないので、ガラスモノフィラメントが切断しやすい。
上記のように、従来のガラス繊維織物の表面処理方法では脱油処理後にガラス繊維を保護するものがガラス繊維表面に付着していないにも係らず、前記各工程及び各工程間における搬送等により生じる摩擦、屈曲等によってガラス繊維織物に負荷がかかるため、ガラスモノフィラメントが切断し、ガラス繊維織物に毛羽が発生するという問題があった。
また、従来のガラス繊維織物の表面処理方法では、巻芯に巻かれたガラス繊維織物を送り出す工程、送り出されたガラス繊維織物を表面処理液が貯蔵された処理槽に通し表面処理液をガラス繊維に含浸させる工程、ガラス繊維織物に余分に含浸した表面処理液を絞る工程、表面処理液が含浸したガラス繊維織物を乾燥させる工程、再度ガラス繊維織物を巻芯に巻き取る工程を必要とするため、比較的大きな設備が必要であるという問題があった。
また、上記のような問題を解決するために巻芯に巻いたままのガラス繊維織物に表面処理液を含浸させた後、表面処理液が含浸し湿潤状態にあるガラス繊維織物を巻芯に巻いたまま加熱雰囲気中等に静置して乾燥させた場合、巻芯に巻いたガラス繊維織物の内部から表層に向かって表面処理液中の水等の蒸発分が移動するが、これに伴い乾燥後にガラス繊維表面に残るシランカップリング剤も巻芯に巻いたガラス繊維織物の内部から表層に向かって移動するため、乾燥後は巻芯に巻いたガラス繊維織物の巻き始めの部分より巻き終わりの部分の方がシランカップリング剤の付着量が多くなるという問題が生じる。なお、表面処理液としては、シランカップリング剤の水溶液や水分散液が好ましく、シランカップリング剤の代表例としては、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−(N−スチリルメチル−2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン塩酸塩などが挙げられる。また、表面処理液中のシランカップリング剤は、その一部又は全部が表面処理液中で加水分解していてもよい。さらに、表面処理液には、シランカップリング剤の他に界面活性剤や着色剤(顔料、染料)などが含まれていてもよい。
本発明の目的は、ガラス繊維織物に摩擦や屈曲等の負荷を与えず、かつガラス繊維表面に均一にシランカップリング剤を付着させることのできるプリント配線基板用ガラス繊維織物の表面処理方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、集束剤を除去したガラス繊維織物が巻き付けられた両端が塞がれ胴部に複数の空隙が形成された筒状の巻芯を表面処理液中に浸漬することにより集束剤を除去したガラス繊維織物に表面処理液を含浸させ、次いで、この表面処理液の含浸したガラス繊維織物を巻芯に巻いた状態で、表面処理液中から取り出し、加熱炉内を加熱し、巻芯を加熱炉内に配置し、ガラス繊維織物の周囲の加熱されたガス(以下、「加熱ガス」という)を表面処理液の含浸したガラス繊維織物と巻芯に形成された空隙を通して巻芯内に流通させ、表面処理液の含浸したガラス繊維織物を乾燥させることでガラス繊維織物を表面処理することを特徴とする。
この方法によれば、集束剤が除去されたガラス繊維織物を両端が塞がれ胴部に複数の空隙が形成された巻芯に巻いた状態で表面処理液中に浸漬し、表面処理液を集束剤が除去されたガラス繊維織物に含浸させ、次いで表面処理液の含浸したガラス繊維織物を巻芯に巻いた状態で表面処理液中から取り出し、この表面処理液の含浸したガラス繊維織物を巻いた巻芯を加熱炉内に配置して、ガラス繊維織物を乾燥させることで、ガラス繊維織物に搬送などで生じる摩擦、屈曲等による負荷を低減し、ガラス繊維織物を構成するガラスモノフィラメントの切断やガラス繊維織物の毛羽の発生を低減させることができる。
また、乾燥においては、表面処理液の含浸したガラス繊維織物を巻いた巻芯を加熱炉内に配置することで、ガラス繊維織物の周囲の加熱ガスが表面処理液の含浸したガラス繊維織物を外側から加熱するため、巻芯に巻いたガラス繊維織物の内部から表層に向かう表面処理液に含まれる水等の蒸発分の移動が生じ、それに伴いシランカップリング剤も巻芯に巻いたガラス繊維織物の内部から表層に向かう移動が生じる。このため、乾燥後は巻芯に巻いたガラス繊維織物の巻き始めより巻き終わりの方がガラス繊維に付着しているシランカップリング剤が多くなる。しかし、ガラス繊維織物を巻いた巻芯内のガスを排出させながら加熱することにより、ガラス繊維織物の周囲の加熱ガスが表面処理液の含浸したガラス繊維織物を通して巻芯内に引き込まれるため、巻芯内に引き込まれる加熱ガスの移動が生じ、それに伴い表面処理液は巻芯に巻いたガラス繊維織物の表層から内部への移動が生じる。これにより、乾燥後巻芯に巻いたガラス繊維織物の巻き始めより巻き終わりの方がガラス繊維に付着しているシランカップリング剤が多くなる現象が抑制される。
加熱ガスを巻芯内に引き込む方法としては、巻芯内のガスを排出することが考えられる。巻芯内だけを減圧すればよいので効率性の観点から有効である。
上記の方法を実現するためのガラス繊維織物の表面処理装置は、本発明によれば表面処理液を貯留する処理槽と、内部空間が加熱される加熱炉と、処理槽及び加熱炉内に配置可能でありかつ両端が塞がれ胴部に複数の空隙が形成されている筒状の巻芯と、その巻芯に対して取り付けられた、巻芯内のガスを排出するためのガス排出手段とを備えるものが好適である。
このような構成では、ガラス繊維織物を脱油した後、脱油により集束剤が除去されたガラス繊維織物を両端が塞がれ胴部に複数の空隙が形成された筒状の巻芯に巻きつけた状態で表面処理液を貯留した処理槽内に浸漬することで、ガラス繊維織物内に表面処理液が含浸する。次いで、表面処理液の含浸したガラス繊維織物を巻きつけた巻芯を、予め約110℃に加熱された加熱炉内に入れ、ガス排出手段を用いて巻芯内のガスを排出すれば、加熱ガスがガラス繊維織物及び空隙を通って巻芯内に引き込まれ、ガラス繊維織物は乾燥する。このため、前出したようにガラス繊維織物に負荷をかけること無く表面処理することが可能である。
また、上述した乾燥装置は、加熱炉内で生成した加熱ガスを加熱炉内で循環させる循環装置を更に備えることが、加熱炉内の温度を一様にし、エネルギー効率を向上させる観点から有効である。
本発明では、ガラス繊維織物を巻芯に巻いたまま、処理液中に浸漬し、巻芯内部のガスを排出して、巻芯に巻いたガラス繊維織物に処理液を含浸させ、さらに、ガラス繊維織物を巻芯に巻いたまま乾燥炉内に投入し、ガラス繊維織物の周囲の加熱されたガスをガラス繊維織物を通して巻芯内に引き込みガラス繊維織物を乾燥させることにより、ガラス繊維織物の表面処理工程におけるガラス繊維の毛羽、切断を防止し、ガラス繊維織物にムラなくシランカップリング剤を付着させることができるという効果を有する。そして、このようにして表面処理されたガラス繊維織物は、全体が均質な製品になる。従って、このガラス繊維織物を用いたプリント配線基板は、強度的な欠点がなく、樹脂との接着性が良いため、耐熱性や強度特性に優れた基板になるという効果を奏する。また、本発明では、ガラス繊維織物を巻芯に巻いたまま表面処理するため、表面処理するためのガラス繊維織物を巻芯から送り出す工程、及び表面処理されたガラス繊維織物を再度巻芯に巻き取る工程が省略できるので、ガラス繊維織物を表面処理する設備を小さくすることができる。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
以下に説明する本発明の実施形態は、電気回路用のプリント配線基板等を作るために用いられるガラス繊維織物を最終的なガラス繊維製品として製造する場合についてである。図1、図2は、そのガラス繊維織物を製造するに際して用いられるガラス繊維織物に表面処理液を含浸させる工程を示す。図3は、そのガラス繊維製品を製造するに際して用いられる乾燥装置10を示し、図4はその要部を示している。また、図5は、脱油前のガラス繊維織物を示すものである。
ガラス繊維織物を製造する場合、まず図5のような集束剤の含浸したガラス繊維織物を製造するのであるが、その製造方法は周知のとおりである。すなわちガラス原料を溶融炉で溶融し、その溶融ガラスをブッシングの複数のノズル孔から引き出すことにより複数ほんのガラス繊維モノフィラメントを得る。次にこのようにして得られた複数本のガラス繊維モノフィラメントに対して、集束剤を塗付する。集束剤が塗付された複数本のガラス繊維モノフィラメントを束ねてストランドを形成する。そして、このストランドに撚りをかけたものであるヤーン12a、12bを織ることにより、ガラス繊維織物12が製造される。
このようにして製造されたガラス繊維織物12は、巻芯に巻き付けられて適宜保管された後、脱油処理される。脱油処理の方法としては、巻芯に巻きつけられたガラス繊維織物12を送り出し加熱炉内を移動させながら集束剤を加熱減量させ再度別の巻芯に巻き付ける連続脱油法、巻芯に巻き付けた状態で加熱炉内に配置し集束剤を加熱減量させるバッチ式脱油法が周知である。
連続脱油法で脱油処理する場合は、ガラス繊維織物12を製織時に後述の巻芯14または類似の巻芯に巻き付け、これらのガラス繊維織物12を巻き付けた巻芯からガラス繊維織物12を送り出しながら集束剤を加熱減量させた後、後述の巻芯14に巻き付けて保管する。バッチ式脱油法で処理する場合はガラス繊維織物12を製織時に後述の巻芯14に巻き付け、この状態で集束剤を加熱減量し保管する。
このようにして後述の巻芯14に巻き付けられ保管されたガラス繊維織物に、図1の処理槽55を用いて、表面処理液を含浸させる。
処理槽55は、内部に表面処理液53を貯留し、この表面処理液53中に後述の巻芯14に巻き付けられたガラス繊維織物を浸漬し、表面処理液53をガラス繊維織物に含浸させるためのものである。
処理槽55の上方には、吊り下げ装置62が設けられている。吊り下げ装置62は、動力源であるモータ、モータの動力により巻き付けや送り出しされるワイヤー、このワイヤーとガラス繊維織物が巻き付けられた巻芯を接続するための吊り下げ治具66を含む。この吊り下げ装置62には、吊り下げ装置62が処理槽55上方と処理槽55近傍の上方間を移動可能にするための移動装置72を有することが好ましい。この場合、移動装置72の移動をガイドするための軌道70が必要である。
処理槽55上方から処理槽55近傍の上方に吊り下げ装置62が移動可能となるように吊り下げ装置62移動用の軌道70設置しておく。この軌道70に吊り下げ装置62に付属する移動装置72を配置し、軌道70に沿って吊り下げ装置62が移動できるようにする。
上記の吊り下げ装置62を使用してガラス繊維織物12に処理液を含浸させる手順は次の通りである。
先ず、図1に示すように吊り下げ装置62を処理槽55近傍の上方まで移動しておき、吊り下げ装置62の下方に支持台88を用いてガラス繊維織物12を巻いた巻芯14を置く。次いで、吊り下げ装置62のワイヤー64の長さを適宜調節し、ガラス繊維織物12を巻いた巻芯14の支軸38に吊り下げ治具66のフック68を取り付ける。次に、巻芯14の端板34に取り付けられた排出パイプ48を真空ポンプ46にホース80を介して接続する。続いて、吊り下げ装置62のワイヤー64を巻き上げて巻芯34に巻き付けたガラス繊維織物12の下部が処理槽55の側面より高い高さになるまでガラス繊維織物12を巻いた巻芯14を吊り上げ、この状態で吊り下げ装置62を処理槽55上方に移動させて、ガラス繊維織物12を巻いた巻芯を処理槽53上方に移動させる。その後、ワイヤー64を送り出し、図2に示すようにガラス繊維織物12を巻いた巻芯14を処理槽12に貯留された表面処理液53に浸漬する。浸漬後は、直ちに真空ポンプ46を作動させて巻芯14内部のガスを排出させながら、巻芯14に巻いたガラス繊維織物12に表面処理液53を含浸させる。
巻芯14に巻かれたガラス繊維織物12の全体に表面処理液53を含浸させた後、真空ポンプ46を停止し、巻芯14内部のガスの排出を止める。次いで、吊り下げ装置62のワイヤー64を巻き上げて巻芯34に巻き付けたガラス繊維織物12の下部が処理槽55の側面より高い高さになるまでガラス繊維織物12を巻いた巻芯14を吊り上げ、この状態で吊り下げ装置62を処理槽55近傍の支持台88の上方に移動させて、ガラス繊維織物12を巻いた巻芯を処理槽55近傍に置いた支持台88の上方に移動させる。次に、吊り下げ装置62のワイヤー64の長さを適宜調節し、吊り下げ装置62の下方にある支持台88にガラス繊維織物12を巻いた巻芯14を置く。さらに、吊り下げ装置62のワイヤー64を緩め、ガラス繊維織物12を巻いた巻芯14の支軸38から吊り下げ治具66のフック68に取りはずす。
次いで、巻芯14の端板34に取り付けられた排出パイプ48から真空ポンプ46に接続したホース80を取り外す。このとき、排出パイプ48がなるべく低い位置になるようにして巻芯を支持台88に置くと、巻芯14の内部に残った表面処理液53が巻芯14内部から抜けやすいので好ましい。
上述の方法で表面処理液を含浸させたガラス繊維織物は、図3の乾燥装置10を用いて乾燥される。
乾燥装置10は、加熱炉16を有する。加熱炉16は内部空間を加熱して、表面処理液の含浸したガラス繊維織物を乾燥させるためのものである。
加熱炉16内にはその内部を加熱するための加熱手段が設けられている。加熱手段としては電気式ヒータやバーナなど種々のものが考えられるが、本実施形態ではガス式シングルラジアントチューブバーナ(以下、「バーナ」という)18とした。また、バーナ18の位置は特に限定するものではないが、図1では加熱炉16の上側の壁面20に設置している。
加熱炉16内には、バーナ18近傍の加熱ガスを炉16内で循環させるための循環手段であるファン22が設けられている。ファン22は、バーナ18で加熱されたガスが吸引されるように配置されることが好ましい。ファン22の近傍で加熱された高温空気である加熱ガスはすぐに、加熱炉16内に広げられ、加熱炉16内の温度が一様になる。
ファン22は、モータ24により駆動される。モータ24は、加熱炉16の一方の側壁26の外側に配置されており、モータ24の回転軸が側壁26を通って加熱炉16内に突出されている。モータ24の回転軸の先端部に、ファン22が取り付けられている。
また、加熱炉16内には、バーナ18の下方に、加熱炉16内を上下に仕切る仕切り板23が設けられている。図示実施形態では、仕切り板23は、ファン22が設置されている位置と同じ高さ、又は、若干下方であって、加熱炉16の4つの側壁のうち、側壁26と略直角に配置されている2つの側壁間に略水平に配設されている。仕切り板23の側壁26に垂直な方向の長さは、側壁26とその側壁26に相対する側壁27との間の長さより短い。すなわち、仕切り板23と側壁26及び仕切り板23と側壁27との間は離れている。ファン22の直径とほぼ等しい直径の円形の穴をあけた、垂直仕切り板が仕切り板23のファン22の側端部と加熱炉天井20間に配設されている。このような仕切り板23と垂直仕切り板25とを設けることで、バーナ18近傍の加熱ガスはファン22により吸引されやすく、かつ、加熱炉16内で円滑に循環することができる。
加熱炉16内には、ガラス繊維織物12が巻き付けられる筒状の巻芯14が配置可能となっている。巻芯14は、円筒部分30と円筒部分30の両端を夫々塞ぐ端板部分33、34とから構成されている。円筒部分30は、ガラス繊維織物12が巻き付けられる部分であり、その巻付け領域には多数の貫通孔(空隙)28が形成されている。巻芯14の数は、加熱炉16の大きさ等により所望の数を配置することが可能である。巻芯14を複数設置する場合は、例えば、図1の紙面に垂直な方向、すなわち、加熱炉16の奥行き方向に沿って、一次元的に巻芯14を配置すれば良い。
2枚の端板32、34のうち少なくとも一方の端板34には、巻芯14内のガスを排出するための排出口36が形成されている。
巻芯14は加熱炉16に対して脱着可能に取り付けられる。取付手段は種々考えられる。例えば、本実施形態では、巻芯14における2枚の端板32、34に支軸38を貫通させて、加熱炉16において相対した1対の側壁26,27に夫々設けられた係受部42、44に支軸38を嵌め合わせて取り付けている。尚、本実施形態では排出口36の位置は不動であるので、支軸38と巻芯14とは一体化され、支軸38は係受部42、44に回転不能に固定されている。
巻芯14内のガスはガス排出手段である真空ポンプ46により排出されるようになっている。真空ポンプ46は、加熱炉16の外部に設けられている。真空ポンプ46からの排出パイプ48が加熱炉16の側壁27を通って加熱炉16内における巻芯14の排出口36に接続されている。
上記の乾燥装置10を用いて、表面処理液の含浸したガラス繊維織物を乾燥する手順を示す。
加熱炉16内のバーナ18を点火し、加熱炉16内に設けられたファン22を回転させる。これにより、バーナ18近傍の加熱された高温空気、すなわち加熱ガスが炉16内で循環し、炉16内の温度が一様になる。
加熱炉16内の温度が所定の温度になったならば、ガラス繊維織物12の巻かれた巻芯14を炉16内に入れ、炉16を閉じる。巻芯14を入れる際には、加熱炉16の外部にある真空ポンプ46から加熱炉16内に延ばされている排出パイプを、巻芯14の端板34に設けられた排出口36に接続しておく。
このようにして加熱炉16内にガラス繊維織物12を配置すると、巻芯14に巻かれたガラス繊維織物12の周囲を循環している加熱ガスにより、ガラス繊維織物12に熱が伝わり、ガラス繊維織物12が加熱される。これにより、ガラス繊維織物12を構成しているガラス繊維に含浸した表面処理液の水等が蒸発する。
一方、真空ポンプ46を作動させ、巻芯14内のガスを排出すれば、巻芯14内が減圧される。このため、図4の実線及び点線の矢印が示すように、巻芯14に巻かれたガラス繊維織物12を構成しているガラス繊維の間を、加熱ガスが通過(図4の点線で示した矢印)し、貫通孔28から巻芯14内に引き込まれる。この加熱ガスは、ガラス繊維織物12を通過する際に、ガラス繊維織物12全体を加熱するとともにガラス繊維に含浸している処理液から熱により蒸発した水等の表面処理液の蒸発分を随伴して除去する。
水等の処理液中の蒸発分を伴った加熱ガスは巻芯14内に引き込まれ、真空ポンプ46により加熱炉16の外部に排出される。
上記のように、本実施形態に係る処理方法では、ガラス繊維織物12を巻芯に巻いたまま、表面処理液の含浸工程及び乾燥工程を行うので、ガラス繊維織物12が脱油後の摩擦や屈曲により受ける負荷を小さくし、表面処理することができる。
また、外部からの加熱のみでは、加熱により蒸発する水等が巻芯14近傍から巻芯14に巻かれたガラス繊維織物12の外層に向かって移動し、それに伴い表面処理液も巻芯14近傍から巻芯14に巻かれたガラス繊維織物12の外層に向かって移動し、乾燥後のガラス繊維織物12に付着するシランカップリング剤の量にムラが起きるが、本実施形態では加熱ガスと共に加熱により蒸発する水等も巻芯14内に引き込まれるため、加熱により蒸発する水等の外層に向かっての移動と巻芯14内に引き込まれるため起こる移動が釣り合い、シランカップリング剤は乾燥後のガラス繊維織物にムラなく付着する。
表面処理されたガラス繊維織物12は、乾燥炉16から取り出された後、室温まで冷却されて、完成したガラス繊維織物となる。その後、このガラス繊維織物を樹脂と結合させることにより、プリント配線基板等が製造される。
このようにして製造されたプリント配線基板は、ガラス繊維織物にムラなくシランカップリング剤が付着しており、また製造時に摩擦や屈曲を受けていないため、耐熱性や強度特性の優れたものとなっている。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。
例えば、上記実施形態では、巻芯14の円筒部分30に形成された空隙を貫通孔28としたが、円筒部分30をメッシュ形状の部材により構成しても良い。
また、上記実施形態では、巻芯の移動に巻き上げ装置を使用し、処理液に巻芯を浸漬しているが、処理槽内に高さの変更が可能な台を置き、巻芯を移動可能な台車に載せ、この台車ごと巻芯を台に載せて浸漬させるようにしても良い。
更に、上述した本発明の好適な実施形態では、乾燥炉16内を所定の温度に加熱した後に、処理液が含浸したガラス繊維織物12を巻いた巻芯14を乾燥炉16内に入れているが、特にその順に限るわけではない。例えば、先に、乾燥炉10内に処理液が含浸したガラス繊維織物12を巻いた巻芯14を設置しておき、その後、乾燥炉16を所定の温度に加熱するようにしても良い。
本発明を実現するための処理装置を概略的に示す断面図である。 本発明を実現するための処理装置を概略的に示す断面図である。 本発明を実現するための乾燥装置を概略的に示す断面図である。 図1、図2に示されている巻芯の縦断面図である。 ガラス繊維織物を概略的に示す部分斜視図である。
符号の説明
10 脱油装置
12 ガラス繊維織物
14 巻芯
16 乾燥炉
18 ガス式シングルラジアントチューブバーナ(加熱手段)
22 ファン(循環手段)
23 仕切り板
24 モータ
25 垂直仕切り板
28 貫通孔(空隙)
36 排出口
38 支軸
46 真空ポンプ(ガス排出手段)
48 排出パイプ
53 表面処理液
55 処理槽
62 モータ
64 ワイヤー
66 吊り下げ治具
68 フック
70 レール
72 移動装置
80 ホース
88 支持台

Claims (2)

  1. シランカップリング剤の水溶液及び/又は水分散液である表面処理液を調合し処理槽に貯蔵する工程と、
    前記表面処理液が貯蔵された処理槽内に、集束剤が除去されたガラス繊維織物が巻き付けられた両端が塞がれ胴部に複数の空隙が形成された筒状の巻芯を浸漬し、前記表面処理液をガラス繊維織物に含浸させる工程と、
    前記表面処理液の含浸したガラス繊維織物を巻芯に巻いた状態で、前記表面処理液中から取り出して、前記表面処理液の含浸したガラス繊維織物を巻いた巻芯を加熱炉内に配置する工程と、
    真空ポンプにより前記巻芯内のガスを排出させながら前記ガラス繊維織物の周囲の加熱ガスを前記ガラス繊維織物及び前記巻芯の空隙を通して前記巻芯内に流通させて、前記ガラス繊維織物全体を加熱するとともに前記ガラス繊維織物に含浸している前記表面処理液から蒸発した前記表面処理液の蒸発分を随伴して除去させて前記表面処理液が含浸したガラス繊維織物を乾燥させる工程と、
    を含むプリント配線基板用ガラス繊維織物の表面処理方法。
  2. 前記表面処理液をガラス繊維織物に含浸させる工程が、前記巻芯内のガスを排出させながら前記表面処理液を前記巻芯に巻き付けられたガラス繊維織物に含浸させる請求項1に記載のプリント配線基板用ガラス繊維織物の表面処理方法。
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